(詳細な説明)
出願人らは、ナイアシン受容体部分的アゴニストが、ナイアシンまたはナイアシンアナログによって誘導される潮紅を著しく軽減させることができることを発見した。本明細書中に開示されるように、ナイアシン受容体部分的アゴニストのマウスへの投与によって、ナイアシンによって誘導される潮紅が著しく軽減された(実施例1および2を参照のこと)。これらのマウスは、PGD2の投与によって示されるように、潮紅させる能力をなおも有していた(実施例2を参照のこと)。加えて、本明細書中に開示されるように、潮紅を軽減させるナイアシン受容体部分的アゴニストは、遊離の脂肪酸の放出のナイアシンによって誘導される減少を妨害することはなかった(実施例3を参照のこと)。
ナイアシンは、ここ数年間、脂質関連障害の治療として使用されてきたが、ナイアシンがそれを通じて作用する受容体は最近まで知られていなかった。最初に、ナイアシンが特異的GPCRを介して作用しているであろうと示唆された(Lorenzen A,et al.,(2001)Molecular Pharmacology 59:349−357)。最終的には、HM74aと呼ばれる既知の孤立したGPCRが、ニコチン酸受容体として同定された(例えば、米国特許出願番号10/314,048を参照のこと)。ヒトのナイアシン受容体のヌクレオチド配列は、GenBank Accession No.NM_177551に、そして本明細書中では配列番号1として見ることができる。
本発明により、被験体においてナイアシンまたはナイアシンアナログによって誘導される潮紅を軽減させる方法が提供される。この方法は、上記被験体に潮紅を軽減させるために有効な量のナイアシン受容体部分的アゴニストを投与する工程を含む。1つの実施形態においては、上記潮紅はナイアシンによって誘導され、別の実施形態においては、上記潮紅はナイアシンアナログによって誘導される。1つの実施形態においては、上記ナイアシンアナログはナイアシンの構造的アナログであり、別の実施形態においては、上記ナイアシンアナログはナイアシンの機能的アナログである。さらなる実施形態においては、潮紅は、完全に軽減されるかまたは解消される。1つの実施形態においては、上記ナイアシン受容体部分的アゴニストには以下の式(I)の化合物またはその薬学的に受容可能な塩が含まれる:
式中、Xはカルボキシルまたはテトラゾール−5−イル基であり;R
1はイソ−プロピル、3−フルオロ−ベンジル、3−クロロ−ベンジル、または3−ブロモ−ベンジルであり;そしてR
2はHであるか;あるいは、R
1とR
2が、それらが結合している2つのピラゾール環炭素と一緒になって、必要に応じてエチルで置換された5員炭素環または必要に応じてメチルで置換された5員複素環を形成する。例えば、上記ナイアシン受容体部分的アゴニストには、以下からなる群より選択される化合物が含まれ得る:3−(1H−テトラゾール−5−イル)−1,4,5,6−テトラヒドロ−シクロペンタピラゾール;5−(3−フルオロ−ベンジル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸;5−(3−クロロ−ベンジル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸;5−(3−ブロモ−ベンジル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸;6−メチル−3−(1H−テトラゾール−5−イル)−4,6−ジヒドロ−1H−フロ[3,4−c]ピラゾール;3−(1H−テトラゾール−5−イル)−4,6−ジヒドロ−1H−チエノ[3,4−c]ピラゾール:3−(1H−テトラゾール−5−イル)−1,4−ジヒドロ−シクロペンタピラゾール;3−(1H−テトラゾール−5−イル)−1,6−ジヒドロ−シクロペンタピラゾール;3−(1H−テトラゾール−5−イル)−2,6−ジヒドロ−4H−フロ[3,4−c]ピラゾール;5−エチル−3−(1H−テトラゾール−5−イル)−2,4,5,6−テトラヒドロ−シクロペンタピラゾール;および5−(5−イソプロピル−1H−ピラゾール−3−イル)−1H−テトラゾール;あるいはそれらの薬学的に受容可能な塩。
一般的には、潮紅はいくつかの方法で引き起こされ得る。例えば、潮紅は、社会的ストレスまたは不安神経症、ホルモンの変化、発熱、または息を止めることによって誘導され得、これらの全てによって、顔面の一時的な紅潮が生じる可能性がある。目的とする適応症は、ナイアシンまたはナイアシンアナログによって誘導される潮紅に関する。
本明細書中で使用される場合は、用語「ナイアシンまたはナイアシンアナログによって誘導される潮紅」は、十分な用量のナイアシンまたはナイアシンアナログの投与によって引き起こされる検出可能な皮膚の潮紅反応を意味する。潮紅反応は皮膚の発赤を特徴とし、これには他の症状(例えば、皮膚の痒み、チクチク感、熱感、または頭痛)も含まれる場合がある。潮紅反応は皮膚のどこでも(例えば、顔面、頸、または胴体で)起こり得、そして1箇所または1箇所以上の位置で起こり得る。ヒトにおいては、潮紅反応は数分間から数時間持続し得る。一般的には、ヒトにおいては、十分な用量のナイアシンまたはナイアシンアナログの経口投与によって引き起こされた潮紅反応は、どこでも20分間から8時間、またはそれ以上持続し得る。マウスまたはラットにおいては、潮紅反応は、通常、ナイアシンの投与(注射による)後約3分でピークとなり、約30分後にはかなり減少する。
ナイアシンまたはナイアシンアナログが潮紅を誘導する本発明の任意の実施形態においては、ナイアシンまたはナイアシンアナログは検出可能な潮紅を生じるために十分な用量で存在する。検出可能な潮紅反応を生じるために必要なナイアシンまたはナイアシンアナログの量はいくつかの変数(例えば、化合物の処方物および個々の被験体)に依存して変化する。特に、検出可能な潮紅反応を生じるために必要なナイアシンまたはナイアシンアナログの量は、例えば、個体の体重、個体の遺伝子構造、または個体の全体的な健康状態に応じて変化し得る。ヒトにおいて潮紅反応を引き起こすことができるナイアシンまたはナイアシンアナログの量は、アテローム性動脈硬化症に関係している血清脂質の量を低下させるために必要な量未満であり得、例えば、1日あたり少なくとも175mg、1日あたり少なくとも200mg、1日あたり少なくとも250mg、1日あたり少なくとも500mg、1日あたり少なくとも750mg、1日あたり少なくとも1g、1日あたり少なくとも1.5g、1日あたり少なくとも2g、1日あたり少なくとも2.5g、1日あたり少なくとも3g、1日あたり少なくとも3.5g、1日あたり少なくとも4g、1日あたり少なくとも4.5g、1日あたり少なくとも5g、1日あたり少なくとも5.5g、1日あたり少なくとも6g、1日あたり少なくとも6.5g、1日あたり少なくとも7g、1日あたり少なくとも7.5g、1日あたり少なくとも8g、1日あたり少なくとも8.5g、1日あたり少なくとも9g、またはそれ以上を挙げることができる。例えば、1日あたり500mgから2g、またはそれ以上のナイアシンによって、ほとんどのヒトにおいて潮紅反応を生じることができる。
本明細書中で使用される場合は、「被験体」は任意の動物を意味し、これには、哺乳動物(例えば、マウス、ラット、他の齧歯類、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ウマ、あるいは霊長類(例えば、ヒト))が含まれる。1つの実施形態においては、被験体はヒトである。
本明細書中で使用される場合には、「ナイアシン」は以下の化学式を有しているニコチン酸を意味する:
当業者によって理解されているように、ナイアシンはその薬物動態特性が変更されるように、他の化合物とともに処方することができる。例えば、ナイアシンは、ナイアシンに対して添加される他の化合物に依存して、即時放出型(IR)形態として、あるいは、持続放出型形態または徐放(SR)形態として処方することができる。1つの実施形態においては、ナイアシンはIR形態である。1つの実施形態においては、ナイアシンは1日に1回の単回用量のナイアシンの持続放出型形態ではない。
持続放出型処方物または徐放型処方物は、錠剤またはカプセル剤から有効成分をゆっくりと放出するように設計される。これによって、通常の形態または即時放出型形態に伴う典型的な投与頻度と比較して、投与頻度を少なくすることができる。ゆっくりとした薬剤の放出は、薬剤の血液中でのレベルを低下させそして持続させるために設計され、これによって、通常放出型または即時放出型のナイアシン産物に伴う潮紅の副作用が最小となるか、または少なくなる。しかし、脂質関連障害を有している患者においての研究により、いくつかの持続放出型または徐放型の産物は、即時放出型ナイアシンと同じである脂質を変化させる有効な作用は有しておらず、実際には、即時放出型産物と比較すると、一層悪い副作用プロフィールを有している。例えば、持続放出型または徐放型ナイアシン処方物は、Henken et al.,:Am J Med,91:1991(1991)およびDalton et al.,Am J Med,93:102(1992)に記載されているように、肝臓毒性のより大きな罹患率を引き起こすことが知られている。ナイアシンの持続放出型処方物または徐放型処方物(例えば、Nicobid.RTM.カプセル(Rhone−Poulenc Rorer)、Endur−acin.RTM.(Innovite Corporation)、および米国特許第5,126,145号と同第5,268,181号(これらには、2種類の異なるタイプのヒドロキシプロピルメチルセルロースと1種類の疎水性成分を含む徐放型ナイアシン処方物が記載されている)に記載されている処方物)が開発されている。
本明細書中で使用される場合は、「ナイアシンアナログ」は、ナイアシンと構造的または機能的に関係しているが、ナイアシンとは異なる化合物を意味する。例えば、ナイアシンアナログは、ナイアシンと構造的に関係している場合がある。ナイアシンのいくつかの構造的アナログが当該分野で公知であり、例が本明細書中に記載される。いくつかの実施形態においては、ナイアシンの構造的アナログには、少なくとも1つの酸性官能基(例えば、カルボキシル、テトラゾリルなど)が含まれる。いくつかの実施形態においては、ナイアシンの構造的アナログには、少なくとも1つの環窒素原子(例えば、ピリジニル、ピラゾリル、イソキサゾリルなどの中に存在している窒素)が含まれる。いくつかの実施形態においては、ナイアシンの構造的アナログには、少なくとも1つの酸性官能基と少なくとも1つの環窒素原子が含まれる。これらの基には、例えば、血液中での加水分解により、インビボで変換されて酸性官能基または環窒素を生じるプロドッラグ基が含まれる。完全な議論は、T.Highchi and V.Stella,“Pro−drugs as Novel Delivery Systems,”A.C.S. Symposium Seriesの第14巻、および“Bioreversible Carriers in Drug Design,”ed.Edward B.Roche,American Pharmaceutical Association and Pergamon Press,1987(いずれも、引用により本明細書中に組み入れられる)に提供されている。
ナイアシンアナログは、ナイアシンと機能的に関係している場合もあり、例えば、ナイアシンアナログは、ナイアシン受容体への特異的結合、またはナイアシン受容体との結合に応答した細胞内シグナルの開始のような、ナイアシンの機能を有し得る。例えば、本発明の任意の実施形態においては、ナイアシンアナログは、ナイアシン受容体アゴニストでありえる。ナイアシンアナログは、ナイアシンの構造的アナログまたは機能的アナログのいずれかであり得るか、あるいは、ナイアシンアナログは、ナイアシンの構造的かつ機能的の両方のアナログであり得る。
ナイアシンのいくつかのアナログまたは誘導体は当該分野で公知であり、例えば、Merck Index,An Encyclopedia of Chemicals,Drugs,and Biologicals,第10版(1983)に見ることができる。ナイアシンアナログとしては、例えば、酒石酸ニコチニルアルコール、d−グルシトールヘキサニコチネート、ニコチン酸アルミニウム、ニセリトール、d,1−α−トコフェリルニコチネート、6−OH−ニコチン酸、ニコチナリア酸(nicotinaria acid)、ニコチンアミド、ニコチンアミド−N−酸化物、6−OH−ニコチンアミド、NAD、N−メチル−2−ピリジン−8−カルボキサミド、N−メチル−ニコチンアミド、N−リボシル−2−ピリドン−5−カルボキシド、N−メチル−4−ピリドン−5−カルボキサミド、ブラジリアン(bradilian)、ソルビニカート(sorbinicate)、ヘキサニサイト(hexanicite)、ロニトール、およびニコチン酸の低級アルコールエステルを挙げることができる。ナイアシンについて上記に記載されたように、ナイアシンアナログは、それらの薬物動態特性を変化させるために様々な方法で処方することができる。
上記に記載されたように、ナイアシンアナログにはナイアシン受容体アゴニスト(ナイアシン以外)が含まれる。いくつかのナイアシン受容体アゴニストが当該分野で公知であり、これらは例えば、Merck Index,An Encyclopedia of Chemicals,Drugs,and Biologicals,第10版(1983)に見ることができる。本明細書中でナイアシンアナログとみなされるナイアシンアゴニストの特定の例は、以下の実施形態と以下の特許出願に列挙される:60/418,057および60/478,664(これらはそれらの全体が引用により本明細書中に組み入れられる)。
いくつかの実施形態においては、本発明のナイアシンアナログは以下の化学式のもの、またはそのN−酸化物である:
式中:
R
1は、ハロゲン、水酸基、アセチルアミノ、アミノ、アルコキシ、カルボアルコキシ、アルキルチオ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、N−アルキルカルバミル、N,N−ジアルキルカルバミル、アルキルスルホニル、1個から4個までの炭素を含む上記アルキル基、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、メトキシメチル、カルボキシ、カルバミル、4個までの炭素原子を含むアルカノイルオキシ、フェニル、p−クロロフェニル、p−メチルフェニル、およびp−アミノフェニルからなる群より選択され;
R
2は、ハロゲン、1〜4個までの炭素原子を含むアルカノイルオキシ、2個から5個までの炭素原子を含むカルボアルコキシ、カルバミル、N−アルキルカルバミル、およびN,N−ジアルキルカルバミル(この場合、上記アルキル基には、1〜4個までの炭素原子とトリフルオロメチルが含まれる)からなる群より選択され;そして
nは0から4までの整数である。
いくつかの実施形態においては、本発明のナイアシンアナログは以下の化学式のもの、またはそのN−酸化物である:
式中:
R
3とR
4は、水素、1個から4個までの炭素原子を含むアルキル、または3個から7個までの炭素原子を含むシクロアルキルであり;そして
nは0から4までの整数である。
いくつかの実施形態においては、本発明のナイアシンアナログは以下の化学式のもの、またはそのN−酸化物である:
式中:
R
5とR
6は、それぞれ、H、ハロゲン、水酸基、アミノ、アルキルオキシ、アルキルチオ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、N−アルキルカルバミル、N,N−ジアルキルカルバミル、アルキルスルホキシ、アルキルスルホニル、1個から4個までの炭素を含む上記アルキル基、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、カルボキシ、カルバミル、4個までの炭素原子を含むアルカノイルオキシ、フェニル、p−クロロフェニル、p−メチルフェニル、およびp−アミノフェニルからなる群より選択され;そして
nは0から4までの整数である。
いくつかの実施形態においては、本発明のナイアシンアナログは以下の化学式のものであるか、または、R10が水酸基(hydoxy)である場合には、薬学的に受容可能な塩基との化合物の塩、あるいは、その4−N−酸化物である:
式中:
R
7、R
8、およびR
9の少なくとも1つがC
1−6アルキルであり、他は水素原子であり;R
10は、水酸基またはC
1−6アルコキシである。N−酸化物の位置は、以下の番号付けによって指定され、そして4−N−酸化物の構造は以下の構造を有する:
1つの特定の4−N−酸化物は5−メチルピラジン−2−カルボン酸−4−酸化物(Acipimox(登録商標))であり、これは以下の構造を有する:
いくつかの実施形態においては、本発明のナイアシンアナログは以下の化学式のもの、またはその4−N−酸化物である:
式中:
R
7、R
8、およびR
9の少なくとも1つがC
1−6アルキルであり、他は水素原子であり;R
11およびR
12のそれぞれ(これらは同じである場合も、異なる場合もある)は、水素またはC
1−6アルキルである。N−酸化物の位置は本明細書中上記に記載されるものと同じである。
いくつかの実施形態においては、本発明のナイアシンアナログは以下の化学式のもの、および薬学的に受容可能な担体である:
式中
R
13の少なくとも1つが7〜11個の炭素原子のアルキル基を示し、R
14はHまたは2個までの炭素原子の低級アルキル基を示す。
いくつかの実施形態においては、本発明のナイアシンアナログはピラジン−2−カルボン酸アミドであり、これは以下の構造を有する:
いくつかの実施形態においては、本発明のナイアシンアナログは、5−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸アミドであり、これは以下の構造を有する:
いくつかの実施形態においては、本発明のナイアシンアナログは5−アミノ−ピラジン−2−カルボン酸アミドであり、これは以下の構造を有する:
いくつかの実施形態においては、本発明のナイアシンアナログは5−ベンジル−ピラジン−2−カルボン酸アミドであり、これは以下の構造を有する:
いくつかの実施形態においては、本発明のナイアシンアナログは6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸アミドであり、これは以下の構造を有する:
いくつかの実施形態においては、本発明のナイアシンアナログは6−メトキシ−ピラジン−2−カルボン酸アミドであり、これは以下の構造を有する:
いくつかの実施形態においては、本発明のナイアシンアナログは3−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸アミドであり、これは以下の構造を有する:
いくつかの実施形態においては、本発明のナイアシンアナログは3−メトキシ−ピラジン−2−カルボン酸アミドであり、これは以下の構造を有する:
いくつかの実施形態においては、本発明のナイアシンアナログはピラジン−2−カルボン酸エチルアミドであり、これは以下の構造を有する:
いくつかの実施形態においては、本発明のナイアシンアナログはモルホリン−4−イル−ピラジン−2−イルメタノンであり、これは以下の構造を有する:
いくつかの実施形態においては、本発明のナイアシンアナログは5−メチル−ピラジン−2カルボン酸(6−メチル−ピラジン−2−イル)−アミドであり、これは以下の構造を有する:
いくつかの実施形態においては、本発明のナイアシンアナログは5−メチル−ピラジン−2−カルボン酸(5−メチル−ピラジン−2−イル)アミドであり、これは以下の構造を有する:
いくつかの実施形態においては、本発明のナイアシンアナログは5−メチル−ピラジン−2−カルボン酸(3−メチル−ピラジン−2−イル)アミドであり、これは以下の構造を有する:
いくつかの実施形態においては、本発明のナイアシンアナログは(5−メチル−ピラジン−2−イル)−モルホリン−4−イル−メタノンであり、これは以下の構造を有する:
いくつかの実施形態においては、本発明のナイアシンアナログは5−メチル−ピラジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミドであり、これは以下の構造を有する:
いくつかの実施形態においては、本発明のナイアシンアナログはピラジン−2−カルボン酸であり、これは以下の構造を有する:
いくつかの実施形態においては、本発明のナイアシンアナログは5−アミノ−ピラジン−2−カルボン酸であり、これは以下の構造を有する:
いくつかの実施形態においては、本発明のナイアシンアナログは5−ベンジル−ピラジン−2−カルボン酸であり、これは以下の構造を有する:
いくつかの実施形態においては、本発明のナイアシンアナログは6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸であり、これは以下の構造を有する:
いくつかの実施形態においては、本発明のナイアシンアナログは6−メトキシ−ピラジン−2−カルボン酸であり、これは以下の構造を有する:
いくつかの実施形態においては、本発明のナイアシンアナログは3−ヒドロキシ−ピラジン−2−カルボン酸であり、これは以下の構造を有する:
いくつかの実施形態においては、本発明のナイアシンアナログは5−メチル−ピラジン−2−カルボン酸2−ヒドロキシ−エチルエステルであり、これは以下の構造を有する:
いくつかの実施形態においては、本発明のナイアシンアナログは5−メチル−ピラジン−2−カルボン酸アリルエステルであり、これは以下の構造を有する:
いくつかの実施形態においては、本発明のナイアシンアナログは5−メチル−ピラジン−2−カルボン酸フェニルエステルであり、これは以下の構造を有する:
いくつかの実施形態においては、本発明のナイアシンアナログは5−メチル−ピラジン−2−カルボン酸エトキシカルボニルメチルエステルであり、これは以下の構造を有する:
いくつかの実施形態においては、本発明のナイアシンアナログはピラジン−2−カルボン酸メチルエステルであり、これは以下の構造を有する:
いくつかの実施形態においては、本発明のナイアシンアナログは2−メチル−5−(1H−テトラゾール−5−イル)−ピラジンであり、これは以下の構造を有するか、または本明細書中で上記に記載されたようなその4−N−酸化物である:
いくつかの実施形態においては、本発明のナイアシンアナログは5−(5−メチル−イソキサゾール−3−イル)−1H−テトラゾールであり、これは以下の構造を有する:
いくつかの実施形態においては、本発明のナイアシンアナログは5−(3−メチル−イソキサゾール−5−イル)−1H−テトラゾールであり、これは以下の構造を有する:
いくつかの実施形態においては、本発明のナイアシンアナログは5−(3−キノリル)テトラゾールであり、これは以下の構造を有する:
いくつかの実施形態においては、本発明のナイアシンアナログはニコチン酸であり、これは以下の構造を有する:
いくつかの実施形態においては、本発明のナイアシンアナログはピリダジン−4−カルボン酸であり、これは以下の構造を有する:
いくつかの実施形態においては、本発明のナイアシンアナログは3−ピリジン酢酸であり、これは以下の構造を有する:
いくつかの実施形態においては、本発明のナイアシンアナログは5−メチルニコチン酸であり、これは以下の構造を有する:
いくつかの実施形態においては、本発明のナイアシンアナログは6−メチルニコチン酸であり、これは以下の構造を有する:
いくつかの実施形態においては、本発明のナイアシンアナログはニコチン酸−1−酸化物であり、これは以下の構造を有する:
いくつかの実施形態においては、本発明のナイアシンアナログは2−ヒドロキシニコチン酸であり、これは以下の構造を有する:
いくつかの実施形態においては、本発明のナイアシンアナログはフラン−3−カルボン酸であり、これは以下の構造を有する:
いくつかの実施形態においては、本発明のナイアシンアナログは3−メチルイソキサゾール−5−カルボン酸であり、これは以下の構造を有する:
いくつかの実施形態においては、本発明のナイアシンアナログは以下の化学式のものである:
式中
R
15は、イソプロピル、n−プロピル、n−ブチル、n−ウンデシル、フェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、ベンジル、4−ベンジル、4−メトキシベンジル、2−フェニルエチル、および3−フェニルプロピルからなる群より選択され;そして
R
16はHであるか;あるいは、
R
15とR
16が一緒になって、−OCH
2CH
2−、−C
3H
6−、または−C
4H
8−基を形成する(ただし、上記−OCH
2CH
2−基の酸素原子がピラゾール環の5位に結合しているという条件)。
