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JP2008502358A - 転写因子のshineクレードおよびその使用 - Google Patents

転写因子のshineクレードおよびその使用 Download PDF

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JP2008502358A
JP2008502358A JP2007527073A JP2007527073A JP2008502358A JP 2008502358 A JP2008502358 A JP 2008502358A JP 2007527073 A JP2007527073 A JP 2007527073A JP 2007527073 A JP2007527073 A JP 2007527073A JP 2008502358 A JP2008502358 A JP 2008502358A
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アハロニ、アサフ
ディキシット、シタル
ペレイラ、アンディ
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プラント・リサーチ・インターナショナル・ビー.・ブイ.
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Abstract

本発明は、新規な表現型を有する遺伝子導入植物、特に増強された耐乾性を示す遺伝子導入植物の分野に関する。植物に対して新規な表現型を与えるのに有用な物質をコードするSHINEタンパク質および核酸配列が提供される。

Description

発明の分野
本発明は、SHINEクレードと呼ばれる転写因子の新規なクラス、ならびに植物に様々な新規な表現型(例えば、耐乾性およびその他の水に関する表現型、植物裂開領域の不裂開(例えば雄性不稔または果皮耐性を与える)および細胞分離または細胞−環境界面に関与したその他の細胞層の修飾)を与えるための、SHINEクレード転写因子の使用に関する。本発明は、修飾するためにまたは新規な植物表現型を与えるために有用な、SHINE(SHN)タンパク質をコードする核酸配列、またはその機能的な断片を提供する。さらに、単離されたSHINEタンパク質、キメラ遺伝子、核酸ベクター、組み換え体微生物および植物、ならびに新規な植物表現型を与えるためのSHINE(SHN)核酸配列を使用する方法および手段が提供される。
発明の背景
植物と周辺環境との間の境界面は、防護壁としての役割と、ガス、水および栄養素の交換の媒体としての役割を果たす。主要な気生植物表面(葉および茎、花、果実を含む)は、クチクラによって覆われ、保護膜として機能し、水分損失を制御する役割を果たし、かつ周辺環境 (例えば病原体障害、虫害、機械的損傷、紫外線、凍結)に対して植物を保護する (Sieber et al. 2000, Plant Cell 12, 721-737) 。それは、主に脂質で構成された異種混合層 (すなわちクチンおよびクチクラ内ワックス、表面に堆積されたエピクチクラワックス)であり、表皮の透過性および気孔以外からの水分の損失を制御する重要な役割を有する。保護クチクラなしでは、ほとんどの陸上植物の蒸散は非常に迅速になり、死に至る。従って、クチクラ代謝および表皮表面の構造は、植物の水の管理を決定づけ、かつ環境ストレス、非生物的ストレス (例えば、干ばつ、凍結、塩化、風化、金属など) および生物ストレス (植物病原菌または昆虫) から植物を保護する重要な因子である。さらに、クチクラ層はまた、ポスト生殖器融合および花粉雌しべ相互作用の防止を含む正常な植物発生プロセスにおける役割を有し、このようなプロセスにおけるクチクラ透過性がまた、シグナル分子の通過を増強または減衰させることによって、細胞と細胞のコミュニケーションに影響を及ぼすであろうことが示唆される(Pruitt et al. 2000, PNAS USA 97, 1311-1316; Sieber at al. 2000, supra) 。そのようなシグナルは、例えば、器官付着を必要とするか(クチクラを横切って移動)、または糸状体と気孔との間のシグナリングを仲介する(発達中の表皮内を移動) (Lolle et al., 1997, Dev. Biol. 189, 311-321; Krolikowski et al., 2003, Plant J. 35, 501-511) 。
生物および環境ストレスに対する耐性が植物生産性(収量と製品品質)に直接の影響を与え、ストレス耐性を与えるかまたは増強するための機構は広く研究され、環境ストレス耐性を与えるための様々な手法が当該技術分野において発表されてきた。世界規模で対処しなければならない最も深刻な非生物的ストレスのうちの1つは、乾燥ストレスまたは脱水ストレスである。世界の農地の10分の4は、乾燥地域または半乾燥地域にある。それとは別に、さらに、比較的多い降雨の地域で栽培される植物でも、栽培期を通して干ばつにさらされるおそれがある。多くの農業地域、特に開発途上国は、一貫して低い降雨量の地域が多く、収穫量を維持するために潅漑に頼っている。水は多くの地域において不足しており、その価値は地球温暖化とともに確実に上昇するであろう。その結果、収穫量を維持し(または収穫量を増やし)、かつ利用可能な水が少ない地域において高品質の作物を収穫するために、耐乾性作物に対する要求が高まっている。見積もりでは、1kgの綿の産生には潅漑農業では約15,000リットルの水を必要とし、1kgのイネの収穫には4000リットルの水を必要とする。短期および長期の干ばつに対して作物に耐性を与えまたはその耐性を増強し、かつ潅漑農業で栽培された作物の水の必要量を減少させることは、明らかに重要な課題である。
耐乾性のための品種改良(例えば製造業者補助による)は可能であり、かつある範囲の作物種(主に穀類、例えばトウモロコシ、陸稲、コムギ、モロコシ、トウジンヒエ、およびその他の作物種、例えばササゲ、キマメ、インゲンマメ)について探求されているが、耐乾性は多くの遺伝子座の相互作用および遺伝子環境の相互作用によって決定された複雑な特徴であるため、極めて困難かつ単調な作業を要する。それゆえに、高収量の作物品種および育種系統に容易に形質転換し得る単一の優性遺伝子が追求されている。大部分の水が葉を通して蒸散によって失われるので、従来の多くの研究手法は葉の形質変化を通して水の蒸散を抑制することに焦点を当ててきた。例えば、WO00/73475には、タバコ表皮細胞および孔辺細胞内におけるトウモロコシ由来のC4 NADP+リンゴ酸酵素の発現について記載されている。この開示内容によれば、気孔開度を調節することによって植物の水利用効率が増加する。他の手法は、例えば耐水性を増加させるために植物内において糖のような浸透保護物質(例えば、トレハロース生合成酵素)を発現させることを伴う(例えば、WO99/46370を参照)。また、他の手法は、植物の根の構造を変化させることに焦点を当ててきた。
これまでの耐乾性を増強する他の有望な手法には、様々なAP2/EREBP(エチレン反応性成分結合タンパク質)転写因子(WO98/09521)をコードする、CBF/DREB遺伝子の過剰発現 (DREBとは脱水反応性成分結合; DRE結合をいう) がある。シロイヌナズナにおけるCBF/DREB1タンパク質の過剰発現は、凍結耐性の増加をもたらし (凍結誘導性脱水耐性ともいう) (Jaglo-Ottosen et al., Science 280, 104-106, 1998; Liu et al., Plant Cell 10, 1391-1406, 1998; Kasuga et al., Nat. Biotechnol. 17, 287-291, 1999; Gilmour et al. Plant Physiol. 124, 1854-1865, 2000)、かつ、水の不足または強い塩性への露出によって引き起こされる脱水に対する該組換え植物の耐性を増強した (Liu et al., 1998, supra; Kasuga et al., 1999, supra)。他のCBF転写因子(CBF4)は、シロイヌナズナにおいて干ばつ順応の調節装置になることが記載されている (Haake et al. 2002, Plant Physiology 130, 639-648) 。
多数の植物種(例えばアブラナ科およびナス科)において耐乾性を増強する幾つかの遺伝子の有用性にもかかわらず、作物中において発現したときに耐乾性を与えるかまたは向上させる能力をもつ他の遺伝子の同定についての要求がある。一つの実施態様において、本発明は、この要求を満たす遺伝子およびタンパク質の新規なファミリーを提供する。葉と外界との間の保護層を形成するクチクラとは別に、植物は、様々なその他の保護層または細胞分離層(例えば「裂開領域」および木栓質層)を形成する。裂開領域は、細胞壁分離プロセス(例えば、葉、花、果実(例えば、さやまたは長角果)の脱離)中に形成された細胞層またはその他の裂開において形成された細胞層である。アブラナ科(Brassicaceae)は、二つの心皮弁(子房壁)がレプルム(二つの心皮を分ける可視的縫合線)で結合されたさや(pod)(長角果(siliques))の形態において果実を産生する。裂開領域は、弁の全長/レプルム境界に沿って延びる厚みにおける一つから三つの細胞の層である(Meakin and Roberts, 1990, J. Exp. Botany 41: 995-1002)。裂開領域における細胞が互いに分離するとき、弁はレプラムから分離し、種子が分散してしまう(しばしば未成熟な段階で)。この現象はさや飛散または種子飛散と呼ばれる。未成熟な段階での飛散は、アブラナ属、例えばセイヨウナタネ(ナタネ油または「カノーラ油」 エルカ酸およびグルコシノラートの値がある一定の閾値を下回る場合)における著しい収量の喪失をもたらす。飛散抵抗性の育種は事実上不可能なため(該特徴における遺伝的変異がない)、さや関連植物(例えばセイヨウナタネまたはダイズ)に飛散抵抗性を与えるために、遺伝子組換え手法が探求されている。これまで、このような手法は、例えばシロイヌナズナにおいて同定された「閉果1」(IND1)と呼ばれる遺伝子(WO017951を参照)、MADS-Box遺伝子AGL1、AGL5およびAGL8 (FUL) (WO99/00503)、またはSGT10166遺伝子(WO0159122)を必要とした。遺伝子組換えによるさや飛散の手法における困難性の一つには、一方では二つのさやの弁の容易な分離を妨げることを望みながら、他方では種子を収穫するために弁を分離できるようにしなければならないことにある。
開花植物におけるその他の裂開プロセスには、葯の裂開があり、葯が開いて花粉粒を環境下に放出する。2つのプロセスは、葯の裂開、すなわち、口辺細胞(葯の全長を走る特殊化された群の細胞種)で起こる葯壁の開裂、および花粉を露出する葯壁の逆位に寄与すると考えられる。葯壁の分割は、口辺細胞での細胞と細胞の分離に関与する。葯の発達および裂開には多くの遺伝子が関与している。Goldberg et al., 1993 (The Plant Cell Vol. 5, 1217-1229) の概要を参照されたい。植物からの花粉の放出を減少または防止させること、あるいは花粉の放出時期を変化させることには、雄性不稔植物の生産や(例えば、ハイブリッド種子の生産について有用である。WO9626283; Mariani et al. 1990, Nature 347, 737-741; Mariani et al. 1992, Nature 357, 384-387を参照)、アレルゲン性の危険性または遺伝子組換え植物の花粉を環境下に放出する危険性のために望ましくない花粉の放出の防止(または減少)といった著しい利益がある。雄性不稔を与えるこれまでに使用された組換え型手法には、葯の発達中における特異的な細胞種(例えば、絨緞組織層)の選択的破壊を導く細胞障害性タンパク質をコードする遺伝子(例えばバルネース遺伝子(Mariani et al. 1990 and 1992, supra)の組織特異的発現を伴うものがある。
しかしながら、植物(特に作物)に飛散抵抗性または雄性不稔を与えるために適した新規な遺伝子を同定する要求が依然として存在する。一つの実施態様において、本発明は、この要求を満たす遺伝子およびタンパク質の新しいファミリーを提供する。
上述したように、植物中に形成されるその他の保護層には、機能的にはクチン層に関連し、特定の組織からの水の喪失を防ぎ、病原体の侵入を遮断し、細胞壁を強化する木栓質層がある。木栓質は、地下植物の細胞表面(例えば根の内皮)の保護層および細胞壁における強化成分(例えば、根の内皮の細胞壁および草本の維管束鞘細胞におけるカスパリー条)として形成される。木栓質はまた、樹皮中に形成されたコルク細胞を覆い、創傷後の瘢痕組織として、例えば葉の器官脱離後の保護層として、あるいは傷ついたジャガイモ塊茎の表面上に堆積する(Kolattukudy 1981, Ann. Rev. Plant Physiol.; Nawrath 2002, The biopolymers cutin and suberin, “The Arabidopsis Book”, Eds. C.R. Sommerville and E.M. Meyerowitz, American Society of Plant Biologists, Rockville, MD)。クチンと同様、木栓質は脂肪酸の複雑な混合物からなり、さらにフェノール化合物、例えばフェルラ酸を含む。Genes involved inコルク質化に関与しかつ植物中の木栓質形成を修飾するのに役立つ遺伝子は、一般に、例えば塊茎の創傷治癒性を向上させるかまたは根形成を増強させるために望ましい。
先行技術は、植物保護層(表皮およびクチクラ、木栓質層)および細胞と細胞の分離プロセスに関与する細胞層の修飾に有用な、新規な遺伝子および方法に対する継続的な要求が存在することを示している。本発明は、植物表面と周囲環境との間の境界面(表皮層の創傷部位、根冠細胞およびいくつかの器官)の形成および代謝に影響を与え、かつ細胞と基底上の細胞層(例えば裂開領域と離層帯)または基底下の細胞層(例えば内皮との間の境界面の形成および代謝に影響を与える新規クラスの遺伝子を提供する。さらに、本発明は、新規表現型、特に、耐乾性または抵抗性、雄性不稔性、種子飛散抵抗性、より多果肉かつ高濃度可溶性固体の果実(例えばトマト)、向上した創傷治癒性質を示す植物(特に塊茎)またはコルク細胞のコルク化が増強された木質樹木を作り出すための、このクラスの遺伝子を使用する方法を開示する。
定義
用語「核酸配列」(または核酸分子)は、単鎖または二本鎖形態におけるDNAまたはRNA分子、特に、本発明によるタンパク質またはタンパク質断片をコードするDNAを意味する。「単離された核酸配列」とは、それが単離される自然環境(natural environment)中にはない核酸配列、例えば、細菌宿主細胞中または植物核中もしくは色素体ゲノム中の核酸配列を意味する。
用語「タンパク質」または「ポリペプチド」は相互に交換可能に使用され、特異的な作用様式、大きさ、3次元構造または起原に関係なく、アミノ酸鎖からなる分子を意味する。SHINEタンパク質の「断片」または「部分」は、「タンパク質」として言及され得る。「単離されたタンパク質」とは、その自然環境中にはないタンパク質をいうために使用され、例えばインビトロまたは組み換え細菌または植物宿主細胞中のタンパク質をいう。
用語「遺伝子」は、ある領域 (転写された領域)を含むDNA塩基配列を意味し、細胞中でRNA分子(例えばmRNA)に転写され、適切な制御領域(例えばプロモーター)に作動可能に結合する。遺伝子には、幾つかの作動可能に連結した配列、例えばプロモーター、例えば翻訳開始に関与する配列を含む5'リーダー配列、(タンパク質)コーディング領域 (cDNAまたはゲノムDNA)および例えば転写終結部位を含む3'非翻訳配列が含まれる。
「キメラ遺伝子」(または組み換え体遺伝子)は、生物種中において天然には見出されない任意の遺伝子を意味する。天然において互いに関連性がない核酸配列の一以上の部分が存在する。例えば、プロモーターは、転写された領域の一部もしくは全てと、または他の制御領域と天然において関連性がない。用語「キメラ遺伝子」には、プロモーターまたは転写制御配列が、一以上のコーディング配列またはアンチセンス鎖(センス鎖の逆相補鎖)または逆方向反復配列(センスおよびアンチセンス、転写によってRNA転写物が二本鎖RNAを形成する)に作動可能に連結された発現構築物が含まれることが理解される。
「遺伝子の発現」は、適切な制御領域に作動可能に連結されたDNA領域、特にプロモーターが、生物学的に活性のある、すなわち、生物学的に活性なタンパク質またはペプチド(または活性なペプチド断片)に翻訳され得るかまたはそれ自体が活性を示す(例えば、転写後の遺伝子サイレンシングまたはRNAi) RNAに転写されるプロセスをいう。一定の実施態様における活性タンパク質は、リプレッサードメインが存在するためにドミナントネガティブ機能を有するタンパク質を意味する。コーディング配列は、好ましくはセンス配位中にあり、所望の生物学的活性のあるタンパク質またはペプチド、または活性ペプチド断片をコードする。遺伝子抑制手法において、DNA配列は、アンチセンス中またはセンス中およびアンチセンス配位中の標的遺伝子の短鎖を含む、好ましくはアンチセンスDNAまたは逆方向反復DNAの形態において存在する。「異所的発現」とは、遺伝子が通常発現しない組織中における発現をいう。
「転写制御配列」は、転写制御配列に作動可能に連結された(コーディング)配列の転写率を制御し得る核酸配列として本明細書中において定義される。本明細書中において定義された転写制御配列には、例えばアテニュエーターまたはエンハンサーを含む、転写を維持および制御するための、転写の開始に必要な全ての配列要素(プロモーター要素)が含まれる。その大部分がコーディング配列の上流(5')の転写制御配列であるが、コーディング配列の下流(3')に見出された制御配列もまたこの定義によって包含される。
本明細書中において使用されるとき、用語「プロモーター」とは、遺伝子の転写開始部位の転写の方向について上流に位置する、一以上の遺伝子の転写を制御するために機能する核酸断片を意味する。プロモーターは、DNA依存型RNAポリメラーゼのための結合部位、転写開始部位および任意の他のDNA配列(リプレッサーおよびアクチベータータンパク質結合部位を含むが転写因子結合部位には限定されない)、ならびに任意の他の配列(プロモーターからの転写の量を直接的または間接的に制御する当業者に周知のヌクレオチド配列)の存在によって構造的に同定される。「恒常的」プロモーターは、大部分の生理学的および発生学的条件下における大部分の組織中において活性を示すプロモーターである。「誘導性」プロモーターは、生理学的または発生学的に制御されたプロモーターである(例えば、ある化合物の外部適用によって)。「組織特異的」プロモーターは、特異的な種類の組織または細胞においてのみ活性を示すプロモーターである。
本明細書中において使用されるとき、用語「作動可能に連結」とは、ある機能的関係におけるポリヌクレオチド要素の連結を意味する。核酸は他の核酸配列と機能的関係に配置されたときに「作動可能に連結」される。例えば、プロモーター(より正確には転写制御配列)は、それがコーディング配列の転写に影響を与える場合、コーディング配列に作動可能に連結される。作動可能に連結されたとは、典型的には連結されるDNA配列が近接していることを意味し、二つのタンパク質をコードする領域を連結させる必要がある場合、近接させて読み取り枠内において「キメラタンパク質」を産生させる。「キメラタンパク質」または「ハイブリッドタンパク質」は、天然には見出されないが機能的タンパク質を形成するために連結された様々なタンパク質「ドメイン」(またはモチーフ)で構成されたタンパク質である。これらのタンパク質は連結されたドメインの機能性を示す(例えば、DNAの結合または抑制がドミナントネガティブ機能を導く)。キメラタンパク質はまた、天然に生ずる二つ以上のタンパク質の融合タンパク質であってもよい。用語「ドメイン」が本明細書中において使用されるとき、少なくともドメインの機能的特徴をもつ新規なハイブリッドタンパク質を提供するために他のタンパク質に転移可能な特異的な構造または機能をもつタンパク質の任意の部位またはドメインを意味する。特異的なドメインはまた、転写因子のSHINEクレードに属するタンパク質膜(例えば、他の植物種由来のSHINE相同分子種)を同定するためにも使用され得る。SHINEタンパク質中に見出されたドメインの例には、AP2ドメイン、「mm」ドメインおよび「cm」ドメインがある。
用語「標的ペプチド」は、あるタンパク質を、細胞内小器官、例えば色素体、好ましくは、葉緑体、ミトコンドリア、または細胞外スペース(分泌シグナルペプチド)に到達させるアミノ酸配列をいう。標的ペプチドをコードする核酸配列は、タンパク質のアミノ酸末端(N−末端)をコードする核酸配列に(読み取り枠内において)融合し得る。
「核酸構築物」または「ベクター」は、本明細書中において組み換えDNA技術の使用から生じるヒト作製核酸分子を意味することが理解される。これらは、宿主細胞に外来性DNAを送達するために使用される。ベクターの主要素は、例えば、当該技術分野において知られ、本明細書の他の箇所に記載された、二成分または超二成分(superbinary)ベクター (例えばUS5591616、US2002138879およびWO9506722を参照)、共統合(co-integrate)ベクターまたはT-DNAベクターとすることができる。適切な転写制御配列が既に存在する場合、所望の核酸配列(例えば、コーディング配列、アンチセンスまたは逆方向反復配列)のみが転写制御配列の下流に統合される。ベクターは、分子クローニングの使用を容易にする遺伝子要素、例えば選択的マーカー、マルチクローニングサイトおよびこれらに類するものをさらに含む(以下を参照)。
「宿主細胞」または「組み換え宿主細胞」または「形質転換細胞」は、少なくとも一つの核酸分子、特に所望のタンパク質、あるいは核酸配列{前記細胞に導入された、転写によって標的遺伝子/遺伝子ファミリーをサイレンシングさせるためのアンチセンスRNAまたは逆方向反復RNA(またはヘアピンRNA)を産生する核酸配列}をコードするキメラ遺伝子を含む核酸分子の結果として生じる新規な個々の細胞(または器官)を意味する用語である。宿主細胞は、好ましくは植物細胞または細菌細胞である。宿主細胞は、染色体外 (エピゾーム) 複製分子としての核酸構築物を含んでもよく、またはより好ましくは、宿主細胞の核または色素体ゲノム中に統合されたキメラ遺伝子を含んでもよい。用語「選択可能なマーカー」は、当業者に周知の用語であり、本明細書中において、発現したときに、選択可能なマーカーを含む一つまたは複数の細胞を選択するために使用され得る任意の遺伝子単位を記載するために使用される。選択可能な標識遺伝子産物は、例えば抗生物質耐性を与え、あるいは好ましくは、除草剤耐性または他の選択可能な形質、例えば表現型形質 (例えば色素形成の変化) または栄養要求を与える。用語「レポーター」は、可視化マーカー、例えば緑色蛍光タンパク質(GFP)、eGFP、ルシフェラーゼ、GUSおよびこれらに類似するものをいうために主として使用される。
用語、遺伝子またはタンパク質の「相同分子種(ortholog)」とは、他の生物種において見出された相同性遺伝子またはタンパク質をいう。これらは、前記遺伝子またはタンパク質と同じ機能を有するが、生物種が分岐した遺伝子(すなわち、種分化によって共通祖先から進化した遺伝子)をもつ時間点から配列において(通常)分岐する。 シロイヌナズナshn1、shn2およびshn3遺伝子の相同分子種は、配列比較(例えば、全配列または特異的ドメインに関する配列同一性のパーセンテージに基づいた)および機能分析の両方に基づいて、他の植物種中において同定され得る。
用語「相同性」および「異種性」とは、特に遺伝子組み換え生物体の文脈中において、核酸またはアミノ酸配列間の関係、およびその宿主細胞または生物体間の関係をいう。相同性配列は、宿主生物種において天然に見出され(例えばトマト遺伝子で形質転換されたトマト植物)、他方、異種性配列は、宿主細胞において天然には見出されない(例えば、じゃがいも植物由来の配列で形質転換されたトマト植物)。文脈に依存しながら、用語「相同体」または「相同性」とは、共通の祖先配列(例えば、それらは相同分子種であってもよい)由来の子孫にあたる配列をいう場合がある。
