JP2008270344A - 固体レーザ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】小型でかつ安定なCWモード同期を実現できる固体レーザ装置を得る。
【解決手段】Nd、Yb、ErあるいはPr等の希土類のイオンが添加されたレーザ結晶からなるチャネル導波路12と、このチャネル導波路12を導波する光を共振させる共振器とを有する固体レーザ装置10において、チャネル導波路12の端面に、半導体可飽和吸収素子18を突合せ接合する。
【選択図】図1
【解決手段】Nd、Yb、ErあるいはPr等の希土類のイオンが添加されたレーザ結晶からなるチャネル導波路12と、このチャネル導波路12を導波する光を共振させる共振器とを有する固体レーザ装置10において、チャネル導波路12の端面に、半導体可飽和吸収素子18を突合せ接合する。
【選択図】図1
Description
本発明は固体レーザ装置、特に詳細には、希土類イオンが添加されたチャネル導波路を伝搬させた光を、共振器によって共振させる構成を有する固体レーザ装置に関するものである。
従来、希土類イオン(あるいは遷移金属イオン)を添加した固体レーザ媒質を、半導体レーザ(LD)等から発せられた励起光で励起する固体レーザ装置が活発に開発されている。その中でも、パルス幅がpsec(ピコ秒)からfsec(フェムト秒)領域に有るいわゆる短パルス光を発生する短パルスレーザは、医療、バイオ、機械産業、計測など、多岐の応用分野で提案され、また実証を経て一部実用化されている。このレーザは、モード同期と呼ばれる動作により超短パルスを発生している。モード同期は、簡単に言えば、レーザ発振の際、周波数領域で見ると多数の縦モードの位相が全て同期し(相対位相差=0)、このため縦モード間のマルチモード干渉により、時間領域では極めて短いパルスとなる現象である。
このモード同期を実現するために、現在までに幾つかの方法が提案されている。具体的には、レーザ媒質の非線形屈折率に基づくカーレンズ効果によるもの、半導体等からなる可飽和吸収ミラー(Semiconductor Saturable Absorbing Mirror; SESAM)、非線形偏光回転、音響光学素子によるものなどが挙げられる。これらの方法は全て、レーザ発振の縦モードの位相を強制的にロックする作用を有している。
ここで、可飽和吸収ミラー(材料は半導体に限られるものではなく、その他の可飽和吸収体としては、他にCr:YAGなどの固体結晶や有機色素なども良く使われる)によるモード同期では、一般的に、それと相伴ってQスイッチの不安定性が生じやすいことが指摘されている(非特許文献1参照)。これは、可飽和吸収ミラー自体が、固体レーザに対してQスイッチ動作とモード同期動作を起こし得る能力を有しているからである。一般に、Qスイッチ動作が随伴したモード同期とは、パルス幅がマイクロ秒からナノ秒オーダーのQスイッチパルスの中に、それより狭い周期でモード同期パルス列が重畳されている状態である。
この状態は、超短パルスの光を物質との相互作用(レーザ加工、非線形光学現象など)に応用したい場合に、一般には好まれない。その理由は、Qスイッチパルスが必ずしも安定な周期、タイミングで生成されているわけではないので、パルス毎にピーク強度や発生タイミングが変動し、このためパルス毎に相互作用の現象が異なって、それらが利用し難いからである。
上記(数1)で示す不等式の右辺の臨界パルスエネルギーEPC以上のパルスエネルギーEPを発振器で実現すれば、Qスイッチ不安定性の無い、いわゆるCWモード同期が実現できることが知られている。
一般的にNdやYbなどの希土類イオンを添加した固体レーザでは、誘導放出断面積が比較的小さく、Qスイッチ不安定性が生じやすい。中でもYb系などの発振帯域の広いレーザ媒質では、相対的に誘導放出断面積σemが小さく、そのため上記のFsat,Lが大きくなりやすい。すると、これに伴ってEPCが大きくなる。したがって、CWモード同期を実現するためには、共振器を1m程度か、それ以上に伸長することで、パルスの繰り返し周波数を下げ(典型的には150MHz程度)、パルスエネルギーEPが(数1)式を満たすようレーザ設計が成されている。
しかし、この手法ではレーザ共振器が長くなるため、小型化しようとすると共振器を多重に折り返す必要が生じ、折り返しに伴うパワー損失と安定性の低下が懸念される。
