JP2008268618A - プラスチックレンズの製造方法及びアニール方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】プラスチックレンズを凹面側を下側に向けてトレイ上に載置した場合に、トレイとの吸着が生じないようにしたプラスチックレンズの製造方法及びアニール方法を提供すること。
【解決手段】少なくとも眼球側の面が球面あるいは非球面形状の凹面に形成された眼鏡用プラスチックレンズを成形後にアニールするアニール工程を含む場合に、同レンズを載置面が平面かつ平滑に構成されたトレイ上に不均一な微細凹凸部を有する紙片を敷き、同凹面側を下側に向けて同紙片上に載置した状態で加熱雰囲気中においてアニール処理を行うようにした。これによってトレイとの吸着が生じないためレンズのアニール処理段階における変形が防止される。
【選択図】 なし
【解決手段】少なくとも眼球側の面が球面あるいは非球面形状の凹面に形成された眼鏡用プラスチックレンズを成形後にアニールするアニール工程を含む場合に、同レンズを載置面が平面かつ平滑に構成されたトレイ上に不均一な微細凹凸部を有する紙片を敷き、同凹面側を下側に向けて同紙片上に載置した状態で加熱雰囲気中においてアニール処理を行うようにした。これによってトレイとの吸着が生じないためレンズのアニール処理段階における変形が防止される。
【選択図】 なし
Description
本発明は成形後に内部歪みを除去するためにアニール処理を行うことを必要とするプラスチックレンズの製造方法及びアニール方法に関するものである。
例えば眼鏡用プラスチックレンズの製造方法は一般にレンズ用モノマーを調整し、レンズ用モールド内にそのモノマーを充填し所定の温度及び時間条件の下で熱硬化させて製品を得るようにしている。ところがレンズのような偏肉形状の製品を成形する際には加熱から冷却にかけてレンズ内部の各領域における温度履歴が微妙に異なることからレンズに内部歪みが発生して予定される光学的性能が得られないことがある。そのため、従来から成形後の眼鏡用プラスチックレンズにアニール処理を行って内部歪みを除去するようにしている。このようなアニール処理の技術例として特許文献1及び2を挙げる。
アニールの方法はいくつかあるが、加熱炉に成形後のプラスチックレンズを導入してガラス転移点以上の加熱雰囲気中に一定時間静置するという方法が最も一般的である。
特開2006−276721号公報
特開平7−108622号公報
アニールの方法はいくつかあるが、加熱炉に成形後のプラスチックレンズを導入してガラス転移点以上の加熱雰囲気中に一定時間静置するという方法が最も一般的である。
ところで、眼鏡用プラスチックレンズは基本的に物体側の面が凸面形状とされ、眼球側の面が凹面形状とされたメニスカスレンズの外形を呈している。この場合にどちらか一方の面を下にしてアニール処理を行う必要があるが、どちらを下にするかには一長一短がある。上記特許文献2では凹面側を上側に向けて(つまり凸面側を下側に向けて)アニール処理を行うためにホルダーでプラスチックレンズを保持するという手段を採用しているが、実際にはホルダーへの装着の手間やホルダーを用意することの設備コストが発生するため一定の不都合が生じやすいレンズ、具体的にはアニール処理を行う段階ですでに眼球側の面にトーリック面が設定されているレンズのようなケース以外であれば凹面側を下側に向けてアニール処理を行う方が実際的である。つまり、凹面側の全周縁で設置面に接するようなレンズであればレンズはしっかりと保持されるため凹面側を下側に向けてアニール処理することは可能である。
しかし、このように凹面側を下側に向けてアニール処理する場合、従来では次のような課題が生じていた。
(1)アニール処理をする際には眼鏡用プラスチックレンズをトレイに載置することとなるが、このようなトレイに眼鏡用プラスチックレンズを凹面側を下側に向けて載置した場合に、時々アニール処理の際の加熱によってレンズがトレイの平滑な載置面に密着してしまうという現象が発生する場合がある。更に、その結果としてレンズとガラス板面との間に外気から隔離された空間が形成されてしまい、その内部の気圧が冷却に伴って周囲の気圧よりも低くなってしまうことからレンズがその気圧差によってガラス板面方向に引き寄せられて公差の範囲内の変形を越えて設計されたカーブが浅くなってしまう現象が生じてしまうことがあった。更に、アニール処理で内部歪みを除去するところがレンズの変形が原因で新たな内部歪みを招来してしまうことが確認されている。
尚、アニール処理用のトレイとして、それほどの重くないこと、熱変形しにくいこと、掃除しやすいこと、さびたりしないこと、低価格であること等の条件から一般にガラス板が多く用いられている。しかし、ガラス板以外のトレイ、例えば合金製や熱硬化樹脂製のトレイであっても同様に生じる問題である。
