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JP2008248030A - セルロース体組成物、セルロース体フィルム、位相差フィルム、光学補償シート、偏光板および画像表示装置 - Google Patents

セルロース体組成物、セルロース体フィルム、位相差フィルム、光学補償シート、偏光板および画像表示装置 Download PDF

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JP2008248030A
JP2008248030A JP2007089557A JP2007089557A JP2008248030A JP 2008248030 A JP2008248030 A JP 2008248030A JP 2007089557 A JP2007089557 A JP 2007089557A JP 2007089557 A JP2007089557 A JP 2007089557A JP 2008248030 A JP2008248030 A JP 2008248030A
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JP2007089557A
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Masahiro Atsumi
匡広 渥美
Tomoko Imai
知子 今井
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Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
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Abstract

【課題】本発明はセルロース体組成物、セルロース体フィルム、光学補償シート、偏光板および液晶表示装置に関し、さらに詳しくは、面内レタデ−ション(Re)および厚み方向のレターデーション(Rth)の湿度依存性が小さいセルロース体フィルム、それらを用いた位相差フィルム、光学補償シート、偏光板および液晶表示装置に関する。
【解決手段】炭素数5から炭素数30の脂肪族アシル基(A)と炭素数2から炭素数4の脂肪族アシル基(B)を有し、アシル基(A)の置換度が特定の範囲を満たすセルロース体を含有するセルロース体組成物。
【選択図】なし

Description

本発明はセルロース体組成物、セルロース体フィルム、位相差フィルム、光学補償シート、偏光板および画像表示装置に関し、さらに詳しくは、面内レタデ−ション(Re)および厚み方向のレターデーション(Rth)の湿度依存性が小さく、かつ溶剤組成の選択肢が広く、白濁しにくいセルロース体フィルム、それらを用いた光学補償シート、偏光板および画像表示装置に関する。
近年、液晶表示装置の普及に伴い、表示性能や耐久性に対する要求がより高くなり、応答速度の向上や、表示画像に対して斜め方向から観察した場合のコントラストやカラーバランスといった視野角をより広範囲で補償することが課題となっている。これらの課題を解決すべく、VA(Vertical Alignment)方式、OCB(Optical Compensated Bend)方式、あるいはIPS(In-Plane Switching)方式の表示素子が開発され、それぞれの液晶方式に応じた、様々なレターデーション発現性を有する光学フィルム材料が要求されている。とりわけ、位相差フィルムは、面内のレターデーション(Re)、厚み方向のレターデーション(Rth)の値を多様な液晶方式それぞれに応じて制御することが求められている。
従来より、セルロースアシレートフィルムはその適度な親水性、透明性、強靭性、および光学的等方性から、液晶表示装置向けの偏光板保護フィルムとして広く利用されている。例えばセルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートなどの脂肪酸セルロースエステルセルロース混合アシレートを製膜して用いる光学フィルムが提案されている(特許文献1)。また、セルロースアシレートフィルムを光学補償フィルムとして用いることも提案されている(特許文献2)。
これに対し、セルロースアシレートに疎水性の非アシル置換基を導入することで湿度変動によるレターデーションの変化を抑制したフィルムが提案されている(特許文献3)。
また、炭素数の大きな長鎖アシル基を置換したセルロースアシレートを用いたフィルムが提案されている(特許文献4)。
しかしながら、液晶表示装置においてさらなる表示品位の向上が求められており、このためこれに用いるセルロースアシレートフィルムについても前述の観点でさらなる性能の向上が求められている。
特開2005−352620号公報 欧州特許出願公開第911656号明細書 特開2006−335842号公報 特開2006−249221号公報
上記問題点に鑑み本発明の目的は、湿度変動による面内のレターデーション(Re)および厚み方向のレターデーション(Rth)の変化が少なく、溶剤組成の変化に対して白濁を生じにくく、かつRe、Rthおよび波長分散を幅広い範囲で自由に制御できるセルロース体フィルム、それを形成するセルロース体組成物、セルロース体フィルムを用いた位相差フィルム、光学補償フィルム、偏光板、及び画像表示装置の提供を目的とする。
本発明者等は上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、炭素数5から炭素数30の脂肪族アシル基と炭素数2から炭素数4の脂肪族アシル基を有するセルロース体を用いることで、湿度変動による面内のレターデーション(Re)および厚み方向のレターデーション(Rth)の変化が少ないセルロース体フィルムを得られることを見出した。
本発明者等がさらに鋭意検討した結果、炭素数5から炭素数30の脂肪族アシル基をグルコース単位の2、3位の水酸基について、より多く置換することによりフィルム製膜時の溶剤組成が変化しても白濁を生じさせないことを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は下記の構成よりなる。
〔1〕
炭素数5から炭素数30の脂肪族アシル基(A)と炭素数2から炭素数4の脂肪族アシル基(B)を有し、前記脂肪族アシル基(A)の置換度が下記式(I)を満たすセルロース体を含有するセルロース体組成物。
式(I) DSA6/DSA2+DSA3+DSA6<0.5
(式中、DSA2はグルコース単位の2位の水酸基の前記アシル基(A)による置換度であり、DSA3はグルコース単位の3位の水酸基の前記アシル基(A)による置換度であり、DSA6はグルコース単位の6位の水酸基の前記アシル基(A)による置換度である。)
〔2〕
前記アシル基(B)がアセチル基である〔1〕に記載のセルロース体組成物。
〔3〕
〔1〕または〔2〕に記載のセルロース体組成物により形成されたセルロース体フィルム。
〔4〕
〔3〕に記載のセルロース体フィルムからなる位相差フィルム。
〔5〕
〔3〕に記載のセルロース体フィルムまたは〔4〕に記載の位相差フィルム上に、液晶性化合物を配向させて形成した光学異方性層を有することを特徴とする光学補償フィルム。
〔6〕
偏光膜と該偏光膜を挟持する2枚の保護フィルムとからなる偏光板であって、2枚の保護フィルムの少なくとも一方が、〔3〕に記載のセルロース体フィルム、〔4〕に記載の位相差フィルムまたは〔5〕に記載の光学補償フィルムのいずれかを少なくとも1枚含む偏光板。
〔7〕
〔3〕に記載のセルロース体フィルム、〔4〕記載の位相差フィルム、〔5〕に記載の光学補償フィルム、〔6〕に記載の偏光板のいずれかを少なくとも1枚含む画像表示装置。
本発明のセルロース体組成物は、製膜時に白濁を生じにくく、湿度変動による面内のレターデーション(Re)および厚み方向のレターデーション(Rth)の変化が少ないセルロース体フィルムを得ることができる。かつ、Re、Rthおよび波長分散を幅広い範囲で自由に制御できるという優れた効果を奏する。本発明のセルロース体フィルムは、位相差フィルム、光学補償シート、偏光板、画像表示装置等に好適に用いることができ優れた表示性能を発揮することができる。
以下に、本発明の内容について詳細に説明する。
〔セルロース体組成物〕
本発明のセルロース体組成物は、炭素数5から炭素数30の脂肪族アシル基(A)と炭素数2から炭素数4の脂肪族アシル基(B)を有し、前記脂肪族アシル基(A)の置換度が下記式(I)を満たすセルロース体を含有する。
式(I) DSA6/DSA2+DSA3+DSA6<0.5
(式中、DSA2はグルコース単位の2位の水酸基の前記アシル基(A)による置換度(以下、「2位の(A)置換度」とも言う)であり、DSA3はグルコース単位の3位の水酸基の前記アシル基(A)による置換度(以下、「3位の(A)置換度」とも言う)であり、DSA6はグルコース単位の6位の水酸基の前記アシル基(A)による置換度である(以下、「6位の(A)置換度」とも言う)。)
本発明における脂肪族アシル基(A)は炭素数5から炭素数30のアシル基であり、直鎖、分岐あるいは環状構造や不飽和結合を含んでいてもよく、特に限定されない。好ましくは炭素数5から炭素数20、より好ましくは炭素数6から炭素数18、最も好ましくは炭素数8から炭素数18のアシル基である。具体例としては、ペンタノイル基,、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基、ノナノイル基、デカノイル基、ウンデカノイル基、ドデカノイル基、トリデカノイル基、テトラデカノイル基、ペンタテトラデカノイル基、ヘキサデカノイル基、ヘプタデカノイル基、オクタデカノイル基、ノナデカノイル基、エイコサノイル基、ヘンエイコサノイル基、ドコサノイル基、トリコサノイル基、テトラコサノイル基、ヘキサコサノイル基、ヘプタコサノイル基、オクタコサノイル基、トリアコサノイル基、2−エチルブチリル基、2,2−ジメチルブチリル基、t−ブチルアセチル基、2−メチルバレリル基、3−メチルバレリル基、4−メチルバレリル基、2−プロピルペンタノイル基、2−メチルヘキサノイル基、2−エチルヘキサノイル基、2−メチルー2−ペンテノイル基、2,2−ジメチルペンテノイル基、2−オクテノイル基、シトロネリル基、ウンデシレノイル基、ミリストレイル基、パルミトレイル基、オレイル基、エライジル基、エイコセノイル基、エルシル基、ネルボニル基、2,4−ペンダジエノイル基、2,4−ヘキサジエノイル基、2,6−ペンタジエノイル基、ゲラニル基、リノレイル基、11,14−エイコサジエノイル基、リノレニル基、8,11,14−エイコサトリエノイル基、アラチドニル基、5,8,11,14,17−エイコサペンタエノイル基、4,7,10,13,16,19−ドコサヘキサノイル基、シクロブチルアセチル基、シクロペンタノイル基、シクロペンチルアセチル基、シクロペンチルプロピオニル基、シクロヘキサノイル基、シクロヘキシルアセチル基、シクロヘキシルプロピオニル基、シクロヘキシルブチリル基、シクロヘキシルペンタノイル基、ジシクロヘキシルアセチル基、1−メチルー1−シクロヘキサンカルボニル基、2−メチルー1−シクロヘキサンカルボニル基、3−メチルー1−シクロヘキサンカルボニル基、4−メチルー1−シクロヘキサンカルボニル基、4−t−ブチルー1−シクロヘキサンカルボニル基、4−ペンチル−1−シクロヘキサンカルボニル基、4−メチルーシクロヘキサンアセチル基、シクロヘプタイル基、2−ノルボルネンアセチル基、4−ペンチルビシクロ[2,2,2]オクタンー1−カルボニル基、3−オクソトリシクロ[2,2,1,0(2,6)]−ヘプタン−7−カルボニル基、3−ノルアダマンタンカルボニ基、1−アダマンタンカルボニル基、1−アダマンタンアセチル基、1−シクロペンテンー1−カルボニル基、1−シクロペンテンー1−アセチル基、1−シクロヘキセンー1−カルボニル基、1―メチル−2−シクロヘキセンー1−カルボニル基などを挙げることができる。
