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JP2008127513A - 親水性無機塗料 - Google Patents

親水性無機塗料 Download PDF

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JP2008127513A
JP2008127513A JP2006316456A JP2006316456A JP2008127513A JP 2008127513 A JP2008127513 A JP 2008127513A JP 2006316456 A JP2006316456 A JP 2006316456A JP 2006316456 A JP2006316456 A JP 2006316456A JP 2008127513 A JP2008127513 A JP 2008127513A
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hydrophilic inorganic
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JP2006316456A
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Yuko Ooka
祐子 大岡
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Kikusui Chemical Industries Co Ltd
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Kikusui Chemical Industries Co Ltd
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Abstract

【課題】建築物の外壁において、建築仕上材層の劣化を防止するため建築仕上材層を劣化させることのない親水性を有する塗料を提供する。
【解決手段】建築物の表面に親水性無機塗膜を形成するために用いられる塗料であって、該塗料が20℃における蒸気圧が0.01〜100mmHgの揮発性有機溶媒を含有することを特徴とする。また、親水性無機塗料がシリカ溶液を含有していること、揮発性有機溶媒の親水性無機塗料に占める含有率が0.1〜30質量%であること、揮発性有機溶媒の20℃における蒸気圧が1〜10mmHgのものと20〜100mmHgのものとの混合物であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、風雨に直接さらされる建築物の外壁に親水性の表面構造を形成するための親水性無機塗料に関するものである。
従来の親水無機塗料としては、高層ビル等の外壁用建材基体の表面に、光触媒性酸化物粒子及びシリカ又はシリコーンを含有する表面層を備え、前記光触媒性酸化物の光励起に応じて、前記表面層の表面は親水性を呈し、前記外壁用建材表面が、降雨にさらされた時に、空気中に含まれる煤塵や排気ガスなどの燃焼生成物や、上方にあるシーラントから溶出する汚れや、建物の排気口から排出される汚染物質等の疎水性汚れが雨滴により洗い流されるのを可能にする又は水で洗浄するのを容易とする外壁用建材に使用されているもの(例えば、特許文献1参照。)が挙げられる。また、外壁用建材基体の表面に、光触媒性酸化物粒子を含有する表面層を備え、前記光触媒の光励起に応じて、前記層の表面は親水性を呈し、前記外壁用建材表面が、降雨にさらされた時に、付着堆積物及び/又は汚染物が雨滴により洗い流させるのを可能にするセルフクリーニング性外壁用建材に使用されているもの(例えば、特許文献2参照。)等が挙げられる。
しかし、これらの親水性無機塗料はいずれも塗装する下地が光沢塗料である場合にははじきが生じて均一に塗膜を形成しないという問題点があった。
特開2001−49828号公報(特許請求の範囲、段落0004〜同0024) 特開平9−228602号公報(特許請求の範囲、段落0004〜同0025)
解決しようとする問題点は、塗装する下地が光沢塗料である場合に均一な塗膜を形成する点である。
