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JP2008271804A - マイクロインジェクション方法及びマイクロインジェクション装置 - Google Patents

マイクロインジェクション方法及びマイクロインジェクション装置 Download PDF

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JP2008271804A JP2007117216A JP2007117216A JP2008271804A JP 2008271804 A JP2008271804 A JP 2008271804A JP 2007117216 A JP2007117216 A JP 2007117216A JP 2007117216 A JP2007117216 A JP 2007117216A JP 2008271804 A JP2008271804 A JP 2008271804A
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pipette
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Hideaki Matsuoka
英明 松岡
Mikako Saito
美佳子 斉藤
Yohei Yamada
洋平 山田
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Tokyo University of Agriculture
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Tokyo University of Agriculture and Technology NUC
Tokyo University of Agriculture
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    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
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Abstract

【課題】個別の細胞に対するピペットの先端位置を自動的かつ正確に検出し細胞内の目的とする位置でピペットを停止し、細胞内の所望位置に物質を導入する。
【解決手段】電位測定電極11を備えるバレルピペット10を所定速度で1個の細胞31に刺入し、電位測定電極によってバレルピペットの先端が位置する細胞部位の電位を測定する。測定電位を表す信号を微分し、微分信号のピークが閾値を超えたとき、バレルピペットの先端が細胞内小器官(オルガネラ)に挿入されたと判定し、所望の部位に到達したときマニピュレータの移動を停止し、試薬を注入する工程とを有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、細胞に試薬を導入するための自動刺入が可能なマイクロインジェクション方法及びマイクロインジェクション装置に関する。
バイオテクノロジーの分野では、細胞、さらに極小の領域として核、ミトコンドリア、ゴルジ体などのオルガネラ(細胞内小器官)のそれぞれに対し、遺伝子・蛋白質・各種阻害剤・分子標的薬剤などを導入することにより細胞内での発現・挙動などを評価するという需要が高まってきている。
細胞内に物質を注入する方法として、ガラスや石英でできたキャピラリ(細管)を熱し、引き伸ばすことにより加工された中空のピペットを用いて、細胞内に直接注入するマイクロインジェクション法が知られている。マイクロインジェクション法は、ターゲット細胞に種々の生物活性物質を直接注入する方法として有用な方法であることは認識されているが、熟練したオペレーターが顕微鏡を覗きながらマイクロマニピュレータを操作する必要があり、一日に数百個程度の細胞しか処理できない。マイクロインジェクションを自動的に行う方法として、Anal. Chem., 77, 5628(2005)には、多数の微小ウエルを有するプレートを用い、その微小ウエルに細胞を固定する方法が提案されている。
