以下、本発明の実施形態を添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の原稿読取り装置の第1実施形態を適用した画像形成装置を示す断面図である。この画像形成装置100は、原稿から読取られた画像データを取得したり、或いは、外部から受信した画像データを取得し、この画像データによって示されるモノクロ画像を記録用紙に形成するものであり、その構成を大別すると、原稿搬送部(ADF)101、原稿読取り装置102、印字部103、記録用紙搬送部104、及び給紙部105からなる。
原稿搬送部101では、少なくとも1枚の原稿が原稿セットトレイ11にセットされると、原稿を1枚ずつ原稿セットトレイ11から引き出して搬送し、この原稿を原稿読取り装置102の第1プラテンガラス14に導いて通過させ、この原稿を排紙トレイ12に排出する。
原稿読取り装置102では、第1プラテンガラス14の下方に第1走査部15及び第2走査部16からなる光学ユニットを配置しており、原稿が第1プラテンガラス14を通過する際に、第1走査部15の光源によって原稿表面を露光し、第1及び第2走査部15、16のミラーによって原稿表面からの反射光を結像レンズ17へと導き、結像レンズ17によって原稿表面の画像をCCD(Charge Coupled Device)18上に結像する。CCD18は、原稿表面の画像を主走査方向に繰り返し読取り、原稿表面の画像を示す画像データを出力する。
また、原稿が原稿読取り装置102上面の第2プラテンガラス19上に置かれた場合は、第1及び第2走査部15、16を副走査方向に移動させながら、第1走査部15によって第2プラテンガラス19上の原稿表面を露光し、第1及び第2走査部15、16によって原稿表面からの反射光を更に反射して結像レンズ17へと導き、結像レンズ17によって原稿表面の画像をCCD18上に結像する。このとき、第1及び第2走査部15、16を相互に所定の速度関係を維持しつつ移動させて、原稿表面→第1及び第2走査部15、16→結像レンズ17→CCD18という反射光の光路の長さが変化しないように第1及び第2走査部15、16の位置関係を常に維持し、これによりCCD18上での原稿表面の画像のピントを常に正確に維持するようにしている。
CCD18から出力された画像データは、マイクロコンピュータ等の制御回路により各種の画像処理を施されてから、印刷部103に出力される。
従って、本実施形態の原稿読取り装置102では、原稿が第1プラテンガラス14上で搬送される原稿搬送方式、及び原稿が第2プラテンガラス19上に置かれて、光学ユニット(第1及び第2走査部15、16)が移動される原稿固定方式の両方を兼用している。
印刷部103は、画像データによって示される原稿を用紙に記録するものであって、感光体ドラム21、帯電器22、光書込みユニット23、現像装置24、転写ユニット25、クリーニングユニット26、及び定着装置27等を備えている。
感光体ドラム21は、表層が有機光導電性材料からなる有機感光体であり、一方向に回転して、その表面をクリーニングユニット26によりクリーニングされてから、その表面を帯電器22により均一に帯電される。帯電器22は、チャージャー型のものであっても、感光体ドラム21に接触するローラ型やブラシ型のものであっても良い。
光書込みユニット23は、2つのレーザ照射部28a、28b、及び2つのミラー群29a、29bを備えるレーザスキャニングユニット(LSU)である。この光書込みユニット23では、画像データを入力して、この画像データに応じたレーザ光を各レーザ照射部28a、28bからそれぞれ出射し、これらのレーザ光を各ミラー群29a、29b介して感光体ドラム21に照射して、均一に帯電された感光体ドラム21表面を露光し、感光体ドラム21表面に静電潜像を形成する。
この光書込みユニット23は、高速印字処理に対応するために2つのレーザ照射部28a、28bを備えた2ビーム方式を採用して、照射タイミングの高速化に伴う負担を軽減している。
尚、光書込ユニット23として、レーザスキャニングユニットの代わりに、発光素子をアレイ状に並べたEL書き込みヘッドやLED書き込みヘッドを用いることもできる。
現像装置24は、トナーを感光体ドラム21表面に供給して、静電潜像を現像し、トナー像を感光体ドラム21表面に形成する。転写ユニット25は、感光体ドラム21表面のトナー像を用紙搬送部104により搬送されてきた記録用紙に転写する。定着装置27は、記録用紙を加熱及び加圧して、記録用紙上のトナー像を定着させる。この後、記録用紙は、用紙搬送部104により排紙トレイ47へと更に搬送されて排出される。また、クリーニングユニット26は、現像、転写後に感光体ドラム21の表面に残留したトナーを除去して回収する。
