画像表示装置、例えば液晶ディスプレイなどでは、多数の液晶画素をマトリクス状に並べ、表示すべき画像情報に応じて画素毎に入射光の透過強度又は反射強度を制御することによって画像を表示する。これは、有機EL素子を画素に用いた有機ELディスプレイなどにおいても同様であるが、液晶画素と異なり有機EL素子は自発光素子である。その為、有機ELディスプレイは液晶ディスプレイに比べて画像の視認性が高く、バックライトが不要であり、応答速度が速いなどの利点を有する。又、各発光素子の輝度レベル(階調)はそれに流れる電流値によって制御可能であり、いわゆる電流制御型であるという点で液晶ディスプレイなどとは大きく異なる。
有機ELディスプレイにおいては、液晶ディスプレイと同様、その駆動方式として単純マトリクス方式とアクティブマトリクス方式とがある。前者は構造が単純であるものの、大型且つ高精細のディスプレイの実現が難しいなどの問題がある為、現在はアクティブマトリクス方式の開発が盛んに行なわれている。この方式は、各画素回路内部の発光素子に流れる電流を、画素回路内部に設けた能動素子(一般には薄膜トランジスタ,TFT)によって制御するものである。
特開2003−255856
特開2003−271095
図8は、一般的な有機EL表示装置の構成を示すブロック図である。この表示装置100は、画素回路(PXLC)101がm×nのマトリクス状に配列された画素アレイ部102、水平セレクタ(HSEL)103、ライトスキャナ(WSCN)104、ドライブスキャナ(DSCN)105、水平セレクタ103により選択され輝度情報に応じた信号が供給される信号線DTL101〜DTL10n、ライトスキャナ104により選択駆動される走査線WSL101〜WSL10m、及びドライブスキャナ105により選択駆動される走査線DSL101〜DSL10mを有する。
図9は、図8に示した画素回路の一構成例を示す回路図である。図示する様に、この画素回路101は、基本的にpチャネル型の薄膜電界効果トランジスタ(以下、TFTと言う)で構成されている。すなわち画素回路101は、ドライブTFT111、スイッチングTFT112、サンプリングTFT115、有機EL素子117、保持容量C111を有する。係る構成を有する画素回路101は、信号線DTL101と走査線WSL101,DSL101との交差部に配されている。信号線DTL101はサンプリングTFT115のドレインに接続し、走査線WSL101はサンプリングTFT115のゲートに接続し、他の走査線DSL101はスイッチングTFT112のゲートに接続している。
ドライブTFT111、スイッチングTFT112及び有機EL素子117は、電源電位Vccと接地電位GNDの間で直列に接続されている。すなわちドライブトランジスタ111のソースが電源電位Vccに接続される一方、有機EL素子(発光素子)117のカソードが接地電位GNDに接続されている。一般に、有機EL素子117は整流性がある為ダイオードの記号で表わしている。一方、サンプリングTFT115及び保持容量C111は、ドライブTFT111のゲートに接続している。ドライブTFT111のゲート・ソース間電圧をVgsで表わしている。
画素回路101の動作であるが、まず走査線WSL101を選択状態(ここでは低レベル)とし、信号線DTL101に信号を印加すると、サンプリングTFT115が導通して信号が保持容量C111に書き込まれる。保持容量C111に書き込まれた信号電位がドライブトランジスタ111のゲート電位となる。続いて、走査線WSL101を非選択状態(ここでは高レベル)とすると、信号線DTL101とドライブTFT111とは電気的に切り離されるが、ドライブTFT111のゲート電位Vgsは保持容量C111によって安定に保持される。続いて他の走査線DSL101を選択状態(ここでは低レベル)にすると、スイッチングTFT112が導通し、電源電位Vccから接地電位GNDに向かって駆動電流がTFT111,TFT112及び発光素子117を流れる。DSL101が非選択状態になるとスイッチングトランジスタ112がオフし、駆動電流は流れなくなる。スイッチングTFT112は発光素子117の発光時間を制御する為に挿入されたものである。
