JP2009058234A - 漏れ電流測定装置及び測定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】対地絶縁抵抗に起因する漏れ電流及び対地静電容量に起因する漏れ電流を測定し、漏れ電流値が増大している相を判別する。
【解決手段】3相3線式又は3相4線式の配電系統の3相電源に接続される測定コンデンサ10の静電容量と前記測定コンデンサ10の接地線を流れる3次高調波電流Ic3とから、3次高調波相電圧E3を算出する。また、零相電流I0に含まれる3次高調波電流I03と3次高調波相電圧E3とから算出される対地静電容量と3相相電圧とから、対地静電容量によるR,S,Tの3相の合計漏洩電流値を計測する高周波処理部13と、商用周波数零相電流I0の有効成分、無効成分及び零相電流I0を出力する基本波処理部3の両処理部の出力値から対地静電容量による各相別の漏洩電流と、対地絶縁抵抗よる漏れ電流Igrの誤差を最小にした値と、漏れ電流Igrが増大している相を判別する演算部14を備える。
【選択図】図1
【解決手段】3相3線式又は3相4線式の配電系統の3相電源に接続される測定コンデンサ10の静電容量と前記測定コンデンサ10の接地線を流れる3次高調波電流Ic3とから、3次高調波相電圧E3を算出する。また、零相電流I0に含まれる3次高調波電流I03と3次高調波相電圧E3とから算出される対地静電容量と3相相電圧とから、対地静電容量によるR,S,Tの3相の合計漏洩電流値を計測する高周波処理部13と、商用周波数零相電流I0の有効成分、無効成分及び零相電流I0を出力する基本波処理部3の両処理部の出力値から対地静電容量による各相別の漏洩電流と、対地絶縁抵抗よる漏れ電流Igrの誤差を最小にした値と、漏れ電流Igrが増大している相を判別する演算部14を備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、電路及び電気機器の電圧印加部分から接地部分への漏れ電流を測定する漏れ電流の測定装置及び測定方法に関する。
従来、電路及び電気機器の絶縁状態を調べる方法として、被測定電路や電気機器を停電させて、絶縁抵抗計で測定する方法が広く用いられている。このような方法は、停電が許されない配電線や連続操業の工場等に適用することができない。
そこで、被測定電路や電気機器を停電させることなく、活線のまま電路及び電気機器の絶縁状態を調べる技術が提案され、用いられている。この種の技術として、零相変流器によって検出する電路及び電気機器の電圧印加部分から接地部分へ流れる電流である零相電流(以下I0という。)を検知するようにしたものがある。この零相電流(漏れ電流)I0は、電路及び電気機器の電圧印加部分と接地部分間の絶縁抵抗を通じて流れる漏れ電流(以下、Igrという。)と、この電圧印加部分と接地部分間に通常存在する対地静電容量を通じて流れる漏れ電流(以下、Igcという。)とのベクトル和で構成されている。
近年、電力用半導体素子を応用したインバーター等高い周波数を発生させる機器が広く用いられ、400V級配電線では、線路の敷設長、設備容量の増大が影響して、静電容量を通じて流れる漏れ電流Igcの増加が著しい。
したがって、零相電流I0のみの検出だけでは、本来検出が目的の漏電の尺度である対地絶縁抵抗を通じて流れる漏れ電流Igrとの区別が不可能となり、零相電流I0の増大を検出して動作する漏電遮断器の誤動作を招いている。
近年、電力の大口需要家で採用が増加し、かつ、海外の配電方式の標準となっている、変圧器の低圧側の3相巻線を星形に結線した電源から給電される400V級3相4線式配電方式(以下3相4線配電という。)の電路及び電気機器の絶縁の絶縁状態の測定方法として、電圧印加部分から接地部分へ流れる零相電流I0を測定し、この値を絶縁抵抗を通じて流れる漏れ電流Igrの値として絶縁を監視する方法が行われている。
この方法は、3相各相の対地静電容量の値が等しい(以下この状態を、バランス状態という。)ときは、漏れ電流Igrの値と零相電流I0の値とは一致するが、等しくないとき(以下この状態を、アンバランス状態という。)は、アンバランス状態に起因する値が零相電流I0の値に加わって出力されるため、零相電流I0の値を漏れ電流Igrの値とすると大きな誤差を含むことになる。何よりも、各相の対地静電容量がバランスしているかどうかは、この時点では計測不能なため、測定そのものの信頼性が失われている。
他の方法である、変圧器の低圧側3相巻線を正三角形に結線した電源から給電される200V3相3線のうちの1線を接地する配電方式の測定方法は、アンバランス状態に起因する誤差を含む漏れ電流Igrの計測は可能であるが、3相4線配電方式には適用できない。さらに他の方法として、特開2002−125313号公報(特許文献1)及び特開平3−179271号公報(特許文献2)において開示される技術がある。これら公報において開示される技術は、構成が複雑であって、しかも測定プログラムも大容量であるので、3相4線式配電方式の電路における漏れ電流Igrの測定には不向きである。低周波の低電圧を配電線に送り込む方法は、特許文献2に記載されるように、全ての回路にも適用可能であるが、設備が複雑であり、安価に提供することが困難である。
近年、3相4線配電方式の系統規模が広範囲複雑化し、漏電遮断器の誤作動の原因となる対地静電容量を通じて流れる漏れ電流Igcの値も増大し、これらの減少対策が必要になっている。また、3相4線配電方式は、大容量動力等の3相負荷と照明や大容量溶接器等の単相負荷が混在しアンバランス状態の系統が増加している。このため、各相別のIgcを測定して配電系統状態を把握し、アンバランス状態に起因する誤差を少なくした故障に関係する漏れ電流Igrを測定し、さらに、漏れ電流Igrが増大している相を検出して、絶縁劣化個所と劣化程度の把握等の要求が増大しているが、従来の方法ではこれらの測定検出は不可能である。
特開2002−125313
特開平3−179271
本発明は、上述したような問題点を解消することを技術課題として提案されたものであって、3相3線式又は3相4線の配電方式の配電回路の対地静電容量を通じて流れる各相別の電流Igc値を把握し、さらに、アンバランス状態に起因する誤差を少なくした漏れ電流Igr値を把握し、さらにまた、漏れ電流Igr値が増大している相の判定を行うことを可能とする漏れ電流の測定装置及び測定方法を提供することを技術課題とする。
上述したような技術課題を解決するため、本発明に係る漏れ電流の測定装置は、電源が星形に結線された3相3線式又は3相4線式の配電系統の電路又は電気機器の対地絶縁抵抗に起因する漏れ電流Igr及び対地静電容量に起因する漏れ電流Igcを測定する漏れ電流の測定装置である。この漏れ電流測定装置は、3組のコンデンサを星形に結線し、その中性点を、接地線を経由して接地する測定用の回路と、3相3線式又は3相4線式の配電系統の3相電源の3相相電圧に含まれる電源商用周波数の3倍の周波数である3次高調波相電圧E3に起因し、接地線を流れる3次高調波電流の値Ic3と3組のコンデンサの静電容量の値とから、3次高調波相電圧E3の値を算出し、3線又は4線に流れる電流のベクトル和である零相電流I0に含まれる3次高調波電流の値と前記3次高調波相電圧E3の値とから算出される3相合計の対地静電容量の値と3相相電圧の値とから、電源商用周波数における対地静電容量に起因するR相、S相及びT相の3相の合計漏洩電流(IgcR+IgcS+IgcT)の値を計測する高調波処理手段と、電源商用周波数の3相相電圧が入力され、零相電流I0を、3相のうちのいずれか1相の入力電圧と同位相方向の成分I0Aと、入力電圧と直角方向の成分I0Bとに分解して得られる電流値と、零相電流I0と、合計漏洩電流(IgcR+IgcS+IgcT)の値とに基づいて、対地静電容量に起因する各相別の漏洩電流IgcR、IgcS、IgcTの値と、対地絶縁抵抗に起因する漏れ電流Igrの誤差を最小にした値と、前記漏れ電流Igrの値が最大になっている相を演算する演算手段とを備える。
