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JP2009059585A - 直接メタノール型燃料電池の発電制御方法およびその方法を用いた燃料電池 - Google Patents

直接メタノール型燃料電池の発電制御方法およびその方法を用いた燃料電池 Download PDF

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JP2009059585A JP2007226010A JP2007226010A JP2009059585A JP 2009059585 A JP2009059585 A JP 2009059585A JP 2007226010 A JP2007226010 A JP 2007226010A JP 2007226010 A JP2007226010 A JP 2007226010A JP 2009059585 A JP2009059585 A JP 2009059585A
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Hiroyasu Sumino
野 裕 康 角
Yoshihiro Akasaka
坂 芳 浩 赤
Masato Akita
田 征 人 秋
Ryosuke Yagi
木 亮 介 八
Hiroshi Fukazawa
沢 大 志 深
Kazuhiro Yasuda
田 一 浩 安
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Abstract

【課題】水透過係数αが1以下の直接メタノール型燃料電池について、長時間安定して発電できる制御方法を提供する。
【解決手段】燃料濃度制御機構の濃度制御を下記a式に従って行う、第一の発電制御方法。
0 ≦ ((C1-C0)/C0)/((P0-P1)/P0) ≦ 20 (a)
〔C0:発電開始初期の燃料中のメタノール濃度、C1:t時間経過後のメタノール濃度、P0:初期出力、P1:t時間経過後の出力〕
出力電圧Vが閾値電圧Vs以下となった時、燃料のメタノール濃度Cを増分ΔCだけ上昇させて、定常状態で使用できる最低電圧VL以上になるまで行う、第二の発電制御方法。
標準条件(温度T0、カソードガス流量F0、時間tn)と、特別条件(温度T1、カソードガス流量F1、時間ta)とを、ta/(tn+ta) ≦ 30%で交互に繰り返しながら行う、第三の発電制御方法〔40℃≦T0<T1≦90℃、F0≦F1〕。
【選択図】図5

Description

本発明は、直接メタノール型燃料電池の発電制御方法に関するものである。より詳細には、本発明は、直接メタノール型燃料電池(DMFC)を安定した出力を維持しつつ長時間駆動するための制御方法およびこの方法を用いた直接メタノール型燃料電池に関する。
近年、電子機器の小型化が進められ多くの情報端末を持ち歩くことが可能となり、あらゆる場所で必要な情報を入手できる所謂ユビキタス社会へと変わりつつある。
これらの情報端末では、高速演算処理、無線LAN、マルチメディア再生と豊富な機能が搭載されており消費電力も増加する傾向にある。現在、このような情報端末は、一次電池あるいは二次電池などを駆動用電源として利用するものが主流になっている。情報端末を長時間駆動するためには容量の大きな電池が必要となるが、環境問題ならびに安全性の問題などから必要十分な容量の一次または二次電池は開発されておらず、燃料電池への期待は高まりつつある。
燃料電池の中でも、メタノールから直接水素イオン(プロトン)を取り出すことによって発電を行う直接メタノール型燃料電池は、燃料であるメタノールのもつエネルギー密度の高さ、改質器が不要で小型化が可能であるなどの点で携帯機器用の電源として多方面への応用の期待が高まりつつある。
直接メタノール型燃料電池(DMFC)は、メタノール燃料と酸素または酸素含有ガス(例えば空気)を発電部に供給することにより発電を開始するものである。
DMFCの基本反応は次の式で書き表される。
アノード極:CH3OH + H2O → 6H+ + 6e- + CO2 (1)
カソード極:6H+ + 6e- + 3/2O2 → 3H2O (2)
すなわち、式(1)から明らかなように、DMFCは理想的には燃料としてメタノールと水のモル比が1:1の混合物をアノード極に供給することにより発電するものであるが、現在の直接メタノール型燃料電池は、発電部で利用される固体高分子電解質膜の材料的な制約から、メタノールと水とのモル比が1:1よりもメタノールが希釈され、所定の濃度に調整されたメタノール燃料をアノード極へと供給する必要がある。
カソードでは式(2)の反応によりアノード極で生成し電解質膜中を移動してきたプロトンから水分子が生成し通常は大気中へと排出されるが、冷却器などをもちいてこの水を回収することができれば、アノードへと供給することで式(1)の反応に利用でき、より高いメタノール濃度を持つ水:メタノール混合物、あるいはメタノールのみを供給することにより発電を行うことができる。
