JP2008131693A - 界磁子、回転電機及び圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【課題】界磁磁束の短絡を阻害する空隙を設けても、界磁子の機械的強度の低下を防止できる構成を提供する。
【解決手段】界磁子1は、回転軸Qに沿った方向に軟磁性体薄板を積層された柱状の積層磁芯11と、積層磁芯11の側面110よりも回転軸Q側に埋設され、回転軸Qに沿って延在する界磁発生部12と、界磁発生部12の両端から側面110側に設けられた空隙(13)とを備える。界磁発生部12の各々は、板状の永久磁石12dと、永久磁石12dに固着され、それぞれ永久磁石12dと共に鋭角の入隅を形成する圧粉磁芯12a,12bとを有する。圧粉磁芯12aは永久磁石12dよりも回転軸Q側に設けられ、圧粉磁芯12bは永久磁石12dよりも側面110側に設けられる。
【選択図】図1
【解決手段】界磁子1は、回転軸Qに沿った方向に軟磁性体薄板を積層された柱状の積層磁芯11と、積層磁芯11の側面110よりも回転軸Q側に埋設され、回転軸Qに沿って延在する界磁発生部12と、界磁発生部12の両端から側面110側に設けられた空隙(13)とを備える。界磁発生部12の各々は、板状の永久磁石12dと、永久磁石12dに固着され、それぞれ永久磁石12dと共に鋭角の入隅を形成する圧粉磁芯12a,12bとを有する。圧粉磁芯12aは永久磁石12dよりも回転軸Q側に設けられ、圧粉磁芯12bは永久磁石12dよりも側面110側に設けられる。
【選択図】図1
Description
この発明は回転電機に採用される界磁子において、永久磁石を埋設する技術に関する。当該回転電機は、例えば冷媒を圧縮する圧縮機に採用することができる。
回転電機の構成の一つとして、界磁磁束を発生する界磁子と、電機子巻線を有してこれに流れる電機子電流によって回転磁界を発生する電機子と、を備えるものがある。そして通常、界磁子は柱状であって回転子として機能し、その外周側には固定子として機能する電機子が設けられている。
このような構成において、界磁磁束を発生させる永久磁石がロータコアと呼ばれる磁性体に埋設された界磁子が提案されている。このような界磁子では、永久磁石がロータコアの表面に配置されたタイプとは異なり、永久磁石の飛散を防止するための環状体(磁石飛散防止管)が不要となる。よって電機子と界磁子との間のいわゆるエアギャップを小さくでき、磁石飛散防止管における渦電流損が無く、従って効率が高まることとなる。
更に、界磁子が逆突極性を有することとなるので、リラクタンストルクを有効に利用でき、以てトルクも向上する。
しかも永久磁石の埋設位置を工夫することにより、例えばV字方に埋設することにより、永久磁石の量を増加できる。これは磁気装荷を高め、よりトルクが向上することとなる。
しかしながら永久磁石を埋設するためにロータコアには孔(永久磁石埋設用孔)を設ける必要がある。そして埋設すべき永久磁石の量を大きくするためには永久磁石埋設用孔をも大きくする必要がある。よってロータコアは、その外周側において永久磁石埋設用孔近傍で薄肉となる。そしてこの薄肉が、永久磁石及びこれよりも外周側のロータコアを、これらにかかる遠心力に抗して保持しなければならない。そこでロータコアの強度を高めるためには薄肉部分の幅を広げることも考えられるが、それは界磁磁束を、その発生源たる永久磁石に対して短絡的に流すことを助長してしまうこととなる。
かかる観点から種々の考案がなされており、下記特許文献1〜5に例示する。
特許文献1に開示された技術では、二つの永久磁石の間に形成された径方向の孔にダンパーバー(特許文献1において符号4が付与されている要素)を設けており、これによって細い繋ぎ部(特許文献1において符号26が付与されている要素)の破壊を回避している。しかしながら当該ダンパーバーを磁性体で構成するならば、界磁磁束の短絡的な流れを助長してしまうこととなる。
特許文献2に開示された技術では、連結キー(特許文献2において符号13が付与されている要素)によって積層鋼板(特許文献2において符号4が付与されている要素)を連結している。しかしながら連結キーという別部品を設ける必要がある。これは工程数を増加させる嫌いがある。連結キーに磁性体を採用すれば界磁磁束の短絡的な流れを助長してしまうこととなる。また非磁性体を採用すれば、強度の観点からその幅を広げれば、永久磁石の埋設量が減少する。しかも二つの永久磁石で一つの磁極を構成する場合にしか適用できない。
特許文献3に開示された技術では、永久磁石を境界としてロータコアを内周側と外周側とに分割し(特許文献3において符号12,13が付与されている要素)、磁束の短絡を防いでいる。しかしながら外周側にロータコア飛散防止用の管(特許文献3において符号14が付与されている要素)が必要となり、渦電流損が増大する。特にPWM制御を行う場合には損失の増大は影響が大きい。またエアギャップが増大するので磁気抵抗が増大する。
特許文献4に開示された技術では、永久磁石たる低透磁率体(特許文献4において符号6が付与されている要素)を鉄の高硬化質材(特許文献4において符号5が付与されている要素)で挟み、これらをロータコア(特許文献4において符号33が付与されている要素)に埋設している。しかしこれはロータの強度を向上させる点で効果的ではない。
特許文献5に永久磁石と軟磁性粉末との結合が得られるものの、透磁率及び飽和磁束密度が低く、モータの小型化や高効率化の観点で望ましくない。またヒステリシス損が増大するので、回転数が低い運転領域では効率が低下する嫌いがある。
