JP2008135573A - 太陽電池素子、太陽電池モジュール及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】接続タブを半導体基板に接合させるときに生じるクラックの成長を抑止することで高い信頼性を有する太陽電池素子、太陽電池モジュールを提供する。
【解決手段】半導体基板1と、この半導体基板1上に設けられた電極2であって、この電極2と重なり合うように熱溶融性の導電性接合材8を介して電気的に接続された接続部7aを形成する導電性の接続タブ7が接続される電極2と、接続部7aの一端の近傍部であって、半導体基板1の表面に対して固着するように設けられ、半導体基板1より線膨張係数が大きい材質からなる表面固着体12と、を具備する。
【選択図】図3
【解決手段】半導体基板1と、この半導体基板1上に設けられた電極2であって、この電極2と重なり合うように熱溶融性の導電性接合材8を介して電気的に接続された接続部7aを形成する導電性の接続タブ7が接続される電極2と、接続部7aの一端の近傍部であって、半導体基板1の表面に対して固着するように設けられ、半導体基板1より線膨張係数が大きい材質からなる表面固着体12と、を具備する。
【選択図】図3
Description
本発明は、太陽電池素子、太陽電池モジュールとその製造方法に関するものである。
近年、地球環境問題、省エネルギーへの関心の高まりとともに、自然エネルギーを利用した新エネルギー技術が注目されている。そのひとつとして、太陽エネルギーを利用したシステムへの関心が高く、特に太陽光発電システムの住宅への普及が加速されている。
従来の太陽電池モジュールを図5と図6を用いて説明する(例えば特許文献1参照)。
図5は従来の太陽電池素子104を示す図であり、図5(a)は受光面側から平面視した図、図5(b)は非受光面側から平面視した図である。また、図6(a)は図5に示す太陽電池素子104が接続タブ107と接続された状態における断面模式図、図6(b)は接続タブ107に平行方向における太陽電池モジュールの断面模式図、図6(c)は複数個の太陽電池素子が接続タブ107によって接続されて太陽電池ストリングを構成している平面図である。
図5に示すように、太陽電池素子104は、半導体基板101の一主面側に設けられた表面出力取出電極102aと表面集電電極102bとからなる表面電極102と、半導体基板101の他の主面側に設けられた裏面出力取出電極103aと裏面集電電極103bとからなる裏面電極103によって構成されている。なお、半導体基板1は、図6(a)に示すように、例えばn型領域105及びp型領域106からなる。
これら複数の太陽電池素子104は、図6(b)〜(c)に示すように、銅箔などの導電性を有する接続タブ107によって半田などの導電性接合材108を介して互いに電気的に接続され、透光性部材109と裏面保護材111の間にエチレンビニルアセテート共重合体(EVA)などを主成分とする充填材110で気密に封入されて太陽電池モジュールを構成する。すなわち、接続タブ107は、導電性接合材108を介して太陽電池素子104の表面出力取出電極102aと、他の太陽電池素子104の裏面出力取出電極103aとに接続される。
特開平11−186572号
上記のような太陽電池モジュールでは、接続タブ107を表面出力取出電極102aや裏面出力取出電極103aに溶着した後の冷却過程において、半導体基板101よりも接続タブ107の方が大きな線膨張係数を有しているため、この差によって生ずる熱応力により、接続タブ107端部付近の半導体基板101にクラックが生じやすい。さらに、太陽電池モジュールとして据え付けられた後に、周囲の環境の温度変化などによってクラックが成長していき、太陽電池素子の信頼性が低下したり、発電効率の低下を引き起こしたりするおそれがある。
本発明は上述した問題点を鑑みてなされたものであり、その目的は半導体基板に生じたクラックの成長を抑制し、高い信頼性を維持できる太陽電池素子、太陽電池モジュール及びその製造方法を提供することにある。
(1)本発明の太陽電池素子は、半導体基板と、前記半導体基板上に設けられた電極であって、この電極と重なり合うように熱溶融性の導電性接合材を介して電気的に接続された接続部を形成する導電性の接続タブが接続される電極と、前記接続部の一端の近傍部であって、前記半導体基板の表面に設けられ、前記半導体基板より線膨張係数が大きい材質からなる表面固着体と、を具備するものである。
(2)本発明の太陽電池素子は、(1)の構成を備えるとともに、前記表面固着体が、前記電極の外周から離間して設けられているものである
(3)本発明の太陽電池素子は、(1)〜(2)のいずれかの構成を備えるとともに、前記表面固着体が、前記電極に接続されている前記接続部の一端の両側の位置を含むように設けられているものである
(4)本発明の太陽電池素子は、(1)〜(3)のいずれかの構成を備えるとともに、前記表面固着体が、前記導電性接合材が溶融する温度で軟化する樹脂材料である。
(3)本発明の太陽電池素子は、(1)〜(2)のいずれかの構成を備えるとともに、前記表面固着体が、前記電極に接続されている前記接続部の一端の両側の位置を含むように設けられているものである
(4)本発明の太陽電池素子は、(1)〜(3)のいずれかの構成を備えるとともに、前記表面固着体が、前記導電性接合材が溶融する温度で軟化する樹脂材料である。
(5)本発明の太陽電池素子は、(1)〜(4)のいずれかの構成を備えるとともに、前記表面固着体が、透光性を有するものである。
(6)本発明の太陽電池素子は、(1)〜(5)のいずれかの構成を備えるとともに、前記表面固着体が、前記電極と同じ材質で構成されている。
(7)本発明の太陽電池モジュールは、(1)〜(6)のいずれかの構成を備えた本発明の太陽電池素子と、前記電極と重なり合うように熱溶融性の導電性接合材を介して電気的に接続され、前記接続部を形成する導電性の接続タブと、を具備するものである。
