JP2008274319A - 飲料缶胴用アルミニウム合金板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 強度とボトムしわ性の両方の優れた飲料缶胴用アルミニウム合金板の製造方法を提供する。
【解決手段】 Mg0.8〜1.5%、Mn0.7〜1.2%、Cu0.1〜0.3%、Fe0.35〜0.5%、Si0.1〜0.4%、Ti0.005〜0.1%を含有し、残部がAlと不可避不純物からなるアルミニウム合金鋳塊を550〜620℃で均質化処理を施し、鋳塊温度500℃から430℃までを平均冷却速度4℃/min以上で冷却して鋳塊温度を430℃以下とすることにより、鋳塊の厚み4分の1部分で測定される導電率を34%IACS以下とした後、再加熱温度を350〜430℃として熱間圧延を施すことにより、熱間圧延終了板における導電率を39%IACS以下とし、続いて途中で中間焼鈍を行うことなく圧下量80〜90%の冷間圧延を施す。
熱間圧延終了時に未再結晶の場合には、再結晶処理のための焼鈍を施す。
【選択図】図1
【解決手段】 Mg0.8〜1.5%、Mn0.7〜1.2%、Cu0.1〜0.3%、Fe0.35〜0.5%、Si0.1〜0.4%、Ti0.005〜0.1%を含有し、残部がAlと不可避不純物からなるアルミニウム合金鋳塊を550〜620℃で均質化処理を施し、鋳塊温度500℃から430℃までを平均冷却速度4℃/min以上で冷却して鋳塊温度を430℃以下とすることにより、鋳塊の厚み4分の1部分で測定される導電率を34%IACS以下とした後、再加熱温度を350〜430℃として熱間圧延を施すことにより、熱間圧延終了板における導電率を39%IACS以下とし、続いて途中で中間焼鈍を行うことなく圧下量80〜90%の冷間圧延を施す。
熱間圧延終了時に未再結晶の場合には、再結晶処理のための焼鈍を施す。
【選択図】図1
Description
本発明は缶底(ボトム)成形時ボトムしわ性に優れた飲料缶胴用アルミニウム合金板の製造方法に関するものである。
アルミニウム合金からなる飲料缶の缶胴体としては飲料缶胴用アルミニウム合金板に塗油を施し、カッピング、DI(Drawing and Ironing:深絞りとしごき)成形を施して缶胴とし、トリミング、洗浄、乾燥、外面および内面塗装焼付け、ネッキングおよびフランジング加工を行い、これに飲料充填、缶蓋の巻き締めを行った2ピース缶が多く用いられている。前記の飲料缶胴用アルミニウム合金板はアルミニウム合金鋳塊を均質化処理後に熱間圧延を行い、必要に応じて焼鈍処理を施し、次いで冷間圧延行うことで製造される。通常はこれに加えて焼鈍、脱脂、洗浄、潤滑油塗布等の仕上げ処理が施される。
近年、飲料缶のコストダウンの必要性から、缶胴の薄肉化ならびに缶蓋の小径化が進んでいる。缶胴体の薄肉化はボトム(缶底)しわとよばれる外観の形状不具合を発生しやすくなる。また、缶蓋の小径化については缶どうしを積み重ねた時のスタッキング性を確保するため、これに対応した缶胴の缶底接地径の小径化が必要になるが、この缶底接地径の小径化もボトムしわを発生させる。
図1を参照してボトムしわ発生のメカニズムを説明する。缶胴体1の薄肉化によって缶側壁2から缶底チャイム部3への材料流入量が増加して座屈やくびれを生じさせ易くさせ、缶底チャイム部3にボトムしわ3a、3a・・・を発生させる。また、缶蓋(図示せず)の小径化によっても缶底チャイム部3で座屈現象が生じ易くなり、これによってもボトムしわ3a、3a・・・の発生が促進される。