しかし、実際のDMFCでは、式(1)で示される以上の水の消費がメタノール燃料中から起こる。具体的には、プロトンに同伴してアノードからカソードへと移動する水、濃度勾配によってアノードからカソードへと移動する水等である。起電部に用いられる材料特性や運転条件にもよるが、式(1)の基本反応で消費される水分子の10倍以上がカソード側へと移動することもあり、この大量にカソードへと移動した水は最終的に反応生成水とともにカソード側で排出されるため、冷却器などで回収しようとすると冷却器や冷却ファンが大型化し、DMFC本体の小型化には不都合が生じる課題があった。また、より希釈された体積エネルギー密度の小さい燃料を使わざるをえないことも問題であった。
アノード極からカソード極への水の移動量の大小を議論するために、以下の係数αを指標として用いることができる。
発電中にカソード側で排出される水の全量をmtotal(mol)、発電による式(2)で生成する水の量をme(mol)、アノード極からカソード極へクロスオーバーしたメタノールがカソード極で酸化されることによって生成する水の量をmx(mol)、発電中の一定負荷電流をI(A)、発電時間をp(sec)とすると、アノード極からカソード極へのプロトンの移動量xと見かけの水の移動量yは、それぞれ
x= I*p/96500 (mol) (3)
y= mtotal−me−mx (mol) (4)
で計算される。なお、アノード極からカソード極へのメタノールのクロスオーバー量は、カソード側で排出される気体に含まれる炭酸ガス濃度(C CO)(vol%)から算出することが可能である。カソード側で排出される期待の流量をG(L/sec)とすると、
mx= G*t*C Co2/100/22400(mol) (5)
したがって、見かけの水透過係数αは
α= y/x (6)
となる。この係数αを小さくすることで上記課題は解決できると考えられる。
特開昭61−107666号公報には、液体燃料電池の制御方法に関する技術が開示されている。ここでは、燃料および水を含む液体燃料が循環して供給される液体燃料電池において循環する燃料の濃度が低下した際に燃料電池出力が低下することを利用して、燃料電池出力低下を循環する燃料の濃度低下を検出する方法として用い、燃料電池出力が低下した際に、燃料あるいは燃料リッチな混合液をタンクから循環燃料に補充することが記述されている。一方、本発明では、循環する燃料濃度は燃料濃度制御機構によって一定に保たれており、基本的には循環燃料濃度の低下による燃料電池出力の低下は起こらない。アノードからカソードへの水透過係数αが1より小さい燃料電池においては、循環する燃料の濃度を一定に保ったとしても材料内部の変化によって出力が低下する現象が見出されており、本発明ではその材料内部の変化が起こった際に燃料電池出力が低下することを防止するための燃料濃度制御方法を提供しており、特開昭61−107666号公報とは違った視点での濃度制御方法である。
特開昭61−107666号公報
上述したように、アノード極からカソード極へと透過する水の量を少なくする(すなわち、α値を小さくする)ことでカソード極から発生する水の量を少なくし、カソード水回収機構を簡素化あるいは省略することが可能となるが、α値が1以下と小さいメタノール燃料電池を一定負荷電流で長時間発電していると、ある時間を過ぎたところで急激な電圧低下が観測され、必要な出力を維持できなくなる課題があることが判明した。この現象の原因は明確にはなっていないが、現在はカソード極側からアノード極側へともどってきた水がアノード触媒層中に蓄積し、結果として供給されるメタノール燃料の濃度を希薄化することが原因なのではないかと推定されている。
本発明では、α値が小さい直接メタノール型燃料電池を長時間発電する際に、上記のような急激な出力低下を事前に防止することを目的とした発電制御方法を提供することを目的としている。
本発明による第一の燃料電池の発電制御方法は、アノード電極、カソード電極ならびにこれらの両極に挟まれた固体高分子電解質膜からなる膜電極接合体、アノードへの燃料供給機構、燃料濃度制御機構、燃料タンクおよびカソードへのガス供給機構を有する燃料電池であって、前記の膜電極接合体における発電にともなってアノードからカソードへと移動する水素イオン(プロトン)数xに同伴して移動する水分子の数yの割合α〔ここで、α=y/xである。〕が1以下である直接メタノール型燃料電池において、前記の燃料濃度制御機構の濃度制御を、以下の式(a)にしたがって行うことを特徴とするもの、である。
0 ≦((C1−C0)/C0)/((P0−P1)/P0) ≦ 20 (a)
〔ここで、C0は発電開始初期のメタノール燃料中のメタノール濃度であり、C1は発電開始からt時間経過後のメタノール燃料中のメタノール濃度であり、P0は初期出力(電圧×電流)であり、P1はt時間経過後の出力(電圧×電流)である。〕
そして、本発明による第二の燃料電池の発電制御方法は、アノード電極、カソード電極ならびにこれらの両極に挟まれた固体高分子電解質膜からなる膜電極接合体、アノードへの燃料供給機構、燃料濃度制御機構、燃料タンクおよびカソードへのガス供給機構を有する燃料電池であって、前記の膜電極接合体における発電にともなってアノードからカソードへと移動する水素イオン(プロトン)数xに同伴して移動する水分子の数yの割合α〔ここで、α=y/xである。〕が1以下である直接メタノール型燃料電池において、前記の燃料電池から出力された電圧Vがあらかじめ設定された閾値電圧Vs以下となったことを検出した際に、アノードへ供給する燃料のメタノール濃度Cをあらかじめ設定しておいた増分ΔCだけ上昇させ、前記燃料電池が定常状態で使用できる最低電圧VL以上になるまで前記の燃料濃度制御機構の濃度制御を行うことを特徴とするもの〔ここで、閾値電圧Vsは、燃料電池が定常状態で使用できる最低電圧VLより低い〕、である。
