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JP2009068841A - 微小機械−電気構造(mems)用の振動変位計測装置 - Google Patents

微小機械−電気構造(mems)用の振動変位計測装置 Download PDF

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JP2009068841A
JP2009068841A JP2007234205A JP2007234205A JP2009068841A JP 2009068841 A JP2009068841 A JP 2009068841A JP 2007234205 A JP2007234205 A JP 2007234205A JP 2007234205 A JP2007234205 A JP 2007234205A JP 2009068841 A JP2009068841 A JP 2009068841A
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Teppei Konuki
哲平 小貫
Hiroki Kuwano
博喜 桑野
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Tohoku University NUC
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Tohoku University NUC
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Abstract

【課題】微小機械-電気構造から構成された振動型発電装置の開発や保守管理に用いるのに適した振動変位計測装置を提供する。
【解決手段】先端にレンズなどの集光機能が付加され、振動緩衝のため粘弾性材料が使用されている、最大群遅延差が1ナノ秒/メートル以下のマルチモードファイバーを用いた光ファイバーケーブルによるプローブ部1と、連続発振するレーザー光源2−1による光源部2と、フォトダイオードによる光電変換部3と、光干渉ビート信号を配送する光サーキュレータ10と、発電電圧又は発電電流値、及び振動変位情報を含む干渉ビート信号をディジタル信号に変換する信号収集部4と、電子計算機による解析部5と、記憶部6とを構成要素として有し、振動の瞬時変位量検出に光ホモダイン干渉計の原理を用いている。
【選択図】図1

Description

本発明は、環境に漂う振動ノイズが持つ機械的振動エネルギーを電気的エネルギーに変換して電力として活用する振動型発電装置の設計開発、検査及び保守管理に用いられる振動変位計測装置に関する。
小型で省電力なセンサー群からなる無線センサーネットワークの各ノードの動力源などとして、振動型発電装置の研究開発が進んでいる(例えば、非特許文献1参照)。公知技術となっている振動型発電装置は、外部環境から振動ノイズを集めて機械的エネルギーを得る振動子と、機械-電気結合素子による電気エネルギー変換器、及び整流・蓄電などの電気回路から構成されている。
電気エネルギー変換器には、コイルと磁石とを用いた電磁誘導効果、チタン酸ジルコン酸鉛などの圧電性材料を用いた圧電効果、あるいはエレクトレット材料を用いた静電誘導効果を用いた機械-電気結合素子が用いられている。
エネルギー源となる振動源は、人体や樹木などの生命体や、建造物、乗り物や運搬機器、あるいは空気や水を媒体とした音響振動が持つ機械的振動が挙げられる。
この電力生成の物理的機構として、素子外部の環境中振動と振動子の振動応答との間で機械的エネルギーが移動し、次いで振動子が持つ機械的エネルギーが機械-電気結合素子によって電気的エネルギーに変換され、整流・蓄電等の変換過程を経る事によって利用可能な電力が産み出される。
振動型発電装置の普及・適用範囲拡大のためには、公知・公用技術以上の高効率・高密度な電力生成能力の達成が求められている。そのため、前述のエネルギー変換の物理的機構から、環境中振動と振動子との間の機械的エネルギー結合効率の向上、および、機械-電気結合素子における振動子の機械的振動から電気的エネルギーへの変換効率の向上が根本的な課題である。なお、この振動子は単なる機械的振動子ではなく、機械的及び電気的な作用を持つ振動子であるため、本発明では特別に機械-電気振動子(略称、「ME振動子」)と呼称する。