ここで用いる演算手段は、3相電源の3相相電圧のうちの2相分の入力電圧と同位相方向の成分と、3相相電圧のうちの2相分の入力電圧と直角方向の成分の値が零又はほぼ零のときに、零相電流I0に含まれる電源商用周波数成分の値を対地絶縁抵抗に起因する漏れ電流Igrとして出力する。
本発明に係る漏れ電流測定装置は、さらに、表示手段を備え、この表示手段には、演算手段によって演算された結果が表示される。
本発明に係る漏れ電流の測定装置は、さらに、演算手段において求められる値のいずれかが所定の値を超えたときに警報を発する警報手段を備える。
また、本発明は、星形に結線された3相3線式又は3相4線式の配電系統の電路又は電気機器の対地絶縁抵抗に起因する漏れ電流Igr及び対地静電容量に起因する漏れ電流Igcを測定する漏れ電流の測定方法であって、3組のコンデンサを星形に結線し、その中性点を、接地線を経由して接地する測定用の回路を有し、3相3線式又は3相4線式の配電系統の3相電源の3相相電圧に含まれる電源商用周波数の3倍の周波数である3次高調波相電圧E3に起因し、接地線を流れる3次高調波電流の値Ic3と3組のコンデンサの静電容量の値とから、前記3次高調波相電圧E3の値を算出し、3線又は4線に流れる電流のベクトル和である零相電流I0に含まれる3次高調波電流の値と3次高調波相電圧E3の値とから算出される3相合計の対地静電容量の値と3相相電圧の値とから、電源商用周波数における対地静電容量に起因するR相、S相及びT相の3相の合計漏洩電流(IgcR+IgcS+IgcT)の値を計測する高調波処理工程と、電源商用周波数の3相相電圧が入力され、零相電流I0を、3相のうちのいずれか1相の入力電圧と同位相方向の成分I0Aと、入力電圧と直角方向の成分I0Bとに分解して得られる電流値と、零相電流I0と、合計漏洩電流(IgcR+IgcS+IgcT)の値とに基づいて、対地静電容量に起因する各相別の漏洩電流IgcR、IgcS、IgcTの値と、対地絶縁抵抗に起因する漏れ電流Igrの誤差を最小にした値と、漏れ電流Igrの値が最大になっている相を演算する演算工程とを有する。
本発明に係る漏れ電流の測定方法において、演算工程は、3相電源の3相相電圧のうちの2相分の入力電圧と同位相方向の成分I0Aと、3相相電圧のうちの2相分の入力電圧と直角方向の成分I0Bの値が零又はほぼ零のときに、零相電流I0に含まれる電源商用周波数成分の値を対地絶縁抵抗に起因する漏れ電流Igrとして出力する。
ここで、本発明に係る漏れ電流測定装置及び測定方法が適用される星形に結線された3相4線式配電回路の電源である星形巻線の中心点は、直接接地されているので、50Hz又は60Hz(以下基本周波数という。)の商用電源では接地点0電位に対し、大きさが等しく位相が120度ずつ異なる3相電圧が巻線の他端である3相端子から配電線に供給される。
ところで、3相端子には電路や電気機器が接続され、それらの電圧印加部分と接地部分との間に対地静電容量が存在する。各相対地静電容量が同じ値のときは、各相に対地静電容量を通じて流れる漏れ電流であるIgcは大きさが等しく位相が120度ずつ異なるので、各相のIgcをベクトル的に合算した値は0になり、この値を含む3線に流れる電流のベクトル和である零相電流I0の測定において、各相のIgcの値は不明である。また、アンバランス状態でも各相のIgcの値の合計はこれらをベクトル的に合算した値とは異なり、これらベクトル的に合算した値を含む零相電流I0を検出する方法では、各相別のIgcの値の検出は不可能である。
本発明に係る漏れ電流測定装置及び測定方法においては、3相各相の対地静電容量の値が等しいか否かのバランス状態の判定のため、通常の基本周波数による計測を行う。まず、3相3線式又は3相4線式の配電系統の接地点を共有する星形巻線の3相相電圧を順次入力し、各入力電圧ごとに、零相電流I0を入力電圧と同相の成分I0Aとこれと90度の位相差を有する成分I0Bとに分解し、これらの成分I0Aと成分I0Bの値の相互の傾向によって、バランス状態を判定し、アンバランス状態に起因する誤差を少なくした漏れ電流Igrの値を算出し、漏れ電流Igrの値が増大している相の判定も行う。
以上のような基本周波数では、各相に流れる電流の位相角は120度異なるので、各相に対地静電容量を通じて流れる漏れ電流Igcの値が等しければ3相分のベクトル合算値は0になり、漏れ電流Igcの計測はできない。そこで、本発明においては、電源電圧に少量含まれる3次高調波電圧を用いて、各相合計の漏れ電流Igcの値を計測し、この計測された値と、零相電流I0と、この零相電流I0を分解して得られる入力電圧と同相の成分I0Aと、この成分I0Aと90度の位相差を有する成分I0Bの値とともに各相別の漏れ電流Igcを算出し、この算出された値によって対地絶縁抵抗に起因する漏れ電流Igrの値を修正し、誤差の少ない漏れ電流Igrの算出を行い、さらには、これらの値の関係に基づいて故障相の判定を行う。
ところで、3相相電圧間の位相角は基本周波数では120度であるが、3次高調波相電圧では3倍の周波数であり、位相角は120度の3倍の360度の同位相になり、星形に結線された3相4線式配電回路の星形巻線の中心点である接地点に対して、各端子には同じ位相の3次高調波電圧が存在し、各相に接続される配電線や電気機器等の負荷の対地静電容量を通じて流れる3次高調波電流も同じ位相になり、基本周波数のように打ち消されることなくそれらの値は合計される。この3次高調波電圧を用いて各相合計の3次高調波電流の値を測定する。
本発明においては、以上の方式を異にする2種類の計測によって得た値から、各相ごとの対地静電容量を通じて流れる漏れ電流Igcの値及びアンバランス状態に起因する誤差の状態を計算し、この誤差を最小にした対地絶縁抵抗に起因する漏れ電流Igrの値を算出し、漏れ電流Igrの値が増大した相の判定を行う。
本発明に係る漏れ電流測定装置及び測定方法は、例えば、星形に結線された3相4線式の配電系統で、その絶縁状態を表す対地絶縁抵抗に起因する漏れ電流Igrの値として零相電流I0の値を測定することにより判定したことによる問題点を解決したものである。従来の 零相電流I0の値の値に基づいて漏れ電流Igrの測定を行う技術では、対地静電容量のアンバランス状態に起因する測定誤差が存在し、アンバランス状態の判定そのものが不可能であるため、測定値の信頼性が極めて低く信頼性に欠けるものであった。本発明は、これらの誤差の状態を解明するために、従来測定不能とされてきた各相毎の対地静電容量を求め、この対地静電容量を用いて絶縁状態を表す漏れ電流Igrの値を精度よく測定し、且つ絶縁が劣化した相を判別し、漏電リレーが誤動作を起こす原因解明に必要な各相別の対地静電容量を測定可能としたものである。その結果、本発明を採用することにより、配電設備及び電気機器の故障に起因する絶縁状態を通電状態のまま連続的に測定可能とし、予防保全の精度を大きく向上し、停電事故の発生を防止し、しかも保守管理費用の低減を図り、設備全体の信頼性の著しい向上を実現したものである。
