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JP2008228198A - 再生音調整装置及び再生音調整方法 - Google Patents

再生音調整装置及び再生音調整方法 Download PDF

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JP2008228198A
JP2008228198A JP2007067148A JP2007067148A JP2008228198A JP 2008228198 A JP2008228198 A JP 2008228198A JP 2007067148 A JP2007067148 A JP 2007067148A JP 2007067148 A JP2007067148 A JP 2007067148A JP 2008228198 A JP2008228198 A JP 2008228198A
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Takeshi Arai
剛 荒井
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Abstract

【課題】 周囲音が再生音によりマスキングされることなく、再生音と周囲音と聞き分けることが容易となるように再生音を調整することが可能な再生音調整装置を提供する。
【解決手段】 マイク14は周囲音を検知して周囲音信号を生成する。フーリエ変換処理部15はその生成された周囲音信号をフーリエ変換することにより、この周囲音信号の周波数特性を取得する。周波数帯域特定部16は、上記取得された周囲音信号の周波数特性に基づいて、所定のn個の周波数帯域BW1〜BWnのうちの少なくとも1つの周波数帯域を、周囲音の特徴に関わる対象周波数帯域BWkとして特定する。補正パラメータ設定部17及び多バンドイコライザ11は、再生音と周囲音とが聞き分けられるように、再生音として再生される音声信号に対してこの特定された対象周波数帯域BWkにおけるゲインを変化させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、周囲にて発せられる音を含む周囲音に基づいて、再生され出力される再生音を調整する再生音調整装置及び再生音調整方法に関し、特に、テレビ、DVDプレーヤ、ラジオ、CDプレーヤ、MP3プレーヤ、電話機などに接続され、これら機器から出力される再生音を調整する再生音調整装置及び再生音調整方法に関する。
従来から知られたこの種の調整装置の一つは、周囲の雑音が大きいほど、再生音をそのスピーカからの音量が大きくなるように調整する(特許文献1参照)。すなわち、この調整装置は、周囲の雑音を集音するマイクと、その集音される定常的な雑音のレベルを検知する回路と、その検知された雑音レベルに応じて、スピーカにて再生される音声信号の増幅率を変更する回路とを有している。この装置によると、その雑音レベルが大きいほど、音声信号の増幅率が大きくなるように設定され、これによりスピーカからの再生音の音量が大きくなる。また、マイクロホンを一対として電話機の前面と背面とに配置して両マイクロホン入力を差動増幅器の差動入力端子に入力させた接話回路を設け、周囲音をマスキングする電話機(特許文献2参照)の提案もある。
特開平11−261355号公報 特開昭61−214852号公報
しかしながら、従来の特許文献1による再生音調整装置では、雑音が大きいとスピーカからの音量がより大きくされるため、この装置の近くから、再生音とは聞き分けられる必要のある音が発せられる場合、例えば、この装置の近くにいる他者が、再生音調整装置を通して再生される音楽を聴いている者に話しかける場合であっても、その装置の周囲で発せられる音は、スピーカからの大きくなるよう調整された再生音によりマスキングされてしまうことがある。また特許文献2等にみられる音声調整装置では、会話や再生音を優先させるために周囲音をマスキングさせる技術である。
本発明の目的は、周囲で発せられる音が再生音によりマスキングされることなく、また、周囲で発せられる音を完全にマスキングせずに、この周囲で発せられる音と再生音とを聞き分けることが容易となるように再生音を調整することが可能な再生音調整装置及び再生音調整方法を提供することである。
本発明に係る再生音調整装置は、再生され出力される再生音を周囲音に基づき調整するものであって、周囲音検知手段と、周囲音特性取得手段と、周波数帯域特定手段と、音声調整手段とを備えたことを特徴とする。ここにいう周囲音は、本再生音調整装置の周囲にて発せられる音を主に含む。
