JP2008265061A - 水性ボールペン - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の課題は、書き味が良好で、かつボールペンチップ内の金属塩等を抑制することで経時安定性に優れた水性ボールペンを提供することである。
【解決手段】チップ本体の材質がステンレス鋼材であり、かつインキ収容筒内に、少なくとも水、着色剤、リン酸エステル界面活性剤、シクロヘキサン骨格、及び/又は、フェニル骨格を有するアミノカルボン酸、及び/又はそれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩を少なくとも一種以上含む水性ボールペン用インキ組成物を直詰めしたことを特徴とする水性ボールペンを用いる。
【選択図】 図1
【解決手段】チップ本体の材質がステンレス鋼材であり、かつインキ収容筒内に、少なくとも水、着色剤、リン酸エステル界面活性剤、シクロヘキサン骨格、及び/又は、フェニル骨格を有するアミノカルボン酸、及び/又はそれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩を少なくとも一種以上含む水性ボールペン用インキ組成物を直詰めしたことを特徴とする水性ボールペンを用いる。
【選択図】 図1
Description
本発明は水性ボールペンに関し、さらに詳細としては、書き味が良好で、かつボールペンチップ内の析出物を抑制することで経時安定性に優れた水性ボールペンに関するものである。
従来より、ステンレス鋼材からなるチップ本体を用いたボールペンチップを具備したボールペンはよく知れている。こうしたステンレス鋼材からなるチップ本体を用いた水性ボールペンの場合には、ステンレス鋼材に含まれるマンガンやクロム等のマンガンイオンやクロムイオンが、インキ組成物中で反応することによって生じる金属塩等の析出物を防止するため、インキ組成物中にベンゾトリアゾール等の防錆剤や金属封鎖剤等を含有することが提案されている。
このような水性ボールペン用インキ組成物及びそれを用いた水性ボールペンとしては、特公昭49−45333号「筆記用水性インキ」、特開平8−41409号「水性ボールペン用インキ組成物」に防錆剤を用いた水性ボールペン用インキ組成物が開示されている。
ところで、特開平6−57194号「ペン体に直接供給する水性ボールペン用インク」に書き味を向上させるため、潤滑剤としてリン酸エステル界面活性剤を含有した水性ボールペン用インキ組成物が開示されおり、特開2006−206658号「ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン」に金属封鎖剤とリン酸エステル界面活性剤を含有した水性ボールペンが開示されている。
「特開平49−45333号公報」
「特開平8−41409号公報」
「特開平6−57194号公報」
「特開2006−206658号公報」
しかしながら、特許文献1、2では、ベンゾトリアゾール、ベンゾチアジアゾール化合物等の防錆剤を含有した水性ボールペン用インキが提案されているが、潤滑性が劣り、書き味が悪く、カスレ等も発生する問題を抱えていた。
また、特許文献3のように、書き味を向上させるため、潤滑剤として、リン酸エステル界面活性剤を含有すると、リン酸エステル界面活性剤とチップ内のマンガンイオンやクロムイオン等の金属イオンとが反応して金属塩が発生する。更にまた、HLB値が13以下のリン酸エステル界面活性剤は書き味が向上するが、HLB値が低いため親油性が強くなり、溶解性が悪いため、リン酸エステル界面活性剤とチップ内の金属イオンとが反応して生じた金属塩が溶解しきれず析出物が発生してしまうことで、筆記不良が発生してしまった。
また、特許文献4では、金属イオン封鎖剤とリン酸エステル界面活性剤の含有比率を特定比率とすることで、ボールの腐食を抑制するボールペン用水性インキ組成物が開示されているが、ボールペンチップのボールとして、タングステンカーバイドを主成分とする超硬合金ボールを用いた場合には、その結合材として、コバルト、ニッケル等を用いている。アミノカルボン酸としてエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を用いているが、結合材のコバルト、ニッケルと反応しやすく、経時的に腐食し、回転抵抗を生じるため、書き味が劣ってしまう可能性がある。
