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JP2009067029A - 樹脂付銅箔並びに樹脂付銅箔を用いた銅張積層板及び両面銅張積層板 - Google Patents

樹脂付銅箔並びに樹脂付銅箔を用いた銅張積層板及び両面銅張積層板 Download PDF

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JP2009067029A JP2007240969A JP2007240969A JP2009067029A JP 2009067029 A JP2009067029 A JP 2009067029A JP 2007240969 A JP2007240969 A JP 2007240969A JP 2007240969 A JP2007240969 A JP 2007240969A JP 2009067029 A JP2009067029 A JP 2009067029A
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Yoshinori Kaneo
義則 金尾
Tetsuro Sato
哲朗 佐藤
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Mitsui Kinzoku Co Ltd
Original Assignee
Mitsui Mining and Smelting Co Ltd
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Abstract

【課題】樹脂付銅箔をロール状で保管しても、樹脂層から銅箔層への有機溶剤の転写が無く、しかも、耐熱性、銅箔との接着性等の各特性に優れる樹脂付銅箔と、この樹脂付銅箔を用いた銅張積層板及び両面銅張積層板の提供を目的とする。
【解決手段】上記課題を解決するため、プリント基板用銅箔の少なくとも片面に接着性を有する半硬化樹脂層が形成された樹脂付銅箔において、前記樹脂層は、成分A(25℃における引張強度200MPa以上のポリアミドイミド樹脂)、成分B(25℃における引張強度100MPa以下のポリアミドイミド樹脂)、成分C(エポキシ樹脂)、成分D(エポキシ樹脂硬化剤)を含む樹脂組成物で形成したことを特徴とする樹脂付銅箔を採用する。
【選択図】なし

Description

本件発明は、樹脂付銅箔及びその樹脂付銅箔を用いた両面銅張積層板に関するものである。より詳しくは、耐熱性、接着性の各特性に優れる樹脂層を備える樹脂付銅箔、その樹脂付銅箔を用いて得られる優れた耐熱性及び機械的強度を備える銅張積層板及び両面銅張積層板に関する。
樹脂付銅箔は、プリント基板用銅箔の片面にエポキシ樹脂を主成分とする樹脂を塗布して、銅箔表面に半硬化樹脂層を形成したものである。この樹脂付銅箔の樹脂層は、その高い接着性と良好な絶縁性等の電気的特性とを有することから多層プリント配線板等に使用されている。
近年、電子機器において、電気信号の高速伝送が要求される傾向があり、電気信号の高速化に伴い、電気信号にノイズが生じることが問題となっている。この問題を解決するため、従来はプリント配線板上に実装されていたコンデンサー、コイル、抵抗といった受動素子を、プリント配線板内に埋め込んで、これら受動素子と信号回路との配線距離を短くすることで、電気的ノイズを低減する技術が採用されてきた。
例えば、プリント配線板にコンデンサーを埋め込む方法としては、プリント配線板の内層に配置する誘電体層を熱硬化性樹脂あるいは熱可塑性樹脂を使って形成することが、コスト等の点から一般的に採用されてきた。そして、更に高誘電率の誘電体層を形成しようとする場合には、上記樹脂中に誘電体フィラーを充填したものが使用されてきた。一方では、誘電体層の誘電率が低くても良い場合には、樹脂付銅箔の樹脂層そのものを誘電体層として使用することも試みられてきた。
また、誘電体となる樹脂層の両面に銅箔を備えた両面銅張積層板を用いて、この両面銅張積層板の銅箔層を加工する等して、多層プリント配線板の内層部に設置するキャパシタ層の形成部材として用いる場合もある。このときの両面銅張積層板の製造法は、いかなる樹脂層を採用するかにより、いくつかの製造法が採用できる。
例えば、第1の製造方法は、ポリイミドフィルムなどの耐熱性フィルムと銅箔とを、特許文献1に開示されている如き接着剤を用いて接着剤層を形成し、これを介して加熱、加圧して張り合わせる方法がある。第2の製造方法は、特許文献2にあるような、絶縁性樹脂層が二つの低線膨張性ポリイミド樹脂層の間に熱可塑性ポリイミド樹脂層を介在させてなることを特徴とする両面基板のように、熱可塑性ポリイミド等の耐熱性熱可塑性樹脂と銅箔とを加熱、加圧下で張り合わせる方法がある。そして、第3の方法は、樹脂付銅箔を用いる方法である。例えば、特許文献3には、金属箔の一方の面上に、ポリアミドイミド樹脂に固形分換算で1重量%〜30重量%のエポキシ樹脂が配合された樹脂層を備えた積層体同士が、樹脂層を内側にして積層されてなる金属箔積層体が開示されている。更に、当該金属箔の一方の面上にポリアミドイミド及び/又はポリイミド樹脂に、固形分換算で1重量%〜30重量%のエポキシ樹脂が配合された樹脂層を備えた2つの積層体が、それらの樹脂層の間に耐熱性フィルムを介して組み合わされてなる金属箔積層体も開示されている。
