JP2008248030A - セルロース体組成物、セルロース体フィルム、位相差フィルム、光学補償シート、偏光板および画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】炭素数5から炭素数30の脂肪族アシル基(A)と炭素数2から炭素数4の脂肪族アシル基(B)を有し、アシル基(A)の置換度が特定の範囲を満たすセルロース体を含有するセルロース体組成物。
【選択図】なし
Description
従来より、セルロースアシレートフィルムはその適度な親水性、透明性、強靭性、および光学的等方性から、液晶表示装置向けの偏光板保護フィルムとして広く利用されている。例えばセルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートなどの脂肪酸セルロースエステルセルロース混合アシレートを製膜して用いる光学フィルムが提案されている(特許文献1)。また、セルロースアシレートフィルムを光学補償フィルムとして用いることも提案されている(特許文献2)。
これに対し、セルロースアシレートに疎水性の非アシル置換基を導入することで湿度変動によるレターデーションの変化を抑制したフィルムが提案されている(特許文献3)。
また、炭素数の大きな長鎖アシル基を置換したセルロースアシレートを用いたフィルムが提案されている(特許文献4)。
しかしながら、液晶表示装置においてさらなる表示品位の向上が求められており、このためこれに用いるセルロースアシレートフィルムについても前述の観点でさらなる性能の向上が求められている。
〔1〕
炭素数5から炭素数30の脂肪族アシル基(A)と炭素数2から炭素数4の脂肪族アシル基(B)を有し、前記脂肪族アシル基(A)の置換度が下記式(I)を満たすセルロース体を含有するセルロース体組成物。
式(I) DSA6/DSA2+DSA3+DSA6<0.5
(式中、DSA2はグルコース単位の2位の水酸基の前記アシル基(A)による置換度であり、DSA3はグルコース単位の3位の水酸基の前記アシル基(A)による置換度であり、DSA6はグルコース単位の6位の水酸基の前記アシル基(A)による置換度である。)
〔2〕
前記アシル基(B)がアセチル基である〔1〕に記載のセルロース体組成物。
〔3〕
〔1〕または〔2〕に記載のセルロース体組成物により形成されたセルロース体フィルム。
〔4〕
〔3〕に記載のセルロース体フィルムからなる位相差フィルム。
〔5〕
〔3〕に記載のセルロース体フィルムまたは〔4〕に記載の位相差フィルム上に、液晶性化合物を配向させて形成した光学異方性層を有することを特徴とする光学補償フィルム。
〔6〕
偏光膜と該偏光膜を挟持する2枚の保護フィルムとからなる偏光板であって、2枚の保護フィルムの少なくとも一方が、〔3〕に記載のセルロース体フィルム、〔4〕に記載の位相差フィルムまたは〔5〕に記載の光学補償フィルムのいずれかを少なくとも1枚含む偏光板。
〔7〕
〔3〕に記載のセルロース体フィルム、〔4〕記載の位相差フィルム、〔5〕に記載の光学補償フィルム、〔6〕に記載の偏光板のいずれかを少なくとも1枚含む画像表示装置。
本発明のセルロース体組成物は、炭素数5から炭素数30の脂肪族アシル基(A)と炭素数2から炭素数4の脂肪族アシル基(B)を有し、前記脂肪族アシル基(A)の置換度が下記式(I)を満たすセルロース体を含有する。
式(I) DSA6/DSA2+DSA3+DSA6<0.5
(式中、DSA2はグルコース単位の2位の水酸基の前記アシル基(A)による置換度(以下、「2位の(A)置換度」とも言う)であり、DSA3はグルコース単位の3位の水酸基の前記アシル基(A)による置換度(以下、「3位の(A)置換度」とも言う)であり、DSA6はグルコース単位の6位の水酸基の前記アシル基(A)による置換度である(以下、「6位の(A)置換度」とも言う)。)
式(I):DSA6/DSA2+DSA3+DSA6<0.5
(式中、DSA2はグルコース単位の2位の水酸基の前記アシル基(A)による置換度(以下、「2位の(A)置換度」とも言う)であり、DSA3は3位の水酸基の前記アシル基(A)による置換度(以下、「3位の(A)置換度」とも言う)であり、DSA6は6位の水酸基の前記アシル基(A)による置換度である(以下、「6位の(A)置換度」とも言う)。)
式(Ia):DSA6/DSA2+DSA3+DSA6<0.6
式(Ib):DSA6/DSA2+DSA3+DSA6≦0.75
式(Ic):DSA6/DSA2+DSA3+DSA6=1
DSA6/DSA2+DSA3+DSA6を上記の範囲とすることで製膜時の溶剤組成の変化に対して白濁を生じにくくなるため好ましい。
式(II):2.2<DSA+DSB≦3.0
式(IIa):2.5≦DSA+DSB≦3.0
式(IIb):2.7≦DSA+DSB≦3.0
(式中、DSAはセルロースの水酸基の水素原子を置換している炭素数5から炭素数30の脂肪族アシル基(A)の置換度であり、DSAは前記DSA2、DSA3、およびDSA6の和で表される。またDSBはセルロースの水酸基の水素原子を置換している炭素数2から炭素数4の脂肪族アシル基(B)の置換度である。)
フィルム製造の原料としては粒子状または粉末状であることが好ましいことから、乾燥後のセルロースアシレート組成物は、粒子サイズの均一化や取り扱い性の改善のために、粉砕や篩がけを行ってもよい。セルロースアシレート組成物が粒子状であるとき、使用する粒子の90質量%以上は、0.5〜5mmの粒子サイズを有することが好ましい。また、使用する粒子の50質量%以上が1〜4mmの粒子サイズを有することが好ましい。セルロースアシレート組成物粒子は、なるべく球形に近い形状を有することが好ましい。また、本発明のセルロースアシレート組成物は、見かけ密度が好ましくは0.5〜1.3g/cm3、さらに好ましくは0.7〜1.2g/cm3、特に好ましくは0.8〜1.15g/cm3である。見かけ密度の測定法に関しては、JIS K−7365に規定されている。