ナイアシンアナログにはナイアシンの機能的アナログが含まれるので、ナイアシンアナログにはナイアシン受容体アゴニストが含まれる。したがって、本発明によってまた、被験体においてナイアシンまたはナイアシン受容体アゴニストによって誘導される潮紅を軽減する方法も提供され、この方法は、上記被験体に、潮紅を軽減させるために有効な量のナイアシン受容体部分的アゴニストを投与する工程を含む。
一般的には、リガンドがその受容体に結合する(多くの場合に、受容体の活性化と呼ばれる)と、受容体の立体構造に変化が生じ、これによって細胞内領域と細胞内Gタンパク質との間での結合が促進される。他のGタンパク質も存在しているが、現在までのところ、Gq、Gs、Gi、Gz、およびGoが同定されているGタンパク質である。ホスホリパーゼC経路に対していくつかのクラスのGPCR(例えば、Gα15またはGα16)を結合させるようである雑多なGタンパク質(Offermanns & Simon,J Biol Chem(1995)270:15175−80))、あるいは、同じ経路に多数の異なるGPCRを結合させるように設計されたキメラGタンパク質(Milligan & Rees,Trends in Pharmaceutical Sciences(1999)20:118−24)もまた存在している。リガンドによって活性化されるGPCRのGタンパク質との結合によってシグナル伝達と呼ばれるシグナル伝達カスケードのプロセスが開始される。通常の条件では、シグナル伝達は最終的に、細胞の活性化または細胞の阻害を生じる。
生理学的条件下では、GPCRは細胞膜の中に、2種類の異なる立体構造(不活性な状態と活性な状態)の間の平衡状態で存在する。不活性な状態の受容体は、細胞内シグナル伝達経路に結合して生物学的応答を導くシグナル伝達を開始することはできない。受容体の立体構造が活性な状態へと変化すると、(Gタンパク質を介して)シグナル伝達経路に導くことができ、生物学的応答が生じる。受容体は、リガンドまたは薬剤のような化合物によって、活性な状態で安定化させることができる。加えて、最近の発見によって、活性な状態の立体構造になるように受容体を促進し、そのような状態で受容体を安定化させるための、リガンドまたは薬剤以外の手段が提供された。これらの手段は、受容体に対するリガンドの結合の作用を刺激することによって、活性な状態で受容体を効率よく安定化させる。このようなリガンドに依存する手段による安定化は、構成的な受容体の活性化と呼ばれる。
細胞内シグナルの開始は、例えば、サイクリックAMP(cAMP)、サイクリックGMP(cGMP)、イノシトール三リン酸(IP3)、ジアシルグリセロール(DAG)、およびカルシウムのような二次メッセンジャーのレベルの測定によって決定することができる。これらの二次メッセンジャーを測定するためのいくつかのアッセイが当該分野で周知であり、例えば、FLIPRアッセイ、メラニン保有細胞アッセイ、またはCRE−レポーターアッセイである(例えば、本明細書中の実施例7、10、11、および12を参照のこと)。
アゴニストは、例えば、それが受容体に結合すると細胞内応答を活性化する物質であり、例えば、リガンドまたは候補の化合物である。細胞内応答によっては、例えば、膜に対するGTPの結合の促進、あるいは、cAMPまたはIP3のような二次メッセンジャーのレベルの調節が可能である。いくつかの実施形態においては、アゴニストは、それが受容体に結合すると細胞内応答を活性化する(例えば、膜に対するGTPγSの結合を促進するか、または細胞内cAMPレベルを下げる)ことがこれまでは知られていなかった物質である。部分的アゴニストは、例えば、それが受容体に結合すると細胞内応答を活性化させるが、完全なアゴニストよりもその程度または範囲が小さい物質であり、例えば、リガンドまたは候補の化合物である。
本明細書中で使用される場合は、「ナイアシン受容体部分的アゴニスト」は、それがナイアシン受容体に結合すると細胞内応答を活性化させるが、ナイアシン受容体の完全なアゴニストであるナイアシンよりもその程度が小さい物質である。技術的には、用語部分的アゴニストは相対的な用語である。なぜなら、部分的アゴニストによっては、完全なアゴニストと比較して部分的な応答しか生じないからである。時間が経つにつれて新しい化合物が発見されつつあるので、完全なアゴニストは変わる可能性があり、これまでの完全なアゴニストは部分的アゴニストとなる可能性がある。明確にするために、ナイアシン受容体部分的アゴニストは、本明細書中で使用される場合には、完全なアゴニストとしてのナイアシンと比較される。ナイアシン受容体部分的アゴニストは、ナイアシンと比較して検出可能なほどに小さい程度の細胞内応答の活性化を有する。すなわち、ナイアシン受容体部分的アゴニストは、最大応答よりも小さい程度に誘発する。このように、ナイアシン受容体部分的アゴニストは、ナイアシンよりも効率が良くない。例えば、ナイアシン受容体部分的アゴニストは、ナイアシンと比較すると90%またはそれ未満の効率、ナイアシンと比較すると85%またはそれ未満の効率、ナイアシンと比較すると80%またはそれ未満の効率、ナイアシンと比較すると75%またはそれ未満の効率、ナイアシンと比較すると70%またはそれ未満の効率、ナイアシンと比較すると65%またはそれ未満の効率、ナイアシンと比較すると60%またはそれ未満の効率、ナイアシンと比較すると55%またはそれ未満の効率、ナイアシンと比較すると50%またはそれ未満の効率、ナイアシンと比較すると45%またはそれ未満の効率、ナイアシンと比較すると40%またはそれ未満の効率、ナイアシンと比較すると35%またはそれ未満の効率、ナイアシンと比較すると30%またはそれ未満の効率、ナイアシンと比較すると25%またはそれ未満の効率、ナイアシンと比較すると20%またはそれ未満の効率、ナイアシンと比較すると15%またはそれ未満の効率、あるいは、ナイアシンと比較すると10%またはそれ未満の効率を有する。例えば、ナイアシン受容体部分的アゴニストは、ナイアシンと比較すると10%から90%の効率、ナイアシンと比較すると20%から80%の効率、ナイアシンと比較すると30%から70%の効率、ナイアシンと比較すると40%から60%の効率、ナイアシンと比較すると45%から55%の効率を有し得る。効率は測定される応答の大きさであり、これは、定義された応答を誘発するために要する化合物の量である効力とは異なる。したがって、ナイアシン受容体部分的アゴニストは、アゴニスト、アンタゴニスト、または逆アゴニストと比較した場合には、より強力、より弱い、または同等の効力であり得る。
ナイアシン受容体部分的アゴニストは、当該分野で周知であり、本明細書中に開示されるアッセイを使用して決定することができる。例えば、ナイアシン受容体部分的アゴニストは、cAMPアッセイを使用して決定することができる。
代表的なナイアシン受容体部分的アゴニストが表Aに示される:
本発明の化合物は、種々の互変異性体の形態で存在し得る。ピラゾールが少なくとも2種類の互変異性体形態で存在し得ることは当業者に周知である。式(I)は1つの形態を示しているが、全ての互変異性体形態が本発明に含まれることが理解される。例として、式(I)のピラゾールについての2つの可能な互変異性体が以下に示される:
加えて、Xがテトラゾール−5−イル基である式(I)については、テトラゾールが少なくとも2種類の互変異性体形態で存在し得ることもまた当業者に周知であり、テトラゾール基についての全ての互変異性体形態が本発明に含まれることが理解される。例として、Xがテトラゾール−5−イル基である式(I)についての2つの可能な互変異性体が以下に示される:
さらに、Xがテトラゾール−5−イル基である場合には、ピラゾール環と、そして結合したテトラゾール環のいずれについても、互変異性体が存在し得ることが理解される。本明細書中に開示される化合物について存在し得る全ての互変異性体が本発明の範囲に含まれる。
用語「カルボキシ」または「カルボキシル」は、基−CO2Hと対応する共役塩基−CO2 −を示し、これはまたカルボン酸基とも呼ばれる。
用語「5員炭素環」は、5個の環炭素と、必要に応じて1つまたは2つの環内二重結合を含む芳香族ではない環を示し、いくつかの実施形態においては、5員炭素環の2つの環炭素はピラゾール環によって共有されている。例えば、R1とR2が、それらが結合している2つのピラゾール環炭素と一緒になって、以下の化学構造を有している5員炭素環を形成する場合であるが、これに限定はされない:
用語「5員複素環」は、4個の環炭素と、酸素およびイオウから選択される1つのヘテロ原子と、必要に応じて1つの環内二重結合を含む、芳香族ではない環を示す。いくつかの実施形態においては、5員炭素環の2つの環炭素はピラゾール環によって共有されている。例えば、R
1とR
2が、それらが結合している2つのピラゾール環炭素と一緒になって、以下の化学構造を有している5員複素環を形成する場合であるが、これに限定はされない:
用語「テトラゾール−5−イル」は、以下に示される基と対応する互変異性体を意味する:
ナイアシン受容体に関して、いくつかのナイアシン受容体配列が当該分野で公知である。例えば、ヒトナイアシン受容体のヌクレオチド配列は、GenBank Accession No.NM_177551に見ることができ、本明細書中では配列番号1として列挙される。ナイアシン受容体に対する限定された修飾を、ナイアシンに結合するナイアシン受容体の能力を損なうことなく行うことができることもまた理解される。例えばナイアシン受容体は、他のナイアシン受容体ポリペプチド(例えば、ヒトナイアシン受容体ポリペプチドの種ホモログ(配列番号2))を含むように意図される。ヒトナイアシン受容体の種ホモログの配列はデータベースの中に存在しており、例えば、ナイアシン受容体のラットホモログは、GenBankに、Accession No.BAC58009に見ることができる。加えて、ナイアシン受容体には、完全なナイアシン受容体ポリペプチドのナイアシン受容体結合機能を実質的に保持しているナイアシン受容体のスプライシング変異体および対立遺伝子変異体が含まれる。
さらに、ナイアシン受容体には、変異した受容体が野生型のナイアシン受容体ポリペプチドのナイアシン受容体結合機能を実質的に保持している限りにおいて、野生型受容体と比較してアミノ酸変化(例えば、保存的アミノ酸変化)が含まれてよい。アミノ酸配列への保存的アミノ酸変化および非保存的アミノ酸変化、アミノ酸ギャップ、およびアミノ酸の挿入は、利用できるアルゴリズム、ならびにデフォルト設定を使用するBasic Local Alignment Search Tool(“BLAST”)のようなプログラムを使用して参照配列と比較することができる(例えば、Karlin and Altschul,Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1990)87:2264−8;Altschul et al.,J Mol Biol(1990)215:403−410;Altschul et al.,Nature Genetics(1993)3:266−72;およびAltschul et al.,Nucleic Acids Res(1997)25:3389−3402を参照のこと)。
ナイアシン受容体はナイアシンに特異的に結合する。用語特異的に結合するはポリペプチドが標的ポリペプチドに対して親和性を有しており、これが、無関係なポリペプチドに対するその親和性よりも測定できるほどに高いことを意味するように意図される。受容体の結合を検出または測定するためのいくつかの方法が当該分野で周知であり、例えば、放射性リガンド結合試験、またはFLIPRアッセイのような機能の読み取りを用いるアッセイである。
ポリペプチド全体のナイアシン受容体結合機能を実質的に保持しているナイアシン受容体の断片を、ポリペプチド全体の代わりに使用できることが理解される。例えばナイアシン受容体のリガンド結合ドメインを、ナイアシン受容体に対する部分的アゴニストの結合を決定するために、ポリペプチド全体の代わりに使用することができる。
本明細書中で使用される場合は、ナイアシン受容体部分的アゴニストの「潮紅を軽減するために有効な量」は、ナイアシンまたはナイアシンアナログによって誘導される潮紅の軽減を生じるに十分な量を意味する。
本明細書中で使用される場合は、「軽減する」は、測定可能な量または特定の活性の低下を意味し、そして用語「低下させる」、「小さくする」、「下げる」、および「弱くする」と同じ意味で使用される。潮紅の量についての言及においては、潮紅の軽減は、例えば、潮紅の減少、または潮紅の解消であり得る。例えば、潮紅を、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または、少なくとも約99%軽減させることができる。加えて、潮紅は、100%軽減する、すなわち、解消することができ、その結果、潮紅は検出されない。1つの実施形態においては、潮紅は、少なくとも約80%軽減する。別の実施形態においては、潮紅の軽減は、潮紅の完全な軽減または解消である。
潮紅を検出し定量化するためのいくつかの方法を使用することができる。例えば、潮紅は、視覚的に検出し定量化することができる。潮紅を検出し、定量化するための1つの方法は、レーザードップラ(Laser Doppler)により、例えば、Pirimed PimIIレーザードップラーが使用される。加えて、被験体の調査を、潮紅と、チクチク感または熱感のような潮紅に伴う可能性がある症状の重篤度を評価するために行うことができる。潮紅を検出し定量化するための別の方法には、被験体に由来する生物学的試料(例えば、血液または尿)の中でのプロスタグランジンD2(PGD2)またはプロスタグランジンF2(PGF2)のレベルの測定が含まれ得る。加えて、例えば、PGD2の主要な尿代謝産物であるPGD−Mのレベルは、被験体の尿から測定することができる。プロスタグランジンレベルを測定するためのアッセイは市販されており、例えば、PGD2についての酵素免疫アッセイをCayman Chemical(Ann Arbor,MI)から入手することができる。
当業者によって理解されているように、潮紅の軽減を達成するために必要なナイアシンまたはナイアシンアナログの量は、例えば、特定の化合物、その処方、投与経路、および個々の被験体によって変化するであろう。
被験体への投与に適している経路としては、当該分野で公知の方法を使用する、経口、局所、鼻腔、直腸、経粘膜、または腸投与、非経口投与(筋肉内注射、皮下注射、髄内注射、ならびに、髄腔内注射、直接的な脳室内注射、静脈内注射、腹腔内注射、鼻腔内注射、肺内注射(吸入)、または眼内注射を含む)が挙げられる。他の投与経路は、エアゾールおよびデポー処方物である。1つの実施形態においては、投与経路は経口である。
本発明によりさらに、被験体においてナイアシンまたはナイアシンアナログによって誘導される潮紅を軽減する方法が提供される。この方法は、上記被験体に、潮紅を軽減するために有効な量のナイアシン受容体部分的アゴニストと、脂質を変化させるために有効な量のナイアシンまたはナイアシンアナログを投与する工程を含む。1つの実施形態においては、上記潮紅はナイアシンによって誘導され、別の実施形態においては、上記潮紅はナイアシンアナログによって誘導される。さらなる実施形態においては、潮紅は、完全に軽減されるかまたは解消される。1つの実施形態においては、上記ナイアシンアナログはナイアシンの構造的アナログであり、別の実施形態においては、上記ナイアシンアナログはナイアシンの機能的アナログである。さらなる実施形態においては、上記の脂質を変化させるナイアシンまたはナイアシンアナログの量は、1日あたり少なくとも500mgである。1つの実施形態においては、上記ナイアシン受容体部分的アゴニストには以下の式(I)の化合物またはその薬学的に受容可能な塩が含まれる:
式中、Xはカルボキシルまたはテトラゾール−5−イル基であり;R
1はイソ−プロピル、3−フルオロ−ベンジル、3−クロロ−ベンジル、または3−ブロモ−ベンジルであり;そしてR
2はHであるか;あるいは、R
1とR
2が、それらが結合している2つのピラゾール環炭素と一緒になって、必要に応じてエチルで置換された5員炭素環または必要に応じてメチルで置換された5員複素環を形成する。例えば、上記ナイアシン受容体部分的アゴニストには、以下からなる群より選択される化合物が含まれ得る:3−(1H−テトラゾール−5−イル)−1,4,5,6−テトラヒドロ−シクロペンタピラゾール;5−(3−フルオロ−ベンジル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸;5−(3−クロロ−ベンジル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸;5−(3−ブロモ−ベンジル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸;6−メチル−3−(1H−テトラゾール−5−イル)−4,6−ジヒドロ−1H−フロ[3,4−c]ピラゾール;3−(1H−テトラゾール−5−イル)−4,6−ジヒドロ−1H−チエノ[3,4−c]ピラゾール:3−(1H−テトラゾール−5−イル)−1,4−ジヒドロ−シクロペンタピラゾール;3−(1H−テトラゾール−5−イル)−1,6−ジヒドロ−シクロペンタピラゾール;3−(1H−テトラゾール−5−イル)−2,6−ジヒドロ−4H−フロ[3,4−c]ピラゾール;5−エチル−3−(1H−テトラゾール−5−イル)−2,4,5,6−テトラヒドロ−シクロペンタピラゾール;および5−(5−イソプロピル−1H−ピラゾール−3−イル)−1H−テトラゾール;あるいはそれらの薬学的に受容可能な塩。
本明細書中で使用される場合には、用語「脂質を変化させるために有効な量」は、ナイアシンまたはナイアシンアナログについての言及においては、アテローム性動脈硬化症に関係している血清脂質の量を検出できるほどに変化(例えば、被験体中のLDL−コレステロール、VLDL−コレステロール、またはトリグリセリドの量の減少、あるいは、HDL−コレステロール量の増加)させるために十分なこれらの化合物の量を意味する。例えば、脂質を変化させるために有効な量のナイアシンによって、HDL−コレステロールの量を増加させるか、またはLDL−コレステロールの量を減少させることができる。加えて、例えば、脂質を変化させるために有効な量のナイアシンは、HDL−コレステロールの量を増加させ、なおかつLDL−コレステロールの量をも減少させることができる。血液中のこれらの脂質の量を測定するための標準的な実験室でのアッセイは当該分野で周知である(例えば、本明細書中の実施例6を参照のこと)。
コレステロール(例えば、VLDL−コレステロール、LDL−コレステロール、および高密度リポタンパク質−コレステロール(HDL−コレステロール))は、リポタンパク質複合体によって血液の中を輸送される。LDLは血液の中で、血管壁の内皮細胞下空間にコレステロールを運ぶ。血管壁の内皮細胞下空間でのLDL−コレステロールの過酸化によってアテローム性動脈硬化症のプラークの形成が導かれると考えられている。一方、HDL−コレステロールは、プラークの形成に対抗し、循環器疾患およびアテローム性動脈硬化症の症状の発症を遅らせるまたは妨げると考えられている。HDL−コレステロールのいくつかのサブタイプ(例えば、HDL1−コレステロール、HDL2−コレステロール、およびHDL3−コレステロール)が今日までに同定されている。
HDLがアテローム性動脈硬化症の進行から防御するであろういくつかの機構が存在している。インビトロでの研究によって、HDLが細胞からコレステロールを除去することができることが示されている(Picardo et al.,(1986)Arteriosclerosis,6:434−441)。この性質についてのデータは、HDLの1つの抗アテローム特性が、過剰の遊離のコレステロールの組織を枯渇させ、最終的には、このコレステロールの肝臓への送達を導くその能力によるであろうことを示唆している(Glomset,(1968)J.Lipid Res.,9,155−167)。これは、HDLから肝臓へのコレステロールの効率的な移動を示す実験によってサポートされている(Glass et al.,(1983)J.Biol.Chem.,258:7161−7167;McKinnon et al.,(1986)J.Biol.Chem.,26,2548−2552)。加えて、HDLは、グリセリドを多く含むリポタンパク質の迅速な代謝に不可欠なアポタンパク質の循環においてレザーバーとしての役割を担うことができる(Grow and Fried,(1978)J.Biol.Cehm.,253,1834−1841;Lagocki and Scanu,(1980)J.Biol.Chem.,255,3701−3706;Schaefer et al.,J.Lipid Res.,(1982)23,1259−1273)。
一般的には、総コレステロール/HDL−コレステロール(すなわち、TC/HDL)比は、アテローム性動脈硬化症、心疾患、または脳卒中のような症状の発症についての個体のリスクに関して有用な予測判断材料を示し得る。血漿脂質レベルの現在の分類が表Bに示される。
2001年の全米コレステロール教育プログラムの指針による。
したがって、推奨される総コレステロール/HDL−C(すなわち、TC/HDL)比は、3.5未満かまたはそれに等しい比が理想的であり、4.5より大きい比は「危険性がある」とみなされることを示している。TC/HDL比を決定する値は、個体が「正常な」LDLと総コレステロールを示すが、低いHDL−コレステロールを有している状況においては明確な証拠である。LDLと総コレステロールに基づいて個体が処置を変えることはできない場合があるが、HDL−コレステロールレベルをファクタリングすると、より正確なリスク評価を得ることができる。したがって、個体のHDL−コレステロールのレベルが4.5より大きな比である場合には、治療的介入または予防的介入が必要であり得る。
LDL−コレステロールレベルに関して、米国心臓協会(American Heart Association)は、現在、100mg/dL未満のLDL−コレステロールレベルが最適であると考えており、100〜129mg/dLが最適に近く、130〜159mg/dLは高境界値、160〜189mg/dLは高い、そして190mg/dLは非常に高いLDL−コレステロールレベルと考えられている。トリグリセリドレベルに関して、米国心臓協会は、現在、150mg/L未満を正常と考えており、150〜199mg/gLは高境界値、200〜499mg/dLは高い、そして500mg/dLは非常に高いトリグリセリドレベルと考えられている。
アテローム性動脈硬化症に関係している血清脂質の量を変化させるために必要なナイアシンまたはナイアシンアナログの量は、化合物の処方および個体に応じて変化するであろう。具体的には、アテローム性動脈硬化症に関係している血清脂質の量を変化させるために必要なナイアシンまたはナイアシンアナログの量は、例えば、個体の体重、個体の遺伝子構造、または個体の全体的な健康状態に応じて変化し得る。アテローム性動脈硬化症に関係している血清脂質の量を変化させることができるナイアシンまたはナイアシンアナログの量としては、例えば、1日あたり少なくとも500mg、1日あたり少なくとも750mg、1日あたり少なくとも1g、1日あたり少なくとも1.5g、1日あたり少なくとも2g、1日あたり少なくとも2.5g、1日あたり少なくとも3g、1日あたり少なくとも3.5g、1日あたり少なくとも4g、1日あたり少なくとも4.5g、1日あたり少なくとも5g、1日あたり少なくとも5.5g、1日あたり少なくとも6g、1日あたり少なくとも6.5g、1日あたり少なくとも7g、1日あたり少なくとも7.5g、1日あたり少なくとも8g、1日あたり少なくとも8.5g、1日あたり少なくとも9g、またはそれ以上を挙げることができる。1つの実施形態においては、上記脂質を変化させるナイアシンまたはナイアシンアナログの量は、1日あたり少なくとも500mgのナイアシンである。別の実施形態においては、上記脂質を変化させるナイアシンまたはナイアシンアナログの量は、1日あたり1から3グラムである。
加えて、本発明により、被験体におけるナイアシンまたはナイアシンアナログによって誘導される潮紅を軽減する方法が提供される。この方法は、上記被験体に潮紅を軽減するために有効な量のナイアシン受容体部分的アゴニストを投与する工程と、それに続いて、上記被験体に脂質を変化させるために有効な量のナイアシンまたはナイアシンアナログを投与する工程を含む。1つの実施形態においては、上記潮紅はナイアシンによって誘導され、別の実施形態においては、上記潮紅はナイアシンアナログによって誘導される。さらなる実施形態においては、潮紅は完全に軽減されるかまたは解消される。なおさらなる実施形態においては、上記の脂質を変化させるナイアシンまたはナイアシンアナログの量は、1日あたり少なくとも500mgである。1つの実施形態においては、上記ナイアシン受容体部分的アゴニストには以下の式(I)の化合物またはその薬学的に受容可能な塩が含まれる:
式中、Xはカルボキシルまたはテトラゾール−5−イル基であり;R
1はイソ−プロピル、3−フルオロ−ベンジル、3−クロロ−ベンジル、または3−ブロモ−ベンジルであり;そしてR
2はHであるか;あるいは、R
1とR
2が、それらが結合している2つのピラゾール環炭素と一緒になって、必要に応じてエチルで置換された5員炭素環または必要に応じてメチルで置換された5員複素環を形成する。例えば、上記ナイアシン受容体部分的アゴニストには、以下からなる群より選択される化合物が含まれ得る:3−(1H−テトラゾール−5−イル)−1,4,5,6−テトラヒドロ−シクロペンタピラゾール;5−(3−フルオロ−ベンジル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸;5−(3−クロロ−ベンジル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸;5−(3−ブロモ−ベンジル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸;6−メチル−3−(1H−テトラゾール−5−イル)−4,6−ジヒドロ−1H−フロ[3,4−c]ピラゾール;3−(1H−テトラゾール−5−イル)−4,6−ジヒドロ−1H−チエノ[3,4−c]ピラゾール:3−(1H−テトラゾール−5−イル)−1,4−ジヒドロ−シクロペンタピラゾール;3−(1H−テトラゾール−5−イル)−1,6−ジヒドロ−シクロペンタピラゾール;3−(1H−テトラゾール−5−イル)−2,6−ジヒドロ−4H−フロ[3,4−c]ピラゾール;5−エチル−3−(1H−テトラゾール−5−イル)−2,4,5,6−テトラヒドロ−シクロペンタピラゾール;および5−(5−イソプロピル−1H−ピラゾール−3−イル)−1H−テトラゾール;あるいはそれらの薬学的に受容可能な塩。
本明細書中に開示される方法について、ナイアシン受容体部分的アゴニストと、ナイアシンまたはナイアシンアナログは一緒に投与することができ、また、同時にもしくは異なるタイミングで別々に投与することもできる。例えば、ナイアシンまたはナイアシンアナログは、ナイアシン受容体部分的アゴニストと同じ処方物になるように混合することができ、また別の処方物であってもよい。ナイアシンまたはナイアシンアナログとナイアシン受容体部分的アゴニストが別々の処方物である場合には、これらは、一緒に投与することができ、また、別々に、例えば、同じ設定で行われる場合のように、1分未満の差で別々に、もしくは、異なる設定で行われる場合のように、より長時間の差で別々に投与することもできる。
ナイアシン受容体部分的アゴニストが被験体投与され、その後に続いて、ナイアシンまたはナイアシンアナログが投与される本発明の方法においては、ナイアシン受容体部分的アゴニストの投与とその後のナイアシンまたはナイアシンアナログの投与の間の時間は、例えば、少なくとも約1分、少なくとも約5分、少なくとも約10分、少なくとも約20分、少なくとも約30分、少なくとも約45分、少なくとも約1時間、少なくとも約2時間、少なくとも約3時間、少なくとも約4時間、少なくとも約5時間、少なくとも約6時間、少なくとも約7時間、少なくとも約8時間、少なくとも約9時間、少なくとも約10時間、少なくとも約12時間、少なくとも約14時間、少なくとも約20時間、または少なくとも約24時間、あるいはそれ以上であり得る。
本発明により、また、被験体における脂質関連障害を予防または処置するための方法も提供される。この方法は、上記被験体に潮紅を軽減するために有効な量のナイアシン受容体部分的アゴニストと、脂質を変化させるために有効な量のナイアシンまたはナイアシンアナログを投与する工程を含む。1つの実施形態においては、上記潮紅はナイアシンによって誘導され、別の実施形態においては、上記潮紅はナイアシンアナログによって誘導される。1つの実施形態においては、上記ナイアシンアナログは、ナイアシンの構造的アナログであり、別の実施形態においては、上記ナイアシンアナログはナイアシンの機能的アナログである。さらなる実施形態においては、潮紅は完全に軽減されるかまたは解消される。なおさらなる実施形態においては、上記の脂質を変化させるナイアシンまたはナイアシンアナログの量は、1日あたり少なくとも500mgである。1つの実施形態においては、上記ナイアシン受容体部分的アゴニストには以下の式(I)の化合物またはその薬学的に受容可能な塩が含まれる:
式中、Xはカルボキシルまたはテトラゾール−5−イル基であり;R
1はイソ−プロピル、3−フルオロ−ベンジル、3−クロロ−ベンジル、または3−ブロモ−ベンジルであり;そしてR
2はHであるか;あるいは、R
1とR
2が、それらが結合している2つのピラゾール環炭素と一緒になって、必要に応じてエチルで置換された5員炭素環または必要に応じてメチルで置換された5員複素環を形成する。例えば、上記ナイアシン受容体部分的アゴニストには、以下からなる群より選択される化合物が含まれ得る:3−(1H−テトラゾール−5−イル)−1,4,5,6−テトラヒドロ−シクロペンタピラゾール;5−(3−フルオロ−ベンジル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸;5−(3−クロロ−ベンジル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸;5−(3−ブロモ−ベンジル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸;6−メチル−3−(1H−テトラゾール−5−イル)−4,6−ジヒドロ−1H−フロ[3,4−c]ピラゾール;3−(1H−テトラゾール−5−イル)−4,6−ジヒドロ−1H−チエノ[3,4−c]ピラゾール:3−(1H−テトラゾール−5−イル)−1,4−ジヒドロ−シクロペンタピラゾール;3−(1H−テトラゾール−5−イル)−1,6−ジヒドロ−シクロペンタピラゾール;3−(1H−テトラゾール−5−イル)−2,6−ジヒドロ−4H−フロ[3,4−c]ピラゾール;5−エチル−3−(1H−テトラゾール−5−イル)−2,4,5,6−テトラヒドロ−シクロペンタピラゾール;および5−(5−イソプロピル−1H−ピラゾール−3−イル)−1H−テトラゾール;あるいはそれらの薬学的に受容可能な塩。別の実施形態においては、上記方法には、上記被験体に、以下からなる群より選択される少なくとも1つの薬剤を投与する工程がさらに含まれる:α−グルコシダーゼ阻害剤、アルドースレダクターゼ阻害剤、ビグアニド、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、スクアレン合成阻害剤、フィブレート、LDL異化エンハンサー、アンジオテンシン転換酵素阻害剤、インシュリン分泌エンハンサー、およびチアゾリジンジオン。
本明細書中で使用される場合は、用語「処置する」は、障害についての言及においては、特定の障害に関係している1つ以上の症状の重篤度の低下を意味する。したがって、障害の処置は、必ずしも、障害に伴う全ての症状の重篤度の低下を意味するのではなく、また、必ずしも、障害に関係している1つ以上の症状の重篤度の完全な低下を意味するのでもない。同様に、用語「予防する」は、特定の障害に関係している1つ以上の症状の発生または発症の予防を意味し、必ずしも、障害の完全な予防を意味するのではない。本発明の方法は、例えば、以下に記載される脂質関連障害を含む、ナイアシン応答性の障害を処置するために使用することができる。
本明細書中で使用される場合は、用語「脂質関連障害」は、被験体の中での、アテローム性動脈硬化症に関係している血清脂質(例えば、LDL−コレステロール、VLDL−コレステロール、HDL−コレステロール、またはトリグリセリド)の最適ではないレベルに関係している任意の障害を意味する。したがって、脂質関連障害は、例えば、LDL−コレステロールレベルの上昇、HDL−コレステロールレベルの低下であり得るか、あるいは、少なくとも一部、アテローム性動脈硬化症に関係している血清脂質の最適ではないレベルによって引き起こされる障害(例えば、アテローム性動脈硬化症、心臓発作(心筋梗塞)、または脳卒中)である。アテローム性動脈硬化症に関係している血清脂質の最適なレベルは上記で議論されており、これらの脂質の最適ではないレベル、またはこれらの脂質の最適には満たない比が、脂質関連障害と見なされる。
高脂血症は、血漿中の任意の脂質(例えば、コレステロール、トリグリセリド、およびリポタンパク質)または脂質の全ての濃度の上昇についての一般的な用語であり、脂質関連障害である。高脂血症は急性である場合も、また先天性である場合もある。高脂血症の特定の形態としては、例えば、高コレステロール血症、家族性A型高脂血症(dysbetalipoproteinemia)、糖尿病性異常脂質血症、ネフローゼ異常脂質血症、および家族性混合型高脂血症を挙げることができる。高コレステロール血症は、血清の低密度リポタンパク質−コレステロールと血清総コレステロールの上昇を特徴とする。家族性A型高脂血症はIII型高脂血症としても知られており、β−VLDLと呼ばれる非常に低い密度のリポタンパク質−コレステロール(VLDL−コレステロール)粒子の血清の中での蓄積を特徴とする。正常なアポリポタンパク質E3の異常なイソ型のアポリポタンパク質E2での置き換えもまた、この症状に関係している。糖尿病性異常脂質血症は複数のリポタンパク質の異常(例えば、VLDL−コレステロールの過剰生産、異常なVDLDトリグリセリド脂肪分解、LDL−コレステロール受容体活性の低下)と、場合によっては、III型高脂血症を特徴とする。ネフローゼ異常脂質血症は治療することが難しく、多くの場合には、高コレステロール血症と高トリグリセリド血症が含まれる。家族性混合型高脂血症は複数の高脂血症の表現形、すなわち、IIa型、IIb型、IV型、V型、または家族性A型高脂血症を特徴とする。
アテローム性動脈硬化症に関係している血清脂質の最適ではないレベルによって少なくとも一部引き起こされる障害は、脂質関連障害の定義に含まれる。このような障害としては、例えば、冠動脈疾患(CAD)または冠状動脈性心臓病、うっ血性心不全、狭心症、動脈瘤、虚血性心疾患、心筋梗塞、および脳卒中が挙げられる。脂質関連障害としては、冠状動脈性心臓病のような心疾患を挙げることができ、これには、心臓に血液を供給する小さい血管の狭窄、および心臓が血液を効率よく供給するその能力を失っているうっ血性心不全が含まれる。脂質関連障害としては、血管の部分的または完全な遮断が原因である組織または臓器への血流の減少によって引き起こされる障害を挙げることができる。このような障害としては、例えば、狭心症、虚血性心疾患、心筋梗塞、および脳卒中が挙げられる。脂質関連障害としては、弱くなった血管によって引き起こされる障害、例えば、動脈瘤を挙げることができ、これは血管の中の弱くなった領域にあり、アテローム性動脈硬化症によってしばしば引き起こされる。
本発明の方法、組成物、およびキットを、被験体の脂質関連障害を予防または処置するために使用することができる。脂質関連障害を予防するために使用される場合は、被験体は、最適なレベルの脂質を有している可能性があるが、他の理由(例えば、脂質関連障害についての家族歴)から、脂質関連障害についてのリスクがある場合がある。本発明の方法、組成物、およびキットは、任意の年齢の被験体(例えば、脂質関連障害を発症する危険要素がある肥満または糖尿病の小児または成人)において脂質関連障害を予防するために予防的に使用することができる。
本発明によってはまた、ナイアシン受容体部分的アゴニストと、ナイアシンまたはナイアシンアナログに加えて、別の治療用化合物(単数または複数)が含まれる併用療法のための方法も提供される。他の治療用化合物としては、例えば、潮紅をさらに軽減するために使用することができる化合物、または、被験体のアテローム性動脈硬化症に関係している血清脂質の量をさらに低下させるために使用することができる化合物を挙げることができる。
ナイアシン受容体部分的アゴニストおよびナイアシンまたはナイアシンアナログと組み合わせることができる治療用化合物としては、例えば、プロスタグランジンの合成(例えば、PGD2の合成)を減少させる化合物を挙げることができる。このような化合物には、例えば、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)が含まれ得る。NSAIDSの例としては、アスピリン、サリチル酸塩、イブプロフェン、インドメタシン、ナプロキセン、ナプロキセンナトリウム、ケトプロフェン、フェノプロフェン、オキサプロジン、スリンダック、フルルビプロフェン、エトドラッグ、ジクロフェナク、ケトロラック、トルメチン、ナブメトン、スプロフェン、ベノキサプロフェン、カルプロフェン、アクロフェナク(aclofenac)、フェンクロフェナク(fenclofenac)、ゾメピラク、メクロフェナメート(meclofenamate)、メフェナム酸、オキシフェンブタゾン、フェニルブタゾン、およびピロキシカムが挙げられる。COX−1阻害因子との組み合わせに加えて、治療用化合物は、選択的COX−2阻害因子(例えば、セレコキシブまたはロフェコキシブ)と組み合わせることができる。
ナイアシン受容体部分的アゴニストおよびナイアシンまたはナイアシンアナログと組み合わせることができる治療用化合物としては、例えば、被験体のアテローム性動脈硬化症に関係している血清脂質の量を減少させる化合物を挙げることができる。このような化合物としては、例えば、α−グルコシダーゼ阻害剤、アルドースレダクターゼ阻害剤、ビグアニド、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、スクアレン合成阻害剤、フィブレート、LDL異化エンハンサー、アンジオテンシン転換酵素(ACE)阻害剤、インシュリン分泌エンハンサー、およびチアゾリジンジオンが挙げられる。
α−グルコシダーゼ阻害剤は、膵臓および/または小腸の消化酵素(例えば、α−アミラーゼ、マルターゼ、α−デキストリナーゼ、スクラーゼなど)を競合的に阻害する薬剤のクラスに属する。α−グルコシダーゼ阻害剤による可逆的な阻害によって、デンプンおよび糖類の消化が遅れる、減少する、または別の方法でデンプンおよび糖類の消化が遅くなることによって血中グルコース濃度が下がる。α−グルコシダーゼ阻害剤のいくつかの代表的な例としては、アカルボース、N−(1,3−ジヒドロキシ−2−プロピル)バリオールアミン(属名;ボグリボース)、ミグリトール、および当該分野で公知のα−グルコシダーゼ阻害剤が挙げられる。
アルドースレダクターゼ阻害剤は、ポリオール経路の第1段階の律速酵素を阻害する薬剤である。アルドースレダクターゼ阻害剤の例としては、トルリスタット(tolurestat);エパルレスタット(epalrestat);3,4−ジヒドロ−2,8−ジイソプロピル−3−チオキソ−2H−1,4−ベンゾキサジン−4−酢酸;2,7−ジフルオロスピロ(9H−フルオレン−9,4’−イミダゾリジン)−2’,5’−ジオン(属名:イミリスタット(imirestat));3−[(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)メチル]−7−クロロ−3,4−ジヒドロ−2,4−ジオキソ−1(2H)−キナゾリン酢酸(属名:ゼナリスタット(zenarestat));6−フルオロ−2,3−ジヒドロ−2’,5’−ジオキソ−スピロ[4H−1−ベンゾピラン−4,4’−イミダゾリジン]−2−カルボキサミド(SNK−860);ゾポルリスタット(zopolrestat);ソルビニル;および1−[(3−ブロモ−2−ベンゾフラニル)スルホニル]−2,4−イミダゾリジンジオン(M−16209)、および当該分野で公知のアルドースレダクターゼ阻害剤が挙げられる。
ビグアニドは、嫌気的解糖を刺激し、末梢組織中のインシュリンに対する感度を増大させ、腸からのグルコースの吸収を阻害し、肝臓での糖新生を抑制し、そして脂肪酸の酸化を阻害する薬剤のクラスである。ビグアニドの例としては、フェンホルミン、メトホルミン、ブホルミン、および当該分野で公知のビグアニドが挙げられる。
スタチン化合物は、ヒドロキシメチルグルタリルCoA(HMG−CoA)レダクターゼを阻害することによって血中コレステロール濃度を下げる薬剤のクラスに属する。HMG−CoAレダクターゼは、コレステロールの生合成における律速酵素である。このレダクターゼを阻害するスタチンは、LDL受容体の活性をアップレギュレートし、そして血液からのLDLのクリアランスに反応することによって血清LDL濃度を下げる。スタチン化合物の例としては、ロスバスタチン、プラバスタチンおよびそのナトリウム塩、シムバスタチン、ロバスタチン、アトルバスタチン、フルバスタチン、セリバスタチン、および当該分野で公知のHMG−CoAレダクターゼ阻害剤が挙げられる。
スクアレン合成阻害剤は、スクアレンの合成を阻害することによって血中コレステロール濃度を下げる薬剤のクラスに属する。スクアレン合成阻害剤の例としては、(S)−α−[ビス[2,2−ジメチル−1−オキソプロポキシ)メトキシ]ホスフィニル]−3−フェノキシベンゼンブタンスルホン酸、モノカリウム塩(BMS−188494)および当該分野で公知のスクアレン合成阻害剤が挙げられる。
フィブレート化合物は、肝臓でのトリグリセリドの合成と分泌を阻害し、そしてリポタンパク質リパーゼを活性化させることによって血中コレステロール濃度を下げる薬剤のクラスに属する。フィブレートは、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体を活性化させ、リポタンパク質リパーゼの発現を誘導することが知られている。フィブレート化合物の例としては、ベンザフィブレート、ベクロブレート、ビニフィブレート、シプロフィブレート、クリノフィブレート、クロフィブレート、クロフィブリン酸、エトフィブレート、フェノフィブレート、ジェムフィブレート、ニコフィブレート、ピリフィブレート、ロニフィブレート、シムフィブレート、テオフィブレート、および当該分野で公知のフィブレートが挙げられる。
LDL(低密度リポタンパク質)代謝エンハンサーは、LDL受容体の数を増加させることによって血中コレステロール濃度を下げる薬剤のクラスに属し、例としては、当該分野で公知のLDL異化エンハンサーが挙げられる。
アンギオテンシン転換酵素(ACE)阻害剤は、アンギオテンシン転換酵素を阻害することによって血中グルコース濃度を部分的に低下させ、さらに血圧も下げる薬剤のクラスに属する。アンギオテンシン転換酵素阻害剤の例としては、カプトプリル、エナラプリル、アラセプリル、デラプリル、ラミプリル、リシノプリル、イミダプリル、ベナゼプリル、セロナプリル、シラザプリル、エナラプリル、フォシノプリル、モベルトプリル、ペリンドプリル、キナプリル、スピラプリル、テモカプリル、トランドラプリル、および当該分野で公知のアンギオテンシン転換酵素阻害剤が挙げられる。
インシュリン分泌エンハンサーは、膵臓のβ細胞からのインシュリンの分泌を促進する特性を有している薬剤のクラスに属する。インシュリン分泌エンハンサーの例としては、スルホニル尿素(SU)が挙げられる。スルホニル尿素(SU)は、SU受容体を介してインシュリン分泌のシグナルを細胞膜に伝達することによって、膵臓のβ細胞からのインシュリンの分泌を促進する薬剤である。スルホニル尿素の例としては、トルブタミド;クロルプロパミド;トラザミド;アセトヘキサミド;4−クロロ−N−[(1−ピロリジニルアミノ)カルボニル]−ベンゼンスルホンアミド(属名:グリコピラミド)またはそのアンモニウム塩;グリベンクラミド(glybenclamide)(グリブライド(glybride));グリクラジド(gliclazide);1−ブチル−3−メタニリル尿素;カルブタミド;グリボヌライド(glibonuride);グリピザイド(glipizide);グリキドン(gliquidone);グリソキセピド(glisoxepid);グリブチアゾール(glybuthiazole);グリブゾール(glibuzole);グリヘキサミド;グリミジン;グリピナミド;フェノブタミド;トルシクラミド;グリメピライド;および当該分野で公知の他のインシュリン分泌エンハンサーが挙げられる。他のインシュリン分泌エンハンサーとしては、N−[[4−(1−メチルエチル)シクロヘキシル]カルボニル]−D−フェニルアラニン(ナテグリド(Nateglide));カルシウム(2S)−2−ベンジル−3−(シス−ヘキサヒドロ−2−イソインドリニルカルボニル)プロピオン酸二水和物(ミチグリニド、KAD−1229);および当該分野で公知の他のインシュリン分泌エンハンサーが挙げられる。チアゾリジンジオンは、TZDとしてより一般的に知られている薬剤のクラスに属する。チアゾリジンジオンの例としては、ロシグリタゾン、ピオグリタゾン、および当該分野で公知のチアゾリジンジオンが挙げられる。
本発明の方法、キット、および組成物は、例えば、ナイアシンまたはナイアシンアナログによって誘導される潮紅を軽減するために有用であり得る。ナイアシンまたはナイアシンアナログは、例えば、ナイアシン反応性障害を予防または処置するために、被験体に投与することができる。ナイアシン反応性障害は、ナイアシンまたはナイアシンアナログによって予防または処置することができる障害または疾患である。ナイアシン反応性障害としては、例えば、本明細書中に記載されるような脂質関連障害を挙げることができる。例えば、脂質関連障害は、高密度リポタンパク質(HDL)−コレステロール量の減少、低密度リポタンパク質(LDL)−コレステロールの量の増加、トリグリセリドの量の増加、または、アテローム性動脈硬化症、心疾患、もしくは脳卒中のようなアテローム性動脈硬化症に関係している血清脂質の最適ではないレベルによって少なくとも一部引き起こされる障害であり得る。
ナイアシン反応性障害の別の例は、月経困難症または痛みを伴う月経である。1つの報告では、痛みを伴う月経痛に罹患している80人の女性のグループに、100mgのナイアシンを1日に2回補い、月経の開始の7日から10日前に開始して、その後、重い月経痛の間は2から3時間おきに補った(Hudgins,(1952)Am Pract Dig Treat 3:892−893;Hudgins(1954)West J Surg Obstet Gynecol 62:610−611)。約90%の被験体が有意な緩和を経験した。重い月経痛の間に必要な投与量(2から3時間ごとに100mg)は、一部の女性においては潮紅を引き起こすに十分に多量である。この場合、本発明の方法、キット、および組成物を、ナイアシンによって誘導される潮紅を軽減するために使用できる。
本発明により、さらに、被験体の脂質関連障害の予防または処置のための方法が提供される。この方法は、上記被験体に潮紅を軽減するために有効な量のナイアシン受容体部分的アゴニストを投与する工程と、その後、上記被験体に脂質を変化させるための有効な量のナイアシンまたはナイアシンアナログを投与する工程を含む。1つの実施形態においては、上記潮紅はナイアシンによって誘導され、別の実施形態においては、上記潮紅はナイアシンアナログによって誘導される。1つの実施形態においては、上記ナイアシンアナログはナイアシンの構造的アナログであり、別の実施形態においては、上記ナイアシンアナログはナイアシンの機能的アナログである。さらなる実施形態においては、潮紅は完全に軽減されるかまたは解消される。なおさらなる実施形態においては、上記の脂質を変化させるナイアシンまたはナイアシンアナログの量は1日あたり少なくとも500mgである。1つの実施形態においては、上記ナイアシン受容体部分的アゴニストには以下の式(I)の化合物またはその薬学的に受容可能な塩が含まれる:
式中、Xはカルボキシルまたはテトラゾール−5−イル基であり;R
1はイソ−プロピル、3−フルオロ−ベンジル、3−クロロ−ベンジル、または3−ブロモ−ベンジルであり;そしてR
2はHであるか;あるいは、R
1とR