環境中の振動ノイズは、振動源や振動波散乱源及び振動伝達媒体が時空間中で不変ではない為に、そのパワー密度スペクトルを見ると、一般に広範な分布を持っており、その各調和振動成分の位相も一定に定まっていない、ランダムな特性を持っている。そのような環境中の機械的振動とME振動子とを強く結合させる為には、ME振動子の固有振動数から離れた非共鳴帯域の振動成分とも相関を持たせるように非線形的な応答機構を加えたり、時々刻々変化する環境振動の変位を測定して、ME振動子の振動応答をそれに適応させる動的制御機構の付加、あるいは連成振動を用いてカバーされる振動数範囲を広げる、などが必要である。そのような機構が付加されたME振動子の振動応答は、環境振動と同様にランダムな非調和的振動応答を示すことになる。
携帯性や経済性から、振動型発電装置は小型軽量であることが求められ、それに伴いME振動子の寸法も、数cmから数mmあるいはそれ以下の寸法となる。また、通常、前述の環境中振動源のうち、電気的伝送損失を考慮して、実用上振幅が凡そ数mmから数10nm、振動数が凡そ1Hzから100kHzの間の振動をエネルギー源として用いる(例えば、非特許文献2参照)。ME振動子の機械的振動振幅も、その環境振動と同程度、あるいは電気エネルギーへの変換で機械的エネルギーが減少するため、環境振動より小さな振幅の振動応答を示す。
このようなME振動子の動作を計測するため、測定部位の識別の為100μm以下の空間分解能を持ち、振動数が凡そ10Hzから100kHz、変位振幅が凡そ100nmから100μmの範囲の振動を計測できる振動変位計が要求される。
また、ME振動子は、外環境からの保護や空洞の共鳴効果による機械的インピダンス整合を高める目的のために、容器中に収められて用いられる。容器から取り出されたME振動子や、実働箇所から移された振動型発電装置の発電・振動応答特性は、実働条件と異なってしまうため、発電・振動応答特性をその場で測定できる低侵襲性を持つ振動変位計測装置が要求されている。
また、前述のような容器内のME振動子の測定となる条件下でも、測定装置が周囲の振動に影響されないように振動を絶縁して設置できる設置方法も要求されている。
また、実働下にある振動型発電装置の保守管理のために、装置設置や測定データ解析などで、なるべく少ない労力で測定ができる振動変位計測器が要求されている。
光学的な方法による変位計測法は、機械的・電気的な作用を与える事が無いため、振動型発電装置の計測に適している。光学的な変位計測法には、三角測量方式、光ファイバー束を用いた反射光強度変化を測定する方式、そして光干渉計測の3方式が挙げられる。その中で、光干渉計測の方式で光ファイバープローブを用いた装置では、前述の各方式が抱える技術的問題の回避が可能であり、後述の理由から実働環境下での振動型発電装置の測定に最も適している。
光干渉計では、干渉ビート信号の位相に振動変位の情報を搬送させるため、外乱による信号光の強度変動に影響されない。また、周波数が異なる信号成分(一般にノイズ)の影響を受けない。測定に用いた光線の波長を尺度基準とした変位量の絶対的計測が出来るため、校正を不要として、測定毎の値のばらつきもなくす事が出来る。
光干渉計の公知例としては、光ホモダイン検波の方式(例えば、特許文献1参照)や、光ヘテロダイン検波の方法(例えば、特許文献2参照)が挙げられる。一般に光ホモダイン検波の方法では、少ない部品構成で簡単な光学部品の配置を用いる事ができ、干渉ビート信号からの変位値の導出も簡単である利点を持つが、変位の方向を判別できないという欠点を持つ。光ヘテロダイン検波の方法では、変位の方向も含めて導出が可能である利点はあるものの、光源に高い周波数安定性が求められ、更に光変調器を付加する必要があるため高価であり、複雑な光学構成や複雑な復調のための演算を用いる必要がある欠点を持つ。
光干渉計に光ファイバープローブを用いる事で、任意に非直線的な光路を確保して光干渉計測が可能となるため、容器内の狭い空間や遠隔な場所など、他の方法では測定が困難な場所の測定にも対応する事ができるようになる。この場合の公用例としては、走査型プローブ顕微鏡の探針位置制御に用いたりすることがある(例えば、特許文献3参照)。
