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JP2008107499A - 偏光板及び液晶表示装置 - Google Patents

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JP2008107499A
JP2008107499A JP2006289193A JP2006289193A JP2008107499A JP 2008107499 A JP2008107499 A JP 2008107499A JP 2006289193 A JP2006289193 A JP 2006289193A JP 2006289193 A JP2006289193 A JP 2006289193A JP 2008107499 A JP2008107499 A JP 2008107499A
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Tei Daimatsu
禎 大松
Katsumi Inoue
克己 井上
Tokuki Oikawa
徳樹 及川
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Abstract

【課題】熱、湿度による寸法変化が小さく、耐久性の高い偏光板の提供、及び光漏れによるムラが抑制された液晶表示装置の提供。
【解決手段】偏光子と、該偏光子の一方の面に設置される保護フィルムAと、前記偏光子の他方の面に設置される保護フィルムBとを有し、前記保護フィルムAは、60℃95%RHにおける透湿度が、50g/m・day以上300g/m・day以下であり、前記保護フィルムBの60℃95%RHにおける透湿度が、300g/m・day以下であることを特徴とする偏光板等である。
【選択図】なし

Description

本発明は、偏光板及び液晶表示装置に関する。
最近、液晶表示装置(以下、LCD)が、薄型で、軽量であり、また消費電力が小さいことからCRTの代わりに広く使用されるようになっている。偏光板は、LCDの普及に伴いその需要が急増している。その使用分野も、従来の電卓や時計などの小型品から、自動車用計器、PCのモニター、テレビといった大型品へ拡大されつつある。
偏光板は、一般に偏光能を有する偏光子の両面又は片面に、接着剤層を介して保護フィルム(以下、保護層と称することもある)が貼り合わせられている。偏光子の素材としてはポリビニルアルコール(以下、PVAということもある)が主に用いられており、PVAフィルムを一軸延伸してから、ヨウ素又は二色性染料で染色するか、あるいは染色してから延伸し、更にホウ素化合物で架橋することにより偏光子が形成される。
保護フィルムとしては、光学的に透明で複屈折性が小さいこと、表面が平滑であること、鹸化処理によりPVAからなる偏光子との接着性に優れること等から、主にセルローストリアセテート(以下、TACということもある)が用いられている。
近年の液晶表示装置の大サイズ化と表示品質に対する要求が高くなるにつれ、表示モードとして、従来のTNモードに対して、VAモード、IPSモード、OCBモード等の液晶表示装置が普及してきており、それぞれのモードに対して広視野角化する目的で、各種の位相差フィルムを視野角補償フィルムとして使用する技術が提案されている。
これらの位相差フィルムは、更に生産性と製造工程カットによるコストダウンの目的で偏光子の保護フィルムとして使用することが望まれている。
位相差フィルムとしては、セルロースアシレートフィルム上に光学異方性層を積層したり、延伸処理を行うことで作成することが知られているが、その他の有用な位相差フィルムとして、ノルボルネン樹脂、ポリカーボネート樹脂等の位相差フィルムが提案されており、これらは寸度変化率が小さい、又は光弾性係数が小さい、疎水性の高く透湿性が低い、等の理由で偏光板や液晶表示装置に使用した場合の耐久性を向上できるフィルムとして期待されており、これら疎水性の高い樹脂を主成分とするフィルムに対しては更に偏光子との接着性を向上させる技術が求められている。
一方、表示装置は、常時長時間に亘って使用状態にあることが多いので、偏光板は、温湿度変化を有する環境下での長期使用でもLCDの画像品質が劣化しないような、長期の耐久性が要求されるようになってきた。また、用途の拡大に伴って、より高温や高湿となるような過酷な条件での耐久性が要求されるようになってきた。
更に、表示装置の普及に伴って、求められる表示品質もより高レベルとなってきており、セルローストリアセテートを保護フィルムとして用いた際の、長期使用時における光漏れによる表示画像のムラが発生することが問題として指摘されており、このような問題に対しても改善が強く望まれている。これらのムラ発生の要因としては、経時での水分の出入りによる偏光子の収縮に起因する保護フィルムやセルの変形により使用部材のどれかに歪みがかかり、位相差が発生することが要因と推定され、偏光板の水分の出入りを抑制することによる対策が求められている。