特開平5−206215号公報 特開平5−152699号公報 特許第3223894号公報
しかしながら、上述の第1の製造方法で両面銅張積層板を製造した場合には、その両面銅張積層板の利用範囲には、耐熱性フィルムと銅箔との張り合わせに使用する接着剤に起因した耐熱温度の制約が課せられるため、耐熱性フィルムが本来耐えられる温度領域での使用が不可能という問題がある。
また、上述の第2の製造方法で両面銅張積層板を製造する場合には、使用する耐熱性熱可塑性樹脂の軟化点が高く、高温での貼り合わせを必要とするため、製造条件の制約が大きく、他の製造方法と比べて、製造コストが相対的に高くなるという問題がある。
更に、第3の製造方法で両面銅張積層板を製造する場合には、特許文献3に開示されているように、比較的低温で樹脂の張り合わせが可能で、且つ、接着剤を介さないため、両面銅張積層板として高い耐熱性が得られる。ところが、この第3の製造方法で用いる樹脂組成物は、耐熱性樹脂層を形成する樹脂組成物に有機溶剤を含有させることによって可塑化し、融点及びガラス転移点以下の温度で熱接着可能なものとしている。従って、ロール状の長尺の銅箔等の金属箔の表面に、この樹脂組成物を連続的に塗布し、半硬化状態に乾燥させ樹脂層とし、その後ロール状に巻き取ったときに、ロール状態において樹脂と接する銅箔面に、樹脂から染み出した有機溶剤が転写して、金属箔表面の外観を劣化させたり、金属箔表面へのレジストの密着性低下、半田濡れ性の劣化等を引き起こす場合がある。
また、半硬化状態の当該樹脂層は、そこに残留する有機溶剤が極性溶剤であるため、保管雰囲気中の水分を吸収し吸湿しやすいため、銅張積層板及び銅張積層板を加工して得られるプリント配線板に求められる耐熱性、電気的特性及び機械的特性が得られない可能性がある。そこで、ロール状に巻き取った樹脂付銅箔の樹脂層から銅箔層への有機溶剤の転写を防ぐため、ロール状に巻き取る際に、樹脂付銅箔の樹脂層と銅箔層とが直接接触しないように、スペーサーフィルムを使用してきた。このような巻き取り方法を採用する限り、スペーサーフィルムを同時に使用するという余分な手間が発生し、製造コストの上昇、廃棄物の増加にも繋がる。
以上のことから、樹脂付銅箔をロール状で保管又は輸送しても、樹脂付銅箔の樹脂層から銅箔層への有機溶剤の転写が無く、しかも、耐熱性、銅箔との接着性の各特性に優れる樹脂層を備える樹脂付銅箔の提供が求められてきた。
そこで、本件発明者等は、鋭意研究を行った結果、以下の樹脂付銅箔及びこの樹脂付銅箔を用いた両面銅張積層板を採用することで上記課題を達成するに到った。
本件発明に係る樹脂付銅箔: 本件発明に係る樹脂付銅箔は、プリント基板用銅箔の少なくとも片面に接着性を有する半硬化樹脂層が形成された樹脂付銅箔において、
前記半硬化樹脂層は、以下に示す成分A〜成分Dを、下記含有量(但し、エポキシ樹脂硬化剤を除き、樹脂組成物を100重量部としたときの重量部として記載)の範囲で含む樹脂組成物で形成したことを特徴とする。なお、本明細書における「重量部」の記載は固形分換算量である。
成分A: 25℃における引張強度200MPa以上のポリアミドイミド樹脂 10重量部〜20重量部
成分B: 25℃における引張強度100MPa以下のポリアミドイミド樹脂 20重量部〜40重量部
成分C: エポキシ樹脂
成分D: エポキシ樹脂硬化剤
本件発明に係る樹脂付銅箔の樹脂層を構成する樹脂組成物において、前記成分C(エポキシ樹脂)は、樹脂組成物を100重量部としたとき、40重量部〜70重量部の範囲で
含有することが好ましい。
本件発明に係る樹脂付銅箔の樹脂層を構成する樹脂組成物において、前記成分D(エポキシ樹脂硬化剤)は、樹脂組成物に対して、エポキシ樹脂の硬化可能な程度のイミダゾール化合物を含有させることが好ましい。
本件発明に係る樹脂付銅箔の樹脂層は、前記樹脂組成物で形成した揮発分が1wt%未満の半硬化状態の樹脂層であることが好ましい。
本件発明に係る銅張積層板: 本件発明に係る銅張積層板は、上述のいずれかの樹脂付銅箔を用いて得られることを特徴とする。
本件発明に係る両面銅張積層板: 本件発明に係る両面銅張積層板は、上述の樹脂付銅箔の2枚を用いて、当該樹脂付銅箔の樹脂層同士を当接して重ね合わせ、加熱プレスして張り合わせて得られるものである。
本件発明に係る樹脂付銅箔では、引張強度が高い高強度のポリアミドイミド樹脂と、引張強度が低く流動性が高いポリアミドイミド樹脂及び接着性の高いエポキシ樹脂を組み合わせることによって、樹脂層に溶剤を残さなくても比較的低い温度での貼り合わせで高い接着性を示す樹脂層を形成するものである。この樹脂層は、接着性だけでなく耐熱性に優れ、また残留溶剤もほとんど無いことから、ロール状の樹脂付銅箔の製造歩留まりを高め、且つ、コスト低減を図ることができる。