本発明の目的は、ステンレス綱材からなるチップ本体を用いたボールペンチップを具備し、書き味が良好で、さらにチップ本体内の金属塩による析出物を抑制することで経時安定性に優れた水性ボールペンを提供することである。
本発明は、上記課題を解決するために、
「1.インキ収容筒の先端部に、ステンレス綱材からなるチップ本体のボール抱持室にボールを回転自在に抱持したボールペンチップを直接又はチップホルダーを介して具備してなる水性ボールペンであって、前記インキ収容筒内に、少なくとも水、着色剤、リン酸エステル界面活性剤、アミノカルボン酸を少なくとも含み、前記アミノカルボン酸が、シクロヘキサン骨格、及び/又は、フェニル骨格を有するアミノカルボン酸、及び/又はそれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩の中から、少なくとも一種以上含む水性ボールペン用インキ組成物を直詰めしたことを特徴とする水性ボールペン。
2.前記アミノカルボン酸の-COOH基の数が4基以上であることを特徴とした第1項に記載した水性ボールペン。
3.前記アミノカルボン酸が、下記一般式(化1)で表されることを特徴とした第1項または第2項に記載した水性ボールペン。
4.前記アミノカルボン酸の含有量が、インキ組成物全質量に対して0.1〜5.0質量%以下であることを特徴とした第1項ないし第3項の何れか1項に記載した水性ボールペン。
5.前記リン酸エステル界面活性剤のHLBが13以下であることを特徴とする第1項ないし第4項の何れか1項に記載した水性ボールペン。
6.前記リン酸エステル界面活性剤が下記一般式(化2)で表されるとともに、インキ組成物全質量に対して0.1〜5.0質量%以下であることを特徴とする第1項ないし第5項の何れか1項に記載した水性ボールペン。
[式中、Rはアルキル又はアルキルアリル基を、nはエチレンオキサイド付加モル数を、R’はHまたはRO(CH2CH2O)n基を示す。]
」である。
「1.インキ収容筒の先端部に、ステンレス綱材からなるチップ本体のボール抱持室にボールを回転自在に抱持したボールペンチップを直接又はチップホルダーを介して具備してなる水性ボールペンであって、前記インキ収容筒内に、少なくとも水、着色剤、リン酸エステル界面活性剤、アミノカルボン酸を少なくとも含み、前記アミノカルボン酸が、シクロヘキサン骨格、及び/又は、フェニル骨格を有するアミノカルボン酸、及び/又はそれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩の中から、少なくとも一種以上含む水性ボールペン用インキ組成物を直詰めしたことを特徴とする水性ボールペン。
2.前記アミノカルボン酸の-COOH基の数が4基以上であることを特徴とした第1項に記載した水性ボールペン。
3.前記アミノカルボン酸が、下記一般式(化1)で表されることを特徴とした第1項または第2項に記載した水性ボールペン。
4.前記アミノカルボン酸の含有量が、インキ組成物全質量に対して0.1〜5.0質量%以下であることを特徴とした第1項ないし第3項の何れか1項に記載した水性ボールペン。
5.前記リン酸エステル界面活性剤のHLBが13以下であることを特徴とする第1項ないし第4項の何れか1項に記載した水性ボールペン。
6.前記リン酸エステル界面活性剤が下記一般式(化2)で表されるとともに、インキ組成物全質量に対して0.1〜5.0質量%以下であることを特徴とする第1項ないし第5項の何れか1項に記載した水性ボールペン。
」である。
本発明は、ステンレス綱材からなるチップ本体を用いたボールペンチップを具備した水性ボールペンにおいて、書き味が良好で、かつチップ本体内の金属塩による析出物を抑制することで経時安定性に優れた水性ボールペンを提供することができた。