(8)本発明の太陽電池モジュールは、(7)の構成を備えるとともに、前記太陽電池素子の前記電極は、前記太陽電池素子の一主面側に設けられた表面電極と、他主面側に設けられた裏面電極とを含み、複数枚の前記太陽電池素子は、所定間隔で二次元に配列され、前記接続タブは、前記複数枚の太陽電池素子のうち、第1太陽電池素子の表面電極と、前記第1太陽電池素子に隣接する第2太陽電池素子の裏面電極とを電気的に接続するものである。
(9)本発明の太陽電池モジュールの製造方法は、表面に電極が設けられた半導体基板の基板表面であって、前記電極の一端部の近傍に、この半導体基板より線膨張係数が大きい材質からなる表面固着体を設ける工程と、前記表面固着体が設けられた領域の近傍に一端が位置するように、導電性の接続タブを熱溶融性の導電性接合材を介して前記電極と重なり合うように配置する工程と、前記導電性接合材を加熱溶融して前記電極と前記接続タブとを接続する工程と、を具備する。
本発明の太陽電池素子は、(1)の構成を有していることから、その後の太陽電池モジュールの製造工程において、熱溶融性の導電性接合材が加熱された後、冷却される際に、表面固着体が設けられている箇所の半導体基板には圧縮応力が生じた状態となる。この圧縮応力は、半導体基板と接続タブの線膨張係数差によって生じる応力を打ち消す方向に作用するため、クラックを発生しにくくすることができる。また、接続部の端部付近の半導体基板にクラックが生じたとしても、この圧縮応力により、クラックの成長を抑止することができる。その結果、この太陽電池素子を用いて製造された太陽電池モジュールの信頼性を向上させ、発電効率の低下を抑えることができる。
本発明の太陽電池素子は、(2)の構成を有していることから、電極のエッジ部と表面固着体のエッジ部とが離れた状態になっている。電極(及び接続タブ)と表面固着体は、半導体基板よりも大きな線膨張係数を有しているため、それぞれのエッジ部には半導体基板との間に引張応力が生じる。そのため、それぞれのエッジ部が接近していると互いの引張応力の影響が重なるため、半導体基板の狭い領域に大きな引張応力がかかって、クラックが生じやすくなるおそれがある。(2)の構成によれば、エッジ部同士が離れているので、この問題を回避することができ、表面固着体のクラック抑止効果をより強く発揮することができる。なお、引張応力となるのは表面固着体のエッジ部であり、半導体基板と接しているエッジ部よりも内側の箇所は、圧縮応力となる。本発明の表面固着体は、この圧縮応力となった内側の箇所において、半導体基板のクラックを抑止する効果を有するものである。
本発明の太陽電池素子は、(3)の構成を有していることから、最も大きな応力がかかる位置、すなわち、接続タブと電極とが接続されている接続部の端部の位置を、両側から挟むようにして表面固着体が覆っているので、クラックの生起・進展を好適に防止できる。
本発明の太陽電池素子は、(4)の構成を有していることから、導電性接合材を熱溶融させる際に、その温度において樹脂材料である表面固着体が軟化し、熱可塑性を有するようになる。その後、冷却過程でこの表面固着体と半導体基板との線膨張係数差によって圧縮応力が発生するので、効果的に半導体基板に対して圧縮応力を生じさせることができる。
本発明の太陽電池素子は、(5)の構成を有していることから、表面固着体を通して、太陽電子素子に光が照射されるので、発電効率に悪影響を及ぼすことなくクラックの成長を抑止することができる。
本発明の太陽電池素子は、(6)の構成を有していることから、表面固着体を電極形成工程と同じ工程で形成することができ、安価で効率的に高信頼性の太陽電池素子を製造することができる。
本発明の太陽電池モジュールは、(7)の構成を有していることから、(1)の太陽電池素子において説明したものと同じ効果を得ることができる。
本発明の太陽電池モジュールは、(8)の構成を有していることから、(7)の構成と同じ効果を得ることができる。特に(8)の構成の場合、所定間隔で配置された複数の太陽電池素子間を接続タブが通過するように配置されているので、接続タブが変形してさらに半導体基板に応力が加わってクラックが発生しやすくなるおそれがある。しかしながら、本発明の構成によれば、表面固着体により半導体基板の所定部位に圧縮応力が加わるため、クラックの生起・進展が妨げられ、太陽電池素子の信頼性を向上させ、発電効率の低下を抑えることができる。
本発明の太陽電池モジュールの製造方法は、(9)の構成を有していることから、半導体基板と電極との線膨張係数差による応力が発生する、熱溶融性の導電性接合材の加熱溶融工程及び冷却工程において、本発明に係る表面固着体が半導体基板の所定位置に存在している。したがって、これらの加熱工程と冷却工程を経たときに、表面固着体によって半導体基板に圧縮応力が発生するので、接続タブの端部付近の半導体基板にクラックが生ずることを防止できるとともに、仮にクラックが生じたとしてもその成長・進展を阻害することができる。その結果、この方法によって形成された太陽電池素子は信頼性が高く、長期間の運転においても発電効率が低下しにくいものとなる。
<太陽電池素子・太陽電池モジュールの構成の概要>
以下、図面に基づいて本発明の太陽電池素子及び太陽電池モジュールを詳細に説明する。なお、本発明は以下の例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で変更・改良を施すことは何ら差し支えない。
以下、図面に基づいて本発明の太陽電池素子及び太陽電池モジュールを詳細に説明する。なお、本発明は以下の例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で変更・改良を施すことは何ら差し支えない。
図1は本発明の太陽電池素子4を示す図であり、図1(a)は受光面側から平面視した図、図1(b)は非受光面側から平面視した図である。
また、図2は、図1の太陽電池素子4が接続タブ7によって複数個接続された本発明の太陽電池モジュールを表す図である。図2(a)は接続タブ7に垂直な方向における断面図、図2(b)は太陽電池モジュールの接続タブ7に平行な方向における断面図、図2(c)は太陽電池素子4が接続タブ7によって複数個接続されて太陽電池ストリングを構成している状態を受光面側から平面視した図である。
