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JP2008306974A - Hcv遺伝子型判定方法、並びに、これに用いるlnaプローブ及びキット - Google Patents

Hcv遺伝子型判定方法、並びに、これに用いるlnaプローブ及びキット Download PDF

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JP2008306974A
JP2008306974A JP2007157402A JP2007157402A JP2008306974A JP 2008306974 A JP2008306974 A JP 2008306974A JP 2007157402 A JP2007157402 A JP 2007157402A JP 2007157402 A JP2007157402 A JP 2007157402A JP 2008306974 A JP2008306974 A JP 2008306974A
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Masaru Matsuoka
優 松岡
Kenji Ikefuchi
研二 池淵
Naoko Sakamoto
直子 坂本
Koichi Hagiwara
弘一 萩原
Tomoaki Tanaka
知明 田中
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Saitama Medical University
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Saitama Medical University
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Abstract

【課題】HCV遺伝子型を、簡便な工程、短時間、低コストで、高精度に同定できる、HCV遺伝子型の判定方法を提供する。また、該方法に好適に用いることができるLNAプローブ及びキットを提供する。
【解決手段】(1)特定の塩基配列を含む第一のプライマー対を用いた、第一の遺伝子増幅反応により得られる第一の増幅産物を鋳型として、特定の別の塩基配列において、5塩基以上の連続した塩基配列からなり、特定の塩基を含む塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを用いて第二の遺伝子増幅反応を行う工程と、(2)前記第二の遺伝子増幅反応により得られる第二の増幅産物を検出する工程とを含むことを特徴とするHCV遺伝子型判定方法、並びに、これに用いるLNAプローブ及びキット。
【選択図】図1

Description

本発明は、C型肝炎ウイルス(HCV)の遺伝子型を判定する方法、並びに、これに用いるLNAプローブ及びキットに関する。
C型肝炎ウイルス(Hepatitis C Virus;HCV)は、輸血後非A非B肝炎の主たる原因ウイルスで、約9,500塩基のプラス鎖RNAをゲノムとして持っている。厚生労働省の統計によると、日本での2000年におけるHCVのキャリア数は、150万人以上であると推計されている。HCVに感染した場合は、一過性の急性肝炎を経た後に、慢性肝炎、肝硬変、肝癌への進展傾向が強く、日本における原発性肝癌のおおよそ80%がHCV関連肝癌であると考えられている。HCVは、塩基配列の相同性によって遺伝子型が分類され、全世界では30種類程度に分類される。日本においては、日本人に感染が認められる遺伝子型及び日本国内で検出された遺伝子型として、1a型、1b型、2a型、2b型、3a型の5つの遺伝子型が確認されている。日本における前記5つの遺伝子型の割合としては、1b型、2a型及び2b型がほとんどを占めており、1a型及び3a型はわずかである。
現在、HCVによる慢性肝炎の治療には、主にインターフェロン(IFN)が用いられており、IFNとリバビリンとの併用療法は特に効果的であることが知られている。
なお、IFNによる治療効果は、HCVのウイルス量と遺伝子型とに影響されることが知られている。一般に、患者が保有するHCVのウイルス量が少ないほど、IFNの治療効果が高い。また、IFNの治療効果は、HCVが3a型の場合には高く、2a型、2b型の場合にはやや高く、1a型、1b型の場合には低いことが報告されている(例えば、非特許文献1参照)。したがって、IFNによる治療を開始する前に、患者が保有するHCVのウイルス量を測定したり、遺伝子型を同定したりすることによって、IFNの治療効果をある程度予測することができる。また、IFNによる治療中又は治療後に、患者が保有するHCVのウイルス量を測定したり、遺伝子型を同定したりすることによって、IFNの治療効果の判定を行うことができる。
現在、HCVのウイルス量を測定する方法としては、体外診断用キットであるコバスアンプリコアHCVモニター(Roche Diagnostic社製)を用いて、血清中のHCVのRNA量を測定する方法が代表的である。前記方法は、具体的には、(1)患者から採取された組織又は血液からHCVのゲノムRNAを抽出する工程、(2)逆転写反応による標的RNAからのcDNAの合成工程、(3)ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によるcDNAの増幅反応工程、(4)DNAプローブと増幅DNAとのハイブリダイゼーション反応工程、(5)発色反応による増幅DNAの定量工程、からなる方法である。なお、前記(2)乃至(3)工程は、ワンステップのRT−PCRとして行われる反応であって、前記(2)乃至(3)工程において用いられるプライマー対(第一のプライマー対)は、共通のものとして、キットに添付されている。前記第1のプライマー対を構成する2種類のプライマーは、配列番号1及び2で表される塩基配列からなることが開示されている。
前記コバスアンプリコアHCVモニターは、高い精度で簡便にHCVのRNA量を定量できるので、国内の90%以上の検査機関で使用されていると推定される。
HCV遺伝子型の同定方法としては、特異的なプライマーやシークエンスを用いた方法など、様々な方法が報告されている。HCV遺伝子型を同定するための既製品のキットとしては、HCV GENOTYPE プライマーキット(株式会社 特殊免疫研究所製)が挙げられる。前記キットを用いたHCV遺伝子型の同定方法は、主に、HCVのRNAを抽出する工程、逆転写反応工程(約1時間20分)、1st PCR工程(約2時間)、2nd PCR工程(約1時間15分)、電気泳動工程(40分)、エチジウムブロマイドによる染色工程(約15分)、からなり、合計で5〜6時間かかる方法である。また、他の従来の方法も、多くの工程を必要とするものであり、時間がかかるなどの問題があった。
一方で、遺伝子の変異を高い精度で検出する技術として、近年、LNAプローブを用いたリアルタイムPCR法が開発され、遺伝子診断分野への応用が期待されている。LNAプローブは、DNAやRNAなどの核酸塩基のみからなる一般的なプローブに比べ、Tm(Melting Temperature)値が高く、また、1塩基のミスマッチでもTm値が大幅に低下するという特性を有している。さらに、LNAプローブは、核酸鎖にハイブリダイズするだけでなく、ハイブリダイズした後に、プライマーとして核酸伸長反応の開始点となりうる特性や、5’→3’エキソヌクレアーゼに対して分解される特性を有している(例えば、非特許文献2参照)。
しかしながら、遺伝子診断分野における診断対象は多様であり、前記LNAプローブを用いたリアルタイムPCR法を遺伝子診断に応用する場合に、選択された診断対象や、その応用方法によっては、予想外に顕著な効果をもたらす可能性がある。
Nippon Rinsyo Vol.62 Suppl.7(2004) Matthew P.johnson,Larisa M.Haupt and Griffiths,Locked nucleic acid(LNA) single nucleotide polymorphism(SNP) genotype analysis and validation using real−time PCR,Nucleic acid research,Vol.32 No.6(2004)
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、HCV遺伝子型を高い精度で判定することができ、簡便な工程で、短時間に、低コストで行うことができる、HCV遺伝子型の判定方法を提供することを目的とする。また、本発明は、この判定方法に好適に用いることができるLNAプローブ及びキットを提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明者らは鋭意検討した結果、以下のような知見を得た。即ち、コバスアンプリコアHCVモニターを用いてHCVのRNA量の測定が終わった試料を鋳型として、LNAプローブを用いたリアルタイムPCRを行ったところ、HCV遺伝子型を高い精度で同定することができたという知見である。
前記したように、HCV遺伝子型の同定方法としては、HCV GENOTYPE プライマーキット(株式会社 特殊免疫研究所製)を初めとして、特異的なプライマーやシークエンスを用いた方法など、様々な方法が報告されている。