本発明に係るセルロース体組成物には、各調製工程において用途に応じた種々の添加剤(例えば、可塑剤、紫外線防止剤、劣化防止剤、レターデーション(光学異方性)調節剤、微粒子、剥離促進剤、赤外吸収剤、など)を加えることができ、それらは固体でもよく油状物でもよい。すなわち、その融点や沸点において特に限定されるものではない。例えば20℃以下と20℃以上の紫外線吸収材料の混合や、同様に可塑剤の混合などであり、例えば特開平2001−151901号公報などに記載されている。剥離促進剤としてはクエン酸のエチルエステル類が例として挙げられる。さらにまた、赤外吸収染料としては例えば特開平2001−194522号公報に記載されている。またその添加する時期はドープ作製工程中の何れの段階で添加しても良いが、ドープ調製工程の最後の調製工程に添加剤を添加し調製する工程を加えて行ってもよい。更にまた、各素材の添加量は、機能が発現する限りにおいて特に限定されない。また、セルロースアシレートフィルムが多層に形成される場合、各層の添加物の種類や添加量が異なってもよい。その例は、特開平2001−151902号公報などにも記載されているが、これらは従来から知られている技術である。これら添加剤の種類や添加量の選択によって、セルロースアシレートフィルムのガラス転移温度Tgを80〜180℃に、引張試験機で測定する弾性率を900〜4000MPaに調整することが好ましく、1200〜3000MPaに調製することがより好ましい。
さらにこれらの詳細は、発明協会公開技報公技番号2001−1745号(2001年3月15日発行、発明協会)にて16頁以降に詳細に記載されている素材が好ましく用いられる。
本発明では、ソルベントキャスト法によりセルロースアシレートフィルムを製造することが好ましく、セルロースアシレートを有機溶媒に溶解した溶液(ドープ)を用いてフィルムは製造される。本発明の主溶媒として好ましく用いられる有機溶媒は、炭素原子数が3〜12のエステル、ケトン、エーテル、および炭素原子数が1〜7のハロゲン化炭化水素から選ばれる溶媒が好ましい。エステル、ケトンおよび、エーテルは、環状構造を有していてもよい。エステル、ケトンおよびエーテルの官能基(すなわち、−O−、−CO−および−COO−)のいずれかを二つ以上有する化合物も、主溶媒として用いることができ、たとえばアルコール性水酸基のような他の官能基を有していてもよい。二種類以上の官能基を有する主溶媒の場合、その炭素原子数はいずれかの官能基を有する化合物の規定範囲内であればよい。
本発明のセルロースアシレート溶液(ドープ)の調製は、その溶解方法は特に限定されず、室温でもよくさらには冷却溶解法あるいは高温溶解方法、さらにはこれらの組み合わせで実施される。本発明におけるセルロースアシレート溶液の調製、さらには溶解工程に伴う溶液濃縮、ろ過の各工程に関しては、発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて22頁〜25頁に詳細に記載されている製造工程が用いられる。
加熱する場合、容器の外部より加熱することが好ましい。例えば、ジャケットタイプの加熱装置を用いることができる。また、容器の外部にプレートヒーターを設け、配管して液体を循環させることにより容器全体を加熱することもできる。
容器には、圧力計、温度計等の計器類を設置してもよい。容器内で各成分を溶剤中に溶解する。調製したドープは冷却後容器から取り出すか、あるいは、取り出した後、熱交換器等を用いて冷却する。
上記ドープを、加熱工程の前に、−100〜−10℃に冷却する冷却工程を行うことも、光学的性質が良好なフィルムを得るために有効である。常温で容易に溶解し得ない系と、不溶解物の多くなる系では、冷却または加熱あるいは両者を組み合わせて用いると、良好なドープを調製できる。冷却することにより、セルロースアシレート中に溶媒を急速かつ有効に浸透せしめることができ溶解が促進される。有効な温度条件は−100〜−10℃である。冷却工程においては、冷却時の結露による水分混入を避けるため、密閉容器を用いることが望ましい。また、冷却時に減圧すると、冷却時間を短縮することができる。減圧を実施するためには、耐圧性容器を用いることが望ましい。また、この冷却工程は、上記加熱工程の後に実施することも本発明において有効である。なお、溶解が不充分である場合は、冷却工程から加熱工程までを繰り返して実施してもよい。
溶液の流延方法としては、調製されたドープを加圧ダイから金属支持体上に均一に押し出す方法、一旦金属支持体上に流延されたドープをブレードで膜厚を調節するドクターブレードによる方法、或いは逆回転するロールで調節するリバースロールコーターによる方法等があるが、加圧ダイによる方法が好ましい。加圧ダイにはコートハンガータイプやTダイタイプ等があるがいずれも好ましく用いることができる。また、ここで挙げた方法以外にも従来知られているセルローストリアセテート溶液を流延製膜する種々の方法で実施でき、用いる溶媒の沸点等の違いを考慮して各条件を設定することによりそれぞれの公報に記載の内容と同様の効果が得られる。本発明のセルロースアシレートフィルムを製造するのに使用されるエンドレスに走行する金属支持体としては、表面がクロムメッキによって鏡面仕上げされたドラムや表面研磨によって鏡面仕上げされたステンレスベルト(バンドといってもよい)が用いられる。本発明のセルロースアシレートフィルムの製造に用いられる加圧ダイは、金属支持体の上方に1基或いは2基以上の設置でもよい。好ましくは1基または2基である。2基以上設置する場合には流延するドープ量をそれぞれのダイに種々な割合にわけてもよく、複数の精密定量ギヤアポンプからそれぞれの割合でダイにドープを送液してもよい。流延に用いられるセルロースアシレート溶液の温度は、−10〜55℃が好ましく、より好ましくは25〜50℃である。その場合、工程のすべてが同一温度でもよく、あるいは工程の各所で異なっていてもよい。異なる場合は、流延直前で所望の温度であればよい。
