JP2008218030A - 燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】出力変動を低減することができる燃料電池を提供する。
【解決手段】空気極と燃料極との間に電解質膜を配置した膜電極接合体を有する起電部と、前記空気極に隣接して配置されたカソード導電層と、前記燃料極に隣接して配置されたアノード導電層と、前記起電部に燃料を供給する燃料分配機構と、を具備する燃料電池であって、前記燃料分配機構から前記燃料極に供給される燃料の拡散エネルギーを低減させる燃料拡散エネルギー低減手段を、前記燃料分配機構から前記燃料極までの間に有することを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】空気極と燃料極との間に電解質膜を配置した膜電極接合体を有する起電部と、前記空気極に隣接して配置されたカソード導電層と、前記燃料極に隣接して配置されたアノード導電層と、前記起電部に燃料を供給する燃料分配機構と、を具備する燃料電池であって、前記燃料分配機構から前記燃料極に供給される燃料の拡散エネルギーを低減させる燃料拡散エネルギー低減手段を、前記燃料分配機構から前記燃料極までの間に有することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、携帯機器の動作に有効な平面配置の燃料電池に係り、特に内部気化型直接メタノール燃料電池に関する。
近年、パーソナルコンピュータ、携帯電話等の各種電子機器は、半導体技術の発達と共に小型化され、燃料電池をこれらの小型機器用の電源に用いることが試みられている。燃料電池は、燃料と酸化剤を供給するだけで発電することができ、燃料のみを補充・交換すれば連続して発電できるという利点を有している。このため、小型化が出来れば携帯電子機器の作動に極めて有利なシステムといえる。特に直接メタノール燃料電池(DMFC;Direct Methanol Fuel Cell)は、エネルギー密度の高いメタノールを燃料に用い、メタノールから電極触媒上で直接電流を取り出せるため、小型化が可能であり、また燃料の取り扱いも水素ガス燃料に比べて容易なことから小型機器用電源として有望であることから、携帯電話、携帯オーディオ、携帯ゲーム機、ノートパソコンなどのコードレス携帯機器に最適な電源としてその実用化が期待されている。
DMFCの燃料の供給方法としては、液体燃料を気化してからブロア等で燃料電池内に送り込む気体供給型DMFC、液体燃料をそのままポンプ等で燃料電池内に送り込む液体供給型DMFC、および液体燃料をセル内で気化させる内部気化型DMFC等が知られている。
このうち内部気化型DMFCは、例えば特許文献1および特許文献2に記載されているように、アノード、カソード、プロトン伝導性の電解質膜からなる膜電極接合体(MEA;Membrane Electrode Assembly)と、液体燃料を収容する燃料室と、アノードと燃料室との間に配置された気化室と、燃料室と気化室との間を仕切る気液分離膜とを備えている。
内部気化型DMFCでは、燃料室に注入された液体燃料が気化した燃料ガス(メタノール蒸気)は、気液分離膜を透過し、気化室中を拡散してアノードに供給される。アノードでは、下式(1)の反応に従って、燃料ガスと水とが電気化学反応を生じて二酸化炭素(CO2)とプロトン(H+;水素イオンともいう)と電子(e−)を生じ、アノードで生じたプロトンはプロトン伝導性膜を透過してカソードに拡散する。カソードでは下式(2)の反応に従って、大気中の酸素(O2)と、プロトン伝導性膜を透過してきたプロトンと、アノードから外部回路を通ってカソードに流れてきた電子とが電気化学反応を生じて水(H2O)を生成する。カソードで生成した水は、一部がプロトン伝導性膜を通してアノードに拡散し、式(1)の反応に使われる。このようにして、外部から水を補給することなくアノードとカソードにおいて継続して反応を生じさせることができる。
CH3OH+H2O → CO2+6H++6e− …(1)
O2+4H++4e− → 2H2O …(2)
特表2005−518646号公報
米国特許2006/0029851 A1
O2+4H++4e− → 2H2O …(2)
しかし、従来の内部気化型DMFCでは、カソードからアノードに拡散してきた水の一部が液体または気体(水蒸気)の形で徐々に気化室へ拡散していく。このとき、水蒸気は気液分離膜を透過して燃料室に侵入し、燃料室内の液体燃料の濃度は発電を続けているうちに低下していくことになる。液体燃料の濃度が下がると液体燃料の蒸気圧が低下し、すなわち単位時間当たりに液体燃料が気化して燃料ガスになる量が減少するので、結果としてMEAに供給される燃料ガスの量が減少する。この結果、MEAで発電できる単位時間あたりの電力(出力)が低下することになる。
そこで、出力低下の防止のために、ポンプ等の補器を用いて100%メタノール液の供給量を強制的に増加させ、燃料の濃度を高めようとすると、図6に示す出力特性に示す。図6において、縦軸は平均出力を1として経時変化に対しての出力を相対値で示したものであり、横軸は時間を示す。図6に示すように発電出力が大きく変動して、一定の出力を安定して発電することができない。すなわち、ポンプにより液体燃料をこまめに間欠的に送液するにも拘わらず、燃料を送液したときは出力が大幅に上昇し、燃料の供給量を絞ったときは出力が大幅に低下する。このような出力の変動は、燃料電池が薄型化すればするほどさらに顕著になることが予想されている。したがって、内部気化型DMFCにおいて出力を安定化させることは最重要課題の一つとなっている。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、出力の変動を抑制することができる燃料電池を提供することを目的とする。