S.P.Beeby, R.N.Torah, M.J.Tudor, P.Glynne-Jones, T.O’Donnell, C.R.Saha, S.Roy, "A Micro Electromagnetic Generator For Vibration Energy Harvesting", Journal of Micromechanics and MicroEngineering, 2007, 17, p.1257-1265 Shad Roundy, Paul k. Wright, Jan Rabaey, "a study of low level vibrations as A power source for wireless sensor nodes", Computer Communications, 2003, 6, p.1131-1144 特開平7−83608号公報 特開2003−90704号公報 特開平11−44693号公報
前記のように振動型発電装置の設計開発、検査及び保守管理に用いられる変位計測装置について、振動外乱による測定精度の劣化を防ぎ、操作時の労力を低減するためのハードウエア及びソフトウエアなど全体に渡る新規的・進歩的な技術改善が必要である。
従来技術の光ファイバープローブを用いた光干渉計測の方式では、静穏な環境下での測定を前提とした構成であり、積極的に振動ノイズを拾う振動型発電装置のME振動子の振動変位を測るためには、プローブの設置時に振動ノイズによる外乱を抑える対策の付加を行う事が課題となる。
また余分な容積を取ることが望ましくない振動型発電装置の容器内のME振動子の振動変位を測定する際に、マイクロメータのような微動機構を用いる事ができない状況でも、素手による操作等で測定部位の位置合わせや光軸角度合わせが行えるような操作の簡易化が課題となる。
また、ランダムに振動するME振動子の光干渉計測で得られた干渉ビート信号から、瞬時変位を算出する際の演算処理におけるパラメータ設定など、操作者の労力を減らす方法を付加することが課題となる。
また、光ホモダイン検波の方式を用いた場合、変位の方向に関する情報が得られない欠点を補う為、変位方向に関する情報を付加することが課題となる。
前述の課題を解決する手段である本発明の特徴を以下に挙げる。
本発明に係る振動変位計測装置は、微小機械-電気構造を用いた振動型発電装置を検査するための振動変位計測装置であって、先端にレンズなどの集光機能が付加され、振動緩衝のため粘弾性材料が使用されている、最大群遅延差が1ナノ秒/メートル以下のマルチモードファイバーを用いた光ファイバーケーブルによるプローブ部と、連続発振するレーザー光源による光源部と、フォトダイオードによる光電変換部と、光干渉ビート信号を配送する光サーキュレータと、発電電圧又は発電電流値、及び振動変位情報を含む干渉ビート信号をディジタル信号に変換する信号収集部と、電子計算機による解析部と、記憶部とを構成要素として有し、振動の瞬時変位量検出に光ホモダイン干渉計の原理を用いていることを、特徴とする。
振動変位計の計測原理には、光ホモダイン検波による干渉計測法を用いている。
密閉空間内のME振動子の機械的動作を計測する為に、振動型発電装置内での光路を低侵襲に確保できる外径1mm以下の光ファイバーケーブルによるプローブを用いている。また、このプローブとなるファイバー先端は、レンズのように光集束性を持つ機能が付加されている。また、振動子や外部の振動から振動的な絶縁の為に、前記光ファイバーケーブルの設置及び固定で使用する前記粘弾性材料として、高分子シリコン、ウレタン高分子、ブチルゴム、ポリイソプレン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ハネナイトゴムのいずれか一種又は複数の混合物を素材として用いていることが好ましい。
干渉計測用の光照射及び測定部位からの反射・散乱光の受光は、同一の光ファイバープローブを用いて行い、プローブから照射される光線の光軸に平行な方位の振動変位を測定する。本発明では、ME振動子に照射され、振動によって位相変調を受けた反射・散乱光と、変調を受けていない参照光との間の干渉による光ホモダイン検波によってME振動子の変位情報を位相に含む干渉ビート信号を得る。
光ファイバーは、各導波モード間の最大群遅延差が1×10−9秒/メートル以下のマルチモードファイバーを用いている。特に、2乗分布で近似できる屈折率分布を持つ屈折率分布(GI)型のマルチモードファイバーは、最大群遅延差が小さい為適している。群遅延差δτについては、真空中の光速c、コア屈折率n、比屈折率差Δから、段差型屈折率分布の光ファイバーで、δτ≒nΔ÷c、2乗分布屈折率分布の光ファイバーで、δτ≒nΔ÷2c の関係として近似的に求める事ができる。
