JP2009080084A - メルカプト基含有物質の検知材料およびそれを用いた検知装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 メチルメルカプタン、硫化水素等のメルカプト基含有物質に対して高い識別性を有し、且つ高感度で検知することのできるメルカプト基含有物質の検知装置を得ることを目的としている。
【解決手段】 プリズム1の一面に形成された蛍光物質を非プロトン性極性高分子を含む高分子膜により固定化した検知材料2と、検知材料2に励起用光3が照射されるように配置された光源4と、また、検知材料2に対向して配置された光検出素子5と、被測定ガス6を導入する被測定ガス導入管7と、検知材料2から放出される蛍光8を検知する光検出素子5の前面に設置された光学フィルタ9と、さらに、光検出素子5からの出力信号を処理する検出回路10と、検出回路10からの信号を処理するデータ処理装置11とで構成されている。メチルメルカプタン、硫化水素等のメルカプト基含有物質を効率よく検知できる。
【選択図】 図1
【解決手段】 プリズム1の一面に形成された蛍光物質を非プロトン性極性高分子を含む高分子膜により固定化した検知材料2と、検知材料2に励起用光3が照射されるように配置された光源4と、また、検知材料2に対向して配置された光検出素子5と、被測定ガス6を導入する被測定ガス導入管7と、検知材料2から放出される蛍光8を検知する光検出素子5の前面に設置された光学フィルタ9と、さらに、光検出素子5からの出力信号を処理する検出回路10と、検出回路10からの信号を処理するデータ処理装置11とで構成されている。メチルメルカプタン、硫化水素等のメルカプト基含有物質を効率よく検知できる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、悪臭成分であるメルカプト基含有物質を検知する検知材料およびその検知材料を用いた検知装置に関するものである。
トイレやキッチン等の悪臭成分の主要なものは、メチルメルカプタン(CH3−SH)、硫化水素(H−SH)等のメルカプト基(SH基)を有する物質であり、快適な住環境を維持するには、これら物質のガス濃度が数ppb〜数ppmの範囲で検知できる装置が必要とされている。
そこで、硫化水素やメルカプタン類を検知する検知装置として、酸化物半導体を感応層として用いるものが提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。また、オキシン金属錯体やポルフィリン金属錯体を蛍光物質として用いる検知装置も提案されている(例えば、特許文献2を参照。)。
しかしながら、特許文献1に記載された酸化物半導体を用いた従来の検知装置では、感度が低いため、人間の嗅覚のメルカプト基含有物質に対する限界濃度、例えば、メチルメルカプタンの濃度として0.7ppb程度を検知できず、また、酸化物半導体が芳香族揮発性有機化合物とも反応してしまうため、識別性が低いという課題がある。特許文献2に記載される従来の検知装置では、悪臭物質濃度が高くなるほど蛍光光度が減少するので、精度が十分に得られないという課題がある。
本発明は、上述のような問題点を解決するためになされたものであり、メチルメルカプタン、硫化水素等のメルカプト基含有物質に対して高い識別性を有し、且つ高感度で検知することのできるメルカプト基含有物質の検知装置を得ることを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明のメルカプト基含有物質の検知材料は、蛍光機能団を含む分子を有する物質であって、メルカプト基含有物質との反応により、蛍光量に増減を生じる物質を、高分子膜により固定化したことを特徴とするものである。この課題解決手段によれば、メチルメルカプタン、硫化水素等のメルカプト基含有物質を効率よく検知できる。
また、上記課題を解決するために、本発明のメルカプト基含有物質の検知装置は、メルカプト基含有物質の検知材料と、検知材料に励起用光を供給する光源と、検知材料より発せられる蛍光を検知する光検出素子と、光検出素子からの出力信号を処理する検出回路と、を備えたことを特徴とするものである。この課題解決手段によれば、メチルメルカプタン、硫化水素等のメルカプト基含有物質を効率よく検知できる検知装置を提供することができる。
