JP2008274393A - 高強度及び高靭性フェライト+パーライト型非調質鋼鍛造部材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】Vを含有するフェライト+パーライト型非調質鋼を用いつつ、鍛造直後の加工発熱を抑制することで、結晶粒の凍結硬化によりフェライト+パーライト組織の微細化を容易に実現することが可能なフェライト+パーライト型非調質鋼鍛造部材の製造方法を提供する。
【解決手段】高強度及び高靭性フェライト+パーライト型非調質鋼鍛造部材の製造方法において、質量%で0.05〜0.50%のVを含み、フェライト+パーライト組織が90%以上となるフェライト+パーライト型非調質鋼を、V系炭化物の固溶温度以上に加熱した後、700℃〜950℃に降温させてその温度域で圧縮加工率が30%以上、かつ金型との接触時間が0.20秒以上となるように鍛造加工を行い、その後冷却を行ってフェライト+パーライト変態させ、パーライト粒径が18μm以下である鍛造部材を得る。
【選択図】図2
【解決手段】高強度及び高靭性フェライト+パーライト型非調質鋼鍛造部材の製造方法において、質量%で0.05〜0.50%のVを含み、フェライト+パーライト組織が90%以上となるフェライト+パーライト型非調質鋼を、V系炭化物の固溶温度以上に加熱した後、700℃〜950℃に降温させてその温度域で圧縮加工率が30%以上、かつ金型との接触時間が0.20秒以上となるように鍛造加工を行い、その後冷却を行ってフェライト+パーライト変態させ、パーライト粒径が18μm以下である鍛造部材を得る。
【選択図】図2
Description
本発明は、例えば自動車エンジンに使用されるコンロッドなどの高強度及び高靭性フェライト+パーライト型非調質鋼鍛造部材の製造方法に関する。
この種のフェライト+パーライト型非調質鋼鍛造部材の製造方法として、例えば下記特許文献1に記載されているように、Vを含む鋼材をV系炭化物であるVCの固溶温度以上に加熱した後、750℃〜1050℃で鍛造加工することによって、VCによる加工誘起析出硬化を得ながら、同時にピンニング効果により再結晶粒の粒成長を抑制しつつ再結晶粒を細粒化して、フェライト+パーライト組織の微細化を図るようにしたものが知られている。この製造方法によれば、高い降伏強度と靭性を備えたフェライト+パーライト型非調質鋼鍛造部材を製造することができる。
特開平10−235447号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載されたフェライト+パーライト型非調質鋼鍛造部材の製造方法では、鍛造加工した後、その鍛造部材を単に衝風冷却や空冷などにより室温まで冷却するにすぎないため、鍛造加工時の加工発熱や残熱によって結晶粒の粗大化を引き起こし易く、特に鍛造部材が肉厚製品である場合においてその結晶粒の微細化が困難であった。
本発明の課題は、Vを含有するフェライト+パーライト型非調質鋼を用いつつ、鍛造直後の加工発熱を抑制することで、結晶粒の凍結効果によりフェライト+パーライト組織の微細化を容易に実現することが可能なフェライト+パーライト型非調質鋼鍛造部材の製造方法を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の高強度及び高靭性フェライト+パーライト型非調質鋼鍛造部材の製造方法は、質量%で0.05〜0.50%のVを含み、フェライト+パーライト組織が90%以上となるフェライト+パーライト型非調質鋼を、V系炭化物の固溶温度以上に加熱した後、700℃〜950℃に降温させてその温度域で圧縮加工率が30%以上、かつ金型との接触時間が0.20秒以上となるように鍛造加工を行い、その後冷却を行ってフェライト+パーライト変態させ、パーライト粒径が18μm以下である鍛造部材を得ることを特徴とする。
本発明では、金型との接触時間が0.20秒以上となるように鍛造加工を行う。このように金型の抜熱を利用することによって、鍛造直後の加工発熱が抑制されるので、700℃〜950℃の低温オーステナイト域での鍛造加工により生じる極めて微細かつ成長速度の速い動的再結晶粒の凍結効果が良好に向上する。また、加工誘起効果によって変態が促進される微細なフェライト+パーライト組織の凍結効果も良好に向上する。しかし、金型との接触時間が10秒を超えて保持しても、冷却の効果は飽和し、作業性を悪くするだけなので、接触時間の上限を10秒とした。ここで、金型との接触時間が0.20秒以上となるように鍛造加工を行うには、例えばクランクモーションプレスを用いる場合、約30回/分よりも遅い成形速度で鍛造加工すればよく、また、例えば油圧プレスを用いる場合には、下死点保持時間が0.20秒以上となるようにすればよい。