ここで、転写ユニット25は、転写ベルト31、駆動ローラ32、従動ローラ33、及び弾性導電性ローラ34等を備えており、転写ベルト31を該各ローラ32〜34と他のローラに張架して回転させている。転写ベルト31は、所定の抵抗値(例えば、1×109〜1×1013Ω/cm)を有しており、その表面に載せられた記録用紙を搬送する。弾性導電性ローラ34は、転写ベルト31を介して感光体ドラム21表面に押し付けられており、転写ベルト31上の記録用紙を感光体ドラム21表面に押し付ける。この弾性導電性ローラ34には、感光体ドラム21表面のトナー像の電荷とは逆極性の転写電界が印加されており、この逆極性の転写電界により感光体ドラム21表面のトナー像が転写ベルト31上の記録用紙に転写される。例えば、トナー像が(−)極性の電荷を有している場合は、弾性導電性ローラ34に印加されている転写電界の極性が(+)極性にされる。
クリーニングユニット26は、クリーニングブレード26Aを感光体ドラム21表面に圧接して、感光体ドラム21表面に残留しているトナーや紙粉を除去する。感光ドラム21表面のトナー像の全てが記録用紙上に転写されることはなく、一般的には、転写効率が、その転写機構によっても異なるが、概ね85〜95%であると言われている。他方、記録用紙が転写電界を受けると、記録用紙表面の浮遊物(短繊維のセルロース、増量剤、漂白剤等々)が転写電界とは逆極性に帯電し、この帯電した浮遊物が感光体ドラム21表面に吸着して紙粉と呼ばれる付着物となる。
仮に、感光体ドラム21表面に残留しているトナーや紙粉を除去しなかったならば、印字品位が低下する。このため、クリーニングユニット26による感光体ドラム21表面のクリーニングが必要となる。
定着装置27は、加熱ローラ35及び加圧ローラ36を備えている。加熱ローラ35に対して加圧ローラ36が所定圧で圧接されるように、加圧ローラ36の両端に図示しない加圧部材を配置している。加熱ローラ35と加圧ローラ36間の圧接域(ニップ域と称される)に記録用紙が搬送されて来ると、各ローラ35、36により記録用紙が搬送されつつ、記録用紙上の未定着トナー像が加熱溶融され加圧されて、トナー像が記録用紙上に定着される。
用紙搬送部104は、記録用紙を搬送するための複数対の搬送ローラ41、一対のレジストローラ42、搬送経路43、反転搬送経路44a、44b、複数の分岐爪45、及び一対の排紙ローラ46等を備えている。
搬送経路43では、記録用紙を給紙部105から受け取り、記録用紙の先端がレジストローラ42に達するまで該記録用紙を搬送する。このときレジストローラ42を一時的に停止させているので、記録用紙の先端がレジストローラ42に達して当接し、記録用紙が撓む。この撓んだ記録用紙の弾性力により該記録用紙の先端をレジストローラ42と平行に揃える。この後、レジストローラ42の回転を開始して、レジストローラ42により記録用紙を印字部103の転写ユニット25へと搬送し、更に排紙ローラ46により記録用紙を排紙トレイ47へと搬送する。
レジストローラ42の停止及び回転は、レジストローラ42と駆動軸間のクラッチをオンオフに切り替えたり、レジストローラ42の駆動源であるモータをオンオフに切り替えてなされる。
また、記録用紙の裏面にも画像を記録する場合は、各分岐爪45を選択的に切替え、記録用紙を搬送経路43から反転搬送経路44bへと導き入れて、記録用紙の搬送を一旦停止させ、更に各分岐爪45を選択的に再度切替え、記録用紙を反転搬送経路44bから反転搬送経路44aへと導き入れて、記録用紙の表裏を反転させてから、記録用紙を反転搬送経路44aを通じて搬送経路43のレジストローラ42へと戻す。
この様な記録用紙の搬送をスイッチバック搬送と称し、このスイッチバック搬送により記録用紙の表裏を反転させることができ、同時に記録用紙の先端及び後端も入れ替わる。従って、記録用紙が反転されて戻されると、記録用紙の後端がレジストローラ42に当接して、記録用紙の後端がレジストローラ42と平行に揃えられ、レジストローラ42により記録用紙がその後端から印字部103の転写ユニット25へと搬送されて、記録用紙の裏面に印字がなされ、定着装置27の各ローラ35、36間のニップ域により記録用紙裏面の未定着トナー像が加熱溶融され加圧されて、トナー像が記録用紙の裏面に定着され、この後に排紙ローラ46により記録用紙が排紙トレイ47へと搬送される。