本発明に係る燃料電池は、空気極と燃料極との間に電解質膜を配置した膜電極接合体を有する起電部と、前記空気極に隣接して配置されたカソード導電層と、前記燃料極に隣接して配置されたアノード導電層と、前記起電部に燃料を供給する燃料分配機構と、を具備する燃料電池であって、前記燃料分配機構から前記燃料極に供給される燃料の拡散エネルギーを低減させる燃料拡散エネルギー低減手段を、前記燃料分配機構から前記燃料極までの間に有することを特徴とする。
上記の燃料拡散エネルギー低減手段は、燃料の流動を妨げる抵抗部材、および/または、流動するうちに燃料のもつ拡散エネルギーを弱めるための気液分離膜から燃料極のアノード触媒層までの間の緩衝距離L1とすることができる。抵抗部材には、燃料の気化成分が通過しうる開口または孔を有する有孔板(多孔板)または多孔質体からなるフィルムを用いることができる。
抵抗部材を用いる場合は、流体が拡散するために有効な有効拡散係数を決定する気孔率または開口率を10%以上80%以下とする有孔板または多孔質体を抵抗部材として用いることが好ましい。多孔率または開口率が10%未満になると、発電反応に必要とされる燃料の絶対供給量が不足して、出力が著しく低下するからである。一方、多孔率または開口率が80%を超えると、フィルム積層材としての機械的強度が不足するとともに、燃料の拡散エネルギーを奪って低減させるという本発明の効果を奏することが難しくなるからである
緩衝距離L1を用いる場合は、緩衝距離L1を2mm以下とすることが好ましい。この場合に、さらに、気液分離膜からアノードガス拡散層までの距離L2を0.5mm以上とすることが望ましい。緩衝距離L1が2mmを超えると、装置が大型化し、携帯機器を薄型化する目的に反するからである。一方、距離L2が0.5mm未満になると、緩衝作用が低下して本発明の効果を奏することができなくなるからである。
緩衝距離L1を用いる場合は、緩衝距離L1を2mm以下とすることが好ましい。この場合に、さらに、気液分離膜からアノードガス拡散層までの距離L2を0.5mm以上とすることが望ましい。緩衝距離L1が2mmを超えると、装置が大型化し、携帯機器を薄型化する目的に反するからである。一方、距離L2が0.5mm未満になると、緩衝作用が低下して本発明の効果を奏することができなくなるからである。
上記の燃料分配機構は、燃料収容部と流路を介して燃料が導入され、膜電極接合体へ燃料を供給するための複数の燃料供給口を有する燃料分配機構を採用することができる。あるいは、上記燃料分配機構は、燃料収容部と流路を介して燃料が導入され、膜電極接合体へ燃料を供給するための燃料拡散材を配置した構成を採用することができる。上記の燃料拡散エネルギー低減手段により、燃料収容部から間欠的に送られてくる液体燃料の衝撃からアノード触媒層を有効に保護することができる。
本発明の燃料電池に使用される液体燃料は、燃料濃度が50モル%を超える高濃度メタノール水溶液または純メタノール液であることが望ましい。燃料濃度が50モル%以下では出力が低下しやすく、液体燃料の供給頻度が増加するからである。
本発明によれば、バラツキの少ない安定した発電出力が得られるようになり、携帯電話、携帯オーディオ、携帯ゲーム機、ノートパソコンなどのコードレス携帯機器などに優れた電源を提供することができる。
以下、添付の図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
先ず、燃料電池システムの全体概要について図1乃至図3を参照して説明する。燃料電池システム30は、図2に示すように、直接メタノール燃料電池(DMFC)として発電出力する燃料電池部35と、燃料電池部の補助電源として機能する二次電池部36とを備えている。燃料電池部35は、燃料電池1、燃料収容部50およびポンプ31を備えている。二次電池部36は、制御回路32およびリチウム二次電池37を備えている。ポンプ31は燃料収容部50から燃料電池1まで間の流路に設けられ、リチウム二次電池37を電源として制御回路32により動作を制御されるようになっている。
先ず、燃料電池システムの全体概要について図1乃至図3を参照して説明する。燃料電池システム30は、図2に示すように、直接メタノール燃料電池(DMFC)として発電出力する燃料電池部35と、燃料電池部の補助電源として機能する二次電池部36とを備えている。燃料電池部35は、燃料電池1、燃料収容部50およびポンプ31を備えている。二次電池部36は、制御回路32およびリチウム二次電池37を備えている。ポンプ31は燃料収容部50から燃料電池1まで間の流路に設けられ、リチウム二次電池37を電源として制御回路32により動作を制御されるようになっている。
燃料電池1は、外側が外装ケース21で覆われ、内部にセル構造体20が収納されている。外装ケース21の端部は燃料分配機構11の本体にかしめ加工され、これによりセル構造体20と外装ケース21とが一体化されている。セル構造体20の内部の適所にはOリング8a,8bが設けられ、外装ケース21とセル構造体20との間がシールされ、内部の燃料が外部に漏れ出さないようにされている。
セル構造体20は、短冊状の複数の単電極(単位セル)を有する多極構造の発電要素である。複数の単電極は、ほぼ同一平面上に並んで配置され、直列に電気接続されている。単電極の各々は、膜電極接合体(MEA)10、集電体としてのカソード導電層7aおよびアノード導電層7bを備えている。カソード導電層7aの側には保湿板19が設けられ、外気の空気の通過を阻害せず、外部からの微笑の埃や異物の混入、さらには接触などを防止するようになっている。この保湿板19としては、好ましくは気孔率が例えば20〜60%の多孔性フィルムなどが用いられる。なお、空気導入のために、外装ケース21の主面に複数の通気孔22が開口している。空気は、通気孔22を通って内部に入り、保湿板19を透過して、膜電極接合体10のカソード触媒層2に供給される。
