JP2008128981A - 電位測定装置及び方法、及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】測定対象との距離依存性を排除した電位測定を比較的高速な応答性でもって可能とする電位測定装置及び方法を提供する。
【解決手段】電位測定装置は、測定対象1に対して配置される検知電極3と、静電容量変化手段と、検波手段4、6と、記憶手段9と、補正手段10を有する。静電容量変化手段は、測定対象1と検知電極3の間の静電容量を変化させて検知電極3から電気信号を取り出す。検波手段4、6は、電気信号を用いて測定対象1の電位の信号を求める。記憶手段9は、電位測定時に獲得可能なファクターの変化による電位測定装置と測定対象1との距離の変動値の距離変動データ、及び距離の変動値と電位信号に施すべき補正量の関係の補正量データを記憶する。補正手段10は、記憶手段9からの距離変動データと補正量データ、及び測定対象1の電位測定時でのファクターの情報に基づいて、検波手段4、6からの電位信号を補正する。
【選択図】図1
【解決手段】電位測定装置は、測定対象1に対して配置される検知電極3と、静電容量変化手段と、検波手段4、6と、記憶手段9と、補正手段10を有する。静電容量変化手段は、測定対象1と検知電極3の間の静電容量を変化させて検知電極3から電気信号を取り出す。検波手段4、6は、電気信号を用いて測定対象1の電位の信号を求める。記憶手段9は、電位測定時に獲得可能なファクターの変化による電位測定装置と測定対象1との距離の変動値の距離変動データ、及び距離の変動値と電位信号に施すべき補正量の関係の補正量データを記憶する。補正手段10は、記憶手段9からの距離変動データと補正量データ、及び測定対象1の電位測定時でのファクターの情報に基づいて、検波手段4、6からの電位信号を補正する。
【選択図】図1
Description
本発明は、測定対象の電位を測定することが可能な電位測定装置及び方法、及び該電位測定装置を有する画像形成装置に関するものである。
従来、例えば、感光ドラムを有し電子写真方式により画像形成を行う画像形成装置において、常に安定した画質を得るためには、どの様な環境下でも感光ドラム表面の電位分布が適当に(典型的には均一に)なる様に感光ドラム表面を帯電しておく必要がある。このため、電位測定装置を用いて感光ドラム表面の電位を測定し、その結果を利用して、感光ドラム表面の電位を均一に保つ様にフィードバック制御を行う機能素子を画像形成装置に搭載することが、行われている。
この様な目的で用いられる電位測定装置に対して、要求される機能の一つとして、測定対象の表面電位を非接触で測定する機能が挙げられる。なぜなら、電位測定装置が、感光ドラム表面に接触すると感光ドラム表面の電位分布が均一でなくなり、形成される画像に乱れが生じる原因となるからである。
非接触式の電位測定装置の測定原理としては、測定対象とこれに対向して配置される検知電極との間の静電容量を微小に変動させることにより、測定対象の表面電位に比例した振幅を有する電流信号を得る方式が利用されている。
非接触式の電位測定装置の電位測定原理を以下に説明する。
或る電位を有する測定対象の表面と電位測定装置に内蔵される検知電極との間に生じる電界により、検知電極には測定対象の表面電位に比例した電気量Qの電荷が誘起される。QとVの関係は次式(1)で表される。
Q=CV ・・・(1)
ここで、Cは検知電極と測定対象の表面との間の静電容量である。式(1)より、検知電極に誘起される電気量Qを測定することで測定対象の表面電位が得られることが分かる。
或る電位を有する測定対象の表面と電位測定装置に内蔵される検知電極との間に生じる電界により、検知電極には測定対象の表面電位に比例した電気量Qの電荷が誘起される。QとVの関係は次式(1)で表される。
Q=CV ・・・(1)
ここで、Cは検知電極と測定対象の表面との間の静電容量である。式(1)より、検知電極に誘起される電気量Qを測定することで測定対象の表面電位が得られることが分かる。
しかし、検知電極に誘起される電気量Qを高速且つ正確に直接測定することは実際には困難である。そこで、実用的な方法として、検知電極と測定対象の表面との間の静電容量Cの大きさを周期的に変化させ、検知電極で発生する交流電流信号を測定することにより、測定対象の表面電位を得る方法が用いられている。
上記の方法によって測定対象の表面電位を得られることを以下に示す。静電容量Cが時間tの関数で表すと、検知電極で発生する交流電流信号すなわち電位検出信号電流iは、検知電極に誘起される電気量の時間微分値であることから、式(1)に基づいて次式(2)で表される。
i(t)=dQ/dt=d(CV)/dt ・・・(2)
