JP2008212144A - アルコール脱水素酵素、これをコードする遺伝子、およびそれを用いた光学活性(r)−3−キヌクリジノールの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】以下の(1)から(3)に示す生化学的性質を有する酵素が提供される:(1)作用;還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)を補酵素として、3−キヌクリジノンまたはその塩を不斉還元し、(R)−3−キヌクリジノールを生成する;(2)基質特異性;3−キヌクリジノン、p−トルキノンおよびα−ナフトキノンに作用し、その相対活性が、3−キヌクリジノン、p−トルキノンおよびα−ナフトキノンの順に高い;および(3)至適温度;pH7で反応させる場合、温度40〜45℃において作用が至適である。酵素はまた、特定なアミノ酸配列またはその改変配列を含み得る。当該酵素を利用して、高収率で高い光学純度の光学活性(R)−3−キヌクリジノールを製造することができる。
【選択図】なし
Description
(1)作用:還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)を補酵素として、3−キヌクリジノンまたはその塩を不斉還元し、(R)−3−キヌクリジノールを生成する;
(2)基質特異性:3−キヌクリジノン、p−トルキノンおよびα−ナフトキノンに作用し、その相対活性が、3−キヌクリジノン、p−トルキノンおよびα−ナフトキノンの順に高い;および
(3)至適温度:pH7で反応させる場合、温度40〜45℃において作用が至適である。
(a)配列番号2に記載のアミノ酸配列;
(b)配列番号2に記載のアミノ酸配列において1もしくは複数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加されたアミノ酸配列;または
(c)配列番号2に記載のアミノ酸配列と85%以上の相同性を有するアミノ酸配列。
(i)配列番号1に記載の塩基配列を有するポリヌクレオチド;
(ii)配列番号1に記載の塩基配列に相補的な塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ3−キヌクリジノンを不斉的に還元して(R)−3−キヌクリジノールを生成する活性を有する酵素をコードする、ポリヌクレオチド;または
(iii)配列番号1に記載の塩基配列と少なくとも60%の配列同一性を有する塩基配列を有し、かつ3−キヌクリジノンを不斉的に還元して(R)−3−キヌクリジノールを生成する活性を有する酵素をコードする、ポリヌクレオチド。
本発明は、3−キヌクリジノン不斉還元酵素を提供する。この酵素は、アルコール脱水素酵素であり、還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)を補酵素として、3−キヌクリジノンまたはその塩を不斉還元し、(R)−3−キヌクリジノールを生成する能力を有する。本発明の酵素は、NADPHを補酵素として利用しない。補酵素としては、(R)−3−キヌクリジノールの生成能が発揮できれば、NADPHを除きNADH以外の一般に知られているものを併用してもよい。
A.形態
(1)細胞の形 桿菌
(2)細胞の大きさ 0.6〜0.7μm×1.5〜2.5μm
(3)運動性の有無 −
(4)グラム染色 −
(5)胞子形成 −
B.標準寒天平板培養における生育状態
クリーム色、光沢有り、正円、スムーズ、低凸状
C.生理学的性質
(1)硝硝酸塩の還元性 −
(2)脱窒反応 −
(3)インドールの生成 −
(4)澱粉の加水分解 −
(5)クエン酸の利用 −
(6)ウレアーゼ活性 +
(7)オキシダーゼ活性 +
(8)カタラーゼ活性 +
(9)生育の範囲
温度:37℃ +;41℃ −;45℃ −
(10)酸素に対する態度 好気性
(11)アミノ酸の分解
リジン −
アルギニン −
オルニチン −
(12)カゼインの分解性 −
(13)ゼラチンの分解性 −
(14)嫌気性培地における発育性 −
(15)マッコンキー培地生育性 +
(16)糖類の利用と生産性
L−アラビノース +
D−キシロース +
D−グルコース +
D−マンノース +
D−フラクトース +
D−ガラクトース +
マルトース +
スクロース +
ラクトース +
トレハロース +
D−マンニット +
イノシット +
エタノール +
(17)エスクリン加水分解 +
(18)グルコン酸の酸化 −
上で説明した本発明の3−キヌクリジノン不斉還元酵素をコードするポリヌクレオチドもまた、本発明に含まれる。本発明のポリヌクレオチドは、DNA、RNAなどの天然のポリヌクレオチドに加え、人工的なヌクレオチド誘導体を含む人工的な分子であり得る。また、本発明のポリヌクレオチドは、DNA−RNAのキメラ分子であり得る。
本発明のベクターは、上記のポリヌクレオチドを含む。本発明の形質転換体は、本発明のベクターを発現可能に保持する。