Anal. Chem., 77, 5628(2005)
細胞の中には、細胞膜などのように、脂質二重膜と呼ばれる非常に薄い層で囲まれたような区画が三次元的に配置されており、オルガネラと呼ばれている。この中には、核、ミトコンドリア、ゴルジ体、液胞などがあり、細胞質とは、異なる区画として構成されている。最近では、生物活性物質の種類に応じて、細胞内でも、細胞質やオルガネラに局所的に導入することが必要であることが知られてきている。
微小ウエルを有するプレートを用いて細胞への刺入座標位置を確定する方法の場合、生物活性物質を注入するためのピペットの先端はウエルの中心位置を表すXY座標に駆動される。そのXY座標のみを指標として、一定量マニピュレータを稼働させ、ピペットを刺入させた場合、ピペットは細胞壁あるいは、細胞膜を貫通したのちに、細胞の中心付近に達してしまう。そのため生物活性物質の種類に応じて、細胞内でも、細胞質やオルガネラに局所的に導入仕分けることが不可能であり、かつほとんどの細胞が死んでしまう。このことは、ピペットの貫通深さは局所構造体において、できるだけ浅いことが望ましいことを示している。従って、ピペット先端が細胞膜あるいはオルガネラ膜を貫通した直後にピペットの移動を停止する必要がある。この停止位置は0.5μmの精度で決定する必要がある。しかし、細胞は大きさがそれぞれ異なるため、ウエルの位置に基づいてピペットの移動目標であるXY座標を決定するのは困難である。更に、ピペットが細胞膜を押して貫通するとき、変形によって細胞の大きさは変化する。また、上述したように、薬剤の評価などの目的によっては、これら各々の箇所に局所的に狙いを定めて薬剤を導入する必要がある。従って、細胞の大きさに依存しない別の原理に基づいて発生される停止信号によってマイクロインジェクション用ピペットの移動を停止させる仕組みが必要である。
本発明は、個別の細胞に対するピペットの先端位置を自動的かつ正確に検出し細胞内の目的とする位置でピペットを停止する方法、及び細胞内の所望位置に物質を導入することのできる方法を提供することを目的とする。
細胞膜を微小電極が貫通するとき、膜電位は急激に変化する。生きている細胞に対しては、この電位は外部媒質に対して負である。我々は、膜電位の変化を停止信号として利用することを考えた。
図1は、細胞にバレルピペットが刺入されたときのバレルピペット先端位置での電位変化を摸式的に示す図である。細胞膜あるいはオルガネラ膜を貫通するたびに生じる電位変化のパターンは、細胞質あるいはオルガネラ内の電解質濃度によって異なるが、生きている細胞では、細胞質内の電位は外部より負電位である。オルガネラ内の電位はオルガネラの種類や生理状態によって異なるが、例えば液胞の場合は通常、細胞質よりは正側の電位である。図1(a)、図1(b)、図1(c)中の符号は、図1に示したピペットの位置にそれぞれ対応している。図1(a)では、バレルピペットが細胞外(A1)、細胞膜近傍(A2)、細胞質(A3)、液胞(A4)、の順に進むに従って生じる電位変化を示している。図1(b)は、オルガネラ1内の電位が、細胞質よりさらに負側の電位の場合である。図1(c)は、細胞電位よりさらに負側の電位のオルガネラ2と細胞質よりは正側の電位の液胞に連続して進む場合の電位変化を示している。このように、膜電位の高低等は異なるものの、バレルピペットの移動に伴う電位の変化パターンを蓄積していけば、細胞質あるいはオルガネラ内に刺入されたことがリアルタイムで判定でき、有用性が高い。
本発明の自動刺入可能なマイクロインジェクション方法は、電位測定電極を備えるマイクロツールとしてのバレルピペットの先端を1個の細胞に対して位置決めする工程と、バレルピペットを1個の細胞に対して所定速度で移動させ、先端を前記細胞に刺入する工程と、電位測定電極によってバレルピペットの先端が位置する細胞部位の電位を測定する工程と、バレルピペットの移動に伴う電位の変化からバレルピペットの先端が細胞内の所望の部位に到達したと判定されたときバレルピペットの移動を停止する工程と、バレルピペットから試薬を注入する工程とを有する。バレルピペットの先端が細胞内の所望の部位に到達したかどうかの判定にあたっては、測定された電位信号が急変したとき、バレルピペットの先端が別のオルガネラに挿入されたと判定することができる。
