JP2008547168A - 発光デバイス及びその設計方法 - Google Patents
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Abstract
光源のチップサイズに対する外側レンズ面の各表面部分の傾きを慎重に選ぶことによって、外側境界レンズ面と少なくとも1つのLEDとを含む、小さくて明るい発光デバイスが実現される。この表面部分の傾きは、レンズによりサイズと光効率の間の最適な重み付けが提供されるように選ばれる。
Description
本発明は、発光ダイオード用の光学系に係り、特に、発光ダイオード(LED)を含む発光素子と、当該発光素子と光学接触し、当該発光素子から発せられた光を受光するように配置されたレンズと、を有する発光デバイスに関する。本発明は、そのようなレンズを設計する方法にも関する。
発光ダイオード(LED)は、比較的古い(1970年代の)技術であり、様々なディスプレイや表示灯における利用から、LCDバックパネル照明、情報掲示板、アクセント照明、信号機、屋外照明、及び、光ファイバデータ伝送などの新しい用途まで、進歩してきている。
LEDは、小さいサイズ、長いランプ寿命、低発熱、エネルギ効率、及び、耐久性、などの利点を提供する。また、LEDは、様々なLEDを所望の形状、色、サイズ、及び、ルーメンのパッケージに組み合わせることによって、色の変化、ぼかし、及び、照射において柔軟な設計が可能となる。
LEDは、通常、活動層に十分な電圧が印可されたときに、所定の波長の光を発する。LEDは、通常、発光素子に含まれる。発光素子には、色変換層などの他の構成要素も含まれ得る。ほとんどの用途において、発光素子は、明るくて、光効率が良いことが重要であり、所定の立体角内の所定の方向へ光を発することが通常は望まれる。これらの要求を満たすための試みとして、適切な主光学素子又はレンズが発光面の上に設けられることが有益的である。加えて、このようなレンズは、発光ダイオード表面を保護し、LEDの耐久性を向上させる。
第一の場合、LED用の主光学素子があまり慎重に設計されず、例えばその表面張力などのレンズ材料の固有特性によってレンズの形状が決定される。通常、発光面上に液状のレンズ材料が注がれ、硬化するまで放置される。
第二の場合、レンズはより慎重に設計される。特許文献1はその一例である。この特許文献1は、レンズの発光面に垂直で、該発光面を中心とする軸に沿った、レンズの様々な部分について個々の曲率半径を計算することによってレンズを設計する方法について記載している。
英国特許第1586188号明細書
本発明の目的は、光効率の良い光学系及び熱加工圧力が最小化された主光学素子を提供する発光ダイオードデバイス及び最適化されたレンズデザインを提供することである。
本発明は、主光学素子のデザインを新しくすることによって、高い光抽出を備えた、小さくて明るい発光ダイオードデバイスを実現することが可能になる、という洞察に基づくものである。上記主光学素子は、発光面から発せられた光を受光するように配置され、そのデザインは、発光面のサイズと、主光学素子の材料と該主光学素子の外側の媒体との間の屈折率の差と、に関連している。
本発明の第一の態様によれば、本発明は、発光素子とレンズとを有し、この発光素子は、有効径がDEである有効発光面を備え、上記レンズはこの有効発光面と光学接触し、上記レンズは上記発光素子から発せられた光を受光するように配置され、上記レンズの外側境界面は、該外側境界面のあらゆる場所において、上記有効発光面からの少なくとも1つのエッジ光線がθC−χ2π(1−cosθC)以上の角度で入射するように湾曲され、θCは所定の媒体において上記レンズの全反射の臨界角と等しく、χ≦9°/srである、発光デバイスを提供する。
ここで、「光学接触」という表現は、間にエアーギャップを挟まずに、当該材料同士が直接的に接触していることを意味する。レンズは、LEDの主光学素子であり得るが、LEDと主光学素子の間に追加的な光学ボディーが配置されてもよい。
