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JP2008131625A - 通話装置 - Google Patents

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武正 庄司
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Abstract

【課題】 送話信号からスピーカが発する音声成分を広い周波数帯域に亘ってキャンセルして、ハウリングの発生を防止できる低コストの通話装置を提供する。
【解決手段】 A/D変換回路31は、A/D変換回路30がマイクロホンM1からの音声信号をA/D変換したタイミングから周波数f1の音波に対する遅延時間経過したときにマイクロホンM2からの音声信号をA/D変換し、推測回路322〜32nは、マイクロホンM2で集音した音声信号の周波数f1の成分に対する周波数f2〜fnの成分の位相差をずれ時間Th2〜Thnとし、A/D変換回路31の出力に基づいて、A/D変換回路31がA/D変換するタイミングからずれ時間Th2〜ThnずれたタイミングでマイクロホンM2から出力される音声信号を推測し、減衰回路351〜35n、演算回路36aを介してスピーカSPからの音声を低減させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、通話装置に関するものである。
従来、インターホンシステム等で屋内に設置される通話装置があり、他の場所に設置された通話装置からの音声を出力するスピーカや、他の通話装置へ伝達する音声を入力するマイクロホン等を備えている。
そして、スピーカから発生した音声がマイクロホンに回り込むとハウリングが生じることになるから、様々なハウリング防止対策が採られている。例えば、スピーカと一対のマイクロホンとを備えて、両マイクロホンとスピーカとの距離の差に相当する音波の遅延時間だけスピーカに近いほうのマイクロホンの出力を遅延させる遅延回路と、両マイクロホンとスピーカとの距離の差に相当するレベル調整を行なってスピーカからの音声に対する両マイクロホンの出力レベルを一致させるレベル調整増幅回路と、遅延回路とレベル調整増幅回路とを通った両マイクロホンの出力を両入力とする差動増幅回路とを設け、差動増幅回路の出力を送話信号とする通話装置が提案された。
この通話装置では、両マイクロホンでスピーカからの音声を拾った後、遅延およびレベル調整を行なって両マイクロホンに入力されるスピーカからの音声成分を差動増幅回路で相殺することで、スピーカからの音声成分のみを除去して(キャンセル処理)、ハウリングを防止しようとしている。(例えば、特許文献1,2参照)。
特開平11−41342号公報 特許第3226121号公報
しかしながら、スピーカから発せられた音声はマイクロホンに伝達されて音声信号に変換されるが、スピーカからマイクロホンへ伝わる音波の伝達関数は周波数特性を有しており、マイクロホンで集音される音声の位相、振幅は、周波数に依存している。したがって、上記特許文献1,2のような従来の構成では、特定の周波数近傍ではスピーカからの音声成分をキャンセルできるが、広い周波数帯域に亘ってスピーカからの音声成分をキャンセルすることはできなかった。また、コスト低減の要望もある。
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、送話信号からスピーカが発する音声成分を広い周波数帯域に亘ってキャンセルして、ハウリングの発生を防止できる低コストの通話装置を提供することにある。
請求項1の発明は、伝達された音声情報を出力するスピーカと、音声を集音して音声信号を出力する第1のマイクロホンと、スピーカからの距離が第1のマイクロホンより遠い位置に配置され、音声を集音して音声信号を出力する第2のマイクロホンと、前記第1,第2のマイクロホンが出力する各音声信号を信号処理して伝達する信号処理部とを備え、前記信号処理部は、第1のマイクロホンが出力する音声信号をA/D変換する第1のA/D変換手段と、第1,第2のマイクロホンとスピーカとの各距離の差に相当する第1の周波数の音波の伝達時間を遅延時間として、第1のA/D変換手段が第1のマイクロホンからの音声信号をA/D変換したタイミングから前記遅延時間経過したときに第2のマイクロホンからの音声信号をA/D変換する第2のA/D変換手段と、第1,第2のマイクロホンのいずれか一方で集音した音声信号の第1の周波数の成分に対する第2の周波数の成分の位相差をずれ時間とし、一方のマイクロホンが出力する音声信号をデジタル信号に変換するA/D変換手段の出力に基づいて、当該A/D変換手段がA/D変換するタイミングから前記ずれ時間ずれたタイミングで一方のマイクロホンから出力される音声信号を推測する推測手段と、スピーカからの音声に対する前記第1,第2のマイクロホンの各出力レベルを第1,第2の周波数を各々含む周波数帯域毎に一致させる処理を、前記一方のA/D変換手段および推測手段の各出力と前記他方のA/D変換手段の出力との少なくとも一方に施すレベル調整手段と、レベル調整手段を通過した第1,第2のマイクロホンの音声信号の差を出力する演算手段とを具備することを特徴とする。
この発明によれば、周波数帯域毎に送話信号からスピーカが発する音声成分をキャンセルするので、広い周波数帯域に亘ってハウリングの発生を防止できる。さらに、推測手段によってA/D変換していない周波数の音声信号を推測するので、高速で動作するA/D変換手段または多数のA/D変換手段が必要なく、コスト低減、回路規模の縮小、小型化を図ることができる。すなわち、送話信号からスピーカが発する音声成分を広い周波数帯域に亘ってキャンセルして、ハウリングの発生を防止できる低コストの通話装置を提供することができる。
