JP2008131500A - デジタルローパスフィルタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】デジタルローパスフィルタ100に、入力信号に第一フィードバック項を減算する第一減算器111、第一減算器111の出力信号に被定数k1を乗算する第一乗算器112、入力信号を所定のサンプリング時間遅延する第一遅延器113、第一遅延器113の出力信号に第一乗算器112の出力信号を加算したものを第一遅延器113の入力信号とする第一加算器114、第一加算器114の出力信号に第一フィードバック項を減算する第二減算器121、第二減算器121の出力信号に被定数k2を乗算する第二乗算器122、入力信号を所定のサンプリング時間遅延したものを第一フィードバック項とする第二遅延器123、第二遅延器123の出力信号に第二乗算器122の出力信号を加算したものを第二遅延器123に入力する第二加算器124、を具備した。
【選択図】図1
Description
このようなデジタルローパスフィルタの例としては、ΔΣ型A−D変換器においてデジタル入力信号の高周波領域の量子化雑音を除去するデシメーションフィルタ等が挙げられる。
再帰形フィルタは、一部の例外を除いてIIRフィルタ、すなわちインパルス応答の継続時間が無限のフィルタである。以下では、説明の便宜上、再帰型フィルタをIIRフィルタと呼ぶこととする。
(1)IIRフィルタに要求される周波数特性に基づいて、基準となるアナログフィルタの特性(カットオフ周波数f0およびクオリティファクターQを含む)、およびアナログフィルタのs領域(s=jω:複素(角)周波数、ω=2πf:角周波数)における伝達関数H(s)を決定する。伝達関数H(s)は、一般に分母および分子の両方がsの多項式で表され、全体としてはsの有理関数となる。
(2)s領域の伝達関数H(s)をz領域の伝達関数H(z)に変換する、いわゆるs−z変換を行う。
(3)z領域の伝達関数H(z)を差分方程式とすることにより、IIRフィルタの演算フロー(構成)を決定する。
特に、双1次変換法は、デジタルフィルタの標準的な設計方法としてしばしば用いられるものである。
縦続形フィルタは、一般に有限長演算における演算誤差が小さいことが知られていることから、上記1次フィルタおよび2次フィルタはIIRフィルタの基本構成要素であるといえる。
すなわち、s−z変換された伝達関数H(z)のフィルタ係数は1ビットで表すことが可能な単純な数値(例えば、2nや1/2n)ではなく、一般に十ビットから十数ビット(演算の精度が要求される場合にはそれ以上)の演算ビット数が必要であり、このような入力データの乗算を行う乗算器は実際の回路として実現する場合に加算器や減算器に比べて非常に大型化する。
例えば、双1次変換法による演算フローにおいてカットオフ周波数f0を可変させる場合、伝達関数H(z)のフィルタ係数をカットオフ周波数f0に比例するような簡単な式で表すことができず、通常は二次以上の多項式あるいはそれ以上の複雑な式となり、これを実現するためには回路規模が大きくなってしまう。
例えば、ΔΣ型A−D変換器のデシメーションフィルタの場合、低周波領域では16〜24ビットの高い出力精度が求められる場合が多いが、フィルタ係数を変更することにより低周波ゲインまで変動してしまうと、入力信号のDCレベルが一定であっても出力信号のDCレベルが変動してしまい、ひいては高精度なデジタルローパスフィルタを実現することが困難である。
入力信号に第一フィードバック項を減算したものを出力する第一減算器と、
前記第一減算器の出力信号に被定数k1を乗算したものを出力する第一乗算器と、
入力信号を所定のサンプリング時間遅延したものを出力する第一遅延器と、
前記第一遅延器の出力信号に前記第一乗算器の出力信号を加算したものを出力し、これを前記第一遅延器に入力する第一加算器と、
前記第一加算器の出力信号に前記第一フィードバック項を減算したものを出力する第二減算器と、
前記第二減算器の出力信号に被定数k2を乗算したものを出力する第二乗算器と、
