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JP2008202034A - 懸濁重合用分散安定剤およびそれを用いた塩化ビニル系重合体の製造方法 - Google Patents

懸濁重合用分散安定剤およびそれを用いた塩化ビニル系重合体の製造方法 Download PDF

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JP2008202034A
JP2008202034A JP2008006545A JP2008006545A JP2008202034A JP 2008202034 A JP2008202034 A JP 2008202034A JP 2008006545 A JP2008006545 A JP 2008006545A JP 2008006545 A JP2008006545 A JP 2008006545A JP 2008202034 A JP2008202034 A JP 2008202034A
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Makoto Oura
誠 大浦
Tadashi Amano
正 天野
Minoru Shigemitsu
稔 重光
Shingo Niinobe
信吾 新延
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】フィッシュアイや異物に由来する欠陥が非常に少ない塩化ビニル系重合体を得るための懸濁重合用分散安定剤およびそれを用いた塩化ビニル系重合体の製造方法を提供する。
【解決手段】メトキシ基置換度が27〜30質量%であり、ヒドロキシプロポキシ基置換度が5〜12質量%であるヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む懸濁重合用分散安定剤であって、該ヒドロキシプロピルメチルセルロースの2質量%水溶液の20℃における粘度が5〜1600mPa・sであり、該ヒドロキシプロピルメチルセルロースの0.2質量%溶液2mlにおいて、コールターカウンター法により測定された粒径8〜200μmの未溶解繊維の個数が1000個以下であり、かつ、同法により測定された粒径50μm以上の未溶解繊維の個数が20個以下である懸濁重合用分散安定剤、および該分散安定剤を用いた塩化ビニル系重合体の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、懸濁重合用分散安定剤およびそれを用いた塩化ビニル系重合体の製造方法に関し、特にフィッシュアイや異物に起因する欠陥が非常に少ない塩化ビニル系重合体が得られる懸濁重合用分散安定剤およびそれを用いた塩化ビニル系重合体の製造方法に関する。
塩化ビニル系重合体は優れた物理的性質を有する有用な樹脂であり、硬質から軟質のものが幅広い用途に用いられている。これら樹脂中には、異物に起因する欠陥や重合体の未溶融物由来の不均一部分、所謂フィッシュアイと呼ばれる欠陥が含まれることがあり、これをいかに低減させるかが従来からの大きな課題である。特に薄いフィルムや延伸フィルムの用途においては、このフィッシュアイや異物に由来する欠陥部分を基点にして、フィルムの裂けやスジ状の欠陥が生じることがあり、生産性や歩留まりの点で大きな課題である。
従来、可塑剤吸収性の良い重合体においてはフィッシュアイが低減されていることがよく知られており、これまで、可塑剤吸収性の優れた塩化ビニル系重合体の製造方法が多数提案されている。例えば、特許文献1で提案されている方法は、ケン化度37〜70モル%、重合度160〜500の部分ケン化ポリビニルアルコールの存在下に塩化ビニルの懸濁重合を行うことを特徴とする多孔性塩化ビニル系重合体の製造方法である。
また、特許文献2で提案されている方法は、(A)平均重合度1500〜2700、ケン化度75〜85モル%の部分ケン化ポリビニルアルコール及び(B) メトキシ置換度26〜30重量%、ヒドロキシプロポキシ置換度4〜15重量%でかつ、その2重量%水溶液の20℃における粘度が5〜4000mPa・sであるヒドロキシプロピルメチルセルロースを使用するとともに、重合転化率5〜50%の時点で(C)平均重合度150〜600、ケン化度20〜55モル%の部分ケン化ポリビニルアルコールを添加することを特徴とする可塑剤吸収性の優れた塩化ビニル系重合体の製造方法である。
特開昭52−115890号公報 特開平3−64302号公報