ここで、測定対象の表面電位Vの変化速度が静電容量Cの変化速度に対して十分遅い場合には、Vは微小時間dtにおいて一定であるとみなすことができる。従って、式(2)は次式(3)で表される。
i(t)=dQ(t)/dt=V・dC(t)/dt ・・・(3)
i(t)=dQ/dt=d(CV)/dt ・・・(2)
ここで、測定対象の表面電位Vの変化速度が静電容量Cの変化速度に対して十分遅い場合には、Vは微小時間dtにおいて一定であるとみなすことができる。従って、式(2)は次式(3)で表される。
i(t)=dQ(t)/dt=V・dC(t)/dt ・・・(3)
式(3)より、検知電極で発生する電位検出信号電流iの大きさは測定対象の表面電位Vの1次の関数であるから、交流電流信号の振幅を測定することにより測定対象の表面電位を得ることが可能である。また、式(3)より、静電容量Cの変化速度が同じならば、測定対象の表面電位に対する交流電流信号の大きさ、すなわち電位測定装置の感度は、静電容量の変化量に比例することが分かる。
上述した様に、測定対象の表面の電位Vを測定するのに際し、検知電極上に現れる電荷量Qを正確に測定するには、検知電極と測定対象間の容量Cの大きさを周期的に変調するのがよい。この容量Cの変調方法としては、次の方法がある。
第1の方法は、検知電極の面積Sを実効的に変調するものである。
第2の方法は、検知電極と測定対象間の距離xを周期的に変えるものである。
この理由は、検知電極と測定対象の表面との間の静電容量Cは近似的に次式(4)で示される関係にあるからである。
C=A・S/x ・・・(4)
ここで、Aは物質の誘電率などに係る比例定数、Sは検知電極の面積、xは検知電極と測定対象の表面との間の距離である。式(4)より、距離xまたは面積Sが周期的に変化すると静電容量Cも周期的に変化することが分かる。
第2の方法は、検知電極と測定対象間の距離xを周期的に変えるものである。
この理由は、検知電極と測定対象の表面との間の静電容量Cは近似的に次式(4)で示される関係にあるからである。
C=A・S/x ・・・(4)
ここで、Aは物質の誘電率などに係る比例定数、Sは検知電極の面積、xは検知電極と測定対象の表面との間の距離である。式(4)より、距離xまたは面積Sが周期的に変化すると静電容量Cも周期的に変化することが分かる。
上記した様に検知電極の測定対象との距離または面積を変化させることで、静電誘導により励起される電荷の変化を電流として検出する電位測定装置では、測定対象との距離に敏感であり、この距離が測定精度、分解能に強く影響を及ぼす。図6は、例えば、電位測定装置と測定対象との距離変動による相対電位測定精度の変化の様子を示すグラフである。横軸は電位測定装置と測定対象との距離、縦軸は相対電位測定精度である。図6に示す様に、測定対象との距離が、2.5mmにおいて±50μm変化しただけでも、測定精度は±2%も変化してしまう。
従って、従来技術による電位測定装置では、測定対象との距離依存性を排除するために昇圧回路を用い、それをフィードバック制御している(特許文献1参照)。こうした従来技術の代表的な構成では、測定対象の電位の情報を、検知電極を含む検知回路部で検知した後、増幅回路部で信号を増幅する。そして、増幅回路部から得られた信号に対し、検波回路、昇圧回路部を介して検波、昇圧を行い、その電圧をフィードバック電圧として、シールド線を介してシールドケースに電圧を印加する。こうして、測定対象の電位との平衡点を求めることで、該シールドケースに印加した電圧を測定対象の電位とし、距離の依存性を排除している。
特公昭62−56985号公報
従来技術による上記の如き電位測定装置では、測定対象との距離依存性を排除するために昇圧回路を用い、それをフィードバック制御しているが、昇圧回路の時定数の影響により高速な応答が困難である。また、特殊な回路である昇圧回路を有するため、電位測定装置がコスト高になる。
上記課題に鑑み、本発明の電位測定装置は、測定対象に対して配置されるべき検知電極と、静電容量変化手段と、検波手段と、記憶手段と、補正手段とを有する。前記静電容量変化手段は、前記測定対象と前記検知電極との間の静電容量を変化させる手段である。前記検波手段は、前記検知電極から出力される電気信号を用いて前記測定対象の電位を求める手段である。前記記憶手段は、予め求めた前記検知電極と前記測定対象との距離の変動値に関する距離変動データを記憶するための手段である。前記補正手段は、前記距離変動データに基づいて、前記検波手段からの電位を補正する手段である。