請求項1に記載の発明は、20℃における蒸気圧が0.1〜100mmHgの揮発性有機溶媒を含有することを最も主要な特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、シリカ溶液を含有していることを最も主要な特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、揮発性有機溶媒の親水性無機塗料に占める含有率が0.1〜30質量%であることを特徴とすることを最も主要な特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の発明において揮発性有機溶媒が20℃における蒸気圧が1〜10mmHgのものと20〜100mmHgのものとの混合物であることを最も主要な特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、建築物の外壁表面に均一な親水性無機塗膜を形成することができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、建築物の外壁表面により均一な親水性無機塗膜を形成することができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加えて、建築物の外壁表面にさらに均一な親水性無機塗膜を形成することができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1から請求項3に記載の発明の効果に加えて、建築物の外壁表面に塗膜欠陥のない親水性無機塗膜を、短い乾燥硬化時間にて形成することができる。
以下、本発明を具体化した実施形態を説明する。
本発明の親水性無機塗料の組成は、例えば以下のようなものである。
親水性無機塗料の組成例:揮発性有機溶媒としてのイソプロピルアルコール100質量部、揮発性有機溶媒としてのプロピレングリコール20質量部、無機溶媒としての水100質量部、親水性無機剤としてのシリカ溶液200質量部。シリカ溶液の固形分は25質量%である。
前記揮発性有機溶媒としては例えば、メタノール(96mmHg,20℃)、エタノール(44mmHg,20℃)、1−プロパノール(15mmHg,20℃)、イソプロパノール(32mmHg,20℃)、ブタノール(5.5mmHg,20℃)、イソブタノール(8.9mmHg,20℃)などのアルコール類、エチレングリコール(0.05mmHg,20℃)、ポリエチレングリコール(<10Pa(=<0.075mmHg),20℃)、ジエチレングリコール(3.7mmHg,20℃)、プロピレングリコール(2.6mmHg,20℃)などの多価アルコール、ジクロエチルエーテル(0.7mmHg,20℃)、メチルフェニルエーテル(2.7mmHg,20℃)、n−ブチルエーテル(31mmHg,20℃)、酢酸−n−ブチル(8.4mmHg,20℃)、エチレングリコールモノブチルエーテル(8.5mmHg,20℃)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(0.2mmHg,20℃)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(0.02mmHg,20℃)などのエーテル類、エステル類、多価アルコール誘導体が挙げられる。これら揮発性有機溶媒は、後記説明するシリカ溶液と均一に混合できることが条件であり、−OH基、−COOH基を有していることが特徴である。本発明の親水性無機塗料においては前記揮発性有機溶媒のうち、20℃における蒸気圧が0.01〜100mmHgの揮発性有機溶媒を含有していることが必要である。
前記揮発性有機溶媒の20℃における蒸気圧が0.01mmHg未満である場合には、前記揮発性有機溶媒の揮発速度が遅すぎて、塗膜形成中にシリカ成分が偏在し均一な膜が形成されない。逆に、前記揮発性有機溶媒の20℃における蒸気圧が100mmHgを超える場合には、前記揮発性有機溶媒の揮発速度が早すぎて、親水性無機塗膜としてのシリカ溶液膜が十分に形成される前に溶媒が揮発してしまい、塗膜が流動性を失うため均一な塗膜が形成されない。
前記揮発性有機溶媒は単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いても良い。単独にて用いる場合は、蒸気圧が20〜50mmHgにあるものを用いることが望ましい。この範囲にある揮発性有機溶媒を配合した場合には、揮発速度の確保と得られる塗膜の均一性とのバランスに優れたものとなる。