レンズの設計に際し、光の方向を決める発光素子の最大の又は最も外側の表面は関連することに注意。この「有効発光面」は、LED自体の表面であってもよく、或いは、LED上面に配置された散乱体又は波長変換器などの追加層の表面であってもよい。ただし、後者の場合、追加層が光を方向を変えることができる必要がある。光はLEDチップ表面からあらゆる方向へ発せられるため、このLEDチップ表面を発光面とみなすことができる。ただし、散乱層が追加されたときには、この散乱層は光の方向をランダムな方向へ変えるため、発光面とみなすべきである。なぜなら、特に強い散乱体について、散乱体に入射した光線の方向と散乱された光線との間にもはや相関関係が存在しないからである。これは、有効発光面の面積が増加し、よって、同じ抽出効率を得るためにはレンズ寸法も増やすべきである、ことを意味している。
本発明に関し、「発光面の有効径」という用語は、それが円形である場合には、発光素子又はダイ(die)の直径と等しい。それが正方形などの他の形状を持つとき、発光面の有効径は、当該ダイと同じ面積を持つ円の直径と等しい。ダイスの集合体の場合、ダイスの面積とそれらの間の必要なスペースの面積との総面積が当該面の面積として扱われる。
「エッジ光線」という用語は、光源エリアと同じ面積及び同じ重心を持つ円形エリアの境界線から発せられた、屈折光でも散乱光でもない、まっすぐな光線を指す。さらに、この角度は、接線に垂直な方向からの偏差として計算される。換言すれば、外側境界面と直交する方向に沿って入射する光線は、入射角0°である。この結果、外側境界面に略平行な方向に沿って入射する光線は、入射角が約90°であると言える。
有益的なことに、上述のようにレンズを設計することによって、光抽出が高いだけでなく、小型でもある発光デバイスが提供される。今日の小型化された多くの用途において、サイズが小さいということは利点となることが多い。外側境界レンズ面のデザインが上記エッジ光線の入射角を制限するため、高い光効率を実現することができる。入射角が大きすぎると、光線は、大幅なフレネル反射を受けるか、或いは、全反射を受ける。ゆえに、光効率は低減される。発光面から発せられた屈折も散乱もしてないすべての光線が外側境界レンズ面によって反射されるか否かを判断するためには、エッジ構成を考慮すれば十分であることが多い。
上記外側境界面は、更に、該外側境界面のあらゆる場所において、上記有効発光面からのすべてのエッジ光線がθC+δ(δ≦12°)以下の角度で入射するように湾曲されると有益的である。
これらの条件によって、レンズのサイズと光効率との間の望ましい妥協が実現される。
上記発光面は、DEに等しい有効径を持つと有益的である。さらに、上記外側境界面の高さが
[DE/(2*tan(θC+δ)),DE/(2*tan(θC−χ2π(1−cosθC)))] (1)
の範囲内(δ≦12°、χ≦9°/sr)であって、上記発光素子を含む平面における上記レンズの半径が
[DE/2,1.2*DE] (2)
の範囲内であると有益的である。
[DE/(2*tan(θC+δ)),DE/(2*tan(θC−χ2π(1−cosθC)))] (1)
の範囲内(δ≦12°、χ≦9°/sr)であって、上記発光素子を含む平面における上記レンズの半径が
[DE/2,1.2*DE] (2)
の範囲内であると有益的である。
上記レンズの光軸を含む平面における上記レンズの横断面は、楕円形
及び
内に含まれることが好ましい。ここで、xは上記有効発光面に平行な座標であり、yは上記有効発光面に垂直な座標であり、y0は[−0.1,0.25]の範囲内の定数であり、yはy0以上である。
本発明に関して、「所定の楕円形よりも小さい横断面」という表現は、当該横断面のベース半径及び高さが当該楕円形のベース半径及び高さよりもそれぞれ短い状況を指す。さらに、発光面の横断面と楕円形とが同軸に配列されたときに、横断面が楕円形内に含まれる状況を指す。
上記レンズは、上記レンズと上記レンズの外側を囲む媒体との間の屈折率の差が0.2〜0.85の間、好ましくは0.2〜0.6の間、より好ましくは0.2〜0.4の間となるような屈折率を持つことができる。この場合、例えば、周囲媒体が空気のとき、上記レンズの屈折率を1.45〜1.85の間とし、上記レンズの高さ(HL)を0.45*DE〜1.2*DEの間とし、上記レンズの半径(RL)を0.55*DE〜1.2*DEの間とし、アスペクト比(HL/RL)を[0.6;1.2]の範囲内とすることができる。
