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JP2008540542A - 低重合収縮硬化性歯科用組成物 - Google Patents

低重合収縮硬化性歯科用組成物 Download PDF

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JP2008540542A JP2008511254A JP2008511254A JP2008540542A JP 2008540542 A JP2008540542 A JP 2008540542A JP 2008511254 A JP2008511254 A JP 2008511254A JP 2008511254 A JP2008511254 A JP 2008511254A JP 2008540542 A JP2008540542 A JP 2008540542A
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Abstract

本発明は、(1)少なくとも1つのイオウ原子を環内に有する環状アリル化合物の少なくとも1つ、及び(2)少なくとも1つのエチレン系不飽和化合物、例えば置換(メタ)アクリロイル化合物を含有する硬化性歯科用組成物を特徴とする。前記組成物は又、典型的に反応開始剤系、好ましくは少なくとも0.08重量%の1以上の光増感剤を含有する光反応開始剤系を含む。

Description

本発明は一般に、修復歯科学において有用な硬化性歯科用組成物に関する。より具体的には、本発明は、低重合収縮を示すラジカル開環環状アリルスルフィドモノマーを含有する硬化性歯科用組成物に関する。
有機樹脂及び充填剤から調製される歯科用複合材料は、それらの優れた審美的理由故に、歯科用途、特に修復歯科学において用途が拡大している。典型的な歯科用複合材料用樹脂は、高濃度の充填剤を補助する希釈剤として機能する低粘度ジ(メタ)アクリレートモノマー含有する。これらの希釈剤は通常、分子量の小さい(メタ)アクリレート類、例えばトリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)であり、これはそれらの低分子量故に、実質的に重合時に収縮する。重合収縮は、歯科用途における多数の問題を引き起こし得る。例えば、それは多くの場合、前記複合材料及び歯牙構造との間に隙間を生じ、これは術後性の過敏症、マイクロリーケージ、エナメル質エッジ欠け、及び二次的虫歯を引き起こすことがある。
重合収縮においては、多数の要因が役割を果たしていると考えられている。モノマー間のファン・デル・ワールス距離が共有結合によって置き換えられ、ポリマー充填密度がモノマーのそれと比較して増大した際に、収縮が生じると仮定されている。最近の取り組みは、このような現象を最小化させる試みによって重合収縮を低減するために行われた。しかし、現在利用可能な低収縮組成物の多くは、歯科用途に必要とされる物理的、機械的、及び光学的性質を欠いている。更に、口腔内で用いるのに好適な状態条件下にて、すべての低収縮組成物が効率的に重合可能とは限らない。このため、本領域における多大な進歩にもかかわらず、重合収縮は依然として、ある種の歯科用複合材料を用いて作業する際の深刻な問題のままである。従って、破壊靭性及び審美性などの他の有益な性質を犠牲にせずに、低減された重合収縮を示す新規複合材料に対する必要性は依然として存在する。
本発明は、(1)少なくとも1つのイオウ原子を環内に有する、少なくとも1つの環状アリル化合物と(2)少なくとも1つのエチレン系不飽和化合物、例えば置換(メタ)アクリロイル化合物とを含有する硬化性歯科用組成物を特徴とする。前記環状アリル化合物は典型的には、2個のヘテロ原子を環内に有する、少なくとも1つの7−、8−、又は9−員環を含む。最も一般的には、前記ヘテロ原子の両方が、イオウであり、それは所望によりSO、SO2、又はS−S部分の一部として存在してもよい。他の実施形態では、前記環は、イオウ原子の他に第2の、異なったへテロ原子、例えば酸素又は窒素を環内に含んでよい。加えて、前記環状アリル化合物は、複数の環状構造を含んでよく、即ち、2つ以上の環状アリルスルフィド部分を有してもよい。
本発明の一実施例において、前記エチレン系不飽和化合物は、置換(メタ)アクリロイル化合物であり、これは、例えば、ジ(メタ)アクリレート、少なくとも1つの官能基を有する脂肪族(メタ)アクリレート、及び/又は芳香族官能性を有する(メタ)アクリレートを含んでよい。好適な置換(メタ)アクリロイル化合物の例としては、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート(BisEMA6)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、ビスフェノールAジグリシジルジメタクリレート(bisGMA)、ウレタンジメタクリレート(UDMA)、トリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)、グリセロールジメタクリレート(GDMA)、エチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート(NPGDMA)、及びポリエチレングリコールジメタクリレート(PEGDMA)が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の組成物は又、典型的には、反応開始剤系で、好ましくは例えば約300〜約600nmの範囲の光を吸収可能なアシルホスフィン・オキシドを含有する光反応開始剤(photoinitator)系並びに/又はヨードニウム塩、電子供与体、及び光増感剤を含む第三級光反応開始剤系を含む。典型的には、前記光反応開始剤系は、前記組成物の総重量を基準として、少なくとも0.03重量%の光増感剤、より典型的には少なくとも0.08重量%、更により典型的には少なくとも0.12重量%、最も典型的には少なくとも0.20重量%の光増感剤を含有する。
前記組成物は、所望により歯科用材料内で典型的に使用されているような1以上の充填剤を含み、これは所望によりラジカル重合可能な官能性を含有するシランで処理されてもよい。
ある実施態様においては、前記組成物内で使用される前記置換(メタ)アクリロイル化合物は典型的には、100超、更に典型的には300超、最も一般的には500超の平均分子量を有する。
本発明の組成物は、クラウン及びブリッジ用材料、充填剤、接着材、シーラント、インレー、オンレー、ラミネート・ベニア、合着剤又はセメント、義歯床用材料、矯正用材料及びシーラント、並びに他の歯科修復剤材料を含む各種の歯の治療及び修復機能にとって有用である。例えば、(メタ)アクリレート化歯科用レジンと混合した前記環状アリルモノマー(類)の前記組み合わせは、優れた重合をして、低収縮及び高機械的特性を持つ硬化歯科用複合材料を形成する。加えて、ある好ましい実施形態では、最少0.08重量%の光増感剤を有する光反応開始剤系を含む場合には、硬化性歯科用組成物にとって多大な利益である、可視光線での重合を可能にする。
上記の要約は、本発明の各実施形態又はあらゆる実施を記載するものではない。本発明の他の実施形態、特徴及び利点は、本発明の実施形態についての以下の「発明を実施するための最良の形態」及び「特許請求の範囲」から明らかになるであろう。
定義
本明細書で使用する時、「硬化性」構成成分とは、例えば光重合反応及び化学重合技術(例えば、エチレン系不飽和化合物類、(メタ)アクリレート化合物類等を重合させるのに効果的なラジカルを形成するイオン反応又は化学反応)を含む重合及び/又は架橋反応させることが可能で、硬化性の1以上の化合物を伴うもののことを言う。硬化反応は、酸塩基設定反応(acid-base setting reactions)例えば、セメント形成組成物(例えば、亜鉛ポリカルボキシレートセメント、ガラス・アイオノマー・セメント等)にとって一般的なものを更に含む。
本明細書で使用する時、「歯科用組成物」とは、例えば歯科用接着剤、歯列矯正用接着剤、複合材料、修復材、歯科用セメント、歯列矯正用セメント、シーラント、コーティング材、印象材、充填剤、及びこれらの組み合わせを含む口腔環境にて使用される硬化性組成物のことを言う。幾つかの実施形態では、硬化性構成成分を含む本発明の歯科用組成物は、硬化してクラウン、ブリッジ、ベニア、インレー、オンレー、充填剤、ミル・ブランク(mill blanks)、印象材、歯列矯正用デバイス、プロテーゼ(例えば、部分義歯又は総義歯)、及び歯科用予防処理又は修復処理として使用される最終加工又は研磨用デバイス(例えば、カップ、ブラシ、研磨剤などの予防剤(prophy agents))から成る群から選択される歯科用物品を加工することができる。本明細書で使用する時、「歯科用接着剤」とは、非充填又は少量充填用歯科用組成物(例えば、40重量%未満の充填剤)のことを言い、典型的には、硬化性歯科用材料(例えば、充填剤)を歯の表面に接着させるために使用する。硬化後、前記歯科用組成物は典型的には、粘着性であったり又はべたつくことはなく、従って、感圧接着剤(PSA)として知られている部類の材料とはならない。
本明細書で使用する時、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及び/又は「メタクリル」を意味する省略語である。例えば、「(メタ)アクリロイルオキシ」基は、アクリロイルオキシ基(即ち、CH2=CHC(O)O−)及び/又はメタクリロイルオキシ基(即ち、CH2=C(CH3)C(O)O−)のいずれかを意味する省略語であり、且つ、「(メタ)アクリロイル」基は、アクリロイル基(即ち、CH2=CHC(O)−)及び/又はメタクリロイル基(即ち、CH2=C(CH3)C(O)−)のいずれかを意味する省略語である。
「置換(メタ)アクリロイル化合物」とは、(メタ)アクリロイル化合物、例えば酸素上にメチル以外の有機置換基を有する(メタ)アクリレートを意味する。
「光増感剤」とは、光重合速度を増加させるか又は重合が生じる波長を変化させる任意の物質を意味する。典型的な光増感剤は、400nm〜520nmの範囲にある光を吸収するモノケトン類及びジケトン類である。
