JP2008208229A - 熱伝導性感圧接着剤組成物並びに熱伝導性感圧接着性シート及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】接着性や感圧接着保持性に優れ、かつ易剥離性にも優れた熱伝導性感圧接着性シート及びそれを与える感圧接着剤組成物を提供する。
【解決手段】(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A1)、(メタ)アクリル酸エステル単量体混合物(A2m)、少なくとも1つのブロックトイソシアネート基と少なくとも1つの重合性不飽和結合とを有する架橋剤(C1)、少なくとも1つの水酸基と少なくとも1つの重合性不飽和結合とを有する架橋剤(C2)、及び重合開始剤(D2)を含んでなり、(メタ)アクリル酸エステル単量体混合物(A2m)100質量部に対して、架橋剤(C1)の含有量が0.1〜1.8質量部、架橋剤(C2)の含有量が0.05〜5.0質量部である感圧性接着剤組成物とする。
【選択図】なし
【解決手段】(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A1)、(メタ)アクリル酸エステル単量体混合物(A2m)、少なくとも1つのブロックトイソシアネート基と少なくとも1つの重合性不飽和結合とを有する架橋剤(C1)、少なくとも1つの水酸基と少なくとも1つの重合性不飽和結合とを有する架橋剤(C2)、及び重合開始剤(D2)を含んでなり、(メタ)アクリル酸エステル単量体混合物(A2m)100質量部に対して、架橋剤(C1)の含有量が0.1〜1.8質量部、架橋剤(C2)の含有量が0.05〜5.0質量部である感圧性接着剤組成物とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、熱伝導性感圧接着剤組成物、それからなる熱伝導性感圧接着性シート及び熱伝導性感圧接着性シートの製造方法に関する。
プラズマディスプレイパネル(PDP)、集積回路(IC)チップ等のような電子部品は、その高性能化に伴って発熱量が増大している。この結果、温度上昇による機能障害対策を講じる必要性が生じている。一般的には、電子部品等の発熱体に、ヒートシンク、放熱金属板、放熱フィン等の放熱体を取り付けることで、熱を拡散させる方法が取られている。発熱体から放熱体への熱伝導を効率よく行うために、各種熱伝導シートが使用されているが、一般に、発熱体と放熱体とを固定する用途においては熱伝導性感圧接着性シートが必要とされる。
このような熱伝導性感圧接着性シートとしては、例えば特許文献1には、特定の(メタ)アクリル酸エステル共重合体と金属酸化物とを含有し、発泡されてなる熱伝導性感圧接着剤組成物が開示されている。
また、特許文献2には、(メタ)アクリル酸エステル重合体と、(メタ)アクリル酸エステル単量体混合物と、熱伝導性無機化合物と、熱重合開始剤と、発泡剤とからなる組成物を、シート化・重合・発泡することによって得られる熱伝導性感圧性シート状発泡体が開示されている。
さらに、特許文献3には、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とし、かつ極性基含有単量体を含まない単量体混合物、光重合開始剤、交叉結合剤としての多官能(メタ)アクリレート及び熱伝導性充填剤の混合物の光重合物からなる熱伝導性感圧接着剤が開示されている。
これら感圧接着性シートは、発熱体と放熱体とを密着固定するために、優れた感圧接着性を有することが不可欠であるが、近年、それに加えて易剥離性も求められている。すなわち、製品製造時に感圧接着シートを貼り損じた場合に一旦シートを剥がして貼りなおしたり、製品の廃棄時や部材の交換時に部材から熱伝導性感圧接着性シートを剥がして再利用したりできるように、シートを損なうことなく部材から容易に剥離できることが要求されている。
特開2005−239744号公報
特開2006−213845号公報
特開平10−324853号公報
特許文献1や2に記載の熱伝導性感圧接着性シートは、硬度と感圧接着性とのバランスに優れ、かつ形状追随性と感圧接着保持性にも優れたシートであるものの、易剥離性が不十分であった。
また、特許文献3に開示された感圧接着剤は、易剥離性は有するものの、易剥離性付与のために接着性が犠牲になっていた。このように、従来、接着性と易剥離性を両立させることは困難であった。
そこで、本発明は、接着性や感圧接着保持性に優れ、かつ易剥離性にも優れた熱伝導性感圧接着性シート及びそれを与える感圧接着剤組成物を提供することを課題とする。
本発明者は感圧接着性組成物の組成を検討した結果、特定の組み合わせの架橋剤を併用することで、熱伝導性感圧接着性シートの接着性や感圧接着保持性と易剥離性とを両立できることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして、第1の本発明によれば、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A1)、(メタ)アクリル酸エステル単量体混合物(A2m)、少なくとも1つのブロックトイソシアネート基と少なくとも1つの重合性不飽和結合とを有する架橋剤(C1)、少なくとも1つの水酸基と少なくとも1つの重合性不飽和結合とを有する架橋剤(C2)、及び重合開始剤(D2)を含んでなる感圧性接着剤組成物であって、前記(メタ)アクリル酸エステル単量体混合物(A2m)100質量部に対する前記架橋剤(C1)の含有量が0.1〜1.8質量部であり、前記(メタ)アクリル酸エステル単量体混合物(A2m)100質量部に対する前記架橋剤(C2)の含有量が0.05〜5.0質量部であることを特徴とする感圧性接着剤組成物が提供される。
第1の本発明において、感圧性接着剤組成物には、さらに熱伝導性無機化合物(B)が含まれてなることが好ましい。
また、第2の本発明によれば、第1の本発明の熱伝導性感圧接着剤組成物がさらに発泡剤(E)により発泡されるとともに、シート状に成形されてなる熱伝導性感圧接着性シートが提供される。
また、第3の本発明によれば、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A1)、(メタ)アクリル酸エステル単量体混合物(A2m)、熱伝導性無機化合物(B)、前記(メタ)アクリル酸エステル単量体混合物(A2m)100質量部に対して0.1〜1.8質量部の少なくとも1つのブロックトイソシアネート基と少なくとも1つの重合性不飽和結合とを有する架橋剤(C1)、前記(メタ)アクリル酸エステル単量体混合物(A2m)100質量部に対して0.05〜5.0質量部の少なくとも1つの水酸基と少なくとも1つの重合性不飽和結合とを有する架橋剤(C2)、重合開始剤(D2)、及び発泡剤(E)、を含む混合物をシート状に成形しながら、さらに加熱して重合、及び発泡させてなる熱伝導性感圧接着性シートの製造方法が提供される。
