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JP2008276208A - 光学フィルム - Google Patents

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JP2008276208A JP2008086921A JP2008086921A JP2008276208A JP 2008276208 A JP2008276208 A JP 2008276208A JP 2008086921 A JP2008086921 A JP 2008086921A JP 2008086921 A JP2008086921 A JP 2008086921A JP 2008276208 A JP2008276208 A JP 2008276208A
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Aya Takagiwa
綾 高際
Jun Yonezawa
順 米沢
Eiko Kobayashi
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Asahi Kasei Chemicals Corp
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Abstract

【課題】面内レタデーション(Re)、遅相軸のずれのバラツキが小さく、光弾性係数の絶対値が小さい光学フィルムを提供する。
【解決手段】重量平均分子量が5万を超えるスチレン系樹脂(A)と、重量平均分子量が5万を超えるアクリル系樹脂(B)とを含む樹脂組成物からなる光学フィルム。特に、スチレン系樹脂(A)としては、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、あるいは、スチレン−メタクリル酸共重合体であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、光学フィルム、すなわち、光学素子として用いるのに適したフィルムに関する。
本発明は、特に、面内レタデーション(Re)と遅相軸のずれのバラツキが小さく、応力をかけた際の複屈折変化の小さい光学フィルムに関する。
近年、ディスプレイ市場の拡大に伴い、より画像を鮮明にみたいという要求が高まっている。そこで、単なる透明材料ではなく、より高度な光学特性が付与された光学フィルムが求められている。このような高度な光学特性の一つに複屈折性がある。一般に、高分子は分子主鎖方向とそれに垂直な方向とでは屈折率が異なるため、複屈折を生じる。この複屈折を利用することにより、直線偏光を円偏光に変えたり(1/4波長板等)、液晶が持つ複屈折を補償する(位相差フィルムなどの光学補償フィルム等)ことが可能となる。
近年、LCDの市場は高精細化、大型化が進んでおり、それに伴い広い面積で均一な光学性能を有する偏光板が要求されている。そのため、今まで問題となっていなかった偏光板のムラが見えやすくなり、現状で使用されている偏光板についても、より一層のムラ低減が要求されている。
偏光板のムラは、偏光板に貼り合わせて用いられる位相差フィルムの位相差(=面内レタデーション)のバラツキや遅相軸のずれのバラツキによると考えられる。このような問題について、特許文献1には、レタデーションのバラツキを低減した位相差フィルムが開示されている(特許文献1)。
特開平11−160536号公報
しかし、特許文献1の実施例において使用されているポリカーボネートは、応力を受けたときの複屈折変化が生じやすい材料であるため、すなわち光弾性係数の絶対値が大きいため、応力を受けると複屈折の分布が生じ、コントラストが不均一となるという問題点がある。
また、特許文献1においては、延伸条件を厳密に管理することによりレタデーションのバラツキの低減を達成しているが、このような延伸条件の厳密な管理は製造工程を複雑なものとする。
そこで、本発明は、延伸条件を厳密に管理しなくても面内レタデーション(Re)や遅相軸のずれのバラツキが小さく、しかも、光弾性係数の絶対値の小さい光学フィルムを提供することを目的とする。
本発明者らは、重量平均分子量が5万を超えるスチレン系樹脂(A)と重量平均分子量が5万を超えるアクリル系樹脂(B)を含む樹脂組成物からなる光学フィルムは、延伸条件を厳密に管理しなくても面内レタデーション(Re)と遅相軸のずれのバラツキが小さく、光弾性係数の絶対値が小さいことを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、面内レタデーション(Re)と遅相軸のずれのバラツキが小さく、光弾性係数の絶対値が小さい光学フィルムを得ることができる。
以下、本発明について説明する。
本発明における光学フィルムは、重量平均分子量が5万を超えるスチレン系樹脂(A)と重量平均分子量が5万を超えるアクリル系樹脂(B)とを含む樹脂組成物からなる。
本発明におけるスチレン系樹脂(A)とは、スチレン系単量体を単量体成分として含む樹脂をいう。ここで、スチレン系単量体とは、その構造中にスチレン骨格を有する単量体をいう。
スチレン系単量体の具体例としては、スチレンの他に、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、p−tert−ブチルスチレンなどの核アルキル置換スチレン;α−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレンなどのα−アルキル置換スチレンなどのビニル芳香族化合物単量体などが挙げられ、代表的なものはスチレンである。