請求項2の発明は、請求項1において、前記推測手段は、第2のマイクロホンで集音した音声信号の第1の周波数の成分に対する第2の周波数の成分の位相差をずれ時間とし、第2のA/D変換手段の出力に基づいて、第2のA/D変換手段がA/D変換するタイミングから前記ずれ時間ずれたタイミングで第2のマイクロホンから出力される音声信号を推測することを特徴とする。
この発明によれば、推測手段によって第2のマイクロホンが出力する音声信号を推測するので、高速で動作する第2のA/D変換手段または多数の第2のA/D変換手段が必要なく、コスト低減、回路規模の縮小、小型化を図ることができる。
請求項3の発明は、請求項1において、前記推測手段は、第1のマイクロホンで集音した音声信号の第1の周波数の成分に対する第2の周波数の成分の位相差をずれ時間とし、第1のA/D変換手段の出力に基づいて、第1のA/D変換手段がA/D変換するタイミングから前記ずれ時間ずれたタイミングで第1のマイクロホンから出力される音声信号を推測することを特徴とする。
この発明によれば、推測手段によって第1のマイクロホンが出力する音声信号を推測するので、高速で動作する第1のA/D変換手段または多数の第1のA/D変換手段が必要なく、コスト低減、回路規模の縮小、小型化を図ることができる。
請求項4の発明は、請求項1乃至3いずれかにおいて、前記推測手段は、一方のA/D変換手段が連続して出力した2つのデジタル値を結ぶ直線に沿って音声信号が推移していると近似し、当該直線に基づいて前記推測動作を行うことを特徴とする。
この発明によれば、A/D変換していない音声信号を、簡単な方法で推測することができる。
請求項5の発明は、請求項1乃至4いずれかにおいて、前記一方のA/D変換手段の出力から第1の周波数を含む周波数帯域を通過させ、さらに前記推測手段の出力から第2の周波数を含む周波数帯域を通過させる第1のフィルタ手段と、前記他方のA/D変換手段の出力を前記周波数帯域毎に分離して通過させる第2のフィルタ手段とを備え、前記演算手段は、第1,第2のフィルタ手段およびレベル調整手段を通過した第1,第2のマイクロホンの音声信号の前記周波数帯域毎の差を加算して出力することを特徴とする。
この発明によれば、フィルタ手段によって周波数帯域毎に分割して送話信号からスピーカが発する音声成分をキャンセルするので、確実にハウリングの発生を防止できる。
以上説明したように、本発明では、送話信号からスピーカが発する音声成分を広い周波数帯域に亘ってキャンセルして、ハウリングの発生を防止できる低コストの通話装置を提供することができるという効果がある。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施形態1)
本実施形態の通話装置Aは図2〜図4に示され、後面に開口を形成したボディA10と、ボディA10の開口に覆設したカバーA11とでハウジングA1を構成し、ハウジングA1内に、スピーカSP、マイクロホン基板MB1、通話スイッチSW1、音声処理部10を備える。
音声処理部10は、図4に示すように、通信部10a、エコーキャンセル部10b,10c、増幅部10d、信号処理部10eを備えたICで構成され、ハウジングA1内に配置される。他の部屋等に設置されている通話装置Aから情報線Lsを介して送信された音声信号は、通信部10aで受信され、エコーキャンセル部10bを介して増幅部10dで増幅された後、スピーカSPから出力される。また、通話スイッチSW1を操作することで通話可能状態となり、マイクロホン基板MB1上のマイクロホンM1(第1のマイクロホン),マイクロホンM2(第2のマイクロホン)から入力された各音声信号は信号処理部10eで後述する信号処理を施された後、エコーキャンセル部10cを通過し、通信部10aから情報線Lsを介して他の部屋等に設置されている通話装置Aへ送信される。すなわち、部屋間で双方向の通話が可能なインターホンとして機能するものである。なお、通話装置Aの電源は、設置場所の近傍に設けたコンセントから供給されるか、あるいは情報線Lsを介して供給されてもよい。
スピーカSPは、図2に示すように、冷間圧延鋼板(SPCC,SPCEN)、電磁軟鉄(SUY)等の厚み0.8mm程度の鉄系材料で形成されて一端を開口した円筒状のヨーク20を具備し、ヨーク20の開口端から外側に向かって円形の支持体21が延設されている。
ヨーク20の筒内にはネオジウムで形成された円柱型永久磁石22(例えば、残留磁束密度1.39T〜1.43T)を配置し、ドーム型の振動板23の外周側の縁部が支持体21の縁端面に固定されている。
振動板23は、PET(PolyEthyleneTerephthalate)またはPEI(Polyetherimide)等の熱可塑性プラスチック(例えば、厚み12μm〜50μm)で形成される。振動板23の背面には筒状のボビン24が固定されており、このボビン24の後端にはクラフト紙の紙管にポリウレタン銅線(例えば、φ0.05mm)を巻回することによって形成されたボイスコイル25が設けられている。ボビン24およびボイスコイル25は、ボイスコイル25がヨーク20の開口端に位置するように設けられており、ヨーク20の開口端近傍を前後方向に自在に移動する。
ボイスコイル25のポリウレタン銅線に音声信号を入力すると、この音声信号の電流と永久磁石22の磁界とにより、ボイスコイル25に電磁力が発生するため、ボビン24が振動板23を伴なって前後方向に振動させられる。このとき、振動板23から音声信号に応じた音が発せられる。すなわち、動電型のスピーカSPが構成される。
そして、スピーカSPの振動板23が対向するハウジングA1の前面内側には、リブ11が形成されており、スピーカSPの円形の支持体21の外周端部から前面側に突出した凸部21aの端面がリブ11に当接し、振動板23がハウジングA1の前面に内側から対向する状態でスピーカSPが固定される。
ハウジングA1内にスピーカSPが固定されると、ハウジングA1の前面内側とスピーカSPの表面側(振動板23側)とで囲まれた空間である前気室Bf、ハウジングA1の後面内側および側面内側とスピーカSPの裏面側(ヨーク20側)とで囲まれた空間である後気室Brが形成される。前気室Bfは、ハウジングA1の前面に複数設けた音孔12を介して外部に連通している。後気室Brは、スピーカSPの支持体21の端部とハウジングA1の内面のリブ11とが密着することで、前気室Bfとは絶縁した(連通していない)空間となり、さらにカバーA11がボディA10の後面開口に密着することで、外部とも絶縁した密閉された空間となっている。