前述のような従来技術の方法によれば、重合体の未溶融物由来のフィッシュアイを低減させることは可能であるが、異物由来の欠陥を低減させることはできない。製造工程内の各所に異物の発生原因が存在し、多くの場合、ストレーナーの設置や製造条件の変更、クリーニング等によって異物低減が可能である。しかし、上記薄いフィルムや延伸フィルム等の用途では、異物低減に対する要求が高く、これらの対応では不十分である。
本発明の課題は、フィッシュアイや異物に由来する欠陥が非常に少ない塩化ビニル系重合体を得るための懸濁重合用分散安定剤およびそれを用いた塩化ビニル系重合体の製造方法を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討した結果、これら問題となる異物の発生原因が、塩化ビニル系重合体の製造において一般的に用いられているセルロース誘導体の水溶液中に含まれる未溶解繊維であることを見出した。更に、本発明者らは、この未溶解繊維の量を一定値以下にし、かつ、セルロース誘導体の置換基を一定範囲に調整した懸濁重合用分散安定剤を用いることによって、これら問題が解決できることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、メトキシ基置換度が27〜30質量%であり、ヒドロキシプロポキシ基置換度が5〜12質量%であるヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む懸濁重合用分散安定剤であって、
該ヒドロキシプロピルメチルセルロースの2質量%水溶液の20℃における粘度が5〜1600mPa・sであり、
該ヒドロキシプロピルメチルセルロースの0.2質量%溶液2mlにおいて、コールターカウンター法により測定された粒径8〜200μmの未溶解繊維の個数が1000個以下であり、かつ、同法により測定された粒径50μm以上の未溶解繊維の個数が20個以下である懸濁重合用分散安定剤を提供する。
本発明は第二に、塩化ビニル又は塩化ビニルと共重合性単量体との単量体混合物を上記の分散安定剤の存在下に水性媒体中で懸濁重合させることを含む塩化ビニル系重合体の製造方法であって、
重合開始時に、該分散安定剤の量が、前記塩化ビニル又は前記単量体混合物100質量部当たり0.01〜0.07質量部である
ことを特徴とする塩化ビニル系重合体の製造方法を提供する。
本発明は第三に、上記の分散安定剤を用いて得られる塩化ビニル系重合体であり、異物測定試験で測定された繊維質に起因する異物の個数が10個以下である塩化ビニル系重合体を提供する。
本願発明の懸濁重合用分散安定剤を用いることにより、得られる塩化ビニル系重合体はフィッシュアイおよび異物の個数が減少し、加工成形時の歩留まりや生産性が大幅に向上する。
以下、本発明を詳細に説明する。
−分散安定剤−
本発明の懸濁重合用分散安定剤は、上述したように、メトキシ基置換度が27〜30質量%であり、ヒドロキシプロポキシ基置換度が5〜12質量%であるヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む懸濁重合用分散安定剤であって、
該ヒドロキシプロピルメチルセルロースの2質量%水溶液の20℃における粘度が5〜1600mPa・sであり、
該ヒドロキシプロピルメチルセルロースの0.2質量%溶液2mlにおいて、コールターカウンター法により測定された粒径8〜200μmの未溶解繊維の個数が1000個以下であり、かつ、同法により測定された粒径50μm以上の未溶解繊維の個数が20個以下である懸濁重合用分散安定剤である。
該ヒドロキシプロピルメチルセルロースのメトキシ基置換度が27質量%よりも低く、および/または、該ヒドロキシプロピルメチルセルロースのヒドロキシプロポキシ基置換度が5質量%よりも低いと、得られる重合体の可塑剤吸収性が低下する場合がある。該メトキシ基置換度が30質量%よりも高く、および/または、該ヒドロキシプロポキシ基置換度が12質量%よりも高いと、得られる重合体粒子の粒度分布がブロードとなるおそれがある。
該ヒドロキシプロピルメチルセルロースの2質量%水溶液の20℃における粘度は、通常、5〜1600mPa・sの範囲であり、好ましくは10〜1000mPa・sの範囲であり、更に好ましくは20〜500mPa・sの範囲である。この粘度が低すぎると、得られる分散安定剤を用いた懸濁重合の重合安定性が低下し、得られる重合体粒子の粒度分布が広くなってしまうおそれがある。一方、この粘度が高すぎると、得られる分散安定剤は、流動性が悪化し仕込み量の制御が困難となる場合がある。このような分散安定剤を用いるには、その溶解濃度を低くしてその粘度を下げなければならず、溶解のための操作回数が多くなったり大容量の溶解タンクが必要となったりするため、操作性が極端に悪化する場合がある。