スチレン系樹脂(A)は、スチレン系単量体成分に他の単量体成分を共重合したものでよい。共重合可能な単量体としては、メチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、メチルフェニルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート等のアルキルメタクリレート;メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート等のアルキルアクリレートなどの不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体;メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、桂皮酸等の不飽和カルボン酸単量体;無水マレイン酸、イタコン酸、エチルマレイン酸、メチルイタコン酸、クロルマレイン酸などの無水物である不飽和ジカルボン酸無水物単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル単量体;1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン等の共役ジエンなどが挙げられ、これらの2種以上を共重合してもよい。
このような他の単量体成分の共重合割合は、スチレン系樹脂全体に対して、50質量%以下であることが好ましい。より好ましくは40質量%以下である。
スチレン系樹脂(A)としては、特に、スチレン−アクリロニトリル共重合体(A−1)、スチレン−メタクリル酸共重合体(A−2)、スチレン−無水マレイン酸共重合体(A−3)が、耐熱性、透明性等の光学材料に求められる特性を有しているため好ましい。
また、スチレン−アクリロニトリル共重合体(A−1)、スチレン−メタクリル酸共重合体(A−2)、スチレン−無水マレイン酸共重合体(A−3)は、メタクリル酸メチルを単量体成分として含む重合体との相溶性が高いことから、アクリル系樹脂(B)としてメタクリル酸メチルを単量体成分として含む重合体を用いる場合に特に好ましい。
スチレン−アクリロニトリル共重合体(A−1)の場合、共重合体中のアクリロニトリルの共重合割合は1〜40質量%であることが好ましい。さらに好ましい範囲は1〜30質量%であり、とりわけ好ましい範囲は1〜25質量%である。共重合体中のアクリロニトリルの共重合割合が1〜40質量%の場合、透明性に優れるため好ましい。
スチレン−メタクリル酸共重合体(A−2)の場合、共重合体中のメタクリル酸の共重合割合が0.1〜50質量%であることが好ましい。より好ましい範囲は0.1〜40質量%であり、さらに好ましい範囲は0.1〜30質量%である。共重合体中のメタクリル酸の共重合割合が0.1質量%以上であると耐熱性に優れ、50質量%以下の範囲であれば透明性に優れるので好ましい。
スチレン−無水マレイン酸共重合体(A−3)の場合、共重合体中の無水マレイン酸の共重合割合が0.1〜50質量%であることが好ましい。より好ましい範囲は0.1〜40質量%であり、さらに好ましい範囲は0.1質量%〜30質量%である。共重合体中の無水マレイン酸の共重合割合が0.1質量%以上であると耐熱性に優れ、50質量%以下の範囲であれば透明性に優れるので好ましい。
スチレン系樹脂(A)として、組成、分子量など異なる複数種類のスチレン系樹脂を併用することもできる。
スチレン系樹脂(A)は、公知のアニオン、塊状、懸濁、乳化または溶液重合方法により得ることができる。また、スチレン系樹脂(A)は、共役ジエンやスチレン系単量体のベンゼン環の不飽和二重結合が水素添加されていてもよい。水素添加率は核磁気共鳴装置(NMR)によって測定できる。
スチレン系樹脂(A)の23℃における未延伸時の光弾性係数は、60×10−12Pa−1以下であることが好ましく、30×10−12Pa−1以下であることがさらに好ましく、6×10−12Pa−1以下であることがとりわけ好ましい。スチレン系樹脂(A)の光弾性係数がこの範囲にあると、光弾性係数が小さく、かつ、所望のRthを有する光学フィルムが得られるため好ましい。
ここで、「光弾性係数」とは、外力による複屈折の変化の生じやすさを表す係数で、下式により定義される。
R[/Pa]=Δn/σR
ここで、σRは伸張応力[Pa]、Δnは応力付加時の複屈折であり、Δnは下式により定義される。
Δn=n1−n2
ここで、n1は伸張方向と平行な方向の屈折率、n2は伸張方向と垂直な方向の屈折率である。
光弾性係数の値がゼロに近いほど、外力による複屈折の変化が小さいことを示しており、各用途に応じて設計された複屈折が外力によって変化しにくいことを意味する。
本発明においてアクリル系樹脂(B)とは、(メタ)アクリル系単量体を単量体成分として含む重合体をいう。(メタ)アクリル系単量体の共重合割合は50質量%を超えることが好ましく、60質量%以上がより好ましい。
ここで、(メタ)アクリル系単量体とは、アクリル酸、メタクリル酸又はこれらの誘導体をいう。
(メタ)アクリル系単量体の具体例としては、例えば、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、メタクリル酸メチル等のメタクリル酸エステル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸エステル等が挙げられる。
これらの中でも、メタクリル酸メチルを単量体成分として含む重合体は、スチレン系樹脂(A)の好ましい例である、スチレン−アクリロニトリル共重合体(A−1)、スチレン−メタクリル酸共重合体(A−2)、スチレン−無水マレイン酸共重合体(A−3)との相溶性が高いため、特に好ましい。
メタクリル酸メチルを単量体成分として含む重合体としては、メタクリル酸メチルの単独重合体、他の単量体との共重合体いずれでもよい。
メタクリル酸メチルと共重合可能な単量体としては、メタクリル酸メチル以外のメタリル酸アルキルエステル類;アクリル酸アルキルエステル類;スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン等の核アルキル置換スチレンやα−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン等のα−アルキル置換スチレン等の芳香族ビニル化合物類;アクリロニトリル、メタクリルニトリル等のシアン化ビニル類;N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド類;無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸無水物類;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等の不飽和酸類が挙げられる。