このように本発明は、距離変動の起こり方を、予め実験データやシミュレーション等により求めておき、当該距離変動のデータに基づいて電位の測定値を補正するものである。電位の補正は、より正確に行うには、電位測定時にリアルタイムで、距離変動を測定するか、従来のように距離変動に関する影響を排除(フィードバック制御)することが好ましい。しかし、当該距離変動の起こり方は、予め実用上問題のない精度で予測が可能である。そこで本発明は、距離変動データとしてリアルタイムでの実測値を用いるのではなく、予め実験又はシミュレーションで求めた距離変動データの値を用いることで、電位測定値の精度を下げることなく、装置構成を大幅に簡略化できるところに特徴がある。
本発明は、簡易的には、前記距離変動のデータを、予め求めた一定の値に固定して、これに基づいて補正することで補正効果を得ることもできる。さらに、精度高く補正するために、距離変動のデータ自体の変化(時間経過、使用環境(温度や振動による変形や距離変化)、装置の疲労等による変化)に対して、距離変動データの基準となる情報(電位測定時に獲得可能なファクター)に基づいて追随することもできる。即ち、距離変動データの変化により電位補正値自体が変化する場合であっても、その変化の仕方を予測して補正値自体を経時的に補正(再補正)することで、精度を高めることができる。このために、前記距離変動データの基準となる情報を獲得する情報獲得手段をさらに有し、補正を、前記距離変動データと、前記距離変動データの基準となる情報とに基づいて行うことができる。例えば、画像形成装置の感光ドラムの偏心回転による距離変動に起因する表面電位の変動を補正する場合には、回転位相毎の距離変動の情報に基づいてより緻密に補正することができる。しかし、簡易的には、感光ドラム上の数点の情報、又は1周の平均値の情報に基づいて補正することもできる。
さらにより精密な補正を行う際には、距離変動データの基準となる情報(電位測定時に獲得可能なファクター)に基づいて距離変動データを補正する補正値、及び該補正値に基づいて前記電位信号を補正する電位補正量データを記憶するための記憶手段を設ける。この場合、前記補正手段は、前記記憶手段からの距離変動データと電位補正量データ、及び前記測定対象の電位測定時における前記ファクターの情報に基づいて、前記検波手段からの電位信号を補正する手段である。前記ファクターとしては、例えば、回転する測定対象の回転における位相、温度、基準時(例えば、装置製造完了時、装置設置時)からの経過時間がある。
また、上記課題に鑑み、本発明の電位測定方法は、測定対象と検知電極との間の静電容量を変化させて前記検知電極から電気信号を取り出す工程と、前記電気信号を用いて前記測定対象の電位に関わる電位信号を求める工程と、予め求めた前記検知電極と前記測定対象との距離の変動値に関する距離変動データに基づいて、前記電位信号を補正する工程と、を有することを特徴とする。また、本発明のより精密な測定を可能とする電位測定方法は、測定対象と検知電極との間の静電容量を変化させて前記検知電極から電気信号を取り出す工程と、前記電気信号を用いて前記測定対象の電位に関わる電位信号を求める工程と、データ取得工程と、記憶工程と、ファクター獲得工程と、補正工程を有する。前記データ取得工程では、電位測定時に獲得可能なファクターの変化に起因する基準位置の前記検知電極と前記測定対象との距離の変動値に関する距離変動データ、及び該距離の変動値と前記電位信号に施すべき補正量の関係に関する補正量データを得る。前記基準位置とは、例えば、検知電極が固定である場合は、その位置であり、検知電極が周期的に往復移動する場合は、往復移動する範囲の中間位置である。前記記憶工程では、前記距離変動データと補正量データを記憶する。前記ファクター獲得工程では、前記測定対象の電位測定時における前記ファクターの情報を獲得する。前記補正工程では、記憶した前記距離変動データと補正量データ、及び獲得した前記ファクターの情報に基づいて、前記電位信号を補正する。
また、上記課題に鑑み、本発明の画像形成装置は、上記の電位測定装置と、該電位測定装置より得られる出力信号を処理する信号処理手段と、画像形成手段を備える。前記電位測定装置は、前記画像形成手段の電位測定の対象と対向して配置され、前記画像形成手段は、前記信号処理手段の信号処理結果を用いて画像形成の制御を行う。
本発明によれば、前記距離変動データに基づいて(例えば、前記距離変動データと補正量データ、及び測定時に獲得した前記ファクターの情報に基づいて)、前記電位信号を補正して、電位信号から測定対象との距離の依存性を排除する。これにより、電位測定装置自体に測定対象と同じ電位を与える電位測定原理を採用する必要がないため、測定対象の電位を測定する時間が短縮され、高速な応答が可能となる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。本発明の電位測定装置の一実施形態は、測定対象と検知電極との間の静電容量を変化させて検知電極から電気信号を取り出す静電容量変化手段である検知部と、電気信号を用いて測定対象の電位に関わる電位信号を求める検波手段である検波回路部を有する。また、上記距離変動データと補正量データを記憶する記憶手段である補正データ記憶部と、距離変動データと補正量データ、及び前記ファクターである回転位相、温度、経過時間などの情報に基づいて、電位信号を補正する補正手段である補正回路部を備える。前記ファクターの情報を獲得するファクター獲得手段である、エンコーダ、温度センサ、時計などを備えていてもよい。