該ヒドロキシプロピルメチルセルロースの0.2質量%溶液2mlにおいて、コールターカウンター法により測定された粒径8〜200μmの未溶解繊維の個数が1000個を超えると、この未溶解繊維由来のフィッシュアイが増加し加工成形時の歩留まりや生産性が悪化する場合がある。また、該溶液2mlにおいて、同法により測定された粒径50μm以上の未溶解繊維の個数が20個を超えると、上記悪化傾向が特に顕著に現れるおそれがある。
なお、この未溶解繊維の個数は下記の方法で測定することができる。まず、濃度が0.2質量%となるように、ヒドロキシプロピルメチルセルロースをコールターカウンター用電解質溶液(ISOTON II)に20℃恒温槽内で溶解する。得られた溶液2ml中に存在する未溶解繊維を、径400μmのアパーチャーチューブを用いたコールターカウンターにより、粒径に応じて計数する。このようにして特定の粒径の範囲内にある未溶解繊維の個数を測定する。
更には、30℃において光路長20mmのガラスセルを用いて測定された前記ヒドロキシプロピルメチルセルロースの2質量%水溶液の透光度が95%以上であることが好ましい。該透光度が95%未満であると、該ヒドロキシプロピルメチルセルロース中の未溶解繊維由来のフィッシュアイが増加し加工成形時の歩留まりや生産性が悪化する場合がある。
透光度は下記の方法で測定することができる。濃度が2質量%となるように、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを30℃恒温槽内で水に溶解して、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの2質量%水溶液を調製する。この水溶液を光路長20mmのガラスセルにとり、30℃において水を対照液として分光光度計でW−ランプ直接光(フィルタなし)による透光度を測定する。このようにして測定された透光度を本発明における透光度として用いる。
本願発明の懸濁重合用分散安定剤は、上記のヒドロキシプロピルメチルセルロースを1種単独で含んでいても2種以上を組み合わせて含んでいてもよい。また、該分散安定剤は、塩化ビニル系重合体の製造に従来使用されている分散安定剤と組み合わせて使用してもよい。このような分散安定剤は1種単独で使用しても2種以上を組み合わせて使用してもよく、その例としては、例えば、部分鹸化ポリビニルアルコール、アクリル酸重合体、ゼラチン、ソルビタンモノラウレート、ソルビタントリオレート、グリセリントリステアレート、エチレンオキシド-プロピレンオキシドブロック共重合体、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレングリセリンオレアート、ラウリン酸ナトリウムなどが挙げられる。
(製造方法)
セルロースエーテル類は、通常、原料となるパルプにアルカリを加えてアルカリセルロースとした後にエーテル化剤を加えて製造されるが、アルカリセルロース製造時の解重合の不均一性や、エーテル置換反応の固体/液体間反応の不均一性等が原因で未溶解繊維分が多くなってしまう。
本願発明の懸濁重合用分散安定剤に用いられるヒドロキシプロピルメチルセルロースは、この未溶解繊維の個数を前述の範囲にするために、通常のセルロース誘導体の製造方法において、均一で充分な反応が行なわれる条件を採用することにより得られる。例えば、アルカリセルロース製造時に二軸混練り機を用いて粉末パルプとアルカリ水溶液とを均一混合する方法、アルカリ水溶液添加前の反応器内酸素量をセルロース1kg当り1g以下に低減させる方法、大量の有機溶媒下で粉末パルプにアルカリ水溶液を添加する方法、不活性溶媒中または不活性溶媒とクロロメチルとの混合溶媒中40〜70℃で粉末パルプとアルカリ水溶液とを緊密に混合させる方法などが挙げられる。
(使用量)
本願発明の懸濁重合用分散安定剤を用いて、塩化ビニル又は塩化ビニルと共重合性単量体(即ち、塩化ビニルと共重合可能な他の単量体)との単量体混合物(以下、「仕込み単量体」という)を水性媒体中で懸濁重合させるとき、該分散安定剤の使用量は重合開始時に仕込み単量体100質量部当たり0.01〜0.07質量部、好ましくは0.01〜0.05質量部である。
−塩化ビニル系重合体−
本発明の懸濁重合用分散安定剤を用いて得られる塩化ビニル系重合体は、異物測定試験で測定された繊維質に起因する異物の個数が10個以下であることが好ましい。このような塩化ビニル系重合体は、例えば、塩化ビニル又は塩化ビニルと共重合性単量体との単量体混合物を本発明の分散安定剤の存在下に水性媒体中で懸濁重合させることを含む塩化ビニル系重合体の製造方法において、重合開始時に、該分散安定剤の量を前記塩化ビニル又は前記単量体混合物100質量部当たり0.01〜0.07質量部、好ましくは0.01〜0.05質量部とすることにより製造することができる。ここで「繊維質に起因する異物」とは前記ヒドロキシプロピルメチルセルロース由来の未溶解繊維をいう。