本発明の感圧性接着剤組成物から得られる熱伝導性感圧接着性シートは、感圧接着性や感圧接着保持性に優れるのみならず、優れた易剥離性も有している。従って、製造段階でシートの貼り損じが生じた場合でもシートを剥がす労力を低減でき、効率よく製品を製造できる。また、製品の廃棄時や部材の交換時に熱伝導性感圧接着性シートを剥がして再利用することもできる。
本発明の感圧接着剤組成物は、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A1)、(メタ)アクリル酸エステル単量体混合物(A2m)、2種の架橋剤(C1)、(C2)、及び重合開始剤(D2)を必須構成成分とし、これに熱伝導性無機化合物(B)や発泡剤(E)を添加したものをシート状に成形しながら、重合・発泡することによって、熱伝導性感圧接着性シートとされるものである。以下、感圧接着剤組成物を構成する各成分及び熱伝導性感圧接着性シートについて詳細に説明する。
1.(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A1)
本発明の感圧接着剤組成物は、第1の必須成分として、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A1)を含有する。(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A1)は、特に限定されないが、ガラス転移温度が−20℃以下となる単独重合体を形成する(メタ)アクリル酸エステル単量体単位(a1)80〜99.9質量%、及び有機酸基を有する単量体単位(a2)20〜0.1質量%を含有してなるのが好ましい。本発明において、(メタ)アクリル酸エステルというときは、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルを意味する。
本発明の感圧接着剤組成物は、第1の必須成分として、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A1)を含有する。(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A1)は、特に限定されないが、ガラス転移温度が−20℃以下となる単独重合体を形成する(メタ)アクリル酸エステル単量体単位(a1)80〜99.9質量%、及び有機酸基を有する単量体単位(a2)20〜0.1質量%を含有してなるのが好ましい。本発明において、(メタ)アクリル酸エステルというときは、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルを意味する。
ガラス転移温度が−20℃以下となる単独重合体を形成する(メタ)アクリル酸エステル単量体単位(a1)を与える(メタ)アクリル酸エステル単量体(a1m)には、特に限定はないが、例えば、アクリル酸エチル(単独重合体のガラス転移温度は、−24℃)、アクリル酸プロピル(同−37℃)、アクリル酸ブチル(同−54℃)、アクリル酸sec−ブチル(同−22℃)、アクリル酸ヘプチル(同−60℃)、アクリル酸ヘキシル(同−61℃)、アクリル酸オクチル(同−65℃)、アクリル酸2−エチルヘキシル(同−50℃)、アクリル酸2−メトキシエチル(同−50℃)、アクリル酸3−メトキシプロピル(同−75℃)、アクリル酸3−メトキシブチル(同−56℃)、アクリル酸2−エトキシメチル(同−50℃)、メタクリル酸オクチル(同−25℃)、メタクリル酸デシル(同−49℃)を挙げることができる。これらの(メタ)アクリル酸エステル単量体(a1m)は、1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
これらの(メタ)アクリル酸エステル単量体(a1m)は、それから導かれる単量体単位(a1)が(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A1)中、好ましくは80〜99.9質量%、より好ましくは85〜99.5質量%となるような量で重合に使用される。(メタ)アクリル酸エステル単量体(a1m)の使用量が、前記範囲内であると、これから得られる熱伝導性感圧接着性シートの室温付近での感圧接着性に優れる。
有機酸基を有する単量体単位(a2)を与える単量体(a2m)は、特に限定されず、その代表的なものとして、カルボキシル基、酸無水物基、スルホン酸基等の有機酸基を有する単量体を挙げることができるが、これらのほか、スルフェン酸基、スルフィン酸基、燐酸基等を含有する単量体も使用することができる。カルボキシル基を有する単量体の具体例としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のα,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸;イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等のα,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸;イタコン酸メチル、マレイン酸ブチル、フマル酸プロピル等のα,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸部分エステル;等を挙げることができる。また、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の、加水分解等によりカルボキシル基に誘導することができる基を有するものも同様に使用することができる。
スルホン酸基を有する単量体の具体例としては、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等のα,β−不飽和スルホン酸及びこれらの塩を挙げることができる。
これらの有機酸基を有する単量体のうち、カルボキシル基を有する単量体がより好ましく、中でも、アクリル酸及びメタクリル酸が特に好ましい。これらは、工業的に安価で容易に入手することができ、他の単量体成分との共重合性もよく生産性の点でも好ましい。
これらの有機酸基を有する単量体(a2m)は、1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
これらの有機酸基を有する単量体(a2m)は、それから導かれる単量体単位(a2)が(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A1)中、20〜0.1質量%、好ましくは15〜0.5質量%となるような量で重合に使用されるのが望ましい。前記範囲内での使用においては、重合時の重合系の粘度を適正な範囲に保つことができる。