これらの諸問題を解決する技術としては、偏光板のセルと貼り付ける側とは反対側(表面側)の保護フィルムの透湿度や含水率を低減させ保護フィルムの耐水性を向上させることで、偏光板の耐久性の向上や光漏れによるムラの発生を抑えることが期待されている。
耐水性を向上した保護フィルムとしては、例えば、疎水性の高い樹脂としてノルボルネン系樹脂からなるシートが有用であることが報告されている(特許文献1参照)。
しかしながら、ノルボルネン系樹脂からなるシートは、透湿性が十分小さく、湿度の変化を受けづらいが、偏光子との接着性が不十分、生産性が低いという課題がある。
これらの問題に対し、接着性を改良する技術が提案されているが(特許文献2〜3参照)、より高温や高湿の条件での耐久性が求められる状況ではいまだ十分なレベルではない。
また、ほかの手段として、ポリエチレンテレフタラート等のポリエステル樹脂や、ポリカーボネート樹脂等の他の疎水性の樹脂からなるシートを用い、更に接着性を改良させた保護フィルムの技術が提案されている(特許文献4〜8参照)。
しかし、これらの技術を利用しても、より高温、高湿の過酷な条件下での耐久性に対する高い要求に対しても、接着性が十分なレベルではない。
また、本発明者らが偏光板の耐久性の向上を目的に耐水性の高い保護フィルムについて更に鋭意検討した結果、これらのノルボルネン樹脂やポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の疎水性の高い樹脂を主成分とするシートを偏光子の保護フィルムとして用いる場合、100℃等のより高温の耐久性試験においては、逆に偏光性能の劣化が発生して問題となることがわかり、これらのより厳しい条件での耐久性を向上させる技術を確立することが必要であった。
更に、セル側の保護フィルムとしてノルボルネン樹脂や、ポリカーボネート樹脂等の疎水性の樹脂からなる位相差フィルムを使用して、偏光子に直接貼り合せて使用する場合に、反対の表面側の保護フィルムとして耐水性の高いノルボルネン樹脂やポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂からなる保護フィルムを使用すると、前述の提案されている接着方法によっても、従来の接着方法に対して乾燥やアニーリングの負荷が大きいなどのため生産性が悪く、また、より高温、高湿での偏光板の耐久性試験においても、偏光性能の劣化や偏光子と保護フィルムとの接着性の不足による剥離が発生してしまうことが問題となった。
特開平10−101907号公報 特開2001−174637号公報 特開2001−305345号公報 特開2004−219620号公報 特開2002−90546号公報 特開平8−271733号公報 特開平8−240716号公報 特開2005−275216号公報
本発明は、従来における前記問題を解決し、以下の目的を達成することを目的とする。即ち、本発明は、熱、湿度による寸法変化が小さく、耐久性の高い偏光板を提供することを目的とする。
また、本発明は、光漏れによるムラが抑制された液晶表示装置を提供することを目的とする。
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 偏光子と、該偏光子の一方の面に設置される保護フィルムAと、前記偏光子の他方の面に設置される保護フィルムBとを有し、前記保護フィルムAは、60℃95%RHにおける透湿度が、50g/m・day以上300g/m・day以下であり、前記保護フィルムBの60℃95%RHにおける透湿度が、300g/m・day以下であることを特徴とする偏光板である。
<2> 保護フィルムA、及び保護フィルムBの60℃95%RHにおける透湿度の和が、100g/m・day以上である前記<1>に記載の偏光板である。
<3> 保護フィルムBの60℃90%RH条件において100時間放置する前後の寸法変化率が、当該保護フィルムBのTD方向又はMD方向の少なくともいずれか一方について0.3%以下である前記<1>から<2>のいずれかに記載の偏光板である。
<4> 保護フィルムBの90℃2.7%RH条件において100時間放置する前後の寸法変化率が、当該保護フィルムBのTD方向又はMD方向の少なくともどちらか一方について0.02%以下である前記<1>から<3>のいずれかに記載の偏光板である。
<5> 保護フィルムBの光弾性係数が、10×10−13cm/dyne以下である前記<1>から<4>のいずれかに記載の偏光板である。
