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JP2008277154A - アルカリ乾電池 - Google Patents

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JP2008277154A
JP2008277154A JP2007119805A JP2007119805A JP2008277154A JP 2008277154 A JP2008277154 A JP 2008277154A JP 2007119805 A JP2007119805 A JP 2007119805A JP 2007119805 A JP2007119805 A JP 2007119805A JP 2008277154 A JP2008277154 A JP 2008277154A
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JP2007119805A
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Kyoko Fujiwara
教子 藤原
Yasushi Sumihiro
泰史 住廣
Seiji Wada
誠司 和田
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

【課題】アルカリ乾電池の製造工程において、絶縁リングの負極端子板への装着不良およびそれに起因する電池の外観不良の発生を低減化するとともに、アルカリ乾電池内部のガス圧が上昇した場合でも、アルカリ電解液のスプレー状の噴出を抑制する。
【解決手段】開口部を有しかつ発電要素が収納される電池ケース2と、電池ケース2内部のガス圧により破断する薄肉部10aを有する樹脂封口体10および排出孔11xが形成された負極端子板11を備え、電池ケース2の開口部に装着されて電池ケース2を封口する組立封口体3と、環状部4aと被支持部4bとを含み、負極端子板11に装着される絶縁リング4と、電池ケース2の外周面に接するように設けられる外装ラベル5とを含むアルカリ乾電池1において、絶縁リング4の環状部4aの内周面に、負極端子板11に接触する位置決め部12と、負極端子板11とともに空隙部14を形成する空隙形成部13とを設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、アルカリ乾電池に関する。
アルカリ乾電池は、高容量で、優れた放電特性を有し、しかもマンガン乾電池との間で作動電圧および電池サイズの点で互換性があり、比較的大きな電力が必要な電気電子機器の電源として広く利用されている。このような電気電子機器としては、たとえば、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯型DVDプレーヤー、携帯型MDプレーヤー、携帯型CDプレーヤー、ヘッドホンステレオ、モーターを備える玩具などが挙げられる。アルカリ乾電池は、その使用に際しての安全性および信頼性にも優れるが、一層の高容量化が図られる現状にあっては、安全性および信頼性のさらなる向上が求められている。
アルカリ乾電池は、たとえば、図5および図6に示す構造を有する。図5は従来の単3形のアルカリ乾電池30の構造を示す正面図である。アルカリ乾電池30は円柱状の形状を有し、正面から見た場合にその内部構造は軸線に対して対称である。したがって、図5においては、軸線から軸線に対して垂直な方向の一方の端部までを縦断面図として示す。図6は、図5に示すアルカリ乾電池30の要部の構成を拡大して示す縦断面図である。アルカリ乾電池30は、電池ケース31、正極合剤32、ゲル状負極33、セパレータ34、負極集電体35、負極端子板36、樹脂封口体37、絶縁リング38および外装ラベル39を含む。
電池ケース31は、長手方向の一方の端部に開口部を有する有底円筒形の容器状部材である。正極合剤32は中空円筒状に形成され、その外周面が電池ケース31の内周面に接するように設けられる。ゲル状負極33は、亜鉛粉末が分散されたゲル状電解質である。セパレータ34は、正極合剤32とゲル状負極33との間に設けられて、これらを電気的に絶縁する。正極合剤32、ゲル状負極33およびセパレータ34にはアルカリ電解液が含浸されている。負極集電体35は金属製の釘状部材であり、頂部が負極端子板36に電気的に接続され、頂部とは反対側の端部がゲル状負極33中に存在するように設けられる。負極端子板36は凸部36aと立ち上がり部36bとガス排出孔36c(以下「排出孔36c」とする)とを含む帽子状円形部材である。凸部36aは負極端子板36の中央部に設けられる。立ち上がり部36bは凸部36aの側面部分である。排出孔36cは、負極端子板36を厚み方向に貫通するように立ち上がり部36bに形成されている。負極端子板36は、負極集電体35に電気的に接続されている。また、負極端子板36の周縁部には、樹脂封口体37を介して、電池ケース31の開口部の周縁部がかしめられている。樹脂封口体37は、電池ケース31の開口部端部および負極端子板36と組み合わされて電池ケース31の開口部を封口する部材であり、電池ケース31内のガス圧に応じて破断する薄肉部37aを有する。絶縁リング38は、その内周面が負極端子板36の立ち上がり部36bに接するように設けられ、電池ケース31と外装ラベル39によって支持される。
アルカリ乾電池30は、たとえば、電池要素収納工程と、封口工程と、仕上げ工程とを含む製造方法によって製造できる。電池要素収納工程では、電池ケース31の内部に正極合剤32、セパレータ34およびゲル状負極33をこの順番で収納し、さらにセパレータ34にアルカリ電解液を注液する。封口工程では、まず、負極集電体35の釘状頂部を負極端子板36内面に溶接し、さらに負極集電体35を樹脂封口体37の中心部に形成される貫通孔に挿通させ、組立封口体を作製する。この組立封口体を電池ケース31の開口部に装着し、負極端子板36の周縁部に樹脂封口体37を介して電池ケース31の開口部の周縁部を折り曲げてかしめ加工する。これによって、電池ケース31の開口部が封口され、素電池が得られる。仕上げ工程では、まず、素電池周面すなわち電池ケース31周面に外装ラベル39を筒状に巻き付ける。次いで、絶縁リング38を、その内周面が負極端子板36の立ち上がり部36bに接するように負極端子板36に装着する。さらに、外装ラベル39を熱収縮させ、絶縁リング38を電池ケース31と外装ラベル39とで挟持する。これによって、絶縁リング38が支持され、アルカリ乾電池30の本製品が得られる。