これらの中でも好ましくはペンタノイル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基、ノナノイル基、デカノイル基、ウンデカノイル基、ドデカノイル基、トリデカノイル基、テトラデカノイル基、ペンタテトラデカノイル基、ヘキサデカノイル基、ヘプタデカノイル基、オクタデカノイル基、ノナデカノイル基、2−エチルブチリル基、2,2−ジメチルブチリル基、t−ブチルアセチル基、2−メチルバレリル基、3−メチルバレリル基、4−メチルバレリル基、2−プロピルペンタノイル基、2−メチルヘキサノイル基、2−エチルヘキサノイル基、2−メチルー2−ペンテノイル基、2,2−ジメチルペンテノイル基、2−オクテノイル基、シトロネリル基、ウンデシレノイル基、ミリストレイル基、パルミトレイル基、オレイル基、シクロブチルアセチル基、シクロペンタノイル基、シクロペンチルアセチル基、シクロペンチルプロピオニル基、シクロヘキサノイル基、シクロヘキシルアセチル基、シクロヘキシルプロピオニル基、シクロヘキシルブチリル基、シクロヘキシルペンタノイル基、ジシクロヘキシルアセチル基、1−メチルー1−シクロヘキサンカルボニル基、2−メチルー1−シクロヘキサンカルボニル基、3−メチルー1−シクロヘキサンカルボニル基、4−メチルー1−シクロヘキサンカルボニル基、4−t−ブチルー1−シクロヘキサンカルボニル基、4−ペンチル−1−シクロヘキサンカルボニル基、4−メチルーシクロヘキサンアセチル基挙げることができる。
さらに好ましくはペンタノイル基,、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基、ノナノイル基、デカノイル基、ウンデカノイル基、ドデカノイル基、ヘキサデカノイル基、ヘプタデカノイル基、オクタデカノイル基、ノナデカノイル基、2−エチルブチリル基、2,2−ジメチルブチリル基、t−ブチルアセチル基、2−メチルバレリル基、3−メチルバレリル基、4−メチルバレリル基、2−プロピルペンタノイル基、2−メチルヘキサノイル基、2−エチルヘキサノイル基、ウンデシレノイル基、ミリストレイル基、パルミトレイル基、オレイル基、シクロペンタノイル基、シクロペンチルアセチル基、シクロペンチルプロピオニル基、シクロヘキサノイル基、シクロヘキシルアセチル基、シクロヘキシルプロピオニル基、シクロヘキシルブチリル基、シクロヘキシルペンタノイル基、ジシクロヘキシルアセチル基、4−t−ブチルー1−シクロヘキサンカルボニル基、4−ペンチル−1−シクロヘキサンカルボニル基、4−メチルーシクロヘキサンアセチル基挙げることができる。
より好ましくは、ヘキサノイル基、オクタノイル基、ノナノイル基、デカノイル基、ドデカノイル基、ヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基、2−エチルブチリル基、2,2−ジメチルブチリル基、t−ブチルアセチル基、2−メチルバレリル基、3−メチルバレリル基、4−メチルバレリル基、2−エチルヘキサノイル基、パルミトレイル基、オレイル基、シクロヘキサノイル基、シクロヘキシルアセチル基、シクロヘキシルプロピオニル基、シクロヘキシルブチリル基、4−t−ブチルー1−シクロヘキサンカルボニル基、4−ペンチル−1−シクロヘキサンカルボニル基である。
最も好ましくは、オクタノイル基、ヘキサノイル基、ドデカノイル基である。
本発明における炭素数2から炭素数4の脂肪族アシル基(B)としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基を挙げることができ、好ましくはアセチル基である。
さらに本発明に用いられるセルロース体は下記式(I)を満たす。
式(I):DSA6/DSA2+DSA3+DSA6<0.5
(式中、DSA2はグルコース単位の2位の水酸基の前記アシル基(A)による置換度(以下、「2位の(A)置換度」とも言う)であり、DSA3は3位の水酸基の前記アシル基(A)による置換度(以下、「3位の(A)置換度」とも言う)であり、DSA6は6位の水酸基の前記アシル基(A)による置換度である(以下、「6位の(A)置換度」とも言う)。)
セルロースを構成するβー1,4結合しているグルコース単位は2位、3位及び6位に遊離の水酸基を有している。本発明において置換度とは、2位、3位及び6位の水酸基のいずれかが特定の置換基に置換されている割合を示す。2位、3位及び6位の水酸基がすべて置換基に置換されたとき置換度は3.0となる。
本発明において置換基の置換度は、Cellulose Communication 6,73−79 (1999)およびChrality 12(9),670−674に書かれている方法を用いて、H−NMRあるいは13C−NMRにより、決定することが出来る。
本発明に用いられるセルロース体は好ましくは下記式(Ia)、さらに好ましくは下記式(Ib)、最も好ましくは下記式(Ic)を満たす。
式(Ia):DSA6/DSA2+DSA3+DSA6<0.6
式(Ib):DSA6/DSA2+DSA3+DSA6≦0.75
式(Ic):DSA6/DSA2+DSA3+DSA6=1
DSA6/DSA2+DSA3+DSA6を上記の範囲とすることで製膜時の溶剤組成の変化に対して白濁を生じにくくなるため好ましい。
また、本発明に用いられるセルロース体は下記式(II)を満たすことが好ましい。さらに好ましくは下記式(IIa)、最も好ましくは下記式(IIb)を満たす。
式(II):2.2<DSA+DSB≦3.0
式(IIa):2.5≦DSA+DSB≦3.0
式(IIb):2.7≦DSA+DSB≦3.0
(式中、DSAはセルロースの水酸基の水素原子を置換している炭素数5から炭素数30の脂肪族アシル基(A)の置換度であり、DSAは前記DSA2、DSA3、およびDSA6の和で表される。またDSBはセルロースの水酸基の水素原子を置換している炭素数2から炭素数4の脂肪族アシル基(B)の置換度である。)
DSA+DSBを2.7以上とすることにより、セルロース体フィルムの含水率が低下し、湿度変動に伴う光学特性の変化を充分に小さくできるため好ましい。
本発明において、セルロース体とは、セルロースを原料として生物的あるいは化学的に官能基を導入して得られるセルロース骨格を有する化合物をいい、セルロースアシレートが好ましい。。本発明に用いられるセルロース体の原料となるセルロースとしては、綿花リンタ、木材パルプ(広葉樹パルプ、針葉樹パルプ)などの天然セルロースはもとより、微結晶セルロースなど木材パルプを酸加水分解して得られる重合度の低い(重合度100〜300)セルロースでも使用することができ、場合により混合して使用してもよい。これらの原料セルロースについての詳細な記載は、例えば「プラスチック材料講座(17)繊維素系樹脂」(丸澤、宇田著、日刊工業新聞社、1970年発行)や発明協会公開技報2001−1745(7頁〜8頁)および「セルロースの事典(523頁)」(セルロース学会編、朝倉書店、2000年発行)に記載のセルロースを用いることができ特に限定されるものではない。
本発明に用いられるセルロース体の平均重合度は10〜1500であり、好ましくは50〜1000、最も好ましくは100〜500である。平均重合度を500以下とすることにより、セルロース体のドープ溶液の粘度が高くなり過ぎず、流延によるフィルム製造が容易になる傾向にある。また、重合度を140以上とすることにより、作製したフィルムの強度がより向上する傾向にあり好ましい。平均重合度は、宇田らの極限粘度法(宇田和夫、斉藤秀夫著、「繊維学会誌」、第18巻、第1号、105〜120頁、1962年)により測定できる。具体的には、特開平9−95538号公報に記載の方法に従って測定することができる。
本発明に用いられるセルロース体は、例えばアルドリッチ社製セルロースアセテート(アセチル置換度2.45)、もしくはダイセル社製セルロースアセテート(アセチル置換度2.41(商品名:L−70)、2.15(商品名:FL−70))を出発原料として、対応する酸クロリドとの反応により得ることができる。
本発明のセルロース体組成物は、セルロース体を組成物全体の70重量%以上含むことが好ましく、より好ましくは80重量%以上含み、最も好ましくは90重量%以上含む。
本発明のセルロース体組成物は粒子状、粉末状、繊維状、塊状、溶液、溶融物、フィルムなど種々の形状を取ることができる。
フィルム製造の原料としては粒子状または粉末状であることが好ましいことから、乾燥後のセルロースアシレート組成物は、粒子サイズの均一化や取り扱い性の改善のために、粉砕や篩がけを行ってもよい。セルロースアシレート組成物が粒子状であるとき、使用する粒子の90質量%以上は、0.5〜5mmの粒子サイズを有することが好ましい。また、使用する粒子の50質量%以上が1〜4mmの粒子サイズを有することが好ましい。セルロースアシレート組成物粒子は、なるべく球形に近い形状を有することが好ましい。また、本発明のセルロースアシレート組成物は、見かけ密度が好ましくは0.5〜1.3g/cm3、さらに好ましくは0.7〜1.2g/cm3、特に好ましくは0.8〜1.15g/cm3である。見かけ密度の測定法に関しては、JIS K−7365に規定されている。
本発明において、セルロース体は1種類のみを用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。また、セルロース体以外の高分子成分や、各種添加剤を適宜混合することもできる。混合される成分はセルロース体との相溶性に優れるものが好ましく、フィルムにしたときの透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、特に好ましくは92%以上となるようにすることが好ましい。