周囲音検知手段は周囲音を検知して周囲音信号を生成し、周囲音特性取得手段はその生成された周囲音信号の周波数特性を取得する。周波数帯域特定手段は、取得された周囲音信号の周波数特性に基づいて、所定の複数の周波数帯域のうちの少なくとも1つの周波数帯域を周囲音の特徴に関わる対象周波数帯域として特定する。音声調整手段は、特定された対象周波数帯域において、再生音として再生される音声信号のゲインを変化させる。
また、この再生音調整装置において、上記音声調整手段は、補正パラメータ設定手段とイコライザとを備えるものとしてよい。補正パラメータ設定手段は、上記周波数帯域特定手段により特定された対象周波数帯域における音声信号のゲインを補正する補正パラメータを設定する。イコライザは、その設定された補正パラメータに基づき、特定された対象周波数帯域にてゲインを増加させ又は減少させる。
さらに、(1)音声調整手段が補正パラメータ設定手段とイコライザとを含む上記再生音調整装置において、上記周波数帯域特定手段を次のように構成してよい。すなわち、周波数帯域特定手段は、上記対象周波数帯域として、周囲音の強度が極大又は極小となる周波数を含む周波数帯域を特定する。加えて、この再生音調整装置において、上記補正パラメータ設定手段は、周囲音の強度が極大となる周波数を含む対象周波数帯域にて音声信号のゲインを減少させるとともに、周囲音の強度が極小となる周波数を含む対象周波数帯域にて音声信号のゲインを増加させるように、上記補正パラメータを設定してもよい。
また、この(1)の再生音調整装置において、上記補正パラメータ設定手段は、上記周波数帯域特定手段により特定された対象周波数帯域における補正パラメータを、上記周囲音特性取得手段により取得された周囲音信号の周波数特性に基づき得られるこの対象周波数帯域における周囲音の強度と、予め指定された人の聴覚特性に基づき得られる対象周波数帯域における聴覚特性値とを用いて設定してよい。
加えて、(2)音声調整手段が補正パラメータ設定手段とイコライザとを含む上記再生音調整装置において、再生音特性取得手段を設け、上記周波数帯域特定手段を次のように構成してもよい。すなわち、再生音特性取得手段は、音声信号の周波数特性を取得する。周波数帯域特定手段は、上記対象周波数帯域として、その再生音特性取得手段により取得された音声信号の周波数特性、及び、上記周囲音特性取得手段により取得された周囲音信号の周波数特性に基づき、周囲音の強度と音声信号による再生音の強度との差分が極大又は極小となる周波数を含む周波数帯域を特定する。この再生音調整装置において、上記補正パラメータ設定手段は、周囲音の強度から音声信号による再生音の強度を差し引いた差分が極大となる周波数を含む対象周波数帯域にて音声信号のゲインを減少させるとともに、差分が極小となる周波数を含む対象周波数帯域にてゲインを増加させるように、上記補正パラメータを設定してもよい。
また、この(2)の再生音調整装置において、上記補正パラメータ設定手段は、上記周波数帯域特定手段により特定された対象周波数帯域における補正パラメータを、上記周囲音特性取得手段により取得された周囲音信号の周波数特性に基づき得られる対象周波数帯域における周囲音の強度、及び、上記再生音特性取得手段により取得された音声信号の周波数特性に基づき得られる対象周波数帯域における音声信号による再生音の強度を比較して得られる特性比較値と、予め指定された人の聴覚特性に基づき得られる対象周波数帯域における聴覚特性値とを用いて設定してもよい。
本発明に係る再生音調整方法は、再生され出力される再生音を調整するものであって、検知ステップと、第1の取得ステップと、特定ステップと、変化ステップとを備えたことを特徴とする。ここにいう周囲音は、本再生音調整装置の周囲にて発せられる音を主に含む。
検知ステップにおいては、周囲音が検知されて周囲音信号が生成され、第1の取得ステップにおいては、その生成された周囲音信号の周波数特性が取得される。特定ステップにおいては、取得された周囲音信号の周波数特性に基づいて、所定の複数の周波数帯域のうちの少なくとも1つの周波数帯域が、周囲音の特徴に関わる対象周波数帯域として特定される。変化ステップにおいては、特定された対象周波数帯域において、再生音として再生される音声信号のゲインが変化される。