異物測定試験は下記の方法で行うことができる。すなわち、試料重合体100質量部、スズ系安定剤2質量部、ジオクチルフタレート(DOP)20質量部を混合して得たコンパウンド50gを、150mm×150mm×3mmの金型に入れ、175℃で3分間予熱した後、プレス加圧−脱圧(常圧)を2回(1回目プレス加圧圧力:1.0MPa、2回目プレス加圧圧力:2.0MPa)行い、プレス圧力3.5MPaで2分間プレス成形後冷却する。得られたプレート中の異物をルーペ(10倍ルーペ)で目視観察し、繊維質に起因する異物の個数を測定する。上記の異物の個数が10個を超えると、本発明の塩化ビニル系重合体の加工成形時に歩留まりや生産性が急激に悪化するおそれがあるので好ましくない。
−その他の重合条件−
本発明の塩化ビニル系重合体の製造方法は、前述のように特定の分散安定剤を使用し、その使用量を限定すること以外は、通常行われている塩化ビニル系重合体の製造方法と同様の条件で行うことができる。
(単量体)
本発明で用いられる単量体原料は、塩化ビニル又は塩化ビニルと共重合性単量体との単量体混合物である。該単量体混合物としては、例えば、塩化ビニルを主成分とする単量体混合物、即ち、50質量%以上の塩化ビニルと、50質量%以下の共重合性単量体とからなる混合物が挙げられる。共重合性単量体としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等のアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等のメタクリル酸エステル;エチレン、プロピレン等のオレフィン類;無水マレイン酸;アクリロニトリル;スチレン;塩化ビニリデン等が挙げられる。これらは一種単独でも二種以上を組み合わせても使用することができる。
(重合開始剤)
本発明方法で使用される重合開始剤も特に限定されず、従来の塩化ビニル系重合体の製造に用いられているものでよい。例えば、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ-2-エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジエトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ-sec-ブチルパーオキシジカーボネート等のパーオキシカーボネート化合物;t-ブチルパーオキシピバレート、t-ヘキシルパーオキシピバレート、t-ブチルパーオキシネオデカノエート、α-クミルパーオキシネオデカノエート、t-ブチルパーオキシネオヘプタノエート、t-アミルパーオキシネオデカノエート等のパーオキシエステル化合物;ジイソブチリルパーオキサイド、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、2,4,4-トリメチルペンチル-2-パーオキシフェノキシアセテート、3,5,5-トリメチルヘキサノイルパーオキサイド等の過酸化物;アゾビス-2,4-ジメチルバレロニトリル、アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;過酸化水素等が挙げられる。これらは一種単独でも二種以上を組み合わせても使用できる。その使用量は、仕込み単量体100質量部に対し、通常、0.01〜1質量部の範囲である。
(酸化防止剤)
本発明に用いられる酸化防止剤は特に制限はなく、塩化ビニル系重合体の製造において一般に用いられるものでよい。例えば、2,2-ジ(4'-ヒドロキシフェニル)プロパン、ハイドロキノン、p-メトキシフェノール、t-ブチルヒドロキシアニソール、n-オクタデシル・3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,5-ジ-t-ブチルハイドロキノン、4,4'-ブチリデンビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシトルエン、2,2'-メチレン-ビス(4-エチル-6-t-ブチルフェノール)、トリエチレングリコール・ビス〔3-(3-t-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ペンタエリスリトール・テトラキス〔3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,6-ジ-t-ブチル-4-sec-ブチルフェノール、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、t-ブチルカテコール、4,4