そして、本発明による第三の燃料電池の発電制御方法は、アノード電極、カソード電極ならびにこれらの両極に挟まれた固体高分子電解質膜からなる膜電極接合体、アノードへの燃料供給機構、燃料濃度制御機構、燃料タンク、カソードへのガス供給機構および温度制御機構を有する燃料電池であって、前記の膜電極接合体における発電にともなってアノードからカソードへと移動する水素イオン(プロトン)数xに同伴して移動する水分子の数yの割合α〔ここで、α=y/xである。〕が1以下である直接メタノール型燃料電池において、前記の直接メタノール型燃料電池の発電を、(イ)温度T0、カソードガス流量F0で発電をtn時間継続して行う標準運転条件と、(ロ)温度T1、カソードガス流量F1で発電をta時間継続して行う特別運転条件のもとに行い、前記のtnとtaとの割合がta/(tn+ta)≦30%になるように制御しつつ、前記の標準運転条件と特別運転条件とを交互に繰り返しながら行うことを特徴とするもの〔ここで、温度T0および温度T1はいずれも40℃以上90℃以下であり、特別運転条件における温度T1およびカソードガス流量F1の少なくとも一方は、標準運転条件における温度T0およびカソードガス流量F0よりも高い。また、カソード流量F0、F1に対応するカソード化学量論比ξ0、ξ1は、1≦ξ0≦ξ1≦4を満たす〕、である。
また、本発明による直接メタノール型燃料電池は、前記のいずれかの直接メタノール型燃料電池の発電制御方法が実施されるもの、である。
本発明によれば、アノード電極、カソード電極ならびにこれらの両極に挟まれた固体高分子電解質膜からなる膜電極接合体、アノードへの燃料供給機構、燃料濃度制御機構、燃料タンクおよびカソードへのガス供給機構を有する燃料電池であって、前記の膜電極接合体における発電にともなってアノードからカソードへと移動する水素イオン(プロトン)数xに同伴して移動する水分子の数yの割合α〔α=y/x〕が1以下である直接メタノール型燃料電池について、長時間安定して発電可能な発電制御方法が提供される。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、説明に用いる図は、本発明の内容を理解するために例示的に示される代表的なものであり、本発明の範囲を制約するものではない。
図1に本発明に用いる直接メタノール型燃料電池の起電部材(MEA)の例を示す。
図1において、直接メタノール型燃料電池の発電部1は、アノード触媒層2とカソード触媒層3を有し、これらの間にプロトン伝導性の固体高分子電解質膜4を狭持したものからなる。通常、アノード触媒層2は、上記の式(1)にしたがって、アノード極に供給されるメタノール燃料から化学反応により水素イオン(プロトン)を取り出すことを目的として形成されている。触媒としては、従来の直接メタノール型燃料電池のアノード触媒として用いられてきたものを本発明でも用いることができる。好ましくは、例えば、被毒の少ない白金ルテニウム(PtRu)系の合金金属微粒子が単体、あるいはカーボン微粉末に担持された形で利用され、プロトン伝導性を付与するためパーフルオロカーボンスルホン酸溶液と混合される。市販のものでは、例えばJohnson&Matthey社製の触媒粉末(Pt/Ru Black Hispec6000)などが利用できる。一方、カソード触媒層3では、上記の式(2)にしたがってアノード極側から固体高分子電解質膜4を通じて移動してきたプロトンと外部回路を流れてきた電子、およびカソード極に供給された酸素が反応して水が生成する。カソード側の触媒も、従来から用いられてきたものを本発明でも用いることができる。好ましくは、例えば、白金(Pt)微粒子が単体あるいはカーボン微粉末に担持される形で用いられ、アノード触媒層と同様にプロトン伝導性を付与するため、パーフルオロカーボンスルホン酸溶液と混合して形成される。市販のものとしては、E−TEK社製Pt/C触媒(HP40wt%Pton VulcanXC−72R)などを用いることが好ましい。固体高分子電解質膜4としては、高プロトン導電性を有するパーフルオロカーボンスルホン酸電解質膜(Dupont社のナフィオン膜など)が好適である。