(2)眼鏡用プラスチックレンズに高屈折率・薄型を求めるようになってきているため、モノマーも高屈折率材料を多用するようになってきている。一部の高屈折率材料ではそもそも硬化状態で従来の材料を比較して柔らかめであることと、高屈折率する理由がユーザーが薄型レンズを求めているということであるため成形されたレンズ自体が従来に較べ比重が高いわりに薄いということからよりアニールの際の加熱によりより変形しやすくなってしまう事情がある。
このような変形は眼鏡用プラスチックレンズに限らず凹面側を下側に向けてアニール処理するプラスチックレンズ全般に生じる課題でもある。
本発明は、上記課題を解消するためになされたものでありその目的は、プラスチックレンズを凹面側を下側に向けてトレイ上に載置した場合に、トレイとの吸着が生じないようにしたプラスチックレンズの製造方法及びアニール方法を提供することにある。
しかし、このように凹面側を下側に向けてアニール処理する場合、従来では次のような課題が生じていた。
(1)アニール処理をする際には眼鏡用プラスチックレンズをトレイに載置することとなるが、このようなトレイに眼鏡用プラスチックレンズを凹面側を下側に向けて載置した場合に、時々アニール処理の際の加熱によってレンズがトレイの平滑な載置面に密着してしまうという現象が発生する場合がある。更に、その結果としてレンズとガラス板面との間に外気から隔離された空間が形成されてしまい、その内部の気圧が冷却に伴って周囲の気圧よりも低くなってしまうことからレンズがその気圧差によってガラス板面方向に引き寄せられて公差の範囲内の変形を越えて設計されたカーブが浅くなってしまう現象が生じてしまうことがあった。更に、アニール処理で内部歪みを除去するところがレンズの変形が原因で新たな内部歪みを招来してしまうことが確認されている。
尚、アニール処理用のトレイとして、それほどの重くないこと、熱変形しにくいこと、掃除しやすいこと、さびたりしないこと、低価格であること等の条件から一般にガラス板が多く用いられている。しかし、ガラス板以外のトレイ、例えば合金製や熱硬化樹脂製のトレイであっても同様に生じる問題である。
(2)眼鏡用プラスチックレンズに高屈折率・薄型を求めるようになってきているため、モノマーも高屈折率材料を多用するようになってきている。一部の高屈折率材料ではそもそも硬化状態で従来の材料を比較して柔らかめであることと、高屈折率する理由がユーザーが薄型レンズを求めているということであるため成形されたレンズ自体が従来に較べ比重が高いわりに薄いということからよりアニールの際の加熱によりより変形しやすくなってしまう事情がある。
このような変形は眼鏡用プラスチックレンズに限らず凹面側を下側に向けてアニール処理するプラスチックレンズ全般に生じる課題でもある。
本発明は、上記課題を解消するためになされたものでありその目的は、プラスチックレンズを凹面側を下側に向けてトレイ上に載置した場合に、トレイとの吸着が生じないようにしたプラスチックレンズの製造方法及びアニール方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、少なくとも一方の面が球面あるいは非球面形状の凹面に形成されたプラスチックレンズを成形後にアニールするアニール工程を含むプラスチックレンズの製造方法であって、前記レンズを載置面が平面かつ平滑に構成されたトレイ上に不均一な微細凹凸部を有する紙片を敷き、同凹面側を下側に向けて同紙片上に載置して加熱雰囲気中においてアニール処理を行うようにしたことをその要旨とする。
また、請求項2に記載の発明では、少なくとも一方の面が球面あるいは非球面形状の凹面に形成されたプラスチックレンズを成形後にアニールするアニール工程を含むプラスチックレンズの製造方法であって、前記レンズを平面かつ均一あるいは不均一な微細な凹凸部が形成された載置面を有するトレイ上に同凹面側を下側に向けて載置して加熱雰囲気中においてアニール処理を行うようにしたことをその要旨とする。
また、請求項3に記載の発明では請求項2に記載の発明の構成に加え、前記載置面に形成された凹凸部の算術平均面粗さRaが0.05μm以上であることをその要旨とする。
また、請求項4に記載の発明では請求項1〜3のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記トレイはガラス製であることをその要旨とする。
請求項5に記載の発明では、少なくとも一方の面が球面あるいは非球面形状の凹面に形成されるプラスチックレンズを載置面が平面かつ平滑に構成されたトレイ上に不均一な微細凹凸部を有する紙片を敷き、同凹面側を下側に向けて同紙片上に載置して加熱雰囲気中においてアニール処理を行うようにしたことをその要旨とする。