<添加剤>
本発明に係るセルロース体組成物には、各調製工程において用途に応じた種々の添加剤(例えば、可塑剤、紫外線防止剤、劣化防止剤、レターデーション(光学異方性)調節剤、微粒子、剥離促進剤、赤外吸収剤、など)を加えることができ、それらは固体でもよく油状物でもよい。すなわち、その融点や沸点において特に限定されるものではない。例えば20℃以下と20℃以上の紫外線吸収材料の混合や、同様に可塑剤の混合などであり、例えば特開平2001−151901号公報などに記載されている。剥離促進剤としてはクエン酸のエチルエステル類が例として挙げられる。さらにまた、赤外吸収染料としては例えば特開平2001−194522号公報に記載されている。またその添加する時期はドープ作製工程中の何れの段階で添加しても良いが、ドープ調製工程の最後の調製工程に添加剤を添加し調製する工程を加えて行ってもよい。更にまた、各素材の添加量は、機能が発現する限りにおいて特に限定されない。また、セルロースアシレートフィルムが多層に形成される場合、各層の添加物の種類や添加量が異なってもよい。その例は、特開平2001−151902号公報などにも記載されているが、これらは従来から知られている技術である。これら添加剤の種類や添加量の選択によって、セルロースアシレートフィルムのガラス転移温度Tgを80〜180℃に、引張試験機で測定する弾性率を900〜4000MPaに調整することが好ましく、1200〜3000MPaに調製することがより好ましい。
さらにこれらの詳細は、発明協会公開技報公技番号2001−1745号(2001年3月15日発行、発明協会)にて16頁以降に詳細に記載されている素材が好ましく用いられる。
本発明のセルロース体フィルムは、前述のセルロース体と必要に応じて添加剤とを有機溶媒に溶解させた溶液(セルロース体組成物)を用いてフィルム化することにより得ることができる。
(セルロースアシレート溶液の有機溶媒)
本発明では、ソルベントキャスト法によりセルロースアシレートフィルムを製造することが好ましく、セルロースアシレートを有機溶媒に溶解した溶液(ドープ)を用いてフィルムは製造される。本発明の主溶媒として好ましく用いられる有機溶媒は、炭素原子数が3〜12のエステル、ケトン、エーテル、および炭素原子数が1〜7のハロゲン化炭化水素から選ばれる溶媒が好ましい。エステル、ケトンおよび、エーテルは、環状構造を有していてもよい。エステル、ケトンおよびエーテルの官能基(すなわち、−O−、−CO−および−COO−)のいずれかを二つ以上有する化合物も、主溶媒として用いることができ、たとえばアルコール性水酸基のような他の官能基を有していてもよい。二種類以上の官能基を有する主溶媒の場合、その炭素原子数はいずれかの官能基を有する化合物の規定範囲内であればよい。
以上本発明のセルロースアシレートフィルムに対しては塩素系のハロゲン化炭化水素を主溶媒としても良いし、発明協会公開技報2001−1745(12頁〜16頁)に記載されているように、非塩素系溶媒を主溶媒としても良く、本発明のセルロースアシレートフィルムに対しては特に限定されるものではない。
炭素数5から炭素数30の脂肪族アシル基を有するセルロースアシレートを溶解する際、通常は置換基の種類や置換度によって最適な溶媒が異なり、最適な溶媒組成の幅も狭い。たとえば炭素数18以上の脂肪族アシル基を有するセルロースアシレートを溶解する際はハロゲン化炭化水素のみを溶媒とせねばならず、セルローストリアセテートのようにアルコール系溶媒を添加するとフィルムが白濁し、光学フィルムとして使用できない。また、炭素数5から12程度の脂肪族アシル基を有するセルロースアシレートを溶解する際はハロゲン系溶媒のほかに、炭素数1〜3のアルコール系溶媒と炭素数4〜6のアルコール系溶媒を混合して使用しなければならず、混合比も数%異なるだけで白濁が生じる。本発明のセルロースアシレートはこの問題を解決し、前述のような多様な溶媒を用いて溶解を行うことができる。
その他、本発明のセルロースアシレート溶液及びフィルムについての溶媒は、その溶解方法も含め以下の特許に開示されており、好ましい態様である。それらは、例えば、特開2000−95876号公報、特開平12−95877号公報、特開平10−324774号公報、特開平8−152514号公報、特開平10−330538号公報、特開平9−95538号公報、特開平9−95557号公報、特開平10−235664号公報、特開平12−63534号公報、特開平11−21379号公報、特開平10−182853号公報、特開平10−278056号公報、特開平10−279702号公報、特開平10−323853号公報、特開平10−237186号公報、特開平11−60807号公報、特開平11−152342号公報、特開平11−292988号公報、特開平11−60752号公報、特開平11−60752号公報などに記載されている。これらの特許によると本発明のセルロースアシレートに好ましい溶媒だけでなく、その溶液物性や共存させる共存物質についても記載があり、本発明においても好ましい態様である。
[溶解工程]
本発明のセルロースアシレート溶液(ドープ)の調製は、その溶解方法は特に限定されず、室温でもよくさらには冷却溶解法あるいは高温溶解方法、さらにはこれらの組み合わせで実施される。本発明におけるセルロースアシレート溶液の調製、さらには溶解工程に伴う溶液濃縮、ろ過の各工程に関しては、発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて22頁〜25頁に詳細に記載されている製造工程が用いられる。
本発明で好ましい溶解方法の一例は加圧高温溶解である。特開平5−163301に記されているように、セルロースアシレートを溶剤中に投入し、常圧10〜35℃で20〜180分間撹拌した後、この溶液をギアポンプで熱交換器に送り60℃以上に加熱加圧し完全溶液化し、更に冷却熱交換機で室温まで冷却する方法である。加熱温度は60から120℃が好ましく、70から100℃が更に好ましい。その際溶解温度における溶剤の蒸気圧分の圧力がかかる。加熱時間は1分以上が必要であり、10分〜6時間加熱することが好ましい。30分〜3時間加熱することがさらに好ましい。溶液中のセルロースアシレートの濃度は12から30質量%が好ましく、14から25質量%が更に好ましい。濃度を高くすると溶解が難しくなり、濃度が低いと粘度が低くて流延が難しくなったり、濃縮に負担がかかったりして好ましくない。従って15から20質量%が特に好ましい。
各成分は予め粗混合してから容器に入れてもよい。また、順次容器に投入してもよい。容器は撹拌できるように構成されている必要がある。窒素ガス等の不活性気体を注入して容器を加圧することができる。また、加熱による溶媒の蒸気圧の上昇を利用してもよい。あるいは、容器を密閉後、各成分を圧力下で添加してもよい。
加熱する場合、容器の外部より加熱することが好ましい。例えば、ジャケットタイプの加熱装置を用いることができる。また、容器の外部にプレートヒーターを設け、配管して液体を循環させることにより容器全体を加熱することもできる。
容器内部に撹拌翼を設けて、これを用いて撹拌することが好ましい。撹拌翼は、容器の壁付近に達する長さのものが好ましい。撹拌翼の末端には、容器の壁の液膜を更新するため、掻取翼を設けることが好ましい。
容器には、圧力計、温度計等の計器類を設置してもよい。容器内で各成分を溶剤中に溶解する。調製したドープは冷却後容器から取り出すか、あるいは、取り出した後、熱交換器等を用いて冷却する。
[冷却工程]
上記ドープを、加熱工程の前に、−100〜−10℃に冷却する冷却工程を行うことも、光学的性質が良好なフィルムを得るために有効である。常温で容易に溶解し得ない系と、不溶解物の多くなる系では、冷却または加熱あるいは両者を組み合わせて用いると、良好なドープを調製できる。冷却することにより、セルロースアシレート中に溶媒を急速かつ有効に浸透せしめることができ溶解が促進される。有効な温度条件は−100〜−10℃である。冷却工程においては、冷却時の結露による水分混入を避けるため、密閉容器を用いることが望ましい。また、冷却時に減圧すると、冷却時間を短縮することができる。減圧を実施するためには、耐圧性容器を用いることが望ましい。また、この冷却工程は、上記加熱工程の後に実施することも本発明において有効である。なお、溶解が不充分である場合は、冷却工程から加熱工程までを繰り返して実施してもよい。
流延に先立って金網積層体、焼結金属、織布、不織布あるいは紙などからなるろ材を用いて、未溶解物やゴミ、不純物などを除去しておく。セルロースアシレート溶液のろ過は絶対ろ過精度が1から100μmのフィルターを用いることが好ましい。ろ過はろ過精度の大きなフィルターから複数段に渡って順次細かなフィルターでろ過してもよい。好ましい最終段階のろ材のろ過精度は1から50μmである。3から20μmのろ材が更に好ましい。ろ過圧力は1.6MPa以下が好ましく、より好ましくは1.2MPa以下であり、1MPa以下が特に好ましい。ろ過圧が低いのは問題ないが、高すぎるとろ材の破損の恐れが高くなったり、不純物や不溶解物が漏れる可能性が大きくなり、好ましくない。流延前にドープを濃縮するときは、濃縮前に一度はろ過することが望ましい。
(流延)
溶液の流延方法としては、調製されたドープを加圧ダイから金属支持体上に均一に押し出す方法、一旦金属支持体上に流延されたドープをブレードで膜厚を調節するドクターブレードによる方法、或いは逆回転するロールで調節するリバースロールコーターによる方法等があるが、加圧ダイによる方法が好ましい。加圧ダイにはコートハンガータイプやTダイタイプ等があるがいずれも好ましく用いることができる。また、ここで挙げた方法以外にも従来知られているセルローストリアセテート溶液を流延製膜する種々の方法で実施でき、用いる溶媒の沸点等の違いを考慮して各条件を設定することによりそれぞれの公報に記載の内容と同様の効果が得られる。本発明のセルロースアシレートフィルムを製造するのに使用されるエンドレスに走行する金属支持体としては、表面がクロムメッキによって鏡面仕上げされたドラムや表面研磨によって鏡面仕上げされたステンレスベルト(バンドといってもよい)が用いられる。本発明のセルロースアシレートフィルムの製造に用いられる加圧ダイは、金属支持体の上方に1基或いは2基以上の設置でもよい。好ましくは1基または2基である。2基以上設置する場合には流延するドープ量をそれぞれのダイに種々な割合にわけてもよく、複数の精密定量ギヤアポンプからそれぞれの割合でダイにドープを送液してもよい。流延に用いられるセルロースアシレート溶液の温度は、−10〜55℃が好ましく、より好ましくは25〜50℃である。その場合、工程のすべてが同一温度でもよく、あるいは工程の各所で異なっていてもよい。異なる場合は、流延直前で所望の温度であればよい。