入力信号を所定のサンプリング時間遅延したものを前記第一フィードバック項として出力する第二遅延器と、
前記第二遅延器の出力信号に前記第二乗算器の出力信号を加算したものを出力し、これを前記第二遅延器に入力する第二加算器と、
を具備するものである。
前記被定数k1を所望のサンプリング周期T、所望のクオリティファクターQおよび所望のカットオフ周波数f0を用いて以下の数1または数2で表されるように設定するとともに、前記被定数k2を前記所望のサンプリング周期T、前記所望のクオリティファクターQおよび前記所望のカットオフ周波数f0を用いて以下の数3または数4で表されるように設定するものである。
前記第一減算器の前段または前記第二加算器の後段に配置され、入力信号を所定のサンプリング時間遅延したものを出力する追加遅延器を具備するものである。
前記第二加算器の後段に配置され、入力信号の移動平均を出力する移動平均フィルタを具備するものである。
前記被定数k1と前記被定数k2との比を1:2に設定するものである。
前記被定数k1と前記被定数k2との比を1:3に設定するものである。
入力信号に第二フィードバック項を減算したものを出力する第三減算器と、
前記第三減算器の出力信号に被定数k3を乗算したものを出力する第三乗算器と、
入力信号を所定のサンプリング時間遅延したものを第二フィードバック項として出力する第三遅延器と、
前記第三遅延器の出力信号に前記第三乗算器の出力信号を加算したものを出力し、これを前記第三遅延器に入力する第三加算器と、
を具備し、
前記第三減算器、第三乗算器、第三遅延器および第三加算器を前記第一減算器の前段または前記第二加算器の後段に配置し、
前記被定数k1と前記被定数k2と前記被定数k3との比を1:1:1に設定するものである。
前記被定数k1および前記被定数k2を可変とするものである。
前記被定数k1および前記被定数k2を前記カットオフ周波数f0に略比例して可変とするものである。
前記被定数k1を固定し、前記被定数k2を可変とするものである。
前記第二乗算器の演算データ長を前記第一乗算器の演算データ長よりも短く設定するものである。
「入力信号」は前段から送信されてきたデータを指すものであり、本実施例の第一減算器111の場合にはデジタル信号系列の入力データ(デジタルローパスフィルタ100に入力される所定のビット数を有するデジタルデータであり、後述する入力信号列x(n)に相当する)を指す。「第一フィードバック項」については後述する。
本実施例の場合、第一遅延器113への「入力信号」は、後述する第一加算器114の出力信号である。
また、「所定のサンプリング時間」の長さは、通常はデジタルローパスフィルタが適用されるデジタル回路等における1サンプリング周期であるが、デジタルローパスフィルタの用途等に応じて適宜選択可能することも可能である。
なお、第一加算器114の出力信号は、第一遅延器113の入力信号となるだけでなく、後述する第二減算器121の入力信号ともなる。
従って、本実施例における第一減算器111および第二減算器121に入力される「第一フィードバック項」は、第二遅延器123の出力信号である。
本実施例の場合、第二遅延器123への「入力信号」は、後述する第二加算器124の出力信号である。
また、「所定のサンプリング時間」の長さは、前述した第一遅延器113と同様に、通常はデジタルローパスフィルタが適用されるデジタル回路等における1サンプリング周期であるが、デジタルローパスフィルタの用途等に応じて適宜選択することも可能である。
また、本実施例では、第二加算器124の出力信号(すなわち、第二遅延器123の出力信号に第二乗算器122の出力信号を加算したもの)を第二遅延器123に入力するだけでなく、第二加算器124の出力信号をデジタルローパスフィルタ100の出力データとする(第二加算器124の出力信号をデジタルローパスフィルタ100の出力データとして出力する)。
数7における被定数k1および数8における被定数k2はフィルタ係数であり、デジタルローパスフィルタ100は、二つの乗算器(第一乗算器112および第二乗算器122)および二つのフィルタ係数メモリを用いて実現することが可能である。