セルロースアシレートフィルムの製造に係わる金属支持体上におけるドープの乾燥は、一般的には金属支持体(ドラム或いはベルト)の表面側、つまり金属支持体上にあるウェブの表面から熱風を当てる方法、ドラム或いはベルトの裏面から熱風を当てる方法、温度コントロールした液体をベルトやドラムのドープ流延面の反対側である裏面から接触させて、伝熱によりドラム或いはベルトを加熱し表面温度をコントロールする液体伝熱方法などがあるが、裏面液体伝熱方式が好ましい。流延される前の金属支持体の表面温度はドープに用いられている溶媒の沸点以下であれば何度でもよい。しかし乾燥を促進するためには、また金属支持体上での流動性を失わせるためには、使用される溶媒の内の最も沸点の低い溶媒の沸点より1〜10度低い温度に設定することが好ましい。尚、流延ドープを冷却して乾燥することなく剥ぎ取る場合はこの限りではない。
セルロースアシレートフィルムのガラス転移温度の測定はJIS規格K7121記載の方法によりおこなうことができる。
本発明のセルロースアシレートフィルムのガラス転移温度は80℃以上200℃以下が好ましく、100℃以上170℃以下がさらに好ましい。ガラス転移温度は可塑剤、溶剤等の低分子化合物を含有させることにより低下させることが可能である。
本発明のセルロースアシレートフィルムの厚み(乾燥膜厚)は、20μm以上180μm以下が好ましく、25μm以上140μm以下がさらに好ましく。35μm以上110μm以下が最も好ましい。
含水率の測定法は、本発明のセルロースアシレートフィルム試料7mm×35mmを水分測定器、試料乾燥装置(アクアカウンターAQ−200、LE−20S、共に平沼産業(株))にてカールフィッシャー法で測定する。水分量(g)を試料質量(g)で除して算出する。
セルロースアシレートフィルムの弾性率は引っ張り試験により求めることができる。本発明のセルロースアシレートフィルムは幅方向あるいは流延方向の少なくともひとつの方向が0.9GPa以上6.0GPa以下が好ましく、1.2GPa以上5.0GPa以下がさらに好ましく2.0GPa以上4.5GPa以下が最も好ましい。
本発明のセルロースアセテートフィルムは、延伸処理によりレターデーションを調整することができる。更には、積極的に幅方向に延伸する方法もあり、例えば、特開昭62−115035号、特開平4−152125号、特開平4−284211号、特開平4−298310号、および特開平11−48271号の各公報などに記載されている。これは、セルロースアシレートフィルムの面内レターデーション値を高い値とするためには、製造したフィルムが延伸される。
フィルムの延伸は、常温または加熱条件下で実施する。加熱温度は、フィルムのガラス転移温度以下であることが好ましい。フィルムの延伸は、縦あるいは横だけの一軸延伸でもよく同時あるいは逐次2軸延伸でもよい。延伸は1〜300%の延伸が行われる。好ましくは1〜200%の延伸が、特に好ましくは1から100%延伸を行う。光学フィルムの複屈折は幅方向の屈折率が長さ方向の屈折率よりも大きくなることが好ましい。従って幅方向により多く延伸することが好ましい。また、延伸処理は製膜工程の途中で行ってもよいし・BR>A製膜して巻き取った原反を延伸処理しても良い。前者の場合には残留溶剤量を含んだ状態で延伸を行っても良く、残留溶剤量が2乃至30%で好ましく延伸することができる。
Rth(λ)は前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADHまたはWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)のフィルム法線方向に対して法線方向から片側50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて全部で6点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADHまたはWRが算出する。
尚、遅相軸を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)、任意の傾斜した2方向からレターデーション値を測定し、その値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基に、以下の数式(1)及び数式(2)よりRthを算出することもできる。
数式(1)におけるnxは面内における遅相軸方向の屈折率を表し、nyは面内においてnxに直交する方向の屈折率を表し、nzはnx及びnyに直交する方向の屈折率を表す。dはフィルムの膜厚を表す。
Rth(λ)は前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADHまたはWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して−50度から+50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて11点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADHまたはWRが算出する。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、場合により表面処理を行うことによって、セルロースアシレートフィルムと各機能層(例えば、下塗層およびバック層)との接着の向上を達成することができる。例えばグロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ処理、火炎処理、酸またはアルカリ処理を用いることができる。ここでいうグロー放電処理とは、10-3〜20Torrの低圧ガス下でおこる低温プラズマでもよく、更にまた大気圧下でのプラズマ処理も好ましい。プラズマ励起性気体とは上記のような条件においてプラズマ励起される気体をいい、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン、窒素、二酸化炭素、テトラフルオロメタンの様なフロン類及びそれらの混合物などがあげられる。これらについては、詳細が発明協会公開技報公技番号2001−1745号(2001年3月15日発行、発明協会)にて30頁〜32頁に詳細に記載されている。なお、近年注目されている大気圧でのプラズマ処理は、例えば10〜1000Kev下で20〜500Kgyの照射エネルギーが用いられ、より好ましくは30〜500Kev下で20〜300Kgyの照射エネルギーが用いられる。これらの中でも特に好ましくは、アルカリ鹸化処理でありセルロースアシレートフィルムの表面処理としては極めて有効である。
塗布方法としては、ディップコーティング法、カーテンコーティング法、エクストルージョンコーティング法、バーコーティング法およびE型塗布法を挙げることができる。アルカリ鹸化処理塗布液の溶媒は、鹸化液の透明支持体に対して塗布するために濡れ性が良く、また鹸化液溶媒によって透明支持体表面に凹凸を形成させずに、面状を良好なまま保つ溶媒を選択することが好ましい。具体的には、アルコール系溶媒が好ましく、イソプロピルアルコールが特に好ましい。また、界面活性剤の水溶液を溶媒として使用することもできる。アルカリ鹸化塗布液のアルカリは、上記溶媒に溶解するアルカリが好ましく、KOH、NaOHがさらに好ましい。鹸化塗布液のpHは10以上が好ましく、12以上がさらに好ましい。アルカリ鹸化時の反応条件は、室温で1秒以上10分以下が好ましく、5秒以上7分以下がさらに好ましく、20秒以上5分以下が特に好ましい。アルカリ鹸化反応後、鹸化液塗布面を水洗あるいは酸で洗浄したあと水洗することが好ましい。
本発明のセルロース体フィルムは位相差フィルムとして用いることができる。
また、本発明のセルロース体フィルムに、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)32頁〜45頁に詳細に記載されている機能性層を組み合わせることが好ましい。中でも好ましいのが、偏光膜の付与(偏光板の形成)、光学補償層の付与(光学補償フィルム)、反射防止層の付与(反射防止フィルム)である。
本発明の光学補償フィルムは、本発明のセルロース体フィルムまたは位相差フィルム上に、液晶性化合物を配向させて形成した光学異方性層を有する。
光学異方性層は、液晶表示装置の黒表示における液晶セル中の液晶化合物を補償するためのものであり、セルロース体フィルムの上に配向膜を形成し、さらに光学異方性を付与することで形成される。
本発明の偏光板は、LCDの光学補償フィルム、反射型LCDに適用するためのλ/4板等の位相差フィルム、ディスプレイの視認性向上のための反射防止フィルム、輝度向上フィルムや、ハードコート層、前方散乱層、アンチグレア(防眩)層等の機能層を有する光学フィルムと複合した機能化偏光板として好ましく使用される。
(1)光学補償フィルム
本発明の偏光板は、TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、OCB(Optically Compensatory Bend)、VA(Vertically Aligned)、ECB(Electrically Controlled Birefringence)のような表示モードに提案されている光学補償フィルムと組み合わせて使用することができる。
TNモード用の光学補償フィルムの好ましい構成は、透明なポリマーフィルム上に配向層と光学異方性層をこの順に有したものである。光学補償フィルムは粘着剤を介して偏光板と貼合され、用いられてよいが、SID’00 Dig.、p.551(2000)に記載されているように、前記偏光子の保護フィルムの一方も兼ねて使用されることが薄手化の観点から特に好ましい。
ディスコティック液晶分子は、配向層付近ではラビング方向にプレチルト角を持ってほぼフィルム平面に平行に配向しており、反対の空気面側ではディスコティック液晶分子が面に垂直に近い形で立って配向している。ディスコティック液晶層全体としては、ハイブリッド配向を取っており、この層構造によってTNモードのTFT−LCDの視野角拡大を実現することができる。
光学異方性層の厚さは、0.1〜10μmであることが好ましく、0.5〜5μmであることがさらに好ましい。
本発明のセルロース体フィルムは、またハードコートフィルム、防眩フィルム、反射防止フィルムへの適用が好ましく実施できる。LCD、PDP、CRT、EL等のフラットパネルディスプレイの視認性を向上する目的で、本発明のセルロースアシレートフィルムの片面または両面にハードコート層、防眩層、反射防止層の何れかあるいは全てを付与することができる。このような防眩フィルム、反射防止フィルムとしての望ましい実施態様は、発明協会公開技報公技番号2001−1745号(2001年3月15日発行、発明協会)の54頁〜57頁に詳細に記載されており、本発明のセルロースアシレートフィルムを好ましく用いることができる。
本発明の偏光板は、偏光膜と該偏光膜を挟持する2枚の保護フィルムとからなる偏光板であって、2枚の保護フィルムの少なくとも一方が、本発明のセルロース体フィルム、位相差フィルムまたは光学補償フィルムのいずれかを少なくとも一枚含む。
(k)−10.0≦ΔP≦0.0