この発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、界磁磁束の短絡を阻害する空隙を設けても、界磁子の機械的強度の低下を防止できる構成を提供することを目的とする。
この発明にかかる界磁子の第1の態様(1;6)は、回転軸(Q)に沿った方向に軟磁性体薄板を積層された柱状の積層磁芯(11)と、前記積層磁芯の側面(110)よりも前記回転軸側に埋設され、前記方向に延在する複数の界磁発生部(12;120)と、前記界磁発生部の少なくとも一端から前記回転軸とは反対側に設けられた空隙(13)とを備える。そして前記界磁発生部(12;120)の各々は、板状の永久磁石(12d;123)と、前記永久磁石に固着され、それぞれ前記永久磁石と共に鋭角の入隅を形成する第1及び第2の圧粉磁芯(12a,12b;121,122)とを有し、前記第1の圧粉磁芯(12a;121)は前記永久磁石よりも前記回転軸側に設けられ、前記第2の圧粉磁芯(12b;122)は前記永久磁石よりも前記側面側に設けられる。
この発明にかかる界磁子の第2の態様(1;6)は、その第1の態様であって、前記第1の圧粉磁芯(12a;121)は、隣接する一対の前記空隙(13)の間の中央に設けられる。
この発明にかかる界磁子の第3の態様(1)は、その第2の態様であって、一の前記界磁発生部(12)の両端に一対の隣接する前記空隙(13)が設けられ、前記第1の圧粉磁芯(12a;121)は、前記一の前記界磁発生部の中央に設けられる。
この発明にかかる界磁子の第4の態様(1)は、その第2乃至第3の態様のいずれかであって、一の前記界磁発生部(12)の両端に一対の隣接する前記空隙(13)が設けられ、前記第2の圧粉磁芯(12b;121)は、前記一の前記界磁発生部の中央に設けられる。
この発明にかかる界磁子の第5の態様は、その第2乃至第3の態様のいずれかであって、一の前記界磁発生部(12)の両端に一対の隣接する前記空隙(13)が設けられ、前記第2の圧粉磁芯(12b)は、前記一の前記界磁発生部の中央よりも界磁子の回転方向と反対側に寄って設けられる。
この発明にかかる界磁子の第6の態様(6)は、その第2の態様であって、前記第2の圧粉磁芯(122)は、前記空隙(13)寄りに設けられる。
この発明にかかる界磁子の第7の態様(1;6)は、その第1の態様であって、前記第1及び第2の圧粉磁芯(12a,12b;121,122)は、前記永久磁石(12d,123)から離れるほどその断面積が広くなる。
この発明にかかる界磁子の第8の態様(1)は、その第1の態様であって、前記空隙(13)は前記側面よりも前記回転軸側に設けられ、前記界磁発生部(12;120)よりも前記側面側に位置する前記積層磁芯の部分である側面部分(11b)同士は、前記空隙よりも前記側面側の前記積層磁芯の薄肉部によって相互に連結される。
この発明にかかる界磁子の第9の態様(1)は、その第8の態様であって、前記界磁発生部(12;120)よりも前記回転軸(Q)側に位置する前記積層磁芯の部分(11a)は、前記側面部分(11b)と前記薄肉部によって相互に連結される。
この発明にかかる界磁子の第10の態様(6)は、その第1の態様であって、前記空隙(13)は前記側面側で開口し、前記界磁発生部(12)よりも前記回転軸側に位置する前記積層磁芯の部分(61a)は、前記界磁発生部よりも前記側面側に位置する前記積層磁芯の部分である側面部分(61b)と、前記空隙(13)によって分離されつつ前記界磁発生部によって連結される。
この発明にかかる界磁子の第11の態様(6)は、その第10の態様であって、前記側面部分(61b)同士は前記空隙(13)によって分離される。
この発明にかかる界磁子の第12の態様(6)は、その第11の態様であって、第1の前記側面部分(61b)は他の前記側面部分よりも、前記方向の一端において突出する。
この発明にかかる界磁子の第13の態様(6)は、その第12の態様であって、第2の前記側面部分(61b)は他の前記側面部分よりも、前記方向の他端において突出する。
この発明にかかる界磁子の第14の態様(1;6)は、その第1乃至第11の態様のいずれかであって、前記方向において、前記積層磁芯(11)の長さが前記第1及び第2の圧粉磁芯の長さよりも短い。
この発明にかかる界磁子の第15の態様(6)は、その第10至第11の態様のいずれかであって、前記方向において、前記側面部分(61b)の長さが、前記第1及び第2の圧粉磁芯の長さ、前記界磁発生部(12)よりも前記回転軸側に位置する前記積層磁芯の部分(61a)の長さのいずれよりも長い。
この発明にかかる界磁子の第16の態様は、その第1乃至第15の態様のいずれかであって、前記界磁発生部(12)は、前記永久磁石(12d;123)の磁極面と前記第1及び第2の圧粉磁芯(12a,12b)との間に介在する第3の圧粉磁芯(12c)を更に有する。
この発明にかかる界磁子の第17の態様は、その第1乃至第16の態様のいずれかであって、前記永久磁石(12d;123)は少なくとも希土類元素を含む焼結磁石である。
この発明にかかる界磁子の第18の態様は、その第1乃至第16の態様のいずれかであって、前記永久磁石(12d;123)はバインダにより磁石粉末を集めたボンド磁石であり、前記第1及び第2の圧粉磁芯(12a,12b)と共に一体化される。
第1乃至第18の態様のいずれかの界磁子と、側面と対向して配置される電機子3とを含んで回転電機を構成することができる。当該回転電機と、これによって駆動される圧縮機構とを備えて圧縮機を構成することができる。
この発明にかかる界磁子の第1の態様によれば、第1及び第2の圧粉磁芯は、永久磁石に固着される一方で、これらが永久磁石と形成する入隅によって積層磁芯と係合する。従って永久磁石と積層磁芯との機械的結合を確保できる。これにより、界磁発生部から発生する界磁磁束の短絡を阻害する空隙を設けても、界磁子の機械的強度の低下を防止できる。