本発明によれば、メチルメルカプタン、硫化水素等のメルカプト基含有物質に対して高い識別性を有し、且つ高感度で検知することのできるメルカプト基含有物質の検知装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態に係るメルカプト基含有物質の検知装置の構成と動作について、図を参照しながら説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係るメルカプト基含有物質の検知装置を示す概略断面図である。
図1に示すように、メルカプト基含有物質の検知装置は、プリズム1の一面に形成された蛍光機能団を含む分子を有する物質(以下、蛍光物質と称する)を非プロトン性極性高分子を含む高分子膜により固定化した検知材料2と、このプリズム1の他の面から、検知材料2に励起用光3が照射されるように配置された光源4と、また、検知材料2に対向して配置された光検出素子5と、検知材料2と光検出素子5間に設けられた被測定ガス6を導入する被測定ガス導入管7と、検知材料2から放出される蛍光8を検知する光検出素子5の前面に設置された光学フィルタ9と、さらに、光検出素子5からの出力信号を処理する検出回路10と、検出回路10からの信号を処理するデータ処理装置11とで構成されている。
図1は、本発明の実施の形態1に係るメルカプト基含有物質の検知装置を示す概略断面図である。
図1に示すように、メルカプト基含有物質の検知装置は、プリズム1の一面に形成された蛍光機能団を含む分子を有する物質(以下、蛍光物質と称する)を非プロトン性極性高分子を含む高分子膜により固定化した検知材料2と、このプリズム1の他の面から、検知材料2に励起用光3が照射されるように配置された光源4と、また、検知材料2に対向して配置された光検出素子5と、検知材料2と光検出素子5間に設けられた被測定ガス6を導入する被測定ガス導入管7と、検知材料2から放出される蛍光8を検知する光検出素子5の前面に設置された光学フィルタ9と、さらに、光検出素子5からの出力信号を処理する検出回路10と、検出回路10からの信号を処理するデータ処理装置11とで構成されている。
検知材料2は、蛍光物質として、蛍光機能団としてのクマリン機能団と、メルカプト基と反応するマレイミド基を有するクマリンフェニルマレイミド(具体的な化合物名は7−ジメチルアミノ−3−(4’−マレイミドジルフェニル)−4−メチルクマリンであり、以下、CPMと略す、式1)を、非プロトン性極性高分子であるポリ−2−メチル−2−オキサゾリン(以下PMEOZOと略す、式2)を用いて固体化膜を作製し、プリズム面上に固定化したものである。検知材料2の固体膜断面の模式図を図2に示す。PMEOZOの高分子膜内にCPMが取り込まれ固定されている。
まず、検知材料2を作製する方法の1例について述べる。PMEOZOを10mg量り採り、ジメチルアセトアミド(以下、DMAcと略す)を500μL加えて溶解する。CPMを1mg量り採り、これに加えてよく撹拌する。すると薄黄色の透明な溶液ができる。これを金属製のスパチュラで取り、平面部が1cm四方のプリズム上に塗布し、そのまま室温で乾燥させて検知材料とする。
本発明では、蛍光機能団を含む分子に蛍光性を消失させるマレイミド基を結合させた物質を検知材料として使用する。例として、この検知材料の一つであるCPMとメチルメルカプタンとの反応生成物が蛍光性を発揮するようになる原理を図3の化学反応式を用いて説明する。クマリン機能団は本来非常に良好な蛍光性を持つが、マレイミド基と結合しているためCPMは蛍光性を持たない。この理由は、励起用光により励起されたクマリンの励起電子が、緩和するときにクマリン機能団中で緩和せず、マレイミド基の二重結合に電子移動するためである。ところが、CPMのマレイミド基の二重結合にメチルメルカプタンのメルカプト基(SH基)が付加し、二重結合が喪失することにより、励起電子がクマリン機能団中で緩和するようになるために蛍光性を発揮する。本発明では、この原理をメルカプト基含有物質の検知に応用している。