2が、それらが結合している2つのピラゾール環炭素と一緒になって、必要に応じてエチルで置換された5員炭素環または必要に応じてメチルで置換された5員複素環を形成する。例えば、上記ナイアシン受容体部分的アゴニストには、以下からなる群より選択される化合物が含まれ得る:3−(1H−テトラゾール−5−イル)−1,4,5,6−テトラヒドロ−シクロペンタピラゾール;5−(3−フルオロ−ベンジル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸;5−(3−クロロ−ベンジル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸;5−(3−ブロモ−ベンジル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸;6−メチル−3−(1H−テトラゾール−5−イル)−4,6−ジヒドロ−1H−フロ[3,4−c]ピラゾール;3−(1H−テトラゾール−5−イル)−4,6−ジヒドロ−1H−チエノ[3,4−c]ピラゾール:3−(1H−テトラゾール−5−イル)−1,4−ジヒドロ−シクロペンタピラゾール;3−(1H−テトラゾール−5−イル)−1,6−ジヒドロ−シクロペンタピラゾール;3−(1H−テトラゾール−5−イル)−2,6−ジヒドロ−4H−フロ[3,4−c]ピラゾール;5−エチル−3−(1H−テトラゾール−5−イル)−2,4,5,6−テトラヒドロ−シクロペンタピラゾール;および5−(5−イソプロピル−1H−ピラゾール−3−イル)−1H−テトラゾール;あるいはそれらの薬学的に受容可能な塩。別の実施形態においては、上記方法はさらに、上記被験体に、以下からなる群より選択される少なくとも1つの薬剤を投与する工程を含む:α−グルコシダーゼ阻害剤、アルドースレダクターゼ阻害剤、ビグアニド、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、スクアレン合成阻害剤、フィブレート、LDL異化エンハンサー、アンジオテンシン転換酵素阻害剤、インシュリン分泌エンハンサー、およびチアゾリジンジオン。
上記で議論されたように、ナイアシン受容体部分的アゴニストの投与とその後のナイアシンまたはナイアシンアナログの投与の間の時間は、例えば、少なくとも約1分、少なくとも約5分、少なくとも約10分、少なくとも約20分、少なくとも約30分、少なくとも約45分、少なくとも約1時間、少なくとも約2時間、少なくとも約3時間、少なくとも約4時間、少なくとも約5時間、少なくとも約6時間、少なくとも約7時間、少なくとも約8時間、少なくとも約9時間、少なくとも約10時間、少なくとも約12時間、少なくとも約14時間、少なくとも約20時間、または少なくとも約24時間、あるいはそれ以上であり得る。
加えて、本発明により、脂質を変化させるために有効な量の被験体の潮紅反応を引き起こす能力が低いナイアシンまたはナイアシンアナログの投与のための組成物も提供される。この組成物には、(a)脂質を変化させるために有効な量のナイアシンまたはナイアシンアナログと、(b)潮紅を軽減させるために有効な量のナイアシン受容体部分的アゴニストが含まれる。1つの実施形態においては、上記組成物には脂質を変化させるために有効な量のナイアシンが含まれ、別の実施形態においては、上記組成物には脂質を変化させるために有効な量のナイアシンアナログが含まれる。1つの実施形態においては、上記ナイアシンアナログはナイアシンの構造的アナログであり、別の実施形態においては、上記ナイアシンアナログはナイアシンの機能的アナログである。さらなる実施形態においては、上記の脂質を変化させるナイアシンまたはナイアシンアナログの量は1日あたり少なくとも500mgである。1つの実施形態においては、上記ナイアシン受容体部分的アゴニストには以下の式(I)の化合物またはその薬学的に受容可能な塩が含まれる:
式中、Xはカルボキシルまたはテトラゾール−5−イル基であり;R
1はイソ−プロピル、3−フルオロ−ベンジル、3−クロロ−ベンジル、または3−ブロモ−ベンジルであり;そしてR
2はHであるか;あるいは、R
1とR
2が、それらが結合している2つのピラゾール環炭素と一緒になって、必要に応じてエチルで置換された5員炭素環または必要に応じてメチルで置換された5員複素環を形成する。例えば、上記ナイアシン受容体部分的アゴニストには、以下からなる群より選択される化合物が含まれ得る:3−(1H−テトラゾール−5−イル)−1,4,5,6−テトラヒドロ−シクロペンタピラゾール;5−(3−フルオロ−ベンジル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸;5−(3−クロロ−ベンジル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸;5−(3−ブロモ−ベンジル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸;6−メチル−3−(1H−テトラゾール−5−イル)−4,6−ジヒドロ−1H−フロ[3,4−c]ピラゾール;3−(1H−テトラゾール−5−イル)−4,6−ジヒドロ−1H−チエノ[3,4−c]ピラゾール:3−(1H−テトラゾール−5−イル)−1,4−ジヒドロ−シクロペンタピラゾール;3−(1H−テトラゾール−5−イル)−1,6−ジヒドロ−シクロペンタピラゾール;3−(1H−テトラゾール−5−イル)−2,6−ジヒドロ−4H−フロ[3,4−c]ピラゾール;5−エチル−3−(1H−テトラゾール−5−イル)−2,4,5,6−テトラヒドロ−シクロペンタピラゾール;および5−(5−イソプロピル−1H−ピラゾール−3−イル)−1H−テトラゾール;あるいはそれらの薬学的に受容可能な塩。別の実施形態においては、上記組成物にはさらに、以下からなる群より選択される少なくとも1つの薬剤が含まれる:α−グルコシダーゼ阻害剤、アルドースレダクターゼ阻害剤、ビグアニド、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、スクアレン合成阻害剤、フィブレート、LDL異化エンハンサー、アンジオテンシン転換酵素阻害剤、インシュリン分泌エンハンサー、およびチアゾリジンジオン。
本明細書中で使用される場合は、「組成物」は、少なくとも1つの成分を含む物質を意味する。薬学的組成物は組成物の一例である。薬学的組成物は、少なくとも1つの有効成分を含む組成物を意味する。この場合、組成物は、哺乳動物(例えば、ヒト)での特定の有効な結果のための研究がしやすい。当業者は、有効成分が当業者のニーズに応じた望ましい有効な結果を有しているかどうかを決定するために適している技術を理解し、そして正しく認識しているであろう。
本明細書中に記載される処方物には、薬学的または生理学的に受容可能な担体が含まれ得る。適切な薬学的に受容可能な担体は、当業者が利用できるものである。例えば、Remington:The Science and Practice or Pharmacy,第20版,2000、Lippincott,Williams & Wilkons,(Gennaro et al.,編)を参照のこと。予防または処置での使用については、本発明の化合物は、加工されていない化合物または純粋な化合物としての代替使用が可能であるが、薬学的処方物または組成物として化合物または有効成分を提示することもまた望ましい場合がある。
したがって、本発明によりさらに、本発明の化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは誘導体を、それについての1つ以上の薬学的に受容可能な担体および/または予防的成分と共に含む薬学的処方物が提供される。担体(単数または複数)は、処方物の他の成分と適合性であり、そしてそのレシピエントに対して過度に有害ではないという意味で「受容可能」である。
薬学的処方物としては、経口、直腸、鼻腔、局所(口腔および舌下を含む)、膣、または非経口(筋肉内、皮下、および静脈内を含む)投与に適しているもの、あるいは、吸入または吹送による投与に適している形態が挙げられる。
本発明の化合物は、通常のアジュバント、担体、または希釈剤と共に、薬学的処方物の形態、またはその単位投与量形態にすることができ、そしてこのような形態で、錠剤または充填されたカプセル剤のような固体として、あるいは、液剤、懸濁剤、乳化剤、エリキシル剤、ゲル剤、または液体が充填されたカプセル剤のような液体として、経口での使用のための全て、直腸投与のための坐剤の形態で;局所での使用のための液剤、ゲル剤、ローション、または軟膏において、あるいは、非経口(皮下を含む)での使用のための滅菌の注射可能な溶液の形態で使用することができる。このような薬学的組成物およびその単位投与量形態には、通常の割合で、通常の成分が、別の活性のある化合物または成分(principles)と共にまたはそれらを伴わずに含まれ得、そしてそのような単位投与量形態には、使用されるように意図される1日量の範囲に見合った有効成分の任意の適切な有効量が含まれ得る。
本発明の化合物から薬学的組成物を調製するためには、薬学的に受容可能な担体は固体であっても、また液体であってもよい。固体の形態の調製物としては、散剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、カシェ剤、坐剤、および分散可能な顆粒剤が挙げられる。個体の担体は、1つ以上の物質であってもよく、これはまた、希釈剤、香味剤、可溶化剤、潤滑剤、懸濁剤、結合剤、保存剤、錠剤崩壊剤、またはカプセル化材料としても作用する場合がある。散剤においては、担体は、細かく砕かれた有効成分との混合物である、細かく砕かれた固体であり得る。錠剤においては、有効成分は、適切な割合で必要な結合能力を有している担体と混合され、そして所望される形状および大きさに圧縮することができる。
散剤および錠剤には、様々な比率(%)の活性のある化合物を含めることができる。散剤または錠剤の中での代表的な量には、0.5から約90%の活性のある化合物が含まれ得る。しかし、当業者であれば、この範囲を超える量が必要である場合があることを知っているであろう。散在および錠剤に適している担体は、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖類、乳糖、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、低融点ワックス、ココアバターなどである。用語「調製」は、担体としてのカプセル化材料と一緒に活性のある化合物の処方物を含め、それによって有効成分(担体を伴うかまたは伴わない)が担体によってまわりを囲まれている(したがって、これはそれと一緒になっている)カプセル剤を提供することが意図される。同様に、カシェ剤および薬用キャンディーが含まれる。錠剤、散剤、カプセル剤、丸剤、カシェ剤、および薬用キャンディーは、経口投与に適している固体形態として使用することができる。
坐剤の調製については、低融点ワックス(例えば、脂肪酸グリセリドまたはココアバターの混合物)が最初に溶かされ、そして有効成分は攪拌によってその中に均質に分散させることができる。その後、溶かされた均質な混合物は通常の大きさの型に注がれ、冷却され、それにより固化させることができる。膣投与に適している処方物は、有効成分に加えて、適切であることが当該分野で知られているそのような担体を含む、ペッサリー、タンポン、クリーム剤、ゲル剤、ペースト剤、発泡体、またはスプレーとして提示することができる。
液体形態の調製物としては、液剤、懸濁剤、およびエマルジョン(例えば、水溶液または水−プロピレングリコール溶液)が挙げられる。例えば、非経口用の注射用液体調製物は、水性のポリエチレングリコール溶液中の溶液として処方することができる。注射可能な調製物(例えば、滅菌の注射可能な水溶液または油性懸濁液)を、適切な分散剤または湿潤剤と懸濁剤を使用して当該分野で公知であるように処方することができる。滅菌の注射可能な調製物はまた、非毒性の非経口で受容可能な希釈剤または溶媒中の滅菌の注射可能な溶液または懸濁液(例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液)でもあり得る。特に、使用することができる受容可能な媒体および溶媒は、水、リンガー溶液、および等張性塩化ナトリウム溶液である。加えて、滅菌の不揮発性油が、通常、溶媒または懸濁媒体として使用される。この目的のためには、任意の混合不揮発油を使用することができ、これには、モノグリセリドまたはジグリセリドが含まれる。加えて、脂肪酸(例えば、オレイン酸)は、注射可能なものの調製において使用が見出されている。
したがって、本発明の組成物は、非経口投与(すなわち、注射(例えば、ボーラス注射または持続注入)による)のために処方することができ、そして、保存剤が添加された、アンプル、予め充填された注射器、少量の注入用容器もしくは多用量の容器の中に、単位用量形態で提示され得る。組成物は、油性または水性の媒体中の懸濁剤、液剤、またはエマルジョンのような形態とすることができ、これには、懸濁剤、安定化剤、および/または分散剤のような処方剤を含めることができる。あるいは、有効成分は、適切な媒体(例えば、滅菌の発熱物質を含まない水)での使用前の構成のための、滅菌固体の無菌的な単離によるかまたは溶液からの凍結乾燥による粉末形態であり得る。
経口での使用に適している水溶液は、水中に有効成分を溶解させ、そして適切な着色剤、香味剤、安定化剤、および増粘剤を要望に応じて加えることによって調製することができる。経口での使用に適している水性懸濁剤は、細かく砕かれた有効成分を、粘性のある物質(例えば、自然界に存在しているゴムまたは合成ゴム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、または他の周知の懸濁剤)を含む水の中に分散させることによって作成することができる。使用の直前に経口投与のための液体形態の調製物に変換されることが意図される固体形態の調製物も含まれる。このような液体形態としては、液剤、懸濁剤、およびエマルジョンが挙げられる。これらの調製物には、有効成分に加えて、着色剤、香味剤、安定化剤、緩衝液、人工甘味剤および天然の甘味剤、分散剤、増粘剤、可溶化剤などを含めることができる。
表皮への局所投与については、本発明の組成物は、軟膏、クリーム剤、またはローションとして、あるいは、経皮パッチとして処方することができる。軟膏およびクリーム剤は、例えば、適切な増粘剤および/またはゲル化剤を添加した水性または油性の基剤を用いて処方することができる。ローション剤は、水性または油性の基剤を用いて処方することができ、一般的には、乳化剤、安定化剤、分散剤、懸濁剤、増粘剤、または着色剤の1つ以上も含まれる。
口への局所投与に適している処方物としては、香味付けされた基剤(通常は、スクロースおよびアカシアまたはトラガカント);の中に有効成分を含む薬用キャンディー;不活性な基剤(例えば、ゼラチンおよびグリセリンまたはスクロースおよびアカシア)の中に有効成分を含むトローチ剤;ならびに、適切な液体の担体の中に有効成分を含む歯磨き剤が挙げられる。
液剤または懸濁剤は、通常の手段(例えば、点滴器、ピペット、またはスプレー)によって鼻腔に直接投与することができる。処方物は、単回用量形態で提供することができ、また、多用量形態で提供することもできる。点滴器またはピペットの後者の場合には、これは、液剤または懸濁剤の適切な予め決定された容量を個別に投与することによって行うことができる。スプレーの場合は、これは、例えば、定量噴霧式スプレーポンプによって行うことができる。呼吸器への投与はまた、有効成分が適切な推進剤とともに加圧されたパックの中に提供されるエアゾール処方物の手段によっても行うことができる。薬学的組成物がエアゾールとして(例えば、鼻腔エアゾール)または吸入によって投与される場合は、これは、例えば、スプレー、ネブライザー、ポンプ型ネブライザー、吸入装置、定量吸入器、または乾燥粉末吸入器を使用して行うことができる。エアゾールとしての本発明の組成物の投与のための薬学的形態は、当業者に周知のプロセスによって調製することができる。それらの調製には、例えば、水、水/アルコール混合物、または適切な整理食塩溶液中の本発明の化合物の溶液または分散液を、通常の添加剤(例えば、ベンジルアルコールまたは他の適切な保存剤、生体利用性を高めるための吸収促進剤、可溶化剤、分散剤など、ならびに、適切である場合には、通常の推進剤(例えば、二酸化炭素、CFS、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、またはジクロロテトラフルオロエタン)などを使用して、使用することができる。エアゾールには、通常、レシチンのような界面活性剤も含まれる。薬剤の用量は、定量バルブを配置することによって制御することができる。
鼻腔内処方物を含む、呼吸器への投与のために意図される処方物においては、化合物は通常、例えば、10ミクロンまたはそれ未満の程度の、小さい粒子の大きさを有する。このような粒子の大きさは、当該分野で公知の手段によって(例えば、微粉化によって)得ることができる。所望される場合には、有効成分の徐放を生じるように適応させられた処方物を使用することができる。
あるいは、有効成分は、乾燥粉末の形態(例えば、適切な粉末基剤(例えば、乳糖、デンプン、デンプン誘導体(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびポリビニルピロリドン(PVP))の中の化合物の粉末混合物)で提供することができる。通常、散剤の担体は鼻腔内ではゲルを形成することができる。散剤組成物は、単位投与量形態で、例えば、(例えばゼラチンの)カプセルまたはカートリッジの中に、あるいは、粉末を吸入器によって投与することができるブリスターパックの中に、提示することができる。
先に記載された処方物に加えて、化合物は、デポー調製物としても処方することもできる。このような長期間作用する処方物は、移植(例えば、皮下または筋肉内)によって、あるいは、筋肉内注射によって投与することができる。したがって、例えば、化合物は、適切な高分子材料もしくは疎水性材料とともに(例えば、受容可能な油の中にエマルジョンとして)、またはイオン交換樹脂と共に、あるいは、難溶性誘導体として(例えば、難溶性の塩として)処方することができる。加えて、組成物は、ポンプのような徐放システムを介して送達することができる。
さらに、組成物は、徐放システム(例えば、治療薬を含む固体の疎水性ポリマーの半透性マトリックス)を使用して送達することができる。種々の徐放材料が確立されており、当業者に周知である。徐放カプセルは、それらの化学的な性質に応じて、数週間から100日以上にわたって化合物を放出することができる。治療用の試薬の化学的な性質および生物学的安定性に応じて、モジュレーターの安定化のためのさらなるストラテジーを使用することができる。
本発明により、脂質関連障害を予防または処置するための、消費者によって使用されるキットが提供される。このキットには、本発明の薬学的組成物と、脂質関連障害を予防または処置するために薬学的組成物を使用する方法が記載されている説明書が含まれ得る。例えば、キットには、少なくとも1投薬単位のナイアシン受容体部分的アゴニストと、少なくとも1つの別の投薬単位のナイアシンまたはナイアシンアナログが含まれ得る。加えて、キットには、本発明の組成物と組み合わせて使用される他の治療薬も含まれ得る。
本発明により、脂質関連障害を予防または処置するためのキットが提供される。このキットには、少なくとも1投薬単位のナイアシン受容体部分的アゴニストと、少なくとも1投薬単位のナイアシンまたはナイアシンアナログが含まれる。この場合、上記ナイアシン受容体部分的アゴニストは、上記被験体においてナイアシンまたはナイアシンアナログによって誘導される潮紅を軽減するために有効な量で存在し、そして上記ナイアシンまたはナイアシンアナログは脂質を変化させる量で存在する。1つの実施形態においては、上記キットには1投薬単位のナイアシンが含まれ、別の実施形態においては、上記キットには1投薬単位のナイアシンアナログが含まれる。1つの実施形態においては、上記ナイアシンアナログはナイアシンの構造的アナログであり、別の実施形態においては、上記ナイアシンアナログはナイアシンの機能的アナログである。さらなる実施形態においては、潮紅は完全に軽減されるか、または解消される。なおさらなる実施形態においては、上記のナイアシンまたはナイアシンアナログの投薬単位は、1日あたり少なくとも500mgである。1つの実施形態においては、上記ナイアシン受容体部分的アゴニストには以下の式(I)の化合物またはその薬学的に受容可能な塩が含まれる:
式中、Xはカルボキシルまたはテトラゾール−5−イル基であり;R
1はイソ−プロピル、3−フルオロ−ベンジル、3−クロロ−ベンジル、または3−ブロモ−ベンジルであり;そしてR
2はHであるか;あるいは、R
1とR
2が、それらが結合している2つのピラゾール環炭素と一緒になって、必要に応じてエチルで置換された5員炭素環または必要に応じてメチルで置換された5員複素環を形成する。例えば、上記ナイアシン受容体部分的アゴニストには、以下からなる群より選択される化合物が含まれ得る:3−(1H−テトラゾール−5−イル)−1,4,5,6−テトラヒドロ−シクロペンタピラゾール;5−(3−フルオロ−ベンジル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸;5−(3−クロロ−ベンジル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸;5−(3−ブロモ−ベンジル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸;6−メチル−3−(1H−テトラゾール−5−イル)−4,6−ジヒドロ−1H−フロ[3,4−c]ピラゾール;3−(1H−テトラゾール−5−イル)−4,6−ジヒドロ−1H−チエノ[3,4−c]ピラゾール:3−(1H−テトラゾール−5−イル)−1,4−ジヒドロ−シクロペンタピラゾール;3−(1H−テトラゾール−5−イル)−1,6−ジヒドロ−シクロペンタピラゾール;3−(1H−テトラゾール−5−イル)−2,6−ジヒドロ−4H−フロ[3,4−c]ピラゾール;5−エチル−3−(1H−テトラゾール−5−イル)−2,4,5,6−テトラヒドロ−シクロペンタピラゾール;および5−(5−イソプロピル−1H−ピラゾール−3−イル)−1H−テトラゾール;あるいはそれらの薬学的に受容可能な塩。別の実施形態においては、上記キットにはさらに、以下からなる群より選択される少なくとも1つの薬剤が含まれる:α−グルコシダーゼ阻害剤、アルドースレダクターゼ阻害剤、ビグアニド、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、スクアレン合成阻害剤、フィブレート、LDL異化エンハンサー、アンジオテンシン転換酵素阻害剤、インシュリン分泌エンハンサー、およびチアゾリジンジオン。
本発明の組成物は、多種多様な経口、局所、または非経口投与量形態で投与することができる。投与量形態に、有効成分として、本発明の化合物または本発明の化合物の薬学的に受容可能な塩のいずれかを含めることができることは、当業者に明らかであろう。
予防または処置における使用に必要な有効成分またはその活性のある塩もしくは誘導体の投与量は、選択される特定の塩だけでなく、投与経路、処置される症状の性質、ならびに個体の年齢および症状にも伴って変わり、そして最終的には、かかりつけの医師または臨床医の判断が行われるであろう。一般的には、当業者は、モデルシステム(通常は、動物モデル)で得られたインビボでのデータから別のもの(例えば、ヒト)を推定する方法を理解している。例示的な、限定とは意図されないインビボの動物モデルが、以下の実施例に提供される。いくつかの状況では、これらの推定は、別のもの(例えば、哺乳動物、好ましくは、ヒト)と比較した動物モデルの体重に単純に基づいて行われ得るが、より多くの場合には、これらの推定は、体重だけではなく、種々の要因が組み込まれる。代表的な要因としては、個体のタイプ、年齢、体重、性別、食事療法、および医学的症状、疾患の重篤度、投与経路、使用される特定の化合物の活性、効力、薬物動態プロフィールおよび毒性プロフィールのような薬理学的考慮、薬物送達システムが利用されるかどうか、急性または慢性の疾患状態のどちらが処置されるか、あるいは、予防が行われるのかどうか、あるいは併用療法が使用されているかどうかが挙げられる。本発明の化合物および/または組成物で疾患の症状を予防または処置するための投与レジュメは、上記のような種々の要因にしたがって選択される。したがって、使用される実際の投与レジュメは広く異なり、したがって、好ましい投与レジュメはから外れる可能性がある。当業者は、これらの一般的な範囲から外れた投与量および投与レジュメを試験することができ、適切である場合には、本発明の方法に使用できることを認識するであろう。