本実施形態の考え方は次の様なものである。電位測定時にその都度、上記距離の変動を直接的に測るのは困難である。そこで、測定対象や電位測定装置の構成の特性に応じて、測定時に簡単に獲得できる上記距離変動データの基準となる情報(電位測定時に獲得可能なファクター)を見つけ出して、その情報と距離変動の関係のデータを得ておく。更に、検波される電位信号の補正量と距離変動との関係のデータも得ておく。こうして、電位測定時に、獲得し易いファクターを獲得して、これから、予め記憶しておいたデータに基づいて距離変動値、更には補正量を求め、これに基づいて、その時得られた電位信号に補正を加えて、測定対象の正しい電位情報を得るのである。
測定対象が回転駆動される感光ドラムなどの物体であり、測定対象の回転における前記距離の変動が、測定対象の真円度及び回転中心の偏心量のうちの少なくとも一方に起因する場合を対象とする電位測定装置では、次の様になる。前記距離変動データは、測定対象の回転におけるファクターである各位相での前記距離の変動値に関するデータであり、補正回路部は、電位測定時の前記位相の情報及び前記距離変動データと補正量データに基づいて、電位信号を補正する。この形態は、後述の第1の実施例に対応する。
前記測定対象と当該電位測定装置のうちの少なくとも一方が固定部材を含み、前記距離の変動が、該固定部材を含むものの温度による熱膨張ないし収縮に起因する場合を対象とする電位測定装置では、次の様になる。前記距離変動データは、ファクターである各温度における前記距離の変動値に関するデータであり、補正回路部は、電位測定時の前記温度の情報及び前記距離変動データと補正量データに基づいて、電位信号を補正する。この形態は、後述の第2の実施例に対応する。
前記測定対象と当該電位測定装置のうちの少なくとも一方が固定部材を含み、前記距離の変動が、該固定部材を含むものの基準時からの経過時間による経時変化に起因する場合を対象とする電位測定装置では、次の様になる。前記距離変動データは、ファクターである各経過時間における前記距離の変動値に関するデータであり、補正回路部は、電位測定時の前記経過時間の情報及び前記距離変動データと補正量データに基づいて、電位信号を補正する。この形態は、後述の第3の実施例に対応する。複数のファクターを考慮して、これらの変化に起因する前記距離の変動値に関するデータを得ておいて、上記と同様な補正を行うことも可能である。例えば、上記温度と経過時間をファクターとして採用することもできる。
上記実施形態によれば、上記の様な補正回路部を用いて、電位信号から測定対象との距離の依存性を排除している。これにより、電位測定装置自体に測定対象と同じ電位を与えることがないため、測定対象の電位を測定する時間が短縮され、高速な応答性の実現が可能となる。また、特殊な回路である昇圧回路が不必要になるため、コストダウンが可能となる。
以下、図面を参照して、より具体的な本発明の実施例を詳細に説明する。
(第1の実施例)
本発明の第1の実施例を図1に基づいて説明する。図1は、本実施例に係る電位測定装置の概念的な構成を示す。電位測定装置は、測定対象1に対して配置された検知電極を含む検知部3を有する。検知部3では、適当な形態の静電容量変化手段により測定対象1と検知電極との間の静電容量を変化させることで、測定対象1の電位に応じた電気信号を検知電極に発生させる。静電容量変化手段としては、検知電極を担う揺動板を軸の回りで振動させて検知電極と測定対象1間の距離を周期的に変化させる手段や、固定の検知電極上でシャッタを往復移動させて測定対象1に対する検知電極の露出面積を周期的に変化させる手段などがある。この電気信号は、増幅回路部4で増幅され、検波回路部6で処理されて測定対象1の電位に関わる電位信号とされる。増幅回路部4と検波回路部6は、上記電気信号をインピーダンス変換、検波、増幅、整流などすることにより上記電位信号に変換する検波手段を構成する。