TFT111及び発光素子117に流れる電流は、TFT111のゲート・ソース間電圧Vgsに応じた値となり、発光素子117はその電流値に応じた輝度で発光し続ける。上記の様に、走査線WSL101を選択して信号線DTL101に与えられた信号を画素回路101の内部に伝える動作を、以下「書き込み」と呼ぶ。上述の様に、一度信号の書き込みを行なえば、次に書き換えられるまでの間、発光素子117は一定の輝度で発光を続ける。
上述した様に画素回路101では、ドライブトランジスタであるTFT111のゲート印加電圧を入力信号に応じて変化させることで、EL発光素子117に流れる電流値を制御している。この時、pチャネル型のドライブトランジスタ111のソースは電源電位Vccに接続されており、このTFT111は常に飽和領域で動作している。よって、ドライブトランジスタ111は下記の式(1)に示した値を持つ定電流源となっている。
Ids=(1/2)・μ・(W/L)・Cox・(Vgs−Vth)2・・・(1)
ここでIdsは飽和領域で動作するトランジスタのドレイン・ソース間に流れる電流を表わしている。又μは移動度、Wはチャネル幅、Lはチャネル長、Coxはゲート容量、Vthはトランジスタの閾電圧を表わしている。式(1)から明らかな様に、飽和領域ではトランジスタのドレイン電流Idsはゲート・ソース間電圧Vgsによって制御される。図9に示したドライブトランジスタ111は、Vgsが一定に保持される為、ドライブトランジスタ111は定電流源として動作し、発光素子117を一定の輝度で発光させることができる。
図10は、有機EL素子の電流−電圧(I−V)特性の経時変化を示すグラフである。グラフにおいて、実線で示す曲線が初期状態時の特性を示し、破線で示す曲線が経時変化後の特性を示している。一般的に、有機EL素子のI−V特性は、グラフに示す様に時間が経過すると劣化してしまう。これに対して、図9に示した画素回路は、ドライブトランジスタが定電流駆動である為、有機EL素子には定電流Idsが流れ続け、有機EL素子のI−V特性が劣化してもその発光輝度が経時劣化することはない。
以下図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。説明の都合上、まず負荷素子である発光素子の特性変動補償機能(ブートストラップ機能)を備えた画素回路を説明し、続いてドライブトランジスタの閾電圧変動補償機能を追加した画素回路を説明し、最後にこれらの補償機能を備えつつ回路要素の構成数を抑えた画素回路を説明する。図1は電気光学素子である発光素子の特性変動に対する補償機能であるブートストラップ機能を備えた画素回路を含む表示装置の構成を示すブロック図である。尚、この画素回路構成は、同一出願人の先願である特願2003−146758(2003年5月23日出願)に記載されているものと同一である。
図1に示すように、表示装置100は、画素回路(PXLC)101がマトリクス状に配列された画素アレイ部102、水平セレクタ(HSEL)103、ライトスキャナ(WSCN)104、ドライブスキャナ(DSCN)105、水平セレクタ103により選択され輝度情報に応じた映像信号が供給される信号線DTL101〜DT110n、ライトスキャナ104により選択駆動される走査線WSL101〜WSL10m、およびドライブスキャナ105により選択駆動される走査線DSL101〜DSL10mを有する。なお図1においては、図面の簡単化のために一つの画素回路の具体的な構成を示している。
本画素回路101は、図1に示すように、nチャネルTFT111〜TFT115、キャパシタC111、有機EL素子(OLED:電気光学素子)からなる発光素子117、およびノードND111,ND112を有する。また、図1において、DTL101は信号線を、WSL101は走査線を、DSL101は別の走査線をそれぞれ示している。これらの構成要素のうち、TFT111が駆動用電界効果トランジスタを構成し、サンプリング用TFT115が第1のスイッチを構成し、TFT114が第2のスイッチを構成し、キャパシタC111が保持容量素子を構成している。