端点による数の範囲の列挙には、その範囲内に包含されるすべての数(例えば1から5には、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、及び5)が含まれる。
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される時、単数形「或る(a及びan)」及び「その(the)」は、その内容について別段のはっきりした指示がない限り、複数の指示対象を包含する。従って、例えば「化合物」を含有する組成物の言及は、二種以上の化合物の混合物を含む。本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される時、用語「又は」は、その内容について別段の明確な指示がない限り、一般的に「及び/又は」を包含する意味で用いられる。
特に指示がない限り、本明細書及び本特許請求の範囲で使用される成分量、例えばコントラスト比などの性質の測定値を表す全ての数字全ての場合において「約」という語句によって修正されるものとして理解されるべきである。従って、特に異議を唱えない限り、先の明細書及び添付した特許請求の範囲に記述されている数値パラメータは、当業者により本発明の技術を利用して獲得しようとされてきた所望の性質に応じて変化しうる概算である。最低限でも、又、特許請求の範囲への同等物の原則の適用を限定する試行としてではなく、少なくとも各数値パラメータは、報告された有効数字の数を考慮して、そして通常のまるめ方を適用することによって解釈されなければならない。本発明の広範囲で示す数値的範囲及びパラメータは近似値であるが、具体例に記載の数値は可能な限り正確に報告する。しかしながら、いずれの数値もそれらの各試験測定値において見られる標準偏差から必然的に生じる特定の誤差を本質的に含む。
本発明は、低重合収縮及び高機械的特性を有し、歯科修復用途において有用な硬化性歯科用組成物を提供する。これらの組成物は、歯科用樹脂と共重合可能な少なくとも1つの環状アリルスルフィドモノマー、例えば典型的に歯科用組成物にて使用される置換(メタ)アクリロイル化合物又は他のエチレン系不飽和化合物を含有する。一実施形態では、前記組成物は、重合性が向上し、効率的且つ効果的な可視光重合を可能にする組成物を付与する光反応開始剤系を更に包含する。前記光反応開始剤系は、適切な波長の化学線の照射により、組成物の重合(又は硬化)を開始させる。このような光重合性組成物は、典型的にはラジカル重合可能である。
他の実施形態では、前記組成物は化学的に硬化性である。即ち、前記組成物は、化学線による放射に依存することなく、前記組成物を重合、硬化、ないしは別の方法で硬化性の化学的反応開始剤(即ち、反応開始剤系)を含有する。このような化学的硬化性組成物は、「自己硬化」組成物と呼ばれることもあり、且つガラス・アイオノマー・セメント(例えば、従来型であり樹脂変性されたガラス・アイオノマー・セメント)、酸化還元硬化系、及びこれらの組み合わせを包含してよい。
前記歯科用材料適用の前後で、前記組成物を硬化(例えば、従来の光重合及び/又は化学重合技術によって重合させられる)することができる。
環状アリル構成成分
本発明の組成物は、1以上の環状アリルモノマーを含有する。これらのモノマーは典型的には、少なくとも1つのへテロ原子、典型的にはイオウ原子(SO、SO2、又はS−S部分の一部として存在してもよい)を有する7〜8員を有する環状構造を含む。最も一般的には、前記環は2個のイオウヘテロ原子(heretoatoms)、又は1個のイオウ原子に加えて1個の第2の、異なったへテロ原子、例えば酸素又は窒素を環内に含む。加えて、前記環状アリル構成成分は、複数の環状構造を含んでよく、即ち、2つ以上の環状アリル部分を有してもよい。
好適な環状アリルモノマー及びそれらの調製方法の例は、米国特許第6,495,643号(エバンス(Evans)ら);米国特許第6,344,556号(エバンス(Evans)ら);米国特許第6,043,361号(エバンス(Evans)ら);PCT国際公開特許WO96/19471(エバンス(Evans)ら);PCT国際公開特許94/14792(リッツァルド(Rizzardo)ら);リチャード・エバンスら著、「新規ラジカル開環アクリレートモノマー」(Macromolecules、1994年、第27巻(第26号)、7935〜7937頁;リチャード・エバンス、エツィオ・リッツァルド(Ezio Rizzardo)共著、「環状アリルスルフィドのラジカル開環重合」(Macromolecules、1996年、第29巻、6983〜6989頁)、リチャード・エバンス、エツィオ・リッツァルド(Ezio Rizzardo)共著、「環状アリルスルフィドのラジカル開環重合・2」、「7員及び8員環低収縮モノマーでの置換基の効果」(Macromolecules、2000年、第33巻、6722〜6731頁)、並びにリチャード・エバンス、エツィオ・リッツァルド(Ezio Rizzardo)共著、「環状アリルスルフィドのラジカル開環重合:低重合体積収縮の液体モノマー」(ポリマー・サイエンス雑誌:パートA:高分子化学、2001年、第39巻、202〜215頁)、並びに米国特許仮出願第60/678986号(出願中)(題名「低重合収縮ハイブリッド・モノマーを含有する歯科用組成物」(2005年、5月9日出願))(これら全ては、その全体が、本明細書に参考として組み込まれる)に記載されている。
エチレン部が不飽和の構成成分
本発明の組成物は、1以上のエチレン系不飽和化合物(酸性官能基を有する場合と有しない場合がある)を更に包含する。有用なエチレン系不飽和化合物の例としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ヒドロキシ官能性アクリル酸エステル、ヒドロキシ官能性メタクリル酸エステル、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
前記組成物(例えば、光重合性組成物)は、1以上のエチレン部が不飽和の基を有するモノマー、オリゴマー、及びポリマーを包含し得るラジカル活性官能基を有する化合物を包含してよい。好適な化合物は、少なくとも1つのエチレン系不飽和結合を含有し且つ重合可能である。このようなラジカル重合可能な化合物としては、モノ−、ジ−又はポリ−(メタ)アクリレート類(即ち、アクリレート類及びメタクリレート類)例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ヘキシルアクリレート、ステアリルアクリレート、アリルアクリレート、グリセロールトリアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリメタクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ビス[1−(2−アクリロキシ)]−p−エトキシフェニルジメチルメタン、ビス[1−(3−アクリロキシ−2−ヒドロキシ)]−p−プロポキシフェニルジメチルメタン、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、及びトリスヒドロキシエチル−イソシアヌレートトリメタクリレート;(メタ)アクリルアミド(即ち、アクリルアミド及びメタクリルアミド)例えば、(メタ)アクリルアミド、メチレンビス−(メタ)アクリルアミド、並びにジアセトン(メタ)アクリルアミド;ウレタン(メタ)アクリレート類、ポリエチレングリコール類のビス−(メタ)アクリレート類(好ましくは、分子量200〜500)、米国特許第4,652,274号(ボッチャー(Boettcher)ら)に記載されているような、アクリレート化されたモノマー類の共重合性混合物米国特許第4,642,126号(ザドール(Zador)ら)に記載されているような、アクリレート化されたオリゴマー類、並びに米国特許第4,648,843号(ミトラ(Mitra))米国特許番号に開示されているもののような、ポリ(エチレン部が不飽和の)カルバモイルイソシアヌレート類、並びにビニル化合物例えば、スチレン、ジアリルフタレート、ジビニルサクシネート、ジビニルアジパート及びジビニルフタレートが挙げられる。他の好適なラジカル重合可能な化合物としては、例えば、PCT国際公開特許00/38619(グーゲンベルガー(Guggenberger)ら)、PCT国際公開特許01/92271(ヴァインマン(Weinmann)ら)、PCT国際公開特許01/07444(グーゲンベルガー(Guggenberger)ら)、PCT国際公開特許00/42092(グーゲンベルガー(Guggenberger)ら)に開示されているようなシロキサン−官能性(メタ)アクリレート類並びに例えば、米国特許第5,076,844号(フォック(Fock)ら)、米国特許第4,356,296号(グリフィス(Griffith)ら)、欧州特許第0373384号(ヴァーゲンクネヒト(Wagenknecht)ら)、欧州特許第0201031号(ライナーズ(Reiners)ら)、及び欧州特許第0201778号(ライナーズ(Reiners)ら)に開示されているようなフルオロポリマー−官能性(メタ)アクリレート類が挙げられる。所望する場合、2つ以上のラジカル重合可能な化合物の混合物を使用することが可能である。
前記エチレン系不飽和化合物は、ヒドロキシル基及びエチレン部が不飽和の基を1つの分子内に含有していてもよい。このような物質の例としては、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及び2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート;グリセロールモノ−又はジ−(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパンモノ−又はジ−(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールモノ−、ジ−及びトリ−(メタ)アクリレート;ソルビトールモノ−、ジ−、トリ−、テトラ−、又ペンタ−(メタ)アクリレート;及び2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシ−3−エタアクリロキシプロポキシ)フェニル]プロパン(bisGMA)が挙げられる。好適なエチレン系不飽和化合物は又、多種多様な民間の供給元、例えばシグマ・アルドリッチ社(Sigma-Aldrich)(セントルイス)から入手可能である。所望する場合、エチレン系不飽和化合物の混合物を使用することが可能である。