上記発光デバイスは、更に、略透明で、上記レンズと光学接触する第二の誘電体を有することができる。このような誘電体は、1以上の上記発光デバイスを覆うことができる。この第二の誘電体の屈折率は1.3〜1.6の間であり、上記レンズとこの第二の誘電体との間の屈折率の差は0.2〜0.4の間であり、上記レンズの高さ(HL)は0.2*DE〜0.85*DEの間であり、上記レンズの半径(RL)は0.5*DE〜0.85*DEの間である、ことが好ましい。
上記発光素子は、様々な色の効率的な生成が容易になるように、色変換素子を有すると有益的である。この色変換素子は、例えば蛍光体層であり、LED上に又は上記レンズの内表面にコーティングされることが好ましい。後者の場合、色変換素子は、更に別の透明な又は半透明な媒体を通じて、LEDダイスの表面と光学接触させられる。
上記発光素子が、更に、異なる波長領域内の光を発する少なくとも2つの部分を有すると有益的である。これにより、2つの生成された色を混ぜることによって、所定の所望色を生成することが容易になる。あるいは、発光素子のすべての部分が同じ色の光を発するが、有効発光面の異なる部分から異なる色が発せられるように、各部分が異なる色変換ボディーと光学的接触するように配置されてもよい。例えば、LEDからは青い光が発せられ、有効発光面のうちの2つの部分の各々には例えば赤と緑が生成されるように異なる蛍光体材料が備えられ、有効発光面のうちの1つの部分はコーティングされないままとされる、ということも可能である。これによれば、当該レンズは、赤、青、緑、及び、これらの色の混合色を発することができる。
上記発光ダイオードデバイスは、更に、上記外側境界面の外側に配置された拡散層を有すると有益的である。これにより、発光素子から発せられた光の混合が容易となる。この拡散層は、全反射を引き起こす光線が生じないように、上記外側境界面から光学的に分離されるように配置されることが好ましい。上記発光面が異なる色を発する2つの部分を有する場合、この拡散層は、更に、それら色の混合を容易にする。
上記外側境界レンズ面に、χ2π(1−cosθC)に制限された角度を超える入射角の拡散を提供する光拡散面テクスチャが備えられると有益的である。
上記発光デバイスは、適切に設計されたリフレクタとともに用いられると有益的である。そのようなリフレクタは、上記発光面から発生られた光を所望の安定した角度及び方向に集めることを容易にする。上記レンズである主光学素子は従来のレンズよりも小さいため、デザインが容易になるとともに、小さいリフレクタを使うことができる。
上記外側境界面に隣接し、上記レンズを囲む媒体が空気であり、上記レンズ材料の屈折率が1.4〜1.9の間であると有益的である。あるいは、周囲媒体は、1と上記レンズの屈折率の間の屈折率を持つ第二の光学ボディーである。
本発明の第二の態様によれば、本発明は、レンズ外表面の横断面形状を設計する方法であって、上記発光面から上記発光面に垂直な方向に沿って距離DE/(2*tanθS)離れたところに第一の点を与える工程と、上記発光面に平行で上記第一の点を通る第一のラインを引く工程と、上記第一の点において上記第一のラインと第一の角度(α)で交差する第二のラインを引く工程と、上記第二のライン上に第二の点を与える工程と、上記第二の点において上記第二のラインと第二の角度(β)で交差する第三のラインを引く工程と、上記第三のライン上に第三の点を与える工程と、上記第一の点、上記第二の点、及び、上記第三の点を通る滑らかな曲線を引く工程とを有し、上記第二の点は、上記発光面からの少なくとも1つのエッジ光線が上記第二の点において上記第二のラインと角度θSで交差するとともに、上記発光面からの他のエッジ光線は上記第二の点においてθSより大きい角度で交差しないように与えられ、上記第三の点は、上記発光面からの少なくとも1つのエッジ光線が上記第三の点において上記第三のラインと角度θSで交差するとともに、上記発光面からの他のエッジ光線は上記第三の点においてθSより大きい角度で交差しないように与えられ、θSはθC−χ2π(1−cosθC)とθC+δの間であり、χ≦9°/srであり、δ≦12°であり、上記曲線は上記外側境界レンズ面の横断面を表す、方法を提供する。本発明の骨子は、光源の所定のチップサイズ又は有効径について、レンズがサイズと光効率の間の最適な重み付けを提供するように、レンズの各表面部分の傾きが慎重に選ばれる、というレンズデザインを発明したことである。