このように、従来の入力信号列x(n)および出力信号列y(n)の間の差分方程式、あるいはz領域における伝達関数H(z)=Y(z)/X(z)から置換した直接形等の演算フローを用いずに、デジタルローパスフィルタ100の演算フロー(構成)を中間の(第三の)信号列u(n)を定義して組み立てることにより、デジタル演算に置換した場合に乗算を行う回数を極力削減することが可能である。
入力信号(本実施例の場合、デジタル信号系列の入力データ)に第一フィードバック項を減算したものを出力する第一減算器111と、
第一減算器111の出力信号に被定数k1を乗算したものを出力する第一乗算器112と、
入力信号(本実施例の場合、第一加算器114の出力信号)を所定のサンプリング時間遅延したものを出力する第一遅延器113と、
第一遅延器113の出力信号に第一乗算器112の出力信号を加算したものを出力し、これを第一遅延器113に入力する第一加算器114と、
第一加算器114の出力信号に第一フィードバック項を減算したものを出力する第二減算器121と、
第二減算器121の出力信号に被定数k2を乗算したものを出力する第二乗算器122と、
入力信号(本実施例の場合、第二加算器124の出力信号)を所定のサンプリング時間遅延したものを第一フィードバック項として出力する第二遅延器123と、
第二遅延器123の出力信号に第二乗算器122の出力信号を加算したものを出力し、これを第二遅延器123に入力する第二加算器124と、
を具備するものである。
すなわち、デジタルローパスフィルタ100を二つの乗算器(第一乗算器112および第二乗算器122)および二つのフィルタ係数メモリを用い、残りは加算器や減算器、遅延器といったシンプルな素子(回路)を用いて実現することが可能であり、回路規模への影響が大きい乗算器の数を従来の直接形Iや直接形IIによる演算フローを用いた場合(図16および図17参照)よりも少なくすることが可能である。
なお、図1に示すデジタルローパスフィルタ100は加減算を4回、乗算を2回、遅延を2回する構成であり、図17に示す従来の直接形のデジタルフィルタは加減算を2回、乗算を3回、遅延を2回する構成であることから、デジタルローパスフィルタ100は加減算については従来のものよりも演算回数が増えている。しかし、乗算は取り扱うデータのビット数分の加算演算であることから、デジタルローパスフィルタ100は図17に示す従来の直接形のデジタルフィルタよりも実質的な演算量および回路規模を遙かに小さくすることが可能である。
なお、仮にデジタルローパスフィルタ100への入力信号(入力データ)が急激に変化し、乗算器(第一乗算器112および第二乗算器122)の入力のビット数を上回って演算オーバーフローが発生した場合でも、当該演算オーバーフローが発生したときの乗算器の出力信号を最大値にクランプする構成とすれば出力変化の傾き(微分係数)に対する制限がかかるのみであり、デジタルローパスフィルタとして問題となることは希である。また、乗算器を浮動小数点演算とすることにより容易に問題を解消することが可能である。
特に、演算の精度が要求される場合等、演算データ長(取り扱うデータのビット数)が大きい場合に有効である。
しかし、(ω0T/Q)≪1かつω0T≪1の場合には、数10および数11をテイラー展開して多項式近似(n次近似)することにより、デジタルローパスフィルタ100における被定数k1および被定数k2をそれぞれ以下の数12および数13で表すことが可能である。
Q=2の場合、ω0T<1((f0/fs)<1/(2π))であれば被定数k1のテイラー展開による一次近似式(図2中の(2))および三次近似式(図2中の(3))のいずれも、数11に示す被定数k1の式(図2中の(1))に対して数%程度の誤差しかなく、特に、三次近似式に関しては数11に示す被定数k1の式とほとんど重なっている。Q=1の場合(図2中の(4)、(5)、(6))およびQ=0.5の場合(図2中の(7)、(8)、(9))も同様である。