この要件を満たすことによって偏光板の使用中あるいは保管中の安定性を確保することができ好ましい。
本発明の画像表示装置は、本発明のセルロース体フィルム、位相差フィルム、光学補償フィルム、偏光板のいずれかを少なくとも一枚含む。
次に本発明の偏光板が使用される画像表示装置として液晶表示装置を例に挙げて説明する。本発明において液晶表示装置は液晶セルの両側に2枚の偏光板が配置されており、偏光板の少なくとも1枚が本発明の偏光板である。
液晶セルの液晶層は、通常は、二枚の基板の間にスペーサーを挟み込んで形成した空間に液晶を封入して形成する。透明電極層は、導電性物質を含む透明な膜として基板上に形成する。液晶セルには、さらにガスバリアー層、ハードコート層あるいは(透明電極層の接着に用いる)アンダーコート層(下塗り層)を設けてもよい。これらの層は、通常、基板上に設けられる。液晶セルの基板は、一般に50μm〜2mmの厚さを有する。
本発明のセルロース体フィルムは、様々な表示モードの液晶セルに用いることができる。TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、AFLC(Anti−ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)、ECB(Electrically Controlled Birefringence)、およびHAN(Hybrid Aligned Nematic)のような様々な表示モードが提案されている。また、上記表示モードを配向分割した表示モードも提案されている。本発明のセルロース体フィルムは、いずれの表示モードの液晶表示装置においても有効である。また、透過型、反射型、半透過型のいずれの液晶表示装置においても有効である。
本発明のセルロース体フィルムを、TNモードの液晶セルを有するTN型液晶表示装置の光学補償シートの支持体として用いてもよい。TNモードの液晶セルとTN型液晶表示装置については、古くから良く知られている。TN型液晶表示装置に用いる光学補償シートについては、特開平3−9325号、特開平8−50206号、特開平9−26572号の各公報に記載がある。また、モリ(Mori)他の論文(Jpn. J. Appl. Phys. Vol.36(1997)p.143や、Jpn. J. Appl. Phys. Vol.36(1997)p.1068)に記載がある。
本発明のセルロース体フィルムを、STNモードの液晶セルを有するSTN型液晶表示装置の光学補償シートの支持体として用いてもよい。一般的にSTN型液晶表示装置では、液晶セル中の棒状液晶性分子が90〜360度の範囲にねじられており、棒状液晶性分子の屈折率異方性(Δn)とセルギャップ(d)との積(Δnd)が300〜1500nmの範囲にある。STN型液晶表示装置に用いる光学補償シートについては、特開2000−105316号公報に記載がある。
本発明のセルロース体フィルムは、VAモードの液晶セルを有するVA型液晶表示装置の光学補償シートの支持体として特に有利に用いられる。VA型液晶表示装置は、例えば特開平10−123576号公報に記載されているような配向分割された方式であっても構わない。
本発明のセルロース体フィルムは、IPSモードおよびECBモードの液晶セルを有するIPS型液晶表示装置およびECB型液晶表示装置の光学補償シートの支持体、または偏光板の保護膜としても特に有利に用いられる。これらのモードは黒表示時に液晶材料が略平行に配向する態様であり、電圧無印加状態で液晶分子を基板面に対して平行配向させて、黒表示する。これらの態様において本発明のセルロース体フィルムを用いた偏光板は視野角拡大、コントラストの良化に寄与する。
本発明のセルロース体フィルムは、OCBモードの液晶セルを有するOCB型液晶表示装置あるいはHANモードの液晶セルを有するHAN型液晶表示装置の光学補償シートの支持体としても有利に用いられる。OCB型液晶表示装置あるいはHAN型液晶表示装置に用いる光学補償シートには、レターデーションの絶対値が最小となる方向が光学補償シートの面内にも法線方向にも存在しないことが好ましい。OCB型液晶表示装置あるいはHAN型液晶表示装置に用いる光学補償シートの光学的性質も、光学的異方性層の光学的性質、支持体の光学的性質および光学的異方性層と支持体との配置により決定される。OCB型液晶表示装置あるいはHAN型液晶表示装置に用いる光学補償シートについては、特開平9−197397号公報に記載がある。また、モリ(Mori)他の論文(Jpn. J. Appl. Phys. Vol.38(1999)p.2837)に記載がある。
本発明のセルロース体フィルムは、TN型、STN型、HAN型、GH(Guest−Host)型の反射型液晶表示装置の光学補償シートとしても有利に用いられる。これらの表示モードは古くから良く知られている。TN型反射型液晶表示装置については、国際公開第98/48320号パンフレット、特許第3022477号公報に記載がある。反射型液晶表示装置に用いる光学補償シートについては、国際公開第00/65384号パンフレットに記載がある。
本発明のセルロース体フィルムは、ASM(Axially Symmetric Aligned Microcell )モードの液晶セルを有するASM型液晶表示装置の光学補償シートの支持体としても有利に用いられる。ASMモードの液晶セルは、セルの厚さが位置調整可能な樹脂スペーサーにより維持されているとの特徴がある。その他の性質は、TNモードの液晶セルと同様である。ASMモードの液晶セルとASM型液晶表示装置については、クメ(Kume)他の論文(Kume et al., SID 98 Digest 1089 (1998))に記載がある。
セルロースアセテートを出発原料として、酸クロリドと反応させ、表1に示したセルロース体をそれぞれ得た。以下、各セルロース体の製造について詳しく説明する。