また、本発明では、圧縮加工率が30%以上となるように鍛造加工を行う。ここで、圧縮加工率とは、鍛造加工の程度を表す量を意味し、最初の鋼材の直径をD1、加工後の鋼材の高さ(厚さ)をD2とすると、次式(1)で定義される。
{(D1−D2)/D1}×100(%) …(1)
圧縮加工率が30%以上となるように鍛造加工を行うことにより、動的再結晶粒の凍結効果がより一層良好となり、パーライトをほぼ確実に微細化することができる。一方、85%以上の圧縮加工率で鍛造加工すると、鍛造部材の内部で加工による発熱が発生し、冷却の効果が得られなくなるので、圧縮加工率の上限値を85%とする。
{(D1−D2)/D1}×100(%) …(1)
圧縮加工率が30%以上となるように鍛造加工を行うことにより、動的再結晶粒の凍結効果がより一層良好となり、パーライトをほぼ確実に微細化することができる。一方、85%以上の圧縮加工率で鍛造加工すると、鍛造部材の内部で加工による発熱が発生し、冷却の効果が得られなくなるので、圧縮加工率の上限値を85%とする。
パーライト粒径が18μm以下、好ましくは10μm以下であることが望ましい。これにより、高強度と高靭性を兼ね備えたフェライト+パーライト型非調質鋼鍛造部材を得ることができる。
また、本発明の実施に際して、前記700℃〜950℃の温度域で鍛造加工を行う前に、前記フェライト+パーライト型非調質鋼をV系炭化物の固溶温度以上に加熱した後、900℃〜1050℃の温度域で鍛造加工を行うようにするとよい。これによれば、粗大化したオーステナイト粒が高温オーステナイト域での鍛造加工により細粒化されるので、この細粒化した状態の結晶粒を更に低温オーステナイト域で鍛造加工することで、より一段と微細化されたパーライト組織を得ることができる。
また、本発明の適用対象としては、前記高強度及び高靭性フェライト+パーライト型非調質鋼鍛造部材がコンロッドであるとよい。これによれば、自動車用等の高負荷環境で使用されるコンロッドを、疲労強度等に格段に優れた製品とすることができる。
また、本発明の実施に際して、フェライト+パーライト型非調質鋼の具体的な組成は、質量%で、C:0.2〜0.5%、Si:0.2〜2.0%、Mn:0.3〜2.0%、P:0.01〜0.08%、S:0.01〜0.05%、V:0.05〜0.50%を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなるものにするとよい。この場合、例えば、Cu:0.05〜0.30%、Ni:0.05〜0.30%、及びCr:0.05〜0.30%のうちの1種又は2種以上を含有させるようにするとよい。また、これに加えて、例えば、Nb:0.02〜0.10%、Ti:0.02〜0.10%、及びAl:0.003〜0.040%のうちの1種又は2種以上、N:0.004〜0.030%を含有させるようにするとよく、さらに、例えば、Ca:0.0001〜0.0100%を含有させるようにするとよい。
組成限定理由は以下の通りである。
(1)C:0.2〜0.5%
Cは強度を確保するために必要な元素であり、V系炭化物の必須元素である。このため、0.2質量%以上の添加が必要である。一方、0.5質量%を超えて添加すると鍛造加工後の硬さが過剰となり、被削性が低下するので0.5質量%以下にする必要がある。
(1)C:0.2〜0.5%
Cは強度を確保するために必要な元素であり、V系炭化物の必須元素である。このため、0.2質量%以上の添加が必要である。一方、0.5質量%を超えて添加すると鍛造加工後の硬さが過剰となり、被削性が低下するので0.5質量%以下にする必要がある。
(2)Si:0.2〜2.0%
Siは鋼溶製時において脱酸作用を有し、軟質相であるフェライトの強度を高めて、耐力や疲労強度を向上させる。このような効果を得るためにSiは0.2質量%以上含有させることが必要である。しかし、含有量が多すぎると不必要に硬さを増加させ被削性を劣化させるので2.0質量%以下にすることが必要となる。