画素回路101において、TFT111のソースと接地電位GNDとの間に発光素子(OLED)117が接続されている。具体的には、発光素子117のアノードがTFT111のソースに接続され、カソード側が接地電位GNDに接続されている。発光素子117のアノードとTFT111のソースとの接続点によりノードND111が構成されている。TFT111のソースがTFT114のドレインおよびキャパシタC111の第1電極に接続され、TFT111のゲートがノードND112に接続されている。TFTll4のソースが固定電位(本実施形態では接地電位GND)に接続され、TFT114のゲートが走査線DSL101に接続されている。また、キャパシタC111の第2電極がノードND112に接続されている。信号線DTL101とノードND112とにサンプリング用TFT115のソース・ドレインがそれぞれ接続されている。そして、TFT115のゲートが走査線WSL101に接続されている。
このように、本実施形態に係る画素回路101は、ドライブトランジスタとしてのTFT111のゲート・ソース間にキャパシタC111が接続され、TFT111のソース電位をスイッチトランジスタとしてのTFT114を介して固定電位に接続するよう構成されている。
次に、上記構成の動作を、画素回路の動作を中心に、図2(A)〜(F)および図3(A)〜(F)に関連付けて説明する。なお、図3(A)は画素配列の第1行目の走査線WSL101に印加される走査信号ws〔1〕を、図3(B)は画素配列の第2行目の走査線WSL102に印加される走査信号ws〔2〕を、図3(C)は画素配列の第1行目の走査線DSL101に印加される駆動信号ds〔1〕を、図3(D)は画素配列の第2行目の走査線DSL102に印加される駆動信号ds〔2〕を、図3(E)はTFT111のゲート電位Vg(ノードND112)を、図3(F)はTFT111のソース電位Vs(ノードND111)をそれぞれ示している。
まず、通常のEL発光素子117の発光状態時は、図3(A)〜(D)に示すように、ライトスキャナ104より走査線WSL101,WSL102,・・への走査信号ws〔1〕,ws〔2〕,・・が選択的にローレベルに設定され、ドライブスキャナ105により走査線DSL101,DSL102,・・への駆動信号ds〔1〕,ds〔2〕,・・が選択的にローレベルに設定される。その結果、画素回路101においては、図2(A)に示すように、TFT115とTFT114がオフした状態に保持される。
次に、EL発光素子117の非発光期間において、図3(A)〜(D)に示すように、ライトスキャナ104より走査線WSL101,WSL102,・・への走査信号ws〔1〕,ws〔2〕,・・がローレベルに保持され、ドライブスキャナ105により走査線DSL101,DSL102,・・への駆動信号ds〔1〕,ds〔2〕,・・が選択的にハイレベルに設定される。その結果、画素回路101においては、図2(B)に示すように、TFT115はオフ状態に保持されたままで、TFT114がオンする。このとき、TFT114を介して電流が流れ、図3(F)に示すように、TFT111のソース電位Vsは接地電位GNDまで下降する。そのため、EL発光素子117に印加される電圧も0Vとなり、EL発光素子117は非発光となる。
次に、EL発光素子117の非発光期間において、図3(A)〜(D)に示すように、ドライブスキャナ105により走査線DSL101,DSL102,・・への駆動信号ds〔1〕,ds〔2〕,・・がハイレベルに保持されたまま、ライトスキャナ104より走査線WSL101,WSL102,・・への走査信号ws〔1〕,ws〔2〕,・・が選択的にハイレベルに設定される。その結果、画素回路101においては、図2(C)に示すように、TFT114がオン状態に保持されたままで、TFT115がオンする。これにより、水平セレクタ103により信号線DTL101に伝搬された入力信号(Vin)が保持容量としてのキャパシタC111に書き込まれる。このとき、図3(F)に示すように、ドライブトランジスタとしてのTFT111のソース電位Vsは接地電位レベル(GNDレベル)にあるため、図3(E),(F)に示すように、TFT111のゲート・ソース間の電位差は入力信号の電圧Vinと等しくなる。
その後、EL発光素子117の非発光期間において、図3(A)〜(D)に示すように、ドライブスキャナ105により走査線DSL101,DSL102,・・への駆動信号ds〔1〕,ds〔2〕,・・がハイレベルに保持されたまま、ライトスキャナ104より走査線WSL101,WSL102,・・への走査信号ws〔1〕,ws〔2〕,・・が選択的にローレベルに設定される。その結果、画素回路101においては、図2(D)に示すように、TFT115がオフ状態となり、保持容量としてのキャパシタC111への入力信号の書き込みが終了する。