本発明の第1の実施例を図1に基づいて説明する。図1は、本実施例に係る電位測定装置の概念的な構成を示す。電位測定装置は、測定対象1に対して配置された検知電極を含む検知部3を有する。検知部3では、適当な形態の静電容量変化手段により測定対象1と検知電極との間の静電容量を変化させることで、測定対象1の電位に応じた電気信号を検知電極に発生させる。静電容量変化手段としては、検知電極を担う揺動板を軸の回りで振動させて検知電極と測定対象1間の距離を周期的に変化させる手段や、固定の検知電極上でシャッタを往復移動させて測定対象1に対する検知電極の露出面積を周期的に変化させる手段などがある。この電気信号は、増幅回路部4で増幅され、検波回路部6で処理されて測定対象1の電位に関わる電位信号とされる。増幅回路部4と検波回路部6は、上記電気信号をインピーダンス変換、検波、増幅、整流などすることにより上記電位信号に変換する検波手段を構成する。
上記構成で、測定対象1が回転駆動する物体である場合、電位測定装置と測定対象1との距離の変動は、測定対象1の真円度やその回転中心の偏心量に起因する変動となる。この距離変動は、測定対象1の1回転で1周期となる。従って、1回転における各位相での距離変動値が事前に分かれば、その値を用いて、検波回路部6からの測定対象1の電位に関わる電位信号に補正を加えれば、距離依存性による電位信号の精度劣化を防ぐことができる。例えば、図6で示したものと似た様な距離変動値と測定対象1の電位に関わる電位信号の変動値(すなわち電位信号に施すべき補正量)の関係に関する補正量データを予め求めておく。そして、この補正量データも、各位相位置に対応する距離変動値に関する距離変動データとともに、補正データとして記憶しておいて、必要時に用いる。
以上の構成において、検知部3、増幅回路部4、検波回路部6を介して得られた測定対象1の電位に関わる電位信号に対し、補正回路部10は次の様な処理を行う。補正回路部10は、予め得た上記距離変動データと補正量データを記憶する補正データ記憶部9から、これらのデータを受け取り、現在の測定対象1の位相位置に対応する距離変動値の及び電位信号に施すべき補正量を見出す。そして、それらを基に、補正回路部10では、検波回路部6からの電位信号に補正を加える。こうすれば、距離補償が可能となる。このとき、勿論、後述する様なファクター獲得手段で現時点(電位測定時)の位相を割り出し、この情報も補正回路部10に入力する。測定対象1が感光ドラムの場合は、距離変動は感光ドラムの振れであり、回転位相毎の補正データを取っておき、補正データ記憶部9に記憶させておく。
この距離変動データのグラフの模式的な例を図2に示す。横軸が位相で、縦軸が距離の変動量であり、位相Φのときの距離の変動値(変動量)が±Δdであることを示す。距離変動値は、位相毎に異なるが、周期2πの周期性があり、比較的簡単に測定しておくことが可能である。特に、測定対象1が感光ドラムの場合は、感光ドラムの検査時に真円度や偏心量を測定することもあり、そのデータを使用することも可能である。
測定箇所の位相が予め分かっている場合は、その位相のデータをその都度、電位測定装置に入れ、その位相時の補正データを用いて補正回路部10で補正を行えばよい。予め分かっていない場合は、ファクター獲得手段であるエンコーダで測定して現時点の位相を割り出し、電位測定装置に信号として入れ、その位相時の補正データを用いて補正回路部10で補正を行えばよい。また、適当な形態のファクター獲得手段において、感光ドラムのホームホジションと速度から位相を割り出して、電位測定時の位相を求めてもよい。
以上の様に、本実施例では、予め得て記憶した距離変動データ及び補正量データと、その都度判明する電位測定時の回転位相より、補正回路部10で補正を行う。これにより、電位測定装置と測定対象1との距離の変動が、測定対象1の真円度とその回転中心の偏心量のうちの少なくとも一方に起因する場合に、距離補償が可能となる。この距離補償は、簡易的には、回転位相毎に行うのではなく、感光ドラム1周上の数点の距離変動データに基づいて補正を行う、或いは感光ドラム1周の距離変動データの平均値に基づいて補正を行うこともできる。
(第2の実施例)
次に、本発明の第2の実施例を説明する。本実施例に係る電位測定装置も、図1に示す様な構成を有し、第1の実施例と同様である。違いは、第1の実施例では測定対象が回転駆動する物体であったのに対して、第2の実施例では、次の様なものである。すなわち、測定対象1と電位測定装置の少なくとも一方が固定部材を含む。そして、電位測定装置と測定対象1との距離の変動が、固定部材を含むものの温度による熱膨張ないし収縮に起因する。
次に、本発明の第2の実施例を説明する。本実施例に係る電位測定装置も、図1に示す様な構成を有し、第1の実施例と同様である。違いは、第1の実施例では測定対象が回転駆動する物体であったのに対して、第2の実施例では、次の様なものである。すなわち、測定対象1と電位測定装置の少なくとも一方が固定部材を含む。そして、電位測定装置と測定対象1との距離の変動が、固定部材を含むものの温度による熱膨張ないし収縮に起因する。