所望される用量は、通常、単回用量で、または適切な間隔で投与される分けられた用量(例えば、1日に2回、3回、4回、またはそれ以上に分けられた用量)で提示することができる。分けられた用量自体を、例えば、連続しない大まかに間隔をあけられた多数回の投与にさらに分けることができる。1日量は、特に、比較的多量が投与されることが適切である場合には、数回に(例えば、2回、3回、または4回の投与)分けることができる。適切である場合には、個体の行動に応じて、示された1日量から上に、または下に外れることが不可欠であり得る。
本出願で使用されるキットには、本発明の薬学的組成物を含むための容器が含まれ、これには、分けられたボトルまたは分けられたホイルの小さい包みのような分けられた容器も含まれ得る。容器は、任意の通常の形状であり得、また、薬学的に受容可能な材質から作られた当該分野で公知の形態、例えば、紙またはダンボールの箱、ガラス製またはプラスチック製のボトルまたは瓶、再度密封することができるバッグ(例えば、様々な容器に入れるための錠剤の「リフィル」を保つため)、あるいは、治療スケジュールにしたがってパックから押し出される個々の投与量を含むブリスターパックでもあり得る。使用される容器は、含められる実際の投与量形態に応じて様々であり得、例えば、通常のダンボール箱は、液体懸濁液を保持するためには一般的には使用されない。1つの投与量形態を販売するために、1つのパッケージの中で1つ以上の容器を一緒に使用できることが実行可能である。例えば、錠剤は、ボトルの中に含めることができ、これはその後、箱の中に入れられる。
このようなキットの一例は、いわゆるブリスターパックである。ブリスターパックは包装産業では周知であり、薬学的な単位投与量形態(錠剤、カプセル剤など)のパッケージに広く使用されている。ブリスターパックは、通常、好ましくは透明なプラスチック製の材質のホイルでカバーされた比較的硬い材質のシートから構成される。パッケージングプロセスの間に、凹所がプラスチックホイルの中に形成される。この凹所は、パッケージされる個々の錠剤またはカプセル剤の大きさと形状を有しているか、あるいは、パッケージされる複数の錠剤および/またはカプセル剤に順応する大きさと形状を有している場合もある。次に、錠剤またはカプセル剤がそれに沿って凹所に入れられ、そして比較的硬い材質のシートは、凹所が形成された方向とは反対のホイルの表面でプラスチックホイルに対してシールされる。結果として、錠剤またはカプセル剤は、プラスチックホイルとシートの間の凹所に、個別にシールされるか、または、所望される場合にはまとめてシールされる。通常、シートの強度は、錠剤またはカプセル剤を、凹所に手で圧力を加え、それによって、凹所の位置でシートに開口部が形成されることによってブリスターパックから取り出すことができる程度である。その後、錠剤またはカプセル剤を、上記開口部を通じて取り出すことができる。
書面による記憶補助を提供することが所望される場合がある。この場合、書面による記憶補助は、医師、臨床医、または被験体のための情報および/または説明を含むタイプのものであり、例えば、錠剤またはカプセル剤の隣に番号(この場合、番号は、そのように特定された錠剤またはカプセル剤が摂取されるべきレジュメの日に対応する)、あるいは、同じタイプの情報を含むカードの形態である。このような記憶補助の別の例は、カード上に印刷されたカレンダーであり、例えば、「第1週、月曜日、火曜日、」...など...、「第2週、月曜日、火曜日」などである。記憶補助の他のバリエーションは容易に明らかであろう。
キットの別の特異的な実施形態は、1つずつの一日量を分配するように設計されたディスペンサーである。ディスペンサーには、記憶補助を備えることができ、その結果、レジュメを遵守することがさらに容易になる。このような記憶補助の例は、分配されている一日量の数を示す機械的計数器である。このような記憶補助の別の例は、液体の結晶の読み出しと組み合わせた電池式マイクロチップメモリ、または警報つきリマインダーシグナル(例えば、最後の一日量を摂取した日を読み出し、そして/または次の用量を摂取するときを警告する)である。
本発明により、さらに、脂質関連障害を予防または処置するためのキットが提供される。このキットには、少なくとも1投薬単位のナイアシン受容体部分的アゴニストと、少なくとも1つの別の投薬単位のナイアシンまたはナイアシンアナログが含まれる。この場合、上記ナイアシン受容体部分的アゴニストは、上記被験体においてナイアシンまたはナイアシンアナログによって誘導される潮紅を軽減するために有効な量で存在し、そして上記ナイアシンまたはナイアシンアナログは脂質を変化させる量で存在する。1つの実施形態においては、上記キットには1投薬単位のナイアシンが含まれ、別の実施形態においては、上記キットには1投薬単位のナイアシンアナログが含まれる。1つの実施形態においては、上記ナイアシンアナログはナイアシンの構造的アナログであり、別の実施形態においては、上記ナイアシンアナログはナイアシンの機能的アナログである。さらなる実施形態においては、潮紅は完全に軽減されるか、または解消される。なおさらなる実施形態においては、上記のナイアシンまたはナイアシンアナログの投薬単位は、1日あたり少なくとも500mgである。1つの実施形態においては、上記ナイアシン受容体部分的アゴニストには以下の式(I)の化合物またはその薬学的に受容可能な塩が含まれる:
式中、Xはカルボキシルまたはテトラゾール−5−イル基であり;R
1はイソ−プロピル、3−フルオロ−ベンジル、3−クロロ−ベンジル、または3−ブロモ−ベンジルであり;そしてR
2はHであるか;あるいは、R
1とR
2が、それらが結合している2つのピラゾール環炭素と一緒になって、必要に応じてエチルで置換された5員炭素環または必要に応じてメチルで置換された5員複素環を形成する。例えば、上記ナイアシン受容体部分的アゴニストには、以下からなる群より選択される化合物が含まれ得る:3−(1H−テトラゾール−5−イル)−1,4,5,6−テトラヒドロ−シクロペンタピラゾール;5−(3−フルオロ−ベンジル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸;5−(3−クロロ−ベンジル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸;5−(3−ブロモ−ベンジル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸;6−メチル−3−(1H−テトラゾール−5−イル)−4,6−ジヒドロ−1H−フロ[3,4−c]ピラゾール;3−(1H−テトラゾール−5−イル)−4,6−ジヒドロ−1H−チエノ[3,4−c]ピラゾール:3−(1H−テトラゾール−5−イル)−1,4−ジヒドロ−シクロペンタピラゾール;3−(1H−テトラゾール−5−イル)−1,6−ジヒドロ−シクロペンタピラゾール;3−(1H−テトラゾール−5−イル)−2,6−ジヒドロ−4H−フロ[3,4−c]ピラゾール;5−エチル−3−(1H−テトラゾール−5−イル)−2,4,5,6−テトラヒドロ−シクロペンタピラゾール;および5−(5−イソプロピル−1H−ピラゾール−3−イル)−1H−テトラゾール;あるいはそれらの薬学的に受容可能な塩。別の実施形態においては、上記キットにはさらに、以下からなる群より選択される少なくとも1つの薬剤が含まれる:α−グルコシダーゼ阻害剤、アルドースレダクターゼ阻害剤、ビグアニド、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、スクアレン合成阻害剤、フィブレート、LDL異化エンハンサー、アンジオテンシン転換酵素阻害剤、インシュリン分泌エンハンサー、およびチアゾリジンジオン。
加えて、本発明により、脂質関連障害を予防または処置するためのキットが提供される。このキットには、少なくとも1プレ投薬単位(pre−dosage unit)のナイアシン受容体部分的アゴニストと、少なくとも1つの別の投薬単位のナイアシンまたはナイアシンアナログが含まれる。この場合、上記ナイアシン受容体部分的アゴニストは、上記被験体においてナイアシンまたはナイアシンアナログによって誘導される潮紅を軽減するために有効な量で存在し、そして上記ナイアシンまたはナイアシンアナログは脂質を変化させる量で存在する。プレ投薬単位は、いくつかの他の投薬単位の前に投与されることが意図される、ナイアシン受容体部分的アゴニストの用量である。1つの実施形態においては、上記キットには1投薬単位のナイアシンが含まれ、別の実施形態においては、上記キットには1投薬単位のナイアシンアナログが含まれる。1つの実施形態においては、上記ナイアシンアナログはナイアシンの構造的アナログであり、別の実施形態においては、上記ナイアシンアナログはナイアシンの機能的アナログである。さらなる実施形態においては、潮紅は完全に軽減されるか、または解消される。なおさらなる実施形態においては、上記のナイアシンまたはナイアシンアナログの投薬単位は、1日あたり少なくとも500mgである。1つの実施形態においては、上記ナイアシン受容体部分的アゴニストには以下の式(I)の化合物またはその薬学的に受容可能な塩が含まれる:
式中、Xはカルボキシルまたはテトラゾール−5−イル基であり;R
1はイソ−プロピル、3−フルオロ−ベンジル、3−クロロ−ベンジル、または3−ブロモ−ベンジルであり;そしてR
2はHであるか;あるいは、R
1とR
2が、それらが結合している2つのピラゾール環炭素と一緒になって、必要に応じてエチルで置換された5員炭素環または必要に応じてメチルで置換された5員複素環を形成する。例えば、上記ナイアシン受容体部分的アゴニストには、以下からなる群より選択される化合物が含まれ得る:3−(1H−テトラゾール−5−イル)−1,4,5,6−テトラヒドロ−シクロペンタピラゾール;5−(3−フルオロ−ベンジル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸;5−(3−クロロ−ベンジル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸;5−(3−ブロモ−ベンジル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸;6−メチル−3−(1H−テトラゾール−5−イル)−4,6−ジヒドロ−1H−フロ[3,4−c]ピラゾール;3−(1H−テトラゾール−5−イル)−4,6−ジヒドロ−1H−チエノ[3,4−c]ピラゾール:3−(1H−テトラゾール−5−イル)−1,4−ジヒドロ−シクロペンタピラゾール;3−(1H−テトラゾール−5−イル)−1,6−ジヒドロ−シクロペンタピラゾール;3−(1H−テトラゾール−5−イル)−2,6−ジヒドロ−4H−フロ[3,4−c]ピラゾール;5−エチル−3−(1H−テトラゾール−5−イル)−2,4,5,6−テトラヒドロ−シクロペンタピラゾール;および5−(5−イソプロピル−1H−ピラゾール−3−イル)−1H−テトラゾール;あるいはそれらの薬学的に受容可能な塩。別の実施形態においては、上記キットにはさらに、以下からなる群より選択される少なくとも1つの薬剤が含まれる:α−グルコシダーゼ阻害剤、アルドースレダクターゼ阻害剤、ビグアニド、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、スクアレン合成阻害剤、フィブレート、LDL異化エンハンサー、アンジオテンシン転換酵素阻害剤、インシュリン分泌エンハンサー、およびチアゾリジンジオン。
「例えば」および「含む」のような一般的な用語が本明細書中で使用されており、それらの標準的な意味にしたがって本明細書中で定義される。用語「例えば」および「〜のような」は、限定ではない例示と意図される。
本発明の1つの態様は、治療によるヒトまたは動物の体の処置の方法で使用される、本明細書中に記載される、ナイアシン受容体部分的アゴニストとナイアシンまたはナイアシンアナログに関する。
本発明の別の態様は、治療によるヒトまたは動物の体の、ナイアシンまたはナイアシンアナログによって誘導される潮紅の処置の方法で使用される、本明細書中に記載されるナイアシン受容体部分的アゴニストに関する。本発明の別の態様は、ナイアシンまたはナイアシンアナログによって誘導される潮紅の処置のための方法に関する。この方法は、上記症状に罹患している被験体に、本明細書中に記載される、治療有効量のナイアシン受容体部分的アゴニストを、好ましくは、薬学的組成物の形態で投与する工程を含む。
本発明の1つの態様は、脂質関連障害の処置のための方法に関する。この方法は、上記症状に罹患している被験体に、本明細書中に記載される、治療有効量のナイアシン受容体部分的アゴニストとナイアシンまたはナイアシンアナログを、好ましくは、薬学的組成物の形態で投与する工程を含む。本発明の別の態様は、治療によってヒトまたは動物の体の脂質関連障害の処置の方法で使用される、本明細書中に記載される、ナイアシン受容体部分的アゴニストとナイアシンまたはナイアシンアナログに関する。
本発明の1つの態様は、ナイアシンまたはナイアシンアナログによって誘導される潮紅の処置に使用される医薬品の製造のための、本明細書中に記載される、ナイアシン受容体部分的アゴニストとナイアシンまたはナイアシンアナログの使用に関する。本発明の別の態様は、ナイアシンまたはナイアシンアナログによって誘導される潮紅の処置に使用される医薬品の製造のための、本明細書中に記載されるナイアシン受容体部分的アゴニストの使用に関する。加えて、本発明の1つの態様は、脂質関連障害の処置に使用される医薬品の製造のための、本明細書中に記載される、ナイアシン受容体部分的アゴニストとナイアシンまたはナイアシンアナログの使用に関する。
以下の実施例は、限定のためではなく、説明の目的のために提供される。当業者は、本明細書中の開示に基づいて同等のアッセイおよび方法を設計することができる。その全てが本発明の一部を形成する。
(実施例1)
ナイアシン受容体部分的アゴニストはナイアシンによって誘導される潮紅をブロックする
本実施例は、ナイアシン受容体部分的アゴニストがナイアシンによって誘導される潮紅をブロックできることを示す。表Aから、いくつかのナイアシン受容体部分的アゴニストを、マウスにおいてナイアシンによって誘導される潮紅をブロックする能力について試験した。潮紅は、レーザードップラーを使用して測定した。
これらの実験では、対照グループには、ナイアシンだけを投与した麻酔したマウスを含め、ベースラインを上回る潮紅を経時的に測定した。実験グループには、ナイアシン受容体部分的アゴニストを、ナイアシンの投与の約10分前に投与した、麻酔したマウスを含めた。その後、ナイアシンの投与後のベースラインを上回る潮紅を経時的に測定し、ナイアシンだけで処置したマウスと比較した。
典型的なデータ:
ナイアシンだけで処置した対照マウスは、1.5分後に顔面が紅潮し始め、3分でベースラインの約150%のピークの潮紅を有し、そして約15分以内にベースラインの約30%に戻った。
化合物2:ナイアシンだけで処置したマウスは、1.5分後に顔面が紅潮し始め、3分でベースラインの約100%から約150%のピークの潮紅を有し、そして約15分以内にベースラインの約30%から45%に戻った。ナイアシンの投与前の化合物2でのマウスの処置によっては、3分ではベースラインから0%の変化が生じ、15分以内に、ベースラインからベースラインを約15%上回るまでにゆっくりと上昇する変化があった。ナイアシンの投与前の化合物3でのマウスの処置によっては、3分ではベースラインから約18%の変化が生じ、15分でベースラインからベースラインを約13%上回るまでにゆっくりと低下する変化があった。ナイアシンの投与前の化合物4でのマウスの処置によっては、3分ではベースラインから15%の変化が生じ、15分以内にベースラインからベースラインを約30%上回るまでにゆっくりと上昇する変化があった。
(実施例2)
ナイアシン受容体部分的アゴニストで処置したマウスはPGD2の投与に反応して潮紅する能力を保持している
実施例1に示したように、ナイアシン受容体部分的アゴニストでのマウスの処置によってナイアシンによって誘導される潮紅がブロックされる。本実施例は、ナイアシン受容体部分的アゴニストで処置したマウスが、既知の潮紅を誘導する因子であるPGD2を投与した場合に、潮紅する能力を保持していることを示す。
この実験では、マウスを、ナイアシンの投与の約10分前に化合物1で処置し、実験は実施例1のように行った。ベースラインを再度確立した後、PGD2を投与し、潮紅を記録した。具体的には、この実験では、ナイアシンだけで処置したマウスは1.5分後に顔面が紅潮し始め、3分でベースラインの約60%の潮紅のピークを有し、そして約15分以内にベースラインの約20%に戻った。ナイアシンの投与の約10分前の化合物1でのマウスの処置によっては、3分ではベースラインから10%の変化が生じ、15分以内にベースラインからベースラインを約20%上回るまでにゆっくりと上昇する変化があった。その後、ベースラインをベースラインの20%上に再度確立し、PGD2を投与した。潮紅は約1.5分後に始まり、PDG2の投与後、約6分で、もとのベースラインの約70%のピークに達した。この実験は、PGD2を投与した場合の、マウスの潮紅させる能力は、ナイアシン受容体部分的アゴニストによっては低下しなかったが、ナイアシンによって誘導される潮紅は明らかに軽減したことを示している。
(実施例3)
NEFA競合
本実施例は、ナイアシン受容体部分的アゴニストである化合物1が、ナイアシンによって誘導される遊離の脂肪酸の還元を妨害しないことを示す。
マウスに、以下のいずれかを投与した:媒体、媒体とナイアシン、または化合物1とナイアシン。10分後、マウスを安楽死させ、血液を回収した。血液試料を処理し、非エステル化脂肪酸(NEFA)アッセイ(Waco Chemicals USA,Richmond、VAによるNEFA−Cアッセイキット)を使用して遊離の脂肪酸の放出について試験した。NEFAアッセイは、製造業者によって示されているプロトコールにしたがって行った。媒体試料について測定した遊離の脂肪酸の濃度は0.9mMであり、媒体とナイアシンについては0.4mM、そして化合物1とナイアシンについては0.38mMであった。したがって、ナイアシン受容体部分的アゴニストは、ナイアシンによって誘導される遊離の脂肪酸の還元を妨害しなかった。
(実施例4)
ラットでの遊離の脂肪酸レベルとヒト含脂肪細胞中での脂肪分解の測定
本実施例は、遊離の脂肪酸レベルをラットにおいて測定できることを示す。本実施例はまた、遊離の脂肪酸レベルをヒトの含脂肪細胞においても測定できることを示す。
ラットでのアッセイ
カテーテルを、雄のSprague Dawleyラットの頸静脈に外科手術によって挿入した。ラットを、数日間、カテーテルの埋め込み手術から回復させ、翌日、ラットを絶食させ、およそ16時間後に、媒体、または、15mg/kg、30mg/kg、もしくは45mg/kg体重のナイアシン[NA]のいずれかの腹腔内(IP)注射を投与した。ナイアシンアナログは同じ形式で試験することができる。血液(約200ml)を種々の時点で採取し、血漿を遠心分離後に単離した。その後、血漿FFAをNEFA Cキットによって、製造業者の説明書(Wako Chemicals USA,Inc)にしたがって測定した。
ヒトの含脂肪細胞の脂肪分解アッセイ
含脂肪細胞はZenBio(Research Triangle,North Carolina)から入手し、脂肪分解アッセイを製造業者のプロトコールにしたがって行った。細胞内cAMPレベルの上昇と、それに付随するホルモン感受性リパーゼによる脂肪分解の活性化は、経験によって決定した濃度およびタイミングでイソプロテレノールを使用して達成した。脂肪分解は、目的の化合物(例えば、ナイアシンまたはナイアシンアナログ)の存在下、またはそれらが存在しない条件下で、所望される時間の間継続させた。少なくとも5種類の化合物濃度を試験して、非線形回帰分析とEC50値の決定を行った。グリセロールの生産の割合を比色分析で測定し、標準物(ZenBio)に対して比較した。
(実施例5)
マウスのアテローム性動脈硬化症モデル
アディポネクチン遺伝子をノックアウトすることによって作成したアディポネクチン欠損マウスは、アテローム性動脈硬化症、およびインシュリン耐性になりやすいことが示されている。このマウスはまた、虚血性心疾患についても適しているモデルである(Matsuda,M et al.,J.Biol.Chem.(2002)7月、およびその中で引用されている参考文献、これらの開示はそれらの全体が引用により本明細書中に組み入れられる)。
アディポネクチンノックアウトマウスを、22℃および50%の相対湿度の標準的な実験室条件で飼育した(7〜9匹のマウス/ゲージ)。マウスに、イソフルラン麻酔を使用して挿入した微量浸透圧ポンプによって、本発明の化合物、生理食塩水、または無関係な化合物をマウスの皮下(s.c.)に投薬した。新生内膜の厚みと虚血性心疾患を、様々な時間の間隔で屠殺したマウスの様々なグループについて決定した。グループ間での有意な差(生理食塩水での処置に対して本発明の化合物を比較する)を、Student t検定を使用して評価した。
上記のアテローム性動脈硬化症のマウスモデルは、例として提供され、限定ではない。さらなる例により、アディポネクチンE欠損マウスもまた、アテローム性動脈硬化症になりやすいことが示されている(Plump AS et al.,Cell(1992)71:343−353;その開示はその全体が引用により本明細書中に組み入れられる)。
使用することができる別のモデルは、C57BL/6Jマウスの食餌によって誘導されたアテローム性動脈硬化症のモデルであり、これは、食餌によって誘導されたアテローム性動脈硬化症の病変を形成しやすいことが知られている同系交配株である。このモデルは、当業者に周知である(Kamada N et al.,J Atheroscler Thromb(2001)8:1−6;Garber DW et al.,J Lipid Res(2001)42:545−52;Smith JD et al.,J Intern Med(1997)242:99−109;これらの個々の開示は、その全体が引用により本明細書中に組み入れられる)。
(実施例6)
HDL−コレステロールおよびアテローム性動脈硬化症のインビボブタモデル
脂質関連障害の予防または処置における医薬品としての本発明の化合物の有用性は、例えば、インビボブタモデルにおいて、HDL−コレステロールに対する総コレステロールの比を下げる、HDL−コレステロールを上昇させる、またはアテローム性動脈硬化症から防御する化合物の活性によって明らかにされる。ブタを動物モデルとして使用した。なぜなら、ブタはヒトの生理学、特に、脂質の代謝を、ほとんどの他の動物モデルよりもより正確に反映するからである。限定とは意図されない例示的なインビボブタモデルが本明細書中に示される。
Yorkshire albinoブタ(体重25.5±4kg)に、2%のコレステロールと20%の牛脂を補充した標準的な食餌からなる、飽和脂肪酸を多く含みそしてコレステロールを多く含む(SFA−CHO)食餌を、50日間与えた(1kgの食餌/35kgのブタの体重)(Royo T et al.,European Journal of Clinical Investigation(2000)30:843−52;この開示はその全体が引用により本明細書中に組み入れられる)。不飽和脂肪酸に対する飽和脂肪酸の比は、通常のブタの食餌における0.6からSFA−CHO食餌においては1.12にまで変更した。動物を2つのグループにわけ、一方のグループ(n=8)には、SFA−CHO食餌を与え、プラセボで処置し、そして他方のグループ(n=8)にはSFA−CHO食餌を与え、モジュレーター(3.0mg/kg−1)で処置した。対照動物には、50日間、標準の食餌を与えた。血液試料をベースライン(動物の収容の2日後)と、食餌の開始から50日後に採取した。血液中の脂質を分析した。動物を屠殺し、死体解剖した。
あるいは、上記の分析には、種々の用量の目的の化合物でそれぞれ処置した、複数のグループが含まれる。用量としては、例えば、0.1mg/kg−1、0.3mg/kg−1、1.0mg/kg−1、3.0mg/kg−1、10mg/kg−1、30mg/kg−1、および100mg/kg−1が挙げられる。あるいは、上記の分析は、複数の時点、例えば、10週間、20週間、30週間、40週間、および50週間で行われる。
HDL−コレステロール
血液を、クエン酸3ナトリウム(3.8%、1:10)の中に回収した。血漿は遠心分離後(1200g、15分間)に得られ、すぐに処理した。総コレステロール、HDL−コレステロール、およびLDL−コレステロールを、自動分析装置Kodak Ektachem DT System(Eastman Kodak Company,Rochester,NY,USA)を使用して測定した。範囲を上回るパラメーター値を有していた試料は製造業者によって供給された溶液で稀釈し、その後、再度分析した。総コレステロール/HDL−コレステロール比を決定した。グループ間で、HDL−コレステロールのレベルの比較を行った。グループ間で、総コレステロール/HDL−コレステロール比の比較を行った。