また、本発明の自動刺入可能なマイクロインジェクション装置は、電位測定電極及び試薬を含む溶液が充填された試薬ピペットを備えるマニピュレータと、マニピュレータを駆動する駆動部と、マイクロツールとしてのバレルピペットの移動に伴う電位測定電極の出力変化からバレルピペットの先端が位置する細胞部位に関する情報を取得する信号処理部と、信号処理部の出力により駆動部を制御する制御部と、試薬ピペットから試薬を含む溶液を噴出させるインジェクタとを有する。信号処理部は、電位測定電極の出力が入力されるローパスフィルタ及びローパスフィルタの出力を微分する微分回路を有し、微分回路によって微分された電位測定電極の出力が予め定められた閾値を超えたとき、バレルピペットの先端がオルガネラに挿入されたことを示す信号を出力する構成とすることができる。電位測定電極は、液体あるいは固体の導電性物質を充填したピペットで構成することができる。
本発明では、バレルピペットの自動挿入を停止し、細胞内の目的の部位にバレルピペットの先端をとどめることができるということが重要である。その後に、バレルピペットに試薬注入信号を印加すれば、細胞内の所望の部位に試薬を導入することができる。
本発明によると、細胞内におけるバレルピペット先端位置を正確に判定し、細胞を殺すことなく個別の細胞内の所望部位に確実に遺伝子や薬剤を導入することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。以下では、主に図1(a)の場合、すなわち植物細胞での細胞質、あるいは液胞への選別刺入の場合を例にとって説明する。
図2は、本発明による自動刺入可能なマイクロインジェクション装置の一例を示す模式図である。この装置は、容器30に入れられた溶液中の細胞31にマイクロツールとしてのバレルピペット10から遺伝子・蛋白質・各種阻害剤・分子標的薬剤などの試薬を導入するためのものである。バレルピペット10は、3チャンネル型のバレルピペットからなり、先端の直径は約1μmである。バレルピペットの1つのチャネルには電解質として0.5M KCl溶液を満たし、Ag/AgClワイヤを挿入して、電位測定電極11として使用する。他のチャネルには0.5M KClと細胞に導入すべき試薬とを満たし、Ptワイヤを挿入して、試薬注入電極12として使用する。残りのチャネルには電解質として0.5M KCl溶液を満たし、Ptワイヤを挿入し試薬注入電極12に対する対電極13として使用する。また試薬注入電極12には、トレーサーとしての蛍光色素を混合することによって、導入確認を行うことができる。電位測定電極11に対する参照電極21として、市販のAg/AgCl電極が容器30中の溶液に浸漬されている。
電位測定電極11及び参照電極21は、信号処理部22に接続されている。信号処理部22の出力は全体制御部29に供給される。全体制御部29には、自動運転・手動運転切換えスイッチが装備されている。手動運転では、スイッチを1回クリックするたびに、0.1秒間パルスモータを駆動する信号が出るようになっている。自動運転では、駆動開始信号から信号処理部22から停止信号が出力されるまでの間、モータ駆動制御部23は、油圧マニピュレータ25に直結されたパルスモータ24を連続的に駆動制御する。油圧マニピュレータ25が時計方向に回転するとZ軸刺入マニピュレータ50が前進し、それに伴って、Z軸刺入マニピュレータの先端に接続されているバレルピペット10が前進する。Z軸刺入マニピュレータ50の最小ステップは0.5μmであり、最大移動速度は250μm/秒である。試薬注入電極12と対電極13は、試薬注入信号発生器27に接続されている。試薬注入信号発生器27は、全体制御部29の制御下に、試薬注入パルスを発生する。パルス発生器からアナログ矩形パルスが発生され、増幅された後、対電極13に対して−20Vのパルス電圧が試薬注入電極12に印加される。一例として、試薬注入パルスは、パルス幅:10−50ms、パルス数:1秒間隔で1−5パルスである。モータ駆動制御部23も統括制御部29の制御を受ける。パルスモータ24と油圧マニピュレータ25の間には、マニュアル操作用ダイアル26が設けられている。また、信号処理部22にはレコーダ28が接続されている。