次に、実施の形態1に係るメルカプト基含有物質の検知装置によるメルカプト基含有物質の検知方法について説明する。まず、被測定ガス6を、被測定ガス導入管7からプリズム1の表面に形成されている検知材料2に向かって流す。被測定ガス6中にメチルメルカプタン等のメルカプト基含有物質が含まれている場合には、メルカプト基含有物質とCPMとが反応し、その反応生成物は光源4から照射される励起用光3により励起されて蛍光8を発する。ここで発せられた蛍光8は、光学フィルタ9を透過して光検出素子5へ入射し、光検出素子5が、蛍光光度に応じた電気信号(電圧または電流)を出力する。光検出素子5から出力された電気信号は、検出回路10に送られ、ここで増幅処理された後、データ処理装置11に送られる。データ処理装置11の演算部では、送られてきた電気信号に基づいて、被処理ガス中のメルカプト基含有物質の濃度が算出される。
ここでのメルカプト基含有物質の濃度の算出方法としては、例えば、蛍光光度の増加分と被測定ガス中のメルカプト基含有物質の濃度との間に相関があることを利用して、メルカプト基含有物質の濃度と電圧又は電流の増加分との関係を示す検量線を予め作成しておき、送られてきた電気信号と検量線とを比較して求める方法等が挙げられる。なお、増加分とは、被測定ガス流入前の値と被測定ガスと反応後の値の差である。これは、いったん反応した蛍光性のCPMは、メチルメルカプタンなどの被検出物が被測定ガス中からなくなっても元の非蛍光性には戻らないために、検知のために反応に利用できる量はCPMの量よりも充分小さいものとし、上記のように増加分を用いて定量を行う必要がある。あるいは測定値の時間微分値を用いて演算してもよい。このような算出方法を採用する場合、データ処理装置11の演算部は、送られてきた電気信号を記憶する機能、検量線と比較する機能等を有していることが望ましい。
光源の波長としては、マレイミド基が直接または他の機能原子団を介して蛍光機能団を十分に励起させることが可能であればよく、蛍光機能団の励起波長に合わせて選択すればよい。CPMが蛍光物質の場合には380〜410nmの波長の光を励起用光として用いることができる。光学フィルタ9は、信号/雑音(S/N)比を向上させる目的で使用されるもので、必ずしも必要ではない。光源4としては、例えば発光ダイオード(LED)と、光検出素子5としては、フォトダイオード(PD)が使用できる。
光源4からの励起用光3の一部は、検知材料2の周囲から反射または散乱されて、光検出素子5に向かうが、光学フィルタ9により遮光(カット)されて光検出素子5には殆ど入射されない。光検出素子5は、一般的に波長依存性はあるものの光が入射すれば電気信号を出力してしまうため、本実施の形態のように反射・散乱光の光路に光学フィルタ9を配置することで、励起用光3の影響を抑えて検知材料2から発する蛍光8の強弱を感度良く検知することが可能となる。蛍光物質としてCPM、光源4として紫色発光ダイオードを用いる構成の場合、光学フィルタ9として紫外カットフィルタを、光検出素子5の前面に配置すればよい。なお、上記の光学フィルタ9は、色素膜を用いたり誘電体積層膜を用いたりすることにより実現されている。なお、発光ダイオードの種類によっては、1000nm程度の近赤外線を出すものもあるので、そのような発光ダイオードを光源4として用いる場合には、赤外線カットフィルタや近赤外線カットフィルタを、青色光カットフィルタに積層させるか、あるいは光源5と光検出素子5との間に適宜配置することが望ましい。
蛍光物質の蛍光を利用して、被測定ガス中の被検知物質の検知を行うためには、蛍光物質の固定化(固体に保持すること)に伴って、励起用光や蛍光が吸収されないこと、蛍光物質同士が相互作用しないこと、被検知物質が速やかに蛍光物質と接触すること、蛍光物質と被検知物質の反応を妨げないこと、という多くの条件を満たす必要がある。非プロトン性極性高分子を含む膜により蛍光物質を固定化する方法により得られた検知材料は、これらの条件を満たし、メルカプト基含有物質を効率良く検知することができる。
このように、本実施の形態1に係るメルカプト基含有物質の検知装置によれば、蛍光機能団を含む分子を有する物質(蛍光物質)を非プロトン性極性高分子を含む膜により固定化した検知材料により、蛍光物質とメルカプト基含有物質との反応生成物を光学的に励起したときの蛍光光度からメルカプト基含有物質の濃度を算出しているので、メルカプト基含有物質以外の物質の影響を殆ど受けずに高い精度でメルカプト基含有物質を検知することができるとういう顕著な効果を有する。
実施の形態2.