本発明の3−キヌクリジノン不斉還元酵素(上記の精製酵素または粗精製酵素の両方を含む)、該酵素を生産する微生物(上記形質転換体をも含む)、または該微生物もしくは形質転換体の培養液もしくは処理物を、3−キヌクリジノンまたはその塩に作用させることにより、(R)−3−キヌクリジノールまたはその塩が効率よく生成される。「3−キヌクリジノンまたはその塩」とは、その窒素原子において有機酸、鉱酸などと塩を形成しているものもまた、上記3−キヌクリジノン不斉還元酵素による3−キヌクリジノンの不斉還元に使用できることを意図する。具体的には、有機酸塩としては酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、フマル酸、マロン酸、シュウ酸などの脂肪族有機酸塩、安息香酸等の芳香族有機酸塩などが挙げられる。鉱酸塩としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩などが挙げられる。以下の説明において「3−キヌクリジノン」とのみ表示している場合も、上記のような3−キヌクリジノンの塩が使用可能である。
反応液中の3−キヌクリジノンの定量および還元反応により生成した3−キヌクリジノールの定量ならびに光学純度の測定は、以下の分析条件を用いて、ガスクロマトグラフィーにより行った。
カラム:gamma-DEX120(長さ:30m、内径:0.25mmID;スペルコ社製)
カラム初期温度:140℃(10分)
インジェクター温度:220℃
検出器温度:220℃
キャリアーガス:ヘリウム(200kPa)
検出器:FID
アグロバクテリウム・ツメファシエンスNK1株(独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに寄託され、平成18年12月26日に受託番号FERM P−21144が付与された株)は、土壌より分離した株である。この株を予め、培地(グルコース20g/L、酵母エキス(日本製薬製)3g/L、ポリペプトン(日本製薬製)5g/L、レンダーエキス(ミクニ化学産業製)3g/L、硫酸アンモニウム2g/L、硫酸マグネシウム・7水和物0.5g/L、リン酸ニ水素カリウム1.0g/L、pH7.0)で、28℃にて前培養しておいた。
2mL容量のエッペンドルフチューブに0.2mLの0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)を入れ、そして3−キヌクリジノン・塩酸塩、NAD+、グルコース脱水素酵素(GLUCDH Amano II、アマノエンザイム製)、およびグルコースを、それぞれ終濃度300mM、0.9mM、14U/mL、および450mMとなるように添加した。さらに、5.6mgの実施例1の乾燥菌体を添加し、25℃にて転倒攪拌することにより、5時間反応を行った。
5mLの0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)に、0.5gの実施例1の乾燥菌体、6mgのNAD+、1mgのグルコース脱水素酵素(GLUCDH Amano II、アマノエンザイム製)、0.5gの3−キヌクリジノン塩酸塩、および0.8gのグルコースを添加し、25℃でスターラー攪拌することにより、反応を行った。反応中、pHスタットにより48%(w/v)KOHを滴下しながら、生成するグルコン酸を中和した。19時間の反応後、反応液100μLをサンプリングし、100μLの飽和炭酸カリウム水溶液、および200μLのクロロホルムを添加して攪拌し、そして得られたクロロホルム層をガスクロマトグラフィーで分析した。その結果、変換率は99%であり、そして得られた(R)−3−キヌクリジノールの光学純度は88.3%eeであった。
以下の方法に従って、実施例1と同じアグロバクテリウム・ツメファシエンスNK1株より、3−キヌクリジノンを不斉的に還元して(R)−3−キヌクリジノールを生成する活性を有する酵素を、電気泳動的に単一に精製した。
培地(グルコース1%(w/v)、ペプトン1.5%(w/v)、酵母エキス0.1%(w/v)、リン酸水素二カリウム0.3%(w/v)、硫酸マグネシウム・7水和物0.02(w/v)%、塩化ナトリウム0.2%(w/v)、pH7)12,500mLを調製し、2L容の坂口フラスコに500mLずつ分注して、121℃で20分間蒸気殺菌した。実施例1と同じアグロバクテリウム・ツメファシエンスNK1株を予め同培地で前培養した。この微生物培養液を上記蒸気殺菌した培地に10mLずつ接種し、28℃で48時間振盪培養した。この培養液から遠心分離(8,000rpm、20分間、4℃)により菌体を集めた。菌体を0.85%塩化ナトリウム水溶液で2回洗浄し、そして遠心分離して回収した。
湿菌体84.5gを170mLの10mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)に懸濁し、そして30分間の超音波処理により菌体を破砕した。この菌体破砕物から遠心分離(10,000rpm、20分間、4℃)にて菌体残渣を取り除き、無細胞抽出液195mLを得た。
無細胞抽出液に60%(w/v)飽和となるように硫酸アンモニウムを添加し、これを溶解させ、次いで生じた沈殿を遠心分離により集めた。この沈澱を、0.1M塩化ナトリウムを含む10mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)に溶解し、同一緩衝液で透析した。