セル構造体20の内部には種々のフレームや部材によって各種のスペースや間隙が形成されている。それらのスペースや間隙のうち、アノード側のスペースは液溜め40および気化室42等として用いられ、カソード側のスペースには保湿板19が収納されている。燃料分配機構11の適所、例えば燃料分配機構11の底面あるいは側面において図示しない燃料導入口12が開口している。
膜電極接合体10は、カソード触媒層2及びカソードガス拡散層4からなる空気極(カソード極)と、アノード触媒層3及びアノードガス拡散層5からなる燃料極(アノード極)と、カソード触媒層2とアノード触媒層3の間に配置されるプロトン伝導性の電解質膜6とを備えている。カソード触媒層2及びアノード触媒層3に含有される触媒としては、例えば、白金族元素の単体金属(Pt、Ru、Rh、Ir、Os、Pd等)、白金族元素を含有する合金などを挙げることができる。アノード触媒には、メタノールや一酸化炭素に対する耐性の強いPt−Ru、カソード触媒には、白金を用いることが望ましいが、これに限定されるものでは無い。また、炭素材料のような導電性担持体を使用する担持触媒を使用しても、あるいは無担持触媒を使用してもよい。
電解質膜6は、アノード触媒層3において発生したプロトンをカソード触媒層2に輸送するためのものであり、電子伝導性を持たず、プロトンを輸送することが可能な材料により構成されている。例えば、スルホン酸基を有するフッ素系樹脂(例えば、パーフルオロスルホン酸重合体)、スルホン酸基を有するハイドロカーボン系樹脂、タングステン酸やリンタングステン酸などがあげられるが、具体的には、デュポン社製のナフィオン膜(登録商標)、旭硝子社製のフレミオン膜(登録商標)、あるいは旭化成工業社製のアシプレックス膜(登録商標)などにより構成されている。なお、ポリパーフルオロスルホン酸系の樹脂膜以外にも、トリフルオロスチレン誘導体の共重合膜、リン酸を含浸させたポリベンズイミダゾール膜、芳香族ポリエーテルケトンスルホン酸膜、あるいは脂肪族炭化水素系樹脂獏などプロトンを輸送可能な電解質膜6を構成するようにしてもよい。
カソード触媒層2はカソードガス拡散層4上に積層され、かつアノード触媒層3はアノードガス拡散層5上に積層されている。カソードガス拡散層4はカソード触媒層2に酸化剤を均一に供給する役割を担うものであるが、カソード触媒層2の集電体も兼ねている。一方、アノードガス拡散層5はアノード触媒層3に燃料を均一に供給する役割を果たすと同時に、アノード触媒層3の集電体も兼ねている。カソード導電層7aの内側の面はカソードガス拡散層4に接し、アノード導電層7bの内側の面はアノードガス拡散層5に接している。これらのカソード導電層7a及びアノード導電層7bには、例えば金などの電気特性と化学安定性に優れた金属材料からなる多孔質層(例えばメッシュ)をそれぞれ使用することができる。
矩形枠状のカソードシール材8aは、カソード導電層7aと電解質膜6との間に位置すると共に、カソード触媒層2及びカソードガス拡散層4の周囲を囲んでいる。一方、矩形枠状のアノードシール材8bは、アノード導電層7bと電解質膜6との間に位置すると共に、アノード触媒層3及びアノードガス拡散層5の周囲を囲んでいる。カソードシール材8a及びアノードシール材8bは、膜電極接合体10からの燃料漏れ及び酸化剤漏れを防止するためのOリングである。フレーム29は、膜電極接合体10と燃料拡散エネルギー低減手段としての抵抗部材28との間隙を確保するために配置されている。
膜電極接合体10のアノード側にはカバープレート(外装ケース)21が設けられている。カバープレート21は、膜電極接合体10を燃料電池1内の所定の位置に位置決め支持するための支持部材である。カバープレート21には複数の通気孔22が開口している。
気液分離膜27は、液体燃料(例えばメタノール溶液)の気化成分のみを透過させて、液体燃料そのものは透過させない性質を有するものである。これにより液溜め40と気化室42とが仕切られている。気液分離膜27には例えばシリコンシートやPTFE膜などの多孔膜を用いる。ここで、液体燃料の気化成分とは、液体燃料として液体のメタノールを使用した場合は気化したメタノールを意味し、液体燃料としてメタノール水溶液を使用した場合にはメタノールの気化成分と水の気化成分からなる混合ガスを意味する。気化室42は、気液分離膜27を透過してきた気化燃料を一時的に収容しておく蒸気溜りとして機能する。この気化室内に燃料拡散エネルギー低減手段としての抵抗部材28が設けられている。
抵抗部材28は、燃料の気化成分が通過しうる開口(又は孔)を有する樹脂フィルムからなり、気化室42内で流動しようとする気化燃料から拡散エネルギーを奪い取り、気化燃料からアノード触媒層3(アノードガス拡散層5)が受ける衝撃力を緩和し、一度に多量の気化燃料がアノード触媒層3に供給されるのを回避して、メタノールクロスオーバーの発生を抑える。なお、抵抗部材28の開口率(多孔質体である場合は気孔率)は、燃料電池の発電規模などに応じてその適正値が様々に変動するため、その値を特定することは困難であるがあえて望ましい数値範囲を示せば10〜80%である。抵抗部材28の開口率が10%未満になると発電反応に必要とされる燃料の絶対供給量が不足して、出力が著しく低下するからである。一方、抵抗部材28の開口率が80%を超えると、フィルム積層材としての機械的強度が不足するとともに、燃料の拡散エネルギーを奪って低減させるという本発明の効果を奏することが難しくなるからである。
図1に示すように、気液分離膜27からアノード触媒層3までの緩衝距離L1を2mm以下とすることが好ましい。緩衝距離L1が2mmを超えると、装置が大型化し、携帯機器を薄型化する目的に反するからである。さらに、気液分離膜27からアノードガス拡散層5までの距離L2を0.5mm以上とすることが望ましい。距離L2が0.5mm未満になると、緩衝作用が低下して本発明の効果を奏することができなくなるからである。