さらに、本発明の直接メタノール型燃料電池では、カソードでの水の生成を極力抑えるために、アノード極側には触媒層の電解質膜とは反対側にアノードMPL(Micro Porous Layer 緻密撥水)層5を形成することができる。このアノードMPL層5が形成されていることで、アノード極側でのメタノール燃料の触媒層への侵入を発電に必要な必要最低限に抑制し、結果としてカソード極側への水の透過を抑制できる。アノードMPL層5は撥水性を具備しなければいけないため、例えばカーボン粉末と撥水性のPTFEエマルジョンを混合して形成できる。また、アノードMPL層は単層で形成されていても、性質の異なるいくつかの層で形成されていることも許容される。アノードMPL層5は、通常、アノードGDL(Gas Diffusion Layer)層6上に形成される。アノードGDL層6としては、好ましくは、例えば東レ社製カーボンペーパーに対し、適当な量のPTFEによって撥水処理を施したものを用いることができる。カソード電極側にも触媒層の電解質膜とは反対側にカソードMPL層7およびカソードGDL層8を形成することが望ましい。カソードMPL層7、カソードGDL層8としては、E−TEK社製Elat GDL LT−2500−W(カソードGDL層上にカソードMPL層が形成されたもの)などを用いることができる。
上記のような構成で作製した起電部材(MEA)のアノード電極側にはメタノール水溶液などの燃料を、カソード側には空気などの酸素を含むガスを流して発電する。燃料電池においては、一般的に、MEAをセパレータと呼ばれる導電性の材料に流路を形成したものの間にシール材を介して燃料やガスが漏れないように設置し、その流路に燃料やガスを流して発電がなされる。セパレータとしては導電性のものであれば特に限定されないが、加工の容易さなどからカーボン部材を用いるのが好適である。
セパレータの一例を図2に示す。アノード側のセパレータ9を例にとると、燃料供給口10から供給された濃度調整されたメタノール含有燃料は、流路11にしたがってMEAのアノードGDL層表面を流れ、燃料排出口12から排出される。カソード側のセパレータでは、空気などの酸素を含むガスが同様にカソードGDL表面を流路にそって流れ、排出口から排出される。
単セルの発電を行う際のセッティング例を図3に示す。起電部材である膜電極接合体(MEA)13は、アノード電極13aと、カソード電極13bと、これらの両極13a、13bに挟まれた固体高分子電解質膜13cからなっており、この膜電極接合体13は、シール材14、15を介して流路が形成された2つのセパレータ16、17に挟み込まれている。さらにその上下には、発電によって得られる電流を外部へ取り出すための電流取り出し板18、19が設置され負荷(図示せず)に接続されている。膜電極接合体13の電圧は、この2枚の電流取り出し板の間の電圧を測定して得られる。その外側には膜電極接合体13の温度調節のための温度制御機構、具体的にはヒータ20、21が設置されている。発電中の膜電極接合体13の温度は、例えばセパレータにあけられた観測用の穴に熱電対やサーミスタを入れることで、測定が可能である。この測定温度を利用し、温調器などでヒータへの出力を制御することで膜電極接合体13を所定の温度に保つことが容易になる。
これら全体を、膜電極接合体13とセパレータの機密性を保つため、アノード電極13a、カソード電極13bとセパレータ16、17との電気的コンタクトを保つため、さらにはセパレータ16、17と電流取り出し板18、19のコンタクトを保持するために、断熱材22、23をはさんで外側から押さえ板24、25で締め付ける。2枚のセパレータではさまれたMEAを複数重ねることで高い電圧を得ることも可能である。
アノード極には濃度制御されたメタノール水溶液が、燃料供給口26から例えば燃料ポンプなどによって供給される。起電部で発電に利用されて残った余剰のメタノール水溶液は燃料排出口27から排出されるが、これを一時的に容器に回収し、発電によって消費されたメタノールや水を補充し、メタノール濃度を再調整して再び燃料供給口へと循環して使用することも可能である。自動的にメタノール濃度を調整させるためには、循環するメタノール燃料の配管あるいは配管から分岐した配管のいずれかの場所に濃度センサーを設置しておき、このセンサーから得られる信号を処理し、必要な高濃度メタノール燃料および/または水を別に準備したそれぞれのタンクからポンプ等を用いて供給することで濃度調整が可能となる。メタノール濃度センサーとしては、光学的な屈折率を利用したもの、静電容量を利用したもの、超音波方式のもの、密度を測定する方式のもの、電気化学的にメタノールの酸化電流を検出する方式のものなど種々の方式のものを利用することが可能である。カソード極には、ポンプなどの作用によって、ガス供給口28から空気などの酸素を含むガスが供給され、ガス排出口29から排出される。
本発明による発電制御方法が適用される直接メタノール型燃料電池の好ましい構成例を図4に示す。図4において、Aは起電部材である。この起電部材Aは、図3に示されるアノード電極13aとカソード電極13bとこれらの両極13a、13bに挟まれた固体高分子電解質膜13cからなる膜電圧接合体(MEA)13を1つあるいは複数個有するスタックからなっている。アノード電極13aとカソード電極13bとの間に生じた電圧Vの電流Iは、負荷Fによって利用することができる。Bは、アノードへの燃料供給機構である。このアノードへの燃料供給機構Bには、混合タンクB1および循環ポンプB2が設置されており、混合タンクB1中の燃料(具体的にはメタノールと水との混合物)が循環ポンプB2によって起電部材Aに供給され、起電部材Aにおいて発電に使用された後、起電部材Aから排出され、これが混合タンクB1に導入され、起電部材Aに再び供給できるように循環している。