アルカリ乾電池30では、発生頻度が極めて少ないが、電池内部での短絡、誤った充電などによって、電池内部にガスが発生して電池を破損させることがある。これを防止するために、樹脂封口体37には薄肉部37aが設けられている。薄肉部37aは、ガスの発生によって電池内部の圧力が所定値を超えると破断する。電池内部のガスは、破断した薄肉部37a、排出孔36cおよび負極端子板36と絶縁リング38との隙間をこの順番で通って電池外部に排出される。従来の絶縁リング38は、電池の製造工程において装着不良、装着ずれなどが比較的起り易い部材として知られている。しかも、絶縁リング38の装着不良、装着ずれなどは、電池の外観不良の原因になり、製品歩留まりを低下させるという問題をも起こす。
このような問題に鑑み、たとえば、負極端子板と接する内周面に突起部を設けた絶縁リングを含むアルカリ乾電池が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1によれば、絶縁リングの内周面に突起部を設けることによって、電池製造工程における絶縁リングの装着不良、装着ずれなどの発生を低減化しようとしている。しかしながら、絶縁リングは薄い平板状部材であり、変形し易いことから、内周面に突起部を設けただけでは精確な位置決めができず、絶縁リングの装着不良ひいては電池の外観不良を思うように低減できない。しかも、この傾向は、単1形よりも絶縁リングの外径が小さくて軽い単3形や単4形アルカリ乾電池において顕著であり、アルカリ乾電池の製造工程を高速化する上で慢性的な課題となっている。
また、図7に示すアルカリ乾電池40が提案されている(たとえば、特許文献2参照)。図7はアルカリ乾電池40における要部の構成を拡大して示す縦断面図である。アルカリ乾電池40は、絶縁リング38に代えて絶縁リング38aを有する以外は、アルカリ乾電池30と同じ構造を有する。絶縁リング38aは、絶縁リング38に比べて、負極端子板36の立ち上がり部36bとの接触部分から排出孔36c部分の外周面にまで延びる筒部を有する。さらに、アルカリ乾電池40は、負極端子板36の凸部36aの外径と、絶縁リング38aの内径とが特定の関係を有する。特許文献2では、前記のような構成を採ることによって、アルカリ電解液の漏出を防止し、アルカリ乾電池40の信頼性を向上させている。しかしながら、特許文献2の技術においても、薄い平板状の絶縁リング38aは機械的強度が不足し、負極端子板36の立ち上がり部36bに十分に密着させることができない。このため、アルカリ電解液の漏出を確実に防止することは困難である。また、電池の内部圧力が一定圧を超えると、立ち上がり部36b表面と絶縁リング38aの筒部との接触部分にわずかな隙間が生じ、その隙間からアルカリ電解液が電池外部にスプレー状に一気に噴出し、アルカリ乾電池40を起点にする広い範囲を汚染する。
特開2005−19117号公報 特開2002−170539号公報
本発明の目的は、アルカリ乾電池用の絶縁リングであって、アルカリ乾電池の製造工程を高速化しても装着不良が非常に発生し難く、製品歩留まりを顕著に向上させ、さらに電池内部の圧力が上昇しても、アルカリ電解液の噴出を著しく抑制できる絶縁リングを備えるアルカリ乾電池を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、目的に叶う絶縁リングを得ることに成功し、本発明を完成した。この絶縁リングは、負極端子板に接触する内周面に、位置決め部と空隙形成部とが設けられている。位置決め部とは、絶縁リングを負極端子板に装着する際に、負極端子板の表面に当接する部分である。複数の位置決め部を、間隔を空けて設けることによって、アルカリ乾電池の製造工程において、絶縁リングの負極端子板への装着精度が向上し、絶縁リングの装着不良ひいては電池の外観不良の発生が著しく低減化される。また、空隙形成部とは、絶縁リングを負極端子板に装着する際に、負極端子板との間で空隙部を形成する部分である。空隙部が形成されると、電池内部の圧力の上昇に応じてガスが電池外部に円滑に排出される。したがって、アルカリ電解液が急激にスプレー状に噴出し、広い範囲を汚染するのを防止できる。
本発明は、
開口部を有しかつ発電要素が収納される電池ケースと、
電池ケースの外周面に接するように設けられる外装ラベルと
電池ケース内部のガス圧により破断する薄肉部を有する樹脂封口体およびガス排出孔が形成された負極端子板を備え、電池ケースの開口部に装着されて電池ケースを封着する封口部を形成する組立封口体と、
内周面の少なくとも一部が負極端子板表面に接する環状部と、環状部からその外方に延びて電池ケースの開口部端部と外装ラベルの電池ケース開口部側の端部とで挟持される被支持部とを備え、負極端子板に装着されるリング状部材であって、環状部の内周面に負極端子板表面に当接する位置決め部と、負極端子板表面とともにガス抜き用の空隙部を形成する空隙形成部とが設けられる絶縁リングとを含むアルカリ乾電池に係る。
環状部の内周面には、位置決め部と空隙形成部とが交互に複数個ずつ設けられることが好ましい。
絶縁リングの軸心に垂直な方向における、空隙部の形状はV字状、U字状またはI字状であることが好ましい。
絶縁リングの軸心に垂直な方向における、環状部の内周面で囲まれる領域の形状は、多角形であることが好ましい。
絶縁リングの軸心に垂直な方向における、環状部の内周面で囲まれる領域の形状は、nが6以上の整数である正n角形であることが好ましい。
絶縁リングの軸心に垂直な方向における、環状部の内周面で囲まれる領域の形状は、mが4以上の整数である正m角形であって、該正m角形の頂角に相当する部分が円弧状に形成された形状であることが好ましい。