これらの単量体は、一種または二種以上組み合わせて使用することもできる。
これらのメタクリル酸メチルと共重合可能な単量体の中でも、特にアクリル酸アルキルエステル類は、耐熱分解性に優れ、これを共重合させて得られるアクリル系樹脂は成形加工時の流動性が高いため好ましい。メタクリル酸メチルにアクリル酸アルキルエステル類を共重合させる場合のアクリル酸アルキルエステル類の使用量は、耐熱分解性の観点から0.1質量%以上であることが好ましく、耐熱性の観点から15質量%以下であることが好ましい。0.2質量%以上14質量%以下であることがさらに好ましく、1質量%以上12質量%以下であることがとりわけ好ましい。
アクリル酸アルキルエステル類の中でも、特にアクリル酸メチル及びアクリル酸エチルは、少量メタクリル酸メチルと共重合させるだけで前述の成形加工時の流動性の改良効果が著し得られるため最も好ましい。
また、本発明においてはアイソタクチックポリメタクリル酸エステルとシンジオタクチックポリメタクリル酸エステルを同時に用いることもできる。
アクリル系樹脂(B)を製造する方法として、例えばキャスト重合、塊状重合、懸濁重合、溶液重合、乳化重合、アニオン重合等の一般に行われている重合方法を用いることができるが、光学用途としては微小な異物の混入はできるだけ避けるのが好ましく、この観点からは懸濁剤や乳化剤を用いない塊状重合や溶液重合が望ましい。
溶液重合を行う場合には、単量体の混合物をトルエン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素の溶媒に溶解して調整した溶液を用いることができる。塊状重合により重合させる場合には、通常行われるように加熱により生じる遊離ラジカルや電離性放射線照射により重合を開始させることができる。
重合反応に用いられる開始剤としては、ラジカル重合において一般に用いられる任意の開始剤を使用することができ、例えば、アゾビスイソブチルニトリル等のアゾ化合物、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の有機過酸化物を用いることができる。
特に、90℃以上の高温下で重合を行わせる場合には、溶液重合が一般的であるので、10時間半減期温度が80℃以上で、かつ用いる有機溶媒に可溶である過酸化物、アゾビス開始剤などが好ましい。具体的には1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、シクロヘキサンパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、1,1−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル等を挙げることができる。
これらの開始剤は、例えば、0.005〜5wt%の範囲で用いることができる。
重合反応に必要に応じて用いられる分子量調節剤としては、ラジカル重合において一般に用いられる任意のものを使用でき、例えば、ブチルメルカプタン、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、チオグリコール酸2−エチルヘキシル等のメルカプタン化合物が特に好ましいものとして挙げられる。
これらの分子量調節剤は、アクリル系樹脂(B)の重合度が好ましい範囲内に制御されるような濃度範囲で添加される。
具体的な製造方法としては、特公昭63−1964号公報等に記載されている方法等を用いることができる。
アクリル系樹脂(B)の23℃における未延伸時の光弾性係数は、−60×10−12Pa−1以上であることが好ましく、−30×10−12Pa−1以上であることがさらに好ましく、−6×10−12Pa−1以上であることがとりわけ好ましい。アクリル系樹脂(B)の光弾性係数がこの範囲にあると、本発明の光学樹脂用組成物からなる成形体の光弾性係数を小さくすることができ、かつ、所望の厚み方向レタデーション(Rth)を付与することが可能となるため好ましい。
アクリル系樹脂(B)は、分子量、組成等が異なる2種以上のものを同時に用いることができる。
スチレン系樹脂(A)とアクリル系樹脂(B)は相溶することが好ましい。相溶は、スチレン系樹脂(A)、アクリル系樹脂(B)の組成(共重合組成を含む)、配合比率、混練温度、混練圧力、冷却温度、冷却速度などを適宜選択することにより実現できる。相溶(missible)については、『高性能ポリマーアロイ』(高分子学会編集、平成3年丸善株式会社発行)に詳しい記載がある。
スチレン系樹脂(A)とアクリル系樹脂(B)が相溶すると、スチレン系樹脂(A)とアクリル系樹脂(B)とを含む樹脂組成物を成形した成形体の全光線透過率を高め、透明性の高いものとすることが可能となる。
本発明の樹脂組成物におけるスチレン系樹脂(A)の含有量は、樹脂組成物100質量部に対して、0.1〜99.9質量部であることが好ましく、1〜50質量部であることがさらに好ましく、5〜40質量部であることがとりわけ好ましい。アクリル系樹脂(B)の含有量は、樹脂組成物100質量部に対して、0.1〜99.9質量部であることが好ましく、50〜99質量部であることがさらに好ましく、60〜95質量部であることがとりわけ好ましい。
また、スチレン系樹脂(A)とアクリル系樹脂(B)の含有量の合計は、樹脂組成物100質量部に対して70質量部以上であることが好ましく、80質量部以上であることがさらに好ましく、90質量部以上であることがとりわけ好ましい。