<6> 保護フィルムBが、熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル樹脂の少なくともいずれかからなる前記<1>から<5>のいずれかに記載の偏光板である。
<7> 保護フィルムAの25℃80%RHにおける平衡含水率が、1.5%以上である前記<1>から<6>のいずれかに記載の偏光板である。
<8> 保護フィルムAが、セルロースアシレートを含む基材層と、低透湿性を有する被覆層とからなる前記<7>に記載の偏光板である。
<9> 保護フィルムAの被覆層上に、ハードコート層が形成された前記<8>に記載の偏光板である。
<10> 保護フィルムBの偏光子と貼り合せる側の面が、親水化処理を施された前記<1>から<9>のいずれかに記載の偏光板である。
<11> 保護フィルムBと、偏光子との間に接着剤層、又は粘着剤層を有する前記<1>から<10>のいずれかに記載の偏光板である。
<12> 偏光子が、少なくともポリビニルアルコールを含む膜を延伸処理することにより作製された前記<1>から<11>のいずれかに記載の偏光板である。
<13> 液晶セルと、該液晶セルに設置された偏光板とを有し、該偏光板が、前記<1>から<12>のいずれかに記載の偏光板であって、保護フィルムBと液晶セルとが対向するようにして設置されたことを特徴とする液晶表示装置である。
本発明によると、熱、湿度による寸法変化が小さく、耐久性の高い偏光板を提供することができる。
また、本発明によれば、光漏れによるムラが抑制された液晶表示装置を提供することができる。
以下に、本発明に係る偏光板及び液晶表示装置について詳細に説明する。
なお、本実施形態の説明において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
また、本実施形態の説明において、「45゜」、「平行」あるいは「直交」とは、厳密な角度±5゜未満の範囲内であることを意味する。厳密な角度との誤差は、4゜未満であることが好ましく、3゜未満であることがより好ましい。また、角度について、「+」は時計周り方向を意味し、「−」は反時計周り方向を意味するものとする。また、「遅相軸」は、屈折率が最大となる方向を意味する。また、「可視光領域」とは、380〜780nmのことをいう。更に、屈折率の測定波長は、特別な記述がない限り、可視光域(λ=550nm)での値である。
また、本実施形態の説明において「偏光板」とは、特別な記述がない限り、長尺の偏光板、及び液晶装置に組み込まれる大きさに裁断された偏光板の両者を含む意味で用いている。なお、ここでいう「裁断」には、「打ち抜き」及び「切り出し」等も含むものとする。
また、本実施形態の説明では、「偏光膜」と「偏光板」とを区別して用いるが、「偏光板」は「偏光膜」の少なくとも片面に該偏光膜を保護する透明保護膜を有する積層体のことを意味するものとする。
また、本明細書において、Re(λ)、Rth(λ)は、各々、波長λにおける面内のレターデーション、及び厚さ方向のレターデーションを表す。Re(λ)はKOBRA 21ADH、又はWR(王子計測機器(株)製)において、波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。
(偏光板)
本発明の偏光板の一実施形態における構成を図1A、及び図1Bに示すが、本発明の偏光板はこの構成に限られるものではない。
図1A、及び図1Bに示すように、本発明の偏光板は、偏光子と、該偏光子の一方の面、及び他方の面にそれぞれ設置された保護フィルム(保護膜)A,Bとを有してなり、保護フィルムAは、基材層1と、透湿性が低い層2とを少なくとも含む。
これらの層は、図1Aに示すように、透湿性が低い層2が偏光子側であってもよく、図1Bに示すように、基材層1が偏光子側であってもよいが、生産性と耐久性の観点で、図1Aに示す形態の方がより好ましい。保護フィルムAの上方には、更にハードコート層を積層することが好ましい。
また、ハードコート層は、更に屈折率の異なる2層以上からなることが好ましく、この場合、表面側の層の屈折率が低いことが好ましい。
また、粒子を含むことにより内部散乱性や表面散乱性を付与することも好ましい。
保護フィルムBは、基材層3のみからなる場合と、基材層3の上に更に光学異方性層4が積層されている場合とがある。
更に、接着性を向上させる目的で、基材層3と偏光子との間に易接着層を設けることが好ましい。易接着層は、単層であってもよいが、複数の層からなることも好ましい。また、易接着層のいずれかの層を、帯電防止層とすることも好ましく用いられる。
<偏光子>
本発明の偏光子は、ポリビニルアルコール(PVA)と二色性分子から構成することが好ましいが、特開平11−248937に記載されているように、PVAやポリ塩化ビニルを脱水、及び脱塩素することによりポリエン構造を生成し、これを配向させたポリビニレン系偏光子を使用してもよい。