本発明の特徴は、ステンレス綱材からなるチップ本体を用いたボールペンチップを用いた水性ボールペンにおいて、インキ組成物中にリン酸エステル界面活性剤と、シクロヘキサン骨格、及び/又は、フェニル骨格を有するアミノカルボン酸、及び/又はそれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩を少なくとも併用することである。
リン酸エステル界面活性剤は、ボールとチップ本体との潤滑性を高め、滑らかな筆感を得ることができるため、書き味を向上するために用いている。
ところで、インキ組成物中にリン酸エステル界面活性剤を含有させることで、チップ本体内より溶出するマンガンイオンやクロムイオン等の金属イオンがリン酸エステル界面活性剤とが反応して金属塩が発生するが、書き味を向上させるには、HLB値が低いほど好ましく、特にHLB値13以下のリン酸エステル界面活性剤を用いることが好ましい。これは、HLB値が低いほど親油性が増し、ボールの潤滑性が向上するので、書き味が向上するためである。
しかしその反面、HLB値が低いリン酸エステル界面活性剤を用いた場合には、親油性が強い金属塩を形成するため、インキ組成物中で溶解しないため、金属塩による析出物が発生してしまうという問題があった。
こうした、書き味の向上と金属塩による析出物の発生の抑制という問題を解決するため、インキ組成物中に、リン酸エステル界面活性剤と、金属塩による析出物を抑制するため、シクロヘキサン骨格、及び/又は、フェニル骨格を有するアミノカルボン酸、及び/又はそれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩を少なくとも含有することが重要である。
本発明では、チップ本体の材質としてステンレス鋼材を用いているため、ステンレス鋼材の金属イオンが溶出し、HLB値が低いリン酸エステル界面活性剤と反応して親油性が強い金属塩を生ずるが、シクロヘキサン骨格、及び/又は、フェニル骨格を有するアミノカルボン酸を少なくとも一種以上を含むことで、前記アミノカルボン酸の-COOH基によって、発生した金属塩全体を包み込み、インキ組成物中において、金属塩を溶解安定させるため、金属塩の析出物の発生を抑制する効果がある。
シクロヘキサン骨格(C6H11-、C6H10-、C6H9-等)、及び/又は、フェニル骨格(C6H5-、C6H4-、C6H3-等)を有するアミノカルボン酸に関して、シクロヘキサン骨格を有するものは、いす型、ふね型の2種類の立体構造をしており、フェニル骨格を有するものは、立体的により嵩高い構造のため、立体障害を起こす効果があり、金属イオンとリン酸エステル界面活性剤とが反応しないようにする効果があり、マンガンイオンやクロムイオン等の金属イオンとリン酸エステル界面活性剤とが反応し難くし、金属塩の生成を抑制する。そのため、特にアミノカルボン酸の中でも、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)のような直鎖構造を形成しているものより金属塩の析出物の発生を抑制する効果があるシクロヘキサン骨格(C6H11-、C6H10-、C6H9-等)、及び/又は、フェニル骨格(C6H5-、C6H4-、C6H3-等)を有するアミノカルボン酸、及び/又はそれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩を少なくとも用いる必要がある。
前記特定のアミノカルボン酸は、アミノ基とカルボキシル基(-COOH基)を有する化合物であるが、-COOH基の数が多い程、金属塩全体を包み込み、金属塩を溶解安定させる効果が強い。そのため、アミノカルボン酸の含有量がより少量で効果が発揮できる。特に、シクロヘキサンジアミン四酢酸(CyDTA)及び/又はそれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩のように、-COOH基の数が4基以上のものは、金属塩の析出物の発生を抑制する効果がより強くなるため、より好ましい。さらに、pH7〜10(中性〜弱アルカリ)において、溶解性、安定性に優れるため、本発明の水性インキ組成物中においてはpH7〜10のため、好ましく用いることができる
