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JP2008127534A - 機能性膜の製造方法、及び燃料電池用電解質膜の製造方法 - Google Patents

機能性膜の製造方法、及び燃料電池用電解質膜の製造方法 Download PDF

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Misaki Kobayashi
美咲 小林
Tetsuya Yamaki
徹也 八巻
Masaharu Asano
雅春 浅野
Masaru Yoshida
勝 吉田
Yasunari Maekawa
康成 前川
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Toyota Motor Corp
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Japan Atomic Energy Agency
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Abstract

【課題】各種用途に用いられ、高い機能性と高分子フィルム基材が本来有するガスバリア性を併せ持ち、乾湿寸法変化や引張強度に優れた機能性膜の製造時間(グラフト重合時間)を大幅に短縮する。
【解決手段】高分子フィルム基材に高エネルギー重イオンを照射し、該フィルム基材に活性種を生成するイオン照射工程と、該イオン照射工程の後に、機能性官能基を有するか又は後工程で機能性官能基を導入可能なモノマーであるA群から選択される1種以上のモノマーのプロトン性極性溶媒溶液を加えて、該フィルム基材と該モノマーをグラフト重合させるグラフト重合工程とを含む機能性膜の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、高エネルギー重イオンの潜在飛跡またはイオン穿孔を利用した新規機能性膜の製造方法、及びガスバリア性に優れた燃料電池用電解質膜の製造方法に関する。
より具体的には、本発明は、生体を模倣したバイオリアクタ、酵素を固定化して得られたバイオマス転換用リアクタ、優れたイオン伝導性及び選択性に優れたイオン交換膜、二次電池・燃料電池用イオン交換膜、電気透析を利用した選択的なアミノ酸の分離膜等に適し、乾湿寸法変化や引張強度に優れた機能性膜を短い反応時間で製造する方法に関する。
更に、本発明は、燃料電池への使用に適した高分子イオン交換膜である固体高分子電解質膜の製造方法に関する。特に、本発明は、燃料電池に適した固体高分子膜で、優れたガスバリア性及び優れたイオン交換容量を有し、乾湿寸法変化や引張強度に優れた固体高分子電解質膜を短い反応時間で製造する方法に関する。
燃料電池は、電池内で水素やメタノール等の燃料を電気化学的に酸化することにより、燃料の化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換して取り出すものであり、近年、クリーンな電気エネルギー供給源として注目されている。特にプロトン伝導膜を電解質として用いる固体高分子型燃料電池は、高出力密度が得られ、低温作動が可能なことから電気自動車用電源として期待されている。
このような固体高分子型燃料電池の基本構造は、電解質膜と、その両面に接合された一対の、触媒層を有するガス拡散電極とで構成され、更にその両側に集電体を配する構造からなっている。そして、一方のガス拡散電極(アノード)に燃料である水素やメタノールを、もう一方のガス拡散電極(カソード)に酸化剤である酸素や空気をそれぞれ供給し、両方のガス拡散電極間に外部負荷回路を接続することにより、燃料電池として作動する。このとき、アノードで生成したプロトンは電解質膜を通ってカソード側に移動し、カソードで酸素と反応して水を生成する。ここで電解質膜はプロトンの移動媒体、及び水素ガスや酸素ガスの隔膜として機能している。従って、燃料電池用高分子電解質膜としては、高いプロトン伝導性、強度、化学的安定性が要求される他に、ガスバリア性に優れている必要がある。
ところで、従来の機能膜と呼ばれるものは、膜全体に官能基がランダムに分布していたり、官能基を有するラビリンス構造やメッシュ構造膜の場合には、官能基の空間的分布や官能基密度の制御が不可能という問題があった。
即ち、市販のNafion(商標名)等の電解質膜や放射線グラフト重合を用いて製造した固体高分子電解質膜は、親水性のカチオン交換基が膜内部に一様に分布しているために、過度の含水による膨潤が生じ、分子間の相互作用力を弱める為に、水素やメタノールの過度のクロスオーバーが生じている。また、極めて気孔率の高い3次元的に連続した空孔を有する多孔質膜に、イオン交換樹脂を充填する試みがGore社やトクヤマ(株)によりされているが、カチオン交換に関与しないイオン交換樹脂が存在することで、やはり過度に膨潤する。さらに、用いる多孔質基材が、多孔質化可能なポリテトラフルオロエチレンやポリエチレンに限られるが、これらがそもそも燃料電池用電解質膜として求められるガスバリア性が不足している為、得られる固体高分子電解質膜の該特性も燃料電池の要求特性に照らして、充分なものではなかった。