次に、マイクロホン基板MB1は、図5に示すように、マイクロホンのベアチップBC1とICKa1との対、マイクロホンのベアチップBC2とICKa2との対をモジュール基板2の一面2aに各々実装し、ベアチップBC1、ICKa1、モジュール基板2上の配線パターン(図示無し)の各間、およびベアチップBC2、ICKa2、モジュール基板2上の配線パターン(図示無し)の各間をワイヤWで各々接続(ワイヤボンティング)した後、ベアチップBC1とICKa1の対を覆うようにシールドケースSC1を実装し、ベアチップBC2とICKa2の対を覆うように、シールドケースSC2を実装することで、ベアチップBC1、ICKa1、シールドケースSC1で構成されるマイクロホンM1、ベアチップBC2、ICKa2、シールドケースSC2で構成されるマイクロホンM2を備えている。
ベアチップBC(ベアチップBC1またはBC2)は、図6に示すように、シリコン基板1bに穿設した孔1cを塞ぐようにシリコン基板1bの一面側にSi薄膜1dが形成され、このSi薄膜1dとの間にエアーギャップ1eを介して電極1fが形成され、さらに音声信号を出力するパッド1gが設けられており、コンデンサ型のシリコンマイクロホンを構成している。そして、外部からの音響信号がSi薄膜1dを振動させることで、Si薄膜1dと電極1fとの間の静電容量が変化して電荷量が変化し、この電荷量の変化に伴ってパッド1g,1gから音響信号に応じた電流が流れる。このベアチップBCは、シリコン基板1bをモジュール基板2上にダイボンディングし、特にベアチップBC2のSi薄膜1dは、モジュール基板2に穿設した音孔F2に対向している。
そして、マイクロホンM1は、音孔F1を穿設したシールドケースSC1の底面側を集音面とし、マイクロホンM2は、音孔F2を穿設したモジュール基板2への実装面側を集音面として、互いに逆方向となるモジュール基板2の両面方向に集音面を有するものになる。このように構成されたマイクロホン基板MB1は、モジュール基板2の一面2aにマイクロホンM1,M2の両方を実装しているので、マイクロホン基板MB1の厚さを薄くできる。
図7(a)は、マイクロホン基板MB1を、モジュール基板2の一面2a側から見た平面図であり、モジュール基板2は、マイクロホンM1を配置する矩形部2fと、マイクロホンM2を配置する矩形部2gと、矩形部2f,2g間を連結する連結部2hとで構成され、矩形部2gは矩形部2fより大きく形成される。そして、矩形部2gの縁部に沿って、負電源パッドP1,正電源パッドP2,出力1パッドP3,出力2パッドP4が設けられている。
そして、図7(b)に示すように、負電源パッドP1には外部から供給される電源電圧の負側、正電源パッドP2には電源電圧の正側が接続されて、モジュール基板2上の配線パターンを介してマイクロホンM1,M2に電源を供給している。また、出力1パッドP3からは、マイクロホンM1が集音した音声信号がモジュール基板2上の配線パターンを介して出力され、出力2パッドP4からは、マイクロホンM2が集音した音声信号がモジュール基板2上の配線パターンを介して出力される。なお、出力パッドP3,P4から出力される音声信号のグランドは、負電源パッドP1で兼用される。
このように、マイクロホンM1,M2の電源を共通の負電源パッドP1、正電源パッドP2から供給し、さらにマイクロホンM1,M2の各出力のグランドを負電源パッドP1で兼用することで、パッドの数を減らすことができ、構成が簡単になる。
次に、マイクロホン基板MB1の動作について説明する。
まず、集音した音響信号に応じてベアチップBC1,BC2から流れる各電流は、ICKa1,Ka2によってインピーダンス変換されるとともに電圧信号に変換され、音声信号として出力1パッドP3、出力2パッドP4から各々出力される。
ICKa(ICKa1またはKa2)は、図8の回路構成を備えており、電源パッドP1,P2から供給される電源電圧+V(例えば5V)を定電圧Vr(例えば12V)に変換するチップICからなる定電圧回路Kbを備えており、抵抗R11とベアチップBCとの直列回路に定電圧Vrが印加され、抵抗R11とベアチップBCとの接続中点はコンデンサC11を介してジャンクション型のJ−FET素子S11のゲート端子に接続される。J−FET素子S11のドレイン端子は動作電源+Vに接続され、ソース端子は抵抗R12を介して電源電圧の負側に接続される。ここで、J−FET素子S11は電気インピーダンスの変換用であり、このJ−FET素子S11のソース端子の電圧が音声信号として出力される。なお、ICKaのインピーダンスの変換回路は、上記構成に限定されるものではなく、例えばオペアンプによるソースフォロワ回路の機能を有する回路であってもよく、または必要に応じてICKa内に音声信号の増幅回路を設けてもよい。
そして、マイクロホン基板MB1は、上記のようにモジュール基板2上の配線パターンを介して信号伝達、給電を行うことで、信号線、給電線を効率よく構成できるとともに、ハウジングA1の外面に取付可能となる。本実施形態では、モジュール基板2の一面2aをハウジングA1の前面外側に沿って配置し、マイクロホンM1はハウジングA1前面の開口13を挿通して集音面を前気室Bfに向けており、シールドケースSC1の底面に穿設したマイクロホンM1の音孔F1はスピーカSPの振動板23に対向し、音孔F1を介してスピーカSPが発する音声を確実に集音することができる。また、マイクロホンM2は、ハウジングA1の前面に設けた凹部14に嵌合し、モジュール基板2に穿設したマイクロホンM2の音孔F2はスピーカSPの出力方向に向かってハウジングA1の外部(前方)に面しているので、音孔F2を介して伝達される、通話装置Aの前方に位置する話者からの音声を確実に集音することができる。なお、スピーカSPの中心から各マイクロホンM1,M2の中心までの距離をそれぞれX1,X2とすると、X1<X2となる。