しかしながら、コバスアンプリコアHCVモニターの測定が終わった試料をリアルタイムPCRの鋳型として用いることで、その相乗的な効果により、簡便な工程で、短時間に、低コストでHCV遺伝子型の同定を行うことができ、そのうえで、高い精度でHCV遺伝子型を同定できることは、従来全く知られておらず、本発明者らの新たな知見である。
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> (1)配列番号1及び2で表される塩基配列を含む第一のプライマー対を用いた、第一の遺伝子増幅反応により得られる第一の増幅産物を鋳型として、
配列番号3〜7のいずれかで表される塩基配列において、5塩基以上の連続した塩基配列からなり、42、50、63、64、65、69、88、89、91、92、94、95、98、102、108、109、125、129、130、131、133、134、136、180、193及び205番目のいずれかの塩基を含む塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを、
(a)第二の遺伝子増幅反応により得られる第二の増幅産物を検出するためのプローブ、
(b)第二の遺伝子増幅反応のための第二のプライマー対のうち、少なくとも一つのプライマー、
のいずれかとして用いて前記第二の遺伝子増幅反応を行う工程と、
(2)前記第二の遺伝子増幅反応により得られる第二の増幅産物を検出する工程とを含むことを特徴とするHCV遺伝子型判定方法である。
<2> (1)配列番号1及び2で表される塩基配列を含む第一のプライマー対を用いた、第一の遺伝子増幅反応により得られる第一の増幅産物を鋳型として、
配列番号3〜7のいずれかで表される塩基配列において、5塩基以上の連続した塩基配列からなり、42、50、63、64、65、69、88、89、91、92、94、95、98、102、108、109、125、129、130、131、133、134、136、180、193及び205番目のいずれかの塩基を含む塩基配列に相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを、
(a)第二の遺伝子増幅反応により得られる第二の増幅産物を検出するためのプローブ、
(b)第二の遺伝子増幅反応のための第二のプライマー対のうち、少なくとも一つのプライマー、
のいずれかとして用いて前記第二の遺伝子増幅反応を行う工程と、
(2)前記第二の遺伝子増幅反応により得られる第二の増幅産物を検出する工程とを含むことを特徴とするHCV遺伝子型判定方法である。
<3> (1)配列番号1及び2で表される塩基配列を含む第一のプライマー対を用いた、第一の遺伝子増幅反応により得られる第一の増幅産物を鋳型として、
配列番号3〜7のいずれかで表される塩基配列において、5塩基以上の連続した塩基配列からなり、42、50、63、64、65、69、88、89、91、92、94、95、98、102、108、109、125、129、130、131、133、134、136、180、193及び205番目のいずれかの塩基を含む塩基配列からなり、少なくとも1塩基がLNAからなるLNAプローブを、
(a)第二の遺伝子増幅反応により得られる第二の増幅産物を検出するためのプローブ、
(b)第二の遺伝子増幅反応のための第二のプライマー対のうち、少なくとも一つのプライマー、
のいずれかとして用いて前記第二の遺伝子増幅反応を行う工程と、
(2)前記第二の遺伝子増幅反応により得られる第二の増幅産物を検出する工程とを含むことを特徴とするHCV遺伝子型判定方法である。
<4> (1)配列番号1及び2で表される塩基配列を含む第一のプライマー対を用いた、第一の遺伝子増幅反応により得られる第一の増幅産物を鋳型として、
配列番号3〜7のいずれかで表される塩基配列において、5塩基以上の連続した塩基配列からなり、42、50、63、64、65、69、88、89、91、92、94、95、98、102、108、109、125、129、130、131、133、134、136、180、193及び205番目のいずれかの塩基を含む塩基配列に相補的な塩基配列からなり、少なくとも1塩基がLNAからなるLNAプローブを、
(a)第二の遺伝子増幅反応により得られる第二の増幅産物を検出するためのプローブ、
(b)第二の遺伝子増幅反応のための第二のプライマー対のうち、少なくとも一つのプライマー、
のいずれかとして用いて前記第二の遺伝子増幅反応を行う工程と、
(2)前記第二の遺伝子増幅反応により得られる第二の増幅産物を検出する工程とを含むことを特徴とするHCV遺伝子型判定方法である。
<5> 少なくとも1つのLNAプローブが、配列番号8〜13のいずれかで表される塩基配列を含む<3>に記載の方法である。
<6> 少なくとも1つのLNAプローブが、配列番号8〜13のいずれかで表される塩基配列に相補的な塩基配列を含む<4>に記載の方法である。
<7> LNAプローブが、蛍光物質で標識されてなる<3>から<6>のいずれかに記載の方法である。
<8> LNAプローブが、消光物質で標識されてなる<3>から<7>のいずれかに記載の方法である。
<9> 第二の遺伝子増幅反応がPCR法である<3>から<8>のいずれかに記載の方法である。
<10> PCR法がリアルタイムPCR法である<9>に記載の方法である。
<11> 配列番号8及び12で表される塩基配列を含むLNAプローブを用いて、HCV遺伝子型が1a型であるか否かを判定する、<3>から<10>のいずれかに記載の方法である。
<12> 配列番号8及び13で表される塩基配列を含むLNAプローブを用いて、HCV遺伝子型が1b型であるか否かを判定する、<3>から<10>のいずれかに記載の方法である。
<13> 配列番号9及び12で表される塩基配列を含むLNAプローブを用いて、HCV遺伝子型が2a型であるか否かを判定する、<3>から<10>のいずれかに記載の方法である。
<14> 配列番号10及び12で表される塩基配列を含むLNAプローブを用いて、HCV遺伝子型が2b型であるか否かを判定する、<3>から<10>のいずれかに記載の方法である。
<15> 配列番号11で表される塩基配列を含むLNAプローブを用いて、HCV遺伝子型が3a型であるか否かを判定する、<3>から<10>のいずれかに記載の方法である。
<16> 配列番号8から13で表される塩基配列を含むLNAプローブを用いて、HCV遺伝子型が1a型、1b型、2a型、2b型及び3a型のいずれかであるかを同定する、<3>から<10>のいずれかに記載の方法である。
<17> <3>から<16>のいずれかに記載の方法を行うためのLNAプローブであって、
配列番号3〜7のいずれかで表される塩基配列において、5塩基以上の連続した塩基配列からなり、42、50、63、64、65、69、88、89、91、92、94、95、98、102、108、109、125、129、130、131、133、134、136、180、193及び205番目のいずれかの塩基を含む塩基配列からなり、少なくとも1塩基がLNAからなるLNAプローブである。
<18> <3>から<16>のいずれかに記載の方法を行うためのLNAプローブであって、
配列番号3〜7のいずれかで表される塩基配列において、5塩基以上の連続した塩基配列からなり、42、50、63、64、65、69、88、89、91、92、94、95、98、102、108、109、125、129、130、131、133、134、136、180、193及び205番目のいずれかの塩基を含む塩基配列に相補的な塩基配列からなり、少なくとも1塩基がLNAからなるLNAプローブである。
<19> 配列番号8〜13のいずれかで表される塩基配列を含む請求項17に記載のLNAプローブである。
<20> 配列番号8〜13のいずれかで表される塩基配列に相補的な塩基配列を含む<18>に記載のLNAプローブである。
<21> <3>から<16>のいずれかに記載の方法を行うためのHCV遺伝子型判定キットであって、<17>から<20>のいずれかに記載のLNAプローブを含むHCV遺伝子型判定キットである。
本発明によると、従来における諸問題を解決することができ、HCV遺伝子型を高い精度で判定することができ、簡便な工程で、短時間に、低コストで行うことができる、HCV遺伝子型の判定方法を提供することができる。また、本発明によると、この判定方法に好適に用いることができるLNAプローブ及びキットを提供することができる。
(HCV遺伝子型判定方法)
本発明のHCV遺伝子型判定方法は、下記工程(1)、(2)を含んでなり、更に必要に応じてその他の工程を含む。
工程(1):
配列番号1及び2で表される塩基配列を含む第一のプライマー対を用いた、第一の遺伝子増幅反応により得られる第一の増幅産物を鋳型として、後記する所定のLNAプローブ(本発明の「オリゴヌクレオチド」に相当する。)を用いて、第二の遺伝子増幅反応を行う工程。
工程(2):
前記第二の遺伝子増幅反応により得られる第二の増幅産物を検出する工程。
なお、前記判定方法における「判定」とは、一般に5つの遺伝子型に分類されるHCV遺伝子型を、少なくとも2群に分けて、判定対象のHCVがいずれの群に属するかを決定することを意味する。したがって、前記「判定」には、判定対象のHCVを特定の1遺伝子型に同定することも含まれる。