Siは鋼溶製時において脱酸作用を有し、軟質相であるフェライトの強度を高めて、耐力や疲労強度を向上させる。このような効果を得るためにSiは0.2質量%以上含有させることが必要である。しかし、含有量が多すぎると不必要に硬さを増加させ被削性を劣化させるので2.0質量%以下にすることが必要となる。
(3)Mn:0.3〜2.0%
Mnは鍛造部材の強度を高めるとともに焼入れ性を向上させる。しかし、多量に添加すると鍛造後にベイナイトが生成し、硬さが著しく増加して被削性を低下させるため0.3〜2.0質量%とした。
Mnは鍛造部材の強度を高めるとともに焼入れ性を向上させる。しかし、多量に添加すると鍛造後にベイナイトが生成し、硬さが著しく増加して被削性を低下させるため0.3〜2.0質量%とした。
(4)P:0.01〜0.08%
Pは不可避な不純物で、粒界への偏析により靭性を低下させる元素としてできるだけ低く抑えられるのが一般的である。しかし、PはSiと同様にフェライト中に固溶しフェライトの強度を向上させるため耐力や疲労強度の向上に有効である。ただし、多量に添加してもその効果が飽和したり、鍛造加工性を阻害するために、添加量は0.08質量%以下に留める。
Pは不可避な不純物で、粒界への偏析により靭性を低下させる元素としてできるだけ低く抑えられるのが一般的である。しかし、PはSiと同様にフェライト中に固溶しフェライトの強度を向上させるため耐力や疲労強度の向上に有効である。ただし、多量に添加してもその効果が飽和したり、鍛造加工性を阻害するために、添加量は0.08質量%以下に留める。
(5)S:0.01〜0.05%
Sは被削性を向上させるのに有効な元素である。しかし、添加量が多すぎると、強度や鍛造加工性を低下させるので、0.01〜0.05質量%とした。
Sは被削性を向上させるのに有効な元素である。しかし、添加量が多すぎると、強度や鍛造加工性を低下させるので、0.01〜0.05質量%とした。
(6)V:0.05〜0.50%
VはCと微細な炭化物を生成し、鍛造後の強度を高める元素である。特に耐力、疲労強度の向上には有効である。このような効果を得るためにも0.05質量%以上の添加が必要である。しかしながら0.50質量%以上添加しても高強度化の効果は飽和し、さらに被削性を低下させるので上限を0.50質量%にした。
VはCと微細な炭化物を生成し、鍛造後の強度を高める元素である。特に耐力、疲労強度の向上には有効である。このような効果を得るためにも0.05質量%以上の添加が必要である。しかしながら0.50質量%以上添加しても高強度化の効果は飽和し、さらに被削性を低下させるので上限を0.50質量%にした。
(7)Cu及びNi:0.05〜0.30%
Cu、Niは不可避な不純物であり、0.05質量%以下にすることは多大な努力を必要とし経済的に不利である。一方、Mn、Crと同様に強度を高めるためには有効な元素であるが多量の添加も同様に経済的に不利となるためその上限を0.30質量%以下にする。
(8)Cr:0.05〜0.30%
CrはMnと同様に鍛造部材の強度を高める。しかし、多量に添加すると鍛造後にベイナイトが生成し、硬さを著しく増大させるので、0.05〜0.30質量%とした。
Cu、Niは不可避な不純物であり、0.05質量%以下にすることは多大な努力を必要とし経済的に不利である。一方、Mn、Crと同様に強度を高めるためには有効な元素であるが多量の添加も同様に経済的に不利となるためその上限を0.30質量%以下にする。
(8)Cr:0.05〜0.30%
CrはMnと同様に鍛造部材の強度を高める。しかし、多量に添加すると鍛造後にベイナイトが生成し、硬さを著しく増大させるので、0.05〜0.30質量%とした。
(9)Nb:0.02〜0.10%、Ti:0.02〜0.10%、及びAl:0.003〜0.040%
Nb,TiおよびAlは、窒化物および炭窒化物を生成し、鍛造後の結晶粒を微細化して強度を向上させるが、多量に添加すると、逆に強度が低下する。適切な添加量はNb,Tiは、0.02〜0.10%であり、Alは0.003〜0.040%である。
(10)N:0.004〜0.030%
Nは、V,Al,Ti,Nbなどと窒化物や炭窒化物を生成して、結晶粒を微細化させ、結果として耐力を向上させる点で有用である。この効果を得るためには、0.004%以上のNが必要である。多量に添加しようとすると、ブローホールが発生して健全な鋼塊が得られないおそれがあるから、その上限を0.030%とした。