「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」は、ヌクレオチド配列を同定するために使用され得、得られるヌクレオチド配列と本質的に同一である。ストリンジェントな条件は、配列依存的であり、異なる環境において異なるであろう。一般に、ストリンジェントな条件は、一定のイオン強度およびpHでの特異的な配列について熱の融点(Tm)よりも約5℃低くなるように選択される。Tmとは、標的配列の50%が完全にマッチしたプローブとハイブリダイズする温度をいう(一定のイオン強度およびpHで)。典型的にストリンジェントな条件は、塩濃度がpH 7で約0.02 molarであり、かつ温度が少なくとも60℃である。塩濃度を低下させること、および/または温度を上昇させることは、ストリンジェンシーを増加させる。RNA-DNAハイブリダイゼーション (例えば100ntのプローブを使用するノーザンブロット) のためのストリンジェントな条件とは、例えば0.2×SSC中において63℃で20分間にわたって少なくとも一回の洗浄を含む条件(またはこれに等価な条件)をいう。DNA-DNAハイブリダイゼーション (例えば100ntのプローブを使用するサザンブロット) のためのストリンジェントな条件とは、例えば0.2×SSC中において少なくとも50℃、通常は約55℃で20分間にわたって少なくとも一回の洗浄(通常二回)を含む条件(またはこれに等価な条件)をいう。また、 Sambrook et al. (1989) および Sambrook and Russell (2001)を参照されたい。
「配列同一性」および「配列類似性」は、世界的または局所的な整列アルゴリズムを使用して、2つのペプチドまたは2つのヌクレオチド配列の整列化によって決定され得る。配列(デフォルトパラメーターを使用するプログラムGAPまたはBESTFITによって至適に整列化されたとき)が配列同一性の少なくとも一定の最小パーセンテージを共有するとき、該配列は「実質的に同一」または「本質的に類似」として言及され得る。GAPは、Needleman and Wunschの世界的な整列化アルゴリズムを使用して二つの配列をその全長にかけて整列させ、マッチングの数を最大にし、ギャップの数を最小にする。一般に、ギャップデフォルトパラメーターは、ギャップ生成ペナルティー=50(ヌクレオチド)/8(タンパク質)およびギャップ伸長ペナルティー=3(ヌクレオチド)/2(タンパク質)で使用される。ヌクレオチドについて、使用されるデフォルトスコアリングマトリックスには、nwsgapdnaがあり、タンパク質について、使用されるデフォルトスコアリングマトリックスには、Blosum62 がある(Henikoff & Henikoff、1992年、PNAS 89, 915-919)。配列の整列化および配列同一性パーセンテージについてのスコアリングは、コンピュータープログラム(例えば、GCG Wisconsin Package, Version 10.3、Accelrys Inc., 9685 Scranton Road, San Diego, CA 92121-3752 USAから利用可能)を使用して決定され得る。代わりに、類似性パーセントまたは同一性パーセントは、FASTA、BLASTなどのようなデータベースに対して検索を行うことによって決定されてもよい。
本明細書および請求項において、動詞「含む」およびその活用形は、非制限的意味において使用され、単語に続く用語が含まれることを意味する。特に言及がない限り、その用語は除外されない。さらに、不定冠詞「a」または「an」による要素に対する言及は、文脈が一つおよび唯一の要素が存在することを明確に必要としない限り、一以上の要素が存在する可能性を除外しない。従って、不定冠詞「a」または「an」は、通常は「少なくとも一つ」を意味する。さらに理解されることは、本明細書中において「配列」について言及するとき、一般に、サブユニットの一定の配列を有する実際の物理的分子(例えばアミノ酸)が言及される。
発明の詳細な説明
本発明は、活性化タグ標識を使用して、SHN1と呼ばれるシロイヌナズナ(Arabidopsis)の遺伝子を単離してその特性を決定した。該遺伝子の過剰発現は、野生型と比較して植物表面構造における数多くの変化をもたらした。SHN1の活性化は、巻き状構造と、クチクラ浸透性、クチクラのワックスの容量/構造および表皮分化の変化を伴う、光沢のある深緑色の外観を有する葉をもたらした。SHN1遺伝子はクローン化されて配列が決定され、AP2/EREBPとして定義された転写因子に類似していることが見出された(Alonso et al. 2003, Science 301, 653-657)。最近では、この遺伝子がまた、シロイヌナズナにおける表皮ワックスの蓄積に関与する転写活性因子をコードすることが記載されている(Broun et al. 2004, PNAS Vol. 101, 4706-4711)。しかしながら、SHN1の他の機能については何ら開示されておらず、ワックスの堆積の活性化用途以外のSHN1遺伝子の使用についても何ら開示されていない。リーフワックスの容量および組成は、植物を水の喪失から保護する役割を果たすが、本発明者らは、驚くべきことにshn1の発現がクチクラ構造を変化させ、クチクラにおける水の喪失の増加をもたらすことを発見した。この発見は、Broun et al.(2004, supra)によって記載された表現型から予測されるものとは正反対であった。葉のクチクラの水の喪失は、気孔が閉じた後も続いた。これは気孔以外からの水の喪失が著しく増加したことを示す。さらに、SHN1の活性化に起因するクチクラ透過性の増加は、クロロフィル浸出実験を行ったときのクロロフィルのより大量の溶出によって立証された。さらに驚くべきことに、単子葉植物(例えばイネ)におけるSHNの過剰発現が、エピクチクラのワックスにおける変化を与えずに耐乾性を示す植物を導くことを見出した。その結果、観察されるエピクチクラのワックス層に対する変化は、耐乾性を生み出すことに関して機能的ではないことがわかり、耐乾性の表現型を与える修飾された表皮およびクチクラの性質が存在することがわかった。この驚くべき発見は、Broun et al. (supra)またはWO03/013228から予測することはできなかった。これらの開示からは、SHN遺伝子がエピクチクラのワックス層を修飾せずに植物または植物部位に耐乾性を与えうることは予測されないであろう。なぜなら、耐乾性を与えるメカニズムがワックス組成物または含量を変化させることに完全に依存していると予測されるからである。先行技術から結論づけられるであろう事実とは対照的に、本発明は、修飾されたエピクチクラのワックス層をもたない(すなわち、エピクチクラのワックスがSHNの過剰発現植物において変化せずにとどまっている)耐乾性植物を作製し得ることを示す。すなわち、この植物のワックス組成および含量は野生型と比較して変化していない。従って、この発見は、修飾されたクチクラおよび表皮を有するが(すなわち、耐乾性を有する)、エピクチクラのワックスが変化していない(野生型と同じ)耐乾性植物(特に単子葉植物であるが、双子葉植物でもよい)の産生を可能にする。同様に、器官特異的または組織特異的な発現が、エピクチクラのワックス組成および含量を修飾せずに当該部位の耐乾性/耐脱水性をもたらす。
遺伝子組換えシロイヌナズナ植物におけるSHN1 cDNAの恒常的発現は、表現型がよりはっきりと表れるものの、原型のアクティベーションタグラインと同じ表現型を示した。さらに、花の形態にも影響を与え、原型のタグラインにおける場合には無かった形態、すなわち、萼片と花の内部器官との間に折りたたまれて部分的に「隠れた」花弁をもたらす。さらに、遺伝子組換え35S::SHN1植物において、糸状体の数とその形態が著しく変化した。最も興味深いことは、遺伝子組換え系統における表皮細胞の分化が二つの方向に変化したことである。第一に、葉の背軸側にある敷石状細胞の密度が著しく減少し、第二に、気孔の密度が野生型と比較して著しく減少した。しかしながら、クチクラの透過性(水分の喪失とクロロフィルの浸出によって決定)は、原型のタグラインにおいて観察されるように再び増加し、この表現型は原型ラインよりも劇的であった。
SHN1の発現がクチクラの水の喪失の増加をもたらすという発見に基づけば、35S::SHN1形質転換体が耐乾性および回復の増強を示したことは非常に驚くべきことであった。気孔の数の減少の結果、改変されたクチクラを通した気孔以外からの水の喪失が明らかに増した。
In silico分析を使用して、SHN2およびSHN3と命名されたSHN1の二つの相同体が同定された(これらのコードするタンパク質の機能は当該技術において未だ開示されていない)。SHN2およびSHN3の過剰発現は、SHN1の過剰発現と同様の表現型をもたらし、SHN1〜SHN3の機能的関係が確認されている。SHINEクレードのタンパク質は、シロイヌナズナにおいて三つのメンバーからなり、それらの配列(特に唯一の配列モチーフ)および機能によって定義される。SHINEタンパク質は、AP2/EREBP転写因子の植物特異的ファミリーに属する。この転写因子のスーパーファミリーはシロイヌナズナにおいて141のメンバーを含む(Alonso et al. 2003, Science 301, 653-657)。
SHN1、SHN2およびSHN3の空間時間的な発現が、それぞれSHN1 (配列番号17)、SHN2 (配列番号18)およびSHN3 (配列番号19)のATGコドンが上流(5’)に位置する約2kbのゲノムDNAを含む形質転換ベクターを産生することによって分析された。GUSの発現のパターンは、いくつかの重なりが観察されるものの、本明細書の他の箇所に記載されるように、SHN1、SHN2およびSHN3が空間時間的な発現パターンを異ならせることを示した。
本発明による核酸配列およびタンパク質
本発明の一実施態様において、転写因子のSHINEクレードのメンバーの核酸配列およびアミノ酸配列が提供され(相同分子種を含む)、さらに、他の植物種のSHINEクレードの相同分子種を単離または同定するための方法が提供される。
転写因子の「SHINEクレード」は、特異的なアミノ酸配列のドメインの存在と、植物保護層の形成や植物細胞の分離プロセスにおけるタンパク質の関連したインビボ機能とを組み合わせることによって定義される。SHINEクレードには、シロイヌナズナSHNタンパク質(SHN1、SHN2およびSHN3)の相同分子種が包含される。但し、単子葉植物(イネ、トウモロコシ、コムギ、モロコシ、トウジンヒエ、オオムギおよびその他の穀類)由来の相同分子種、あるいは双子葉植物(例えば、アブラナ科(セイヨウナタネなど)、綿、豆、エンドウ豆、トマト、ジャガイモ、その他の野菜)由来の相同分子種には限定されない。SHINEクレードの二つの相同分子種のメンバーは、イネ(ジャポニカ種Oryza sativa cv japonica)において同定され、本明細書中において、OsSHN1 (配列番号10のcDNA配列によってコードされたアミノ酸配列番号14)およびOsSHN2 (配列番号23のcDNA配列によってコードされたアミノ酸配列番号24)と命名する。OsSHN1およびOsSHN2は、SHINEクレードのその他のメンバーが他の種(特に他の植物種)においてどのように同定され、かつ使用され得るのかを例証するために使用される。
タンパク質がSHINEクレードのメンバーであることについての指標を与えるために、SHINEクレードの主要な構造的および機能的特徴を以下に記載する。第一に、SHN1 (配列番号11)、SHN2 (配列番号12)およびSHN3 (配列番号13)、ならびにOsSHN1 (配列番号14)およびOsSHN2 (配列番号24)のアミノ酸配列を記載する。
SHN1、SHN2およびSHN3は、それぞれ199、189および186個の全長アミノ酸からなるタンパク質である。一方、OsSHN1は205個の全長アミノ酸、OsSHN2は243個の全長アミノ酸からなるタンパク質である。各々は、単一のAP2 DNA結合ドメイン、保存された中央ドメイン「mm」、および保存されたC末端ドメイン「cm」を含む。これらのドメインの共通配列は、以下の通りである:
共通の中央ドメイン「mm」(61個のアミノ酸) - 配列番号15
S-X-X-X-S-X-X-S/N-L-S-X-I/L-L-S/N-A-K-L-R-K-X-C-K-X-X-S/T-P-S/Y-L-T-C-L-R-L-D-X-X-S/K-S-H-I-G-V-W-Q-K-R-A-G-S/A-K/R-X-X-X-X-W-V-M/K-X-V/L-E-L
共通のC末端ドメイン「cm」(10個のアミノ酸) - 配列番号16
V/L/M/I-A-L/M-Q/E-M-I-E-E-L-L
(Xは任意のアミノ酸を意味し、共通配列はN末端側からC末端側に向かって順番に示している)。
「mm」ドメインの存在は、SHINEクレードのメンバーであることを識別できる特徴の一つである。特に、「cm」ドメインおよび/またはAP2ドメインと組み合わされた「mm」ドメインの存在が特徴的である。一実施態様において、SHNタンパク質は、少なくとも一つの「mm」ドメインを含むものとして定義され、保護層および/または細胞分離層の形成における機能性を有する。ここで、「mm」ドメインがその機能を失うことなく修飾され得ることが理解される。例えば、一つのアミノ酸の削除または置換(例えば保存的アミノ酸の置換)が、本発明による「mm」ドメインに存在してもよい。また、SHNタンパク質の「mm」ドメインは、配列の同一性の観点においても定義され得る。少なくとも55%以上、好ましくは少なくとも60%以上の配列同一性を有するドメインが本発明に含まれる(表2を参照)。
代替的または追加的に、SHNタンパク質は、その全長にかけてのアミノ酸配列の同一性によって定義されてもよい。SHNタンパク質は、その全長にかけて50%以上(例えば、55%、60%、70%、80%、90%以上)の配列の同一性を有し(表1を参照)、かつ中央ドメイン領域「mm」にかけて45%以上(好ましくは少なくとも50%、55%、57%、58%、59%、60%、70%、80%、90%、95%以上)の配列の同一性を有する(表2を参照)。
SHINEメンバーとSHINE以外のメンバーとを区別するために、受託番号At5g25190およびトマトLeERF1配列(受託番号AY077626)をもつシロイヌナズナの配列が表1において含まれている。双方ともにSHINE以外のタンパク質である。双方ともに共通中央ドメイン「mm」を欠き、その結果として、全配列の同一性が非常に低い(一般的にはSHINEタンパク質に対して40%未満の配列同一性を示す)。さらに、At5g25190の過剰発現は、このタンパク質の機能がSHN1、SHN2およびSHN3の機能と本質的に類似しておらず、それがおそらく中央ドメインの欠如に起因することを示した。この過剰発現の系統は、SHN遺伝子の過剰発現系統の表現型の特徴を示さないが、異なる機能を提示するその他の異なる表現型を示した。
Figure 2008502358
Figure 2008502358
従って、SHINEクレードのメンバーは、少なくとも一つの共通中央ドメインを含み、かつ好ましくはさらに少なくとも一つの共通C末端ドメインおよび/または少なくとも一つのAP2結合ドメインを更に含み、加えて、宿主植物中で発現したときにSHN1、SHN2、SHN3および/またはOsSHN1および/またはOsSHN2の機能と本質的に類似するインビボ機能を示すものとして定義され得る。「SHN1、SHN2、SHN3および/またはOsSHN1および/またはOsSHN2の機能と本質的に類似する機能」とは、植物保護層(クチクラ層および/または木栓質層)の発達/形成、および/または細胞分離プロセス(裂開および/または器官脱離)において立証された機能を有するタンパク質を意味する。
タンパク質の機能は、様々な既知の方法を使用して試験され得、好ましくは、試験対象のタンパク質を恒常的に発現する形質転換体の表現型を、SHN1、SHN2、SHN3および/またはOsSHN1および/またはOsSHN2を過剰発現する、同じ宿主種(およびその変種)(宿主ゲノムに安定的に組み込まれたキメラSHNをコードする遺伝子を含むものが好ましい)の形質転換体の表現型と比較する。これによって、形質転換体の表現型についての機能的効果の直接の比較が可能になる。いかなる形質転換実験においても、ゲノム中の位置効果および/またはコピー数などが原因で、形質転換体の表現型においてある程度のバラツキが観察されることが理解される。当業者は、例えば単一のコピー数のものを選択してその表現型を分析することによって、形質転換体を互いに比較する方法を知っている。インビボでの遺伝子/タンパク質の機能を決定または確認するその他の方法には、ノックアウト変異体の作製または一過性発現の研究が含まれる。また、プロモーター-レポーター遺伝子の発現の研究は、空間時間的な発現のパターンとタンパク質の役割についての情報を与えるであろう。
SHINEクレードのメンバーの恒常的な(過剰な)発現は、野生型または対照形質転換体と比較して次の一以上の表現型の変化をもたらす:
−クチクラ透過性の増加、特に気孔以外からの透過性の増加
−表皮細胞の分化に起因する気孔指数/密度の減少
−積載されたクチクラのワックスの(絶対的)増加および/またはワックス組成(相対的なワックス組成)の変化
−糸状体の数の減少および/または糸状体の構造の変化
−光沢のある緑色の葉および/または巻き状の葉。
しかしながら、好ましい実施態様において、過剰発現は、気孔指数/密度の減少を導くが、エピクチクラのワックス層の変化を導かない表皮の変化をもたらす。このような性質を示す植物または植物部位を産生または選択することによって、植物組織の外観は変化せずにとどまる(すなわち、葉は光沢を帯びずおよび/または巻き状にならず、積載されたワックスが増加せずおよび/またはワックスの組成が変化しない)。一方、植物(または植物部位)は、本明細書中の他の箇所に記載された一以上の新規な表現型を有する。好ましい実施態様において、これらの植物(または植物部位)は単子葉植物である。また、新規な表現型を有するが、エピクチクラのワックス層が修飾されていない双子葉植物(または植物部位)の産生または選択もまた可能である。表現「エピクチクラのワックス層が修飾されていない」とは、野生型のものと本質的に類似している層を意味する。すなわち、野生型が層を有しない場合、形質転換体も層を有さず、野生型が非常に薄い層を有する場合、形質転換体も非常に薄い層を有する。特に、エピクチクラのワックス含量および組成は、野生型のものと本質的に類似している。
「増加したクチクラ透過性」とは、クチクラを通して生じる (非気孔性) の水分損失を意味し、例えば、生重量損失実験またはクロロフィル浸出試験を行うことによって測定され得る。形質転換体のグラム生重量当りの水分損失の平均割合、および例えば1時間後の水分喪失の総量は、対照と比較して、具体的には少なくとも約3倍、5倍、10倍、またはより好ましくは約5〜10倍に著しく増加する。形質転換体のクロロフィル浸出は、組織サンプルにアルコール(例えば80%のエタノール)を加えることによって行われ、インキュベーションの一定期間後にサンプルの吸光度を測定する(Examples and Lolle et al. 1997, Dev Biol 189, 311-321を参照)。形質転換体の生重量当たりのクロロフィル浸出率、および例えば1時間後に浸出したクロロフィルの総量は、対照と比較して、特に少なくとも約3倍、5倍、10倍、12倍、15倍以上、好ましくは少なくと約5〜10倍に著しく増加する。例えば、対照では1時間後に1μmolクロロフィル/mg 生重量が浸出したのに対し、形質転換体では約12μmolクロロフィル/mg生重量が浸出する(例を参照)。
「変化した表皮分化」は、対照植物または組織と比較して、著しく減少した気孔の密度 ( 平方メートル当りの気孔の数) および気孔指数をいう。気孔の密度は、適切な対照と比較して、形質転換体の組織において少なくとも約15%、20%、30%以上減少する。気孔指数は、対照の気孔指数と比較して、少なくとも25%、より好ましくは少なくとも30%、40%、45%以上まで減少する。気孔指数は、例において記載されたように、葉(軸外)表面のインプリントを作製し、顕微鏡下で敷石状細胞および気孔を数えることによって決定し得る。気孔指数は、Mishra 1997 (Ann. Bot. 80, 689-692)によって計算し得る。
「増加したクチクラワックスの積載」は、対照組織サンプルと比較した、表面積当たりの抽出可能なクチクラ脂質の総量の増加を意味する。形質転換体のクチクラワックスの積載総量は、対照に対して少なくとも4倍、5倍、6倍、7倍(またはそれ以上)の平均倍増を示す。クチクラワックスの積載の増加は、例えば、走査型電子顕微鏡法(SEM)、または抽出および当該技術分野において知られ、例において記載された化学分析によって決定され得る。
「変化したワックス組成」は、ワックス層を構成する個々の成分の相対量における変化(すなわち質的変化)を意味する。特に、形質転換体において、アルカン、第二アルコールおよびケトンの相対量は、少なくとも5、6、7、8、9、10、11倍以上増加する。
「減少した糸状体の数」および/または「変化した糸状体の構造」は、野生型表皮表面と比較して、形質転換体における糸状体数の著しい減少 (少なくとも20%、30%、40%、50%以上) および/または糸状体構造の変化(特に枝分かれ状態)を意味し、また、表皮細胞分化の変化を示す。
これらの表現型は、修飾および改良された農学的特徴を有する遺伝子組換え植物または植物組織/器官を作製する際に利用することができ、例えば、耐乾性の強化および/または耐塩性の強化、ならびに本明細書中の他の箇所に記載されたようなその他の性質を強化することができる。
SHINEクレードのその他の推定上のメンバーは、in silicoで同定することができる。例えば、既存の核酸またはタンパク質データベース(例えばGENBANK、SWISSPROT、TrEMBL)において核酸またはタンパク質の配列を同定し、標準的な配列分析ソフトウェア、例えば配列類似性検索ツール(BLASTN、BLASTP、BLASTX、TBLAST、FASTAなど)を使用する。特に、共通の「mm」ドメインまたは「mm」ドメインに本質的に類似する配列をコードするアミノ酸配列または核酸配列の存在について、植物の配列データベース(例えば、イネのゲノムデータベース、コムギのゲノムデータベースなど)をスクリーニングすることが望ましい。少なくとも一つの「mm」ドメインを含むかまたはコードする推定上のアミノ酸配列または核酸配列が選択され、クローン化されてde novo合成される。そして、インビボでの機能性について、例えば、植物宿主における過剰発現によって試験される。
本発明によれば、「SHN1」、「SHN2」、「SHN3」ならびに「OsSHN1」および「OsSHN2」は、植物保護層および/または細胞分離層の形成における機能を含む、配列番号11、12、13、14および24の最も小さな生物学的活性断片を含む任意のタンパク質を意味する。これには、最も小さな活性断片を含むハイブリッドおよびキメラタンパク質が含まれる。好ましくは、少なくとも一つの「mm」コンセンサスドメインが存在する。より好ましくは、少なくとも一つのコンセンサス「cm」ドメインが存在する。また、SHN1、SHN2、SHN3ならびにOsSHN1およびOsSHN2の変異体、例えば配列番号11、12、13、14または24に本質的に類似するアミノ酸配列が、この定義において含まれる。これらの配列は、GAPプログラム(8のギャップ生成ペナルティーおよび2のエクステンションペナルティーを含む)を使用してペアの整列を使用して決定されたときに、アミノ酸配列の値で少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、97%、99%、99.6%、99.8%以上の配列の同一性を有する。タンパク質活性を著しく変化させずに、数個、好ましくは5〜10個、特に5未満のアミノ酸が付加、置換または削除された好ましいタンパク質が、この定義において含まれる。例えば、塩基性(例えば Arg、His、Lys)、酸性 (例えばAsp、Glu)、非極性 (例えばAla、Val、Trp、Leu、Ile、Pro、Met、Phe、Trp) または極性 (例えばGly、Ser、Thr、Tyr、Cys、Asn、Gln)の分類内での保存的なアミノ酸の置換は、SHNタンパク質の活性が著しく、好ましくは変化しない(または少なくとも負の方向に変化しない)限り、本発明の範囲以内にある。さらに、非保存的アミノ酸の置換は、SHNタンパク質の活性が著しく、好ましくは変化しない(または少なくとも負の方向に変化しない)限り、本発明の範囲内にある。
本発明によるSHNタンパク質は、天然源から単離されても、化学合成によって新たに合成してもよく(例えば、ペプチド合成機、Applied Biosystemsによって提供)、あるいは組換え体宿主細胞によって生成されてもよい。本発明によるSHNタンパク質は、モノクローナルまたはポリクローナル抗体を作るために使用され得、例えばサンプル中のSHNタンパク質の検出のために使用され得る(免疫化学的分析法およびキット)。