本明細書における「塩基配列」とは、例えば、オリゴヌクレオチド、ゲノム、プライマー、プローブ、増幅産物などの核酸鎖において、核酸や核酸類似体などの塩基が連結している順序を意味する。前記核酸としては、特に制限はなく、例えば、DNA、RNAなどが挙げられる。前記核酸類似体としては、例えば、LNA(Locked Nucleic Acid)などが挙げられる。
本明細書における「プライマー対」とは、一般的に広く遺伝子工学や分子生物学で使用される意味と同じであり、核酸鎖上の特定の領域を増幅するために、前記特定の領域の上流及び下流に対向してアニールするように設計された塩基配列を有する、2種類のプライマーを意味する。前記「プライマー」とは、一般的に広く遺伝子工学や分子生物学で使用される意味と同じであり、核酸伸長反応の際に鋳型にアニールし、その3’末端が前記核酸伸長反応の開始点となる一本鎖の核酸鎖である。
本明細書における「プローブ」とは、一般的に広く遺伝子工学や分子生物学で使用される意味と同じであり、具体的には、検体である核酸鎖に特異的にハイブリダイズするか否かを指標として、前記検体が検出を所望する塩基配列を有するか否かを判断するための一本鎖の核酸鎖である。ただし、前記「LNAプローブ」は、一般的な「プローブ」としての用途だけでなく、前記「プライマー」としての用途も含む。
<工程(1)>
−−鋳型−−
前記工程1における前記鋳型(適宜、「第二の遺伝子増幅反応における鋳型」と称する。)としては、配列番号1及び2で表される塩基配列を含む第一のプライマー対を用いた、第一の遺伝子増幅反応により得られる第一の増幅産物であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記「第一の遺伝子増幅反応」における遺伝子増幅方法としては、核酸鎖を鋳型とした相補的核酸鎖の合成により遺伝子を増幅させる反応であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、PCR法、ICAN法、LAMP法などが挙げられる。中でも、反応のための試薬や機器を容易に入手できる点で、PCR法が好ましい。
前記第一の遺伝子増幅反応における鋳型(前記「第二の遺伝子増幅反応における鋳型」とは異なる。)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記第一のプライマー対を用いた前記第一の遺伝子増幅反応により増幅される点で、HCVのゲノムRNAから逆転写されたcDNAであることが特に好ましい。
前記HCVのゲノムRNAの由来としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、HCV感染を検査される患者(以下、「被検者」と称する。)から組織又は血液を採取して、採取された前記組織又は血液から抽出されたゲノムRNAが特に好ましい。
前記「第一のプライマー対」を構成する塩基としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、DNAやRNAなどの核酸により構成されていてもよく、LNAなどの核酸類似体により構成されていてもよく、これらの組合せによって構成されていてもよいが、扱いが容易な点で、DNAにより構成されることが好ましい。
前記「第一のプライマー対」を構成する2種類のプライマーの塩基配列としては、配列番号1及び2で表される塩基配列を含んでいる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、配列番号1及び2で表される塩基配列の5’末端及び/又は3’末端に、核酸や核酸類似体が数塩基付加されていてもよい。
前記第一の遺伝子増幅反応を触媒する酵素としては、核酸鎖を鋳型として相補的DNAを合成することができる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、耐熱性DNAポリメラーゼが特に好ましい。前記耐熱性DNAポリメラーゼとしては、特に制限はなく、例えば、Taqポリメラーゼ、Pfuポリメラーゼ、逆転写活性を併せ持つDNAポリメラーゼ(例えば、Tthポリメラーゼなど)、鎖置換型DNAポリメラーゼ(例えば、BcaBEST DNAポリメラーゼ(タカラバイオ株式会社製)など)、などが挙げられる。
なお、ゲノムRNAを用いて遺伝子増幅反応を行うためには、一旦、逆転写反応によりゲノムRNAからcDNAを合成しておく必要がある。この場合、前記耐熱性DNAポリメラーゼとして、前記逆転写活性を併せ持つDNAポリメラーゼを用いれば、逆転写反応と第一の遺伝子増幅反応とを連続的に行える点で好ましい。
前記第一の遺伝子増幅反応における反応液中には、前記鋳型(第一の遺伝子増幅反応における鋳型)、酵素、及び第一のプライマー対以外に、選択された遺伝子増幅方法に応じて必要なその他の成分が添加される。前記その他の成分としては、基質としての4種のデオキシヌクレオシド三リン酸(dATP、dTTP、dCTP、dGTP)、マグネシウムイオン、緩衝液などが挙げられる。また、前記その他の成分としては、例えば、蛍光物質やマイクロ磁性粒子で標識されたプローブなど、第一の増幅産物を検出するための成分などが挙げられる。
前記第一の遺伝子増幅反応によれば、第一の増幅産物として、被検者が感染している未知のHCV遺伝子型に応じて増幅された配列番号3〜7のいずれかで表される塩基配列を含む二本鎖DNAが得られる。なお、配列番号3〜7のいずれかで表される塩基配列は、HCV遺伝子型の1a〜3a型にそれぞれ対応する同一領域の塩基配列である。それぞれの塩基配列は、HCVの5’−untranslated region(UTR)であって、互いに高度に保存されている。このような高度に保存された領域に対しては、DNAやRNAなどの核酸塩基からなる一般的なプローブが、特異的にハイブリダイズすることができない場合がある。
そこで、本発明の判定方法は、前記第一の遺伝子増幅反応により得られた第一の増幅産物を鋳型として利用し、LNAプローブを用いた第二の遺伝子増幅反応を行うことにより、被検者が感染しているHCV遺伝子型を判定する。
なお、前記したように、第二の遺伝子増幅反応における鋳型としては、配列番号1及び2で表される塩基配列をそれぞれ含む第一のプライマー対を用いた、第一の遺伝子増幅反応により得られる第一の増幅産物であれば、特に制限はないが、コバスアンプリコアHCVモニター(Roche Diagnostic社製)を用いれば、上記の諸条件を満たす第一の増幅産物を容易に得ることができる。さらには、コバスアンプリコアHCVモニターを用いてHCVのRNA量の測定が終わった試料(以下、「アンプリコア測定済試料」と称する。)を、第二の遺伝子増幅反応における鋳型として好適に利用することができる。なお、コバスアンプリコアHCVモニターは、国内の多くの検査機関で使用されているものであり、通常、前記アンプリコア測定済試料は、所定の処理を施された後に廃棄される。
本発明においては、このようなアンプリコア測定済試料を用いることで、前記第一の増幅産物を取得するための操作が省略され、HCV遺伝子型を判定するための時間を大幅に短縮することができる。また、前記アンプリコア測定済試料は元々廃棄されるものであって、容易に入手できるため、HCV遺伝子型を判定するためのコストを大幅に低減させることができる。
前記第二の遺伝子増幅反応における鋳型として、前記アンプリコア測定済試料を使用する場合には、前記アンプリコア測定済試料を、例えば、水や溶液などで希釈して第二の遺伝子増幅反応に供することが好ましい。
前記水としては、特に制限はなく、例えば、蒸留水、再蒸留水(DDW)、超純水、イオン交換水、滅菌水などが挙げられる。
前記溶液としては、特に制限はなく、例えば、TE(Tris−HCl、EDTA) bufferなどが挙げられる。
前記アンプリコア測定済試料の希釈率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2〜100,000倍が好ましく、10〜10,000倍がより好ましく、100〜1,000倍が更に好ましい。前記希釈率が、2倍以上であると、コバスアンプリコアHCVモニター由来のプライマー(第一のプライマー対)やプローブが希釈されて、第二の遺伝子増幅反応の際に、前記プライマーやプローブの影響を無視できる程度に低減できる点で好ましい。また、前記希釈率が、100,000倍以下であると、第二の遺伝子増幅反応の際に、鋳型を一定量以上確保できる点で好ましい。
また、前記アンプリコア測定済試料から、前記アンプリコア測定済試料に含まれるRT−PCR増幅産物を精製した後に、第二の遺伝子増幅反応に供してもよい。前記精製方法としては、特に制限はなく、周知の核酸鎖精製方法から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エタノール沈殿、Microcon−100(タカラバイオ株式会社製)やMinElute PCR Purification(QIAGEN社製)を用いた精製、などが挙げられる。
−−LNAプローブ−−
前記工程1における前記LNAプローブとは、核酸や核酸類似体などの塩基が連結している核酸鎖において、少なくとも1塩基がLNA又はLNAアナログであるものを意味する。
前記「LNA」とは、リボヌクレオシドの2’部位の酸素原子と4’部位の炭素原子がメチレンを介して結合している2つの環状構造を有する核酸類似体を意味する。
前記「LNAアナログ」としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、例えば、リボヌクレオシドの2’部位の酸素原子と4’部位の炭素原子が酸素原子を介して結合しているオキシ−LNA、硫黄原子を介して結合しているチオ−LNA、窒素原子を介して結合しているアミノ−LNAなどが挙げられる。