本件発明の両面銅張積層板は、引張強度が高い高強度のポリアミドイミド樹脂と引張強度が低く流動性が高いポリアミドイミド樹脂及び接着性の高いエポキシ樹脂を組み合わせることで比較的低い温度での貼り合わせで形成することができる。加えて、配合樹脂のそれぞれの特徴から耐熱性を備え、更にエポキシ樹脂硬化剤としてのイミダゾール化合物が、適当量配合されていることで機械的強度に優れた両面銅張積層板を形成できる。これは、従来の熱可塑性耐熱樹脂を高温で張り合わせる方法や、有機溶剤を含有させることで熱可塑化し張り合わせる方法に比べ、製造をより簡便にする効果がある。このため、本件発明の両面銅張積層板はフレキシブル配線板やキャパシタ用途に広く利用され得るものである。
以下、本件発明に係る樹脂付銅箔並びにこの樹脂付銅箔を用いた銅張積層板及び両面銅張積層板の最良の実施の形態に関して説明する。
本件発明に係る樹脂付銅箔の形態: 本件発明に係る樹脂付銅箔は、プリント基板用銅箔の少なくとも片面に接着性を有する半硬化樹脂層を形成したものである。そして、この半硬化樹脂層を、以下に示す成分A〜成分Dを、下記含有量(但し、エポキシ樹脂硬化剤を除き、樹脂組成物を100重量部としたときの重量部として記載)の範囲で含む樹脂組成物で形成したことに特徴を有する。以下、成分ごとに説明する。
成分Aは、25℃における引張強度200MPa以上のポリアミドイミド樹脂である。ここで言う「引張強度200MPa以上のポリアミドイミド樹脂」とは、例えば、トリメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物及びビトリレンジイソシアネートをN−メチル−2−ピロリドン又は/及びN,N−ジメチルアセトアミド等の溶剤中で加熱することで得られる樹脂等である。ここで、上限値を記載していないがポリイミドアミド樹脂の引張強度を考慮すると、このポリアミドイミド樹脂の引張強度の上限は、500MPa程度である。
本件発明における成分A及び成分Bに係るポリアミドイミド樹脂の引張強度は、ポリアミドイミド樹脂溶液から、JIS K7113に定めるフィルム状の2号試験片(全長115mm、チャック間距離80±5mm、平行部長さ33±2mm、平行部幅6±0.4mm、フィルム厚1〜3mm)を用いて、引張試験機で測定した値である。
そして、本件発明に係る樹脂付銅箔の樹脂層を構成する樹脂組成物において、前記25℃における引張強度200MPa以上のポリアミドイミド樹脂は、樹脂組成物を100重量部としたとき、10重量部〜20重量部の範囲で含有することが好ましい。ここで、引張強度200MPa以上のポリアミドイミド樹脂が10重量部未満の場合には、硬化後の樹脂フィルムとしての引張強度が低くなり、樹脂フィルムの適正な強度を維持しにくい。一方、引張強度200MPa以上のポリアミドイミド樹脂が20重量部を超える場合には、樹脂付銅箔の樹脂層同士を張り合わせる際の接着性が低下し、両面銅張積層板としての要求特性を満足させることが難しくなる。
次に、成分Bは、25℃における引張強度100MPa以下のポリアミドイミド樹脂である。ここで言う「引張強度100MPa以下のポリアミドイミド樹脂」とは、例えば、トリメリット酸無水物、ジフェニルメタンジイソシアネート及びカルボキシル基末端アクリロニトリル−ブタジエンゴムをN−メチル−2−ピロリドン又は/及びN,N−ジメチルアセトアミド等の溶剤中で加熱することで得られるものである。
そして、本件発明に係る樹脂付銅箔の樹脂層を構成する樹脂組成物において、前記25℃における引張強度100MPa以下のポリアミドイミド樹脂は、樹脂組成物を100重量部としたとき、20重量部〜40重量部の範囲で含有することが好ましい。ここで、引張強度100MPa以下のポリアミドイミド樹脂が20重量部未満の場合には、樹脂付銅箔の樹脂層同士を張り合わせる際の接着性が低下し、両面銅張積層板としての要求特性を満足させることが難しくなる。一方、引張強度100MPa以下のポリアミドイミド樹脂が40重量部を超える場合には、硬化後の樹脂フィルムとしての引張強度が低くなり、樹脂フィルムの適正な強度を維持しにくい。なお、樹脂フィルムの適正強度を考慮すると、ポリアミドイミド樹脂は、少なくとも30MPa以上の引張強度を備えるものを採用することが好ましい。
成分Cは、エポキシ樹脂である。ここで言うエポキシ樹脂とは、種々の公知のエポキシ樹脂を用いることができる。例えば、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、又はこれらの水素添加体やハロゲン化体等の使用が可能で、これらを単独若しくは混合して用いることができる。
そして、本件発明に係る樹脂付銅箔の樹脂層を構成する樹脂組成物において、前記エポキシ樹脂は、樹脂組成物を100重量部としたとき(但し、エポキシ樹脂硬化剤を除き、樹脂組成物を100重量部としたときの重量部として記載)、40重量部〜70重量部の範囲で含有することが好ましい。ここで、エポキシ樹脂が40重量部未満の場合には、樹脂付銅箔の樹脂層同士を張り合わせる際の接着性が低下し、両面銅張積層板としての要求特性を満足させることが難しくなる。一方、エポキシ樹脂が70重量部を超える場合には、硬化後樹脂フィルムとしての引張強度が低く脆くなり、樹脂フィルムの適正な強度を維持しにくい。