得られた粗酵素液を、0.1M塩化ナトリウムを含む10mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)で予め平衡化したDEAE-Sephacel(GEヘルスケアバイオサイエンス社製)樹脂600mLに添加した。濾過し、同一緩衝液で樹脂を洗浄し、1M塩化ナトリウムを含む10mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)で活性画分を溶出させた。
得られた活性画分を集め、限外濾過(Amicon YM-10、ミリポア社製)により脱塩濃縮および4M塩化ナトリウムを含む10mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)への置換を行った。同緩衝液で平衡化したPhenyl Superose HR 10/10(GE製)カラムに上記酵素液の5分の1量を添加した。同緩衝液でカラムを洗浄し、そして4Mから0Mまでの塩化ナトリウムのリニアグラジエントにより、活性画分を溶出させた。残りの酵素液についても、同じ操作を4回繰り返した。
得られた活性画分を集め、限外濾過(Amicon YM-10、ミリポア社製)により脱塩濃縮した。予め0.2M塩化ナトリウムを含む10mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)で平衡化したSuperdex 200 HR 10/30カラム(GE製)に上記酵素液の8分の1量を添加し、同一緩衝液で活性画分を溶出させた。残りの酵素液についても、同じ操作を7回繰り返した。
得られた活性画分を集め、限外濾過(Amicon YM-10、ミリポア社製)により脱塩濃縮および0.1M塩化ナトリウムを含む10mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)への置換を行った。最終的に2mLに濃縮した。0.1M塩化ナトリウムを含む10mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)で予め平衡化したMonoQ HR 5/5 カラム(GEヘルスケアバイオサイエンス社製)に上記酵素液の2分の1量を添加した。同緩衝液でカラムを洗浄し、そして0.1Mから0.5Mまでの塩化ナトリウムのリニアグラジエントにより、活性画分を溶出させた。残りの酵素液についても、同じ操作を繰り返した。
得られた活性画分を集め、限外濾過(Amicon YM-10、ミリポア社製)により脱塩濃縮および0.1M塩化ナトリウムを含む10mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)への置換を行った。最終的に2.5mLに濃縮した。0.1M塩化ナトリウムを含む10mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)で予め平衡化したMonoQ HR 5/5(GEヘルスケアバイオサイエンス社製)カラムに得られた濃縮液を添加し、同緩衝液でカラムを洗浄し、そして0.1Mから0.5Mまでの塩化ナトリウムのリニアグラジエントにより、活性画分を溶出させた。
得られた活性画分を集め、限外濾過(Amicon YM-10、ミリポア社製)により脱塩濃縮および0.1M塩化ナトリウムを含む10mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)への置換を行った。最終的に0.8mLに濃縮した。0.1M塩化ナトリウムを含む10mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)で予め平衡化したMiniQ PC 3.2/3(GEヘルスケアバイオサイエンス社製)カラムに上記酵素液の4分の1量を添加し、同緩衝液でカラムを洗浄し、そして0.1Mから0.25Mまでの塩化ナトリウムのリニアグラジエントにより、活性画分を溶出させた。残りの酵素液についても、同じ操作を3回繰り返した。
得られた活性画分を集め、限外濾過(Amicon YM-10、ミリポア社製)により脱塩濃縮および0.1M塩化ナトリウムを含む10mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)への置換を行った。最終的に0.2mLに濃縮した。0.1M塩化ナトリウムを含む10mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)で予め平衡化したMiniQ PC 3.2/3(GEヘルスケアバイオサイエンス社製)カラムに得られた濃縮液を添加し、同緩衝液でカラムを洗浄し、そして0.1Mから0.25Mまでの塩化ナトリウムのリニアグラジエントにより、活性画分を溶出させた。活性画分を集め、SDS−PAGEにより解析した。その結果、単一バンドであることが確認できた。精製酵素の3−キヌクリジノンに対する比活性は132U/mgであった。