搬送経路43及び反転搬送経路44a、44bにおいては、記録用紙の位置等を検出するセンサーを各所に配置し、各センサーにより検出された記録用紙の位置に基づいて搬送ローラやレジストローラを駆動制御して、記録用紙の搬送及び位置決めを行っている。
給紙部105は、複数の給紙トレイ51を備えている。各給紙トレイ51は、記録用紙を蓄積しておくためのトレイであり、画像形成装置100の下方に設けられている。また、各給紙トレイ51は、記録用紙を一枚ずつ引き出すためのピックアップローラ等を備えており、引き出した記録用紙を用紙搬送部104の搬送経路43へと送り出す。
画像形成装置100は、高速印字処理を目的としているため、各給紙トレイ51には、定型サイズの記録用紙を500〜1500枚収納可能な容積を確保している。
また、画像形成装置100の側面には、複数種の記録用紙を多量に収納可能な大容量給紙カセット(LCC)52、及び主として不定型サイズの記録用紙を供給するための手差しトレイ53を設けている。
排紙トレイ47は、手差しトレイ53とは反対側の側面に配置されている。この排紙トレイ47に代えて、排紙用紙の後処理装置(ステープル、パンチ処理等々)や、複数段の排紙トレイをオプションとして配置することも可能な構成となっている。
次に、本実施形態の原稿読取り装置102について詳しく説明する。
本実施形態の原稿読取り装置102では、図2に拡大して示す様に第1プラテンガラス14を原稿の搬送方向に長くしている。
このため、原稿搬送部101では、第1プラテンガラス14の上側で無端状の搬送ベルト71を駆動ローラ72と従動ローラ73間に架け渡し、搬送ベルト71を第1プラテンガラス14上面に接触させている。原稿の搬送に際しては、駆動ローラ72を回転駆動して、搬送ベルト71を矢印Aの方向に回転移動させる。
原稿搬送方向上流側の1組の搬送ローラ74により原稿が搬送されて来ると、この原稿が第1プラテンガラス14と搬送ベルト71間に導かれて、搬送ベルト71により原稿が第1プラテンガラス14上で滑るように搬送され、更に下流側の1組の搬送ローラ75により原稿が搬送されて行く。
搬送ベルト71の表面は、均一な白色であり、原稿読取り装置102によるシェーディング補正のために用いられる。
また、原稿読取り装置102では、第1走査部15を3つの位置P1、P2、P3のいずれかまで移動させて位置決めすることができるようにしている。
第1走査部15を各位置P1、P2、P3のいずれに位置決めした状態でも、第1走査部15の光源(冷陰極管)15aからの光が第1プラテンガラス14を介して原稿表面に照射され、原稿からの反射光が第1プラテンガラス14を介して第1走査部15に入射し、この原稿からの反射光が、第1走査部15の反射ミラー15b及び第2走査部16の2つの反射ミラー16a、16bで順次反射され、更に結像レンズ17を介してCCD18に導かれ、このCCD18上に原稿画像が結像される。
また、第1走査部15を各位置P1、P2、P3のいずれに位置決めしても、原稿固定方式のときと同様に、原稿表面→第1及び第2走査部15、16→結像レンズ17→CCD18という反射光の光路の長さが変化しないように第1及び第2走査部15、16の位置関係を常に維持して、CCD18上での原稿表面の画像のピントを常に正確に維持している。
第1走査部15を位置P1に位置決めしたときには、第1走査部15の光源15aからの光が第1プラテンガラス14の位置P1近傍部分を透過し、原稿からの反射光が同位置P1近傍部分を透過して第1走査部15へと入射する。このため、第1プラテンガラス14の位置P1近傍部分の温度が上昇する。同様に、第1走査部15を位置P2又はP3に位置決めしたときには、第1走査部15の光源15aからの光が第1プラテンガラス14の位置P2又はP3近傍部分を透過し、原稿からの反射光が同位置P2又はP3近傍部分を透過して第1走査部15へと入射し、第1プラテンガラス14の位置P2又はP3近傍部分の温度が上昇する。
第1プラテンガラス14におけるそれぞれの位置近傍部分の相互間で温度の影響を受けないように、各位置P1、P2、及びP3を離間させている。従って、第1プラテンガラス14において、位置P1近傍部分の温度が上昇しても、その隣の位置P2近傍部分の温度が殆ど上昇せず、また位置P2近傍部分の温度が上昇しても、両隣の位置P1近傍部分と位置P3近傍部分の温度が上昇せず、更に位置P3近傍部分の温度が上昇しても、その隣の位置P2近傍部分の温度が殆ど上昇しない。このため、第1プラテンガラス14が原稿の搬送方向に長くなっている。