ポンプ31の種類は特に限定されるものではないが、少量の液体燃料を制御性よく送液することができ、さらに小型軽量化が可能という観点から、電気浸透流ポンプ(EOポンプ)、ロータリーポンプ(ロータリーベーンポンプ)、ダイアフラムポンプ、しごきポンプ等を使用することが好ましい。電気浸透流ポンプは電気浸透流現象を起こすシリカ等の焼結多孔体を用いたものである。電気浸透流ポンプは上述の特許文献2などに記載されている。ロータリーポンプはモータで羽を回転させて送液するものである。ダイアフラムポンプは電磁石や圧電セラミックスによりダイアフラムを駆動して送液するものである。しごきポンプは柔軟性を有する燃料流路の一部を圧迫し、燃料をしごき送るものである。これらのうち、駆動電力や大きさ等の観点から、電気浸透流ポンプや圧電セラミックスを有するダイアフラムポンプを使用することがより好ましい。
ポンプ31の送液量は燃料電池1の主たる対象物が小型電子機器であることから、10μL/分〜1mL/分の範囲とすることが好ましい。送液量が1mL/分を超えると一度に送液される液体燃料の量が多くなりすぎて、全運転期間に占めるポンプ31の停止時間が長くなる。このため、セル構造体20への燃料の供給量の変動が大きくなり、その結果として出力の変動が大きくなる。これを防止するためのリザーバをポンプ31と燃料分配機構11との間に設けてもよいが、そのような構成を適用しても燃料供給量の変動を十分に抑制することはできず、さらに装置サイズの大型化等を招いてしまう。
一方、ポンプ31の送液量が10μL/分未満であると、装置立ち上げ時のように燃料の消費量が増える際に供給能力不足を招くおそれがある。これによって、燃料電池31の起動特性等が低下する。このような点から、10μL/分〜1mL/分の範囲の送液能力を有するポンプ31を使用することが好ましい。ポンプ31の送液量は10〜200μL/分の範囲とすることがより好ましい。このような送液量を安定して実現する上でも、ポンプ31には電気浸透流ポンプやダイアフラムポンプを適用することが好ましい。
燃料分配機構11の内部に積層された液体燃料含浸層を設けるようにしてもよい。液体燃料含浸層として、例えば多孔質ポリエステル繊維、多孔質オレフィン系樹脂等多硬質繊維や、連続気泡多孔質体樹脂が好ましい。液体燃料含浸層は、燃料供給源の液体燃料が減少した場合や燃料電池本体が傾斜して載置され燃料供給が偏った場合においても、気液分離膜27に均等に液体燃料が供給され、その結果、アノード触媒層3に均等に気化された液体燃料を供給することが可能となる。ポリエステル繊維以外にも、アクリル酸系の樹脂などの各種吸水性ポリマーにより構成してもよく、スポンジまたは繊維の集合体など液体の浸透性を利用して液体を保持することができる材料により構成する。本液体燃料含浸部は,本体の姿勢に関わらず適量の燃料を供給するのに有効である。
なお、液体燃料としては、必ずしもメタノール燃料に限られるものではなく、例えばエタノール水溶液や純エタノール等のエタノール燃料、プロパノール水溶液や純プロパノール等のプロパノール燃料、グリコール水溶液や純グリコール等のグリコール燃料、ジメチルエーテル、ギ酸、もしくはその他の液体燃料であってもよい。いずれにしても、燃料電池に応じた液体燃料が使用される。特に燃料濃度が80モル%を超えるメタノール水溶液または純メタノール液であることが好適である。
次に、本発明の実施例と比較例とを対比しながら本発明の効果を説明する。
図5は実施例として図3に示す本発明の燃料電池(抵抗部材有り)の出力特性を示す図、図6は比較例として図4に示す従来の燃料電池(抵抗部材無し)の出力特性を示す図である。図5及び図6において、縦軸は平均出力を1として経時変化に対しての出力を相対値で示したものであり、横軸は時間を示す。
両図を対比してみると、図5の出力特性線Pの変動幅W1のほうが図6の出力特性線Qの変動幅W2よりも小さく、出力が極めて安定している。本実施例では出力の変動幅を比較例のそれの最大約40〜50%まで低減することができた。
表1に本実施例の燃料電池を構成する各部の材質、厚み、多孔率、開口率をそれぞれ示す。なお、ここで「多孔率」というときは抵抗部材に多孔質体を用いた場合をいい、「開口率」というときは抵抗部材に有孔板を用いた場合をいう。
気液分離膜27は厚さ0.01mmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)シートからなるものである。
燃料拡散エネルギー低減手段としての抵抗部材28は厚さ1.5mmのポリエチレンテレフタレート(PET)シートからなる孔を有する樹脂フィルムである。抵抗部材28には開口率が25%になるように複数の孔が開口形成されている。抵抗部材28の材料として、PET以外の他の樹脂、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、塩化ビニル、フッ素ゴム、エチレン-プロピレン三量体(EPDM)等の、燃料に冒されず且つ可撓性を有する柔軟な材料を用いることができる。
次に、本発明を適用可能な種々の燃料供給方式の燃料電池について図7〜図12を参照してそれぞれ説明する。なお、図1及び図3と同様の構成については、その説明は割愛する。
図7に示すように、燃料電池1Aは、セル構造体20と、セル構造体20に燃料を供給する燃料分配機構11と、液体燃料が一時的に滞留する空隙部(液溜め)40と、燃料分配機構11を燃料供給源50に接続する流路51と、流路51に設けられたポンプ31と、気液分離膜燃料分配機構11気液分離膜からセル構造体20(アノード触媒層3)までの間に配置された燃料拡散エネルギー低減手段としての抵抗部材28とを備えている。