この発明にかかる界磁子の第2の態様において、界磁発生部よりも回転軸側で積層磁芯を流れる磁束は、積層磁芯の側面に現れる界磁子の磁極の中央で分岐して流れやすい。そして当該磁極は隣接する空隙によって挟まれる。従ってこの態様にかかる発明によれば、磁束密度が低い個所に第1の圧粉磁芯が配置されるので、ヒステリシス損を小さくできる。
この発明にかかる界磁子の第3の態様によれば、界磁発生部と積層磁芯とを結合する力が、界磁発生部において対称性がよいので、界磁発生部の強度が優れる。
この発明にかかる界磁子の第4の態様において、積層磁芯の側面に現れる界磁子の磁極は隣接する空隙によって挟まれ、リラクタンストルクを大きくするためには、永久磁石は当該磁極の中央で最も側面から離れる。従ってこの態様にかかる発明によれば、透磁率や飽和磁束密度が低い第2の圧粉磁芯の影響が、界磁子の磁極に及びにくい。しかも界磁発生部と積層磁芯とを結合する力が、界磁発生部において対称性がよいので、界磁発生部の強度が優れる。
この発明にかかる界磁子の第5の態様において、積層磁芯の側面に現れる界磁子の磁極は隣接する空隙によって挟まれ、磁束分布は当該磁極の中央よりも回転方向側に多く偏る。従ってこの態様にかかる発明によれば、磁束密度が低い個所に第2の圧粉磁芯が配置されるので、ヒステリシス損を小さくできる。
この発明にかかる界磁子の第6の態様によれば、第2の圧粉磁芯が空隙と同様に、界磁発生部から発生する界磁磁束の短絡を阻害する。また界磁発生部の端部において第2の圧粉磁芯が積層磁芯と係合するので、永久磁石と積層磁芯との機械的に結合する効果が高い。
この発明にかかる界磁子の第7の態様によれば、第1及び第2の圧粉磁芯と永久磁石との接触面積を小さくすることにより、永久磁石から見た磁気抵抗を低減できる。
この発明にかかる界磁子の第8の態様によれば、軟磁性体薄板を打ち抜く精度で、界磁子の外径の精度を制御できる。
この発明にかかる界磁子の第9の態様によれば、積層磁芯の取り扱いが容易である。
この発明にかかる界磁子の第10の態様によれば、積層磁芯の回転軸方向における長さを、側面部分と、回転軸側に位置する部分とで、異ならせることができる。
この発明にかかる界磁子の第11の態様によれば、積層磁芯の側面部分をバランサとして機能させることができる。また軟磁性体薄板の面積を有効に利用して打ち抜くことができる。
この発明にかかる界磁子の第12の態様によれば、第1の側面部分をバランサとして機能させることができる。
この発明にかかる界磁子の第13の態様によれば、第2の側面部分をもバランサとして機能させることができるので、界磁子が支持するシャフトにバランサを設ける必要がない。
この発明にかかる界磁子の第14の態様によれば、飽和磁束密度が低い第1及び第2の圧粉磁芯の磁気飽和を小さくする。この際、第1及び第2の圧粉磁芯を通る磁束は回転軸方向成分が大きくなるが、圧粉磁芯が等方性であるので好適である。また大きな永久磁石を採用することができ、鎖交磁束を増大させる観点で望ましい。
この発明にかかる界磁子の第15の態様によれば、界磁子の磁極に対するバックヨークとして機能する部分を大きくすることにより、界磁子が支持するシャフトに磁束が流れ込むことを防ぐ。またシャフトを支持しやすい。また隣接する側面部分同士の間の積層磁芯がq軸磁路として機能する場合、その飽和も緩和する。
この発明にかかる界磁子の第16の態様によれば、永久磁石と第1及び第2の圧粉磁芯との固着を強固にできる。
この発明にかかる界磁子の第17の態様によれば、永久磁石の磁気エネルギー積が高いので出力トルクが向上する。また永久磁石のヒステリシスカーブの角形比が大きいので、第1及び第2の圧粉磁芯を固着させるときの発熱による熱減磁の影響が小さい。また高温環境下での駆動に適している。
この発明にかかる界磁子の第18の態様によれば、永久磁石と第1及び第2の圧粉磁芯とが固着する強度が高い。また第1及び第2の圧粉磁芯の厚さを低減し、以て界磁磁束の短絡を低減できる。
第1の実施の形態.
図1はこの発明の第1の実施の形態にかかる界磁子1の構造を示す断面図である。当該断面図は界磁子1の回転軸Qに垂直な断面を示している。
図1はこの発明の第1の実施の形態にかかる界磁子1の構造を示す断面図である。当該断面図は界磁子1の回転軸Qに垂直な断面を示している。
界磁子1は積層磁芯11及びこれに埋設されて界磁磁束を発生させる界磁発生部12を備えている。積層磁芯11は回転軸Qに沿った柱状を呈しており、例えば円柱状を呈する。但しその側面110は当該断面において必ずしも真円でなくてもよく、たとえばコギングトルクを低減する等の目的のため、回転軸Qからの側面110までの距離が周方向の位置に依存していてもよい。積層磁芯11は回転軸Qに沿った方向に軟磁性体薄板を積層されて構成される。
界磁発生部12は、積層磁芯11の側面110よりも回転軸Q側に埋設され、回転軸Qに沿った方向に延在し、複数設けられる。
界磁子1は積層磁芯11において空隙13を備えている。空隙13は界磁発生部12の少なくとも一端、ここでは両端から回転軸Qとは反対側に設けられる。空隙13によって積層磁芯11は回転軸Q側の部分11aと、側面110側の部分11bとに区分される。当該空隙13は、界磁発生部12から発生する界磁磁束が短絡的に流れることを防止する。
ここでは空隙13は積層磁芯11の側面110よりも回転軸Q側に設けられ、薄肉部を残している。そして部分11b同士は薄肉部によって相互に連結されている。このように側面110が周方向のいずれの位置においても連続していることは、軟磁性体薄板を打ち抜く精度で、界磁子1の外径の精度を制御できる観点から望ましい。