以下、本発明の上記及び他の態様を、現時点で好ましいと考えられる本発明の実施形態を示す添付図面を参照しながら、詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例に係る光学発光デバイスを設計する方法を示す概略図である。特に、発光面からの光を受光するように配置されたレンズの外側境界面のデザインが図示されている。便宜上、この外側境界面の横断面のデザインについてのみ図示する。
外側境界レンズ面をデザインする対象となる発光素子の有効発光面の有効径DEを表す初期ライン41が用意される。換言すれば、外側境界面の曲率が生成される。この曲率は、発光素子の有効径に合わせて調整される。
角度θSが選択される。角度θSは、発光面からのまっすぐで、屈折も散乱もしていないあらゆる光線についての最大入射角を決定する。この角度は、例えば光効率やサイズなどの様々なレンズパラメータ間の重み付けとして、慎重に選択される。通常、θSの値が大きくなると、レンズは、小さくなるとともに、光効率が低下する。角度θSは、θC−χ2π(1−cosθC)と、θC+δとの間に位置することが好ましい。ここで、θCは、所定の媒体における当該レンズの全反射の臨界角と等しく、χはχ≦9°/srであり、δはδ≦12°である。
初期ライン41と平行な第一のライン42が、初期ライン41からDE/2*tan(θS)の距離に配置される。ゆえに、レンズの高さHLは、DE/2*tan(θS)と等しい。第一の点Aにおいて、第一のライン42と第一の角度α(例えば、0.01°)で交差する第二のライン43が設けられる。第一の角度αは、0.005°と0.1°の間であることが好ましい。その後、第二の点Bが決定される。ここで、エッジ光線14又は13のうちの一方はθSと等しい入射角を持ち、他方はθS以下の入射角を持つ。さらに、第二の点Bにおいて、第二のライン43と第二の角度βで交差する第三のライン44が設けられる。第二の角度βは、0.005°と0.1°の間であることが好ましく、第一の角度αと等しいことがより好ましい。角度α、βは、十分な計算公差が実現されるように選択される。
その後、図示しない第三の点が決定される。ここで、一方のエッジ光線は第三のライン44とθSと等しい入射角で交差し、他方のエッジ光線は第三のライン44とθS以下の入射角で交差する。これは、点A、Bと交差し、レンズ横断面を表す滑らか曲線45が十分な精度で描けるように十分に多くの点が決定されるまで、繰り返される。
得られた線が初期ライン41に略直交するとき(例えば、初期ライン41に対して垂直な線からの傾きが約3〜5°のとき)には、既に決定された点よりも初期ライン41近くに配置された点はそれ以上確立されないことが好ましい。代わりに、このレンズ底部46又はレンズの中で最も発光面に近い部分46について、曲線45の傾きが約3°(0°と5°の間)に設定される。これによりレンズ製造が容易になる。なぜなら、例えば、レンズの鋳造がより容易になるからである。換言すれば、曲線45は、初期ライン41に対して垂直な方向に対して約3°傾いた底部46と、上部47とを双方有する。既述のように、発光面からのエッジ光線は、曲線45の上部47において限定された入射角を持つ。本発明に係るレンズの外側境界面の横断面45を設計する方法は、所定の角度θSと発光面の横断面有効径DEとを決定することに相当するため、特定角度レンズ設計とも呼ばれる。
さらに、有効発光面が左右対称の場合、すなわち発光エリアの中心を通るすべての横断面が同じ直径を持つ場合、左右対称なレンズ外表面は、発光面の中心に位置し、発光面に垂直な軸まわりに曲線45を回転させて得られる回転体の面として、得られる。
発光面が左右対称でない場合、外側境界レンズ面の横断面は、左右非対称の発光面の所定数の横断面に対して決定することができる。その後、決定されたこれら外側境界レンズ面の横断面と交差する面(好ましくは滑らかな面)が決定される。これら決定された横断面は、外側境界面と近いかもしれない。あるいは、発光面の有効径を用いて、左右非対称発光面について、回転対称レンズの外側境界レンズ面が決定される。