また、前記シクロヘキサン骨格(C6H11-、C6H10-、C6H9-等)、及び/又は、フェニル骨格(C6H5-、C6H4-、C6H3-等)を有するアミノカルボン酸、及び/又はそれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩の中でも、経時安定性を考慮すると、シクロヘキサンジアミン四酢酸(CyDTA)及び/又はそれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩を用いるのが好ましい。最も好ましくは、下記一般式(化1)のような一般式で表されるものが好ましい。これらは、単独又は2種以上混合して使用してもよい。
前記アミノカルボン酸及び/又はそれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩の具体例としては、(化1)のような一般式で表されるシクロヘキサンジアミン四酢酸・H2O(CyDTA)としては、CyDTA(同人化学研究所(株))等が挙げられる。
また、前記アミノカルボン酸の含有量は、インキ組成物全量に対し、0.1質量%より少ないと、金属塩の析出物を抑制する効果が弱くなるおそれがあり、5.0質量%を越えると、インキ経時が不安定性になるため、インキ組成物全量に対し、0.1〜5.0質量%とする。さらに好ましくは、インキ組成物全量に対し、0.5〜3.0質量%が適する。
リン酸エステル界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸モノエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸ジエステル、リン酸トリエステル或いはその誘導体等が好適に用いられ、その中でも経時安定性を考慮して(化2)のような一般式で表されるリン酸エステル界面活性剤を用いることが最も好ましい。
[式中、Rはアルキル又はアルキルアリル基を、nはエチレンオキサイド付加モル数を、R’はHまたはRO(CH2CH2O)n基を示す。]
前記リン酸エステル界面活性剤の具体例としては、プライサーフシリーズ(第一工業製薬(株))、フォスファノールシリーズ(東邦化学工業(株))の中から、プライサーフA212C(HLB値9)、同A210G(HLB値9)、同A207H(HLB値7)、同AL(HLB値5)、同A208B(HLB値6)、同A208S(HLB値7)、同A208F(HLB値9)、同A212E(HLB値10)、フォスファノールRE−210(HLB値6)、同RE−410(HLB値9)、同RE−510(HLB値10)、同RS−410(HLB値9)、同RB−410(HLB値8)、同RM−410(HLB値5)、同RM−510(HLB値9)、同RL−210(HLB値5)、同RD−510Y(HLB値10)、同ML−200(HLB値10)、同GB−520(HLB値6)等が挙げられる。これらの界面活性剤は単独又は2種以上混合して使用してもよい。尚、HLBは、一般式として、HLB=7+11.7log(Mw/Mo)、(Mw;親水基の分子量、Mo;親油基の分子量)から求めることができる。
前記リン酸エステル界面活性剤の含有量は、インキ組成物全量に対し、0.1質量%より少ないと、所望の潤滑性が得られず、書き味が悪く筆跡にカスレ等が発生するおそれがあり、5.0質量%を越えると、インキ経時が不安定性になるおそれがあるため、インキ組成物全量に対し、0.1〜5.0質量%とする。さらに筆感をより高め、良好なインキ経時を得るために、リン酸エステル界面活性剤の含有量は、インキ組成物全量に対し、0.5〜3.0質量%が最も好ましい。
本発明には、インキ粘度調整剤として樹脂を用いても良い。具体的には、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等の水溶性樹脂、キサンタンガム、架橋型アクリル酸重合体、架橋型アクリルアミド系重合体、サクシノグリカン、ガーガム等の剪断減粘性付与剤等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上混合して使用してもよい。