図7に示す燃料電池1Aにおいて、燃料分配機構11からセル構造体20に供給された燃料は発電反応に使用され、その後に循環して燃料分配機構11あるいは燃料収容部50に戻されることはない。このタイプの燃料電池1Aは燃料を循環させないことから、従来のアクティブ方式とは異なる方式であり、装置の小型化等を損なうものではない。また、液体燃料の供給にポンプ31を使用しており、従来の内部気化型のような純パッシブ方式とも異なるため、この方式の燃料電池1はいわばセミパッシブ型と呼ぶことができる。
さらに、燃料分配機構11とアノードガス拡散層5との間には、燃料拡散エネルギー低減手段としての抵抗部材28が挿入されている。抵抗部材28の材料には各種の多孔質の樹脂フィルムを用いることができる。このような抵抗部材28を配置することによって、アノード触媒層3に対する燃料の流動衝撃が緩和される。
外装ケース21は酸化剤としての空気を取入れるための複数の通気孔22を有している。外装ケース21とカソードとの間には保湿板19や表面層(図示せず)が設けられる。保湿板19は、カソード触媒層2で生成された水の一部を吸収して水の蒸散を抑制すると共に、カソード触媒層2への空気の均一拡散を促進するものである。表面層は空気の取入れ量を調整するものであり、空気の取入れ量に応じて個数や大きさ等が調整された複数の空気導入口(図示せず)を有している。
燃料収容部50には、セル構造体20に対応した液体燃料49が収容されている。
セル構造体20のアノード(燃料極)側には、燃料分配機構11が配置されている。燃料分配機構11は流路51により燃料収容部50に接続されている。燃料分配機構11には燃料供給源50から流路51を介して液体燃料が導入される。流路51は燃料分配機構11や燃料収容部50と独立した配管に限られるものではない。例えば、燃料分配機構11と燃料収容部50とを積層して一体化する場合、これらを繋ぐ液体燃料の流路であってもよい。燃料分配機構11は流路51を介して燃料収容部50と接続されていればよい。
燃料分配機構11は、図8に示すように、液体燃料49が流路51を介して流入する少なくとも1個の燃料導入口12と、液体燃料やその気化成分を排出する複数個の燃料供給口14とを有する燃料分配板(流路板)13を備えている。燃料分配板13の内部には燃料導入口12から導かれた液体燃料の通路となる液溜め(空隙)40が設けられている。複数の燃料供給口14は燃料通路として機能する液溜め40にそれぞれ直接接続されている。
燃料導入口12から燃料分配機構11に導入された液体燃料は液溜め40に入り、この液溜め40を介して複数の燃料供給口14にそれぞれ導かれる。複数の燃料供給口14には、例えば液体燃料の気化成分のみを透過し、液体成分は透過させない気液分離膜(図示せず)が配置されており、これによりセル構造体20のアノード(燃料極)には液体燃料の気化成分が供給される。従って、液体燃料の気化成分は複数の燃料供給口14からアノードの複数個所に向けて排出される。
燃料供給口14はセル構造体20の全体に燃料を供給することが可能なように、燃料分配板13のアノードと接する面に複数設けられている。燃料供給口14の個数は2個以上であればよいが、セル構造体20の面内における燃料供給量を均一化する上で、0.1〜10個/cm2の燃料供給口14が存在するように形成することが好ましい。燃料供給口14の個数が0.1個/cm2未満であると、セル構造体20に対する燃料供給量を十分に均一化することができない。燃料供給口14の個数を10個/cm2を超えて形成しても、それ以上の効果が得られない。
燃料分配機構11から放出された燃料は、上述したようにセル構造体20のアノード(燃料極)に供給される。セル構造体20内において、燃料はアノードガス拡散層5にて拡散してアノード触媒層3に供給される。液体燃料としてメタノール燃料を用いた場合、アノード触媒層3で下式(1)に示すメタノールの内部改質反応が生じる。なお、メタノール燃料として純メタノールを使用した場合には、カソード触媒層2で生成した水や電解質膜6中の水をメタノールと反応させて下式(1)の内部改質反応を生起させる。あるいは、水を必要としない他の反応機構により内部改質反応を生じさせる。
CH3OH+H2O → CO2+6H++6e- …(1)
この反応で生成した電子(e-)は集電体を経由して外部に導かれ、いわゆる電気として携帯用電子機器等を動作させた後、カソード(空気極)に導かれる。また、式(1)の内部改質反応で生成したプロトン(H+)は電解質膜6を経てカソードに導かれる。カソードには酸化剤として空気が供給される。カソードに到達した電子(e-)とプロトン(H+)は、カソード触媒層2で空気中の酸素と下式(2)にしたがって反応し、この反応に伴って水が生成する。
この反応で生成した電子(e-)は集電体を経由して外部に導かれ、いわゆる電気として携帯用電子機器等を動作させた後、カソード(空気極)に導かれる。また、式(1)の内部改質反応で生成したプロトン(H+)は電解質膜6を経てカソードに導かれる。カソードには酸化剤として空気が供給される。カソードに到達した電子(e-)とプロトン(H+)は、カソード触媒層2で空気中の酸素と下式(2)にしたがって反応し、この反応に伴って水が生成する。
6e-+6H++(3/2)O2 → 3H2O …(2)
上述した燃料電池の発電反応において、発電する電力を増大させるためには触媒反応を円滑に行わせると共に、セル構造体20の電極全体をより有効に発電に寄与させることが重要となる。このような点に対して、セル構造体20に対して燃料を供給する燃料供給口14が1箇所の場合には、燃料排出口近傍の燃料濃度は発電に十分な濃度となるものの、燃料供給口14から離れるにつれて燃料濃度が急速に低下する。このため、燃料電池全体で見た場合の平均出力は、燃料の供給が少ない部分の影響を受けて低い値に留まってしまう。