(11)Ca:0.0001〜0.0100%
Caは、MnS介在物の形態を制御する作用があり、それによって工具磨耗を抑制し、被削性を改善する効果がある。この効果を得るためには、0.0001%以上が必要である。多量に添加すると、熱間加工性を低くするので、上限を0.0100%とした。
Nb,TiおよびAlは、窒化物および炭窒化物を生成し、鍛造後の結晶粒を微細化して強度を向上させるが、多量に添加すると、逆に強度が低下する。適切な添加量はNb,Tiは、0.02〜0.10%であり、Alは0.003〜0.040%である。
(10)N:0.004〜0.030%
Nは、V,Al,Ti,Nbなどと窒化物や炭窒化物を生成して、結晶粒を微細化させ、結果として耐力を向上させる点で有用である。この効果を得るためには、0.004%以上のNが必要である。多量に添加しようとすると、ブローホールが発生して健全な鋼塊が得られないおそれがあるから、その上限を0.030%とした。
(11)Ca:0.0001〜0.0100%
Caは、MnS介在物の形態を制御する作用があり、それによって工具磨耗を抑制し、被削性を改善する効果がある。この効果を得るためには、0.0001%以上が必要である。多量に添加すると、熱間加工性を低くするので、上限を0.0100%とした。
a.第1実施例
以下、本発明の効果を確認するために行なった試験結果について説明する。表1のAに示す化学組成のφ30mmの丸棒を、高周波加熱装置にて、1200℃、2分間の加熱後、図1に示すように直径方向に圧縮加工率50%の鍛造加工を行い、底部から3/4の高さの横断面のパーライト粒径を測定した。このとき、横断面を研磨してナイタール腐食後に組織写真を撮影し、フェライト+パーライト組織以外の部位に色を塗ってフェライト+パーライト組織の面積率を求めた。フェライト+パーライト組織は何れも90%以上であった。図2に鍛造温度をパラメータとしたときの、丸棒と金型(パンチ)との接触時間と、パーライト粒径との関係を示す。また、表2の上欄に、図2に示した試験データのうち圧縮加工率を50%、接触時間を0.80秒とした実施例1〜6と、圧縮加工率を50%、接触時間を0.80秒として鍛造温度をそれぞれ650℃,1000℃とした比較例1,2を示す。
以下、本発明の効果を確認するために行なった試験結果について説明する。表1のAに示す化学組成のφ30mmの丸棒を、高周波加熱装置にて、1200℃、2分間の加熱後、図1に示すように直径方向に圧縮加工率50%の鍛造加工を行い、底部から3/4の高さの横断面のパーライト粒径を測定した。このとき、横断面を研磨してナイタール腐食後に組織写真を撮影し、フェライト+パーライト組織以外の部位に色を塗ってフェライト+パーライト組織の面積率を求めた。フェライト+パーライト組織は何れも90%以上であった。図2に鍛造温度をパラメータとしたときの、丸棒と金型(パンチ)との接触時間と、パーライト粒径との関係を示す。また、表2の上欄に、図2に示した試験データのうち圧縮加工率を50%、接触時間を0.80秒とした実施例1〜6と、圧縮加工率を50%、接触時間を0.80秒として鍛造温度をそれぞれ650℃,1000℃とした比較例1,2を示す。
表2から明らかなように、比較例1では、鍛造部材に割れが発生した。また、比較例2では、パーライト粒径が18μmを超えた(18.9μm)。これに対して、実施例1〜6では、何れもパーライト粒径が10μm以下となった。また、図2から明らかなように、金型との接触時間が0.20秒以上であるときパーライト粒径が18μm以下となり、金型との接触時間が0.80秒以上であるときパーライト粒径が10μm以下となることがわかる。
図3に鍛造温度を750℃として金型との接触時間をパラメータ(0.25秒,0.80秒)としたときの、圧縮加工率とパーライト粒径との関係を示す。また、表2に、鍛造温度を何れも750℃とした上で、接触時間を0.80秒、圧縮加工率をそれぞれ30%,40%,50%とした実施例7,8,2と、圧縮加工率を50%、接触時間をそれぞれ0.20秒,1.50秒とした実施例9,10を示す。併せて、圧縮加工率を20%、接触時間を0.80秒とした比較例3と、圧縮加工率を50%、接触時間を0.10秒とした比較例4を示す。
