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JP2009060788A - 魚肉すり身製品の製造方法及び魚肉すり身製品用改良剤 - Google Patents

魚肉すり身製品の製造方法及び魚肉すり身製品用改良剤 Download PDF

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Tomoko Otsuka
とも子 大塚
Shigeaki Izutsu
重明 井筒
Norihisa Nagao
憲尚 長尾
Riichiro Osawa
理一郎 大澤
Teppei Ogawa
哲平 小川
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Abstract


【課題】硬さ、しなやかさが同時に得られるよう食感が改善された、フィッシュボール等の魚肉すり身製品の製造方法、及び魚肉すり身製品用改良剤を提供すること。
【解決手段】トランスグルタミナーゼと、リン酸三ナトリウム等のアルカリ性塩類と、カゼインナトリウム及び/又はカゼインカリウムを、魚肉すり身に添加する。
【選択図】 なし

Description

本発明はバランスの良い硬さと、しなやかさが付与された、フィッシュボール等の魚肉すり身製品の製造方法、及び魚肉すり身製品用改良剤に関する。
魚肉すり身の価格は、漁獲量、魚肉フィレの生産量の影響を受けて大きく変動する。さらに、魚肉すり身の品質も大きく変動する。そのため、年間を通して安定なコストで安定的な品質を提供することが非常に難しいため、高性能なすり身改良剤が必要とされている。
特に、魚肉すり身を用いた魚肉すり身製品の中でも、魚肉すり身を球形に成型して加熱したフィッシュボールは、安価で品質の変動が大きい低品質なすり身が用いられることが多く、既存の改良剤では、硬さ及びしなやかさの付与はできず、満足な効果が得られるものはなかった。
この課題を解決する手段として近年、トランスグルタミナーゼの使用が注目されてきている。トランスグルタミナーゼは、非常に少量で、練製品全般に対して歯ごたえ、弾力、しなやかさを与える(特許文献1)。また、トランスグルタミナーゼと他の素材を併用することで、用途に応じた効果を得る技術もいくつか開示されている。
特許文献2は、水産練り製品の製造において、トランスグルタミナーゼとリン酸三ナトリウムを併用することで、ソフトで弾力のある「しなやか」な水産練り製品の製造が可能となることを開示しているが、本技術をフィッシュボールに適用したところ、しなやかではあるが、硬さが不十分であった。
特許文献3は、その実施例16において、魚肉すり身を薄く成型したものに対し、トランスグルタミナーゼとカゼインナトリウムの溶液を噴霧して浸透させることで、噛みごたえのある食感を付与する例を開示しているが、本技術を厚みのあるフィッシュボールに適用したところ、球の外部は硬くなったが、内部に対しては全く効果がみられなかった。さらに、トランスグルタミナーゼとカゼインナトリウムをすり身に練りこんでフィッシュボールを製造したところ、球の外部は硬くなったが、内部は脆く、しなやかさに欠ける食感に仕上がった。
このように既知の技術には、フィッシュボールとして好ましい効果をえられるもの、すなわち硬さとしなやかさを満足できる水準で同時に実現できるものはなかった。
これらの既知の技術が、フィッシュボールにおいて良好な結果を示さなかった理由は、形状、製法、加熱時にすり身がケーシングに充填されることなく、湯又は油と直接接触していること、及び好ましいとされる食感が、既知の技術が前提としていた水産練製品のそれとは異なることに起因しているものとみられる。
特開平1−10949号公報 特開平8−80176号公報 特開平6−284867号公報
本発明は、硬さ、しなやかさが同時に得られるよう食感が改善された、フィッシュボール等の魚肉すり身製品の製造方法、及び魚肉すり身製品用改良剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決する為、鋭意検討を重ねた結果、トランスグルタミナーゼと、リン酸三ナトリウム等のアルカリ性塩類と、カゼインナトリウム及び/又はカゼインカリウムを、魚肉すり身に添加して製造したフィッシュボールの食感が、好ましい食感、すなわち内外部とも硬くしなやかな食感に仕上がることを見出した。即ち、本発明は以下の通りである。
(1)リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、クエン酸三ナトリウム、クエン酸三カリウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムよりなる群より選ばれるアルカリ性塩類と、トランスグルタミナーゼと、カゼインナトリウム及び/又はカゼインカリウムを、魚肉すり身に添加することを特徴とする、魚肉すり身製品の製造方法。
(2)魚肉すり身製品がフィッシュボールである(1)記載の方法。
(3)リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、クエン酸三ナトリウム、クエン酸三カリウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムよりなる群より選ばれるアルカリ性塩類と、トランスグルタミナーゼと、カゼインナトリウム及び/又はカゼインカリウムを、有効成分として含むことを特徴とする魚肉すり身製品用改良剤。