以上の問題を解決し、缶胴の薄肉化ならびに缶蓋の小径化に対応し得るボトムしわ性に優れた缶胴用アルミニウム合金板およびその製造方法として、特許文献1にはMg,Mn,Fe,Si,CuおよびTiの含有量を規定するとともに、引張強さと伸び率を規定し、さらに均質化処理、熱間圧延、次いで冷間圧延の出側温度を制御した3パスからなる冷間圧延を行う改善方法が提案されている。
特許文献2ではCu,Mg,Mn,FeおよびSiの含有量を規定し、伸び率、加工硬化指数および耐力といった缶底成形に影響する機械的特性を規定した改善方法が提案されている。
また、ボトムしわ性に優れ、かつ耐熱軟化性に優れた飲料缶胴用アルミニウム合金板およびその製造方法に関して特許文献3にMn固溶量やCu固溶量、n値、素板と空焼き後の機械的特性を規定し、その製造方法として熱間圧延条件を詳しく制御することが示されている。
また、ボトムしわ性に優れ、かつ耐熱軟化性に優れた飲料缶胴用アルミニウム合金板およびその製造方法に関して特許文献3にMn固溶量やCu固溶量、n値、素板と空焼き後の機械的特性を規定し、その製造方法として熱間圧延条件を詳しく制御することが示されている。
しかし、均質化後の圧延温度までの冷却中や常温までの冷却中に析出が生じ、Mn固溶量が低下してしまうため、根本的にボトムしわ性に悪影響を及ぼす固溶析出状態であることには変わりなく、ボトムしわ性においてまだ改善の余地があった。
特許文献4では自動車用外板の製造方法として、均質化処理後100℃/h以上の冷却速度で350〜500℃の温度範囲まで冷却する方法が提案されている。焼付け硬化性および曲げ加工性の改善のために均質化後の冷却速度を制御し、Mg−Si系化合物の好ましい析出状態を得るものである。同様の理由で特許文献5でも均質化後、450℃以下の温度域まで3℃/min以上の冷却速度で冷却することが規定されている。しかし、本発明では均質化後の冷却速度を大きくすることでMn系の析出物を抑制し、Mn固溶量を高めてボトムしわ性を改善させるものであるので、その目的は異なっている。
特開2001−262261号公報
特許第3748438号公報
特開2006−291326号公報
特開2002−356730号公報
特開2005−146375号公報
ボトムしわ性はアルミニウム合金板の素板強度を下げて素板の伸び率を向上させることで改善されることが明らかになっている。しかし、素板強度を下げると成形後の耐圧特性の低下を招き、今後のさらなる缶胴の薄肉化に対応することができないという問題があった。本発明は、強度とボトムしわ性の両方の優れた飲料缶胴用アルミニウム合金板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、本発明者がボトムしわ発生要因について詳細に検討したところ、材料特性として加工硬化性が高いほど再絞り時の成形力が増加しボトム近傍の円周方向の圧縮応力を緩和し、ボトムしわを抑制することを見出した。
さらに鋭意研究を行った結果、本発明に示す所定量の合金元素を含有したアルミニウム合金で均質化処理、熱間圧延条件をコントロールすることにより、Mnの固溶量を増大させ、結果として加工硬化性が向上し、ボトムしわ性が改善すること見出し、研究を重ねて本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、Mg0.8〜1.5%、Mn0.7〜1.2%、Cu0.1〜0.3%、Fe0.35〜0.5%、Si0.1〜0.4%、Ti0.005〜0.1%を含有し、残部がAlと不可避不純物からなるアルミニウム合金鋳塊を550〜620℃で均質化処理を施し、鋳塊温度500℃から430℃までを平均冷却速度4℃/min以上で冷却して鋳塊温度を430℃以下とすることにより、鋳塊の厚み4分の1部分で測定される導電率を34%IACS以下とした後、再加熱温度を350〜430℃として熱間圧延を施すことにより、熱間圧延終了板における導電率を39%IACS以下とし、続いて途中で中間焼鈍を行うことなく圧下量80〜90%の冷間圧延を施すことを特徴とする飲料缶胴用アルミニウム合金板の製造方法である。