また、樹脂の含有量は、インキ組成物全量に対して、0.1質量%未満だと、所望のインキ粘度が得られにくく、30質量%を越えると書き出し性能が劣ってしまう可能性があるため、0.1質量%以上、30質量%以下が好ましい。
着色材は、染料、顔料等、特に限定されるものではなく、適宜選択して使用することができる。染料については、直接染料、酸性染料、塩基性染料、含金染料、及び各種水溶性の造塩タイプ染料等が採用可能である。顔料については、無機、有機、加工顔料などが挙げられるが、具体的にはカーボンブラック、アニリンブラック、群青、黄鉛、酸化チタン、酸化鉄、フタロシアニン系、アゾ系、キナクリドン系、キノフタロン系、スレン系、トリフェニルメタン系、ペリノン系、ペリレン系、ギオキサジン系、アルミ顔料、パール顔料、蛍光顔料、蓄光顔料、補色顔料等が挙げられる。その他、着色樹脂粒子体として顔料を媒体中に分散させてなる着色体を公知のマイクロカプセル化法などにより樹脂壁膜形成物質からなる殻体に内包又は固溶化させたマイクロカプセル顔料を用いても良い。更に、顔料を透明、半透明の樹脂等で覆った着色樹脂粒子などや、また着色樹脂粒子や無色樹脂粒子を、顔料もしくは染料で着色したもの等も用いることもできる。これらの染料および顔料は、単独又は2種以上組み合わせて使用してもかまわない。含有量は、インキ組成物全量に対し、1質量%〜20質量%が好ましい。
また、その他添加剤として、水分の溶解安定性、水分蒸発乾燥防止等を考慮し、グリセリン、エチレングリコール等の水溶性有機溶剤、トリエタノールアミン等のpH調整剤、尿素、ソルビット等の保湿剤、ベンゾトリアゾール等の防錆剤、1,2ベンゾイソチアゾリン−3−オン等の防菌剤を添加することができる。また、リン酸エステル界面活性剤以外のシリコン系、アセチレングリコール系、フッ素系の界面活性剤も濡れ性、耐水性の向上等として添加することが可能で、これらは単独又は2種以上組み合わせて使用することも配合可能である。
また、ボールペンチップのボールは、特に限定されるものではないが、タングステンカーバイドを主成分とする超硬合金ボールは、その結合材として、コバルト、ニッケル等を用いている。このコバルト、ニッケルは、シクロヘキサンジアミン四酢酸(CyDTA)と反応する可能性があり、結合材のコバルト、ニッケル等を経時的に腐食し、回転抵抗を生じるため、書き味が劣ってしまう可能性がある。そのため、腐食の起こりずらい、炭化珪素、アルミナ、ジルコニア、窒化珪素などを成分とするセラミック材のボールを用いることがより好ましい。
次に実施例を示して本発明を説明する。
実施例1
インキ収容筒の先端部に、ステンレス綱材からなるチップ本体のボール抱持室に、ボール径がφ0.7mmの炭化珪素ボールを回転自在に抱持したボールペンチップを具備し、インキ収容筒内に下記の配合1によって得られた水性ボールペン用インキ組成物6及びグリース状のインキ追従体7を直に充填したレフィルを、(株)パイロットコーポレーション製のノック式ゲルインキボールペン(商品名:G−Knock)に装着して、本発明の水性ボールペン1を作製した。
実施例1
インキ収容筒の先端部に、ステンレス綱材からなるチップ本体のボール抱持室に、ボール径がφ0.7mmの炭化珪素ボールを回転自在に抱持したボールペンチップを具備し、インキ収容筒内に下記の配合1によって得られた水性ボールペン用インキ組成物6及びグリース状のインキ追従体7を直に充填したレフィルを、(株)パイロットコーポレーション製のノック式ゲルインキボールペン(商品名:G−Knock)に装着して、本発明の水性ボールペン1を作製した。
インキ配合1
水 28.0質量部
水溶性有機溶剤(グリセリン) 20.0質量部
アミノカルボン酸(シクロヘキサンジアミン四酢酸・H2O(CyDTA)) 0.5質量部
リン酸エステル界面活性剤剤(プライサーフA−208S) 1.0質量部
尿素 7.5質量部
pH調整剤剤(トリエタノールアミン) 2.8質量部
防菌剤(1,2ベンゾイソチアゾリン−3−オン) 0.2質量部
着色剤(NKW-2100系シリーズ) 40.0質量部
樹脂(サクシノグリカン) 0.24質量部
水 28.0質量部