また部分11a,11b同士も薄肉部によって相互に連結されることは、積層磁芯11の取り扱いが容易となる観点から望ましい。
但し、後述するようにして部分11a,11bが連結されるので、当該薄肉部がなくてもよい。より具体的には空隙13が回転軸Qとは反対側で開口していてもよい。空隙13がこのように開口することによる利点は後に第4の実施の形態において詳述する。
部分11aは空隙13を介して部分11bに挟まれる部分14を有している。部分14はいわゆるq軸磁路として機能し、リラクタンストルクに寄与することになる。
界磁発生部12の各々は、圧粉磁芯12a,12b及び板状の永久磁石12dを有している。圧粉磁芯12a,12bはそれぞれ永久磁石12dに回転軸Q側及び側面110側で固着する。そして圧粉磁芯12a,12bはいずれも永久磁石12dと共に鋭角の入隅を形成する。永久磁石12dは回転軸Q側及び側面110側に、相互に極性が異なる磁極面を呈する。
圧粉磁芯12a,12bは、永久磁石12dに固着される一方で、これらが永久磁石12dと形成する入隅によって積層磁芯11と係合する。従って永久磁石12dと積層磁芯11との機械的結合を確保できる。より詳細には圧粉磁芯12a,12bが、それぞれ部分11a,11bと係合することにより、界磁発生部12を介して部分11a,11b同士が連結する。これにより、界磁発生部12から発生する界磁磁束の短絡を阻害する空隙13を設けても、界磁子1の機械的強度の低下を防止できる。しかも圧粉磁芯12a,12bは磁性体であるのでロータコアとしての機能を損ないにくい。
一般的に永久磁石は、焼結工程においてその形状の自由度が低く、また機械的強度が弱い。よって永久磁石のみで鋭角の入隅を形成することは困難であり、また部分11a,11bを連結する機能も低い。よって形状の自由度が高く、かつ磁性体でもある圧粉磁芯12a,12bを用いて永久磁石と共に鋭角の入隅を形成することが望ましい。
しかも圧粉磁芯12a,12bが設けられる位置は磁束密度の変動が小さく、ヒステリシス損が大きな圧粉磁芯12a,12bを採用してもヒステリシス損が顕著な悪影響を与えることはない。他方、側面110は積層磁芯11によって形成されるので、透磁率が高く、また鉄損(特にヒステリシス損)が小さい。よってロータコア全体に圧粉磁芯を採用する場合と比較して、透磁率低下による銅損の増加やヒステリシス損増加による鉄損の増加が抑制される。積層磁芯11を構成する軟磁性体薄板は、ヒステリシス損が小さい、電磁鋼板や珪素鋼板を採用することが望ましい。特に駆動周波数が数百Hz以下の低速回転をする場合、一般に積層磁芯(電磁鋼板)は圧粉磁芯(鉄系)に比べて鉄損が小さいからである。
永久磁石12dは少なくとも希土類元素を含む焼結磁石であることが望ましい。具体的には例えばネオジ・鉄・ボロン系材料を採用することが望ましい。このような焼結磁石は、その磁気エネルギー積が高いので出力トルクが向上する。また永久磁石のヒステリシスカーブの角形比が大きいので、圧粉磁芯12a,12bを固着させるときの発熱による熱減磁の影響が小さい。また高温環境下での駆動に適している。なお、永久磁石の周囲を積層磁芯ではなく比抵抗の高い圧粉磁芯で覆うことにより、永久磁石を介して積層磁芯が発生する渦電流による鉄損の増加が防がれる。
永久磁石12dはバインダにより磁石粉末を集めたボンド磁石であって圧粉磁芯12a,12bと共に一体化されることも好適である。当該一体化については例えば特許文献5に例示されている。永久磁石12dと圧粉磁芯12a,12bとが固着する強度が高くなるからである。また圧粉磁芯12a,12bの厚さを低減し、以て界磁磁束の短絡を低減できる。
図2は界磁子1から一つの界磁発生部12を抜き取った構成を示す断面図であり、当該断面も図1と同様に回転軸Qに対して垂直である。積層磁芯11には界磁発生部12を貫挿する貫通孔12eが設けられる。貫通孔12eへの界磁発生部12の貫挿は、圧入や焼き填めを採用することができる。
図2では貫通孔12eが空隙13と連通する態様が例示されているが、両者は界磁磁束の短絡が抑制できる程度に近接して離れて配置されてもよい。
積層磁芯11には貫通孔12eの他、積層された軟磁性体薄板を締結するための締結具(図示せず)が貫挿される締結用孔15や、回転シャフト(図示せず)が貫通されるシャフト孔10が設けられている。
締結具を使用することなく、例えば軟磁性体薄板に凹凸を設け、隣接する軟磁性体薄板同士の間で当該凹凸を絡み合わせる、いわゆるカラマセを採用してもよい。この場合にはもちろん、締結用孔15は不要である。但し締結具とカラマセを併用してもよい。
図3は界磁発生部12の詳細を示す図であり、回転軸Qに垂直な面における構造を示している。界磁発生部12は、永久磁石12dの磁極面と圧粉磁芯12a,12bとの間に介在する圧粉磁芯12cをも有することが望ましい。永久磁石12dと圧粉磁芯12a,12bとの固着を強固にできるからである。
図4は永久磁石12dと圧粉磁芯12a,12b,12cと貫通孔12eとの位置関係を示す斜視図である。但し、永久磁石12dが圧粉磁芯12a,12b,12cに貫挿するよりは、上述のように永久磁石12dへ圧粉磁芯12a,12b,12cが固着することが望ましい。
図5は界磁発生部12の詳細の他例を示す図であり、回転軸Qに垂直な面における構造を示している。界磁発生部12は、永久磁石12dの磁極面でない端部には圧粉磁芯12cを設けていない。かかる構成は界磁磁束が短絡的に流れる要因を除く観点から望ましい。このとき例えば、永久磁石12dと圧粉磁芯12a,12bとは接着により固定される。