前記LNAプローブの塩基配列としては、配列番号3〜7のいずれかで表される塩基配列において、5塩基以上の連続した塩基配列からなり、42、50、63、64、65、69、88、89、91、92、94、95、98、102、108、109、125、129、130、131、133、134、136、180、193及び205番目のいずれかの塩基を含む限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
該LNAプローブにおいては、前記42、50、63、64、65、69、88、89、91、92、94、95、98、102、108、109、125、129、130、131、133、134、136、180、193及び205番目のいずれかの塩基のうち少なくとも1塩基が、LNAであることが好ましい。前記塩基は、HCVの遺伝子型間で配列の異なる塩基である。
なお、前記LNAプローブの塩基配列としては、配列番号3〜7のいずれかで表される塩基配列において、5塩基以上の連続した塩基配列からなり、42、50、63、64、65、69、88、89、91、92、94、95、98、102、108、109、125、129、130、131、133、134、136、180、193及び205番目のいずれかの塩基を含む塩基配列に相補的な塩基配列であってもよい。
そして、該LNAプローブにおいては、前記42、50、63、64、65、69、88、89、91、92、94、95、98、102、108、109、125、129、130、131、133、134、136、180、193及び205番目のいずれかの塩基に相補的な塩基のうち少なくとも1塩基が、LNAであることが好ましい。前記塩基は、HCVの遺伝子型間で配列の異なる塩基である。
なお、前記LNAプローブの塩基数としては、前記したように、5塩基以上が好ましいが、8塩基以上がより好ましく、15塩基以上が特に好ましい。前記塩基数が、5塩基以上であると、塩基配列によっては充分なTm値を確保できるので、特異的に鋳型にハイブリダイズさせることができる、また、前記塩基数が、15塩基以上であると、Tm値をより高くすることができ、より特異的に鋳型にハイブリダイズさせることができる点で好ましい。
前記LNAプローブのTm(Melting Temperature)値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、45℃以上が好ましく、55℃以上がより好ましく、60℃以上が更に好ましい。LNAプローブのTmが45℃以上であると、特異性が向上する点で好ましい。
ここで、前記Tm値は、例えば、IDT社ホームページ(http://www.idtdna.com/Home/Home.aspx)、Exiqon社ホームページ(http://www.exiqon.com/)に開示される算出方法に基づいて算出することができる。
一般に、LNAプローブは、DNAやRNAなどの核酸塩基のみからなる一般的なプローブに比べ、Tm(Melting Temperature)値が高く、また、1塩基のミスマッチでもTm値が大幅に低下するという特性を有している。このような特性によれば、配列番号3〜7で表される塩基配列のように、異なるHCV遺伝子型において高度に保存されている塩基配列に対しても、極めて特異的にハイブリダイズできる。
さらに、LNAプローブは、核酸鎖にハイブリダイズするだけでなく、ハイブリダイズした後に、プライマーとして核酸伸長反応の開始点となりうる特性や、5’→3’エキソヌクレアーゼに対して分解される特性を有している。
前記LNAプローブを第二の増幅産物に特異的にハイブリダイズさせる条件としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
ハイブリダイズさせる温度としては、Tm値±15℃が好ましく、Tm値±10℃がより好ましく、Tm値±5℃が更に好ましい。
ハイブリダイズ反応に用いる試薬としては、特に制限はないが、例えば、TaqMan Universal PCR Master Mix(Applied Biosystems社製)、ファストスタートTaqMan プローブマスター(Roche Diagnostics社製)、Premix Ex Taq(タカラバイオ株式会社製)などが挙げられ、中でも、Premix Ex Taq(タカラバイオ株式会社製)が好ましい。
ハイブリダイズさせる時間としては、5〜90秒が好ましく、10〜60秒がより好ましく、15〜45秒が更に好ましい。
−−第二の遺伝子増幅反応−−
前記工程1における前記第二の遺伝子増幅反応としては、配列番号1及び2で表される塩基配列を含む第一のプライマー対を用いた、第一の遺伝子増幅反応により得られる第一の増幅産物を鋳型として、後記する所定のLNAプローブを用いる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記第二の遺伝子増幅反応における遺伝子増幅方法としては、核酸鎖を鋳型とした相補的核酸鎖の合成により遺伝子を増幅させる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、PCR法、ICAN(isothermal and chimeric primer−initiated amplification of nucleic acids)法、LAMP(loop−mediated isothermal amplification)法が挙げられる。中でも、反応のための試薬や機器を容易に入手できる点で、PCR法が好ましい。
前記第二の遺伝子増幅反応を触媒する酵素としては、核酸鎖を鋳型として相補的核酸鎖を合成することができる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、耐熱性DNAポリメラーゼが特に好ましい。前記耐熱性DNAポリメラーゼとしては、特に制限はなく、例えば、Taqポリメラーゼ、Pfuポリメラーゼ、逆転写活性を有するDNAポリメラーゼ(例えば、Tthポリメラーゼなど)、鎖置換型DNAポリメラーゼ(例えば、BcaBEST DNAポリメラーゼ(タカラバイオ株式会社製)など)、などが挙げられる。
前記第二の遺伝子増幅反応の温度条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できる。
前記第二の遺伝子増幅反応における変性の温度としては、88〜98℃が好ましく、90〜97℃がより好ましく、92〜96℃が更に好ましい。また、前記変性の時間としては、1〜10秒が好ましく、2〜8秒がより好ましく、3〜5秒が更に好ましい。
前記第二の遺伝子増幅反応における伸長反応の温度としては、55〜75℃が好ましく、58〜70℃がより好ましく、60〜68℃が更に好ましい。前記伸長反応の時間としては、5〜90秒が好ましく、10〜60秒がより好ましく、20〜40秒が更に好ましい。
前記温度条件のサイクル数としては、35サイクル以上が好ましく、40サイクル以上がより好ましく、45サイクル以上が更に好ましい。前記サイクル数が35以上であると、低ウイルス量の検体を検出できる点で好ましい。
前記第二遺伝子増幅反応を行う装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、サーマルサイクラーが挙げられる。前記サーマルサイクラーとしては、特に制限はないが、工程1乃至2を連続して行える点で、蛍光検出器を備えたサーマルサイクラーが好ましく、例えば、LightCycler(Roche Diagnostic社製)、Applied Biosystems 7500 リアルタイムPCRシステム(Applied Biosystems社製)などを好適に利用することができる。
ここで、前記工程1において、前記LNAプローブは、以下に示す(a)又は(b)のいずれかとして用いられる。
(a)第二の遺伝子増幅反応により得られる第二の増幅産物を検出するためのプローブ。
(b)第二の遺伝子増幅反応のための第二のプライマー対のうち、少なくとも一つのプライマー。
以下、工程1の説明において、LNAプローブを(a)として用いる場合、及び、(b)として用いる場合、それぞれについて、分けて説明する。
−(a)LNAプローブを第二の遺伝子増幅反応により得られる第二の増幅産物を検出するためのプローブとして用いる場合−
前記LNAプローブは、蛍光物質や消光物質により標識されていてもよく、標識されていなくてもよいが、標識されていることが好ましい。
前記LNAプローブが標識される形態としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、蛍光物質のみで標識されていてもよく、消光物質のみで標識されていてもよく、蛍光物質と消光物質との両者により標識されていてもよい。
前記蛍光物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、FAM、TET、TexasRed、Cy3、Cy5、HEX、TAMRA、ROX、FITCなどが挙げられる。
前記消光物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、BHQ−1(Black Hole Quencher−1)、BHQ−2(Black Hole Quencher−2)、Dabcylなどが挙げられる。