ある実施態様においては、前記エチレン系不飽和化合物は、好ましくは置換(メタ)アクリロイル化合物を含む。特に有用な(メタ)アクリロイル化合物としては、ジ(メタ)アクリレート類、少なくとも1つの官能基を有する脂肪族(メタ)アクリレート類、及び芳香族官能性を有する(メタ)アクリレート類が挙げられる。好適な置換(メタ)アクリロイル化合物の例としては、米国特許第6,030,606号(ホルムズ(Holmes))に記載されている様なエトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート(BisEMA6)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、ビスフェノールAジグリシジルジメタクリレート(bisGMA)、ウレタンジメタクリレート(UDMA)、トリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)、グリセロールジメタクリレート(GDMA)、エチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート(NPGDMA)、及びポリエチレングリコールジメタクリレート(PEGDMA)が挙げられる。所望する場合、これら化合物の各種組み合わせを使用することが可能である。
典型的には、本発明の組成物は、無充填組成物の総重量を基準にして、少なくとも5重量%、より典型的には少なくとも10重量%、最も典型的には少なくとも15重量%のエチレン系不飽和化合物を包含する。典型的には、本発明の組成物は、無充填組成物の総重量を基準にして、最大95重量%、より典型的には最大90重量%、最も典型的には最大80重量%のエチレン系不飽和化合物を包含する。
典型的には、本発明の組成物は、無充填組成物の総重量を基準にして、少なくとも5重量%、より典型的には少なくとも10重量%、最も典型的には少なくとも15重量%の酸性官能基を持たないエチレン系不飽和化合物を包含する。典型的には、本発明の組成物は、無充填組成物の総重量を基準にして、最大95重量%、より典型的には最大90重量%、最も典型的には最大80重量%の酸性官能基を持たないエチレン系不飽和化合物を包含する。
酸性官能基を有するエチレン系不飽和化合物
一般に、本発明の組成物は、酸性官能基を持たないエチレン系不飽和化合物を包含するが、本発明の幾つかの実施形態では、代替的に又は付加的に、酸性官能基を持つエチレン系不飽和化合物を1以上包含してよい。
本明細書で使用する時、酸性官能基を持つエチレン系不飽和化合物は、エチレン系不飽和の、酸及び/又は酸−前駆体官能性を有するモノマー類、オリゴマー類、及びポリマー類を包含することを意味する。酸−前駆体官能性としては、例えば、無水物、酸ハロゲン化物、及びピロリン酸塩が挙げられる。酸官能性としては、カルボン酸官能性、リン酸官能性、ホスホン酸官能性、スルホン酸官能性、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。
酸性官能性を持つエチレン系不飽和化合物としては、例えば、α,β−不飽和酸性化合物、例えば、グリセロールホスフェートモノ(メタ)アクリレート類、グリセロールホスフェートジ(メタ)アクリレート類、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(例えば、HEMA)ホスフェート類、ビス((メタ)アクリルオキシエチル)ホスフェート、((メタ)アクリルオキシプロピル)ホスフェート、ビス((メタ)アクリルオキシプロピル)ホスフェート、ビス((メタ)アクリルオキシ)プロピルオキシホスフェート、(メタ)アクリルオキシヘキシルホスフェート、ビス((メタ)アクリルオキシヘキシル)ホスフェート、(メタ)アクリルオキシオクチルホスフェート、ビス((メタ)アクリルオキシオクチル)ホスフェート、(メタ)アクリルオキシデシルホスフェート、ビス((メタ)アクリルオキシデシル)ホスフェート、カプロラクトンメタクリレートホスフェート、クエン酸ジ−又はトリ−メタクリレート、ポリ(メタ)アクリレート化オリゴマレイン酸、ポリ(メタ)アクリレート化ポリマレイン酸、ポリ(メタ)アクリレート化ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリレート化ポリカルボキシル−ポリホスホン酸、ポリ(メタ)アクリレート化ポリクロロリン酸、ポリ(メタ)アクリレート化ポリスルホネート、ポリ(メタ)アクリレート化ポリホウ酸、などが挙げられる。これらは、前記硬化性構成成分系内の構成成分として使用してもよい。(メタ)アクリル酸、芳香族(メタ)アクリル化された酸(例えば、メタクリレート化されたトリメリット酸)などの不飽和炭酸類のモノマー類、オリゴマー類、及びポリマー類並びに及びこれらの無水物を使用することも可能である。ある種の好ましい本発明の組成物としては、少なくとも1つのP−OH部分を有する酸性官能基を持つエチレン系不飽和化合物が挙げられる。
これら化合物のあるものは、例えば、イソシアナトアルキル(メタ)アクリレート類及びカルボン酸間の反応物として得られる。酸−官能性及びエチレン系不飽和構成成分の両方を有するこの種の追加の化合物は、米国特許第4,872,936号(エンゲルブレヒト(Engelbrecht))及び同第5,130,347号(ミトラ(Mitra))に記載されている。エチレン系不飽和部分及び酸部分の両方を含有する多種多様のこのような化合物を使用することが可能である。所望する場合、このような化合物の混合物を使用することが可能である。
追加の酸性官能基を持つエチレン系不飽和化合物としては、例えば、例えば米国特許公開公報第2004/0206932号(アブュールヤマン(Abuelyaman)ら)に開示されている重合可能なビスホスホン酸;AA:ITA:IEM(例えば、米国特許第5,130,347号(ミトラ(Mitra))の実施例11に記載されているように、AA:ITAコポリマーを十分な2−イソシアナトエチルメタクリレートと反応させ、前記コポリマーの酸基部分をペンダント・メタクリレート基に変換することにより調製されるペンダント・メタクリレートを持つアクリル酸:イタコン酸コポリマー);並びに米国特許第4,259,075号(ヤマウチら)、米国特許第4,499,251号(オムラら)、米国特許第4,537,940号(オムラら)、米国特許第4,539,382号(オムラら)、米国特許第5,530,038号(ヤマモトら)、米国特許第6,458,868号(オカダら)、並びに欧州特許出願公開第EP712,622号(トクヤマ社)、及びEP1,051,961号(クラレ社)に記載されているようなものが挙げられる。
本発明の組成物としては、更に酸性官能基を持つエチレン系不飽和化合物の組み合わせを包含する組成物も挙げることができる。典型的には、前記組成物は粘着性且つ非水性である。例えば、このような組成物は、少なくとも1つの(メタ)アクリルオキシ基及び少なくとも1つの−O−P(O)(OH)x基を包含する第1化合物で、式中、x=1又は2で、且つ前記少なくとも1つの−O−P(O)(OH)x基及び前記少なくとも1つの(メタ)アクリルオキシ基が、C1〜C4炭化水素基によって互いに結合しているもの;少なくとも1つの(メタ)アクリルオキシ基及び少なくとも1つの−O−P(O)(OH)x基を包含する第2化合物で、式中、x=1又は2で、且つ前記少なくとも1つの−O−P(O)(OH)x基及び前記少なくとも1つの(メタ)アクリルオキシ基が、C5〜C12炭化水素基によって互いに結合しているもの;酸性官能基を持たないエチレン系不飽和化合物;反応開始剤系;並びに充填剤を包含することができる。このような組成物は、例えば米国仮出願番号第60/600,658号(ルヒターハント(Luchterhandt)ら)(2004年8月11日出願)に記載されている。
典型的には、本発明の組成物は、無充填組成物の総重量を基準にして、少なくとも1重量%、より典型的には少なくとも3重量%、最も典型的には少なくとも5重量%の酸性官能基を持つエチレン系不飽和化合物を包含する。典型的には、本発明の組成物は、無充填組成物の総重量を基準にして、最大80重量%、より典型的には最大70重量%、最も典型的には最大60重量%の酸性官能基を持つエチレン系不飽和化合物を包含する。
光反応開始剤系
ある実施態様においては、本発明の組成物は光重合性である、即ち前記組成物が光重合性構成成分及び化学線の照射により前記組成物のフリーラジカル重合(又は硬化)を開始する光反応開始剤(即ち、光反応開始剤系)を含有する。ラジカル光重合性組成物の重合に好適な光反応開始剤としては、典型的に300nm〜1200nm、より典型的には300nm〜600nmの範囲内の有効波長(functional wavelength)を有するホスフィン・オキシドの部類が挙げられる。一般に、380nm〜450nmの有効波長を有する、特に有用なホスフィン・オキシド・ラジカル開始剤は、米国特許第4,298,738号(レヒトケン(Lechtken)ら)、米国特許第4,324,744号(レヒトケンら)、米国特許第4,385,109号(レヒトケンら)、米国特許第4,710,523号(レヒトケンら)、及び米国特許第4,737,593号(エルリッヒ(Ellrich)ら)、米国特許第6,251,963号(コーラー(Kohler));並びに欧州特許出願番号第0173567A2号(イン(Ying))に記載されるもののようなアシル及びビスアシルホスフィン・オキシドである。