請求項6に記載の発明では、少なくとも一方の面が球面あるいは非球面形状の凹面に形成されるプラスチックレンズを平面かつ均一あるいは不均一な微細な凹凸部が形成された載置面を有するトレイ上に同凹面側を下側に向けて載置して加熱雰囲気中においてアニール処理を行うようにしたことをその要旨とする。
また、請求項7に記載の発明では請求項6に記載の発明の構成に加え、前記載置面に形成された凹凸部の算術平均面粗さRaが0.05μm以上であることをその要旨とする。
また、請求項8に記載の発明では請求項5〜7のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記トレイはガラス製であることをその要旨とする。
また、請求項2に記載の発明では、少なくとも一方の面が球面あるいは非球面形状の凹面に形成されたプラスチックレンズを成形後にアニールするアニール工程を含むプラスチックレンズの製造方法であって、前記レンズを平面かつ均一あるいは不均一な微細な凹凸部が形成された載置面を有するトレイ上に同凹面側を下側に向けて載置して加熱雰囲気中においてアニール処理を行うようにしたことをその要旨とする。
また、請求項3に記載の発明では請求項2に記載の発明の構成に加え、前記載置面に形成された凹凸部の算術平均面粗さRaが0.05μm以上であることをその要旨とする。
また、請求項4に記載の発明では請求項1〜3のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記トレイはガラス製であることをその要旨とする。
請求項5に記載の発明では、少なくとも一方の面が球面あるいは非球面形状の凹面に形成されるプラスチックレンズを載置面が平面かつ平滑に構成されたトレイ上に不均一な微細凹凸部を有する紙片を敷き、同凹面側を下側に向けて同紙片上に載置して加熱雰囲気中においてアニール処理を行うようにしたことをその要旨とする。
請求項6に記載の発明では、少なくとも一方の面が球面あるいは非球面形状の凹面に形成されるプラスチックレンズを平面かつ均一あるいは不均一な微細な凹凸部が形成された載置面を有するトレイ上に同凹面側を下側に向けて載置して加熱雰囲気中においてアニール処理を行うようにしたことをその要旨とする。
また、請求項7に記載の発明では請求項6に記載の発明の構成に加え、前記載置面に形成された凹凸部の算術平均面粗さRaが0.05μm以上であることをその要旨とする。
また、請求項8に記載の発明では請求項5〜7のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記トレイはガラス製であることをその要旨とする。
上記のように構成すれば、トレイ上に不均一な微細凹凸部を有する紙片を敷いた場合ではアニール処理の際の加熱によってプラスチックレンズが若干柔らかくなっても紙片に密着しないかあるいは密着しにくく、例え、密着したとしても空気の流通が確保されることとなってレンズと紙片との間に外気から隔離された空間が形成されることがない。また、トレイの載置面に均一あるいは不均一な微細凹凸部を形成した場合ではアニール処理の際の加熱によってプラスチックレンズが若干柔らかくなっても載置面に密着しないかあるいは密着しにくく、例え、密着したとしても空気の流通が確保されることとなってレンズと紙片との間に外気から隔離された空間が形成されることがない。
ここに、プラスチックレンズは少なくとも一方の面が眼球側の面が球面あるいは非球面形状の凹面に形成されたレンズである必要がある。眼鏡用プラスチックレンズであるならば眼球側の面が球面あるいは非球面形状の凹面に形成されている必要がある。例えば眼球側の面にトーリック面が形成されている眼鏡用プラスチックレンズのようなレンズはここでは含まれない。
ここに「不均一な微細凹凸部を有する紙片」とは伏せられたレンズの当接面との間に空気の流通が可能な程度の凹凸を有する紙片であればよく、通常の原料パルプから製造されれる上質紙、中質紙、下級紙等の洋紙のいずれもが使用可能である。これら洋紙は繊維からなる可撓性を有する素材であるため均一な凹凸を形成することはないが通常の算術平均面粗さRa(光学式測定)で0.5〜50μm程度と算出される。和紙の場合には一般にこれよりも面粗度は大きくなる。洋紙の方が和紙に比べより均質でかつ安価であるので本発明で使用するには洋紙のほうが好ましい。特に洋紙の種類は限定されるものではない。上質紙、中質紙、下級紙のいずれもが使用可能である。