圧粉磁芯12a,12bは、永久磁石12dから離れるほどその断面積が広くなる。ここでいう断面積とは径方向に垂直な面の面積である。上述のような鋭角の入隅を形成でき、また圧粉磁芯12a,12bと永久磁石12dとの接触面積を小さくすることにより、永久磁石12dから見た磁気抵抗を低減できる。
ここでは圧粉磁芯12a,12bは楔形状を呈しているが、T字型など、係合する機能を有していれば他の形状でもよい。
回転軸Qに沿った方向に、図1で示された構造を周方向にずらしつつ重ねて設けることもできる。界磁子にいわゆるスキューを設けることにより、トルクリプルを軽減することができる。図6は図1で示された構造を二段に重ねた構造を例示しており、破線で示された構造は紙面奥側に配置されていることを示している。界磁発生部12A,12B及び空隙13A,3Bは、それぞれ図1の界磁発生部12及び空隙13と対応している。
なお、両者の構造が相まって界磁子を構成すべきであるので、締結具用孔15及びシャフト孔10の断面図上での位置は両者で一致している。また一方の構造における界磁磁束が、他方の構造におけるロータコアを介して短絡的に流れることを回避すべく、両者間には非磁性体のスペーサを介在させることが望ましい。もちろん、短絡的に流れる界磁磁束の量が回転電機の性能上で差し支えない程度であれば、当該スペーサは不要である。
このように二段に重ねた構造におけるスキューの角度は、キャンセルしたいトルクリプルの一周期の1/2に相当する角度が最適である。トルクリプルのうち、コギングトルクについてみれば、図1や図6で例示されたように界磁子の磁極数が4個の場合、電機子(図示せず)のスロット数が12,24,36であれば、コギングトルクの一周期はそれぞれ30度、15度、10度である。よってスキューはそれぞれ15度、7.5度、5度に選定することが望ましい。なお形状によっては上記の値よりもコギングトルクの周期が短い場合もある。
スロット高調波を低減するのであれば、スロットピッチの半分をスキューの角度に選定する。三相の回転磁界を用いたときのトルクリプルは、界磁子の磁極数が4の場合には、30度となる。よってこの場合のトルクリプルを低減するためには、スキューの角度を15度に選定することが望ましい。
もちろん、スキューの角度は上記の選定値に対して若干ずれてもよい。また図1の構造を重ねる段数をN段とすると、二つの段の間のスキューの角度は上記のようにして求めた二段の場合の選定値に2/Nを乗じた値に選定すればよい。
図示は省略するが、界磁発生部12が積層磁芯11から回転軸Qに沿って抜けないように、界磁子1はその回転軸Qについての端に端板を設けてもよい。あるいは界磁発生部12と積層磁芯11とが接触する部位に段差を設けて、界磁発生部12が回転軸Qに沿って抜けないようにしてもよい。
第2の実施の形態.
図7及び図8は、界磁子1と電機子2との間に流れる磁束をシミュレーションした磁束線図であり、回転方向は図上で反時計回り方向である。ここでは界磁子1と電機子2の構成の1/4のみ示している。部分11aにおいてはほぼ永久磁石12dの中心を境界として、両側に磁束が分岐して流れやすい。ここでは永久磁石12dが隣接する空隙13に挟まれており、永久磁石12dの中心が界磁子1の磁極の中央となっているからである。
図7及び図8は、界磁子1と電機子2との間に流れる磁束をシミュレーションした磁束線図であり、回転方向は図上で反時計回り方向である。ここでは界磁子1と電機子2の構成の1/4のみ示している。部分11aにおいてはほぼ永久磁石12dの中心を境界として、両側に磁束が分岐して流れやすい。ここでは永久磁石12dが隣接する空隙13に挟まれており、永久磁石12dの中心が界磁子1の磁極の中央となっているからである。
よって図1に示されたように、隣接する一対の空隙13の間の中央という、磁束密度が低い個所に圧粉磁芯12aを配置することにより、圧粉磁芯12aに、ひいては界磁子1に発生するヒステリシス損を小さくできる。
特に図1に示されたように、一つの界磁発生部12の両端に一対の隣接する空隙13が設けられており、圧粉磁芯12aが当該界磁発生部12の中央に設けられることは、界磁発生部12の強度が優れる点で望ましい。界磁発生部12と積層磁芯11とを結合する力は、界磁子発生部12において対称性がよいからである。
側面110に現れる界磁子1の磁極は、隣接する空隙13によって挟まれる。そしてリラクタンストルクを大きくするためには、永久磁石12dは当該磁極の中央で最も側面110から離れることになる。従って圧粉磁芯12bも界磁発生部12の中央に設けられることが望ましい。透磁率や飽和磁束密度が低い圧粉磁芯12bの影響が、界磁子1の磁極に及びにくいからである。しかも界磁発生部12と積層磁芯11とを結合する力が、界磁子発生部12において対称性がよいので、界磁発生部12の強度が優れる。
このように圧粉磁芯12bを界磁発生部12の中央に設けることは、特に無負荷時や回転磁界が小さい場合に望ましい。しかし電機子電流による磁束が大きい場合には圧粉磁芯12bを下記のように配置することが望ましい。
図9はこの発明の第2の実施の形態にかかる界磁子1の構造を示す断面図であり、図1に相当する断面を示している。界磁子1は回転軸Qの周りで図上の反時計回り方向に回転する。
第2の実施の形態では第1の実施の形態と比較して、圧粉磁芯12bが界磁発生部12の中央よりも界磁子2の回転方向と反対側(後進側)に寄って設けられる点で異なっている。図8から分かるように、磁束分布は界磁子1の磁極の中央よりも回転方向側(前進側)に多く偏る。従って圧粉磁芯12bを磁束密度が低い個所に配置することにより、圧粉磁芯12bに、ひいては界磁子1に発生するヒステリシス損を小さくできる。
第3の実施の形態.