上述した燃料電池の発電反応において、発電する電力を増大させるためには触媒反応を円滑に行わせると共に、セル構造体20の電極全体をより有効に発電に寄与させることが重要となる。このような点に対して、セル構造体20に対して燃料を供給する燃料供給口14が1箇所の場合には、燃料排出口近傍の燃料濃度は発電に十分な濃度となるものの、燃料供給口14から離れるにつれて燃料濃度が急速に低下する。このため、燃料電池全体で見た場合の平均出力は、燃料の供給が少ない部分の影響を受けて低い値に留まってしまう。
燃料濃度を高めるための手段としては、液体燃料の供給量を増加させることが考えられる。しかし、単に液体燃料の供給量を増加させた場合、燃料排出口近傍の燃料濃度が上がりすぎて、燃料が反応することなく空気極へ流れてしまうクロスオーバーと呼ばれる現象が発生する。クロスオーバーは燃費の低下、空気極での燃料の直接反応に伴う電圧低下、それによる出力低下等の原因となる。
また、燃料極に接する面に液体燃料が流れる溝を形成し、その部分に液体燃料を流すことも試みられており、大型の燃料電池では実用化されている。しかし、この手法では溝を液体燃料が流れるにつれて、反応により燃料が順次消費されるため、燃料濃度が減少して出力の低下を十分に抑制することができない。さらに、従来は燃料を流すために循環ポンプが使用されているため、装置の大型化が避けられない。
この実施形態の燃料電池1Aにおいては、上述したように複数の燃料供給口14を有する燃料分配機構11を適用している。燃料分配機構11に導入された液体燃料は空隙部40を介して複数の燃料供給口14に導かれる。燃料分配機構11の液溜め40はバッファとして機能するため、複数の燃料供給口14からそれぞれ規定濃度の燃料が排出される。そして、複数の燃料供給口14はセル構造体20の全面に燃料が供給されるように配置されているため、セル構造体20に対する燃料供給量を均一化することができる。すなわち、アノード(燃料極)の面内における燃料の分布が平準化され、セル構造体20での発電反応に必要とされる燃料を全体的に過不足なく供給することができる。従って、燃料電池1の大型化や複雑化等を招くことなく、セル構造体20で効率的に発電反応を生起させることができる。これによって、燃料電池1Aの出力を向上させることが可能となる。
上記実施の形態で用いた燃料分配機構11はその内部に設けられた液溜め40から燃料を複数の燃料供給口14に分配している。このため、厳密には燃料導入口12に近い側の温度が若干高く、奥に行くに従って温度が低下する現象が観察される。また、燃料電池1を傾斜させた場合には重力の影響等から傾斜方向によって温度分布が変化し、下側の部分の反応が高くなる傾向が観察される。実用上はこれでも十分な性能を得ることができるが、さらに出力を改善するためには、図9および図10に示すように、燃料導入口12と小径の複数の燃料供給口14とを細管41で連通させた燃料分配機構11Aを用いることが好ましい。
図9および図10に示す燃料分配機構11Aは、液体燃料が流入する少なくとも1つの燃料導入口12と、液体燃料またはその気化成分をセル構造体20に供給する複数の燃料供給口14とを有する燃料分配板(流路板)13Aを備えている。燃料分配板13Aの内部には、液体燃料の通路として機能する細管41が形成されている。液溜め41の一端(始端部)には燃料導入口12が設けられている。液溜め41は途中で複数に分岐しており、これら分岐した細管41の各終端部に燃料供給口14がそれぞれ設けられている。細管41は例えば内径が0.05〜5mmの貫通孔であることが好ましい。
燃料導入口12から燃料分配機構11に導入された液体燃料49は、複数に分岐した細管41を介して複数の燃料供給口14にそれぞれ導かれる。なお、図9および図10に示す燃料分配機構11Aは、その内部の燃料通路として細管41を用いる以外は図8に示した燃料分配機構11と同様な構成を有している。このような構造の燃料分配機構11Aを使用することによって、燃料導入口12から燃料分配機構11内に注入された液体燃料49を方向や位置に拘わりなく、複数の燃料供給口14に均等に分配することができる。従って、セル構造体20の面内における発電反応の均一性をより一層高めることが可能となる。
さらに、細管41で燃料導入口12と複数の燃料供給口14とを接続することによって、燃料電池1の特定箇所により多くの燃料を供給するような設計が可能となる。例えば、装置装着上の都合から燃料電池1Bの半分の部位の放熱がよくなってしまうような場合、従来では温度分布が生じてしまい、平均出力の低下が避けられない。これに対して、細管41の形成パターンを調整し、予め放熱のよい部分に燃料供給口14を密に配置することによって、その部分での発電に伴う発熱を多くすることができる。これによって、面内の発電度合いを均一化することができ、出力低下を抑制することが可能となる。
なお、液体燃料を燃料収容部50から燃料分配機構11,11Aまで送る機構は特に限定されるものではない。例えば、使用時の設置場所が固定される場合には、重力を利用して液体燃料を燃料収容部50から燃料分配機構11,11Aまで落下させて送液することができる。また、多孔体等を充填した流路51を用いることによって、毛細管現象で燃料収容部50から燃料分配機構11,11Aまで送液することができる。また、燃料分配機構11,11Aから膜電極接合体10への燃料供給が行われる構成であればポンプ31に代えて燃料遮断バルブを配置する構成とすることも可能である。この場合には、燃料遮断バルブは、流路による液体燃料の供給を制御するために設けられるものである。
燃料供給用(送液用)のポンプ31の制御は、燃料電池1Bの出力を参照して行うことが好ましい。図9において、燃料電池1Bの出力は制御回路32で検出され、この検出結果に基づいてポンプ31に制御信号が送られる。ポンプ31は制御回路32から送られる制御信号に基づいてオン/オフが制御される。ポンプ31の動作は燃料電池1Bの出力に加えて、温度情報や電力供給先である電子機器の運転状態情報等に基づいて制御することで、より安定した運転が達成できる。