なお、1つのLNAプローブに、蛍光物質及び消光物質の両方が標識される場合には、前記蛍光物質から発する蛍光波長と、前記消光物質が吸収する吸収波長とが、一致することが好ましい。
前記蛍光物質及び/又は消光物質が標識される部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、LNAプローブのTm値に与える影響が少なく、塩基配列を設計しやすい点で、LNAプローブの5’末端又は3’末端であることが好ましい。
−−第二のプライマー対−−
前記第二の遺伝子増幅反応のための第二のプライマー対としては、前記LNAプローブの塩基配列に対応する(前記LNAプローブがハイブリダイズする)領域を増幅することができる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記「第二のプライマー対」を構成する塩基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、DNAやRNAなどの核酸により構成されていてもよく、LNAなどの核酸類似体により構成されていてもよく、これらの組合せによって構成されていてもよいが、扱いが容易な点で、DNAにより構成されることが好ましい。
前記「第二のプライマー対」を構成する2種類のプライマーの塩基配列としては、前記LNAプローブの塩基配列に対応する領域を増幅することができる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、HCVの1a〜3a型の遺伝子型において完全に配列が一致する塩基配列が好ましい。
なお、前記第二の遺伝子増幅反応における反応溶液中には、前記鋳型(第二の遺伝子増幅反応における鋳型、即ち、第一の遺伝子増幅反応により得られる第一の増幅産物)、LNAプローブ、酵素及び第二のプライマー対以外に、選択された遺伝子増幅反応に応じて必要なその他の成分が添加される。前記その他の成分としては、例えば、基質としての4種のデオキシヌクレオシド三リン酸(dATP、dTTP、dCTP、dGTP)、マグネシウムイオン、緩衝液などが挙げられる。
なお、1つの反応溶液中に添加されるLNAプローブは、1種類であってもよく、複数種類であってもよいが、1つの反応溶液で複数の遺伝子型の判定を同時に行え、HCV遺伝子型の判定に要する時間を短縮できる点で、複数種類のLNAプローブが好ましい。現在、市販されている蛍光検出器を備えたサーマルサイクラーは、同時検出波長が最大で4波長であると思われるが、蛍光検出器を備えたサーマルサイクラーの同時検出波長が増えれば、前記1つの反応溶液中に添加されるLNAプローブの種類も更に増加させることができ、HCV遺伝子型の判定に要する時間も大幅に短縮できる。
以上、前記(a)の場合における工程1によれば、被検者が感染している未知のHCV遺伝子型に応じて、前記LNAプローブに対応する塩基配列を含む第二の増幅産物が得られる。そして、前記第二の遺伝子増幅反応の途中乃至終了後に、LNAプローブが、前記第二の増幅産物に対してHCV遺伝子型特異的にハイブリダイズする。そして、この特異的なハイブリダイズを、前記第二の遺伝子増幅反応の途中乃至終了後に、検出することにより、HCV遺伝子型を判定することができる。
−(b)LNAプローブを、第二の遺伝子増幅反応のための第二のプライマー対のうち、少なくとも一つのプライマーとして用いる場合−
前記LNAプローブは、蛍光物質や消光物質により標識されていてもよく、標識されていなくてもよい。
−−第二のプライマー対−−
前記「第二のプライマー対」としては、少なくとも一つのプライマーが前記所定のLNAプローブである限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、第二のプライマー対を構成する1種類のプライマーのみが前記所定のLNAプローブであってもよく、2種類のプライマーが両方とも前記所定のLNAプローブであってもよいが、1種類のプライマーのみが前記所定のLNAプローブであることが好ましい。
1種類のプライマーのみが所定のLNAプローブである場合、LNAプローブでない方のプライマーの塩基配列としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、HCVの1a〜3aの遺伝子型において完全に配列が一致する塩基配列であることが好ましい。
なお、前記第二の遺伝子増幅反応における反応溶液中には、前記鋳型(第二の遺伝子増幅反応における鋳型、即ち、第一の遺伝子増幅反応により得られる第一の増幅産物)、酵素及び第二のプライマー対(このうち少なくとも1種類のプライマーはLNAプローブである。)以外に、選択された遺伝子増幅反応に応じて必要なその他の成分が添加される。前記その他の成分としては、例えば、基質としての4種のデオキシヌクレオシド三リン酸(dATP、dTTP、dCTP、dGTP)、マグネシウムイオン、緩衝液などが挙げられる。
以上、前記(b)の場合における前記工程1によれば、被検者が感染しているHCV遺伝子型に応じた第二の増幅産物が得られる。具体的には、LNAプローブが特異的にアニールした場合には、前記LNAプローブが第二の遺伝子増幅反応におけるプライマーとして機能することで、第二の増幅産物を得ることができる。そして、第二の増幅産物を検出することにより、HCV遺伝子型を判定することができる。逆に、LNAプローブが、鋳型にアニールしなかった場合には、第二の遺伝子増幅反応後に第二の増幅産物は得られない。
<工程(2)>
−第二の増幅産物の検出方法−
前記第二の増幅産物の検出方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記第二の増幅産物を検出する装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、蛍光検出器、シークエンサーシステムなどが挙げられる。前記蛍光検出器としては、特に制限はないが、工程1乃至2を連続して行える点で、蛍光検出器を備えたサーマルサイクラーが好ましい。前記蛍光検出器を備えたサーマルサイクラーとしては、前記したように、例えば、LightCycler(Roche Diagnostic社製)、Applied Biosystems 7500 リアルタイムPCRシステム(Applied Biosystems社製)などを好適に利用することができる。
前記シークエンサーシステムとしては、例えば、Applied Biosysytems 3130 ジェネティックアナライザ(Applied Biosysytems社製)、CEQ 8000(Beckman Coulter社製)などを好適に利用することができる。
以下、工程2の説明においても、工程1と同様、LNAプローブを(a)として用いる場合、及び、(b)として用いる場合、それぞれについて、分けて説明する。
−(a)LNAプローブを前記第二の増幅産物を検出するためのプローブとして用いる場合−
前記第二の増幅産物の検出方法としては、前記LNAプローブを第二の増幅産物を検出するためのプローブとして用いる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、リアルタイムPCR法によるモニタリングが挙げられる。
前記リアルタイムPCR法としては、例えば、TaqManプローブ法、サイクリングプローブ法、Molecular Beacon法、FRET法などが挙げられる。中でも、プローブ類を含み試薬類が手に入りやすく、多くの技術的積み重ねがあり問題点をクリアしやすく、検査可能なサーマルサイクラーが多くのメーカより発売されているなどの点で、TaqManプローブ法が好ましい。
前記TaqManプローブ法では、増幅産物を検出するためのプローブとして、一端を蛍光物質で、他端を消光物質で修飾されたプローブを用いる。
そして、前記TaqManプローブ法は、増幅産物にハイブリダイズした前記プローブが5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を有するDNAポリメラーゼによって分解されたときに、蛍光物質が消光物質から遊離することで発する蛍光をリアルタイムで検出する方法である。
前記サイクリングプローブ法は、増幅産物を検出するためのプローブとして、RNA塩基を含む核酸鎖において、一端を蛍光物質で、他端をクエンチャー物質で修飾されたプローブを用いる。
そして、前記サイクリングプローブ法は、増幅産物にハイブリダイズした前記プローブが反応液中に共存されたRNaseHによって分解されたときに、蛍光物質が消光物質から遊離することで発する蛍光をリアルタイムで検出する方法である。
前記Molecular Beacon法は、増幅産物を検出するためのプローブとして、ヘアピン型二次構造をとりうるプローブにおいて、一端を蛍光物質で、他端をクエンチャー物質で修飾されたプローブを用いる。
そして、前記サイクリングプローブ法は、前記プローブが増幅産物にハイブリダイズすることでヘアピン型二次構造が解除されたときに、蛍光物質と消光物質との距離が離れることで発する蛍光をリアルタイムで検出する方法である。
前記FRET法は、増幅産物を検出するためのプローブとして、一端を第一の蛍光物質で修飾され、他端を第二の蛍光物質で修飾されたプローブを用いる。なお、前記第二の蛍光物質は、前記第一の蛍光物質の蛍光波長により励起される性質を有する。