以上に述べてきたように、本件発明に係る樹脂付銅箔は、樹脂層を構成する樹脂組成物に特徴を有している。そして、その樹脂組成物は、引張強度が異なる2種類のポリアミドイミド樹脂及びエポキシ樹脂を上記割合の範囲で用いる。その結果、樹脂付銅箔の硬化後の樹脂フィルムの強度と、樹脂付銅箔の樹脂層同士を張り合わせる際の接着強度、それぞれの特性を良好なバランスで保つ樹脂付銅箔とできる。従って、それぞれの樹脂の配合バランスが極めて重要となる。
即ち、本件発明に係る樹脂付銅箔は、その樹脂層を「引張強度200MPa以上のポリアミドイミド樹脂10重量部〜20重量部」、「引張強度100MPa以下のポリアミドイミド樹脂20重量部〜40重量部」及び「エポキシ樹脂40重量部〜70重量部」を含む樹脂組成物で形成することが好ましい。この範囲の配合であれば、当該樹脂組成物を、銅箔表面に塗布するための樹脂ワニスとする際にも、有機溶剤の使用量が少量で済み、ロール状に巻き取った樹脂付銅箔の樹脂層から銅箔層への有機溶剤の転写を効果的に防止でき、耐吸湿特性に優れた半硬化樹脂層の形成が可能で、トータル品質に優れた樹脂付銅箔の提供を可能にする。これらの特徴を、より安定して得るためには、以下の配合の樹脂組成物を用いることが好ましい。
より好ましくは、引張強度200MPa以上のポリアミドイミド樹脂12重量部〜20重量部、引張強度100MPa以下のポリアミドイミド樹脂20重量部〜30重量部及びエポキシ樹脂50重量部〜70重量部からなる樹脂層が形成されている樹脂付銅箔である。
更に好ましくは、引張強度200MPa以上のポリアミドイミド樹脂12重量部〜18重量部、引張強度100MPa以下のポリアミドイミド樹脂20重量部〜26重量部及びエポキシ樹脂55重量部〜70重量部からなる樹脂層が形成されている樹脂付銅箔である。
更に、本件発明に係る樹脂付銅箔の樹脂層を構成する樹脂組成物において、前記成分Dとして、樹脂組成物に対して、エポキシ樹脂の硬化可能な程度のイミダゾール化合物を含有させることが好ましい。エポキシ樹脂硬化剤として、イミダゾール化合物を用いることで、半硬化状態の樹脂層の耐吸湿特性を大幅に改善できる。ここで言うイミダゾール化合物は、公知のものを用いることができ、例えば、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールなどが挙げられ、これらを単独若しくは混合して用いることができる。
なお、添加すべき硬化剤の量は、エポキシ樹脂の量、工程で要求する硬化速度等に応じて必然的に定まるものである。敢えて硬化剤としてのイミダゾール化合物の添加量を記載すると、樹脂組成物100重量部としたとき(但し、この場合は、成分A〜成分D全ての樹脂組成物を100重量部としたときの重量部として記載)、当該樹脂組成物中に0.01重量部〜2重量部の範囲で配合して用いる。そして、イミダゾール化合物の配合量は、0.02重量部〜1.5重量部がより好ましく、更に好ましくは、0.03重量部〜1.0重量部である。このイミダゾール化合物の配合量が0.01重量部未満の場合には、上記エポキシ樹脂の含有量を考慮すると硬化が不十分となり、樹脂付銅箔の樹脂層同士を張り合わせる際の接着強度が低下する。一方、イミダゾール化合物の配合量が2重量部を超える場合には、エポキシ樹脂の硬化反応が速くなり、硬化後の樹脂層が脆くなり、硬化樹脂フィルムの強度、樹脂付銅箔の樹脂層同士を張り合わせる際の接着性が低下する。
本件発明に係る樹脂付銅箔の樹脂層は、前記樹脂組成物で形成した揮発分が1wt%未満の半硬化状態の樹脂層であることが好ましい。この半硬化状態の樹脂層の揮発分が1wt%以上となると、銅箔に樹脂を塗布して乾燥した後、ロール状に巻き取ったときに、樹脂と接している銅箔面に、樹脂に含まれた有機溶剤が転写する可能性が高くなる。あるいは、使用される有機溶剤が極性溶剤であることから、雰囲気中の水分を吸湿し、樹脂層の物性の劣化原因となる可能性もある。なお、樹脂層の揮発分は、乾燥に伴う樹脂層の重量の減少量を測定し、その比率を算出して得られる値である。
本件発明に係る両面銅張積層板の形態: 本件発明に係る両面銅張積層板は、例えば、以下の製造方法を経て製造されるものである。
まず、上述の樹脂組成物を銅箔の表面に塗布するための樹脂ワニスを調整する。この樹脂ワニスは、上述の樹脂組成物を有機溶剤と併せて混合することにより得られる。このときに用いる有機溶剤は、上記樹脂成分の溶剤への溶解性を考慮すると、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等の極性溶剤を用いることが望ましい。特に、引張強度200MPa以上のポリアミドイミド樹脂は、一般の溶剤として用いられる2−ブタノン等のケトン溶剤やトルエン等の芳香族炭化水素溶剤、1−メトキシ−2−プロパノール等のグリコールエーテル系溶剤への溶解性は非常に低いため、これらを用いるのは難しく、上述の極性溶剤の使用が好ましい。