そこで、本発明者らは、下記特許文献1に、高い機能性と高分子フィルム基材が本来有するガスバリア性と機械的強度を併せ持つ機能性膜を提供し、特に、燃料電池用高分子電解質膜として最適な、高いプロトン伝導性とガスバリア性に優れた高分子電解質膜を提供することを目的として、非導電性無機粒子を含む高分子フィルム基材に高エネルギー重イオンを10〜1014個/cm照射し、該フィルム基材に活性種を生成するイオン照射工程と、該イオン照射工程の後に、機能性官能基を有するモノマーであるA群から選択される1種以上のモノマーを加えて、該フィルム基材と該モノマーをグラフト重合させるグラフト重合工程とを含む機能性膜の製造方法を出願した。
特開2006−233086号公報
特許文献1に開示された機能性膜及び燃料電池用高分子電解質膜の製造方法は、高いプロトン伝導性とガスバリア性に優れた高分子電解質膜の製造方法として優れたものであるが、その優れた乾湿寸法変化や引張強度を維持しつつ、フィルム基材とモノマーをグラフト重合させるグラフト重合工程の反応時間の短縮が求められていた。
即ち、燃料電池におけるエネルギーロスを低減する為に、燃料電池用電解質膜には高いプロトン伝導能力、つまり高いプロトン伝導度が要求される。一般的なプロトン伝導膜と同様、特許文献1で実現される電解質膜においても、プロトン伝導能力を高めるほど、乾燥時と含水時の寸法変化率(乾湿寸法変化率)が大きく、また引張強度が基材より小さくなる傾向があった。燃料電池用電解質膜として充分なプロトン伝導能を有し、乾湿寸法変化率を極力小さくしまた、基材の引張強度を維持する技術の開発が望まれていた。
特許文献1などの検討においては、プロトン伝導に充分な量のスルホン酸量をグラフトする為にグラフト重合時間を長くする必要があった。グラフト時間を長くすると、円柱状に生じた活性種の存在領域(フェナンブラ領域)の外にまでグラフト鎖生長が及び、これが乾湿寸法変化率や引張強度低下に繋がった。
本発明は、各種用途に用いられ、高い機能性と高分子フィルム基材が本来有するガスバリア性を併せ持ち、乾湿寸法変化や引張強度に優れた機能性膜の製造時間(グラフト重合時間)を大幅に短縮することを目的とする。特に、燃料電池用高分子電解質膜として最適な、高いプロトン伝導性とガスバリア性に優れ、特に乾湿寸法変化や引張強度に優れた高分子電解質膜の製造時間(グラフト重合時間)を大幅に短縮することを目的とする。
本発明者らは、特定の条件下に、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の高分子フィルムに、C、K、N、He等の元素の重イオンを照射することで該高分子フィルム中に活性種を生成させ、該活性種を用いて、モノマー溶液をグラフト重合させる際に、特定のモノマー溶液を用いることで上記課題が解決されることを見出し、本発明に到達した。
即ち、第1に、本発明は機能性膜の製造方法の発明であり、高分子フィルム基材に高エネルギー重イオンを照射し、該フィルム基材に活性種を生成するイオン照射工程と、該イオン照射工程の後に、機能性官能基を有するか又は後工程で機能性官能基を導入可能なモノマーであるA群から選択される1種以上のモノマーのプロトン性極性溶媒溶液を加えて、該フィルム基材と該モノマーをグラフト重合させるグラフト重合工程とを含む。
該フィルム基材と該モノマーをグラフト重合させるグラフト重合工程とを含むことにより、イオン照射によって損傷を受けた潜在飛跡箇所のみに官能基を導入した機能性膜が得られるとともに、プロトン性極性溶媒を用いることでグラフト反応時間が無溶媒や非プロトン性極性溶媒を用いた場合に比べて大幅に短縮される。
本発明により、高分子フィルム基材に高エネルギー重イオン照射によって損傷を受けた数百nm径の潜在飛跡箇所のみに官能基を導入して機能性を付与できることから、個々の高分子フィルム基材の持つ物性を維持することができるとともに、官能基の位置・空間分布、官能基密度の制御が可能となる。ここで、高分子フィルム基材の持つ物性としては、ガスバリア性や寸法安定性が挙げられる。
本発明において、前記機能性官能基を有するか又は後工程で機能性官能基を導入可能なモノマーであるA群から選択される1種以上のモノマーと、前記プロトン性極性溶媒との割合は広い範囲から選択される。具体的には、A群から選択される1種以上のモノマーとプロトン性極性溶媒との比が、20〜90:80〜10であることが好ましく例示される。
本発明で用いられるプロトン性極性溶媒とは、解離して容易にプロトン(H+)を放出するプロトン供与性を持つ極性溶媒のことである。具体的には、アルコール類,カルボン酸などが挙げられる。多くのプロトン性溶媒は酸素あるいは窒素原子に結合した比較的酸性度の高い水素を持ち、同時に酸素あるいは窒素は非共有電子対も持つことからプロトンを受容できる性質(ルイス塩基性)も併せ持つ。この性質によりプロトン性極性溶媒は溶媒分子間で水素結合を形成している溶媒でもある。より具体的には、メタノール(CHOH)、エタノール(CHCHOH)、イソプロパノール(CHCHCHOH)、酢酸(CHCOOH)などが挙げられる。これらのプロトン性極性溶媒の中で、メタノール及び/又はイソプロパノールが好ましく例示される。