図3は、本発明の自動刺入可能なマイクロインジェクション装置における信号の流れと信号処理分の詳細を示すブロック図である。信号処理部は、増幅器、ローパスフィルタ、微分回路及び弁別器を備える。参照電極に対する電位測定電極の出力は、増幅器で増幅された後、ローパスフィルタに通される。ローパスフィルタを通った信号は微分回路で微分され、弁別器に通される。本例の弁別器は、非反転増幅回路、反転増幅器、2つの半波整流器、及び2つのコンパレータからなる。この例の信号処理部は細胞質信号及び液胞信号を発生し、細胞質信号及び液胞信号は統括制御部29に供給される。統括制御部29は、モータ駆動制御部23及び試薬注入信号発生器27を制御する。
なお、この例ではピペット中の試薬を細胞に注入する方法として電圧印加を用いたため、試薬の充填されたピペットを試薬注入電極と呼んだが、試薬注入方法としては圧力印加等、他の手段を用いてもよい。圧力印加によって試薬を注入する場合には、試薬注入信号発生器27は電気パルスの代わりに圧力パルスを試薬の充填されたピペットの後部に印加することになる。当然ながら、上の例において試薬の充填されたピペットに挿入したPtワイヤは不要であり、対電極13も不要である。
次に、本発明の装置による自動刺入マイクロインジェクション方法について説明する。実験に用いた細胞はタバコ培養細胞BY−2である。通常、植物細胞への薬剤導入・形質転換には、細胞表面を酵素処理させ、柔らかいプロトプラスト体又はスフェロプラスト体を用いることが一般的であり、細胞壁を維持したままのインタクトな植物細胞への連続インジェクションは困難とされていたが、本発明の装置によるとそれが可能になる。
最初、顕微鏡の下で観察しながら、半自動操作によってバレルピペット10を容器30中の1つの細胞31の近くに位置決めした。次に、空間電位分布を得るためにバレルピペット10を250μm/秒の速度で100ms前進させた。バレルピペット10が細胞膜を貫通したとき、電位測定電極11からノイズの多い応答が得られた。
図4は、手動運転で刺入処理した際に得られた出力信号と微分信号を示す。信号処理部22では、ローパスフィルタを通った電位測定電極11からの信号を微分回路で微分する。図4(a)に、ローパスフィルタ通過後の電位測定電極11からの信号の典型例を示す(10倍に増幅)。図中の工程Aでは、マニュアル操作で、バレルピペット10を細胞膜外表面まで接近させた。工程B及び工程Dでは、制御スイッチを1回クリックした(250μm/秒×100ms)。また、工程C及び工程Eは、Z軸刺入マニピュレータを停止状態にした。図4(b)は、ローパスフィルタを通った電位測定電極11からの信号を微分した上で増幅した信号を示す。電位測定電極の出力を微分することより、図4(b)に示すように、正のパルスT1と負のパルスT2が得られる。第1番目のピークである正のパルスT1は外部から細胞膜を貫通した信号である。図4(b)に示すように、実際に200mV程度の第1番目のピークである正のパルスT1が得られた際に、挿入を停止し、蛍光色素をインジェクションすると原形質へ導入された。第2番目のピークである負のパルスT2は液胞膜を貫通した信号である。ここで第1番目のピークである正のパルスT1が得られた後に、さらに挿入を継続し、図4(b)に示すように、第2番目のピークである負のパルスT2の両方を得られた際に、挿入停止し、蛍光色素をインジェクションすると液胞へ導入された。これらのパルス信号は非反転増幅あるいは反転増幅されて、弁別器に入力される。こうして、細胞質信号と液胞信号が得られる。
図5は、信号処理部の弁別器で処理される信号波形と、細胞質信号及び液胞信号の関係を表す摸式図である。微分信号に含まれる正のパルスT1が予め設定した閾値を超えたとき細胞質信号が出力され、負のパルスT2が予め設定した閾値を越えたとき液胞信号が出力される。これらの信号を受けて、統括制御部29はモータ駆動制御部23に指令してパルスモータ24の駆動を停止させる。すなわち、バレルピペット10を細胞質内で停止させる必要があるとき、統括制御部29は、信号処理部から細胞質信号が出力されたときモータ駆動制御部23にパルスモータの停止指令を出す。また、バレルピペット10を液胞内で停止させる必要があるときには、統括制御部29は、信号処理部から液胞信号が出力されたときモータ駆動制御部23にパルスモータの停止指令を出す。