(乾燥)
セルロースアシレートフィルムの製造に係わる金属支持体上におけるドープの乾燥は、一般的には金属支持体(ドラム或いはベルト)の表面側、つまり金属支持体上にあるウェブの表面から熱風を当てる方法、ドラム或いはベルトの裏面から熱風を当てる方法、温度コントロールした液体をベルトやドラムのドープ流延面の反対側である裏面から接触させて、伝熱によりドラム或いはベルトを加熱し表面温度をコントロールする液体伝熱方法などがあるが、裏面液体伝熱方式が好ましい。流延される前の金属支持体の表面温度はドープに用いられている溶媒の沸点以下であれば何度でもよい。しかし乾燥を促進するためには、また金属支持体上での流動性を失わせるためには、使用される溶媒の内の最も沸点の低い溶媒の沸点より1〜10度低い温度に設定することが好ましい。尚、流延ドープを冷却して乾燥することなく剥ぎ取る場合はこの限りではない。
ソルベントキャスト法における乾燥方法については、米国特許2336310号、同2367603号、同2492078号、同2492977号、同2492978号、同2607704号、同2739069号、同2739070号、英国特許640731号、同736892号の各明細書、特公昭45−4554号、同49−5614号、特開昭60−176834号、同60−203430号、同62−115035号の各公報に記載がある。バンドまたはドラム上での乾燥は空気、窒素などの不活性ガスを送風することにより行なうことができる。
得られたフィルムをドラムまたはバンドから剥ぎ取り、さらに100から160℃まで逐次温度を変えた高温風で乾燥して残留溶剤を蒸発させることもできる。以上の方法は、特公平5−17844号公報に記載がある。この方法によると、流延から剥ぎ取りまでの時間を短縮することが可能である。この方法を実施するためには、流延時のドラムまたはバンドの表面温度においてドープがゲル化することが必要である。
本発明に用いるセルロースアシレートフィルムの製造に用いる巻き取り機は一般的に使用されているものでよく、定テンション法、定トルク法、テーパーテンション法、内部応力一定のプログラムテンションコントロール法などの巻き取り方法で巻き取ることができる。
[セルロースアシレートフィルムのガラス転移温度]
セルロースアシレートフィルムのガラス転移温度の測定はJIS規格K7121記載の方法によりおこなうことができる。
本発明のセルロースアシレートフィルムのガラス転移温度は80℃以上200℃以下が好ましく、100℃以上170℃以下がさらに好ましい。ガラス転移温度は可塑剤、溶剤等の低分子化合物を含有させることにより低下させることが可能である。
[フィルムの厚み]
本発明のセルロースアシレートフィルムの厚み(乾燥膜厚)は、20μm以上180μm以下が好ましく、25μm以上140μm以下がさらに好ましく。35μm以上110μm以下が最も好ましい。
[平衡含水率]
含水率の測定法は、本発明のセルロースアシレートフィルム試料7mm×35mmを水分測定器、試料乾燥装置(アクアカウンターAQ−200、LE−20S、共に平沼産業(株))にてカールフィッシャー法で測定する。水分量(g)を試料質量(g)で除して算出する。
本発明のセルロースアシレートフィルムの平衡含水率は、25℃80%RHにおける平衡含水率が0〜3%であることが好ましい。0.1〜2%であることがより好ましく、0.3〜1.5%であることが特に好ましい。3%以上の平衡含水率であると、光学補償フィルムの支持体として用いる際にレターデーションの湿度変化による依存性が大きく、光学補償性能が低下するため好ましくない。
[セルロースアシレートフィルムの弾性率]
セルロースアシレートフィルムの弾性率は引っ張り試験により求めることができる。本発明のセルロースアシレートフィルムは幅方向あるいは流延方向の少なくともひとつの方向が0.9GPa以上6.0GPa以下が好ましく、1.2GPa以上5.0GPa以下がさらに好ましく2.0GPa以上4.5GPa以下が最も好ましい。
(延伸処理)
本発明のセルロースアセテートフィルムは、延伸処理によりレターデーションを調整することができる。更には、積極的に幅方向に延伸する方法もあり、例えば、特開昭62−115035号、特開平4−152125号、特開平4−284211号、特開平4−298310号、および特開平11−48271号の各公報などに記載されている。これは、セルロースアシレートフィルムの面内レターデーション値を高い値とするためには、製造したフィルムが延伸される。
フィルムの延伸は、常温または加熱条件下で実施する。加熱温度は、フィルムのガラス転移温度以下であることが好ましい。フィルムの延伸は、縦あるいは横だけの一軸延伸でもよく同時あるいは逐次2軸延伸でもよい。延伸は1〜300%の延伸が行われる。好ましくは1〜200%の延伸が、特に好ましくは1から100%延伸を行う。光学フィルムの複屈折は幅方向の屈折率が長さ方向の屈折率よりも大きくなることが好ましい。従って幅方向により多く延伸することが好ましい。また、延伸処理は製膜工程の途中で行ってもよいし・BR>A製膜して巻き取った原反を延伸処理しても良い。前者の場合には残留溶剤量を含んだ状態で延伸を行っても良く、残留溶剤量が2乃至30%で好ましく延伸することができる。
[セルロース体フィルムの光学特性]
本明細書において、Re(λ)、Rth(λ)は各々、波長λにおける面内のレターデーションおよび厚さ方向のレターデーションを表す。Re(λ)はKOBRA 21ADHまたはWR(王子計測機器(株)製)において波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。
測定されるフィルムが1軸または2軸の屈折率楕円体で表されるものである場合には、以下の方法によりRth(λ)は算出される。
Rth(λ)は前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADHまたはWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)のフィルム法線方向に対して法線方向から片側50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて全部で6点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADHまたはWRが算出する。
上記において、法線方向から面内の遅相軸を回転軸として、ある傾斜角度にレターデーションの値がゼロとなる方向をもつフィルムの場合には、その傾斜角度より大きい傾斜角度でのレターデーション値はその符号を負に変更した後、KOBRA 21ADHまたはWRが算出する。
尚、遅相軸を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)、任意の傾斜した2方向からレターデーション値を測定し、その値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基に、以下の数式(1)及び数式(2)よりRthを算出することもできる。
数式(1)
Figure 2008248030
上記のRe(θ)は法線方向から角度θ傾斜した方向におけるレターデーション値をあらわす。
数式(1)におけるnxは面内における遅相軸方向の屈折率を表し、nyは面内においてnxに直交する方向の屈折率を表し、nzはnx及びnyに直交する方向の屈折率を表す。dはフィルムの膜厚を表す。
数式(2)
Figure 2008248030
測定されるフィルムが1軸や2軸の屈折率楕円体で表現できないもの、いわゆる光学軸(optic axis)がないフィルムの場合には、以下の方法によりRth(λ)は算出される。
Rth(λ)は前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADHまたはWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して−50度から+50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて11点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADHまたはWRが算出する。
上記の測定において、平均屈折率の仮定値は ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについてはアッベ屈折計で測定することができる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する: セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADHまたはWRはnx、ny、nzを算出する。この算出されたnx、ny、nzよりNz=(nx−nz)/(nx−ny)が更に算出される。
(表面処理)
本発明のセルロースアシレートフィルムは、場合により表面処理を行うことによって、セルロースアシレートフィルムと各機能層(例えば、下塗層およびバック層)との接着の向上を達成することができる。例えばグロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ処理、火炎処理、酸またはアルカリ処理を用いることができる。ここでいうグロー放電処理とは、10-3〜20Torrの低圧ガス下でおこる低温プラズマでもよく、更にまた大気圧下でのプラズマ処理も好ましい。プラズマ励起性気体とは上記のような条件においてプラズマ励起される気体をいい、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン、窒素、二酸化炭素、テトラフルオロメタンの様なフロン類及びそれらの混合物などがあげられる。これらについては、詳細が発明協会公開技報公技番号2001−1745号(2001年3月15日発行、発明協会)にて30頁〜32頁に詳細に記載されている。なお、近年注目されている大気圧でのプラズマ処理は、例えば10〜1000Kev下で20〜500Kgyの照射エネルギーが用いられ、より好ましくは30〜500Kev下で20〜300Kgyの照射エネルギーが用いられる。これらの中でも特に好ましくは、アルカリ鹸化処理でありセルロースアシレートフィルムの表面処理としては極めて有効である。
アルカリ鹸化処理は、セルロースアシレートフィルムを鹸化液の槽に直接浸漬する方法または鹸化液をセルロースアシレートフィルム塗布する方法で実施することが好ましい。