1は半導体基板、2は表面電極、2aは表面出力取出電極、2bは表面集電電極、3は裏面電極、3aは裏面出力取出電極、3bは裏面集電電極、4は太陽電池素子、5はn型領域、6はp型領域、7は接続タブ、8は導電性接合材、9は透光性部材、10は充填材、11は裏面保護材、12は表面固着体である。
太陽電池素子4は、図1(a)に示すように、半導体基板1の一主面側に設けられた帯状の表面出力取出電極2aと表面集電電極2bからなる表面電極2を有する。また、図1(b)に示すように、半導体基板1の他の主面側に設けられた裏面出力取出電極3aと裏面集電電極3bからなる裏面電極3を有する。さらに、半導体基板1は、例えば、n型領域5及びp型領域6によるPN接合を有し、受光面側(この図の場合一主面側)から光が照射されると光励起キャリアが生成され、表面電極2と裏面電極3との間に光起電力を生ずる構成となっている。表面固着体12は、本発明に特有の構成であり、半導体基板1の表面の所定位置に設けられ、半導体基板1より線膨張係数が大きい材質からなる。この表面固着体12の詳細については後述する。
太陽電池モジュールは、図2に示すように、複数の太陽電池素子4が所定の間隔をあけて二次元的に配列され、一つの太陽電池素子4の表面電極2を構成する表面出力取出電極2aと、隣接する太陽電池素子4の裏面電極3を構成する裏面出力取出電極3aとが例えば銅箔からなる導電性の接続タブ7によって互いに電気的に接続されている。接続タブ7とそれぞれの出力取出電極とは、半田などの熱溶融性の導電性接合材8を介して接続されている。このように接続された複数の太陽電池素子4が、透光性部材9と裏面保護材11の間にエチレンビニルアセテート共重合体(EVA)などを主成分とする充填材10で気密に封入されて太陽電池モジュールとして使用される。
<太陽電池素子・太陽電池モジュールの構成の詳細>
本発明の実施形態について、以下に詳細を示す。
本発明の実施形態について、以下に詳細を示す。
半導体基板1は厚み0.05〜0.35mmであり、単結晶半導体基板、多結晶半導体基板、あるいはアモルファス半導体基板、化合物半導体基板等を適用することができるが、ここでは、単結晶半導体基板、多結晶半導体基板などの結晶系半導体基板を例にとって、具体的に説明する。
例えば、半導体基板1としてシリコン基板を用いる場合は、B(ボロン)などからなるp型の導電型を呈する半導体不純物を含んだp型シリコンを用いることが多い。単結晶シリコン基板は、CZ法で引き上げられたシリコンインゴットを切断することによって得ることができる。また、多結晶シリコン基板は、キャスト法により得られたシリコンインゴットを切断する方法や、リボン法によりシート状の多結晶シリコンを形成し、これを切断する方法などによって、得ることができる。
太陽電池素子4の受光面側に設けられた、表面電極2を構成する表面出力取出電極2aは、半導体基板1のほぼ全長にわたり1本もしくはそれ以上の本数形成されている。また、同様に表面電極2を構成する表面集電電極2bは、表面出力取出電極2aよりも細い形状を有し、この表面出力取出電極2aに多数本が交差して接続するように設けられている。この表面集電電極2bも半導体基板1のほぼ全長にわたって形成されている。このような表面電極2は、通常、抵抗率が低く半田などの導電性接合材との濡れ性の良い銀粉末等を主成分とした電極材料を用いて形成される。
太陽電池素子4の非受光面側に設けられた、裏面電極3を構成する裏面出力取出電極3aは、半導体基板1のほぼ全長にわたり1本もしくはそれ以上の本数形成されている。表面電極2と同様に銀を主成分とした材料を用いて形成される。また、裏面電極3を構成する裏面集電電極3bは、半導体基板1のほぼ全面に設けられ、例えばアルミニウム粉末等からなる金属を主成分とする電極材料を用いて形成される。
これらの電極材料の塗布方法としては、スクリーン印刷法等の周知の方法を用いることができ、塗布後、所定の温度で溶剤を蒸散させて乾燥させれば良い。上述のようにして塗布・乾燥した表面電極2と裏面電極3を、例えば600〜800℃で1〜30分程度焼成する焼成工程を経ることによって、半導体基板1に対して電極を焼き付けて形成することができる。
なお、半導体基板1として、p型のシリコン半導体基板を用いる場合には、裏面集電電極3bとして、p型の導電性を呈する半導体不純物として作用するアルミニウムを主成分とすることが一般的である。上述したように、裏面集電電極3bの形成方法としては、例えば、アルミニウムペーストをスクリーン印刷法などによって塗布した後の熱処理によって、アルミニウムが半導体基板1に拡散し、裏面集電電極3bとの界面にアルミニウムなどの半導体不純物を高濃度に含んだp+領域が形成される。このようなp+領域は、BSF(Back Surface Field)領域とも呼ばれ、光生成電子キャリアが裏面集電電極3bに到達して再結合損失する割合を低減する役割を果たすので、光電流密度Jscが向上する。また、BSF領域では、少数キャリア(電子)密度が低減されるので、このBSF領域及び裏面集電電極3bに接する領域でのダイオード電流量(暗電流量)を低減する働きをし、開放電圧Vocが向上する。その結果、太陽電池特性を向上させる働きがある。
このようにして、太陽電池素子4を得ることができる。なお、半導体基板1の受光面側において、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜などからなる反射防止膜(不図示)を設けても良く、これにより太陽電池素子に入射した光の利用効率を高め、太陽電池特性を向上させることができる。
太陽電池モジュールは、図2(a)に示すように、接続タブ7は、太陽電池素子4の表面出力取出電極2a及び裏面出力取出電極3aそれぞれの略全長にわたって重なり合うように、半田などの熱溶融性の導電性接合材8を介して電気的に接続されている。このようにして複数の太陽電池同士が接続タブ7によって接続された太陽電池ストリングは、透光性部材9と非受光面側の裏面保護材11との間に、エチレンビニルアセテート共重合体(以下、EVAと略す)などを主成分とする充填材10の内部に埋め込まれ、太陽電池モジュールを構成している。そして、太陽電池モジュールの出力は、出力配線(不図示)を経て端子ボックス(不図示)に接続している。具体的には、接続タブ7によって接続された複数の太陽電池素子は、透光性部材9と受光面側の充填材10を積層したものの上に載置され、さらに非受光面側の充填材10及び裏面保護材11を順次積層された上で、ラミネート工程を経て一体化し、その後、枠体(不図示)及び端子ボックス(不図示)を取り付けて耐候性を有する太陽電池モジュールとすることができる。