第1、第2、及び第3温度センサー76、77、78は、第1プラテンガラス14の各位置P1、P2、P3の温度を検出している。これらの温度センサー76〜78は、最大幅の原稿が通過する領域の外側で、第1プラテンガラス14の各位置P1、P2、P3に直接接触して、それぞれの温度を検出しても良いし、原稿が通過する領域の内側で、各位置P1、P2、P3とは非接触で、それぞれの温度を検出しても良い。
制御部79は、第1乃至第3温度センサー76〜78により検出された温度を入力し、これらの温度に基づいて、第1及び第2走査部15、16の駆動機構(図示せず)を駆動制御して、第1走査部15を各位置P1、P2、P3のいずれかまで移動させて位置決めし、第2走査部16も追従移動させて位置決めする。
例えば、制御部79は、第1乃至第3温度センサー76〜78により検出された温度を比較して、これらの検出温度のうちから最も低い温度を選択し、この最も低い温度となっている位置まで第1走査部15を移動させて位置決めし、第2走査部16も追従移動させて位置決めする。これにより、第1走査部15の光源15aからの光が第1プラテンガラス14の最も低い温度の位置近傍部分を透過し、原稿からの反射光も同位置近傍部分を透過することになる。
このため、第1プラテンガラス14の特定部分の温度が過度に上昇することがなく、第1プラテンガラス14との接触による火傷、原稿の変色、原稿の反りやシワ、ジャム等が発生することはない。
また、一般に、原稿読取り装置102には冷却用のファンを設けているが、第1及び第2走査部15、16の移動に伴い、ファンによる空気の流れが変わるので、第1及び第2走査部15、16、結像レンズ17、CCD18に近傍の空気の滞留が解消され、これらの温度上昇が抑制される。このため、光学系の焦点距離が変動せず、ピントずれも生じず、画像品質の低下を招くこともない。
次に、図3のフローチャートを参照しつつ、原稿移動方式での原稿読取りに際し、第1乃至第3温度センサー76〜78による検出温度に基づいて第1走査部15を移動制御するための処理手順を説明する。
まず、画像形成装置100の待機状態で、原稿が原稿セットトレイ11にセットされ、操作パネルの操作により原稿の読取り要求(ステップST1)がなされると、これに応答して制御部79は、原稿セットトレイ11上の原稿が複数枚か否かを判定する(ST2)。例えば、制御部79は、原稿セットトレイ11に設けられた原稿センサーの検出出力や操作パネルの操作により指定された原稿読取り条件に基づいて、原稿が複数枚か否かを判定する。
そして、原稿が一枚であった場合は(ST2で「No」)、制御部79は、例えば第1走査部15を位置P1まで移動させて位置決めし、第2走査部16も追従移動させて位置決めする(ST3)。このとき、画像形成装置100の待機状態の直後であるから、第1プラテンガラス14のいずれの部分も温度が上昇していない。
尚、ステップST3における第1走査部15の位置は、予め決めておき制御部11のメモリに保存しておいてもよいし、前回の読取処理における最後の読取位置とは異なる位置にしてもよい。
引き続いて、制御部79は、第1走査部15の光源15aへの通電を行って(ST4)、光源15aを点灯させ、光源15aの照射光量の制御及び搬送ベルト71の白色表面を用いたシェーディング補正を行う(ST5)。そして、制御部79は、照射光量の制御及びシェーディング補正を終了してから(ST5で「Yes」)、原稿搬送部101を制御して、原稿を原稿セットトレイ11から引き出し、原稿を第1プラテンガラス14上で搬送して通過させ、この原稿を排紙トレイ12に排出し、同時に原稿読取り装置102を制御して、原稿の読取処理を行う(ST6)。
このとき、第1走査部15を位置P1に位置決めしていることから、第1走査部15の光源15aからの光が第1プラテンガラス14の位置P1近傍部分を透過し、原稿からの反射光も同位置P1近傍部分を透過する。
この1枚の原稿の読取処理が終了し、この原稿が排紙トレイ12に排出されると、待機状態に戻る。
一方、ステップST2において、原稿が複数枚と判定された場合は(ST2で「Yes」)、制御部79は、第1乃至第3温度センサー76〜78により検出された第1プラテンガラス14の各位置P1、P2、P3の温度を入力し、これらの検出温度のうちから最も低い温度を選択し、この最も低い温度となっている位置まで第1走査部15を移動させて位置決めし、第2走査部16も追従移動させて位置決めする(ST8)。