通常、上記の距離変動は特定の温度範囲に対するものとなる。電位測定時の温度がその都度事前に分かれば、その値及び上記の如き距離変動データと補正量データに基づいて、電位測定装置の検波回路部6から得られる電位信号に補正回路部10で補正を加える。こうすれば、距離依存性による電位信号の精度劣化を防ぐことができる。温度毎による距離変動値は、例えば、固定部材を含む測定対象や固定部材を含む電位測定装置の各部材の材質、構造、熱膨張係数から理論的に求めることが可能である。また、実験からのデータを基にして得てもよい。
以上の構成において、検知部3、増幅回路部4、検波回路部6を介して得られた測定対象1の電位に関わる電位信号に対し、補正回路部10は次の様な処理を行う。補正回路部10は、予め得た上記距離変動データと補正量データを記憶する補正データ記憶部9から、距離変動値の情報及び電位信号に施すべき補正量の情報を受け取り、温度計から現在の温度の情報を受け取る。そして、それらを基に、補正回路部10で、検波回路部6からの電位信号に補正を加えて、距離補償する。例えば、測定対象が複写機の感光ドラムの場合は、感光ドラムの周囲の温度毎の補正データを取っておき、補正データ記憶部9に記憶させておく。
この距離変動データのグラフの模式的な例を図3に示す。横軸が温度で、縦軸が距離の変動値であり、温度Tのときの距離の変動値が±Δdであることを意味する。距離変動値は、温度毎に異なるが、通常、装置の保証されている環境温度は特定の範囲にあるため、比較的少ないデータを記憶しておくことで済む場合が多い。例えば、複写機の場合は、0℃乃至60℃程度の保証温度範囲であることが多い。また、測定対象1と電位測定装置の外ではあるが近傍に温度センサがある場合は、その温度センサから信号を受け取ればよい。温度センサがない場合は、電位測定装置内部に温度検知部を構成すればよい。
以上の様に、本実施例では、電位測定時の温度の信号を電位測定時の都度、電位測定装置に入れ、その温度における補正データ記憶部9中の距離変動データ及び補正量データを採用して、補正回路部10で補正を行う。こうすれば、電位測定装置と測定対象1との距離の変動が、固定部材を含む測定対象や固定部材を含む電位測定装置の温度による熱膨張ないし収縮に起因する場合に、距離補償が可能となる。
(第3の実施例)
次に、本発明の第3の実施例を説明する。本実施例に係る電位測定装置も、図1に示す様な構成を有し、第1の実施例と同様である。違いは、第1の実施例では測定対象が回転駆動する物体であったのに対して、第3の実施例では、次の様なものである。すなわち、測定対象と電位測定装置の少なくとも一方が固定部材を含む。そして、電位測定装置と測定対象との距離の変動が、固定部材を含むものの基準時からの経過時間による経時変化に起因する。
次に、本発明の第3の実施例を説明する。本実施例に係る電位測定装置も、図1に示す様な構成を有し、第1の実施例と同様である。違いは、第1の実施例では測定対象が回転駆動する物体であったのに対して、第3の実施例では、次の様なものである。すなわち、測定対象と電位測定装置の少なくとも一方が固定部材を含む。そして、電位測定装置と測定対象との距離の変動が、固定部材を含むものの基準時からの経過時間による経時変化に起因する。
上記の距離変動は、装置製造時などからの経過時間によるものとなり、電位測定時の時間が事前に分かれば、その値と及び上記の如き距離変動データと補正量データに基づいて、電位測定装置の検波回路部6から得られる電位信号に補正回路部10で補正を加える。こうすれば、ここでも、距離依存性による電位信号の精度劣化を防ぐことができる。経過時間による経時変化に起因する距離変動値は、例えば、耐久実験からのデータを基に得ればよい。
以上の構成において、検知部3、増幅回路部4、検波回路部6を介して得られた測定対象1の電位に関わる電位信号に対し、補正回路部10は次の様な処理を行う。補正回路部10は、予め得た上記距離変動データと補正量データを記憶する補正データ記憶部9から、距離変動値に関する情報及び電位信号に施すべき補正量に関する情報を受け取り、タイマーから現在の時間の信号を受け取る。そして、それらを基に、補正回路部10で、検波回路部6で検波された電位信号に補正をかけ、距離補償を行う。例えば、測定対象が複写機の感光ドラムの場合は、感光ドラムの経過時間毎の補正データを取っておき、補正データ記憶部9に記憶させておく。
この距離変動データのグラフの模式的な例を図4に示す。横軸が時間(耐久時間)で、縦軸が距離の変動値であり、時刻tのときの距離の変動値が±Δdであることを意味する。距離変動値は、経過時間毎に異なるが、装置の保証されている年月は特定の有限範囲であるため、比較的少ないデータを記憶しておくことで済む場合が多い。例えば、複写機の場合は、5年程度の保証年月の範囲であることが多い。また、測定対象と電位測定装置の外ではあるが近傍に現時刻を測定する時計や複写機のカウンターがある場合は、その時間信号を受け取ればよい。それがない場合は、電位測定装置内部に時計を構成すればよい。