ポンプ31の具体的な動作制御方法としては、例えば燃料電池1Bからの出力が所定の規定値より高くなった場合にポンプ31を停止または送液量を低下させ、出力が規定値より低くなった場合にポンプ31の運転を再開または送液量を増加させる方法が挙げられる。別の動作制御方法としては、燃料電池1Bからの出力の変化率がプラスの場合にポンプ31の運転を停止または送液量を低下させ、出力の変化率がマイナスになった場合にポンプ31の運転を再開または送液量を増加させる方法が挙げられる。
さらに、燃料電池としての安定性や信頼性を高めるために、図11に示すようにポンプ31と直列に燃料遮断バルブ33を配置することが好ましい。図11ではポンプ31と燃料分配機構11との間の流路51に燃料遮断バルブ33を挿入した構造を示している。燃料遮断バルブ33はポンプ31と燃料供給源50との間に設置しても機能上の支障はない。
ただし、燃料遮断バルブ33をポンプ31と燃料収容部50との間の流路51に設置した場合、例えば長期保管時にポンプ31の燃料が枯渇(蒸発)すると、燃料収容部50からの液体燃料の吸出し機能に支障が生じるおそれがある。このようなことから、燃料遮断バルブ33はポンプ31と燃料分配機構11との間の流路51に設置し、長期保管時等におけるポンプ31からの液体燃料の蒸発を防止することが好ましい。
このように、燃料収容部50と燃料分配機構11との間に燃料遮断バルブ33を挿入することによって、燃料電池1Cの未使用時にも不可避的に発生する微量な燃料の消費や上述したポンプ再運転時の吸い込み不良等を回避することができる。これらは燃料電池1Cの実用上の利便性の向上に大きく貢献するものである。
さらに、燃料遮断バルブ33は前述した第1の実施形態の燃料電池1に対しても有効である。例えば、図1、図3、図7、図9に示した燃料電池において、燃料分配機構11と燃料供給源50とを接続する流路51に燃料遮断バルブ33を挿入する。このような構成を適用することによって、セル構造体20に対する燃料の供給を制御し、燃料電池1の出力制御性を高めることができる。この場合の燃料遮断バルブ33の動作制御は、上述したポンプ31の動作制御と同様に実施することができる。
この燃料電池1Dにおいては、燃料収容部50や流路51に燃料収容部50内の圧力を外気とバランスさせるバランスバルブを装着することが好ましい。燃料収容部50にバランスバルブ60を設置した燃料電池1Dを図12に示す。バランスバルブ60は、燃料収容部50内の圧力に応じてバルブ可動片61を動作させるスプリング62と、バルブ可動片61をシールして閉状態とするシール部63とを有している。
燃料収容部50から液体燃料が燃料分配機構11に供給され、燃料収容部50の内圧が減圧状態になると、バランスバルブ60のバルブ可動片61が外圧を受け、スプリング62の反発力に打ち勝ってシール部63が開放される。このバランスバルブ60の開放状態に基づいて、外気が内外圧力差を減少するよう導入される。内外の圧力差が解消されると、再度バルブ可動片61が移動して、シール部63が密閉される。
このように動作するバランスバルブ60を燃料収容部50等に設置することによって、液体燃料の供給に伴って発生する燃料収容部50の内圧低下に起因する送液量の変動を抑制することができる。すなわち、燃料収容部50内が減圧状態になると、ポンプ31による液体燃料の吸い込みが不安定になり、送液量が変動しやすくなる。このような送液量の変動をバランスバルブ60を設置することで解消することができる。従って、燃料電池1Dの動作安定性を向上させることが可能となる。なお、バランスバルブ60を流路51に設置する場合には、燃料収容部50とポンプ31との間に挿入することが好ましい。
上述した各実施形態の液体燃料49は、各種の液体燃料を使用した場合に効果を発揮し、液体燃料の種類や濃度は限定されるものではない。ただし、複数の燃料供給口14を有する燃料分配機構11の機能がより顕在化するのは燃料濃度が濃い場合である。このため、各実施形態の燃料電池は、濃度が80%以上のメタノールを液体燃料として用いた場合に、その性能や効果を特に発揮することができる、従って、各実施形態は濃度が80%以上のメタノールを液体燃料として用いた燃料電池に適用することが好ましい。
以上、種々の実施の形態を挙げて説明したが、本発明は上記各実施の形態のみに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
膜電極接合体へ供給される液体燃料の蒸気においても、全て液体燃料の蒸気を供給してもよいが、一部が液体状態で供給される場合であっても本発明を適用することができる。
1,1A,1B,1C,1D…燃料電池、
2…カソード触媒層、3…アノード触媒層、
4…カソードガス拡散層、5…アノードガス拡散層、
6…電解質膜(プロトン伝導膜)、
7a…カソード導電層(正極集電体)、
7b…アノード導電層(負極集電体)、
8a,8b…Oリング(シール部材)、
10…膜電極接合体(MEA)、
11…燃料分配機構、
12…燃料導入口、
13…流路板、
14…燃料供給口、
19…保湿板、
20…セル構造体、
21…外装ケース(カバープレート)、
22…通気孔、
27…気液分離膜、
28…抵抗部材(燃料拡散エネルギー低減手段)、
L1…緩衝距離(燃料拡散エネルギー低減手段)、
29…フレーム、
30…燃料電池システム、
31…ポンプ、
32…制御回路、
33…遮断バルブ、
33A…ラッチバルブ、
35…燃料電池部、36…二次電池部、37…リチウム二次電池、
40…液溜め、41…細管、42…気化室
49…液体燃料、50…燃料収容部、51…流路、60…バランスバルブ。