水溶性有機溶剤(グリセリン) 20.0質量部
アミノカルボン酸(シクロヘキサンジアミン四酢酸・H2O(CyDTA)) 0.5質量部
リン酸エステル界面活性剤剤(プライサーフA−208S) 1.0質量部
尿素 7.5質量部
pH調整剤剤(トリエタノールアミン) 2.8質量部
防菌剤(1,2ベンゾイソチアゾリン−3−オン) 0.2質量部
着色剤(NKW-2100系シリーズ) 40.0質量部
樹脂(サクシノグリカン) 0.24質量部
インキ配合1は、まず水、水溶性有機溶剤、リン酸エステル界面活性剤剤(プライサーフA−208S;第一工業製薬(株)社製)、シクロヘキサンジアミン四酢酸・H2O(同人化学研究所(株))、pH調整剤、保湿剤、防菌剤、着色剤をマグネットホットスターラーで加温撹拌してベースインキを作成する。
その後、上記作製したベースインキを加温しながら、樹脂を投入してホモジナイザー攪拌機を用いて均一な状態となるまで充分に混合攪拌した。その後、濾紙を用い濾過を行って、インキ配合1の水性ボールペン用インキ組成物を得た。
実施例2〜10
各成分を表1に示す配合及びボール材に変更した以外は、インキ配合1と同様な手順で水性ボールペン用インキ組成物を作成し、実施例1と同様にして、実施例2〜10の水性ボールペンを得た。
各成分を表1に示す配合及びボール材に変更した以外は、インキ配合1と同様な手順で水性ボールペン用インキ組成物を作成し、実施例1と同様にして、実施例2〜10の水性ボールペンを得た。
試験及び評価
実施例1〜10、および比較例1〜5において作製した水性ボールペンにより、以下の試験及び評価を行った。尚、書き味試験については、筆記試験用紙としてコピー用紙(PPC用紙)を用いて、評価した。
実施例1〜10、および比較例1〜5において作製した水性ボールペンにより、以下の試験及び評価を行った。尚、書き味試験については、筆記試験用紙としてコピー用紙(PPC用紙)を用いて、評価した。
初期の書き味試験:ボールペン用レフィルを室温の環境下、2週間放置後に、手書きによる官能試験を行い評価した。
滑らかで良好なものを ・・・◎
やや劣るものを ・・・○
重く劣るものを ・・・×
滑らかで良好なものを ・・・◎
やや劣るものを ・・・○
重く劣るものを ・・・×
経時後の書き味試験:ボールペン用レフィルを50℃・湿度0%の環境下、3ヶ月間放置後に、手書きによる官能試験を行い評価した。
滑らかで良好なもの ・・・◎
やや劣るもの ・・・○
重く劣るもの ・・・×
滑らかで良好なもの ・・・◎
やや劣るもの ・・・○
重く劣るもの ・・・×
チップ本体の経時試験:ボールペン用レフィルを50℃・湿度0%の環境下、3ヶ月間放置後に、チップ本体内のインキを顕微鏡観察した。
析出物がなく、良好のもの ・・・◎
析出物が微少に発生したが、実用上問題のないもの ・・・○
析出物が存在し、カスレや筆記不良などの原因になるもの ・・・×
析出物がなく、良好のもの ・・・◎
析出物が微少に発生したが、実用上問題のないもの ・・・○
析出物が存在し、カスレや筆記不良などの原因になるもの ・・・×
インキ経時試験:ボールペン用レフィルを50℃・湿度0%の環境下、3ヶ月間放置後に、レフィルのインキ収容筒内のインキ状態を顕微鏡観察した。
析出物が存在しないもの ・・・◎
析出物が存在したが、実用上問題ないもの ・・・○
析出物が発生し、実用性に乏しいもの ・・・×
析出物が存在しないもの ・・・◎
析出物が存在したが、実用上問題ないもの ・・・○
析出物が発生し、実用性に乏しいもの ・・・×
実施例1〜10では、書き味試験、チップ本体の経時試験、インキ経時試験ともに良好な性能が得られた。
比較例1、4、5では、シクロヘキサン骨格、及び/又は、フェニル骨格を有するアミノカルボン酸、及び/又はそれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩を含有しなかったため、析出物が発生し、筆記不良になってしまった。
比較例2、3では、リン酸エステル界面活性剤を含有しなかったため、充分な潤滑性が得られず、書き味が重かった。