以下、従来装置についてより具体的に説明する。一例として非特許文献2には、光を共振させる凹面ミラーおよび可飽和吸収ミラーと、それらの間に配設されて光路を折り返す2つの凹面ミラーとから共振器が構成され、上記可飽和吸収ミラーでモード同期を果たすようにした典型的なYbモード同期レーザが示されている。本例ではレーザ媒質として、Yb:YAG結晶が用いられている。そして前述の(数1)式を満たすため、共振器長0.75m、繰り返し周波数200MHzとし、LD励起パワー10WにおいてCWモード同期出力200mW、パルス幅4.35psecを得ている。また、前述の非特許文献1に記載された従来例では、上記と同様の共振器構成(共振器長100.4cm)を採用し、レーザ媒質としてNd:YLF結晶を用いてCWモード同期を実現している。
以上説明した従来例では、CWモード同期を実現するには1m近い共振器長が必要であり、このことが小型化、ひいては高安定なレーザ装置の実現を阻んできた。
一方、固体レーザの別の形態として、例えば非特許文献3,4および5並びに特許文献1に記載されているように、導波型の固体レーザつまり、固体レーザ結晶によって導波路を形成してなる固体レーザも知られている。この導波型の固体レーザでは、レーザ媒質におけるビーム断面積がすなわち導波路断面積となり、そしてこの導波路の断面積は極めて小さくできるため、レーザ媒質と光の誘導放出相互作用がバルク型に比べ大幅に増強でき、極めて短い相互作用長で高効率の動作が可能である。また光ファイバへの結合が容易で、光ファイバ通信システムへの親和性が高いため、光通信分野への応用が期待されている。
より具体的に説明すると、非特許文献3には、YbとNdを共添加したYAGチャネル導波路を液相エピタキシー法により作製し、発振波長1030nmで出力50mWを得たことが記載されている。
また非特許文献4には、Nd:YAG基板にイオン打ち込みによりレーザ媒質となる平面導波路を作製し、導波路両端面に共振器ミラーをコートし、Ti-Sapphireレーザにより平面導波路を励起するようにした固体レーザ装置が記載されている。この固体レーザ装置においては、発振波長1064nmで出力16mW、スロープ効率21%が得られたことが記載されている。
非特許文献5には、ErとYbが共添加された平面導波路をレーザ媒質として用いるとともに、この平面導波路と離間して設けられた半導体可飽和吸収ミラーによりモード同期を果たすようにした固体レーザ装置が記載されている。ここでは、繰り返し周波数100MHzのCWモード同期動作を実現したことが記載されている。この構成において共振器長は1.5m、発振波長は1540nm近傍であり、励起パワー125mWのとき出力は1.43mW、パルス幅は9.8psecであったと記載されている。またここでは、波長可変性を得るため、可飽和吸収ミラーと導波路の間に帯域通過フィルタが挿入されている。なお、この非特許文献5には、共振器モードサイズ、特に半導体可飽和吸収ミラー面上のビームサイズについて、CWモード同期閾値という観点からの考慮はなされていない。
特許文献1には、波長980nmの励起光をEr,Yb共添加導波路に導入し、非特許文献4に示されたものと同様の構成で、波長1540nmでのレーザ発振を実現したことが記載されている。
特表2002−536824号公報
Journal of Optical Society of America, Vol.16, No.1 (1999) pp.46-56
Chinese Optics Letters, Vol.1, No.12 (2003) pp. 695-696
Applied Physics Letters, Vol.67, No.5 (1995) pp.582-584
Optics Express, Vol.12, No.10 (2004) pp.2264-2269
IEEE Photonics Technology Letters, Vol.12, No.2 (2000) pp.149-151
先に述べた通り従来の固体レーザでは、CWモード同期を得るために共振器長を伸長する必要があり、そこで装置が大型になり、それに伴って出力が不安定になるという問題が認められている。