接続タブ7とは、太陽電池素子同士や横配線(不図示)と電気的に接続するものである。その接続方法として直列接続と並列接続とが考えられ、太陽電池素子同士を直列接続する場合には、図2(b)に示すように、接続タブ7の一端は、一の太陽電池素子の受光面側の表面出力取出電極2aと半田付け等の方法で接続され、もう一端は、他の太陽電池素子の非受光面側の裏面出力取出電極3aに接続される。また、並列接続する場合、接続タブ7の一端は、一の太陽電池素子の出力取出電極2a(3a)に接続され、接続タブ7のもう一端は、他の太陽電池素子の出力取出電極2a(3a)に接続される。
この接続タブ7の材質は、銅、銀、パラジウム、パラジウムと銀の合金、金、ニッケル、半田、鉛、などの良導電性の金属材料からなる。また、これらの金属材料を半田被覆したり、蒸着法、メッキ法などで表面金属膜を別途設けたりすれば、導電性を確保できるだけではなく、腐食防止、酸化防止の観点からも接続タブ7としてより好ましいものとなる。
なお、接続タブ7は、その導電性や半田による被覆のしやすさなどを考慮して、銅箔を用いることが好ましい。具体的には、厚み0.1〜1.0mm程度、幅0.5〜3mm程度の銅箔に片面20〜70μm程度の半田を導電性接合材として被覆して、接続タブ7とすることができる。
特に、受光面側に表面出力取出電極2aがある場合、接続タブ7は、半導体基板1の受光面に影を作らないように、表面出力取出電極2aの幅と同じかそれ以下にすることが好ましい。さらに接続タブ7の長さは、隣り合う太陽電池素子の表面出力取出電極2a、裏面出力取出電極3aにわたって接続できる長さにすることが好ましい。例えば1辺の長さ150mmの多結晶シリコン基板を使用する場合、接続タブ7の長さは280〜320mm程度である。
この接続タブ7は、表面出力取出電極2aや裏面出力取出電極3aと、熱溶融性の半田などの導電性接合材8によって接続される。この接続の工程において、接続タブ7と電極との間において導電性接合材8が加熱溶融される。そして冷えて固まる際に、接続タブ7は半導体基板1よりも大きな線膨張率を有するため、半導体基板1に引張応力が加わり、クラックが発生する原因となる。
これに対して、上述したように、本発明の太陽電池モジュールにおいては、半導体基板1の所定位置に、この半導体基板1より線膨張係数が大きい材質からなる表面固着体12が半導体基板1の表面に設けられているので、クラックを発生しにくくすることができる。
この作用について具体的に図3を用いてより詳細に説明する。図3(a)は、図2(c)のA部を部分的に拡大した平面図である。図3(b)は、表面固着体12の状態を説明するための拡大模式図である。図3(a)において、表面出力取出電極2aに対して接続タブ7が導電性接合材8(半田)を介して接続されている。このとき接続タブ7と表面出力取出電極2aとが、導電性接合材8によって物理的に接続されている箇所として、接続部7aを定義する。この箇所は実際には平面図では見えないが、図3では説明のため、ハッチングをつけて記載している。
上述したように、半導体基板1よりも大きな線膨張率を有する銅箔などからなる接続タブ7は、半導体基板1よりも収縮量が大きい。したがって、加熱溶融した導電性接合材8である半田が固化した後、半導体基板1が室温に戻る途中、室温に戻った後において、接続タブ7と表面出力取出電極2aとが物理的に固着されている接続部7aの端部には強い引張応力が加わる。特に、接続タブ7は、表面出力取出電極2aと略全長にわたって重なり合うように接続されているので、接続部7aは、長手方向(図3の横方向)の端部において最も強い引張応力が加わる(矢印方向)。そのため、この接続部7aの端部の近傍において半導体基板1にクラックが生じやすい。
そこで、本発明では、この接続部7aの端部の近傍に表面固着体12を設けている。この表面固着体12は、半導体基板1より線膨張係数が大きい材質からなる。図3(b)に示すように、熱溶融性の導電性接合材8が冷却される際に、表面固着体12が設けられている箇所の半導体基板1には圧縮応力が生じた状態となっている。この圧縮応力は、半導体基板1と接続タブ7の線膨張係数差によって生じる応力を打ち消す方向に作用するため、クラックを発生しにくくすることができる。また、接続部7aの端部付近の半導体基板1にクラックが生じたとしても、この圧縮応力により、クラックの成長を抑止することができる。その結果、太陽電池素子4の信頼性を向上させ、発電効率の低下を抑えることができる。なお、表面固着体12は半導体基板1よりも線膨張係数が大きいため、表面固着体12の周囲のエッジ部には引張応力が働く。しかしながら、表面固着体12の大きさが接続部7aの長手方向の大きさと比べて十分小さいので、表面固着体12のエッジ部の引張応力は特に問題とはならない。本発明においては、表面固着体12の内側に生じる圧縮応力が重要な役割を果たすのである。
また、本発明の太陽電池モジュールは、所定間隔で配置された複数の太陽電池素子4の間を接続タブ7が通過するように配置されているので、接続タブ7が変形してさらに半導体基板1に応力が加わってクラックが発生しやすくなるおそれがある。しかしながら、本発明の構成によれば、表面固着体12により半導体基板1の所定部位に圧縮応力が加わるため、クラックの生起・進展が妨げられ、太陽電池素子4の信頼性を向上させ、発電効率の低下を抑えることができる。
このような表面固着体12としては、半導体基板1よりも線膨張係数の大きい材料であれば良い。例えば、半導体基板1としてシリコンを用いた場合、線膨張係数は約4.1×10−6K−1であり、ガリウム砒素を用いた場合、線膨張係数は、約6.0×10−6K−1となる。したがって、用いる半導体基板1よりも線膨張係数の大きい材料を選定すれば、表面固着体12として使用できる。