なお、有機酸基を有する単量体単位(a2)は、前述のように、有機酸基を有する単量体(a2m)の重合によって、(メタ)アクリル酸エステル重合体中に導入するのが簡便であり好ましいが、(メタ)アクリル酸エステル重合体生成後に、公知の高分子反応によって有機酸基を導入してもよい。
(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A1)は、有機酸基以外の官能基を含有する単量体(a3m)から誘導される単量体単位(a3)10質量%以下を含有していてもよい。有機酸基以外の官能基としては、水酸基、アミノ基、アミド基、エポキシ基、メルカプト基等を挙げることができる。
水酸基を有する単量体としては、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル等の、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル等を挙げることができる。
アミノ基を含有する単量体としては、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノメチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、アミノスチレン等を挙げることができる。
アミド基を有する単量体としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド等のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸アミド単量体等を挙げることができる。
エポキシ基を有する単量体としては、(メタ)アクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル等を挙げることができる。
有機酸基以外の官能基を含有する単量体(a3m)は、1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。これらの有機酸基以外の官能基を有する単量体(a3m)は、それから導かれる単量体単位(a3)が(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A1)中、10質量%以下となるような量で重合に使用されるのが好ましい。10質量%以下の単量体(a3m)を使用することにより、重合時の粘度を適正に保つことができる。
(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A1)は、−20℃以下となる単独重合体を形成する(メタ)アクリル酸エステル単量体の単位(a1)、有機酸基を有する単量体単位(a2)及び有機酸基以外の官能基を含有する単量体単位(a3)以外に、これらの単量体と共重合可能な単量体(a4m)から誘導される単量体単位(a4)を含有していてもよい。単量体(a4m)は、1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。単量体(a4m)から導かれる単量体単位(a4)の量は、アクリル酸エステル共重合体(A1)の10質量%以下となる量が好ましく、より好ましくは、5質量%以下となる量である。
単量体(a4m)は、特に限定されないが、その具体例として、−20℃以下となる単独重合体を形成する(メタ)アクリル酸エステル単量体(a1m)以外の(メタ)アクリル酸エステル単量体、α,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸完全エステル、アルケニル芳香族単量体、共役ジエン系単量体、非共役ジエン系単量体、シアン化ビニル単量体、カルボン酸不飽和アルコールエステル、オレフィン系単量体等を挙げることができる。
−20℃以下となる単独重合体を形成する(メタ)アクリル酸エステル単量体(a1m)以外の(メタ)アクリル酸エステル単量体の具体例としては、アクリル酸メチル(単独重合体のガラス転移温度は、10℃)、メタクリル酸メチル(同105℃)、メタクリル酸エチル(同63℃)、メタクリル酸プロピル(同25℃)、メタクリル酸ブチル(同20℃)等を挙げることができる。
α,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸完全エステルの具体例としては、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、イタコン酸ジメチル等を挙げることができる。
アルケニル芳香族単量体の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、メチルα−メチルスチレン、ビニルトルエン及びジビニルベンゼン等を挙げることができる。
共役ジエン系単量体の具体例としては、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、シクロペンタジエン等を挙げることができる。
非共役ジエン系単量体の具体例としては、1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネン等を挙げることができる。
シアン化ビニル単量体の具体例としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、α−エチルアクリロニトリル等を挙げることができる。
カルボン酸不飽和アルコールエステル単量体の具体例としては、酢酸ビニル等を挙げることができる。
オレフィン系単量体の具体例としては、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン等を挙げることができる。
(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A1)は、−20℃以下となる単独重合体を形成する(メタ)アクリル酸エステル単量体(a1m)、有機酸基を有する単量体(a2m)、必要に応じて使用する、有機酸基以外の官能基を含有する単量体(a3m)及び必要に応じて使用するこれらの単量体と共重合可能な単量体(a4m)を共重合することによって特に好適に得ることができる。
重合の方法は、特に限定されず、溶液重合、乳化重合、懸濁重合、塊状重合等のいずれであってもよく、これ以外の方法でもよい。好ましくは、溶液重合であり、中でも重合溶媒として、酢酸エチル、乳酸エチル等のカルボン酸エステルやベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族溶媒を用いた溶液重合がより好ましい。重合に際して、単量体は、重合反応容器に分割添加してもよいが、全量を一括添加するのが好ましい。
重合開始の方法は、特に限定されないが、重合開始剤(D1)として熱重合開始剤を用いるのが好ましい。熱重合開始剤は、特に限定されず、過酸化物及びアゾ化合物のいずれでもよい。