また、スピーカSPの裏面が面する後気室Brは、ハウジングA1内で密閉されるので、スピーカSPの裏面から放射される音声は後気室Brから漏れ難くなり、スピーカSPとマイクロホンM2との音響結合を低減させている。さらにスピーカSPの裏面(振動板23の裏面)から放射される音は、スピーカSPの表面(振動板23の表面)から放射される音と位相が反転しており、このスピーカSPの裏面から放射される音が前方に回り込むと、スピーカSPの表面から放射される音と互いに打ち消しあって、スピーカSPの放射音圧が低下し、前方にいる話者にはスピーカSPが発する音声が聞こえ難いものとなるが、上記のようにスピーカSPの裏面から放射される音はハウジングA1の外部に漏れ難いので、上記回り込みによるスピーカSPの放射音圧の低下を防いでいる。
また、マイクロホンM2を収納した凹部14は後気室Brと連通していない分離された空間であるので、マイクロホンM2はスピーカSPの発する音声をさらに集音し難くなり、スピーカSPとマイクロホンM2との音響結合をさらに低減させている。すなわち、上記構成によって、スピーカSPが発する音声と話者の発する音声とをマイクロホンM1,M2で分離して集音しているのである。
また、マイクロホン基板MB1をハウジングA1内に配置すると前気室Bfと後気室Brとの間の空間的な絶縁を維持することが困難であるが、本実施形態のようにマイクロホン基板MB1をハウジングA1の外面に取り付けることで、前気室Bfと後気室Brとの間の空間的な絶縁を維持することができる。
そして、本実施形態では、スピーカSPの音声出力をマイクロホンM1,M2が拾うことで発生するハウリングを防止するために、以下の構成を備えている。
まず、音声処理部10に収納されている信号処理部10eは、図1に示すように、A/D変換回路30,31と、推測回路322〜32nと、バンドパスフィルタ331〜33nと、バンドパスフィルタ341〜34nと、減衰回路351〜35nと、演算回路36aと、タイミング制御部37とで構成される。A/D変換回路30,31の各動作は、タイミング制御部37によって制御されており、以下、各回路の動作について図9〜図14を用いて説明する。
まず、マイクロホンM1は、集音面がスピーカSPに向かって実装されており、通話装置Aの前方に位置する話者H(図1参照)が発する音声(送話音声)よりも、スピーカSPが発する音声を感度よく集音する。一方、マイクロホンM2は、集音面が前方に向かって配置されており、スピーカSPが発する音声よりも、通話装置Aの前方に位置する話者Hが発する音声を感度よく集音する。
すなわち、マイクロホンM1が出力する音声信号Y11は、スピーカSPが発する音声に対しては感度が高く振幅が大きくなるが、話者Hが発する音声に対しては感度が低く振幅が小さくなる。また、マイクロホンM2が出力する音声信号Y21は、話者Hが発する音声に対しては感度が高く振幅が大きくなるが、スピーカSPが発する音声に対しては感度が低く振幅が小さくなる。
さらに、送話時には、話者Hが発する音声とスピーカSPが発する音声との両方がマイクロホンM1,M2にて集音されるが、スピーカSPの中心から各マイクロホンM1,M2の中心までの距離X1,X2はX1<X2であるので、スピーカSPからの音声に対しては、マイクロホンM1の音声信号Y11とマイクロホンM2の音声信号Y21との間に位相差が生じ、両マイクロホンM1,M2とスピーカSPとの距離の差(X2−X1)に相当する音波の遅延時間[Td=(X2−X1)/Vs](Vsは音速)だけ、マイクロホンM1の音声信号Y11に比べてマイクロホンM2の音声信号Y21の位相が遅れる(図9(a)(b)参照)。この遅延時間Tdは、理想的な条件下(例えば、点音源、ハウジング密閉構造、回路構成のCRのバラツキがない等)では、スピーカSPが発する音声の周波数に依存せず周波数に対して一定であるが、実際には理想的な条件下ではないのでスピーカSPが発する音声の周波数に依存している。
また、スピーカSPからの音声に対する音声信号Y11,Y12の振幅も上記同様に、理想的な条件下では、スピーカSPが発する音声の周波数に依存せず周波数に対して一定であるが、実際には理想的な条件下ではないのでスピーカSPが発する音声の周波数に依存している。
一方、マイクロホンM1,M2と話者Hとの各距離は等しいとみなせるので、話者Hが発する音声に対しては、両マイクロホンM1,M2の各音声信号Y11,Y21は、略同一位相となる。
そして、A/D変換回路30は、マイクロホンM1のアナログの音声信号Y11をデジタル信号に変換し、A/D変換回路31は、マイクロホンM2のアナログの音声信号Y21をデジタル信号に変換する。A/D変換回路30のA/D変換動作は、タイミング制御部37が出力する制御信号Si1の立ち上がりに同期して行われ、A/D変換回路31のA/D変換動作は、タイミング制御部37が出力する制御信号Si2の立ち上がりに同期して行われており、本実施形態の制御信号Si1、Si2の周波数は8〜16KHzに設定されて、各A/D変換回路における変換周期T1=62.5〜125μsecとしている。さらに、スピーカSPが発する周波数f1(第1の周波数)の音声に対して、マイクロホンM2の音声信号Y21の位相がマイクロホンM1の音声信号Y11に比べて遅延時間Td1だけ遅れていることから、クロック信号Si2をクロック信号Si1に対して遅延時間Td1遅れて発生させるようにタイミング制御部37の動作を予め設定しておくことで、マイクロホンM1,M2が出力する各音声信号Y11,Y21が周波数f1で同一位相となる箇所をA/D変換している(図9(c)(d))。