以下、本発明を適用した漏れ電流測定装置及びその測定方法の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、3相4線の配電方式の配電系統に本発明に係る漏れ電流測定装置を適用した一例を示す概略系統図である。3相4線の配電方式は、変圧器の低圧側の3相巻線を星形に結線した電源から給電される400V級の3相4線式の電路及び電気機器に用いられる。
本発明に係る漏れ電流測定装置は、この3相4線の配電方式を用いた配電系統の電路又は電気機器の対地絶縁抵抗に起因する漏れ電流Igr及び対地静電容量に起因する漏れ電流Igcを測定する。
本発明に係る漏れ電流の測定装置が適用される3相4線の配電方式を用いた配電系統は、図1に示すように、配電用の3相変圧器の低圧側の星形に巻線した星形巻線1と負荷設備5とを、3相R,S,Tの接続線4R,4S,4Tと接地線4Gとからなる配電線4により接続している。
配電用の3相変圧器の低圧側の星形巻線1は、3つのコイルを中性点Nで接続し、かつ3相端子R,S,Tをそれぞれ3相の線路に接続している。また、星形巻線1は、中性点NをG点で接地するとともに負荷設備5にも接続しているが、3相3線方式では、この負荷設備5への接続を省略する。3相端子R,S,Tには、3相の相電圧ER,ES,ETが発生している。3相の相電圧ER,ES,ETは、接地電位である中性点N及び接地点Gに対して大きさが等しく、基本周波数では位相が120度ずつ異なる。
そして、変圧器の中性点Nと接地点Gとは、接地線8を介して接続されている。接続線8には、中性点Nから接地点Gに向かってR,S,T各相の漏れ電流のベクトル合算電流I0が流れる。この漏れ電流の合算電流I0は、後述するように、零相変流器9により零相電流I0として検出される。
また、配電線4(4R,4S,4T)のそれぞれの相には、対地静電容量CR,CS,CTが存在する。具体的には、3相のうち端子Rと負荷設備5とを接続する配電線路4Rには、対地静電容量CRが生ずる。端子Sと負荷設備5とを接続する配電線路4Sにも対地静電容量CSが生じ、端子Tと負荷設備5とを接続する配電線路4Tにも対地静電容量CTが生ずる。これらの対地静電容量CR,CS,CTには、常時、対地電流IgcR,IgcS,IgcTが流れている。また、いずれかの端子と負荷設備5を接続する配電線4又は負荷設備5には、漏洩抵抗rが生ずることがある。漏洩抵抗rには、漏洩電流Igrが流れる。
なお、配電線4中の接地線4Gは、対地電圧が殆ど零であるため、対地漏洩電流は流れないものとする。
そして、本発明に係る漏れ電流測定装置は、R,S,T各相の漏れ電流の合算電流である零相電流I0を検出する零相変流器9と、3相端子R,S,Tに発生した3相の各相電圧ER,ES,ETを切り換えて後述する処理演算部16に供給する切換開閉器2を備える。この漏れ電流測定装置は、さらに、測定コンデンサ10を備える。また、漏れ電流測定装置は、測定コンデンサ10により測定された測定コンデンサ電流Ic3と零相電流I0中に含まれる3次高調波電流I03の処理演算部16への入力を制御する測定開閉器11と、測定コンデンサ電流Ic3を電圧量に変換して処理演算部16に供給する抵抗により構成された分流器12と、上記零相電流I0、上記測定コンデンサ電流Ic3、上記3次高調波電流IO3を処理し、対地絶縁抵抗に起因する漏れ電流Igrの値及び対地静電容量に起因する各相毎の漏れ電流Igcの値と、漏れ電流Igrが発生している相の判定を行い、その判定の結果及び各値を表示部15に表示させる処理演算部16を備える。
処理演算部16は、切換開閉器2によって切り換えられた3相の各相電圧ER,ES,ETのいずれかの電圧と零相変流器9からの零相電流I0との位相差を測定する基本波処理部3と、零相電流I0に含まれる3次高調波電流I03及び上記測定コンデンサ電流Ic3を処理する高調波処理部13と、3次高調波電流を用いて各相合計の漏れ電流Igcの値と、各相毎の漏れ電流Igcの値と、対地絶縁抵抗に起因する漏れ電流Igrの値とを測定算出し、漏れ電流Igrが増大している相を判定する演算部14と、誤差を少なくした漏れ電流Igrの値と各相毎の漏れ電流Igcと、その判定結果等を表示する表示部15とを備えている。
ここで、図1に示す配電系統に適用された漏れ電流測定装置の基本処理部3で行われる基本波に対する動作を説明する。
図1において、切換開閉器2は、3相端子R,S,Tにそれぞれ発生した3相の相電圧ER,ES,ETを切り換えて基本波処理部3に入力する。
図2は、3相の相電圧ER,ES,ETのベクトルをベクトル記号法で図示したものである。例えば、R相の相電圧ERを切換開閉器2で切り換えて基本波処理部3に入力させるときは、入力される相電圧ERを横軸である有効成分方向の実数軸上の基準ベクトルEで表す。他の相電圧ES,ETは、図2に示すように、有効成分と、縦軸方向の無効成分を表す記号jを付した部分とに分解すると、各相R,S,Tの各相電圧ER,ES,ETは、次の式(1)〜式(3)で表される。
ER=E ・・・(1)
ES=−0.5E−j0.5√3E ・・・(2)
ET=−0.5E+j0.5√3E ・・・(3)
図3は、零相電流I0を基準電圧Eと同方向成分の有効成分I0Aと、基準電圧と直角方向成分の無効電圧I0Bとに分解した図である。このとき、零相電流I0は、下記の式(4)で表される。
ES=−0.5E−j0.5√3E ・・・(2)
ET=−0.5E+j0.5√3E ・・・(3)
図3は、零相電流I0を基準電圧Eと同方向成分の有効成分I0Aと、基準電圧と直角方向成分の無効電圧I0Bとに分解した図である。このとき、零相電流I0は、下記の式(4)で表される。
I0=I0A+jI0B ・・・(4)
なお、基準電圧Eと零相電流I0との角を位相角θとする。
なお、基準電圧Eと零相電流I0との角を位相角θとする。
図4は、基準電圧Eが入力電圧である対地電圧のとき、実際の配電系統の漏れ電流(零相電流)I0を対地絶縁抵抗に起因する漏れ電流Igrと対地静電容量に起因する漏れ電流Igcとに分解した図である。
ところで、配電線4及び負荷設備5には、前述したように、それぞれの相に対地静電容量CR,CS,CTが存在し、これら対地静電容量には、常時対地漏洩電流IgcR,IgcS,IgcTが流れている。
なお、星形巻線1の3つの巻線の中性点N及びこれに接続された配電線4Gの対地電圧は殆ど0なので、対地漏れ電流は無視できる。
ここで、基本周波数をfHz、角周波数をω=2πf(rad/s)とし、各相R,S,Tの相電圧ER,ES,ETを基本波処理部3に入力させるときの基準ベクトルをEとし、入力電圧を基準ベクトルとして各電流を計算する。
このときの各相R,S,Tの対地静電容量に起因する漏洩電流IgcR、IgcS、IgcTは、以下の式(5)、(6)及び(7)となる。
IgcR=jωCRER=jωCRE ・・・(5)
IgcS=jωCSES=0.5√3ωCSE−j0.5ωCSE ・・・(6)
IgcT=jωCTET=−0.5√3ωCTE−j0.5ωCTE ・・・(7)
ここで、R相における漏れ電流Igrは、電気抵抗rの対地抵抗7を介して接地したときの電流である。この漏れ電流Igrは、1/rをgとするとき、次の式(8)となる。
IgcS=jωCSES=0.5√3ωCSE−j0.5ωCSE ・・・(6)
IgcT=jωCTET=−0.5√3ωCTE−j0.5ωCTE ・・・(7)
ここで、R相における漏れ電流Igrは、電気抵抗rの対地抵抗7を介して接地したときの電流である。この漏れ電流Igrは、1/rをgとするとき、次の式(8)となる。
Igr=gER=gE ・・・(8)