実施例4で得た精製酵素の酵素学的性質について検討した。酵素活性の測定のための標準的な反応条件は以下の通りであった。0.2Mリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)中に、基質3−キヌクリジノン・塩酸塩0.618mM、補酵素NADH 0.32mM、および酵素を含む反応液を用いた。反応は、基質を含まない反応液を37℃で保温し、そして2分後に基質を添加することにより、開始させた。反応に伴うNADHの減少を340nmの波長の吸光度変化で測定した。酵素活性は、1分間に1マイクロモルのNADHをNAD+に変換させる酵素量を1単位(U)とした。
実施例4で得られた精製酵素を8M尿素存在下で変性させ、アクロモバクター由来のリジルエンドペプチダーゼ(和光純薬製)で消化した。得られた消化物を、予め0.1%(v/v)トリフルオロ酢酸溶液で平衡化した逆相カラムμRPC C2/C8 SC2.1/10(GE社製)に添加し、アセトニトリルのリニアグラジエント(0から80%)により分離し、ペプチドK27、ペプチドK31、およびペプチドK35を得た。精製酵素ならびに分取したこの3種のペプチドをそれぞれプロテインシーケンサー(Applied Biosystems製、model 491 HT)により配列解析した。精製酵素のN末端、ペプチドK27、ペプチドK31、およびペプチドK35のアミノ酸配列は、それぞれ配列表中の配列番号3、配列番号4、配列番号5、および配列番号6に示すとおりである。
実施例1と同じアグロバクテリウム・ツメファシエンスNK1株の培養菌体から、Nucl. Acids Res., 1980年, 8巻, pp.4321-4325に記載の方法に従って染色体DNAを抽出した。
実施例7で決定した遺伝子配列の周辺領域の配列を明らかにするために、その上流側と下流側とに分けて、それぞれをBD GenomeWalker kit(クロンテック社製)を用いてPCRにより増幅した。
染色体DNAをStuIで完全消化し、キットに付属のGenomeWalker Adaptorを連結させてライブラリーを作製した。これを鋳型にしてキットに付属のアダプタープライマーAP2と3−キヌクリジノン不斉還元酵素の部分遺伝子配列に基づいて作成したアンチセンスプライマーNN(配列番号9)とを用いて、PCRにより増幅した。PCR反応液は、実施例8と同様である。PCR反応条件は次の通りであった:ステップ1;94℃、1分;ステップ2;94℃、20秒;ステップ3;72℃、4分;ステップ2からステップ3を7サイクル繰り返す;ステップ4;94℃、20秒;ステップ5;68℃、4分;ステップ4から5を30サイクル繰り返す;ステップ6;68℃、7分;ステップ7;4℃、∞。このPCRにより約150bpの特異的な増幅産物が得られた。これをpCR4−TOPOベクターにサブクローニングし、配列決定した。
染色体DNAをApaIおよびPvuIIで完全消化し、ライブラリーを作製した。実施例7で得られた約700bpのヌクレオチドをプローブとしてサザン解析を行った。その結果、約1.1kbpの断片がハイブリダイゼーションにより得られた。この断片をGenomeWalker Adaptorに連結させ、これを鋳型としてアダプタープライマーAP2と3−キヌクリジノン不斉還元酵素の部分遺伝子配列に基づいて作成したセンスプライマーCC(配列番号10)とを用いて、PCRにより増幅した。このPCRにより約200bpの特異的な増幅産物が得られた。これをpCR4−TOPOベクターにサブクローニングし、配列決定した。
大腸菌において3−キヌクリジノン不斉還元酵素を発現させるために、形質転換に用いる組換えプラスミドを作製した。まず、実施例8で決定された塩基配列に基づいて、3−キヌクリジノン不斉還元酵素の構造遺伝子の開始コドン部分にNdeI部位を付加したセンスプライマー(配列番号11)と、終止コドンの直後にXhoIを付加したアンチセンスプライマー(配列番号12)とを設計した。これらのプライマーを用いて、実施例7の染色体DNAを鋳型としてPCRを行い、約800bpの特異的な増幅産物を得た。この増幅された断片をプラスミドpT7-Blue T-vector(Novagen社製)にサブクローニングし、M13プライマーを用いてシーケンスして、PCRによるエラーが起こっていないクローンを選別し、pT7QRとした。得られたpT7QRをNdeIおよびXhoIで二重消化し、3−キヌクリジノン不斉還元酵素の構造遺伝子を取り出し、プラスミドpET-21a(+)(Novagen社製)中のT7プロモーターの下流に位置するNdeI-XhoI部位に挿入し、pETQRを作製した。
実施例9で作製した組換えプラスミドpETQRを用いて大腸菌BL21(DE3)株を形質転換した。組換え大腸菌BL21(DE3)[pETQR]を、定法に基づいてコンピテントセル化し、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)IWG3株のグルコース脱水素酵素遺伝子を含む組換えプラスミドpACGD(Appl. Microbiol. Biotechnol., 1999年, 51巻, pp.486-490に記載)を導入し、組換え大腸菌BL21(DE3)[pETQR&pACGD]を作製した。