そこで本発明は、小型でかつ安定なCWモード同期を実現できる固体レーザ装置を提供することを目的とする。
本発明による第1の固体レーザ装置は、前述したようにNd、Yb、ErあるいはPr等の希土類のイオンが添加されたレーザ結晶からなるチャネル導波路と、このチャネル導波路を導波する光を共振させる共振器とを有する固体レーザ装置において、
チャネル導波路の端面に、半導体可飽和吸収素子が突合せ接合されていることを特徴とするものである。
チャネル導波路の端面に、半導体可飽和吸収素子が突合せ接合されていることを特徴とするものである。
また本発明による第2の固体レーザ装置は、上記と同様に希土類イオンが添加されたレーザ結晶からなるチャネル導波路と、このチャネル導波路を導波する光を共振させる共振器とを有する固体レーザ装置において、
チャネル導波路と空間的に分離し、かつ光学的に結合した状態に半導体可飽和吸収素子が配設され、
前記可飽和吸収素子上のビーム断面積が、導波路の断面積の2倍以下とされていることを特徴とするものである。
チャネル導波路と空間的に分離し、かつ光学的に結合した状態に半導体可飽和吸収素子が配設され、
前記可飽和吸収素子上のビーム断面積が、導波路の断面積の2倍以下とされていることを特徴とするものである。
なお、本発明の固体レーザ装置のうち特にこの第2の固体レーザ装置においては、前記半導体可飽和吸収素子と該チャネル導波路との間に、光機能素子が配置されていることが望ましい。
また本発明の固体レーザ装置においては、チャネル導波路に、光機能素子が集積化あるいは接合されていることが望ましい。そのような光機能素子としては、分散補償機能を有する素子や、非線形光学効果を有する素子等が挙げられる。
前述の(数1)式を仔細に検討すると、ビームスポット面積(ビーム断面積)Aeff,AおよびAeff,Lが小さければ、臨界パルスエネルギーEPCを下げることができて、より低い出力パワー(すなわちより低い励起パワー)でも、安定なCWモード同期が実現できることが分かる。
本発明の固体レーザ装置はこの知見に基づいて得られたものであり、希土類イオンが添加されたレーザ結晶から形成したチャネル導波路を適用して、基本的に導波型とすることによりAeff,Lを極めて小さいものとした上で、第1の固体レーザ装置にあっては可飽和吸収ミラーを導波路に突合せ接合することにより、そして第2の固体レーザ装置にあっては可飽和吸収ミラーでのビーム断面積Aeff,Aを導波路断面積Aeff,Lの2倍以下とすることにより、ビーム断面積Aeff,AおよびAeff,Lを極めて小さくすることが可能となっている。それにより本発明の固体レーザ装置においては、低い出力パワーでも、安定なCWモード同期が実現される。なお、上記の「2倍」という数値の臨界的意義については、後に実施形態に沿って詳しく説明する。
さらに本発明の固体レーザ装置においては、臨界パルスエネルギーEPCを下げることができるので共振器長を短くすることができ、それにより小型化も実現される。すなわち、モード同期固体レーザ装置の特徴として、共振器長を短くして行くと逆比例して臨界パルスエネルギーEPCが低下します。通常は、ある共振器長のところで前記(数1)式が満たされなくなり、パルスエネルギーEP <Epcとなって、CWモード同期が成立しなくなる。しかし本発明の構成によれば、臨界パルスエネルギーEPC そのものを低減できるので、より短い共振器長でもEP >Epcの条件を満たすことが可能になるのである。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態による固体レーザ装置を示す斜視図である。図示の通りこの固体レーザ装置10は、光学基板11にNdが添加されたチャネル導波路12が形成されてなる光導波路素子13と、励起光14を発する励起用レーザ15と、この励起用レーザ15から発散光状態で発せられた励起光14を集光してチャネル導波路12の一端面(図中の右端面)上で収束させる励起光学系16と、この励起光学系16と光導波路素子13との間に配設されたダイクロイックミラー17と、チャネル導波路12の他端面(図中の左端面)に突合せ接合された半導体可飽和吸収ミラー18とから構成されている。