2…カソード触媒層、3…アノード触媒層、
4…カソードガス拡散層、5…アノードガス拡散層、
6…電解質膜(プロトン伝導膜)、
7a…カソード導電層(正極集電体)、
7b…アノード導電層(負極集電体)、
8a,8b…Oリング(シール部材)、
10…膜電極接合体(MEA)、
11…燃料分配機構、
12…燃料導入口、
13…流路板、
14…燃料供給口、
19…保湿板、
20…セル構造体、
21…外装ケース(カバープレート)、
22…通気孔、
27…気液分離膜、
28…抵抗部材(燃料拡散エネルギー低減手段)、
L1…緩衝距離(燃料拡散エネルギー低減手段)、
29…フレーム、
30…燃料電池システム、
31…ポンプ、
32…制御回路、
33…遮断バルブ、
33A…ラッチバルブ、
35…燃料電池部、36…二次電池部、37…リチウム二次電池、
40…液溜め、41…細管、42…気化室
49…液体燃料、50…燃料収容部、51…流路、60…バランスバルブ。
Claims (11)
- 空気極と燃料極との間に電解質膜を配置した膜電極接合体を有する起電部と、前記空気極に隣接して配置されたカソード導電層と、前記燃料極に隣接して配置されたアノード導電層と、前記起電部に燃料を供給する燃料分配機構と、を具備する燃料電池であって、
前記燃料分配機構から前記燃料極に供給される燃料の拡散エネルギーを低減させる燃料拡散エネルギー低減手段を、前記燃料分配機構から前記燃料極までの間に有することを特徴とする燃料電池。 - 前記燃料分配機構は、燃料収容部と流路を介して燃料が導入され、前記膜電極接合体へ燃料を供給するための複数の燃料供給口を有することを特徴とする請求項1または2いずれか1項記載の燃料電池。
- 前記燃料分配機構は、燃料収容部と流路を介して燃料が導入され、前記膜電極接合体へ燃料を供給するための燃料拡散材を配置していることを特徴とする請求項1または2いずれか1項記載の燃料電池。
- 前記燃料分配機構と前記燃料極との間に、前記燃料分配機構からの燃料の気化成分を燃料供給部に送るための気液分離膜を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の燃料電池。
- 前記燃料拡散エネルギー低減手段は、燃料の流動を妨げる抵抗部材であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の燃料電池。
- 前記燃料拡散エネルギー低減手段は、流動するうちに燃料のもつ拡散エネルギーを弱めるための前記気液分離膜から前記燃料極までの間の緩衝距離L1であることを特徴とする請求項4記載の燃料電池。
- 前記燃料拡散エネルギー低減手段は、燃料の流動を妨げる抵抗部材、および、流動するうちに燃料のもつ拡散エネルギーを弱めるための前記気液分離膜から前記燃料極までの間の緩衝距離L1であることを特徴とする請求項4記載の燃料電池。
- 前記抵抗部材は、流体が拡散するために有効な有効拡散係数を決定する気孔率または開口率を10%以上80%以下とする有孔板または多孔質体であることを特徴とする請求項5または7のいずれか1項記載の燃料電池。
- 前記緩衝距離L1を2mm以下とすることを特徴とする請求項6または7のいずれか1項記載の燃料電池。
- 前記気液分離膜から前記燃料極のガス拡散層までの距離L2を0.5mm以上とすることを特徴とする請求項9記載の燃料電池。
- 前記燃料は、燃料濃度が80モル%を超えるメタノール水溶液または純メタノール液であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項記載の燃料電池。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2007050137A JP2008218030A (ja) | 2007-02-28 | 2007-02-28 | 燃料電池 |
Applications Claiming Priority (1)
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| JP2007050137A JP2008218030A (ja) | 2007-02-28 | 2007-02-28 | 燃料電池 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2008218030A true JP2008218030A (ja) | 2008-09-18 |
Family
ID=39837853
Family Applications (1)
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Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2008218030A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2012128238A1 (ja) * | 2011-03-24 | 2012-09-27 | シャープ株式会社 | 燃料電池 |
| JP2012204064A (ja) * | 2011-03-24 | 2012-10-22 | Sharp Corp | 燃料電池 |
-
2007
- 2007-02-28 JP JP2007050137A patent/JP2008218030A/ja active Pending
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| JP2012204064A (ja) * | 2011-03-24 | 2012-10-22 | Sharp Corp | 燃料電池 |
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