本発明において、前記機能性官能基を有するか又は後工程で機能性官能基を導入可能なモノマーであるA群から選択される1種以上のモノマーは単独でグラフト重合反応に供しても良いが、他のA群モノマーに対し架橋剤であるB群からなるモノマーを加えたモノマー混合物としてグラフト重合反応に供しても良い。モノマー混合物として用いる場合は、機能性官能基を有するか又は後工程で機能性官能基を導入可能なモノマーであるA群から選択される1種以上のモノマー20〜99mol%に対し、A群モノマーに対し架橋剤であるB群からなるモノマー1〜80mol%を加えたモノマー混合物を含むプロトン性極性溶媒溶液を用いることが好ましい。
後述するように、本発明において、高分子フィルム基材及び機能性官能基を有するか又は後工程で機能性官能基を導入可能なモノマーであるA群から選択される1種以上のモノマーとしては各種のものが用いられる。その中で、高分子フィルム基材が非極性高分子材料からなり、機能性官能基を有するか又は後工程で機能性官能基を導入可能なモノマーであるA群から選択される1種以上のモノマーが非極性モノマーである組み合わせが好ましい。
非極性基材としては、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリビニリデンフロライド(PVDF)、ポリクロロフルオロエチレン(CTFE)などが好ましく例示される。非極性モノマーとしては、ビニルトルエン、アセナフチレン、ブチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、シクロへキシルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、p−1−ブトキシスチレンなどが好ましく例示される。
本発明において、高分子フィルム基材が非導電性無機粒子を含む場合も好ましい。
本発明には、イオン照射工程において、高エネルギー重イオン照射によって損傷を受けた潜在飛跡が該フィルムを貫通していて、プロトン伝導パスなどが十分に形成されることが好ましい。
前記イオン照射工程において照射される高エネルギー重イオンのイオン種については特に限定されず、サイクロトロン等で加速された各種イオン種が用いられる。この中で、O、Fe、Arから選択される1種以上の重イオンを照射することで膜厚の大きい高分子フィルム基材内部にもこれら重イオンを到達させラジカルを発生させることができる。
照射するイオン元素として、O、Fe、Arを用いることにより、それ以外のXe等の元素の場合と比較し、高分子フィルム中でのイオンの飛程距離が倍以上となる。照射するイオン元素として、O、Fe、Arを用いることにより、例えば膜厚150μm程度の膜厚の厚い高分子フィルムであっても、片面からのイオン照射で均一な膜質の電解質膜が得られる。
本発明において、グラフト重合の温度が、10〜80℃であることが好ましい。
高エネルギー重イオン照射によって損傷を受けた潜在飛跡が該フィルムを貫通していない場合には、エッチングにより貫通孔を開けることが好ましい。この場合の、本発明は、イオン照射工程の後、生成した照射損傷を化学的または熱的にエッチング処理して前記フィルム基材に貫通孔を形成するエッチング工程と、得られた穿孔フィルム基材に、イオン照射によって損傷を受けた潜在飛跡箇所に残っている活性種又は真空もしくは不活性ガス雰囲気下で新たに放射線、プラズマのいずれかの照射によって生成した活性種を利用することで、機能性官能基を有するか又は後工程で機能性官能基を導入可能なモノマーであるA群から選択される1種以上のモノマーをグラフト重合させるグラフト重合工程とを含む機能性膜の製造方法である。
本発明により、高分子フィルム基材に高エネルギー重イオン照射によって照射損傷を形成した後、該照射損傷を化学的または熱的にエッチング処理して該フィルム基材に、貫通孔を形成して得られた穿孔フィルム基材の表面や孔壁にのみに官能基を導入して機能性を付与できることから、個々の高分子フィルム基材の持つ物性を維持でき、官能基の位置・空間分布、官能基密度の制御が可能となるとともに、円柱状、円錐状、鼓状、漏斗状の断面形状制御が可能となる。
前記潜在飛跡箇所に残っている活性種を利用する場合に、孔径として、1〜250nmの範囲である貫通孔の孔壁にのみ前記モノマーをグラフト重合させることが好ましい。また、前記真空もしくは不活性ガス雰囲気下で新たにガンマ線、電子線、プラズマのいずれかの照射によって生成した活性種を利用する場合に、孔径として、1nm〜5μmの範囲である貫通孔の孔壁と該フィルム基材の表面にのみ前記モノマーをグラフト重合させることが好ましい。ここで、前記グラフト重合工程において、放射線、プラズマのいずれかを前照射し前記モノマーを後グラフト重合させることが出来る。または、前記グラフト重合工程において、前記フィルム基材に前記モノマーを導入した後、放射線、プラズマのいずれかを照射し同時グラフト重合させることが出来る。