なお、熱間圧延終了時に未再結晶の場合には、バッチ炉を用いて300〜450℃で30分以上の焼鈍処理を施すか、連続焼鈍炉を用いて100℃/min以上の加熱速度で350〜550℃の温度範囲加熱し、120秒以内保持後100℃/min以上で冷却する焼鈍処理を施す。
特定組成のアルミニウム合金の均質化処理、熱間圧延条件を制御することにより、Mnの固溶量を増大させ、結果として加工硬化性が向上し、強度とボトムしわ性に優れた飲料缶胴用アルミニウム合金板が得られる。また、DI缶のみならず2ピースのボトル缶についても缶底形状が同様であることから効果を発する。
まず組成の限定理由について示す。
この発明のアルミニウム合金板の組成はMg0.8〜1.5%、Mn0.7〜1.2%、Cu0.1〜0.3%、Fe0.35〜0.5%、Si0.1〜0.4%、Ti0.005〜0.1%を含有し、残部Alと不可避不純物からなるものである。
Mgは母相に固溶して強度に寄与する元素であり、再結晶粒を微細にする元素であるが、含有量が0.8%未満では、上記の効果が十分に得られず、1.5%を超えると強度が上昇しすぎてしごき成形性およびフランジ成形性が低下する。
Mnは強化に寄与するとともにAl12(Mn,Fe)3Si相(α相)を形成してしごき成形時に金型との間で固体潤滑作用としての役割を果たす。しかし、Mn量が0.7%未満では上記の効果が十分に得られず、1.2%を超えると晶出物が粗大化するためにしごき成形性およびフランジ成形性が低下する。また、Mnが多いと微細なα相が密に析出し、ボトムしわ性に悪影響を及ぼす。
Cuは強度に寄与する元素であるが、0.1%未満ではその効果が十分に得られず、0.3%を超えると強度が上昇しすぎてしごき成形性、フランジ成形性が低下する。
FeはMnやMgとともに強度に寄与する元素であるが、含有量が0.35%未満ではその効果が十分に得られず、0.5%を超えると晶出物が粗大化するためにしごき成形性およびフランジ成形性が低下する。
SiはAl12(Mn,Fe)3Si相(α相)を形成してしごき成形を向上させる元素であるが、含有量が0.1未満ではその効果が十分に得られず、0.4%を超えると晶出物が粗大化し、しごき成形性が低下することに加え、析出物が微細に生じ、熱間圧延後の再結晶を阻害する。
Tiは鋳塊組織を微細にするために添加される。Tiの含有量が0.005未満だと結晶粒微細化効果が十分に得られず、0.1%を超えると粗大な晶出物が生じ、しごき成形時に割れやピンホールを生じやすくなる。
なお、この目的でのTiは単独で添加しても良いが、結晶粒微細化効果向上のためB0.0001%〜0.05%あるいはC0.0001%〜0.05%とともに添加してもかまわない。
なお、この目的でのTiは単独で添加しても良いが、結晶粒微細化効果向上のためB0.0001%〜0.05%あるいはC0.0001%〜0.05%とともに添加してもかまわない。
上記のほかは、不可避不純物およびAlからなる。なお、0.3%までのZn、0.3%までのCr、0.1%までのZr、0.1%までのVは、本発明の効果を妨げないので、含有していてもかまわない。
次に本発明のアルミニウム合金板の導電率の規定理由について説明する。