また、「均一あるいは不均一な微細な凹凸部が形成された載置面」とは平滑に加工されたトレイの載置面に対して研磨加工あるいはサンドブラスト加工によって粗度を与えたものであって、例えば通常の平滑な加工(例えばいわゆる鏡面加工のような滑らかな加工面)では算術平均面粗さRa0.001〜0.01μm(触針式測定)程度であるところ、0.05μm以上とすることが好ましい(例えば一般的に磨りガラスとして認識され始めるのは算術平均面粗さRa0.05μm(触針式測定)程度からである)。尚、サンドブラスト加工ではもっと粗い粗度を与えることも可能である(最大で1mm以上の算術平均面粗さRa(触針式測定))。しかし、あまり凹凸が大きいと凹凸部の当接面への食い込みと明らかな凹凸形状のパターンが当接面に刻設されてしまうため好ましくはない。鏡面加工程度の算術平均面粗さRaでは凹凸があまりに微少すぎては密着が生じる可能性が高いため、少なくとも硬質の載置面である場合には算術平均面粗さRa0.05μm(触針式測定)以上であることが好ましい。
ここに、プラスチックレンズは少なくとも一方の面が眼球側の面が球面あるいは非球面形状の凹面に形成されたレンズである必要がある。眼鏡用プラスチックレンズであるならば眼球側の面が球面あるいは非球面形状の凹面に形成されている必要がある。例えば眼球側の面にトーリック面が形成されている眼鏡用プラスチックレンズのようなレンズはここでは含まれない。
ここに「不均一な微細凹凸部を有する紙片」とは伏せられたレンズの当接面との間に空気の流通が可能な程度の凹凸を有する紙片であればよく、通常の原料パルプから製造されれる上質紙、中質紙、下級紙等の洋紙のいずれもが使用可能である。これら洋紙は繊維からなる可撓性を有する素材であるため均一な凹凸を形成することはないが通常の算術平均面粗さRa(光学式測定)で0.5〜50μm程度と算出される。和紙の場合には一般にこれよりも面粗度は大きくなる。洋紙の方が和紙に比べより均質でかつ安価であるので本発明で使用するには洋紙のほうが好ましい。特に洋紙の種類は限定されるものではない。上質紙、中質紙、下級紙のいずれもが使用可能である。
また、「均一あるいは不均一な微細な凹凸部が形成された載置面」とは平滑に加工されたトレイの載置面に対して研磨加工あるいはサンドブラスト加工によって粗度を与えたものであって、例えば通常の平滑な加工(例えばいわゆる鏡面加工のような滑らかな加工面)では算術平均面粗さRa0.001〜0.01μm(触針式測定)程度であるところ、0.05μm以上とすることが好ましい(例えば一般的に磨りガラスとして認識され始めるのは算術平均面粗さRa0.05μm(触針式測定)程度からである)。尚、サンドブラスト加工ではもっと粗い粗度を与えることも可能である(最大で1mm以上の算術平均面粗さRa(触針式測定))。しかし、あまり凹凸が大きいと凹凸部の当接面への食い込みと明らかな凹凸形状のパターンが当接面に刻設されてしまうため好ましくはない。鏡面加工程度の算術平均面粗さRaでは凹凸があまりに微少すぎては密着が生じる可能性が高いため、少なくとも硬質の載置面である場合には算術平均面粗さRa0.05μm(触針式測定)以上であることが好ましい。
ここに、例えば眼鏡用レンズの原料モノマーとしてはプラスチックレンズの製造用に用いられる粘性のある熱硬化型あるいは光硬化型の化合物であれば特に限定はされない。例えばポリジエチレングリコールビスアリルカーボネート(CR−39)、ポリウレタン樹脂、ポリチオウレタン、その他硫黄含有樹脂等が一例として挙げられる。尚、液状成形材料として熱硬化型以外の好適な材質が開発されればそれを使用することも可能である。
また、モノマーには一般にモノマーの重合を促進する重合触媒及び硬化を促進する硬化触媒をが使用される。これら触媒は、原料モノマー、樹脂の種類、重合方法によって、適宜選択することができる。また、必要に応じて、酸化防止剤、着色剤、帯電防止剤、内部離型剤などを添加することができる。
また、モノマーには一般にモノマーの重合を促進する重合触媒及び硬化を促進する硬化触媒をが使用される。これら触媒は、原料モノマー、樹脂の種類、重合方法によって、適宜選択することができる。また、必要に応じて、酸化防止剤、着色剤、帯電防止剤、内部離型剤などを添加することができる。
触媒、その他の添加剤を投入して調整したモノマーは定法に従って、真空引き又は超音波処理により脱気し、レンズ用モールドに注入し加熱又は紫外線照射により重合硬化させる。一般的に、この加熱は、20℃から150℃程度まで、10時間から100時間程度かけて加温されるが、モノマーの種類、組み合わせにより温度、時間の条件は適宜選ばれる。次いで硬化後脱型して眼鏡用プラスチックレンズを得る。この時に得られたレンズはいわゆる未加工状態のセミフィニッシュであっても枠入れ前のいわゆる丸レンズであっても構わない。セミフィニッシュである場合には丸レンズ成形前にプラスチックレンズ基材と考えることもできる。