2mL容量のエッペンドルフチューブに100μLの1Mリン酸緩衝液(pH7.0)、10μLの60mg/mL NAD+水溶液、10μLの50%(w/v)グルコース水溶液、250μLの2mg/mL 実施例10で調製した乾燥菌体の水懸濁液、620μLの蒸留水、および100μLの10%(w/v)3−キヌクリジノン・塩酸塩水溶液を添加し、37℃にて24時間振盪した。続いて、反応液200μLをサンプリングし、200μLの飽和炭酸カリウム水溶液および200μLのクロロホルムを添加して攪拌し、得られたクロロホルム層をガスクロマトグラフィーで分析した。その結果、変換率は98%であり、そして得られた(R)−3−キヌクリジノールの光学純度は99%ee以上であった。
Claims (17)
- 以下の(1)から(3)に示す生化学的性質を有する酵素:
(1)作用:還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)を補酵素として、3−キヌクリジノンまたはその塩を不斉還元し、(R)−3−キヌクリジノールを生成する;
(2)基質特異性:3−キヌクリジノン、p−トルキノンおよびα−ナフトキノンに作用し、その相対活性が、3−キヌクリジノン、p−トルキノンおよびα−ナフトキノンの順に高い;および
(3)至適温度:pH7で反応させる場合、温度40〜45℃において作用が至適である。 - SDS−PAGEで測定した場合のサブユニットの分子量が28,500であり、ゲル濾過クロマトグラフィーで測定した場合の分子量が102,000である、請求項1に記載の酵素。
- 以下の(a)から(c)のいずれかのアミノ酸配列を有する、還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)を補酵素として、3−キヌクリジノンまたはその塩を不斉還元し、(R)−3−キヌクリジノールを生成する酵素:
(a)配列番号2に記載のアミノ酸配列;
(b)配列番号2に記載のアミノ酸配列において1もしくは複数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加されたアミノ酸配列;または
(c)配列番号2に記載のアミノ酸配列と85%以上の相同性を有するアミノ酸配列。 - 前記酵素が、アグロバクテリウム・ツメファシエンスNK1株(FERM P−21144)に由来する、請求項1から3のいずれかの項に記載の酵素。
- アグロバクテリウム・ツメファシエンスNK1株(FERM P−21144)。
- 請求項1から4のいずれかの項に記載の酵素をコードするポリヌクレオチド。
- 以下の(i)から(iii)のいずれかである、請求項6に記載のポリヌクレオチド:
(i)配列番号1に記載の塩基配列を有するポリヌクレオチド;
(ii)配列番号1に記載の塩基配列に相補的な塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ3−キヌクリジノンを不斉的に還元して(R)−3−キヌクリジノールを生成する活性を有する酵素をコードする、ポリヌクレオチド;または
(iii)配列番号1に記載の塩基配列と少なくとも60%の配列同一性を有する塩基配列を有し、かつ3−キヌクリジノンを不斉的に還元して(R)−3−キヌクリジノールを生成する活性を有する酵素をコードする、ポリヌクレオチド。 - 請求項6または7に記載のポリヌクレオチドを含むベクター。
- さらに酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)をNADHに再生する酵素をコードするポリヌクレオチドを含む、請求項8に記載のベクター。
- 前記NAD+をNADHに再生する酵素がグルコース脱水素酵素である、請求項9に記載のベクター。
- 請求項8から10のいずれかの項に記載のベクターを発現可能に保持した形質転換体。
- 請求項8に記載のベクターおよびNAD+をNADHに再生する酵素をコードするポリヌクレオチドを含むベクターをそれぞれ発現可能に保持する形質転換体。
- 前記NAD+をNADHに再生する酵素がグルコース脱水素酵素である、請求項12に記載の形質転換体。
- 宿主が大腸菌である、請求項11から13のいずれかの項に記載の形質転換体。
- (R)−3−キヌクリジノールまたはその塩の製造方法であって、請求項1から4のいずれかの項に記載の酵素、該酵素を産生する微生物、請求項11から14のいずれかの項に記載の形質転換体、または該微生物もしくは該形質転換体の培養液もしくは処理物を、3−キヌクリジノンまたはその塩に作用させる工程を含む、方法。
- 上記作用工程において、NADHまたはNAD+がさらに添加される、請求項15に記載の方法。
- 前記微生物が、アグロバクテリウム・ツメファシエンスNK1株(FERM P−21144)である、請求項15または16に記載の方法。
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