目的の化合物を投与した際のHDL−コレステロールの増加または総コレステロール/HDL−コレステロール比の低下は、上記有用性を有している化合物の指標と受け止めた。
アテローム性動脈硬化症
胸部大動脈と腹部大動脈を完全なまま取り出し、腹部表面に沿って縦方向に開き、そして組織学的試験と、脂質組成および合成の実験のために胸部大動脈および腹部大動脈の標準的な部位から試料を切除した後、中性の緩衝化ホルマリンの中に固定した。固定後、動脈全体をSudan IVで染色し、平坦になるようにピンで留め、そしてコンピューターによる画像分析システム(Image Pro Plus;Media Cybernetics,Silver Spring,MD)に繋いだTVカメラでデジタル画像を撮影して、アテローム性動脈硬化症の病変を含む大動脈の表面の割合を決定した(Gerrity RG et al.,Diabetes(2001)50:1654−65;Cornhill JF et al.,Arteriosclerosis,Thrombosis,およびVascular Biology(1985)5:415−26;これらの開示はそれらの全体が引用により本明細書中に組み入れられる)。グループ間で、アテローム性動脈硬化症の病変を含む大動脈の表面の割合の比較を行った。
目的の化合物を投与した際のアテローム性動脈硬化症の病変を含む大動脈表面の割合の減少を、上記有用性を有している化合物の指標と受け止めた。
血漿の遊離の脂肪酸
上記のインビボブタモデルを、血漿の遊離の脂肪酸を減少させる化合物の活性(これに限定はされない)を取り扱うために容易に改良することができることは、当業者には容易に明らかであろう。
(実施例7)
GPCRの活性化の決定のためのアッセイ
ヒトGPCRの活性化を評価するために、種々のアプローチを利用することができる。以下は例である:当業者は、当業者のニーズに特に効果的であるそのような技術を決定する能力があると認められる。
1.膜結合アッセイ:[35S]GTPγSアッセイ
Gタンパク質結合受容体がその活性な状態である(リガンドの結合の結果、または構成的な活性化としてのいずれか)場合には、受容体はGタンパク質に結合し、GDPの放出を刺激し、その後、Gタンパク質へのGTPの結合を刺激する。Gタンパク質−受容体複合体のαサブユニットは、GTPaseとして作用し、GTPをGDPへとゆっくりと加水分解する。この時点で、受容体は通常は不活化される。活性化された受容体は、GTPをGDPに変換し続ける。加水分解することができないGTPアナログである[35S]GTPγSは、活性化された受容体を発現する膜に対する[35S]GTPγSの結合の促進を明らかにするために利用することができる。活性化を測定するために[35S]GTPγSの結合を使用することの利点は:(a)これが一般的には、全てのGタンパク質結合受容体に対して適用できること;(b)これは膜表面に近く、このために、細胞内カスケードに影響を与える分子を拾い上げる可能性が低くなることである。
このアッセイは、関連する受容体を発現する膜に対する[35S]GTPγSの結合を刺激するGタンパク質結合受容体の能力を利用する。したがって、このアッセイは、内因性GPCR、および内因性ではない構成的に活性化されているGPCRに対して候補の化合物をスクリーニングするための直接的な同定方法において使用することができる。このアッセイは一般的であり、全てのGタンパク質結合受容体で薬剤の発見に応用される。
[35S]GTPγSアッセイは、20mMのHEPESと、1から約20mMの間のMgCl2(この量は、結果の最適化のために調整することができるが、20mMが好ましい)、pH7.4、約0.3から約1.2nMの[35S]GTPγSを含む結合緩衝液(この量は、結果の最適化のために調整することができるが、1.2が好ましい)、および12.5から75μgの膜タンパク質(例えば、GPR35を発現する293細胞;この量は最適化のために調整することができる)、および10μMのGDP(この量は最適化のために変えることができる)の中で1時間インキュベートされる。その後、小麦胚芽アグルチニンビーズ(25μl;Amersham)が加えられ、混合物は室温でさらに30分間インキュベートされる。その後、チューブが1500×5分間、室温で遠心分離され、次いで、シンチレーションカウンターでカウントされる。
2.アデニリルシクラーゼ
細胞をベースとするアッセイのために設計されたFlash Plate(登録商標) Adenylyl Cyclaseキット(New England Nuclear;カタログ番号SMP004A)は、粗血漿膜とともに使用するために改良することができる。Flash Plateのウェルには、キラキラ光るコーティングを含めることができ、これには、cAMPを認識する特異的な抗体もまた含まれる。ウェルの中に作られたcAMPは、cAMP抗体に対する放射活性cAMPトレーサーの結合についての直接的な競合によって定量することができる。以下に、受容体を発現する細胞全体の中でのcAMPレベルの変化の測定のための簡単なプロトコールを提供する。
一時的なトランスフェクションのおよそ24時間後に、トランスフェクトされた細胞が回収される。培地は注意深く吸引され、廃棄される。10mlのPBSが個々の細胞皿に静かに添加され、その後、注意深く吸引される。1mlのSigma細胞解離緩衝液と3mlのPBSが、個々のプレートに添加される。細胞は、ピペッティングによってプレートから剥がされ、細胞懸濁液が50mlの円錐型の遠心分離チューブに回収される。その後、細胞は、1,100rpmで5分間、室温で遠心分離される。細胞のペレットは適切な容量のPBS(約3ml/プレート)の中に注意深く再懸濁される。その後、細胞が血球計を使用してカウントされ、さらなるPBSが、適切な細胞数となるように添加される(約50μl/ウェルの最終容量)。
cAMP標準物および検出緩衝液(Detection Buffer)(1μCiのトレーサー[125I]cAMP(50μl)から11mlの検出緩衝液を含む)が調製され、製造業者の説明書にしたがって維持される。アッセイ緩衝液はスクリーニングのために新たに調製され、これには、50μlの刺激緩衝液(Stimulation Buffer)、3μlの候補の化合物(12μMの最終アッセイ濃度)、および50μlの細胞が含まれる。アッセイ緩衝液は、利用されるまで氷上で保存される。好ましくは、アッセイは、例えば、96ウェルプレートの中で行われ、50μlのcAMP標準物の適切なウェルへの添加、その後の50μlのPBSAのウェルH11およびH12への添加によって開始される。50μlの刺激緩衝液が全てのウェルに添加される。DMSO(または選択された候補の化合物)が、12μMの候補の化合物の最終アッセイ濃度を有している3μlの化合物溶液を分散させることができるピンツールと、100μlの全アッセイ容量を使用して、適切なウェルに添加される。その後、細胞がウェルに添加され、室温で60分間インキュベートされる。その後、トレーサーcAMPを含む100μlの検出混合物(Detection Mix)がウェルに添加される。その後、プレートはさらに2時間インキュベートされ、続いて、Wallac MicroBetaシンチレーションカウンターでカウントされる。その後、cAMP/ウェルの値が、個々のアッセイプレートに含まれる標準cAMP曲線から推定される。
3.Gi結合標的GPCRについての細胞をベースとするcAMP
TSHRはGs結合GPCRであり、これは、活性化されるとcAMPの蓄積を引き起こす。TSHRは、アミノ酸残基623を変異させる(すなわち、アラニン残基をイソロイシン残基に変化させる)ことによって構成的に活性化させることができる。Gi結合受容体は、アデニリルシクラーゼを阻害し、したがって、cAMPの生産レベルを低下させると予想される。これによって、cAMPレベルのチャレンジの評価を行うことができる。Gi結合受容体の活性化の指標としてcAMPの生産の減少を測定するための有効な技術は、「シグナルエンハンサー」としての内因性ではない構成的に活性化されているTSHR(TSHR−A623I)(あるいは、内因性の、構成的に活性であるGs結合受容体)を、Gi結合標的GPCRと一緒に同時トランスフェクションして、cAMPのベースラインレベルを確立することによって行うことができる。内因性または内因性ではないバージョンのGi結合受容体が作成されると、その後、標的GPCRが、シグナルエンハンサーと一緒に同時トランスフェクションされる。これは、スクリーニングに使用することができる材料である。いくつかの実施形態においては、このアプローチが、Gi結合受容体に対する候補の化合物の直接の同定に使用されることが好ましい。Gi結合GPCRについては、このアプローチが使用されると、標的GPCRの逆アゴニストによってはcAMPシグナルが増大し、そしてアゴニストはcAMPシグナルを下げることに留意されたい。
1日目に、2×104個の293細胞/ウェルがプレートされる。2日目には、2つの反応チューブが準備される(それぞれのチューブについて、後に、1枚のプレートの割合とする):チューブAは、1.2mlの無血清DMEM(Irvine Scientific,Irvine,CA)中の4μgのDNAの合計(例えば、pCMVベクター;変異したTSHRを有しているpCMVベクター(TSHR−A623I);TSHR−A623IおよびGPCRなど)について、哺乳動物細胞にトランスフェクトされた個々の受容体の2μgのDNAを混合することによって調製される;チューブBは、1.2mlの無血清DMEM中に120μlのリポフェクタミン(Gibco BRL)を混合することによって調製される。その後、チューブAとBは反転(数回)によって混合され、続いて、室温で30〜45分間インキュベーションされる。混合物は、「トランスフェクション混合物」と呼ばれる。プレートされた293細胞は1×PBSで洗浄され、その後、10mlの無血清DMEMが添加される。その後、2.4mlのトランスフェクション混合物が細胞に添加され、続いて、37℃/5%のCO2で4時間インキュベーションされる。トランスフェクション混合物は、その後、吸引によって除去され、25mlのDMEM/10%のウシ胎児血清が添加される。その後、細胞は37℃/5%のCO2でインキュベートされる。24時間のインキュベーションの後、細胞が回収され、分析に利用される。
Flash Plate(登録商標) Adenylyl Cyclaseキット(New England Nuclear;カタログ番号SMP004A)は細胞をベースとするアッセイのために設計されたものであるが、当業者のニーズに応じて粗血漿膜とともに使用するために改良することができる。Flash Plateのウェルには、キラキラ光るコーティングを含めることができ、これには、cAMPを認識する特異的な抗体もまた含まれる。ウェルの中に作られたcAMPは、cAMP抗体に対する放射活性cAMPトレーサーの結合についての直接的な競合によって定量することができる。以下に、目的の受容体を発現する細胞全体の中dencAMPレベルの変化の測定のための簡単なプロトコールを提供する。
一時的なトランスフェクションのおよそ24時間後に、トランスフェクトされた細胞が回収される。培地は注意深く吸引され、廃棄される。10mlのPBSが個々の細胞皿に静かに添加され、その後、注意深く吸引される。1mlのSigma細胞解離緩衝液と3mlのPBSが、個々のプレートに添加される。細胞は、ピペッティングによってプレートから剥がされ、細胞懸濁液が50mlの円錐型の遠心分離チューブに回収される。その後、細胞は、1,100rpmで5分間、室温で遠心分離される。細胞のペレットは適切な容量のPBS(約3ml/プレート)の中に注意深く再懸濁される。その後、細胞が血球計を使用してカウントされ、さらなるPBSが、適切な細胞数となるように添加される(約50μl/ウェルの最終容量)。
cAMP標準物および検出緩衝液(Detection Buffer)(1μCiのトレーサー[125I]cAMP(50μl)から11mlの検出緩衝液を含む)が調製され、製造業者の説明書にしたがって維持される。アッセイ緩衝液はスクリーニングのために新たに調製されるべきであり、これには、50μlの刺激緩衝液(Stimulation Buffer)、3μlの候補の化合物(12μMの最終アッセイ濃度)、および50μlの細胞が含まれる。アッセイ緩衝液は、利用されるまで氷上で保存することができる。好ましくは、アッセイは、50μlのcAMP標準物の適切なウェルへの添加、その後の50μlのPBSAのウェルH11およびH12への添加によって開始される。50μlの刺激緩衝液が全てのウェルに添加される。選択された化合物(例えば、TSH)が、12μMの候補の化合物の最終アッセイ濃度を有している3μlの化合物溶液を分散させることができるピンツールと、100μlの全アッセイ容量を使用して、適切なウェルに添加される。その後、細胞がウェルに添加され、室温で60分間インキュベートされる。その後、トレーサーcAMPを含む100μlの検出混合物(Detection Mix)がウェルに添加される。その後、プレートはさらに2時間インキュベートされ、続いて、Wallac MicroBetaシンチレーションカウンターでカウントされる。cAMP/ウェルの値が、個々のアッセイプレートに含まれる標準cAMP曲線から推定される。
4.レポーターをベースとするアッセイ
a.CRE−LUCレポーターアッセイ(Gs結合受容体)
293細胞または293T細胞が、2×104個の細胞/ウェルの密度で96ウェルプレートにプレートされ、製造業者の説明書にしたがって、翌日、Lipofectamine Reagent(BRL)を使用してトランスフェクトされる。DNA/脂質混合物が以下のようにそれぞれの6ウェルトランスフェクションのために調製される:100μlのDMEM中の260ngのプラスミドDNAが、100μlのDMEM中の2μlの脂質と穏やかに混合される(260ngのプラスミドDNAは200ngの8×CRE−Lucレポータープラスミド、内因性受容体もしくは内因性ではない受容体を含む50ngのpCMVまたはpCMVのみ、および10ngのGPRS発現プラスミド(pcDNA3(Invitrogen)中のGPRS)から構成されている)。8×CRE−Lucレポータープラスミドは以下のように調製される:ベクターSRIF−β−galは、ラットのソマトスタチンプロモーター(−71/+51)をpβgal−Basicベクター(Clontech)のBglV−HindIII部位にクローニングすることによって得られる。8コピーのcAMP応答エレメントが、アデノウイルス鋳型AdpCF126CCRE8からPCRによって得られ(Suzuki et al.,Hum Gene Ther 7:1883−1893(1996)を参照のこと;この開示はその全体が引用により本明細書中に組み入れられる)、そしてSRIF−β−galベクターのKpn−BglV部位にクローニングされて、8×CRE−β−galレポーターベクターが得られる。8×CRE−Lucレポータープラスミドは、pGL3−ベーシックベクター(Promega)のHindIII−BamHI部位から得られたルシフェラーゼ遺伝子で、8×CRE−β−galレポーターベクターのβ−ガラクトシダーゼ遺伝子を置き換えることによって作成される。室温で30分のインキュベーションの後、DNA/脂質混合物が400μlのDMEMで稀釈され、100μlの稀釈された混合物がそれぞれのウェルに添加される。細胞培養インキュベーターの中での4時間のインキュベーションの後、10%のFCSを含む100μlのDMEMが、それぞれのウェルに添加される。翌日、トランスフェクトされた細胞が、10%のFCSを含む200μl/ウェルのDMEMに換えられる。8時間後、ウェルが、PBSで1回の洗浄後に、フェノールレッドを含む100μl/ウェルのDMEMに換えられる。ルシフェラーゼ活性が、製造業者の説明書にしたがって、LucLite(登録商標)レポーター遺伝子アッセイキット(Packard)を使用して翌日測定され、1450 MicroBeta(登録商標)シンチレーションおよび蛍光カウンター(Wallac)で読み取られる。
b.AP1レポーターアッセイ(Gq結合受容体)
Gq刺激を検出するための方法は、Gq依存性ホスホリパーゼCの既知の特性に依存し、それらのプロモーターの中のAP1エレメントを含む遺伝子の活性化を引き起こす。Pathdetect(登録商標)AP−1 cis−Reporting System(Stratagene,カタログ番号219073)を、リン酸カルシウム沈殿の成分が、410ngのpAP1−Luc、80ngのpCMV−受容体発現プラスミド、および20ngのCMV−SEAPであることを除いて、CREBレポーターアッセイに関して上記に示したプロトコールにしたがって使用することができる。
c.SRF−LUCレポーターアッセイ(Gq結合受容体)
Gq刺激を検出するための1つの方法は、Gq依存性ホスホリパーゼCの既知の特性に依存し、それらのプロモーターの中の血清応答因子を含む遺伝子の活性化を引き起こす。Pathdetect(登録商標)SRF−Luc−Reporting System(Stratagene)を、例えば、COS7細胞中でのGq結合活性についてアッセイするための使用することができる。細胞は、システムのプラスミド成分と、内因性または内因性ではないGPCRをコードする示された発現プラスミドで、製造業者の説明書にしたがって哺乳動物トランスフェクション(Mammalian Transfection)(登録商標)キット(Stratagene,カタログ番号200285)を使用してトランスフェクトされる。簡単に説明すると、410ngのSRF−Luc、80ngのpCMV−受容体発現プラスミド、および20ngのCMV−SEAP(分泌型のアルカリホスファターゼ発現プラスミド;アルカリホスファターゼ活性は、試料間のトランスフェクション効率のバリエーションについての対照に対してトランスフェクトされた細胞の培地の中で測定される)が、製造業者の説明書にしたがってリン酸カルシウム沈殿の中で混合される。沈殿の半分が、96ウェルプレートの3つのウェルに均等に分配され、24時間、無血清培地の中で細胞上で維持される。細胞の5時間は、細胞は、例えば、1μMの候補の化合物とともにインキュベートされる。その後、細胞が溶解させられ、そしてルシフェラーゼ活性について、Luclite(登録商標)キット(Packard,カタログ番号6016911)および「Trilux 1450 Microbeta」液体シンチレーションおよび蛍光カウンター(Wallac)を製造業者の説明書にしたがって使用することによってアッセイされる。データは、GraphPad Prism(登録商標)2.0a(GraphPad Software Inc.)を使用して分析することができる。
d.細胞内でのIP3の蓄積についてのアッセイ(Gq結合受容体)
1日目に、目的の受容体(内因性のものまたは内因性ではないもの)を含む細胞が、24ウェルプレート上に、通常は、1×105個の細胞/ウェル(しかし、この数は最適化することができる)でプレートされ得る。2日目には、細胞は、50μlの無血清DMEM中の0.25μgのDNA/ウェルと、50μlの無血清DMEM中の2μlのリポフェクタミン/ウェルを最初に混合することによってトランスフェクトされ得る。溶液は穏やかに混合され、室温で15〜30分間インキュベートされる。細胞は0.5mlのPBSで洗浄され、400μlの無血清培地がトランスフェクション培地と混合され、細胞に添加される。その後、細胞は、37℃/5%のCO2で3〜4時間インキュベートされ、その後、トランスフェクション培地が除去され、1ml/ウェルの通常の増殖培地に置き換えられる。3日目には、細胞は、3H−myo−イノシトールで標識される。簡単に説明すると、培地が除去され、そして細胞は0.5mlのPBSで洗浄される。その後、0.5mlのイノシトールを含まない/無血清培地(GIBCO BRL)/ウェルが、0.25μCiの3H−myo−イノシトール/ウェルとともに添加され、そして細胞が、37℃/5%のCO2で16〜18時間インキュベートされる。4日目には、細胞が0.5mlのPBSで洗浄され、0.45mlのアッセイ培地(イノシトールを含まない/無血清培地、10μMのパルギリン(pargyline)、10mMの塩化リチウム、または0.4mlのアッセイ培地を含む)と、セロトニン受容体を含む対照構築物が使用される場合には、10μMの最終濃度となるような50μlの10×ケタンセリン(ket)が添加される。その後、細胞が37℃で30分間インキュベートされる。その後、細胞は0.5mlのPBSで洗浄され、200μlの新鮮な/氷冷された停止溶液(1MのKOH;18mMのホウ酸Na;3.8mMのEDTA)/ウェルが添加される。溶液は5〜10分間、または細胞が溶解するまで氷上で維持され、その後、新鮮な/氷冷された中和溶液(7.5%のHCL)によって中和される。その後、溶解物は1.5mlのエッペンドルフチューブに移され、1mlのクロロホルム/メタノール(1:2)/チューブが添加される。溶液は15秒間ボルテックスされ、上相がBiorad AG1−X8(登録商標)陰イオン交換樹脂(100〜200メッシュ)に載せられる。最初に樹脂は1:1.25W/Vの水で洗浄され、そして0.9mlの上相がカラムに載せられる。カラムは、10mlの5mMのmyo−イノシトールおよび10mlの5mMのホウ酸Na/60mMのギ酸Naで洗浄される。トリスリン酸イノシトールは、10mlのシンチレーション混合物を含むシンチレーションバイアルの中で、2mlの0.1Mのギ酸/1Mのギ酸アンモニウムで溶出させられる。カラムは、10mlの0.1Mのギ酸/3Mのギ酸アンモニウムで洗浄することによって再生され、ddH2Oで2回リンスされ、そして水中で4℃で保存される。
(実施例8)
融合タンパク質の調製
a.GPCR:Gs融合体の構築
GPCR−Gタンパク質融合構築物の設計は以下のように行うことができる:ラットのGタンパク質Gsα(長い形態;Itoh,H.et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.83:3776(1986))の5’末端と3’末端の両方は、その上にHindIII配列を含むように操作される。正確な配列の確認(隣接してHindIII配列を含む)の後、配列全体は、pcDNA3.1(−)(Invitrogen,カタログ番号V795−20)の中に、そのベクターのHindIII制限部位を使用してサブクローニングすることによってシャトルされる。Gsα配列の正確な方向は、pcDNA3.1(−)へのサブクローニングの後に決定される。次に、ラットのGsα遺伝子をHindIII配列の位置に含む修飾されたpcDNA3.1(−)が確認される;このベクターは、現在、「ユニバーサル(universal)」Gsαタンパク質ベクターとして入手することができる。pcDNA3.1(−)ベクターには、HindIII部位の上流に種々の周知の制限部位が含まれており、したがって、Gsタンパク質の上流に、目的の受容体のコード配列を挿入する能力を効果的に提供する。この同じアプローチは、他の「ユニバーサル」Gタンパク質ベクターを作成するために利用することができ、もちろん、他の市販されているか、または独自に開発された当業者に公知のベクターを利用することができる。重要な基準は、GPCRの配列が上流にあり、そしてGタンパク質の配列がインフレームにあることである。
b.Gq(6アミノ酸の欠失)/Gi融合構築物
Gq(欠失)/Gi融合構築物の設計は以下のように行うことができる:Gαq−サブユニットのN末端の6個のアミノ酸(アミノ酸2から7、TLESIM(配列番号3)の配列を有している)が欠失させられ、C末端の5個のアミノ酸(配列EYNLV(配列番号4)を有している)が、Gαiタンパク質の対応するアミノ酸(配列DCGLF(配列番号5)を有している)で置き換えられる。この融合構築物は、以下のプライマーとプラスミド63313(これには、鋳型としてヘマグルチニンタグを有しているマウスGαqの野生型バージョンが含まれている)を使用してPCRによって得ることができる:
5’−gatcAAGCTTCCATGGCGTGCTGCCTGAGCGAGGAG−3’(配列番号6)、
および
5’−gatcGGATCCTTAGAACAGGCCGCAGTCCTTCAGGTTCAGCTGCAGGATGGTG−3’(配列番号7)、
小文字のヌクレオチドはスペーサーとして含まれる。