過酸化物重合開始剤としては、t−ブチルヒドロペルオキシドのようなヒドロペルオキシド;ベンゾイルペルオキシド、シクロヘキサノンペルオキシドのようなペルオキシド;過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;等を挙げることができる。これらの過酸化物は、還元剤と適宜組み合わせて、レドックス系触媒として使用することもできる。
アゾ化合物重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等を挙げることができる。
重合開始剤(D1)の使用量は、特に限定されないが、単量体100質量部に対して、0.01〜50質量部の範囲であるのが好ましい。
これらの単量体のその他の重合条件(重合温度、圧力、撹拌条件等々)に、特に制限はない。重合反応終了後、必要により、得られた重合体を重合媒体から分離する。分離の方法は、特に限定されないが、溶液重合の場合、重合溶液を減圧下に置き、重合溶媒を留去することにより、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A1)を得ることができる。
(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A1)の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ法(GPC法)で測定して、10万から40万の範囲にあることが好ましく、15万から30万の範囲にあることが、より好ましい。
2.(メタ)アクリル酸エステル単量体混合物(A2m)
本発明の感圧性接着剤組成物の第2の必須構成成分である(メタ)アクリル酸エステル単量体混合物(A2m)は、(メタ)アクリル酸エステル単量体と、それと共重合可能な単量体との混合物であれば特に限定されないが、ガラス転移温度が−20℃以下となる単独重合体を形成する(メタ)アクリル酸エステル単量体(a5m)70〜99.9質量%、及び有機酸基を有する単量体(a6m)30〜0.1質量%からなるのが好ましい。
本発明の感圧性接着剤組成物の第2の必須構成成分である(メタ)アクリル酸エステル単量体混合物(A2m)は、(メタ)アクリル酸エステル単量体と、それと共重合可能な単量体との混合物であれば特に限定されないが、ガラス転移温度が−20℃以下となる単独重合体を形成する(メタ)アクリル酸エステル単量体(a5m)70〜99.9質量%、及び有機酸基を有する単量体(a6m)30〜0.1質量%からなるのが好ましい。
ガラス転移温度が−20℃以下となる単独重合体を形成する(メタ)アクリル酸エステル単量体(a5m)の例としては、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A1)の合成に用いる(メタ)アクリル酸エステル単量体(a1m)と同様の(メタ)アクリル酸エステル単量体を挙げることができる。(メタ)アクリル酸エステル単量体(a5m)は、1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。(メタ)アクリル酸エステル単量体混合物(A2m)における、(メタ)アクリル酸エステル単量体(a5m)の比率は、得られる熱伝導性感圧接着性シートの感圧接着性や柔軟性の観点からは、好ましくは70〜99.9質量%、より好ましくは75〜99質量%である。
有機酸基を有する単量体(a6m)の例としては、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)の合成に用いる単量体(a2m)として例示したと同様の有機酸基を有する単量体を挙げることができる。有機酸基を有する単量体(a6m)は、1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。(メタ)アクリル酸エステル単量体混合物(A2m)における、有機酸基を有する単量体(a6m)の比率は、得られる熱伝導性感圧接着性シートの硬度を適性にし、高温(100℃)での感圧接着性を良好にする観点からは、30〜0.1質量%が好ましく、より好ましくは25〜1質量%である。
(メタ)アクリル酸エステル単量体混合物(A2m)の量は、熱伝導性感圧接着性シート状発泡成形体の感圧接着保持性の観点からは、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A1)100質量部に対して好ましくは20〜55質量部、より好ましくは25〜50質量部、さらに好ましくは30〜45質量部である。
3.架橋剤(C1)、(C2)
本発明の感圧接着剤組成物は、第3の必須成分として、2種類の架橋剤(C1)、(C2)を含有する。架橋剤を含有することにより、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A1)及び(メタ)アクリル酸エステル単量体混合物(A2m)の重合体の混合物に架橋構造を導入することができ、得られる熱伝導性感圧接着性シートの、感圧接着剤としての凝集力を高め、耐熱性等を向上させることができる。特に、2種類の特定の架橋剤を併用することによって、得られるシートの接着力や保持力に加え、優れた易剥離性を付与することができる。
本発明の感圧接着剤組成物は、第3の必須成分として、2種類の架橋剤(C1)、(C2)を含有する。架橋剤を含有することにより、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A1)及び(メタ)アクリル酸エステル単量体混合物(A2m)の重合体の混合物に架橋構造を導入することができ、得られる熱伝導性感圧接着性シートの、感圧接着剤としての凝集力を高め、耐熱性等を向上させることができる。特に、2種類の特定の架橋剤を併用することによって、得られるシートの接着力や保持力に加え、優れた易剥離性を付与することができる。
本発明で用いる1つめの架橋剤(C1)は、少なくとも1つのブロックトイソシアネート基と少なくとも1つの重合性不飽和結合とを有する化合物である。
ブロックトイソシアネート基とは、イソシアネート基をブロック剤でマスクした置換基であり、ブロック剤でマスクする前の架橋剤(C1)、すなわち少なくとも1つのイソシアネート基と少なくとも1つの重合性不飽和結合とを有する化合物としては、メタクリロイルイソシアネート、2−イソシアネートエチルメタクリレート、m−又はp−イソプロペニル−α,α′−ジメチルベンジルイソシアネート、及び水酸基含有ビニル単量体とジイソシアネート化合物との等モル付加物などが挙げられる。
これらの化合物に存在するイソシアネート基のマスクに使用されるブロック剤としては、例えば、フェノール系;アルコール系;活性メチレン系;メルカプタン系;酸アミド系;酸イミド系;アミン系;イミダゾール系;尿素系;カルバミン酸塩系;イミン系;オキシム系;亜硫酸塩系;ラクタム系;ピラゾール系;などの公知のイソシアネート基用のブロック剤が挙げられるが、特に好ましいブロック剤として、ホルムアルドキシム、アセトアルドキシム、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシムなどのオキシム系ブロック剤を挙げることができる。