燃料濃度制御機構Cは、起電部材Aに供給される燃料中のメタノール濃度を測定するメタノール濃度センサC1と、燃料ポンプC2、C3とからなっており、メタノール濃度センサC1の情報をもとに、メタノールの供給量がポンプC2によって制御され、水(燃料)の供給量がポンプC3によって制御されている。Dは燃料タンクであって、D1は高濃度メタノール燃料を収容した燃料タンクであり、D2は水(燃料)を収容した燃料タンクである。Eは、カソードへのガス供給機構である。このカソードへのガス供給機構Eは、カソードガス供給ポンプE1を備えており、酸素含有ガス(例えば空気)を起電部材Aに供給し、起電部材Aで発電に使用された後、起電部材Aの外部へ排出されるように構成されている。起電部材Aからの排出物中に含まれている液状ないし気体状の水は、燃料タンクD2に収容された水と同様に、燃料として利用することができるので、起電部材Aからの排出物中に含まれている水の全部あるいは一部を、前記のアノードへの燃料供給機構Bに供給することもできる。
本発明による第一の燃料電池の発電制御方法では、前記の燃料濃度制御機構の濃度制御を以下の式(a)にしたがって行う。
0 ≦((C1−C0)/C0)/((P0−P1)/P0) ≦ 20 (a)
〔ここで、C0は発電開始初期のメタノール燃料中のメタノール濃度であり、C1は発電開始からt時間経過後のメタノール燃料中のメタノール濃度であり、P0は初期出力(電圧×電流)であり、P1はt時間経過後の出力(電圧×電流)である。〕
((C1−C0)/C0)/((P0−P1)/P0)の範囲は、0以上かつ20以下であることが必要である。この範囲内であることによって、アノード側からカソード側に透過する(クロスオーバー)メタノール量を抑制でき燃料利用効率を高められるとともに、出力低下を抑えられるという効果を得ることができる。好ましくは2以上15以下、特に好ましくは3以上10以下、である。((C1−C0)/C0)/((P0−P1)/P0)の値は、発電開始からt時間経過するときまで常に一定であることが必要はなく、途中で連続的にあるいは段階的に変化していてもよい。
本発明による第一の燃料電池の発電制御方法では、供給する燃料のメタノール濃度を、(イ)経過時間とともに初期のメタノール濃度C0から順次燃料濃度がより高く調整された燃料へと定期的に交換していき、t時間後に最終的にメタノール濃度C1へと達する方法も可能であるし、あるいは(ロ)循環式で自動的に濃度調整を行わせる場合は、経過時間とメタノール濃度との関係情報をもとに、初期のメタノール濃度C0で発電を開始し、発電時間を積算しながら経過時間を測定し、経過時間に対応した濃度に自動的に制御してC1へと達するようにすることも可能である。
燃料濃度制御の様子を模式的に表したのが図5である。本発明の第一の燃料電池の発電制御方法では、例えば(1)のようにメタノール濃度を段階的に上昇させることも、(2)のように直線的にメタノール濃度を上昇させることも、あるいは(3)のようにある関数にしたがってメタノール濃度を変化させることも可能である。このようにすることで、たとえアノード触媒層に水が蓄積されたとしても、それに対応するように供給するメタノール燃料濃度を高めることで希薄化が抑制されると考えられる。
本発明による第二の燃料電池の発電制御方法では、前記の燃料電池から出力された電圧Vがあらかじめ設定された閾値電圧Vs以下となったことを検出した際に、アノードへ供給する燃料のメタノール濃度Cをあらかじめ設定しておいた増分ΔCだけ上昇させて、前記燃料電池が定常状態で使用できる最低電圧VL以上になるまで前記の燃料濃度制御機構の濃度制御を行う。ここで、閾値電圧Vsは、燃料電池が定常状態で使用できる最低電圧VLより低い。
この第二の発電制御方法は、燃料電池の電圧V(具体的には、例えば前記の膜電極接合体(MEA)13からなる単セルあるいは複数の単セルを積層したスタック全体の電圧V)を、一定した電流値で負荷を取りながら発電を続け、2枚の電流取り出し板の間の電圧を定期的あるいは連続的に観測し、パソコンやメモリーに取り込み記録してモニターすることによって容易に行うことできる。この電圧Vが所定の閾値電圧Vsを下回ったことを検出することをトリガーとして、アノード極に供給するメタノール濃度を手動あるいは自動で、現在の供給濃度Cからあらかじめ設定しておいた増分ΔCだけ高いメタノール濃度へと変化させる。電圧Vと燃料電池の定常状態における最低電圧VLとを比較し、VL>Vであれば再び増分ΔCだけメタノール燃料濃度を上昇させる。その後、発電の継続に伴い、電圧Vが所定の閾値電圧Vs以下となったことを再び検出した際は、前記の燃料濃度制御機構の濃度制御を繰り返し行う(図6)。ここで、燃料電池の定常状態における最低電圧VLとは、正常な燃料電池セルが長時間の発電による性能低下等を起こしたとしても、電子機器等に十分な電力を供給できうる最低の電圧を意味する。Vsは、例えば前記の最低電圧VLの値、ΔCおよび電圧の回復の程度などを考慮して適宜定めることができるが、一般にVLの50〜95%に相当する電圧、好ましくはVLの60〜90%に相当する電圧、である。Vsを上記範囲内とすることによって特に単セルを複数積層したスタック内で、一部のセルの電圧が逆転する転極現象を防止できるという効果を得ることが容易になる。ΔCの値も適宜定めることができるが、一般に0.05mol/L〜3.0mol/L、好ましくは0.1mol/L〜1.5mol/Lである。繰り返し回数の上限については特に制限はない。