その後に図3(A)〜(D)に示すように、ライトスキャナ104より走査線WSL101,WSL102,・・への走査信号ws〔1〕,ws〔2〕,・・はローレベルに保持され、ドライブスキャナ105により走査線DSL101,DSL102,・・への駆動信号ds〔1〕,ds〔2〕,・・が選択的にローレベルに設定される。その結果、画素回路101においては、図2(E)に示すように、TFT114がオフ状態となる。TFT114がオフすることで、図3(F)に示すように、ドライブトランジスタとしてのTFT111のソース電位Vsは上昇し、EL発光素子117にも電流が流れる。
TFT111のソース電位Vsは変動するにもかかわらず、TFT111のゲート・ソース間には容量があるために、図3(E),(F)に示すように、ゲート・ソース電位は常にVinにて保たれている。このとき、ドライブトランジスタとしてのTFT111は飽和領域で駆動しているので、このTFT111に流れる電流値IdsはTFT111のゲート・ソース電圧であるVinにて決められる。この電流IdsはEL発光素子117にも同様に流れ、EL発光素子117は発光する。EL発光素子117の等価回路は図2(F)に示すようになっているため、このときノードND111の電位はEL発光素子117に電流Idsが流れるゲート電位まで上昇する。この電位上昇に伴い、キャパシタ111(保持容量)を介してノードND112の電位も同様に上昇する。これにより、前述した通りTFT111のゲート・ソース電位はVinに保たれる。
ここで一般に、EL発光素子は発光時間が長くなるに従い、そのI−V特性は劣化する。そのため、ドライブトランジスタが同じ電流値を流したとしても、EL発光素子に印加される電位は変化し、ノードND111の電位は下降する。しかしながら、本回路ではドライブトランジスタのゲート・ソース間電位が一定に保たれたままノードND111の電位は下降するので、ドライブトランジスタ(TFT111)に流れる電流は変化しない。よって、EL発光素子に流れる電流も変化せず、EL発光素子のI−V特性が劣化しても、入力電圧Vinに相当した電流が常に流れつづける。
以上説明したように、本参考形態によれば、ドライブトランジスタとしてのTFT111のソースが発光素子117のアノードに接続され、ドレインが電源電位Vccに接続され、TFT111のゲート・ソース間にキャパシタC111が接続され、TFT111のソース電位をスイッチトランジスタとしてのTFT114を介して固定電位に接続するよう構成されていることから、次の効果を得ることができる。即ちEL発光素子のI−V特性が経時変化しても、輝度劣化の無いソースフォロワー出力が行える。nチャネルトランジスタのソースフォロワー回路が可能となり、現状のアノード・カソード電極を用いたままで、nチャネルトランジスタをEL発光素子の駆動素子として用いることができる。また、nチャネルのみで画素回路のトランジスタを構成することができ、TFT作成においてa−Siプロセスを用いることができるようになる。これにより、TFT基板の低コスト化が可能となる。
図4は、図1に示したブートストラップ機能を備えた画素回路に更に閾電圧キャンセル機能を追加した画素回路構成を表わしている。尚、この画素回路は同一出願人の先願である特願2003−159646(2003年6月4日出願)に記載されているものと同一である。理解を容易にする為、図1に示した画素回路と対応する部分には対応する参照番号を付してある。図4の画素回路は基本的に、図1の画素回路に閾電圧キャンセル回路を追加したものである。但し、ブートストラップ回路に含まれるスイッチングトランジスタ114のゲートには、走査線DSL101に代えて走査線WSL101を接続し、回路の簡略化を図っている。基本的に、ブートストラップ回路に含まれるスイッチングトランジスタ114は、映像信号のサンプリングに合わせて開閉制御すれば良いので、この様な簡略化は可能である。勿論、スイッチングトランジスタ114のゲートには、図1の例と同様に別途専用の走査線DSL101を接続しても良い。