表面固着体12として、金(約14.2×10−6K−1)、銀(約19.3×10−6K−1)、銅(約16.2×10−6K−1)、アルミニウム(約23.7×10−6K−1)、ニッケル(約15〜53×10−6K−1)等、従来周知の金属を用いることができる(括弧内は線膨張係数値)。上述したように、一般的な金属は、約10×10−6K−1以上の線膨張係数を有するので、上述した半導体基板1に対して、表面固着体12として好適に作用する。
このような金属を表面固着体12として用いる場合、金属を含有するペーストを、スクリーン印刷法等の周知の方法を用いて表面固着体12を形成する箇所に塗布し、その後、所定の温度で溶剤を蒸散させて乾燥、さらに所定温度で焼成することによって、半導体基板1の所定位置に金属からなる表面固着体12を焼き付けて形成することができる。この工程は、上述した電極形成工程と全く同様であるから、表面固着体12として、電極(表面出力取出電極2aや裏面出力取出電極3a)と同じ材質の金属を用いることができる。具体的には、スクリーン印刷のマスクに電極パターンと表面固着体のパターンを同時に設けておき、印刷時に双方のパターンを用いて同時に半導体基板1上に印刷すれば良い。その後、上述した所定の電極形成工程を経ることによって、電極と表面固着体12を同時に形成することができるので、安価で効率的に高信頼性の太陽電池モジュールを製造することができる。
また、表面固着体12としては、上述した金属材料のほかに、エポキシ樹脂(約45〜65×10−6K−1)やフェノール樹脂(約20〜40×10−6K−1)などの樹脂材料を用いることもできる。
特に表面固着体12として樹脂材料を用いる場合、導電性接合材8が溶融する温度で軟化する樹脂材料を用いることが望ましい。導電性接合材8を熱溶融させる際に、その温度において樹脂材料である表面固着体12が軟化し、熱可塑性を有するようになる。その後、冷却過程でこの表面固着体12と半導体基板1との線膨張係数差によって圧縮応力が発生するので、効果的に半導体基板1に対して圧縮応力を生じさせることができるからである。
このような樹脂材料としては多くのものがあるが、例えば、太陽電池モジュールの充填材として用いられるエチレンビニルアセテート共重合体(EVA)(約110〜170×10−6K−1)が挙げられる。このEVAは融点が160〜170℃程度(グレードによっては100℃以下のものも存在する)であり、導電性接合材8である半田の溶融温度において、良好な熱可塑性を有する。
また、樹脂材料を用いて表面固着体12を形成する場合、透光性を有する材料を用いることが望ましい。発電効率に悪影響を及ぼすことなくクラックの成長を抑止することができるからである。例えば、上述したEVAの場合、太陽電池モジュールの受光面側の充填材として利用される透明グレードのものを好適に使用することができる。
なお、表面固着体12の材質としては、上述した金属材料や樹脂材料に限られるものではなく、これら樹脂材料と、上述の金属材料あるいは無機物のフィラーとを混合した複合材料を用いても構わない。
表面固着体12は、図3(a)に示すように、表面出力取出電極2aと裏面出力取出電極3aの外周から離間させて設けることが望ましい。この構成は、電極のエッジ部と表面固着体12のエッジ部とが離れた状態である。電極(及び接続タブ7)と表面固着体12は、半導体基板1よりも大きな線膨張係数を有しているため、それぞれのエッジ部には半導体基板1との間に引張応力が生じる。そのため、それぞれのエッジ部が接近していると互いの引張応力の影響が重なるため、半導体基板1の狭い領域に大きな引張応力がかかって、クラックが生じやすくなるおそれがある。エッジ部同士が離れた構成にすることにより、この問題を回避し、表面固着体12のクラック抑止効果をより強く発揮することができる。
表面固着体12を設ける位置としては、最も大きな応力がかかる位置、すなわち、接続タブ7と電極とが接続されている接続部7aの長手方向の端部の位置を、短手方向の両側から挟むようにして表面固着体12を設けるようにすると良い。これにより、クラックの生起・進展を好適に防止できる。図4(a)、(b)は、本発明に係る表面固着体の他の実施形態を示す図であり、図1(図3)に示された表面固着体12とは異なり、表面固着体12a,12bは接続部7aの端部の両端に分離された状態で設けられており、本発明の効果を好適に奏するものとなる。
なお、図1(図3)に示された表面固着体12の実施形態の場合、接続部7aの端部を両端から先端にかけてコの字型として囲うように設けられており、先端部にも圧縮応力領域が存在している。一般的に接続タブ7による引張応力に起因するクラックが半導体基板1に生ずる場合、接続部7aの端部の両端側だけではなく、そこから様々な方向に向けてクラックが進展することが多い。したがって、図1(図3)に示す表面固着体12では、接続部7aの端部の両端側及び先端側に圧縮応力の領域が存在しているので、クラックの生成・進展をより確実に抑止することができる。
表面固着体12の大きさは、図3に示す形状の場合、接続部7aの短手方向に沿った方向の幅は0.5mm〜5mmの範囲となるようにすれば良い。0.5mmよりも小さいと十分な圧縮応力が得られないおそれがある。また、5mmを超えると、太陽電池素子の発電領域に対して悪影響を及ぼす可能性がある。なお、表面固着体12は、接続部7aの長手方向に沿った方向の側において、進展しようとするクラックを受け止めるように構成されているので、クラックが発生する可能性のある引張応力の集中領域をカバーするような長さとすることが望ましい。具体的には、2mm〜10mmの範囲の長さとし、上述したように最も引張応力が大きくなる接続部7aの長手方向の端部の位置を短手方向の両側から挟むように設けると良い。2mmよりも小さいと、この表面固着体12を設けた領域以外の領域にクラックが進展する可能性がある。また、10mmを超えると、太陽電池素子の発電領域に対して悪影響を及ぼす可能性がある。
また、表面固着体12の厚さは、上述した金属材料の場合、表面電極(表面出力取出電極2a,裏面出力取出電極3a)と同程度の厚さとすれば良く、具体的には、2μm〜50μmの範囲である。また、樹脂材料の場合、一般的に線膨張係数が金属材料よりも大きいが、変形しやすく応力が蓄積しにくいため、半導体基板1に圧縮応力を良好に蓄積させるためには、金属材料の場合よりも厚くなるように設けることが望ましい。上述した樹脂材料の場合では、30μm〜1mmの範囲とすれば良い。