別形態の環状部の内周面には複数の切り欠き部が設けられることが好ましい。
本発明のアルカリ乾電池は、高速で製造を行っても、絶縁リングの負極端子板への装着不良に起因する不良品率が非常に低く、換言すれば製品歩留まりが非常に高いので、工業的に有利に製造できる。また、本発明のアルカリ乾電池において、万が一短絡が発生するかまたは誤って充電を行っても、アルカリ電解液が急激に噴出して広い範囲を汚染することがないので、安全性および信頼性に優れている。
本発明のアルカリ乾電池は、負極端子板に接する内周面に、位置決め部と空隙形成部とが設けられた絶縁リングを用いることを特徴とする。絶縁リング以外は、従来のアルカリ乾電池と同様の構成を採ることができる。したがって、絶縁リング以外の構成部材は、従来からアルカリ乾電池の分野で常用されるものを使用できる。
図1は、本発明の実施の第1形態であるアルカリ乾電池1の構成を模式的に示す図面である。図1(a)はアルカリ乾電池1の要部の構成を示す縦断面図である。図1(b)は絶縁リング4を負極端子板11に装着した状態を示す平面図である。アルカリ乾電池1は円柱状の形状を有し、絶縁リング38に代えて絶縁リング4を含む以外は、図5および図6に示すアルカリ乾電池30と同じ構造を有する。アルカリ乾電池1は、電池ケース2と、組立封口体3と、絶縁リング4と、外装ラベル5と、負極集電体6とを含む。
電池ケース2は有底円筒状の容器部材であり、その長手方向において、図示しない一方の端部には該端部表面から外方に向けて突出する図示しない正極端子が設けられ、他方の端部2aが開口部になる。以下、この他方の端部2aを「開口側端部2a」とする。開口側端部2aは電池ケース2の内方に向けて曲げられ、開口側端部2aには電池ケース2表面に対して凹んだ凹所2bが形成されている。開口側端部2aと凹所2bとによって、電池ケース2の内周面には、円周方向に延びる溝部が形成される。電池ケース2は、たとえば、鋼板、片面または両面にニッケルめっきを施した鋼板などを用いて作製される。電池ケース2の内面には、たとえば、導電性塗布剤を塗布してもよい。導電性塗布剤は、たとえば、黒鉛(天然黒鉛、人造黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラックなど)、樹脂(アクリル樹脂など)、水などを含む。
電池ケース2内には、その開口部から図示しない発電要素およびアルカリ電解液が収納される。ここで、発電要素とは、図示しない正極合剤、セパレータおよびゲル状負極である。
正極合剤は中空円筒状に形成され、その外周面が電池ケース2の内周面に接するように設けられる。正極合剤は、たとえば、正極活物質を含む顆粒を中空円筒状に圧縮成形することによって作製される。正極活物質を含む顆粒は、たとえば、正極活物質と導電材とアルカリ電解液とを攪拌混合し、得られる混合物を圧縮成形してフレークを得、このフレークを粉砕することにより得られる。顆粒をたとえば篩で分級して10〜100メッシュのものを使用するのが好ましい。正極活物質としては、たとえば、二酸化マンガン、オキシ水酸化ニッケル、これらの混合物などが挙げられる。導電材としては、たとえば、黒鉛などを使用できる。アルカリ電解液としては、たとえば、水酸化カリウム水溶液などが挙げられる。水酸化カリウム水溶液の水酸化カリウム濃度は、30〜45重量%程度が好ましい。
セパレータは、正極合剤とゲル状負極との間に配置され、これらを絶縁するために用いられるとともに、アルカリ電解液が注液される。セパレータは、たとえば、有底円筒状、袋状などの内部空間を有する形状に作製される。セパレータは、たとえば、不織布などの絶縁性の多孔質シートから作製される。多孔質シートは好ましくは親水性材料を含む。多孔質シートの具体例としては、たとえば、ポリビニルアルコール系繊維およびセルロース系繊維を主体として混抄した不織布、ポリビニルアルコール系繊維、セルロース系繊維およびパルプ繊維バインダとしてのポリビニルアルコールと混抄した不織布、微多孔質フィルムの厚み方向の両面に前記のような不織布を積層してなる積層体などが挙げられる。ここで、ポリビニルアルコール系繊維としては、たとえば、ポリビニルアルコール繊維、ビニロン繊維などが挙げられる。また、セルロース系繊維としては、たとえば、セルロース繊維、アセチルセルロース繊維、マーセル化パルプ繊維、レーヨン繊維、ポリノジックレーヨン繊維などが挙げられる。また、有底円筒状のセパレータの場合は、円筒部と底部の材質を異なるものにしてもよい。
セパレータなどに注液されるアルカリ電解液としては、正極合剤を作製する際に用いるものと同様のものを使用できる。ここで使用するアルカリ電解液は、水酸化リチウム、アルミニウム化合物などを含んでもよい。アルミニウム化合物としては、たとえば、水酸化アルミニウムなどが挙げられる。
ゲル状負極は、たとえば、負極活物質、アルカリ電解液およびゲル化剤を含み、セパレータの内部空間に充填される。負極活物質としては、たとえば、亜鉛粉末、アルミニウムを含有する亜鉛合金粉末などが挙げられる。アルカリ電解液としては、正極合剤を作製する際に用いるものと同様のものを使用できる。ゲル化剤としては、たとえば、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、これらの混合物などが挙げられる。ゲル状負極は、たとえば、負極活物質、アルカリ電解液およびゲル化剤を混合することにより調製できる。
負極集電体6は、ゲル状負極中に貫入される棒状部材である。負極集電体6は、釘状部材に形成しても良い。その場合、釘状部材の頂部に相当する部分が負極端子板11に接触し、頂部から一方向に延びる棒状部がゲル状負極中に貫入される。負極集電体6は、たとえば、金属材料をプレス加工することによって作製できる。金属材料としては、たとえば、銀、銅、真鍮などの線材を使用できる。負極集電体6の表面には、たとえば、プレス加工時に付着する不純物を排除または隠蔽するために、スズ、インジウムなどのめっきを施してもよい。
組立封口体3は、樹脂封口体10と、負極端子板11とを含み、電池ケース2の開口部に装着されて、電池ケース2を封口する封口部を形成する。