本発明の効果として、魚肉すり身製品、特にフィッシュボールの食感を、硬くしなやかにすることができる。
本発明の魚肉すり身製品とは、魚肉のすり身を原料として加工したものであり、本発明のフィッシュボールとは、魚肉のすり身を主原料とし、必要に応じて食塩、澱粉、調味料を添加し、すり潰したものを球形、団子状等に成型し、必要に応じて坐りをとり、成型したすり身をケーシングせずに熱湯もしくは加熱された油の中に投入して加熱したものである。
本発明のフィッシュボールの製造法は、魚肉すり身をすり潰す工程において、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、クエン酸三ナトリウム、クエン酸三カリウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムよりなる群より選ばれるアルカリ性塩類と、トランスグルタミナーゼと、カゼインナトリウム及び/又はカゼインカリウムを、粉のまま、もしくは水溶液としてすり身に添加することを特徴とする。これらの添加物は、魚肉すり身をすり潰す工程であればいつ添加してもよい。これらの添加物は個々にすり身に添加してもよいし、事前に混合して一度に添加してもよい。事前に混合して改良剤製剤の形態としておくと、非常に扱いやすく便利である。尚、酸化カルシウムには、焼成カルシウムも含まれる。
本発明で使用するトランスグルタミナーゼは、トランスグルタミナーゼ活性を有する限り、その起源を特に問わず、例えばストレプトベルチシリウム属(Streptoverticillium属)などに属する微生物由来のもの(特開平1−27471参照)、モルモットなどの哺乳動物由来のもの(特公平1−50382号参照)、タラなどの魚類由来のもの(関信夫ら、昭和63年度日本水産学会秋期大会講演要旨集167頁参照)、バイオテクノロジーを利用して遺伝子組換法によって得られるもの(特開平1ー300889号、特開平6−225775号参照)などを用いることができる。この内、カルシウムが無くても作用する事及び大量に入手できる事等の理由から微生物由来のトランスグルタミナーゼを用いるのが好ましい。
本発明におけるトランスグルタミナーゼの添加量は、すり身1kg当り、5〜200ユニットが好ましく、10〜100ユニットがより好ましく、20〜60ユニットがさらに好ましい。なお、本発明でいうトランスグルタミナーゼの活性単位は、次のように測定され、かつ、定義される。すなわち、温度37℃、pH6.0のトリス緩衝液中、ベンジルオキシカルボニル−L−グルタミルグリシン及びヒドロキシルアミンを基質とする反応系で、トランスグルタミナーゼを作用せしめ、生成したヒドロキサム酸をトリクロロ酢酸存在下で鉄錯体を形成させた後、525nmにおける吸光度を測定し、ヒドロキサム酸量を検量線により求め、1分間に1μモルのヒドロキサム酸を生成せしめた酵素を1ユニット(1U)とする(特開平1−27471号明細書記載参照)。
本発明におけるリン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム等のアルカリ性塩の添加量は、これらの合算量として、すり身1kg当り、無水物として0.05〜5gが好ましく、0.1〜2.0gがより好ましく、0.2〜1.0gがさらに好ましい。リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、クエン酸三ナトリウム、クエン酸三カリウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムのうち、いずれのアルカリ性塩を用いるかは基本的には嗜好性によるが、添加量が多い場合はエグ味の少ないリン酸三ナトリウムを用いるのが好ましい。
本発明におけるカゼインナトリウム及び/又はカゼインカリウムは、乳から得られたカゼインナトリウムもしくはカゼインカリウムを主体とした乳蛋白素材であれば、製法、品種を問わない。その部分加水分解物を用いることもできるが、フィッシュボールの硬さを特に重要視する場合は、カゼインナトリウム及び/又はカゼインカリウムの未分解物又は分解度の低いものを用いるのが好ましい。カゼインナトリウム及び/又はカゼインカリウムの添加量は、これらの合算量として、すり身1kg当り、0.05〜5gが好ましく、0.1〜2.0gがより好ましく、0.2〜1.0gがさらに好ましい。両者のいずれかを用いるかは基本的には嗜好性によるが、添加量が多い場合はエグ味の少ないカゼインナトリウムを用いるのが好ましい。
本発明のフィッシュボールの製造方法においては、一般的に用いられている、大豆蛋白、乳清蛋白、卵白、血漿蛋白、食塩、リン酸塩、亜硝酸塩、アスコルビン酸塩、糖類、MSG、核酸等うまみ調味料、香辛料、澱粉、酒、色素等を併用してもよい。
本発明のフィッシュボールの製造方法において、坐り工程は必須ではないが、坐りをとることでトランスグルタミナーゼが反応できる時間が長くなり、その効果を高くすることができる。適当な坐り条件は、求める食感の水準、使用するすり身の魚種や品質によって異なるが、一般的に40〜50℃の水槽もしくは油槽中で3分〜60分間処理されることによって坐りが実施される。
以下に実施例を挙げ、本発明をさらに詳しく説明する。本発明は、この実施例により何ら限定されない。
表1の配合に従って「アクティバ」TG(トランスグルタミナーゼ活性1000ユニット/g、味の素(株)製)、リン酸三ナトリウム(無水)、カゼインナトリウム(MD・FOOD社製)、粉末デキストリン(タピオカ由来、DE値5〜10)を混合し、3種類の製剤A、B、Cを調製した。