また、A/D変換回路30、31は、ΣΔ方式でA/D変換を行っており、ΣΔ方式の特徴であるノイズのみの周波数伝達特性を変化させてノイズ成分を信号成分より高い周波数領域に分布させるノイズシェーピングによって高いS/N比でのA/D変換が可能となり、さらには殆どの処理がデジタルで行われることによってIC化が容易となる。なお、A/D変換の分解能は、16bit,14bit,12bitのいずれかを用いる。
そして、A/D変換回路30からは、マイクロホンM1が出力する音声信号をA/D変換したデジタル値a1,b1,c1,d1,e1,………で構成される音声信号Y12が出力され(図9(e)参照)、A/D変換回路31からは、マイクロホンM2が出力する音声信号をA/D変換したデジタル値a2,b2,c2,d2,e2,………で構成される音声信号Y221が出力されており(図9(f)参照)、マイクロホンM1のデジタル値a1とマイクロホンM2のデジタル値a2、マイクロホンM1のデジタル値b1とマイクロホンM2のデジタル値b2、マイクロホンM1のデジタル値c1とマイクロホンM2のデジタル値c2、………を各々対応させることで、マイクロホンM1,M2の各音声信号が周波数f1で同一位相となっている。しかし、前述のように、遅延時間TdはスピーカSPが発する音声の周波数に依存しており、本実施形態の構成ではマイクロホンM1,M2の各音声信号が周波数f1で同一位相となるが、周波数f1以外の周波数では同一位相となっていない。
そこで、マイクロホンM2で集音した音声信号の周波数f1の成分に対する、互いに異なる周波数f2〜fn(第2の周波数)の成分の各位相差をずれ時間Th2〜Thnとして、以下の処理を行う。なお、以降の処理は、マイクロホンM1,M2の各音声信号のデジタル値をメモリに格納してデジタル処理されるのであるが、説明のため図12〜図14の各波形はアナログ波形で示している。
まず、A/D変換回路30から出力される音声信号Y12,A/D変換回路31から出力されるY221はn系統に各々分岐し、各系統において以下の処理が施される。A/D変換回路30から出力される音声信号Y12は、バンドパスフィルタ331によって周波数f1を含む周波数帯域G1の成分が分離され、バンドパスフィルタ332によって周波数f2を含む周波数帯域G2の成分が分離され、………、バンドパスフィルタ33nによって周波数fnを含む周波数帯域Gnの成分が分離されて、n系統に振り分けられる。
また、A/D変換回路31から出力される音声信号Y221は、1系統を除くn−1系統において、推測回路322〜32nに入力される。推測回路322〜32nは、A/D変換回路31のデジタル値a2,b2,c2,d2,e2,………(音声信号Y221)を直線補間し、デジタル値a2,b2,c2,d2,e2,………間は曲線ではなく、直線で推移していると近似する。そして、この直線近似に基づいて、各デジタル値a2,b2,c2,d2,e2,………を取得したタイミングから、ずれ時間Th2〜Thnずれたタイミングで、マイクロホンM2から出力されていたと考えられる各音声信号を推測する。上記ずれ時間Th2〜Thnは、スピーカSPが発する音声をマイクロホンM2が集音したときに、スピーカSPが発する音声に含まれる周波数f2〜fnの各成分が、上記周波数f1の成分に比べてずれる時間であり、音声信号Y221に含まれる周波数f1の成分と同一位相となる周波数f2〜fnの成分を、推測回路322〜32nによって得るのである。すなわち、推測回路322〜32nは、周波数f2〜fnにおいて、マイクロホンM1の音声信号Y12と同一位相となるマイクロホンM2の音声信号を出力する。なお、推測する音声信号が、デジタル値a2,b2,c2,d2,e2,………に対して早いタイミングとなる方向へずれるか、遅いタイミングとなる方向へずれるかは、周波数f1に対する周波数f2〜fnの高低によって決まる。
例えば、図10に示すように、マイクロホンM2の音声信号Y21の実際の波形Y21a上にあるデジタル値a2,b2の間が直線Y21bで近似される場合、A/D変換回路31がデジタル値b2を取得するタイミングtbから周波数fmの音波に対するずれ時間Thm前のタイミングでのマイクロホンM2からの実際の音声信号は波形Y21a上のasであるが、直線補間によって直線Y21b上の音声信号ahと推測するのである。ここで、スピーカSPからの音声信号がexp(jωt)で表されるとすると、a2=exp(jωt)となり、b2=exp(jω(t+T1))となるので、推測した音声信号ahは、[数1]のようになる。
Figure 2008131625
なお、ずれ時間Thm(Th2〜Thn)は、予め周波数f2〜fn毎に実測して設定されている。
[数1]をまとめると[数2]のようになる。
Figure 2008131625
したがって直線補間によって推測された音声信号ahは、{(1+(exp(−jωt)−1)・Thm/T1)}の項によって、振幅、位相が変化し、振幅特性Ah(ω)は[数3]のようになり、位相特性θh(ω)は[数4]のようになる。
Figure 2008131625
Figure 2008131625
また、フェーザベクトルで図10中のah、as、b2を表すと図11(a)(b)のようになる。図11(a)は、Thm<(T1/2)の場合を示す。なお、Thm<(T1/2)であっても同様に直線補間することができ、図11(b)は、Thm>(T1/2)の場合のフェーザベクトルを示す。
推測回路322〜32nは、上記のように直線補間を用いて、マイクロホンM2の音声信号の推測処理を行っており、推測回路322は、周波数f2においてマイクロホンM1の音声信号Y12と同一位相となるマイクロホンM2の音声信号Y222を出力し、………、推測回路32nは、周波数fnにおいてマイクロホンM1の音声信号Y12と同一位相となるマイクロホンM2の音声信号Y22nを出力する。このように直線補間を行うことで音声信号の推測を容易に行うことができ、さらには周波数f2〜fnに対応するマイクロホンM2の音声信号をA/D変換する必要がないので回路規模の縮小、コスト低減、小型化を図ることができる。