図4は、本発明の実施の形態2に係るメルカプト基含有物質の検知装置を示す概略断面図である。
図4に示すように、メルカプト基含有物質の検知装置は、基板12の表面に形成され、蛍光機能団を含む分子を有する物質(蛍光物質)を非プロトン性極性高分子を含む高分子膜により固定化した検知材料2と、この検知材料2の上面に励起用光3が照射されるように配置された光源4と、また、検知材料2の上面に対向して配置された光検出素子5と、検知材料2と光検出素子5間に設けられた被測定ガス6を導入する被測定ガス導入管7と、検知材料2から放出される蛍光8を検知する光検出素子5の前面に設置された光学フィルタ9と、さらに、光検出素子5からの出力信号を処理する検出回路10と、検出回路10からの信号を処理するデータ処理装置11とで構成されている。
図4は、本発明の実施の形態2に係るメルカプト基含有物質の検知装置を示す概略断面図である。
図4に示すように、メルカプト基含有物質の検知装置は、基板12の表面に形成され、蛍光機能団を含む分子を有する物質(蛍光物質)を非プロトン性極性高分子を含む高分子膜により固定化した検知材料2と、この検知材料2の上面に励起用光3が照射されるように配置された光源4と、また、検知材料2の上面に対向して配置された光検出素子5と、検知材料2と光検出素子5間に設けられた被測定ガス6を導入する被測定ガス導入管7と、検知材料2から放出される蛍光8を検知する光検出素子5の前面に設置された光学フィルタ9と、さらに、光検出素子5からの出力信号を処理する検出回路10と、検出回路10からの信号を処理するデータ処理装置11とで構成されている。
次に、実施の形態1に係るメルカプト基含有物質の検知装置によるメルカプト基含有物質の検知方法について図4を参照して説明する。まず、被測定ガス6を、被測定ガス導入管7から基板12の表面に形成されている検知材料2に向かって流す。被測定ガス6中にメチルメルカプタン等のメルカプト基含有物質が含まれている場合には、メルカプト基含有物質とCPMとが反応し、その反応生成物は光源4から照射される励起用光3により励起されて蛍光8を発する。ここで発せられた蛍光8は、光学フィルタ9を透過して光検出素子5へ入射し、光検出素子5が、蛍光光度に応じた電気信号(電圧または電流)を出力する。光検出素子5から出力された電気信号は、検出回路10に送られ、ここで増幅処理された後、データ処理装置11に送られる。データ処理装置11の演算部では、送られてきた電気信号に基づいて、被処理ガス中のメルカプト基含有物質の濃度が算出される。
このように、実施の形態2に係るメルカプト基含有物質の検知装置によれば、光源と光検出素子とが共に検知材料に対して被測定ガス通過部を介して同一方向の位置に設置されており、光源の配置が容易である。また、実施の形態1と同様、メルカプト基含有物質以外の物質の影響を殆ど受けずに高い感度でメルカプト基含有物質を検知することができるとういう顕著な効果を有する。
なお、本発明の実施の形態では、蛍光機能団としてクマリン機能団を含むCPMを例として説明したが、その他の蛍光機能団であってもよく、マレイミド基を導入することによって、同様の効果が期待できる。
本発明によるメルカプト基含有物質の検知装置は、冷蔵庫、冷暗室等の食料貯蔵における腐敗モニター、室内外の悪臭モニター、あるいはメルカプト基含有物質で着臭されたガスの漏れ検知器として好適に用いることができ、更には、悪臭発生時にのみ運転するといった空気清浄装置、エアコンや換気装置の運転制御に適用することもできる。
本発明の効果を実験により確認したので、以下にその内容を具体的に説明する。
<実施例1>
[サンプルガスの調製]
まず、サンプルガスを以下のように調製した。メルカプト基含有物質であるメルカプトエタノール(分子量78、比重1.114)をエタノールに体積比で0.1%になるように溶解させ、メルカプトエタノール溶液を調製した。次いで、フッ素樹脂製臭い捕集袋(10L)に、1μLのメルカプトエタノール溶液をマイクロシリンジで滴下した後、無臭エアを用いて約9Lに膨らませた。メルカプトエタノール溶液が全て揮発するのを待ち、無臭エアを加えて全体を10Lにした。温度は25℃とした。モル数=圧力×体積/(気体定数×絶対温度)であるので、ニオイ捕集袋中の気体の全モル数は、1×10/(0.0821×(273.15+25)=0.41モルである。一方、メルカプトエタノールのモル数は、0.001×0.001×1.114/78=1.4×10−8モルである。よって、このサンプルガス中のメルカプトエタノール濃度は、1.4×10−8/0.41×109=35ppbである。エアポンプにより、このサンプルガスと無臭エアとを適宜混合して、0、1、2、5、10、20及び35ppbの7つのサンプルガスを得た。