この再生音調整方法においては、第2の取得ステップを備えるものとし、上記特定ステップを次のように構成してもよい。第2の取得ステップにおいては、音声信号の周波数特性が取得される。特定ステップにおいて、第2の取得ステップにて取得された音声信号の周波数特性、及び、第1の取得ステップにて取得された周囲音信号の周波数特性に基づき、周囲音の強度と音声信号による再生音の強度との差分が極大又は極小となる周波数を含む周波数帯域が、対象周波数帯域として特定される。
本発明によれば、周囲音の周波数特性、再生音の周波数特性等に基づいて、所定の複数の周波数帯域のうちで、周囲音の特徴に関わる周波数帯域が対象周波数帯域として特定され、再生音と周囲音とが容易に聞き分けられるように、再生音の音声信号に対してこの特定された対象周波数帯域におけるゲインが変化される。一例として、この対象周波数帯域は、マイクから出力される周囲音の強度から、音声信号による再生音の強度を差し引いた差分が極大となる周波数を含む周波数帯域として特定され、また、音声信号のゲインの変化は、その2つの音の強度の差分が極大となる周波数帯域にてゲインを減少させるように行われる。このため、従来の装置におけるように大音量の再生音により周囲音がマスキングされ、これによって聞き分けられる必要のある周囲音が聞き取れなくなるといった不都合が生ずることを避けることができる。
以下、本発明を実施するための最良の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
(第1の実施の形態)
図1は本発明による再生音調整装置の第1の実施の形態を示す。この再生音調整装置1は、周囲で発せられる音に基づいて再生音を調整しながら、この調整された後の再生音を再生する。同図1において、スピーカ12及びマイク14を除く各部11,13,15〜17の機能は、プログラムにより実現することができ、この場合、再生音調整装置1はマイクロプロセッサ、RAM、ROM、入出力インタフェースなどを含む装置となる。各部11,13,15などの全部又は一部をディジタル回路等により構成することもできる。
多バンドイコライザ11は、再生音として再生される音声信号に対し、n(nは2以上の整数)個の周波数帯域BW1〜BWnのそれぞれにおけるゲインを変化させることができる。ここでは、この音声信号を所定ビット数のディジタル信号とし、また、多バンドイコライザ11としてグラフィックイコライザを用いる。例えば、この多バンドイコライザ11では、25Hzから20kHzまでが所定周波数ごとに30個の周波数帯域BW1〜BW30に分割されており、各周波数帯域ごとにゲインを変化させることができる。多バンドイコライザ11としてパラメトリックイコライザを用いてもよい。本再生音調整装置1において、この多バンドイコライザ11における各周波数帯域ごとのゲインの調整は、再生音(音声信号)の周波数特性、及び、再生音調整装置1の周囲で発せられる音を含む周囲音(周囲音信号)の周波数特性に基づいて自動的に行われることになる。スピーカ12は、この多バンドイコライザ11にて各周波数帯域のゲインが調整された音声信号を適宜増幅して再生音を出力する。
フーリエ変換処理部13は、再生音となる音声信号を(離散)フーリエ変換することにより、この音声信号の周波数特性を取得する。マイク14は、再生音調整装置1の周囲の音を検知し周囲音信号を生成し、また、フーリエ変換処理部15は、この周囲音信号をフーリエ変換することにより、周囲音信号の周波数特性を取得する。ここにいう周囲音は、主として周囲で発せられる音の成分を含むが、その他に、本再生音調整装置1による調整後にスピーカ12から発せられる再生音の成分を含んでいる。
周波数帯域特定部16は、フーリエ変換処理部13にて取得された音声信号の周波数特性、及び、フーリエ変換処理部15にて取得された周囲音信号の周波数特性に基づき、多バンドイコライザ11にてゲインを変化させることのできるすべての周波数帯域BW1〜BWnのうちの少なくとも1つの周波数帯域を、周囲音の特徴に関わる対象周波数帯域BWk(kは2からnまでの整数)として特定する。補正パラメータ設定部17は、この特定された対象周波数帯域BWkにおける音声信号のゲインを補正する補正パラメータPkを設定する。多バンドイコライザ11は、対象周波数帯域BWkにて音声信号のゲインをこの補正パラメータPk分だけ増加させ又は減少させるようになっているから、これらの音声調整手段としての周波数帯域特定部16及び多バンドイコライザ11の動作によって、再生音と周囲音とが聞き分けられるようになる。