Q=1の場合、ω0T<0.628((f0/fs)<1/10)であれば、被定数k2のテイラー展開による三次近似式(図3中の(4))は数9に示す被定数k2の式(図3中の(1))に対して数%程度の誤差しかない。
Q=1の場合、ω0T<0.5であれば、被定数k2のテイラー展開による二次近似式(図3中の(3))は数9に示す被定数k2の式(図3中の(1))に対して数%程度の誤差しかない。
Q=1の場合、ω0T<0.2であれば、被定数k2のテイラー展開による一次近似式(図3中の(2))は数9に示す被定数k2の式(図3中の(1))に対して数%程度の誤差しかない。
特に、三次近似式に関しては数9に示す被定数k2の式とほとんど重なっている。Q=2の場合(図3中の(5)、(6)、(7)、(8))も同様である。
Qの値が比較的小さい場合(例えば、Q=0.5)には、図3に示すQの値が比較的大きい場合(例えば、Q=1,2)に比べてω0T/Qの値が大きくなるため、フィルタの精度を確保するためには相対的に高次の近似式を用いて近似することが望ましい。
Q=0.5の場合、ω0T<1であれば、被定数k2のテイラー展開による五次近似式(図4中の(6))は数9に示す被定数k2の式(図4中の(1))に対して数%程度の誤差しかない。
Q=0.5の場合、ω0T<0.628((f0/fs)<1/10)であれば、被定数k2のテイラー展開による四次近似式(図4中の(5))は数9に示す被定数k2の式(図4中の(1))に対して数%程度の誤差しかない。
Q=0.5の場合、ω0T<0.4((f0/fs)<1/16)であれば、被定数k2のテイラー展開による三次近似式(図4中の(4))は数9に示す被定数k2の式(図4中の(1))に対して数%程度の誤差しかない。
Q=0.5の場合、ω0T<0.2であれば、被定数k2のテイラー展開による二次近似式(図4中の(3))は数9に示す被定数k2の式(図4中の(1))に対して数%程度の誤差しかない。
Q=0.5の場合、ω0T<0.05であれば、被定数k2のテイラー展開による一次近似式(図4中の(2))は数9に示す被定数k2の式(図4中の(1))に対して数%程度の誤差しかない。
例えば、数12に示す如くA=1/12とするとともに数13に示す如くB=1/6とすることが可能である。
また、演算を簡略化するために、A=1/16(=1/24)としたり、B=1/8(=1/23)としたりする等、係数A、Bを適宜選択することができる。この場合、フィルタの精度への影響はほとんど無く、かつ、乗算器としてビットシフト素子(回路)を用いることが可能となるため、乗算器を小規模化して全体の回路規模をさらに小さくすることが可能である。
従って、本実施例のデジタルローパスフィルタ100において、上記数14および数15を用いて、カットオフ周波数f0やクオリティファクターQに対して1%から数%程度の設定分解能を達成する場合、被定数k1およびk2のビット数を数ビット(例えば、5〜8ビット)とすれば良く、乗算器(第一乗算器112および第二乗算器122)の回路規模を小さくすることが可能である。
この場合、k1=2π×(f0/fs)×(1/2)0.5、k2=2×k1となり、デジタルローパスフィルタ100を実現する際に必要な係数メモリを事実上一つとする(被定数k1のメモリのみとする)ことが可能であり、デジタルローパスフィルタ100の小規模化およびコスト削減に寄与する。
この場合、k1=2π×(f0/fs)×(1/3)0.5、k2=3×k1となり、デジタルローパスフィルタ100を実現する際に必要な係数メモリを事実上一つとする(被定数k1のメモリのみとする)ことが可能であり、デジタルローパスフィルタ100の小規模化およびコスト削減に寄与する。
この場合、k1=2π×(f0/fs)、k2=k1となり、デジタルローパスフィルタ100を実現する際に必要な係数メモリを事実上一つとする(被定数k1のメモリのみとする)ことが可能であり、デジタルローパスフィルタ100の小規模化およびコスト削減に寄与する。