塗布方法としては、ディップコーティング法、カーテンコーティング法、エクストルージョンコーティング法、バーコーティング法およびE型塗布法を挙げることができる。アルカリ鹸化処理塗布液の溶媒は、鹸化液の透明支持体に対して塗布するために濡れ性が良く、また鹸化液溶媒によって透明支持体表面に凹凸を形成させずに、面状を良好なまま保つ溶媒を選択することが好ましい。具体的には、アルコール系溶媒が好ましく、イソプロピルアルコールが特に好ましい。また、界面活性剤の水溶液を溶媒として使用することもできる。アルカリ鹸化塗布液のアルカリは、上記溶媒に溶解するアルカリが好ましく、KOH、NaOHがさらに好ましい。鹸化塗布液のpHは10以上が好ましく、12以上がさらに好ましい。アルカリ鹸化時の反応条件は、室温で1秒以上10分以下が好ましく、5秒以上7分以下がさらに好ましく、20秒以上5分以下が特に好ましい。アルカリ鹸化反応後、鹸化液塗布面を水洗あるいは酸で洗浄したあと水洗することが好ましい。
〔位相差フィルム〕
本発明のセルロース体フィルムは位相差フィルムとして用いることができる。
また、本発明のセルロース体フィルムに、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)32頁〜45頁に詳細に記載されている機能性層を組み合わせることが好ましい。中でも好ましいのが、偏光膜の付与(偏光板の形成)、光学補償層の付与(光学補償フィルム)、反射防止層の付与(反射防止フィルム)である。
〔光学補償フィルム〕
本発明の光学補償フィルムは、本発明のセルロース体フィルムまたは位相差フィルム上に、液晶性化合物を配向させて形成した光学異方性層を有する。
光学異方性層は、液晶表示装置の黒表示における液晶セル中の液晶化合物を補償するためのものであり、セルロース体フィルムの上に配向膜を形成し、さらに光学異方性を付与することで形成される。
(偏光板の機能化)
本発明の偏光板は、LCDの光学補償フィルム、反射型LCDに適用するためのλ/4板等の位相差フィルム、ディスプレイの視認性向上のための反射防止フィルム、輝度向上フィルムや、ハードコート層、前方散乱層、アンチグレア(防眩)層等の機能層を有する光学フィルムと複合した機能化偏光板として好ましく使用される。
以下に本発明の偏光板と複合して使用される機能性光学フィルムについて説明する。
(1)光学補償フィルム
本発明の偏光板は、TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、OCB(Optically Compensatory Bend)、VA(Vertically Aligned)、ECB(Electrically Controlled Birefringence)のような表示モードに提案されている光学補償フィルムと組み合わせて使用することができる。
TNモード用の光学補償フィルムとしては、日本印刷学会誌第36巻第3号(1999)p.40〜44、月刊ディスプレイ8月号(2002)p.20〜24、特開平4−229828、特開平6−75115、特開平6−214116号、特開平8−50206等に記載されたWVフィルム(富士写真フイルム(株)製)を好ましく組み合わせて使用される。
TNモード用の光学補償フィルムの好ましい構成は、透明なポリマーフィルム上に配向層と光学異方性層をこの順に有したものである。光学補償フィルムは粘着剤を介して偏光板と貼合され、用いられてよいが、SID’00 Dig.、p.551(2000)に記載されているように、前記偏光子の保護フィルムの一方も兼ねて使用されることが薄手化の観点から特に好ましい。
配向層は、有機化合物(好ましくはポリマー)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログループを有する層の形成のような手段で設けることができる。さらに電場の付与、磁場の付与あるいは光照射により配向機能が生じる配向層も知られているが、ポリマーのラビング処理により形成する配向層が特に好ましい。ラビング処理はポリマー層の表面を紙や布で一定方向に数回こすることにより好ましく実施される。偏光子の吸収軸方向とラビング方向は実質的に平行であることが好ましい。配向層に使用するポリマーの種類は、ポリイミド、ポリビニルアルコール、特開平9−152509号公報に記載された重合性基を有するポリマー等を好ましく使用することができる。配向層の厚さは0.01〜5μmであることが好ましく、0.05〜2μmであることがさらに好ましい。
光学異方性層は液晶性化合物を含有していることが好ましい。本発明に使用される液晶性化合物はディスコティック化合物(ディスコティック液晶)を有していることが特に好ましい。ディスコティック液晶分子は、一般式Bで表されるトリフェニレン誘導体ように円盤状のコア部を有し、そこから放射状に側鎖が伸びた構造を有している。また、経時安定性を付与するため、熱、光等で反応する基をさらに導入することも好ましく行われる。上記ディスコティック液晶の好ましい例は特開平8−50206号公報に記載されている。
ディスコティック液晶分子は、配向層付近ではラビング方向にプレチルト角を持ってほぼフィルム平面に平行に配向しており、反対の空気面側ではディスコティック液晶分子が面に垂直に近い形で立って配向している。ディスコティック液晶層全体としては、ハイブリッド配向を取っており、この層構造によってTNモードのTFT−LCDの視野角拡大を実現することができる。
上記光学異方性層は、一般にディスコティック化合物及び他の化合物(更に、例えば重合性モノマー、光重合開始剤)を溶剤に溶解した溶液を配向層上に塗布し、乾燥し、次いでディスコティックネマチック相形成温度まで加熱した後、UV光の照射等により重合させ、さらに冷却することにより得られる。本発明に用いるディスコティック液晶性化合物のディスコティックネマティック液晶相−固相転移温度としては、70〜300℃が好ましく、特に70〜170℃が好ましい。
また、上記光学異方性層に添加するディスコティック化合物以外の化合物としては、ディスコティック化合物と相溶性を有し、液晶性ディスコティック化合物に好ましい傾斜角の変化を与えられるか、あるいは配向を阻害しない限り、どのような化合物も使用することができる。これらの中で、重合性モノマー(例、ビニル基、ビニルオキシ基、アクリロイル基及びメタクリロイル基を有する化合物)、含フッ素トリアジン化合物等の空気界面側の配向制御用添加剤が、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、ヒドロキシプロピルセルロース及びセルロースアセテートブチレート等のポリマーを挙げることができる。これらの化合物は、ディスコティック化合物に対して一般に0.1〜50質量%、好ましくは0.1〜30質量%の添加量にて使用される。
光学異方性層の厚さは、0.1〜10μmであることが好ましく、0.5〜5μmであることがさらに好ましい。
本発明の光学補償フィルムの好ましい態様は、透明基材フィルムとしてのセルロースアシレートフィルム、その上に設けられた配向層、および該配向層上に形成されたディスコティック液晶からなる光学異方性層から構成され、かつ光学異方性層がUV光照射により架橋されている。
また、上記以外にも光学補償フィルムと本発明の偏光板を組み合わせる場合、例えば、特開平07−198942号に記載されているように板面に対し交差する方向に光軸を有して複屈折に異方性を示す位相差板と積層したり、特開2002−258052号に記載されているように保護フィルムと光学異方性層の寸法変化率が実質的に同等とすることも好ましく行うことができる。また、特開平12−258632号に記載されているように光学補償フィルムと貼合される偏光板の水分率を2.4%以下としたり、特開2002−267839号に記載されているように光学補償フィルム表面の水との接触角を70°以下とすることも好ましく行うことができる。
IPSモード液晶セル用光学補償フィルムは、電界無印状態の黒表示時において、基板面に平行配向した液晶分子の光学補償および偏光板の直交透過率の視野角特性向上に用いる。IPSモードは電界無印加状態で黒表示となり、上下一対の偏光板の透過軸は直交している。しかし斜めから観察した場合は、透過軸の交差角が90°ではなくなり、漏れ光が生じてコントラストが低下する。本発明の偏光板をIPSモード液晶セルに用いる場合は、漏れ光を低下するため特開平10−54982号公報に記載されているような面内の位相差が0に近く、かつ厚さ方向に位相差を有する光学補償フィルムと好ましく組み合わせて用いられる。
OCBモードの液晶セル用光学補償フィルムは、電界印加により液晶層中央部で垂直配向し、基板界面付近で傾斜配向した液晶層の光学補償を行い、黒表示の視野角特性を改善するために使用される。本発明の偏光板をOCBモード液晶セルに用いる場合は、米国特許5805253号に記載されたような円盤状の液晶性化合物をハイブリット配向させた光学補償フィルムと好ましく組み合わせて用いられる。
VAモードの液晶セル用光学補償フィルムは、電界無印加状態で液晶分子が基板面に対して垂直配向した状態の黒表示の視野角特性を改善する。このような光学補償フィルムとしては特許番号第2866372号公報に記載されているような面内の位相差が0に近く、かつ厚さ方向に位相差を有するフィルムや、円盤状の化合物が基板に平行に配列したフィルムや、同じ面内レターデーション値を有する延伸フィルムを遅相軸が直交になるように積層配置したフィルムや、偏光板の斜め方向の直交透過率悪化防止のために液晶分子のような棒状化合物からなるフィルムを積層したものと好ましく組み合わせて用いられる。
(ハードコートフィルム、防眩フィルム、反射防止フィルム)
本発明のセルロース体フィルムは、またハードコートフィルム、防眩フィルム、反射防止フィルムへの適用が好ましく実施できる。LCD、PDP、CRT、EL等のフラットパネルディスプレイの視認性を向上する目的で、本発明のセルロースアシレートフィルムの片面または両面にハードコート層、防眩層、反射防止層の何れかあるいは全てを付与することができる。このような防眩フィルム、反射防止フィルムとしての望ましい実施態様は、発明協会公開技報公技番号2001−1745号(2001年3月15日発行、発明協会)の54頁〜57頁に詳細に記載されており、本発明のセルロースアシレートフィルムを好ましく用いることができる。
〔偏光板〕
本発明の偏光板は、偏光膜と該偏光膜を挟持する2枚の保護フィルムとからなる偏光板であって、2枚の保護フィルムの少なくとも一方が、本発明のセルロース体フィルム、位相差フィルムまたは光学補償フィルムのいずれかを少なくとも一枚含む。