メカニカルスターラー、温度計、冷却管、滴下ロートをつけた5Lの三ツ口フラスコに置換度2.95のセルロースアセテートを200g、ジメチルスルホキシド4000mL、水90mLを量り取り、室温で攪拌した。ここに50%ジメチルアミン水溶液(和光純薬)380mLをゆっくりと滴下後、60℃にて10時間攪拌した。反応後、室温に戻るまで放冷し、反応溶液をメタノール20Lへ激しく攪拌しながら投入すると、白色固体が析出した。白色固体を吸引ろ過によりろ別し、大量のメタノールで3回洗浄を行った。得られた白色固体を60℃で終夜乾燥した後、90℃で6時間真空乾燥することにより目的の比較化合物中間体化合物T−1を白色粉体として170g得た。
メカニカルスターラー、温度計、冷却管、滴下ロートをつけた2Lの三ツ口フラスコに中間体化合物T−1のセルロースアセテートを40g、ピリジン(アルドリッチ社製)400mLを量り取り、室温で攪拌した。ここにオクタノイルクロライド(アルドリッチ社製)16mLをゆっくりと滴下し、50℃にて5時間攪拌した。反応後、室温に戻るまで放冷し、反応溶液をメタノール20Lへ激しく攪拌しながら投入すると、白色固体が析出した。白色固体を吸引ろ過によりろ別し、大量のメタノールで3回洗浄を行った。得られた白色固体を60℃で終夜乾燥した後、90℃で6時間真空乾燥することにより目的の例示化合物A−1を白色粉体として42g得た。
ジアセチルセルロース(アセチル置換度2.15)200gをテトラヒドロフラン1500mLに溶解した。ここに、ピリジン215mL、トリフェニルメチルクロリド633gを加え、70℃で11時間攪拌させた。メタノール300mLを添加して発熱が収まるのを確認した後、メタノール7000mLと混合してポリマーを沈殿させ、40−50℃のメタノールで連続洗浄して精製し、中間体化合物T−2を216g得た。
先の例示化合物A−1の製造において、40gの中間体化合物T−1を80gのT−2に、オクタノイルクロライド(アルドリッチ社製)36mLをヘキサノイルクロライド(アルドリッチ社製)96mL、に変更する以外は同様にして、以外は同様にして、中間体化合物T−3を白色粉体として82g得た。
中間体化合物T−3を82g、ジクロロメタン500mLに溶解し、25%臭化水素酸酢酸溶液31質量部を加えた。室温で5分間攪拌した後、70質量部のメタノールに溶解したトリエチルアミン10質量部を加えて、更に20分間攪拌した。メタノールと混合してポリマーを沈殿させ、40〜50℃のメタノールで連続洗浄し、濾過の後、真空乾燥し、例示化合物A−2を40g得た。
先の例示化合物A−1の製造において、40gの中間体化合物T−1を80gのT−2に、オクタノイルクロライド(アルドリッチ社製)36mLをラウロイルクロライド(ドデカノイルクロライド)(アルドリッチ社製)192mLに変更する以外は同様にして、以外は同様にして、中間体化合物T−4を白色粉体として82g得た。
中間体化合物T−4を82g、ジクロロメタン500mLに溶解し、25%臭化水素酸酢酸溶液31質量部を加えた。室温で5分間攪拌した後、70質量部のメタノールに溶解したトリエチルアミン10質量部を加えて、更に20分間攪拌した。メタノールと混合してポリマーを沈殿させ、40〜50℃のメタノールで連続洗浄し、濾過の後、真空乾燥し、例示化合物A−3を45g得た。
メカニカルスターラー、温度計、冷却管、滴下ロートをつけた3Lの三ツ口フラスコに置換度2.15のセルロースアセテートを40g、ピリジン400mlを量り取り、室温で攪拌した。ここに先の反応で得られたn−オクタノイルクロライド69mLをゆっくりと滴下し、添加後さらに60℃にて6時間攪拌した。反応後、室温に戻るまで放冷し、反応溶液をメタノール10Lへ激しく攪拌しながら投入すると、白色固体が析出した。白色固体を吸引ろ過によりろ別し、大量のメタノールで3回洗浄を行った。得られた白色固体を60℃で終夜乾燥した後、90℃で6時間真空乾燥することにより目的の例示化合物A−4を白色粉体として40g得た。平均重合度は256であった。
メカニカルスターラー、温度計、冷却管、滴下ロートをつけた2Lの三ツ口フラスコに置換度2.15のセルロースアセテートを40g、ピリジン18mL(アルドリッチ社製)、アセトン400mLを量り取り、室温で攪拌した。ここにオクタノイルクロライド(アルドリッチ社製)36mLをゆっくりと滴下し、50℃にて5時間攪拌した。反応後、室温に戻るまで放冷し、反応溶液をメタノール20Lへ激しく攪拌しながら投入すると、白色固体が析出した。白色固体を吸引ろ過によりろ別し、大量のメタノールで3回洗浄を行った。得られた白色固体を60℃で終夜乾燥した後、90℃で6時間真空乾燥することにより目的の中間体化合物T−5を白色粉体として41g得た。
メカニカルスターラー、温度計、冷却管、滴下ロートをつけた3Lの三ツ口フラスコに先の反応で得られた中間体化合物T−5を40g、ピリジン400mL(アルドリッチ社製)、ジクロロメタン400mLを量り取り、室温で攪拌した。ここに無水酢酸400mLをゆっくりと滴下し、ジメチルアミノピリジン0.05gを添加後、50℃にて5時間攪拌した。反応後、室温に戻るまで放冷し、反応溶液をメタノール20Lへ激しく攪拌しながら投入すると、白色固体が析出した。白色固体を吸引ろ過によりろ別し、大量のメタノールで3回洗浄を行った。得られた白色固体を60℃で終夜乾燥した後、90℃で6時間真空乾燥することにより目的の比較化合物B−1を白色粉体として40g得た。
先の中間体化合物T−5の製造において、置換度2.15のセルロースアセテートを置換度2.42のセルロースアセテートに、オクタノイルクロライド(アルドリッチ社製)36mLをヘキサノイルクロライド(アルドリッチ社製)24mL、ピリジン18mLを14mLに変更する以外は同様にして、目的の比較化合物B−2を白色粉体として40g得た。