被定数k1および被定数k2を可変とすることにより、デジタルローパスフィルタ100の周囲の環境(デジタルローパスフィルタ100が適用される回路やシステム等)や入力データの種類等に応じてデジタルローパスフィルタ100のカットオフ周波数f0およびクオリティファクターQを変化させることが可能である。例えば、デジタルローパスフィルタ100の前段にセンサが接続されている場合、使用条件に応じて当該センサの検出帯域を狭くしてノイズを抑えるといった用途に用いることが可能である。
特に、デジタルローパスフィルタ100の場合、被定数k1および被定数k2はカットオフ周波数f0に略比例するため(数1乃至数4参照)、被定数k1と被定数k2との比を略一定に保持しつつその値を変化させることにより、デジタルローパスフィルタ100のカットオフ周波数f0を容易に所望の値とする(カットオフ周波数f0を制御する)ことが可能である。
一般にバイカッドフィルタの低周波遅延tDは、カットオフ角周波数ω0(=2πf0)およびクオリティファクターQを用いて以下の数16で表される。
デジタルローパスフィルタ100の周囲の環境(デジタルローパスフィルタ100が適用される回路やシステム等)によっては、低周波遅延tDの値を一定に保持することが要求される場合がある。
従って、このような場合には、被定数k1を固定することによりデジタルローパスフィルタ100の低周波遅延tDを略一定に保持しつつ、被定数k2を変化させることによりデジタルローパスフィルタ100の周囲の環境(デジタルローパスフィルタ100が適用される回路やシステム等)や入力データの種類等に応じてデジタルローパスフィルタ100のカットオフ周波数f0およびクオリティファクターQを変化させることが可能である。
デジタルローパスフィルタ100の被定数k1を固定しつつ被定数k2を大きくした場合、低周波遅延tDが略一定のままカットオフ周波数f0が大きくなる。また、クオリティファクターQが小さくなって遮断特性がなだらかになるとともに、オーバーシュートやリンギングが小さくなる。
入力信号列x(n)の変化が小さく、デジタルローパスフィルタ100の入力信号列x(n)と出力信号列y(n)との差が小さくなり(収束して)、差分値{x(n)−y(n)}および{u(n)−y(n)}がゼロに近付いたとき、第一乗算器112および第二乗算器122の演算データ長(演算ビット数)を十分大きくとっていないと、数7におけるk1(x(n)−y(n−1))の項、および数8におけるk2(u(n)−y(n−1))の項が演算の丸め(切り捨て)によりゼロとなってしまい、出力信号列y(n)がそれ以上変化せず、要求するレベル(精度)まで収束しないという問題がある。
一方、第二乗算器122の演算データ長はデジタルローパスフィルタ100の出力信号列y(n)の分解能を決定するが、第二乗算器122の演算データ長は必ずしも{m+log2(1/k1)}ビット必要ではなく、収束時間(収束に要する時間)に若干の差はあるものの、第一乗算器112の演算データ長が十分にあれば出力信号列y(n)は収束レベルに達する。
すなわち、第二乗算器122の演算データ長が短いために第二乗算器122の演算において切り捨てが発生することにより出力信号列y(n)が直ちに収束レベルに達しないとしても、収束時間は若干長くなるが最終的には出力信号列y(n)が要求される収束精度を達成し得る。
図5に示す如く、ΔΣ型A−D変換器1は、ΔΣ変調器10およびデシメーションフィルタ20を具備する。
ΔΣ変調器10は入力信号(アナログ信号)の振幅に比例する密度のパルス列(デジタル信号)を出力するものである。
デジタルフィルタ20は移動平均フィルタ21およびデジタルローパスフィルタ100を具備する。
移動平均フィルタ21はΔΣ変調器10の出力信号の移動平均を出力し、これをデジタルローパスフィルタ100に入力するものである。
また、数12の一次近似式を用いると被定数k1=0.278、数12の三次近似式を用いると被定数k1=0.274、数13の二次近似式を用いるとk2=0.401、数13の三次近似式を用いるとk2=0.430となる。