図2a〜2cは、有効発光面の有効径の決定方法を概略的に示している。基本的に、有効径は、1以上のLEDダイスの外側輪郭と同じ面を囲む円の直径と等しい。発光面が図2cに示すように互いに分離された複数の発光部を有するとき、有効径は、これら複数の発光部の面積にこれら複数の発光部間の隙間の面積を加えた面積と同じ面積を持つ円の直径と等しい。
上記方法により左右対称なレンズ面(高さHL、ベース半径RL)が生成されると、例えば集光などに対しても所望の光学性能が実現されるように、生成された面を若干修正することが好ましい。この修正後であっても例えば光効率などに関してレンズ面が依然として所望の光学特性を提供できるように、2つの楕円形の面が計算される。第一の楕円形面は式(3)によって記述され、第二の楕円形面は式(4)によって記述される。ゆえに、左右対称レンズ面は、第一の楕円形面より大きく、第二の楕円形面より小さい。レンズ性能は、上記修正後であっても、第一の楕円形面より大きく、第二の楕円形面より小さければ、通常は確保される。y0>0の場合、外側境界レンズ面には、y軸に略垂直な接線、又は、y軸に対して約2〜5°傾いた接線が与えられることが好ましい。
あるいは、上記方法に従って、θS=θCについての第一のレンズ面が生成されてもよい。その後、レンズ面は、例えば高さHLやベース半径RLなどについて一定の比率を維持しながらスケール変更されて、所望のレンズサイズ又は所望のアウトカップリング効率が実現される。
図3は、選択された角度θSと、レンズサイズと、レンズのアウトカップリング効率の関係を概略的に示している。アウトカップリング(光抽出)効率は、光線追跡シミュレーションを用いることによって計算された(図では、正規化されたアウトカップリング効率を示している)。シミュレーション中、上記の特定角度設計に従って設計されたレンズ面を用いた。ここでは、異なる屈折率の差Δnを表す3つのグラフ線が図示されている。ここで、屈折率の差Δnとは、レンズ材料と、外側又は周囲の媒体との間の屈折率の差であり、この差が異なるとθCも異なることになる。発光面とLEDチップを囲む面については、反射率を75%と仮定する。ゆえに、レンズ境界面で反射して、1以上のLEDチップを供えた面に向かって引き返してくる光線の一部は、LEDチップ又はその周辺によって再び反射されて、最終的にはレンズ外へ送られる。y軸の値は、発光面から発せられた光量に対する、レンズ面を通過した光量を表している。発光面は正方形のダイ(die)であった。x軸の値は、レンズ径DL=2*RLと、発光面の有効径との間の比を表している。これら3つのグラス線は、Δn=0.2、Δn=0.5、及び、Δn=0.8をそれぞれ表している。アウトカップリング効率は、グラフ線31においては、θC+10°、θC+8°、θC+6°、θC+4°、θC、θC−4°、θC−8°、θC−12°、θC−16°、及び、θC−20°と等しいθSについて、グラフ線32においては、θC+12°、θC+8°、θC+4°、θC、θC−4°、θC−8°、θC−12°、及び、θC−15°と等しいθSについて、グラフ線33においては、θC+6°、θC+4°、θC+2°、θC、θC−4°、θC−8°、及び、θC−12°と等しいθSについて、それぞれ計算された。
図3から明らかなように、θSの値が小さくなるほどアウトカップリング効率が大きくなり、θSの値が大きくなるほどアウトカップリング効率が小さくなる。さらに、所定の発光面有効径と上記特定角度レンズ設計に従ったレンズ構造について、レンズ径が大きくなるほど、レンズのアウトカップリング効率が高くなる。
周囲を空気により囲まれた屈折率1.5のガラスについて、臨界角θCは約42°と等しい。屈折率が約1.8で、周囲を空気に囲まれた、セラミックス(例えばサファイア)製レンズは、34°に略等しい臨界角を持つ。光線がレンズから空気へ入射するとき、レンズの屈折率は1.5であり、入射角は、θC(全反射(TIR)が起こったとき、すなわち光の100%が反射されるとき)からθC−3.6°へと小さくなり、フレネル反射は約15%減少する。さらに、全く同じ状況において、レンズの屈折率が1.8であるとすると、入射角がθCからθC−4.1°へ減少した場合、フレネル反射は100%から15%へ減少する。これは、発光面から発せられた光の外側境界レンズ面における入射角の平均は、臨界角より小さいことが好ましい、ことを意味している。特定の角度θSに基づくレンズ設計の基準は、この考え方に関連している。θC−χ*2π(1−cosθC)とθC+δの間(ここで、χ及びδは慎重に選択された定数)からθSを選ぶことによって、効率的なシステムを設計することができる。θC−χ*2π(1−cosθC)というのは一般的な表現であり、レンズ材料と周囲の媒体の組み合わせのほとんどについて、所定のχ値が略同じアウトカップリング効率を与える。