光源部には、狭帯域で強度や偏光状態、周波数、及び位相の安定した連続発振のレーザー光源を用いる。波長をλとして可干渉距離Lと波長幅dとの関係は、L≒λ÷dの関係として近似的に求める事ができる。裸眼による光線照射位置の視認のため、λは400nmから720nmのものが望ましい。そして、充分な可干渉距離、数mmから数cmを確保する為、波長幅は0.05nm以下のものが望ましい。例えば、安定化He−Neレーザーや分布帰還型(DFB)レーザーダイオード、あるいは気体原子や分子の狭帯域吸収線を利用した、外部共振器制御による周波数安定化が付加されたレーザーなどが、当発明の光源部に用いられる。
光信号を電気的信号に変換する光電変換部には、広範な振動周波数、振動変位を計測できるように、1MHz以上の干渉ビート信号を検出できる高速応答性のフォトダイオードなどの光検出器を用いる。
光干渉計本体は、光サーキュレータによって構成される。本発明において、この光サーキュレータは、3ポート以上の光入出力端子をもち、サーキュレータとして機能するものであれば、偏光ビームスプリッタと波長板とを用いたものや、光ファイバーカプラと磁気光学効果素子とを用いたものなど、その方式・形態は問わない。
光電変換部によって電気的信号に変換された干渉ビート信号は、信号収集部によってディジタル信号に変換され、電子計算機による解析部に渡される。
解析部で行われる、ME振動子の瞬時変位導出のための信号処理アルゴリズムを説明する。干渉ビート信号は、雑音排除のための平滑処理を行った後、干渉ビート信号データの最大値及び最小値を規準とした規格化を行い、次いでHilbert変換による解析信号の算出、その解析信号からの瞬時位相φ(t)(rad)を算出する。解析信号から瞬時位相を算出する式は、
φ(t)=符号×tan−1(解析信号虚部÷解析信号実部) (1)式
として表される。ここで(1)式内の符号は、正又は負の符号であり、振動変位の方向に対応するものである。この符号は、光ホモダイン検波のみでは決定できないので、後述の方法によって正又は負の決定を行う。
(1)式で得られた位相は、-πからπ(rad)に畳み込まれているため、位相つなぎ合わせ処理を施し、連続した瞬時位相φ(t)(rad)を得る。(2)式による変換を経て、各サンプリング時間に対応した瞬時変位x(t)を求める。
x(t)=φ(t)×λ÷4π×cosθ (2)式
ここで、λは、測定に用いたレーザー光の波長である。θは、プローブから照射されたレーザー光線の光軸とME振動子上の測定面との間の角度であり、プローブの受光角より小さな値で、通常π/16(rad)以下である。
ここで得られた各信号データは、記憶部に、各サンプリング時間のデータと共に蓄積される。また、同時に産出された瞬時電力は、電圧値として信号収集部に送られ、ディジタル信号に変換され、瞬時変位量と共に記憶部に記憶される。
前述の基本アルゴリズムに次の改善を加える。非調和的振動を測定する場合に、特定期間の干渉ビート信号のデータ配列から位相歪みを伴わずに、適切な振動数帯域の信号からその位相を抽出するため、干渉ビート信号内のビート回数を計測するカウンター機能を付加させる。特定期間の規格化された干渉ビート信号の符号が変化した回数を、ビート回数として求める。バンドパスフィルター処理のカットオフ下限を、ビート回数÷データ配列数÷サンプリング時間、及び上限を、2÷サンプリング時間÷ビート回数、として自動的に割り当てて、周波数上限及び下限が定められた信号に対して、位相誤差の小さな解析信号が得られるHilbert変換を行う。
本発明に係る振動変位計測装置は、前記干渉ビート信号から前記瞬時変位を求める演算処理過程に、微分あるいは差分演算で近似されたHilbert変換を用いて解析信号を導出してもよい。すなわち、本発明では、Hilbert変換の近似演算として、干渉ビート信号データ配列の微分又は差分演算を用いてその解の配列を解析信号虚部として用いる手法を用いてもよい。
また、本発明に係る振動変位計測装置は、前記干渉ビート信号の位相符号を求める為に、前記干渉ビート信号とは別の経路で反射光強度を検出してその強度変化から前記位相符号を求める機構が付与されていてもよい。すなわち、振動変位の方向の情報も含めた解析を行う場合に、瞬時位相の符号の決定方法として、前述の反射光強度の変化から相対的変位応答を求める方法を応用して、干渉ビート信号とは別の経路でME振動子からの反射・散乱光を検出して、その強度変化から符号判定を行う方法を採用してもよい。本発明では、ME振動子が静止している初期状態の反射光強度を規準として、拡散的な照射光線が測定部位に照射されている場合に、規準より強度が弱い期間の変位はプローブから遠ざかる方向への変位であり、規準より強い期間では近づいていく方向の変位であると定義する。