キメラまたはハイブリッドSHNタンパク質は、少なくとも一つの「mm」ドメインを含むが、さらに「cm」ドメインおよび/またはAP2ドメイン、または他のタンパク質由来のその他のドメインを含んでもよい。得られるキメラタンパク質の機能性がSHN1、SHN2、SHN3またはOsSHN1またはOsSHN2の機能性と本質的に類似している限りにおいて、ドメインは、SHNタンパク質どうしあるいはSHNタンパク質と他の無関係なタンパク質との間で交換されてもよい(ドメインスワッピング)。従って、例えばキメラSHNタンパク質が、SHN1由来のAP2ドメインと、SHN2由来の「mm」ドメインと、OsSHN1由来の「cm」ドメインとを含んでいてもよい。同様に、キメラSHNタンパク質が、少なくとも一つの「mm」ドメインを含んでいれば、その他の一以上のタンパク質ドメインがSHNタンパク質において通常は見出されないものであってもよい。例としては、安定化ドメイン、結合ドメイン(例えば、グルココルチコイド受容体において見出され、誘導能をもたらすようなホルモン結合ドメイン)などがある。他の実施態様において、SHN-リプレッサードメインの融合(例えば、後述するSHN-EARの融合)を含むキメラSHNタンパク質が提供される。遺伝子導入植物において、これらのキメラタンパク質の過剰発現は、さらに後述するようにドミナントネガティブな表現型をもたらす。SHN-リプレッサードメインの融合はまた、さらなるドメイン(例えばホルモン結合ドメイン)を融合させることを含んでもよい (例えばMarkel et al. 2002, Nucl. Acid Res. 30, 4709-4719を参照) 。
特定のドメインの機能、例えば「mm」または、「cm」ドメインの機能の分析は、SHNタンパク質中のドメインの全部または一部を削除するか、あるいはドメインに変異を導入し、SHNタンパク質の機能について得られた結果を分析することによって行われ得る。
また、SHNクレードのタンパク質、例えば、上記に定義したようなSHN1、SHN2、SHN3、OsSHN1およびOsSHN2タンパク質(この中には任意のキメラまたはハイブリッドSHNタンパク質が含まれる)、あるいは他の生物種由来の任意のSHNタンパク質をコードする核酸配列(ゲノムDNA、cDNA、RNA)が提供される。さらに、「mm」ドメインまたは「cm」ドメインをコードする核酸配列が提供される。遺伝暗号の縮重のために、異なる核酸配列が、同じアミノ酸配列をコードしていてもよい。SHN1、SHN2、SHN3またはOsSHN1またはOsSHN2をコードする全ての核酸配列は、SHN1、SHN2、SHN3およびOsSHN1およびOsSHN2としても表記され得る。与えられた核酸配列には、天然に生じるもの、人工的または合成的な核酸配列が含まれる。SHN1〜SHN3およびOsSHN1をコードする核酸配列の例は、配列番号1、2 および 3 (それぞれシロイヌナズナ由来のゲノムのSHN1、SHN2およびSHN3の配列)、配列番号4、5および6(それぞれシロイヌナズナ由来のSHN1、SHN2およびSHN3のRNA転写産物)、および配列番号7、8、9、10および23(それぞれSHN1、SHN2、SHN3、OsSHN1およびOsSHN2のcDNA)。配列がDNA配列として表されるとき、RNA分子の塩基配列は、チミン(T)がウラシル(U)によって置換されることを除いて同一であることが理解される。
また、SHN核酸配列の変異体および断片{例えば、定義されたストリンジェントなハイブリダイゼーションの条件下において、SHN核酸配列(SHN1、SHN2、SHN3および/またはOsSHN1および/またはOsSHN2など)にハイブリダイズする核酸配列}が含まれる。SHN核酸配列の変異体はまた、配列番号7、8、9または10または23に対して、少なくとも50%以上、好ましくは少なくとも55%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、99.5%、99.8%以上の配列同一性を有する核酸配列を含む。例えば、核酸ハイブリッド形成、PCR技術、in silico 分析および核酸合成など、多くの方法が、SHN核酸配列の変異体または断片を同定、合成または単離するために利用できることは明らかである。
本発明のSHNタンパク質をコードする核酸配列(特にDNA配列)は、後述するように、大量のSHNタンパク質(または例えばキメラSHNタンパク質)を産生する発現ベクターに挿入することができる。宿主における最適な発現のために、SHN DNA配列は、最も好ましくは植物遺伝子において、コドン使用頻度表(例えば、綿、ダイズ、モロコシまたはイネにおける発現により適したもの)を使用して、対象の植物属または種にある天然の遺伝子に対するコドン使用頻度を適用することによって、コドンを最適化することができる(Bennetzen & Hall, 1982, J. Biol. Chem. 257, 3026-3031; Itakura et al., 1977 Science 198, 1056-1063.)。様々な植物種についてのコドン使用頻度表は、例えば、池村(1993, In "Plant Molecular Biology Labfax", Croy, ed., Bios Scientific Publishers Ltd.) および中村ら(2000, Nucl. Acids Res. 28, 292.) および主要なDNA配列データベース(例えばドイツ、ハイデルベルクのEMBL)において公開されている。これに従えば、合成DNA配列であっても、同じかまたは実質的に同じタンパク質が産生されるように構築することができる。宿主細胞によっては好ましいコドン使用頻度を修飾するためのいくつかの技術は、特許および科学文献で見つけることができる。コドン使用頻度の修飾の正確な方法は、この発明については重要ではない。
上述したようなDNA配列に対する小さな修飾は、PCR介在型変異誘発によってごく普通に作製することができる(Ho et al., 1989, Gene 77, 51-59., White et al., 1989, Trends in Genet. 5, 185-189)。DNA配列に対するより大きな修飾は、利用可能な技術を使用しながら所望のコーディング領域のde novo DNA合成によってごく普通に行うことができる。
また、SHN核酸配列は、一以上のアミノ酸をタンパク質のN末端に付加あるいは削除することによって、SHNタンパク質のN末端が最適な翻訳開始領域を有するように修飾され得る。ときに好ましくは、植物細胞内で発現する本発明のタンパク質は、最適な翻訳開始のためにMet-AspまたはMet-Ala で始まる。AspまたはAlaのコドンは、既存のメチオニンの後に挿入されるか、あるいは第2のコドンValがAsp(GATまたはGAC)またはAla(GCT、GCC、GCAまたはGCG)についてのコドンによって置換され得る。DNA配列はまた、読み枠ではないスプラス部位を除去するように修飾されてもよい。
本発明のSHNの一実施態様において、SHN遺伝子発現は、上記に記載されたように、例えば他の箇所にも記載されたRNAi手法によって、宿主細胞、植物または特異的組織において下方制御される。SHN機能欠損の表現型 (宿主細胞、組織または植物全体の表現型)は、SHNタンパク質(定義されたもの)と(優性対立遺伝子)リプレッサードメインのタンパク質融合体をコードする核酸配列を発現させることによって生成される。「機能の喪失」は、宿主組織または生物体におけるSHNタンパク質機能の喪失を意味し、かつ分子レベルの機能(例えば、SHN転写因子の下流の標的遺伝子の転写活性の損失)、および好ましくはまた表現型レベルの機能(例えば、さや飛散抵抗性または雄性不稔性)を含む。例えば、機能欠損を与えるために、SHNタンパク質の融合体は、Hiratsu et al., 2003 (Plant J. 34:733-739)(参照によって本明細書中に含まれる)によって記載された12個のアミノ酸「EAR」リプレッサードメインとともに作製される。SHNタンパク質(定義されたもの)の任意の一つとのリプレッサードメイン融合体(本明細書中において「SHN-EAR」融合タンパク質と命名)は、下流の標的遺伝子の抑制を引き起こし、その結果、有効な機能喪失型の突然変異(ドミナントネガティブ効果)を与えうる。これらのリプレッサー融合体はまた、相同分子種遺伝子が未だ特定されていない異種植物における抑制を達成する。一実施態様において、リプレッサードメイン-SHNタンパク質のキメラ融合タンパク質 ( 特にSHN-EAR融合タンパク質 )をコードする核酸配列が提供される。さらに、前記核酸配列を含むベクター、ならびにキメラ遺伝子を含む宿主細胞、組織および/または生物体が提供される。SHNリプレッサードメイン融合タンパク質を生成するために、リプレッサードメインをコードする核酸配列は、SHNコーディング配列を含む核酸配列に翻訳段階で融合される。核酸配列(特にSHN-EAR) をコードするSHN-リプレッサードメインの融合タンパク質は、恒常的または特異的プロモーター ( 例えば、組織特異的または発生的に制御される ) の制御下に置かれる。恒常的発現は、SHN1、SHN2およびSHN3、またはこれらの相同分子種(例えば、OsSHN1またはOsSHN2)が機能するために発現し、かつ必要とされる全ての宿主組織における機能喪失を提供する。SHN-EARタンパク質の特異的な発現は、特異的な組織または状態において機能欠損を提供する。例えば、裂開領域特異的プロモーター(例えばSHN2プロモーター)がSHN-EAR融合タンパク質をコードする核酸に作動可能に結合したとき、葯と長角果の裂開領域においてSHN機能の喪失がもたらされる。
SHN-EAR融合タンパク質を生成するために、以下の12個の特異的なアミノ酸がSHNタンパク質のC末端に読み取り枠内において付加される: LDLDLELRLGFA(配列番号: 21)。SHN-EAR融合タンパク質を生成するために、核酸配列(例えば配列番号22)をコードするEARドメインが、SHNコーディング配列の3'末端に読み取り枠内において付加され、続いて停止コドン(例えばTAA)が続く。
配列番号:22(EARリプレッサーコーディング配列):
5'- CTG GAT CTG GAT CTA GAA CTC CGT TTG GGT TTC GCT (TAA) - 3'
SHNタンパク質が、植物細胞内で機能する当該技術において利用可能な他の抑制ドメインと作動可能に融合され得ることが理解される。この中には、動物性タンパク質のリプレッサードメイン、例えばショウジョウバエのENGRAILED (En) リプレッサードメインが含まれる。例えば、N末端の298のアミノ酸は、本発明によるSHNタンパク質に融合され得、ドミナントネガティブなキメラタンパク質が作製される(Markel et al. 2002, Nucleic Acid Research Vol 30, 4709-4719 および Chandler and Werr 2003, Trends in Plant Science Vol. 8, 279-285を参照; 両文献は参照によって本明細書中に組み込まれる)。リプレッサードメインは、ドメインに依存しながらC末端またはN末端でSHNタンパク質と融合され得る点に留意する。ドミナントネガティブな融合タンパク質をコードする核酸配列は、「ドミナントネガティブなキメラ遺伝子」と呼ばれ、また、宿主ゲノムに移行したときには、「ドミナントネガティブな導入遺伝子」(宿主ゲノム内に安定的に組み込まれるかまたは一過性に発現する)と呼ばれる。その他の植物のリプレッサードメインには、例えば、AGAMOUSのLEUNGおよびSEUSSのコリプレッサー、FLCならびにポリコームタンパク質がある。その他の動物性リプレッサードメインには、例えばWT1、eve、c-ErbAおよびv-ErbAおよびKruppel関連ボックスが含まれる (Chandler and Werr, 2003, supra and references thereinを参照)。
本発明の他の実施態様において、PCRプライマーおよび/またはSHN DNA配列を検出するためのプローブまたはキットが提供される。サンプルからSHN DNAを増幅する変性または特異的PCRプライマー対は、当該技術において知られた配列番号1〜10に基づいて合成され得る( Dieffenbach and Dveksler (1995) PCR Primer: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, and McPherson at al. (2000) PCR-Basics: From Background to Bench, First Edition, Springer Verlag, Germanyを参照 ) 。同様に、配列番号1〜10のDNA断片はハイブリダイゼーションプローブとして使用し得る。SHN検出キットには、SHN特異的プライマーおよび/またはSHN特異的プローブ、およびサンプル中のSHN DNAを検出するためのプライマーまたはプローブを使用する関連プロトコルが含まれ得る。このような検出キットは、例えば、ある植物が本発明のSHN遺伝子(またはその部分)で形質転換されるか否かを決定するために使用され得る。遺伝子コードの縮重のために、いくつかのアミノ酸コドンは、タンパク質のアミノ酸配列を変えることなく、他のものによって置換され得る。
他の実施態様において、本発明によるSHNタンパク質と特異的に結合する抗体が提供される。特に、SHN1、SHN2、SHN3またはOsSHN1またはOsSHN2、またはこれらの断片もしくは変異体に結合するモノクローナルまたはポリクローナル抗体がこの中に含まれる。抗体は、動物体内における抗原として本発明によるSHNタンパク質を使用することによって調製され得る。具体的方法としては、当該技術において既知の方法{ 例えば、Harlow and Lane "Using Antibodies: A laboratory manual"(New York: Cold Spring Harbor Press 1998) および Liddell and Cryer "A Practical Guide to Monoclonal Antibodies" (Wiley and Sons, 1991)において記載された方法 }が使用され得る。続いて、抗体は、SHNタンパク質を単離、同定、特性決定または精製するために使用され得る。抗体はSHNタンパク質に結合し、例えばサンプル中におけるSHNタンパク質を検出し、免疫複合体の形成を可能にし、免疫複合体の存在をELISA(酵素結合免疫測定法)または免疫ブロット分析によって検出する。また、与えられたサンプル中のSHNタンパク質、タンパク質断片またはエピトープを検出するために有用な、免疫学的キットが提供される。サンプルは、細胞、細胞上清、細胞懸濁液、組織などであってもよい。このキットには、SHNタンパク質および一以上の免疫検出試薬と結合する少なくとも一つの抗体が含まれる。
抗体はまた、その他のSHNタンパク質を、例えばELISAまたはウエスタンブロット法によって単離/同定するために使用され得る。
さらに、SHN1、SHN2、SHN3およびOsSHN1プロモーターを含む核酸配列が、本明細書中において提供される。転写制御配列は、配列番号1、2 および3のATGコドンの約2kb上流の配列に見出される。SHN1、SHN2およびSHN3の転写制御配列はそれぞれ配列番号17、18および19として本明細書中に提供され、OsSHN1の転写制御配列は 配列番号20として提供される。これらの転写制御配列は、キメラ遺伝子の構築のために使用され得、宿主または宿主細胞中で作動可能に連結された核酸配列を発現させるために使用され得る。特に、SHN1転写制御配列は、花序組織、根組織および長角果の離層帯において発現させるために使用され得る。SHN2転写制御配列は、葯と長角果の裂開領域における直接的な発現のために使用され得、雄性不稔性またはさや飛散抵抗性を生み出すために有用である。SHN3の転写制御領域は多くの組織において活性を有し、本質的には全ての器官および組織においてより広範な発現を検出するために使用され得る (例を参照) 。転写制御配列の組織特異性は向上され得、またはそこに作動可能に結合した核酸配列の直接的な発現に対してその能力が与えた配列の欠失断片を分析することによって特定し得る。このような欠失の分析は、非特異的 (バックグラウンド) 発現を引き起こす核酸部分の除去を可能にする。同様に、他のSHN遺伝子の転写制御配列は、TAIL-PCRのような既知の方法を使用して、ATGコドンのゲノムDNA上流をシークエンスすることによって単離され得る。
本発明によるキメラ遺伝子、ベクターおよび組換え体微生物
本発明の一実施態様において、SHNタンパク質をコードする核酸配列(例えばSHN-EARのような融合タンパク質を含む)は、上述したように、キメラ遺伝子を作製するために使用される。そして、このキメラ遺伝子を宿主細胞に移行させ、SHNタンパク質を宿主細胞内(例えば、細胞内、組織内、器官内または形質転換された細胞から誘導された生物体内)において産生させるためのベクターが使用される。宿主細胞は好ましくは植物細胞であるが、微生物の宿主(細菌、酵母、菌類、その他)が想定される。任意の作物性植物は好ましい宿主になり得る。任意の作物性植物としては、例えば単子葉植物または双子葉植物、例えば、トウモロコシ/モロコシ {Zea species、例えばZ. mays、Z. diploperennis (チャピュール)、Zea luxurians (グアテマラのブタモロコシ)、Zea mays subsp. huehuetenangensis (サンアントニオヒュイスタのブタモロコシ)、Z. mays subsp. mexicana (メキシコのブタモロコシ)、Z. mays subsp. parviglumis (バルサのブタモロコシ)、Z. perennis (多年生のブタモロコシ) およびZ. ramosa}、コムギ(Triticum 種)、オオムギ(例えばHordeum vulgare)、オート麦(例えばAvena sativa)、モロコシ(Sorghum bicolor)、ライ麦(Secale cereale)、ダイズ(Glycine spp、例えばG. max)、綿(Gossypium種、例えばB. napus、B. juncea、B. oleracea、B. rapaなど)、ヒマワリ(Helianthus annus)、タバコ(Nicotiana 種)、アルファルファ(Medicago sativa)、イネ(Oryza種、例えばO. sativaインディカ栽培品種群またはジャポニカ栽培品種群)、飼料草、トウジンヒエ(Pennisetum spp、例えばP. glaucum)、樹木種、野菜種、例えばトマト(Lycopersicon ssp)(例えばLycopersicon esculentum)、ジャガイモ(Solanum tuberosum、その他のSolanum種)、ナス(Solanum melongena)、コショウ(Capsicum annuum、Capsicum frutescens)、エンドウマメ、インゲンマメ(例えばPhaseolus 種)、多肉果(ブドウ、桃、プラム、イチゴ、マンゴー)装飾物種(例えばバラ、ペチュニア、キク、ユリ、ガーベラ種)、木質樹木(例えばポプラ属、ヤナギ属、カシ属、ユーカリ属)、線維種、例えば亜麻(Linum usitatissimum)および大麻(Cannabis sativa)などが挙げられる。一実施態様において、単子葉の作物性植物が好ましい。
「作物植物」とは、ヒトによって栽培および育種される植物種であって、シロイヌナズナのような雑草を除いたものをいう。作物植物は、食用目的(例えば農作物)または装飾目的(例えば切花の産生、芝生など)で栽培されてもよい。作物植物には、燃料用油、プラスチック重合体、薬学的産物、コルクなどの、非食品が収穫される植物が含まれる。
SHNタンパク質をコードする核酸配列を安定的に導入するためのキメラ遺伝子およびベクターの構築は、当該技術分野において一般に知られている。キメラ遺伝子を産生するために、SHNタンパク質(または例えばSHN-リプレッサードメイン融合タンパク質)をコードする核酸配列は、標準的な分子生物学的技術を使用して、宿主細胞における発現に適したプロモーター配列に作動可能に結合する。プロモーター配列は、ベクターの中にあらかじめ存在していてもよく、SHN核酸配列がプロモーター配列のベクターの下流に単純に挿入される。ベクターは、宿主細胞を形質転換するために使用され、キメラ遺伝子が核ゲノム中またはプラスチド、ミトコンドリアまたは葉緑体ゲノム中に挿入され、適切なプロモーターを使用して発現する(例えば、Mc Bride et al., 1995 Bio/Technology 13, 362; US 5,693, 507)。一実施態様において、キメラ遺伝子には、植物細胞または微生物細胞(例えば細菌)における発現のための適切なプロモーターが含まれ、本発明によるSHNタンパク質または融合タンパク質をコードする核酸配列に作動可能に連結され、任意的には、3’非翻訳核酸配列が続く。
機能的SHNタンパク質をコードする、SHN核酸配列、好ましくはSHNキメラ遺伝子(または特定の実施態様において機能的なSHN-リプレッサードメイン融合タンパク質)は、従来的な手法において一つの植物細胞の核ゲノムに安定的に挿入され得、形質転換された植物細胞は、従来の手法において使用され得、特定の細胞における特定の時間のSHNタンパク質の存在に起因して変化した表現型を有する形質転換された植物を生成する。この点に関して、アグロバクテリウム属腫大物においてSHNタンパク質をコードする核酸配列を含むT-DNAベクターは、植物細胞を形質転換するために使用され得、その後、形質転換された植物は、例えば、EP 0 116 718、EP 0 270 822、PCT公開公報WO84/02913および刊行された欧州特許出願EP 0 242 246 およびGould et al. (1991, Plant Physiol. 95,426-434) において記載された手順を使用して形質転換された植物細胞から再生され得る。アグロバクテリウム属に仲介された植物の形質転換のためのT-DNAベクターの構造は、当該技術分野において周知である。
T-DNAベクターは、EP 0 120 561およびEP 0 120 515に記載された二成分ベクター、またはEP 0 116 718に記載された、相同的組換えによるアグロバクテリウム属Ti-プラスミドに統合され得る融合体ベクターのいずれでもよい。
好ましいT-DNAベクターは、T-DNA境界配列の間、または少なくとも境界配列の左または右に配置されたSHNをコードする核酸配列に作動可能に連結されたプロモーターを含む。境界配列は、Gielen et al. (1984, EMBO J 3,835-845) において記載される。当然ながら、他のタイプのベクターが植物細胞を形質転換するのに使用され得、例えば、直接的遺伝子導入 ( 例えばEP 0 223 247に記載)、花粉媒介型形質転換 (例えばEP 0 270 356 および WO85/01856に記載)、プロトプラスト形質転換(例えばUS 4,684, 611において記載)、植物RNA ウイルス媒介型形質転換 ( 例えば EP 0 067 553 および US 4,407, 956に記載)、リポソーム媒介型形質転換(例えばUS 4,536, 475において記載)、ある系統のトウモロコシを形質転換するための方法 ( 例えばUS 6,140, 553; Fromm et al., 1990, Bio/Technology 8, 833-839; Gordon-Kamm et al., 1990, The Plant Cell 2, 603-618) およびイネ (Shimamoto et al., 1989, Nature 338, 274-276; Datta et al. 1990, Bio/Technology 8, 736-740) および一般的な単子葉植物を形質転換するための方法 (PCT公開WO92/09696)を使用する。綿の形質転換についてはWO 00/71733を参照し、イネの形質転換についてはWO 92/09696、WO 94/00977およびWO 95/06722に記載された方法を参照されたい。モロコシの形質転換については、例えばJeoung JM et al. 2002, Hereditas 137: 20-8 or Zhao ZY et al. 2000, Plant Mol Biol.44: 789-98を参照されたい。同様に、形質転換された細胞からの形質転換された植物の再生および選択は、周知の技術である。明らかに、異なる種のために、および単一種の異なる変種または栽培種のために、プロトコルは高頻度で形質転換体を再生させるために特に適合されている。
核ゲノムの形質転換の他に、また、色素体ゲノム(好ましくは葉緑体ゲノム)の形質転換が本発明に含まれる。色素体ゲノム形質転換の1つの長所は、導入遺伝子の伝播の危険性が減少することである。色素体ゲノム形質転換は、当該技術において既知の方法によって行われ得る。例えば、Sidorov VA et al. 1999, Plant J.19: 209-216 or Lutz KA et al. 2004, Plant J. 37(6): 906-13を参照されたい。