閾電圧キャンセル回路は、基本的にドライブトランジスタ111、スイッチングトランジスタ112、追加のスイッチングトランジスタ113及び保持容量C111とで構成されている。これらに加え本画素回路は結合容量C112及びスイッチングトランジスタ116を含んでいる。追加されたスイッチングトランジスタ113のソース/ドレインは、ドライブトランジスタ111のゲートとドレインとの間に接続されている。又スイッチングトランジスタ116のドレインはサンプリングトランジスタ115のドレインに接続され、ソースはオフセット電圧Vofsが供給されている。結合容量C112はサンプリングトランジスタ115側のノードND114とドライブトランジスタ側のノードND112との間に介在している。スイッチングトランジスタ113及び116のゲートには閾電圧(Vth)キャンセル用の走査線AZL101が接続されている。
図5は、図4に示した画素回路の動作説明に供するタイミングチャートである。この画素回路は1フィールド(1f)の間で、Vth補正、信号書込、ブートストラップ動作を順に行なう。Vth補正と信号書込は1fの内非発光期間に行なわれ、ブートストラップ動作は発光期間の先頭で行なわれる。まずVth補正期間では、走査線DSL101がハイレベルにある間に走査線AZL101がハイレベルに立ち上がる。これにより、スイッチングトランジスタ112及び113が同時にオンする為、電流が流れドライブトランジスタ111のゲートに連なるノードND112の電位が上昇する。その後DSL101がローレベルに立ち下がり非発光状態となる。これによりノードND112に蓄積された電荷がスイッチングトランジスタ113を介して放電され、ND112の電位は徐々に低下する。そして、ノードND112とノードND111の電位差がVthとなったところで、ドライブトランジスタ111に電流は流れなくなる。図から明らかな様に、ND112とND111の電位差はVgsに相当し、式(1)からVgs=Vthとなったところで、Idsは0になる。この結果、ND112とND111の電位差Vthが保持容量C111に保持されることになる。
続いて走査線WSL101が1Hの期間ハイレベルとなってサンプリングトランジスタ115が導通し、信号書込が行なわれる。すなわちDTL101に供給された映像信号Vsigはサンプリングトランジスタ115によってサンプリングされ、結合容量C112を介して保持容量C111に書き込まれる。この結果、保持容量C111の保持電位Vinは、先に書き込まれたVthとVsigの合計になる。但し、Vsigの入力ゲインは100%ではなく、ある程度の損失がある。
この後DSL101がハイレベルに立ち上がり発光を開始するとともにブートストラップ動作が行なわれる。これにより、ドライブトランジスタ111のゲートに印加される信号電位Vinは発光素子117のI−D特性に応じてΔVだけ上昇する。この様にして、図4の画素回路は、ドライブトランジスタ111のゲートに印加する正味の信号成分に加え、Vth及びΔVを上乗せしている。Vth及びΔVが変化しても常にその影響をキャンセルできるので、発光素子117を安定に駆動可能である。
図6は本発明に係る画素回路で、図4に示した画素回路に比べ素子数を節約した実施形態を示す回路図である。図示する様に、本画素回路101は走査線と信号線とが交差する部分に配されており、アクティブマトリクス形の表示装置に適用できる。信号線はDTL101の1本であるのに対し、走査線はWSL101、DSL101、AZL101a、AZL101bの計4本が平行に配されている。画素回路101は、電気光学素子117と、1個の保持容量C111と、サンプリングトランジスタ115、ドライブトランジスタ111、スイッチングトランジスタ112、第1検知トランジスタ114及び第2検知トランジスタ113からなる5個のNチャネル薄膜トランジスタとで構成されている。この様に本画素回路101は、1個の保持容量と5個のトランジスタとで構成されており、図4に示した画素回路に比べ、容量素子が1個少なくトランジスタも1個少ない構成となっている。構成素子の個数が少ない分、歩留りが向上し低コスト化が図れる。