図2は周波数帯域特定部16における対象周波数帯域の特定、及び、補正パラメータ設定部17における補正パラメータの設定を説明するための図である。図2(a)、(b)では、実線がフーリエ変換後の再生音の強度を模式的に示し、破線がフーリエ変換後の周囲音の強度を模式的に示す。スピーカ12から発せられた再生音は、その強度がいく分減衰されて周囲音に含まれることを想定している。また、図2(b)では、一点鎖線が、ゲインが調整された後の再生音の強度を示す。本再生音調整装置1では、この図2(b)に示すように、周囲音が再生音から分離されるように、各周波数帯域における音声信号のゲインが補正パラメータにより調整される。
つまり、周波数fA,fCの近傍において周囲音の強度は極大(山、上へのピーク)となっており、また、周波数fBの近傍において周囲音の強度は極小(谷、下へのピーク)となっている。周波数帯域特定部16は、このような周囲音の特徴また周囲音の再生音に対する特徴等を抽出し、この特徴的な周波数を含む周波数帯域を対象周波数帯域として特定する。補正パラメータ設定部17は、このような周囲音の特徴が再生音から分離され強調されるように、具体的には、周波数fAを含む周波数帯域及び周波数fCを含む周波数帯域にて再生音のゲインを下げるように、また周波数fBを含む周波数帯域にて再生音のゲインを上げるように、ゲインを調整するための補正パラメータを設定する。
特に、上記図2において、周囲音の強度が極大となる周波数fA,fCの近傍にて再生音の強度は極小となっており、また、周囲音の強度が極小となる周波数fBの近傍にて再生音の強度は極大となっているが、これら以外の状況においても、多バンドイコライザ11は周囲音と再生音とを分離することができる。すなわち、例えば、周囲音の強度が極大となる周波数の近傍において、再生音の強度が極値をとっておらず、また、再生音の強度が極大となっている状況においても、多バンドイコライザ11は、周囲音と再生音との差が過度に大きくならないように再生音のゲインを調節して、周囲音と再生音とを分離することができる。
このような周囲音の特徴に関わる対象周波数帯域を特定するための処理の例について、詳細を説明する。図3はこの処理を説明するための図である。ここでは、周囲音の強度から再生音の強度を差し引いた差分を表す関数が、周波数fを引数とする特性比較関数B(f)として設定されており、同図3の一点鎖線がこの特性比較関数B(f)を表している。特性比較関数B(f)による特性比較値、すなわち周囲音の強度から再生音の強度を差し引いた差分は、周波数fA1,fC1にて極大となっており、また周波数fB1にて極小となっている。周波数帯域特定部16は、これら特性比較値の極値を抽出する。つまり、周波数帯域特定部16は、周囲音の強度から再生音の強度を差し引いた差分の微分値が0となる周波数を求める。この差分の微分値が正から負へと変化するか、負から正へと変化するかに応じて、その対応する差分値が極大値であるか、極小値であるかが求められる。そして、周波数帯域特定部16は、これら極値に対応する周波数帯域を特定する。周波数帯域特定部16は、この特定された対象周波数帯域について、この対象周波数帯域を特定するデータ、周囲音の強度を表すデータ、再生音の強度を表すデータなどを補正パラメータ設定部17に出力する。
補正パラメータ設定部17は、この特性比較値が極大となる周波数fA1を含む対象周波数帯域において減少させる再生音のゲインを補正パラメータPA1として設定し、特性比較値が極大となる周波数fC1を含む対象周波数帯域において減少させる再生音のゲインを補正パラメータPC1として設定する。また、特性比較値が極小となる周波数fB1を含む対象周波数帯域において増加させる再生音のゲインを補正パラメータPB1として設定する。ここでの補正パラメータの設定は、そのゲインの増減の対象とする対象周波数帯域の中心周波数、周囲音の強度、再生音の強度に基づき行うものとすることができる。
より詳細には、補正パラメータ設定部17は、次の数1に基づいて周波数(また上記周波数帯域BW1〜BWnの各々の中心周波数)fを引数とする補正関数G(f)を算出し、この補正関数G(f)により、この周波数fに対応する上記周波数帯域BW1〜BWnのいずれかの補正パラメータPkを設定するものとしてよい。
Figure 2008228198

ここで、kはゲイン調整の基準とする所定の定数である。関数A(f)及び関数B(f)は、それぞれ、所定のテーブル上にてfとの対応関係が記述されている。補正パラメータ設定部17は、適宜これらのテーブルを参照して補正関数G(f)を算出する。