さらに、スチレン系樹脂(A)とアクリル系樹脂(B)の質量比((A)/(B))は、スチレン系樹脂(A)、アクリル系樹脂(B)の種類にも依存するが、0.1/99.9〜99.9/0.1であることが好ましく、50/50〜1/99であることがさらに好ましく、40/60〜5/99であることがとりわけ好ましい。
本発明における樹脂組成物に含まれるアクリル系樹脂(B)の重量平均分子量は、5万を超えることが必要であり、7万以上であることが好ましく、10万以上であることがより好ましい。アクリル系樹脂(B)の重量平均分子量が5万以下であると、光学フィルムの面内レタデーション、遅相軸のバラツキが大きくなり、光弾性係数が大きくなる。
また、面内レタデーション、遅相軸のバラツキの低減の観点からは、本発明における樹脂組成物に含まれるスチレン系樹脂(A)の重量平均分子量もまた、5万を超えることが必要であり、7万以上であることが好ましく、10万以上であることがより好ましい。
さらに、樹脂組成物の成形加工性、流動性の観点から、スチレン系樹脂(A)、アクリル系樹脂(B)の重量平均分子量は、好ましくは30万以下、より好ましくは25万以下、さらに好ましくは21万以下である。
なお、ここでの重量平均分子量は、スチレン系樹脂(A)、アクリル系樹脂(B)が2種以上の混合物である場合には、その平均値を意味する。
本発明においては、樹脂組成物に他の樹脂を混合することができる。混合することができる樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアセタール等の熱可塑性樹脂;及びフェノール樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂などが挙げられる。
混合する他の樹脂の割合は、樹脂組成物を構成する樹脂の合計100質量部に対して、20質量部以下であることが好ましく、より好ましくは10質量部以下であり、さらに好ましくは0質量部である。
また本発明においては、樹脂組成物に、本発明の目的を損なわない範囲で紫外線吸収剤を添加することができる。
混合することができる紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾトリアジン系化合物、ベンゾエート系化合物、ベンゾフェノン系化合物、オキシベンゾフェノン系化合物、フェノール系化合物、オキサゾール系化合物、マロン酸エステル系化合物、シアノアクリレート系化合物、ラクトン系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンズオキサジノン系化合物、ヒンダードアミン系化合物、トリアジン系化合物等が挙げられる。
ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾトリアジン系化合物、ベンゾエート系化合物、ベンゾフェノン系化合物、フェノール系化合物、オキサゾール系化合物、マロン酸エステル系化合物、ラクトン系化合物は、これを添加した樹脂組成物の光弾性係数の絶対値を小さくする効果があり好ましい。最も好ましくはベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾトリアジン系化合物である。これらは単独で用いても、2種以上併用して用いても構わない。
紫外線吸収剤が、20℃における蒸気圧(P)が1.0×10−4Pa以下である場合に成形加工性に優れ好ましい。さらに好ましい範囲は蒸気圧(P)が1.0×10−6Pa以下であり、とりわけ好ましい範囲は蒸気圧(P)が1.0×10−8Pa以下である。成型加工性に優れるとは、例えばフィルム成形時に、紫外線吸収剤のロールへの付着が少ないことなどを示す。ロールへ付着すると、例えば成形体表面へ付着し外観、光学特性を悪化させるため、光学用材料として好ましくないものとなる。
紫外線吸収剤が、融点(Tm)が80℃以上である場合に成形加工性に優れ好ましい。さらに好ましい範囲は融点(Tm)が130℃以上であり、とりわけ好ましい範囲は融点(Tm)が160℃以上である。
紫外線吸収剤が、23℃から260℃まで20℃/minの速度で昇温した場合の紫外線吸収剤の重量減少率が50%以下である場合に成形加工性に優れ好ましい。さらに好ましい範囲は重量減少率が15%以下であり、とりわけ好ましい範囲は重量減少率が2%以下である。
本発明の光学フィルムは、380nmにおける分光透過率が5%以下かつ400nmにおける分光透過率が65%以上であることが好ましい。紫外領域である380nmの分光透過率が低いほど偏光子や液晶素子の劣化を防ぎ、可視領域である400nm分光透過率が高いほど色再現性に優れるため、光学フィルムとして好ましく用いることができる。光学フィルムの380nmにおける分光透過率をこの範囲内に設計するには、紫外線吸収剤の量が、0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましい。0.1質量%より多いと、光学フィルムの380nmにおける分光透過率を小さくすることができ、10質量%より少ないと、光学フィルムの光弾性係数の増加が小さく、成型加工性、機械強度も向上するため好ましい。紫外線吸収剤の量のより好ましい範囲は、0.3質量%以上8質量%以下、さらに好ましい範囲は0.5質量%以上5質量%以下である。
紫外線吸収剤の量は、核磁気共鳴装置(NMR)によりプロトンNMRを測定し、ピークシグナルの積分値の比から求める方法や、又は良溶媒を用い樹脂から抽出後、ガスクロマトグラフ(GC)で測定する方法等により定量できる。
また本発明においては、樹脂組成物に、本発明の目的を損なわない範囲で各種目的に応じて任意の添加剤を配合することができる。配合することができる添加剤としては、樹脂やゴム状重合体の配合に一般的に用いられるものであれば特に制限はない。