本発明による第三の燃料電池の発電制御方法では、前記の直接メタノール型燃料電池の発電を、(イ)温度T0、カソードガス流量F0で発電をtn時間継続して行う標準運転条件と、(ロ)温度T1、カソードガス流量F1で発電をta時間継続して行う特別運転条件のもとに行い、前記のtnとtaとの割合がta/(tn+ta)≦30%になるように制御しつつ、前記の標準運転条件と特別運転条件とを交互に繰り返しながら行う。〔ここで、温度T0および温度T1はいずれも40℃以上90℃以下であり、特別運転条件における温度T1およびカソードガス流量F1の少なくとも一方は、標準運転条件における温度T0およびカソードガス流量F0よりも高い。また、カソード流量F0、F1にに対応するカソード化学量論比ξ0、ξ1は、1≦ξ0≦ξ1≦4を満たす。〕
この第三の発電制御方法では、標準運転条件ではカソード極への酸素を含むガスの流量F0と発電温度T0で発電を行い、定期的に、tnとtaとの割合がta/(tn+ta)≦30%になるように制御しつつ特別運転条件(温度T1、カソードガス流量F1)で発電を行いながら長時間発電を行う。ここで、カソードのガス流量はF0、F1とも計算されるカソードstoichiometryξcがともに1≦ξc≦4の範囲である。ここでカソードstoichiometryξcとは、式(2)から計算される理論上必要な酸素量に対するカソードに流されるガスに含まれる酸素の量の比で表される。例えば、発電で流れる電流値をI(A)、カソードのガス流量をF(mL/min)、酸素含有量をVo(%)とすると、
ξc=F/(I*60/96500/6*1.5*22400/(Vo/100))
(7)
で求めることが可能である。
標準運転条件と特別運転条件と繰り返し回数は、少なくとも2回以上であればよい。繰り返し回数の上限については特に制限はない。
特別運転条件において、各回の温度条件は全て同一である必要はなく、各回で温度条件は異なっていてもよい。また、同様に特別運転条件において、各回のカソードガス流量は全て同一である必要はなく、各回のカソードガス流量は異なっていてもよい。
燃料電池の運転条件を変える際(標準運転条件から特別運転条件に変える際)に、温度条件を変える場合には、温度条件は5℃〜30℃、好ましくは10℃〜20℃程度変えることが好ましい。また、燃料電池の運転条件を変える際に、カソードガス流量を変える場合には、標準運転条件の1.05倍〜3倍、好ましくは1.2倍〜2.5倍に変えることが好ましい。
カソード流量F0に対応するカソード化学量論比ξ0は、1≦ξ0、好ましくは1.2≦ξ0であり、カソード流量F1に対応するカソード化学量論比ξ1は、ξ1≦4、好ましくはξ1≦である。 ξ0、ξ1が1≦ξ0、1≦ξ1を満たさない場合、理論的に必要な量の酸素が供給できないため発電を安定して行うことができず、また、ξ0≦4、ξ1≦4を満たさない場合、カソード側で排出される水の量が多くなるだけでなく電解質膜の乾燥を加速して燃料電池の寿命が短くなるであるので好ましくない。なお、各回のカソード化学量論比は全て同一である必要はなく、異なっていてもよい。
図7は、本発明による第三の発電制御方法における温度制御および燃料流量制御の様子を示す模式図である。この図7は、図(a)は温度だけを変化させる場合、(b)はカソード流量だけを変化させる場合、(c)は温度とカソード流量をともに変化させる場合の模式図である。図(a)を例にとると
標準運転条件(温度T0、カソードガス流量F0、時間tn)、
特別運転条件(温度T1、カソードガス流量F0、時間ta)、
を繰り返し行うことからなる発電制御方法が示されている。
各回におけるtnとtaとの割合は、それぞれta/(tn+ta)≦30%の範囲内、好ましくはta/(tn+ta)≦25%の範囲内、特に好ましくはta/(tn+ta)≦20%の範囲内、に制御されている。30%超過では、カソード側で排出される水の量が多くなるだけでなく電解質膜の乾燥を加速して燃料電池の寿命が短くなる。20%以下である場合には、特に水の回収機構が簡素化あるいは省略することが可能である。ta/(tn+ta)の下限値は、好ましくは15%、特に好ましくは10%以下である。
αが1よりも小さい直接メタノール型燃料電池においては、従来例通りに一定の条件で長時間発電を行うさいには、前述のようにアノード触媒層内に水の蓄積が起こるため電圧低下が起こる。しかし、そのようなαが1よりも小さい直接メタノール型燃料電池であっても本発明による第一ないし第三の発電制御方法によれば、カソード極側での水の排出を容易にし、結果としてカソード極からアノード極への水の戻りを少なくしてアノード触媒層での水の蓄積を防止することが可能となる。
以下、本発明の理解を容易にするため実施例を用いて詳細に説明する。
<実施例1>