TaqPlus Precision DNAポリメラーゼ(Stratagene)を、工程2から4が35回繰り返される、以下のサイクルによる増幅に利用することができる:95℃で2分間;95℃で20秒間;56℃で20秒間;72℃で2分間;そして72℃で7分間。PCR産物は、pCRII−TOPOベクター(Invitrogen)にクローニングすることができ、そしてABI Big Dye Terminatorキット(P.E.Biosystems)を使用して配列決定することができる。融合構築物の配列を含むTOPOクローンに由来する挿入断片は、発現ベクターpcDNA3.1(+)のHindIII/BamHI部位に、2工程のクローニングプロセスによってシャトルすることができる。2002年9月6日にWO02068600として公開されたPCT出願番号PCR/US02/05625もまた参照のこと(この開示はその全体が引用により本明細書中に組み入れられる)。
(実施例9)
[35S]GTPγSアッセイ
A.膜の調製
いくつかの実施形態においては、候補の化合物(例えば、アゴニスト、逆アゴニスト、またはアンタゴニスト)の同定に使用される目的の標的GPCRを含む膜は以下のように調製される:
a.材料
「膜擦り取り緩衝液(Membrane Scrape Buffer)」は、20mMのHEPESと10mMのEDTA(pH7.4)からなる。「膜洗浄緩衝液(Membrane Wash Buffer)」は、20mMのHEPESと0.1mMのEDTA(pH7.4)からなる。「結合緩衝液(Binding Buffer)」は、20mMのHEPES、100mMのNaCl、および10mMのMgCl2(pH7.4)からなる。
b.手順
全ての材料は手順の間を通じて氷上で維持される。最初に、培地が細胞のコンフルエントな単層から吸引され、その後、10mlの冷却されたPBSでリンスされ、続いて吸引される。その後、5mlの膜擦り取り緩衝液が細胞を擦り取るために添加される。この後、50mlの遠心分離チューブに細胞抽出物が移される(4℃で17分間、20,000rpmで遠心分離される)。その後、上清が吸引され、ペレットは30mlの膜洗浄緩衝液の中に再度懸濁され、続いて、4℃で17分間、20,000rpmで遠心分離される。その後、上清が吸引され、ペレットは結合緩衝液の中に再度懸濁される。続いてこれは、Brinkman Polytron(登録商標)ホモジナイザーを使用してホモジナイズされる(全ての材料が懸濁物となるまで15〜20秒間の破裂)。これは、本明細書中では「膜タンパク質(Membrane Protein)」と呼ばれる。
Bradfordタンパク質アッセイ
ホモジナイゼーションの後、膜のタンパク質濃度が、Bradfordタンパク質アッセイを使用して決定される(タンパク質は、約1.5mg/mlに稀釈することができ、アリコートにされ、後で使用されるまで凍結(−80℃)させられる。凍結させられている場合には、使用のためのプロトコールは以下である:アッセイの日に、凍結させられている膜タンパク質が室温で融解させられ、その後、ボルテックスされ、次いで、Polytronとともに約12×1,000rpmで約5〜10秒間ホモジナイズされる。複数の調製物については、ホモジナイザーは、異なる調製物のホモジナイゼーションの間に十分に洗浄されなければならないことに留意されたい)。
a.材料
結合緩衝液(上記のとおり);Bradford色素試薬(Bradford Dye Reagent);Bradfordタンパク質標準物(Bradford Protein Standard)が、製造業者の説明書(Biorad,カタログ番号500−0006)にしたがって利用される。
b.手順
2連のチューブが準備され、一方には膜が、そして他方には対照としての「ブランク」が含まれる。個々のチューブには、800μlの結合緩衝液が含まれる。その後、10μlのBradfordタンパク質標準物(1mg/ml)がそれぞれのチューブに添加され、次いで、10μlの膜タンパク質が、一方のチューブ(ブランクではない)だけに添加される。その後、200μlのBradford色素試薬がそれぞれのチューブに添加され、その後、それぞれのチューブがボルテックスされる。5分後、チューブは再度ボルテックスされ、その中の材料がキュベットに移される。キュベットは、CECIL 3041分光光度計を使用して595の波長で読まれる。
同定アッセイ
a.材料
GDP緩衝液は、37.5mlの結合緩衝液および2mgのGDP(Sigma,カタログ番号G−7127)と、それに続く、0.2μMのGDP(個々のウェルの中のGDPの最終濃度は0.1μMのGDPである)とするための結合緩衝液の希釈系列からなる。候補の化合物が含まれる個々のウェルには、100μlのGDP緩衝液(最終濃度、0.1μMのGDP)、結合緩衝液中の50μlの膜タンパク質、および結合緩衝液中の50μlの[35S]GTPγS(0.6nM)(10mlの結合緩衝液あたり2.5μlの[35S]GTPγS)からなる、200μlの最終容量が含まれる。
b.手順
候補の化合物は、96ウェルプレート形式を使用してスクリーニングすることができる(これらは、−80℃で凍結させることができる)。膜タンパク質(または対照としての、標的GPCRを除く発現ベクターを含む膜)が、懸濁物となるまで軽くホモジナイズされる。タンパク質濃度は、上記のBradfordタンパク質アッセイを使用して決定することができる。膜タンパク質(および対照)は、結合緩衝液の中に0.25mg/mlとなるように希釈される(最終アッセイ濃度、12.5μg/ウェル)。その後、100μlのGDP緩衝液が、Wallac Scintistrip(登録商標)(Wallac)のそれぞれのウェルに添加される。5μlのピンツールが使用され、5μlの候補の化合物がこのようなウェルに移される(すなわち、200μlの全アッセイ容量のうちの5μlは1:40の割合であり、その結果、候補の化合物の最終スクリーニング濃度は10μMである)。ここでもまた、混入を回避するために、個々の移動工程の後にピンツールは、水(1回)、エタノール(1回)、および水(2回)の3種類のレザーバーの中でリンスされなければならず、過剰の液体は、それぞれのリンスの後、ツールから振り落とされ、紙とキムワイプ(kimwipe)で乾燥させられる。その後、50μlの膜タンパク質がそれぞれのウェルに添加され(標的GPCRを含まない膜を含む対照ウェルもまた利用される)、室温で5〜10分間プレインキュベートされる。その後、結合緩衝液中の50μlの[35S]GTPγS(0.6nM)が各ウェルに添加され、続いて、室温で60分間震盪装置の上でインキュベーションされる(プレートはホイルで覆われる)。次いで、アッセイは、22℃で15分間の4000RPMでプレートを回転させることによって停止させられる。プレートは8チャンネルの連結管で吸引され、プレートカバーでシールされる。プレートは、Wallac 1,450上で、「Prot.#37」の設定を使用して読みとされる(製造業者の説明書にしたがって)。
(実施例10)
サイクリックAMPアッセイ
候補の化合物(例えば、アゴニスト、逆アゴニスト、またはアンタゴニスト)を同定するための別のアッセイアプローチは、シクラーゼをベースとするアッセイを利用することによって行うことができる。直接的な同定に加えて、このアッセイアプローチは、上記の実施例に示された[35S]GTPγSアプローチによる結果の確認を提供するための独立したアプローチとして利用することができる。
改良型のFlash Plate(登録商標)アデニリルシクラーゼ(Adenylyl Cyclase)キット(New England Nuclear;カタログ番号SMP004A)を、以下のプロトコールにしたがって目的の受容体の逆アゴニストおよびアゴニストとしての候補の化合物の直接的な同定に利用することができる。
トランスフェクトされた細胞は、トランスフェクションのおよそ3日後に回収される。膜は、20mMのHEPES(pH7.4)および10mMのMgCl2を含む緩衝液の中での懸濁させられた細胞のホモジナイゼーションによって調製される。ホモジナイゼーションは、Brinkman Polytron(登録商標)を使用して、およそ10秒間氷上で行われる。得られたホモジネートは、4℃で15分間、49,000×gで遠心分離される。その後、得られたペレットが、20mMのHEPES(pH7.4)および0.1mMのEDTAを含む緩衝液の中に再度懸濁させられ、10秒間ホモジナイズされ、続いて、4℃で15分間、49,000×gで遠心分離される。得られたペレットは、その後、利用されるまで−80℃で保存される。直接の同定スクリーニングの日に、膜ペレットは室温でゆっくりと融解させられ、20mMのHEPES(pH7.4)および10mMのMgCl2を含む緩衝液の中に再懸濁させられて、0.60mg/mlの最終タンパク質濃度とされる(再懸濁させられた膜は使用されるまで氷上に置かれる)。
cAMP標準物と検出緩衝液(11mlの検出緩衝液に対して2μCiのトレーサー[125I]cAMP(100μl)が含まれる)は、製造業者の説明書にしたがって調製され、維持される。アッセイ緩衝液はスクリーニングのために新しく調製され、これには、20mMのHEPES(pH7.4)、10mMのMgCl2、20mMのホスホクレアチン(Sigma)、0.1単位/mlのクレアチンホスホキナーゼ(Sigma)、50μMのGTP(Sigma)、および0.2mMのATP(Sigma)が含まれる。アッセイ緩衝液は、その後、利用されるまで氷上で保存される。
候補の化合物は、例えば、96ウェルプレートのウェルに(3μl/ウェル;12μMの最終アッセイ濃度)、40μlの膜タンパク質(30μg/ウェル)および50μlのアッセイ緩衝液とともに添加される。次いで、この混合物は室温で30分間、穏やかに攪拌されながらインキュベートされる。
インキュベーション後、100μlの検出緩衝液が個々のウェルに添加され、その後、2〜24時間インキュベーションされる。次いで、プレートが、Wallac MicroBeta(登録商標)プレートリーダーで、「Prot.#31」を使用してカウントされる(製造業者の説明書にしたがって)。
(実施例11)
細胞内カルシウム濃度の測定のための蛍光画像プレートリーダー(FLIPR)アッセイ
それぞれのクローン株に由来する標的受容体(実験)およびpCMV(ネガティブ対照)で安定にトランスフェクトされた細胞が、翌日のアッセイのために、ポリ−D−リジンで予め処理された96ウェルプレート(Becton−Dickinson,#356640)に、5.5×104個の細胞/ウェルで、完全培養培地(10%のFBS、2mMのL−グルタミン、1mMのピルビン酸ナトリウムを含むDMEM)とともに播種される。ナイアシン受容体がGiに結合しているので、ナイアシン受容体を含む細胞にはさらに、Gα15、Gα16、またはキメラGq/Giαサブユニットが含まれ得る。Fluo4−AM(Molecular Probe,#F14202)インキュベーション緩衝液ストックを調製するために、1mgのFluo4−AMが467μlのDMSOおよび467μlのPluoronic acid(Molecular Probe,#P3000)の中に溶解させられて、1mMのストック溶液が得られる。これは、1ヶ月間−20℃で保存することができる。Fluo4−AMは蛍光カルシウム指示色素である。
候補の化合物は、洗浄緩衝液(1×HBSS/2.5mMのプロベニシド(Probenicid)/20mMのHEPES(pH7.4))の中に調製される。
アッセイ時には、培養培地がウェルから除去され、細胞は、100μlの4μMのFluo4−AM/2.5mMのプロベニシド(Sigma,#P8761)/20mMのHEPES/完全培地(pH7.4)とともにロードされる。37℃/5%のCO2でのインキュベーションが、60分間行われる。
1時間のインキュベーション後、Fluo4−AMインキュベーション緩衝液が除去され、そして細胞は100μlの洗浄緩衝液で2回洗浄される。各ウェルに100μlの洗浄緩衝液が残される。プレートは、37℃/5%のCO2で60分間、インキュベーターに戻される。
FLIPR(蛍光画像プレートリーダー;Molecular Device)は、50μlの候補の化合物を30秒で添加し、さらに150秒間、候補の化合物によって引き起こされる細胞内カルシウム濃度([Ca2+])の一時的な変化を記録するようにプログラムされる。全ての蛍光の変化のカウントが、FLIPRソフトウェアを使用してアゴニスト活性を決定するために使用される。機器のソフトウェアは、同等の最初の読み取りがゼロとなるように、蛍光読み取りが較正される。
上記によって、安定にトランスフェクトされた細胞を使用するアゴニスト活性についてのFLIPRアッセイが提供されるが、当業者は、アンタゴニスト活性を特性決定するようにアッセイを改良することを容易に行うことができる。当業者はまた、別の一時的にトランスフェクトされた細胞を使用することができることも容易に理解するであろう。
(実施例12)
受容体結合アッセイ
本明細書中に記載される方法に加えて、候補の化合物を評価するための別の手段は、ナイアシン受容体に対する結合親和性を決定することによる。このタイプのアッセイには、通常、ナイアシン受容体に対する放射標識されたリガンドが必要である。
放射標識された化合物(例えば、放射標識されたナイアシン)を、化合物を同定/評価するためのスクリーニングアッセイに使用することができる。一般的な用語においては、新しく合成された、または同定された化合物(すなわち、候補の化合物)は、ナイアシン受容体に対する放射標識されたナイアシンの結合を減少させるその能力について評価することができる。したがって、ナイアシン受容体に対する結合について放射標識されたナイアシンと競合する能力は、ナイアシン受容体に対する候補の化合物の結合親和性と直接関係している。
ナイアシン受容体について受容体結合を決定するためのアッセイプロトコール:
A.ナイアシン受容体の調製
例えば、HEK293細胞(ヒト腎臓、ATCC)は、本明細書中に記載されるナイアシン受容体で一時的に、または安定にトランスフェクトすることができる。例えば、293細胞は、10μgのヒトナイアシン受容体と60μLのリポフェクタミン(15cmの皿あたり)で一時的にトランスフェクトされ、皿の中で、培地を交換しながら24時間増殖させられる(75%の細胞集密度)。細胞は、10ml/皿のHepes−EDTA緩衝液(20mMのHepes+10mMのEDTA、pH7.4)で取り出される。その後、細胞は、Beckman Coulter遠心分離機で、17,000rpmで20分間遠心分離される(JA−25.50ローター)。続いて、ペレットが20mMのHepes+1mMのEDTA(pH7.4)に再懸濁され、50mlのDounceホモジナイザーでホモジナイズされ、再び遠心分離される。上清が除去された後、ペレットは、結合アッセイで使用されるまで−80℃で保存される。アッセイで使用される際には、膜は、20分間氷上で融解させられ、その後、10mLのインキュベーション緩衝液(20mMのHepes、1mMのMgCl2、100mMのNaCl、pH7.4)が添加される。その後、膜はボルテックスされて粗膜ペレットが再度懸濁され、Brinkmann PT−3100 Polytronホモジナイザーで、6の設定で15秒間ホモジナイズされる。膜タンパク質の濃度は、BRL Bradfordタンパク質アッセイを使用して決定される。
B.結合アッセイ
全ての結合について、50μlの全容量の適切に稀釈された膜(50mMのTris HCl(pH7.4)、10mMのMgCl2、および1mMのEDTA;5〜50μgのタンパク質を含むアッセイ緩衝液中に稀釈された)が、96ウェルポリプロピレンマイクロタイタープレートに添加され、その後、100μlのアッセイ緩衝液と50μlの放射標識されたナイアシンが添加される。非特異的結合については、50μlのアッセイ緩衝液が100μlの代わりに添加され、さらに50μlの10μMの冷却されたナイアシン受容体が添加され、その後、50μlの放射標識されたナイアシンが添加される。次いで、プレートが室温で60〜120分間インキュベートされる。結合反応は、Brandell 96ウェルプレート回収装置を備えたMicroplate Devices GF/C Unifilter濾過プレートを通じてアッセイプレートを濾過し、その後、0.9%のNaClを含む冷却された50mMのTris HCl(pH7.4)で洗浄することによって停止させられる。次いで、濾過プレートの底がシールされ、50μlのOptiphase Supermixが各ウェルに添加され、プレートの上部がシールされ、そしてプレートがTrilux MicroBetaシンチレーションカウンターでカウントされる。化合物の競合実験には、100μlのアッセイ緩衝液が添加される代わりに、100μlの適切に希釈された候補の化合物が適切なウェルに添加され、その後、50μlの放射標識されたナイアシンが添加される。
C.計算
候補の化合物は、最初、1μMおよび0.1μMでアッセイされ、その後、中央の用量で放射標識されたナイアシンの結合の約50%の阻害を生じるように選択された濃度(すなわち、IC50)でアッセイされる。候補の化合物が存在しない条件での特異的結合(BO)は、結合全体(BT)から非特異的結合(NSB)が減算された差であり、同様に、特異的結合(候補の化合物の存在下)(B)は、置き換えられた結合(BD)から非特異的結合(NSB)が減算された差である。IC50は、候補の化合物の濃度に対するB/BOのロジット−ログプロットである阻害応答曲線から決定される。
Kiは、Cheng and Prustoff変換によって計算される:
Ki=IC50/(1+[L]/KD)
式中、[L]は、アッセイに使用された放射標識されたナイアシンの濃度であり、KDは、同じ結合条件で別々に決定された放射標識されたナイアシンの解離定数である。
(実施例13)
本発明の化合物の調製
実施例13.1:3−(1H−テトラゾール−5−イル)−1,4,5,6−テトラヒドロ−シクロペンタピラゾール(化合物1)の調製
方法A:化合物1の調製
1,4,5,6−テトラヒドロ−シクロペンタピラゾール−3−カルボニトリル(0.022g、0.165mmol)とアジ化ナトリウム(0.086g、1.30mmol)を、175℃で20分間のマイクロ波照射下で加熱されているDMF(3cm
3)の中に入れた。溶液を室温に冷却し、濾過し、そして濾過された固体を酢酸エチルで洗浄した。混合した溶液を、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(20cm
3)に添加し、酢酸エチルで洗浄した。水層を、1Mの塩酸水溶液の添加によってpH1に酸性化させ、酢酸エチルの中に抽出した。酢酸エチル洗浄液を混合し、減圧下で溶媒を除去し、得られた固体を分配HPLCによって精製すると、3−(2H−テトラゾール−5−イル)−1,4,5,6−テトラヒドロ−シクロペンタピラゾールが白色固体として得られた(0.012g、0.068mmol、41%)。
1H NMR δ (CD
3OD): 2.88 (t様, 2H, J=7.0), 2.82 (t様, 2H, J=7.3), 2.64 (五重線様, 2H, J=7.1); m/z (ES
+): 177 [M+H]
+。
中間体1,4,5,6−テトラヒドロ−シクロペンタピラゾール−3−カルボニトリルを以下の手順を使用して調製した。
工程A:1,4,5,6−テトラヒドロ−シクロペンタピラゾール−3−カルボン酸エチルエステル
シクロペンタノン(10.0g、118.9mmol)を無水エタノール(30cm
3)に入れ、そしてナトリウム・エトキシド(53cm
3、エタノール中21%、143mmol)を添加した。得られた溶液を10分間アルゴン下で攪拌し、次いで、シュウ酸ジエチル(19.1g、131mmol)を添加した。さらに、エタノール(10cm
3)を添加し、溶液を75℃で3時間加熱し、そして室温に冷却した。水(20cm
3)中にとった塩酸ヒドラジン(8.15g、119mmol)を加え、そして溶液を75℃で一晩加熱した。減圧下で溶媒を除去し、得られたものを酢酸エチル(200cm
3)にいれ、そして水(200cm
3)で洗浄し、乾燥(Na
2SO
4)させ、濾過し、減圧下で溶媒を除去すると、1,4,5,6−テトラヒドロ−シクロペンタピラゾール−3−カルボン酸エチルエステルがオフホワイトの固体として得られた(16.16g、90.0mmol、76%)。δ
H (CD
3OD): 4.34 (q, 2H, J=7.1, OC
H 2CH
3), 2.78 (t様, 2H, J=7.0), 2.72 (br s, 2H), 2.49 (br s, 2H), 1.36 (t, 3H, J=7.1, OCH
2C
H 3). m/z (ES
+): 181 [M+H]
+。
工程B:1,4,5,6−テトラヒドロ−シクロペンタピラゾール−3−カルボン酸アミド
1,4,5,6−テトラヒドロ−シクロペンタピラゾール−3−カルボン酸エチルエステル(0.808g、4.48mmol)をメタノールアンモニア(ca 7M、12cm
3)にとり、95℃で一晩攪拌した。得られた溶液を冷却し、沈殿した1,4,5,6−テトラヒドロ−シクロペンタピラゾール−3−カルボン酸アミドを、吸引濾過によって白色の結晶固体として回収した(0.438g、2.90mmol、65%)。δ
H (CD
3OD): 2.79 (t様, 2H, J=6.9), 2.73 (t様, 2H, J=7.3), 2.55 (br s, 2H); m/z (ES
+): 152 [M+H]
+。
工程C:1,4,5,6−テトラヒドロ−シクロペンタピラゾール−3−カルボニトリル
1,4,5,6−テトラヒドロ−シクロペンタピラゾール−3−カルボン酸アミド(0.210g、1.39mmol)を無水アセトニトリル(12cm
3)に添加し、80℃に加熱し、そして塩化ナトリウム(2.0g、34mmol)を添加した。15分後、オキシ塩化リン(0.128g、0.83mmol)を添加し、溶液を80℃で一晩加熱し、冷却し、濾過し、そして回収した固体をアセトニトリルで洗浄した。溶媒を混合した溶液から減圧下で除去し、得られた固体を分配HPLCによって精製すると、1,4,5,6−テトラヒドロ−シクロペンタピラゾール−3−カルボニトリルが、深紫色の固体として得られた(0.031g、0.23mmol、17%)。d
H (CD
3OD): 2.79 (t様, 2H, J=7.3), 2.73 (t様, 2H, J=7.1), 2.65−2.55 (m, 2H); m/z (ES
+): 134 [M+H]
+。
方法B:化合物1の調製
DMSO(50mL)中の1−ベンジル−3−(2H−テトラゾール−5−イル)−1,4,5,6−テトラヒドロ−シクロペンタピラゾール(1.92g、7.21mmol)およびKOt−Bu(THF中の1Mの溶液の65mL)の溶液の攪拌により、2.0時間、空気を泡立てた。反応を、HCl(3M aq)の添加によってpH=2となるように酸性化させた。混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して揮発性物質を除去した。材料を逆相HPLC:Phenomenex(登録商標)Luna C18カラム(10μ、250×50mm)、H
2O(1%v/vのTFAを含む)中の5%(v/v)のCH
3CN(1%v/vのTFAを含む)から50%のH
2Oまでの勾配、60ml/分、λ=214nm)によって精製した。生成物をさらに、Varian BondElut(登録商標)60mL、10gのSCXカートリッジ上にこの物質をロードすることによって精製した。MeOH(150mL)を、カラムに通過させて結合していない不純物を除去した。その後、生成物を、カラムにMeOH(150mL)中の2NのNH
3の溶液を通過させることによって溶出した。溶出物の濃縮によって、化合物1のアンモニウム塩(947mg、5.38mmol、75%の収率)が白色固体として得られた。
1H NMR (アンモニウム塩, 400MHz, CD
3OD): d 2.88 (2H, t, J = 6.8 Hz), 2.74 (2H, t, J = 6.8 Hz), 2.52 (2H, 五重線, J = 6.8 Hz). HPLC/MS: Discovery(登録商標)C18カラム(5μ,50×2.1mm)、
H
2O(1%v/vのTFAを含む)中の5%v/vのCH
3CN(1%v/vのTFAを含む)からH
2O中の99%v/vのCH
3CNまでの勾配、0.75mL/分、t
r=1.22分、EST
+=177.3(M+H)。C
7H
8N
6についての分析計算値(中性化合物):C,47.72;H,4.58。実測値:C,47.27;H,4.16。C
7H
11N
7についての分析計算値(アンモニウム塩):C,43.51;H,5.74。実測値:C,42.94;H,5.30。