次に、A/D変換回路31から出力される音声信号Y221は、バンドパスフィルタ341によって周波数f1を含む周波数帯域G1の成分が通過し、推測回路322から出力される音声信号Y222は、バンドパスフィルタ342によって周波数f2を含む周波数帯域G2の成分が通過し、………、推測回路32nから出力される音声信号Y22nは、バンドパスフィルタ34nによって周波数fnを含む周波数帯域Gnの成分が通過する。
そして、上記バンドパスフィルタ331,341が出力する周波数帯域G1の音声信号Y131,Y231は、A/D変換回路30とA/D変換回路31とを互いに上記遅延時間Td1ずらして動作させることで周波数f1において同一位相となっている。さらに、バンドパスフィルタ332,342が出力する周波数帯域G2の音声信号Y132,Y232、………、バンドパスフィルタ33n,34nが出力する周波数帯域Gnの音声信号Y13n,Y23nは、推測回路322、………、32nによって周波数f2〜fnにおいて各々同一位相(図12(a)(b)参照)となっている。
減衰回路351は、バンドパスフィルタ331を通過したマイクロホンM1の音声信号Y131を減衰させて音声信号Y141を生成し、減衰回路352は、バンドパスフィルタ332を通過したマイクロホンM1の音声信号Y132を減衰させて音声信号Y142を生成し、………、減衰回路35nは、バンドパスフィルタ33nを通過したマイクロホンM1の音声信号Y13nを減衰させて音声信号Y14nを生成し、各周波数帯域G1〜Gn毎に、両マイクロホンM1,M2とスピーカSPとの距離の差(X2−X1)や、マイクロホンM1,M2の感度差に相当するレベル調整を行ない、スピーカSPが発する音声の各周波数帯域G1〜Gn(周波数f2〜fn)における両マイクロホンM1,M2の出力レベルを一致させる(図13(a)(b)参照)。
次に、演算回路36aは、マイクロホンM2の音声信号Y231からマイクロホンM1の音声信号Y141を減算することで、周波数帯域G1においてスピーカSPからの音声成分が打ち消された音声信号を生成し、マイクロホンM2の音声信号Y232からマイクロホンM1の音声信号Y142を減算することで、周波数帯域G2においてスピーカSPからの音声成分が打ち消された音声信号を生成し、………、マイクロホンM2の音声信号Y23nからマイクロホンM1の音声信号Y14nを減算することで、周波数帯域GnにおいてスピーカSPからの音声成分が打ち消された音声信号を生成し(図14(a)参照)、さらに各周波数帯域G1〜Gnでの前記減算結果を全て加算しており、スピーカSPからの音声成分が各周波数帯域G1〜Gn毎に打ち消された音声信号Yaが生成される(図14(b)参照)。なお、図14(a)では、音声信号Y14nを反転させた音声信号Y14n’を音声信号Y23nに加算することで、音声信号Y23nからマイクロホンM1の音声信号Y14nを減算している。
一方、マイクロホンM1,M2前方の話者Hが発する音声に対しては、集音面を話者Hに向かって配置したマイクロホンM2の音声信号Y21の振幅が、集音面をスピーカSPに向かって配置したマイクロホンM1の音声信号Y11の振幅よりも大きくなる。さらに、マイクロホンM1からの信号は減衰回路351〜35nで減衰するので、音声信号Y231〜23nに含まれる話者Hからの音声成分は、音声信号Y141〜14nに含まれる話者Hからの音声成分よりさらに大きくなる。すなわち、音声信号Y141〜Y14nに含まれる話者Hからの音声成分と、音声信号Y231〜Y23nに含まれる話者Hからの音声成分との振幅差は大きくなり、演算回路36aで上記減算処理を施しても、音声信号Yaには、話者Hが発する音声に応じた信号が十分な振幅を維持した状態で残る。
以上のようにして信号処理部10eが出力する音声信号YaではスピーカSPからの音声成分が周波数帯域G1〜Gn毎に低減され、一方、通話装置A前方の話者HからマイクロホンM1,M2に向って発した音声成分は残っており、音声信号Yaでは、残したい話者Hからの音声成分と、低減したいスピーカSPからの音声成分との相対的な差が広い周波数帯域に亘って大きくなり、スピーカSPの音声出力をマイクロホンM1,M2が拾うことで発生するハウリングの発生を防止する効果が向上している。
本実施形態の信号処理部10eを用いて、スピーカ音のキャンセル量を周波数f1=1KHzで最適化した2KHz以下の周波数帯域G1、スピーカ音のキャンセル量を周波数f2=3KHzで最適化した2KHz以上の周波数帯域G2の2つに分割した場合のスピーカ音のキャンセル量は図15のデータY1で示され、このデータY1を近似すると曲線Y2で表され、周波数1KHz近傍と3KHz近傍の両方でキャンセル量がピークとなる特性を有しており、広い周波数帯域に亘ってスピーカ音のキャンセル効果があることが分かる。
次に、本実施形態の信号処理部10eによるスピーカ音のキャンセル効果について、数式を用いて説明する。スピーカSPからの音声信号がexp(jωt)で表されるとすると、マイクロホンM1,M2の各音声信号の位相を一致させないで、両音声信号の差をとった場合、信号処理部10eの出力Yaに残っているスピーカ音は、[数5]で表され、その振幅特性U1は[数6]のようになる。
Figure 2008131625
Figure 2008131625
次に、本実施形態の上記直線補間を用いた推測処理を行い、さらにマイクロホンM1,M2の各音声信号の位相、振幅を一致させた状態で、両音声信号の差をとった場合、信号処理部10eの出力Yaに残っているスピーカ音は、[数7]で表され、その振幅特性U2は[数8]のようになる。
Figure 2008131625
Figure 2008131625
なお、ずれ時間Thm、A/D変換周期T1は、上記[数1]〜[数4]におけるものと同様であり説明は省略する。
そして、[振幅特性|U1|−振幅特性|U2|]は、[数9]のようになる。但し、D=Thm/T1とする。
Figure 2008131625