本発明に係る表面固着体の説明は以上であり、この後、本発明の太陽電池モジュールの残りの部材について説明する。
透光性部材9としては、ガラスやポリカーボネート樹脂などが用いられる。ガラス板については、白板ガラス、強化ガラス、倍強化ガラス、熱線反射ガラスなどが用いられるが、一般的には厚さ3mm〜5mm程度の白板強化ガラスが使用される。他方、ポリカーボネート樹脂などの合成樹脂からなる基体を用いた場合には、厚みが5mm程度のものが多く使用される。
そして、充填材10は、EVAやポリビニルブチラール(以下、PVBと略す)から成り、従来周知のTダイ(平板状口金)を有する押出機により厚さ0.2〜1mm程度のシート状に成形されたものが用いられる。これらはラミネート装置により減圧下にて加熱加圧を行うことで、軟化、融着して他の部材と一体化する。このEVAやPVBは、酸化チタンや顔料等を含有させ白色等に着色させることがあるが、本発明が適用される太陽電池モジュールにおける受光面側の充填材10においては、着色させると太陽電池素子4に入射する光量が減少し、発電効率が低下するため透明とすることが望ましい。なお、非受光面側の充填材10に用いるEVAやPVBは透明でも構わないし、太陽電池モジュールの設置される周囲の設置環境に合わせ酸化チタンや顔料等を含有させ白色等に着色させても構わない。
また、裏面保護材11は、水分を透過しないようにアルミ箔を挟持した耐候性を有するフッ素系樹脂シートやアルミナまたはシリカを蒸着したポリエチレンテレフタレ−ト(PET)シートなどが用いられ、透明でも良いし、白色や黒色等に着色して用いても良い。
さらに、端子ボックス(不図示)は、太陽電池素子4からの電気出力を外部回路に接続するために、裏面保護材11に接着材等を用いて取り付けられる。この端子ボックスの一例としては、変性ポリフェニレンエーテル樹脂(変性PPE樹脂)などで紫外線などに対する耐光性を考慮して黒色で形成される。また、端子ボックスは、取り付け後の半田付け作業などを行いやすくするため、本体部と蓋部に分かれており、蓋部は本体部に嵌め込みやネジ止めにより固定される。端子ボックスの大きさは、取り付けられる太陽電池モジュールの大きさにより最適に決定すれば良いが一例として、一辺が5〜15cm程度、厚みが1〜5cm程度のものである。
そして、枠体(不図示)は、太陽電池モジュールとして必要な機械的強度や耐候性能を確保し、また太陽電池モジュールを野外に設置する場合の架台(不図示)と太陽電池モジュールとの間を接続し、固定するためにも用いる。枠体は、太陽電池モジュールに必要な強度やコストを考慮してアルミニウムや樹脂などで形成される。アルミニウムで造る場合には、アルミニウムを押し出し成形して造られ、その表面にアルマイト処理やクリヤ塗装が施される。
以上のようにして、本発明に係る太陽電池モジュールとすることができる。
<太陽電池モジュールの製造方法>
次に、本発明に係る太陽電池モジュールの製造方法について、図1,図2を用いて説明する。図中、符号については、既に上述しているため、ここでは省略する。
次に、本発明に係る太陽電池モジュールの製造方法について、図1,図2を用いて説明する。図中、符号については、既に上述しているため、ここでは省略する。
(A)まず、図2(a)に示すように、厚み0.1〜0.4mm程度、大きさ100〜150mm角程度の単結晶シリコンや多結晶シリコン等からなるp型の半導体基板1を準備し、半導体基板1の受光面側近傍に一定の深さまで逆導電型のn型不純物を拡散させる。n型を呈する逆導電型拡散領域であるn型領域5の製造方法としては、例えばp型の半導体基板1を拡散炉中に配置して、オキシ塩化リン(POCl3)中で加熱することによって、半導体基板1の受光面側全体にn型不純物であるリン原子を拡散させて、厚み0.2〜0.5μm程度の逆導電型拡散領域として形成することができる。このようにして、pn接合を有する半導体基板1を形成することができる。
さらに、半導体基板1の受光面側には、例えば、窒化シリコン膜からなる反射防止膜(不図示)が形成されることが好ましく、このような反射防止膜は、例えばプラズマCVD法等で形成することが可能であり、パッシベーション膜としての機能をも有する。
(B)次に、図1(a),(b)に示すように、上述した半導体基板1に表面電極2、裏面電極3を形成する。既に説明したように、受光面側には、受光面側の表面電極2が設けられており、受光面側の表面電極2には出力を取り出すための受光面側の表面出力取出電極2aと、これに直交するように設けられた受光面側の表面集電電極2bとが形成される。また、非受光面側には、非受光面側から出力を取り出すための銀などを主成分とする裏面出力取出電極3aとアルミニウムなどを主成分とする裏面集電電極3bとが形成される。
なお、これらの表面電極2,裏面電極3は、金属を主成分とする金属材料を有機溶剤等と混ぜ合わせてペースト状にし、周知の技術であるスクリーン印刷法などにより塗布して焼成することによって得ることができる。以下、表面電極2,裏面電極3を形成する工程を示す。
(a)非受光面側の裏面集電電極3bの形成は、例えば裏面集電電極3bがアルミニウムなどを主成分とする金属材料を用いて、半導体基板1の非受光面の一部を除いた略全面に所定厚みになるようにスクリーン印刷によって塗布して乾燥する。
(b)非受光面側の裏面出力取出電極3aの形成は、例えば銀などを主成分とする金属材料を用いて、(a)で金属材料を塗布しなかった部分とその周縁部を覆うように、例えば、半導体基板1の端部5mmの位置から対向する端部の5mmの位置までをスクリーン印刷によって塗布して乾燥する。
(c)受光面側の表面出力取出電極2aについても、上述した(b)と同様に、受光面側の表面出力取出電極2a及び表面集電電極2bを、銀などを主成分とする金属材料を用いて形成する。
このように形成した、電極材料を加熱炉等で500℃から800℃で焼成することで、表面電極2,裏面電極3を形成することができる。焼成工程は、最終的にこれらの電極材料に熱処理が行なわれていれば良く、複数回に分けて焼成工程を設けても良いし、一度の焼成工程で電極を形成しても良く、特に限定されるものではない。