架橋剤(C1)となる、少なくとも1つのブロックトイソシアネート基と少なくとも1つの重合性不飽和結合とを有する化合物は、市販品としても入手可能であり、例えば、昭和電工社製「カレンズMOI―BM(登録商標)」、「カレンズMOI―BP(登録商標)」などが挙げられる。
架橋剤(C1)の使用量は、接着力や保持力の観点からは、(メタ)アクリル酸エステル単量体混合物(A2m)100質量部に対して、0.1〜1.8質量部であることが必要であり、好ましくは0.3〜1.5質量部である。
架橋剤(C2)は、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A1)及び(メタ)アクリル酸エステル単量体混合物(A2m)の重合体の混合物に分子内架橋構造及び/又は分子間架橋構造を生じるための、少なくとも1つの水酸基と、少なくとも1つの重合性不飽和結合とを有する。このような架橋剤(C2)としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリロイルフォスフェート、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
架橋剤(C2)は(メタ)アクリル酸エステル単量体混合物(A2m)100質量部に対して0.05〜5.0質量部の範囲で使用することが必要であり、好ましくは0.1〜4.5質量部の範囲で使用することが望ましい。
4.重合開始剤(D2)
本発明の感圧接着剤組成物には、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)の存在下で(メタ)アクリル酸エステル単量体混合物(A2m)を重合するために、第4の必須成分として重合開始剤(D2)が添加される。重合開始剤(D2)としては有機過酸化物熱重合開始剤、光重合開始剤、アゾ系熱重合開始剤等が挙げられるが、得られる熱伝導性感圧接着性シートの接着力等の観点から、有機過酸化物熱重合開始剤が好ましく用いられる。
本発明の感圧接着剤組成物には、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)の存在下で(メタ)アクリル酸エステル単量体混合物(A2m)を重合するために、第4の必須成分として重合開始剤(D2)が添加される。重合開始剤(D2)としては有機過酸化物熱重合開始剤、光重合開始剤、アゾ系熱重合開始剤等が挙げられるが、得られる熱伝導性感圧接着性シートの接着力等の観点から、有機過酸化物熱重合開始剤が好ましく用いられる。
有機過酸化物熱重合開始剤としては、t−ブチルヒドロペルオキシドのようなヒドロペルオキシド;ベンゾイルペルオキシド、シクロヘキサノンペルオキシド、1,6−ビス(t−ブチルペルオキシカルボニルオキシ)ヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンのようなペルオキシド;等を挙げることができるが、熱分解時に臭気の原因となる揮発性物質を放出しないことが好ましい。前記過酸化物熱重合開始剤の中でも、1分間半減期温度が120℃以上、170℃以下のものが好ましい。
重合開始剤(D2)の使用量は、(メタ)アクリル酸エステル単量体混合物(A2m)100質量部に対して、好ましくは0.1〜10質量部の範囲であり、より好ましくは、0.5〜8質量部であり、さらに好ましくは、1〜5質量部である。
5.熱伝導性無機化合物(B)
上記必須構成成分を含有する感圧接着剤組成物に熱伝導性無機化合物(B)を添加することによって、熱伝導性に優れた熱伝導性感圧接着剤組成物とすることができる。熱伝導性無機化合物(B)としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ベリリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、水酸化鉄、水酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、水酸化ガリウム、水酸化インジウム等の金属水酸化物;アルミナ、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、酸化チタン等の金属酸化物;窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等の金属窒化物;炭化ケイ素等の炭化物;銅、銀、鉄、アルミニウム、ニッケル等の金属;ダイヤモンド、カーボン等の炭素化合物;石英、石英ガラス等のシリカ粉末等が挙げられるが、好ましくは、周期律表第2族又は第13族の金属の水酸化物、酸化物又は窒化物である。
上記必須構成成分を含有する感圧接着剤組成物に熱伝導性無機化合物(B)を添加することによって、熱伝導性に優れた熱伝導性感圧接着剤組成物とすることができる。熱伝導性無機化合物(B)としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ベリリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、水酸化鉄、水酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、水酸化ガリウム、水酸化インジウム等の金属水酸化物;アルミナ、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、酸化チタン等の金属酸化物;窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等の金属窒化物;炭化ケイ素等の炭化物;銅、銀、鉄、アルミニウム、ニッケル等の金属;ダイヤモンド、カーボン等の炭素化合物;石英、石英ガラス等のシリカ粉末等が挙げられるが、好ましくは、周期律表第2族又は第13族の金属の水酸化物、酸化物又は窒化物である。
第2族の金属としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等を、第13族の金属としては、アルミニウム、ガリウム、インジウム等を挙げることができる。
これらの熱伝導性無機化合物(B)は、一種類を単独で使用してもよく、二種類以上を併用してもよい。
熱伝導性無機化合物(B)の形状も特に限定されず、球状、針状、繊維状、鱗片状、樹枝状、平板状及び不定形状のいずれでもよい。
前記熱伝導性無機化合物(B)の中でも、金属の水酸化物が好ましく、特に水酸化アルミニウムが好ましい。水酸化アルミニウムを用いることにより、本発明の熱伝導性感圧接着剤組成物に優れた難燃性を付与することができる。