例えば、位置P1の温度が最も低いとすると、制御部79は、この位置P1まで第1走査部15を移動させて位置決めし、第2走査部16も追従移動させて位置決めする。
そして、制御部79は、第1走査部15の光源15aを点灯させ(ST9)、照射光量の制御及びシェーディング補正を行ってから(ST10で「Yes」)、原稿搬送部101を制御して、原稿を原稿セットトレイ11から引き出し、原稿を第1プラテンガラス14上で搬送して通過させてから排出し、同時に原稿読取り装置102を制御して、原稿の読取処理を行う(ST11)。
このときにも、光源15aからの光及び原稿からの反射光が第1プラテンガラス14の位置P1近傍部分を透過する。
この後、制御部79は、次の原稿があるか否かを判定し(ST12)、次の原稿がなければ(ST12で「No」)、待機状態に戻る。
また、制御部79は、次の読取り原稿があれば(ST12で「Yes」)、第1乃至第3温度センサー76〜78により検出された第1プラテンガラス14の各位置P1、P2、P3の温度を入力する(ST13)。そして、制御部79は、第1プラテンガラス14の位置P1の検出温度を、制御部79に内蔵のメモリ79aに予め記憶されている温度閾値と比較し(ST14)、第1プラテンガラス14の位置P1の検出温度が温度閾値未満であれば(ST14で「Yes」)、つまり第1プラテンガラス14の位置P1の温度が格別に上昇していなければ、ST11に戻って、次の原稿の読取り処理を行う。
この場合は、第1走査部15を位置P1に位置決めしたままの状態で、次の原稿が読取られる。
また、制御部79は、第1プラテンガラス14の位置P1の検出温度が温度閾値以上であれば(ST14で「No」)、つまり第1プラテンガラス14の位置P1の温度が格別に上昇していれば、ST8に戻って、第1乃至第3温度センサー76〜78により検出された第1プラテンガラス14の各位置P1、P2、P3の温度を入力し、これらの検出温度のうちから最も低い温度を選択し、この最も低い温度となっている位置まで第1走査部15を移動させて位置決めし、第2走査部16も追従移動させて位置決めする。
例えば、位置P2の温度が最も低いとすると、制御部79は、この位置P2まで第1走査部15を移動させて位置決めし、第2走査部16も追従移動させて位置決めする。そして、ST9以降の処理を行って、次の原稿の読取り処理を行う。
このときには、第1走査部15の光源15aからの光が第1プラテンガラス14の位置P2近傍部分を透過し、原稿からの反射光も同位置P2近傍部分を透過する。
以降同様に、光源15aからの光及び原稿からの反射光が透過する第1プラテンガラス14の位置の温度が温度閾値以上になると、第1プラテンガラス14の各位置P1、P2、P3の検出温度のうちから最も低い温度を選択し、この最も低い温度となっている位置まで第1走査部15を移動させて位置決めし、第2走査部16も追従移動させて位置決めしてから、原稿の読取り処理を行う。
尚、温度閾値は、火傷しない程度の温度以下、もしくは原稿の変色を招かない程度の温度以下に設定するのが好ましい。具体的には、温度閾値を60℃以下に設定するのが良い。
このように本実施形態では、第1乃至第3温度センサー76〜78により検出された温度を比較して、これらの検出温度のうちから最も低い温度を選択し、この最も低い温度となっている位置まで第1走査部15を移動させて位置決めして、第2走査部16も追従移動させて位置決めし、光源15aからの光及び原稿からの反射光が第1プラテンガラス14の最も低い温度の位置近傍部分を透過するようにしているので、第1プラテンガラス14の特定部分の温度が過度に上昇することがない。また、第1及び第2走査部15、16の移動に伴い、ファンによる空気の流れが変わるので、第1及び第2走査部15、16や光学系近傍の空気の滞留が解消され、その温度上昇が抑制される。
次に、本発明の原稿読取り装置の第2実施形態について説明する。本実施形態の原稿読取り装置は、図2に示す原稿読取り装置と同一構成であって、かつ図1の画像形成装置100に適用されるものであるが、第1走査部15を移動制御するための処理手順が第1実施形態とは異なる。
本実施形態では、第1実施形態のように温度センサーによる第1プラテンガラス14の検出温度に基づいて第1走査部15を移動制御するのではなく、読取られた原稿の枚数に基づいて第1走査部15を移動制御している。