そして、この溶剤を用いて樹脂ワニスとする場合の樹脂固形分量は、5wt%〜50wt%の範囲であることが好ましい。樹脂固形分量が5wt%未満の場合には、銅箔表面に塗布して、乾燥させたときに、揮発分が1wt%未満の半硬化状態の樹脂層が得られなくなる。一方、樹脂固形分量が50wt%を超える場合には、樹脂ワニスとしての流動性が損なわれ、銅箔表面に塗布しても、膜厚の均一性に優れた良好な樹脂膜を得にくくなる。
そして、ここで使用する銅箔は、厚さ2μm〜50μmの電解銅箔又は圧延銅箔を用いることが出来る。そして、その銅箔の接着面には、半硬化樹脂層との密着性を向上させるための、粗化処理、防錆処理、シランカップリング剤処理等の接着に適するような表面処理を施すことも好ましい。なお、厚さ5μm以下の銅箔を用いる場合には、キャリア箔と電解銅箔とが一時的に張り合わされたキャリア箔付電解銅箔を用いることが好ましい。このキャリア箔付電解銅箔を使用する場合には、2枚の電解銅箔層の表面に半硬化樹脂層を形成したキャリア箔付電解銅箔準備し、これらの樹脂面同士を当接させ、張り合わせた後に、キャリア箔を除去することで、両面銅張積層板が得られる。
そして、当該樹脂ワニスを銅箔表面に塗布する方法としては、公知の手法を広く採用することができる。ロール状の銅箔上に連続して樹脂ワニスを塗布するには、コンマコーター、リップコーター、ナイフコーター、グラビアコーター等の装置の使用が可能である。そして、前記樹脂ワニスの塗布厚さは、3μm〜300μmの範囲が好ましく、より好ましくは5μm〜100μmである。また、樹脂ワニスの塗布及び乾燥という一連の操作を、複数回繰り返して重ね塗りすることで、樹脂層厚さを調節することも可能である。係る場合は、異なる組成の樹脂組成物で調製した複数の樹脂ワニスを用いて塗布することも可能である。そして、銅箔に塗布した樹脂ワニスの乾燥は、公知の方法を採用して行うことができる。例えば、熱風循環乾燥炉を用いて、その炉内温度を100℃〜200℃の温度を採用する等である。
以上のようにして得た本件発明に係る樹脂付銅箔の半硬化状態の樹脂層は、そこに含有する揮発分が1wt%未満となる。従って、上述したと同様に、銅箔に樹脂を塗布して乾燥した後、これをロール状に巻き取ったときに、樹脂層と接する銅箔面に、樹脂に含まれた有機溶剤の付着を防ぐことができる。
そして、本件発明に係る樹脂付銅箔を用いて銅張積層板を得る。即ち、絶縁性の基材や、予め回路が形成された内層材等と組み合わせて、プレス成形、ロールラミネート等の公知の方法により加熱、加圧することにより、樹脂層を硬化させて銅張積層板を得る。
また、本件発明に係る樹脂付銅箔を用いて、両面銅張積層板を製造する。この両面銅張積層板の好ましい実施態様における製造方法の特徴は、プリプレグ、樹脂フィルム等の他の材料を用いること無く、2枚の前記樹脂付銅箔を用いて両面銅張積層板とする点にある。即ち、2枚の樹脂付銅箔の樹脂層同士を当接して重ね合わせ、加熱プレスして張り合わせて両面銅張積層板を得るのである。
2枚の樹脂付銅箔の樹脂層同士を当接して重ね合わせるためには、いくつかの手法を採用することが出来る。例えば、樹脂付銅箔をカッティングしてワークサイズのシートにしたものを2枚用意して、これをプレス板の間に挟持して、樹脂付銅箔の樹脂層同士を当接して重ね合わせる方法がある。この場合には、プレス板を150℃〜200℃に加熱して、2枚の樹脂付銅箔を張り合わせて、両面銅張積層板が得られる。また、2枚の樹脂付銅箔の樹脂面同士を重ね合わせた状態で、これを接触対向配置した一対の加熱ロール間に挟んで通過させることで、両面銅張積層板が得られる。この方法は、2本の樹脂付銅箔ロールを用い、連続ラミネート法としての実用化が容易である。
以下、実施例及び比較例を示して本件発明を具体的に説明する。なお、本件発明は以下の実施例に限定して解釈されるものではない。
最初に、成分A及び成分Bに該当するポリアミドイミド樹脂の調製に関して述べる。
ポリアミドイミド樹脂(成分A)の調製: 成分Aは、トリメット酸無水物17.29g(0.09mol)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物3.22g(0.01mol)及びビトリレンジイソシアネート26.43g(0.1mol)を溶媒であるN,N−ジメチルアセトアミド200gに加え、撹拌しながら約1時間かけて160℃に昇温し、その後、160℃で約5時間撹拌して反応させて調製した。この成分Aの引張強度は225MPaであった。
ポリアミドイミド樹脂B(成分B)の調製: 成分Bは、反応容器中のN,N−ジメチルアセドアミド溶剤中に、トリメリット酸無水物(TMA)と、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)と、カルボキシル基末端アクリロニトリル−ブタジエンゴム(宇部興産株式会社製 HYCAR−CTBN1300×13:アクリロニトリル27%、分子量3500)とを加えて、120℃で約1時間反応させた後、160℃に昇温して5時間反応させて調製した。この成分Bの引張強度は49MPaであった。