関数A(f)は人の聴覚特性を考慮して定められる聴覚特性関数である。すなわち、聴覚特性関数A(f)は、実験又はシミュレーションにより低周波域、中周波域及び高周波域での人の聴力特性に合わせて調節されているものである。この聴覚特性関数Aの引数には、周波数に加えて、周囲音の強度と再生音の強度との差分の絶対値Dfを用いることとして、周囲音が再生音にマスキングされ難くなるように聴覚特性関数Aにおける聴覚特性値を予め設定しておくこともできる。たとえば、この絶対値Dfが所定の下限値より小さい場合には聴覚特性関数A(f)を0とし、絶対値Dfが所定の上限値より大きい場合には聴覚特性関数A(f)を一定の所定値とすることができる。このような聴覚特性関数A(f)の設定によると、人の聴覚特性に合わせてより適切に、補正パラメータを補正することができることになる。また、関数B(f)は上述のように周囲音の強度から再生音の強度を差し引いた差分を表す関数であるが、周囲音と再生音とを比較するために用いる他の所定の特性比較関数を設定してもよい。
そして、補正パラメータ設定部17は、特定された対象周波数帯域に隣接する隣接周波数帯域において、次のようにゲインが調整されるよう補正パラメータを設定する。図4はこの補正パラメータの設定を説明するための図である。例えば、周波数fAを含む対象周波数帯域BWkのゲイン減少幅gを基準として、この対象周波数帯域BWkの両側の隣接周波数帯域BWk-1,BWk+1にて、その基準とするゲイン減少幅gの90%だけゲインを減少させる。そして、さらにその両側の隣接周波数帯域BWk-2,BWk+2については、基準とするゲイン減少幅gの80%だけゲインを減少させ、これらを繰り返していく。すなわち、ゲインを最大限変化させる中央の対象周波数帯域BWkから、低周波側の隣接周波数帯域BWk-1、BWk-2、…へと、また、高周波側の隣接周波数帯域BWk+1、BWk+1へと、ゲインの変化分がなだらかになるように、補正パラメータ設定部17は補正パラメータを設定する。これにより、調整前の再生音の音質が可能な限り保たれることになる。
本再生音調整装置1によると、再生音の周波数特性及び周囲音の周波数特性に基づき、再生音に対する周囲音の特徴に関わる対象周波数帯域が特定され、再生音と周囲音とが容易に聞き分けられるように、その特定された対象周波数帯域にて音声信号のゲインが増加又は減少される。このため、従来の装置のように大音量の再生音により周囲音がマスキングされ、これによって周囲音が聞き取れなくなるといった不都合が生ずることを避けることができる。
例えば、テレビのニュースなどでアナウンサーがニュースを読んでいるときに、テレビの前にいる者が、このテレビを視聴している者に話しかけたとする。通常、このような状況では、アナウンサーの声と、テレビの前にいる者の声とが似た周波数帯で重なり合ってしまい、どちらかの声を聞き分けることが困難になることがある。本再生音調整装置1によると、テレビの前にいる者の声と、このアナウンサーの声とが分離され聞き分けられるように、テレビの前にいる者の声に応じてアナウンサーの声の音質が調整される。
(第2の実施の形態)
次に、本発明による再生音調整装置の第2の実施の形態を説明する。本実施の形態は、第1の実施の形態に対して、フーリエ変換処理部13を備えていない点が異なる。図5は周囲音の特徴に関わる周波数帯域を特定するための処理を説明するための図である。ここで説明する処理以外の処理に関わる構成、動作については上記第1の実施の形態に準ずる。周囲音の強度は、周波数fA2,fC2にて極大となっており、また周波数fB2にて極小となっている。周波数帯域特定部16はこれらの極値を抽出する。補正パラメータ設定部17は、この周囲音の強度が極大となる周波数fA2を含む周波数帯域、及び、極大となる周波数fC2を含む周波数帯域にて、再生音のゲインを所定ゲイン分だけ下げるように、また周囲音の強度が極小となる周波数fB2を含む周波数帯域にて、再生音のゲインを所定ゲイン分だけ上げるように補正パラメータを設定する。特に本再生音調整装置では、補正パラメータの設定に際して、再生音の周波数特性が用いられていないため、フーリエ変換処理部13でのような再生音のフーリエ変換を要しない。
本再生音調整装置によると、周囲音の周波数特性に基づきこの周囲音の特徴に関わる対象周波数帯域が特定され、再生音と周囲音とが容易に聞き分けられるように、その特定された対象周波数帯域において、再生される音声信号のゲインが増加又は減少される。本装置は、上述した第1の実施の形態より簡便な構成であるが、同様に、従来の装置により生じていた不都合を避けることができる。
(その他の実施の形態など)