前記揮発性有機溶媒を組み合わせて用いる場合、20℃における蒸気圧はより好ましくは1〜10mmHg(=133〜1330Pa)のものと20〜100mmHgのものを組み合わせるのが良い。蒸気圧の高いものについては、好ましくは20〜50mmHgである。この範囲であるとき、より乾燥性を確保しつつ、均一な親水性無機塗膜が得られる。
シリカ溶液としては、コロイダルシリカとしてのケイ酸ナトリウム、ケイ酸リチウム等のケイ酸塩等の水分散液が挙げられる。また、オルガノシリカゾルとしてはシリカのメタノール分散液、イソプロピルアルコール分散液、エチレングリコール分散液、n−プロピルセロソルブ分散液、ジメチルアセトアミド分散液、メチルエチルケトン分散液、メチルイソブチルケトン分散液、キシレン・n−ブタノール混合溶媒分散液、プロピレングリコールモノメチルアセテート分散液等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いても良い。
前記シリカ溶液中に分散されるシリカ微粒子の平均粒子径は、好ましくは4〜100nmであり、より好ましくは6〜50nmであり、最も好ましくは10〜20nmである。この範囲にあるとき、シリカ微粒子間の結合力が最適になる。前記シリカ微粒子の平均粒子径が4nm未満の場合には、シリカ微粒子間の結合力が強すぎて、シリカ微粒子膜に収縮クラックが発生するおそれがある。逆に100nmを超える場合には、シリカ微粒子間の結合力が弱く、シリカ微粒子膜を充分に形成することができない。
前記シリカ微粒子の粒子形状としては球状、パールネックレス状、針状、棒状等が挙げられる。これらのうち、球状であることが好ましい。シリカ微粒子が球状であることにより、シリカ微粒子が乾燥して乾燥ゲルとなったときに、粒子同士が最密充填構造をとることができるため、シリカ微粒子膜の強度を向上させることができる。
前記シリカ微粒子によって、建築物の外壁表面に形成されるシリカ微粒子膜の厚さは2〜150μmであることが必要であり、5〜100μmであることがより好ましく、30〜50μmであることが最も好ましい。この範囲にあるとき、建築物の外壁表面に充分な親水性を付与することができる。前記シリカ微粒子の建築物の外壁表面に形成される厚さが2μm未満である場合には、シリカ微粒子膜が薄すぎて、外部からの衝撃に弱いため、表面クラックを生じやすい。逆に150μmを超える場合にはシリカ微粒子膜の光透過性が低下するため、建築仕上材の色彩や光沢等を抑制し、意匠性を低下させるおそれがある。また、シリカ微粒子膜の厚さが5μm以上である場合には、経年の風雨によるシリカ微粒子膜表面の流出があってもなお、シリカ微粒子膜が残存しているため耐久性に優れる。
前記シリカ微粒子膜は結晶化した膜構造であることが好ましい。シリカ微粒子膜が結晶化した膜構造であることにより、非結晶の状態に比べて経年の風雨によるシリカ微粒子膜表面の流出を抑制することができる。
なお、シリカ微粒子膜厚さの設定は、予定する厚みとするときの平米当たりのシリカ微粒子による質量、シリカ微粒子の比重、親水性無機塗料の固形分濃度から平米当たりの実質的な必要量を算出したのち、スプレー塗装による飛散ロスを見込んで計算される。その飛散ロスはエアレススプレーでは20%、エアスプレーでは40%を見込み、計算値としての塗着量は、エアレススプレーでは80%、エアスプレーでは60%としている。
背景技術の説明に記した光触媒性酸化物粒子とは、光照射によって、価電子帯中の電子の励起が生ずる酸化物の粒子をいい、具体的には酸化チタン、酸化亜鉛等の典型金属酸化物をいう。本発明においては、外壁構造中に光触媒性酸化物粒子を含有しないことが必要である。光触媒性酸化物粒子を含有しないことにより、下地となる建築仕上材等の有機物を分解することがない。
以上のように構成された建築物の外壁構造の形成は以下のように行われる。まず始めに、建築物の外壁の表面に建築仕上材としての合成樹脂塗料が塗装されている。該合成樹脂塗料が乾燥して塗膜を形成した後、親水性無機塗料をエアレススプレーにて平均塗着量50g/mで塗装する。この平均塗着量はエアレススプレー塗装による飛散ロス分(20%)を除いたものとしている。
前記親水性無機塗料は平均粒子径15nmのコロイダルシリカ水分散液(シリカ含有率25質量%)100質量部をイソプロピルアルコール48質量部と水50質量部プロピレングリコールを2質量部とで希釈したものである。