水酸化アルミニウムとしては、通常、0.2〜150μm、好ましくは0.7〜100μmの粒径を有するものを使用する。また、1〜80μmの平均粒径を有するのが好ましい。平均粒径が1μm未満のものは感圧接着剤組成物の粘度を増大させ、また、同時に硬度も増大し、熱伝導性感圧接着性シートの形状追随性を低下させるおそれがある。
一方、平均粒径が80μmを超えるものは、熱伝導性感圧接着性シートが軟らかくなりすぎ、過度に感圧接着したり、高温で接着力が低下したり、高温で熱変形したりするおそれがある。
本発明において、熱伝導性無機化合物(B)の使用量は、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)100質量部に対して、通常、50〜500質量部、好ましくは100〜400質量部、より好ましくは150〜350質量部の範囲である。使用量が上記の好ましい範囲内にあることにより、熱伝導性、接着力及び硬度(に起因する形状追随性)を良好に保つことができる。
6.発泡剤(E)
本発明の感圧接着剤組成物には、得られるシートを発泡させるために、発泡剤(E)を添加することもできる。発泡剤(E)としては、熱により分解し気体を発生させる熱分解性発泡剤が好ましい。熱分解性発泡剤としては、p,p’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、アゾジカルボアミドなどが挙げられる。
本発明の感圧接着剤組成物には、得られるシートを発泡させるために、発泡剤(E)を添加することもできる。発泡剤(E)としては、熱により分解し気体を発生させる熱分解性発泡剤が好ましい。熱分解性発泡剤としては、p,p’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、アゾジカルボアミドなどが挙げられる。
発泡剤(E)の使用量は、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)100質量部に対して、好ましくは0.01〜0.8質量部、より好ましくは0.05〜0.6質量部、さらに好ましくは0.1〜0.4質量部、特に好ましくは0.1〜0.3質量部である。このような範囲の発泡剤の使用量とすることで、発泡セルの平均径を好ましい範囲に調節することができ、硬度と感圧接着性とのバランスに優れ、かつ形状追随性と感圧接着保持性に優れた熱伝導性感圧接着性シートを得ることができる。
また、必要に応じて、発泡剤(E)とともに発泡助剤を用いてもよい。発泡助剤としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸と亜鉛華の混合物、ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸と亜鉛華の混合物、などが挙げられる。
7.その他の成分
本発明の感圧接着剤組成物には、必要により、可塑剤、顔料、その他の充填材、難燃剤、老化防止剤、増粘剤、粘着付与剤等の公知の各種添加剤を、本発明の効果を損なわない範囲で含有することができる。
本発明の感圧接着剤組成物には、必要により、可塑剤、顔料、その他の充填材、難燃剤、老化防止剤、増粘剤、粘着付与剤等の公知の各種添加剤を、本発明の効果を損なわない範囲で含有することができる。
顔料としては、カーボンブラックや二酸化チタン等、有機系、無機系を問わず使用できる。その他の充填材としては、クレーなどの無機化合物などが挙げられる。フラーレンやカーボンナノチューブ等のナノ粒子を添加してもよい。難燃剤としては、ポリ燐酸アンモニウム、ホウ酸亜鉛、錫化合物、有機リン系化合物、赤リン系化合物、シリコーン系難燃材を挙げることができる。老化防止剤としては、ラジカル重合を阻害する可能性が高いため通常は使用しないが、必要に応じてポリフェノール系、ハイドロキノン系、ヒンダードアミン系等の酸化防止剤を使用することができる。増粘剤としては、アクリル系ポリマー粒子、微粒シリカ等の無機化合物微粒子を使用することできる。粘着付与剤としては、テルペン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、ロジン系樹脂、石油系樹脂、クマロン−インデン樹脂、フェノール系樹脂、水添ロジンエステル、不均化ロジンエステル、キシレン樹脂等を挙げることができる。
8.熱伝導性感圧接着性シート及びその製造方法
上記成分は、ロール、ヘンシェルミキサー、ニーダー等を用いて混合することによって、(熱伝導性)感圧接着剤組成物とされる。各成分の混合順序は特に限定されない。また、混合は、(メタ)アクリル酸単量体混合物(A2m)の重合や発泡剤(E)の分解が進行しないような温度で実施するのが好ましい。こうして得られる熱伝導性感圧接着剤組成物は、シート状に成形しながら、これを重合・発泡させることによって、熱伝導性感圧接着性シートとされる。
上記成分は、ロール、ヘンシェルミキサー、ニーダー等を用いて混合することによって、(熱伝導性)感圧接着剤組成物とされる。各成分の混合順序は特に限定されない。また、混合は、(メタ)アクリル酸単量体混合物(A2m)の重合や発泡剤(E)の分解が進行しないような温度で実施するのが好ましい。こうして得られる熱伝導性感圧接着剤組成物は、シート状に成形しながら、これを重合・発泡させることによって、熱伝導性感圧接着性シートとされる。
熱伝導性感圧接着性シートは、熱伝導性感圧接着剤組成物のみから得られるものであってもよく、基材とその片面又は両面に形成された熱伝導性感圧接着剤組成物から得られる層とからなる複合体であってもよい。
基材の片面又は両面に熱伝導性感圧接着剤組成物から得られる層を形成する場合、基材は、特に限定されない。その具体例としては、アルミニウム、銅、ステンレススティール、ベリリウム銅等の熱伝導性に優れる金属及び合金の箔状物;熱伝導性シリコーン等のそれ自体熱伝導性に優れるポリマーからなるシート状物;熱伝導性フィラーを含有させた熱伝導性プラスチックフィルム;各種不織布;ガラスクロス;ハニカム構造体;等を用いることができる。プラスチックフィルムとしては、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリメチルペンテン、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、芳香族ポリアミド等の耐熱性ポリマーからなるフィルムを使用することができる。
熱伝導性感圧接着剤組成物をシート状に成形する方法は、特に限定されず、例えば、熱伝導性感圧接着剤組成物を、剥離処理したポリエステルフィルム等の工程紙の上に塗布したり、離型紙を敷いた金型に入れて成型したりすればよい。また、熱伝導性感圧接着剤組成物を、必要ならば二枚の剥離処理した工程紙間に挟んで、ロールの間を通すことによってシート化してもよい。さらに、押出し機から押出す際に、ダイスを通して厚さを制御することも可能である。