以上の様に、本実施例では、電位測定時の時間の信号を測定時の都度、電位測定装置に入れ、その経過時間における補正データ記憶部9中の距離変動データ及び補正量データを採用して、補正回路部10で補正を行う。こうすれば、電位測定装置と測定対象1との距離の変動が、固定部材を含む測定対象や固定部材を含む電位測定装置の経時変化に起因する場合に、距離補償が可能となる。
(第4の実施例)
本発明の第4の実施例として、前記実施例の電位測定装置を用いた画像形成装置を以下に説明する。
本発明の第4の実施例として、前記実施例の電位測定装置を用いた画像形成装置を以下に説明する。
本実施例の画像形成装置の構成を図5に示す。感光ドラム11の周辺に、帯電器制御部12により制御可能な帯電器13、本発明の電位測定装置14、露光器15、現像剤供給器16が設置されている。感光ドラム11の帯電量を制御する機構は、帯電器制御装置12、帯電器13、本発明の電位測定装置14で構成されており、帯電器13には帯電器制御装置12が接続され、更に帯電器制御装置12には本発明の電位測定装置14が接続されている。
本実施例の画像形成装置の基本的な動作原理を以下に説明する。
帯電器13で感光ドラム11の表面を帯電し、露光器15を用いて感光ドラム11の表面を露光することにより潜像が得られる。この潜像に現像剤供給器16により現像剤を付着させることにより、潜像が現像される。この像を、被印刷物体送り装置17と感光ドラム11で挟まれた被印刷物体18に転写した後に、被印刷物体18上の現像剤を固着させる。これらの工程を経て被印刷物体18上に画像が形成される。この構成では、帯電器制御装置12が信号処理手段を構成し、帯電器13、露光器15、感光ドラム11などが画像形成手段を構成する。
帯電器13で感光ドラム11の表面を帯電し、露光器15を用いて感光ドラム11の表面を露光することにより潜像が得られる。この潜像に現像剤供給器16により現像剤を付着させることにより、潜像が現像される。この像を、被印刷物体送り装置17と感光ドラム11で挟まれた被印刷物体18に転写した後に、被印刷物体18上の現像剤を固着させる。これらの工程を経て被印刷物体18上に画像が形成される。この構成では、帯電器制御装置12が信号処理手段を構成し、帯電器13、露光器15、感光ドラム11などが画像形成手段を構成する。
この構成において、感光ドラム11の帯電量を制御する機構の動作原理を説明する。本発明の電位測定装置14は、帯電後の感光ドラム11の表面電位を測定し、感光ドラム11の表面電位に関わる信号を帯電器制御装置12に出力する。帯電器制御装置12は、感光ドラム11の表面電位に関わる信号に基づいて、帯電後の感光ドラム11の表面電位が所望の値になる様に帯電器13の帯電電圧をフィードバック制御する。これにより、感光ドラム11の安定した帯電が実現され、安定した画像形成が実現される。
上記の如く距離補償された高性能な本発明の電位測定装置14と、これからの出力信号を処理する信号処理手段である帯電器制御装置12と、画像形成手段を含む本実施例では、画像形成手段が、信号処理装置12の信号処理結果に基き画像形成の制御を行う。こうして、画像形成装置に、本発明の電位測定装置を用いることで、画質の安定化を図ることが精度良く且つ安定的に可能となる。
1、11 測定対象(感光ドラム)
3 検知部(検知電極、静電容量変化手段を含む)
4 検波手段(増幅回路部)
6 検波手段(検波回路部)
9 記憶手段(補正データ記憶部)
10 補正手段(補正回路部)
12 信号処理手段(帯電器制御装置)
13 画像形成手段(帯電器)
14 本発明の電位測定装置
15 画像形成手段(露光器)
16 画像形成手段(現像剤供給器)
3 検知部(検知電極、静電容量変化手段を含む)
4 検波手段(増幅回路部)
6 検波手段(検波回路部)
9 記憶手段(補正データ記憶部)
10 補正手段(補正回路部)
12 信号処理手段(帯電器制御装置)
13 画像形成手段(帯電器)
14 本発明の電位測定装置
15 画像形成手段(露光器)
16 画像形成手段(現像剤供給器)
Claims (7)
- 検知電極と、
測定対象と前記検知電極との間の静電容量を変化させる静電容量変化手段と、
前記検知電極から出力される電気信号を用いて前記測定対象の電位を求める検波手段と、
予め求めた前記検知電極と前記測定対象との距離の変動値に関する距離変動データを記憶する記憶手段と、
前記距離変動データに基づいて、前記検波手段からの電位を補正する補正手段と、