尚、眼鏡用プラスチックレンズに対してアニール処理を行う場合にはアニール処理の前あるいは後にハードコート膜形成工程、反射防止膜形成工程あるいはマルチコート膜形成工程によってハードコート膜やマルチコート膜を形成するようにしてもよい。その他の一般的な光学的性能の向上のための物理的あるいは化学的処理を施すことも可能である。
尚、眼鏡用プラスチックレンズに対してアニール処理を行う場合にはアニール処理の前あるいは後にハードコート膜形成工程、反射防止膜形成工程あるいはマルチコート膜形成工程によってハードコート膜やマルチコート膜を形成するようにしてもよい。その他の一般的な光学的性能の向上のための物理的あるいは化学的処理を施すことも可能である。
アニール処理はアニールされるべきプラスチックレンズのプラスチックに応じた所定の条件で実施される。本発明ではプラスチックレンズは不均一な微細凹凸部を有する紙片を敷いた上記トレイに載置されるか、あるいは均一あるいは不均一な微細な凹凸部が形成された載置面を有するトレイに載置されてアニールされる。アニールの条件はモノマーの材質や硬化条件によって異なる。アニール処理はガラス転移温度以上で行う必要がある。通常アニール処理は温度制御が可能な閉鎖された空間(例えば、加熱炉)で行われるが開放された条件で行うことも可能である。
上記各請求項に記載の発明によれば、プラスチックレンズを凹面側を下側に向けてトレイ上に載置しても場合に、トレイとの吸着が生じないためレンズのアニール処理段階における変形が防止される。
以下実施例1〜実施例10の眼鏡用プラスチックレンズをそれぞれ平滑なガラス面を載置面としてアニールした場合、磨りガラスの凹凸面を載置面としてアニールした場合、紙片を敷いてアニールした場合について不具合の発生率について確認した。
(実施例1)
(キシリレンジイソシアネート50重量部、ペンタエリスリト−ルテトラキス(3−メルカプトプロピオネ−ト)50重量部の合計100重量部に対して、触媒としてジブチルチンジクロライド0.03重量部を配合した均一溶液をレンズ用モ−ルドに注入し、20℃〜130℃まで20時間かけて昇温硬化させ、硬化後にモールドから離型させて屈折率1.60、アッベ数42の光学特性を有する外面球面のセミフィニッシュレンズを形成した。レンズの形状データは次の通りである。
・レンズ径:75mm
・ベースカーブ(表面側):0.74カーブ(1.523換算)
・レンズ中心厚:5.9mm
(実施例2)
実施例1と同一のモノマーを使用して実施例1と同様の光学特性を有する外面球面のセミフィニッシュレンズを形成した。レンズの形状データは次の通りである。
・レンズ径:70mm
・ベースカーブ(表面側):0.74カーブ(1.523換算)
・レンズ中心厚:8.7mm
(実施例1)
(キシリレンジイソシアネート50重量部、ペンタエリスリト−ルテトラキス(3−メルカプトプロピオネ−ト)50重量部の合計100重量部に対して、触媒としてジブチルチンジクロライド0.03重量部を配合した均一溶液をレンズ用モ−ルドに注入し、20℃〜130℃まで20時間かけて昇温硬化させ、硬化後にモールドから離型させて屈折率1.60、アッベ数42の光学特性を有する外面球面のセミフィニッシュレンズを形成した。レンズの形状データは次の通りである。
・レンズ径:75mm
・ベースカーブ(表面側):0.74カーブ(1.523換算)
・レンズ中心厚:5.9mm
(実施例2)
実施例1と同一のモノマーを使用して実施例1と同様の光学特性を有する外面球面のセミフィニッシュレンズを形成した。レンズの形状データは次の通りである。
・レンズ径:70mm
・ベースカーブ(表面側):0.74カーブ(1.523換算)
・レンズ中心厚:8.7mm
(実施例3)
実施例1と同一のモノマーを使用して実施例1と同様の光学特性を有する外面球面のセミフィニッシュレンズを形成した。レンズの形状データは次の通りである。
・レンズ径:75mm
・ベースカーブ(表面側):0.74カーブ(1.523換算)
・レンズ中心厚:5.0mm
(実施例4)
実施例1と同一のモノマーを使用して実施例1と同様の光学特性を有する外面球面のセミフィニッシュレンズを形成した。レンズの形状データは次の通りである。
・レンズ径:70mm
・ベースカーブ(表面側):0.74カーブ(1.523換算)
・レンズ中心厚:4.9mm
実施例1と同一のモノマーを使用して実施例1と同様の光学特性を有する外面球面のセミフィニッシュレンズを形成した。レンズの形状データは次の通りである。
・レンズ径:75mm
・ベースカーブ(表面側):0.74カーブ(1.523換算)
・レンズ中心厚:5.0mm
(実施例4)
実施例1と同一のモノマーを使用して実施例1と同様の光学特性を有する外面球面のセミフィニッシュレンズを形成した。レンズの形状データは次の通りである。