上記光学基板11としては、例えばガラス基板(燐酸ガラス、ソーダライムガラスなど)やYAG結晶(Y3Al5O12)、YVO4結晶等が用いられる。一方、レーザ結晶からなるチャネル導波路12は、希土類添加のプロセスを加えた通常の方法により作製することができ、例えば液相エピタキシー法とエッチングプロセスを用いる方法(例えば前述の非特許文献3参照)や、プロトン交換法、イオン打ち込み法(例えば前述の非特許文献4参照)等が適用可能である。光学基板11とチャネル導波路12との比屈折率差は0.005〜0.05程度が実現可能で、それで十分に導波構造として成立する。
ここでは希土類としてNdの例を示したが、これに限ることなく、Yb(発振波長1030nm、1050nm)、Er(同1.5μm)、Pr(同1.3μm帯)などの他の希土類イオンでも、原理的に適用可能である。また励起光の吸収と誘導放出のためには、必ずしも同一種類の希土類イオンを使う必要は無く、吸収のためのイオンと、誘導放出のためのイオンを別にする例もあり得る。例えば吸収用がYbイオン、誘導放出用がErイオンの場合、Ybイオンは波長980nmの励起光を効率良く吸収し、これをErイオンに高速にエネルギー移乗させることで、Erにおいて誘導放出可能となる。
この固体レーザ装置10においては、チャネル導波路12の上記一端面に部分透過ミラーのコーティングが施され、それと半導体可飽和吸収ミラー18とによって共振器が構成されている。Ndイオンが添加されたチャネル導波路12は励起光14によって励起され、それにより誘導放出された光は上記共振器によって共振する。こうしてレーザ発振した光(レーザ光)19は一部が上記コーティングを透過し、ダイクロイックミラー17で反射して励起光14の光路から側方に取り出される。そして、半導体可飽和吸収ミラー18の作用でモード同期が実現され、極めて短いパルス幅のレーザ光19が得られるようになる。
このような導波型の固体レーザにおいては、導波路12の断面積がすなわちレーザ媒質におけるレーザビーム断面積Aeff,Lであると考えることができる。本実施形態の場合チャネル導波路12の断面サイズは、幅方向5〜10μm×厚み方向2〜6μm程度である。この断面の面積は、光学基板11とチャネル導波路12との比屈折率差と、導波させるレーザ光19の波長と、シングルモード条件とに依存している。発振波長1μm帯ではおおよそ上記の値で良いが、これに限らずに様々な設計が可能である。
一方、空間的にミラーを配置した通常の共振器(例えば前記非特許文献2の構成)では、一般的にモード直径として50μm程度が最小である。これ以上小さいと、アライメントに非常に敏感になるため、実用的でなくなる。したがって、空間的にミラーを配置する場合と比べると、導波構造を採用することで1/100〜1/200に面積が低減できる。この効果により、(数1)式から、CWモード同期閾値が1/10から1/15程度に低下することが分かる。これは長さ1mの共振器が6〜10cmまで短縮されても、なおCWモード同期動作が可能であることを示している。併せて、半導体可飽和吸収ミラー18上のビーム断面積Aeff,Aも同程度に小さくすることができる。
一般的には、共振器長が1m程度であると、機械的な振動・ドリフト、熱による機構部品の位置変異、撓み等に基づく光学アライメントのずれが、レーザ特性の劣化、不安定化をもたらす場合が多い。共振器のアライメント誤差許容度は共振器長に逆比例し、ミラー曲率の関数であることが分かっている。具体的にこの誤差許容度は、1m級共振器では50〜100μrad程度であることが知られている(参考文献:N.Hodgson and H. Weber, Optical Resonators p. 219, Springer)。このため共振器長を20cm以下にすることで、誤差許容度を5倍の250〜500μrad以上にすることができる。共振器ミラーの機械変動は、一概に定量化できないが、一般的なジンバルで50μradであり(8℃の温度変動に対して;Newport社カタログによる)、1m級共振器では誤差許容度と同程度のミラー変動が生じるが、共振器長20cm以下では誤差許容度の1/5程度と、出力変動が無視できるレベルに留まる。
図1の構成をさらに詳しく説明すると、励起用レーザ15としては、発振波長808nmのAlGaAsシングルモード半導体レーザが用いられている。また励起光学系16としては一般に、コリメートレンズと集光レンズとの組合わせからなるものが好適に用いられる。チャネル導波路12の一端面に形成される部分透過ミラーは、固体レーザの発振波長に対して1%程度の透過率を有する一方、励起波長に対しては無反射となるコーティングから形成される。