樹脂封口体10は合成樹脂からなる円形部材であり、図示しない中心部と薄肉部10aと外周部10bとを含む。中心部には、中心部を厚み方向に貫通する図示しない貫通孔が形成される。該貫通孔は、好ましくは樹脂封口体10と同じ軸心を有する。この貫通孔には負極集電体6が圧入される。
薄肉部10aは、組立封口体3を電池ケース2の開口部に装着する際に、樹脂封口体10の電池要素を臨む面の中心部と外周部10bとの間に、環状に延びかつ該面に対して凹んだ凹所として設けられる。薄肉部10aは、中心部および外周部10bよりも厚みの小さい部分であり、電池ケース2内部のガス圧が必要以上に上昇すると破断し、電池ケース2内部のガスを外部に排出する通路になる。すなわち薄肉部10aは安全弁として機能する。
外周部10bは、樹脂封口体10の軸心を中心にして放射状に延びるように形成され、組立封口体3を電池ケース2の開口部に装着する際に、その周縁部が電池ケース2の開口側端部2aの溝部内面に圧接するように設けられる。
樹脂封口体10は、たとえば、ポリアミド、ポリオレフィンなどの合成樹脂を所定の寸法および形状に射出成形することによって作製できる。合成樹脂の中でも、耐アルカリ性に優れること、高温下での伸びが比較的少ないことなどを考慮すると、ポリアミドが好ましく、6,6−ナイロン、6,10−ナイロン、6,12−ナイロンなどが特に好ましい。
負極端子板11は、中央に凸部を有する円形部材、すなわちほぼ帽子状の形状を有する部材であり、鍔部11aと、凸部11bと、立ち上がり部11cとを含む。
鍔部11aは、帽子の鍔に相当する部分であり、負極端子板11の周縁部である。鍔部11aは、樹脂封口体10の外周部10bの周縁部を介して、電池ケース2の開口側端部2aの溝部に嵌入される。これによって、外周部10bの周縁部が電池ケース2の溝部内面に圧接される。
凸部11bは、鍔部11a表面から外方に向けて突出するように形成される。凸部11bは、好ましくは、負極端子板11と軸心を共有する円柱状に形成される。
立ち上がり部11cは、凸部11bの側面部分である。立ち上がり部11cには、ガス排出孔11x(以下単に「排出孔11x」とする)が形成される。排出孔11xは、負極端子板11を厚み方向に貫通する貫通孔である。排出孔11xは、樹脂封口体10の薄肉部10aが破断することによって排出される電池ケース2内部のガスを、アルカリ乾電池1の外部に排出するための通路になる。排出孔11xは、ガスの排気効率、樹脂封口体10の設計自由度などを考慮すると、負極端子板11表面におけるその開口部分の中心が立ち上がり部11cに位置するように形成するのが好ましい。したがって、開口部分の中心が立ち上がり部11cにあれば、開口部分の少なくとも一部が鍔部11aと立ち上がり部11cとの境目の表面に位置していてもよく、さらに前記境目を越えて鍔部11aの表面に位置していてもよい。また、排出孔11xは複数個形成されるのが好ましく、複数個の排出孔11xが立ち上がり部11cの周方向に等間隔で形成されるのがさらに好ましい。また、排出孔11xの開口面積は、ガスの排気効率、アルカリ電解液の飛散抑制などを考慮すると、0.5mm2程度が好ましい。開口面積が0.5mm2未満では、ガスの排気効率が不十分になるおそれがある。負極端子板11は、たとえば、金属板を所定の寸法および形状にプレス成形することによって作製できる。金属板としては、たとえば、ニッケルめっき鋼板、スズめっき鋼板などを使用できる。
組立封口体3は、たとえば、負極端子板11の凸部11b内面と負極集電体6の頂部とを接続し、次に負極集電体6の頂部以外の少なくとも一部を樹脂封口体10中心部の貫通孔に圧入し、樹脂封口体10と負極端子板11とが接触状態になるように組み立てることによって作製できる。
負極端子板11とともに、図示しない補強ワッシャーを用いてもよい。それによって、たとえば、組立封口体3の機械的強度が一層高まる。
絶縁リング4は、環状部4aと被支持部4bとを含む円形のリング状部材であり、負極端子板11に装着される。絶縁リング4は、たとえば、組立封口体3による電池ケース2の開口部の封口を補助し、特に、電池ケース2の開口側端部2aを覆って保護する機能を有する。また、絶縁リング4は、アルカリ乾電池1の内部でガス圧が必要以上に上昇した場合に、アルカリ電解液の噴出を抑制しながら、アルカリ乾電池1の内部のガスを外部に円滑に排出する機能をも有する。
環状部4aは、絶縁リング4を負極端子板11に装着する際、その内周面の少なくとも一部が負極端子板11の立ち上がり部11c表面に当接する筒状部分である。また、環状部4aは、負極端子板11表面とともに、負極端子板11表面における排出孔11xの開口部分の一部を覆うように設けられる。これによって、ガス排出時のアルカリ電解液の急激な噴出を一層抑制できる。被支持部4bは、環状部4a表面の一部から立ち上がり部11c表面に対して外方に延びるように設けられ、その端部または端部とその近傍が電池ケース2の開口部端部2aと後述する外装ラベル5の電池ケース2開口部側の端部とで挟持される。これによって、絶縁リング4が支持される。なお、被支持部4bは、好ましくは、環状部4a表面の一部から立ち上がり部11c表面に対してほぼ垂直に外方に延びるように設けられる。
環状部4aの、内周面で囲まれる領域(以下「内周面領域」とする)は、絶縁リング4の負極端子板11への装着時に、負極端子板11の凸部11bが挿入される中空部分である。絶縁リング4の軸心に垂直な方向において、環状部4aの内周面領域の形状(以下「内周面形状」とする)は、多角形であることが好ましい。このとき、後述するように、多角形の辺の少なくとも一部が位置決め部12になるので、内周面形状を多角形にすることによって、位置決め部12を複数設けることができる。また、多角形という形状は比較的単純な形状なので、たとえばプレス打ち抜き加工などによって絶縁リング4を作製する際の生産性を高めることができる。