偏光板は、偏光子およびその両側に配置された二枚の透明保護膜からなる。一方の保護膜として、本発明のセルロースアシレートフィルムを用いることができ、他方の保護膜は、通常のセルロースアセテートフィルムを用いてもよい。偏光子には、ヨウ素系偏光子、二色性染料を用いる染料系偏光子やポリエン系偏光子がある。ヨウ素系偏光子および染料系偏光子は、一般にポリビニルアルコール系フィルムを用いて製造する。本発明のセルロースアシレートフィルムを偏光板保護膜として用いる場合、偏光板の作製方法は特に限定されず、一般的な方法で作製することができる。得られたセルロースアシレートフィルムをアルカリ処理し、ポリビニルアルコールフィルムを沃素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光子の両面に完全ケン化ポリビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わせる方法がある。アルカリ処理の代わりに特開平6−94915号公報、特開平6−118232号公報に記載されているような易接着加工を施してもよい。保護膜処理面と偏光子を貼り合わせるのに使用される接着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等のポリビニルアルコール系接着剤や、ブチルアクリレート等のビニル系ラテックス等が挙げられる。偏光板は偏光子及びその両面を保護する保護膜で構成されており、更に該偏光板の一方の面にプロテクトフィルムを、反対面にセパレートフィルムを貼合して構成される。プロテクトフィルム及びセパレートフィルムは偏光板出荷時、製品検査時等において偏光板を保護する目的で用いられる。この場合、プロテクトフィルムは、偏光板の表面を保護する目的で貼合され、偏光板を液晶板へ貼合する面の反対面側に用いられる。また、セパレートフィルムは液晶板へ貼合する接着層をカバーする目的で用いられ、偏光板を液晶板へ貼合する面側に用いられる。
本発明のセルロースアシレートフィルムの偏光子への貼り合せ方は、偏光子の透過軸と本発明のセルロースアシレートフィルムの遅相軸を一致させるように貼り合せることが好ましい。なお、偏光板クロスニコル下で作製した偏光板の評価を行なったところ、本発明のセルロースアシレートフィルムの遅相軸と偏光子の吸収軸(透過軸と直交する軸)との直交精度が1°より大きいと、偏光板クロスニコル下での偏光度性能が低下して光抜けが生じることがわかった。この場合、液晶セルと組み合わせた場合に、十分な黒レベルやコントラストが得られないことになる。したがって、本発明のセルロースアシレートフィルムの主屈折率nxの方向と偏光板の透過軸の方向とは、そのずれが1°以内、好ましくは0.5°以内であることが好ましい。
偏光板の単板透過率TT、平行透過率PT、直交透過率CTはUV3100PC(島津製作所社製)を用いた。測定では、380nm〜780nmの範囲で測定し、単板、平行、直交透過率ともに、10回測定の平均値を用いた。偏光板耐久性試験は(1)偏光板のみと(2)偏光板をガラスに粘着剤を介して貼り付けた、2種類の形態で次のように行った。偏光板のみの測定は、2つの偏光子の間に光学補償膜が挟まれるように組み合わせて直交、同じものを2つ用意し測定した。ガラス貼り付け状態のものはガラスの上に偏光板を光学補償膜がガラス側にくるように貼り付けたサンプル(約5cm×5cm)を2つ作成する。単板透過率測定ではこのサンプルのフィルムの側を光源に向けてセットして測定する。2つのサンプルをそれぞれ測定し、その平均値を単板の透過率とする。偏光性能の好ましい範囲としては単板透過率TT、平行透過率PT、直交透過率CTの順でそれぞれ、40.0≦TT≦45、0、30.0≦PT≦40.0、CT≦2.0であり、より好ましい範囲としては41.0≦TT≦44.5、34≦PT≦39.0、CT≦1.3(単位はいずれも%)である。また偏光板耐久性試験ではその変化量はより小さいほうが好ましい。
また、本発明の偏光板は、60℃95%RHに500時間静置させたときの直交単板透過率の変化量ΔCT(%)、偏光度変化量ΔPが下記式(j)、(k)の少なくとも1つ以上を満たしていることが好ましい。
(j)−6.0≦ΔCT≦6.0
(k)−10.0≦ΔP≦0.0
ここで、変化量とは試験後測定値から試験前測定値を差し引いた値である。
この要件を満たすことによって偏光板の使用中あるいは保管中の安定性を確保することができ好ましい。
〔画像表示装置〕
本発明の画像表示装置は、本発明のセルロース体フィルム、位相差フィルム、光学補償フィルム、偏光板のいずれかを少なくとも一枚含む。
(偏光板を使用する画像表示装置)
次に本発明の偏光板が使用される画像表示装置として液晶表示装置を例に挙げて説明する。本発明において液晶表示装置は液晶セルの両側に2枚の偏光板が配置されており、偏光板の少なくとも1枚が本発明の偏光板である。
液晶表示装置は、二枚の電極基板の間に液晶を担持してなる液晶セル、その両側に配置された二枚の偏光素子、および該液晶セルと該偏光素子との間に少なくとも一枚の光学補償フィルムを配置した構成を有している。
液晶セルの液晶層は、通常は、二枚の基板の間にスペーサーを挟み込んで形成した空間に液晶を封入して形成する。透明電極層は、導電性物質を含む透明な膜として基板上に形成する。液晶セルには、さらにガスバリアー層、ハードコート層あるいは(透明電極層の接着に用いる)アンダーコート層(下塗り層)を設けてもよい。これらの層は、通常、基板上に設けられる。液晶セルの基板は、一般に50μm〜2mmの厚さを有する。
(液晶表示装置の種類)
本発明のセルロース体フィルムは、様々な表示モードの液晶セルに用いることができる。TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、AFLC(Anti−ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)、ECB(Electrically Controlled Birefringence)、およびHAN(Hybrid Aligned Nematic)のような様々な表示モードが提案されている。また、上記表示モードを配向分割した表示モードも提案されている。本発明のセルロース体フィルムは、いずれの表示モードの液晶表示装置においても有効である。また、透過型、反射型、半透過型のいずれの液晶表示装置においても有効である。
(TN型液晶表示装置)
本発明のセルロース体フィルムを、TNモードの液晶セルを有するTN型液晶表示装置の光学補償シートの支持体として用いてもよい。TNモードの液晶セルとTN型液晶表示装置については、古くから良く知られている。TN型液晶表示装置に用いる光学補償シートについては、特開平3−9325号、特開平8−50206号、特開平9−26572号の各公報に記載がある。また、モリ(Mori)他の論文(Jpn. J. Appl. Phys. Vol.36(1997)p.143や、Jpn. J. Appl. Phys. Vol.36(1997)p.1068)に記載がある。
(STN型液晶表示装置)
本発明のセルロース体フィルムを、STNモードの液晶セルを有するSTN型液晶表示装置の光学補償シートの支持体として用いてもよい。一般的にSTN型液晶表示装置では、液晶セル中の棒状液晶性分子が90〜360度の範囲にねじられており、棒状液晶性分子の屈折率異方性(Δn)とセルギャップ(d)との積(Δnd)が300〜1500nmの範囲にある。STN型液晶表示装置に用いる光学補償シートについては、特開2000−105316号公報に記載がある。
(VA型液晶表示装置)
本発明のセルロース体フィルムは、VAモードの液晶セルを有するVA型液晶表示装置の光学補償シートの支持体として特に有利に用いられる。VA型液晶表示装置は、例えば特開平10−123576号公報に記載されているような配向分割された方式であっても構わない。
(IPS型液晶表示装置およびECB型液晶表示装置)
本発明のセルロース体フィルムは、IPSモードおよびECBモードの液晶セルを有するIPS型液晶表示装置およびECB型液晶表示装置の光学補償シートの支持体、または偏光板の保護膜としても特に有利に用いられる。これらのモードは黒表示時に液晶材料が略平行に配向する態様であり、電圧無印加状態で液晶分子を基板面に対して平行配向させて、黒表示する。これらの態様において本発明のセルロース体フィルムを用いた偏光板は視野角拡大、コントラストの良化に寄与する。
(OCB型液晶表示装置およびHAN型液晶表示装置)
本発明のセルロース体フィルムは、OCBモードの液晶セルを有するOCB型液晶表示装置あるいはHANモードの液晶セルを有するHAN型液晶表示装置の光学補償シートの支持体としても有利に用いられる。OCB型液晶表示装置あるいはHAN型液晶表示装置に用いる光学補償シートには、レターデーションの絶対値が最小となる方向が光学補償シートの面内にも法線方向にも存在しないことが好ましい。OCB型液晶表示装置あるいはHAN型液晶表示装置に用いる光学補償シートの光学的性質も、光学的異方性層の光学的性質、支持体の光学的性質および光学的異方性層と支持体との配置により決定される。OCB型液晶表示装置あるいはHAN型液晶表示装置に用いる光学補償シートについては、特開平9−197397号公報に記載がある。また、モリ(Mori)他の論文(Jpn. J. Appl. Phys. Vol.38(1999)p.2837)に記載がある。
(反射型液晶表示装置)
本発明のセルロース体フィルムは、TN型、STN型、HAN型、GH(Guest−Host)型の反射型液晶表示装置の光学補償シートとしても有利に用いられる。これらの表示モードは古くから良く知られている。TN型反射型液晶表示装置については、国際公開第98/48320号パンフレット、特許第3022477号公報に記載がある。反射型液晶表示装置に用いる光学補償シートについては、国際公開第00/65384号パンフレットに記載がある。
(その他の液晶表示装置)
本発明のセルロース体フィルムは、ASM(Axially Symmetric Aligned Microcell )モードの液晶セルを有するASM型液晶表示装置の光学補償シートの支持体としても有利に用いられる。ASMモードの液晶セルは、セルの厚さが位置調整可能な樹脂スペーサーにより維持されているとの特徴がある。その他の性質は、TNモードの液晶セルと同様である。ASMモードの液晶セルとASM型液晶表示装置については、クメ(Kume)他の論文(Kume et al., SID 98 Digest 1089 (1998))に記載がある。
(実施例1)
セルロースアセテートを出発原料として、酸クロリドと反応させ、表1に示したセルロース体をそれぞれ得た。以下、各セルロース体の製造について詳しく説明する。
Figure 2008248030
[合成例1:中間体化合物T−1の合成]