図6は、モータの制御フロー図である。本実施例の場合、動作モードとしては細胞質停止モードと液胞停止モードの2つが用意されている。動作モードの選択は統括制御部29において行われる。モータ駆動制御部23は、ステップモータ24を駆動してバレルピペット10を一度に500nmずつ前進させ、選択された動作モードに合わせて、細胞質信号が検出されたか、あるいは液胞信号が検出されたかを判定し、検出されなければ再びバレルピペット10を500nmだけ前進させる。所望の信号が検出されると、モータを停止させる。モータ駆動パルスのオン・オフはモータ駆動制御部23によって行われ、細胞質信号あるいは液胞信号の検出判定は統括制御部29によって行われる。
統括制御部29は、モータ駆動制御部23に対して、バレルピペット10の刺入(前進)、退避(後退)、停止、迅速退避(迅速後退)を指示することができる。統括制御部29は、信号処理部22からの信号によってバレルピペット10の先端位置に関する情報を取得し、細胞内での任意の位置を設定することにより、細胞に対してバレルピペット先端を自動的に駆動し、任意の位置で停止させることができる。統括制御部29は、信号処理部22からバレルピペット10の先端が細胞内の所望の位置に到達したことを示す信号を受け取った後に、試薬注入信号発生器27に指令してバレルピペットの試薬注入電極12の先端から細胞内の所望の部位に試薬を導入する。試薬の導入量も統括制御部29から設定することができ、試薬注入信号発生器27はその設定に応じて決められたパルス幅、インターバル時間、及び回数の試薬注入パルスを発生する。こうして試薬注入電極12と対電極13の間に電圧印加して導入負荷をかけることにより、試薬注入電極12内の薬剤を細胞に注入する。試薬を細胞に導入するためには、バレルピペット10を刺入しただけでは達成できず、このような導入負荷をかける必要がある。
自動運転では、停止信号検出後の制動距離を短くするために、バレルピペットを4μm/秒でゆっくり前進させた。この速度では、図7及び図8に示すように、スムーズな信号波形が得られた。
図7は、バレルピペットを細胞質中に挿入した際に得られる電位変化の測定結果と微分回路による波形変換を行った結果を示す図である。図7(a)は、バレルピペット先端を細胞膜近傍から細胞内(細胞質)方向へ刺入(insert)させたときの電位測定電極の出力を増幅して示した波形図である。図7(b)はその微分信号である。
バレルピペット先端が細胞膜に接触した後、さらに刺入すると細胞質に到達する。この際に、電位変化は、正方向から負の電荷をもつ膜に接触することで、負方向へ傾く。これを示したのが、図7(a)である。また、この生データを常時取り込み、微分回路に通すと、図7(b)のように変換される。図7(c)は、Z軸刺入マニピュレータの駆動制御の状態を示す図であり、塗りつぶしは前進を表し、白い部分は細胞質信号検出後に停止した状態を表している。
図8は、細胞質を経て、バレルピペットをオルガネラの一種である液胞中に挿入した際に得られる電位変化の測定結果と微分回路による波形変換を行った結果を示す図である。図8(a)は、電位測定電極の出力を増幅して示した波形図である。図8(b)はその微分信号である。
バレルピペット先端を細胞膜近傍から細胞内(細胞質)方向へ刺入させると、細胞膜に接触し、さらに刺入すると細胞質に到達する。この際に、電位変化は、正方向から負の電荷をもつ膜に接触することで、負方向へ傾く。これは、図7の場合と同様である。さらに刺入させると、細胞の中心方向にある脂質二重膜で隔離されたオルガネラ(液胞など)の膜を通過し、オルガネラの中へ至る。これを示したものが、図8(a)である。また、この生データを常時取り込み、微分回路に通すと、図8(b)のように変換される。図8(c)は、Z軸刺入マニピュレータの駆動制御の状態を示す図であり、塗りつぶしは前進を表し、白い部分は細胞質信号検出後に停止した状態を表している。
本発明の装置による自動刺入マイクロインジェクションが成功したかどうかを顕微鏡観察により評価した。試薬注入電極に蛍光試薬としてルシファーイエローを入れ、細胞内の所望の部位に局所的に試薬を導入した。用いた細胞はタバコ培養細胞BY−2である。