・レンズ径:70mm
・ベースカーブ(表面側):0.74カーブ(1.523換算)
・レンズ中心厚:4.9mm
(実施例5)
実施例1と同一のモノマーを使用して実施例1と同様の光学特性を有する外面球面のセミフィニッシュレンズを形成した。レンズの形状データは次の通りである。
・レンズ径:75mm
・ベースカーブ(表面側):0.91カーブ(1.523換算)
・レンズ中心厚:5.0mm
(実施例6)
実施例1と同一のモノマーを使用して実施例1と同様の光学特性を有する外面球面のセミフィニッシュレンズを形成した。レンズの形状データは次の通りである。
・レンズ径:70mm
・ベースカーブ(表面側):0.91カーブ(1.523換算)
・レンズ中心厚:9.8mm
実施例1と同一のモノマーを使用して実施例1と同様の光学特性を有する外面球面のセミフィニッシュレンズを形成した。レンズの形状データは次の通りである。
・レンズ径:75mm
・ベースカーブ(表面側):0.91カーブ(1.523換算)
・レンズ中心厚:5.0mm
(実施例6)
実施例1と同一のモノマーを使用して実施例1と同様の光学特性を有する外面球面のセミフィニッシュレンズを形成した。レンズの形状データは次の通りである。
・レンズ径:70mm
・ベースカーブ(表面側):0.91カーブ(1.523換算)
・レンズ中心厚:9.8mm
(実施例7)
実施例1と同一のモノマーを使用して実施例1と同様の光学特性を有する外面球面のセミフィニッシュレンズを形成した。レンズの形状データは次の通りである。
・レンズ径:75mm
・ベースカーブ(表面側):0.91カーブ(1.523換算)
・レンズ中心厚:4.9mm
(実施例8)
実施例1と同一のモノマーを使用して実施例1と同様の光学特性を有する外面球面のセミフィニッシュレンズを形成した。レンズの形状データは次の通りである。
・レンズ径:70mm
・ベースカーブ(表面側):0.91カーブ(1.523換算)
・レンズ中心厚:5.6mm
実施例1と同一のモノマーを使用して実施例1と同様の光学特性を有する外面球面のセミフィニッシュレンズを形成した。レンズの形状データは次の通りである。
・レンズ径:75mm
・ベースカーブ(表面側):0.91カーブ(1.523換算)
・レンズ中心厚:4.9mm
(実施例8)
実施例1と同一のモノマーを使用して実施例1と同様の光学特性を有する外面球面のセミフィニッシュレンズを形成した。レンズの形状データは次の通りである。
・レンズ径:70mm
・ベースカーブ(表面側):0.91カーブ(1.523換算)
・レンズ中心厚:5.6mm
(実施例9)
実施例1と同一のモノマーを使用して実施例1と同様の光学特性を有する外面球面のセミフィニッシュレンズを形成した。レンズの形状データは次の通りである。
・レンズ径:75mm
・ベースカーブ(表面側):1.17カーブ(1.523換算)
・レンズ中心厚:7.1mm
(実施例10)
実施例1と同一のモノマーを使用して実施例1と同様の光学特性を有する外面球面のセミフィニッシュレンズを形成した。レンズの形状データは次の通りである。
・レンズ径:75mm
・ベースカーブ(表面側):1.17カーブ(1.523換算)
・レンズ中心厚:4.9mm
実施例1と同一のモノマーを使用して実施例1と同様の光学特性を有する外面球面のセミフィニッシュレンズを形成した。レンズの形状データは次の通りである。
・レンズ径:75mm
・ベースカーブ(表面側):1.17カーブ(1.523換算)
・レンズ中心厚:7.1mm
(実施例10)
実施例1と同一のモノマーを使用して実施例1と同様の光学特性を有する外面球面のセミフィニッシュレンズを形成した。レンズの形状データは次の通りである。
・レンズ径:75mm
・ベースカーブ(表面側):1.17カーブ(1.523換算)
・レンズ中心厚:4.9mm
<アニール処理>
上記モールドからの離型によって得られた実施例1〜実施例10のレンズを以下のようなパターンに分けて加熱炉に導入してアニール処理を行った。いずれも室温20〜28℃において15分で110℃まで炉内温度を上昇させ、その温度で1時間保持した後3時間かけて室温まで冷却した。
1)通常の平滑なガラス板をトレイとしてその上面にレンズを載置してアニールを行う(処理Aとする:従来の方法)。平滑なガラス板面の算術平均面粗さRa(触針式測定))は約0.005μm程度とされる。
2)磨りガラスをトレイとして凹凸面側をを載置面としてレンズを載置してアニールを行う(処理Bとする:今回の発明の方法)。磨りガラスの算術平均面粗さRa(触針式測定))は約1μmとされる。