メカニカルスターラー、温度計、冷却管、滴下ロートをつけた5Lの三ツ口フラスコに置換度2.95のセルロースアセテートを200g、ジメチルスルホキシド4000mL、水90mLを量り取り、室温で攪拌した。ここに50%ジメチルアミン水溶液(和光純薬)380mLをゆっくりと滴下後、60℃にて10時間攪拌した。反応後、室温に戻るまで放冷し、反応溶液をメタノール20Lへ激しく攪拌しながら投入すると、白色固体が析出した。白色固体を吸引ろ過によりろ別し、大量のメタノールで3回洗浄を行った。得られた白色固体を60℃で終夜乾燥した後、90℃で6時間真空乾燥することにより目的の比較化合物中間体化合物T−1を白色粉体として170g得た。
[合成例2:例示化合物A−1の合成]
メカニカルスターラー、温度計、冷却管、滴下ロートをつけた2Lの三ツ口フラスコに中間体化合物T−1のセルロースアセテートを40g、ピリジン(アルドリッチ社製)400mLを量り取り、室温で攪拌した。ここにオクタノイルクロライド(アルドリッチ社製)16mLをゆっくりと滴下し、50℃にて5時間攪拌した。反応後、室温に戻るまで放冷し、反応溶液をメタノール20Lへ激しく攪拌しながら投入すると、白色固体が析出した。白色固体を吸引ろ過によりろ別し、大量のメタノールで3回洗浄を行った。得られた白色固体を60℃で終夜乾燥した後、90℃で6時間真空乾燥することにより目的の例示化合物A−1を白色粉体として42g得た。
[合成例3:中間体化合物T−2の合成]
ジアセチルセルロース(アセチル置換度2.15)200gをテトラヒドロフラン1500mLに溶解した。ここに、ピリジン215mL、トリフェニルメチルクロリド633gを加え、70℃で11時間攪拌させた。メタノール300mLを添加して発熱が収まるのを確認した後、メタノール7000mLと混合してポリマーを沈殿させ、40−50℃のメタノールで連続洗浄して精製し、中間体化合物T−2を216g得た。
[合成例4:中間体化合物T−3の合成]
先の例示化合物A−1の製造において、40gの中間体化合物T−1を80gのT−2に、オクタノイルクロライド(アルドリッチ社製)36mLをヘキサノイルクロライド(アルドリッチ社製)96mL、に変更する以外は同様にして、以外は同様にして、中間体化合物T−3を白色粉体として82g得た。
[合成例5:例示化合物A−2の合成]
中間体化合物T−3を82g、ジクロロメタン500mLに溶解し、25%臭化水素酸酢酸溶液31質量部を加えた。室温で5分間攪拌した後、70質量部のメタノールに溶解したトリエチルアミン10質量部を加えて、更に20分間攪拌した。メタノールと混合してポリマーを沈殿させ、40〜50℃のメタノールで連続洗浄し、濾過の後、真空乾燥し、例示化合物A−2を40g得た。
[合成例6:中間体化合物T−4の合成]
先の例示化合物A−1の製造において、40gの中間体化合物T−1を80gのT−2に、オクタノイルクロライド(アルドリッチ社製)36mLをラウロイルクロライド(ドデカノイルクロライド)(アルドリッチ社製)192mLに変更する以外は同様にして、以外は同様にして、中間体化合物T−4を白色粉体として82g得た。
[合成例7:例示化合物A−3の合成]
中間体化合物T−4を82g、ジクロロメタン500mLに溶解し、25%臭化水素酸酢酸溶液31質量部を加えた。室温で5分間攪拌した後、70質量部のメタノールに溶解したトリエチルアミン10質量部を加えて、更に20分間攪拌した。メタノールと混合してポリマーを沈殿させ、40〜50℃のメタノールで連続洗浄し、濾過の後、真空乾燥し、例示化合物A−3を45g得た。
[合成例8:例示化合物A−4の合成]
メカニカルスターラー、温度計、冷却管、滴下ロートをつけた3Lの三ツ口フラスコに置換度2.15のセルロースアセテートを40g、ピリジン400mlを量り取り、室温で攪拌した。ここに先の反応で得られたn−オクタノイルクロライド69mLをゆっくりと滴下し、添加後さらに60℃にて6時間攪拌した。反応後、室温に戻るまで放冷し、反応溶液をメタノール10Lへ激しく攪拌しながら投入すると、白色固体が析出した。白色固体を吸引ろ過によりろ別し、大量のメタノールで3回洗浄を行った。得られた白色固体を60℃で終夜乾燥した後、90℃で6時間真空乾燥することにより目的の例示化合物A−4を白色粉体として40g得た。平均重合度は256であった。
[合成例9:中間体化合物T−5の合成]
メカニカルスターラー、温度計、冷却管、滴下ロートをつけた2Lの三ツ口フラスコに置換度2.15のセルロースアセテートを40g、ピリジン18mL(アルドリッチ社製)、アセトン400mLを量り取り、室温で攪拌した。ここにオクタノイルクロライド(アルドリッチ社製)36mLをゆっくりと滴下し、50℃にて5時間攪拌した。反応後、室温に戻るまで放冷し、反応溶液をメタノール20Lへ激しく攪拌しながら投入すると、白色固体が析出した。白色固体を吸引ろ過によりろ別し、大量のメタノールで3回洗浄を行った。得られた白色固体を60℃で終夜乾燥した後、90℃で6時間真空乾燥することにより目的の中間体化合物T−5を白色粉体として41g得た。
[合成例10:比較化合物B−1の合成]
メカニカルスターラー、温度計、冷却管、滴下ロートをつけた3Lの三ツ口フラスコに先の反応で得られた中間体化合物T−5を40g、ピリジン400mL(アルドリッチ社製)、ジクロロメタン400mLを量り取り、室温で攪拌した。ここに無水酢酸400mLをゆっくりと滴下し、ジメチルアミノピリジン0.05gを添加後、50℃にて5時間攪拌した。反応後、室温に戻るまで放冷し、反応溶液をメタノール20Lへ激しく攪拌しながら投入すると、白色固体が析出した。白色固体を吸引ろ過によりろ別し、大量のメタノールで3回洗浄を行った。得られた白色固体を60℃で終夜乾燥した後、90℃で6時間真空乾燥することにより目的の比較化合物B−1を白色粉体として40g得た。
[合成例11:比較化合物B−2の合成]
先の中間体化合物T−5の製造において、置換度2.15のセルロースアセテートを置換度2.42のセルロースアセテートに、オクタノイルクロライド(アルドリッチ社製)36mLをヘキサノイルクロライド(アルドリッチ社製)24mL、ピリジン18mLを14mLに変更する以外は同様にして、目的の比較化合物B−2を白色粉体として40g得た。
[合成例12:比較化合物B−3の合成]
先の中間体化合物T−5の製造において、置換度2.15のセルロースアセテートを置換度2.42のセルロースアセテートに、オクタノイルクロライド(アルドリッチ社製)36mLをラウロイルクロライド(ドデカノイルクロライド)(アルドリッチ社製)40mL、ピリジン18mLを14mLに変更する以外は同様にして、目的の比較化合物B−3を白色粉体として40g得た。
[合成例13:比較化合物B−4の合成]
メカニカルスターラー、温度計、冷却管、滴下ロートをつけた3Lの三ツ口フラスコに置換度2.15のセルロースアセテートを40g、ピリジン36ml、アセトン400mlを量り取り、室温で攪拌した。ここに先の反応で得られたn−ヘキサノイルクロライド(アルドリッチ社製)60mLをゆっくりと滴下し、添加後さらに50℃にて2時間攪拌した。反応後、室温に戻るまで放冷し、反応溶液をメタノール10Lへ激しく攪拌しながら投入すると、白色固体が析出した。白色固体を吸引ろ過によりろ別し、大量のメタノールで3回洗浄を行った。得られた白色固体を60℃で終夜乾燥した後、90℃で6時間真空乾燥することにより目的の例示化合物B−4を白色粉体として39g得た。平均重合度は255であった。
[合成例14:トリアセチルセルロース(中間体化合物T−6)の合成]
メカニカルスターラー、温度計、冷却管、滴下ロートをつけた5Lの三ツ口フラスコに置換度2.93のセルロースアセテートを200g、ピリジン2000mLを量り取り、室温で攪拌した。ここに無水酢酸塩化ベンゾイル(アルドリッチ社製)2000mLをゆっくりと滴下し、ジメチルアミノピリジン0.5gを添加後、40℃にて2時間攪拌した。反応後、室温に戻るまで放冷し、反応溶液をメタノール20Lへ激しく攪拌しながら投入すると、白色固体が析出した。白色固体を吸引ろ過によりろ別し、大量のメタノールで3回洗浄を行った。得られた白色固体を60℃で終夜乾燥した後、90℃で6時間真空乾燥することにより目・BR>Iの中間体化合物T−6を白色粉体として201g得た。
[合成例15:比較化合物B−5の合成]
メカニカルスターラー、温度計、冷却管、滴下ロートをつけた5Lの三ツ口フラスコに先の反応で得られた中間体化合物T−6を200g、ジメチルスルホキシド4000mL、水90mLを量り取り、室温で攪拌した。ここに50%ジメチルアミン水溶液(和光純薬)380mLをゆっくりと滴下後、60℃にて3時間攪拌した。反応後、室温に戻るまで放冷し、反応溶液をメタノール20Lへ激しく攪拌しながら投入すると、白色固体が析出した。白色固体を吸引ろ過によりろ別し、大量のメタノールで3回洗浄を行った。得られた白色固体を60℃で終夜乾燥した後、90℃で6時間真空乾燥することにより目的の比較化合物B−5を白色粉体として180g得た。
[合成例16:中間体化合物T−7の合成]
先の例示化合物A−1の製造において、40gの中間体化合物T−1を80gのT−2に、オクタノイルクロライド(アルドリッチ社製)36mLをアセチルクロライド(アルドリッチ社製)36mLに変更する以外は同様にして、以外は同様にして、中間体化合物T−7を白色粉体として80g得た。
[合成例17:比較化合物B−6の合成]
中間体化合物T−7を80g、ジクロロメタン500mLに溶解し、25%臭化水素酸酢酸溶液31質量部を加えた。室温で5分間攪拌した後、70質量部のメタノールに溶解したトリエチルアミン10質量部を加えて、更に20分間攪拌した。メタノールと混合してポリマーを沈殿させ、40〜50℃のメタノールで連続洗浄し、濾過の後、真空乾燥し、比較化合物B−6を39g得た。
(実施例2)
<セルロース体ドープの調製>
下記の原料をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、溶解し、セルロース体を有するドープを調製した。このときA−1に代えて、セルロース体A−2から4、B−1から7を用い、上記と同様にして処方Aの各セルロース体ドープD1〜11を調製した。
<セルロース体ドープ(処方A)>
セルロース体A−1 100質量部
メチレンクロライド(第一溶媒) 614質量部
さらに、下記の原料をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、溶解し、セルロース体を有するドープを調製した。このときA−1に代えて、セルロース体A−2から4、B−1から7を用い、上記と同様にして処方Bの各セルロース体ドープD12〜22を調製した。
<セルロース体ドープ(処方B)>
セルロース体A−1 100質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 534質量部