本発明に用いられる高分子フィルム基材としては、室温における酸素透過係数が10.0[cc*mm/(m*day*atm)]以下であるものが、ガスバリア性に優れており、高分子フィルム基材本来の性能を発揮できるので好ましい。
高分子フィルム基材とA群から選択される1種以上のモノマーが同種の元素からなる場合は、グラフト重合の際にグラフト鎖が高分子フィルム基材中に浸透しないので、好ましい。例えば、高分子フィルム基材が炭化水素系高分子からなり、A群から選択される1種以上のモノマーが炭化水素系モノマーからなる場合や、高分子フィルム基材が炭化フッ素系高分子からなり、A群から選択される1種以上のモノマーが炭化フッ素系モノマーからなる場合が挙げられる。
本発明においては、グラフト重合工程において、200以上の分子量を持つ機能性モノマーであるC群から選択される1種以上のモノマーを加えることが出来る。200以上の分子量を持つ機能性モノマーはグラフト重合中に高分子フィルム基材中に浸透することが少なく、潜在飛跡箇所のみに官能基を導入することが出来る。
また、本発明においては、グラフト重合工程において、グラフト重合し難い機能性官能基を有するモノマーであるD群から選択される1種以上のモノマーを加えることが出来る。
本発明において、イオン照射工程の後に、前記フィルム基材をメタン、水素などのガスと接触させることで前記活性種を消失させ、次いで真空または不活性ガス雰囲気下で該フィルム基材にガンマ線、電子線、プラズマのいずれかを照射することで、再度活性種を生成することもグラフト重合工程を実施する上で好ましい。
本発明においては、イオン照射工程の後に、前記フィルム基材をメタン、水素などのガスと接触させることで前記活性種を消失させ、次いで真空もしくは不活性ガス雰囲気下で該フィルム基材にガンマ線、電子線、プラズマのいずれかを照射することで、再度活性種を生成することも、グラフト重合工程を実施する上で好ましい。
本発明においては、高分子フィルム基材は架橋構造を有さないものを用いることが出来るが、架橋構造を付与したものを用いると高分子フィルム基材に所望の強度や物理的・化学的安定性を与えることが出来る。高分子フィルム基材としては、各種高分子材料を用いることが出来る。この中で、炭化水素系、炭化フッ素系、炭化水素・フッ素系高分子フィルムのいずれかであることが好ましい。
第2に、本発明は、上記の機能性膜の製造方法において、機能性官能基を有するか又は後工程で機能性官能基を導入可能なモノマーであるA群から選択される1種以上のモノマーが、プロトン交換基または後工程でプロトン交換基に変換可能な官能基を有するモノマーであることを特徴とする燃料電池用電解質膜の製造方法である。
本発明の燃料電池用電解質膜の製造方法により、高分子フィルム基材に高エネルギー重イオン照射によって膜厚方向に貫通した照射損傷部位のみにカチオン交換性官能基を導入してイオン交換能を付与できることから、
(A)気孔率が小さく個々の高分子フィルム基材の持つ物性を維持できる、
(B)官能基の位置・空間分布、官能基密度の制御が可能である、
(C)イオン交換樹脂の充填量が少ない為、含水による膨潤を抑制できる、
さらに、イオン照射法を用いることにより、既存の多孔質基材にとらわれることなく、フィルム化が可能な全ての高分子材料に適用可能なことから、
(D)イオン交換膜のプロトン伝導度とガスバリア性の物性制御が容易である、
等の特長を有する。
本発明の燃料電池用電解質膜の製造方法によって、例えば、室温における酸素透過係数が10.0[cc*mm/(m*day*atm)]以下である高分子フィルム基材に、カチオン交換基含有パスの孔径が1nm〜5μm、好ましくは1nm〜250nmの範囲で有する燃料電池用電解質膜が短時間で製造される。
本発明の機能性膜は、高分子フィルム基材に高エネルギー重イオン照射によって損傷を受けた潜在飛跡箇所のみに官能基を導入して機能性を付与できることから、高分子フィルム基材の物性を維持できる。また、本発明の機能性膜は、高分子フィルム基材に高エネルギー重イオン照射によって照射損傷を形成した後、該照射損傷を化学的または熱的にエッチング処理して該フィルム基材に、円柱状・円錐状・鼓状・漏斗状の断面形状からなる貫通孔を形成して得られた穿孔フィルム基材の表面や孔壁にのみに官能基を導入して機能性を付与できることから、高分子フィルム基材の物性を維持できる。特に、イオン照射後のグラフト重合工程において、プロトン性極性溶媒で希釈したモノマー溶液を用いることで、グラフト反応速度が促進され、グラフト反応時間が短縮できる上、グラフト反応時間が短いため副反応であるフェナンブラ領域以外でのグラフト鎖の成長を防止することが出来、乾湿寸法変化を抑制できるとともに引張強度がおおきくなる。これにより、各種用途に用いられ、高い機能性と高分子フィルム基材が本来有するガスバリア性を併せ持ち、乾湿寸法変化や引張強度に優れた機能性膜の製造時間を大幅に短縮することができる。特に、燃料電池用高分子電解質膜として最適な、高いプロトン伝導性とガスバリア性に優れ、乾湿寸法変化や引張強度に優れた高分子電解質膜の製造時間を大幅に短縮することができる。