表2から明らかなように、比較例3,4では、何れもパーライト粒径が18μmを超えた(18.5μm,22.0μm)。これに対して、実施例2,7〜10では、何れもパーライト粒径が18μm以下となった。また、図3から明らかなように、圧縮加工率が30%以上であるときパーライト粒径が18μm以下となることがわかる。図4に微細化されたパーライトの有効範囲を模式的に示す。
b.第2実施例
この第2実施例では、表1のB〜Gに示す化学組成のφ30mmの丸棒を、上記第1実施例と同様、高周波加熱装置にて、1200℃、2分間の加熱後、図1に示すように直径方向に鍛造加工を行い、底部から3/4の高さの横断面のパーライト粒径を測定した。この場合、鍛造温度を700℃、圧縮加工率を50%、金型との接触時間を0.80秒とした。試験結果を表3に示す。表3から明らかなように、実施例11〜16のパーライト粒径は、何れも10μm以下となった。
この第2実施例では、表1のB〜Gに示す化学組成のφ30mmの丸棒を、上記第1実施例と同様、高周波加熱装置にて、1200℃、2分間の加熱後、図1に示すように直径方向に鍛造加工を行い、底部から3/4の高さの横断面のパーライト粒径を測定した。この場合、鍛造温度を700℃、圧縮加工率を50%、金型との接触時間を0.80秒とした。試験結果を表3に示す。表3から明らかなように、実施例11〜16のパーライト粒径は、何れも10μm以下となった。
c.第3実施例
この第3実施例では、表1のAに示す化学組成のφ30mmの丸棒を、高周波加熱装置にて、1200℃、2分間の加熱後、合計2回の圧縮加工率が50%となるように、1回目は950℃にて圧縮加工率20%の鍛造加工を行い、2回目は鍛造温度をパラメータとして圧縮加工率37.5%の鍛造加工を行って、底部から3/4の高さの横断面のパーライト粒径を測定した。この第3実施例においても、上記第1および第2実施例と同様にして、フェライト+パーライト組織の面積率を求めた。フェライト+パーライト組織は何れも90%以上であった。図5に鍛造温度をパラメータとしたときの、丸棒と金型(パンチ)との接触時間(2回目の鍛造加工時における金型との接触時間)と、パーライト粒径との関係を示す。表4に、図5に示した試験データのうち接触時間を0.80秒とした実施例17〜22と、2回目の鍛造温度750℃にて接触時間をそれぞれ0.20秒,1.50秒とした実施例23,24を示す。また、比較例として、2回目の鍛造温度を650℃(接触時間0.80秒)とした比較例5、1回目と2回目の鍛造温度を何れも1000℃(接触時間0.80秒)とした比較例6、950℃にて圧縮加工率20%の鍛造加工を行い、その後鍛造加工を行わずに750℃にて接触時間を0.80秒とした比較例7、および2回目の鍛造温度750℃にて接触時間を0.10秒とした比較例8を示す。
この第3実施例では、表1のAに示す化学組成のφ30mmの丸棒を、高周波加熱装置にて、1200℃、2分間の加熱後、合計2回の圧縮加工率が50%となるように、1回目は950℃にて圧縮加工率20%の鍛造加工を行い、2回目は鍛造温度をパラメータとして圧縮加工率37.5%の鍛造加工を行って、底部から3/4の高さの横断面のパーライト粒径を測定した。この第3実施例においても、上記第1および第2実施例と同様にして、フェライト+パーライト組織の面積率を求めた。フェライト+パーライト組織は何れも90%以上であった。図5に鍛造温度をパラメータとしたときの、丸棒と金型(パンチ)との接触時間(2回目の鍛造加工時における金型との接触時間)と、パーライト粒径との関係を示す。表4に、図5に示した試験データのうち接触時間を0.80秒とした実施例17〜22と、2回目の鍛造温度750℃にて接触時間をそれぞれ0.20秒,1.50秒とした実施例23,24を示す。また、比較例として、2回目の鍛造温度を650℃(接触時間0.80秒)とした比較例5、1回目と2回目の鍛造温度を何れも1000℃(接触時間0.80秒)とした比較例6、950℃にて圧縮加工率20%の鍛造加工を行い、その後鍛造加工を行わずに750℃にて接触時間を0.80秒とした比較例7、および2回目の鍛造温度750℃にて接触時間を0.10秒とした比較例8を示す。
表4および図5から明らかなように、第3実施例における各実施例17〜24は、対応する第1実施例における各実施例1〜6,9,10に比して、何れもパーライト粒径がより一段と微細化していることがわかる。これに対して、2回目の鍛造温度が700℃よりも低い比較例5では割れが発生し、2回目の鍛造温度が950℃よりも高い比較例6、合計の圧縮加工率が30%よりも小さい比較例7、および接触時間が0.20秒に満たない比較例8では、何れもパーライト粒径が18μmを超えた(18.5μm,18.2μm,20.9μm)。