'-チオビス(6-t-ブチル-m-クレゾール)、トロフェロール、ノルジヒドログアイアレチン酸等のフェノール化合物;セミカルバジド、1-アセチルセミカルバジド、1-クロルアセチルセミカルバジド、1-ジクロルアセチルセミカルバジド、1-ベンゾイルセミカルバジド、セミカルバゾン等のセミカルバジド誘導体;カルボヒドラジド、チオセミカルバジド、チオセミカルバゾン等のチオカルバジドの誘導体;フェニルナフチルアミン、N,N'-ジフェニル-p-フェニレンジアミン、4,4'-ビス(ジメチルベンジル)ジフェニルアミン等のアミン化合物;ニトロアニソール、N-ニトロソジフェニルアミン、ニトロアニリン、N-ニトロソフェニルヒドロキシリルアミンアルミニウム塩等のニトロまたはニトロソ化合物;トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、4,4'-ブチリデン-ビス(3-メチル-6-t-ブチルフェニル-ジ-トリデシル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(オクタデシルホスファイト)、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト等のリン化合物;スチレン、1,3-ヘキサジエン、メチルスチレン等の不飽和炭化水素化合物;ジラウリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ドデシルメルカプタン、1,3-ジフェニル-2-チオ尿素等の硫黄化合物等が挙げられる。これらは一種単独でも二種以上を組み合わせても使用することができる。
これらのうちで、得られる重合体の抗初期着色性が良好で、重合器へのスケール付着が少ない点で、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシトルエン、トリエチレングリコール・ビス〔3-(3-t-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、t-ブチルヒドロキシアニソール、t-ブチルハイドロキノン、2,6-ジ-t-ブチル-4-sec-ブチルフェノール、n-オクタデシル・3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートが好ましい。
酸化防止剤の添加時期には特に限定はなく、得られる重合体のフィッシュアイを低減させる目的で重合開始前に添加したり、異常反応制御や重合速度制御等の目的で重合途中に添加したり、得られる重合体の可塑剤吸収性等の品質を一定に制御する等の目的で重合終了後に添加したりする等、種々の目的に応じて添加時期を選択することができる。酸化防止剤の添加方法には特に限定はなく、通常行われているように、メタノール、エタノール、アセトン等の有機溶媒に溶解して添加しても、水性エマルジョンとして添加しても、加熱溶融状態で添加してもよい。
これらの酸化防止剤は、仕込み単量体100質量部当たり0.0001〜0.1質量部を使用すると好適である。
(その他)
重合における他の条件、例えば、重合器への水性媒体、塩化ビニルまたは塩化ビニルを含む単量体混合物、分散助剤、重合開始剤等の仕込み方法、仕込み割合、あるいは重合温度なども従来と同様でよい。また、必要に応じて塩化ビニル系重合体の製造に一般的に使用されている重合度調整剤、連鎖移動剤、ゲル化改良剤、耐電防止剤などを適宜使用することもできる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[実施例1]
内容量2mのステンレス製重合器に脱イオン水980kg、表1記載の特性を有するヒドロキシプロピルメチルセルロース162.5g、ケン化度80.5モル%、平均重合度2500の部分ケン化ポリビニルアルコール162.5g、及びケン化度48モル%、重合度230の部分ケン化ポリビニルアルコール65gを仕込んだ。重合器内を内圧が8kPa(絶対圧)となるまで脱気した後、塩化ビニル単量体650kgを仕込んだ。撹拌しながら、重合開始剤としてt-ブチルパーオキシネオデカノエート585gを仕込み、同時にジャケットに温水を通して昇温を開始し、重合器内の温度が52.0℃に達した段階で、その温度を保ち重合を続けた。
重合器内の圧力が0.62MPa(ゲージ圧)に低下した時点で、重合器内にトリエチレングリコール・ビス〔3-(3-t-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕の35質量%水性分散液を186g添加し、次いで未反応単量体を回収した。
得られた重合体の見掛け比重、平均粒子径、可塑剤吸収量、可塑剤吸収性、フィッシュアイ個数、異物個数を下記の方法で測定した。結果を表2に示す。