そして、前記FRET法は、第一の蛍光物質を励起させる励起光を照射して、第二の蛍光物質が発する蛍光をリアルタイムで検出する方法であって、増幅産物にハイブリダイズした前記プローブが5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を有するDNAポリメラーゼによって分解されたときに、第一の蛍光物質が第二の蛍光物質から遊離することで、第二の蛍光物質が発する蛍光強度が低下することを指標とする。
−(b)LNAプローブを、第二の遺伝子増幅反応のための第二のプライマー対のうち、少なくとも一つのプライマーとして用いる場合−
前記第二の増幅産物の検出方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、増幅産物を周知の手法で精製した後に波長260nmの吸光度を測定する方法、増幅産物を電気泳動により展開した後に核酸染色剤により染色してバンドを検出する方法、リアルタイムPCR法によるモニタリングなどが挙げられる。中でも、検出に要する時間を短縮できる点で、リアルタイムPCR法によるモニタリングが好ましい。
前記核酸染色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、二本鎖核酸の塩基対間にインターカレートして核酸の染色を行うインターカレーターが挙げられる。前記インターカレーターとしては、例えば、エチジウムブロマイド、ヨウ化プロピジウム、DAPI、アクリジンオレンジ、各種hoechst、各種SYBR、各種SYNTOX、各種TOTOなどが挙げられる。
前記リアルタイムPCR法によるモニタリングとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、インターカレーター法が挙げられる。
前記インターカレーター法では、PCRの反応液中に、二本鎖DNAに挿入されることで蛍光を発する蛍光物質(インターカレーター)が添加される。前記インターカレーターとしては、例えば、SYBR Green Iなどが挙げられる。
そして、前記インターカレーター法は、ポリメラーゼ反応によって合成された二本鎖DNA中にインターカレーターが挿入されることで発する蛍光をリアルタイムで検出する方法である。
以上のように、本発明のHCV遺伝子型判定方法によれば、HCV遺伝子型を高い精度で判定することができ、簡便な工程で、短時間に、低コストで行うことができる。
なお、本発明の主なる技術的思想は、配列番号1及び2で表される塩基配列を含む第一のプライマー対を用いた、第一の遺伝子増幅反応により得られる第一の増幅産物を利用して、HCV遺伝子型の判定を行うことであって、本発明の技術的範囲は上記した実施形態に限定されるものではない。
例えば、前記第一の増幅産物(第二の遺伝子増幅反応における鋳型)は、部分的ではあるが、DNAプローブ(DNA塩基のみからなるプローブ)でも特異的にハイブリダイズ可能な塩基配列を有している(例えば、後記するHCV−1やHCV−3のプローブ)。このような場合、特にLNAプローブ(本発明の「オリゴヌクレオチド」に相当する。)を使用する必要はなく、プローブ作製にかかるコストなどを考慮して、適宜DNAプローブ(本発明の「オリゴヌクレオチド」に相当する。)を使用してもよい。また、前記LNAプローブ及びDNAプローブを併用してもよい。もちろん、DNAプローブが特異的にハイブリダイズ可能な塩基配列に対しても、LNAプローブを使用する方が、より高い精度でHCV遺伝子型を判定できることは、言うまでもない。
(LNAプローブ)
本発明のLNAプローブは、前記HCV遺伝子型判定方法に用いるLNAプローブである。即ち、前記LNAプローブは、前記HCB遺伝子型判定方法において説明したLNAプローブからなり、例えば、配列番号3〜7のいずれかで表される塩基配列において、5塩基以上の連続した塩基配列からなり、42、50、63、64、65、69、88、89、91、92、94、95、98、102、108、109、125、129、130、131、133、134、136、180、193及び205番目のいずれかの塩基を含む塩基配列からなり、少なくとも1塩基がLNAからなるLNAプローブである。
また、前記LNAプローブは、例えば、配列番号3〜7のいずれかで表される塩基配列において、5塩基以上の連続した塩基配列からなり、42、50、63、64、65、69、88、89、91、92、94、95、98、102、108、109、125、129、130、131、133、134、136、180、193及び205番目のいずれかの塩基を含む塩基配列に相補的な塩基配列からなり、少なくとも1塩基がLNAからなるLNAプローブである。
前記LNAプローブの合成方法、及び、前記LNAプローブに蛍光物質や消光物質を標識する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、株式会社 医学生物学研究所に合成を委託することで、所望するLNAプローブを得ることができる。
(HCV遺伝子型判定キット)
本発明のHCV遺伝子型判定キットは、前記LNAプローブを含んでなり、更に、必要に応じて他の試薬を含む。
前記他の試薬としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、一般に遺伝子増幅反応で用いられる試薬が挙げられ、例えば、耐熱性DNAポリメラーゼ、前記耐熱性DNAポリメラーゼ用のバッファー、プライマー対(第二のプライマー対)などが挙げられる。
以下に本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1は、アンプリコア測定済試料を鋳型として、LNAプローブを増幅産物をモニタリング(検出)するためのプローブとして用いて、リアルタイムPCRを行い、HCV遺伝子型を同定した実施例である。
前記リアルタイムPCRは、TaqManプローブ法に従って行った。具体的な手順は以下の通りである。
(材料及び方法)
以下、実施例1のリアルタイムPCRの反応液に含まれる成分について説明する。なお、1つの鋳型につき、プローブの種類を変えて前記反応液を2種類(反応液1、反応液2)調製し、2度のリアルタイムPCR(反応1、反応2)を行った。
−鋳型−
アンプリコア測定済試料は、本発明者らが所属する埼玉医科大学病院の中央検査部により入手した。前記アンプリコア測定済試料には、被検者の血清から採取されたHCVのゲノムRNAを鋳型として、コバスアンプリコアHCVモニターを用いてRT−PCRを行った増幅産物が含有されている。
そして、前記アンプリコア測定済試料を、蒸留水で1,000倍に希釈し、そのうちの5μlをリアルタイムPCRの鋳型として、各反応液(total 25μl)に添加した(表1、2参照)。即ち、最終的には、アンプリコア測定済試料は5,000倍に希釈された。
−プライマー−
実施例1のリアルタイムPCRで使用したプライマーの配列を以下に示す。
(反応液1、2共通)
HCV−F : 5’−/CCATGGCGTTAGTATGAGTG(配列番号:14)/−3’
HCV−B : 5’−/CAGTACCACAAGGCCTTTCG(配列番号:15)/−3’
なお、HCV−F、HCV−Bの両プライマーの塩基配列は、全てDNAにより構成される。
−プローブ−
プローブの塩基配列の設計においては、効率よく複数の遺伝子型の塩基を単一反応で検出できるように、各々のプローブをFAM、TET、TexasRed、Cy5のいずれかの蛍光物質でラベル化し、1つの反応液あたり最大4種類のプローブを同時に使用できるように設計した。前記プローブとしては、LNAプローブとDNAプローブとを併用した。また、前記LNAプローブの塩基配列において、遺伝子型間で配列の異なる塩基をLNAとし、遺伝子型が異なるとTm値が大きく減少するように設計した。
本実施例のリアルタイムPCRで使用したプローブの塩基配列を以下に示す。
−−反応液1のみ−−
HCV−1 : 5’−/TexasRed/CAAATCTCCAGGCATTGAGCGG(配列番号:8)/BHQ−2/−3’
〔ただし、/TexasRed/は、TexasRedが塩基配列の5’末端に結合していることを示し、/BHQ−2/は、BHQ−2が塩基配列の3’末端に結合していることを示す。〕
なお、前記HCV−1は、1a型及び1b型に特異的にハイブリダイズするように設計されたDNAプローブである。
HCV−2a: 5’−/6−FAM/CAAATG{G}CCGG{G}CATAGAGTGG(配列番号:9)/BHQ−1/−3’
〔ただし、/6−FAM/は、6−FAMが塩基配列の5’末端に結合していることを示し、/3BHQ−1/は、BHQ−1が塩基配列の3’末端に結合していることを示す。{}内の塩基はLNAであり、それ以外はDNAである。〕
なお、前記HCV−2aは、2a型に特異的にハイブリダイズするように設計されたLNAプローブである。
HCV−2b: 5’−/TET/CAAATG{A}CCGG{A}CATAGAGTGG(配列番号:10)/BHQ−1/−3’
〔ただし、/TET/は、TETが塩基配列の5’末端に結合していることを示し、/BHQ−1/は、BHQ−1が塩基配列の3’末端に結合していることを示す。{}内の塩基は、LNAであり、それ以外はDNAである。〕
なお、前記HCV−2bは、2b型に特異的にハイブリダイズするように設計されたLNAプローブである。
−−反応液2のみ−−