380nm超〜450nmの範囲の波長を浴びた場合に、ラジカル反応開始(free-radical initiation)が可能な市販のホスフィン・オキシド光反応開始剤としては、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィン・オキシド(イルガキュア(IRGACURE)819、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社(Ciba Specialty Chemicals)(ニューヨーク州、タリータウン))、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−(2,4,4−トリメチルペンチル)ホスフィン・オキシド(CGI403、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社(Ciba Specialty Chemicals))、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィン・オキシド及び2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(イルガキュア(IRGACURE)1700、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社(Ciba Specialty Chemicals))の25:75(重量比)混合物、ビス(η5−2−4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタン(イルガキュア(IRGACURE)784、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社(Ciba Specialty Chemicals))、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィン・オキシド及び2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(ダロキュア(DAROCUR)4265、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社(Ciba Specialty Chemicals))の1:1(重量比)混合物、並びにエチル2,4,6−ホスフィン酸トリメチルベンジルフェニル(ルシリン(LUCIRIN)LR8893X、BASF社(ノースカロライナ州、シャーロット))が挙げられる。
三級アミン還元剤類を、アシルホスフィン・オキシドと組み合わせて使用してもよい。本発明で有用な三級アミンの一例としては、エチル4−(N,N−ジメチルアミノ)ベンゾエート及びN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートが挙げられる。存在する場合、前記アミン還元剤は、当該組成物の総重量を基準として、0.1重量%〜5.0重量%の量で光重合性組成物中に存在する。他の反応開始剤の有用な量は、当業者には周知である。
ラジカル光重合性組成物を重合させるための他の好適な光反応開始剤(即ち、1以上の化合物を包含する光反応開始剤系)としては、2元及び3元系が挙げられる。典型的3元光反応開始剤系としては、米国特許第5,545,676号(パラゾット(Palazzotto)ら)に記載されているような、ヨードニウム塩、光増感剤、及び電子供与体化合物が挙げられる。好ましいヨードニウム塩は、ジアリールヨードニウム塩、例えばジフェニルヨードニウムクロライド、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、及びトリクミルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートである。好ましい光増感剤は、400nm〜520nm(好ましくは、450nm〜500nm)の範囲にある光を吸収するモノケトン類及びジケトン類である。より好ましい化合物は、400nm〜520nm(更により好ましくは、450nm〜500nm)の範囲にある光を吸収するアルファジケトン類である。好ましい化合物は、カンファーキノン、ベンジル、フリル、3,3,6,6−テトラメチルシクロヘキサンジオン、フェナントラキノン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン及び他の1−アリル−2−アルキル−1,2−エタンジオン、並びに環状αジケトン類である。カンファーキノンが最も好ましい。好ましい電子供与体化合物としては、置換アミン類、例えばエチルジメチルアミノベンゾエートが挙げられる。カチオン重合性樹脂を光重合させるのに有用な他の好適な三級光反応開始剤系は、例えば米国特許第6,765,036号(ディード(Dede)ら)に記載されている。
典型的には、本発明の組成物は、当該組成物の総重量を基準として、少なくとも0.03重量%の光増感剤、より典型的には少なくとも0.08重量%、更により典型的には少なくとも0.12重量%、最も典型的には少なくとも0.20重量%の光増感剤を含有する。前記光反応開始剤系は、所望の硬化(例えば、重合及び/又は架橋)速度を提供するのに十分な量で存在する。組成物中の光反応開始剤系構成成分の量は、光源、放射エネルギーに晒される層の厚さ、及び構成成分(類)の減衰係数にある程度依存する。
酸化還元反応開始剤系
幾つかの実施形態では、本発明の組成物は化学的に硬化性である。即ち、当該組成物は、化学線の照射に依存することなく当該組成物を重合、硬化、ないしは別の方法で硬化させることができる化学的硬化性構成成分及び化学的反応開始剤(即ち、反応開始剤系)を含有する。このような化学的硬化性組成物は、「自己硬化」組成物と呼ばれることもあり、且つガラス・アイオノマー・セメント、樹脂−変性ガラス・アイオノマー・セメント、酸化還元硬化系、及びこれらの組み合わせを包含してよい。
前記化学的硬化性組成物は、硬化性構成成分(例えば、エチレン系不飽和重合性構成成分)並びに酸化剤及び還元剤を包含する酸化還元剤を包含する酸化還元硬化系を包含してよい。好適な硬化性構成成分、酸化還元剤、任意の酸−官能性構成成分、及び本発明で有用な任意の充填剤は、米国特許第5,154,762号(ミトラ(Mitra)ら)、並びに米国特許公報第2003/0166740号(ミトラら)及び米国特許公開公報第2003/0195273号(ミトラら)に開示されている。
前記還元剤及び酸化剤は、互いに反応し、ないしは別の方法で協働して、前記樹脂系(例えば、前記エチレン系不飽和構成成分)の重合を開始させることができるラジカルを作り出すべきである。この種類の硬化は、暗反応である。即ち、光の存在に依存せず且つ光が存在しない状態下で進行可能である。前記還元剤及び酸化剤は、典型的な歯の状態下での保存及び使用が可能なだけの十分な保管安定性があり且つ望ましくない着色が無いことが好ましい。それらは前記樹脂系と十分に混和性(且つ好ましくは水溶性)であり、硬化性組成物の他の構成成分と容易に溶解可能で(且つそこから分離しないようなもので)なければならない。
有用な還元剤類としては、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体類、及び米国特許第5,501,727号(ワング(Wang)ら)に記載されている様な金属錯体アスコルビン酸化合物;アミン類、特に三級アミン類、例えば4−tert−ブチルジメチルアニリン及びN,N−ビス(ヒドロキシエチル)−p−トルイジン;ジ−ヒドロキシエチル−p−トルイジン;芳香族スルフィン酸塩類(sulfinic salts)、例えばp−トルエンスルフィン酸塩類及びベンゼンスルフィン酸塩類;チオ尿素類、例えば1−エチル−2−チオ尿素、テトラエチルチオ尿素、テトラメチルチオ尿素、1,1−ジブチルチオ尿素、及び1,3−ジブチルチオ尿素;並びにこれらの混合物が挙げられる。他の二級還元剤類としては、塩化コバルト(II)、塩化第一鉄、硫酸第一鉄、ヒドラジン、ヒドロキシルアミン(酸化剤の選択に依存する)、亜ジチオン酸塩又は亜硫酸塩アニオンの塩類、並びにこれらの混合物を挙げてもよい。好ましくは、前記還元剤はアミンである。
好適な酸化剤は又、当業者によく知られており、且つ過硫酸及びその塩類、例えばナトリウム、カリウム、アンモニウム、セシウム、及びアルキルアンモニウム塩が挙げられるが、これらに限定するものではない。追加の酸化剤としては、過酸化物類、例えば過酸化ベンゾイル、ヒドロペルオキシド(例えば、クミルヒドロペルオキシド)、t−ブチルヒドロペルオキシド、及びアミルヒドロペルオキシド、並びに遷移金属の塩類、例えば塩化コバルト(III)及び塩化第二鉄、硫酸セリウム(IV)、過ホウ酸並びにそれらの塩類、過マンガン酸及びその塩類、過リン酸及びその塩類、並びにこれらの混合物が挙げられる。
複数の酸化剤又は複数の還元剤を使用することが望ましい場合がある。少量の遷移金属化合物を添加して、酸化還元硬化速度を速めてもよい。幾つかの実施形態では、米国特許公開公報第2003/0195273号(ミトラ(Mitra)ら)に記載されている様な重合性組成物の安定性を高めるために、二級イオン性塩を包含することが好ましい場合がある。
前記還元剤及び酸化剤は、適切な遊離基反応速度を得るのに十分な量で存在する。これは、任意の充填剤を除く、硬化性組成物のすべての成分を混ぜ合わせることにより、且つ硬化した大部分が得られたか否かを観察することにより、評価することができる。
典型的には、前記還元剤は、硬化性組成物の構成成分の総重量(水を含む)を基準にして、少なくとも0.01重量%、より典型的には少なくとも0.1重量%の量で存在する。典型的には、前記還元剤は、硬化性組成物の構成成分の総重量(水を含む)を基準にして、10重量%以下、より典型的には5重量%以下の量で存在する。
典型的には、前記酸化剤は、硬化性組成物の構成成分の総重量(水を含む)を基準にして、少なくとも0.01重量%、より典型的には少なくとも0.10重量%の量で存在する。典型的には、前記酸化剤は、硬化性組成物の構成成分の総重量(水を含む)を基準にして、10重量%以下、より典型的には5重量%以下の量で存在する。
前記還元剤又は酸化剤は、米国特許第5,154,762号(ミトラ(Mitra)ら)に記載されている様に、マイクロカプセル化することができる。これは、一般に硬化性組成物の貯蔵安定性を高め、且つ必要であれば、前記還元剤及び酸化剤を共にパッケージングすることを可能にする。例えば、カプセル化用材料を適切に選択することにより、前記酸化剤及び還元剤を酸−官能性構成成分及び任意の充填剤と共に混ぜ合わせることができ、且つ安定した保管状態に維持することができる。酸化還元硬化系は、他の硬化系、例えば米国特許第5,154,762号(ミトラ(Mitra)ら)に記載されているような硬化性組成物と混ぜ合わせることができる。
充填剤