また、上述した熱処理によって、非受光面の略全面に形成された裏面集電電極3bは、半導体基板1に対してp型不純物として作用するアルミニウムを主成分としているので、半導体基板1と裏面集電電極3bとが接した部分に、裏面電界領域(BSF領域)である高濃度のp+領域(不図示)が形成される。また、受光面側の表面電極2は、反射防止膜の電極に相当する部分をエッチング除去して形成しても良いし、反射防止膜の上から、ファイアースルーという手法によって直接形成するようにしても良い。
(C)次に、図1(図3)に示す表面固着体12の形状を有する透明EVAシートを半導体基板1上の表面出力取出電極2aと裏面出力取出電極3aの端部の近傍に配置する。
なお、表面固着体12としては、表面電極2と同じ材料(銀)を用いても良い。この場合、上述の(c)の工程において、スクリーン印刷のマスクにこの表面電極2のパターンと表面固着体12のパターンを同時に設けておき、印刷時に双方のパターンを用いて同時に半導体基板1上に印刷すれば良い。その後、上述した電極形成工程を経ることによって、表面電極2と表面固着体12を同時に形成することができる。
(D)次に、太陽電池素子4の表面出力取出電極2a,裏面出力取出電極3aに対して、図2(b),(c)に示すように、導電性の接続タブ7を熱溶融性の導電性接合材8を介して電極と重なり合うように配置する。接続タブ7としては、厚さ50〜300μmの銅箔とし、あらかじめ半田を導電性接合材8として5〜50μmの厚さで塗布したものを用いることができる。なお、接続タブ7は、表面固着体12が設けられた領域の近傍に一端が位置するように配置する。
(E)上述のように配置した接続タブ7は、例えば、ホットエアー、半田付け等周知の技術を用いて加熱する。これにより、半田を加熱溶融して電極と接続タブ7とを接続することができる。なお、接続タブ7の接続していない方の側は、同様に他の太陽電池素子4に接続しても良いし、横配線に接続しても良い。
表面固着体12としてEVAを用いた場合、半田を熱溶着する際、出力取出電極付近に載置したEVAも溶解し、冷却過程で半導体基板1に圧縮応力が発生する。この圧縮応力のため、接続タブ7端部付近の半導体基板1に生じたクラックの成長を抑止することができる。このように、表面固着体12は、少なくとも、熱溶融性の導電性接合材8の加熱溶融工程及び冷却工程が終了した時点で半導体基板1に圧縮応力が発生するような態様で固着していれば良く、この加熱溶融工程及び冷却工程の前段階では、半導体基板1に置かれただけの状態であっても構わない。
なお、表面固着体12として金属材料を用いた場合、金属材料を表面固着体12として設ける工程において、既に半導体基板1に対して圧縮応力が発生した状態となっているので、同様に半導体基板1に生じたクラックの成長・進展を阻害することができる。
(F)図2(b)に示したように、太陽電池モジュールの耐候性を向上させるため、上述したガラスなどの透光性部材9、EVAなどの充填材10の上にさらに積層し、その上にさらに充填材10、裏面保護材11を順次積層する。これらの積層部材は、ラミネーターにセットされ、50〜150Paの減圧下にて加圧しながら100℃〜200℃の温度で15〜60分程度加熱することによって、受光面側の充填材10と非受光面側の充填材10とが溶融した上で架橋して一体化される。最後に、枠体(不図示)及び端子ボックス(不図示)を取り付ける。
以上のような工程を経ることによって、本発明の太陽電池モジュールを製造することができる。このような本発明の製造方法によれば、半導体基板1と電極との線膨張係数差による応力が発生する、熱溶融性の導電性接合材8の加熱溶融工程及び冷却工程において、本発明に係る表面固着体12が半導体基板1の所定位置に存在している。したがって、これらの加熱工程と冷却工程を経たときに、表面固着体12によって半導体基板1に圧縮応力が発生するので、接続タブ7の端部付近の半導体基板1にクラックが生ずることを防止できるとともに、仮にクラックが生じたとしてもその成長・進展を阻害することができる。その結果、この方法によって形成された本発明の太陽電池素子4は信頼性が高く、長期間の運転においても発電効率が低下しにくいものとなる。
以下、本発明の実施例について説明する。図1,図2に示す太陽電池素子4、太陽電池モジュールを以下のようにして作製した。
厚さが100μmで、外形が15cm×15.5cmのp型の多結晶シリコンからなる半導体基板1表面のダメージ層をNaOHでエッチングして洗浄した。次に、この半導体基板1を拡散炉中に配置して、オキシ塩化リン(POCl3)の中で加熱することによって、半導体基板1の表面にリン原子を拡散させて、n型領域を形成した。その上にプラズマCVD法によって反射防止膜(不図示)となる厚み850Åの窒化シリコン膜を形成した。
この半導体基板1の裏面側に裏面集電電極3bを形成するために、アルミニウム粉末を用いた有機電極材料をスクリーン印刷法によって図1(b)に示されるようにほぼ裏面全面に塗布して、その後溶剤を蒸散させて乾燥させた。
そして、表面側に表面電極2を、裏面側に裏面出力取出電極3aを形成するために、銀粉末を用いた有機電極材料をスクリーン印刷法によって、図1(a)に示される形状に塗布して乾燥させた。この半導体基板1を、650℃で15分間焼成させ、電極を焼き付けた。このとき、表面出力取出電極2aと裏面出力取出電極3aは、半導体基板1の周端から5mmの地点まで設けた。
表面固着体12としては、透明EVAシートを用いた。図1に示すような形状に切り、半導体基板1上で表面出力取出電極2aと裏面出力取出電極3aに接するように載置した。表面固着体12の大きさとしては、表面出力取出電極2aと裏面出力取出電極3aの短手方向に沿った方向の幅を2mmとし、長手方向に沿った方向の側の長さを6mmとした。また、透明EVAシートの厚みは500μmとした。
接続タブ7としては、厚さ200μmの銅箔を溶融半田たまりに浸し、導電性接合材8として半田を20μm厚で塗布したものを用いた。この接続タブ7を表面出力取出電極2aと裏面出力取出電極3aの上に置き、ホットエアーを接続タブ7に吹き付けることで半田を溶融し、その後冷却して、接続タブ7を表面出力取出電極2aと裏面出力取出電極3aに溶着した。