換言すれば、θSは慎重に選ばれる。θSを大きくすると、フレネル反射でより多くの光が失われる。すなわち、光損失が大きくなる。フレネル反射(すなわち全反射無し)による損失を更に減らすために、臨界角よりも小さい値を選ぶこともできる。光損失は、約20%までは許容し得る。これは、θS=θC+δ=θC+12°に相当する。θSは、約10%の光損失に相当するθC+3°より小さいことが好ましい。δの値は、少なくとも15°より小さいδ値について、選択されたレンズ材料と周囲の媒体の組み合わせとは基本的に無関係であることが判っている。
図4は、本発明の一実施例に係る発光ダイオードデバイス10の横断面を概略的に示している。発光ダイオードデバイス10は、有効発光面を備えた発光素子1を有する。この発光面の有効径はDEである。発光素子1の前には、発光素子1の発光面と光学的に接触するように、レンズが配置される。本実施例において、レンズは、屈折率が1.5であるガラスから作られる。発光面を囲むレンズ外側境界面2は、本発明に係るデザインを示している。レンズ2は、発光素子1からの光を受光するように配置される。このレンズの外表面は、図1関連する説明に従って、発光面から発せられた非屈折光がレンズ2の外表面に対する接線と交差するところにおける入射角θ1、θ2、θ3、及び、θ4を考慮することによって、設計される。図4から明らかなように、発光面からのすべての非屈折光についてレンズ横断面上の特定の点A、Bにおける最大入射角を知るためには、発光面の1組のエッジ光線11、12;13、14の入射角さえ考慮すれば十分である。
レンズ2の外側境界面上の任意の点Bにおいては、入射角が上記第一の間隔内に位置する、少なくとも1つのエッジ光線14が存在する。有効源エリアからのエッジ光線の中にθSよりも大きい入射角を持つものは存在しない。
本発明によれば、屈折率1.5であるレンズが空気によって囲まれている場合、そのレンズの高さHLは、θS=θCという特定角度におけるデザインについて、0.56*DE/2とすべきである。加えて、臨界角におけるデザインについては、レンズのベース半径RLは0.65*DE/2とすべきである。さらに、このデザインに従って形状が決められたレンズは、約93%の光抽出効率又はアウトカップリング効率に相当する。さらに、屈折率1.78であるレンズが空気によって囲まれている場合、θS=θCという特定角度におけるデザインについて、そのレンズの高さHLは0.74*DE/2とすべきであり、レンズのベース半径RLは0.77*DE/2とすべきである。このデザインにおけるレンズは、91%の光抽出効率に相当する。
さらに、色変換を容易にするために、発光ダイオード表面に、例えば蛍光体を含む層などの波長変換ボディーを設けることができる。一例として、透明な若しくは半透明な、有機若しくは無機の誘電体内に蛍光体粒子を埋め込むことができる。あるいは、蛍光体を、完全にセラミックス製のボディーとして適用することもできる。
LEDダイスから光を効率的に抽出するために、光学ボディー(例えばダイス上に又はダイスと光学ボディーの間の光学封止材料を通じてエポキシ成形された、例えばレンズ又はコリメータ)との光学的接触が要求される。色混合のほとんどが光源内で行われる小さい光源が得られるように、少なくとも2つの互いに近接した異なる波長を発する複数のダイスを取り付けることによって、色可変光源を作ることができる。例えば10度のスポット光ビーム形状や30度のフラッド(flood)光ビーム形状などの特定の光ビームを作り出すのに必要な光学素子を最小化するためには、発光面の面積を小さくすることが要求される。より高い出力の光源を作り出すには、略同じ波長の光を発する複数のダイスを互いに近接して取り付ければよい。これらダイスをできる限りコンパクトに取り付けることによって、発光エリアを円形エリアに近づけることができる。熱加工圧力及び光ビームを形作るのに必要な光学素子のサイズを小さくするためには、ダイス上に又はダイス上方に取り付けられた光学ドームの寸法が最小化されるべきである。