尚、図示はしていないが、ボールペンチップ内にステンレス鋼材からなるボールを押圧するコイルスプリングを配設する場合には、チップ本体と同様に、リン酸エステル界面活性剤とコイルスプリングの金属イオンとの反応により金属塩が発生するおそれがあるため、本発明の効果は顕著である。
さらに、顔料のような粒径の大きいものを含有したインキ組成物では、ボールとチップ本体の間で回転阻害による書き味の劣化の可能性や、ボール径が0.7mm以下のボールを用いたボールペンは、ボールとボール座の接触面積が小さく、単位面積に掛かる荷重が高くなることによる書き味の劣化の可能性があるので本発明の効果は顕著である。
本発明は水性ボールペンに関し、さらに詳細としては、ステンレス綱材からなるチップ本体を用いたボールペンチップにおいて、水、着色剤、リン酸エステル界面活性剤、シクロヘキサン骨格、及び/又は、フェニル骨格を有するアミノカルボン酸及び/又はそれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩を少なくとも一種以上含む水性ボールペン用インキ組成物を直詰めしたことを特徴とした水性ボールペンを用いることで、書き味が良好で、かつボールペンチップ内の金属塩等を抑制することで経時安定性に優れた水性ボールペンを提供することができる。そのため、キャップ式、ノック式等、ボールペンとして広く利用することができる。
1 水性ボールペン
2 インキ収容筒
3 ボールペンチップ
4 ボール
5 チップホルダー
6 水性ボールペン用インキ組成物
7 インキ追従体
2 インキ収容筒
3 ボールペンチップ
4 ボール
5 チップホルダー
6 水性ボールペン用インキ組成物
7 インキ追従体
Claims (6)
- インキ収容筒の先端部に、ステンレス綱材からなるチップ本体のボール抱持室にボールを回転自在に抱持したボールペンチップを直接又はチップホルダーを介して具備してなる水性ボールペンであって、前記インキ収容筒内に、少なくとも水、着色剤、リン酸エステル界面活性剤、アミノカルボン酸を少なくとも含み、前記アミノカルボン酸が、シクロヘキサン骨格、及び/又は、フェニル骨格を有するアミノカルボン酸、及び/又はそれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩の中から、少なくとも一種以上含む水性ボールペン用インキ組成物を直詰めしたことを特徴とする水性ボールペン。
- 前記アミノカルボン酸の-COOH基の数が4基以上であることを特徴とした請求項1に記載した水性ボールペン。
- 前記アミノカルボン酸の含有量が、インキ組成物全質量に対して0.1〜5.0質量%以下であることを特徴とした請求項1ないし3の何れか1項に記載した水性ボールペン。
- 前記リン酸エステル界面活性剤のHLBが13以下であることを特徴とする請求項1ないし4の何れか1項に記載した水性ボールペン。
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| JP2007108574A JP2008265061A (ja) | 2007-04-17 | 2007-04-17 | 水性ボールペン |
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| Publication Number | Publication Date |
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|---|---|---|---|---|
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-
2007
- 2007-04-17 JP JP2007108574A patent/JP2008265061A/ja active Pending
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|---|---|---|---|---|
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