そして、接地点Gからと配電用3相変圧器の低圧側の星形巻線1の中性点Nへは、前述したように、接地線8を介してR、S、Tの各相の漏れ電流のベクトル合算電流である零相電流I0が流れ、この零相電流I0は、零相変流器9によって検出され、基本波処理部3に出力される。
そして、接地点Gからと配電用3相変圧器の低圧側の星形巻線1の中性点Nへは、前述したように、接地線8を介してR、S、Tの各相の漏れ電流のベクトル合算電流である零相電流I0が流れ、この零相電流I0は、零相変流器9によって検出され、基本波処理部3に出力される。
ところで、基本波処理部3は、R、S、Tの各相の漏れ電流のベクトル合算電流である零相電流I0を入力される各相の電圧毎に対比して図3に示すように分解する。上記零相電流I0を式で表すと式(9)に示すようになる。
I0=IgcR+IgcS+IgcT
=jωCRE+0.5√3ωCSE−j0.5ωCSE+(−0.5√3ωCTE−
j0.5ωCTE)+gE
=(0.5√3ω(CS−CT)+g)E+jω(CR−0.5CS−0.5CT)E
・・・(9)
入力基準電圧Eと同相である零相電流I0の有効成分をI0Aとすると、I0Aは次の式(10)により表すことができる。
=jωCRE+0.5√3ωCSE−j0.5ωCSE+(−0.5√3ωCTE−
j0.5ωCTE)+gE
=(0.5√3ω(CS−CT)+g)E+jω(CR−0.5CS−0.5CT)E
・・・(9)
入力基準電圧Eと同相である零相電流I0の有効成分をI0Aとすると、I0Aは次の式(10)により表すことができる。
I0A=(0.5√3ω(CS−CT)+g)E
=0.5√3(IgcS−IgcT)+Igr ・・・(10)
また、入力される基準電圧Eより90度進んだ記号jの係数部であるI0の無効成分をIOBとすると、IOBは次の式(11)により表すことができる。
=0.5√3(IgcS−IgcT)+Igr ・・・(10)
また、入力される基準電圧Eより90度進んだ記号jの係数部であるI0の無効成分をIOBとすると、IOBは次の式(11)により表すことができる。
IOB=ω(CR―0.5CS―0.5CT)E
=IgcR―0.5IgcS―0.5IgcT ・・・(11)
以上の計算結果から、星形巻線1から入力される基準電圧Eと、各相の漏れ電流のベクトル合算電流である零相電流I0と、その有効成分I0Aと、その無効成分I0Bとの関係は、図3のようなベクトル図で表される。なお、零相電流I0の有効成分I0Aとその無効成分I0Bのベクトル和が漏れ電流の合計電流I0となっている。なお、上記基準電圧Eは、合計電流I0の有効成分I0Aと同じ基準軸上に示される。
=IgcR―0.5IgcS―0.5IgcT ・・・(11)
以上の計算結果から、星形巻線1から入力される基準電圧Eと、各相の漏れ電流のベクトル合算電流である零相電流I0と、その有効成分I0Aと、その無効成分I0Bとの関係は、図3のようなベクトル図で表される。なお、零相電流I0の有効成分I0Aとその無効成分I0Bのベクトル和が漏れ電流の合計電流I0となっている。なお、上記基準電圧Eは、合計電流I0の有効成分I0Aと同じ基準軸上に示される。
実際の測定に際しては、図3の漏れ電流測定値ベクトル図に示すように、基本波処理部3に入力される基準電圧Eと零相電流I0の波形から、基準電圧Eと零相電流I0との間の位相角θを算出し、演算部14で零相電流I0を基準電圧Eと同相の成分としての有効成分I0Aと、基準電圧Eより90度進んだ成分としての無効成分I0Bとに分解して出力する。
次に、切換開閉器2で、R相からS相、又はR相からT相へ切り換え、S相に入力される相電圧ES、T相に入力される相電圧ETをそれぞれ基本波処理部3へ入力し、上述したR相の場合と同様の測定を行うと、S相、R相の有効成分I0Aと無効成分IOBの値が得られる。
上述したようなR相以外のS相、T相の状態を測定する場合においても、R相の場合と同様に、上述した式10及び式11により求められる零相電流I0の有効成分I0Aと、零相電流I0の無効成分IOBの値が得られる。
上述したように式10及び式11により求められるR,S,Tの各相における零相電流I0の有効成分I0Aと零相電流I0の無効成分IOBを表す式を図5に示す。
そして、切換開閉器2を切り換え操作し、基本波処理部3に入力される相電圧ER、ES、ETを切り換え、R,S,Tの3相のうちの2相、又は3相の状態を測定したとき、式10及び式11により求められる零相電流I0の有効成分I0Aと無効成分IOBの式から判断して、実際に測定された値が0若しくは0に近い値のとき、各相はバランス状態にあって、対地絶縁抵抗に起因する漏れ電流Igrはほど0である。一般に広く用いられている小規模の配電系統ではこの状態がほとんどであり、この状態では零相電流I0の値を漏れ電流Igrの値として、取り扱うことができる。
次に、図1に示す基本波処理部3の具体的な構成を図6を参照して説明する。この基本波処理部3は、電圧検出器21と、第1の増幅器22と、第1のローパスフィルタ(LPF)23と、第1の実効値変換器28と、I0検出器24と、第2の増幅器25と、第2のローパスフィルタ(LPF)26と、第2の実効値変換器29と、位相差計測器27とを備える。
基本波処理部3において、電圧検出器21には、切換開閉器2によって切り換え入力されるR,S,Tの各相に印加される各相電圧ER,ES,ETが入力される。第1の増幅器22は、電圧検出器21の検出感度に応じて、電圧検出器21から出力される各相電圧ER,ES,ETを適切な値になるまで増幅する。第1のローパスフィルタ23は、各相電圧ER,ES,ETの基本周波数を超える周波数成分を減衰させて基本周波数波形を取り出す。
次に、I0検出器24は、接地線8を流れる漏れ電流である零相電流I0を零相変流器9を介して取り込む。第2の増幅器25は、I0検出器24で検出された零相電流I0を適量まで増幅する。第2のローパスフィルタ26は、第2の増幅器25で増幅された零相電流I0の基本周波数を超える周波数成分を減衰させて基本周波数波形を取り出す。
そして、位相差計測器27は、各相から入力される基準電圧Eと零相電流I0との位相差を計測する。ここで、各相から入力される基準電圧Eと、零相電流I0の位相差を図7に示す。基本波処理部3において、第1のローパスフィルタ23は入力された基準電圧Eの波形と、第2のローパスフィルタ26から出力された零相電流I0の波形を、例えばオペアンプゼロクロッシング回路に入力すると、それらの出力波形は、図7に示すように、基準電圧Eに対してはEz、零相電流I0に対してはIzとなる。基準電圧E及び零相電流I0の出力波形EzとIzの波高値を一致させてその差を求める。その差の絶対値の波形は、図7中に示す|Ez−Iz|波形になる。図7に示すように、|Ez−Iz|波形及びIz波形の突出部分の面積をそれぞれS1、S2とすれば、S1、は基準電圧Eと零相電流I0との位相差角θに比例し、S2は位相差180度に比例する。このS1、S2に比例した電圧は、演算部14に出力される。
そして、第1の実効値変換器28は、基準電圧Eの基本周波数波形を両波整流して実効値に比例したアナログ値に変換し、演算部14に入力する。第2の実効値変換器29は、零相電流I0の基本周波数波形を両波整流して実効値に変換したアナログ値に変換して演算部14に入力する。
なお、基本波処理部3に入力される相電圧ER、ES、ETは、切換開閉器2が切り換え操作されて順次に入力され、計測が行われる。