例えば、二酸化珪素等の無機充填剤;酸化鉄等の顔料;ステアリン酸、ベヘニン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、エチレンビスステアロアミド等の滑剤;離型剤;パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル、パラフィン、有機ポリシロキサン,ミネラルオイル等の軟化剤・可塑剤;ヒンダードフェノール系酸化防止剤、アクリレート基を有するフェノール酸化防止剤、りん系熱安定剤等の酸化防止剤;ヒンダードアミン系光安定剤;難燃剤;帯電防止剤;有機繊維、ガラス繊維、炭素繊維、金属ウィスカ等の補強剤;着色剤などが挙げられる。
紫外線吸収剤とその他の添加剤の総添加量は、光学フィルムを構成する樹脂組成物の合計100質量部に対して、20質量部以下であることが好ましく、より好ましくは10質量部以下である。
本発明におけるスチレン系樹脂(A)とアクリル系樹脂(B)を含む樹脂組成物の製造方法は、特に制限されるものではなく、公知の方法が利用できる。例えば単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ブラベンダー、各種ニーダー等の溶融混練機を用いて、樹脂成分、必要に応じて上記その他の成分を添加して溶融混練して製造することができる。
本発明における樹脂組成物は、射出成形、シート成形、ブロー成形、インジェクションブロー成形、インフレーション成形、押し出し成形、発泡成形等、公知の方法でフィルムに成形することが可能であり、圧空成形、真空成形等の二次加工成形法も用いることができる。
例えば、Tダイ、円形ダイ等が装着された押出機等を用いて、未延伸フィルムを押し出し成形することができる。
押し出し成形により光学フィルムを製造する場合は、スチレン系樹脂(A)、アクリル系樹脂(B)、その他の樹脂、紫外線吸収剤等の添加剤を含む樹脂組成物を事前に製造する代わりに、押し出し成形時に溶融混錬して成形することもできる。
また、スチレン系樹脂(A)とアクリル系樹脂(B)に共通な溶媒、例えば、クロロホルム、二塩化メチレン等の溶媒を用いて、樹脂を溶解後、キャスト乾燥固化することにより未延伸フィルムをキャスト成形もすることができる。
好ましいフィルム製膜方法は、金型にTダイを用いる溶融押出法である。Tダイから吐出されたフィルムは金属ロール、ゴムロール、金属ベルト等により片面又は両面を冷却しつつ引取りながら製膜する。
さらに必要に応じて、未延伸フィルムをフィルムの機械的流れ方向(MD方向)に縦一軸延伸、MD方向に直行する方向(TD方向)に横一軸延伸、縦横二軸延伸することができる。
例えば、工業的には、ロール延伸またはテンター延伸による一軸延伸法、ロール延伸とテンター延伸の組み合わせによる逐次2軸延伸法、テンター延伸による同時2軸延伸法、チューブラー延伸による2軸延伸法等によって延伸フィルムを製造することができる。
延伸はガラス転移温度(Tg)を基準として、(Tg−20℃)〜(Tg+50℃)の範囲で行うことが好ましい。
延伸倍率は、少なくともどちらか一方向に0.1%以上300%以下であることが好ましく、1%以上200%以下であることがさらに好ましく、2%以上100%以下であることがとりわけ好ましい。延伸倍率をこの範囲に設計することにより、複屈折、強度の観点で好ましい延伸フィルムが得られる。
延伸倍率は、得られた延伸フィルムをガラス転移温度よりも20℃以上高い温度で収縮させ、以下の関係式から延伸倍率を決定できる。また、ガラス転移温度はDSC法や粘弾性法により求めることができる。
延伸倍率(%)=[(収縮前の長さ/収縮後の長さ)−1]×100
本発明の光学フィルムの厚みは、1μm以上500μm以下であることが好ましく、より好ましくは5μm以上400μm以下、とりわけ好ましくは5μm以上400μm以下である。
本発明の光学フィルムには、例えば反射防止処理、透明導電処理、電磁波遮蔽処理、ガスバリア処理等の表面機能化処理をすることもできる。
本発明における光学素子用成形体の好ましいレタデーション(Re)の値は0〜1000nmであり、さらに好ましくは5〜800nmであり、とりわけ好ましくは20nm〜500nmである。
本発明の光学フィルムを1/4波長板として用いる場合、そのReの絶対値は、100nm以上180nm以下であることが好ましく、より好ましくは120nm以上160nm以下、さらに好ましくは130nm以上150nm以下である。
また、本発明の光学フィルムを1/2波長板としても用いる場合、そのReの絶対値は、240nm以上320nm以下であることも好ましく、より好ましくは260nm以上300nm以下、さらに好ましくは270nm以上290nm以下である。
本発明において面内レタデーション(Re)は下式により定義される。
Re =(nx−ny)×d
(式中、nx:フィルム面内において屈折率が最大となる方向をxとした場合のx方向の主屈折率、ny:フィルム面内においてx方向に垂直な方向をyとした場合のy方向の主屈折率、nz:フィルム厚み方向の主屈折率、d:フィルムの厚み(nm)である。)
本発明において、光学フィルムの面内レタデーション(Re)のバラツキは10以下であることが好ましく、より好ましくは8以下、さらに好ましくは5以下である。
なお、本発明において面内レタデーション(Re)のバラツキとは、面内レタデーション(Re)の標準偏差をσとしたときの3σの値をいう。ここで、面内レタデーション(Re)の標準偏差は、100mm×100mmのフィルムの合計361点(5mm間隔でMD方向に19点×TD方向に19点)における面内レタデーション値(Re)の測定値から算出する。
本発明において遅相軸のずれとは、フィルムの機械的流れ方向に直交する方向(TD方向)と遅相軸のなす角度をいう。遅相軸はTD方向と一致することが理想であり、遅相軸のずれは、この理想からどれくらいずれているかを表す。
本発明において、遅相軸のずれは±3度以下であることが好ましく、より好ましくは±2度以下、さらに好ましくは±1度以下である。
また、遅相軸のずれのバラツキは1.5以下であることが好ましく、より好ましくは1以下、さらに好ましくは0.5以下である。
なお、本発明において遅相軸のずれのバラツキとは、遅相軸のずれの標準偏差をσとしたときの3σの値をいう。ここで、遅相軸のずれの標準偏差は、100mm×100mmのフィルムの合計361点(5mm間隔でMD方向に19点×TD方向に19点)における遅相軸のずれの測定値から算出する。