一方チャネル導波路12におけるNdイオンの濃度は0.1at%程度とされ、またその導波路長は6cmである。半導体可飽和吸収ミラー18は変調深さΔR=0.7%、飽和フルーエンスFsat,A=90μJ/cm2のものが用いられている。そして前述の通り該半導体可飽和吸収ミラー18が共振器のリアミラーを構成しており、これによりモード同期の始動と維持が実現されている。実際に発振実験を行ったところ、励起パワーが100mWのときに出力30mWが得られ、発振閾値付近から最大励起パワーに至るまで、常にCWモード同期動作していることが確認された。
次に図2を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。なおこの図2において、図1中の要素と同等の要素には同番号を付し、それらについての説明は特に必要のない限り省略する(以下、同様)。
この図2の固体レーザ装置20は図1に示した第1実施形態の固体レーザ装置10と比べると、チャネル導波路12と半導体可飽和吸収ミラー18とが空間的に離間している点が基本的に異なる。この構成においては、チャネル導波路12の他端面(図中の左端面)から出射するレーザ光19が結合用レンズ21の対を用いて、コリメートされ、集光されるが、そのレンズ対の間に様々な光機能素子22を挿入することで、より高機能化することができる。
上記光機能素子22として、例えば負分散素子(例えばOptics Letters, Vol.9, No.5 (1984) pp.150-152に示されるプリズム対や、レーザー研究 第27巻第11号1999年、pp.744-749に示される負分散ミラーや、Solid-state laser engineering, 4th edition. Chap.9に示される回折格子対など)をこの位置に挿入することで、モード同期出力パルスのパルス幅を圧縮することができる。これは特に、広帯域発光が可能な希土類イオン(YbイオンやErイオンなど)を用いて、パルス幅が1psecを下回るような超短パルスレーザを構成する際に重要である。その理由は以下の通りである。パルスが共振器を周回する間に、ミラーやレーザ結晶そのものにおいて被る正の波長分散(群速度分散)により、通常は著しくパルス伸長が生じる。そこで、レーザ共振器内にて負の波長分散を与えてこれを補償することで、帯域幅で決る超短パルスを実現できることになる。
なお、図2に示した固体レーザ装置20において、半導体可飽和吸収ミラー18上のビーム断面積Aeff,Aは、導波路断面積Aeff,Lと比較して同程度、あるいは最大でも2倍以下であることが望ましい。こうすることで、従来の固体レーザと比べて、十分にCWモード同期閾値を低減することが可能になる。
ここで、上記の「2倍」という値の臨界的意義について説明する。半導体可飽和吸収ミラー18上のビーム断面積Aeff,Aが導波路断面積Aeff,Lと同じであれば、第1の実施形態からも分かるとおり、共振器長を6cmと短縮することが可能である。それに対して、ビーム断面積Aeff,Aが導波路断面積Aeff,Lの2倍になると閾値は21/2倍に上がり、同じ励起パワーでは共振器長を21/2倍に伸長することと等価となる。すなわち共振器長は6×21/2=8.4cmである。また、もともと共振器長を10cmとすることが可能であった場合には、10×21/2=14cmが可能となる。これは先ほどに述べた20cm以下という条件を満たしており、安定な共振器を構成できることになる。
以下、この第2の実施形態の固体レーザ装置20のモード同期発振について調べた結果を説明する。この実験では、燐酸ガラスからなる光学基板11を用い、チャネル導波路12はYbを1at%程度添加したものとした。励起用レーザ15には発振波長940nm、励起パワー2WのTi-Sapphireレーザを用いたが、半導体レーザを用いることも可能である。この構成においては、Ybの有する広帯域発振特性により、光スペクトル幅が2nm程度のモード同期発振が実現できた。分散補償を行わない場合、4psec程度の極めて大きな波長チャープの加わったパルスが得られたが、前述した光機能素子22として負の分散補償(-2000fs2)を与える素子を適用したところ、800fsec程度までパルス幅が圧縮できた。