樹脂組成物及び樹脂ワニスの調製: 成分Aを20重量部、成分Bを40重量部、成分CとしてのビスフェノールA型のエポキシ樹脂(東都化成株式会社製 YD128)を40重量部、成分Dとしての2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールを0.5重量部の各成分を配合した樹脂組成物を調製した。そして、当該樹脂組成物に有機溶剤であるN,N−ジメチルアセトアミドを加えて、樹脂固形分20wt%の樹脂ワニスを調製した。
樹脂付銅箔の製造: そして、この樹脂ワニスを厚さ18μmの電解銅箔(三井金属株式会社製 3EC−III箔)の粗化処理及び防錆処理を施した張り合わせ面に、バーコーターを用いて、前記樹脂ワニスを塗布した。次に、160℃に設定した熱風乾燥機中で2分間乾燥させ、半硬化の樹脂層を備える樹脂付銅箔を得た。このときの樹脂層の揮発分は、0.3wt%であり、樹脂厚さは15μmであった。
両面銅張積層板の製造: 以上のようにして得られた2枚の樹脂付銅箔の樹脂面同士を互いに対向させて重ね合わせ、ホットプレスを用いて180℃、30kgf/mmのプレス条件で、1時間加熱加圧することにより前記樹脂層を硬化させ、樹脂付銅箔の樹脂層同士を張り合わせて、両面銅張積層板を作製した。
両面銅張積層板の性能評価: 以下、ここで得られた両面銅張積層板を用いて、剥離強度、半田耐熱性を評価した。また、両面の銅箔をエッチング除去して得られる樹脂フィルムについて引張強度と破断伸びを測定した。この結果に関しては、他の実施例及び比較例の結果と共に表1に示す。
実施例1では、両面銅張積層板の銅箔と樹脂層との接着性若しくは樹脂層間の接着性を対比するために、剥離強度を測定した。剥離強度は、両面銅張積層板を、幅10mmに切断し、引張速度50mm/分で90度剥離を行い、剥離強度を測定した。この結果、銅箔面と樹脂層(樹脂フィルム)との間で剥離が生じたので、実施例1の剥離強度は、銅箔面と樹脂層(樹脂フィルム)との間の剥離強度を示す。なお、本実施例は両面銅張積層板の例であるが、本発明に係る樹脂付銅箔の場合も同様の方法で測定できる。
半田耐熱性は、両面銅張積層板の小片(2.5cm×2.5cm)を、260℃の半田浴に浮かべ、ブリスターが発生するまでの所要時間を測定した。
引張強度は、樹脂フィルムを幅10mm、長さ100mmの短冊に切断した試験片を、25℃下で、10mm/分の速度で引張り、試験片が破断したときの強度を測定した。破断伸びは、前記引張強度の測定において、試験片が破断したときの試験片の伸びを測定し、伸び率を算出した。
樹脂組成物及び樹脂ワニスの調製: 実施例2では、成分Aとして、市販のポリアミドイミド(東洋紡績株式会社製 バイロマックスHR16NN、引張強度420MPa)を20重量部、実施例1で用いた成分Bを20重量部、成分Cとしてエポキシ樹脂(東都化成株式会社製 YDPN638、フェノールノボラック型)を60重量部、成分Dとして2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールを0.2重量部の各成分を配合した樹脂組成物を調製した。そして、この樹脂組成物にN,N−ジメチルアセトアミドを加えて、樹脂固形分20wt%の樹脂ワニスを調製した。
樹脂付銅箔の製造: 実施例1と同様の電解銅箔の張り合わせ面側に、バーコーターを用いて、前記樹脂ワニスを塗布した。次に、160℃に設定した熱風乾燥機中で10分間乾燥させ、樹脂付銅箔を得た。このときの樹脂層の揮発分は、0.9wt%であり、樹脂厚さは15μmであった。
以下、実施例1と同様に、2枚の樹脂付銅箔の樹脂層同士を張り合わせて、両面銅張積層板を製造し、両面銅張積層板の性能評価を行った。この結果に関しては、他の実施例及び比較例の結果と共に表1に示す。なお、剥離強度の結果は、銅箔面と樹脂層(樹脂フィルム)との間で剥離が生じたので、実施例2の剥離強度は、銅箔面と樹脂層(樹脂フィルム)との間の剥離強度を示す。
樹脂組成物及び樹脂ワニスの調製: 実施例3では、成分Aとして市販のポリアミドイミド(東洋紡績株式会社製 バイロマックスHR16NN、引張強度420MPa)を10重量部、実施例1で用いた成分Bを30重量部、成分Cとしてエポキシ樹脂(東都化成株式会社製 YDPN638、フェノールノボラック型)を60重量部、成分Dとして2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールを0.2重量部の各成分を配合した樹脂組成物を調製した。そして、この樹脂組成物に有機溶剤としてN,N−ジメチルアセトアミドを加えて、樹脂固形分20wt%の樹脂ワニスを調製した。
樹脂付銅箔の製造: そして、実施例1と同様の電解銅箔の張り合わせ面側に、バーコーターを用いて、前記樹脂ワニスを塗布した。次に、160℃に設定した熱風乾燥機中で10分間乾燥させ、樹脂付銅箔を得た。このときの樹脂層の揮発分は0.7wt%であり、樹脂厚さは15μmであった。