この段階で接続タブ7の接続状態を確認したところ、接続タブ7端部付近下の半導体基板1に生じたクラックが、表面固着体12の下で止まっていることが確認された。
さらに、その後、裏面保護材11の上に充填材10を、さらにその上に太陽電池素子4、充填材10、透光性部材9を順次置き、ラミネーターにセットし減圧下にて加圧しながら150℃で45分間加熱して一体化させ、枠体を取り付けた。ここで透光性部材9にはガラス、充填材10にはEVA、裏面保護材11には水分を透過しないようにアルミ箔を挟持した耐候性を有するフッ素系樹脂シートを蒸着したポリエチレンテレフタレ−ト(PET)シートを用いている。
以上のようにして作製した太陽電池モジュールの発電効率は14%であり、−40℃〜90℃の温度サイクル試験を200サイクル行っても発電効率が低下しなかった。太陽電池素子を確認したところ、半導体基板1のクラックの成長は見られなかった。
また、表面固着体12として、透明EVAを用いる代わりに、表面電極2を印刷する際に、全く同じ形状のパターンを同時に印刷し作製した。なお、厚みについては、表面電極2とほぼ同じく約10μmであった。この場合も透明EVAを用いた実施例と同様に、接続タブ7の溶着時に生じたクラックは、表面固着体12の下で止まり、太陽電池モジュールの温度サイクル試験を行なっても発電効率の低下はなかった。
比較のため、表面固着体12を設ける点を除いて、全て上記と同様の方法で作製した太陽電池モジュールでは、温度サイクル試験後に発電効率が2割低下した。太陽電池素子を確認したところ、半導体基板1にクラックが発生し、約5mmの長さに成長していることがわかった。
1・・・半導体基板
2・・・表面電極
2a・・表面出力取出電極
2b・・表面集電電極
3・・・裏面電極
3a・・裏面出力取出電極
3b・・裏面集電電極
4・・・太陽電池素子
5・・・n型領域
6・・・p型領域
7・・・接続タブ
7a・・接続部
8・・・導電性接合材
9・・・透光性部材
10・・・充填材
11・・・裏面保護材
12・・・表面固着体
12a,12b・・表面固着体
2・・・表面電極
2a・・表面出力取出電極
2b・・表面集電電極
3・・・裏面電極
3a・・裏面出力取出電極
3b・・裏面集電電極
4・・・太陽電池素子
5・・・n型領域
6・・・p型領域
7・・・接続タブ
7a・・接続部
8・・・導電性接合材
9・・・透光性部材
10・・・充填材
11・・・裏面保護材
12・・・表面固着体
12a,12b・・表面固着体
Claims (9)
- 半導体基板と、
前記半導体基板上に設けられた電極であって、この電極と重なり合うように熱溶融性の導電性接合材を介して電気的に接続された接続部を形成する導電性の接続タブが接続される電極と、
前記接続部の一端の近傍部であって、前記半導体基板の表面に設けられ、前記半導体基板より線膨張係数が大きい材質からなる表面固着体と、を具備する太陽電池素子。 - 前記表面固着体は、前記電極の外周から離間して設けられている、請求項1に記載の太陽電池素子。
- 前記表面固着体は、前記電極に接続されている前記接続部の一端の両側の位置を含むように設けられている、請求項1又は請求項2に記載の太陽電池素子。
- 前記表面固着体は、前記導電性接合材が溶融する温度で軟化する樹脂材料である、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の太陽電池素子。
- 前記表面固着体は、透光性を有する、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の太陽電池素子。
- 前記表面固着体は、前記電極と同じ材質で構成されている、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の太陽電池素子。
- 請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の太陽電池素子と、
前記電極と重なり合うように熱溶融性の導電性接合材を介して電気的に接続され、前記接続部を形成する導電性の接続タブと、を具備する、太陽電池モジュール。 - 前記太陽電池素子の前記電極は、前記太陽電池素子の一主面側に設けられた表面電極と、他主面側に設けられた裏面電極とを含み、
複数枚の前記太陽電池素子は、所定間隔で二次元に配列され、
前記接続タブは、前記複数枚の太陽電池素子のうち、第1太陽電池素子の表面電極と、前記第1太陽電池素子に隣接する第2太陽電池素子の裏面電極とを電気的に接続する、請求項7に記載の太陽電池モジュール。 - 表面に電極が設けられた半導体基板の基板表面であって、前記電極の一端部の近傍に、この半導体基板より線膨張係数が大きい材質からなる表面固着体を設ける工程と、
前記表面固着体が設けられた領域の近傍に一端が位置するように、導電性の接続タブを熱溶融性の導電性接合材を介して前記電極と重なり合うように配置する工程と、
前記導電性接合材を加熱溶融して前記電極と前記接続タブとを接続する工程と、を具備する、太陽電池モジュールの製造方法。
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Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2011124430A (ja) * | 2009-12-11 | 2011-06-23 | Nippon Avionics Co Ltd | 太陽電池モジュールの接合方法および接合装置 |
| WO2013014966A1 (ja) * | 2011-07-26 | 2013-01-31 | 三洋電機株式会社 | 太陽電池モジュールの製造方法 |
-
2006
- 2006-11-28 JP JP2006320778A patent/JP2008135573A/ja active Pending
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