<実施例1>
[サンプルガスの調製]
まず、サンプルガスを以下のように調製した。メルカプト基含有物質であるメルカプトエタノール(分子量78、比重1.114)をエタノールに体積比で0.1%になるように溶解させ、メルカプトエタノール溶液を調製した。次いで、フッ素樹脂製臭い捕集袋(10L)に、1μLのメルカプトエタノール溶液をマイクロシリンジで滴下した後、無臭エアを用いて約9Lに膨らませた。メルカプトエタノール溶液が全て揮発するのを待ち、無臭エアを加えて全体を10Lにした。温度は25℃とした。モル数=圧力×体積/(気体定数×絶対温度)であるので、ニオイ捕集袋中の気体の全モル数は、1×10/(0.0821×(273.15+25)=0.41モルである。一方、メルカプトエタノールのモル数は、0.001×0.001×1.114/78=1.4×10−8モルである。よって、このサンプルガス中のメルカプトエタノール濃度は、1.4×10−8/0.41×109=35ppbである。エアポンプにより、このサンプルガスと無臭エアとを適宜混合して、0、1、2、5、10、20及び35ppbの7つのサンプルガスを得た。
[メルカプト基含有物質の検知装置を用いたメルカプト基含有物質の検知実験]
図1に示したものと同じ構成のメルカプト基含有物質の検知装置(光源:中心波長390nmの紫色光を照射できる紫色発光ダイオード)を用いて、上記で調製したサンプルガスの検知を行った。このときのメルカプトエタノール濃度と応答量(出力電圧)との関係を図5に示す。メルカプトエタノール濃度が0のときにも応答しているが、これは、光学フィルタを透過した励起光によるものと考えられる。光学フィルタが紫色光を完全には遮断しなかったためである。しかしながら、非常に希薄なメルカプトエタノールに対して、濃度と応答量との間に直線関係が得られた。すなわち、本発明によるメルカプト基含有物質の検知装置を用いることにより、サンプルガス中のメルカプト基含有物質濃度を高感度に検出することができた。エタノールに対しては全く応答しなかった。
図1に示したものと同じ構成のメルカプト基含有物質の検知装置(光源:中心波長390nmの紫色光を照射できる紫色発光ダイオード)を用いて、上記で調製したサンプルガスの検知を行った。このときのメルカプトエタノール濃度と応答量(出力電圧)との関係を図5に示す。メルカプトエタノール濃度が0のときにも応答しているが、これは、光学フィルタを透過した励起光によるものと考えられる。光学フィルタが紫色光を完全には遮断しなかったためである。しかしながら、非常に希薄なメルカプトエタノールに対して、濃度と応答量との間に直線関係が得られた。すなわち、本発明によるメルカプト基含有物質の検知装置を用いることにより、サンプルガス中のメルカプト基含有物質濃度を高感度に検出することができた。エタノールに対しては全く応答しなかった。
なお、本実施例1では、メルカプト基含有物質としてメルカプトエタノールを用いたが、4大生活悪臭物質の一つといわれる硫化水素(これはメルカプト基に水素が付加したもの)を用いても蛍光光度が増加したことから、硫化水素の検出も可能である。ここでは、硫化水素としては、硫化鉄(II)100mgに希塩酸を加え、発生した硫化水素を水上置換により捕集したものを使用した。
また、メチルメルカプタン(これはメルカプト基にメチル基が付加したもの)や他の物質でも同様の効果が得られると推定される。実際、腐敗した食品(生サンマ、焼きサンマ、生キャベツ、焼きキャベツ、生キュウリ、生牛肉、焼き牛肉、ご飯等)と同一の容器に入れても蛍光を発した。これらの腐敗した食品から、メチルメルカプタンや硫化水素が発生していたものと考えられる。