以下、実施例1と同様に、2枚の樹脂付銅箔の樹脂層同士を張り合わせて両面銅張積層板を製造し、両面銅張積層板の性能評価を行った。この結果に関しては、他の実施例及び比較例の結果と共に表1に示す。なお、剥離強度の結果は、銅箔面と樹脂層(樹脂フィルム)との間で剥離が生じたので、実施例3の剥離強度は、銅箔面と樹脂層(樹脂フィルム)との間の剥離強度を示す。
比較例
[比較例1]
比較例1は、引張強度が高いポリアミドイミド樹脂と低いポリアミドイミド樹脂の配合割合が、本件発明で規定した範囲を外れるようにした例である。成分Aを24部、成分Bを36部、成分Cのエポキシ樹脂(東都化成株式会社製 YD128、ビスフェノールA型)を40部、成分Dとして2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールを0.5部の各成分を配合した樹脂組成物を調製した。そして、この樹脂組成物に有機溶剤としてN,N−ジメチルアセトアミドを加えて、樹脂固形分20%の樹脂ワニスを調製した。
樹脂付銅箔の製造: そして、実施例1と同様の電解銅箔の張り合わせ面側に、樹脂膜としての厚さが100μmになるように、バーコーターを用いて塗布した。次に、160℃に設定した熱風乾燥機中で2分間乾燥させ、樹脂付銅箔を得た。このときの樹脂層の揮発分は、0.2wt%であった。
以下、実施例1と同様に、2枚の樹脂付銅箔の樹脂層同士を張り合わせて両面銅張積層板を製造し、両面銅張積層板の性能評価を行った。この結果に関しては、他の実施例及び比較例の結果と共に表1に示す。なお、剥離強度の結果については、比較例1の両面銅張積層板は、2枚の樹脂付銅箔の樹脂層間で剥離が生じたので、比較例1の剥離強度は、樹脂層間の剥離強度を示す。
[比較例2]
比較例2は、引張強度が高いポリアミドイミド樹脂と低いポリアミドイミド樹脂との組み合わせを行わず、本件発明で規定した範囲を外れるようにした例である。成分Aとして市販のポリアミドイミド(東洋紡績株式会社製 バイロマックスHR11NN、引張強度150MPa)を60重量部、成分Cとしてエポキシ樹脂(東都化成株式会社製 YD128、ビスフェノールA型)を40重量部、成分Dとして2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールを0.3重量部の各成分を配合した樹脂組成物(成分Bを除外した組成)を調製した。そして、この樹脂組成物に有機溶剤としてN,N−ジメチルアセトアミドを加えて、樹脂固形分20wt%の樹脂ワニスを調製した。
樹脂付銅箔の製造: そして、実施例1と同様の電解銅箔の張り合わせ面側に、バーコーターを用いて、前記樹脂ワニスを塗布した。次に、160℃に設定した熱風乾燥機中で10分間乾燥させ、樹脂付銅箔を得た。このときの樹脂層の揮発分は0.2wt%であり、樹脂厚さは15μmであった。
以下、実施例1と同様に、2枚の樹脂付銅箔の樹脂層同士を張り合わせて両面銅張積層板を製造し、両面銅張積層板の性能評価を行った。この結果に関しては、他の実施例及び比較例の結果と共に表1に示す。なお、剥離強度の結果については、比較例2の両面銅張積層板は、2枚の樹脂付銅箔の樹脂層間で剥離が生じたので、比較例2の剥離強度は、樹脂層間の剥離強度を示す。
[比較例3]
比較例3は、引張強度が、本件発明で規定した範囲を外れるようにした例である。実施例1で用いた成分Aを20重量部、成分Bとして市販のポリアミドイミド(東洋紡績株式会社製 バイロマックスHR11NN、引張強度150MPa)を40重量部、成分Cとしてエポキシ樹脂(東都化成株式会社製 YD128、ビスフェノールA型)を40重量部、成分Dとして2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールを0.3重量部の各成分を配合した樹脂組成物を調製した。そして、この樹脂組成物に有機溶剤としてN,N−ジメチルアセトアミドを加えて、樹脂固形分20wt%の樹脂ワニスを調製した。
樹脂付銅箔の製造: そして、実施例1と同様の電解銅箔の張り合わせ面側に、バーコーターを用いて、前記樹脂ワニスを塗布した。次に、160℃に設定した熱風乾燥機中で10分間乾燥させ、樹脂付銅箔を得た。このときの樹脂層の揮発分は0.9wt%であり、樹脂厚さは15μmであった。
以下、実施例1と同様に、2枚の樹脂付銅箔の樹脂層同士を張り合わせて両面銅張積層板を製造し、両面銅張積層板の性能評価を行った。この結果に関しては、他の実施例及び比較例の結果と共に表1に示す。なお、剥離強度の結果については、比較例3の両面銅張積層板は、2枚の樹脂付銅箔の樹脂層間で剥離が生じたので、比較例3の剥離強度は、樹脂層間の剥離強度を示す。
[比較例4]
比較例4は、エポキシ樹脂硬化剤を含まない樹脂を用いる例である。実施例1で用いた成分Aを20重量部、実施例1で用いた成分Bを20重量部、成分Cとしてエポキシ樹脂(東都化成株式会社製 YDPN638、フェノールノボラック型)を60重量部の各成分を配合した樹脂組成物を調製した。そして、この樹脂組成物に有機溶剤としてN,N−ジメチルアセトアミドを加えて、樹脂固形分20wt%の樹脂ワニスを調製した。