中間体1−ベンジル−3−(2H−テトラゾール−5−イル)−1,4,5,6−テトラヒドロ−シクロペンタピラゾールは以下の手順を使用して調製した。
工程A:1−ベンジル−1,4,5,6−テトラヒドロ−シクロペンタピラゾール−3−カルボン酸アミドおよび2−ベンジル−1,4,5,6−テトラヒドロ−シクロペンタピラゾール−3−カルボン酸アミドの調製
25℃のDMF(34mL)中の1,4,5,6−テトラヒドロ−シクロペンタピラゾール−3−カルボン酸アミド(2.57g、17.0mmol)の攪拌溶液に、K
2CO
3(5.87g、42.5mmol)を添加し、その後、臭化ベンジル(4.36g、25.5mmol)を添加した。反応を環境温度で16時間攪拌し、この時点で混合物をEtOAc(75mL)で稀釈し、濾過した。濾液をH
2O(100mL)で洗浄し、水相をEtOAc(75mL)とCH
2Cl
2(75mL)で逆抽出した。混合した有機抽出物をMgSO
4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。シルカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中の50%のEtOAcからヘキサン中の95%のEtOAcまでの勾配)による精製により、2−ベンジル−2,4,5,6−テトラヒドロ−シクロペンタピラゾール−3−カルボン酸アミド(739mg、3.07mmol、18%の収率)が、白色固体として単離され、続いて、1−ベンジル−1,4,5,6−テトラヒドロ−シクロペンタピラゾール−3−カルボン酸アミド(3.24g、13.4mmol、79%の収率)が白色固体として単離された。
1−ベンジル−1,4,5,6−テトラヒドロ−シクロペンタピラゾール−3−カルボン酸アミド
1H NMR (400 MHz, CDCl3): d 7.37−7.30 (3H, m), 7.19 (2H, m), 6.67 (1H, bs), 5.34 (1H, bs), 5.19 (2H, s), 2.82 (2H, m), 2.51 (4H, m). 13C APT NMR (100 MHz, CDCl3): d up: 164.8, 155.2, 139.0, 136.0, 129.5, 55.3, 31.2, 24.1; down: 129.0, 128.3, 127.8。HPLC/MS:Alltech(登録商標)Prevail C18カラム(5μ、50×4.6mm)、H2O(1%v/vのTFAを含む)中の5%v/vのCH3CN(1%v/vのTFAを含む)からH2O中の99%v/vのCH3CNまでの勾配、3.5mL/分、tr=2.13分、ESI+=242.2(M+H)。
2−ベンジル−1,4,5,6−テトラヒドロ−シクロペンタピラゾール−3−カルボン酸アミド
1H NMR (400 MHz, CDCl3): d 7.34−7.21 (5H, m), 5.76 (2H, s), 5.70−5.38 (2H, bs), 2.78 (4H, m), 2.49 (2H, m). 13C APT NMR (100 MHz, CDCl3): d up: 161.9, 160.1, 138.3, 128.3, 127.1, 55.1, 29.9, 24.8, 24.7; down: 128.6, 128.0, 127.6。HPLC/MS:Alltech(登録商標)Prevail C18カラム(5μ、50×4.6mm)、H2O(1%v/vのTFAを含む)中の5%v/vのCH3CN(1%v/vのTFAを含む)からH2O中の99%v/vのCH3CNまでの勾配、3.5mL/分、tr=1.98分、ESI+=242.1(M+H)。
工程B:1−ベンジル−3−(2H−テトラゾール−5−イル)−1,4,5,6−テトラヒドロ−シクロペンタピラゾールの調製
室温のDMF(25mL)中の1−ベンジル−1,4,5,6−テトラヒドロ−シクロペンタピラゾール−3−カルボン酸アミド(3.02g、12.53mmol)の溶液に、塩化チオニル(1.94g、16.3mmol)を添加した。反応を18時間攪拌し、この時点で、NaHCO
3(飽和水溶液、6mL)を添加して過剰の塩化チオニルをクエンチした。混合物をEtOAc(150mL)で稀釈し、NaHCO
3(飽和水溶液、100mL)と食塩水(100mL)で連続して洗浄した。水性洗浄液をEtOAc(2×100mL)で逆抽出し、混合した有機物をMgSO
4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮すると、粗い黄色の油が得られた。
濃縮物をDMF(20mL)中に溶解させ、肉厚の密閉型反応容器に入れた。この時点で、ZnBr2(4.70g、18.0mmol)とNaN3(2.73g、42.0mmol)を連続して添加した。容器を密閉し、120℃で18時間加熱した。混合物を室温に冷却し、HCl(3Mの水溶液、2mL)を添加し、5分間攪拌を続けた。混合物をEtOAc(150mL)で稀釈し、HCl(1Mの水溶液、100mL)で洗浄した。有機物をMgSO4上で乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(50:50:0.2のヘキサン:EtOAc:AcOHから100:0.2のEtOAc:AcOHまでの勾配)による精製によって、1−ベンジル−3−(2H−テトラゾール−5−イル)−1,4,5,6−テトラヒドロ−シクロペンタピラゾール(2.06g、7.74mmol、62%の収率)が白色固体として得られた。1H NMR (400MHz, CD3OD): d 7.36−7.25 (5H, m), 5.30 (2H, s), 2.84 (2H, t, J = 6.4 Hz), 2.62−2.56 (4H, m). 13C APT NMR (100 MHz, CD3OD): d up: 153.8, 151.9, 137.6, 131.5, 128.9, 55.8, 31.9, 24.8, 24.6; down: 129.9, 129.1, 129.0。HPLC/MS:Discovery(登録商標)C18カラム(5μ、50×2.1mm)、H2O(1%v/vのTFAを含む)中の5%v/vのCH3CN(1%v/vのTFAを含む)からH2O中の99%v/vのCH3CNまでの勾配、0.75mL/分、tr=2.18分、ESI+=267.1(M+H)。
方法C:化合物1の調製
10%のギ酸/MeOH(vol/vol、900mL)中の1−ベンジル−3−(2H−テトラゾール−5−イル)−1,4,5,6−テトラヒドロ−シクロペンタピラゾール(59.4g、223mmol)の溶液に、パラジウム黒(39.8g、374mmol)を添加した。混合物をN-
2大気下で24時間機械的に攪拌した。反応物を濾過し、濃縮した。生成物をさらに精製して、Bondesil SCX SPE樹脂(750g)を含むカラム上に材料(MeOH中の溶液として)をロードすることによりアンモニウム塩に変換させた。カラムをMeOH(2.0L)でフラッシュして、結合していない不純物を除去した。生成物を2NのNH
3/MeOH(約1.5L)を使用して溶出させた。テトラゾールのアンモニウム塩(39.3g、203mmol、91%の収率)を濃縮すると、白色の固体が得られた。
中間体1−ベンジル−3−(2H−テトラゾール−5−イル)−1,4,5,6−テトラヒドロ−シクロペンタピラゾールは以下の手順を使用して調製した。
工程A:1,4,5,6−テトラヒドロ−シクロペンタピラゾール−3−カルボン酸エチルエステルの調製
N
2下の室温の、EtOH(2.5L)中のシクロペンタノン(42.0g、0.50mol)およびシュウ酸ジエチル(73.1g、0.50mol)の溶液に、THF中のKOt−Bu(500mLの1Mの溶液、0.50mol)の溶液を、添加用じょうご(addition funnel)から0.5時間かけて添加した。反応物を3.5時間攪拌し、その時点で、フラスコを0℃に冷却した。H
2O(250mL)中の塩酸ヒドラジン(37.6g、0.55mol)を、添加用じょうごから0.5時間かけて添加した。反応物を室温に温め、16時間攪拌した。揮発性物質を減圧下で除去し、得られた固体をNaHCO
3(飽和水溶液、500mL)とH
2O(500mL)で洗浄した。減圧下でのさらなる濃縮によって、純粋な1,4,5,6−テトラヒドロ−シクロペンタピラゾール−3−カルボン酸エチルエステル(63.6g、0.35mol、71%の収率)が黄色い固体として得られた。
工程B:1,4,5,6−テトラヒドロ−シクロペンタピラゾール−3−カルボン酸アミドの調製
1,4,5,6−テトラヒドロ−シクロペンタピラゾール−3−カルボン酸エチルエステル(63.5g、0.35mmol)を7NのNH
3/MeOH(1.0L)の溶液に溶解させた。溶液を4つの等量に分け、これらのそれぞれを350mLの肉厚の密閉型反応容器に移した。容器を95℃に加熱し、20時間攪拌した。反応物を室温に冷却し、その際、固形物が沈殿した。溶液を濾過し、固体をNaOH(1Nの水溶液、200mL)で洗浄すると、純粋な1,4,5,6−テトラヒドロ−シクロペンタピラゾール−3−カルボン酸アミド(42.0g、0.20mol、80%の収率)が白色固体として得られた。
工程C:1−ベンジル−1,4,5,6−テトラヒドロ−シクロペンタピラゾール−3−カルボン酸アミドおよび2−ベンジル−1,4,5,6−テトラヒドロ−シクロペンタピラゾール−3−カルボン酸アミドの調製
室温のTHF(460mL)中の1,4,5,6−テトラヒドロ−シクロペンタピラゾール−3−カルボン酸アミド(41.5g、275mmol)の溶液に、NaOH(5Nの水溶液、110mL、0.54mol)の溶液を添加した。5分間の攪拌の後、臭化ベンジル(49.2g、0.29mol)を添加し、反応物を16時間攪拌した。揮発性物質を減圧下で除去し、得られた固体をH
2O(3×250mL)で洗浄した。さらなる濃縮により、1−ベンジル−1,4,5,6−テトラヒドロ−シクロペンタピラゾール−3−カルボン酸アミドと2−ベンジル−1,4,5,6−テトラヒドロ−シクロペンタピラゾール−3−カルボン酸アミド(65.3g、270mmol、98%の収率)の位置異性体が20:1混合物として得られた。これは分離せずに使用した。
工程D:1−ベンジル−3−(2H−テトラゾール−5−イル)−1,4,5,6−テトラヒドロ−シクロペンタピラゾールの調製
N
2大気下の乾燥チューブに取り付けたフラスコを無水DMF(250mL)でチャージした。フラスコを0℃に冷却し、塩化チオニル(36.7g、309mmol)を、5分かけて注射器を通じて添加した。さらに10分の攪拌の後、DMF(310mL)中の1−ベンジル−1,4,5,6−テトラヒドロ−シクロペンタピラゾール−3−カルボン酸アミド(67.7g、281mmol)の溶液を、添加用じょうごを使用して5分かけて添加した。混合物をゆっくりと室温に温め、16時間攪拌した。NaHCO
3(飽和水溶液、100mL)を添加し、混合物を10分間攪拌した。揮発性物質を減圧下で除去し、残渣をEtOAc(700mL)およびNaHCO
3(飽和水溶液、700mL)で稀釈した。層を分離させ、水相をEtOAc(400mL)で逆抽出した。混合した有機物をNaHCO
3(飽和水溶液、600mL)および食塩水(600mL)で洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濾過し、そして濃縮すると、63.1gのニトリルが茶色の固体として得られた。
DMF(560mL)中のニトリル(上記による)の溶液に、ZnBr2(95.6g、425mmol)を添加し、その後、NaN3(55.2g、849mmol)を添加した。混合物を120℃に加熱し、そして14時間攪拌した。反応物を室温に冷却し、DMFを減圧下で除去した。HCl(2Nの水溶液、800mL)を添加し、混合物を15分間攪拌し、その後濾過した。固体をEtOAc(500mL)およびHCl(5Nの水溶液、300mL)の2層混合物に添加し、0.5時間攪拌した。溶液を濾過し、層分離させた。残っている固体を再びEtOAcおよびHCl(5Nの水溶液)で、上記のように処理し、このプロセス(攪拌、濾過、分離)を、全ての固体が溶解するまで繰り返した。混合した有機濾液を濃縮すると、1−ベンジル−3−(2H−テトラゾール−5−イル)−1,4,5,6−テトラヒドロ−シクロペンタピラゾール(61.0、229mmol、アミドから81%の収率)が明るい茶色の固体として得られた。
実施例13.2:本発明のピラゾールカルボン酸の調製のための一般的方法:
エタノール中に溶解させた対応するケトン(5mL/mmol)に、シュウ酸ジエチル(1.2等量)およびTHF中の1Mのt−BuOK溶液(1.1等量)を添加した。混合液を30分間75℃で加熱し、その後、氷浴の中で4℃に冷却した。ヒドラジンの水溶液(2等量、2mL/mmol)を添加し、得られた混合液を75℃で1時間加熱した。エタノールを減圧下で除去し、そのままのものをNaHCO3の飽和水溶液で稀釈し、EtOAcで抽出した。有機相をNa2SO4上で乾燥させ、そして濃縮すると、対応するピラゾールエステル誘導体が得られた。続いて、エステルの加水分解を、5NのNaOH水溶液を使用して塩基性条件下で、95℃で2時間行った。溶液のpHは、12NのHClを使用して約1になるように調整し、混合物をAcOEtで抽出し、有機相をNa2SO4上で乾燥させ、そして濃縮した。粗生成物を結晶化またはHPLCによって精製して、ピラゾールカルボン酸誘導体とした。
実施例13.3:5−(3−フルオロ−ベンジル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸(化合物2)の調製
5−(3−フルオロ−ベンジル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸を、実施例13.2に記載した一般的手順を使用して調製した。
1H NMR (DMSO, 400MHz) d (ppm): 7.34 (1H, m), 7.07 (2H, m), 6.50 (1H,s), 3.98 (2H, s)。質量スペクトル:m/z:211(M+1)
1。
実施例13.4:5−(3−クロロ−ベンジル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸(化合物3)の調製
5−(3−クロロ−ベンジル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸を、実施例13.2に記載した一般的手順を使用して調製した。
実施例13.5:5−(3−ブロモ−ベンジル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸(化合物4)の調製
5−(3−ブロモ−ベンジル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸を、実施例13.2に記載した一般的手順を使用して調製した。
1H NMR (DMSO, 400MHz) d (ppm): 7.46 (1H, s), 7.42 (1H, m), 7.27 (2H, m), 6.51 (1H,s), 3.97 (2H, s)。質量スペクトル:m/z:281(M+1)+、283(M+1)
+。
実施例13.6:6−メチル−3−(1H−テトラゾール−5−イル)−4,6−ジヒドロ−1H−フロ[3,4−c]ピラゾール(化合物5)の調製
6−メチル−3−(1H−テトラゾール−5−イル)−4,6−ジヒドロ−1H−フロ[3,4−c]ピラゾールを、実施例13.1に記載した様式と同様の様式で調製した。位置異性体のカラムクロマトグラフィーによる分離を、ピラゾールの形成後に行った。化合物5をNMRとMSによって特性決定した;
1H NMR (400MHz, DMSO): δ5.20 (m, 1H), 4.94 (dd, J = 34.7, 10.3 Hz, 2 H), 1.39 (d, J = 4.4 Hz, 3 H)。HPLC/MS:Alltech(登録商標)Prevail C18カラム(5μ、50×4.6mm)、H
2O(1%v/vのTFAを含む)中の5%v/vのCH
3CN(1%v/vのTFAを含む)からH
2O中の99%v/vのCH
3CNまでの勾配、3.5mL/分、t
r=1.03分、ESI
+=192(M+H)。
実施例13.7:3−(1H−テトラゾール−5−イル)−4,6−ジヒドロ−1H−チエノ[3,4−c]ピラゾール(化合物6)の調製
3−(1H−テトラゾール−5−イル)−4,6−ジヒドロ−1H−チエノ[3,4−c]ピラゾールを、実施例13.1に記載した様式と同様の様式で調製し、NMRとMSによって特性決定した;
1H NMR (400MHz, MeOD): d 4.00 (2H, m), 3.95 (2H, m)。HPLC/MS:Waters(登録商標)YMC ODS−A C18カラム(5μ、50×4.6mm)、H
2O(1%v/vのTFAを含む)中の5%v/vのCH
3CN(1%v/vのTFAを含む)からH
2O中の99%v/vのCH
3CNまでの勾配、3.5mL/分、t
r=1.27分、ESI
+=194(M+H)。
実施例13.8:3−(1H−テトラゾール−5−イル)−1,4−ジヒドロ−シクロペンタピラゾール(化合物7)および3−(1H−テトラゾール−5−イル)−1,6−ジヒドロ−シクロペンタピラゾール(化合物8)の調製
DMF(2mL)中の異性体混合物としての化合物13.8A(50mg、0.38mmol)、アジ化ナトリウム(86.5mg、1.33mmol)、および臭化亜鉛(300mg、1.33mmol)の溶液に、200℃で6時間、マイクロ波照射を行った。室温に冷却した後、反応混合物を2NのHCl溶液で処理し、EtOAcで抽出し、H
2Oで洗浄し、そして減圧下で濃縮した。HPLCによって分離(C18カラム、H
2O中の5%から99%のCH
3CN)すると、40.3mg(61%)の所望される生成物が、オレフィン異性体の2:1混合物として得られた。LC−MS m/z 175 (M+1);
1H NMR (400 MHz, DMSO−d
6) δ6.94 (m, 0.5 H), 6.87 (m, 1 H), 6.76 (m, 1 H), 6.40 (m, 0.5 H), 3.35 (m, 3 H)。
異性体を逆相HPLCによって分離した:Phenomenex(登録商標)Lune C18カラム(10μ、250×21.2mm)、H2O(1%v/vのTFAを含む)中の5%(v/v)のCH3CN(1%v/vのTFAを含む)から70%のH2Oまでの勾配、20ml/分、λ=280nm。
あるいは、異性体を順相HPLCによって分離した:Dynamax Micorsorb Si(prep)カラム(8μ、250×10mm)、ヘキサン(2%v/vのAcOHを含む)中の80%(v/v)のEtOAc(2%v/vのAcOHを含む)から99%のEtOAcまでの勾配、7.5ml/分、λ=280nm)。
異性体の溶出の順序は、順相カラムおよび逆相カラムの両方について同じである。
異性体1(高Rf異性体):
1H NMR (400MHz, MeOD): d 6.79 (2H, m), 3.42 (2H, m)。HPLC/MS:Discovery(登録商標)C18カラム(5μ、50×2.1mm)、H2O(1%v/vのTFAを含む)中の5%v/vのCH3CN(1%v/vのTFAを含む)からH2O中の99%v/vのCH3CNまでの勾配、0.75mL/分、tr=1.10分、ESI+=174.9(M+H)。
異性体2(低Rf異性体):
1H NMR (400MHz, MeOD): d 6.98 (1H, m), 6.44 (1H, m), 3.33 (2H, m)。HPLC/MS:Discovery(登録商標)C18カラム(5μ、50×2.1mm)、H2O(1%v/vのTFAを含む)中の5%v/vのCH3CN(1%v/vのTFAを含む)からH2O中の99%v/vのCH3CNまでの勾配、0.75mL/分、tr=1.11分、ESI+=175.1(M+H)。
中間体化合物13.8Aを、異性体混合物として、以下の工程を使用して調製した:
工程A:2,4−ジヒドロ−シクロペンタピラゾール−3−カルボン酸エチルエステルおよび2,6−ジヒドロ−シクロペンタピラゾール−3−カルボン酸エチルエステル(混合物)の調製
化合物13.8Bは、ピラゾールエステルの調製について本明細書中に記載した方法と同様の方法を使用して対応するケトンから調製した(実施例13.1および13.2を参照のこと)。フェニルエーテル(25mL)中の化合物13.8B(2.0g、8.19mmol)の溶液を、窒素下で潅流(250〜260℃)させながら2時間加熱した。
溶液を室温に冷却した後、これをSiO2カラムに載せ、DCMでフラッシュしてフェニリガンドエーテルを洗い流し、EtOAc/Hex(1/3)で溶出させると、1.05g(72%)の化合物13.8Cがオレフィン異性体の混合物として得られた。LC−MS m/z 179(M+1)。
工程B:2,4−ジヒドロ−シクロペンタピラゾール−3−カルボン酸アミドおよび2,6−ジヒドロ−シクロペンタピラゾール−3−カルボン酸アミド(混合物)の調製
異性体混合物としての化合物13.8C(1.0g、5.61mmol)を、最少量のジオキサン(<5mL)に溶解させ、堅く密閉した容器の中で28%の水酸化アンモニウム溶液(100mL)と混合した。溶液を室温で24時間攪拌し、減圧下で濃縮すると、化合物13.8Dが異性体混合物として、定量的収量の固体として得られた。LC−MS m/z 150(M+1)。
工程C:2,4−ジヒドロ−シクロペンタピラゾール−3−カルボニトリルおよび2,6−ジヒドロ−シクロペンタピラゾール−3−カルボニトリル(混合物)の調製
アセトニトリル(30mL)中の異性体混合物としての化合物13.8D(0.80g、5.36mmol)および炭酸カリウム(0.445g、3.22mmol)の懸濁液に、POCl
3(0.785mL,8.58mmol)を室温で添加した。反応混合物を、還流させながら2時間加熱した。減圧下での濃縮後、残渣をEtOAc(150mL)で稀釈し、H
2Oおよび食塩水で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、そして濃縮すると、141mg(20%)の化合物13.8Aが異性体混合物として得られた。LC−MS m/z 132(M+1)。
実施例13.9:3−(1H−テトラゾール−5−イル)−4,6−ジヒドロ−1H−フロ[3,4−c]ピラゾール(化合物9)の調製
化合物9を、実施例13.1に記載した様式と同様の様式で調製し、NMRとMSによって特性決定した;LC−MS m/z 179 (M+1);
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ5.07 (t, J = 2.2 Hz, 2 H), 4.92 (t, J = 2.2 Hz, 2 H)。
実施例13.10:5−エチル−3−(1H−テトラゾール−5−イル)−2,4,5,6−テトラヒドロ−シクロペンタピラゾール(化合物10)の調製
化合物10を、実施例13.1に記載した様式と同様の様式で調製し、NMRとMSによって特性決定した;
1H NMR (MeOD, 400 MHz): d 3.07 (1H, dd, J = 14.8, 7.6 Hz), 2.94−2.82 (2H, m), 2.51 (1H, dd, J = 15.2, 6.8 Hz) 2.41 (1H, dd, J = 13.6, 5.6 Hz), 1.6 (2H, m), 1.02 (3H, t, J = 7.2 Hz)。HPLC/MS:Discovery(登録商標)C18カラム(5μ、50×2.1mm)、H
2O(1%v/vのTFAを含む)中の5%v/vのCH
3CN(1%v/vのTFAを含む)からH
2O中の99%v/vのCH
3CNまでの勾配、0.75mL/分、t
r=1.42分、ESI
+=205.2(M+H)。
実施例13.11:5−(5−イソプロピル−1H−ピラゾール−3−イル)−1H−テトラゾール(化合物11)の調製
化合物11を、本明細書中に記載した様式と類似の様式で、または当該分野で公知の方法によって調製した。
出願人らは、本発明の任意の実施形態から任意の1つ以上の化合物を排除する権利を留保する。出願人らはまた、例えば、ナイアシン、ナイアシンアナログ、もしくはナイアシン受容体アゴニスト、任意のナイアシン受容体部分的アゴニストの任意の処方物または量、あるいは任意の併用療法を排除する権利も留保する。
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当業者の範囲である開示される発明の改良および拡大は、上記開示と以下特許請求の範囲に含まれる。