図9は、バレルピペット先端を細胞質中で自動停止させた後、試薬注入電極にパルス信号を印加してルシファーイエローを注入し、その後、蛍光顕微鏡によってルシファーイエローの拡散パターンを観察したものである。図9(a)は、バレルピペットを細胞質中で自動停止させた後、試薬注入電極にパルス信号を印加してルシファーイエローを注入する操作を連続して行い、図9(a)の中央に位置する細胞の細胞質中に自動停止させた状態のレリーフコントラスト像(明視野)である。なお、図中に示したバーのサイズは20μmである。図9(b)は、細胞にルシファーイエローを導入したあとの蛍光像である。図9(b)によると蛍光発光領域が細胞中で局限されており、中央に位置する細胞の細胞質中にルシファーイエローが導入されたことが確認できる。
次に、バレルピペット先端をタバコ培養細胞BY−2の液胞中で自動停止させた後、試薬注入電極にパルス信号を印加してルシファーイエローを注入し、その後、蛍光顕微鏡によってルシファーイエローの拡散パターンを観察した。図10(a)は、中央に位置する細胞の液胞中にバレルピペット先端を自動停止させたあとのレリーフコントラスト像である。図10(b)は、中央に位置する細胞の液胞中にルシファーイエローを導入したあとの蛍光像である。図10(b)の蛍光像によると、細胞内の広い領域から蛍光が発生しており、バレルピペット先端が液胞中に停止し、液胞中にルシファーイエローが導入されたことが確認できる。
これまでは細胞壁がある植物の細胞の例を説明してきたが、本発明は、細胞壁がなく細胞膜に覆われている動物細胞などにも適用可能である。図11(a)は、動物細胞の例として、マウス胚性幹細胞にバレルピペットを刺入したとき電位測定電極の微分出力信号を示す。また、図11(b)は、本来なら細胞壁がある植物細胞から酵素処理を経て、細胞壁を取り除き、細胞膜を露出した(プロトプラスト)状態のイネ細胞に対する電位測定電極の微分出力信号を示す。細胞の種類によってそれぞれに異なるパターンを示すが、いずれも細胞膜を貫通した際に急激な電位変化を示し、本発明の原理を適用して細胞内の所望位置でバレルピペットを停止し、試薬を導入することが可能であることが分かる。
このように、バレルピペットが細胞内を移動するに従って、電位は特定のパターンを示すことがわかった。なお、細胞内オルガネラは、上述したように核、小胞体、ミトコンドリア、液胞などがあり、ミトコンドリアは、電位が比較的高いことが知られている。いずれも脂質二重膜により外界と隔てられているという特徴を有しており、膜電位の高低等は異なるものの、バレルピペットの移動に伴う電位の変化パターンを蓄積していけば、それぞれのオルガネラも判定が可能となり有用性が高い。例えば、特定のオルガネラとして、核のみに薬剤を注入することも可能になる。このため、DNAの高効率な取り込みを能動的に引き起こすことが可能になり、産業的メリットが高い。
このように、本発明によると細胞内における試薬注入部位を自由に設定することが可能になるとともに、その試薬注入を自動で行うことができる。このようなことは、これまでの技術では困難であり、まさに本発明の有用性を示すものである。
トランスフェクション法と本発明による単一細胞導入法を比較すると、トランスフェクション法は遺伝子が導入された細胞がある程度の割合で得られるが、遺伝子導入細胞の割合を100%近くに高めるためには、数ヶ月間選抜圧存在下で継代培養を行い、クローニングを行う必要がある。それに対し、本発明の単一細胞への導入は、文字通り細胞1個をターゲットにしているため、導入細胞を単離しクローニングを行えば、解析を行う程度の細胞数に増えた時点でサンプリングが可能であり、所要時間を大幅に短縮できる。リアルタイムPCRの解析であれば細胞1個からでも解析が可能であり、労力、時間、設備の面で大幅な節約が可能であるため、実験技術としては今までにない新しい手法になり得ると考えられる。
細胞にバレルピペットが刺入されたときのバレルピペット先端位置での電位変化を摸式的に示す図。 本発明によるマイクロインジェクション装置の一例を示す模式図。 本発明のマイクロインジェクション装置における信号の流れと信号処理分の詳細を示すブロック図。 電位測定電極からの信号と、その微分信号の例を示す図。 信号処理部の弁別器で処理される信号波形と、細胞質信号及び液胞信号の関係を表す摸式図。 モータの制御フロー図。 バレルピペットを細胞質中に挿入した際に得られる電位変化の測定結果と微分回路による波形変換を行った結果を示す図。 バレルピペットを液胞中に挿入した際に得られる電位変化の測定結果と微分回路による波形変換を行った結果を示す図。 細胞質中に蛍光試薬を注入し、蛍光顕微鏡で観察した例を示す図。 液胞中に蛍光試薬を注入し、蛍光顕微鏡で観察した例を示す図。 動物の胚性幹細胞及び細胞壁を取り除いた植物細胞に刺入したときの微分出力信号パターンを示す図。