次に図3を参照して、本発明の第3の実施形態による固体レーザ装置30について説明する。この固体レーザ装置30は、図2の固体レーザ装置20の光導波路素子13に光機能素子31を接合した形のものである。この光機能素子31としては光変調器、光フィルタ、光スイッチ、非線形光学素子(第2高調波発生素子や第3高調波発生素子など)等を適用することができる。例えば光フィルタを集積することで、波長可変モード同期レーザや、光スイッチによりオンーオフ変調可能なモード同期レーザなどを構築することができる。あるいは、この光機能素子31をブラッグ回折格子として、分散補償機能を付加することもできる。
以下、上記光機能素子31としてSHG素子を適用した場合について詳しく説明する。本例では、周期分極反転構造を有するLiNbO3導波路からなるSHG素子を用い、その導波路を、光導波路素子13のNd系チャネル導波路12に突合せ接合した。その結果、波長1064nmの固体レーザ発振光を波長532nmの第2高調波に高効率で変換できた。この場合、励起パワー2Wに対して、SHG出力10mWを得ることができた。そしてこの例でもモード同期動作をしているので、3psec程度の短パルス幅を実現できた。なお勿論ながら、上記SHG素子のさらに後に、第2高調波や、第3高調波や、第4高調波を発生する別の非線形光学素子を付け加えて波長変換しても良い。
またYb系チャネル導波路12にPPLN (Periodically Poled Lithium Niobate:周期分極ニオブ酸リチウム)結晶を接合し、さらに分散補償素子を加えることで、フェムト秒領域の532nm光を得ることもできる。それを確認した実験では、長さ10mmのYb系チャネル導波路12と、長さ5mmのPPLN結晶、分散補償素子(-2000fs2)を用いて、パルス幅400fsec、波長532nm、出力10mWの第2高調波を得ることができた。こうして、極めてコンパクトな形態の、緑色領域の短パルスレーザを実現できることが確認された。
10,20,30 固体レーザ装置
11 光学基板
12 チャネル導波路
13 光導波路素子
14 励起光
15 励起用レーザ
16 励起光学系
17 ダイクロイックミラー
18 半導体可飽和吸収ミラー
19 レーザ光(固体レーザ発振光)
21 結合用レンズ
22,31 光機能素子
11 光学基板
12 チャネル導波路
13 光導波路素子
14 励起光
15 励起用レーザ
16 励起光学系
17 ダイクロイックミラー
18 半導体可飽和吸収ミラー
19 レーザ光(固体レーザ発振光)
21 結合用レンズ
22,31 光機能素子
Claims (7)
- 希土類イオンが添加されたレーザ結晶からなるチャネル導波路と、このチャネル導波路を導波する光を共振させる共振器とを有する固体レーザ装置において、
前記チャネル導波路の端面に、半導体可飽和吸収素子が突合せ接合されていることを特徴とする固体レーザ装置。 - 希土類イオンが添加されたレーザ結晶からなるチャネル導波路と、このチャネル導波路を導波する光を共振させる共振器とを有する固体レーザ装置において、
前記チャネル導波路と空間的に分離し、かつ光学的に結合した状態に半導体可飽和吸収素子が配設され、
前記可飽和吸収素子上のビーム断面積が、導波路の断面積の2倍以下とされていることを特徴とする固体レーザ装置。 - 前記半導体可飽和吸収素子と該チャネル導波路との間に、光機能素子が配置されていることを特徴とする請求項2記載の固体レーザ装置。
- 前記チャネル導波路に、光機能素子が集積化あるいは接合されていることを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載の固体レーザ装置。
- 前記光機能素子が、分散補償機能を有するものであることを特徴とする請求項4記載の固体レーザ装置。
- 前記光機能素子が、非線形光学効果を有するものであることを特徴とする請求項4記載の固体レーザ装置。
- 前記希土類がNd、Yb、Er、Prのいずれかであることを特徴とする請求項1から6いずれか1項記載の固体レーザ装置。
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