アノード触媒層としてJohnson&Matthey社製のPt/Ru合金触媒(Pt/Ru 「Black Hispec6000」)とパーフルオロカーボンスルホン酸溶液(Dupont社製Nafion溶液 「Aldrich SE−20092」)を混合分散したものを。カソード触媒層としてE−TEK社製のPt/C触媒(HP40wt% Pt on Vulcan XC−72R)とパーフルオロカーボンスルホン酸溶液(同上)を混合分散したものを用い、市販のパーフルオロカーボンスルホン酸膜(Dupont社製 Nafion112)上に熱圧着してCCM(Catalyst Coated Membrane)を作製した。一方、アノードGDLとして東レ社製TGPH−090を用い、その上にCABOT社製カーボン粉末(VULCAN XC−72R)と撥水性のPTFE60wt%エマルジョンを混合分散し粘度調整されたスラリーをGDL上にテープキャスティング法で塗布した。100℃で乾燥後350℃で焼成して、アノードMPL層のついたアノードGDL層を作製した。カソードGDLには、市販のE−TEK社製Elat GDL LT−2500−W(MPL層形成済み)を用いた。前述のCCMとアノードMPL付アノードGDL、カソードMPL付カソードGDLを重ね、例えば125℃、5kg/cmで1分間熱圧着して、図1と同様の構成のMEA(3cm×4cm)を作製した。
得られたMEAを、図2と同様のサーペンタイン状の流路が形成されたセパレータ2枚の間にテフロン製のシール材を用いて設置し、図3に示す構成で発電試験を行った。燃料として初期濃度1.0mol/Lのメタノール水溶液をアノード側1.0mL/minの流速でポンプで送液し、カソード側には大気中の空気を小型のポンプを用いて60mL/minの速度で送気し、ヒーターで60℃に加熱しながら電子負荷機を用いて1.8Aの電流を引き、パソコンで電圧を計測・記録しながら発電を行った。燃料濃度は発電試験時間が100時間経過するごとに、0.1mol/Lずつ高い濃度へと変化させ、500時間後には1.5mol/Lまで上昇させ発電試験を続けた結果、初期電圧0.43V、初期α値は0.1であったが、500時間後の電圧は0.39V、α値は0.2と若干の変化は認められたが、安定して発電を行うことができた。
<比較例1>
実施例1と同様の条件で作製したMEAを、燃料濃度を0.1mol/Lと一定とした以外はすべて同じ条件で発電試験を行ったところ、145時間後に電圧が0.35V以下に急激に低下し、1.8Aの電流を流すことができなくなった。
<実施例2>
実施例1と同様の条件で作製したMEAを、実施例1と同様に図3に示す構成の治具にセットして発電試験を行った。発電条件はアノード極にはメタノール燃料濃度1.0mol/L、送液量1.2mL/minで燃料を供給し、カソード極には乾燥空気を65mL/minで送気してヒーター温度を60℃に制御しながら1.8Aの電流を電子負荷機で引きながら発電試験を行った。なお、メタノール燃料は超音波式のメタノール濃度計で純粋メタノールと純水を混合する自動調整機を使用して所定の濃度に調製しながら供給した。電圧はパソコンを用いて計測・記録した。初期の電圧は0.45Vと高かったが、160時間後に突然電圧が低下し、閾値電圧Vsとしていた0.33V以下となったため、メタノール燃料濃度を1.0mol/Lから1.2mol/Lに変えたところ、VL=0.35V以上の0.42Vまで回復して発電試験を続けることができた。さらに350時間後に再び電圧が急激に低下し閾値電圧0.33Vを下回ったため、再びメタノール燃料濃度の設定値を1.5mol/Lに変更したところ電圧は0.40Vまで回復し、500時間後に0.38Vとなったところで発電を停止した。α値は初期が0.15、500時間後は0.22であった。
<実施例3>
実施例1と同様の方法で作製した24cmのMEAを4枚準備し、それぞれサーペンタイン状の流路が形成された薄型のセパレータ2枚の間にテフロン製のシール材を用いて設置し、セパレータ2枚に挟まれたMEA4枚を積層した。メタノール水溶液を小型ポンプで送液し、各セルの燃料供給口の手前まではまとめて送り、その後供給口の直前で4つに分岐して各セルに均一に供給できるようにした。空気も同様に各セルのガス供給口の手前まではまとめて送り、供給口の直前で4つに分岐して各セルに均一に供給できるようにした。メタノール水溶液は1.5mol/Lの濃度とし、送液量は4セル全体で6mL/minとした。なお、メタノール燃料は超音波式のメタノール濃度計で純粋メタノールと純水を混合する自動調整機を使用して所定の濃度に調製しながら供給した。カソード空気供給量は4セル全体で600mL/minとした。発電温度は60℃となるようヒーターを制御した。電子負荷機で電流を3.6A取りながら、4セルの全電圧をパソコンで計測・記録しながら発電試験を行った。途中、発電試験6時間ごとに1時間の割合でカソード流量を700mL/minに高め1時間後には再び600mL/minに戻す制御を入れながら長時間発電試験を続けたところ、初期電圧1.85Vで始まり、500時間後の電圧は1.60Vまで低下したが、急激な電圧低下の現象は認められず安定して出力をとることができた。α値は初期が0.08、500時間後は0.21であった。
<比較例2>
実施例3と同様に作製した4セルスタックを、6時間に1時間の割合でカソード空気流量を高める制御を入れず、600mL/minの一定の流量で長時間発電を行ったところ、350時間を過ぎたところで電圧が1.2V以下まで急激に低下し、3.6Aの電流を安定してとることができなくなった。α値は初期が0.11、350時間後は0.17であった。