環状部4aの内周面形状は、nが6以上の正n角形であることがさらに好ましく、nが6以上の偶数である正n角形であることが特に好ましい。本実施の形態では、正八角形である。このような単純な形状にすることによって、絶縁リング4をプレス打ち抜き加工する際の金型の設計、およびプレス打ち抜き加工自体が一層容易になり、工業的に有利であり、絶縁リング4の安定供給が可能になる。さらに、重量バランスが良好なので、アルカリ乾電池1の製造工程での位置決めが一層容易になる。また、外観がさらに良好なアルカリ乾電池1が得られる点からも好ましい。なお、nが6未満では、絶縁リング4の電池ケース2の開口側端部2aの端面を確実に覆うことができなくなる可能性がある。環状部4aの内周面形状が正n角形状である場合、該正n角形の内接円と同じ径を有する負極端子板11に絶縁リング4を装着するのが好ましい。
環状部4aの内周面には、位置決め部12と、空隙形成部13とが設けられる。本実施の形態では、位置決め部12と、空隙形成部13とが交互に複数ずつ設けられる。これによって、絶縁リング4の負極端子板11への確実な装着と、アルカリ乾電池1内部からのガスの円滑な排出とを両立できる。
位置決め部12は、絶縁リング4の負極端子板11への装着時に、立ち上がり部11c表面に接する部分である。位置決め部12は複数個設けるのが好ましい。環状部4aの内周面形状が多角形である場合、多角形の辺のほぼ中央が位置決め部12になる。本実施の形態では、正八角形の各辺のほぼ中央が位置決め部12であり、8個の位置決め部12が等間隔で設けられていることになる。位置決め部12を複数個設けることによって、アルカリ乾電池1の製造工程において、絶縁リング4が負極端子板11の所定位置により確実に装着される。その結果、絶縁リング4の負極端子板11への装着精度が高まり、絶縁リング4の装着不良ひいてはアルカリ乾電池1の外観不良の発生が著しく低減化され、製品歩留まりが顕著に向上する。
空隙形成部13は、絶縁リング4の負極端子板11への装着時に、負極端子板11表面に当接せず、空隙形成部13を臨む負極端子板11表面の一部11yととともに空隙部14を形成する部分である。空隙部14は、絶縁リング4の負極端子板11への装着体を厚み方向に貫通する貫通孔と言うこともできる。本実施の形態では空隙部14は複数個設けられるが、それに限定されず、空隙部14が1つであってもその機能を十分に果たし得る。空隙部14を設けることによって、アルカリ乾電池1の内部で急激なガス圧上昇が発生した場合でも、薄肉部10aの破断部分および排出孔11xを介して流出するガスがアルカリ乾電池1の外部に円滑に排出される。空隙部14の、絶縁リング4の軸心に垂直な方向の形状(以下「空隙部14の形状」とする)は特に制限はないが、V字状(もしくは三角形状)、U字状(もしくは三日月状)またはI字状であることが好ましい。本実施の形態では、空隙部14の形状はV次状または三角形状である。
絶縁リング4は、たとえば、絶縁材料を所定の寸法、形状に成形加工することによって作製できる。成形加工法としては、たとえば、射出成形、注型成形などの一般的な樹脂成形方法を採用できる。絶縁リング4は局部的な突起を有さないため、成形工程において成形金型から離型する際に引っ掛かり難いので、成形金型への残留、反りなどの変形などの発生が非常に少ないという利点がある。また、絶縁材料からなるシート、フィルムなどの板状物を打ち抜き加工して、環状部4aと被支持部4bとを別々に作製し、それらを組み立てることによっても絶縁リング4を作製できる。組立方法としては、たとえば、貼着、嵌合などが挙げられる。ここで、絶縁材料としては、たとえば、合成樹脂、ゴムなどが挙げられる。合成樹脂としては、たとえば、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどの熱可塑性樹脂、スチロール樹脂、ウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂などが挙げられる。ゴムとしては、たとえば、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、ニトリルゴム、シリコンゴムなどが挙げられる。また、絶縁材料からなる板状物として、紙またはビニロン、レーヨンなどの合成樹脂を含む不織布を使用できる。
外装ラベル5は、少なくとも、電池ケース2の長手方向の外周面に接するように設けられる。外装ラベル5には、たとえば、熱収縮性樹脂のフィルム、シートなどの板状物が用いられる。熱収縮性樹脂としては、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレンおよびポリエチレンテレフタレートよりなる群から選ばれる少なくとも1種を使用できる。外装ラベル5の電池ケース2への装着は、たとえば、熱収縮性樹脂の板状物を筒状に成形し、この筒状物に素電池を挿入して加熱し、熱収縮性樹脂を収縮させることによって行われる。また、熱収縮性樹脂の板状物を素電池の長手方向外周面に直接貼り付け、加熱を行ってもよい。熱収縮性樹脂の加熱は、たとえば、熱風の吹き付けなどによって行われる。これによって、熱収縮性樹脂が電池ケース2の長手方向外周面に密着する。それとともに、電池ケース2の組立封口体3が装着された端部では、外装ラベル5の端部が絶縁リング4に密着し、絶縁リング4が電池ケース2の開口側端部2aと外装ラベル5の端部とによって挟持される。
アルカリ乾電池1を製造するに際しては、たとえば、まず、電池ケース2の内部に負極集電体6を除く発電要素を収納する。次いで、電池ケース2の開口部に、組立封口体3と負極集電体6との組立体を装着し、電池ケース2の開口部を封口し、素電池を作製する。この素電池に絶縁リング4および外装ラベル5を順次装着することによって、アルカリ乾電池1が作製される。
図2は、別形態の絶縁リング16,17,18の要部の構成を模式的に示す平面図である。なお、図2においては絶縁リング16,17,18の被支持部は、絶縁リング4における被支持部4bと同じ構造を有するので、図示を省略する。