得られた形質転換植物は、同じ特徴をもつより多くの形質転換植物を産生するために、または同一または関連植物種の他の変種に遺伝子部を導入するために従来の植物育種スキームにおいて使用され得る。形質転換された植物から得られる種子は、安定的なゲノム挿入物としてキメラのSHN遺伝子を含む。形質転換された植物の細胞は、従来の方法において培養され得、SHNタンパク質を産生し、他の使用、例えば抗体産生のために回収され得る。
SHN核酸配列が、植物細胞において発現を導くことができるプロモーターの制御下で、挿入されたコード配列が下流(すなわち3')に位置するように植物細胞ゲノムに挿入される。これは、特に核または色素体(例えば葉緑体)ゲノムにおいて、キメラ遺伝子を植物細胞ゲノムに挿入することによって好ましくは達成される。
好ましいプロモーターには、以下のものが含まれる:単離CM 1841のカリフラワーモザイクウイルス(CaMV)の強力な恒常的35Sプロモーターまたは増強された35Sプロモーター(「35Sのプロモーター」)(Gardner et al., 1981, Nucleic Acids Research 9, 2871-2887)、CabbB-S (Franck et al., 1980, Cell 21, 285-294) およびCabbB-JI (Hull and Howell, 1987, Virology 86,482-493);35Sプロモーター(Odell et al. (1985, Nature 313, 810-812) またはUS5164316によって記載)、ユビキチンファミリー由来のプロモーター (例えば、Christensen et al., 1992, Plant Mol. Biol. 18,675-689, EP 0 342 926、またはCornejo et al. 1993, Plant Mol.Biol. 23, 567-581のトウモロコシ ユビキチンプロモーターを参照)、gos2プロモーター(de Pater et al., 1992 Plant J. 2, 834-844 )、エミュープロモーター(Last et al., 1990, Theor. Appl. Genet. 81,581-588)、シロイヌナズナ アクチン プロモーター、例えばAn et al. (1996, Plant J. 10, 107.)に記載されたプロモーター、イネアクチンプロモーター、例えば、Zhang et al.(1991, The Plant Cell 3, 1155-1165)によって記載されたプロモーターおよびUS 5,641,876において記載されたプロモーターまたはWO 070067において記載されたイネアクチン2プロモーター、Cassava静脈モザイクウイルス (WO 97/48819, Verdaguer et al. 1998, Plant Mol. Biol. 37,1055-1067)、Subterranean Clover Stunt Virus (WO 96/06932, 特にS7プロモーター)由来のpPLEXシリーズのプロモーター、アルコール デヒドロゲナーゼ プロモーター、例えばpAdh1S ( GenBank 受託番号 X04049、X00581)、およびTR1'プロモーターおよびTR2'プロモーター(それぞれ「TR1'プロモーター」および「TR2'プロモーター」)(それぞれT-DNAの1'および2'遺伝子の発現を誘導)(Velten et al., 1984, EMBO J 3, 2723-2730)、Figwort Mosaic Virusプロモーター(US6051753 および EP426641に記載)、ヒストン遺伝子プロモーター、例えばシロイヌナズナ由来のPh4a748プロモーター(PMB 8: 179-191)、またはその他のもの。
代わりに、恒常的ではないが植物(発展的に制御されたプロモーターを含む、好ましい組織/特異的な組織)の一以上の組織または器官について特異的であるプロモーターが使用され得る{ 例えば、好ましい葉、好ましい表皮、好ましい根、花の組織(例えば、好まれる絨緞組織または葯)、好ましい種子、好ましいさやなど }。その結果、SHN遺伝子(例えば、SHN-リプレッサー融合タンパク質をコードする遺伝子を含む)が、特異的な組織または器官および/または一定の発展的段階のみで発現する。例えば、SHN遺伝子は、光誘導性プロモーター { 例えば、植物体自体または他の植物(例えばUS 5,254,799に開示されたエンドウ豆、またはUS5034322に開示されたシロイヌナズナ)のリブロース-1, 5-二リン酸カルボキシラーゼ小サブユニット遺伝子のプロモーター} の制御下で、コーディング配列を配置することによって植物の葉中において選択的に発現され得る。プロモーターの選択は、達成する表現型の一つの目的によって決定され、以下により詳細に説明する。例えば、水の喪失を増し、その結果より固い果肉と増強された味覚をもつ果実(例えばトマト)を得るために、果実特異的または果実に好ましいプロモーターは最も適切である。
恒常的な耐乾性を達成するために、特異的な葉、特異的な表皮または光誘導性のプロモーターが適切である。適切な表皮特異的なプロモーター、例えばシロイヌナズナLTP1プロモーター(Thoma et al, 1994, Plant Physiol. 105(1): 35-45.)、CER1プロモーター(Aarts et al 1995. Plant Cell. 7:2115-27)、およびCER6プロモーター(Hooker et al 2002, Plant Physiol 129:1568-80.) および相同分子種的トマトLeCER6 (Vogg et al, 2004, J. Exp Bot. 55: 1401-10)が、上述の基底表皮表面において特異的な発現を提供する。
雄性不稔を達成するために、葯/葯組織または葯発達特異的なプロモーター、例えば本明細書中で提供されたSHN2プロモーター、タバコ由来の絨緞組織特異的プロモーターTA13およびTA29(US6562354; Koltunow et al. 1990, Plant Cell 2:1201-1224; Seurinck et al. 1990 Nucleic Acids Res. 18: 3403)、トウモロコシ(EP570422)由来の絨緞組織特異的プロモーターCA55、シロイヌナズナ由来の絨緞組織特異的MS2プロモーター(Aarts et al 1997, Plant J. 12:615-23)、コムギ由来の葯特異的TAAプロモーター(Wang et al., 2002, Plant J. 30: 613-623)、イネ由来の絨緞組織特異的プロモーター(例えば、イネ由来のPE1、T42、T72)、小胞子発達特異的プロモーター、例えば、タバコ由来のNTM19(EP790311)または雄性の生殖系列特異的なプロモーター(例えばユリ由来のLGC1、WO9905281)またはその他のものが使用され得る。
増強された創傷治癒および/または果皮品質を有するジャガイモ(すなわち塊茎)のような特定の表現型について、塊茎または果皮特異的なプロモーターは、塊茎の外層において発現を特定化するクラスII パタチン プロモーターのようなプロモーター (Nap et al, 1992, Plant Mol Biol. 20: 683-94.)、または葉および塊茎果皮発現のプロモーター(例えばジャガイモUBI7プロモーター)(Garbarino et al., 1995, Plant Physiol., 109: 1371-8) が最も好ましい
根組織の表現型について、根において優先的に活性なプロモーターは、WO00/29566において記載される。US 5,633,363に記載されるように、根優先的発現のための他のプロモーターは、ZRPプロモーター(およびその修飾体)である。
果実に発現を与えるために、トマト果実および果皮特異的なプロモーター、例えばβ-ガラクトシダーゼ II)(Smith et al., 1998, Plant Physiol 117: 417-23) またはトマトエピクチクラワックスプロモーターLeCER6 (Vogg et al, 2004, supra) は、クチクラを通した果実果皮からの水の喪失を誘導するために使用され得る。果実皮または表皮プロモーターは、マイクロアレイおよびプロモーター レポーター遺伝子融合の形質転換による確認を使用して、当業者によって同定および単離され得る。
他の代替法はその発現が誘導可能なプロモーターを使用することである。誘導性プロモータの例には、創傷誘導性プロモーター、例えばCordera et al. (1994, The Plant Journal 6, 141) によって記載されたMPIプロモーター{創傷によって誘導される(例えば、昆虫または物理的創傷によって引き起こされる)}、またはCOMPTIIプロモーター(WO0056897)またはUS6031151に記載されたプロモーターがある。代わりに、プロモーターは、化学物質、例えばなデキサメタゾン(Aoyama and Chua (1997, Plant Journal 11: 605-612) および US6063985によって記載されたように)、またはテトラサイクリン(TOPFREE または TOP 10 promoter, Gatz, 1997, Annu Rev Plant Physiol Plant Mol Biol. 48: 89-108 and Love et al. 2000, Plant J. 21: 579-88を参照) によって誘導することができる。他の誘導可能なプロモーターには、例えば温度の変化によって誘導可能なもの(例えば、US 5,447, 858に記載された熱ショックプロモーター)、嫌気条件によって誘導可能なもの(例えばトウモロコシADH1Sプロモーター)、光によって誘導可能なもの(US6455760)、病原体によって誘導可能なもの(例えばEP759085またはEP309862)、または老化によって誘導可能なもの(SAG12およびSAG13、US5689042を参照)がある。言うまでもなく、利用可能な一連の他の利用可能なプロモータが存在する。シロイヌナズナ由来のさや壁特異的なプロモーターには、FULプロモーター(AGL8プロモータとも呼ばれる、WO9900502; WO9900503; Liljegren et al. 2004 Cell.116(6):843-53))、シロイヌナズナIND1プロモーター(Lijegren et al. 2004, supra.; WO9900502; WO9900503)またはアブラナ属ポリガラクツロナーゼ遺伝子の裂開領域特異的なプロモーター(WO9713856)がある。花弁の特異的なプロモータはWO9915679において記載されている。種子の特異的なプロモーターは、EP723019、EP255378またはWO9845461において記載されている。
SHNコード配列(またはキメラSHNタンパク質コード配列)は、コード配列が適切な3'末端転写制御シグナル(「3'末端」)(すなわち、転写形成およびポリアデニル化シグナル)の上流(すなわち5')に位置するように、植物ゲノムに挿入される。ポリアデニル化および転写形成シグナルには、CaMV 35S遺伝子(「3' 35S」)、ノパリンシンターゼ遺伝子(「3'nos」) (Depicker et al., 1982 J. Molec. Appl. Genetics 1, 561-573.)、オクトピンシンターゼ遺伝子(「3'ocs」) (Gielen et al., 1984, EMBO J 3, 835-845)、およびT-DNA遺伝子7(「3'遺伝子7」) (Velten and Schell, 1985, Nucleic Acids Research 13, 6981-6998)(形質転換された植物細胞および他の細胞において3'-非翻訳DNA配列として機能する)のシグナルが含まれる。
アグロバクテリウム中へのT-DNAベクターの導入は、エレクトロポレーションまたは三つ親交配のような既知の方法を使用して行うことができる。
SHNをコードする核酸配列は、任意的にはハイブリッド遺伝子配列として植物ゲノムに挿入され得る。ここで、SHN配列は、選択可能なまたはスコアリング可能なマーカーをコードする(US 5,254, 799; Vaeck et al., 1987, Nature 328, 33-37)遺伝子、例えば、カナマイシン抵抗性をコードするneo(またはnptII)遺伝子(EP 0 242 236)と読み取り枠内において連結され、その結果、植物は、容易に検出可能な融合タンパク質を発現する。
植物細胞の形質転換はまた、バイオポリマーに交差結合するためにチャネルされた木栓質、クチンおよびワックス生合成の活性化された前駆物質を誘導する植物細胞培養中において大量に本発明のSHNタンパク質を生産するために使用され得る。遺伝子導入植物細胞に対する言及が本明細書において行われたとき、これは、例えば単離中、組織培養中における植物細胞(または植物原形質体)、または植物中または分化した器官もしくは組織中に含まれる植物細胞(または原形質体)、およびその両方の可能性が本明細書中に含まれる。従って、明細書または請求項中の植物細胞に対する言及は、培養中の単離された細胞のみを意味するものではなく、あらゆる位置またはあらゆる植物組織または器官に存在する任意の植物細胞を意味する。
SHNタンパク質 (またはキメラSHNタンパク質) をコードするSHN核酸配列の全てまたは一部はまた、微生物、例えば、バクテリア (例えば、大腸菌、シュードモナス、アグロバクテリウム、かん菌など)、菌類、ウイルス、アルジーまたは昆虫を形質転換するために使用され得る。適切なクローニング用ビヒクルに組込まれた本発明のSHN核酸配列の全てまたは一部を含むバクテリアの形質転換は、従来手法、好ましくは従来のエレクトロポレーション技術 { Maillon et al. (1989, FEMS Microbiol. Letters 60, 205-210.) および WO 90/06999.に記載}を使用して行われ得る。原核性宿主細胞中の発現については、核酸配列のコドン利用がこれに応じて最適化される(上述した植物について記載されたように)。イントロン配列が削除され、かつ、最適な発現のための他の適合が既知の方法に従って行われ得る。
単子葉植物、例えば草種 (例えばトウモロコシ、イネ)において増強された発現を得るために、イントロン、好ましくは単子葉植物イントロンがキメラ遺伝子に加えられ得る。例えば、5'制御領域へのトウモロコシAdh1遺伝子のイントロンの挿入は、トウモロコシ (Callis et. al., 1987, Genes Develop. 1: 1183-1200)中の発現を増強するために示された。同様に、HSP70イントロンは、US 5,859, 347において記載されたのと同様、発現を増強するために使用され得る。SHN核酸配列のDNA配列は、伝統的中性手法 (neutral manner) においてさらに変化し得、部位指向性イントロンの挿入によっておよび/またはコドンの利用、例えば、植物(好ましくは上述したような特別な関連植物属)による最も好ましいコドンの利用を適合させることによって、遺伝子の一部に存在するDNA配列を修飾(可能であれば阻害)する。
本発明の一実施態様によれば、SHNタンパク質(またはキメラ蛋白質)は、細胞内小器官、例えばプラスチド(色素体)、好ましくは葉緑体、ミトコンドリアを標的にし、細胞から分泌され、潜在的にはタンパク質の安定性および/または発現を最適化する。同様に、タンパク質は、液胞を標的し得る。この目的のために、本発明の一実施態様において、発明のキメラ遺伝子には、本発明のSHNタンパク質コード領域に連結された、シグナルまたはターゲットペプチドをコードするコーディング領域が含まれる。本発明のタンパク質に含まれる特に好ましいペプチドには、葉緑体または他の色素体を標的にするシグナルペプチド、特にその遺伝子産物が色素体を標的にする植物遺伝子から複製されたシグナルペプチド領域、Capellades et al. (US 5,635, 618) の最適化されたシグナルペプチド、ほうれん草 (Oelmuller et al., 1993, Mol. Gen. Genet. 237,261-272) 由来のフェレドキシン-NADP+オキシドレダクターゼのシグナルペプチド、Wong et al. (1992, Plant Molec. Biol. 20, 81-93) に記載されたシグナルペプチド、および公開されたPCT特許出願WO 00/26371における標的ペプチドがある。また、細胞の外側のこのようなペプチドに連結したタンパク質の分泌をシグナリングするペプチド、例えば、ジャガイモのタンパク質分解酵素阻害剤11の分泌シグナル (Keil et al., 1986, Nucl. Acids Res. 14, 5641-5650)、イネのα−アミラーゼ3遺伝子の分泌シグナル (Sutliff et al., 1991, Plant Molec. Biol. 16,579-591) およびタバコPR1タンパク質の分泌シグナル (Cornelissen et al., 1986, EMBO J. 5, 37-40) が好ましい。特に、本発明による有用なシグナルペプチドには、葉緑体転移ペプチド (例えば Van Den Broeck et al., 1985, Nature 313, 358)、葉緑体にタンパク質を移行させるUS 5,510, 471 および US 5,635, 618の最適化された葉緑体転移ペプチド、タンパク質を他のプラスチド、ミトコンドリア、ER、他のオルガネラにターゲッティングする分泌シグナルペプチドまたはペプチドが含まれる。細胞内オルガネラを標的にするためのシグナル配列かまたは植物細胞の外側もしくは細胞壁に分泌するためのシグナル配列は、自然界において標的対象となるかまたは分泌されたタンパク質、好ましくはKlosgen et al. (1989, Mol. Gen. Genet. 217, 155-161)、Klosgen and Weil (1991, Mol. Gen. Genet. 225, 297-304)、Neuhaus & Rogers (1998, Plant Mol. Biol. 38, 127-144)、Bih et al. (1999, J. Biol. Chem. 274, 22884-22894)、Morris et al. (1999, Biochem. Biophys. Res. Commun. 255, 328-333)、Hesse et al. (1989, EMBO J. 8, 2453-2461)、Tavladoraki et al. (1998, FEBS Lett. 426,62-66.)、Terashima et al. (1999, Appl. Microbiol. Biotechnol. 52,516-523)、Park et al. (1997, J.Biol. Chem. 272, 6876-6881)、Shcherban et al. (1995, Proc. Natl. Acad. Sci USA 92,9245-9249) によって記載されたタンパク質において見出される。
形質転換された宿主細胞の外側にSHNタンパク質を分泌することを可能にするために、適切な分泌シグナルペプチドが、SHNタンパク質のアミノ末端(N-末端)に融合され得る。推定上のシグナルペプチドは、プログラム(the program Signal Peptide search)(SignalP V1.1 or 2.0)(Von Heijne, Gunnar, 1986 and Nielsen et al., 1996) を使用する、コンピューターに基づいた解析を使用して検出することができる。
形質転換された宿主細胞の外側へのSHNタンパク質の分泌を可能にするために、適切な分泌シグナルペプチドが、SHNタンパク質のアミノ末端(N末端末端)に融合され得る。推定上のシグナルペプチドは、プログラム、例えば「the program Signal Peptide search」 (SignalP V1.1 or 2.0)(Von Heijne, Gunnar, 1986 and Nielsen et al., 1996) を使用して、コンピューターに基づいた分析を使用して検出し得る。
一実施態様において、いくつかのSHNをコードする核酸配列は、単一の宿主において共発現される。共発現する宿主植物は、本発明のSHNタンパク質を既に発現する植物に形質転換することによって容易に得られ、あるいは本発明の異なるSHNタンパク質で形質転換された植物と交雑することによって容易に得られる。代わりに、いくつかのSHNタンパク質をコードする核酸配列は、単一の形質転換ベクター上に存在するか、または別々のベクターを使用して同時に形質転換され得、両キメラ遺伝子を含む形質転換体を選択する。同様に、一以上のSHNをコードする遺伝子は、他のキメラ遺伝子{例えばCBF1、DREB1A、イネOsDREB遺伝子(Dubouzet et al, 2003, Plant J. 33: 751)または他の遺伝子のような、耐乾性を増強する他のタンパク質をコードする遺伝子}と一緒に単一の植物中で発現させてもよい。異なるタンパク質は同じ植物中において発現し得、あるいは各々が単一の植物中において発現し得、その後、単一の植物を他のものと交雑させることによって同じ植物中において組み合わせることができる。例えば、ハイブリッド種子の作製において、各親株はそれぞれ、単一のタンパク質を発現し得る。ハイブリッドを作製するために親株を交配させることによって、両タンパク質がハイブリッド植物中において組み合わされる。
好ましくは、選別目的について、雑草制御オプションについて、本発明の遺伝子導入植物はまた、広範性除草剤 、例えば活性成分としてのグルフォシネートアンモニウムに基づいた除草剤に対する耐性を与えるタンパク質をコードするDNAで形質転換される (例えばLiberty(登録商標) または BASTA;耐性はPATまたはbar遺伝子によって与えられる;EP 0 242 236およびEP 0 242 246を参照) またはグリフォサート(例えば、RoundUp(登録商標); 耐性はEPSPS遺伝子によって与えられる。例えばEP0 508 909およびEP 0 507 698を参照)。選択可能なマーカーとして除草剤耐性遺伝子(または所望の表現型を与える他の遺伝子)をさらに使用することには、抗生物質耐性遺伝子の導入を回避できるという利点がある。
代わりに、他の選択可能な標識遺伝子(例えば抗生物質耐性遺伝子)が使用されてもよい。一般に形質転換された宿主植物中において抗生物質耐性遺伝子を保持させることは認められないので、これらの遺伝子は形質転換体の選択後に再度除去され得る。導入遺伝子を除去するための異なる技術が存在する。除去を達成するための一つの方法は、キメラ遺伝子をlox部位と隣接させ、選択後、形質転換された植物をCREリコンビナーゼ発現植物と交配させる方法である(例えば、EP506763B1を参照)。部位特異的組換えは、標識遺伝子の除去をもたらす。他の部位特異的組換え系は、EP686191およびUS5527695において記載されたFLP/FRTシステムである。部位特異的組換え系(例えばCRE/LOXおよびFLP/FRT)はまた、遺伝子を重複させるために使用され得る。さらに、一成分除外系は、例えばWO9737012またはWO9500555に記載されている。
本発明による形質転換された植物細胞/植物/種子および核酸配列およびタンパク質の使用
次のパートにおいて、一以上の修飾された表現型をもつ、遺伝子組換え植物細胞、植物、植物種子およびこれらの任意の誘導体/後代を産生するための本発明によるSHN配列の使用について説明する。
A)耐乾性が増強された植物
遺伝子組換え耐乾性植物は、上述したように、適切なプロモーターの制御下において少なくとも一つのSHNタンパク質をコードする核酸配列で植物宿主細胞を形質転換することによって産生され得る。さらに、遺伝子組換え植物を前記細胞から再生産する。好ましいプロモーターは、植物の上述の特定の部位、例えば葉、葉表皮中において、あるいは光誘導または化学物質の適用によって特異的に活性化を示すプロモーターである。特に、以下のプロモーターが好ましい:葉表皮特異的プロモーター、例えばシロイヌナズナ LTP1 (Thoma et al, 1994, supra)、CER1プロモーター (Aarts et al. 1995, supra)、CER6プロモーター (Hooker et al 2002, supra) および相同分子種的トマトLeCER6プロモーター (Vogg et al, 2004, supra)、葉または光合成組織特異的なプロモーター、例えば、光誘導性リボース1,5-ビスホスフェートカルボキシラーゼ小サブユニットプロモーター (Pssu)(US5034322に記載されたようなシロイヌナズナ由来かまたはヒマワリ、エンドウマメ(US 5254799)もしくはトウモロコシ由来)、茎および葉特異的であるジャガイモST-LS1プロモーター (Stockhaus et al. 1987, Nucleic Acids Res.15(8):3479-91)、クロロフィルa/b結合性タンパク質(CAB)のプロモーター。
SHN3遺伝子のプロモーターは分析された全ての植物器官において活性であるとき、本発明によるSHN3プロモーター(配列番号19)またはその最小の活性断片がまた使用されてもよい。