本発明において均質化処理後の鋳塊の厚み4分の1部分で測定される導電率が34%IACS以下、かつ、熱間圧延終了板における導電率が39%IACS以下と規定する。導電率は材料中の固溶元素量と相関する特性値である。導電率は添加元素量、溶質元素の固溶状態および均質化処理温度によって大きく影響され、溶質元素固溶量が多くなるほど低い値となる。鋳塊では鋳造時に添加元素の偏析が起こるため、導電率は鋳塊の厚み方向で変動する。導電率は厚みの中央で最も低くなり、表層へ行くに従って連続的に上昇する。よって本発明では厚みの4分の1部分で測定される導電率を規定した。
後で述べるように製造方法としては、まず鋳塊に対して550〜620℃で均質化処理を施すが、この均質化処理後の鋳塊の高固溶状態は鋳塊温度500℃から430℃までを平均の冷却速度4℃/min以上で冷却して鋳塊温度を430℃以下としなければ決して得られない。
また、熱延時の再加熱温度を350〜430℃とすることでMn系析出物の生成を抑制し、通常の製造工程では得ることのできない高固溶状態を維持することができる。逆に均質化後に高固溶状態であっても再加熱温度が高いと、再加熱中および熱間圧延中に析出が起こり、導電率の上昇を招く。
また、熱延時の再加熱温度を350〜430℃とすることでMn系析出物の生成を抑制し、通常の製造工程では得ることのできない高固溶状態を維持することができる。逆に均質化後に高固溶状態であっても再加熱温度が高いと、再加熱中および熱間圧延中に析出が起こり、導電率の上昇を招く。
よって本発明では鋭意研究の結果、均質化処理後の鋳塊の厚み4分の1部分で測定される導電率が34%IACS以下、かつ、熱間圧延終了板における導電率が39%IACS以下であるアルミニウム合金板において、ボトムしわ性が改善すること見出した。
次に本発明のアルミニウム合金板の製造工程について説明する。
本発明では、アルミニウム鋳塊に550〜620℃で均質化処理を施す。この均質化処理は鋳造時に生じた偏析の均質化の他に、過飽和に固溶した溶質元素を析出させるとともに析出物分布を整えて、熱間圧延時に再結晶しやすくするために行う。均質化温度が550℃未満ではその効果が十分ではない。また、620℃を超えると鋳塊表面にふくれが生じ、さらには共晶溶融が起こり、表面品質が著しく低下する。
通常の製造方法では均質化処理後、炉から取り出された鋳塊は一旦常温まで放置して冷却されるが、本発明の製造方法においては均質化処理後、鋳塊温度500℃から430℃までを平均の冷却速度4℃/min以上で冷却して鋳塊温度を430℃以下とする。均質化処理後の冷却中に析出が進行するので、析出温度域を早く通過させることによって析出量を最小限に抑え、Mn固溶量を増大させることができる。500℃から430℃までの冷却速度を規定したのはこの温度域で析出が進行するためである。本発明に規定している冷却速度は通常の放冷では得られないため、冷却の方法としては鋳塊冷却装置を用いて強制的に冷却する。例えば、常時冷水を循環させた水槽中に鋳塊を入れて冷却する方法や、スプレーで水やミストを鋳塊に噴射して冷却する方法がある。鋳塊の熱容量が大きいため、鋳塊内部が冷却されるまで十分な時間冷却する必要がある。冷却速度が大きいほど析出物の生成が抑制されるので、好ましくは均質化処理後、鋳塊温度500℃から430℃までを平均の冷却速度を10℃/min以上として冷却する。
次に、熱間粗圧延のための再加熱温度を350〜430℃として熱間粗圧延を施す。均質化後の鋳塊を高温から強制的に冷却することでソーキング時の高固溶状態を維持して固溶量が非常に高い状態とすることができる。しかし、熱間粗圧延のための加熱温度が高いと、昇温中に析出が起こってしまうため、強制冷却により高固溶状態とした効果が消失してしまう。つまり、再加熱温度が430℃を超えると析出が進行し、Mn固溶量が減少するため、結果としてボトムしわ性が悪化する。350℃よりも低いと熱間圧延時の変形抵抗が大きくなるため大きな圧延荷重が発生し、圧延自体が困難となる。よって熱間粗圧延のための再加熱温度は350〜430℃の間で可能な限り低いほうがよい。また、再加熱温度を350〜430℃としたが、均質化後の鋳塊を規定の条件で冷却した後、常温まで冷却することなく350〜430℃まで冷えたらそこで熱間圧延を開始することも可能である。