−見掛け比重−
塩化ビニル系重合体の見掛け比重をJIS K7365に準拠して測定した。
−平均粒径−
JIS Z8801規定の試験用ふるいのうち、呼び寸法が300μm、250μm、180μm、150μm、106μm、75μmのふるいをロータップ型ふるい分け装置に取り付け、最上段に塩化ビニル系重合体100gを静かに入れて、10分間しんとう後、各ふるい上に残った試料の質量を測定し、下記に示す総質量(100g)に対する百分率(A〜F)を求めた。求めた各ふるいの篩上率および篩下率を下記式に代入して平均粒径を求めた。
A:呼び寸法250μmのふるいでの篩上率(%)
B:呼び寸法180μmのふるいでの篩上率(%)
C:呼び寸法150μmのふるいでの篩上率(%)
D:呼び寸法106μmのふるいでの篩上率(%)
E:呼び寸法75μmのふるいでの篩上率(%)
F:呼び寸法75μmのふるいでの篩下率(%)
平均粒径(μm)={(A×300)+(B×215)+(C×165)+(D×128)+(E×90)+(F×60)}×1/100
−可塑剤吸収量−
塩化ビニル系重合体の可塑剤吸収量をJIS K7386に準拠して測定した。
−可塑剤吸収性−
試料重合体400gを、ジャケット温度を80℃に調節した撹拌機付きのブラベンダープラストグラフに投入して、4分間撹拌し、重合体温度を80℃とした後、DOP 200gを加えて、前記添加時点からドライアップする(回転トルクが下降する)までの時間を測定した。
−フィッシュアイ−
試料重合体100質量部、三塩基性硫酸鉛1質量部、ステアリン酸鉛1.5質量部、二酸化チタン0.2質量部、カーボンブラック0.1質量部及びDOP 50質量部を混合して得たコンパウンド25gを145℃においてロールミルで5分間混練して0.2mm厚のシートとして分取し、このシート100cm2中の透明粒子の数を測定した。
−異物測定試験−
試料重合体100質量部、スズ系安定剤2質量部、DOP 20質量部を混合して得たコンパウンド50gを、150mm×150mm×3mmの金型に入れ、175℃で3分間予熱した後、プレス加圧−脱圧(常圧)を2回(1回目プレス加圧圧力:1.0MPa、2回目プレス加圧圧力:2.0MPa)行い、プレス圧力3.5MPaで2分間プレス成形後冷却した。得られたプレート中の異物をルーペ(10倍ルーペ)で目視観察し、繊維質に起因する異物の個数を測定した。
[実施例2、比較例1〜3]
これらの各例に応じて表1記載の特性を有するヒドロキシプロピルメチルセルロースを用いた以外は、実施例1と同様にして、重合体の調製および該重合体に対する測定を行った。結果を表2に示す。
Figure 2008202034

表中、「粘度」は20℃のおける値であり、「未溶解繊維の個数」はコールターカウンター法により測定された値であり、「透光度」は30℃において光路長20mmのガラスセルを用いてW−ランプ直接光(フィルタなし)により測定された値である。
Figure 2008202034

Claims (4)

  1. メトキシ基置換度が27〜30質量%であり、ヒドロキシプロポキシ基置換度が5〜12質量%であるヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む懸濁重合用分散安定剤であって、
    該ヒドロキシプロピルメチルセルロースの2質量%水溶液の20℃における粘度が5〜1600mPa・sであり、
    該ヒドロキシプロピルメチルセルロースの0.2質量%溶液2mlにおいて、コールターカウンター法により測定された粒径8〜200μmの未溶解繊維の個数が1000個以下であり、かつ、同法により測定された粒径50μm以上の未溶解繊維の個数が20個以下である懸濁重合用分散安定剤。
  2. 30℃において光路長20mmのガラスセルを用いて測定された前記ヒドロキシプロピルメチルセルロースの2質量%水溶液の透光度が95%以上であることを特徴とする請求項1に係る分散安定剤。
  3. 塩化ビニル又は塩化ビニルと共重合性単量体との単量体混合物を請求項1又は2に記載の分散安定剤の存在下に水性媒体中で懸濁重合させることを含む塩化ビニル系重合体の製造方法であって、
    重合開始時に、該分散安定剤の量が、前記塩化ビニル又は前記単量体混合物100質量部当たり0.01〜0.07質量部である
    ことを特徴とする塩化ビニル系重合体の製造方法。
  4. 請求項1又は2に記載の分散安定剤を用いて得られる塩化ビニル系重合体であり、異物測定試験で測定された繊維質に起因する異物の個数が10個以下である塩化ビニル系重合体。
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