前記親水性無機塗料がアルカリ性である場合には、アルコール類にはアルカリ性領域(pH8超)で有色である指示薬を添加することが好ましい。該指示薬を添加することにより、両者を混合することによって溶液を変色させることができるため、親水性無機塗料とアルコール類とを混合したことを目視によって確認することができ、未混合のままの施工を防止することができる。また、有色であることによって、施工・未施工を目視によって容易に判別することができるため、塗り忘れを防止することができる。
前記指示薬は酸性領域(pH6未満)及び中性領域(pH6〜8)で無色又は淡色であることが好ましい。前記指示薬が酸性領域及び中性領域で無色であることにより、施工後に大気中の炭酸ガス又は酸性雨等によって中性化し、徐々に色が薄れてゆくため、施工完了後における建築仕上材の意匠性に影響を及ぼさない。
前記指示薬のアルコール類に対する含有量は、好ましくは0.001〜5.0質量%であり、より好ましくは0.005〜1.0質量%であり、最も好ましくは0.01〜0.5質量%である。この範囲にあるとき、アルカリ性領域において適度な呈色を示すことができるため、建築仕上材の意匠性に影響を及ぼさない。前記指示薬のアルコール類に対する含有量が0.001質量%未満の場合には呈色が十分でないため、混合忘れや塗り忘れを生ずるおそれがある。逆に5.0質量%を超える場合には、呈色が強すぎて炭酸ガス等による中性化が相当程度進行しないと無色又は淡色にならず、建築仕上材表面を長期にわたって呈色するため、該建築仕上材の意匠性を害するおそれがある。
前記指示薬のうち、酸性領域及び中性領域で無色又は淡色であるものとしては、例えば、フェノールフタレイン、チモールフタレイン等のラクトン系指示薬、ブロモチモールブルー、フェノールレッド等のサルトン系指示薬、アリザリンイエロー等のジアゾ系指示薬、テアルビジン等が挙げられる。これらのうち、ラクトン系指示薬を用いることが好ましく、フェノールフタレイン又はチモールフタレインを用いることがより好ましい。ラクトン系指示薬を用いることにより、酸性領域及び中性領域で無色であるため、建築仕上材の意匠性により影響を及ぼさない。
前記ラクトン系指示薬を含有する親水性無機塗料は、施工直後のアルカリ性領域であった状態から、炭酸ガス等によって中性化することで中性領域さらには酸性領域になると、共役しているベンゼン環と炭素の間の二重結合が単結合となり、さらにキノン型であった1つのフェノールが閉じてラクトン環になる。ラクトン環ではベンゼン環のように共役せず、波長の短い紫外線しか吸収しないため無色である。このようにして、施工後数時間〜10日ほど経過すると建築仕上材本来の意匠が発現される。
前記親水性無機塗料には界面活性剤を添加することが好ましい。界面活性剤を添加することにより、建築仕上材の表面が非親水性であっても均一なシリカ微粒子膜を形成することができる。
前記界面活性剤としてはラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルフォン酸、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸ナトリウム、スチレンマレイン酸樹脂半エステル、ポリカルボン酸アンモニウム塩等が挙げられる。これらのうちポリカルボン酸アンモニウム塩を用いることが好ましい。ポリカルボン酸アンモニウム塩を用いることにより、建築仕上材の表面が非親水性であっても良好に密着させることができる。
界面活性剤の親水性無機塗料中の配合量は、1.0質量%以下にあることが好ましい。1.0質量%を越えると、親水性無機塗膜の耐水性が低下し、5質量%を越える配合量の時には、造膜不良となって良くない。
前記建築仕上材とシリカ微粒子膜の間には、シランカップリング剤膜を形成することが好ましい。シランカップリング剤膜を形成させることにより、建築仕上材とシリカ微粒子膜とを強固に密着させることができる。
前記シランカップリング剤膜とは、分子の一端に加水分解でシラノール基を付与するエトキシ基又はメトキシ基を有し、他端にアミノ基、グリシジル基等の有機官能基を有するものを薄膜化したものをいう。前記シランカップリング剤膜はシラノール基がシリカ微粒子膜と結合し、有機官能基が建築仕上材と結合する接着剤の役割を果たす。