樹脂付銅箔の製造: そして、実施例1と同様の電解銅箔の張り合わせ面側に、バーコーターを用いて、前記樹脂ワニスを塗布した。次に、160℃に設定した熱風乾燥機中で2分間乾燥させ、樹脂付銅箔を得た。このときの樹脂層の揮発分は、0.1wt%であり、樹脂厚さは15μmであった。
以下、実施例1と同様に、2枚の樹脂付銅箔の樹脂層同士を張り合わせて両面銅張積層板を製造し、両面銅張積層板の性能評価を行った。この結果に関しては、他の実施例及び比較例の結果と共に表1に示す。なお、剥離強度の結果については、比較例4の両面銅張積層板は、2枚の樹脂付銅箔の樹脂層間で剥離が生じたので、比較例4の剥離強度は、樹脂層間の剥離強度を示す。
Figure 2009067029
[実施例と比較例の対比]
表1から明らかなように、実施例1〜実施例3の両面銅張積層板の評価結果からみると、樹脂付銅箔の樹脂層中の溶剤の揮発分が低くても、剥離強度及び半田耐熱性ともに良好である。また、実施例の半田耐熱性はいずれも300秒以上と良好である。そして、実施例と比較例とを対比すると、実施例の方が、樹脂フィルムとして評価した機械強度の指標である破断伸びが良好である。ここで、比較例1の評価結果をみると、剥離強度が低く、半田耐熱性も実施例と比べると劣る結果が得られている。そして、剥離強度については、実施例1〜実施例3は、銅箔と樹脂面との間で剥離したのに対し、比較例1〜比較例4は、両面銅張積層板の樹脂フィルム部分で剥離が生じた。しかも、比較例2及び比較例3の評価結果をみると、実施例と比べて剥離強度が低いという結果が得られている。更に、比較例4では、実施例と比べて、剥離強度が低く、破断伸びも劣る結果であった。この結果から、実施例1〜実施例3の両面銅張積層板は、樹脂フィルム部分の接着性が強固なものであると言える。また、実施例1〜実施例3の樹脂層の揮発分は、いずれも1wt%以下であり、良好な値を示した。特に、実施例1の樹脂層の揮発分は、0.3wt%と優れた値を示した。従って、実施例1〜実施例3で得られた耐熱性、接着性が、比較例1〜比較例4と比べて優れ、樹脂層の揮発分も低く抑えた両面銅張積層板が得られていると判断できる。
本件発明に係る樹脂付銅箔は、これを巻き取ったロール状で保管又は輸送しても、樹脂付銅箔の樹脂層から銅箔層への有機溶剤の転写が無く、しかも、耐熱性、耐吸湿特性、銅箔との接着性の各特性に優れる。従って、この樹脂付銅箔を用いて製造した両面銅張積層板も、耐熱性に優れ、樹脂層と銅箔層との高い接着性を得ることができる。そして、同時に銅張積層板として良好な基板強度を備える両面銅張積層板の製造が可能になる。また、本件発明に係る銅張積層版及び両面銅張積層板は、硬化後の絶縁樹脂層にガラスクロス等の骨格材を含まないため、内層マイグレーションの発生の可能性も無く、当該積層板の表面形状は極めて平坦である。従って、銅箔層をエッチング加工して回路を形成しようとする場合の、レジスト層が極めて均一に形成でき、回路形状の安定性が高くなり、高周波信号を伝送するための回路形成に優れている。

Claims (6)

  1. プリント基板用銅箔の少なくとも片面に接着性を有する半硬化樹脂層が形成された樹脂付銅箔において、
    前記半硬化樹脂層は、以下に示す成分A〜成分Dを、下記含有量(但し、エポキシ樹脂硬化剤を除き、樹脂組成物を100重量部としたときの重量部として記載)の範囲で含む樹脂組成物で形成したことを特徴とする樹脂付銅箔。
    成分A: 25℃における引張強度200MPa以上のポリアミドイミド樹脂 10重量部〜20重量部
    成分B: 25℃における引張強度100MPa以下のポリアミドイミド樹脂 20重量部〜40重量部
    成分C: エポキシ樹脂
    成分D: エポキシ樹脂硬化剤
  2. 前記成分C(エポキシ樹脂)は、樹脂組成物を100重量部としたとき、40重量部〜70重量部の範囲で含有する請求項1に記載の樹脂付銅箔。
  3. 前記成分D(エポキシ樹脂硬化剤)は、樹脂組成物に対して、エポキシ樹脂の硬化可能な程度のイミダゾール化合物を含有させるものである請求項1または請求項2に記載の樹脂付銅箔。
  4. 前記半硬化樹脂層は、前記樹脂組成物で形成した揮発分が1wt%未満の半硬化状態の樹脂層である請求項1〜請求項3のいずれかに記載の樹脂付銅箔。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の樹脂付銅箔を用いて得られることを特徴とする銅張積層板。
  6. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の樹脂付銅箔の2枚を用いて、当該樹脂付銅箔の樹脂層同士を当接して重ね合わせ、加熱プレスして張り合わせて得られる両面銅張積層板。
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