ところで、各相から入力される基準電圧Eと零相電流I0の基本周波数波形は、図7において、零相電流I0の位相が基準電圧Eの位相より遅れたように示されているが、同じ零相電流I0に対して、入力する基準電圧EはR,S,Tの各相に順次入力されるので、その位相差は0度から360度まで変化する。両者の波形が大きさ零点を通過した、いわゆるゼロクロッシングした時点からの位相差θが0〜180度の場合を図7において示し、その位相差θが180〜360度の場合を図8に示す。図7に示す基準電圧Eと零相電流I0の基本周波数の位相差θが0〜180度の範囲にあるときには、位相差θは、零相電流I0の基本周波数がゼロクロッシングした直後のゼロクロッシング出力IzとEzの値が「負負」又は「正正」のいずれかであるかによって判定し、位相差パルスの面積S1又は時限t1、半波パルスの面積S2又は時限t2を演算部14へ入力し、下記に示す式(12)、又は式(13)から算出する。
θ=180S1/S2 ・・・(12)
θ=180t1/t2 ・・・(13)
そして、図8に示す基準電圧Eと零相電流I0の基本周波数の位相差θが180〜360度の範囲にあるときには、位相差θは、零相電流I0の基本周波数がゼロクロッシングした直後のゼロクロッシング出力IzとEzの値が「正負」又は「負正」のいずれかにあるによって判定し、位相差パルスの面積S3又は時限t3、半波パルスの面積S2又は時限t2を演算部14へ入力し下記に示す式(14)、又は式(15)から算出する。
θ=180t1/t2 ・・・(13)
そして、図8に示す基準電圧Eと零相電流I0の基本周波数の位相差θが180〜360度の範囲にあるときには、位相差θは、零相電流I0の基本周波数がゼロクロッシングした直後のゼロクロッシング出力IzとEzの値が「正負」又は「負正」のいずれかにあるによって判定し、位相差パルスの面積S3又は時限t3、半波パルスの面積S2又は時限t2を演算部14へ入力し下記に示す式(14)、又は式(15)から算出する。
θ=360−180S3/S2 ・・・(14)
θ=360−180t3/t2 ・・・(15)
また、演算部14は、入力された基本周波数の零相電流I0を用いて下記に示す式(16)、式(17)の演算を行う。
θ=360−180t3/t2 ・・・(15)
また、演算部14は、入力された基本周波数の零相電流I0を用いて下記に示す式(16)、式(17)の演算を行う。
I0A=I0cosθ ・・・(16)
I0B=I0sinθ ・・・(17)
すなわち、ある相の入力基準電圧Eに対する零相電流I0の有効成分I0Aと無効成分I0Bとを求める。そして、R,S,Tの各相から入力された電圧の実測値から、各相入力電圧に対する零相電流I0の有効成分I0Aと無効成分IOBの値を求める。これを図5に示すR,S,Tの入力相の各相における有効成分I0Aの測定値I0RA〜I0TAとし、さらに、無効成分I0Bの測定値I0RB〜I0TBとする。これら測定値I0RA〜I0TA、測定値I0RB〜I0TBとは、図5に示す計算式の右辺より求められる値に相当する値である。
I0B=I0sinθ ・・・(17)
すなわち、ある相の入力基準電圧Eに対する零相電流I0の有効成分I0Aと無効成分I0Bとを求める。そして、R,S,Tの各相から入力された電圧の実測値から、各相入力電圧に対する零相電流I0の有効成分I0Aと無効成分IOBの値を求める。これを図5に示すR,S,Tの入力相の各相における有効成分I0Aの測定値I0RA〜I0TAとし、さらに、無効成分I0Bの測定値I0RB〜I0TBとする。これら測定値I0RA〜I0TA、測定値I0RB〜I0TBとは、図5に示す計算式の右辺より求められる値に相当する値である。
そして、本発明に係る漏れ電流の測定装置及び測定方法では、3相4線又は3相3線の配電方式を採用した配電系統の配電線4(4R,4S,4T)のそれぞれの相に存在する対地静電容量CR,CS,CTに流れる漏れ電流IgcR、IgcS、IgcTの合計を、3相電源の3相相電圧に含まれる電源商用周波数の3倍の周波数である3次高調波相電圧E3を利用して測定する。
図1において、測定コンデンサ10は、3つのコンデンサC1〜C3を星形に結線したもので、その中性点Mは測定開閉器11、分流器12を介して接地されている。そして、各コンデンサC1〜C3の他の端子は、3相の各端子R、S、Tに接続される。この測定コンデンサ10の3つのコンデンサC1〜C3に50Hz又は60Hzの基本周波数の3相電圧を印加すれば、これらコンデンサC1〜C3が同じ静電容量の場合、それらの電流のベクトル和は0になり、測定コンデンサ10の中性点Mから接地点に流れる基本周波数の電流は0である。
測定コンデンサ10の3相の各端子R,S,Tに加わる電圧は、基本周波数に対しては120度の位相差があるが、3次高調波ではこの位相差が120度の3倍の360度で同位相になり、この同じ位相の電圧が各端子R,S,Tに加わる。このため、3つのコンデンサC1〜C3には同じ方向の3次高調波電流が流れ、中性点Mから測定開閉器11、分流器12を経由して接地される間は、3つのコンデンサC1〜C3の電流の値を合計した3次高調波電流IC3が流れる。
したがって、3つのコンデンサC1〜C3の静電容量は、3次高調波電流に限れば異なった値でもよい。R,S,Tの各相の3次高調波電圧E3は同じ値とし、測定コンデンサ10の静電容量の合計値をC0とすると、3次高調波電流の合計値はIC3であることから、下記の式(18)に示すようになる。
E3=IC3/(2π3fC0) ・・・(18)
そして、抵抗により構成された分流器12は、3次高調波電流IC3を電圧量に変換し、且つ各相の電源電圧ER,ES,ETに含まれる3次高調波電圧E3に比例した量に変換して高調波処理部13に入力する。分流器12を構成する抵抗の抵抗値は、測定コンデンサ10のリアクタンス値より十分に小さい値であるので、3次高調波電流IC3の測定に殆ど影響しない。
そして、抵抗により構成された分流器12は、3次高調波電流IC3を電圧量に変換し、且つ各相の電源電圧ER,ES,ETに含まれる3次高調波電圧E3に比例した量に変換して高調波処理部13に入力する。分流器12を構成する抵抗の抵抗値は、測定コンデンサ10のリアクタンス値より十分に小さい値であるので、3次高調波電流IC3の測定に殆ど影響しない。
ここで、3次高調波電圧E3を測定するため、測定開閉器11を閉路すると、各相の電源電圧ER,ES,ETに含まれる3次高調波電圧E3に比例した3次高調波電流IC3が測定コンデンサ10から分流器12に流れる。
測定開閉器11が開路状態では、零相電流I0が零相変流器9を介して処理演算部16に入力されるが、零相電流I0中に各相に供給される電源電圧ER、ES、ETに含まれる3次高調波電圧E3に起因する対地静電容量6へ流入する合計電流I03が含まれており、この電流成分も高調波処理部13に入力される。基本波処理部3は、零相電流I0に含まれる商用周波数である基本波を処理する。
次に、図1における高調波処理部13の詳細について図6を参照して説明する。高調波処理部13は、零相電流I0中に含まれる各相の3次高調波電流の合計電流I03を検出するI03検出器31と、第1の増幅器32と、第1のバンドパスフィルタ(BPF)33と、第1の実効値変換部34と、3次高調波電流Ic3を検出するIc3検出器35と、第2の増幅器36と、第2のバンドパスフィルタ(BPF)37と、第2の実効値変換器38とを備える。
I03検出器31は、接地線8を流れる基本周波数及び3次高調波を含む漏れ電流I03を零相変流器9を通じて取り込む。第1の増幅器32は、上記I03検出器31が取り込んだ漏れ電流I03を適量まで増幅する。第1のバンドパスフィルタ33は、第1の増幅器32が増幅した漏れ電流I03の基本周波数及び3次高調波を超える周波数を減衰させる。第1の実効値変換器34は、第1のバンドパスフィルタ33でフィルタリングされた漏れ電流I0に含まれる3次高調波電流I03の電流波形を両波整流して、実効値に比例したアナログ値に変換して、演算部14に入力する。