「耐乾性」または「増加した/強化された耐乾性」は、乾燥の時期(水分欠如/減少が例えば対照植物において可視的な葉のしおれた症状を導く)に耐え、続いて回復を示し、その結果として全体の収量の減少を誘導し、平方メートル当りの植物および/または生存植物の収量が著しく減少しない、形質転換体の増強された能力(野生型または対照の形質転換体と比較して)を示すために本明細書中において使用される。耐乾性は、制御された環境下(温室または生育チャンバー)において、様々な時間期間(1〜4週間またはそれ以上の期間)にわたって形質転換実験当り少なくとも10本の形質転換体と少なくとも10本の対照植物を水のない環境下に静置することによって評価することができる。葉のしおれや膨圧の喪失が対照植物において引き起こされ、続いて植物に1〜2週間にわたって再度水をやり、その回復した表現型が分析される。耐乾性を示す形質転換体は、少なくとも2、3、4、5、6、7日間にわたって生き延び、好ましくは、対照の形質転換体植物(例えば、空のベクターで形質転換された)または野生型植物が同じ条件下にさらされ、不可逆的な組織傷害を示すのと比較して、水をやらない状態で少なくとも2〜5日間は長く生き延びる。耐性を推定する他の方法において、形質転換体の回復は、対照植物の回復率と比較して少なくとも約2〜5倍高い(例えば20%の対照の回復、形質転換体における40〜100%の生存)。
SHNタンパク質を高レベルで発現する形質転換体は、例えばコピー数(サザンブロット分析)、mRNA転写レベル(例えば、SHNプライマー対または側方プライマーを使用するRT-PCR)を分析することによって、あるいは様々な組織においてSHNタンパク質の存在およびレベルを分析することによって選択される(例えば、SDS-PAGE; ELISA試験法など)。制御のために、好ましくは単一コピーの形質転換体が選択され、かつ、キメラ遺伝子の挿入の部位を側方にもつ配列が分析され、好ましくは「形質転換体」を特徴づけるために配列決定される。高度にSHNを発現するSHN遺伝子導入体が、安定なSHN導入遺伝子を有する高性能の形質転換体が得られるまで、さらに交雑し/戻し交雑し/自家受粉することによって選択される。通常、SHN遺伝子発現レベルおよびSHNタンパク質濃度は、耐乾性の表現型と相関関係を有する。一つの実施態様において、特にこのような植物に由来する遺伝子組換え種子が提供され、該種子は「耐乾性」を有するものとして販売され得る。
本発明による一以上のSHN遺伝子を発現する形質転換体はまた、他の導入遺伝子、例えば、耐乾性を与える他の遺伝子または生物的もしくは非生物的なストレスに対する耐性を与える他の遺伝子を含んでもよい。「積み重ねられた」導入遺伝子をもつ植物を得るために、他の導入遺伝子がSHN形質転換体に遺伝子移入され得る。また、続いてSHN形質転換体が一以上の他の遺伝子で形質転換され得る。あるいは代わりに、いくつかのキメラ遺伝子が植物系統または変種を形質転換するために使用され得る。例えば、いくつかのキメラの遺伝子は、単一のベクター、あるいは同時に形質転換を行う異なるベクター上に存在してもよい。
一実施態様において、以下の遺伝子が、本発明による一以上のSHN遺伝子と結合される:他のAP2/EREBP型転写因子をコードする遺伝子、好ましくは、環境ストレスに対する植物の応答においてある役割を果たすもの、例えば、シロイヌナズナ由来の遺伝子をコードするCBF1、CBF2、CBF3および/またはCBF4 (Jaglo-Ottosen et al 1998, Kasuga et al 1999, supra) または他の種由来のこれらの相同分子種 (Dubouzet et al 2003, supra) 、 昆虫耐性遺伝子、例えば、Bacillus thuringiensis毒素遺伝子(殺虫性タンパク質をコード、例えばcry遺伝子、vip遺伝子など。利用可能な遺伝子のリストについてはhttp://www.biols.susx.ac.uk/home/を参照)、真菌耐性遺伝子、または他の遺伝子。
積み重ねられた形質転換体は、さらにより幅広い環境ストレス耐性、例えば塩分、寒冷ストレス、昆虫抵抗性、病原体耐性、熱ストレス、水ストレスなどに対する耐性を有していてもよい。
また、異なる分子機構(例えば根構造)に起因して、比較的高い耐乾性を既に有している植物育種系統にSHN遺伝子を導入することを可能にする。
好ましい実施態様において、形質転換体は耐乾性を有するが、未修飾のエピクチクラワックス層を有し、従ってその葉は野生型植物と比較して未修飾の外観を示す。この実施態様において、単子葉植物、例えばイネおよびトウモロコシは特に好ましい。
一実施態様において、WO03/013228 の配列番号144および/またはBroun et al. (supra)によって記載されたWIN1遺伝子は、本明細書中から除外される。
B)さや飛散抵抗性植物
他の実施態様において、本発明によるSHN-リプレッサードメイン融合タンパク質(例えばSHN1-EAR、SHN2-EAR、SHN3-EARまたはOsSHN1-EAR融合タンパク質または他のSHN相同分子種-EAR融合タンパク質)を過剰発現するか、または内在性SHN遺伝子のサイレンシングを引き起こす核酸配列を発現するさや飛散抵抗性植物が提供される。「さや飛散抵抗性」とは、成熟期にさやの弁の分離に対して強い抵抗性を示す植物のさやを意味し、収穫期の種子の喪失の減少をもたらす。しかしながら、弁の分離に対する抵抗性の増加によってさやの弁を分離することができなくなり、種子の収穫を非常に困難または不可能にする。さやの弁を分離する容易さ/困難さのこの「微調整」は、適切なプロモーター/コード配列の組合せを選択することによって達成され得る。
植物のさや飛散抵抗性を評価するために使用され得る多くの試験が存在する。例えば、ランダムインパクト試験(RIT) (Summers et al. 2003, J. Agricultural Science 140, 43-52 and Bruce et al. 2002, Biosystems Engineering 81(2): 179-184を参照)。RITは、植物から完全に成熟したさやを集め、これらを制御環境下で(例えば25℃および50%RHで3日間)数日間静置することを含む。20個の無傷のさやが、20cm直径の円筒状容器の中において12.5mm直径の6つの鋼鉄球と共に配置される。容器は、4.98Hzの振動数および51mmの一動作長で2回にわたって10秒間機械的に振盪され、続いて必要に応じて20秒、40秒および80秒間機械的に振盪される。各期間終了後、さやは試験に供され、少なくとも一つの弁が剥離したならば飛散されたものとして分類する。統計解析は、50%のさやが飛散した時間(RIT50値)を算出するために使用される。このような試験では、飛散感受性の植物系統は、平均値周辺で狭い分布をもつ約18秒間の平均RIT50値をもたらすであろう。飛散抵抗性の植物は、対照(例えば野生型または対照形質転換体)のRIT50値よりも著しく大きいRIT50値を有することによって定義され得る。例えば、対照の値の1.5倍、2倍、3倍、4倍(またはそれ以上)の平均値RIT50を示す。代わりに、例えば植物の下にトレイを配置して飛散した種子を集めることによって、野外における種子の喪失を評価することができる。
本発明によるさや飛散抵抗性植物は、SHN遺伝子を沈黙させるか、またはSHN-リプレッサードメイン融合タンパク質(特にSHN-EAR融合タンパク質(上述した))を発現させ、裂開領域の形成を抑制することによって産生され得る。これは、さやもしくは果実特異的プロモーターまたはさやの特異的組織もしくはさやの発達の特異的段階で優先的に活性を示すプロモーターを含むキメラ構造体で植物細胞を形質転換することによって達成され得る。該プロモーターは、SHN-リプレッサードメイン融合タンパク質(例えばSHN-EAR融合タンパク質)コーディング核酸配列、あるいはSHN断片(例えば、センスおよび/またはアンチセンスSHN DNA断片、以下を参照)をサイレンシングする遺伝子に作動可能に連結される。適切なプロモーターには、例えばSHN2プロモーター(配列番号18) またはその活性断片、シロイヌナズナまたはセイヨウナタネ FRUITFUL遺伝子(AGL8とも呼ばれる)(US6198024を参照)、遺伝子AGL1またはAGL5のシロイヌナズナまたはアブラナ属裂開領域特異的調節要素(US6198024を参照)、シロイヌナズナINDEHISCENT1遺伝子(IND1; WO017951を参照)のプロモーターまたはIND1のセイヨウナタネ相同体のプロモーター、または裂開領域特異的プロモーター、例えばアブラナ属ポリガラクツロナーゼプロモーター(WO9713856に記載)、またはこれらの誘導体がある。代わりに、恒常的プロモーターを使用してもよい。
さやの飛散およびこれに関連した収率の損失は、さや関連植物、主としてアブラナ科(例えばセイヨウナタネ)だけではなく、マメ科(例えばダイズ、エンドウ豆、レンズマメ)においても問題であり、宿主植物は好ましくはこれらの植物から選択される。宿主はまた、合成オオマメジカまたは倍加半数体オオマメジカ系統であってもよい。
本発明による飛散抵抗性植物は、倍加半数体植物であってもよい。
倍加半数体植物は、例えば、形質転換された植物から得られる小胞子を培養することによって産生され得、続いて、染色体倍加(例えば、コルヒチン処理によって誘導)および再生を行う。
さらに、SHN転写制御要素、特にSHN2転写制御要素(配列番号18またはその最も小さな断片)またはまたはそれの最も小さな活性断片)または、SHN2相同分子種をコードするヌクレオチド配列の転写制御要素は、裂開領域特異的発現を与えるために使用され得、さや飛散抵抗性を与えるために使用され得る。このために、さやの構造(特にさや裂開領域の解剖学的構造)を調整する核酸配列は、転写制御要素の下流に作動可能に結合され得る。適切な核酸配列は、例えばシロイヌナズナFRUITFUL遺伝子(FULまたはAGL8; EP 1002087)またはその相同体である。あるいは、プロモーターは、さや飛散抵抗性をもたらす構造体をサイレンシングする遺伝子において使用され得る。
例えば、シロイヌナズナIND1遺伝子またはセンス/アンチセンス断片(逆方向反復)の短いアンチセンス断片は、転写制御の要素の下流に作動可能的に結合し得る。構造体をサイレンシングする遺伝子については以下を参照されたい。同様に、SHN-リプレッサードメイン融合タンパク質をコードする核酸配列は、SHN転写制御要素、例えばSHN2プロモーターに作動可能に結合し得る。
C)雄性不稔植物
さらに、遺伝子組換え雄性不稔植物および本発明によるSHN核酸配列を使用してこれらを作製する方法が提供される。遺伝子組換え雄性不稔植物は、DNA配列と適切な任意の3'非翻訳核酸領域をコードするSHN-リプレッサードメイン融合タンパク質(好ましくはSHN-EARタンパク質)に作動可能に結合した適切なプロモーターを含むベクターで、宿主植物細胞を形質転換することによって産生され得る。プロモーター配列は、葯裂開中に活性な裂開領域特異的なプロモーター(葯特異的なプロモーターまたは絨緞組織特異的なプロモーター(全てのために上記参照))、SHN2プロモーター(配列番号18) またはその活性断片から選択される。また、化学的誘導性のプロモーターが使用されてもよい。化学物質が花の発達の段階で噴霧されると、噴霧された植物は不稔性になる。
葯および/または花粉発達中におけるSHN-EARタンパク質(または他のSHN-リプレッサードメイン融合タンパク質)の過剰発現は、雄性不稔につながる。「雄性不稔」とは、本明細書中では葯からの成熟花粉粒の著しく減少した放出(好ましくは花粉放出の完全な欠如)として定義される。
遺伝子組換え雄性不稔植物は、ハイブリッド種子を産生するために使用され得る。例えば、互いに次の列において雄性不稔(MS)および雄性稔性植物(稔性回復系統系統(RF))を生育させることによって、雄性不稔植物の他家受粉を可能にする。雄性不稔植物から集められた種子は、純粋なハイブリッド種子である。純粋な雄性不稔系統を維持するために、葯裂開は、単離された葯から機械的に達成され得、同じ系統上でブラシまたは風による受粉のために使用され得る。ハイブリッドは、種子作物生産のためにMS系統をRF系統へ交雑することによって産生される。RF系統は、葯裂開領域において発現される強力なプロモーターの制御下において、活性化ドメイン { 例えば、Herpes単純ウイルスまたは酵母GAL4(Wilde et al. 1994, Plant Mol. Biol. 24, 381-388 および Moore et al. 1998, Proc. Natl. Acad. Sci. 95, 376-381を参照)由来のVP16タンパク質の転写活性ドメイン } と融合したSHNタンパク質を作動可能にコードする相同的(同一作物由来)SHN遺伝子を含む。RF系統のプロモーターは、MS系統においてリプレッサーSHN-EAR遺伝子を作動させるプロモーターのレベルよりも高い発現レベル(好ましくは10倍)を有するであろう。相同的なSHN(好ましくは活性化ドメインを含む)の高い発現は、リプレッサーSHN-EARに競合し、自然な他花受粉(例えば風またはミツバチによる)によって作物植物を受粉させる葯裂開および花粉放出を可能にする。
雄性不稔植物はまた、他の目的(例えば、環境中に分散する花粉を減少させること、花粉によって引き起こされるアレルゲンの問題)のために使用され得る。一実施態様において、雄性不稔植物は、栄養繁殖によって繁殖することができる植物(例えば草)である。本発明による雄性不稔植物はまた、このような遺伝子組換え植物において薬学的に活性な分子を産生するために使用され得る。雄性不稔は、他の植物まで広がる導入遺伝子の危険度を減少させる。本発明による植物はさらに、薬学的タンパク質またはタンパク質断片(例えば抗原、抗体または抗体鎖など)をコードするキメラ遺伝子を含み得る。
さらに、SHN転写制御要素、特にSHN2転写制御要素(配列番号18またはその最小の活性断片)またはSHN2相同分子種をコードするヌクレオチド配列の転写制御要素の使用は、裂開領域特異的な発現を与えるために使用され得、かつ雄性不稔を与えるために使用され得る。このために、葯裂開で関与する変異体の遺伝子が使用され得る。例えば AtMYB26(Steiner-Lange, 2003, Plant J. 34: 519-528) 、遅延性裂開1(Sanders et al, 2000, Plant Cell 12: 1041-61)。葯裂開領域において特異的な機能喪失を作製するために、アンチセンスまたはRNAi戦略または例えばEARリプレッサードメイン(Hiratsu et al 2003, supra)を使用する上述したキメラ転写因子リプレッサーを使用することができる。他の方法では、例えば細胞毒性タンパク質をコードする核酸配列または転写制御要素の下流に作動可能に結合し得るRNAを使用して裂開領域を特異的に乱すSHN2プロモーターを使用する。適切な核酸配列の例は、Bacillus amyloliquefaciens由来のリボヌクレアーゼバルネース(EP 0344029 B1を参照)、ジフテリア毒素、コウジカビ由来のRNase-T1(Quaas et al. 1988, Eur J Biochem 173:617-622) をコードする遺伝子である。
他の実施態様において、センスおよび/またはアンチセンスSHN RNAが宿主細胞において転写されることによる、SHN遺伝子サイレンシング構造体は、雄性不稔植物を産生するために使用される(以下を参照)。
D)収穫後/加工中の多肉質の果実の向上:果実全体の肉質、堅さ、可溶性固体および液汁
果実の発達中(例えばトマトの)、卵巣壁は薄いクチクラによって覆われた果皮になる。果皮の皮は、表皮細胞層および厚角組織の3〜4層からなる。外側の表皮細胞は気孔を含まないので、含水量はクチクラ透過性を通して制御される。SHNタンパク質がクチクラを通して増加した水の喪失をもたらすことが見出されたという事実により、果実または果物細胞/組織(特に外側の表皮細胞)におけるSHNタンパク質の生産が、発達中の果物の増加したクチクラの水の喪失をもたらし、対照植物の果実において見出されるよりも高い重量%の可溶性固体を有する果実をもたらす。可溶性固体のパーセンテージは、対照と比較して少なくとも1%、2%、3%増加し、より好ましくは少なくとも5%、6%、7%増加する。
可溶性固体の濃度は、0Brixにおいて定義される。すなわち、他の可溶性構成要素によって影響を受ける、還元糖を一次的に検出する標準的屈折性測定である。0Brixは携帯屈折計(例えばAmerican Optical Corp., Buffalo, NY) によって測定することができる。10Brixは約1重量%である。
特に果実加工産業にとって、可溶性固体は重要な優良な特徴である。他の重要な特徴は果物の肉質および堅さおよび風味である。これらは果実の含水量によって影響を受けるので、本発明による一つ以上のSHNタンパク質を過剰発現させることによって修飾され得る。
一実施態様において、本発明によるDNA配列をコードするSHNタンパク質に作動可能に結合した果皮特異的プロモーターを含むキメラ遺伝子をそのゲノム内に含む遺伝子組換え植物が提供される。また、これらの植物の成熟果実およびその種子および後代が提供される。一実施態様において、遺伝子組換え果実の表現型は、非遺伝子組換え植物の果実と比較して、可溶性固体の割合が増加し、および/または果実肉質および/または堅さが増加し、および/または果実風味が向上するように修飾される。好ましい実施態様において、宿主植物はトマト植物(Lycopersicon種)であり、修飾された果物はトマトである。加工処理されたトマトは、市場の新鮮なトマトよりも高い割合の可溶性固体を必要とするので、本発明による果実は、加工産業にとって特に適している(トマトペースト、缶詰にしたトマト、調理されたトマトなど)。一実施態様において、加工処理されたピューレ/液汁は、pH、滴定酸度、沈殿重量率、全固体、血清粘度、流出粘度および色を含む、一以上の加工処理性の特徴について改良される。果実はまた、より少ない損傷および腐敗状態で輸送することが容易になり、費用効率が上がるであろう。
Lycopersicon種には、L. cheesmanii、L. chilense、L. chmielewskii、L. esculentum (トマト)、Lycopersicon esculentum var. cerasiforme (チェリートマト)、L. esculentum x L. peruvianum、L. glandulosum、L. hirsutum、L. minutum、L. parviflorum Lycopersicon pennellii、L. peruvianum (ペルートマト)、L. peruvianum var. humifusum and L. pimpinellifolium (カラントトマト) が含まれる。
修飾された表現型は、多肉果を産生する任意の植物宿主を形質転換させることによって得られ、例えばブドウ、モモ、プラム、チェリー、マンゴー、イチゴは、果実濃縮産物について加工処理する前に可溶性固体および減少した収穫後の損傷を濃縮し、および/または果実の風味および果実の液汁を改良するために形質転換され得る。
果実発達中、および/または果実の特定の細胞/組織(特に外側の表皮細胞)において特に発現する適切な果実特異的プロモーターまたはプロモーターが、既知の技術において知られている。例には、トマトクチクラのワックス遺伝子のプロモーターがあり(Vogg et al, 2004, J. Exp Bot. 55: 1401-10)、また、例えばUS 5753475において提供される(例えば、トマト果実における赤色果実段階を通して少なくともブレーカーにおいて活性であるトマト ポリガラクツロナーゼ プロモーターを記載)。他の適切なプロモーターは、当業者によって容易に同定され得る。例えば、各多肉果、果実皮または表皮についての特異的なプロモーターが同定され得る。
好ましい実施態様において、遺伝子組換え果実は、肉質がより固く、および/または改良された風味を有し、および/または対照群と比較して改良された加工特性を有する。
E)創傷治癒性質および/またはコルク質化が増強された植物
更なる実施態様において、本発明による一以上のSHNタンパク質を発現する、増強された創傷治癒表現型を有する遺伝子導入植物が提供される。「増強された創傷治癒」とは、創傷後の傷つけられた組織表面上で保護層を形成する能力が増強されることを意味する。保護層は、対照植物(例えば非遺伝子組換え植物)と比較してより迅速に産生される。また、厚みおよび/または化学組成の変更があってもよい。
創傷は、植物の加工中(例えば収穫の間)または自然の風によって、動物の摂食などによって起こり得る。創傷は、しばしば収量の喪失および作物の品質の低下をもたらす。好ましい実施態様において、宿主植物はジャガイモ(Solanum tuberosum)である。SHNコード配列は、好ましくは、塊茎剥離特異的プロモーター下で発現する。遺伝子組換え植物の塊茎には、塊茎を機械的損傷から保護し、消費者の好みに合った魅力的な塊茎品質を示す保護的光沢性の外側塊茎層が含まれる。さらに、収穫および収穫後の輸送の間の塊茎に対する損傷は、増強された創傷治癒によって減少し、損傷を受けた塊茎とともに保存された残りの塊茎に対する腐敗をさらに防ぐ。これはまた、改良された一般的な塊茎品質および収穫後の収率損失の減少に貢献する。
他の実施態様において、木質樹木種(例えばポプラ属、やなぎ属、カシ属、ユーカリ属種)は、本発明によるベクターで形質転換され、一以上のSHNタンパク質が遺伝子組換え樹木によって生成され、増強された木栓質の形成を行うコルク細胞を誘導する。再生可能エネルギー用途としての木質バイオマスの高生産ならびに材木および紙についての伝統的使用は、ゲノム科学および生物工学的な資源の発達によって対処する(Taylor, 2002, Annals Botany 90: 681-689)。SHN遺伝子の発現が木質種のコルクにおいて増加した木栓質の堆積を制御することを可能にする、形質転換系および特異的なプロモーターが同定される。カシ属のコルクの木栓質の自然な産生が増強され得、他の樹木においても多くの木栓質が産生される。コルクは、コルク質の樹木が生育する自然の生息地における乾燥、やぶ火事および温度変動に対する自然な防御機構である。このように、他の木で増強された木栓質コルク層をもたらすことは、他の木質樹木種に、類似的な性質を提供する。コルクは、実際には柔らかい内部の樹皮から外側の樹皮を分離する耐水性細胞でできている。これは、他のいかなる天然に存在する材料においても見出されない独特な一連の性質を有する。先ず軽く、続いて腐敗抵抗性、防火性、シロアリ抵抗性を有し、ガスおよび液体を通さない。それでいて、柔らかく、浮力がある。このように、これらの特性は、新しい用途を提供する他の樹木の品質を改善する。加工処理されたコルク板の他の使用法には、例えば、防音処理および冷蔵庫および冷蔵貯蔵プラントの絶縁体; エンジンおよびモーターのガスケットおよびワッシャ; パイプカバー; 研磨用車輪; 床および壁カバー; 伝統的な飲料用ボトルキャップ(ワインおよびシャンパンを含む)がある。
上記に記載された形質転換された全ての植物、該植物の種子、細胞、組織および後代(例えばF1、F2種子/植物など)が本明細書中に含まれ、DNA中の導入遺伝子の存在によって同定され得る。該同定は、例えば全ゲノムDNAを鋳型として使用する、およびSHN特異的なPCRプライマー対を使用するPCR分析によって行われ得る。また、「種目特異的な」PCR診断法が開発され得る。該PCRプライマーは、挿入されたキメラ遺伝子を隣接させる植物DNAに基づいている(US6563026を参照)。同様に、遺伝子導入植物またはそこから誘導された任意の植物、種子、組織または細胞を同定する種目特異的なAFLPフィンガープリントまたはRFLPフィンガープリントが開発されてもよい。
本発明による遺伝子組換え植物が、好ましくは望ましくない表現型、例えば、収率の減少、疾患に対する増強された感染性、望ましくない設計上の変化(矮化、変形など)を示さないことが理解される。このような表現型が原発性形質転換体で見られる場合、これらは通常の育種および選択方法(交雑/戻し交雑/自家受粉など)によって除去され得る。本明細書中に記載された遺伝子組換え植物は、導入遺伝子についてホモ接合性でもヘミ接合性でもよい。
F)SHN-リプレッサードメイン融合タンパク質による遺伝子サイレンシングおよび機能喪失した表現型の産生
特定の用途について、SHN遺伝子またはSHN遺伝子ファミリーが沈黙または植物の特異的な細胞もしくは組織において沈黙する遺伝子組換え植物を産生することが望ましい。「遺伝子サイレンシング」とは、一以上のターゲット遺伝子の遺伝子発現のダウンレギュレーションまたは完全な阻害をいう。遺伝子発現をを減少または消失させる阻害性RNAの使用法は、当該技術において十分に確立され、いくつかのレビューの主題である(例えば、 Baulcombe 1996, Stam et al. 1997, Depicker and Van Montagu, 1997)。植物において遺伝子サイレンシングを達成するのに利用可能な多数の技術が存在する {例えば、ターゲット遺伝子の全部または一部のアンチセンスRNAを生成し(例えばEP 0140308 B1、EP 0240208 B1およびEP 0223399 B1を参照)、またはセンスRNAを生成する(コサプレッションとしても参照される)(EP 0465572 B1を参照)キメラ遺伝子}。