前記建築仕上材とは、建築物に色彩、形状等の意匠を付与するために施工される建築材料であり、例えば、JIS K 5516に規定されている合成樹脂調合ペイント、JIS K 5572に規定されているフタル酸樹脂エナメル、JIS K 5653に規定されているアクリル樹脂ワニス、JIS K 5654に規定されているアクリル樹脂エナメル、JIS K 5660に規定されているつや有合成樹脂エマルションペイント、JIS K 5663に規定されている合成樹脂エマルションペイント、JIS K 5667に規定されている多彩模様塗料、JIS K 5668に規定されている合成樹脂エマルション模様塗料、JIS K 5581に規定されている塩化ビニル樹脂ワニス、JIS K 5582に規定されている塩化ビニル樹脂エナメル、JIS K 5670に規定されているアクリル樹脂系非水分散形塗料、JIS K 5656に規定されている建築用ポリウレタン樹脂塗料、JIS K 5657に規定されている鋼構造物用ポリウレタン樹脂塗料、JIS K 5658に規定されている建築用ふっ素樹脂塗料、JIS K 5659に規定されている鋼構造物用ふっ素樹脂塗料、JIS A 6909に規定されている薄付仕上塗材、複層仕上塗材、可とう形改修用仕上塗材等が挙げられる。
前記建築仕上材の表面は親水性であることが好ましい。建築仕上材の表面が親水性であることにより、シリカ微粒子との密着性に優れる。
前記建築仕上材表面が親水性であるとき、その水に対する接触角の値は、好ましくは50°以下、より好ましくは40°以下、最も好ましくは30°以下である。この範囲にあるとき、同じく親水性であるシリカ微粒子との密着性に優れる。建築仕上材表面の水に対する接触角が50°を超える場合にはシリカ微粒子との密着が充分でないおそれがある。
また、水に対する接触角の値が測定できない建築仕上材にあっては、JIS A 6909に規定されている透水試験B法において、0.1ml以上であることが好ましい。また、上限についての数値は測定不能となるため設けないが、その他の項目における、JIS規定の品質を満足するものとする。
前記親水性無機塗料に配合されるシリカ溶液中のシリカ微粒子100質量部に対する有機物の添加量は、好ましくは20質量部以下、より好ましくは10質量部以下、最も好ましくは5質量部以下である。この範囲にあるとき、シリカ微粒子膜の耐久性に優れる。シリカ微粒子100質量部に対する有機物の添加量が20質量部を超える場合には、元来、親水性であるシリカ微粒子と、元来、疎水性である有機物とが反発しあって、シリカ微粒子同士の固着を阻害するおそれがある。また、10質量部を超える場合には、一般に建築仕上材の表面は有機物である場合が多いため、親水性無機塗料中の有機物が建築仕上材表面に集まり、シリカ微粒子膜の「浮き」を生ずるおそれがある。
前記親水性無機塗料中のシリカ微粒子含有率が、好ましくは0.5〜20質量%、より好ましくは0.5〜15質量%、最も好ましくは1〜10質量%であるのが良い。この範囲にあるとき、シリカ微粒子膜の形成に最適である。親水性無機塗料中のシリカ含有率が0.5質量%未満の場合には、充分なシリカ微粒子膜の厚みを確保するために多数回の塗装が必要となり、施工の容易性に劣る。逆に20質量%を超える場合には、一度に塗付する量が多すぎて、均一なシリカ微粒子膜を得ることが困難になる。
前記親水性無機塗料の施工はエアレススプレーに限らず、エアスプレー、ローラー、刷毛等、通常の塗料の施工に使用される器具を任意に用いることができる。これらのうち、エアレススプレー、エアスプレー等のスプレーによって塗装することが好ましい。スプレーによって塗装することにより、均一なシリカ微粒子膜を形成することができる。
前記親水性無機塗料は所定の膜厚を1度の塗装で確保せず、2回以上に分割して塗装することが好ましい。2回以上に分割して塗装することにより、均一なシリカ微粒子膜を得ることができるため、虹彩やムラの発生を抑制することができる。
以上のようにして施工された親水性無機塗料は、乾燥によって個々のシリカ微粒子同士が固着し、均一なシリカ微粒子膜を形成する。該シリカ微粒子膜の水に対する接触角は光照射の有無にかかわらず0°〜20°である。
このようにして形成された建築物の外壁に大気中に浮遊している煤塵等の汚染物質が付着すると外壁が汚染される。建築物の外壁はシリカ微粒子膜によって親水性が付与されているため、雨滴が汚染物質と外壁との界面に浸透し、汚染物質を浮き上がらせ、重力により建築物の外壁表面から流れ落とすことで、該外壁の汚染を抑制することができる。
また、シリカ微粒子膜自体は下地となる建築仕上材が含有している有機物を分解することがないため、長期にわたって建築仕上材の耐久性を阻害することがない。
本実施形態は以下に示す効果を発揮することができる。
・前記シリカ微粒子の平均粒子径が4〜100nmであることにより、シリカ微粒子間の結合力が最適になる。