I03検出器35は、測定コンデンサ10から分流器12を経由して接地点へ流れる3次高調波を含む電流Ic3を分流器12によって取り込む。第2の増幅器36は、上記Ic3検出器35が取り込んだ3次高調波を含む電流Ic3を適量まで増幅する。第2のバンドパスフィルタ37は、第2の増幅器36が増幅した3次高調波を含む電流Ic3の基本波及び3次高調波を超える周波数を減衰させる。第2の実効値変換器38は、第2のバンドパスフィルタ37でフィルタリングされた3次高調波を含む電流Ic3の電流波形を両波整流して、実効値に比例したアナログ値に変換して、演算部14に入力する。また、このアナログ値は、3次高調波電圧E3に比例するので、3次高調波電圧E3を算出するためのデータとして演算部14に取り込まれる。
上述したような構成を備えた高調波処理部13において得られた3次高調波電圧E3及び3次高調波電圧E3に起因する対地静電容量6へ流入する合計電流I03及び測定コンデンサ合計電流Ic3がデータとして演算部14へ入力される。
ここで、基本周波数の対地相電圧をEとすれば、このとき各相の対地静電容量中に流れる電流の合計IgcR+IgcS+IgcTは基本周波数であることを考慮して、以下に示す式(19)に基づいて演算部14で算出される。
IgcR+IgcS+IgcT=I03E/(3E3) ・・・(19)
前記式(18)を前記式(19)に代入して下記の式(20)となる。
前記式(18)を前記式(19)に代入して下記の式(20)となる。
IgcR+IgcS+IgcT=I03・2πfC0E/Ic3 ・・・(20)
零対地静電容量6へ流入する合計電流I03と測定コンデンサ合計電流Ic3の値から、各相の対地静電容量に起因する漏れ電流IgcR、IgcS、IgcTの合計値を求めることができる。
零対地静電容量6へ流入する合計電流I03と測定コンデンサ合計電流Ic3の値から、各相の対地静電容量に起因する漏れ電流IgcR、IgcS、IgcTの合計値を求めることができる。
星形巻線1に入力される商用周波数である基準電圧Eと同相である零相電流I0の有効成分I0Aと、基準電圧Eと90度位相を異にした無効成分I0Bとは図5中に示すような式で表される。
例えば、R相に相電圧ERが印加され、R相に漏電等の故障が発生しているとき、零相電流I0の有効成分I0Aの測定値Aは下記の式(21)の右辺より求められた値に該当し、無効成分I0Bの測定値Bは下記の式(22)の右辺より求められた値に該当する。
測定値A=0.5√3(IgcS−IgcT)+Igr ・・・(21)
測定値B=IgcR−0.5(IgcS−IgcT) ・・・(22)
各相の対地静電容量中に流れる漏洩電流の合計値をFで表すと、これは式(19)、式(20)で求められた測定値と同じで下記の式(23)で表される。
測定値B=IgcR−0.5(IgcS−IgcT) ・・・(22)
各相の対地静電容量中に流れる漏洩電流の合計値をFで表すと、これは式(19)、式(20)で求められた測定値と同じで下記の式(23)で表される。
測定値F=IgcR+IgcS+IgcT ・・・(23)
ここで、R相に発生している対地絶縁抵抗に起因する漏れ電流Igrをある値に仮定し、各相の対地静電容量中に流れる電流IgcR、IgcS、IgcTについて上記式(21)、式(22)、式(23)より下記の式(24)、式(25)、式(26)が得られる。
ここで、R相に発生している対地絶縁抵抗に起因する漏れ電流Igrをある値に仮定し、各相の対地静電容量中に流れる電流IgcR、IgcS、IgcTについて上記式(21)、式(22)、式(23)より下記の式(24)、式(25)、式(26)が得られる。
IgcR=F/3+2B/3 ・・・(24)
IgcS=F/3−B/3+A/√3−Igr/√3 ・・・(25)
IgcT=F/3−B/3−A/√3+Igr/√3 ・・・(26)
なお、対地絶縁抵抗に起因する漏れ電流Igrの取り扱いは後述するが、このようにして各相別の対地静電容量中に流れる電流IgcR、IgcS、IgcTを求めることができる。
IgcS=F/3−B/3+A/√3−Igr/√3 ・・・(25)
IgcT=F/3−B/3−A/√3+Igr/√3 ・・・(26)
なお、対地絶縁抵抗に起因する漏れ電流Igrの取り扱いは後述するが、このようにして各相別の対地静電容量中に流れる電流IgcR、IgcS、IgcTを求めることができる。
同様に、S相、T相に漏電等の故障が発生している場合における各相別の対地静電容量中に流れる電流IgcR、IgcS、IgcTは図5の関係も勘案し求めることができる。これらを求める式を図9に示す。
そして、図9に示す式から漏電等の故障が発生している故障相の判定を行う。ここで、未知である漏れ電流Igrを除外して判別式とし、各相別の対地静電容量中に流れる電流IgcR、IgcS、IgcTの順に並べると、F/3+2B/3 、F/3−B/3+A/√3、 F/3−B/3―A/√3になる。これに実測値を代入して計算し、上記判別式の順に羅列する。3個のうちの最大値の位置が図9の式で、例えば入力相Rの式を上の行から下の行方向へ見て−Igr/√3を含む式の位置にほぼ合致するので、図9の式から入力相に関係なく、中央位置ならR相、右端ならS相、左端ならT相のIgr値が大きいことがわかる。合致しないときは以後の計算で不自然な数値が発生するので、この場合には最大値の次の値の位置が−Igr/√3を含む式の位置に合致する。
次に、R,S,Tの各相別の対地静電容量に起因する漏れ電流Igcを求める。ここで、IgcR=R、IgcS=S、IgcT=Tとおくと、R相に故障が発生している場合は図5の表及び下記の式(27)の関係から、下記の式(28)が得られる。
I0A 2+IOB 2=I0 2 ・・・・(27)
I0 2 =R(R−S)+S(S−T)+T(T−R)
+√3(S―T)Igr+Igr2 ・・・(28)
式(28)は、Igrに関する2次方程式となっているので、これをIgrについて解くと下記の式(29)が得られる。
I0 2 =R(R−S)+S(S−T)+T(T−R)
+√3(S―T)Igr+Igr2 ・・・(28)
式(28)は、Igrに関する2次方程式となっているので、これをIgrについて解くと下記の式(29)が得られる。
Igr={I0 2−((S−T)(S+3T)/4+R(R―S)
+T(T―R))}1/2−0.5√3(S―T) ・・・(29)
通常の配電系統においては、各相の対地静電容量に起因する漏れ電流Igcの値のアンバランスの程度は最大値が最小値の2倍以内であることが経験的に知られている。この条件の下では、上記式(29)中の((S−T)(S+3T)/4+R(R―S)+T(T―R))}1/2の値は、各相の対地静電容量中に流れる電流の合計(IgcR+IgcS+IgcT)の値の1/5以内となり、零相電流I0に対してはさらに小さな値となるので、この値は無視することができる。そこで、R相故障のときのIgrは、下記の式(30)のようになる。
+T(T―R))}1/2−0.5√3(S―T) ・・・(29)