熱間仕上げ圧延の開始温度と終了温度は特に定めるものではないが、熱間粗圧延の再加熱温度が通常よりも低いために、熱間仕上げ圧延の終了温度は260〜360℃程度となる。約300℃以上では再結晶組織が得られるが、それよりも低い温度となると十分な再結晶組織が得られない。その場合は連続焼鈍炉やバッチ炉を用いて再結晶組織とするための熱処理を行う。ただし、バッチ炉を用いる場合は極力析出が起こらないように保持時間や温度を制御する注意が必要である。バッチ焼鈍炉を用いる場合は、300〜450℃で30分以上の焼鈍処理を施し、連続焼鈍炉を用いる場合は100℃/min以上の加熱速度で350〜550℃の温度範囲加熱し、120秒以内保持後100℃/min以上で冷却する焼鈍処理を施す。
その後は、途中で中間焼鈍を行うことなく冷間圧延を施す。冷間圧延の合計圧延率は80〜90%とする。80%未満では得られる合金板の耐圧強度が不足し、90%を超えると強度が高くなりすぎてDI成形時にカッピング割れや缶底割れが高頻度に発生する。
冷間圧延後、必要に応じて仕上げ焼鈍を施してもかまわない。この仕上げ焼鈍により、加工組織が回復し、缶底形成性が向上する。仕上げ焼鈍温度は130〜180℃とする。130℃未満では回復効果が得られず、180℃を超えると強度が低下するので耐圧強度が低下する。焼鈍時間は1〜3時間が望ましい。また、冷間圧延の終了温度を140℃以上とし、冷却速度を適正に管理することでもボトムしわ性を改善することができる。
表1に示す組成の合金を常法により溶解鋳造し、厚さ500mmとし、鋳塊を作製した。
次にこの鋳塊を面削後、各条件で均質化処理を行い、均質化処理後は放冷またはスプレー式冷却装置を用いて冷却した。用いたスプレー式冷却装置はスプレーの流量を調節することにより冷却速度を変えることができ、鋳塊の上下面を冷却できる。強制冷却後は常温まで放冷し、各温度に再加熱してシングルリバースミルによる熱間粗圧延を行い、4タンデム圧延機による熱間仕上げ圧延を行った。その後、途中で中間焼鈍は行わずに冷間圧延を行い、板厚0.285mmの最終板を作製した。製造条件を表2に示す。なお、供試材6は、熱間仕上圧延終了温度が低く再結晶していなかったので、冷間圧延を施す前に400℃で1時間の焼鈍処理を施して再結晶組織とした。
製造した各々のアルミニウム合金板について鋳塊の導電率、熱間圧延終了板の導電率、ボトムしわ性を評価した結果を表3に示す。
ボトムしわ性はブランクからカップを絞り、その後、再絞り缶(ブランク径140mmΦ、カップ径87mmΦ、再絞り径66mmΦ)について、缶底テーパー部の起伏形状を形状測定器にて全周の測定を行い、その最大振幅にて評価した。その振幅が180μm未満を良好(○)とし、180μm以上を不良(×)と判定した。
DI成形性は一般飲料用の缶胴(内径66mmΦ、側壁板厚100μm、側壁先端板厚150μm)にDI成形し、10000缶の製缶で割れおよび破断等が全く発生しなかったものを良好(○)とし、割れおよび破断が発生したものを不良(×)として判定した。
供試材1〜6は本発明例であり、鋳塊厚みの4分の1部分で測定される導電率は34%IACSより小さく、熱間圧延終了板で測定される導電率は39%IACSより小さくなっており、溶質元素の固溶量が多いことにより加工硬化性が高くなり、ボトムしわ性が良好となっている。DI成形性、耐圧強度についても良好な結果が得られた。