シート化に際しては、厚さを均一にするために、加圧することが望ましい。加圧条件は、通常、10MPa以下、好ましくは1MPa以下とする。10MPaを超えて加圧するのは、発泡セルが潰れてしまう可能性があるため、好ましくない。加圧時間は、温度条件や使用する重合開始剤の種類・量等に応じて最適点を選べばよいが、生産性等を考えると1時間以内が好ましい。
シート化しながら、あるいはシート化後に、例えば、熱伝導性感圧接着剤組成物を熱風、電気ヒーター、赤外線等により加熱することによって、熱伝導性感圧接着性シートとすることができる。このときの加熱温度は、重合開始剤(D2)及び発泡剤(E)が効率よく分解し、(メタ)アクリル酸エステル単量体混合物(A2m)の重合と発泡剤(E)の熱分解とがほぼ同時に進行する条件が好ましい。温度範囲は、用いる重合開始剤(D2)及び発泡剤(E)の種類により異なるが、120℃〜160℃が好ましい。
本発明の熱伝導性感圧接着性シートにおける、熱伝導性感圧接着剤組成物から得られる層の厚さは特に限定されないが、通常、50μm〜3mmである。50μmより薄いと、発熱体と放熱体に貼付する際に空気を巻き込み易く、結果として充分な熱伝導性を得られないおそれがある。一方、3mmより厚いと、シートの熱抵抗が大きくなり、放熱性が損なわれるおそれがある。
本発明の熱伝導性感圧接着性シートの発泡倍率は、感圧接着保持性の観点からは、通常、1.01〜1.4倍が好ましく、より好ましくは1.03〜1.3倍、特に好ましくは1.05〜1.2倍である。また、発泡セルの平均径は、感圧接着保持性の観点からは、50〜550μmが好ましく、より好ましい平均径は100〜500μm、であり、特に好ましい平均径は150〜450μmである。
本発明の感圧性接着剤組成物から得られる熱伝導性感圧接着性シートは、プラズマディスプレイパネル(PDP)、集積回路(IC)チップ等のような電子部品等の発熱体から放熱体への熱伝導を効率よく行うための熱伝導シートとして好適に使用される。
以下に、実施例にて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。なお、ここで用いる「部」や「%」は、特に断らない限り、質量基準である。
(1)熱伝導性感圧接着性シートの作成
(実施例1)
反応器に、アクリル酸2−エチルヘキシル94%とアクリル酸6%とからなる単量体混合物100部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.03部及び酢酸エチル700部を入れて均一に溶解し、窒素置換後、80℃で6時間重合反応を行った。重合転化率は97%であった。得られた重合体を減圧乾燥して酢酸エチルを蒸発させ、粘性のある固体状の(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)を得た。(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)のMwは270,000、Mw/Mnは3.1であった。
(実施例1)
反応器に、アクリル酸2−エチルヘキシル94%とアクリル酸6%とからなる単量体混合物100部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.03部及び酢酸エチル700部を入れて均一に溶解し、窒素置換後、80℃で6時間重合反応を行った。重合転化率は97%であった。得られた重合体を減圧乾燥して酢酸エチルを蒸発させ、粘性のある固体状の(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)を得た。(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)のMwは270,000、Mw/Mnは3.1であった。
擂潰機用乳鉢に、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)100部、アクリル酸2−エチルヘキシル93.8%及びメタクリル酸6.2%からなる(メタ)アクリル酸エステル単量体混合物(A2m)32部、架橋剤(C1)であるメタクリル酸2−(O−[1’−メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル(カレンズMOI−BM:昭和電工(株)社製)0.25部、架橋剤(C2)であるペンタエリスリトールトリアクリレート(ライトアクリレートPE−3A:共栄社化学(株)社製)(以下、「PETA」と略記する。)0.85部、重合開始剤(D2)である1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン(以下、「TMCH」と略記する。)0.9部、発泡剤(E)であるp,p’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(以下、「OBSH」と略記する。)0.18部、及び熱伝導性無機化合物(B)である水酸化アルミニウム200部を一括して投入し、擂潰機により室温で十分混合した。その後、減圧下において攪拌しながら脱泡し、粘性液状の熱伝導性感圧接着剤組成物を得た。縦400mm、横400mm、深さ2mmの金型の底面に離型剤付きポリエステルフィルムを敷いてから、この熱伝導性感圧接着剤組成物を金型いっぱいに注入し、その上を離型剤付きポリエステルフィルムで覆った。これを金型から取り出し、155℃の熱風炉で30分間、重合及び発泡を行わせ、両面が離型剤付きポリエステルフィルムで覆われた熱伝導性感圧接着性シートを得た。シート中の残存単量体量から(メタ)アクリル酸エステル単量体混合物(A2m)の重合転化率を計算したところ、99.9%であった。
(実施例2、比較例1〜7)
架橋剤の種類及び配合を変更した以外は実施例1と同様にして熱伝導性感圧接着性シートを得た。実施例及び比較例で作成した熱伝導性感圧接着剤組成物の組成を表1に示す。なお、表1中の括弧内の数値は、単量体混合物(A2m)100質量部に対する含量(部)に換算した値を表している。
架橋剤の種類及び配合を変更した以外は実施例1と同様にして熱伝導性感圧接着性シートを得た。実施例及び比較例で作成した熱伝導性感圧接着剤組成物の組成を表1に示す。なお、表1中の括弧内の数値は、単量体混合物(A2m)100質量部に対する含量(部)に換算した値を表している。
(1)(メタ)アクリル酸エステル共重合体の性能評価
上記で作製した(メタ)アクリル酸エステル共重合体を以下の基準により評価した。
(重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn))
テトラヒドロフランを溶離液とするゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより、標準ポリスチレン換算で求めた。
上記で作製した(メタ)アクリル酸エステル共重合体を以下の基準により評価した。
(重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn))