通常の配電系統においては、各相の対地静電容量に起因する漏れ電流Igcの値のアンバランスの程度は最大値が最小値の2倍以内であることが経験的に知られている。この条件の下では、上記式(29)中の((S−T)(S+3T)/4+R(R―S)+T(T―R))}1/2の値は、各相の対地静電容量中に流れる電流の合計(IgcR+IgcS+IgcT)の値の1/5以内となり、零相電流I0に対してはさらに小さな値となるので、この値は無視することができる。そこで、R相故障のときのIgrは、下記の式(30)のようになる。
Igr=I0−0.5√3(IgcS― IgcT) ・・・(30)
ここで、IgcS― IgcTの値は、前記アンバランスの程度で前記測定値Fの0.2倍以内であり、これは各相とも同じであることから、例えば、Igr暫定値=I0−0.17Fとし、前記判別式で計算羅列した−Igr/√3を含む式の位置の値からIgr暫定値/√3を減じた値をその位置のIgc近似値に、+Igr/√3を含む式の位置の値にIgr暫定値/√3を加えた値をその位置のIgc近似値に、加減なしの値はそのままその位置のIgc近似値とすることができる。
ここで、IgcS― IgcTの値は、前記アンバランスの程度で前記測定値Fの0.2倍以内であり、これは各相とも同じであることから、例えば、Igr暫定値=I0−0.17Fとし、前記判別式で計算羅列した−Igr/√3を含む式の位置の値からIgr暫定値/√3を減じた値をその位置のIgc近似値に、+Igr/√3を含む式の位置の値にIgr暫定値/√3を加えた値をその位置のIgc近似値に、加減なしの値はそのままその位置のIgc近似値とすることができる。
次に、誤差を最小にしたIgrを求める。
上述したようにR相故障のとき、Igr=I0−0.5√3(IgcS― IgcT)となるが、この式の各相のIgc値に前述したように求めたIgc近似値を代入する。
すなわち、漏れ電流Igrの値が最大になっている相がR相と判定されたときは、下記の式(31)より誤差を最小にしたIgrを求める。
Igr=I0−0.5√3(IgcS近似値―IgcT近似値) ・・・(31)
そして、漏れ電流Igrの値が最大になっている相がS相と判定されたときは、下記の式(32)より誤差を最小にしたIgrを求める。
そして、漏れ電流Igrの値が最大になっている相がS相と判定されたときは、下記の式(32)より誤差を最小にしたIgrを求める。
Igr=I0−0.5√3(IgcT近似値―IgcR近似値) ・・・(32)
また、漏れ電流Igrの値が最大になっている相がT相と判定されたときは、下記の式(33)より誤差を最小にしたIgrを求める。
また、漏れ電流Igrの値が最大になっている相がT相と判定されたときは、下記の式(33)より誤差を最小にしたIgrを求める。
Igr=I0−0.5√3(IgcR近似値―IgcS近似値) ・・・(33)
上述したように、本発明においては、星形に結線された3相4線式の配電系統の電路又は電気機器の対地絶縁抵抗に起因する漏れ電流Igr及び対地静電容量に起因する漏れ電流Igcを測定するに当たり、各相の基本的な測定データを、図5及び図9に示す数式を用いて解析、計算することにより、3相4線又は3相3線配電系統の各相及び合計のIgcの値、アンバランス状態及び対地静電容量に起因する誤差を少なくしたIgrの値を把握し、Igrの値が大きい故障相をも知ることを可能としたものである。
上述したように、本発明においては、星形に結線された3相4線式の配電系統の電路又は電気機器の対地絶縁抵抗に起因する漏れ電流Igr及び対地静電容量に起因する漏れ電流Igcを測定するに当たり、各相の基本的な測定データを、図5及び図9に示す数式を用いて解析、計算することにより、3相4線又は3相3線配電系統の各相及び合計のIgcの値、アンバランス状態及び対地静電容量に起因する誤差を少なくしたIgrの値を把握し、Igrの値が大きい故障相をも知ることを可能としたものである。
また、本発明に係る漏れ電流測定装置は、図10に示すように、配電線4の途中に4線用遮断器17(CB)を設け、演算部14の演算の結果により、遮断器17(CB)の遮断を制御する構成としてもよい。図10は、3相4線配電方式に本発明の漏れ電流測定装置を適用した構成を示す概略系統図であり、特に配電線4に遮断器を設け、漏洩電流測定装置が遮断器を制御する構成を示す図である。3相3線式の場合には、3線用遮断器を用いる。
つまり、図10に示す構成の漏れ電流測定装置は、演算部14を用いた制御により、Igr、Igcの測定結果、遮断が必要と判断した場合、遮断器17(CB)により配電線4及び負荷設備5を遮断する。これにより、図8に示した漏洩電流測定装置は、3相4線配電回路の各相及び負荷設備を絶縁不良に伴う重大事故から守ることができる。
さらに、本発明に係る漏れ電流測定装置では、演算部14の演算の結果により、対地絶縁抵抗に起因する漏れ電流Igrや対地静電容量に起因する漏れ電流Igcの値が所定の値より大きくなったことが判定された場合には、音や発光等の警報手段を用いて警報を発するようにしてもよい。このような警報手段を設けることにより、漏電起因する事故を確実に防止することができる。
本発明に係る漏れ電流測定装置及び測定方法は、上述した3相4線又は3相3線配電系統だけでなく、接地電位に対して3相電圧がほぼ等しい配電系統であれば適用が可能である。また、電気機器の電圧印加部分から接地部分へ流れる漏れ電流の測定装置及び方法にも適用できる。
電気災害予防の目的から、配電系統や電気機器の絶縁測定が法律により要請されている。従来、絶縁測定は、配電系統への電力の供給を停止した停電の状態で絶縁測定を行っていたが、近年は停電が制限され、特に星形結線3相4線又は3相3線方式配電系統は、400V系でもあり、重要、広範囲の負荷が多く、詳細かつ正確なデータが要求される。本発明に係る漏れ電流測定装置及び測定方法はこれらの要求に適合しており、特に、3相4線又は3相3線方式を採用した大容量動力設備の工場、照明電力、空調設備が多い大きな事業所、ビルデイングにおいて利用が期待される。
1 配電用3相変圧器の低圧側の星型巻線、2 切換開閉器、3 基本波処理部、4 配電線、5 負荷設備、6 対地静電容量、7 漏洩抵抗、8 接地線、9 零相変流器、10 測定コンデンサ、11 測定開閉器、12 分流器、13 高調波処理部、14 演算部、15 表示部、16 処理演算部、17 遮断器
Claims (10)
- 電源が星形に結線された3相3線式又は3相4線式の配電系統の電路又は電気機器の対地絶縁抵抗に起因する漏れ電流Igr及び対地静電容量に起因する漏れ電流Igcを測定する漏れ電流の測定装置において、
3組のコンデンサを星形に結線し、その中性点を、接地線を経由して接地する測定用の回路と、
前記3相3線式又は3相4線式の配電系統の3相電源の3相相電圧に含まれる電源商用周波数の3倍の周波数である3次高調波相電圧E3に起因し、前記接地線を流れる3次高調波電流の値Ic3と前記3組のコンデンサの静電容量の値とから、前記3次高調波相電圧E3の値を算出し、前記3線又は4線に流れる電流のベクトル和である零相電流I0に含まれる3次高調波電流の値と前記3次高調波相電圧E3の値とから算出される3相合計の対地静電容量の値と前記3相相電圧の値とから、前記電源商用周波数における対地静電容量に起因するR相、S相及びT相の3相の合計漏洩電流(IgcR+IgcS+IgcT)の値を計測する高調波処理手段と、
前記電源商用周波数の3相相電圧が入力され、前記零相電流I0を、3相のうちのいずれか1相の入力電圧と同位相方向の成分I0Aと、入力電圧と直角方向の成分I0Bとに分解して得られる電流値と、前記零相電流I0と、前記合計漏洩電流(IgcR+IgcS+IgcT)の値とに基づいて、対地静電容量に起因する各相別の漏洩電流IgcR、IgcS、IgcTの値と、対地絶縁抵抗に起因する漏れ電流Igrの誤差を最小にした値と、前記漏れ電流Igrの値が最大になっている相を演算する演算手段と