また、本実施例1では、蛍光物質として、クマリンフェニルマレイミド(CPM)を用いたが、ピレンマレイミドやポルフィリンマレイミドを用いても同様の効果が得られることを確認している。ポルフィリンマレイミドの場合には発光波長400〜450nmのLEDを用いればよい。ピレンマレイミドの場合には、励起波長としては340nm程度の紫外線が必要となるが、現在この波長域の発光ダイオードが開発されていないため、光源として、紫外線ランプを用いる必要がある。光学フィルタは、蛍光物質から発せられる蛍光を透過するものを用いる必要がある。
また、本実施例では、非プロトン性極性高分子としてPMEOZOを用いたが、式3に示す直鎖型ポリスルホキシドでも同様の効果が得られた。この場合、直鎖部分の長さが長いほど、感度は下がったが気中水分の影響は減少した。スルホキシドではなく3級ホルムアミドや3級アセトアミドでも同様の効果が得られた。3級ホルムアミド、スルホキシドを含む低分子溶媒である、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドの(誘電率、双極子モーメント(単位はデバイ))の組み合わせは以下のとおりである。(36.7、3.82)、(47、3.96)。一方、プロトン性極性のアルコール基をメチル基が挟む形のイソプロピルアルコールでは(18、1.58)、非プロトン性非極性のエーテル基をメチル基が挟む形のジエチルエーテルでは(4.3、1.06)である。これらの機能団を含む高分子であるポリアルコールやポリエーテルをCPMの固定化に用いた場合、メルカプトエタノールへの応答は全く観察できなかった。また、アセトンは非プロトン性極性溶媒であり、ケトン基をメチル基が挟む。先のパラメータの組み合わせは(21、2.9)である。この高分子であるポリケトンをCPMの固定化に用いた場合、PMEOZOの場合に比べて、応答量が約1/3になった。すなわち、固定化材料として使えるが望ましくはない。以上のことから、誘電率と双極子モーメントの組み合わせとして、それぞれ30以上、3.0以上が望ましい。
以上のように、非プロトン性極性高分子が、Xを複数の原子からなる機能団としたときに、繰り返し成分として−X−を含み、低分子H−X−Hの双極子モーメントが3.0デバイ以上であり、かつ、誘電率が30以上となるものを含むとき、その非プロトン性極性高分子は同様に効果がある。式4、式5、式6、式7に例を示す(n1、n2は整数)。式6、7に示すように、Xは複数種類(X1、X2、X3)含まれてもよいし、Xの含有率は任意でよい。式6に示すように、高分子は枝分かれしていてもよい。分子量としては水に溶解しない程度の長さがあればよい。より望ましくは、前記Xが、Yを複数の原子からなる機能団としたときに−CH2−Y−CH2−と表されること(例えば式9、式10)。Yは複数種類(Y1、Y2、Y3)含まれてもよいし、Yの含有率は任意でよい。より望ましくは、前記Yとして、S(=O)またはN−C(=O)R(RはHまたは機能団)またはCH−C≡Nとする非プロトン性極性高分子を用いてもよい(式10、式11、式12)。
また、非極性高分子であるポリスチレンをトルエンに溶解後、PMEOZOとCPMの混合溶液と混合した複合膜を用いたところ、応答量は約半分となったが、長期安定性は改良された。すなわち、気中水分の影響が減少した。よって、目的に合わせて(感度を優先するか安定性を優先するか)非プロトン性極性高分子単独使用か非極性高分子との複合使用とするかを決める必要がある。非極性高分子としてポリブタジエンも同様の効果が期待できる。高分子中のXの含有比率を減少させること、すなわち、分子中のポリエチレン鎖を長くすること)も同様な効果がある。例えば式2に対してXの含有比率を低くした高分子が式10である。
<実施例2>
図4に示したものと同じ構成のメルカプト基含有物質の検知装置を用いて、実施例1と同様の実験を行った。このときの応答量(出力電圧)は、実施例1の場合に比べて半分程度となった。また、メルカプトエタノールが無い場合のPD出力も大きくなった。これは固定化膜からの乱反射に基づくと考えられる。しかしながら、メルカプトエタノール濃度に対する応答直線性はよく、メルカプト基含有物質濃度を定量できることが分かった。
図4に示したものと同じ構成のメルカプト基含有物質の検知装置を用いて、実施例1と同様の実験を行った。このときの応答量(出力電圧)は、実施例1の場合に比べて半分程度となった。また、メルカプトエタノールが無い場合のPD出力も大きくなった。これは固定化膜からの乱反射に基づくと考えられる。しかしながら、メルカプトエタノール濃度に対する応答直線性はよく、メルカプト基含有物質濃度を定量できることが分かった。