ここで、第1及び第2走査部15、16を位置決めした状態で、複数枚の原稿を継続して読取って行くとすると、第1走査部15の光源15aが連続的に点灯され、光源15aからの光及び原稿からの反射光が第1プラテンガラス14の特定部分に照射され続けることになるので、第1プラテンガラス14の特定部分の温度が徐々に上昇し続ける。このとき、第1プラテンガラス14の特定部分の温度が光源15aの連続的な点灯時間の長さに対応し、この連続的な点灯時間の長さが原稿の読取り枚数に対応するので、第1プラテンガラス14の特定部分の温度が原稿の読取り枚数に対応することになる。
そこで、複数枚の原稿を継続して読取って行き、何枚目の原稿の読取りのときに第1プラテンガラス14の特定部分の温度が許容温度上になるかを予め求めておき、このときの原稿の枚数を枚数閾値として制御部79のメモリ79aに記憶しておく。また、制御部79には、読取られた原稿の枚数を積算する枚数積算カウンター(図示せず)を内蔵させておく。
また、この枚数閾値は、A4サイズ原稿(210mm×299mm)をその短手方向に搬送するという条件で求めて記憶する。
従って、A4サイズ原稿をその短手方向に搬送して読取るときには、読取られた原稿毎に、原稿の枚数を1つずつ積算すれば良い。
ただし、原稿を長手方向に搬送して読取ったり、他のサイズの原稿を読取るときには、原稿1枚当たりに要する光源15aの照明時間が変化する。このため、原稿の搬送方向の長さに応じて、読取られた原稿毎の積算値を補正する。
例えば、A3サイズ原稿(299mm×420mm)1枚の長手方向の搬送については、積算値を2とする。また、A4サイズ原稿の長手方向の搬送については、積算値を1.42とする。これにより、読取られた原稿枚数の積算値を第1プラテンガラス14の特定部分の温度に正確に対応させることができる。
さて、本実施形態の処理手順は、図4のフローチャートに示すようなものである。まず、画像形成装置100の待機状態で、原稿が原稿セットトレイ11にセットされ、操作パネルの操作により原稿の読取要求(ステップST21)がなされると、これに応答して制御部79は、原稿セットトレイ11上の原稿が複数枚か否かを判定する(ST22)。
そして、原稿が一枚であった場合は(ST22で「No」)、制御部79は、例えば第1走査部15を位置P1まで移動させて位置決めし、第2走査部16も追従移動させて位置決めする(ST23)。
尚、ステップST23における第1走査部15の位置は、予め決めて制御部11のメモリに保存しておいてもよいし、前回の読取処理における最後の読取位置とは異なる位置にしてもよい。
引き続いて、制御部79は、第1走査部15の光源15aを点灯させ(ST24)、照射光量の制御及びシェーディング補正を行う(ST25)。そして、制御部79は、原稿搬送部101を制御して、原稿を第1プラテンガラス14上で搬送して通過させ、同時に原稿読取り装置102を制御して、原稿の読取処理を行う(ST26)。
このとき、光源15aからの光及び原稿からの反射光が第1プラテンガラス14の位置P1近傍部分を透過する。
この1枚の原稿の読取処理が終了し、この原稿が排紙トレイ12に排出されると、待機状態に戻る。
一方、ステップST22において、原稿が複数枚と判定された場合は(ST22で「Yes」)、制御部79は、例えば第1走査部15を位置P1まで移動させて位置決めし、第2走査部16も追従移動させて位置決めする(ST27)。このときの位置も、予め決めておくか、前回の読取処理における最後の読取位置とは異なる位置とする。
そして、制御部79は、第1走査部15の光源15aを点灯させ(ST28)、照射光量の制御及びシェーディング補正を行ってから(ST29で「Yes」)、枚数積算カウンターによる原稿枚数の積算値を初期化する(ST30)。更に、制御部79は、原稿搬送部101を制御して、原稿を第1プラテンガラス14上で搬送して通過させ、同時に原稿読取り装置102を制御して、原稿の読取処理を行い(ST31)、原稿の搬送方向の長さに応じて、枚数積算カウンターによる原稿枚数の積算値を積算する。
このときにも、光源15aからの光及び原稿からの反射光が第1プラテンガラス14の位置P1近傍部分を透過する。
この後、制御部79は、次の原稿があるか否かを判定し(ST32)、次の原稿がなければ(ST32で「No」)、待機状態に戻る。