図10はこの発明の第3の実施の形態にかかる界磁子1の構造を示す断面図であり、図1に相当する断面を示している。第3の実施の形態では、第1の実施の形態にかかる界磁発生部12を界磁発生部120に置換している。但し第3の実施の形態では、界磁子1の磁極は一対の界磁磁束発生部120から供給される界磁磁束によって、側面110に形成される。
図10はこの発明の第3の実施の形態にかかる界磁子1の構造を示す断面図であり、図1に相当する断面を示している。第3の実施の形態では、第1の実施の形態にかかる界磁発生部12を界磁発生部120に置換している。但し第3の実施の形態では、界磁子1の磁極は一対の界磁磁束発生部120から供給される界磁磁束によって、側面110に形成される。
図11は積層磁芯11の構成を示す断面図であり、図12は対となって採用される界磁発生部120の構成を示す。積層磁芯11には界磁発生部120を貫挿する貫通孔124が設けられ、その回転軸Q側は空隙16を介して相互に連通している。また側面110側には空隙13が連通している。但し空隙13と貫通孔124とは必ずしも連通している必要はなく、両者は界磁磁束の短絡が抑制できる程度に近接して離れて配置されてもよい。空隙16と貫通孔124との位置関係についても同様である。
第3の実施の形態においても、締結用孔15、シャフト孔10が設けられている。
界磁発生部120は、界磁発生部12の圧粉磁芯12a,12b及び永久磁石12dにそれぞれ対応して、圧粉磁芯121,122及び永久磁石123を有している。
圧粉磁芯121,122はそれぞれ永久磁石123に回転軸Q側及び側面110側で固着する。固着の仕方や材料は第1の実施の形態で例示した。図10及び図12では永久磁石123の周りを覆う薄い圧粉磁芯は省略している。そして圧粉磁芯121,122はいずれも永久磁石123と共に鋭角の入隅を形成する。永久磁石123は回転軸Q側及び側面110側に、相互に極性が異なる磁極面を呈する。圧粉磁芯121,122は、永久磁石123から離れるほどその断面積が広くなる。よって第1の実施の形態と同様にして、空隙13を設けても界磁子1の機械的強度の低下を低減できる。
しかし、第3の実施の形態では、一対の界磁発生部12で界磁子1の一つの磁極に対応する。よって回転軸Q側から永久磁石123に固着する圧粉磁芯121は、当該磁極の中央となる位置、即ち一対の空隙13で挟まれた中央において配置され、結果的に空隙16に隣接して配置される。これによって第2の実施の形態で説明された位置に圧粉磁芯12aを配置することと同じ効果が得られる。
しかも、圧粉磁芯121と部分11aとの係合により、磁石123が貫通孔124内を側面110へと向かって移動することが防止される。
なお、空隙16の代わりに圧粉磁芯121を配置することは望ましくない。この位置で界磁磁束が短絡的に流れるからである。よって図11に示されるように、空隙16を挟んで圧粉磁芯121を配置することが望まれる。
空隙16よりも空隙13側に寄って圧粉磁芯121を配置することも考えられるが、部分11aがバックヨークとして機能することに鑑みれば、図11に示されるように、空隙16を挟んで圧粉磁芯121を配置することが望まれる。
他方、圧粉磁芯122は空隙13よりに、ここでは空隙13に隣接して設けられる。圧粉磁芯122が空隙13と同様に、界磁発生部120から発生する界磁磁束の短絡を阻害する。また界磁発生部120の端部において圧粉磁芯122が積層磁芯11と係合するので、永久磁石123と積層磁芯11との機械的に結合する効果が高い。そして空隙13よりも側面110側の薄肉部によって部分11a,11bが連結しているので、当該薄肉部の破壊を防ぐには空隙13の近傍で圧粉磁芯122が設けられることが望ましい。
第3の実施の形態においても第1の実施の形態と同様にスキューを設けることができる。
第4の実施の形態.
図13はこの発明の第4実施の形態にかかる界磁子6の構造を示す断面図であり、図1に相当する断面を示している。第4の実施の形態では、第1の実施の形態にかかる積層磁芯11を、空隙63を介して分離した積層磁芯61a,61bに置換した構成を有している。つまり積層磁芯61b同士は空隙13によって分離されている。
図13はこの発明の第4実施の形態にかかる界磁子6の構造を示す断面図であり、図1に相当する断面を示している。第4の実施の形態では、第1の実施の形態にかかる積層磁芯11を、空隙63を介して分離した積層磁芯61a,61bに置換した構成を有している。つまり積層磁芯61b同士は空隙13によって分離されている。
積層磁芯61a,61bも積層磁芯11と同様に、回転軸Qに沿った柱状、例えば円柱状を呈しており、回転軸Qに沿った方向に軟磁性体薄板を積層されて構成される。積層磁芯61a,61bにはそれぞれ締結用孔65,66が設けられており、積層された軟磁性体薄板を締結するための締結具(図示せず)がこれらに貫挿される。また積層磁芯61aにはシャフト孔60も設けられている。
空隙63、積層磁芯61a,61bは、それぞれ空隙13,部分11a,11b(図1参照)に相当している。より具体的には積層磁芯61bは回転軸Qの周りで環状に配置され、積層磁芯61aを囲む。積層磁芯61aは回転軸Qとは反対側(界磁子6の側面側)へと四方に延びる部分64を有しており、これは空隙63を介して積層磁芯61bに挟まれる。部分64は部分14(図1参照)に対応しており、いわゆるq軸磁路として機能する。積層磁芯61a,61bは、界磁発生部12に対してそれぞれ回転軸Q側及び側面側(回転軸Qとは反対側)から係合している。
このように界磁子6は図1に示された界磁子1において空隙13を回転軸Qとは反対側に向けて開口した構成として把握することができる。
図14は積層磁芯61a,61bと界磁発生部12とを係合させる前の構成を示す断面図である。簡単のため、積層磁芯61bと界磁発生部12とは一つしか示していないが、実際にはこれらはいずれも4つ用いられる。
積層磁芯61aには圧粉磁芯12aと係合する凹部67が、積層磁芯61bには圧粉磁芯12bと係合する凹部68が、それぞれ設けられている。
上述のような構造であるので、第3の実施の形態にかかる界磁子6も、第1の実施の形態にかかる界磁子1と同様に奏功する。更に、第2の実施の形態で説明したように、圧粉磁芯12a,12bの位置を工夫しても良い。
本実施の形態に特有の利点の一つとして、空隙13よりも外側(回転軸Qとは反対側)に薄肉部が存在しないので、界磁磁束の短絡的な流れをより一層阻害できることが挙げられる。
また他の利点として、積層磁芯61a,61bを得るために、軟磁性体薄板を打ち抜くに際し、軟磁性体薄板の面積を有効に利用できる点が挙げられる。図15は界磁子6から界磁発生部12を取り除き、更に詰め合わせて空隙63を無くした状態を示す断面図である。このような形状で軟磁性体薄板を打ち抜き、積層して締結用孔65,66で締結することにより、積層磁芯61a,61bを得ることができるので、打ち抜きに際して無駄となる軟磁性体薄板の量を低減できる。
なお、本実施の形態に特有な更に他の利点もあるが、説明の都合上、これに関しては第6の実施の形態において説明する。
第5の実施の形態.