図2(a)に示す絶縁リング16は絶縁リング4に類似の構造を有し、環状部16xと図示しない被支持部とを含み、環状部16xの内周面形状が正六角形であること、および環状部16xの内周面に6個の位置決め部16aと6個の空隙形成部16bとが交互に設けられることを特徴とする。位置決め部16aは、正六角形の各辺のほぼ中央部である。したがって、6個の位置決め部16aが等間隔で設けられることになる。位置決め部16aは、絶縁リング16の負極端子板11への装着時に、負極端子板11表面と接触し、絶縁リング16を負極端子板11に確実に装着させる。空隙形成部16bは、正六角形における頂角と、該頂角から該頂角を形成する2つの辺の位置決め部16aまでの部分とを含む。したがって、空隙形成部16bも等間隔で6個設けられる。空隙形成部16bは、絶縁リング16の負極端子板11への装着時に、負極端子板11の表面の一部とともに空隙部16cを形成する。空隙部16cは、空隙形成部16bと空隙形成部16bを臨む負極端子板11表面とによって囲まれた空間であり、絶縁リング16の負極端子板11への装着体を厚み方向に貫通する貫通孔と言うこともできる。空隙部16cの形状は、ほぼV字状またはほぼ三角形状である。空隙部16cは空隙部14と同じ機能を有する。
絶縁リング16は、環状部16xの内周面形状である正六角形の内接円と同じ径を有する負極端子板11に好適に装着できる。また、絶縁リング16は、環状部16xの内周面形状が絶縁リング4の環状部4aの内周面形状のよりもさらに簡単な形状なので、絶縁リング16を作製する際の生産性をさらに高めることができる。
図2(b)に示す絶縁リング17は絶縁リング4に類似の構造を有し、環状部17xと図示しない被支持部とを含み、環状部17xの内周面形状が、頂角部分が円弧状に形成された正m角形(ただしmは4以上の整数を示す)であることを特徴とする。絶縁リング17の環状部17xの内周面には、m個の位置決め部17aとm個の空隙形成部17bとが交互に設けられている。本実施の形態では、m=4である。これによって、絶縁リング17をプレス打ち抜き加工で作製する際に使用する金型の磨耗に伴って、絶縁リング17の形状が多少変化しても、所望の機能を十分に発揮できる絶縁リング17が得られる。すなわち、環状部17xの内周面形状の変化に対する許容範囲が拡がり、製造時の負担を軽減できる。また、頂角部分から絶縁リング17周縁部までの長さを十分に確保できるため、絶縁リング17自体の機械的強度を向上させ得る。また、頂角を円弧状に形成する場合は、mが4であっても封口部の電池ケース2端面を確実に覆うことが出来る。mが4未満の場合は、絶縁リング4の電池ケース2開口側端部2aの端面を確実に覆うことができなくなる可能性がある。絶縁リング17は、絶縁リング4と同じ機能を有する。
位置決め部17aは、頂角部分が円弧状に形成された正m角形の各辺のほぼ中央部にある。したがって、m個の位置決め部17aが等間隔で設けられることになる。本実施の形態ではm=4である。位置決め部17aは、絶縁リング17の負極端子板11への装着時に、負極端子板11表面と接触し、絶縁リング17を負極端子板11に確実に装着させる。空隙形成部17bは、円弧状に形成された頂角部分と、該頂角部分から該頂角部分を形成する2つの辺の位置決め部17aまでの部分とを含む。空隙形成部17bも等間隔でm個設けられている。空隙形成部17bは、絶縁リング17の負極端子板11への装着時に、負極端子板11の表面の一部とともに空隙部17cを形成する。空隙部17cは、空隙形成部17bと空隙形成部17bを臨む負極端子板11表面とによって囲まれた空間であり、絶縁リング17の負極端子板11への装着体を厚み方向に貫通する貫通孔と言う事もできる。空隙部17cの形状は、ほぼU字状またはほぼ三日月状である。空隙部17cは空隙部14と同じ機能を有する。絶縁リング17は、頂角部分が円弧状に形成された正m角形の内接円と同じ径を有する負極端子板11に好適に装着できる。
図2(c)に示す絶縁リング18は、環状部18xと図示しない被支持部とを含み、絶縁リング4に類似の構造を有する。絶縁リング18は、環状部18xの内周面に複数の位置決め部18aと複数の空隙形成部18bとが交互に設けられることを特徴とする。位置決め部18aは、絶縁リング18の軸心に向けて突出する頂角を有し、絶縁リング18の負極端子板11への装着時に、該頂角の頂点が負極端子板11表面に当接する。これによって、絶縁リング18が負極端子板11に実用上問題のない程度にほぼ精確に装着される。空隙形成部18bは、2個の隣り合う位置決め部18aの間において、2つの位置決め部18aの頂点を結ぶ仮想平面に対する切り欠き部として設けられる。空隙形成部18bは、絶縁リング18の軸心に向かう方向とは反対方向に突出する頂角を有し、絶縁リング18の負極端子板11への装着時に、負極端子板11表面の一部とともに、空隙部18cを形成する。なお、隣り合う位置決め部18aと空隙形成部18bとは、それぞれの頂角を形成する2つの辺のうちの一方を共有する。空隙部18cは、空隙形成部18bと空隙形成部18bを臨む負極端子板11表面とによって囲まれた空間であり、絶縁リング18の負極端子板11への装着体を厚み方向に貫通する貫通孔と言う事もできる。空隙部18cの形状は、ほぼ三角形状である。絶縁リング18は、複数の位置決め部18aの頂点に内接する円と同じ径を有する負極端子板11に好適に装着できる。絶縁リング18を用いても、絶縁リング4と同様の効果が得られる。
以下に実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は以下に示す実施例に限定されない。
(実施例1)
(1)組立封口体3の作製
樹脂封口体10は、6,12−ナイロンを用い、射出成形により所定の寸法および形状を有する成形体として作製した。環状の薄肉部10aは厚さ0.25mmとした。
負極端子板11は、厚さ0.4mmのニッケルメッキ鋼板を用い、外径11.3mm、立ち上がり部11cの外径8.7mmとした。立ち上がり部11cには、4個の直径1.0mmの排出孔11xを等間隔になるように形成した。
負極集電体6は真鍮線材をプレス加工により所定の寸法の釘状に成形し、その表面にスズめっきを施したものを用いた。
負極端子板11の凸部11b内面に負極集電体6の頂部を電気溶接し、負極集電体6を樹脂封口体10の中心部の貫通孔に圧入し、負極集電体6に組立封口体3を装着した。