・前記シリカ微粒子の粒子形状が球状であることにより、シリカ微粒子が乾燥して乾燥ゲルとなったときに、粒子同士が最密充填構造をとることができるため、シリカ微粒子膜の強度を向上させることができる。
・前記シリカ微粒子の建築物の外壁表面に形成されるシリカ微粒子膜の厚さが2〜150μmであることにより、建築物の外壁表面に充分な親水性を付与することができる。
・前記親水性無機塗料を希釈して使用する場合は、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール類で希釈してから塗装することにより、親水性無機塗料の表面張力を低下させることができるため、建築仕上材表面に薄く均一に塗布することができる。
・前記親水性無機塗料に界面活性剤を添加することにより、建築仕上材の表面が非親水性であっても均一なシリカ微粒子膜を形成することができる。
・前記界面活性剤としてポリカルボン酸アンモニウム塩を用いることにより、建築仕上材の表面が非親水性であっても良好に密着させることができる。
・前記建築仕上材表面の水に対する接触角が50°以下であることにより、同じく親水性であるシリカ微粒子との密着性に優れる。
・前記親水性無機塗料中のシリカ微粒子100質量部に対する有機物の添加量が20質量部以下であることにより、シリカ微粒子膜の耐久性に優れる。
・前記親水性無機塗料中のシリカ含有率が5〜40質量%であることにより、シリカ微粒子膜が最適に形成される。
・前記親水性無機塗料の施工をエアレススプレー、エアスプレー等のスプレーによって塗装することにより、均一なシリカ微粒子膜を形成することができる。
・前記親水性無機塗料の施工において、所定の膜厚を1度の塗装で確保せず、2回以上に分割して塗装することにより、均一なシリカ微粒子膜を得ることができるため、虹彩やムラの発生を抑制することができる
なお、本発明の前記実施形態を次のように変更して構成することもできる。
・前記実施形態においては、建築現場においてシリカ微粒子膜を形成させたが、予め工場等において外壁材にシリカ微粒子を塗装することにより形成させても良い。
・前記実施形態においては、建築仕上材の上に親水性無機塗料によるシリカ微粒子膜を形成したが、コンクリート等の無機物の表面に直接形成させても良い。
・前記実施形態においては、親水性無機塗料を外気温下で乾燥させてシリカ微粒子膜を形成させたが、加熱乾燥によって形成させても良い。
このように構成した場合、乾燥に要する時間を短縮することができる。
・前記実施形態においてはアルコール類を使用しているが、該アルコール類は水で希釈して使用しても良い。
このように構成した場合、アルコール類の引火の危険性を低下させることができる。
・前記実施形態においては、アルコール類に指示薬を含有させているが、親水性無機塗料を最適なpH領域に調整するか、親水性無機塗料のpHに最適な指示薬を選択することにより、親水性無機塗料に含有させても良い。
次に、前記実施形態から把握される請求項に記載した発明以外の技術的思想について、それらの効果と共に記載する。
(1) 親水性の建築仕上材表面にシリカ微粒子膜を形成させることを特徴とする建築物外壁の形成方法。
このように構成した場合、シリカ微粒子との密着性に優れる。
(2) 水に対する接触角が50°以下である建築仕上材の表面にシリカ微粒子膜を形成させることを特徴とする建築物外壁の形成方法。
このように構成した場合、シリカ微粒子との密着性に優れる。
以下、実施例についての比較試験により、従来の技術に比べた本発明の顕著な効果を説明する。
試験は70×150×2.3mmのスレート板に白色のアクリル樹脂塗料を塗布した試験体を標準基材とし、下記表1に示す配合からなる実施例及び比較例の塗料をスプレー塗装した。塗料塗装後の表面の状態をマイクロスコープ(200倍)にて観察し、基材表面の造膜状態を評価した。評価結果については、下記表2に示す。表中、実1は実施例1、実2は実施例2を表し、比1は比較例1を表している。以下の表2ないし表5においても同様の略称により記載した。
次に、該試験体を水平角30度で屋外に6ヶ月間暴露して、塗膜の劣化状態を目視観察するとともに、暴露前後のLab表色系におけるL値を比較することによって行った。なお、暴露前の標準試験体のL値は99.7であった。評価結果については、下記表3に示す。
更に、PWTM−3−2000prに開示される土木構造物用汚染材料評価促進試験方法(案)第2部防汚材料評価促進試験方法2(2はローマ数字)(トンネル用)に準拠し、促進汚染試験を行った。この促進汚染試験の結果を下記表4に示す。