また、もう一つの位相符号の決定方法として、本発明に係る振動変位計測装置は、前記干渉ビート信号の位相符号を求める為に、前記発電電圧信号または前記発電電流信号の符号を前記位相符号として用いてもよい。すなわち、同時に測定している整流前の発電出力の電圧値や電流値から、位相符号を求める方法を採用してもよい。機械−電気結合素子によって、ME振動子の振動変位速度と有効発電電圧または有効発電電流応答とは概ね同期して変動しており、有効発電電圧又は電流信号の符号、あるいはそれらの差分値の符号を振動変位の符号と対応させる事ができる。いずれの符号を用いるかは機械-電気結合素子の構成に依存するため、予め機械-電気結合特性を求めておき、構成毎に適切なものを用いる。この方法は、機械-電気結合が充分に強い場合に効果的である。
それら記憶部に蓄積された信号データは、付加機能として、パソコン等で利用できるデータ形式での各信号データの保存や、各信号値のグラフ表示などのインターフェースを介して用いられる。
本発明では、光干渉計測の原理を採用しており、そのため機械的・電磁的な影響を及ぼさずに振動子の瞬時変位の絶対計測を行う効果が得られる。
また、干渉ビート信号の位相に振動変位情報を搬送させるため、振幅雑音に強く、測定波長の半分以下の位置精度で瞬時変位値を測定できる効果が得られる。
また、光ファイバーケーブルを用いる事で、容器内に収められた振動子など直線的に光路を確保し難い場合でも、低侵襲に光路を確保して測定できる効果が得られる。群遅延差が10−9秒/メートルより小さなマルチモードファイバーを用いる事で、モード分散を抑え、干渉ビート信号の測定帯域を実用上充分広く確保でき、かつ測定部からの反射・散乱光を受光する際の接続損を減らして、干渉ビート信号のスループットを高くすることができる効果が得られる。
また、容器内の入り込んだ配置の振動子でも測定ができるように、ファイバーの曲げで生じる付加的な群遅延や曲げ損失に伴う信号レベルの低下に対する耐性も考慮して、充分な帯域余裕及び信号レベル余裕を持たせる効果も得られる。
また、マルチモードファイバーによる接続損軽減と、狭帯域レーザーを用いる事による10mm以上の可干渉距離とによって、測定部からの反射・散乱光の受光のための光軸角度合わせが簡単に行える効果が得られる。
また、プローブ先端部のレンズの光集束効果によって測定部位の空間分解能を高められ、振動子の振動と周囲の振動とを分離して測定できる効果が得られる。振動吸収性高分子を振動緩衝材として用いることで、閉空間内への光ファイバープローブの固定時の振動絶縁ができる効果が得られる。
また、本発明では、光ホモダイン検波による1系統の干渉ビート信号からディジタル信号処理によってソフトウエア的に解析信号を求めるため、構成部品数が少ない簡素なハードウエア構成とすることができる。それにより、測定時の操作や装置の維持管理の簡易性に優れる効果、及び装置の経済化を計る効果が得られる。
また、本発明では、前述のようにHilbert変換の近似演算として、干渉ビート信号データ配列の微分又は差分演算を用いて、その解の配列を解析信号虚部として用いる手法でも解析可能であるが、この近似演算によると、通常のHilbert変換演算よりも、低振動数の振動成分を含む際の解析において、不確定性原理に起因した位相誤差が生じ難くなり、また電子計算機の演算負担も少なくできる効果が得られる。
また、前述の手順で、ソフトウエアによって測定した干渉ビート信号から、自動的に瞬時変位を導出する事ができるアルゴリズムが採用できる為、信号解析における操作者の負担を減らす効果が得られる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。なお、いわゆる当業者は、特許請求の範囲内における本発明を変更・修正をして他の実施形態をなすことは容易であり、これらの変更・修正は、この特許請求の範囲に含まれるものであり、以下の説明は、この発明における最良の形態の例であって、この特許請求の範囲を限定するものではない。
図1は、本発明の実施の形態の振動変位計測装置の模式図である。本発明の実施の形態の振動変位計測装置は、光ファイバーケーブルによるプローブ部1と、光源部2と、光電変換部3と、信号収集部4と、解析部5と、記憶部6とを基本的な構成としている。