本発明で用いることのできる高分子フィルム基材としては特に限定されない。例えば、モノマー溶液の浸透性がよい炭化水素系の高分子フィルムが挙げられる。また、フッ素系の高分子フィルムはモノマー溶液の浸透性がよくないが、イオン照射をすることによりフィルム内部にモノマーが浸透し、内部でのグラフト反応が進行するようになる。
具体的には、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネイト、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリスルホン等のフィルム基材を用いてもよい。
また、ポリイミド系の高分子フィルムであるポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリベンゾイミダゾール、又はポリエーテルエーテルイミドフィルム基材を用いてもよい。
更に、ポリフッ化ビニリデン、エチレンーテトラフルオロエチレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−六フッ化プロピレン共重合体、又はテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体フィルム基材を用いてもよい。
これらのフィルム基材の中で、フッ素系フィルムは、架橋させると高分子構造中に架橋構造が形成されてモノマーのグラフト率が向上し、更に耐熱性が高くなるため、照射による膜強度の低下を抑制することができる。したがって、高温用途において高性能を発揮する燃料電池を製造するためには架橋フィルムを使用するのが好適である。例えば、グラフトモノマーとしてスチレンを用いた場合、未架橋のポリテトラフルオロエチレンに比べ、架橋ポリテトラフルオロエチレンではグラフト率を著しく増加させることができ、未架橋のポリテトラフルオロエチレンの2〜10倍のスルホン酸基を架橋ポリテトラフルオロエチレンに導入できることを本発明者らは既に見出している。
これらのことから、本発明においては、ポリエチレンテレフタレートフィルム基材の代わりに、架橋構造を有する超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアミド・芳香族ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネイト、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンサルファイド、又はポリスルホンフィルム基材を使用することが好適である。
また、架橋構造を有するポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリベンゾイミダゾール、又はポリエーテルエーテルイミドフィルム基材も好適である。同様に、架橋構造を有するポリフッ化ビニリデン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−六フッ化プロピレン共重合体、又はテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体フィルム基材も好適である。
本発明では、高分子フィルム基材に、サイクロトロン加速器などによって高エネルギー重イオンを照射する。ここで、重イオンとは炭素イオン以上のイオンをいうものとする。これらのイオンの照射によって、高分子フィルムにイオン照射による照射損傷が生じる。その照射損傷領域は照射するイオンの質量やエネルギーに依存するが、イオン1個当たりおよそナノサイズから数百ナノサイズの広がりをもっていることが知られている。
照射するイオンの数は個々のイオンによる照射損傷領域が重ならない程度に10〜1014個/cm照射するのがよい。照射はサイクロン加速器などに接続された照射チェンバー内の照射台に、例えば、10cm×10cmのフィルム基材を固定し、照射チェンバー内を10−6Torr以下の真空に引いた状態で、高エネルギーイオンをスキャンしながら行なうのがよい。照射量は、予め高精度電流計で計測したイオン電流の電流量と照射時間から求めることができる。照射する高エネルギー重イオンの種類としては、炭素イオン以上の質量のイオンであって、加速器で実際にイオンを加速できるものがよい。
イオンの発生させ易さやイオンの取扱いの容易さから、炭素、窒素、酸素、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノンなどのイオン種がより好適である。また、1個のイオンの照射損傷領域を大きくするためには、金イオン、ビスマスイオン、又はウランイオンなどの質量の大きなイオンを用いてもよい。イオンのエネルギーはイオン種にもよるが、高分子フィルム基材を厚さ方向に貫通するのに十分なエネルギーであればよく、例えば、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム基材では、炭素イオンは40MeV以上、ネオンイオンは80MeV以上、アルゴンイオンでは180MeV以上であり、同じく、厚さ100μmでは、炭素イオンは62MeV以上、ネオンイオンは130MeV以上、アルゴンイオンでは300MeV以上である。また、キセノンイオン450MeVでは厚さ40μm、ウランイオン2.6GeVでは厚さ120μmのフィルム基材を貫通することができる。