デジタルローパスフィルタ100がこの条件を満たす場合には第一乗算器112、第二乗算器122ともビットシフト回路で実現できるので、デジタルローパスフィルタ100の演算量を削減することが可能であるとともに、回路規模を小さくして製造コストを削減することが可能である。
図6に示す如く、8次Bessel特性ローパスフィルタ50は第一段バイカッドローパスフィルタ51、第二段バイカッドローパスフィルタ52、第三段バイカッドローパスフィルタ53、第四段バイカッドローパスフィルタ54を具備し、これらを4段に縦続接続したものである。
また、デジタルローパスフィルタ100の被定数k1および被定数k2を可変とし、これを演算コアとして用いることにより、一個のデジタルローパスフィルタ100がそれぞれ第一段バイカッドローパスフィルタ51、第二段バイカッドローパスフィルタ52、第三段バイカッドローパスフィルタ53および第四段バイカッドローパスフィルタ54として機能する。
また、デジタルローパスフィルタ100の被定数k1および被定数k2を、8次Bessel特性ローパスフィルタに要求されるカットオフ周波数f00に応じて調整することにより、8次Bessel特性ローパスフィルタのカットオフ周波数を容易にリアルタイムで可変制御することが可能である。
(1)基準となる(元の)アナログローパスフィルタの特性および伝達関数H(s)を決定する。
(2)伝達関数H(s)を1次(または2次)フィルタおよび2次フィルタの積に因数分解し、縦続形のデジタルローパスフィルタとする。
(3)本発明に係るデジタルローパスフィルタが適用されるシステム等の要求からカットオフ周波数f0およびクオリティファクターQを決定する。2次Butterworth特性を達成したい場合にはQ=(1/2)0.5、2次Bessel特性を達成したい場合にはQ=(1/3)0.5とする。
(4)上記カットオフ周波数f0およびクオリティファクターQに基づき「2π×(f0/fs)≪1かつ2π×(f0/fs)×Q≪1」が成立する場合には、数12および数13を用いて被定数k1および被定数k2を補正する。上記カットオフ周波数f0およびクオリティファクターQに基づき「2π×(f0/fs)≪1かつ2π×(f0/fs)×Q≪1」が成立しない場合には、数9乃至数11を用いて被定数k1および被定数k2を補正する。
なお、本実施例では低周波ゲイン乗算器202を第一減算器211の直前に配置したが、「前段」は直前に限定されず、低周波ゲイン乗算器と第一減算器との間に別の回路等(例えば、後述する追加遅延器等)が配置される場合を含む。
なお、本実施例では第一減算器211の前段に低周波ゲイン乗算器202を配置する構成としたが、これに代えて第二加算器224の後段に低周波ゲイン乗算器202を配置し、第二加算器224の出力に所定の低周波ゲインA0を乗算したものを出力データ(出力信号列y(n))として出力する構成としても良い。
追加遅延器343は入力信号(本実施例の場合、第二加算器324の出力信号)を所定のサンプリング時間(本実施例の場合、1サンプリング周期)遅延したものを出力するものである。
デジタルローパスフィルタ300は追加遅延器343の出力信号を出力データ(出力信号列y(n))として出力する。
従って、デジタルローパスフィルタ300の位相特性は基準となるアナログフィルタと全周波数領域に渡ってよく合う(一致する)こととなり、他のフィルタやシステムと容易に位相を合わせることが可能である。
また、「前段」および「後段」はそれぞれ直前および直後に限定されず、追加遅延器と第一減算器あるいは第二加算器との間に別の回路等(例えば、後述する移動平均フィルタ等)が配置される場合を含む。
このように構成することにより、第二遅延器423は図8に示すデジタルローパスフィルタ300における追加遅延器343(としての機能)を兼ねることとなる。
従って、デジタルローパスフィルタ400は第二加算器424の後段に別途追加遅延器を設けずとも図8に示すデジタルローパスフィルタ300と略同じ効果を奏することが可能である。
追加遅延器543は第二遅延器523の出力信号(第一フィードバック項)を所定のサンプリング時間(本実施例の場合、1サンプリング周期)遅延したものを出力し、これを第一減算器511に入力するものである。