を有することを特徴とする電位測定装置。 - 前記距離変動データの基準となる情報を獲得する情報獲得手段をさらに有し、
前記補正は、前記距離変動データと、前記距離変動データの基準となる情報とに基づいて行うことを特徴とする請求項1に記載の電位測定装置。 - 前記測定対象が回転駆動される物体であり、前記測定対象の回転における前記距離の変動が、前記測定対象の真円度及び回転中心の偏心量のうちの少なくとも一方に起因する場合を対象とする電位測定装置であって、
前記距離変動データは、前記測定対象の回転における前記情報である各位相での前記距離の変動値に関するデータであることを特徴とする請求項2に記載の電位測定装置。 - 前記測定対象と当該電位測定装置のうちの少なくとも一方が固定部材を含み、前記距離の変動が、該固定部材を含むものの温度による熱膨張ないし収縮に起因する場合を対象とする電位測定装置であって、
前記距離変動データは、前記情報である各温度における前記距離の変動値に関するデータであることを特徴とする請求項2に記載の電位測定装置。 - 前記測定対象と当該電位測定装置のうちの少なくとも一方が固定部材を含み、前記距離の変動が、該固定部材を含むものの基準時からの経過時間による経時変化に起因する場合を対象とする電位測定装置であって、
前記距離変動データは、前記情報である各経過時間における前記距離の変動値に関するデータであることを特徴とする請求項2に記載の電位測定装置。 - 測定対象と検知電極との間の静電容量を変化させて前記検知電極から電気信号を取り出す工程と、
前記電気信号を用いて前記測定対象の電位に関わる電位信号を求める工程と、
予め求めた前記検知電極と前記測定対象との距離の変動値に関する距離変動データに基づいて、前記電位信号を補正する工程と、
を有することを特徴とする電位測定方法。 - 請求項1乃至5のいずれかに記載の電位測定装置と、前記電位測定装置より得られる出力信号を処理する信号処理手段と、画像形成手段を備え、
前記電位測定装置が前記画像形成手段の電位測定の対象と対向して配置され、前記画像形成手段が前記信号処理手段の信号処理結果を用いて画像形成の制御を行うことを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2006317559A JP2008128981A (ja) | 2006-11-24 | 2006-11-24 | 電位測定装置及び方法、及び画像形成装置 |
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| JP2008128981A true JP2008128981A (ja) | 2008-06-05 |
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| JP2006317559A Pending JP2008128981A (ja) | 2006-11-24 | 2006-11-24 | 電位測定装置及び方法、及び画像形成装置 |
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| JP (1) | JP2008128981A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2010117580A (ja) * | 2008-11-13 | 2010-05-27 | Ricoh Co Ltd | 電子写真感光体の特性評価方法及び特性評価装置 |
| WO2011141224A1 (de) * | 2010-05-10 | 2011-11-17 | Siemens Aktiengesellschaft | Konstant-spannungs-sensor |
| JP2012189952A (ja) * | 2011-03-14 | 2012-10-04 | Ricoh Co Ltd | 電子写真感光体の特性評価装置および特性評価方法 |
| JP2014052524A (ja) * | 2012-09-07 | 2014-03-20 | Ricoh Co Ltd | 電子写真用感光体の特性評価方法及び特性評価装置 |
| US9348287B2 (en) | 2014-01-07 | 2016-05-24 | Canon Kabushiki Kaisha | Detecting device and image forming apparatus |
-
2006
- 2006-11-24 JP JP2006317559A patent/JP2008128981A/ja active Pending
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