照射に用いるイオンがフィルム基材の膜厚の1/2程度の飛程でも、フィルムの両面から同種や異種のイオンを照射量を変えて照射したり、また、飛程の長いより軽いイオンと飛程の短いより重いイオンを組み合わせてフィルムの両面から照射したりすることによって、フィルムの表面から内部に向かって異なる照射損傷領域の分布を作り出すことができる。これは後述するグラフト反応において、フィルム内に異なる量又は長さのグラフト鎖、また、異なる形態の高分子構造を生ぜしめる。この結果、フィルム基材のグラフト鎖中のスルホン酸基の分布の変化を利用して、フィルム基材内の水分の分布やフィルムの燃料ガスの透過を制御することができる。
また、重イオンではフィルムの膜厚を貫通するのに、上記のような非常に高いエネルギーのイオンが必要となる。例えば、22MeVの炭素イオンのポリエチレンテレフタレートフィルム基材中での飛程は25μm程度であり、厚さ50μmのこのフィルム基材を貫通させることはできなし、50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム基材を貫通するには40MeV程度のエネルギーが必要であるが、フィルムの両面から照射すれば22MeVの炭素イオンで十分である。より大きなエネルギーのイオンを発生させるには、より大きな加速器が必要になり、設備に大きな費用がかかる。このことからも、両面からのイオン照射は本発明におけるイオン交換膜製造にとってきわめて有効である。
ここで、O、Fe、Arから選択される1種以上の重イオンを照射することで膜厚の大きい高分子フィルム基材内部にもこれら重イオンを到達させラジカルを発生させることができる。照射するイオン元素として、O、Fe、Arを用いることにより、それ以外のXe等の元素の場合と比較し、高分子フィルム中でのイオンの飛程距離が倍以上となる。膜厚方向に均一な性質の電解質膜を得るために、膜厚約30μm以下の高分子フィルム基材を用いる。これ以上の膜厚の高分子フィルム基材を用いる場合には、均一な電解質膜を得るには膜両面照射が必要であった。照射するイオン元素として、O、Fe、Arを用いることにより、例えば膜厚150μm程度の膜厚の厚い高分子フィルムであっても、片面からのイオン照射で均一な膜質の電解質膜が得られる。これにより、製造工程の簡略化及び設備コスト低減を達成することができる。
イオン交換能等の機能性の大きな膜を得るにはイオンの照射量を多くすればよい。イオン照射量が多いと、フィルム基材が劣化したり、照射損傷領域が重なって後述するモノマーのグラフト効率が悪くなったりする。また、照射量が少ないと、モノマーのグラフト量が少なく十分なイオン交換容量が得られない。このことから、イオン照射密度は10〜1014個/cmの範囲がよい。
本発明で用いられる「機能性官能基を有するか又は後工程で機能性官能基を導入可能なモノマーであるA群から選択される1種以上のモノマー」とは、機能性官能基を有するモノマー自体だけでなく、後工程の反応により機能性官能基に変換する基を有するモノマーを意味する。
本発明では、重イオン照射された高分子フィルム基材に以下に例示するモノマーを加えて脱気した後加熱し、フィルム基材に該モノマーをグラフト重合させ、さらに、グラフト分子鎖内のスルホニルハライド基[−SO]、スルホン酸エステル基[−SO]、又はハロゲン基[−X]をスルホン酸基[−SOH]とすることにより製造する。また、グラフト鎖内の炭化水素系モノマー単位に存在するフェニル基、ケトン、エーテル基などはクロルスルホン酸でスルホン酸基を導入して製造することができる。本発明において、フィルム基材にグラフト重合するA群のモノマーは、以下の(1)〜(6)に示すモノマーが代表的である。
(1)スチレン、α−ビニルスチレン、スチレン誘導体モノマーである2,4−ジメチルスチレン、ビニルトルエン、及び4−tertブチルスチレンからなる群から選択される1種類以上のモノマー。
(2)スルホニルハライド基を有するモノマーである、CF=CF(SO)(式中、Xはハロゲン基で−Fまたは−Clである。以下同じ。)、CH=CF(SO)、及びCF=CF(OCH(CFSO)(式中、mは1〜4である。以下同じ。)からなる群から選択される1種類以上のモノマー。
(3)スルホン酸エステル基を有するモノマーである、CF=CF(SO)(式中、Rはアルキル基で−CH、−Cまたは−C(CHである。以下同じ。)、CH=CF(SO)、及びCF=CF(OCH(CFSO)からなる群から選択される1種類以上のモノマー。
(4)CF=CF(O(CH)(式中、Xはハロゲン基で−Br又は−Clである。以下同じ。)、及びCF=CF(OCH(CF)からなる群から選択される1種類以上のモノマー。
(5)アクリルモノマーである、CF=CR(COOR)(式中、Rは−CH又は−Fであり、Rは−H、−CH、−C又は−C(CHである。以下同じ。)、及びCH=CR(COOR)からなる群から選択される1種類以上のモノマー。