特に、被定数k1および被定数k2が1よりも十分に小さい場合(k1≪1、k2≪1)には、演算の途中に遅延器(追加遅延器)を追加してもタイミングや位相が若干ずれるもののフィルタの振幅特性に大きな変化が生じない。
移動平均フィルタ650は加算器651および乗算器652を具備する。
乗算器652は加算器651の出力信号に1/2を乗じたものを出力するものである。乗算器652のフィルタ係数は1/2であるため回路規模の小さい1ビットシフト回路等で実現することが可能である。
すなわち、周波数特性において、基準となるアナログフィルタの振幅特性がf≧fs/2(fs:サンプリング周波数または標本化周波数、デジタルフィルタの場合は演算周波数)の周波数で十分に減衰していない場合には、図1に示すデジタルローパスフィルタ100ではf=fs/2近傍にエイリアシングの影響が現れるという問題があるが、本実施例のデジタルローパスフィルタ600の如く移動平均フィルタ650を第二加算器624の後段に配置することにより、f=fs/2にゼロ点が形成されるためf=fs/2近傍におけるエイリアシングの影響を低減することが可能である。
また、本実施例のデジタルローパスフィルタ600の場合、もともと第二加算器624の出力信号を1サンプリング周期遅延したものを出力する第二遅延器623を具備することから、第二遅延器623の出力信号を利用することにより、移動平均フィルタ650には別途遅延器を具備する必要が無く、移動平均フィルタ650を簡素化することが可能である。
移動平均フィルタ750は乗算器751、乗算器752、乗算器753、加算器754および加算器755を具備する。
また、デジタルローパスフィルタ700の場合、移動平均フィルタ750の出力信号は全体として1サンプリング周期遅延したものとなるため、図8に示すデジタルローパスフィルタ300および図9に示すデジタルローパスフィルタ400と同様に位相特性が基準となるアナログフィルタと広範囲にわたって一致する。
一次フィルタ801は第三減算器831、第三乗算器832、第三遅延器833および第三加算器834を具備する。
二次フィルタ802は第一減算器811、第一乗算器812、第一遅延器813および第一加算器814、第二減算器821、第二乗算器822、第二遅延器823および第二加算器824を具備する。
従って、デジタルローパスフィルタ800は、二次フィルタ802により図1に示すデジタルローパスフィルタ100と略同じ効果を奏する。
本実施例の場合、第三遅延器833への入力信号は、後述する第三加算器834の出力信号である。
また、「所定のサンプリング時間」の長さは、通常はデジタルローパスフィルタが適用されるデジタル回路等における1サンプリング周期であるが、デジタルローパスフィルタの用途等に応じて適宜選択可能することも可能である。
なお、第三加算器834の出力信号は、第三遅延器833への入力信号となるだけでなく、第一減算器811への入力信号ともなる。
k0≪1の場合、一次フィルタ801のカットオフ周波数f01、二次フィルタ(バイカッドフィルタ)802のカットオフ周波数f02、二次フィルタ(バイカッドフィルタ)802のクオリティファクターQ2は、それぞれ、f01=k0・fs/(2π)、f02=k0・fs/(2π)、Q2=1となる。
デジタルローパスフィルタ800は、被定数k1と被定数k2と被定数k3との比が1:1:1に設定されるため、実現する際には三つの乗算器(第一乗算器812、第二乗算器822および第三乗算器832)を同一の回路(または同じ形式の回路)とすることが可能であるとともに、乗算係数メモリが一つあれば良い。
一次フィルタ901は第三減算器931、第三乗算器932、第三遅延器933および第三加算器934を具備する。
二次フィルタ902は第一減算器911、第一乗算器912、第一遅延器913および第一加算器914、第二減算器921、第二乗算器922、第二遅延器923および第二加算器924を具備する。
従って、デジタルローパスフィルタ900は、二次フィルタ902により図1に示すデジタルローパスフィルタ100と略同じ効果を奏する。