本発明の組成物は又、充填剤を含むことができる。充填剤は、例えば歯科修復剤組成物に現在使用されている充填剤など、歯科用途に使用されている組成物内への組込みに適した多種多様な物質の1以上から選択されてよい。
前記充填剤は好ましくは、超微粒子状である。前記充填剤は、単峰性(unimodial)又は複峰性(polymodial)(例えば、二峰性)の粒子寸法分布を有することができる。典型的には、前記充填剤の最大粒径(粒子の最大寸法、典型的には直径)は、20ミクロン未満、より典型的には10ミクロン未満、最も典型的には5ミクロン未満である。典型的には、前記充填剤の平均粒径は、0.4ミクロン未満、より典型的には0.1ミクロン未満、最も典型的には0.075ミクロン未満である。
前記充填剤は、無機物質であり得る。それは又、前記樹脂系(即ち、硬化性構成成分)に不溶性の架橋型有機物質であり得、且つ所望により無機充填剤により充填することもできる。前記充填剤は、いずれにせよ無毒で且つ口内で用いるのに好適でなければならない。前記充填剤は、放射線不透過性又は放射線透過性であることができる。前記充填剤は典型的には、実質的に水に不溶性である。
好適な無機充填剤の例としては、石英(即ち、シリカ、SiO2);窒化物(例えば、窒化ケイ素);例えば、Zr、Sr、Ce、Sb、Sn、Ba、Zn、及びAlから誘導されるガラス及び充填剤;長石;ボロシリケートガラス;カオリン;タルク;ジルコニア;チタニア;低モース硬度充填剤、例えば、米国特許第4,695,251号(ランドクレブ(Randklev))に記載されているようなもの;並びにサブミクロンのシリカ粒子(例えば、商品名アエロジル(デグサ社(Degussa Corp)(オハイオ州、アクロン)からの「OX50」、「130」、「150」及び「200」シリカ並びにキャボット社(Cabot Corp.)(イリノイ州、タスコラ)からのCab−o−silM5シリカを含む)にて入手可能なもののような発熱性シリカ)を含む天然素材の物質又は合成された物質であるが、これらに限定されるものではない。好適な有機充填剤粒子の例としては、充填された又は非充填の粉砕したポリカーボネート類、ポリエポキシド類、等が挙げられる。
好適な非酸反応性(non-acid-reactive)充填剤粒子は、石英(即ち、シリカ)、サブミクロンのシリカ、ジルコニア、サブミクロンのジルコニア、及び米国特許第4,503,169号(ランドクレブ(Randklev))に記載されているような種類の非ガラス質の微小粒子である。これら非酸反応性(non-acid-reactive)充填剤の混合物は更に、有機及び無機の物質から調製される混合充填剤と共に検討される。
前記充填剤は更に、酸反応性(acid-reactive)充填剤であってもよい。好適な酸反応性(acid-reactive)充填剤としては、金属酸化物、ガラス、及び金属塩が挙げられる。典型的な金属酸化物としては、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、及び酸化亜鉛が挙げられる。典型的なガラスとしては、ホウ酸ガラス、リン酸ガラス、及びフルオロアルミノシリケート(「FAS」)ガラスが挙げられる。FASガラスが特に好ましい。FASガラスは、典型的には、十分な溶離性カチオン(elutable cations)を含有し、これにより、ガラスが硬化性組成物の構成成分と混合された際に、硬化した歯科用組成物が形成される。前記ガラスは更に、典型的には、十分な溶離性フッ化物イオンを含有し、これにより前記の硬化した組成物が抗齲蝕性を有する。前記ガラスは、フッ化物、アルミナ、及び他のガラス形成成分を含有する溶解物から、FASガラス製造技術における当業者によく知られている技術を使用して調製することができる。前記FASガラスは、典型的には、十分に超微粒子状である粒子の形態であり、これによってこれらを他のセメント構成成分と都合よく混合することができ、且つ得られた混合物を口内で使用した場合に良好に機能する。
一般に、前記FASガラスの平均粒径(典型的には、直径)は、例えば、沈殿分析器を使用して測定した場合、12ミクロン以下、典型的には10ミクロン以下、より典型的には5ミクロン以下である。好適なFASガラスは、当業者によく知られており、且つ多種多様な民間の供給元から入手可能であり、且つ多くは、商品名ヴィトレマー(VITREMER)、ヴィトレボンド(VITREBOND)、リライ・X・ルーティング(RELY X LUTING)・セメント、リライ・X・ルーティング・プラス(RELY X LUTING PLUS)・セメント、フォタック−フィル(PHOTAC-FIL)・クイック、ケタック−モラー(KETAC-MOLAR)、及びケタック−フィル(KETAC-FIL)・プラス(3M ESPE歯科用製品(ミネソタ州、セントポール))、フジII LC及びフジ IX(G−Cデンタル工業社(G-C Dental Industrial Corp.)(日本、東京))、並びにCHEMFIL・スペリオール(Superior)(デンツプライ・インターナショナル社(Dentsply International)、(ペンシルベニア州、ヨーク))の市販のものなど現在利用可能なガラス・アイオノマー・セメント内に見出される。所望する場合、充填剤の混合物を使用することが可能である。
充填剤及び樹脂間の結合を高めるために、前記充填剤粒子の表面を更に、カップリング剤で処理することができる。好適なカップリング剤の使用は、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、などを包含する。シラン−処理済ジルコニア−シリカ(ZrO2−SiO2)充填剤、シラン−処理済シリカ充填剤、シラン−処理済ジルコニア充填剤、及びこれらの組み合わせが、ある実施態様においては、特に好ましい。
他の好適な充填剤は、米国特許第6,387,981(チャン(Zhang)ら)及び米国特許第6,572,693号(ウー(Wu)ら)並びにPCT国際公開特許WO01/30305(チャンら)、PCT国際公開特許WO01/30306(ウィンディッシュ(Windisch)ら)、PCT国際公開特許WO01/30307(チャンら)、及びWO03/063804(ウーら)に開示されている。これらの参考文献に記載されている充填剤構成成分としては、非凝集ナノサイズシリカ粒子、非凝集ナノサイズ金属酸化物粒子、ナノサイズ粒子のクラスター、及びこれらの組み合わせ(非凝集(non-aggragated)又はナノクラスター形状のもの)が挙げられる。ナノフィラー類については、米国特許出願番号第10/847,781号(カンガス(Kangas)ら);同10/847,782号(コルブ(Kolb)ら);同10/847,803号(クレイグ(Craig)ら);及び同10/847,805号(バッド(Budd)ら)(4つ全て、2004年5月17日出願)にも記載されている。これら用途は、要約すれば、以下のナノフィラーを含有する組成物を記載する:米国特許出願シリアル番号第10/847,781号(カンガスら)は、前記組成物に対して従前のアイオノマー組成物より改良された性質を提供するナノフィラー類を含有する安定したアイオノマー(例えば、ガラス・アイオノマー)組成物について記載する。一実施形態では、前記組成物は、ポリ酸(例えば、複数の酸性反復基);酸反応性(acid-reactive)充填剤;少なくとも10重量%のナノフィラー又は各々が200ナノメートル以下の平均粒径を有するナノフィラー類の組み合わせ;水;及び所望により、重合性構成成分(例えば、エチレン系不飽和化合物で所望により酸性官能基を有するもの)を含む硬化性歯科用組成物である。
米国特許出願シリアル番号第10/847,782号(コルブ(Kolb)ら)は、前記組成物に対して改良された性質、例えば視覚的に半透明且つ放射線不透過性のアイオノマー系を提供するナノジルコニアを含有する安定したアイオノマー(例えば、ガラス・アイオノマー)組成物について記載する。ナノジルコニアは、表面をシラン類にて改質して、当該ナノジルコニアをアイオノマー組成物(一般に、別の方法で当該ナノジルコニアと相互作用して、凝固又は凝集し、不所望ではあるが視覚的に不透明となるポリ酸を含有する)内に組み込むのに役立つ。一態様では、前記組成物は、ポリ酸;酸反応性(acid-reactive)充填剤;ジルコニア粒子の外側表面上に結合した複数のシラン含有分子を有するナノジルコニア充填剤;水;及び所望により、重合性構成成分(例えば、エチレン系不飽和化合物で所望により酸性官能基を有するもの)を含む硬化性歯科用組成物であり得る。
米国特許出願シリアル番号第10/847,803号(クレイグ(Craig)ら)は、前記組成物に対して増強された光学的透光性を提供するナノフィラー類を含有する安定したアイオノマー(例えば、ガラス・アイオノマー類)組成物について記載する。一実施形態では、前記組成物は、ポリ酸(例えば、複数の酸性反復基);酸反応性(acid-reactive)充填剤;ナノフィラー;所望により、重合性構成成分(例えば、エチレン系不飽和化合物で所望により酸性官能基を有するもの);及び水を含む硬化性歯科用組成物である。ポリ酸、ナノフィラー、水及び任意の重合性構成成分の一体化された混合物の屈折率(硬化状態又は非硬化状態にて測定)は、一般に、酸反応性(acid-reactive)充填剤の屈折率の4%以内であり、典型的にはその3%以内、より典型的にはその1%以内、更により典型的にはその0.5%以内である。
米国特許出願シリアル番号第10/847,805号(バッド(Budd)ら)は、酸反応性(acid-reactive)ナノフィラー(即ち、ナノ構造充填剤)及び硬化性樹脂(例えば、重合性エチレン系不飽和化合物)を包含することができる歯科用組成物について記載する。酸反応性(acid-reactive)ナノフィラーとしては、酸反応性(acid-reactive)、非縮合で、且つ三価金属(例えば、アルミナ)、酸素、フッ素、アルカリ土類金属、且つ所望によりシリコン及び/又は重金属を含むオキシフルオライド物質を挙げることができる。
充填剤(例えば、歯科用接着剤組成物)を包含する本発明の幾つかの実施形態では、前記組成物は当該組成物の総重量を基準として、好ましくは、少なくとも1重量%、より好ましくは少なくとも2重量%、最も好ましくは少なくとも5重量%の充填剤を包含する。このような実施形態では、本発明の組成物は当該組成物の総重量を基準として、好ましくは最大で40重量%、より好ましくは最大で20重量%、最も好ましくは最大で15重量%の充填剤を包含する。