プローブ部を振動型発電装置19内に挿入して固定するための振動吸収性高分子材7を緩衝材として用いている。プローブ部1には偏光コントローラ8が取り付けられ、光源部2とプローブ部1との結合部は、光源部2への戻り光をカットするために光アイソレータ9が付属され、干渉計本体は光サーキュレータ10によって構成されている。
光源部2には、裸眼で視認可能な可視帯域の単一縦・横モードの周波数安定化レーザーから成るレーザー光源2−1を用いている。プローブ部1からのレーザー光出力パワーは、100μW以下に抑えており、ME振動子19−1への熱的な影響も極力抑えつつ、且つ必要な信号レベルを得ている。
光電変換部3−1には、アバランシェフォトダイオードを用いて、高速応答および低雑音な干渉ビート信号の検出を行う。本構成では、プローブ部1の先端のファイバー端面からの反射光を参照光として用いる。
干渉ビート信号の位相符号を求める為、干渉信号検出用とは別の光ファイバー11が2穴フェルールによってプローブ先端に取り付けられており、波長合波器12によって、プローブ部1の経路で干渉ビート信号とは異なる波長帯域の低干渉性の白色光源13による光を伝送及び照射し、その測定部からの反射・散乱光の強度変化信号を光ファイバー11によって受光及び伝送し、光電変換部3−3を介して電気信号として測定する。
また、光源部2の強度揺らぎを光路分岐14から取り出し、光電変換部3−2によって検出された光強度で差動計測することで、光電変換部3−1で計測される干渉ビート信号中の揺らぎを省いて低振動数域の測定帯域を拡張する。
光電変換部3−1に白色光源13の光が混入しないように光学濃度が大きい干渉光学フィルター15が配置され、光電変換部3−3に光源部2の光が混入せず且つ反射して迷光とならないように吸収性の光学カラーフィルター16を配置する。
信号収集部4及び解析部5には、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を用いたアナログ−デジタル変換器および電子計算機、あるいはアナログ−デジタル信号変換器を付加した一般的なパーソナルコンピュータが用いられる。記憶部6には、半導体記憶素子やハードディスクを単独あるいは複合して用いる。解析部5での信号処理は、前述のアルゴリズムに沿って行う。
発電電力信号伝送路17によって、振動変位と同時に産出された発電の電圧あるいは電流信号を伝送し測定する。必要に応じて、表示部18で測定結果を表示する。
以下に、本発明によって開発された振動変位計測装置を用いて振動型発電装置の診断を行った例を示す。
この時に用いた振動変位計測装置の基本構成は、図1に基づいている。ファイバーケーブルにはコア径62.5μm、開口数0.275、外径0.9mmの市販GI型光ファイバーケーブルを用い、光源には波長632.8nmで連続発振する安定化He−Neレーザーを用いた。振動吸収性高分子には厚さ5mmのウレタンエラストマー素材の板に溝を加工し、その溝に光ファイバーケーブルを埋め込んで固定した。この場合の容器内振動の計測実験から、プローブファイバーは曲率半径10mmの曲げ損でも変位測定が可能であった。プローブ先端にはマイクロレンズが取り付けられ、焦点距離10mm、スポットサイズ10μmに調整して用いた。可干渉距離は100mmであり、焦点近傍で信号対雑音比が8bit以上の良好な干渉ビート信号が検出された。測定位置合わせ及び光軸角度合わせは、精密ステージなどを用いずに素手で調整した。
振動型発電装置のME振動子は、シリコン製の片持ち梁構造で、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)膜が電極と共に片持ち梁の一側面に取り付けられている圧電効果による発電の振動型発電装置の開発、および、フッ素系高分子によるエレクトレット膜が電極と共に片持ち梁の一側面に取り付けられた静電効果による発電の振動型発電装置の開発に本発明を用いた。
発電試験として、加振ステージに振動型発電装置を取り付け、人工的に誘発された振動に対して平行な振動応答による発電試験を行った。励振の振動方向が一方向であるため、振動変位計測装置も1系統分準備した。ME振動子に対して焦点、光軸を調整してプローブを取り付け、その振動子の瞬時変位値と瞬時発電起電力値(1MΩの負荷)とを測定した。
図2は、本発明の一実施例による振動子の変位の測定結果である。圧電効果による機械-電気結合機構を用いた振動型発電装置において、ME振動子の固有振動数19.3kHzよりも低振動数の3.05kHzの調和振動で励振を行った時のME振動子の瞬時変位である。この波形が調和振動より歪んだ形状を示しており、非調和的なエネルギー分配過程を示唆している。