供試材7では合金組成が本発明の範囲外であり、Mn量が多く添加されている。Mn量が多いとα相が微細かつ密に析出し、1.2%を超えるとボトムしわ性に悪影響を及ぼす。
供試材8では合金組成が本発明の範囲外であり、Si量が多く添加されているため、α相の析出量が増加し、Mnの固溶量が減少することにより導電率の上昇が起こり、結果的に加工硬化性が低下し、ボトムしわ性が悪化した。
供試材9では鋳塊の導電率が34%IACSを、熱間圧延終了板の導電率も39%IACSを超え、本発明の範囲外である。均質化温度が低いため、析出物が微細なままであり、熱間圧延終了後にファイバー状の組織が残存し、完全な再結晶組織とならず、ボトムしわ性だけではなく、DI成形性も悪化した。
供試材10では鋳塊の導電率が34%IACSを、熱間圧延終了板の導電率も39%IACSを超え、本発明の範囲外である。均質化後の冷却を放冷としたため鋳塊の冷却速度が遅く、Mnの固溶量が低下したため加工硬化性が低下し、結果的にボトムしわ性が悪化した。
供試材11では鋳塊の導電率が34%IACSを、熱間圧延終了板の導電率も39%IACSを超え、本発明の範囲外である。均質化後の冷却を水スプレー冷却としたが、水の流量が少なく冷却が不十分であったため鋳塊の冷却速度が遅く、Mnの固溶量が低下したため加工硬化性が低下し、結果的にボトムしわ性が悪化した。
供試材12では鋳塊の導電率が34%IACSを、熱間圧延終了板の導電率も39%IACSを超え、本発明の範囲外である。均質化後の冷却を水スプレー冷却としたが、水の流量が少なく冷却が不十分であったため鋳塊の冷却速度が遅く、Mnの固溶量が低下したため加工硬化性が低下し、結果的にボトムしわ性が悪化した。
供試材13では鋳塊の導電率が34%IACS以下であるが、熱間圧延終了板の導電率が39%IACSを超え、本発明の範囲外である。熱間粗圧延のための再加熱温度が高く、均質化後の鋳塊を強制冷却することでMn高固溶状態が得られたのにも関らず、再加熱時に析出が進行し、Mnの固溶量が低下したため加工硬化性が低下し、結果的にボトムしわ性が悪化した。
供試材14では冷延率が高く、強度が上昇しすぎてボトムしわ性およびDI成形性が悪化した。
1 缶胴体
2 缶側壁
3 缶底チャイム部
3a ボトムしわ
2 缶側壁
3 缶底チャイム部
3a ボトムしわ
Claims (2)
- Mg0.8〜1.5%(mass%、以下同じ。)、Mn0.7〜1.2%、Cu0.1〜0.3%、Fe0.35〜0.5%、Si0.1〜0.4%、Ti0.005〜0.1%を含有し、残部がAlと不可避不純物からなるアルミニウム合金鋳塊を550〜620℃で均質化処理を施し、鋳塊温度500℃から430℃までを平均冷却速度4℃/min以上で冷却して鋳塊温度を430℃以下とすることにより、鋳塊の厚み4分の1部分で測定される導電率を34%IACS以下とした後、再加熱温度を350〜430℃として熱間圧延を施すことにより、熱間圧延終了板における導電率を39%IACS以下とし、続いて途中で中間焼鈍を行うことなく圧下量80〜90%の冷間圧延を施すことを特徴とする飲料缶胴用アルミニウム合金板の製造方法。
- 熱間圧延の後、バッチ焼鈍炉を用いて300〜450℃で30分以上の焼鈍処理を施すか、連続焼鈍炉を用いて100℃/min以上の加熱速度で350〜550℃の温度範囲加熱し、120秒以内保持後100℃/min以上で冷却する焼鈍処理を施すことを特徴とする請求項1記載の飲料缶胴用アルミニウム合金板の製造方法。
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