先の中間体化合物T−5の製造において、置換度2.15のセルロースアセテートを置換度2.42のセルロースアセテートに、オクタノイルクロライド(アルドリッチ社製)36mLをラウロイルクロライド(ドデカノイルクロライド)(アルドリッチ社製)40mL、ピリジン18mLを14mLに変更する以外は同様にして、目的の比較化合物B−3を白色粉体として40g得た。
メカニカルスターラー、温度計、冷却管、滴下ロートをつけた3Lの三ツ口フラスコに置換度2.15のセルロースアセテートを40g、ピリジン36ml、アセトン400mlを量り取り、室温で攪拌した。ここに先の反応で得られたn−ヘキサノイルクロライド(アルドリッチ社製)60mLをゆっくりと滴下し、添加後さらに50℃にて2時間攪拌した。反応後、室温に戻るまで放冷し、反応溶液をメタノール10Lへ激しく攪拌しながら投入すると、白色固体が析出した。白色固体を吸引ろ過によりろ別し、大量のメタノールで3回洗浄を行った。得られた白色固体を60℃で終夜乾燥した後、90℃で6時間真空乾燥することにより目的の例示化合物B−4を白色粉体として39g得た。平均重合度は255であった。
メカニカルスターラー、温度計、冷却管、滴下ロートをつけた5Lの三ツ口フラスコに置換度2.93のセルロースアセテートを200g、ピリジン2000mLを量り取り、室温で攪拌した。ここに無水酢酸塩化ベンゾイル(アルドリッチ社製)2000mLをゆっくりと滴下し、ジメチルアミノピリジン0.5gを添加後、40℃にて2時間攪拌した。反応後、室温に戻るまで放冷し、反応溶液をメタノール20Lへ激しく攪拌しながら投入すると、白色固体が析出した。白色固体を吸引ろ過によりろ別し、大量のメタノールで3回洗浄を行った。得られた白色固体を60℃で終夜乾燥した後、90℃で6時間真空乾燥することにより目・BR>Iの中間体化合物T−6を白色粉体として201g得た。
メカニカルスターラー、温度計、冷却管、滴下ロートをつけた5Lの三ツ口フラスコに先の反応で得られた中間体化合物T−6を200g、ジメチルスルホキシド4000mL、水90mLを量り取り、室温で攪拌した。ここに50%ジメチルアミン水溶液(和光純薬)380mLをゆっくりと滴下後、60℃にて3時間攪拌した。反応後、室温に戻るまで放冷し、反応溶液をメタノール20Lへ激しく攪拌しながら投入すると、白色固体が析出した。白色固体を吸引ろ過によりろ別し、大量のメタノールで3回洗浄を行った。得られた白色固体を60℃で終夜乾燥した後、90℃で6時間真空乾燥することにより目的の比較化合物B−5を白色粉体として180g得た。
先の例示化合物A−1の製造において、40gの中間体化合物T−1を80gのT−2に、オクタノイルクロライド(アルドリッチ社製)36mLをアセチルクロライド(アルドリッチ社製)36mLに変更する以外は同様にして、以外は同様にして、中間体化合物T−7を白色粉体として80g得た。
中間体化合物T−7を80g、ジクロロメタン500mLに溶解し、25%臭化水素酸酢酸溶液31質量部を加えた。室温で5分間攪拌した後、70質量部のメタノールに溶解したトリエチルアミン10質量部を加えて、更に20分間攪拌した。メタノールと混合してポリマーを沈殿させ、40〜50℃のメタノールで連続洗浄し、濾過の後、真空乾燥し、比較化合物B−6を39g得た。
<セルロース体ドープの調製>
下記の原料をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、溶解し、セルロース体を有するドープを調製した。このときA−1に代えて、セルロース体A−2から4、B−1から7を用い、上記と同様にして処方Aの各セルロース体ドープD1〜11を調製した。
セルロース体A−1 100質量部
メチレンクロライド(第一溶媒) 614質量部
セルロース体A−1 100質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 534質量部
メタノール(第2溶媒) 80質量部
セルロース体A−1 100質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 510質量部
メタノール(第2溶媒) 80質量部
1−ブタノール(第3溶媒) 25質量部
セルロース体溶液組成の溶液を、バンド流延機を用いて流延した。テンターでは熱風を当てて乾燥をしながら、幅方向に約20%延伸した後、約5%収縮させ、その後テンター搬送からロール搬送に移行し、更に乾燥し、ナーリングを施し幅1500mmで巻き取った。フィルム試料F1(厚さ:80μm)を作製した。以下、特に断りがなければ、作製したフィルムの厚さはすべて80μmである。次に、同様にして、本発明のフィルム試料F2〜33を作成した。
表2の結果から、本発明のセルロースアシレートフィルムはレターデーションの湿度による変動幅が小さく、かつ溶剤組成を変更しても白濁が生じにくくなったことがわかる。
<セルロース体ドープの乾燥速度>
セルロース体ドープD12〜14と、セルロース体ドープD27〜29を、実施例2とまったく同じ条件でバンド流延機を用いて流延した。まったく同じ条件で乾燥し、セルロース体フィルムF34〜39を得た。このセルロース体フィルムを120℃で2時間乾燥し、乾燥前後の重量変化からフィルム中の残留溶媒量を測定した。その結果を表3に示す。
[セルロース体フィルムのアルカリ鹸化処理]
作製したセルロース体フィルムF1、F11の片面側に、1.0Nの水酸化カリウム溶液(溶媒:水/イソプロピルアルコール/プロピレングリコール=69.2質量部/15質量部/15.8質量部)を10cc/m2塗布し、約40℃の状態で30秒間保持した後、アルカリ液を掻き取り、純水で水洗し、エアーナイフで水滴を削除した。その後、100℃で15秒間乾燥しフィルムK1、K9を得た。このフィルムK1、K11の純水に対する接触角を求めたところ、42°であった。