また、次の原稿があれば(ST32で「Yes」)、制御部79は、枚数積算カウンターによる原稿枚数の積算値が枚数閾値以上であるか否かを判定し(ST33)、積算値が枚数閾値未満であれば(ST33で「No」)、ST31に戻って、次の原稿の読取り処理を行う。
従って、第1走査部15を位置P1に位置決めしたままの状態で、次の原稿が読取られる。
そして、ST31〜ST33が繰り返されて、原稿が次々と読取られ、枚数積算カウンターによる原稿枚数の積算値が積算されて行くと、枚数積算カウンターによる原稿枚数の積算値が枚数閾値以上になる(ST33で「Yes」)。このとき、制御部79は、第1走査部15を位置P1とは異なる位置P2又はP3まで移動させて位置決めし、第2走査部16も追従移動させて位置決めする(ST34)。そして、ST28からの処理に戻って、原稿の読取り処理を継続する。
このときには、光源15aからの光及び原稿からの反射光が第1プラテンガラス14の位置P2又はP3の近傍部分を透過する。
尚、ステップST34における第1走査部15の位置の変更順序は、例えば位置P1→P2→P3→P1というようなサイクリックな順序に予め決めておいても良い。特に、第1走査部15の位置を位置P1→P2→P3という順序で変更すると、第1走査部15を原稿の搬送方向に移動させることになるが、この場合は、連続的に搬送される前後の原稿を読取るに際し、前の原稿の読取り終了直後に光学ユニット(第1及び第2走査部15、16)の移動を開始して、第1走査部15を前後の原稿の間隙に追従移動させ、光学ユニットを停止させた直後から後の原稿の読取りを開始することができる。すなわち、原稿の読取りを殆ど中断せずに、光学ユニットを移動させて、その位置を変更することができる。
このように本実施形態では、複数枚の原稿の読取りに際し、原稿枚数の積算値が枚数閾値以上になると、第1走査部15を移動させて、その位置を変更しているので、光源15aからの光及び原稿からの反射光が第1プラテンガラス14の特定部分に無制限に照射され続けることはなく、第1プラテンガラス14の特定部分の温度が過度に上昇することがない。また、第1及び第2走査部15、16の移動に伴い、ファンによる空気の流れが変わるので、第1及び第2走査部15、16や光学系近傍の空気の滞留が解消され、その温度上昇が抑制される。
次に、本発明の原稿読取り装置の第3実施形態について説明する。本実施形態の原稿読取り装置は、図2に示す原稿読取り装置と同一構成であって、かつ図1の画像形成装置100に適用されるものであるが、第1走査部15を移動制御するための処理手順が第1及び第2実施形態とは異なる。
本実施形態では、第1実施形態のように温度センサーによる第1プラテンガラスの温度に基づいて第1走査部15を移動制御するのではなく、また第2実施形態のように読取られた原稿の枚数に基づいて第1走査部15を移動制御しているのでもなく、第1走査部15の光源15aによる継続的な照射時間に基づいて第1走査部15を移動制御している。
先に述べたように、第1プラテンガラス14の特定部分の温度が光源15aの連続的に点灯時間に対応する。
そこで、光源15aの連続的な点灯時間がどの程度の長さになったときに第1プラテンガラス14の特定部分の温度が許容温度上になるかを予め求めておき、このときの点灯時間の長さを時間閾値として制御部79のメモリ79aに記憶しておく。また、制御部79には、光源15aの連続的な点灯時間を計時するタイマー(図示せず)を内蔵させておく。
さて、本実施形態の処理手順は、図5のフローチャートに示すようなものである。まず、画像形成装置100の待機状態で、原稿が原稿セットトレイ11にセットされ、操作パネルの操作により原稿の読取要求(ステップST41)がなされると、これに応答して制御部79は、原稿セットトレイ11上の原稿が複数枚か否かを判定する(ST42)。
そして、原稿が一枚であった場合は(ST42で「No」)、制御部79は、例えば第1走査部15を位置P1まで移動させて位置決めし、第2走査部16も追従移動させて位置決めする(ST43)。
尚、ステップST43における第1走査部15の位置は、予め決めて制御部11のメモリに保存しておいてもよいし、前回の読取処理における最後の読取位置とは異なる位置にしてもよい。
引き続いて、制御部79は、第1走査部15の光源15aを点灯させ(ST44)、照射光量の制御及びシェーディング補正を行う(ST45)。そして、制御部79は、原稿搬送部101を制御して、原稿を第1プラテンガラス14上で搬送して通過させ、同時に原稿読取り装置102を制御して、原稿の読取処理を行う(ST46)。