なお、図13に示すデジタルローパスフィルタ800は、一次フィルタにて予め入力データの高周波領域が減衰され、その後の(二次フィルタにおける)オーバーシュートが抑制されることから、図14に示すデジタルローパスフィルタ900に比べて演算オーバーフローの発生を防止することが容易である。
111 第一減算器
112 第一乗算器
113 第一遅延器
114 第一加算器
121 第二減算器
122 第二乗算器
123 第二遅延器
124 第二加算器
Claims (11)
- 入力信号に第一フィードバック項を減算したものを出力する第一減算器と、
前記第一減算器の出力信号に被定数k1を乗算したものを出力する第一乗算器と、
入力信号を所定のサンプリング時間遅延したものを出力する第一遅延器と、
前記第一遅延器の出力信号に前記第一乗算器の出力信号を加算したものを出力し、これを前記第一遅延器に入力する第一加算器と、
前記第一加算器の出力信号に前記第一フィードバック項を減算したものを出力する第二減算器と、
前記第二減算器の出力信号に被定数k2を乗算したものを出力する第二乗算器と、
入力信号を所定のサンプリング時間遅延したものを前記第一フィードバック項として出力する第二遅延器と、
前記第二遅延器の出力信号に前記第二乗算器の出力信号を加算したものを出力し、これを前記第二遅延器に入力する第二加算器と、
を具備するデジタルローパスフィルタ。 - 前記第一減算器の前段または前記第二加算器の後段に配置され、入力信号を所定のサンプリング時間遅延したものを出力する追加遅延器を具備する請求項1または請求項2に記載のデジタルローパスフィルタ。
- 前記第二加算器の後段に配置され、入力信号の移動平均を出力する移動平均フィルタを具備する請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のデジタルローパスフィルタ。
- 前記被定数k1と前記被定数k2との比を1:2に設定する請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のデジタルローパスフィルタ。
- 前記被定数k1と前記被定数k2との比を1:3に設定する請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のデジタルローパスフィルタ。
- 入力信号に第二フィードバック項を減算したものを出力する第三減算器と、
前記第三減算器の出力信号に被定数k3を乗算したものを出力する第三乗算器と、
入力信号を所定のサンプリング時間遅延したものを第二フィードバック項として出力する第三遅延器と、
前記第三遅延器の出力信号に前記第三乗算器の出力信号を加算したものを出力し、これを前記第三遅延器に入力する第三加算器と、
を具備し、
前記第三減算器、第三乗算器、第三遅延器および第三加算器を前記第一減算器の前段または前記第二加算器の後段に配置し、
前記被定数k1と前記被定数k2と前記被定数k3との比を1:1:1に設定する請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のデジタルローパスフィルタ。 - 前記被定数k1および前記被定数k2を可変とする請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載のデジタルローパスフィルタ。
- 前記被定数k1および前記被定数k2を前記カットオフ周波数f0に略比例して可変とする請求項8に記載のデジタルローパスフィルタ。
- 前記被定数k1を固定し、前記被定数k2を可変とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のデジタルローパスフィルタ。
- 前記第二乗算器の演算データ長を前記第一乗算器の演算データ長よりも短く設定する請求項1から請求項10までのいずれか一項に記載のデジタルローパスフィルタ。
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