3)通常の平滑なガラス板をトレイとしてそこにコート紙を敷いてレンズを載置してアニールを行う(処理Cとする:今回の発明の方法)。コート紙の算術平均面粗さRa(光学式測定)は2〜10μm程度とされる。
<検証>
上記処理A〜処理Cの結果としてベースカーブのカーブの変化を検証した。本実施例では他の工程への影響の大きさから±0.07以上を不良と判断した。表1に不良品が発生した場合には各処理での炉内へのレンズの投入量に対する不良品の発生率として示し、表2に不良品の変形後の平均ベースカーブ値を示す。
上記モールドからの離型によって得られた実施例1〜実施例10のレンズを以下のようなパターンに分けて加熱炉に導入してアニール処理を行った。いずれも室温20〜28℃において15分で110℃まで炉内温度を上昇させ、その温度で1時間保持した後3時間かけて室温まで冷却した。
1)通常の平滑なガラス板をトレイとしてその上面にレンズを載置してアニールを行う(処理Aとする:従来の方法)。平滑なガラス板面の算術平均面粗さRa(触針式測定))は約0.005μm程度とされる。
2)磨りガラスをトレイとして凹凸面側をを載置面としてレンズを載置してアニールを行う(処理Bとする:今回の発明の方法)。磨りガラスの算術平均面粗さRa(触針式測定))は約1μmとされる。
3)通常の平滑なガラス板をトレイとしてそこにコート紙を敷いてレンズを載置してアニールを行う(処理Cとする:今回の発明の方法)。コート紙の算術平均面粗さRa(光学式測定)は2〜10μm程度とされる。
<検証>
上記処理A〜処理Cの結果としてベースカーブのカーブの変化を検証した。本実施例では他の工程への影響の大きさから±0.07以上を不良と判断した。表1に不良品が発生した場合には各処理での炉内へのレンズの投入量に対する不良品の発生率として示し、表2に不良品の変形後の平均ベースカーブ値を示す。
<結果>
実施例1、実施例2、実施例5〜実施例7及び実施例8について従来方法の処理Aで実施した場合でも不良品は発生しなかった。しかし、処理Aについては実施例1に対応しレンズ中心厚が薄手とされている実施例3では投入量に対して2.41%の発生率で不良品が見られた。同じく実施例2に対応しレンズ中心厚が薄手とされている実施例4では投入量に対して0.81%の発生率で不良品が見られた。実施例6に対応しレンズ中心厚が薄手とされている実施例8では投入量に対して2.79%の発生率で不良品が見られた。実施例9に対応しレンズ中心厚が薄手とされている実施例10では投入量に対して0.73%の発生率で不良品が見られた。これら不良品はレンズとトレイとしてのガラス面との密着によってレンズとトレイとの間に密閉空間が形成されていると判断できる。不良品の変形後の平均ベースカーブ量は表2の通りである。
一方、すべての実施例について本発明の方法である処理Bと処理Cで実施した場合については不良品はまったく発生しなかった。
実施例1、実施例2、実施例5〜実施例7及び実施例8について従来方法の処理Aで実施した場合でも不良品は発生しなかった。しかし、処理Aについては実施例1に対応しレンズ中心厚が薄手とされている実施例3では投入量に対して2.41%の発生率で不良品が見られた。同じく実施例2に対応しレンズ中心厚が薄手とされている実施例4では投入量に対して0.81%の発生率で不良品が見られた。実施例6に対応しレンズ中心厚が薄手とされている実施例8では投入量に対して2.79%の発生率で不良品が見られた。実施例9に対応しレンズ中心厚が薄手とされている実施例10では投入量に対して0.73%の発生率で不良品が見られた。これら不良品はレンズとトレイとしてのガラス面との密着によってレンズとトレイとの間に密閉空間が形成されていると判断できる。不良品の変形後の平均ベースカーブ量は表2の通りである。
一方、すべての実施例について本発明の方法である処理Bと処理Cで実施した場合については不良品はまったく発生しなかった。
Claims (8)
- 少なくとも一方の面が球面あるいは非球面形状の凹面に形成されたプラスチックレンズを成形後にアニールするアニール工程を含むプラスチックレンズの製造方法であって、
前記レンズを載置面が平面かつ平滑に構成されたトレイ上に不均一な微細凹凸部を有する紙片を敷き、同凹面側を下側に向けて同紙片上に載置して加熱雰囲気中においてアニール処理を行うようにしたことを特徴とするプラスチックレンズの製造方法。 - 少なくとも一方の面球面あるいは非球面形状の凹面に形成されたプラスチックレンズを成形後にアニールするアニール工程を含むプラスチックレンズの製造方法であって、
前記レンズを平面かつ均一あるいは不均一な微細な凹凸部が形成された載置面を有するトレイ上に同凹面側を下側に向けて載置して加熱雰囲気中においてアニール処理を行うようにしたことを特徴とするプラスチックレンズの製造方法。 - 前記載置面に形成された凹凸部の算術平均面粗さRaが0.05μm以上であることを特徴とする請求項2に記載のプラスチックレンズの製造方法。