しかしながら、これまでに最も成功した手法は、ターゲット遺伝子のセンスおよびアンチセンスRNA(「逆方向反復」)の産生であった。これらのRNAは、細胞において二本鎖RNA(dsRNA)を形成し、ターゲット遺伝子をサイレンシングさせる。dsRNA産生および遺伝子サイレンシングのための方法およびベクターは、EP 1068311、EP 983370 A1、EP 1042462 A1、EP 1071762 A1およびEP 1080208 A1において記載されている。
従って、本発明によるベクターは、本発明によるSHN遺伝子のセンスおよび/またはアンチセンスDNA断片に作動可能に連結された植物細胞において活性を示す転写制御領域を含んでもよい。一般に短い(センスおよびアンチセンス)ストレッチ、例えば17、18、19、20、21、22または23ヌクレオチドのコーディングまたは非コーディング配列が好ましい。より長い配列もまた使用され得る(例えば100、200または250ヌクレオチド)。好ましくは、短いセンスおよびアンチセンス断片がスペーサー配列(例えばイントロン)によって分離され、dsRNA構造上にループ(またはヘアピン)を形成する。配列番号:1-10の任意の短いストレッチは、SHN遺伝子サイレンシングベクター、および一以上のSHN遺伝子が全てのまたは幾つかの組織または器官においてサイレンシングされる、遺伝子導入植物を作製するために使用され得る。ヘアピン構造体を産生する簡便な方法は、一般的なベクター(例えば、pHANNIBALおよびpHELLSGATE、ゲートウェイ(登録商標)技術に基づいたベクター)を使用することである(Wesley et al. 2004, Methods Mol Biol. 265:117-30; Wesley et al. 2003, Methods Mol Biol. 236:273-86 および Helliwell & Waterhouse 2003, Methods 30(4): 289-95を参照)。全ての技術が参照によって本明細書中に含まれる。
保存された核酸配列を選択することによって、宿主植物における全てのSHN遺伝子ファミリー構成員がサイレンシングされ得る。また、SHN遺伝子のセンスおよび/またはアンチセンスDNA断片に作動可能に連結された転写制御因子を含み、SHN遺伝子サイレンシング表現型を示す遺伝子組換え植物が、本明細書中に包含される。遺伝子をサイレンシングさせる構造体がまた、逆遺伝子手法において使用されてもよく、宿主種においてSHN遺伝子または遺伝子ファミリーの機能を解明または確認する。
一実施態様において、SHN遺伝子サイレンシングは、宿主植物においてさや飛散抵抗性および/または雄性不稔を産生するために使用される。しかしながら、構造上のおよび機能的な重複性のために、遺伝子サイレンシング手法は、必ずしもうまくいかず、表現型の変化を示さなかったり、ノックアウトされたときに、おそらく極端な環境条件下でのみ明らかにされる微妙な表現型しか示さない。従って、好ましい手法は、上述したように、宿主細胞においてSHN-リプレッサードメイン融合タンパク質を過剰発現することによって、雄性不稔植物および/またはさや飛散抵抗性植物を産生することである。好ましい実施態様において、このキメラのタンパク質は、SHN-EAR融合タンパク質またはEn-SHN融合タンパク質(例えばEn298-SHN融合タンパク質)である。
G)耐塩性が増強された遺伝子組換え植物
遺伝子組換え耐塩性(塩寛容性)植物は、適切なプロモーターで制御下において少なくとも一つのSHNタンパク質をコードする核酸配列で植物宿主細胞を形質転換することによって産生され得(上述および例において記載したとおり)、前記細胞から遺伝子導入植物を再生させる。好ましいプロモーターは、恒常的な、誘導性の根特異的なプロモーターである。
「耐塩性」または「増強された耐塩性」は、塩性土壌または増殖培地上において生育および生存する能力をいう(特に収量の喪失がなく、あるいは最小の収量の喪失のみを伴うもの)。好ましくは、耐塩性植物は、塩性土壌において、対照植物の生存率よりも少なくとも10、20、30、40、50、80、90または100%高い生存率を示す。
耐塩性は、例において記載されたとおりに決定され得(塩性培地をかけたときに、生き残る植物の個体数を評価し、または植物を生育させることによって)、様々な塩性レベルに土壌を制御する { 例えば、2〜4dS/m(deciSiemens/メートル)、4〜8dS/m、8〜16dS/mまたは16dS超/m(非常に高塩性)のECe値(抽出液の電気伝導度)を有する土壌 }。ある植物が、収量の喪失がなく、あるいは最小の収量の喪失のみで、対照植物よりも高いECe値をもつ土壌の上で生育することができる場合、該植物は耐塩性である。好ましくは、SHN過剰発現植物は、対照のdS/m単位と比較して少なくとも1、好ましくは少なくとも2、より好ましくは少なくとも3以上高いdS/m単位を示すECe値を有する土壌の上で、収量の喪失なく(または最小の収量の喪失のみで)生育され得る。
好ましい実施態様において、植物は、耐塩性および耐乾性である。
H)修飾された表現型を含む非遺伝子組換え植物
また、非遺伝子組換え的方法、例えば、TILLINGのような変異誘発系(Targeting Induced Local Lesions IN Genomics; McCallum et al., 2000, Nat Biotech 18:455, および McCallum et al. 2000, Plant Physiol. 123, 439-442、 両文献とも参照によって本明細書中に組み込まれる)を使用し、本発明による一以上のSHNタンパク質をより大量に産生する植物系統を産生するための選択を使用することは、本発明の一実施態様である。本発明の範囲を制限するものではないが、このような植物は、宿主SHN遺伝子を恒常的またはより高発現性にするリプレッサータンパク質のための結合部位であるプロモーターに、点変異/欠失変異を含み得ることが考えられる。好ましくは、変異体または変異体の一部におけるSHNタンパク質の濃度は、非変異体植物と比較して少なくとも約2、5、10、15%以上増加する。TILLINGは、変異体についてのハイスループットなスクリーニング(例えば、変異体−野生型の DNAヘテロ二本鎖をCel 1で裂開して、シーケンシングゲル系を使用して検出を行う)によって追従された、伝統的な化学的変異誘発(例えばEMS変異誘発)である。例えば、Henikoff et al. Plant Physiology Preview May 21, 2004を参照されたい。このように、一以上の組織においてSHN遺伝子発現が強化され、かつ本発明による一以上のSHN表現型(例えば、耐乾性の強化、耐塩性の強化、コルク質化の強化など、上述したもの全て)を含む非遺伝子組換え植物、種子および組織、ならびに該植物を産生および同定するための方法は、本発明中に包含される。
一実施態様において、該方法には、植物種子の変異化(例えばEMS変異誘発)、植物体またはDNAの貯留、対象部位のPCR増幅、ヘテロ二本鎖の形成、およびハイスループットな検出、変異植物の同定、変異体PCR産物のシーケンシングの工程が含まれる。その他の変異誘発および選択方法が、このような変異体植物を産生するために等しく使用され得ることが理解される。種子は、例えば放射線処理や化学的処理に供され、植物体が、修飾されたSHN表現型(例えば強化された耐乾性)についてスクリーニングされてもよい。
本発明の他の実施態様において、植物材料は、SHN相同分子種的な配列および/または調節配列でDNA配列中に多型または変異を含む、種または近縁種の自然個体群である。SHN遺伝子ターゲットの変異は、ECOTILLING手法を使用するためにスクリーニングされ得る (Henikoff et al 2004, supra)。この方法では、育種系統または近縁種における天然の多型が、上記したTILLING方法によってスクリーニングされる。該方法において、個体または植物群の貯留が、SHNターゲットのPCR増幅、ヘテロ二本鎖の形成およびハイスループットな分析のために使用される。これは、必要な変異を有する個体植物の選択によって追従され得る。育種プログラムは、所望のSHN相同分子種的な対立遺伝子を組み込むために使用され、所望の特徴を有する栽培品種を開発する。
更なる実施態様において、一以上の組織においてより低いレベルのSHNタンパク質をもたらす非遺伝子組換え変異体植物が提供される。あるいは、特定の組織において完全にSHNタンパク質を欠く変異体、特定の組織において機能しないSHNタンパク質をもたらす変異体が提供される(例えば一以上の内在性SHN対立遺伝子における変異が原因)。この目的のために、TILLINGのような方法がまた使用されてもよい。種子は、例えば放射線または化学変異誘発を使用して変異化されてもよく、変異体は例えばCEL 1の裂開を使用したDNA多型の検出によって同定されてもよい。特に、一以上のSHN対立遺伝子に変異を含み、飛散抵抗性または雄性不稔を示す変異体が提供される。機能しないSHN対立遺伝子は、単離および配列決定されてもよく、育種方法によって他の植物に,転移させてもよい。
変異体植物は、分子学的手法(例えば変異は、DNA、SHNタンパク質レベル、SHN RNAレベルにおいて存在する)および修飾された表現型の特徴によって、非変異体と区別することができる。
非遺伝子組換え変異体は、内在性SHN遺伝子の強化された発現を与える変異または変異SHN対立遺伝子について、ホモ接合であってもヘテロ接合であってもよい。
配列
配列番号1: SHN1をコードするシロイヌナズナのゲノムDNA
配列番号2: SHN2をコードするシロイヌナズナのゲノムDNA
配列番号3: SHN3をコードするシロイヌナズナのゲノムDNA
配列番号4: シロイヌナズナ SHN1転写産物
配列番号5: シロイヌナズナ SHN2転写産物
配列番号6: シロイヌナズナ SHN3転写産物
配列番号7: シロイヌナズナのSHN1コーディング配列
配列番号8: シロイヌナズナのSHN2コーディング配列
配列番号9: シロイヌナズナのSHN3コーディング配列
配列番号10: イネ(Oryza sativa)のOsSHN1コーディング配列
配列番号11: シロイヌナズナのSHN1アミノ酸配列
配列番号12: シロイヌナズナのSHN2アミノ酸配列
配列番号13: シロイヌナズナのSHN3アミノ酸配列
配列番号14: イネ(Oryza sativa)のOsSHN1アミノ酸配列
配列番号15: SHINEの「mm」共通ドメイン
配列番号16: SHINEの「cm」共通ドメイン
配列番号17: SHN1の転写制御配列
配列番号18: SHN2の転写制御配列
配列番号19: SHN3の転写制御配列
配列番号20: OsSHN1の転写制御配列
配列番号21: EARリプレッサードメイン
配列番号22: EARリプレッサードメインのコーディング配列
配列番号23: OsSHN2のcDNA
配列番号24: OsSHN2のアミノ酸配列
以下の制限のない例は、植物表現型を修飾するSHN遺伝子の使用を説明する。例において別な方法が示されない限り、全ての組み換えDNA技術は以下の標準的なプロトコルに従って行われる。Sambrook et al. (1989) Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Second Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, and Sambrook and Russell (2001) Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Third Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, NY; and in Volumes 1 and 2 of Ausubel et al. (1994) Current Protocols in Molecular Biology, Current Protocols, USA. 標準的材料および植物分子作業の方法は、以下に記載されている。Plant Molecular Biology Labfax (1993) by R.D.D. Croy, jointly published by BIOS Scientific Publications Ltd (UK) and Blackwell Scientific Publications, UK.
例1− 材料および方法
1.1 植物材料および耐乾性の実験
活性化タグ集団(Marsch-Martinez et al., 2002, Plant Physiol. 129: 1544-1556) および遺伝子組換え系統を含む全ての植物は、約22℃の温室内において育生され、かつシロイヌナズナ生態型Wassilewskija (Ws)の中にある。耐乾性実験のために、土壌混合物は、1部の砂および真珠岩と2部の堆肥で構成される。種子は、トレー上の4cmの鉢あたり6本の植物の密度で、51の鉢(Aracon容器、BetaTech, Belgium)において播種された(4℃で三終夜経過後)。
ミネラル栄養素は発芽後10日目に供給され、発芽後2週間で、植物は、乾燥トレーに鉢を移すことによって(外側から各鉢を乾燥した後に)、乾燥実験(9、10、11または12日間)に供された。乾燥中2日毎、鉢位置の影響をなくすために植物をトレー内で移動させた。続いて、植物は再水和され、一週間後に回復状態について観察された。乾燥実験は4回の反復試験を行い、全実験を5回繰り返した。
1.2 フランキングDNAの単離および配列分析
DNAは、Pereira and Aarts (1998, Transposon tagging with the En-I system, Totowa, NJ, Humana Press)に従って、二枚の葉または若い花芽から単離され、Marsch-Martinez et al., 2002, supraによって記載されたように、10 ngのゲノムDNAが熱非対称性インタレース-PCR (TAIL PCR)のために使用された。一般に、再PCRが増幅された断片をシークエンシングする前に行われ、BlastN algorithm (Altschul et al. 1990, J. Mol. Biol. 215:403-410) を使用してシロイヌナズナのゲノム中の挿入位置を同定する。複数の配列のアライメント化は、CLUSTAL X (Thompson et al. 1997, Nucl. Acid Res. 25, 4876-4882) および DNASTAR (DNASTAR Inc. Madison, WI) を使用して行われ、一方、GENEDOC (Nicholas et al. 1997,EMBNET News 4, 1-4) および TreeView (Page, 1996, Comp. Applic. Biosci. 12: 357-358) プログラムは、アライメントを編集するため、および系統ツリーを作成するためにそれぞれ使用された。ブートストラッピングを含む系統分析は、Lucker et al. (2002, Eur. J. Biochem. 269, 3160-3171) によって記載されたように行われた。
1.3 植物形質転換構造体および遺伝子組換えシロイヌナズナの産生
全長翻訳領域を含む断片が、花芽cDNA(SHN1、At1g15360のために)またはゲノムDNA(At5g11190、SHN2およびAt5g25390、SHN3のために)から増幅され(pfu DNAポリメラーゼを使用して)、3つの過剰発現構造体を産生した。増幅のために使用されるcDNA(「遺伝子発現の分析」の項において後述されるように生産された)およびゲノムDNAは、シロイヌナズナ生態型Columbiaに由来した。オリゴヌクレオチドAP35およびAP36はSHN1を増幅するために使用され、一方、オリゴヌクレオチドAP69およびAP70はSHN2を増幅するために使用された。オリゴヌクレオチドの両方のペアは、それぞれ、BamHIおよびSstI制限部位を増幅された断片の5'および3'に導入した。該制限部位は、カリフラワーモザイクウイルス(CaMV)の35Sのプロモーターとノパリンシンターゼ(NOS)ターミネーターとの間にある、pBI121二成分ベクター(Clontech, Palo Alto, CA)におけるBamHIおよびSstI部位に該翻訳領域断片を結合させるために利用された。オリゴヌクレオチドAP71およびAP72は、SHN3を増幅するために使用され、BglIIおよびXhoI制限部位を増幅された断片の5'および3'に導入した。該制限部位は、35S CaMVプロモーターとNOSターミネーターとの間にある、pNEW二成分ベクター(修飾されたpBI121二成分ベクター、Nayelli Marsch-Martinez、未刊行)におけるBamHIおよびSalI部位に該翻訳領域断片を結合させるために利用された。プロモーター::GUS構造体を産生するために、各遺伝子(2kbのSHN1およびSHN3ならびに1.857kbのSHN2)のATGコドンに対して上流にある断片は、Taq DNAポリメラーゼおよび5'および3'にXbaI NcoI制限部位を導入したオリゴヌクレオチドを使用して、ゲノムDNA(生態型Columbia)から増幅された。SHN3の場合においてのみ、増幅された断片は、5'末端に内在性のXbaI部位を既に含んでいた。これは、pBinPlusベクター (Raffaella Greco、未刊行) 上流のβ-グルクロニダーゼ(GUS)レポーター遺伝子中にあるXbaIおよびN
coI部位に該断片を結合させることを可能にした。オリゴヌクレオチドAP61およびAP62は、SHN1の上流領域を増幅するために使用され、同じように、AP147およびAP148はSHN2のために、AP149およびAP150はSHN3のために使用された。全てのケースにおいて、断片は、Aテイルが付加され、かつ製造業者(Promega)によって記載されたようにpGEM-T Easyベクターに導入され、続いて、消化および二成分ベクターに対するライゲーションの前に両側から配列決定された。PCR、制限消化、プラスミドDNAの単離およびゲル電気泳動は、標準的なプロトコルを使用して行われた。rd29A-DREB1A構造体は、「Kasuga et al., 1999, Nat. Biotech. 17, 287-291」に記載されたものと類似している。但し、遺伝子融合体は、pBinPlus (van Engelen et al., 1995, Trans. Res. 4, 288-290) に挿入された。構造体は、花液浸形質転換方法(Clough and Bent, 1998, Plant J. 16, 735-743)を使用して植物に導入された。種子は、二分の一強度のMurashigeおよびSkoog 培地(1/2MS;Murashige and Skoog, 1962, Physiol. Plant. 15, 473-497)で静置され、50mg/Lのカナマイシンで選択された実生が、続いて温室へ移された。
オリゴヌクレオチド:
AP35 (5’- CGGATCCATGGTACAGACGAAGAGTTCAG -3’)
AP36 (5’- CGAGCTCGATTTAGTTTGTATTGAGAAGC -3’)
AP69 (5’- CGGATCCATGGTACATTCGAGGAAGTTCCG -3’)
AP70 (5’- CGAGCTCTCAATCCAATTCAGCAACTCC -3’)
AP71 (5’- CAGATCTGAAGAATGGTACATTCGAAG -3’)
AP72 (5’- CTCGAGCCTTTAGACCTGTGCAATGG -3’)
AP61 (5’- CTCTAGAACGAATGGCCGTTGATCAGAG -3’)
AP62 (5’- CCCATGGTTACTTACTCTGTG -3’)
AP147 (5’- CTCTAGAGATTGGGTACTAGGTTAAGG -3’)
AP148 (5’- CCCATGGTTTAGTTTCCTTCA -3’)
AP149 (5’- ATCGTGTGAAACGTCAATCG -3’)
AP150 (5’- CCCATGGCTTCGAATGTACCATGGTTCTG -3’)
AP151 (5’- CTGGATCTGGATCTAGAACTCCGTTTGGGTTTCGCTTAA -3’) (AP151は、EARリプレッサープライマーである)
1.4 遺伝子発現の分析
逆転写酵素-PCR(RT-PCR)のための全RNAは、製造業者(Invitrogen, Life technologies)によって記載されたようなTrizolReagentを使用して、4週齢のshn活性化タグ変異体および野生型(生態型WS)植物の成熟した緑色のロゼット葉から単離された。約1μgの全RNAは、供給者(Invitrogen, Carlsbad, CA)によって記載されたように、DNase Iの処理およびcDNAの合成(SuperScriptII逆転写酵素を使用して)のために使用された。cDNAは、50倍に希釈され、以下のアクチン遺伝子についての特異的オリゴヌクレオチドを使用して増幅のために使用され、
RACTP1, 5'- GCGGTTTTCCCCAGTGTTGTTG -3'
RACTP2, 5'- TGCCTGGACCTGCTTCATCATACT -3'
cDNAサンプルの濃度を等しくした。続いて、希釈されたcDNAは、挿入部位の側方に位置する2つの遺伝子を増幅するように設計された特異的オリゴヌクレオチドを使用してPCR反応を行うために利用された。オリゴヌクレオチドAP8およびAP9はAt1g15350遺伝子を増幅するために、AP6およびAP7はAt1g15360(SHN1)を増幅するために使用された。PCRの反応条件では、95℃で3分間の変性工程、続いて95℃で1分、55℃で1分、72℃で1分半の工程を35サイクル、最後に72℃で5分間の伸長工程が行われた。アクチンオリゴヌクレオチドによる対照PCRでは、30回の増幅サイクルが採用された。
AP8 5'- CAAACGCTCAAGGGTCTCGTC -3'
AP9 5'- CTGAGCACAACCAAGTCCACCA-3'
AP6 5'- CTTCATCGCTCTCTTCCATCC -3'
AP7, 5'- CCAATACTTCTTCTCTGCTGC -3'
1.5 ワックスの抽出および化学分析
クチクラのワックスが、無傷の葉を室温で20mLのクロロホルム(>99%; Fisher Scientific, Nepean, Ontario, Canada) に30秒間にわたって二回浸漬することによって完全に抽出された。Tetracosane(Sigma-Aldrich, Oakville, Ontario, Canada)が内部標準として加えられ、抽出液が濾過され、溶媒が溶液を50℃まで加熱している間にN2のゆるやかな流れによって除去された。その後、全てのサンプルが、ピリジン(Fluka, Buchs, Switzerland、70℃で30分)中においてビス-N,N-(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド (BSTFA, Sigma-Aldrich) で処理され、全てのヒドロキシル含有化合物を、対応するトリメチルシリル誘導体に変換した。続いて、抽出された表面領域が、葉の写真複写物をスキャニングすることによってデジタル的に測定された。定性的な組成は、Heキャリアガス(入口での圧力が30kPaと一定)と質量スペクトル検出器(70eV、m/z 50-750、5973N、Agilent)を含む、キャピラリーGC (6890N, Agilent, Palo Alto, Ca, USA) で研究された。GCは以下の温度プログラムで行われた。50℃で注入、50℃で2分間にわたって乾燥、40度/分で200℃まで上昇、200℃で2分間にわたって保持、3℃/分で320℃まで再び上昇、320℃で30分間にわたって保持。混合物の定量的組成は、上述したのと同じガスクロマトグラフィー条件下においてキャピラリーGC (Agilent; 30 m HP-1, 0.32 mm i.d., df = 1 μm)および炎イオン化検出によって研究された。但し、H2キャリアガスの入口での圧力は以下のようにプログラムした。50kPaでの注入、5分間にわたって保持、その後に3kPa/分で150kPaまで上昇、150kPaで40分間にわたって保持。単一化合物は、ピーク領域を手作業で統合することによって、内部標準に対して定量化された。
1.6 クロロフィル浸出試験、生重量および気孔分析