第5の実施の形態は界磁子1において回転軸Q方向における各部の長さを工夫したものである。図16及び図17のいずれも、図2の位置A−Aにおいて回転軸Qに平行な断面を示す断面図である。当該断面図では締結用孔15に貫挿する締結具18と、これと共に積層磁芯11(当該断面において部分11a,11bとして示されている)を締結する締結具19も図示している。またシャフト孔10に貫挿する回転シャフト3も図示している。
第5の実施の形態は界磁子1において回転軸Q方向における各部の長さを工夫したものである。図16及び図17のいずれも、図2の位置A−Aにおいて回転軸Qに平行な断面を示す断面図である。当該断面図では締結用孔15に貫挿する締結具18と、これと共に積層磁芯11(当該断面において部分11a,11bとして示されている)を締結する締結具19も図示している。またシャフト孔10に貫挿する回転シャフト3も図示している。
図16に示された構造では、回転軸Qに沿った方向において、積層磁芯11の長さが圧粉磁芯12a,12bの長さよりも短い。換言すれば積層磁芯11の長さよりも圧粉磁芯12a,12bの長さが長い。よって圧粉磁芯12a,12bの飽和磁束密度が低くても、これらにおける磁気飽和を小さくできる。圧粉磁芯12a,12bを通る磁束は回転軸Qに沿った成分が大きくなるが、圧粉磁芯は一般的に等方性であるので好適である。また大きな永久磁石12dを採用することができ、鎖交磁束を増大させる観点で望ましい。
図17に示された構造では、回転軸Qに沿った方向において、積層磁芯11の長さが圧粉磁芯12a,12bの長さよりも長い。これは部分14(図1参照)の磁路断面積を拡げることとなり、電機子電流による磁束が増大してもリラクタンストルクが飽和しにくくなる点で望ましい。
第6の実施の形態.
第6の実施の形態は界磁子6において回転軸Q方向における各部の長さを工夫したものである。図18、図19は、それぞれ図13の位置B−B,C−Q−Cにおいて回転軸Qに平行な断面を示す断面図である。
第6の実施の形態は界磁子6において回転軸Q方向における各部の長さを工夫したものである。図18、図19は、それぞれ図13の位置B−B,C−Q−Cにおいて回転軸Qに平行な断面を示す断面図である。
当該断面図では締結用孔65に貫挿する締結具18と、これと共に積層磁芯61bを締結する締結具19も図示している。またシャフト孔60に貫挿する回転シャフト3も図示している。
図18に示された構造では、左側に図示された積層磁芯61bが、右側に図示された積層磁芯61bよりも、回転軸Qに沿った方向の上側端において突出している。また右側に図示された積層磁芯61bが、左側に図示された積層磁芯61bよりも、回転軸Qに沿った方向の下側端において突出している。よって積層磁芯61bは回転シャフト3に対するバランサとして機能する。一つの積層磁芯61bのみが回転軸Qに沿った方向の一方端においてのみ突出していてもよい。回転シャフト3にバランサ(図示しない)が設けられている場合には、このバランサに対する補助的なバランサとして当該積層磁芯61bが機能する。また図18に示されたように突出する部位が二つ存在する場合には、回転シャフト3に別部品としてバランサを設けることなく、主たるバランサ(以下「主バランサ」と仮称)及び補助的なバランサ(以下「副バランサ」と仮称)の両方の機能を積層磁芯61bに担わせることができる。
このようなバランサを設けることは特に、回転シャフト3によって駆動される負荷がアンバランスを有する場合、例えば回転シャフト3が圧縮機を駆動する場合に好適である。
図19に示された構造では、回転軸Qに沿った方向において、積層磁芯61bの長さが、圧粉磁芯12a,12bの長さ、積層磁芯61aの長さのいずれよりも短い。
積層磁芯61aは界磁子6の磁極に対するバックヨークとして機能するので、これを大きくすることにより、回転シャフト3が磁性体であっても、これに磁束が流れ込むことを防ぐ。また回転シャフト3を支持しやすい。またq軸磁路として機能する部分64の飽和も緩和される。
上述の例では界磁子が4極の場合を例示したが、極数はこれに限定されるものではない。また永久磁石12d,123は板状であるが、必ずしも平板状である必要はなく、断面視上で弧状であってもよい。
圧縮機への応用.