本発明の光学フィルムは、23℃における光弾性係数の絶対値が、0〜5×10−12Pa−1であることが好ましい。23℃における光弾性係数の絶対値の値は、0〜4×10−12Pa−1であることがより好ましく、0〜3.5×10−12Pa−1であることがさらに好ましく、0〜3.0×10−12Pa−1であることがとりわけ好ましい。
光学フィルムの光弾性係数がこの範囲内であれば、外力による複屈折の変化が少ないため、これを大型の液晶表示装置等に使用した場合にコントラストや画面の均一性に優れる。
次に実施例によって本発明を具体的に説明する。
本願発明および実施例で用いた評価法を説明する。
(1)評価方法
(I)分子量の測定
i)スチレン系樹脂(A)
GPC(東ソー株式会社製GPC−8020、検出示差屈折検出器(RI)、カラム:昭和電工株式会社製Shodex K−805、801連結)を用い、溶媒はクロロホルム、測定温度40℃で、市販標準ポリスチレン換算で重量平均分子量を求めた。
ii)アクリル系樹脂(B)
東ソー株式会社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(HLC−8120+8020)カラムに、東ソー株式会社製TSKスーパーHH−M(2本)とスーパーH2500(1本)を直列に並べ、検出器として示差屈折検出器を用いた。測定試料となるアクリル系樹脂0.02gを20ccのTHF溶媒に溶解し、注入量10ml、展開流量0.3ml/minで、溶出時間と、強度を測定した。ジーエルサイエンス株式会社製の重量平均分子量が既知の単分散のメタクリル系樹脂を標準試料とした検量線を用いて、測定試料のアクリル系樹脂の重量平均分子量(Mw)を算出した。
(II)共重合割合の測定
i)スチレン−アクリロニトリルの共重合体(A−1)中のアクリロニトリルの共重合割合の測定
スチレン−アクリロニトリル共重合体を熱プレス機を用いてフィルムに成形し、日本分光株式会社製FT−410を用いて、フィルムの1603cm−1、2245cm−1におけるアクリロニトリル基に由来する吸光度を測定した。アクリロニトリル含量が既知のスチレン−アクリロニトリル共重合体を用いてあらかじめ求められている、スチレン−アクリロニトリル共重合体中のアクリロニトリル量と1603cm−1、2245cm−1の吸光度比の関係を用いて、スチレン−アクリロニトリル共重合体中のアクリロニトリル含量を定量した。
ii)スチレン−無水マレイン酸共重合体(A−3)中の無水マレイン酸の共重合割合の測定
試料となるスチレン−無水マレイン酸共重合体を重クロロホルムに溶解し、日本電子株式会社製1H−NMR(JNM ECA−500)を用い、周波数500MHz、室温にてNMR測定を行った。測定結果より、スチレン単位中のベンゼン環のプロトンピーク(7ppm付近)と無水マレイン酸単位中のアルキル基のプロトンピーク(1〜3ppm付近)の面積比から、試料中のスチレン単位と無水マレイン酸単位のモル比を求めた。得られたモル比とそれぞれのモノマー単位の質量比(スチレン単位:無水マレイン酸単位=104:98)から、スチレン−無水マレイン酸共重合体内の無水マレイン酸の共重合割合を求めた。
iii)スチレン−メタクリル酸共重合体(A−2)中のメタクリル酸の共重合割合の測定
試料となるスチレン−メタクリル酸共重合体を重クロロホルムに溶解し、日本電子株式会社製1H−NMR(JNM ECA−500)を用い、周波数500MHz、室温にてNMR測定を行った。測定結果より、スチレン単位中のベンゼン環のプロトンピーク(7ppm付近)とメタクリル酸単位中のアルキル基のプロトンピーク(1〜3ppm付近)の面積比から、試料中のスチレン単位とメタクリル酸単位のモル比を求めた。得られたモル比とそれぞれのモノマー単位の質量比(スチレン単位:メタクリル酸単位=104:86)から、スチレン−メタクリル酸共重合体内のメタクリル酸の共重合割合を求めた。 (III)面内レタデーション(Re)、遅相軸のずれ
ユニオプト株式会社製複屈折測定装置(ABR−10A)を用い、測定面が測定光と垂直になるように試料を配置し、23℃で回転検光子法にて、フィルムの機械的流れ(押し出し方向、MD方向)を0度として、100mm×100mmのフィルムの合計361点(5mm間隔でMD方向に19点×TD方向に19点)における面内レタデーション(Re)と遅相軸のずれを測定し、それぞれのバラツキを算出した。
(IV)光弾性係数の絶対値と応力の測定
測定光の経路に引張装置(株式会社井元製作所製)を配置し、23℃、50%RHの条件下で試験片に伸張応力をかけながら、その複屈折をRets−RFI(大塚電子株式会社製)を用いて測定した。伸張時の歪速度は0.3%/分(チャック間:30mm、チャック移動速度0.1mm/分)、試験片幅は10mmとした。
このようにして測定した値について、複屈折の絶対値(|Δn|)をy軸、伸張応力(σR)をx軸としてプロットし、その関係から、最小二乗近似により線形領域の直線の傾きを求め、光弾性係数(CR)を算出した。直接の傾き、すなわち、CRの絶対値が小さいほど光弾性係数が0に近いことを示し、好ましい光学特性であることを示す。
(V)固有複屈折正負の判断
ガラス転移温度以上、ガラス転移温度+50℃以下の範囲内で伸張応力をかけながら延伸を行い、急冷固化し、23℃におけるnpr−nvtを測定した。npr−nvtが負の場合、固有複屈折が負、npr−nvtが正の場合、固有複屈折が正と判断した。
(2)原料の準備
(I)スチレン系樹脂(A)
(i)スチレン−アクリロニトリル共重合体(A−1)
(i−1)スチレン−アクリロニトリル共重合体(A−1−1)、(A−1−2)
旭化成ケミカルズ株式会社製T0401(重量平均分子量:20.9万)(A−1−1)及びT8707(重量平均分子量:17.6万)(A−1−2)のポリマーペレットを用いた。