保持容量C111は、一方の端子がドライブトランジスタ111のソースに接続し、他方の端子が同じくドライブトランジスタ111のゲートに接続している。図では、ドライブトランジスタ111のゲートがノードND112で表わされ、同じくドライブトランジスタ111のソースがノードND111で表わされている。従って、保持容量C111はノードND111とノードND112の間に接続していることになる。電気光学素子117は例えばダイオード構造の有機EL素子からなり、アノードとカソードを備えている。有機EL素子117のアノードはドライブトランジスタ111のソース(ノードND111)に接続し、カソードは所定のカソード電位Vcathに接続されている。尚有機EL素子117はアノード/カソード間に容量成分を含んでおり、これをCpで表わしてある。
第1検知トランジスタ114は、そのソースが第1接地電位Vss1に接続し、そのドレインがドライブトランジスタ111のソース(ノードND111)に接続し、ゲートが走査線AZL101aに接続している。第2検知トランジスタ113は、そのソースが第2接地電位Vss2に接続し、そのドレインがドライブトランジスタ111のゲート(ノードND112)に接続し、そのゲートは走査線AZL101bに接続している。
サンプリングトランジスタ115は、そのソースが信号線DTL101に接続し、そのドレインがドライブトランジスタ111のゲート(ノードND112)に接続し、そのゲートが走査線WSL101に接続している。スイッチングトランジスタ112は、そのドレインが電源電位Vccに接続し、そのソースがドライブトランジスタ111のドレインに接続し、そのゲートが走査線DSL101に接続している。走査線AZL101a,AZL101b,DSL101は走査線WSL101と平行に配され、周辺スキャナによって適切なタイミングで線順次走査される。
サンプリングトランジスタ115は走査線WSL101によって選択された時動作し、信号線DTL101から入力信号VsigをサンプリングしてノードND112を介し保持容量C111に保持する。ドライブトランジスタ111は、保持容量C111に保持された信号電位Vinに応じて電気光学素子117を電流駆動する。スイッチングトランジスタ112は走査線DSL101によって選択された時導通して電源電位Vccからドライブトランジスタ111に電流を供給する。第1検知トランジスタ114及び第2検知トランジスタ113は走査線AZL101a,AZL101bによってそれぞれ選択された時動作し、電気光学素子117の電流駆動に先立ってドライブトランジスタ111の閾電圧Vthを検知しあらかじめその影響をキャンセルする為に該検知した電位を保持容量C111に保持する。
本画素回路101の正常な動作を保証する為の条件として、第1の接地電位Vss1は、第2の接地電位Vss2からドライブトランジスタの閾電圧Vthを差し引いたレベルよりも低く設定されている。すなわち、Vss1<Vss2−Vthである。又、カソード電位Vcathに有機EL素子117の閾電圧VthELを加えたレベルは、第2接地電位Vss2からドライブトランジスタ111の閾電圧Vthを差し引いたレベルよりも高く設定されている。式で表わすと、Vcath+VthEL>Vss2−Vthとなっている。好ましくは、第2接地電位Vss2のレベルは、信号線DTL101から供給される入力信号Vsigの最低レベルの近傍に設定されている。
図7のタイミングチャートを参照して、図6に示した画素回路の動作を詳細に説明する。図示のタイミングチャートは、タイミングT1で1フィールド(1F)がスタートし、タイミングT6で1フィールドが終わる様に表わしてある。当該フィールドに入る前のタイミングT0では、走査線WSL101,AZL101a,AZL101bがローレベルにある一方、走査線DSL101がハイレベルにある。従ってスイッチングトランジスタ112がオン状態にある一方、サンプリングトランジスタ115及び一対の検知トランジスタ113,114はオフ状態にある。この時ドライブトランジスタ111はノードND112に現われる信号電位に応じて駆動電流を流し、有機EL素子117を発光させている。この時ドライブトランジスタ111のソース電位(ノードND111の電位)は所定の動作点に保持されている。図7のタイミングチャートは、ノードND112の電位とノードND111の電位が記されており、それぞれドライブトランジスタ111のゲート電位及びソース電位の変化を表わしている。