[数9]の右辺の第1項[2D(1−D)(1+cos(ωT1))]は、0<ωT1<πより、正となる。また、右辺の第2項[2D{cos(ωT1/2)cos{ω((T1/2)−Thm)}}]は、0<ωT1<πであり、さらにThm<(T1/2)であれば、正となる。したがって、[|U1|−|U2|]は正であり、位相調整を行わないよりも、本実施形態の上記直線補間を用いた推測処理を行った上で位相調整を行うほうが、出力Yaに残っているスピーカ音は減少しており、キャンセル効果があるといえる。なお、上記ではThm<(T1/2)の場合について説明したが、Thm>(T1/2)であっても同様の効果を奏し得る。
次に、信号処理部10eが出力する音声信号はエコーキャンセル部10cに出力され、エコーキャンセル部10b,10c(図4参照)では、以下の処理を行うことでさらなるハウリング防止を図っている。
まず、エコーキャンセル部10cは、エコーキャンセル部10bの出力を参照信号として取り込み、信号処理部10eの出力に対して演算を施すことにより、スピーカSPからマイクロホンM1,M2に回り込んだ音声信号をさらにキャンセリングする。一方、エコーキャンセル部10bも、エコーキャンセル部10cの出力を参照信号として取り込み、通信部10aの出力に対して演算を施すことにより、通話先の相手側でのスピーカからマイクロホンへの音声信号の回り込みをキャンセリングする。
具体的には、エコーキャンセル部10b,10cは、スピーカSP−マイクロホンM1,M2−信号処理部10e−エコーキャンセル部10c−通信部10a−エコーキャンセル部10b−増幅部10d−スピーカSPで構成されるループ回路内に設けた可変損失手段(図示無し)での損失量を調節することにより、ループゲインが1以下となるようにしてハウリングを防止するのである。ここで、送話信号と受話信号とのうち信号レベルが小さいほうは重要ではないとみなし、信号レベルが小さいほうの伝送路に挿入された可変損失回路の伝送損失を大きくするようにしている。
なお、マイクロホンM1,M2の数は各々1つに限定されるものではなく、マイクロホンM1,M2として複数のマイクロホンを各々備えてもよい。
(実施形態2)
実施形態1の信号処理部10eにおいては、演算回路36aの前段にバンドパスフィルタ331〜33n、341〜34nを設けて周波数分割を行っているが、本実施形態ではフィルタ手段を設けずに実施形態1の周波数分割と略同様の効果を得ることができる信号処理部10eについて説明する。なお、実施形態1と同様の構成には同一の符号を付して説明は省略する。
まず、本実施形態の信号処理部10eは図16に示すように演算回路36bを備え、演算回路36bは、マイクロホンM1の音声信号として、A/D変換回路30の出力を直接入力された減衰回路351〜35nが出力する音声信号Y141〜Y14nが入力されるとともに、マイクロホンM2の音声信号として、A/D変換回路31が出力する音声信号Y221、推測回路322〜32nが出力する音声信号Y222〜Y22nが直接入力される。すなわち、実施形態1と同様にスピーカSPが発する音声に対するマイクロホンM1,M2の各音声信号を周波数帯域G1〜Gn毎に同一位相とし、さらに減衰回路351〜35nによってマイクロホンM1,M2の各音声信号を周波数帯域G1〜Gn毎に同一振幅とした各信号が、バンドパスフィルタ331〜33n、341〜34n(図1参照)を介さずに、演算回路36bに入力されている。
演算回路36bは、マイクロホンM2の音声信号Y221からマイクロホンM1の音声信号Y141を減算することで、周波数帯域G1〜Gnに亘ってスピーカSPからの音声成分が低減された音声信号を生成するが、スピーカSPが発する音声に対する音声信号Y141,Y221は周波数f1において位相、振幅が一致しており、特に周波数帯域G1のスピーカSPからの音声成分が打ち消された音声信号が生成される。同様に、マイクロホンM2の音声信号Y222から、マイクロホンM1の音声信号Y142を減算することで、周波数帯域G2においてスピーカSPからの音声成分が打ち消された音声信号を生成し、………、マイクロホンM2の音声信号Y22nから、マイクロホンM1の音声信号Y14nを減算することで、周波数帯域GnにおいてスピーカSPからの音声成分が打ち消された音声信号を生成し、各周波数帯域G1〜Gnでの減算結果を全て加算する。さらに当該加算結果を周波数帯域の分割数nで割って平均化することで、スピーカSPからの音声成分が各周波数帯域毎G1〜Gn毎に打ち消された音声信号Yaが生成される。
上記平均化処理によって、バンドパスフィルタ331〜33n、341〜34nのフィルタ手段を設けずに実施形態1の周波数分割と略同様の効果を得ることができるのであるが、この平均化処理について、以下詳述する。
平均化処理とは、スピーカSPが発する音声に対して、周波数帯域G1〜Gn毎に位相、振幅を一致させたマイクロホンM1,M2の各音声信号の差分を、各周波数帯域G1〜Gnに分離するフィルタ手段を通さずに単純に加算し、周波数帯域の分割数nで割って平均化する処理であり、フィルタ手段が不要となって、回路規模の縮小、コスト低減、小型化を図ることができる。下記[数5]は、上記平均化処理によるスピーカ音のキャンセル量Zmaveを導出する数式であり、
Figure 2008131625
ここで、Zmkは、周波数帯域Gkで位相、振幅を一致させたマイクロホンM1,M2の音声信号の上記減算処理によるスピーカ音のキャンセル量であり、具体的には、Zm1は、周波数帯域G1で位相、振幅を一致させたマイクロホンM1,M2の音声信号の上記減算処理によるスピーカ音のキャンセル量であり、Zm2は、周波数帯域G2で位相、振幅を一致させたマイクロホンM1,M2の音声信号の上記減算処理によるスピーカ音のキャンセル量であり、………、Zmnは、周波数帯域Gnで位相、振幅を一致させたマイクロホンM1,M2の音声信号の上記減算処理によるスピーカ音のキャンセル量である。
例えば、図17に示すように、スピーカ音のキャンセル量が周波数1KHz、3KHzで各々最適となるように調整した場合のスピーカ音のキャンセル量の実測値Ys1,Ys2を加算し、当該加算結果を周波数帯域の分割数n=2で割ることで、本実施形態の平均化処理によるキャンセル量の理論値Yt21が求められる。