他の実施形態(例えば、前記組成物が、歯科用修復又は歯列矯正接着剤である)では、本発明の組成物は当該組成物の総重量を基準として、好ましくは、少なくとも40重量%、より好ましくは少なくとも45重量%、最も好ましくは少なくとも50重量%の充填剤を包含する。このような実施形態では、本発明の組成物は当該組成物の総重量を基準として、好ましくは最大で90重量%、より好ましくは最大で80重量%、更により好ましくは最大で70重量%の充填剤、最も好ましくは最大で50重量%の充填剤を包含する。
他の添加剤
所望により、本発明の組成物は、溶媒(例えば、アルコール類(例えば、プロパノール、エタノール)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン)、エステル(例えば、酢酸エチル)、他の非水溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、1−メチル−2−ピロリジノン))、及び水を含有してもよい。所望する場合、本発明の組成物は、添加剤例えば、インジケーター、染料、顔料類、阻害剤、促進剤、粘度調整剤、保湿剤、緩衝剤、安定剤、及び当業者には明白である他の類似成分を含有することができる。粘度調整剤は、熱応答性粘度調整剤(例えば、BASFワイアンドット社(ニュージャージー州、パーシッパニー)から入手可能なプルロニックF−127及びF−108)を包含し、調整剤又は当該調整剤とは異なる重合性構成成分上に重合性部分を所望により包含してよい。このような熱応答性粘度調整剤は、米国特許第6,669,927号(トロム(Trom)ら)及び米国特許公開公報番号第2004/0151691号(オクスマン(Oxman)ら)に記載されている。
更に、薬剤又は他の治療用物質を所望により前記歯科用組成物に添加することができる。例としては、フッ化物供給源、増白剤、抗カリエス剤(例えば、キシリトール)、カルシウム供給源、リン供給源、無機成分補給剤(例えば、リン酸カルシウム化合物)、酵素、息清涼剤、麻酔剤、凝固剤、酸中和剤、化学療法剤、免疫反応調整剤、チキソトロープ、ポリオール、抗炎症剤、抗菌剤(前記抗菌脂質構成成分に加えて)、抗カビ剤、口内乾燥処理剤、減感剤、など、多くの場合、歯科用組成物にて使用される種類のものが挙げられるが、これらに限定されない。上述のいずれかの添加剤の組み合わせを用いてもよい。このような添加剤のどれか1つの選択及び量は、過度な実験なしで所望の結果を達成するために、当業者によって選択することができる。
組成物の調製及び使用
本発明の硬化性歯科用組成物は、環状アリル構成成分をエチレン系不飽和構成成分(例えば、置換(メタ)アクリロイル化合物)と共に、従来の混合技術を使用して混ぜ合わせることにより調製することができる。結果として得られる組成物は、エンハンサー、界面活性剤、充填剤、水、共溶媒、及び本明細書で記載する他の添加剤を任意含有していてもよい。使用に際して、前記組成物は、光反応開始剤系を含有してもよく、且つ光反応開始により硬化してもよく、又は化学重合により硬化してもよく、且つ組成物が酸化剤及び還元剤を含有する酸化還元硬化系を含有してもよい。あるいは、前記硬化性組成物は、異なった反応開始剤系を含有してもよく、これにより前記組成物は光重合性組成物及び化学的重合性組成物の両方であり得る。
本発明の硬化性組成物は、1元系及び多元系、例えば2元粉末/液体、ペースト/液体、及びペースト/ペースト系を含む各種形態で供給することができる。多元組み合わせ(即ち、2つ又はそれ以上の部分の組み合わせ)を用いる他の形態の各々は、粉末、液体、ゲルの形態であり、あるいはペーストも利用可能である。酸化還元多元系では、1つの部分は典型的には、酸化剤を含有し、他の部分は典型的には、還元剤を含有する。抗菌脂質構成成分を含有する多元系では、1つの部分は典型的には、抗菌脂質構成成分を含有し、別の部分は硬化性構成成分又は最終組成物の他の構成成分のいずれかを含有する。硬化性組成物の構成成分は、キット(ここで、組成物の内容物はパッケージ化されて、必要となるまで構成成分を保管できる)に梱包することができる。
歯科用組成物として使用する際には、前記硬化性組成物の構成成分を混合することができ、且つ従来技術を使用して臨床的に適用することができる。硬化用光源が、光重合性組成物の反応開始のために一般に必要とされる。前記組成物は、象牙質及び/又はエナメル質へ非常に良好に接着する、複合材料又は修復材の形態をとることができる。所望により、プライマー層を歯の組織(その上に硬化性組成物を使用する)上に使用することが可能である。例えば、FASガラス又は他のフッ化物放出物質を含有する前記組成物は、非常に長期間のフッ化物放出をも提供することができる。本発明の幾つかの実施形態は、バルクにて、光又は他の外部硬化エネルギーを適用することなく硬化でき、前処理が不要で、改良された物理的性質を有する、ガラス・アイオノマー・セメント又は接着材を提供してよい。
本発明の組成物は、多種多様の形態の歯科用材料(充填又は非充填であってもよい)にて用いるのに特に良好に適合している。それらは、シーラント、コーティング材、又は歯科用接着剤内で使用することが可能であり、それらは少量充填用複合材料(前記組成物の総重量を基準として、40重量%以下の充填剤)又は歯に隣接して分配された後に硬化される(即ち、歯科用材料を歯と、一時的に又は永続的に結合、又は接触させる)未充填組成物である。それらは歯科用及び歯列矯正用セメント、歯列矯正用接着剤、複合材料、充填剤、印象材、及び修復材内で使用することが可能であり、それらは典型的には、充填組成物(好ましくは、40重量%超の充填剤及び90重量%以下の充填剤を含有する)である。
前記組成物は、歯に隣接して配置する前に、最終用途(例えば、クラウン、ブリッジ、ベニア、インレー、オンレー、など)のために、成形及び重合させるプロテーゼにおいても使用できる。このような予め形成された物品は、粉末であることができ、ないしは別の方法で歯科医又は他のユーザーによって、特別に適合させた形状に形成させることができる。硬化した歯科用材料は、硬化性構成成分から調製した多種多様な材料のいずれかであり得るが、好ましくは前記の硬化した歯科用材料は表面を前処理した材料(例えば、エッチャント又はプライマー)ではない。むしろ、好ましくは前記の硬化した歯科用材料は修復材(restorative)(例えば、充填物又はプロテーゼ)、ミル・ブランク(mill blank)、又は歯列矯正用器具である。
前記組成物は、従来の光硬化性セメントの硬化では実現困難な硬化歯科用用途に活用される。このような用途としては、深部の修復、大きなクラウン構築、歯内修復、歯列矯正用ブラケットの装着(例えば、ペースト部分がブラケットに事前適用され且つ液体部分を後で歯の上にブラシで塗る、事前コーティングブラケットを含む)、バンド、頬側チューブ、及び他の器具、金属製クラウン又は他の光不透過性人工装具の歯への封泥、並びに口のアクセスできない領域での他の修復用途が挙げられるが、これらに限定されない。
典型的組成物は、歯科用接着剤、歯列矯正用接着剤、複合材料、修復材、歯科用セメント、歯列矯正用セメント、シーラント、コーティング材、印象材、充填剤、又はこれらの組み合わせとして用いられる。
更に、本発明の特徴及び利点が、次の例によって更に例示されるが、それはそれに関していかなる意味でも制限するものではない。本発明は、本明細書中に記載する特定の実施例に限定されると考えるべきではなく、更に適切に言えば添付の特許請求の範囲の中で適正に述べるものが本発明の全態様を包含すると理解されるべきである。本明細書を検討すると様々な修正形態、等価の方法、及び本発明を適用できる非常に多くの構造が、本発明が対象とする当業界の技術者には容易に明らかなはずである。特に指示がない限り、実施例にて提供されるすべての部分及び百分率は重量ベースであり、すべての水は脱イオン水であり、且つすべての分子量は重量平均分子量である。
試験方法
圧縮強さ(CS)試験方法
試験用サンプルの圧縮強さは、ANSI/ASA規格27号(1993年)に従って測定した。サンプルを4mm(内径)ガラス管に充填した。前記チューブをシリコーンゴム栓で封をし、次に前記チューブを軸方向に約0.28MPaで5分間圧縮した。次に、前記サンプルを90秒間、2個の向かい合って配置したVISILUX型式2500青色光灯(3M社、(ミネソタ州、セントポール))にさらし、続いて90秒間デンタカラー(Dentacolor)XSユニット(クルツァー社(Kulzer,Inc.)(ドイツ))内で照射することにより、光硬化させた。硬化したサンプルをダイヤモンドソーで切断して、圧縮強さを測定するための8mm長の円筒形の栓を形成した。前記栓を測定に先だって、蒸留水中にて、37℃にて24時間保管した。測定は、インストロン社製テスター(インストロン4505、インストロン社(マサチューセッツ州、カントン)製)にて、10キロニュートン(kN)ロードセルで、1mm/分のクロスヘッド速度で実施した。硬化したサンプルの5個のシリンダを用意し、測定し、結果は5個の測定値の平均として、MPaで記録した。
直径引張り強度(DTS)試験方法
試験用サンプルの直径引張り強度は、ANSI/ASA規格27号(1993年)に従って測定した。DTSの測定のために、硬化したサンプルを次に2.2mm厚の円盤に切断したことを除いて、サンプルは、CS試験方法に記載した通りに準備した。前記円盤は上記のように、水中にて保管し、インストロン社製テスター(インストロン4505、インストロン社製)を用いて、10(kN)ロードセル、クロスヘッド速度1mm/分にて測定した。硬化したサンプルの5個の円盤を用意し、測定し、結果は5個の測定値の平均として、MPaで記録した。
ワッツ収縮試験方法
前記ワッツ収縮(ワッツ)試験方法は、試験用サンプルの収縮を硬化後の容積変化の観点から測定する。サンプル調製(90mgの未硬化複合材料試験用サンプル)及び試験手順は、次の参照文献に記載されている様に実施した:「可視光硬化材料における重合収縮動力学の決定:方法開発(Determination of Polymerization Shrinkage Kinetics in Visible-Light-Cured Materials:Methods Development)」、歯科用材料(Dental Materials)(1991年10月、281〜286頁)。結果は、収縮パーセントの観点から、各試料について3回の繰り返しの平均値として記され、3M・FILTEK・SUPREME・ユニバーサル修復材(3M社製)の性能に対して標準化した。