タイミングT1になると、走査線AZL101a及びAZL101bが共にローレベルからハイレベルに立ち上がる。この結果、第1検知トランジスタ114及び第2検知トランジスタ113が共にオフ状態からオン状態に切り替わる。この結果ノードND112は急速にVss2まで下がり、ノードND111も急速に第1接地電位Vss1まで下がる。この時、Vss1<Vss2−Vthに設定されている為、ドライブトランジスタ111はオン状態を維持し、ドレイン電流Idsが流れる。この時、Vcath+Vth(EL)>Vss2−Vthの関係にある為、有機EL素子117は逆バイアス状態となっており、電流は流れない。従って、非発光状態になる。ドライブトランジスタ111のドレイン電流Idsはオン状態にある第1検知トランジスタ114を介してVss1側に流れることになる。
続いてタイミングT2になると、走査線AZL101aがハイレベルからローレベルに戻る為、第1検知トランジスタ114はオン状態からオフ状態になる。この結果、ドライブトランジスタ111を流れるドレイン電流Idsの電流路が遮断される為、ノードND111の電位は徐々に上昇する。ノードND111の電位とノードND112の電位差がちょうどVthとなったところでドライブトランジスタ111はオン状態からオフ状態となり、ドレイン電流は流れなくなる。ノードND111とノードND112の間に現われた電位差Vthは保持容量C111に保持されることになる。この様に、第1及び第2検知トランジスタ114,113は走査線AZL101a,AZL101bによってそれぞれ適切なタイミングで選択された時動作し、ドライブトランジスタ111の閾電圧Vthを検知し、これを保持容量C111に保持する。
この後タイミングT3で走査線AZL101bがハイレベルからローレベルに切り替わるとともに、走査線DSL101もほぼ同時刻にハイレベルからローレベルに切り替わる。この結果第2検知トランジスタ113とスイッチングトランジスタ112はオン状態からオフ状態に切り替わる。タイミングチャートではタイミングT2からT3の間をVth補正期間と称し、検知したドライブトランジスタ111の閾電圧Vthを保持容量C111に補正用電位として保持させている。
この後タイミングT4に進むと走査線WSL101がローレベルからハイレベルに立ち上がる。これによりサンプリングトランジスタ115が導通し、保持容量C111に入力電位Vinが書き込まれる。この入力電位Vinはドライブトランジスタの閾電圧Vthに足し込む形で保持される。この結果、ドライブトランジスタ111の閾電圧Vthの変動は常にキャンセルされる形となるので、Vth補正を行なっていることになる。尚、保持容量C111に書き込まれる入力電位Vinは以下の式によって表わされる。
Vin=Cp/(Cs+Cp)×(Vsig−Vss2)
ここでCsは保持容量C111の容量値を表わしている。一方Cpは前述した様に有機EL素子117の容量成分である。一般にCpはCsよりもはるかに大きい。従って、VinはほぼVsig−Vss2に等しい。この時Vss2はVsigの黒レベル付近に設定しておけば、結果的にVinはほぼVsigと等しいことになる。
この後走査線WSL101はハイレベルからローレベルに戻って入力信号Vsigのサンプリングを終了するが、続くタイミングT5で走査線DSL101がローレベルからハイレベルに立ち上がり、スイッチングトランジスタDSL101がオン状態となる。これにより電源電位Vccからドライブトランジスタ111に駆動電流が供給され、有機EL素子117の発光動作を開始する。有機EL素子117に電流が流れる為電圧降下が生じ、ノードND111の電位が上昇する。これに連動してノードND112の電位も上昇する為、ドライブトランジスタ111のゲート電位VgsはノードND111の電位上昇に関わらず、常にVin+Vthに維持される。この結果、有機EL素子117は入力電圧Vinに応じた輝度で発光を続けることになる。1フィールドの終わりのタイミングT6で再び走査信号AZL101a,AZL101bが立ち上がると、次のフィールドのVth補正期間に入るとともに有機EL素子117の発光も停止する。
101・・・画素回路、111・・・ドライブトランジスタ、112・・・スイッチングトランジスタ、113・・・第2検知トランジスタ、114・・・第1検知スイッチングトランジスタ、115・・・サンプリングトランジスタ、117・・・電気光学素子、C111・・・保持容量