このとき、光源15aからの光及び原稿からの反射光が第1プラテンガラス14の位置P1近傍部分を透過する。
そして、この1枚の原稿の読取処理が終了し、この原稿が排紙トレイ12に排出されると、待機状態に戻る。
一方、ステップST42において、原稿が複数枚と判定された場合は(ST42で「Yes」)、制御部79は、例えば第1走査部15を位置P1まで移動させて位置決めし、第2走査部16も追従移動させて位置決めする(ST47)。このときの位置も、予め決めておくか、前回の読取処理における最後の読取位置とは異なる位置とする。
そして、制御部79は、第1走査部15の光源15aを点灯させ(ST48)、照射光量の制御及びシェーディング補正を行う(ST49で「Yes」)。同時に、タイマーを初期化してから、タイマーによる光源15aの連続的な点灯時間の計時を開始する(ST50)。更に、制御部79は、原稿搬送部101を制御して、原稿を第1プラテンガラス14上で搬送して通過させ、同時に原稿読取り装置102を制御して、原稿の読取処理を行う(ST51)。
このときにも、光源15aからの光及び原稿からの反射光が第1プラテンガラス14の位置P1近傍部分を透過する。
この後、制御部79は、次の原稿があるか否かを判定し(ST52)、次の原稿がなければ(ST52で「No」)、待機状態に戻る。
また、次の原稿があれば(ST52で「Yes」)、制御部79は、タイマーにより計時されている連続的な点灯時間が時間閾値以上であるか否かを判定し(ST53)、連続的な点灯時間が時間閾値未満であれば(ST53で「No」)、ST51に戻って、次の原稿の読取り処理を行う。
従って、第1走査部15を位置P1に位置決めしたままの状態で、次の原稿が読取られる。
そして、ST51〜ST53が繰り返されて、原稿が次々と読取られ、タイマーによる連続的な点灯時間が計時され続けると、タイマーによる連続的な点灯時間が時間閾値以上になる(ST53で「Yes」)。このとき、制御部79は、第1走査部15を位置P1とは異なる位置P2又はP3まで移動させて位置決めし、第2走査部16も追従移動させて位置決めする(ST54)。そして、ST48からの処理に戻って、原稿の読取り処理を継続する。
このときには、光源15aからの光及び原稿からの反射光が第1プラテンガラス14の位置P2又はP3の近傍部分を透過する。
尚、ステップST54における第1走査部15の位置の変更順序は、例えば位置P1→P2→P3→P1というようなサイクリックな順序に予め決めておいても良い。特に、第1走査部15の位置を位置P1→P2→P3という順序で変更すると、第1走査部15を原稿の搬送方向に移動させることになるが、この場合は、連続的に搬送される前後の原稿を読取るに際し、前の原稿の読取り終了直後に光学ユニット(第1及び第2走査部15、16)の移動を開始して、第1走査部15を前後の原稿の間隙に追従移動させ、光学ユニットを停止させた直後から後の原稿の読取りを開始することができる。すなわち、原稿の読取りを殆ど中断せずに、光学ユニットを移動させて、その位置を変更することができる。
このように本実施形態では、複数枚の原稿の読取りに際し、光源15aの連続的な点灯時間が時間閾値以上になると、第1走査部15を移動させて、その位置を変更しているので、光源15aからの光及び原稿からの反射光が第1プラテンガラス14の特定部分に無制限に照射され続けることはなく、第1プラテンガラス14の特定部分の温度が過度に上昇することがない。また、第1及び第2走査部15、16の移動に伴い、ファンによる空気の流れが変わるので、第1及び第2走査部15、16や光学系近傍の空気の滞留が解消され、その温度上昇が抑制される。
尚、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、多様に変形することができる。例えば、温度センサーにより第1プラテンガラス14の温度を検出する代わりに、温度センサーにより第1及び第2走査部15、16の温度、より具体的には反射ミラーやその保持部材の温度を検出して、この検出温度に基づいて、第1及び第2走査部15、16を第1プラテンガラス14に沿って移動させても良い。
また、第1及び第2走査部15、16を位置決めする位置を増減させたり変更しても構わない。
更に、本発明の原稿読取装置は、画像読取装置だけではなく、複写機、スキャナ、プリンタおよびファクシミリ機能を有した複合機にも適用可能である。