視覚的不透明度(マクベス値)試験方法
円盤状(1mm厚み×15mm直径)ペーストサンプルは、それらをVISILUX・2硬化用光源(3M社)からの照明に、60秒間、当該円盤の各面へ6mmの距離で曝露させることによって硬化させた。硬化したサンプルは、前記円盤の厚みを貫通した光の透過を、可視光フィルターを備えたマクベス透過濃度計型式TD−903(マクベス社(ニューヨーク州、ニューバーグ)より入手可能)を使用して測定することにより、直接的に光透過率を測定した。より小さいマクベス値は、視覚的不透明度がより低く、材料の半透明度がより大きいことを意味する。前記報告値は、3回の測定の平均値である。
バーコル硬度試験方法
試験用サンプルのバーコル硬度は、以下の手順に従って測定した。未硬化の複合材料サンプルを、ポリエステル(PET)膜のシート及びスライドガラスの間に挟まれた2.5mm厚のテフロン(登録商標)(TEFLON)モールド内にて、30秒間ELIPARフリーライト・2(ELIPAR Freelight 2)歯科用硬化用光源(3M社製)を用いて硬化させた。照射後、前記PET膜を除去し、圧子を備えたバーバー・コールマン・インプレッサー(Barber-Coleman Impressor)(ハンドヘルド型ポータブル硬度計;型式GYZJ934−1;バーバー・コールマン社製、工業計器部門、(インディアナ州、ロバスパーク))を使用して、サンプルの硬度をモールドの上端及び下端の両方において測定した。上端及び下端のバーコル硬度値は、光露光5分後に測定した。結果は、各試料について3回の繰り返しの平均値として記され、3M・フィルテック・スプリーム(3M FILTEK SUPREME)ユニバーサル修復材(3M社製)の性能に対して標準化した。
Figure 2008540542
Figure 2008540542

準備的実施例1
C−8ジウレタン
(1,6−ビス(7−メチレン−1,5−ジチアシクロオクタン−3−イル)−2,4,4−トリメチルヘキサンジカルバメート)
7−メチレン−1,5−ジチアシクロオクタン−3−オール(C−8アルコール;2.9g、16mmole)及びジブチルスズジラウレート(10mg;シグマ・アルドリッチ社(Sigma-Aldrich))を乾燥テトラヒドロフラン(THF、10mL)中に、窒素雰囲気で溶解させた。結果として得られる溶液を加熱還流させ、2,4,4−トリメチル−1,6−ジイソシアナトヘキサン(1.76g、8.2mmole)の乾燥THF(10mL)溶液を滴加した。前記反応は、出発物質たるC8−アルコールが消費されるまで、薄層クロマトグラフィー(エーテル:塩化メチレン 1:1)でモニターした。(約12時間の反応時間。)次に、溶媒を蒸発させて、粘稠な透明な油/ゴムを得た。前記の油/ゴムは、メタノール中に溶解させることにより(グラム当たり15mL)精製して、わずかに白濁した溶液を得た。少量のゴムを分離した。前記溶液を別のフラスコ内に濾過し、水(グラム当たり3mL)をろ液へ攪拌しながら、ゆっくりと添加した。前記添加中、白色残留物が前記溶液から分離された。前記液体溶媒をデカントし、前記残留物をメタノール:水 3.5:1で洗浄した。前記洗浄済み残留物を塩化メチレンに溶解し、BHT阻害物質を添加し(グラム当たり1mg)、前記溶液を硫酸ナトリウムで乾燥させた。前記溶媒を蒸発させて、わずかに濁った粘稠液体(4.36g、96%収率)を得た。C−8ジウレタンの生成物構造は、1H及び13C・NMRによって確認した。
準備的実施例2
Tri−HDI−HEMA
(Tri−HDI及びHEMA間の反応生成物)
Tri−HDI(20g、0.0397モル)を、機械的撹拌機を備えた250mL三つ口フラスコ中の塩化メチレン(75mL)に、窒素雰囲気で溶解した。ジブチルスズジラウレート触媒(0.2g)をBHT(0.040g)に続いて添加した。前記攪拌溶液へ、HEMA(15.5g、0.119モル)を45分かけて滴加した。前記混合物を室温において一晩連続攪拌した。翌日、前記溶媒をロータリーエバポレーターにて除去し、Tri−HDI−HEMA(100%収率)であると同定された高粘稠液体を得た。反応の進行及び完了は、イソシアネートバンドの消失についてのFT(フーリエ変換)赤外線分光分析によってモニターした。1H及び13C NMRも又、前記生成物の構造を確認した。
準備的実施例3
C−9ジチア−シクロノナン
(8−メチレン−5、11−ジヒドロ−6、10−ジチア−ベンゾシクロノナン)
Figure 2008540542
1,2−ベンゼンジメタンチオール。α,α’−ジブロモ−o−キシレン(100.00g、0.379モル;シグマ・アルドリッチ社(Sigma-Aldrich))、チオ尿素(57.5g、0.755モル;シグマ・アルドリッチ社(Sigma-Aldrich))、水(300mL)、及びエタノール(50mL)の混合物を3時間、還流した。水(100mL)中の水酸化ナトリウム(60g)の溶液を添加し、前記混合物を更に90分還流した。前記反応生成物を氷浴中で冷却し、前記混合物がpH値2を有するまで濃硫酸を添加した。沈殿した固体生成物を濾過し、減圧下で乾燥させ、次に蒸留して(90℃、0.4kPa(0.3mmHg)にて)、冷却すると固化する液体を得た(41.52g、64%収率)。前記固体は、1,2−ベンゼンジメタンチオールと同定された。
Figure 2008540542
5,11−ジヒドロ−6,10−ジチア−ベンゾシクロノネン−8−オン。1,2−ベンゼンジメタンチオール(13.41g、0.079モル)、メタノール中のナトリウムメトキシド(25重量%、34.00g、0.158モル;シグマ・アルドリッチ社(Sigma-Aldrich))、及びメタノール(10mL)の第1溶液を100mL注射器内に入れた。1,3−ジクロロアセトン(10.00g、0.079モル;シグマ・アルドリッチ社(Sigma-Aldrich))及びメタノール(40mL)の第2溶液を第2の100mL注射器内に入れた。両溶液を、室温で12時間かけてゆっくりとメタノール(400mL)へ滴加した。更に5時間撹拌後、前記反応混合物を減圧下にて濃縮し、次に塩化メチレン(200mL)にて希釈した。有機相を水(100mL)にて2回洗浄し、次に硫酸マグネシウム上で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、カラム・クロマトグラフィーにてシリカゲル上で酢酸エチル(ヘキサン中、30/70)の混合物を使用して精製した粗生成物を得た。生成物を、放置しておくとゆっくりと固化する油として分離した。(4.728g、27%収率)前記固形物は、5,11−ジヒドロ−6,10−ジチア−ベンゾシクロノネン−8−オンと同定された。
Figure 2008540542
8−メチレン−5、11−ジヒドロ−6、10−ジチア−ベンゾシクロノナン。メチルトリフェニルホスホニウムブロミド(7.145g、0.020モル;シグマ・アルドリッチ社(Sigma-Aldrich))、乾燥テトラヒドロフラン(100mL)、及び1.0Mカリウムt−ブトキシドのテトラヒドロフラン(20mL、0.020モル;シグマ・アルドリッチ社(Sigma-Aldrich))中混合物を室温で15分間攪拌した。次に、5,11−ジヒドロ−6,10−ジチア−ベンゾシクロノネン−8−オン(4.000g、0.018モル)を添加し、前記混合物を室温で17時間攪拌した。次に、前記混合物を減圧下で濃縮し、次に塩化メチレン(150mL)を添加した。有機相を水(100mL)にて洗浄し、次に硫酸マグネシウム上で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、カラム・クロマトグラフィーにてシリカゲル上で酢酸エチル(ヘキサン中、10/90)の混合物を使用して精製した粗生成物を得た。生成物を白色固体(融点48〜49℃;2.400g、61%収率)として分離し、8−メチレン−5,11−ジヒドロ−6,10−ジチア−ベンゾシクロノナンと同定された。
実施例1〜19及び比較例1〜2
メタクリレートモノマー類を含有する歯科用組成物
及びC−8アルコール誘導体
1以上のメタクリレートモノマー及び1以上のC−8アルコール誘導体を含有する歯科用組成物を次の様にして調製した:光反応開始剤構成成分(例えば、CPQ、PPD、EDMAB、DPIHFP、及びI−819)を、前記混合物をガラスジャー内で3時間55℃にて機械的に混合することにより、まず、BisGMAに溶解した。次に、他の構成成分(前記充填剤を含む)を、スクリューキャップを備えるMAX20プラスチック製混合用カップ(フラクテック(Flakteck)社(サウスカロライナ州、ランドラム)製)に量り取った。前記カップを、85℃にて30分間オーブン内に置いた。次に、すべての構成成分を混合し、DAC150FVスピード・ミキサー(フラクテック社(Flakteck)製)内で、1分間314.2rad/s(3000rpm)にて混合した。85℃にて30分間加熱し且つその後加熱することを2回繰り返した。歯科用組成物(実施例2〜19)をペースト複合材料としてかかる方法にて調製し、各複合材料に対する相対量の構成成分を表1A、1B及び1Cに列挙した。実施例1は、表1Aに示すように、充填剤を含有しなかった。前記組成物がアセテート(C−8アセテート)又はC−8アルコールのジウレタン(C−8ジウレタン)誘導体のみを含有し、メタクリレートモノマーを含有しないという点を除き同様な方法で、比較例1及び2を調製した(表1A)。
これらの複合材料ペースト(実施例2〜19)を、次の2つ以上の試験で評価した:圧縮強さ(CS)、直径引張り強度(DTS)、ワッツ収縮、及び視覚的不透明度。本明細書中に記載する試験方法に従い、市販品である3M・フィルテック・スプリーム(3M FILTEK SUPREME)ユニバーサル修復材(3M社製)のものと結果を比較した。評価結果は、表2A及び2Bに示した。