図5a及び5bは、LEDの主光学素子がより小さい場合にはより小さいリフレクタを用いることができることを概略的に示している。図5aにおいて、有効長1mmのチップ1には、直径5.6mm、屈折率1.5の球面レンズ2が設けられる。さらに、発光面とレンズとを含む光学系が、2*20°に面積が限定されたシステムとなるように、リフレクタ3内に配置される。リフレクタ3の高さは26.7mmであり、その直径は18.3mmである。
図5bは、本発明に係る発光デバイスを備えた別の2*20°面積限定システムを概略的に示している。チップ1の有効長は1mmであり、レンズ2の直径は1.5mm、屈折率は1.5である。リフレクタは、図3bに示したものよりも大幅に小さく、高さは12.5mm、直径は7.46mmである。
上記条件を与えられた当業者は、適切な光源、色変換ボディー、及び、レンズ材料を選択することができる。また、本発明が、上記の好ましい実施例に限定されないことを理解する。それどころか、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱せずに、多くの修正及び変形が可能である。例えば、レンズ材料とそれを囲む媒体の組み合わせは、例えばシリコンジェル内のサファイアドームなどのような他の組み合わせも用いることができる。
Claims (25)
- 発光ダイオード(LED)を含む発光素子と、
レンズと、を有し、
前記発光素子は、有効径がDEである有効発光面を備え、
前記レンズは、前記有効発光面と光学接触し、
前記レンズは、前記発光素子から発せられた光を受光するように配置され、
前記レンズの外側境界面は、該外側境界面のあらゆる場所において、前記有効発光面からの少なくとも1つのエッジ光線がθC−χ2π(1−cosθC)以上の角度で入射するように湾曲され、
θCは、所定の媒体において前記レンズの全反射の臨界角と等しく、
χ≦9°/srである、
ことを特徴とする発光デバイス。 - 請求項1記載の発光デバイスであって、
前記外側境界面は、更に、該外側境界面のあらゆる場所において、前記有効発光面からのすべてのエッジ光線がθC+δ以下の角度で入射するように湾曲され、
δ≦12°である、
ことを特徴とする発光デバイス。 - 請求項2記載の発光デバイスであって、
前記レンズの高さは、[DE/(2*tan(θC+δ)),DE/(2*tan(θC−χ2π(1−cosθC)))]の範囲内であり、
δ≦12°であり、
χ≦9°/srであり、
前記発光素子を含む平面における前記レンズの半径は、[DE/2,1.2*DE]の範囲内である、
ことを特徴とする発光デバイス。 - 請求項1乃至3のいずれか一項記載の発光デバイスであって、
χ≦6°/srである、
ことを特徴とする発光デバイス。 - 請求項1乃至4のいずれか一項記載の発光デバイスであって、
χ≦3°/srである、
ことを特徴とする発光デバイス。 - 請求項1乃至5のいずれか一項記載の発光デバイスであって、
δ≦7.5°である、
ことを特徴とする発光デバイス。 - 請求項1乃至6のいずれか一項記載の発光デバイスであって、
δ≦3°である、
ことを特徴とする発光デバイス。 - 請求項3記載の発光デバイスであって、
前記レンズのアスペクト比は0.4〜1.2の範囲内である、
ことを特徴とする発光デバイス。 - 請求項1乃至9のいずれか一項記載の発光デバイスであって、
前記発光素子は、色変換素子を更に有し、
前記色変換素子は、
前記LEDの少なくとも一部からの光を受光し、
この受光した光の少なくとも一部の波長を変換し、
この波長が変換された光の少なくとも一部を前記レンズへ向ける、
ことを特徴とする発光デバイス。 - 請求項10記載の発光デバイスであって、
前記色変換素子は、好ましくは前記LED上にコーティングされた、蛍光体含有層である、
ことを特徴とする発光デバイス。 - 請求項1乃至11のいずれか一項記載の発光デバイスであって、