このフィルムK1、K11上に、下記の組成の配向膜塗布液を#16のワイヤーバーコーターで28ml/m2塗布した。60℃の温風で60秒、さらに90℃の温風で150秒乾燥し、配向膜を作製した。
配向膜塗布液組成
────────────────────────────────────────
下記の変性ポリビニルアルコール 10質量部
水 371質量部
メタノール 119質量部
グルタルアルデヒド(架橋剤) 0.5質量部
クエン酸エステル(三協化学製 AS3) 0.35質量部
────────────────────────────────────────
配向膜上に、下記の組成の配向膜塗布液を#14のワイヤーバーコーターで24ml/m2塗布した。60℃の温風で60秒、さらに90℃の温風で150秒乾燥した。
次に、配向膜の延伸方向(遅相軸とほぼ垂直)と45゜の方向に、形成した膜にラビング処理を実施した。
ディスコティック液晶層の塗布液組成
────────────────────────────────────────
下記のディスコティック液晶性化合物 32.6質量%
下記化合物A 0.1質量%
エチレンオキサイド変成トリメチロールプロパントリアクリレート
(V#360、大阪有機化学(株)製) 3.2質量%
増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製) 0.4質量%
光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製) 1.1質量%
メチルエチルケトン 62.0質量%
────────────────────────────────────────
[偏光板の作製]
厚さ80μmのポリビニルアルコール(PVA)フィルムを、ヨウ素濃度0.05質量%のヨウ素水溶液中に30℃で60秒浸漬して染色し、次いでホウ酸濃度4質量%濃度のホウ酸水溶液中に60秒浸漬している間に元の長さの5倍に縦延伸した後、50℃で4分間乾燥させて、厚さ20μmの偏光膜を得た。
実施例3で作製した光学補償フィルムKH1、KH11を、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて偏光子の片側に貼り付けた。なお、ケン化処理は以下のような条件で行った。
1.5Nの水酸化ナトリウム水溶液を調製し、55℃に保温した。0.01Nの希硫酸水溶液を調製し、35℃に保温した。作製したポリマーフィルムを上記の水酸化ナトリウム水溶液に3分間浸漬した後、水に浸漬し水酸化ナトリウム水溶液を十分に洗い流した。次いで、上記の希硫酸水溶液に1分間浸漬した後、水に浸漬し希硫酸水溶液を十分に洗い流した。最後に試料を120℃で十分に乾燥させた。
市販のセルローストリエステルフィルム(フジタックTD80UF、富士写真フィルム(株)製)にケン化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて偏光子の反対側に貼り付け、70℃で10分以上乾燥し、偏光板P1、P9を作製した。
上記で作製した偏光板のセル側の面にはアクリル系の粘着剤、さらにその粘着剤の上にセパレートフィルムを貼り付けた。セルと反対側の面にはプロテクトフィルムを貼り付けた。
[TN液晶セルでの評価]
TN型液晶セルを使用した液晶表示装置(AQUOS LC20C1S、シャープ(株)製)に設けられている一対の偏光板を剥がし、代わりに実施例5で作製した偏光板P1、P11を、光学補償フィルムKH1、KH11が液晶セル側となるように粘着剤を介して、観察者側およびバックライト側に一枚ずつ貼り付けた。観察者側の偏光板の透過軸と、バックライト側の偏光板の透過軸とは、Oモードとなるように配置した。
作製した液晶表示装置について、測定機(EZ-Contrast160D、ELDIM社製)を用いて、黒表示(L1)から白表示(L8)までの8段階で視野角を、湿度10%RH、60%RH、および80%RHで測定した。測定結果を表4に示す。
Claims (7)
- 炭素数5から炭素数30の脂肪族アシル基(A)と炭素数2から炭素数4の脂肪族アシル基(B)を有し、前記脂肪族アシル基(A)の置換度が下記式(I)を満たすセルロース体を含有するセルロース体組成物。
式(I) DSA6/DSA2+DSA3+DSA6<0.5
(式中、DSA2はグルコース単位の2位の水酸基の前記アシル基(A)による置換度であり、DSA3はグルコース単位の3位の水酸基の前記アシル基(A)による置換度であり、DSA6はグルコース単位の6位の水酸基の前記アシル基(A)による置換度である。) - 前記アシル基(B)がアセチル基である請求項1に記載のセルロース体組成物。
- 請求項1または2に記載のセルロース体組成物により形成されたセルロース体フィルム。
- 請求項3に記載のセルロース体フィルムからなる位相差フィルム。
- 請求項3に記載のセルロース体フィルムまたは請求項4に記載の位相差フィルム上に、液晶性化合物を配向させて形成した光学異方性層を有することを特徴とする光学補償フィルム。
- 偏光膜と該偏光膜を挟持する2枚の保護フィルムとからなる偏光板であって、2枚の保護フィルムの少なくとも一方が、請求項3に記載のセルロース体フィルム、請求項4に記載の位相差フィルムまたは請求項5に記載の光学補償フィルムのいずれかを少なくとも1枚含む偏光板。
- 請求項3に記載のセルロース体フィルム、請求項4記載の位相差フィルム、請求項5に記載の光学補償フィルム、請求項6に記載の偏光板のいずれかを少なくとも1枚含む画像表示装置。
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