図3は、本発明の一実施例による起電力の測定結果である。機械-電気結合が生じ、電力が生成されていることが確認される。この整流前の瞬時起電力信号と負荷抵抗値とから、有効出力電力量の評価を行う事もできる。
図4は、本発明の一実施例による振動子の変位の測定結果である。静電誘導効果による機械-電気結合機構を用いた振動型発電装置において、ME振動子の固有振動数17.8kHzで励振を行った時のME振動子の瞬時変位である。
図5は、生産された瞬時起電力信号である。図4及び図5のように、波形歪みが見られ、ME振動子の機械系-電気系いずれか又は双方の損失や、非調和的エネルギー変換の過程を反映した出力波形が見られる。
本発明に係る振動変位計測装置は、振動型発電装置の開発時における動作評価、量産工程における品質検査及び、実働場所での使用時における保守管理時に用いる事ができる。その他、測定対象とプローブとの間の光路を直線的に取り難い配置のMEMS機器の動作計測に用いる事ができる。
本発明の実施の形態の振動変位計測装置を示すブロック図である。 図1に示す振動変位計測装置による、圧電効果による機械-電気結合機構を用いた振動型発電装置における振動子の変位の測定結果を示すグラフである。 図1に示す振動変位計測装置による、圧電効果による機械-電気結合機構を用いた振動型発電装置における発電起電力の測定結果を示すグラフである。 図1に示す振動変位計測装置による、静電誘導効果による機械-電気結合機構を用いた振動型発電装置における振動子の変位の測定結果を示すグラフである。 図1に示す振動変位計測装置による、静電誘導効果による機械-電気結合機構を用いた振動型発電装置における発電起電力の測定結果を示すグラフである。
符号の説明
1 プローブ部
2 光源部
2−1 レーザー光源
3 光電変換部
3−1 (干渉ビート信号用)光電変換部
3−2 (差動計測用)光電変換部
3−3 (位相符号判定用)光電変換部
4 信号収集部
5 解析部
6 記憶部
7 振動吸収性高分子材
8 偏光コントローラ
9 光アイソレータ
10 光サーキュレータ
11 (位相符号判定用)光ファイバー
12 波長合波器
13 白色光源
14 光路分岐
15 干渉光学フィルター
16 光学カラーフィルター
17 発電電力信号伝送路
18 表示部
19 振動型発電装置
19−1 ME振動子

Claims (5)

  1. 微小機械-電気構造を用いた振動型発電装置を検査するための振動変位計測装置であって、
    先端にレンズなどの集光機能が付加され、振動緩衝のため粘弾性材料が使用されている、最大群遅延差が1ナノ秒/メートル以下のマルチモードファイバーを用いた光ファイバーケーブルによるプローブ部と、
    連続発振するレーザー光源による光源部と、
    フォトダイオードによる光電変換部と、
    光干渉ビート信号を配送する光サーキュレータと、
    発電電圧又は発電電流値、及び振動変位情報を含む干渉ビート信号をディジタル信号に変換する信号収集部と、
    電子計算機による解析部と、
    記憶部とを構成要素として有し、
    振動の瞬時変位量検出に光ホモダイン干渉計の原理を用いていることを、
    特徴とする振動変位計測装置。
  2. 前記干渉ビート信号の位相符号を求める為に、前記干渉ビート信号とは別の経路で反射光強度を検出してその強度変化から前記位相符号を求める機構が付与されている事を特徴とする請求項1記載の振動変位計測装置。
  3. 前記干渉ビート信号の位相符号を求める為に、前記発電電圧信号または前記発電電流信号の符号を前記位相符号として用いる事を特徴とする請求項1記載の振動変位計測装置。
  4. 前記干渉ビート信号から前記瞬時変位を求める演算処理過程に、微分あるいは差分演算で近似されたHilbert変換を用いて解析信号を導出していることを特徴とする請求項1、2または3記載の振動変位計測装置。
  5. 前記光ファイバーケーブルの設置及び固定で使用する前記粘弾性材料として、高分子シリコン、ウレタン高分子、ブチルゴム、ポリイソプレン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ハネナイトゴムのいずれか一種又は複数の混合物を素材として用いていることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の振動変位計測装置。
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