図20は界磁子6と、その側面に対向する電機子3とを含む回転電機を採用した圧縮機の構成を示す断面図である。当該圧縮機はケーシング4を備えており、その内部には例えば冷媒を圧縮する圧縮機構部41を収納している。圧縮機構部41は回転シャフト3の回転によって駆動される。電機子3は電機子巻線32と、これが巻回されるステータコア31とを有しており、ステータコア31はケーシング4の内壁に固定されている。
図20は界磁子6と、その側面に対向する電機子3とを含む回転電機を採用した圧縮機の構成を示す断面図である。当該圧縮機はケーシング4を備えており、その内部には例えば冷媒を圧縮する圧縮機構部41を収納している。圧縮機構部41は回転シャフト3の回転によって駆動される。電機子3は電機子巻線32と、これが巻回されるステータコア31とを有しており、ステータコア31はケーシング4の内壁に固定されている。
図20において二つ現れる積層磁芯61bは、図18で例示されたように突出しており、それぞれが主バランサ、副バランサの機能を果たしている。よって当該圧縮機には主バランサを設けていない。
圧縮機構部41、主バランサ、副バランサのそれぞれの重量をM1,M2,M3とし、それぞれの重心の、回転軸Qからの距離(偏心)をR1,R2,R3とし、ある共通した基準位置からの距離をZ1,Z2,Z3とすると、静バランスを採る関係からはM1・R1+M2・R2+M3・R3=0を満足させ、動バランスを採る関係からはM1・R1・Z1+M2・R2・Z2+M3・R3・Z3=0を満足させることが望ましい。
偏心R1,R2,R3は圧縮機の構造上の観点で決定されるので、重量M2,M3を適切に設定すべく、二つの積層磁芯61bの積層厚さを異ならせればよい。
1,6 界磁子
11,61a,61b 積層磁芯
11a,11b,14 部分
12,120 界磁発生部
12a,12b,12c,121,122 圧粉磁芯
12d,123 永久磁石
13 空隙
3 電機子
4 圧縮機
11,61a,61b 積層磁芯
11a,11b,14 部分
12,120 界磁発生部
12a,12b,12c,121,122 圧粉磁芯
12d,123 永久磁石
13 空隙
3 電機子
4 圧縮機
Claims (20)
- 回転軸(Q)に沿った方向に軟磁性体薄板を積層された柱状の積層磁芯(11)と、
前記積層磁芯の側面(110)よりも前記回転軸側に埋設され、前記方向に延在する複数の界磁発生部(12;120)と、
前記界磁発生部の少なくとも一端から前記回転軸とは反対側に設けられた空隙(13)と
を備え、
前記界磁発生部(12;120)の各々は、
板状の永久磁石(12d;123)と、
前記永久磁石に固着され、それぞれ前記永久磁石と共に鋭角の入隅を形成する第1及び第2の圧粉磁芯(12a,12b;121,122)とを有し、
前記第1の圧粉磁芯(12a;121)は前記永久磁石よりも前記回転軸側に設けられ、
前記第2の圧粉磁芯(12b;122)は前記永久磁石よりも前記側面側に設けられる、界磁子(1;6)。 - 前記第1の圧粉磁芯(12a;121)は、隣接する一対の前記空隙(13)の間の中央に設けられる、請求項1記載の界磁子(1;6)。
- 一の前記界磁発生部(12)の両端に一対の隣接する前記空隙(13)が設けられ、
前記第1の圧粉磁芯(12a;121)は、前記一の前記界磁発生部の中央に設けられる、請求項2記載の界磁子(1)。 - 一の前記界磁発生部(12)の両端に一対の隣接する前記空隙(13)が設けられ、
前記第2の圧粉磁芯(12b;121)は、前記一の前記界磁発生部の中央に設けられる、請求項2乃至請求項3のいずれか一つに記載の界磁子(1)。 - 一の前記界磁発生部(12)の両端に一対の隣接する前記空隙(13)が設けられ、
前記第2の圧粉磁芯(12b)は、前記一の前記界磁発生部の中央よりも界磁子の回転方向と反対側に寄って設けられる、請求項2乃至請求項3のいずれか一つに記載の界磁子(1)。 - 前記第2の圧粉磁芯(122)は、前記空隙(13)寄りに設けられる、請求項2記載の界磁子(6)。
- 前記第1及び第2の圧粉磁芯(12a,12b;121,122)は、前記永久磁石(12d,123)から離れるほどその断面積が広くなる、請求項1記載の界磁子(1;6)。
- 前記空隙(13)は前記側面よりも前記回転軸側に設けられ、
前記界磁発生部(12;120)よりも前記側面側に位置する前記積層磁芯の部分である側面部分(11b)同士は、前記空隙よりも前記側面側の前記積層磁芯の薄肉部によって相互に連結される、請求項1記載の界磁子(1)。 - 前記界磁発生部(12;120)よりも前記回転軸(Q)側に位置する前記積層磁芯の部分(11a)は、前記側面部分(11b)と前記薄肉部によって相互に連結される、請求項8記載の界磁子(1)。
- 前記空隙(13)は前記側面側で開口し、
前記界磁発生部(12)よりも前記回転軸側に位置する前記積層磁芯の部分(61a)は、前記界磁発生部よりも前記側面側に位置する前記積層磁芯の部分である側面部分(61b)と、前記空隙(13)によって分離されつつ前記界磁発生部によって連結される、請求項1記載の界磁子(6)。 - 前記側面部分(61b)同士は前記空隙(13)によって分離される、請求項10記載の界磁子(6)。
- 第1の前記側面部分(61b)は他の前記側面部分よりも、前記方向の一端において突出する、請求項11記載の界磁子(6)。
- 第2の前記側面部分(61b)は他の前記側面部分よりも、前記方向の他端において突出する、請求項12記載の界磁子(6)。
- 前記方向において、前記積層磁芯(11)の長さが前記第1及び第2の圧粉磁芯の長さよりも短い、請求項1乃至請求項11のいずれか一つに記載の界磁子(1;6)。
- 前記方向において、前記側面部分(61b)の長さが、前記第1及び第2の圧粉磁芯の長さ、前記界磁発生部(12)よりも前記回転軸側に位置する前記積層磁芯の部分(61a)の長さのいずれよりも長い、請求項10乃至請求項11のいずれか一つに記載の界磁子(6)。
- 前記界磁発生部(12)は、前記永久磁石(12d;123)の磁極面と前記第1及び第2の圧粉磁芯(12a,12b)との間に介在する第3の圧粉磁芯(12c)を更に有する、請求項1乃至請求項15のいずれか一つに記載の界磁子。
- 前記永久磁石(12d;123)は少なくとも希土類元素を含む焼結磁石である、請求項1乃至請求項16のいずれか一つに記載の界磁子。
- 前記永久磁石(12d;123)はバインダにより磁石粉末を集めたボンド磁石であり、前記第1及び第2の圧粉磁芯(12a,12b)と共に一体化される、請求項1乃至請求項16のいずれか一つに記載の界磁子。
- 請求項1乃至請求項18のいずれか一つに記載の界磁子と、前記側面と対向して配置される電機子(3)とを含む回転電機。
- 請求項19記載の回転電機と、前記回転電機によって駆動される圧縮機構(41)とを備える圧縮機(4)。
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