(2)絶縁リング4の作製
ポリプロピレンを用い、射出成形により、厚さ0.3mm、外形12.8mm、絶縁リング4の軸線方向における環状部4aの幅が1.0mm、環状部4aの内周面形状が正八角形、該正八角形の内接円の径が8.7mmである図1(b)に示す絶縁リング4を作製した。
(3)アルカリ乾電池1の組立
電池ケース2に負極集電体6を除く各発電要素を収納し、アルカリ電解液(40重量%水酸化カリウム水溶液)を注液し、負極集電体6と組立封口体3との組立体を電池ケース2の開口部に装着して素電池を作製した。この素電池に絶縁リング4を装着し、さらに外装シール5を装着して熱風で加熱し、単3形のアルカリ乾電池1(LR6)2000個を作製した。
(実施例2)
絶縁リング4に代えて図2(a)に示す絶縁リング16を用いる以外は、実施例1と同様にして、単3形のアルカリ乾電池1(LR6)2000個を作製した。絶縁リング16は、ポリプロピレンを射出成形することによって作製されたものであり、厚さ0.3mm、外径12.8mm、絶縁リング16の軸線方向における環状部4aの幅が1.0mm、環状部16aの内周面形状が正六角形、該正六角形の内接円の径が8.7mmである。
(実施例3)
絶縁リング4に代えて図2(b)に示す絶縁リング17を用いる以外は、実施例1と同様にして、単3形のアルカリ乾電池1(LR6)2000個を作製した。絶縁リング17は、ポリプロピレンを射出成形することによって作製されたものであり、厚さ0.3mm、外径12.8mm、絶縁リング16の軸線方向における環状部17aの幅が1.0mm、環状部17aの内周面形状が正方形であって、頂角に相当する部分が半径4.8mmの円弧状であり、該正方形の内接円の径が8.7mmである。
(実施例4)
絶縁リング4に代えて図2(c)に示す絶縁リング18を用いる以外は、実施例1と同様にして、単3形のアルカリ乾電池1(LR6)2000個を作製した。絶縁リング18は、ポリプロピレンを射出成形することにより得られたものであり、環状部18aの内周面に16個の位置決め部18aと16個の空隙形成部18bとが交互に形成されている。1つの空隙形成部18bの頂点から、該空隙形成部18bの両側にある2つの位置決め部18aの頂点を結んだ直線に下ろした垂線の長さは0.5mmである。また、16個の位置決め部18aの頂点に内接する円の径は8.7mmである。
(比較例1)
絶縁リング4に代えて図3(a)に示す従来の絶縁リング20を用いる以外は、実施例1と同様にして、単3形のアルカリ乾電池(LR6)2000個を作製した。絶縁リング20は、環状部20xの内周面形状が径8.7mmの円である以外は、絶縁リング4と同様の構造を有する。なお、図3は、比較例で使用する絶縁リング20,21の要部の構成を模式的に示す平面図である。絶縁リング20,21の被支持部は、絶縁リング4の被支持部と同様の構造を有するので、図3においては絶縁リング20,21の被支持部の図示を省略する。
(比較例2)
絶縁リング4に代えて図3(b)に示す絶縁リング21を用いる以外は、実施例1と同様にして、単3形のアルカリ乾電池(LR6)2000個を作製した。絶縁リング21は、環状部21xの内周面形状が径8.7mmの円であり、環状部21xの内周面から軸心に向けて0.5mmの長さで延びる直方体状の突起21aを等間隔で3個設けたものである。3個の突起21aの先端に内接する円の径は7.7mmである。それ以外の構造は、絶縁リング4と同様である。
<生産性の評価>
実施例1〜3および比較例1〜2において、2000個の単3形のアルカリ乾電池(LR6)を製造する際に、絶縁リング4,16,17,18,20,21の装着状態を目視で観察し、「絶縁リング無し」および「センターずれ」の個数を調べた。「絶縁リング無し」とは、絶縁リング4,16,17,18,20,21を装着する工程で、負極端子板11との干渉による絶縁リング4,16,17,18,20,21の跳ね飛び、振動による絶縁リング4,16,17,18,20,21の脱落などによって、最終製品に絶縁リング4,16,17,18,20,21が装着されていない状態を示す。また、「センターずれ」とは、絶縁リング4,16,17,18,20,21が負極端子板11の所定位置に装着されておらず、絶縁リング4,16,17,18,20,21の一部が負極端子板11の凸部11bの頂部またはその近傍に乗り上げたり、電池ケース2の封口部分の端面が露出していたりする状態を示す。表1にそれぞれの項目についての発生個数(個)および不良率(%)を示す。
Figure 2008277154
表1から、実施例1〜4では、「絶縁リング無し」および「センターずれ」のいずれもが発生せず、絶縁リング4,16,17,18の装着を良好に実施できることが明らかである。
比較例1は、絶縁リング20の環状部20xの内周面領域(径8.7mmの円)に、凸部11bの外径が8.7mmである負極端子板11を圧入する構成である。このため、絶縁リング20を装着する際に、負極端子板11と反発して絶縁リング20が跳ね飛ぶことによって「絶縁リング無し」が発生した。また、圧入する際の抵抗によって絶縁リング20が水平に装着されず、「センターずれ」が発生した。
比較例2は、絶縁リング21の環状部21xの内周面に3つの突起21aを等間隔で設けた構成である。この構成では、位置決めが不十分になって「絶縁リング無し」が発生した。また、所定の位置に収まらずに「センターずれ」が発生した。
なお、本実施例では、絶縁リング4,16,17,18の内周面形状に対する内接円の径が、負極端子板11の凸部11bの外径と一致している場合を示したが、これに限定されない。たとえば、内接円の径と凸部11bの外径との差が0.3mm程度以下であれば、内接円の径と凸部11bの外径とが一致している場合と同様の効果が得られる。