(6)アセナフチレン、ビニルケトンCH=CH(COR)(式中、Rは−CH、−C又はフェニル基(−C)である。)、及びビニルエーテルCH=CH(OR)(式中、Rは−C2n+1(n=1〜5)、−CH(CH、−C(CH、又はフェニル基である。)からなる群から選択される1種類以上のモノマー。
本発明で用いられる「A群モノマーに対し架橋剤であるB群からなるモノマー」の具体例としては、ジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、3,5−ビス(トリフルオロビニル)フェノール、及び3,5−ビス(トリフルオロビニロキシ)フェノール等が挙げられる。これら1種類以上の架橋剤を、全モノマー基準で30モル%以下の量加えてグラフト重合させる。
本発明で用いられる「200以上の分子量を持つ機能性モノマーであるC群からから選択される1種以上のモノマー」とは、上記A群のモノマーの内、分子量が200以上のものである。
本発明で用いられる「グラフト重合し難い機能性官能基を有するモノマーであるD群から選択される1種以上のモノマー」とは、上記A群のモノマー中の(1)〜(3)に示すパーフルオロビニルモノマーが代表的である。再度列記すると以下のものである。
(1)スルホニルハライド基を有するモノマーである、CF=CF(SO)(式中、Xはハロゲン基で−Fまたは−Clである。以下同じ。)、CH=CF(SO)、及びCF=CF(OCH(CFSO)(式中、mは1〜4である。以下同じ。)からなる群から選択される1種類以上のモノマー。
(2)スルホン酸エステル基を有するモノマーである、CF=CF(SO)(式中、Rはアルキル基で−CH、−Cまたは−C(CHである。以下同じ。)、CH=CF(SO)、及びCF=CF(OCH(CFSO)からなる群から選択される1種類以上のモノマー。
(3)CF=CF(O(CH)(式中、Xはハロゲン基で−Br又は−Clである。以下同じ。)、及びCF=CF(OCH(CF)からなる群から選択される1種類以上のモノマー。
以下、本発明の実施例と比較例を示す。
[実施例1〜4]
基材として、エチレン−テトラフルオロエチレン(ETFE)を用いた。検討モノマーおよび溶剤組成については下記表1の通りである。
サンプル作製工程は以下の通りである。
1)基材(フィルム)として、ETFEを用いる。
2)サイクロトロンにて加速したXeイオンを、450eVで3×10個/cmの密度でサンプルフィルムに照射した。
3)照射チャンバーよりサンプルを大気中に取り出し、メタノール又はイソプロパノールで希釈したスチレン溶液に浸漬し、60℃に加熱し、重合させた。
4)サンプルを取り出し、トルエン溶液で洗浄した。
5)真空乾燥炉でサンプルを乾燥させた。
6)0.2mol/lのクロロスルホン酸/1,2−ジクロロエタン溶液にサンプルを浸漬後、水に浸漬してスチレンのスルホン化を行った。
7)中和適定を実施し、サンプル中に含まれるスルホン酸量を求めた。
8)交流インピーダンス測定を実施して、プロトン伝導度を求めた。
9)乾湿寸法測定及び引張強度測定を実施した。
なお、グラフト時間の長さで、グラフト率(サンプル中に含まれるスルホン酸量)を変化させた。
[比較例1〜4]
上記3)工程において、スチレン100%溶液又はスチレンのアセトン溶液を用いた他は実施例1〜4と同様に行なった。実施例と同様に、グラフト時間の長さで、グラフト率(サンプル中に含まれるスルホン酸量)を変化させた。
実施例1〜4及び比較例1〜4において、プロトン伝導度、乾湿寸法及び引張強度の測定は下記のように行った。
[伝導度の測定]
サンプル膜を6mmφの円形に複数枚切り出す。同様に切り出した、抵抗値が既知な市販の電解質膜(今回はナフィオンN112(商品名))を間に挟んで、これらを積層させる。20mm×20mmの白金電極板を用い、これら積層したサンプルを上下から一定の荷重で締結する。これを恒温槽内に置き、80℃、90%RHの環境とする。白金電極間の交流インピーダンスを測定し、測定結果よりサンプルの抵抗値を読み取る。抵抗値の時間的推移がなくなった時点で、環境下における平衡に達したと判断する。抵抗値からプロトン伝導度を算出する。
[乾湿寸法の測定]
サンプルは10×30mmに切り出す。
1)膜を80℃の水に30分間浸漬する。
2)膜を室温の水に15分間浸漬する。
3)室温の水中で膜の寸法(X,Y,l)測定する。
4)膜を80℃で1時間真空乾燥浸漬する。
5)膜の寸法(X,Y,l)測定する。
6)1)〜5)を任意回数繰り返す。
7)安定した変化のサイクルのデータを採用する。
[引張強度の測定]
測定環境:室温、大気雰囲気下
サンプル形状:新JIS7号
引張速度:5mm/min
測定:引張試験にてサンプルのS−S曲線を得る。S−S曲線における最大値をサンプルの強度の指標とする。
Figure 2008127534