符号の説明
10:バレルピペット
11:電位測定電極
12:試薬注入電極
13:対電極
21:参照電極
22:信号処理部
23:モータ駆動制御部
24:パルスモータ
25:油圧マニピュレータ
26:マニュアル操作用ダイアル
27:試薬注入信号発生器
28:レコーダ
29:統括制御部
30:容器
31:細胞
50:Z軸刺入マニピュレータ

Claims (10)

  1. 電位測定電極を備えるバレルピペットの先端を1個の細胞に対して位置決めする工程と、
    前記バレルピペットを前記細胞に対して所定速度で移動させ、先端を前記細胞に刺入する工程と、
    前記電位測定電極によって前記バレルピペットの先端が位置する細胞部位の電位を測定する工程と、
    前記バレルピペットの移動に伴う前記電位の変化から前記バレルピペットの先端が細胞内の所望の部位に到達したと判定されたとき前記バレルピペットの移動を停止する工程と、
    前記バレルピペットから試薬を注入する工程と
    を有することを特徴とするマイクロインジェクション方法。
  2. 請求項1記載のマイクロインジェクション方法において、前記電位を表す信号を微分し、当該微分信号が急変したとき前記バレルピペットの移動を停止することを特徴とするマイクロインジェクション方法。
  3. 請求項1又は2記載のマイクロインジェクション方法において、前記バレルピペットの先端が細胞内の所望の部位に到達したと判定されるまで、前記バレルピペットを所定速度で移動させる工程と前記電位を測定する工程とを反復実行することを特徴とするマイクロインジェクション方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載のマイクロインジェクション方法において、前記電位測定電極は、液体あるいは固体の導電性物質を充填したピペットであることを特徴とするマイクロインジェクション方法。
  5. 電位測定電極及び試薬を含む溶液が充填された試薬ピペットを備えるマニピュレータと、
    前記マニピュレータを駆動する駆動部と、
    前記バレルピペットの移動に伴う前記電位測定電極の出力変化から前記バレルピペットの先端が位置する細胞部位に関する情報を取得する信号処理部と、
    前記信号処理部の出力に基づいて前記駆動部を制御する制御部と、
    前記試薬ピペットから試薬を含む溶液を噴出させるインジェクタと
    を有することを特徴とするマイクロインジェクション装置。
  6. 請求項5記載のマイクロインジェクション装置において、前記電位測定電極は、電解質を充填したピペットであることを特徴とするマイクロインジェクション装置。
  7. 請求項5又は6記載のマイクロインジェクション装置において、前記信号処理部は前記電位測定電極の出力が入力されるローパスフィルタ及び前記ローパスフィルタの出力を微分する微分回路を有し、前記微分回路の出力が予め定められた閾値を超えたとき信号を出力することを特徴とするマイクロインジェクション装置。
  8. 請求項7記載のマイクロインジェクション装置において、前記制御部は、前記信号処理部が信号を出力したとき、前記駆動部による前記マニピュレータの移動を停止させ、前記インジェクタとを駆動して前記試薬ピペットから試薬を含む溶液を噴出させることを特徴とするマイクロインジェクション装置。
  9. 請求項5〜8のいずれか1項記載のマイクロインジェクション装置において、細胞が入った溶液中に浸漬される参照電極を有することを特徴とするマイクロインジェクション装置。
  10. 請求項5〜9のいずれか1項記載のマイクロインジェクション装置において、前記噴出手段は、前記試薬ピペットにパルス電圧を印加する手段であることを特徴とするマイクロインジェクション装置。
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