HCV−3 : 5’−/TexasRed/CAAATTTCTGGGTATTGAGCGG(配列番号:11)/BHQ−1/−3’
〔ただし、/TexasRed/は、TexasRedが塩基配列の5’末端に結合していることを示し、/BHQ−1/は、BHQ−1が塩基配列の3’末端に結合していることを示す。〕
なお、前記HCV−3は、3a型に特異的にハイブリダイズするように設計されたDNAプローブである。
HCV−G3: 5’−/6−FAM/C{T}AG{C}AG{T}CT{T}G{C}GG(配列番号:12)/3BHQ−1/−3’
〔ただし、/6−FAM/は、6−FAMが塩基配列の5’末端に結合していることを示し、/BHQ−1/は、BHQ−1が塩基配列の3’末端に結合していることを示す。{}内の塩基は、LNAであり、それ以外はDNAである。〕
なお、前記HCV−G3は、1a型、2a型及び2b型に特異的にハイブリダイズするように設計されたLNAプローブである。
HCV−G4: 5’−/TET/CTAG{C}AG{T}CT{C}G{C}GG(配列番号:13)/BHQ−1/−3’
〔ただし、/TET/は、TETが塩基配列の5’末端に結合していることを示し、/BHQ−1/は、BHQ−1が塩基配列の3’末端に結合していることを示す。{}内の塩基は、LNAであり、それ以外はDNAである。〕
なお、前記HCV−G4は、1b型に特異的にハイブリダイズするように設計されたLNAプローブである。
−−反応液1、2共通−−
HCV−total: 5’−/Cy5/CCATAGTGGTCTGCGGAACC(配列番号:16)/BHQ−2/−3’
〔ただし、/Cy5/は、Cy5が塩基配列の5’末端に結合していることを示し、/BHQ−2/は、BHQ−2が塩基配列の3’末端に結合していることを示す。〕
なお、前記HCV−totalは、各HCV遺伝子型に共通の塩基配列であり、PCRがうまく行われているかどうかを確認するための内部コントロールである。
図1は、実施例1で使用した前記プライマー及びプローブが、鋳型にハイブリダイズする位置を示す図である。
前記反応液の組成を下記の表1、2に示す。
リアルタイムPCRの施行及び検出には、Smart Cycler II System(タカラバイオ株式会社製)を用いた。前記Systemは、1つの反応液につき、4波長同時検出が可能であるという利点を有している。
反応1の温度条件は、95℃で30秒間保温の後、95℃で3秒間、65℃で30秒間の反応を45サイクル繰り返した。反応2の温度条件は、95℃で30秒間保温の後、95℃で3秒間、64℃で30秒間の反応を45サイクル繰り返した。前記反応1及び2の所要時間は40分以内であり、並行して行った。
−検出−
Smart Cycler II Systemの蛍光検出器は、FAM channel(励起波長450〜495nm、検出波長510〜527nm)、TET channel(励起波長500〜550nm、検出波長565〜590nm)、TexasRed channel(励起波長565〜590nm、検出波長606〜650nm)、Cy5 channel(励起波長630〜650nm、検出波長670〜750nm)の4つに設定されており、前記温度条件において、1サイクル毎に4波長の蛍光を検出した。
即ち、反応1においては、FAM channelでは、1a型及び1b型の核酸鎖の増幅を検出することができる。TET channelでは、2a型の核酸鎖の増幅を検出することができる。TexasRed channelでは、2b型の核酸鎖の増幅を検出することができる。Cy5 channelでは、1a型、1b型、2a型、2b型及び3a型の核酸鎖の増幅を検出することができる。
反応2においては、FAM channelでは、1a型、2a型及び2b型の核酸鎖の増幅を検出することができる。TET channelでは、1b型及び3a型の核酸鎖の増幅を検出することができる。TexasRed channelでは、3a型の核酸鎖の増幅を検出することができる。Cy5 channelでは、1a型、1b型、2a型、2b型及び3a型の核酸鎖の増幅を検出することができる。
−解析−
プローブが特異的にハイブリダイズした検体(陽性結果)においては、蛍光強度の測定により取得されたprimary curveが、ベースラインから指数関数的に立ち上がる(図2〜11参照)。
前記陽性結果(ベースラインから指数関数的に蛍光が立ち上がること)を客観的に判定するため、second derivative法で解析を行なった。前記second derivative法とは、primary curveを2回微分したときの最も変化率の大きいサイクル数(極大値)をCycle threshold(Ct)とする方法である。具体的な解析手順は、以下の通りである。
まず、5乃至10サイクルの間の蛍光強度をベースラインとして設定した。FAM、TET、TexasRedの場合には、前記ベースラインから4SD(標準偏差)以上の変化率があり、かつ、Ctが検出されたときに、陽性と判定した。Cy5の場合には、前記ベースラインから3SD以上の変化率があり、かつ、Ctが検出されたときに、陽性と判定した。
<結果>
図2〜11は、実施例1におけるリアルタイムPCRの検出結果を示す図であって、図2、3は、HCVが1a型であったときの検出結果であり、図4、5は、HCVが1b型であったときの検出結果であり、図6、7は、HCVが2a型であったときの検出結果であり、図8、9は、HCVが2b型であったときの検出結果であり、図10、11は、HCVが3a型であったときの検出結果である。また、図2、4、6、8及び10は、リアルタイムPCRの反応1における検出結果であって、図3、5、7、9、11は、リアルタイムPCRの反応2における検出結果である。図2〜11の各primary curveにおいて、縦軸は検出された蛍光強度を示し、横軸は増幅反応のサイクル数を示す。また、図2〜11の各second derivativeにおいて、縦軸は蛍光強度を示し、横軸は増幅反応のサイクル数を示す。
まず、図2〜11の全てのCy5の検出結果において、陽性結果を確認した。即ち、HCV遺伝子型を判定する前提として、PCR反応により増幅産物が存在していることが示された。
図2、3に示すように、HCVが1a型であったときには、反応1でTexasRedの陽性結果が確認され、かつ、反応2でFAMの陽性結果が確認された。この組合せにより、検体のHCV遺伝子型が1a型であると同定した。
図4、5に示すように、HCVが1b型であったときには、反応1でTexasRedの陽性結果が確認され、かつ、反応2でTETの陽性結果が確認された。また、図示しない他の1b型の137件の検体についても同様の検出結果であった。
図6、7に示すように、HCVが2a型であったときには、反応1でFAMの陽性結果が確認され、かつ、反応2でFAMの陽性結果が確認された。また、図示しない他の2a型の23件の検体についても同様の検出結果であった。
図8、9に示すように、HCVが2b型であったときには、反応1でTETの陽性結果が確認され、かつ、反応2でFAMの陽性結果が確認された。また、図示しない他の2b型の14件の検体についても同様の検出結果であった。
図10、11に示すように、HCVが3a型であったときには、反応1ではTexasRed、FAM、TETのいずれの陽性結果も確認されず、かつ、反応2でTETの陽性結果が確認された。また、図示しない他の3a型の検体についても同様の検出結果であった。
(実施例2)
実施例2は、本発明の要件を満たす前記実施例1の判別方法(実施例)と、本発明の要件を満たさない判別方法(比較例)により、同一の検体についてHCV遺伝子型を同定し、その結果を比較した実施例である。
実施例の具体的な手順は、実施例1に記載の手順と同様である。
なお、実施例の判定方法に要した時間は、1検体あたり37分間であった。
比較例の判定方法としては、アンプリコア測定済試料をダイレクトシークエンスする方法を採用した。
前記アンプリコア測定済試料をダイレクトシークエンスする方法の具体的な手順としては、以下の通りである。
アンプリコア測定済試料としては、前記実施例と同じ検体を使用した。
そして、アンプリコア測定済試料を精製し、精製後の試料を用いてサイクルシークエンス反応を行ない、反応後試料を精製し、シークエンサーにて測定という手順により、ダイレクトシークンスを行った。
なお、比較例の判定方法に要した時間は、1検体あたり3時間であった。
表3は、実施例による判定結果と、比較例による判定結果とを比較した表である。
表3に示すように、実施例による同定結果と、比較例による同定結果とは、1a型、1b型、2a型、2b型、3a型について、完全に一致した。
そのうえで、比較例では判定不能であった13検体について、実施例ではそのうちの12件を1b型と正確に同定することができた。
また、実施例の正答率は(190/193)98.4%であり、比較例の正答率が(180/193)93.3%であることと比較すると、極めて高い精度であった。
本発明の判定方法は、HCV遺伝子型を高い精度で同定することができ、簡便な工程で、短時間に、低コストで行うことができるので、例えば、HCV遺伝子型の診断キットとして、好適に利用できる。さらに、日本におけるHCVのキャリア数は150万人以上であって、前記診断キットに対する市場は、潜在的に大きいものと推定される。さらに、本発明の判定方法に好適に用いることができるコバスアンプリコアHCVモニターは、現在、多数の検査機関で使用されているものである。したがって、本発明の判定方法を利用したHCV遺伝子型の診断キットは、HCV遺伝子型の診断にかかる時間及びコストを大幅に低減させることができる診断キットとして、有用性が極めて高い。