実施例1では、エリパール・フリーライト(ELIPAR FreeLight)・硬化用光源(3M社製)からの可視光線に、20〜30秒間露光することで、完全に硬化することが観察されたが、実施例1で充填剤によってペーストへ配合した場合(例えば、実施例1Fでは、77%の充填剤及び23%の実施例1の樹脂と仮定)、同種の露光を可視光線で行うと重合(即ち、硬化)は不完全であった(即ち、部分的硬化のみ)。実施例1Fと対照的に、実施例2〜19(すべて充填剤を77%含有する)では、同種の露光を可視光線で行うと、すべてより完全に重合する(即ち、完全に硬化する)ことが観察された。実施例2〜10のすべてが、実施例1F(0.04重量%のCPQ)の少なくとも2倍の濃度の光増感剤(即ち、前記組成物の総重量(CPQ及びPPDの全重量%として定義される)を基準として、少なくとも0.08重量%)を含有することに注意すること。実施例10、12、及び14〜19は、更に、光反応開始剤I−819を含有する。比較例1及び2は、同種の露光を可視光線で行うと、重合(即ち、硬化)せず、従って評価結果を得られなかった。
表2A及び2Bの結果から、本発明に係る歯科用複合材料(実施例2〜19)が、市販のフィルテック・スプリーム(FILTEK SUPREME)修復剤製品と比較して、良好乃至優れた機械的強度(CS及びDTS値)及び審美的(視覚的不透明度値)性質を一般的に維持しつつも、著しく改良された収縮値を示すと結論付けることができた。
Figure 2008540542
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Figure 2008540542
Figure 2008540542

*NT=試験せず
**フィルテック・スプリーム(FILTEK SUPREME)修復材(無着色サンプル)
Figure 2008540542
実施例20〜21
メタクリレートモノマー類及び8−メチレン−5,11−ジヒドロ−6,10−ジチア−ベンゾシクロノナン(C−9ジチア−シクロノナン)を含有する歯科用組成物
1以上のメタクリレートモノマー及びC−9ジチア−シクロノナンを含有する歯科用組成物を次の様にして調製した:前記光反応開始剤構成成分(例えば、CPQ、EDMAB、DPIHFP、及びI−819)、メタクリレートモノマー類(BisGMA及びUDMA)、及びC−9ジチア−シクロノナンを、スクリューキャップ(フラクテック(Flakteck)社((サウスカロライナ州、ランドラム)製)を備えるMAX20プラスチック製混合用カップ内に量り取った。前記カップをオーブン内に85℃にて5分間おき、DAC150FVスピード・ミキサー(フラクテック社(Flakteck)製)内で、1分間314.2rad/s(3000rpm)にて混合した。次に、前記充填剤構成成分を添加し、前記カップをオーブン内に85℃にて5分間おき、DAC150FVスピード・ミキサー(フラクテック社(Flakteck)製)内で、1分間314.2rad/s(3000rpm)にて混合した。85℃にて5分間加熱し且つその後加熱することを1回繰り返した。歯科用組成物(実施例20〜)をペースト複合材料としてかかる方法にて調製し、各複合材料に対する相対量の構成成分を表3に列挙した。
これらの複合材料ペースト(実施例20〜21)のワッツ収縮及びバーコル硬度を、本明細書中に記載する試験方法に従って評価し、市販品である3M・フィルテック・スプリーム(3M FILTEK SUPREME)ユニバーサル修復剤(3M社製)のものと結果を比較した。評価結果を表4に示す。
表4の結果から、本発明に係る歯科用複合材料(実施例20〜21)が、市販のフィルテック・スプリーム(FILTEK SUPREME)修復剤生成物と比較して、一般に良好乃至優れた硬度(バーコル硬度値)を維持しつつ、大幅に改良された収縮値を示すと結論付けることができる。
Figure 2008540542
Figure 2008540542
*部分的硬化のみ

本発明の様々な改良及び変更が、本発明の範囲及び精神から逸脱せずに実施できることは、当業者には明らかである。本発明は、本明細書で述べる特定の実施形態及び実施例によって不当に限定されるものではないこと、又、こうした実施形態及び実施例は、本明細書において添付されている特許請求の範囲によってのみ限定されることを意図する本発明の範囲に関する例示のためにのみ提示されることを理解すべきである。
本明細書中に引用される特許、特許文献、及び刊行物の完全な開示は、それぞれが個々に組み込まれたかのように、その全体が本明細書に参考として組み込まれる。

Claims (28)

  1. (a)少なくとも1つのイオウ原子を環内に有する少なくとも1つの環状アリル化合物と、
    (b)少なくとも1つの置換(メタ)アクリロイル化合物と、
    を含む、硬化性歯科用組成物。
  2. 少なくとも1つの前記環状アリル化合物が、8員環ジスルフィドを含む、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記イオウ原子が、SO、SO2、又はS−S部分の一部である、請求項1に記載の組成物。
  4. 前記置換(メタ)アクリロイル化合物が、ジ(メタ)アクリレートを含む、請求項1に記載の組成物。
  5. 前記置換(メタ)アクリロイル化合物が、少なくとも1つの官能基を有する脂肪族(メタ)アクリレートを含む、請求項1に記載の組成物。
  6. 前記置換(メタ)アクリロイル化合物が、芳香族官能基を有する(メタ)アクリレートを含む、請求項1に記載の組成物。
  7. 前記置換(メタ)アクリロイル化合物が、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート(BisEMA6)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、ビスフェノールAジグリシジルジメタクリレート(bisGMA)、ウレタンジメタクリレート(UDMA)、トリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)、グリセロールジメタクリレート(GDMA)、エチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート(NPGDMA)、及びポリエチレングリコールジメタクリレート(PEGDMA)から成る群から選択される、請求項1に記載の組成物。
  8. 前記組成物が、反応開始剤系を更に含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
  9. 前記反応開始剤系が、少なくとも0.08重量%の光増感剤を含む、請求項8に記載の組成物。
  10. 前記反応開始剤系が、少なくとも0.12重量%の光増感剤を含む、請求項8に記載の組成物。
  11. 前記反応開始剤系が、少なくとも0.20重量%の光増感剤を含む、請求項8に記載の組成物。
  12. 前記反応開始剤系が、約300nm〜約600nmの範囲の光を吸収可能なアシルホスフィン・オキシド類より選択された光反応開始剤を含む、請求項8に記載の組成物。
  13. 前記組成物が、充填剤を更に含む、請求項8〜12のいずれか一項に記載の組成物。
  14. (a)少なくとも1つのイオウ原子を環内に有する少なくとも1つの環状アリル化合物と、
    (b)少なくとも1つのエチレン系不飽和化合物と、
    (c)少なくとも1つの増感剤を少なくとも0.08重量%含む反応開始剤系と、
    を含む、硬化性歯科用組成物。
  15. 少なくとも1つの前記環状アリル化合物が、8員環ジスルフィドを含む、請求項14に記載の組成物。
  16. 前記イオウ原子が、SO、SO2、又はS−S部分の一部である、請求項14に記載の組成物。
  17. 前記エチレン系不飽和化合物が、置換(メタ)アクリロイル化合物である、請求項14に記載の組成物。
  18. 前記置換(メタ)アクリロイル化合物が、ジ(メタ)アクリレートを含む、請求項17に記載の組成物。
  19. 前記置換(メタ)アクリロイル化合物が、少なくとも1つの官能基を有する脂肪族(メタ)アクリレートを含む、請求項17に記載の組成物。
  20. 前記置換(メタ)アクリロイル化合物が、芳香族官能性を有する(メタ)アクリレートを含む、請求項17に記載の組成物。
  21. 前記置換(メタ)アクリロイル化合物が、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート(BisEMA6)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、ビスフェノールAジグリシジルジメタクリレート(bisGMA)、ウレタンジメタクリレート(UDMA)、トリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)、グリセロールジメタクリレート(GDMA)、エチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート(NPGDMA)、及びポリエチレングリコールジメタクリレート(PEGDMA)から成る群から選択される、請求項17に記載の組成物。
  22. 前記反応開始剤系が、少なくとも0.12重量%の増感剤を含む、請求項14に記載の組成物。
  23. 前記反応開始剤系が、少なくとも0.20重量%の増感剤を含む、請求項14に記載の組成物。
  24. 前記反応開始剤系が、約300nm〜約600nmの範囲の光を吸収可能なアシルホスフィン・オキシド類より選択された光反応開始剤を含む、請求項14に記載の組成物。
  25. 前記組成物が、充填剤を更に含む、請求項14〜24のいずれか一項に記載の組成物。
  26. 少なくとも1つのイオウ原子を環内に有する少なくとも1つの環状アリル化合物と、少なくとも1つの置換(メタ)アクリレート化合物とを、任意の順序で混合する工程を含む、硬化性歯科用組成物の製造方法。
  27. 少なくとも1つのイオウ原子を環内に有する、少なくとも1つの環状アリル化合物と、少なくとも1つのエチレン系不飽和化合物と、少なくとも1つの増感剤を少なくとも0.08重量%含む反応開始剤系とを、任意の順序で混合する工程を含む、硬化性歯科用組成物の製造方法。
  28. 請求項1〜25のいずれか一項に記載の硬化性歯科用組成物を提供することと、
    前記組成物を患者の歯に適用することと、
    及び前記組成物を重合させることと、
    を含む、歯科修復剤の調製方法。
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