該スチレン−アクリロニトリル共重合体(A−1−1)及び(A−1−2)は、組成分析の結果、いずれも、スチレン共重合割合が80質量%、アクリロニトリルの共重合割合が20質量%であった。
(i−2)スチレン−アクリロニトリル共重合体(A−1−3)
攪拌機付き完全混合型反応機に、スチレン72質量%、アクリロニトリル13質量%、エチルベンゼン15質量%からなる単量体混合物100質量部と、重合開始剤(2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル))0.05質量部からなる調合液を連続的にフイードし、155℃、滞留時間1.5時間で重合反応を行った。
得られた重合溶液を押出機に連続的に供給し、押出機で未反応単量体、溶媒を回収し、スチレン−アクリロニトリル共重合体(A−1−3)のペレットを得た。
得られたスチレン−アクリロニトリル共重合体(A−1−3)は無色透明で、組成分析の結果、スチレンの共重合割合が80質量%、アクリロニトリルの共重合割合が20質量%であり、重量平均分子量が7.5万あった。
(i−3)スチレン−アクリロニトリル共重合体(A−1−4)
重合温度、滞留時間を変更した以外は(A−1−3)と同様に重合反応を行った。
得られた重合溶液を押出機に連続的に供給し、押出機で未反応単量体、溶媒を回収し、スチレン−アクリロニトリル共重合体(A−1−4)のペレットを得た。
得られたスチレン−アクリロニトリル共重合体(A−1−4)は無色透明で、組成分析の結果、スチレンの共重合割合が80質量%、アクリロニトリルの共重合割合が20質量%であり、重量平均分子量が4.9万あった。
(ii)スチレン−メタクリル酸共重合体(A−2)
(ii−1)スチレン−メタクリル酸共重合体(A−2−1)
装置の全てがステンレス鋼で製作されているものを用いて、連続溶液重合を行った。スチレン75.2質量%、メタクリル酸4.8質量%、エチルベンゼン20質量%からなる単量体混合物100質量部と、重合開始剤1,1−tert−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.05質量部からなる調合液を1L/hr.の速度で連続して、内容積2Lの攪拌機付きの完全混合重合器へ供給し、136℃で重合を行った。
固形分49質量%を含有する重合液を連続して取り出し、まず230℃に予熱後、230℃に保温し、20torrに減圧された脱揮器に供給し、平均滞留0.3時間経過後、脱揮器の低部のギヤポンプより連続して排出した。
得られたスチレン−メタクリル酸共重合体(A−2−1)は無色透明で、組成分析の結果、スチレンの共重合割合が92質量%、メタクリル酸の共重合割合が8質量%であり、重量平均分子量は21.8万であった。また、その23℃における光弾性係数(未延伸)は、4.8×10−12Pa−1であり、固有複屈折は負であった。
(ii−2)スチレン−メタクリル酸共重合体(A−2−2)
仕込み量をスチレン74.4質量%、メタクリル酸5.6質量%に変更した以外(A−2−1)と同様にして連続溶液重合を行った。
得られたスチレン−メタクリル酸共重合体(A−2−2)は無色透明で、組成分析の結果、スチレンの共重合割合が90.5質量%、メタクリル酸の共重合割合が9.5質量%であり、重量平均分子量は27.5万であった。また、その23℃における光弾性係数(未延伸)は、4.5×10−12Pa−1であり、固有複屈折は負であった。
(ii−3)スチレン−メタクリル酸共重合体(A−2−3)
仕込み量をスチレン70.4質量%、メタクリル酸9.6質量%に変更した以外(A−2−1)と同様にして連続溶液重合を行った。
得られたスチレン−メタクリル酸共重合体(A−2−3)は無色透明で、組成分析の結果、スチレンの共重合割合が85質量%、メタクリル酸の共重合割合が15質量%であり、重量平均分子量は34.2万であった。また、その23℃における光弾性係数(未延伸)は、4.0×10−12Pa−1であり、固有複屈折は負であった。
(iii)スチレン−無水マレイン酸共重合体(A−3)
(iii−1)スチレン−無水マレイン酸共重合体(A−3−1)
装置の全てがステンレス鋼で製作されているものを用いて、連続溶液重合を行った。スチレン91.7質量部、無水マレイン酸8.3質量部の比率で合計100質量部を準備した。(ただし、両者は混合しない。)メチルアルコール5質量部、重合開始剤として1,1−tert−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.03質量部をスチレンに混合し、第1調合液とした。0.95kg/hr.の速度で連続して内容積4Lのジャケット付き完全混合重合機に供給した。
一方、70℃に加熱した無水マレイン酸を、第二調合液として0.10kg/hr.の速度で同一重合機へ供給し、111℃で重合を行った。重合転化率が54%となったところで、重合液を重合機から連続して取り出し、まず230℃に予熱後、230℃に保温し、20torrに減圧された脱揮器に供給し、平均滞留0.3時間経過後、脱揮器の低部のギヤポンプより連続して排出し、スチレン−無水マレイン酸共重合体(A−3−1)を得た。
得られたスチレン−無水マレイン酸共重合体(A−3−1)は無色透明で、組成分析の結果、スチレン共重合割合が85質量%、無水マレイン酸の共重合割合が15質量%であった。ASTM−D1238に準拠して測定した230℃、2.16kg荷重のメルトフローレート値は2.0g/10分であった。また、その質量平均分子量は18.9万であった。
(iii−2)スチレン−無水マレイン酸共重合体(A−3−2)
仕込み量をスチレン85.1質量%、無水マレイン酸14.9質量%に変更した以外は(A−3−1)と同様にして連続溶液重合を行った。
得られたスチレン−メタクリル酸共重合体(A−3−2)は無色透明で、組成分析の結果、スチレンの共重合割合が73質量%、メタクリル酸の共重合割合が27質量%であり、重量平均分子量は10.0万であった。また、その23℃における光弾性係数(未延伸)は、2.7×10−12Pa−1であり、固有複屈折は負であった。
(iii−3)スチレン−無水マレイン酸共重合体(A−3−3)