テトラヒドロフランを溶離液とするゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより、標準ポリスチレン換算で求めた。
(2)熱伝導性感圧接着性シートの性能評価
上記で作製した熱伝導性感圧接着性シートを以下の基準により評価した。結果を表2に示す。
(室温接着力)
25mm×125mmの試験片をアルミ板に重ね、2kgのローラーで圧着させた。これを1時間放置した後、この試験片を室温設定した恒温槽内にセットして、引張速度50mm/分で90度方向の最大接着強度を測定した。
(感圧接着保持性)
25mm×25mmの試験片をアルミ板に重ね、2kgのローラーで圧着させた後、もう一方の面にガラス板を圧着させた。1時間放置した後、この試験片を垂直にした状態で、アルミ板を壁に固定し、ガラス板に500gのおもりを吊り下げ100℃雰囲気化の恒温層に設置した。この状態でおもりが落下するまでの時間(保持時間)を計測した。時間が長いほど、感圧接着保持性に優れる。評価基準は以下のとおりである。
○:保持時間が3600秒以上
×:保持時間が3600秒未満
上記で作製した熱伝導性感圧接着性シートを以下の基準により評価した。結果を表2に示す。
(室温接着力)
25mm×125mmの試験片をアルミ板に重ね、2kgのローラーで圧着させた。これを1時間放置した後、この試験片を室温設定した恒温槽内にセットして、引張速度50mm/分で90度方向の最大接着強度を測定した。
(感圧接着保持性)
25mm×25mmの試験片をアルミ板に重ね、2kgのローラーで圧着させた後、もう一方の面にガラス板を圧着させた。1時間放置した後、この試験片を垂直にした状態で、アルミ板を壁に固定し、ガラス板に500gのおもりを吊り下げ100℃雰囲気化の恒温層に設置した。この状態でおもりが落下するまでの時間(保持時間)を計測した。時間が長いほど、感圧接着保持性に優れる。評価基準は以下のとおりである。
○:保持時間が3600秒以上
×:保持時間が3600秒未満
(硬度)
日本ゴム協会規格(SRIS)アスカーC法で測定した。硬度計は、高分子計器社製、商品名「ASKER CL−150LJ」を使用した。幅30mm×長さ60mm×厚さ2mmのシート試験片を作製し、それを3枚重ね合わせ、23℃で保たれた恒温室に48時間以上静置して、状態調整を行ったものを試料とした。指針が95〜98となるようにダンパー高さを調整し、サンプルとダンパーが衝突してから20秒後の硬度を測定し、測定を5回繰り返して、その平均値を採用した。
(引張強度)
JIS−K6251に準じた方法で引張強度を測定した。引張強度が大きいほど、千切れにくく、剥がしやすいことを示す。
(易剥離性)
50mm×150mmの試験片をアルミ板に重ね、2kgのローラーで圧着させた後、1時間放置後及び24時間放置後に手で試験片を剥離し、その際の剥離性を評価した。評価基準は以下のとおりである。
○:シートが千切れることなく剥離できた。
△:シートが時々千切れるが剥離できた。
×:シートがすぐに千切れてしまい剥離困難。
日本ゴム協会規格(SRIS)アスカーC法で測定した。硬度計は、高分子計器社製、商品名「ASKER CL−150LJ」を使用した。幅30mm×長さ60mm×厚さ2mmのシート試験片を作製し、それを3枚重ね合わせ、23℃で保たれた恒温室に48時間以上静置して、状態調整を行ったものを試料とした。指針が95〜98となるようにダンパー高さを調整し、サンプルとダンパーが衝突してから20秒後の硬度を測定し、測定を5回繰り返して、その平均値を採用した。
(引張強度)
JIS−K6251に準じた方法で引張強度を測定した。引張強度が大きいほど、千切れにくく、剥がしやすいことを示す。
(易剥離性)
50mm×150mmの試験片をアルミ板に重ね、2kgのローラーで圧着させた後、1時間放置後及び24時間放置後に手で試験片を剥離し、その際の剥離性を評価した。評価基準は以下のとおりである。
○:シートが千切れることなく剥離できた。
△:シートが時々千切れるが剥離できた。
×:シートがすぐに千切れてしまい剥離困難。
本発明の熱伝導性感圧接着性シートは、接着力、硬度、接着保持性というシートの基本的な性能の評価項目全てにおいて良好な結果を示すのみならず、引張強度、易剥離性にも優れていた。一方、架橋剤が(C1)か(C2)のどちらか一方のみである比較例1〜3や、(C2)の代わりに水酸基を有さない架橋剤を用いた比較例4では、引張強度や易剥離性が劣る結果となった。また、架橋剤(C1)を本発明で規定する以上の量用いた比較例5や、架橋剤(C1)の代わりに重合性不飽和結合を有さない架橋剤を用いた比較例6、7では、剥離性は良好なものの、接着力、硬度、接着保持性の点で劣る結果となった。
以上、現時点において、もっとも、実践的であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う感圧性接着剤組成物もまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
Claims (4)
- (メタ)アクリル酸エステル共重合体(A1)、(メタ)アクリル酸エステル単量体混合物(A2m)、少なくとも1つのブロックトイソシアネート基と少なくとも1つの重合性不飽和結合とを有する架橋剤(C1)、少なくとも1つの水酸基と少なくとも1つの重合性不飽和結合とを有する架橋剤(C2)、及び重合開始剤(D2)を含んでなる感圧性接着剤組成物であって、前記(メタ)アクリル酸エステル単量体混合物(A2m)100質量部に対する前記架橋剤(C1)の含有量が0.1〜1.8質量部であり、前記(メタ)アクリル酸エステル単量体混合物(A2m)100質量部に対する前記架橋剤(C2)の含有量が0.05〜5.0質量部であることを特徴とする感圧性接着剤組成物。
- 請求項1に記載の感圧性接着剤組成物にさらに熱伝導性無機化合物(B)が含まれてなる、熱伝導性感圧接着剤組成物。
- 請求項2に記載の熱伝導性感圧接着剤組成物がさらに発泡剤(E)により発泡されるとともに、シート状に成形されてなる熱伝導性感圧接着性シート。
- (メタ)アクリル酸エステル共重合体(A1)、(メタ)アクリル酸エステル単量体混合物(A2m)、熱伝導性無機化合物(B)、前記(メタ)アクリル酸エステル単量体混合物(A2m)100質量部に対して0.1〜1.8質量部の少なくとも1つのブロックトイソシアネート基と少なくとも1つの重合性不飽和結合とを有する架橋剤(C1)、前記(メタ)アクリル酸エステル単量体混合物(A2m)100質量部に対して0.05〜5.0質量部の少なくとも1つの水酸基と少なくとも1つの重合性不飽和結合とを有する架橋剤(C2)、重合開始剤(D2)、及び発泡剤(E)、を含む混合物をシート状に成形しながら、さらに加熱して重合、及び発泡させてなる熱伝導性感圧接着性シートの製造方法。
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