以上、具体的な実施の形態によって本発明を説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更して実施することができる。上記実施の形態においては、人が音を感ずることができる周波数域をn個の周波数帯域に分け、多バンドイコライザ11は、これらのすべての周波数帯域でゲインを変化させることを想定した。これに対して、予め指定した特定の周波数帯域の範囲でのみゲインを変化させてもよい。例えば、本再生音調整装置を自動車に搭載する場合、救急車のサイレン音(警告音)の特徴に応じた特定の周波数帯域の範囲でのみゲインを変化させることが可能である。この装置によると、音楽を再生している間に救急車のサイレンが鳴ると、そのサイレン音に合わせて、再生されている音楽の音質が調整されるため、ドライバはサイレン音に容易に気付くことができる。加えて、所定の入力部及び設定部を設け、入力部にて受け付けられたユーザの入力に基づき、設定部がこの特定の周波数帯域の範囲を設定するものとしてもよい。
上記実施の形態においては、再生音調整装置は、一部の周波数帯域にてゲインが変化された再生音を出力するスピーカ12を有しているが、この再生音をヘッドフォン又はイヤフォンから出力してもよい。この場合、ヘッドフォン又はイヤフォンの背面側(耳に当てる側と反対側)にマイク14を設けた場合は、マイク14で拾われる周囲音には、ヘッドフォン等から出力される再生音が混ざり込むことはほとんどない。また、マイク14がスピーカ12からの再生音を拾わないように、つまり可能な限り周囲音が再生音を含まないように(例えばテレビの視聴距離であるところのテレビからの距離が2〜3m程度の範囲を会話領域としてその領域の指向感度を上げる等)、マイク14の指向性、スピーカ12及びマイク14の配置等を設定することができる。これらの場合においても、上記数1における特性比較関数B(f)として、周囲音の強度から再生音の強度を差し引いた差分を表す関数を用いることが有効である。さらに、例えば、この特性比較関数B(f)に付加する項として、スピーカの出力特性、マイクの入力特性、受聴する部屋の音響特性、再生音調整装置の振動により発生する音の特性に基づくものを設定してもよい。これら特性に基づく付加項によりよりきめ細かな補正パラメータの設定を行うことができる。
また、周波数特性比較部16は、第1の実施の形態では周囲音の強度と再生音の強度との差分により、また第2の実施の形態では周囲音の強度により、再生音のゲインを増減させる周波数帯域(上記周波数帯域BW(k))を特定した。周囲音の強度と再生音の強度とを他の手法により用いて、すなわち周囲音の強度と再生音の強度とから任意の関数を構成し、この関数の特性に基づき周波数帯域を特定することができる。この周波数帯域を特定するための関数を補正パラメータと同様の関数とし、また異なる関数とすることもできる。
上記実施の形態において、補正パラメータ設定部17は、図4に示したように周囲音の強度が極大となる周波数帯域にて、再生音のゲインを所定ゲイン分だけゲインの変化分がなだらかに下がるように補正パラメータを設定した。これとは異なり、制御を簡単にするため、この周波数帯域にて、補正パラメータ設定部17は、再生音のゲインが0となるように補正パラメータを設定してもよい。
本発明の第1の実施の形態としての再生音調整装置の構成を示すブロック図である。 周波数帯域特定部16及び補正パラメータ設定部17の動作を説明するための図である。 周波数帯域特定部16における処理の詳細を説明するための図である。 補正パラメータ設定部17による隣接周波数帯域に対する補正パラメータの設定を説明するための図である。 第2の実施の形態の再生音調整装置における周波数帯域特定部16での処理の詳細を説明するための図である。
符号の説明
1・・・再生音調整装置
11・・・多バンドイコライザ
12・・・スピーカ
13・・・フーリエ変換処理部(再生音特性取得手段)
14・・・マイク(周囲音検出手段)
15・・・フーリエ変換処理部(周囲音特性取得手段)
16・・・周波数帯域特定部
17・・・補正パラメータ設定部

Claims (10)

  1. 周囲にて発せられる音を含む周囲音に基づいて、再生され出力される再生音を調整する再生音調整装置において、
    前記周囲音を検知して周囲音信号を生成する周囲音検知手段と、
    前記生成された周囲音信号の周波数特性を取得する周囲音特性取得手段と、
    前記取得された周囲音信号の周波数特性に基づいて、所定の複数の周波数帯域のうちの少なくとも1つの周波数帯域を前記周囲音の特徴に関わる対象周波数帯域として特定する周波数帯域特定手段と、
    前記特定された対象周波数帯域において、前記再生音として再生される音声信号のゲインを変化させる音声調整手段と、