図1は、実施例1で使用した前記プライマー及びプローブが、鋳型にハイブリダイズする位置を示す図である。 図2は、実施例1におけるリアルタイムPCRの検出結果を示す図であって、1a型の反応1における検出結果である。 図3は、実施例1におけるリアルタイムPCRの検出結果を示す図であって、1a型の反応2における検出結果である。 図4は、実施例1におけるリアルタイムPCRの検出結果を示す図であって、1b型の反応1における検出結果である。 図5は、実施例1におけるリアルタイムPCRの検出結果を示す図であって、1b型の反応2における検出結果である。 図6は、実施例1におけるリアルタイムPCRの検出結果を示す図であって、2a型の反応1における検出結果である。 図7は、実施例1におけるリアルタイムPCRの検出結果を示す図であって、2a型の反応2における検出結果である。 図8は、実施例1におけるリアルタイムPCRの検出結果を示す図であって、2b型の反応1における検出結果である。 図9は、実施例1におけるリアルタイムPCRの検出結果を示す図であって、2b型の反応2における検出結果である。 図10は、実施例1におけるリアルタイムPCRの検出結果を示す図であって、3a型の反応1における検出結果である。 図11は、実施例1におけるリアルタイムPCRの検出結果を示す図であって、3a型の反応2における検出結果である。

Claims (21)

  1. (1)配列番号1及び2で表される塩基配列を含む第一のプライマー対を用いた、第一の遺伝子増幅反応により得られる第一の増幅産物を鋳型として、
    配列番号3〜7のいずれかで表される塩基配列において、5塩基以上の連続した塩基配列からなり、42、50、63、64、65、69、88、89、91、92、94、95、98、102、108、109、125、129、130、131、133、134、136、180、193及び205番目のいずれかの塩基を含む塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを、
    (a)第二の遺伝子増幅反応により得られる第二の増幅産物を検出するためのプローブ、
    (b)第二の遺伝子増幅反応のための第二のプライマー対のうち、少なくとも一つのプライマー、
    のいずれかとして用いて前記第二の遺伝子増幅反応を行う工程と、
    (2)前記第二の遺伝子増幅反応により得られる第二の増幅産物を検出する工程とを含むことを特徴とするHCV遺伝子型判定方法。
  2. (1)配列番号1及び2で表される塩基配列を含む第一のプライマー対を用いた、第一の遺伝子増幅反応により得られる第一の増幅産物を鋳型として、
    配列番号3〜7のいずれかで表される塩基配列において、5塩基以上の連続した塩基配列からなり、42、50、63、64、65、69、88、89、91、92、94、95、98、102、108、109、125、129、130、131、133、134、136、180、193及び205番目のいずれかの塩基を含む塩基配列に相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを、
    (a)第二の遺伝子増幅反応により得られる第二の増幅産物を検出するためのプローブ、
    (b)第二の遺伝子増幅反応のための第二のプライマー対のうち、少なくとも一つのプライマー、
    のいずれかとして用いて前記第二の遺伝子増幅反応を行う工程と、
    (2)前記第二の遺伝子増幅反応により得られる第二の増幅産物を検出する工程とを含むことを特徴とするHCV遺伝子型判定方法。
  3. (1)配列番号1及び2で表される塩基配列を含む第一のプライマー対を用いた、第一の遺伝子増幅反応により得られる第一の増幅産物を鋳型として、
    配列番号3〜7のいずれかで表される塩基配列において、5塩基以上の連続した塩基配列からなり、42、50、63、64、65、69、88、89、91、92、94、95、98、102、108、109、125、129、130、131、133、134、136、180、193及び205番目のいずれかの塩基を含む塩基配列からなり、少なくとも1塩基がLNAからなるLNAプローブを、
    (a)第二の遺伝子増幅反応により得られる第二の増幅産物を検出するためのプローブ、
    (b)第二の遺伝子増幅反応のための第二のプライマー対のうち、少なくとも一つのプライマー、
    のいずれかとして用いて前記第二の遺伝子増幅反応を行う工程と、
    (2)前記第二の遺伝子増幅反応により得られる第二の増幅産物を検出する工程とを含むことを特徴とするHCV遺伝子型判定方法。
  4. (1)配列番号1及び2で表される塩基配列を含む第一のプライマー対を用いた、第一の遺伝子増幅反応により得られる第一の増幅産物を鋳型として、
    配列番号3〜7のいずれかで表される塩基配列において、5塩基以上の連続した塩基配列からなり、42、50、63、64、65、69、88、89、91、92、94、95、98、102、108、109、125、129、130、131、133、134、136、180、193及び205番目のいずれかの塩基を含む塩基配列に相補的な塩基配列からなり、少なくとも1塩基がLNAからなるLNAプローブを、
    (a)第二の遺伝子増幅反応により得られる第二の増幅産物を検出するためのプローブ、
    (b)第二の遺伝子増幅反応のための第二のプライマー対のうち、少なくとも一つのプライマー、
    のいずれかとして用いて前記第二の遺伝子増幅反応を行う工程と、
    (2)前記第二の遺伝子増幅反応により得られる第二の増幅産物を検出する工程とを含むことを特徴とするHCV遺伝子型判定方法。
  5. 少なくとも1つのLNAプローブが、配列番号8〜13のいずれかで表される塩基配列を含む請求項3に記載の方法。
  6. 少なくとも1つのLNAプローブが、配列番号8〜13のいずれかで表される塩基配列に相補的な塩基配列を含む請求項4に記載の方法。
  7. LNAプローブが、蛍光物質で標識されてなる請求項3から6のいずれかに記載の方法。
  8. LNAプローブが、消光物質で標識されてなる請求項3から7のいずれかに記載の方法。
  9. 第二の遺伝子増幅反応がPCR法である請求項3から8のいずれかに記載の方法。
  10. PCR法がリアルタイムPCR法である請求項9に記載の方法。
  11. 配列番号8及び12で表される塩基配列を含むLNAプローブを用いて、HCV遺伝子型が1a型であるか否かを判定する、請求項3から10のいずれかに記載の方法。
  12. 配列番号8及び13で表される塩基配列を含むLNAプローブを用いて、HCV遺伝子型が1b型であるか否かを判定する、請求項3から10のいずれかに記載の方法。
  13. 配列番号9及び12で表される塩基配列を含むLNAプローブを用いて、HCV遺伝子型が2a型であるか否かを判定する、請求項3から10のいずれかに記載の方法。
  14. 配列番号10及び12で表される塩基配列を含むLNAプローブを用いて、HCV遺伝子型が2b型であるか否かを判定する、請求項3から10のいずれかに記載の方法。
  15. 配列番号11で表される塩基配列を含むLNAプローブを用いて、HCV遺伝子型が3a型であるか否かを判定する、請求項3から10のいずれかに記載の方法。
  16. 配列番号8から13で表される塩基配列を含むLNAプローブを用いて、HCV遺伝子型が1a型、1b型、2a型、2b型及び3a型のいずれかであるかを同定する、請求項3から10のいずれかに記載の方法。
  17. 請求項3から16のいずれかに記載の方法を行うためのLNAプローブであって、
    配列番号3〜7のいずれかで表される塩基配列において、5塩基以上の連続した塩基配列からなり、42、50、63、64、65、69、88、89、91、92、94、95、98、102、108、109、125、129、130、131、133、134、136、180、193及び205番目のいずれかの塩基を含む塩基配列からなり、少なくとも1塩基がLNAからなるLNAプローブ。
  18. 請求項3から16のいずれかに記載の方法を行うためのLNAプローブであって、
    配列番号3〜7のいずれかで表される塩基配列において、5塩基以上の連続した塩基配列からなり、42、50、63、64、65、69、88、89、91、92、94、95、98、102、108、109、125、129、130、131、133、134、136、180、193及び205番目のいずれかの塩基を含む塩基配列に相補的な塩基配列からなり、少なくとも1塩基がLNAからなるLNAプローブ。
  19. 配列番号8〜13のいずれかで表される塩基配列を含む請求項17に記載のLNAプローブ。
  20. 配列番号8〜13のいずれかで表される塩基配列に相補的な塩基配列を含む請求項18に記載のLNAプローブ。
  21. 請求項3から16のいずれかに記載の方法を行うためのHCV遺伝子型判定キットであって、請求項17から20のいずれかに記載のLNAプローブを含むHCV遺伝子型判定キット。
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