d.第4実施例
この第4実施例では、表1のB〜Gに示す化学組成のφ30mmの丸棒を、上記第3実施例と同様、高周波加熱装置にて、1200℃、2分間の加熱後、合計2回の圧縮加工率が50%となるように、1回目は950℃にて圧縮加工率20%の鍛造加工を行い、2回目は700℃にて圧縮加工率37.5%の鍛造加工を行って、底部から3/4の高さの横断面のパーライト粒径を測定した。この場合、700℃にて金型との接触時間を0.80秒とした。試験結果を表5に示す。表5から明らかなように、第4実施例における各実施例25〜30は、対応する第2実施例における各実施例11〜16に比して、何れもパーライト粒径がより一段と微細化していることがわかる。
この第4実施例では、表1のB〜Gに示す化学組成のφ30mmの丸棒を、上記第3実施例と同様、高周波加熱装置にて、1200℃、2分間の加熱後、合計2回の圧縮加工率が50%となるように、1回目は950℃にて圧縮加工率20%の鍛造加工を行い、2回目は700℃にて圧縮加工率37.5%の鍛造加工を行って、底部から3/4の高さの横断面のパーライト粒径を測定した。この場合、700℃にて金型との接触時間を0.80秒とした。試験結果を表5に示す。表5から明らかなように、第4実施例における各実施例25〜30は、対応する第2実施例における各実施例11〜16に比して、何れもパーライト粒径がより一段と微細化していることがわかる。
Claims (7)
- 質量%で0.05〜0.50%のVを含み、フェライト+パーライト組織が90%以上となるフェライト+パーライト型非調質鋼を、V系炭化物の固溶温度以上に加熱した後、700℃〜950℃に降温させてその温度域で圧縮加工率が30%以上、かつ金型との接触時間が0.20秒以上となるように鍛造加工を行い、その後冷却を行ってフェライト+パーライト変態させ、パーライト粒径が18μm以下である鍛造部材を得ることを特徴とする高強度及び高靭性フェライト+パーライト型非調質鋼鍛造部材の製造方法。
- 前記700℃〜950℃の温度域で鍛造加工を行う前に、前記フェライト+パーライト型非調質鋼をV系炭化物の固溶温度以上に加熱した後、900℃〜1050℃の温度域で鍛造加工を行う請求項1に記載の高強度及び高靭性フェライト+パーライト型非調質鋼鍛造部材の製造方法。
- 質量%で、C:0.2〜0.5%、Si:0.2〜2.0%、Mn:0.3〜2.0%、P:0.01〜0.08%、S:0.01〜0.05%、V:0.05〜0.50%を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなるフェライト+パーライト型非調質鋼が用いられる請求項1または2に記載の高強度及び高靭性フェライト+パーライト型非調質鋼鍛造部材の製造方法。
- Cu:0.05〜0.30%、Ni:0.05〜0.30%、及びCr:0.05〜0.30%のうちの1種又は2種以上を含有する請求項3に記載の高強度及び高靭性フェライト+パーライト型非調質鋼鍛造部材の製造方法。
- Nb:0.02〜0.10%、Ti:0.02〜0.10%、及びAl:0.003〜0.040%のうちの1種又は2種以上、N:0.004〜0.030%を含有する請求項4に記載の高強度及び高靭性フェライト+パーライト型非調質鋼鍛造部材の製造方法。
- Ca:0.0001〜0.0100%を含有する請求項5に記載の高強度及び高靭性フェライト+パーライト型非調質鋼鍛造部材の製造方法。
- 前記高強度フェライト+パーライト型非調質鋼鍛造部材は、コンロッドである請求項1〜6のいずれか1項に記載の高強度及び高靭性フェライト+パーライト型非調質鋼鍛造部材の製造方法。
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| JP2007208340A JP2008274393A (ja) | 2007-03-30 | 2007-08-09 | 高強度及び高靭性フェライト+パーライト型非調質鋼鍛造部材の製造方法 |
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