重合温度、滞留時間を変更した以外は(A−3−2)と同様に重合反応を行った。
得られた重合溶液を押出機に連続的に供給し、押出機で未反応単量体、溶媒を回収し、スチレン−無水マレイン酸共重合体(A−3−3)のペレットを得た。
得られたスチレン−無水マレイン酸共重合体(A−3−3)は無色透明で、組成分析の結果、スチレンの共重合割合が73質量%、無水マレイン酸の共重合割合が27質量%であり、重量平均分子量は12.3万であった。また、その23℃における光弾性係数(未延伸)は、2.7×10−12Pa−1であり、固有複屈折は負であった。
(iii−4)スチレン−無水マレイン酸共重合体(A−3−4)
SARTOMER社製 PRO−7588(重量平均分子量:4.5万)のポリマービーズを用いた。
該スチレン−無水マレイン酸共重合体(A−3−4)は、組成分析の結果、スチレン共重合割合が50質量%、無水マレイン酸の共重合割合が50質量%であった。
(II)アクリル系樹脂(B)
旭化成ケミカルズ株式会社製 560F(重量平均分子量:5.0万)、80N(重量分子量:10.2万)及びLP−1(重量平均分子量:14.5万)のポリマーペレットを用いた。
[実施例1〜4、7〜12、比較例1、4〜6]
表1に記載の樹脂組成物を用い、2軸押出し機(スクリュー径30mm、L/D=36)、コートハンガーダイ(幅400mm)、冷却ロール(直径250mm)を用いて、押し出し機のシリンダー内樹脂温度、Tダイの温度を表1に示す条件に調整し押し出し成形をすることにより未延伸フィルムを得た。フィルムの流れ(押し出し方向)をMD方向、MD方向に垂直な方向をTD方向とした。
そして、未延伸フィルムを表1に示す条件で1軸延伸(ライン速度2.0mm/分)をクロス型ロール方式縦延伸機を用いて行い、実施例1〜4、7〜12、比較例1、4〜6の一軸延伸フィルムを得た。
フィルムを構成する樹脂組成物の組成、押し出し成形条件、面内レタデーション(Re)の平均値、面内レタデーション(Re)の3σ、遅相軸のずれの平均値、遅相軸のずれの3σを表1に示す。
Figure 2008276208
実施例1〜4、7〜12のフィルムは、いずれも、面内レタデーション(Re)、遅相軸のずれのバラツキ(3σ)が小さかった。これに対して、アクリル系樹脂(B)の重量平均分子量が5万である比較例1、4〜6のフィルムは、面内レタデーション(Re)、遅相軸のずれのバラツキ(3σ)が大きかった。
[実施例5、6、比較例2、3]
表2に記載の樹脂組成物を用い、テクノベル製Tダイ装着押し出し機(KZW15TW−25MG−NH型/幅150mmTダイ装着/リップ厚0.5mm)を用いて、押し出し機のシリンダー内樹脂温度、Tダイの温度を表2に示す条件に調整し押し出し成形をすることにより未延伸フィルムを得た。フィルムの流れ(押し出し方向)をMD方向、MD方向に垂直な方向をTD方向とした。
フィルムを構成する樹脂組成物の組成、押し出し成形条件、フィルムの厚み、光弾性係数の絶対値を表2に示す。
Figure 2008276208
実施例5、6のフィルムは、光弾性係数の絶対値が小さかった。これに対して、アクリル系樹脂(B)の重量平均分子量が5万である比較例2、3のフィルムは、光弾性係数の絶対値は大きく、応力をかけた際の複屈折変化の大きいものであった。
本発明の光学フィルムは、ディスプレイ前面板、ディスプレイ基盤、タッチパネル、太陽電池に用いられる透明基盤等や、その他、光通信システム、光交換システム、光計測システム等の分野における、導波路、レンズ、光ファイバー、光ファイバーの被覆材料、LEDのレンズ、レンズカバーなどに使用できる。
特に、本発明の光学フィルムは、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ、リアプロジェクションテレビ等のディスプレイに用いられる偏光板保護フィルムや、1/4波長板、1/2波長板等の位相差フィルム、視野角制御フィルム等の液晶光学補償フィルムに適している。
とりわけ、本発明の光学フィルムは、面内レタデーション(Re)、遅相軸のずれのバラツキが小さいのでテレビ、パソコン、携帯電話、カ−ナビゲ−ション、医療機器、産業機器等の各種ディスプレイとして用いられる液晶表示装置の画質向上のために好適に用いることができる。
さらに、本発明の光学フィルムを貼り合せた偏光板は、反射型液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ用の円偏光板として、表示装置の内部反射を低減するために特に好適に用いることができる。

Claims (9)

  1. 重量平均分子量が5万を超えるスチレン系樹脂(A)と、
    重量平均分子量が5万を超えるアクリル系樹脂(B)と
    を含む樹脂組成物からなる光学フィルム。
  2. 前記スチレン系樹脂(A)が、スチレン−アクリロニトリル共重合体である請求項1に記載の光学フィルム。
  3. 前記スチレン−アクリロニトリル共重合体中のアクリロニトリルの共重合割合が、1〜40質量%である請求項2に記載の光学フィルム。
  4. 前記スチレン系樹脂(A)が、スチレン−無水マレイン酸共重合体である請求項1に記載の光学フィルム。
  5. 前記スチレン−無水マレイン酸共重合体中の無水マレイン酸の共重合割合が、0.1〜50質量%である請求項4に記載の光学フィルム。
  6. 前記スチレン系樹脂(A)が、スチレン−メタクリル酸共重合体である請求項1に記載の光学フィルム。
  7. 前記スチレン−メタクリル酸共重合体中のメタクリル酸の共重合割合が、0.1〜50質量%である請求項6に記載の光学フィルム。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の偏光板保護フィルム。
  9. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の位相差フィルム。
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