表1の結果より、モノマーのプロトン性極性溶媒溶液を用いた本発明の実施例1〜4で作製したサンプルは、無溶媒でスチレンバルクを用いた比較例1及び2と比べて、グラフト反応時間が格段に短縮されているにもかかわらず、プロトン伝導度、乾湿寸法及び引張強度において遜色ないかむしろ勝っている。また、非プロトン性極性溶媒であるアセトンを用いた比較例3及び4と比べて、グラフト率が格段に優れており、この結果プロトン伝導性が優れている。
本発明では、イオン照射後のグラフト重合工程において、プロトン性極性溶媒で希釈したモノマー溶液を用いることで、グラフト反応速度が促進され、グラフト反応時間が短縮できる上、グラフト反応時間が短いため副反応であるフェナンブラ領域以外でのグラフト鎖の成長を防止することが出来、乾湿寸法変化を抑制できるとともに引張強度が大きくなる。これにより、各種用途に用いられ、高い機能性と高分子フィルム基材が本来有するガスバリア性を併せ持ち、乾湿寸法変化や引張強度に優れた機能性膜の製造時間を大幅に短縮することができる。特に、燃料電池用高分子電解質膜として最適な、高いプロトン伝導性とガスバリア性に優れ、乾湿寸法変化や引張強度に優れた高分子電解質膜の製造時間を大幅に短縮することができる。
これにより、燃料電池用電解質膜に最適な、高いプロトン伝導性とガスバリア性に優れた高分子電解質膜を低コストで提供することが出来、燃料電池の普及に貢献する。

Claims (11)

  1. 高分子フィルム基材に高エネルギー重イオンを照射し、該フィルム基材に活性種を生成するイオン照射工程と、該イオン照射工程の後に、機能性官能基を有するか又は後工程で機能性官能基を導入可能なモノマーであるA群から選択される1種以上のモノマーのプロトン性極性溶媒溶液を加えて、該フィルム基材と該モノマーをグラフト重合させるグラフト重合工程とを含む機能性膜の製造方法。
  2. 前記機能性官能基を有するか又は後工程で機能性官能基を導入可能なモノマーであるA群から選択される1種以上のモノマーと、前記プロトン性極性溶媒との比が、20〜90:80〜10であることを特徴とする請求項1に記載の機能性膜の製造方法。
  3. 前記プロトン性極性溶媒が、メタノール及び/又はイソプロパノールであることを特徴とする請求項1又は2に記載の機能性膜の製造方法。
  4. 前記機能性官能基を有するか又は後工程で機能性官能基を導入可能なモノマーであるA群から選択される1種以上のモノマー20〜99mol%に対し、A群モノマーに対し架橋剤であるB群からなるモノマー1〜80mol%を加えたモノマー混合物を含むプロトン性極性溶媒溶液を用いることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の機能性膜の製造方法。
  5. 前記高分子フィルム基材が非極性高分子材料からなり、前記機能性官能基を有するか又は後工程で機能性官能基を導入可能なモノマーであるA群から選択される1種以上のモノマーが非極性モノマーであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の機能性膜の製造方法。
  6. 前記高分子フィルム基材が非導電性無機粒子を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の機能性膜の製造方法。
  7. 前記イオン照射工程において、高エネルギー重イオン照射によって損傷を受けた潜在飛跡が該フィルムを貫通していることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の機能性膜の製造方法。
  8. 前記イオン照射工程において、O、Fe、Arから選択される1種以上の重イオンを照射することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の機能性膜の製造方法。
  9. 前記イオン照射工程の後、生成した照射損傷を化学的または熱的にエッチング処理して前記フィルム基材に貫通孔を形成するエッチング工程と、得られた穿孔フィルム基材に、イオン照射によって損傷を受けた潜在飛跡箇所に残っている活性種又は真空もしくは不活性ガス雰囲気下で新たに放射線、プラズマのいずれかの照射によって生成した活性種を利用することで、前記機能性官能基を有するか又は後工程で機能性官能基を導入可能なモノマーであるA群から選択される1種以上のモノマーをグラフト重合させることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の機能性膜の製造方法。
  10. 前記グラフト重合の温度が、10〜80℃であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の機能性膜の製造方法。
  11. 請求項1乃至10のいずれかに記載の機能性膜の製造方法において、前記機能性官能基を有するか又は後工程で機能性官能基を導入可能なモノマーであるA群から選択される1種以上のモノマーが、プロトン交換基または後工程でプロトン交換基に変換可能な官能基を有するモノマーであることを特徴とする燃料電池用電解質膜の製造方法。
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