クロロフィル浸出試験について、4週齢植物の根および花序茎を切断し、残りの花紋板を水道水ですすぎ、定量し、室温で80%のエタノールを30ml入れたチューブに入れた(暗所でゆるやかに攪拌した)。最初の一時間、10分毎に各サンプルから400μLを取り出し、その後は90分後および120分後に各サンプルから取り出した。各サンプルの吸光度は、664および647で測定され、かつ下記式 (Lolle et al., 1997, Dev. Biol. 189, 311-321) を使用して組織の生重量の1グラム当りの総クロロフィルのマイクロモル濃度を計算した:総マイクロモルクロロフィル=7.93(A664)+19.53(A647)。
野生型由来の種子および突然変異体系統を、3終夜にわたって冷所(4℃)で階層配置し、約12粒の種子/1ポットの密度で9cmの直径のポット中に播種した。植物は、発芽後10日目に栄養を与えられ、4週齢まで栽培された後、水分損失分析のために使用された。植物の花紋板および新生の茎が根から分離されて、生重量について直ちに計量された。室温(22℃)で維持された全サンプルは、いくつかの定時的な時間間隔で計量された。最初の観察は2分間の短時間間隔で行い、次に、1時間のより長い間隔まで徐々に増加させた。サンプルは7時間以上にわたって計量された。観察は、野生型と突然変異体の4つの異なる植物で行われた。また、実験は、異なる日に3つのバッチで繰り返された。平均生重量、平均乾燥重量(サンプルは2日間にわたって60℃で維持された後計量された)、単位生重量当りの水分損失率の平均値および標準偏差が計算された。グラフは、分刻みの時間軸に対して単位生重量当りの水分損失率の平均値でプロットされた。
気孔の密度、敷石状細胞密度および気孔指数(index)の測定について、我々は、野生型および35S::SHN1系統♯2-2の6週齢植物由来の、同様の大きさおよび年齢の成熟した緑色ロゼット葉を使用した。4つの異なる植物からの二枚の葉(2つの遺伝子型の各々からの二枚の葉)が、それらの背軸面のインプリントを生成するために使用された。溶液が粘性を有するまで、キシレン中にサーモコル(thermocol)を溶解させることによって作製されたキシレン−サーモコル混合物は、葉の背軸面上で均一に適用され、かつ乾燥を可能にする。続いて、インプリントが葉面から剥離され、大葉脈と葉身縁との間にある領域から誘導された断片が、50%グリセロールとともに、ガラス製の顕微鏡用スライド上に載せられ、光学顕微鏡 (Zeiss)を使用して、20倍の倍率で観察を行った。多くの表皮の敷石状細胞および気孔の数は、単位平方メートル当りでカウントされ(1枚の葉当たり2つの異なる領域)、気孔指数が計算された(Mishra, 1997, Ann. Bot. 80, 689-692)。
1.7 GUS染色および顕微鏡検査
土壤栽培された植物またはインビトロで1/2MS上で生育された実生からの様々な器官由来の組織は、そのGUS発現パターンについて分析された。
GUS溶液には、100Mmリン酸ナトリウムバッファー、pH 7.0、0.5mg/ml 5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリルβ-D グルクロン酸 (X-Gluc、Duchefa、The Netherlands)、0.1%Triton、および0.5 mMのカリウムフェリ/フェロシアン化物が含まれる。サンプルを真空浸潤させ、16〜24時間にわたって37℃でインキュベートし、70%エタノール中でクロロフィルから除去した。観察は、双眼鏡(WILD M3Z of Heerbrugg Switzerland, type-S)または光学顕微鏡(Zeiss)で行われ、RS Photometrics CoolSNAPカメラ(MediaCybernetics(登録商標))がデジタル画像を撮影するために、対応するCoolSNAPソフトウェアと共に使用された。
走査型電子顕微鏡法(SEM)について、サンプルは、導電性カーボンセメント (Leit- C, Neubauer Chemikalien, Germany)でサンプルホルダに固定され、続いて、液体窒素中において凍結された。サンプルは真空下、−90℃のサンプル台上で専用の極低温調製チャンバー(Oxford cryo-system, CT 1500 HF, Eynsham, UK)に移される。極低温破砕が、低温(196℃)メス刃を使用して約-150℃で行われた。砕かれたサンプルは、水蒸気汚染を除くために真空(3x10-7Pa)中-90℃で3分間にわたって凍結乾燥した。サンプル表面が10nm Platinumでスパッタコートされた後、サンプルはCryo-FESEM (JEOL 6300F Field Emission SEM, Japan, Tokyo) 内部の低温サンプル台(-190℃)に移され、続いて、5kVの加速電圧で分析された。画像はデジタル記録された(Orion, Belgium)。
例2−shine変異体の同定
2000本のシロイヌナズナのトランスポゾン活性化タグ系統の収集物をスクリーニングすることによって(Marsch-Martinez et al., 2002)、葉の表面が変化した(図示せず)変異体植物が同定された。変異体(shine、shnと命名)のロゼット葉および茎生葉はともに、野生型植物と比較したときにより鮮やかで光沢のある緑色を有し、しばしば巻き下がった端を有する(図示せず)。成熟した植物の茎はしばしば、曲がった構造をとり、長角果は野生型よりも少し小さめで、さらにより鮮やかな表面を有する。その他の花部器官の構造および植物生殖力は、shnにおける影響を受けなかった。自家受粉したshn変異系統の後代分析は、優性変異を示した(植物の4分の3がshn表現型を示した)。
例3−shn変異体における積載されたワックスの変化
走査型電子顕微鏡(SEM)が、野生型植物器官の表面とshn植物器官の表面との間の詳細な比較のために利用された。シロイヌナズナの茎および長角果の表面は、異なる種類のワックス結晶の高密度の混合物によって覆われ、一方、葉の表面には、通常はほんの少数のエピクチクラのワックス結晶のみが存在する。野生型とは対照的に、我々は、shnのロゼットおよび茎生葉の向軸面と背軸面の両面においてより多くのワックス結晶を検出した。葉の表面は、野生型の長角果と茎の場合のように、結晶によって完全に覆われているわけではなく、板状のワックス結晶の不規則な斑が形成されていた。shn変異体のさらなる特徴は、野生型では検出されなかった、茎葉および長角果の両表面上でのクチクラの隆起の存在であった(データは示さず)。このようなクチクラの装飾は、shnロゼット葉の向軸面または背軸面のいずれにおいても可視的ではなかった。長角果および茎葉組織の凍結分画はさらに、shn組織におけるクチクラの隆起の存在を実証し、野生型のシロイヌナズナの花弁の表面に通常存在するクチクラの隆起に対して類似性を示した。この分析において、クチクラの厚みは劇的には変化しなかった。ワックスの結晶数の増加もクチクラの隆起も、shnの萼片、葯フィラメントおよび花弁の表面では検出されなかった。
全ワックス混合物の詳細な化学分析が、shnおよび野生型の葉のクチクラにおいて行われ、SEMによって検出された積載されたワックスの変化を定量化した。shn変異体のワックスの表現型は、野生型に対してワックス被覆度において6倍の増加によって特徴づけられた。表面積あたりの抽出可能なクチクラの脂質の質量として表された(表3)。
Figure 2008502358
野生型の葉ワックスは、アシル還元経路(第一級アルコール(アルキルエステル))および脱カルボニル経路(アルカン、第二級アルコール、ケトン)からの化合物をほぼ等しい量で含むことがわかった。極めて対照的に、shn変異体のワックスは、両方の経路から得られた化合物の量の違いによって特徴づけられた。第一級アルコールおよびアルキルエステルがわずか2.8倍および1.4倍の増加を示したのに対し、アルカン、第二級のアルコールおよびケトンは、それぞれ9.0倍、11.9倍および11.0倍に増加した。アルデヒド(脱カルボニル経路の中間体と考えられている)は、変異体のワックス混合物において2.2倍の高い値を示した。同様に、その他の化合物クラス(脂肪酸、分枝アルコールおよびステロイド)でも、ゆるやかな増加ながらも、変異体ワックスにおいて高い値が示された。
野生型および変異体の葉のワックスにおいて、脂肪酸、アルデヒドおよび第一級アルコールは、アシル誘導体について予期された等しい炭素数を有する構成要素によって支配されていた(図1)。アルカン、第二級アルコールおよびケトンは、典型的な伸長/脱カルボニル経路からの代謝産物のための、奇数番号の代表物の明確な優勢を示した。野生型のワックスは、脂肪酸およびアルデヒドについてはC32/C34、アルカンについてはC31、および第一級アルコールについてはC26/C28によって支配された鎖長分布を示した。C14およびC15位置の両方に官能基を有する、C29の第二級アルコールおよびケトンのみが、検出され得た。これらの野生型のパターンと比較すると、変異体の葉のワックスには、より高い濃度のC30脂肪酸、C30アルデヒドおよびC27/C29アルカンが含まれ、同時に、より低い相対量のC34脂肪酸、C34アルデヒドおよびC33アルカンで補正されている(図1)。第二級アルコール、ケトンおよび第一級アルコールの鎖長分布は、野生型と変異体で類似していた。
例4−shn変異体におけるクチクラ透過性の変化
shnのクチクラの膜性質が変化したか否かを調べるために、クロロフィル浸出実験が行われ、該実験において、shnおよび野生型植物からのロゼット葉が、80%エタノールに異なる時間で浸漬され、溶液中のクロロフィル濃度が決定された。クロロフィルは野生型と比較してより急速にshnの葉から抽出された(図2A)。shn葉からのクロロフィルのより多くの溶出は、クチクラ透過性の増加を示す。
クチクラの水の喪失について試験するために、剥離されたロゼットの生重量の変化がモニターされた。4週齢の実生の根および新生の花茎が、ロゼットから剥離され、経時にわたる水の喪失を調べるために使用された。結果(図2C)は、野生型のロゼット組織と比較してとき、ロゼット組織からの生重量の減少がshnで増加したことを示す。shnにおける水の喪失は、気孔が閉じた後も継続したので(Yoshida et al., 2002, Plant Cell Physiol. 43, 1473-1483)、明らかにされたことは、shnにおける増加したクチクラの水の喪失である。
例5−AP2/EREBP転写因子ファミリーのメンバーがshn変異体の表現型を引き起こす
DNAゲルブロット分析は、shnが単一の挿入を含むことを示した(データは示さず)。挿入部位に隣接するDNAの単離および配列分析はさらに、挿入部が第1染色体上の遺伝子間領域に位置することを示した。35Sエンハンサー四量体の位置は、未知のタンパク質をコードする遺伝子(プロモーターの4025塩基対上流)と、転写因子の植物特異的なAP2/EREBPファミリーのメンバーをコードする遺伝子(プロモーターの620塩基対上流)との間にある。これらの2つの遺伝子が野生型と比較してshnにおける発現において誘導されたかどうかを調べるために、我々は、shnおよび野生型の葉組織から単離されたcDNAを使用して逆転写PCR(RT-PCR)実験を行った。その結果は、35Sのエンハンサー四量体の両側からの遺伝子が、野生型の葉と比較してshn変異体の葉において誘導されたことを示した(データは示さず)。
例6−SHN1を過剰発現する遺伝子組換え植物
AP2/EREBP転写因子をコードする、下流の遺伝子(At1g15360)は、shn変異体表現型を決定する一次的な候補として選ばれた。結果として、遺伝子のコード領域(SHINE1またはSHN1と命名)がクローン化され、35S CaMVプロモーターの制御下でシロイヌナズナにおいて恒常的に発現した。実際に、全ての遺伝子組換え植物(20個体)は原型の活性化タグ系統に似た表現型、特に、shnの鮮やかな緑色の葉および長角果の表面ならびに下に向かって曲がった葉を示した(データは示さず)。大部分の35S:: SHN1系統の表現型(一次的な形質転換体およびその後の産生)は、原型のshn変異体と比較してよりはっきりとしたものであった。ほとんどの場合において、植物はより小さく、時には小さくする(成熟時点のサイズが3〜5cm)。これらの葉は非常に強く曲がり、巻かれていることもある(データは示さず)。さらなる化学分析は、形質転換体の葉が積載されたクチクラのワックスを有し、化合物クラスの相対的組成、およびこれらのクラス内の鎖長分布が原型のshnタグ変異体と類似することを示した。
活性化タグshn変異体とは対照的に、花の形態は、萼片と花の内部器官との間に折りたたまれてその一部が「隠れた」花弁において影響を受けた(データは示さず)。走査型電子顕微鏡は、SHN1過剰発現系統からの花弁の表面を調べるために使用された(データは示さず)。野生型シロイヌナズナ花弁の向軸表面の前方部および末端部は、通常は円錐表皮細胞の均一な広がりを示し、典型的なクチクラの装飾を表す(データは示さず)。他方、shnの花弁において、典型的な円錐細胞とより長い細胞(サイズが2倍以上になることもある)の混合体を同定することができた。
糸状体の数および構造は、野生型と比較された35S::SHN1の実生の最初の本葉において分析された。野生型(生態型Wassilewskija)の最初の本葉の向軸側は、その表面上に広がった、25の主に三つに枝分かれした糸状体を含む。対照的に、35S::SHN1の 実生の最初の本葉は、少ない数の糸状体を含む。その中には全く糸状体を含まないものから最大で8〜10の糸状体を含むものまである(データは示さず)。糸状体が35S::SHN1の最初の本葉に存在したとき、それらは、ほとんど全てが一つに枝分かれして葉片の縁辺上に位置した。同じ観察結果がまた、より老年の植物からの葉において検出された。
表皮細胞分化の他の2つの特徴はまた、SHN1の過剰発現によって変化した。35S:: SHN1系統の背軸面側にある敷石状細胞の密度および気孔の密度は、野生型の葉と比較して減少していた(表4を参照)。気孔指数を算出すると、35S:: SHN1の葉において野生型と比較して41%まで減少したことが明らかになった(表4)。
Figure 2008502358
35S:: SHN1の主要な形質転換体(#2-2および#2-5)の後代での浸出試験は、クロロフィルが容易に溶出され得たことから、そのクチクラがエタノールに対してより高い透過性を有することを示した(図2B)。SHN135S:: SHN1 系統のより強い表現型を有する系統において、野生型葉と比較したクロロフィル浸出の差異は、活性化タグshn変異体について最初に観察されたものよりも劇的であった。二つの35S:: SHN1の主要な形質転換体(#2-2および#2-5)はまた、野生型と比較して水の喪失の度合の増加を示した。
例7−同じような表現型をもたらすSHINEクレードの二つの他のメンバーの過剰発現
転写因子の植物AP2/EREBPスーパーファミリーは、シロイヌナズナにおいて141のメンバーを含む(Alonso et al., 2003, Science 301, 653-657)。
全AP2/EREBPファミリーに対する配列相同性検索および系統発生分析は、SHN1が、4つのタンパク質(199、189、186および205アミノ酸残基長(それぞれSHN1、SHN2、SHN3およびOsSHN1; 図3)の小さな、異なるグループの一部であることを示した。それらは、高度に保存されたAP2ドメインを含み、かつそれらの中心部において2つの他の保存されたモチーフを共有する{(「mm」、図3の位置87〜147)およびC末端(「cm」 図3の位置189〜198)}。At5g25190タンパク質は、配列においてSHINEタンパク質からより遠い。
SHN2およびSHN3のコード領域を含むゲノム領域は、シロイヌナズナ植物における両遺伝子の過剰発現のために(二倍に強化された35S CaMVプロモーターを使用)のために使用された。興味深いことに、SHN2およびSHN3を過剰発現する植物は、SHN1遺伝子を過剰発現したときに得られる表現型と同じ表現型を示した。
例8−SHNクレードメンバーの空間的および時間的発現
SHN1、SHN2およびSHN3の発現を調べるために、3つの植物形質転換構造体は産生され、各遺伝子の予測されたATGコドンのある2.0kbのDNA配列の上流部をβ-グルクロニダーゼ(GUS)レポーター遺伝子と結合した。一般に、GUSの発現が大部分の植物器官において検出され、いくつかのケースでは、重複するパターンが検出され、他方において、非常に特異的な発現が特定の細胞層において明らかになった。
SHN1の発現は、花および根の組織において検出されたが、茎、ロゼットまたは茎生葉では検出されなかった(データは示さず)。発現は、非常に幼若な閉じた芽の萼片において検出され得た{(第6段階; Smyth et al., 1990, Plant Cell 2, 755-767)、その後第10段階 }。この時点において、発現はまた花弁において検出され得、かつおしべにおいてではなく、めしべにおいて発達した。
花弁および萼片において、脈管は、それが表皮に限定された他の器官よりも強く染色された。開花時点で(第13段階)、SHN1の発現は、めしべにおいて減少し、葯において始まり、葯フィラメントにおいてより弱い発現を示した。
花弁および萼片がしぼんだ(第16段階)とき、強い発現が長角果の底、器官脱離領域およびその下にある肉茎領域において検出され得、後に長角果が成熟したとき、同じ領域(但し、蜜腺のみ)において検出された。さらなるGUS発現は、花部における最も幼若な花の肉茎の枝分かれ部位、小さな側方の花部(これらに隣接した小さな苞葉を含む)、ならびに成熟した植物の根およびロゼットにおける幼若な葉における斑模様(これらの糸状体の支持細胞を含む)において観察された。
SHN2遺伝子は、葯および長角果裂開と関連する発現のパターンを示す。第12段階で、長いおしべおよび絨緞組織の変性を伴う花弁の変性が葯において始まり(葯発達の第10段階; Sanders et al. 1999, Sexual Plant Rep. 11, 297-322)、発現は口辺細胞領域において検出され得た。隔壁が変性し、二房性の葯が形成され、口辺細胞が分裂し、花粉が放出される開花まで、SHN2の発現は、裂開領域に対してより特異的になり、おしべが老化した花から落下するまで継続される(データは示さない)。続いて、花弁および萼片がしぼんだとき(第16段階)、GUS発現は各弁の底で強い点として検出され得た。一段階後、すなわち、緑色長角果の発育期間において、最終的な長さに達し、裂開領域が分化したとき、SHN2は、弁縁辺-レプラム境界線、さやの飛散が起こる領域に沿って強く発現し、種子の分散を可能にした。
SHN3遺伝子は、最も広い範囲で発現し、全ての植物器官で活性を示した。脈管系および側方根端における発現を示した(データは示さない)。幼若な10日齢の実生を染色したとき、発現は、最も新しく形成された葉に存在する糸状体の支持細胞中において検出された。より老年の葉(ロゼット)および茎生において、SHN3は、主に中心脈管において発現し、全葉片中においてはその発現が低下した。茎においては均一な態様では発現されず、大部分は弱い表皮発現を示した。花部および幼若なロゼット葉におけるSHN3の発現は、SHN1について観察された部位と大部分において重なった。最も興味深いことに、器官特異的な創傷の誘導を示した。創傷はロゼット葉において発現を誘導しないが、茎生葉、茎および長角果において発現を活性化した。
例9−SHN1を過剰発現をする植物は増強された耐乾性を示す
その耐乾性能力に影響を及ぼすSHN1過剰発現の結果として、植物表面にどのような変化を及ぼすかについて試験するために、原型の活性化タグ系統、二つの35S:: SHN1 形質転換体系統(系統#2-5および#2-2)および野生型(生態型Wassilewskija)の15日齢の実生が、9〜11日の脱水期間にさらされた(図4)。続いて、実生は水をやり、それらの回復状態について1週間にわたってモニターした。野生型植物は、9日間よりも長い脱水処理からは回復できず、完全に乾燥してしまった。一方、SHN1遺伝子を発現する系統からの全ての実生は回復し、より緑色およびより強くなった。上述の表現型の特徴と整合して、活性化タグ系統からの実生は、二つの遺伝子組換え35S:: SHN1SHN1系統と比較したときに回復状態が若干弱かった。
同様に、イネにおけるSHN1の過剰発現は、耐乾性を増加させた植物を誘導した。35S:: SHN1構造体での形質転換体は、再水和後の回復によって評価されたとき、対照植物と比較して水分欠如の状態での長期にわたる葉のしおれに耐えることができる。以下のさらなる例を参照されたい。
例10−SHN-EAR融合体を発現する植物は機能性の喪失を示す
SHN-EARリプレッサー融合体を発現する遺伝子組換え植物は、形質転換によって産生された。SHN1-EARも、SHN2-EARまたはSHN3-EARを発現する遺伝子組換え植物は、類似のDNA結合性およびタンパク質相互作用性質を有するタンパク質をコードする重複性遺伝子について予測される、類似の機能性喪失の表現型を示した。特異的プロモーター下でのSHN-EARの発現は、特異的な組織に対する機能の喪失を特定し得る(例えば、葯の非裂開または減少したさやの飛散を与える)。以下のさらなる例を参照されたい。
例11−シロイヌナズナにおけるイネOsSHINE遺伝子の過剰発現は保存された機能を明らかにする
3つの類似的なシロイヌナズナSHN関連のタンパク質のアミノ酸配列の比較において、高い類似性が、中央部(中央「mm」)およびC末端(「cm」)およびAP2 DNA-結合ドメインにおいて見出された。配列データベースをスクリーニングするためにこれらの共通ドメイン(「mm」、「cm」および「AP2」)を使用して、タンパク質のSHNクレードのメンバーは、これらの保存されたドメインにおいてシロイヌナズナSHNタンパク質に高い類似性を示すものとして定義され得る。我々は、SHNタンパク質の保存された領域と類似のアミノ酸配列を有するタンパク質についてのイネのゲノムデータベースを検索し、これらの保存された領域において高い相同性を示した予測されたアミノ酸を有する二つのゲノムクローンを見出した(受託番号BAD15859およびBAD35470)。我々は、これらの2つの遺伝子をOsSHN1およびOsSHN2と命名した。OsSHN1およびOsSHN2は、それぞれ205および243個のアミノ酸配列を含む、206および244個のアミノ酸のオープンリーディングフレームを含む(配列番号14および配列番号24)。これらのタンパク質は、シロイヌナズナのタンパク質と42.3〜62.4%の類似性を示し、かつ互いに68.3%の類似性を示す。
OsSHN1の全長コード領域および上流領域を含む断片は、イネcv.Nipponbareの幼若葉のゲノムDNAから増幅された(pfu DNAポリメラーゼを使用して)。オリゴヌクレオチドOsSHN1F(5'-AATAAGGATCCATGGTACAGCCAAAGAAG-3')およびOsSHN1R(5'-AATAAGTCGACTCAGATGACAAAGCTACC-3')は、OsSHN1の全長コード領域を含む0.76kbの断片を増幅するために使用された。一対のオリゴヌクレオチドは、BamHIおよびSalI制限部位を増幅された断片の5'および3'にそれぞれ導入され、ライゲーションのために利用された。全てのケースにおいて、断片は、Aテイルが付加され、かつ製造業者(Promega)によって記載されたようにpGEM-T Easyベクターに導入され、続いて、消化および二成分ベクターに対するライゲーションの前に両側から配列決定された。過剰発現およびキメラリプレッサー構造体は、多点ライゲーションによって構築され、適切な適合性の相補末端を有する個々の断片(プロモーター、OsSHN1遺伝子、ターミネーター)が、一反応で二成分ベクターに一緒に連結された。-526から転写開始部位に及ぶCaMV35Sプロモーター断片は、pDH51のpBS-SK+誘導体からの0.55kbのHindIII-BamHI断片として得られた(Pietrzak et al., 1986)。CaMV35Sターミネーター断片は、pDH51のpBS-SK+誘導体からの0.21kbのSalI-EcoRI断片として得られた(Pietrzak et al., 1986)。構造体は、形質転換中の選択のためのキメラCaMV 35S-ハイグロマイシン ホスホトランスフェラーゼ-tNosを含む二成分ベクターpMOG22(ZENECA-MOGEN(NL))において作製された。PCR、制限消化、プラスミドDNA単離およびゲル電気泳動は、標準のプロトコルを使用して行われた。構造体は、花部液浸形質転換方法を使用して植物に導入された(Clough and Bent, 1998)。種子は、二分の一強度のMurashigeおよびSkoog培地(1/2MS;Murashige and Skoog, 1962) および15スクロース上に静置された。20mg/Lのハイグロマイシンで選択された実生は、続いて温室へ移動した。