メタノール(第2溶媒) 80質量部
さらに下記の原料をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、溶解し、セルロース体を有するドープを調製した。このときA−1に代えて、セルロース体A−2から4、B−1から7を用い、上記と同様にして処方Cの各セルロース体ドープD23〜33を調製した。
<セルロース体ドープ(処方C)>
セルロース体A−1 100質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 510質量部
メタノール(第2溶媒) 80質量部
1−ブタノール(第3溶媒) 25質量部
<セルロース体フィルム試料F1〜33の作製>
セルロース体溶液組成の溶液を、バンド流延機を用いて流延した。テンターでは熱風を当てて乾燥をしながら、幅方向に約20%延伸した後、約5%収縮させ、その後テンター搬送からロール搬送に移行し、更に乾燥し、ナーリングを施し幅1500mmで巻き取った。フィルム試料F1(厚さ:80μm)を作製した。以下、特に断りがなければ、作製したフィルムの厚さはすべて80μmである。次に、同様にして、本発明のフィルム試料F2〜33を作成した。
Figure 2008248030
Figure 2008248030
フィルム試料の評価については、上記で得られた各フィルム試料の一部(120mm×120mm)を取り出し、レタデーション値については“KOBRA 21ADH”(王子計測機器(株)社製)により、25℃10%RHにおける波長590nmの光に対するReおよびRthと25℃80%RHにおける波長590nmの光に対するReおよびRthの差であるΔRe及びΔRthを測定し表2に示した。面状はまったく白濁が見えないものを○、一部に白濁が見られるものを△、全面が白濁したものを×とした。その結果を表2に示す。
表2の結果から、本発明のセルロースアシレートフィルムはレターデーションの湿度による変動幅が小さく、かつ溶剤組成を変更しても白濁が生じにくくなったことがわかる。
(実施例3)
<セルロース体ドープの乾燥速度>
セルロース体ドープD12〜14と、セルロース体ドープD27〜29を、実施例2とまったく同じ条件でバンド流延機を用いて流延した。まったく同じ条件で乾燥し、セルロース体フィルムF34〜39を得た。このセルロース体フィルムを120℃で2時間乾燥し、乾燥前後の重量変化からフィルム中の残留溶媒量を測定した。その結果を表3に示す。
Figure 2008248030
表3に示すように、処方Bの溶剤を用いた本発明のフィルムは乾燥が早く、乾燥負荷が小さく生産性に優れていることがわかる。一方比較例の化合物は表2からわかるように処方Bの溶剤を用いることができないため、乾燥負荷が大きく、生産性に劣ることがわかる。
(実施例4)
[セルロース体フィルムのアルカリ鹸化処理]
作製したセルロース体フィルムF1、F11の片面側に、1.0Nの水酸化カリウム溶液(溶媒:水/イソプロピルアルコール/プロピレングリコール=69.2質量部/15質量部/15.8質量部)を10cc/m2塗布し、約40℃の状態で30秒間保持した後、アルカリ液を掻き取り、純水で水洗し、エアーナイフで水滴を削除した。その後、100℃で15秒間乾燥しフィルムK1、K9を得た。このフィルムK1、K11の純水に対する接触角を求めたところ、42°であった。
(配向膜の作製)
このフィルムK1、K11上に、下記の組成の配向膜塗布液を#16のワイヤーバーコーターで28ml/m2塗布した。60℃の温風で60秒、さらに90℃の温風で150秒乾燥し、配向膜を作製した。
────────────────────────────────────────
配向膜塗布液組成
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下記の変性ポリビニルアルコール 10質量部
水 371質量部
メタノール 119質量部
グルタルアルデヒド(架橋剤) 0.5質量部
クエン酸エステル(三協化学製 AS3) 0.35質量部
────────────────────────────────────────
Figure 2008248030
25℃で60秒間、60℃の温風で60秒間、さらに90℃の温風で150秒間乾燥した。乾燥後の配向膜厚みは1.1μmであった。また、配向膜の表面粗さを原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope、SPI3800N、セイコーインスツルメンツ(株)製)にて測定したところ、1.147nmであった。
(光学異方性層の形成)
配向膜上に、下記の組成の配向膜塗布液を#14のワイヤーバーコーターで24ml/m2塗布した。60℃の温風で60秒、さらに90℃の温風で150秒乾燥した。
次に、配向膜の延伸方向(遅相軸とほぼ垂直)と45゜の方向に、形成した膜にラビング処理を実施した。
────────────────────────────────────────
ディスコティック液晶層の塗布液組成
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下記のディスコティック液晶性化合物 32.6質量%
下記化合物A 0.1質量%
エチレンオキサイド変成トリメチロールプロパントリアクリレート
(V#360、大阪有機化学(株)製) 3.2質量%
増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製) 0.4質量%
光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製) 1.1質量%
メチルエチルケトン 62.0質量%
────────────────────────────────────────
Figure 2008248030
化合物A:
Figure 2008248030
室温から100℃に連続的に加温する工程で、溶媒を乾燥させ、その後、130℃の乾燥ゾーンでディスコティック液晶化合物層の膜面風速が、2.5m/secとなるように、約90秒間加熱し、ディスコティック液晶化合物を配向させた。次に、フィルムの表面温度が約130℃の状態で、紫外線照射装置(紫外線ランプ:出力120W/cm)により、紫外線を4秒間照射し、架橋反応を進行させて、ディスコティック液晶化合物をその配向に固定した。その後、室温まで放冷し、円筒状に巻き取ってロール状の形態にした。このようにして、ロール状光学補償フィルムKH1、KH11を作製した。
(実施例5)
[偏光板の作製]
厚さ80μmのポリビニルアルコール(PVA)フィルムを、ヨウ素濃度0.05質量%のヨウ素水溶液中に30℃で60秒浸漬して染色し、次いでホウ酸濃度4質量%濃度のホウ酸水溶液中に60秒浸漬している間に元の長さの5倍に縦延伸した後、50℃で4分間乾燥させて、厚さ20μmの偏光膜を得た。
実施例3で作製した光学補償フィルムKH1、KH11を、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて偏光子の片側に貼り付けた。なお、ケン化処理は以下のような条件で行った。
1.5Nの水酸化ナトリウム水溶液を調製し、55℃に保温した。0.01Nの希硫酸水溶液を調製し、35℃に保温した。作製したポリマーフィルムを上記の水酸化ナトリウム水溶液に3分間浸漬した後、水に浸漬し水酸化ナトリウム水溶液を十分に洗い流した。次いで、上記の希硫酸水溶液に1分間浸漬した後、水に浸漬し希硫酸水溶液を十分に洗い流した。最後に試料を120℃で十分に乾燥させた。
市販のセルローストリエステルフィルム(フジタックTD80UF、富士写真フィルム(株)製)にケン化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて偏光子の反対側に貼り付け、70℃で10分以上乾燥し、偏光板P1、P9を作製した。
上記で作製した偏光板のセル側の面にはアクリル系の粘着剤、さらにその粘着剤の上にセパレートフィルムを貼り付けた。セルと反対側の面にはプロテクトフィルムを貼り付けた。
(実施例6)
[TN液晶セルでの評価]
TN型液晶セルを使用した液晶表示装置(AQUOS LC20C1S、シャープ(株)製)に設けられている一対の偏光板を剥がし、代わりに実施例5で作製した偏光板P1、P11を、光学補償フィルムKH1、KH11が液晶セル側となるように粘着剤を介して、観察者側およびバックライト側に一枚ずつ貼り付けた。観察者側の偏光板の透過軸と、バックライト側の偏光板の透過軸とは、Oモードとなるように配置した。
作製した液晶表示装置について、測定機(EZ-Contrast160D、ELDIM社製)を用いて、黒表示(L1)から白表示(L8)までの8段階で視野角を、湿度10%RH、60%RH、および80%RHで測定した。測定結果を表4に示す。
Figure 2008248030
表4からわかるように、P1を実装した液晶表示装置は環境湿度が変動しても視野角が変化しないことがわかる。

Claims (7)

  1. 炭素数5から炭素数30の脂肪族アシル基(A)と炭素数2から炭素数4の脂肪族アシル基(B)を有し、前記脂肪族アシル基(A)の置換度が下記式(I)を満たすセルロース体を含有するセルロース体組成物。
    式(I) DSA6/DSA2+DSA3+DSA6<0.5
    (式中、DSA2はグルコース単位の2位の水酸基の前記アシル基(A)による置換度であり、DSA3はグルコース単位の3位の水酸基の前記アシル基(A)による置換度であり、DSA6はグルコース単位の6位の水酸基の前記アシル基(A)による置換度である。)
  2. 前記アシル基(B)がアセチル基である請求項1に記載のセルロース体組成物。
  3. 請求項1または2に記載のセルロース体組成物により形成されたセルロース体フィルム。
  4. 請求項3に記載のセルロース体フィルムからなる位相差フィルム。
  5. 請求項3に記載のセルロース体フィルムまたは請求項4に記載の位相差フィルム上に、液晶性化合物を配向させて形成した光学異方性層を有することを特徴とする光学補償フィルム。
  6. 偏光膜と該偏光膜を挟持する2枚の保護フィルムとからなる偏光板であって、2枚の保護フィルムの少なくとも一方が、請求項3に記載のセルロース体フィルム、請求項4に記載の位相差フィルムまたは請求項5に記載の光学補償フィルムのいずれかを少なくとも1枚含む偏光板。
  7. 請求項3に記載のセルロース体フィルム、請求項4記載の位相差フィルム、請求項5に記載の光学補償フィルム、請求項6に記載の偏光板のいずれかを少なくとも1枚含む画像表示装置。
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