<実施例4>
実施例3と同様に作製した4セルスタックを電子負荷機で電流を3.6A取りながら、4セルの全電圧をパソコンで計測・記録しながら発電試験を行った。途中、発電試験10時間ごとに2時間の割合で発電温度を70℃に高め2時間後には再び60℃に戻す制御を入れながら長時間発電試験を続けたところ、初期電圧1.80Vで始まり、500時間後の電圧は1.50Vまで低下したが、急激な電圧低下の現象は認められず安定して出力をとることができた。α値は、初期が0.12、500時間後は0.19であった。
発明の効果
上記の通り、本発明の発電制御方法によれば、水透過係数αが1以下の起電部材MEAを用いた場合でも長時間安定して発電できる直接メタノール型燃料電池を提供することができる。
直接メタノール型燃料電池の起電部材(MEA)の要部を示す図。 直接メタノール型燃料電池に適用されるセパレータの一例を示す図。 直接メタノール型燃料電池により発電を行う際のセッティング例を示す図。 本発明による発電制御方法が適用される直接メタノール型燃料電池の好ましい構成を示す図。 本発明による第一の発電制御方法における燃料濃度制御の様子を示す模式図。 本発明による第二の発電制御方法における燃料濃度制御の様子を示す模式図。 本発明による第三の発電制御方法における温度制御および燃料流量制御の様子を示す模式図。

Claims (4)

  1. アノード電極、カソード電極ならびにこれらの両極に挟まれた固体高分子電解質膜からなる膜電極接合体、
    アノードへの燃料供給機構、
    燃料濃度制御機構、
    燃料タンクおよび
    カソードへのガス供給機構を有する燃料電池であって、
    前記の膜電極接合体における発電にともなってアノードからカソードへと移動する水素イオン(プロトン)数xに同伴して移動する水分子の数yの割合α〔ここで、α=y/xである。〕が1以下である直接メタノール型燃料電池において、
    前記の燃料濃度制御機構の濃度制御を、以下の式(a)にしたがって行うことを特徴とする、燃料電池の発電制御方法。
    0 ≦((C1−C0)/C0)/((P0−P1)/P0) ≦ 20 (a)
    〔ここで、C0は発電開始初期のメタノール燃料中のメタノール濃度であり、C1は発電開始からt時間経過後のメタノール燃料中のメタノール濃度であり、P0は初期出力(電圧×電流)であり、P1はt時間経過後の出力(電圧×電流)である。〕
  2. アノード電極、カソード電極ならびにこれらの両極に挟まれた固体高分子電解質膜からなる膜電極接合体、
    アノードへの燃料供給機構、
    燃料濃度制御機構、
    燃料タンクおよび
    カソードへのガス供給機構を有する燃料電池であって、
    前記の膜電極接合体における発電にともなってアノードからカソードへと移動する水素イオン(プロトン)数xに同伴して移動する水分子の数yの割合α〔ここで、α=y/xである。〕が1以下である直接メタノール型燃料電池において、
    前記の燃料電池から出力された電圧Vがあらかじめ設定された閾値電圧Vs以下となったことを検出した際に、アノードへ供給する燃料のメタノール濃度Cをあらかじめ設定しておいた増分ΔCだけ上昇させ、前記燃料電池が定常状態で使用できる最低電圧VL以上になるまで前記の燃料濃度制御機構の濃度制御を行うことを特徴とする、直接メタノール型燃料電池の発電制御方法。
    〔ここで、閾値電圧Vsは、燃料電池が定常状態で使用できる最低電圧VLより低い。〕
  3. アノード電極、カソード電極ならびにこれらの両極に挟まれた固体高分子電解質膜からなる膜電極接合体、
    アノードへの燃料供給機構、
    燃料濃度制御機構、
    燃料タンク、
    カソードへのガス供給機構および
    温度制御機構を有する燃料電池であって、
    前記の膜電極接合体における発電にともなってアノードからカソードへと移動する水素イオン(プロトン)数xに同伴して移動する水分子の数yの割合α〔ここで、α=y/xである。〕が1以下である直接メタノール型燃料電池において、
    前記の直接メタノール型燃料電池の発電を、(イ)温度T0、カソードガス流量F0で発電をtn時間継続して行う標準運転条件と、(ロ)温度T1、カソードガス流量F1で発電をta時間継続して行う特別運転条件のもとに行い、前記のtnとtaとの割合がta/(tn+ta)≦30%になるように制御しつつ、前記の標準運転条件と特別運転条件とを交互に繰り返しながら行うことを特徴とする、直接メタノール型燃料電池の発電制御方法。
    〔ここで、温度T0および温度T1はいずれも40℃以上90℃以下であり、特別運転条件における温度T1およびカソードガス流量F1の少なくとも一方は、標準運転条件における温度T0およびカソードガス流量F0よりも高い。また、カソード流量F0、F1にに対応するカソード化学量論比ξ0、ξ1は、1≦ξ0≦ξ1≦4を満たす。〕
  4. 前記の請求項1〜3のいずれか1項に記載の直接メタノール型燃料電池の発電制御方法が実施される、直接メタノール型燃料電池。
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