2 検知材料
3 励起用光
4 光源
5 光検出素子
6 被測定ガス
8 蛍光
10 検出回路
3 励起用光
4 光源
5 光検出素子
6 被測定ガス
8 蛍光
10 検出回路
Claims (7)
- 蛍光機能団を含む分子を有する物質であって、メルカプト基含有物質との反応により、蛍光量に増減を生じる物質を、高分子膜により固定化したことを特徴とするメルカプト基含有物質の検知材料。
- 蛍光機能団を含む分子を有する物質がマレイミド基を有していることを特徴とする請求項1に記載のメルカプト基含有物質の検知材料。
- 高分子膜が非プロトン性極性高分子を含む高分子膜であり、Xを複数の原子からなる機能団としたときに繰り返し成分として−X−を含み、低分子H−X−Hの双極子モーメントが3.0デバイ以上であり、かつ、誘電率が30以上であることを特徴とする請求項1あるいは請求項2に記載のメルカプト基含有物質の検知材料。
- Xが、Yを複数の原子からなる機能団としたときに−CH2−Y−CH2−で表される成分を有することを特徴とする請求項3に記載のメルカプト基含有物質の検知材料。
- Yとして、S(=O)、N−C(=O)R(RはHまたは機能団)またはCH−C≡Nから選択されることを特徴とする請求項4に記載のメルカプト基含有物質の検知材料。
- 高分子膜が非プロトン性極性高分子と非極性高分子とを混合して調製したものであることを特徴とする請求項1から請求項5の何れかに記載のメルカプト基含有物質の検知材料。
- 請求項1から請求項6の何れかに記載のメルカプト基含有物質の検知材料と、
前記検知材料に励起用光を供給する光源と、
前記検知材料より発せられる蛍光を検知する光検出素子と、
前記光検出素子からの出力信号を処理する検出回路と、
を備えたことを特徴とするメルカプト基含有物質の検知装置。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP2007251420A JP2009080084A (ja) | 2007-09-27 | 2007-09-27 | メルカプト基含有物質の検知材料およびそれを用いた検知装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP2007251420A JP2009080084A (ja) | 2007-09-27 | 2007-09-27 | メルカプト基含有物質の検知材料およびそれを用いた検知装置 |
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ID=40654928
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| JP2007251420A Pending JP2009080084A (ja) | 2007-09-27 | 2007-09-27 | メルカプト基含有物質の検知材料およびそれを用いた検知装置 |
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Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN102721690A (zh) * | 2012-05-10 | 2012-10-10 | 山西大学 | 一种植物组织中h2s的化学染色方法 |
| JP2021525990A (ja) * | 2018-06-07 | 2021-09-27 | モービルアイ ヴィジョン テクノロジーズ リミテッド | 高解像度自動車用レンズとセンサ |
-
2007
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN102721690A (zh) * | 2012-05-10 | 2012-10-10 | 山西大学 | 一种植物组织中h2s的化学染色方法 |
| CN102721690B (zh) * | 2012-05-10 | 2013-11-20 | 山西大学 | 一种植物组织中h2s的化学染色方法 |
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