たとえば、内接円の径が凸部11bの外径よりも大きい場合、その差が0.3mm以下であれば、製造工程において生じるずれは機能上および外観上で許容できる僅かな範囲に収まる。加えて、絶縁リング4,16,17,18と負極端子板11との当接面である位置決め部12,16a,17a,18aが少なくとも2つ現れるため、絶縁リングの位置決めが可能になる。また、内接円の径が凸部11bの外径よりも小さい場合でも、その差が0.3mm以下であれば、負極端子板11を絶縁リング4,16,17,18の環状部4a,16x,17x,18xの内周面領域に圧入しても、環状部4a,16x,17x,18xの内周面に設けられる位置決め部12,16a,17a,18aが局部的な突起ではないため、絶縁リング4,16,17,18が変形を起こし難く、負極端子板11の円滑な圧入が可能になる。
<信頼性の評価>
次に、実施例1〜3のアルカリ乾電池1および比較例1のアルカリ乾電池の信頼性を次のようにして評価した。
水とアルコールとの1:1(重量比)の混合溶媒にアルカリ電解液を検出するクレゾールレッド試薬を濃度が0.1重量%となるように溶解させ、この溶液を市販のA3コピー用紙に塗布、乾燥して黄色の試験紙を作製した。
この試験紙の短辺側の端に試験用電池1個を固定し、定電流発生装置を用いて100mAの電流で充電し続け、試験電池内部にガスを発生させて樹脂封口体10の薄肉部10aを破断させ、アルカリ電解液の飛散状態を調べた。試験紙にアルカリ電解液が付着すると、試験紙の色が黄色から紫色に変色することから、アルカリ電解液の飛散状態を正確に把握できる。試験電池における負極端子板11の凸部11bの頂部からアルカリ電解液が最も遠くに飛散した位置までの距離を最大飛散距離として計測し、比較を行った。比較は、実施例1〜3および比較例1のアルカリ乾電池5個ずつについて行い、最大飛散距離の平均値を求めた。結果を表2に示す。
図4は、実施例1のアルカリ乾電池1および比較例1のアルカリ乾電池について、試験紙上でのアルカリ電解液の飛散状態を縮小して示す平面図である。図4(a)は実施例1の飛散状態を示し、図4(b)は比較例1の飛散状態を示す。
Figure 2008277154
実施例1〜4では、絶縁リング4,16,17,18の内周面と負極端子板11の立ち上がり部11cとが互いに接触しない空隙部14,16c,17c,18cを設ける。アルカリ乾電池1内部のガス圧が所定値を超えて樹脂封口体10の薄肉部10aが破断する際に、空隙部14,16c,17c,18cを設けることによって、ガスとアルカリ電解液とが障害なく円滑に外部に排出され、特にアルカリ電解液がスプレー状に遠くまで噴出することがない。したがって、アルカリ電解液の最大飛散距離は10cm未満と短くなり、空隙部14,16c,17c,18cは、ガス抜き部として効果的に機能し得ることが明らかである。
これに対し、比較例1では、絶縁リング20の環状部20xの内周面と負極端子板11の立ち上がり部11c表面とが全体にわたって接触状態にあり、この接触状態が開放されるぎりぎりまで電池内のガス圧が上がる。したがって、電池内のガス圧が必要以上に高くなり、アルカリ電解液がスプレー状に噴出し、より遠くまで飛散する。したがって、アルカリ電解液の最大飛散距離は約40cmにもなる。
本発明のアルカリ乾電池は優れた生産性と信頼性とを併せ持ち、ポータブル機器などの電源として好適に使用できる。
本発明の実施の第1形態であるアルカリ乾電池の構成を示す図面である。図1(a)はアルカリ乾電池の要部の構成を示す縦断面図である。図1(b)は絶縁リングを負極端子板に装着した状態を示す平面図である。 別形態の絶縁リングの要部の構成を示す平面図である。 比較例で使用する絶縁リングの要部の構成を示す平面図である 実施例1および比較例1のアルカリ乾電池について、試験紙上でのアルカリ電解液の飛散状態を縮小して示す平面図である。 従来の単3形のアルカリ乾電池の構造を模式的に示す正面図である。 図5に示すアルカリ乾電池の要部の構成を拡大して示す縦断面図である。 従来の別形態のアルカリ乾電池における要部の構成を模式的にかつ拡大して示す縦断面図である。
符号の説明
1 アルカリ乾電池
2 電池ケース
3 組立封口体
4,16,17,18 絶縁リング
4a,16x,17x,18x 環状部
4b 被支持部
5 外装ラベル
6 負極集電体
10 樹脂封口体
10a 薄肉部
11 負極端子板
11a 鍔部
11b 凸部
11c 立ち上がり部
11x ガス排出孔
12,16a,17a,18a 位置決め部
13,16b,17b,18b 空隙形成部
14,16c,17c,18c 空隙部

Claims (7)

  1. 開口部を有しかつ発電要素が収納される電池ケースと、
    電池ケースの外周面に接するように設けられる外装ラベルと
    電池ケース内部のガス圧により破断する薄肉部を有する樹脂封口体およびガス排出孔が形成された負極端子板を備え、電池ケースの開口部に装着されて封口部を形成する組立封口体と、
    内周面の少なくとも一部が負極端子板表面に接する環状部と、環状部からその外方に延びて電池ケースの開口部端部と外装ラベルの電池ケース開口部側の端部とで挟持される被支持部とを備え、負極端子板に装着されるリング状部材であって、環状部の内周面に負極端子板表面に当接する位置決め部と、負極端子板表面とともにガス抜き用の空隙部を形成する空隙形成部とが設けられる絶縁リングとを含むアルカリ乾電池。
  2. 環状部の内周面に、位置決め部と空隙形成部とが交互に複数個ずつ設けられる請求項1記載のアルカリ乾電池。
  3. 絶縁リングの軸心に垂直な方向における、空隙部の形状がV字状、U字状またはI字状である請求項1記載のアルカリ乾電池。
  4. 絶縁リングの軸心に垂直な方向における、環状部の内周面で囲まれる領域の形状が、多角形である請求項1記載のアルカリ乾電池。
  5. 絶縁リングの軸心に垂直な方向における、環状部の内周面で囲まれる領域の形状が、nが6以上の整数である正n角形である請求項1のアルカリ乾電池。
  6. 絶縁リングの軸心に垂直な方向における、環状部の内周面で囲まれる領域の形状が、mが4以上の整数である正m角形であって、該正m角形の頂角に相当する部分が円弧状に形成された形状である請求項1記載のアルカリ乾電池。
  7. 環状部の内周面に複数の切り欠き部が設けられる請求項1記載のアルカリ乾電池。
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