    を備えたことを特徴とする再生音調整装置。
  2. 前記音声調整手段は、
    前記周波数帯域特定手段により特定された前記対象周波数帯域における前記音声信号のゲインを補正する補正パラメータを設定する補正パラメータ設定手段と、
    前記設定された補正パラメータに基づき、前記特定された対象周波数帯域にて前記ゲインを増加させ又は減少させるイコライザとを備えたことを特徴とする請求項1に記載の再生音調整装置。
  3. 前記周波数帯域特定手段は、
    前記対象周波数帯域として、前記周囲音の強度が極大又は極小となる周波数を含む周波数帯域を特定することを特徴とする請求項2に記載の再生音調整装置。
  4. 前記補正パラメータ設定手段は、
    前記周囲音の強度が極大となる周波数を含む対象周波数帯域にて前記音声信号のゲインを減少させるとともに、当該周囲音の強度が極小となる周波数を含む対象周波数帯域にて当該音声信号のゲインを増加させるように、前記補正パラメータを設定することを特徴とする請求項3に記載の再生音調整装置。
  5. 前記補正パラメータ設定手段は、
    前記周波数帯域特定手段により特定された対象周波数帯域における前記補正パラメータを、前記周囲音特性取得手段により取得された前記周囲音信号の周波数特性に基づき得られる当該対象周波数帯域における前記周囲音の強度と、予め指定された人の聴覚特性に基づき得られる当該対象周波数帯域における聴覚特性値とを用いて設定することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の再生音調整装置。
  6. 前記音声信号の周波数特性を取得する再生音特性取得手段を備え、
    前記周波数帯域特定手段は、
    前記対象周波数帯域として、前記再生音特性取得手段により取得された前記音声信号の周波数特性、及び、前記周囲音特性取得手段により取得された前記周囲音信号の周波数特性に基づき、前記周囲音の強度と当該音声信号による再生音の強度との差分が極大又は極小となる周波数を含む周波数帯域を特定することを特徴とする請求項2に記載の再生音調整装置。
  7. 前記補正パラメータ設定手段は、
    前記周囲音の強度から前記音声信号による再生音の強度を差し引いた差分が極大となる周波数を含む対象周波数帯域にて当該音声信号のゲインを減少させるとともに、当該差分が極小となる周波数を含む対象周波数帯域にて当該ゲインを増加させるように、前記補正パラメータを設定することを特徴とする請求項6に記載の再生音調整装置。
  8. 前記補正パラメータ設定手段は、
    前記周波数帯域特定手段により特定された対象周波数帯域における前記補正パラメータを、前記周囲音特性取得手段により取得された前記周囲音信号の周波数特性に基づき得られる当該対象周波数帯域における前記周囲音の強度、及び、前記再生音特性取得手段により取得された前記音声信号の周波数特性に基づき得られる当該対象周波数帯域における当該音声信号による再生音の強度を比較して得られる特性比較値と、予め指定された人の聴覚特性に基づき得られる当該対象周波数帯域における聴覚特性値とを用いて設定することを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の再生音調整装置。
  9. 周囲にて発せられる音を含む周囲音に基づいて、再生され出力される再生音を調整する再生音調整方法において、
    前記周囲音を検知して周囲音信号を生成する検知ステップと、
    前記生成された周囲音信号の周波数特性を取得する第1の取得ステップと、
    前記取得された周囲音信号の周波数特性に基づいて、所定の複数の周波数帯域のうちの少なくとも1つの周波数帯域を前記周囲音の特徴に関わる対象周波数帯域として特定する特定ステップと、
    前記特定された対象周波数帯域において、当該再生音として再生される音声信号のゲインを変化させる変化ステップと、
    を備えたことを特徴とする再生音調整方法。
  10. 前記音声信号の周波数特性を取得する第2の取得ステップを備え、
    前記特定ステップにおいては、前記第2の取得ステップにおいて取得された音声信号の周波数特性、及び、前記第1の取得ステップにおいて取得された周囲音信号の周波数特性に基づき、前記周囲音の強度と当該音声信号による再生音の強度との差分が極大又は極小となる周波数を含む周波数帯域が、前記対象周波数帯域として特定されることを特徴とする請求項9に記載の再生音調整方法。
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