次に、砕いておいた小梅魚の冷凍すり身900gと、帯魚の冷凍すり身100gをステファンカッターに投入し、高速モードで2分間攪拌して粉砕した。食塩5.5gと、ピロリン酸四ナトリウム7g、氷水280gを添加し、すり身の温度が0℃になるまで高速モードで数分間攪拌して塩摺りを行った。次に調製した各製剤を2g、氷水280g、コーンスターチ260g、グルタミン酸ナトリウム17.5g、黄酒23.4g、たまねぎ粉13g、白胡椒粉末4g、にんにく粉1.5g、しょうが粉2g、大豆たん白58.5gを添加して、すり身の温度が10℃になるまで高速モードで攪拌した。尚、製剤A〜Cを使用した試料のトランスグルタミナーゼの添加量はすり身1kg当り60ユニットであり、製剤A、Bを使用した試料のカゼインナトリウムの添加量はすり身1kg当り0.8gであり、製剤A、Cを使用した試料のリン酸三ナトリウムの添加量はすり身1kg当り0.8gである。得られたペーストを10gずつ量り取って球形に成型し、50℃に調節した湯中に投入して5分間加熱して坐りをとった後、95℃に調節した熱湯中に移して8分間加熱し、15℃に調節した水の中に移して10分間冷却してフィッシュボールを得た。なお、製剤を添加しないものも同様に調製し、対照区とした。
得られたフィッシュボールについて、硬さ、しなやかさについて官能評価を行った結果を表1に示す。尚、対照区を0点とし、合格水準を3点として、5点満点で評点をつけた。
Figure 2009060788
表1に示したとおり、トランスグルタミナーゼ、リン酸三ナトリウム、カゼインナトリウムを併用すると、硬さ、しなやかさともに満足できる水準(合格水準)にするフィッシュボールが得られた。トランスグルタミナーゼとリン酸三ナトリウムの併用によりしなやかさが得られることは公知であったが、しなやかさを付与することは知られていなかったカゼインナトリウム(硬さを付与することは知られていた)をさらに併用すると、しなやかさの評点がアップすることは、当業者といえども予測できない驚くべき効果である。また、トランスグルタミナーゼとカゼインナトリウムの併用により硬さが付与されることは公知であったが、硬さを付与することは知られていなかったリン酸三ナトリウム(しなやかさをを付与することは知られていた)をさらに併用すると、硬さの評点がアップすることは、当業者といえども予測できない驚くべき効果である。
表2に従って「アクティバ」TG(トランスグルタミナーゼ活性1000ユニット/g、味の素(株)製)、リン酸三ナトリウム(無水)、カゼインナトリウム(MD・FOOD社製)を量り取った。「アクティバ」TGは、10mlの水に溶解しておいた。砕いておいたイトヨリA級の冷凍すり身1000gをステファンカッターに投入し、高速モードで2分間攪拌して粉砕した。食塩54gと、ピロリン酸四ナトリウム7g、氷水280gを添加し、すり身の温度が0℃になるまで高速モードで数分間攪拌して塩摺りを行った。次に表2に従って量り取った添加物を全量と、氷水280g、コーンスターチ280g、グルタミン酸ナトリウム17.4g、みりん24g、大豆たん白58gを添加して、温度が10℃になるまで高速モードで攪拌した。得られたペーストを10gずつ量り取って球形に成型し、40℃に調節した湯中に投入して40分間加熱して坐りをとった後、85℃に調節した熱湯中に移して20分間加熱し、15℃に調節した水の中に移して30分間冷却してフィッシュボールを得た。なお、表2に示す添加物を全く添加しないものも同様に調製し、対照区とした。
得られたフィッシュボールについて、硬さ、しなやかさ、異風味について官能評価を行った結果を表2に示す。尚、硬さとしなやかさについては対照区を0点とし、合格水準を3点として、5点満点で評点をつけた。
表2に示したとおり、トランスグルタミナーゼ、リン酸三ナトリウム、カゼインナトリウムを併用すると、硬さ、しなやかさが改善されたフィッシュボールを得ることができた。特に、すり身1kgに対し、トランスグルタミナーゼを10〜100ユニット、リン酸三ナトリウムを0.1〜2g、カゼインナトリウムを0.1〜2g添加して得たフィッシュボールは、硬さ、しなやかさともに満足できる水準(合格水準)であった。
Figure 2009060788
本発明によれば、魚肉すり身製品、特にフィッシュボールの食感を、硬くしなやかにすることができるので、本発明は食品分野において極めて有用である。

Claims (3)

  1. リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、クエン酸三ナトリウム、クエン酸三カリウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムよりなる群より選ばれるアルカリ性塩類と、トランスグルタミナーゼと、カゼインナトリウム及び/又はカゼインカリウムを、魚肉すり身に添加することを特徴とする、魚肉すり身製品の製造方法。
  2. 魚肉すり身製品がフィッシュボールである請求項1記載の方法。
  3. リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、クエン酸三ナトリウム、クエン酸三カリウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムよりなる群より選ばれるアルカリ性塩類と、トランスグルタミナーゼと、カゼインナトリウム及び/又はカゼインカリウムを、有効成分として含むことを特徴とする魚肉すり身製品用改良剤。
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