また、図18は、スピーカ音のキャンセル量を周波数1KHzで最適化した2KHz以下の周波数帯域G1、スピーカ音のキャンセル量を周波数3KHzで最適化した2KHz以上の周波数帯域G2の2つに分割して、上記平均化処理を行った場合のスピーカ音のキャンセル量の実測値Ys21、および実測値Ys21の近似曲線Ys22を示しており、極端にキャンセル量の高い周波数帯域はないが、広い周波数帯域でキャンセル量が平均化されており、十分なスピーカ音のキャンセル効果があることが分かる
なお、上記実施形態1,2では、推測回路322〜32nによって、マイクロホンM2の音声信号を周波数f2〜fn毎に推測して取得しているが、マイクロホンM1の音声信号を周波数f2〜fn毎に推測して、当該推測結果とマイクロホンM2の音声信号のデジタル値との間で上記同様の演算処理を行ってもよい(例えば、マイクロホンM1の音声信号Y12の分岐経路に推測回路322〜32nを設ける)。
実施形態1の通話装置の信号処理部の回路構成図である。 同上の構成を示す側面断面図である。 同上の構成を示す斜視図である。 同上の音声処理部の構成を示す回路図である。 同上のマイクロホン基板の構成を示す側面断面図である。 同上のベアチップの構成を示す側面断面図である。 同上のマイクロホン基板の構成を示す(a)簡略化した平面図、(b)簡略化した回路図である。 同上のインピーダンス変換回路の回路図である。 (a)〜(f)同上の信号処理部の信号波形図である。 同上の直線補間の概要を示す図である。 (a)(b)同上の直線補間の概要を示すフェーザベクトル図である。 (a)(b)同上の信号処理部の信号波形図である。 (a)(b)同上の信号処理部の信号波形図である。 (a)(b)同上の信号処理部の信号波形図である。 同上の信号処理部によるキャンセル量を示す図である。 実施形態2の通話装置の信号処理部の回路構成図である。 同上の平均化処理によるキャンセル量の理論値の周波数特性を示す。 同上の平均化処理によるキャンセル量の実測値の周波数特性を示す。
符号の説明
A 通話装置
SP スピーカ
M1,M2 マイクロホン
10e 信号処理部
30,31 A/D変換回路
322〜32n 推測回路
331〜33n バンドパスフィルタ
341〜34n バンドパスフィルタ
351〜35n 減衰回路
36a 演算回路
37 タイミング制御部

Claims (5)

  1. 伝達された音声情報を出力するスピーカと、音声を集音して音声信号を出力する第1のマイクロホンと、スピーカからの距離が第1のマイクロホンより遠い位置に配置され、音声を集音して音声信号を出力する第2のマイクロホンと、前記第1,第2のマイクロホンが出力する各音声信号を信号処理して伝達する信号処理部とを備え、
    前記信号処理部は、
    第1のマイクロホンが出力する音声信号をA/D変換する第1のA/D変換手段と、
    第1,第2のマイクロホンとスピーカとの各距離の差に相当する第1の周波数の音波の伝達時間を遅延時間として、第1のA/D変換手段が第1のマイクロホンからの音声信号をA/D変換したタイミングから前記遅延時間経過したときに第2のマイクロホンからの音声信号をA/D変換する第2のA/D変換手段と、
    第1,第2のマイクロホンのいずれか一方で集音した音声信号の第1の周波数の成分に対する第2の周波数の成分の位相差をずれ時間とし、一方のマイクロホンが出力する音声信号をデジタル信号に変換するA/D変換手段の出力に基づいて、当該A/D変換手段がA/D変換するタイミングから前記ずれ時間ずれたタイミングで一方のマイクロホンから出力される音声信号を推測する推測手段と、
    スピーカからの音声に対する前記第1,第2のマイクロホンの各出力レベルを第1,第2の周波数を各々含む周波数帯域毎に一致させる処理を、前記一方のA/D変換手段および推測手段の各出力と前記他方のA/D変換手段の出力との少なくとも一方に施すレベル調整手段と、
    レベル調整手段を通過した第1,第2のマイクロホンの音声信号の差を出力する演算手段とを具備する
    ことを特徴とする通話装置。
  2. 前記推測手段は、第2のマイクロホンで集音した音声信号の第1の周波数の成分に対する第2の周波数の成分の位相差をずれ時間とし、第2のA/D変換手段の出力に基づいて、第2のA/D変換手段がA/D変換するタイミングから前記ずれ時間ずれたタイミングで第2のマイクロホンから出力される音声信号を推測することを特徴とする請求項1記載の通話装置。
  3. 前記推測手段は、第1のマイクロホンで集音した音声信号の第1の周波数の成分に対する第2の周波数の成分の位相差をずれ時間とし、第1のA/D変換手段の出力に基づいて、第1のA/D変換手段がA/D変換するタイミングから前記ずれ時間ずれたタイミングで第1のマイクロホンから出力される音声信号を推測することを特徴とする請求項1記載の通話装置。
  4. 前記推測手段は、一方のA/D変換手段が連続して出力した2つのデジタル値を結ぶ直線に沿って音声信号が推移していると近似し、当該直線に基づいて前記推測動作を行うことを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載の通話装置。
  5. 前記一方のA/D変換手段の出力から第1の周波数を含む周波数帯域を通過させ、さらに前記推測手段の出力から第2の周波数を含む周波数帯域を通過させる第1のフィルタ手段と、前記他方のA/D変換手段の出力を前記周波数帯域毎に分離して通過させる第2のフィルタ手段とを備え、前記演算手段は、第1,第2のフィルタ手段およびレベル調整手段を通過した第1,第2のマイクロホンの音声信号の前記周波数帯域毎の差を加算して出力することを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載の通話装置。
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