全ての植物は、約22℃の温室で育生され、シロイヌナズナ生態型Wassilewskija(Ws)の中にあった。耐乾性実験のために、土壌混合物は、1部の砂および真珠岩と2部の堆肥 [ EC=1(NPK)の25%の粘土と75%の芝生でできた混合物; Hortimea, Netherlands ] で構成された。種子は、トレー上の4cmの鉢あたり6本の植物の密度で、51の鉢(Aracon容器、BetaTech, Belgium)において播種された(4℃で三終夜経過後)。栄養素(Hydroagri, Rotterdam, The Netherlands; 2.6 EC)は発芽後10日目に供給され、発芽後2週間で、植物は、乾燥トレーに鉢を移すことによって(外側から各鉢を乾燥した後に)、乾燥実験(13、14、15または16日間)に供された。乾燥中2日毎、鉢位置の影響をなくすために植物をトレー内で移動させた。続いて、植物は再水和され、一週間後に回復状態について観察された。実験は、野生型、35S:: AtSHN1(#2-2)、35S:: OsSHN1(#1)および35S:: OsSHN1(#16)植物において耐乾性を比較することによって行われた。
OsSHN1を過剰発現している植物は、シロイヌナズナSHN1遺伝子を過剰発現するときに得られる、ロゼットおよび茎生葉の鮮やかな光沢のある緑色、葉の巻き状構造、および長角果の長さの変化を含む表現型と同一の視覚的表現型を示した。
OsSHN1過剰発現のクチクラの膜性質が変化したかどうかを調べるために、我々はクロロフィル浸出実験を行い、当該実験においてOsSHN1過剰発現および野生型植物からのロゼット葉が、80%エタノールに異なる時間間隔で浸漬され、溶液中のクロロフィル濃度が決定された。クロロフィルは、野生型の葉と比較してOsSHN1過剰発現体の葉からより速く抽出された。従って、OsSHN1過剰発現体からのクロロフィルのより多量の溶出は、有機溶媒に対するクチクラ透過性の増加を示す。
我々は、表皮細胞分化の2つの他の特徴がまた、OsSHN1の過剰発現によって変化させられるかどうか調べた。OsSHN1 過剰発現体の背軸面にある敷石状細胞の密度と気孔の密度が、野生型葉と比較して減少していた。気孔指数を算出すると、OsSHN1過剰発現体の葉において野生型と比較して40%まで減少したことが明らかになった(表5)。
Figure 2008502358
OsSHN1がシロイヌナズナSHN1と同じ下流ターゲット遺伝子を有するかどうか調べるために、我々は、OsSHN1 過剰発現体および野生型植物からの葉ロゼットRNAサンプルを使用してCER1遺伝子についてのRT-PCRを行った。我々は、CER1遺伝子が35S-OsSHN1植物において顕著に過剰発現されることを発見した。
OsSHN1遺伝子を過剰発現するシロイヌナズナ形質転換体は、上述したような耐乾性についての鉢試験法において使用された。野生型植物が13日を超える脱水処理から回復せずに完全に乾燥してしまったのに対して、OsSHN1遺伝子を発現する系統から誘導された全ての実生は再水和後に回復し、より緑色かつ強くなった。この試験において明らかにされた耐乾性は、シロイヌナズナSHN1遺伝子によって示されたものに等しい。
遺伝子組換えシロイヌナズナ植物におけるSHN1の過剰発現は、おそらく減少した気孔密度に関連した、より高い耐乾性をもたらした。遺伝子組換えシロイヌナズナにおけるOsSHN1の過剰発現は、耐乾性を強化した。おそらく、我々がOsSHN1 過剰発現体において発見した気孔の数(number)の減少がまた、この耐乾性の原因となる。しかし、我々はまた、OsSHN1の 過剰発現が、RT-PCRによって検出したときに、脱水ストレスに対して反応性の遺伝子rd22の発現を誘導することを発見した(Yamaguchi-Shinozaki and Shinozaki, 1993)。これは、他の機構がまた、OsSHN1 過剰発現体における耐乾性の増強において関与するであろうことを示した。我々のマイクロアレイのデータにおいて、rd22は、遺伝子組換え35S:: SHN1 シロイヌナズナにおいて上方制御された多くの非生物的ストレス誘導性遺伝子のうちの1つである(未刊行のデータ)。
例12−イネにおけるシロイヌナズナ SHINE遺伝子の過剰発現は耐乾性を与える
イネ形質転換体についてのSHINE過剰発現構造体は、マルチポイントライゲーションによって構築された。適切な適合性の相補末端を有する個体断片(プロモーター、AtSHN2遺伝子、ターミネーター)は、一反応において二成分ベクターに一緒に結合された。-526から転写開始点に及ぶCaMV35Sプロモーター断片は、pDH51のpBS-SK+誘導体から0.55kbのHindIII-BamHI断片として得られた (Pietrzak et al., 1986)。AtSHN2の全長コード領域は、Aharoni由来のBamHI-NotI断片として得られた (2004)。CaMV35Sターミネーター断片は、pDH51のpBS-SK+誘導体から0.21kbのNotI-EcoRI断片として得られた (Pietrzak et al., 1986)。構造体は、形質転換中の選択のために、キメラCaMV 35S-ハイグロマイシン・ホスホトランスフェラーゼ-tNosを含む二成分ベクターpMOG22(ZENECA-MOGEN, NL)において作製された。
Oryza sativa ssp. japonica cv. Nipponbareのアグロバクテリウム属媒介型の形質転換体は、植物の再生および生育は、Greco et al. (2001) に記載されたように行われた。アグロバクテリウム属株AGL-1は、形質転換のために使用された。後代の種子を生育させるために、種子は脱皮されて(dehusked)表面が殺菌され(70%エタノールで1分間、1%NaOClで20分間および滅菌水で4回すすぐ)、無菌MQ水中の50mg/L ハイグロマイシン上に播種された。植物は、温室へ移動させる前に、約2週間にわたって長日条件下で(16時間の明点、8時間の暗点、280C)、気候調節チャンバーにおいて生育された。
イネの形質転換体は、15体の独立した遺伝子組換え系統を産生した。いずれのイネ形質転換体も、明らかな葉ワックス増加またはシロイヌナズナにおいて観察されたものとは異なる植物の葉の表現型を示さなかった。しかしながら、RT-PCR分析は、SHN2遺伝子の高レベルの発現を確認した。高い発現量を有する系統および十分な種子が、さらなる実験のために使用された。
我々は、表皮細胞分化の他の特徴がまた、SHN2の過剰発現によって変化させられるかどうかについて調べた。35S:: SHN2の葉の背軸面にある気孔の密度は、野生型の葉と比較して、3/4に減少した(表6)。
Figure 2008502358
耐乾性実験は、35S:: SHN2 系統および野生型で行われた。野生型または35S:: SHN2系統の14日齢の実生(鉢当り5本の実生)は、9日間にわたって水を与えずにおくことによって脱水ストレスにさらされた。この段階で、野生型が完全にしおれてしまったのに対し、35S:: SHN2系統はまだ緑色で水を有していた。その後、実生に水をやり、一週間後のその外観に留意した。野生型と35S:: SHN2の間に明確な差異が認められた。淡い緑色に変化した過剰発現系統の100%の回復が認められ、野生型の回復は認められなかった。
上述した結果において、全てのイネ形質転換体は、明らかな葉ワックスの増加または修飾された植物表現型を示さなかった。イネにおけるSHINEの過剰発現体は、葉のエピクチクラワックスを増加させず、エピクチクラワックスの生合成に関与する下流のターゲット遺伝子を誘導しない。巻き状の葉形態の変化も引き起こさなかった。しかしながら、過剰発現体は、クチクラおよび表皮の性質における変化を引き起こす(すなわち、透過性および気孔の密度の減少)。言い換えれば、イネにおけるSHINEの発現は、エピクチクラワックスの変化から、クチクラおよび表皮における変化を分析して区別することができる。
イネのようないくつかの単子葉植物が非常に低量のワックスを有し、かつエピクチクラワックスの変化がSHINE過剰発現植物において見出されなかったので、SHINE過剰発現体が耐乾性単子葉植物をもたらすことを発見したことは非常に驚くべきことであった。この例において、ワックスの合成が耐乾性植物を産生するために必要ではないこと、およびSHINEクレード遺伝子がエピクチクラワックス層を変化させずに耐乾性植物を産生するために使用され得ること、また、エピクチクラを低量含むかまたは含まない植物または植物器官(例えばイネのような単子葉植物)において、エピクチクラワックス層または性質を修飾せずに耐乾性を導くために使用され得ることがはっきりと示された。エピクチクラワックスにおける変化は、耐乾性を産生することに関して無関係な表現型であり、植物における耐乾性を産生するのに効果的である表皮およびクチクラの性質の変化に過ぎない。
耐乾性は、葉エピクチクラワックスに依存せず、エピクチクラワックスおよび葉の表現型は、作物に耐乾燥性を与えるために修飾される必要はない。
例13−シロイヌナズナ SHINE遺伝子の過剰発現は、シロイヌナズナおよびイネにおける耐塩性を示す。
耐塩性試験を行うために、SHINE遺伝子(35S-SHN1)を過剰発現するシロイヌナズナ植物および適切な野生型対照植物が、〜22℃の温室で栽培された。耐塩性試験のために、植物は鉢上の土壌で栽培された(Hortimea, Elst, The Netherlands)。種子は、51個の鉢を並べたトレイ中の4cmの鉢につき1〜2本の植物の密度で播種された(4℃で三終夜)(Aracon containers; BetaTech, Gent, Belgium)。栄養素(Hydroagri, Rotterdam, The Netherlands; 2.6 EC)が発芽後2週間目に供給され、発芽後3週目に、植物は3回の適用について3日間隔で300mMのNaCl溶液にさらされ、続いて次の2週間にわたって脱色についてモニターした。写真を撮影し、NaClの第3回目の適用後10日目に生存率を算出した。実験を3回繰り返した。
35S-SHN1系統は、その野生型(WT)(生態型Ws)と比較して、強化された耐塩性を示した。WT植物は、徐々に脱色され、塩ストレス下では約一週間も生存しなかったが、35S-SHN1は、塩ストレス下で生き残るだけではなく、正常に機能することができた(表7)。.
Figure 2008502358
サンプルは、NaCl処理植物および無処理の植物から収集された。収穫後にFW(生重量)が直ちに測定され、サンプルが乾燥器中で65℃で5日間にわたって乾燥され、その後にDW(乾燥重量)が測定された。その後、サンプルは、ナトリウム(Na+)、カルシウム(Ca+)およびカリウム(K+)含有量の分析のために使用された。約15〜50mgの乾燥材料は、1 mLの消化混合液(硫酸-サリチル酸およびセレン )および2カーボランダムビードで消化され、全ての植物材料が湿気をおびて終夜にわたって処理されるまでゆるやかな旋回を受けた。小さなステップで徐々に約330℃まで温度を上昇させ、いったん冷却した後、0.1mlの過酸化水素を加えて再び加熱した。この工程は、消化液が無色になるまで3回繰り返された。室温まで冷却し、5mlのdemi水が加えられ、基線まで満たし終夜そのまま静置した。Na+、Ca+およびK+イオン含量は、原子発光分光光度計 (Elex, Eppendorf, Hamburg, Germany) を使用することによって決定された。
Figure 2008502358
非処理の条件下において、35S-SHN1およびWTは、ともにNa+、Ca+ および K+ の含量において差異が認められなかったが(表8)、しかしながら、これらの成分のいくつかは塩ストレス条件下で変化することがわかった。
塩で処理された35S-SHN1およびWTは、非処理の植物と比較してNa+ の蓄積が増加し、Na+蓄積のこの増分はWTおよび35S-SHN1で同じであることがわかった。K+のレベルは、35S-SHN1およびWTの両方で低下したが、この減少は、35S-SHN1と比較してWTでより顕著であることがわかった。Ca+のレベルは非処理のWTと比較して塩処理されたWTにおいて減少したが、一方、Ca+のレベルは非処理の35S-SHN1と比較して塩処理された35S-SHN1において維持された。
この結果は、塩ストレス状態下で35S-SHN1がそのカルシウム濃度を維持することが可能であることを示す。その結果、根のK+輸送系の選択性を強化することによって植物中のK+のレベルを維持するのを助ける(Lauchli, 1990)。カルシウムが、NaClストレス下におけるK+ 輸送のK+/Na+選択性の調節に関与する重要な因子の1つであることは知られている(Lauchli, 1990)。
35S-SHN1のマイクロアレイの結果は、Calreticulin 3(CRT3)、Calnexin 1(CNX1)、Calreticulin 2(CRT2)のようなカルシウム結合タンパク質の誘導を示した。さらに、ストレス応答に関与する遺伝子、例えばLEA3(後期胚形成増加性)、RD22、およびタンパク質キナーゼファミリーのタンパク質が誘導された。
この結果は、SHINEの過剰発現が、塩ストレス条件下においてNa+よりもK+の選択性についてより高い親和性を示す輸送系を活性化させる、カルシウム結合遺伝子の過剰発現をもたらすシグナルを発することを示す。
例14−SHINE-EARリプレッサー融合体を使用するドミナントネガティブな変異体は、茎ワックスの減少を伴う機能の喪失、飛散の減少を伴う花部表現型および長角果の変化を示す。
SHINEとリプレッサーの融合タンパク質変異体表現型を使用するドミナントネガティブな変異体表現型:茎ワックスの減少、飛散の減少を伴う花部表現型および長角果の変化。
機能喪失型変異体を製作してSHINE遺伝子の役割を評価するために、我々はEAR抑制ドメイン(Hiratsu et al., 2003)にSHINEタンパク質を融合することによってキメラのリプレッサーになったSHINEタンパク質をモニターし、シロイヌナズナにおいて該融合体を過剰発現させた。シロイヌナズナSHN遺伝子のRNAi構造体を使用する他の研究は、変異体表現型を明らかにしなかった。この代替的オプションは、機能的な重複性を回避するために行われた。我々は、類似の結果を示したシロイヌナズナとイネのSHINE遺伝子で融合体を構築し、イネのSHN遺伝子の例がここで実証されている。
ドミナントなリプレッサーSHINE-EAR遺伝子融合構造体を製作するために、PCR断片が特異的なプライマーを使用して単離された。OsSHN1の全長コーディング領域および上流領域を含む断片が、イネ (rice cv. Nipponbare) の幼若葉のゲノムDNAから増幅された(pfu DNAポリメラーゼを使用して)。オリゴヌクレオチドOsSHN1F (5’- AATAAGGATCCATGGTACAGCCAAAGAAG -3’) および OsSHN1::SRDXR (5’- CGTCGACTCAAGCGAAACCCAAACGGAGTTCTAGATCCAGATCCAGGATGACAAAGCTACCCTCTCCCTCTC) は、OsSHN1の全長コーディング領域と3’末端のSRDX (LDLDLELRLGFA) とのキメラ融合体を含む0.8 kb 断片を増幅するために使用された。オリゴヌクレオチドOsSHN1::SRDXRは、SalI制限部位をその3’末端の増幅された断片に導入した。OsSHN1FはBamHI 制限酵素部位を該断片の5’末端に挿入した。その5’および3’の増幅された断片に挿入されたBamHI および SalI 制限酵素部位は、ライゲーションのために使用された。全てのケースにおいて、断片は、Aテイルが付加され、かつ製造業者(Promega)によって記載されたようにpGEM-T Easyベクターに導入され、続いて、消化および二成分ベクターに対するライゲーションの前に両側から配列決定された。過剰発現およびキメラのリプレッサー構造体は、マルチポイントライゲーションによって構築され、適切な適合性の相補末端を有する個々の断片(プロモーター、OsSHN1:: SRDX 遺伝子、ターミネーター)が、一反応で二成分ベクターに一緒に連結された。-526から転写開始点に及ぶCaMV35Sプロモーター断片は、pDH51のpBS-SK+誘導体(Pietrzak et al., 1986)から0.55kbのHindIII-BamHI断片として得られた。CaMV35Sターミネーター断片は、pDH51のpBS-SK+誘導体(Pietrzak et al., 1986)から、0.21kbのSalI-EcoRI断片として得られた。前記構造体は、形質転換中の選択のためのキメラCaMV 35S-ハイグロマイシンリン酸転移酵素-tNosを含む二成分ベクターpMOG22(ZENECA-MOGEN, NL)において作製された。PCR、制限消化、プラスミドDNA単離およびゲル電気泳動は、標準のプロトコルを使用して行われた。構造体は、花部液浸形質転換方法 (Clough and Bent, 1998) を使用して植物体に導入された。種子は、二分の一強度のMurashigeおよびSkoog培地 (1/2MS;Murashige and Skoog, 1962) および15スクロース上に静置された。20mg/Lのハイグロマイシンで選択された実生は、続いて温室へ移動した。
45本の主要な形質転換体は、形質転換実験から産生された。ここから、18本の主要な形質転換体は、減少したエピクチクラワックス(光沢のある緑色の茎)を有する、機能喪失変異体の茎の表現型を示した。一次的な形質転換体の一部は、不稔性を示す短い空の長角果を示す種子を形成しなかった。いくつかの不稔性の一次的な形質転換体は、開花中の数日間にわたってプラスチック製の容器で覆われ、良好な種子の形成が観察された。花粉被覆中のワックスを欠くいくつかのシロイヌナズナの変異体について見られるような、条件的な雄性の半不稔性の表現型を示した (Aarts et al., 1995)。
我々は、いくつかの一次的な形質転換体が、側方により広がった長角果を作製する長角果レプラムおよび弁の構造の変化に起因する扁平な長角果を有することを見出した。光沢のある緑色の茎の表現型は、細い茎構造のために最初に選択培地から温室に移された一次的な形質転換体ではあまり明らかでなかった。
しかしながら、後代T2は、優性対立遺伝子(約3/4の後代)が遺伝した光沢のあるより細い茎になった。OsSHN1-SRDX過剰発現体はまた、後代においてより小さなロゼット葉およびより短い長角果を示した。
CER1転写物の下方制御が「蝋様」の光沢のある茎の表現型をもたらすことを証明するために、我々は、35S:OsSHN1-SRDXおよび野生型の植物からの茎のRNAサンプルを使用してCER1遺伝子についてRT-PCRを行った。我々は、CER1遺伝子が35S:OsSHN1-SRDX植物体において著しく抑制されることを発見した。
SHN-リプレッサー植物の表現型が、シロイヌナズナにおける異なるSHN遺伝子の役割を明らかにする。「蝋様」の光沢のある茎は、茎ワックスの減少を導くエピクチクラのワックス経路の抑制に起因するであろう。短い長角果は、花粉を稔性にし、かつ長角果において種子を形成するために多量の湿気を必要とするワックス被覆の欠如による、条件的な花粉不稔が原因である。花部構造の変化は、当該組織における機能のために必要とされるであろうシロイヌナズナのSHN1およびSHN3の発現パターンを反映する。扁平な長角果の形状は、弁縁辺において発現するAtSHN2の発現の指標であり、この層細胞分離層の変化または機能障害は長角果の開口および飛散を阻害する。このように、SHNタンパク質は、長角果またはさやの開放または飛散のために必要である。
参考文献
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野生型およびshnの葉のクチクラのワックス中における4つの主要画分についての鎖長分布[化合物クラスの%]。 shn変異体および35S::SHN1植物の表現型および表面透過性。
(A) 異なる時間間隔で80%のエタノに浸漬されたshnおよび野生型Wsの成熟したロゼット葉でのクロロフィル浸出試験。結果を、3つの独立実験から導き出し、各時間についての平均値の標準誤差を示した。
(B) 35S::SHN1(#2-2)後代および野生型植物から誘導された成熟したロゼット葉を使用する、上述したようなクロロフィル浸出試験。
(C) 活性化タグshn変異体、35S::SHN1原発性の二つの形質転換体(#2-2および#2-5)および野生型Wsの後代からの水の喪失の度合。4つのロゼットの外植片(根系および剥された花茎)を示された時間間隔で計量した。結果は、3つの独立実験から導き出し、各時間についての平均値の標準誤差を示した。
シロイヌナズナAP2/EREBP転写因子ファミリーのSHINEクレード。4つのSHNタンパク質の配列の整列化。SHNクレードのメンバーには、N末端にある単一のAP2ドメイン、保存された中央ドメイン(「mm」と命名)、および最も保存されたC末端ドメイン(「cm」と命名)が含まれる。黒色部分は100%の保存を表し、灰色部分は75%の保存を表し、淡い灰色部分は50%の保存を表す。 shnおよび35S::SHN1系統での耐乾性実験。
野生型Ws、shn、2つの35S::SHN1系統(#2-2および#2-5)およびポジィティブコントロールrd29-DREB1A系統(耐乾性を提供; Kasuga et al. 1999, supra)の各後代の15日齢の実生を、9〜12日の脱水期間にさらした。続いて、実生に水をやり、一週間後のそれらの外観(回復)を写真に写した(9DODでの最初の列は例外的に、脱水期間の終わりに写真を直接撮った)。なお、DODとは「脱水の期間」を意味する。

Claims (15)

  1. そのゲノム中に統合されたキメラ遺伝子を含む遺伝子組換え作物植物において、SHNタンパク質をコードする核酸配列に作動可能に連結された、植物細胞中において活性な転写制御配列を含む前記キメラ遺伝子によって特徴づけられた遺伝子組換え作物植物であって、前記SHNタンパク質が配列番号15の配列を含む遺伝子組換え作物植物。
  2. 前記SHNタンパク質がさらに、配列番号16の配列を含む請求項1に記載の植物。
  3. 前記植物が、増強された耐乾性を有するが、該植物のエピクチクラワックス層は修飾されない請求項1または2に記載の遺伝子組換え作物植物。
  4. 前記植物が、増強された創傷治癒性質、増強されたコルク化、増強された耐塩性、および可溶性固体の重量%が増強された果実からなる群から選択された一以上の表現型を有する請求項1または2に記載の遺伝子組換え作物植物。
  5. 前記植物が、SHNタンパク質に融合したリプレッサードメインをさらに含む前記SHNタンパク質によって特徴づけられた、雄性不稔または増強されたさや飛散抵抗性を示す請求項1または2に記載の遺伝子組換え作物植物。
  6. 前記リプレッサードメインが、配列番号21のEARリプレッサードメインである請求項5に記載の遺伝子組換え作物植物。
  7. 前記転写制御配列が、恒常的プロモーター、誘導性プロモーター、組織特異的プロモーターおよび発生的に制御されたプロモーターからなる群から選択される請求項1〜6のいずれか一項に記載の植物。
  8. 前記植物が、トウモロコシ(Zea種)、イネ(Oryza種)、コムギ(Triticum種)、トマト(Lycopersicon種)、ジャガイモ(Solanum種)、オオムギ(Hordeum種)、アブラナ(Brassica)、ダイズ(Glycine種)、インゲンマメ(Phaseolus種)、カラスムギ(Avena種)、モロコシ(Sorghum種)、綿(Gossypium種)、ポプラ属(Populus)、カシ属(Quercus)、ヤナギ属(Salix)からなる群の属から選択される請求項1〜7のいずれか一項に記載の植物。
  9. 前記SHNタンパク質が、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14および配列番号24から選択される請求項1〜8のいずれか一項に記載の植物。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の植物の種子または果実。
  11. 前記果実がトマトである請求項10に記載の果実。
  12. SHNタンパク質をコードする核酸配列に作動可能に結合した、組織特異的、誘導性または発生的に制御された植物細胞中において活性なプロモーターを含むキメラ遺伝子であって、前記SHNタンパク質が配列番号15のアミノ酸配列を含むことを特徴とするキメラ遺伝子。
  13. 請求項12に記載のキメラ遺伝子を含むベクター。
  14. 増強された耐乾性を示す遺伝子組換え植物の生成のためのSHNタンパク質をコードする核酸配列の使用であって、遺伝子組換え植物のエピクチクラワックス層が修飾されないことを特徴とする使用。
  15. 増強された雄性不稔、増強されたさや飛散抵抗性、増強された創傷治癒性質、増強されたコルク化、増強された耐塩性および/または可溶性固体の重量%が増強された果実を有する遺伝子組換え植物の生成のための、SHNタンパク質をコードする核酸配列の使用。
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