- 前記トレイはガラス製であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプラスチックレンズの製造方法。
- 少なくとも一方の面球面あるいは非球面形状の凹面に形成されるプラスチックレンズを載置面が平面かつ平滑に構成されたトレイ上に不均一な微細凹凸部を有する紙片を敷き、同凹面側を下側に向けて同紙片上に載置して加熱雰囲気中においてアニール処理を行うプラスチックレンズのアニール方法。
- 少なくとも一方の面球面あるいは非球面形状の凹面に形成されるプラスチックレンズを平面かつ均一あるいは不均一な微細な凹凸部が形成された載置面を有するトレイ上に同凹面側を下側に向けて載置して加熱雰囲気中においてアニール処理を行うプラスチックレンズのアニール方法。
- 前記載置面に形成された凹凸部の算術平均面粗さRaが0.05μm以上であることを特徴とする請求項6に記載のプラスチックレンズのアニール方法。
- 前記トレイはガラス製であることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載のプラスチックレンズのアニール方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2007112563A JP2008268618A (ja) | 2007-04-23 | 2007-04-23 | プラスチックレンズの製造方法及びアニール方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2007112563A JP2008268618A (ja) | 2007-04-23 | 2007-04-23 | プラスチックレンズの製造方法及びアニール方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2008268618A true JP2008268618A (ja) | 2008-11-06 |
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ID=40048190
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2007112563A Pending JP2008268618A (ja) | 2007-04-23 | 2007-04-23 | プラスチックレンズの製造方法及びアニール方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2008268618A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2010115813A (ja) * | 2008-11-11 | 2010-05-27 | Tokai Kogaku Kk | プラスチック製品の製造方法 |
| WO2011105055A1 (ja) * | 2010-02-24 | 2011-09-01 | 三菱瓦斯化学株式会社 | 芳香族ポリカーボネート製偏光レンズ |
| JP2018192759A (ja) * | 2017-05-22 | 2018-12-06 | 東レエンジニアリング株式会社 | 液体観察装置 |
-
2007
- 2007-04-23 JP JP2007112563A patent/JP2008268618A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2010115813A (ja) * | 2008-11-11 | 2010-05-27 | Tokai Kogaku Kk | プラスチック製品の製造方法 |
| WO2011105055A1 (ja) * | 2010-02-24 | 2011-09-01 | 三菱瓦斯化学株式会社 | 芳香族ポリカーボネート製偏光レンズ |
| US8936363B2 (en) | 2010-02-24 | 2015-01-20 | Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. | Polarizing lens made of aromatic polycarbonate |
| JP2018192759A (ja) * | 2017-05-22 | 2018-12-06 | 東レエンジニアリング株式会社 | 液体観察装置 |
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