前記レンズは、前記レンズと前記レンズの外側を囲む媒体との間の屈折率の差が0.2〜0.85の間、好ましくは0.2〜0.6の間、より好ましくは0.2〜0.4の間となるような屈折率を持つ、
ことを特徴とする発光デバイス。 - 請求項12記載の発光デバイスであって、
前記レンズの屈折率は1.45〜1.85の間であり、
前記レンズの高さは0.45*DE〜1.2*DEの間であり、
前記レンズの半径は0.55*DE〜1.2*DEの間であり、
前記レンズのアスペクト比は[0.6;1.2]の範囲内である、
ことを特徴とする発光デバイス。 - 請求項1乃至13のいずれか一項記載の発光デバイスであって、
第二の誘電体を更に有し、
前記第二の誘電体は、略透明で、前記レンズと光学接触し、
前記第二の誘電体の屈折率は、1.3〜1.6の間であり、
前記レンズと前記第二の誘電体との間の屈折率の差は0.2〜0.4の間であり、
前記レンズの高さは0.2*DE〜0.85*DEの間であり、
前記レンズの半径は0.5*DE〜0.85*DEの間である、
ことを特徴とする発光デバイス。 - 請求項1乃至14のいずれか一項記載の発光デバイスであって、
前記発光素子は、異なる波長領域内の光を発する少なくとも2つのLEDを有する、
ことを特徴とする発光デバイス。 - 請求項1乃至15のいずれか一項記載の発光デバイスであって、
前記外側境界面の外側に配置された拡散層を更に有する、
ことを特徴とする発光デバイス。 - 請求項16記載の発光デバイスであって、
前記拡散層は前記外側境界面から光学的に分離されている、
ことを特徴とする発光デバイス。 - リフレクタと、
請求項1乃至17のいずれか一項記載の発光デバイスと、を有する光学系。 - 請求項18記載の光学系であって、
前記リフレクタは全反射に基づいて光を反射する誘電性コリメータである、
ことを特徴とする光学系。 - 有効径DEを持つ発光面を備えた発光素子においてレンズの外表面の横断面形状を設計する方法であって、
前記発光面から、前記発光面に垂直な方向に沿って、距離DE/(2*tanθS)離れたところに第一の点を与える工程と、
前記発光面に平行で、前記第一の点を通る第一のラインを引く工程と、
前記第一の点において前記第一のラインと第一の角度で交差する第二のラインを引く工程と、
前記第二のライン上に第二の点を与える工程と、
前記第二の点において前記第二のラインと第二の角度で交差する第三のラインを引く工程と、
前記第三のライン上に第三の点を与える工程と、
前記第一の点、前記第二の点、及び、前記第三の点を通る滑らかな曲線を引く工程と、を有し、
前記第二の点は、
前記発光面からの少なくとも1つのエッジ光線が前記第二の点において前記第二のラインと角度θSで交差するとともに、
前記発光面からの他のエッジ光線は前記第二の点においてθSより大きい角度で交差しない、ように与えられ、
前記第三の点は、
前記発光面からの少なくとも1つのエッジ光線が前記第三の点において前記第三のラインと角度θSで交差するとともに、
前記発光面からの他のエッジ光線は前記第三の点においてθSより大きい角度で交差しない、ように与えられ、
θSは、θC−χ2π(1−cosθC)とθC+δの間であり、
χ≦9°/srであり、
δ≦12°であり、
前記曲線は、前記外側境界レンズ面の横断面を表す、
ことを特徴とする方法。 - 請求項20記載の方法であって、
χ≦6°/srであり、
δ≦7.5°である、
ことを特徴とする方法。 - 請求項20記載の方法であって、
χ≦3°/srであり、
δ≦3°である、
ことを特徴とする方法。 - 請求項15又は16記載の方法であって、
追加的ラインを引く工程及び別の点を与える工程は、所定回数繰り返される、
ことを特徴とする方法。 - 請求項20乃至23のいずれか一項記載の方法であって、
前記第一及び第二の角度は、0.005°〜0.1°の範囲内であり、好ましくは0.01°〜0.05°の範囲内である、
ことを特徴とする方法。 - 請求項20乃至24のいずれか一項記載の方法であって、
前記曲線をその比率を一定に保ったままスケール変更する工程を更に有する、
ことを特徴とする方法。
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