促進汚染試験では、200×120×1mmのアルミ板に対しアクリル樹脂塗料を塗布し、翌日に実施例あるいは比較例の塗料をスプレー塗装して、2週間の養生期間を経過の後、前処理として温度50℃±1℃、相対湿度95%以上に24時間置き、温度20℃±1℃、相対湿度65%±5%にて3日間乾燥させて供試体とした。複数枚の供試体のうち1枚を控え板にする。汚れ物質には、カーボンブラック(粒径0.002〜0.28μm)を2.3質量%、カーボンブラック(試験用ダスト12種、JIS Z8901)を9.3質量%、イエローオーカー(顔料用天然黄土)を62.8質量%、焼成関東ローム(試験用ダスト8種、JIS Z8901)を20.9質量%、シリカ粉(試験用ダスト3種、JIS Z8901)を4.7質量%混合したもの用い、磁性ポット内にて混合撹拌した後、利用する。汚れ物質を供試体が見えなくなるまで振りかけ、供試体の裏面をさじで叩いて汚れ物質を落とす。汚れ物質の振りかけ、除去を5回行った後、流水下にて、塗膜が傷つかない程度に、汚れ物質が落ちなくなるまで、ガーゼを取り替えて洗浄する。洗浄後に供試体を乾燥させ、供試体と控え板について色差計によるL値を測定し、その差であるΔLを計算により求めた。
Figure 2008127513
表1中、IPAはイソプロパノール、PGはプロピレングリコール、EGはエチレングリコールのことを言う。シリカ溶液には、コロイダルシリカとしてのケイ酸ナトリウム水分散液、シリカ含有率25質量%のものを使用した。揮発性有機溶媒それぞれの20℃における蒸気圧は、IPAは32mmHg、PGは2.6mmHg、EGは0.05mmHg、酢酸メチルは170mmHg、グリセリンは0.0025mmHgである。指示薬には、フェノールフタレイン溶液(フェノールフタレイン0.1gをIPA100gに溶解させたもの)を利用した。界面活性剤には、ポリカルボン酸アンモニウム塩を利用した。
Figure 2008127513
Figure 2008127513
Figure 2008127513
次に、70×150×2.3mmのスレート板にJIS A6909に規定される厚付け仕上げ塗材のうち、外装合成樹脂エマルション系仕上塗材を塗布した試験体を標準基材とし、その表面に実施例1、同4及び比較例1の塗料をスプレー塗装した。標準基材における透水試験の透水量は、0.1mlであった。20℃65%RHの恒温室にて1週間の養生をし、親水性無機塗料塗装後の表面に対しJIS K5600−5−6「第5部 塗膜の機械的性質 第6節:付着性(クロスカット法)」に規定される付着試験を行った。試験は、塗膜表面に5mm間隔の格子となる切り込みを、カッターナイフにより素地表面まで入れた後、透明なセロハンテープを貼り付け、指先でしっかりこすりつけ、引き剥がしてテープ表面のはぎ取られた塗膜の面積を評価するものである。その試験結果については、下記表5に示す。
評価結果としての分類0は、カットの縁が滑らかで、どの格子の目にもはがれがないもの。分類1は、カットの交差点における塗膜の小さな剥がれがあり、クロスカット部分で影響を受けるのは、明確に5%を上回ることはない。分類2は、塗膜がカットの縁に沿って、及び/又は交差点においてはがれている。クロスカット部分で影響を受けるのは、明確に5%を超えるが15%を上回ることはない。以下、分類5としての、部分的または全面的なはがれが生じ、65%を超えるはがれがあるものを分類している。
Figure 2008127513

Claims (4)

  1. 建築物の表面に親水性無機塗膜を形成するために用いられる塗料であって、該塗料が20℃における蒸気圧が0.01〜100mmHgの揮発性有機溶媒を含有することを特徴とする親水性無機塗料。
  2. 前記親水性無機塗料がシリカ溶液を含有していることを特徴とする請求項1に記載の親水性無機塗料。
  3. 前記揮発性有機溶媒の親水性無機塗料に占める含有率が0.1〜30質量%であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の親水性無機塗料。
  4. 前記揮発性有機溶媒の20℃における蒸気圧が1〜10mmHgのものと20〜100mmHgのものとの混合物であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の親水性無機塗料。
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