を備えることを特徴とする漏れ電流の測定装置。 - 前記演算手段は、前記3相電源の3相相電圧のうちの2相分の入力電圧と同位相方向の成分と、3相相電圧のうちの2相分の入力電圧と直角方向の成分の値が零又はほぼ零のときに、前記零相電流I0に含まれる電源商用周波数成分の値を対地絶縁抵抗に起因する漏れ電流Igrとして出力することを特徴とする請求項1記載の漏れ電流の測定装置。
- 前記演算手段は、3相のうちのいずれか1相の入力電圧と同位相方向の成分I0Aの実測値をAとし、前記実測値Aを測定した相の入力電圧と直角方向の成分I0Bの実測値をBとし、対地静電容量に起因する3相の合計漏洩電流(IgcR+IgcS+IgcT)の実測値をFとしたとき、下記の式(1)から式(3)にそれぞれ実測値を代入して各式により値を求め、
F/3+2B/3 ・・・(1)
F/3−B/3+A/√3 ・・・(2)
F/3−B/3−A/√3 ・・・(3)
前記零相電流I0の実測値と前記実測値Fとから、前記漏れ電流Igrの暫定値Igr’を算出し、前記暫定値Igr’を√3で除した値を値xとし、
前記式(1)から式(3)より得られた値のうち、前記式(1)の値が最大であるとき、前記式(1)の値から値xを減じた値をD11、前記式(2)の値に値xを加えた値をD22、式(3)の値をD3とし、前記D11の値が前記D22の値より大きいときには、T相の漏れ電流Igrが最大であるとの判定をし、前記D11、D22、D3の値をそれぞれR相、S相、T相の対地静電容量に起因する漏洩電流IgcR、IgcS、IgcTの近似値となし、
前記D11の値が前記D22の値より小さいときには、R相の漏れ電流Igrが最大であるとの判定をし、前記式(1)の値をD1とし、前記式(2)の値から値xを減じた値をD21、前記式(3)の値に値xを加えた値をD32とし、前記D1、D21、D32の値をそれぞれR相、S相、T相の対地静電容量に起因する漏洩電流IgcR、IgcS、IgcTの近似値となし、
前記式(1)から式(3)より得られた値のうち、前記式(2)の値が最大のとき、前記D21の値が前記D32の値より大きいときには、R相の漏れ電流Igrが最大であるとの判定をし、前記D1、D21、D32の値をそれぞれR相、S相、T相の対地静電容量に起因する漏洩電流IgcR、IgcS、IgcTの近似値となし、
前記D21の値が前記D32の値より小さいときには、S相の漏れ電流Igrが最大であるとの判定をし、前記式(3)の値から値xを減じた値をD31、前記式(2)の値をD2とし、前記式(1)の値に値xを加えた値をD12とし、前記D12、D2、D31の値をそれぞれR相、S相、T相の対地静電容量に起因する漏洩電流IgcR、IgcS、IgcTの近似値となし、
前記式(1)から式(3)より得られた値のうち、前記式(3)の値が最大であるとき、前記D31の値が前記D12の値より大きいときは、S相の漏れ電流Igrが最大であるとの判定をし、前記D12、D2、D31の値をそれぞれR相、S相、T相の対地静電容量に起因する漏洩電流IgcR、IgcS、IgcTの近似値となし、
前記D31の値が前記D12の値より小さいときには、T相の漏れ電流Igrが最大であるとの判定をし、前記の前記D11、D22、D3の値をそれぞれR相、S相、T相の対地静電容量に起因する漏洩電流IgcR、IgcS、IgcTの近似値となすことを特徴とする請求項1記載の漏れ電流の測定装置。 - 前記演算手段は、
対地絶縁抵抗に起因する漏れ電流Igrの値が最大になっている相がR相と判定されたときは、誤差を最小にした漏れ電流Igrを、
Igr=I0−0.5√3(S相の漏洩電流IgcSの近似値−T相の漏洩電流IgcTの近似値)とし、
対地絶縁抵抗に起因する漏れ電流Igrの値が最大になっている相がS相と判定されたときは、誤差を最小にした漏れ電流Igrを、
Igr=I0−0.5√3(T相の漏洩電流IgcTの近似値−R相の漏洩電流IgcRの近似値)とし、
対地絶縁抵抗に起因する漏れ電流Igrの値が最大になっている相がT相と判定されたときは、誤差を最小にした漏れ電流Igrを、
Igr=I0−0.5√3(R相の漏洩電流IgcRの近似値−S相の漏洩電流IgcSの近似値)として出力することを特徴とする請求項3記載の漏れ電流の測定装置。 - 当該漏れ電流の測定装置は、さらに、表示手段を備え、当該表示手段には、前記演算手段によって演算された結果が表示されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1に記載の漏れ電流測定装置。
- 前記表示手段は、前記演算手段から出力される対地絶縁抵抗に起因する漏れ電流Igrが最大となる相を表示することを特徴とする請求項5記載の漏れ電流測定装置。
- 当該漏れ電流の測定装置は、さらに、前記演算手段において求められる値のいずれかが所定の値を超えたときに警報を発する警報手段を備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1に記載の漏れ電流測定装置。
- 当該漏れ電流の測定装置は、さらに、前記演算手段において求められる値のいずれかが所定の値を超えたときに電路を遮断する遮断手段を備えることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1に記載の漏れ電流測定装置。
- 電源が星形に結線された3相3線式又は3相4線式の配電系統の電路又は電気機器の対地絶縁抵抗に起因する漏れ電流Igr及び対地静電容量に起因する漏れ電流Igcを測定する漏れ電流の測定方法であって、
3組のコンデンサを星形に結線し、その中性点を、接地線を経由して接地する測定用の回路を有し、
前記3相3線式又は3相4線式の配電系統の3相電源の3相相電圧に含まれる電源商用周波数の3倍の周波数である3次高調波相電圧E3に起因し、前記接地線を流れる3次高調波電流の値Ic3と前記3組のコンデンサの静電容量の値とから、前記3次高調波相電圧E3の値を算出し、前記3線又は4線に流れる電流のベクトル和である零相電流I0に含まれる3次高調波電流の値と前記3次高調波相電圧E3の値とから算出される3相合計の対地静電容量の値と前記3相相電圧の値とから、前記電源商用周波数における対地静電容量に起因するR相、S相及びT相の3相の合計漏洩電流(IgcR+IgcS+IgcT)の値を計測する高調波処理工程と、
前記電源商用周波数の3相相電圧が入力され、前記零相電流I0を、3相のうちのいずれか1相の入力電圧と同位相方向の成分I0Aと、入力電圧と直角方向の成分I0Bとに分解して得られる電流値と、前記零相電流I0と、前記合計漏洩電流(IgcR+IgcS+IgcT)の値とに基づいて、対地静電容量に起因する各相別の漏洩電流IgcR、IgcS、IgcTの値と、対地絶縁抵抗に起因する漏れ電流Igrの誤差を最小にした値と、前記漏れ電流Igrの値が最大になっている相を演算する演算工程と
を備えることを特徴とする漏れ電流の測定方法。 - 前記演算工程は、前記3相電源の3相相電圧のうちの2相分の入力電圧と同位相方向の成分と、3相相電圧のうちの2相分の入力電圧と直角方向の成分の値が零又はほぼ零のときに、前記零相電流I0に含まれる電源商用周波数成分の値を対地絶縁抵抗に起因する漏れ電流Igrとして出力することを特徴とする請求項1記載の漏れ電流の測定方法。
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