PVAは、ポリ酢酸ビニルを鹸化したポリマー素材であるが、例えば不飽和カルボン酸、不飽和スルホン酸、オレフィン類、ビニルエーテル類のような酢酸ビニルと共重合可能な成分を含有してもよい。また、アセトアセチル基、スルホン酸基、カルボキシル基、オキシアルキレン基等を含有する変性PVAを用いてもよい。
PVAの鹸化度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、溶解性等の観点から、80〜100mol%が好ましく、90〜100mol%がより好ましい。
また、PVAの重合度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1,000〜10,000が好ましく、1,500〜5,000がより好ましい。
PVAのシンジオタクティシティーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、特許第2978219号公報に記載されているように、耐久性を改良するため55%以上が好ましいが、特許第3317494号公報に記載されているように、45〜52.5%も好ましく用いることができる。PVAはフィルム化した後、二色性分子を導入して偏光子を構成することが好ましい。
PVAフィルムの製造方法としては、PVA系樹脂を水又は有機溶媒に溶解した原液を流延して成膜する方法が一般に好ましく用いられる。原液中のポリビニルアルコール系樹脂の濃度は、通常5〜20質量%であり、この原液を流延法により製膜することによって、膜厚10〜200μmのPVAフィルムを製造できる。
PVAフィルムの製造は、特許第3342516号公報、特開平09−328593号公報、特開2001−302817号公報、及び特開2002−144401号公報に記載の製造方法を参考にして行うことができる。
PVAフィルムの結晶化度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、特許第3251073号公報に記載されている平均結晶化度(Xc)50〜75質量%のPVAフィルムや、面内の色相バラツキを低減させるため、特開2002−236214号公報に記載されている結晶化度38%以下のPVAフィルムを用いてもよい。
PVAフィルムの複屈折(△n)は、小さいことが好ましく、特許第3342516号公報に記載されている複屈折が1.0×10−3以下のPVAフィルムを好ましく用いることができる。但し、特開2002−228835号に記載されているように、PVAフィルムの延伸時の切断を回避しながら高偏光度を得るため、PVAフィルムの複屈折を0.02以上0.01以下としてもよいし、特開2002−060505号に記載されているように、(nx+ny)/2−nzの値を、0.0003以上0.01以下としてもよい。
PVAフィルムの面内レターデーションReは、0nm以上100nm以下が好ましく、0nm以上50nm以下がより好ましい。
また、PVAフィルムの(膜)厚さ方向のレターデーションRthは、0nm以上500nm以下が好ましく、0nm以上300nm以下がより好ましい。
この他、本発明の偏光板としては、特許3021494号公報に記載されている1、2−グリコール結合量が1.5モル%以下のPVAフィルム、特開2001−316492号公報に記載されている5μm以上の光学的異物が100cm当たり500個以下であるPVAフィルム、特開2002−030163号公報に記載されているフィルムのTD方向の熱水切断温度斑が1.5℃以下であるPVAフィルム、更にグリセリンなどの3〜6価の多価アルコ−ルを1〜100質量部あたり、特開平06−289225号公報に記載されている可塑剤を15質量%以上混合した溶液から製膜したPVAフィルムが好ましく用いられる。
PVAフィルムの延伸前のフィルム膜厚としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フィルム保持の安定性、延伸の均質性の観点から、1μm〜1mmが好ましく、20〜200μmがより好ましい。また、特開2002−236212号公報に記載されているように、水中において4倍から6倍の延伸を行った時に発生する応力が10N以下となるような薄いPVAフィルムを使用してもよい。
二色性分子はI やI などの高次のヨウ素イオン、もしくは二色性染料が好ましく使用される。その中でも、本発明では高次のヨウ素イオンが特に好ましく使用される。高次のヨウ素イオンは、「偏光板の応用」永田良編、CMC出版や工業材料、第28巻、第7号、p39〜p45に記載されているようにヨウ素をヨウ化カリウム水溶液に溶解した液及び/もしくはホウ酸水溶液にPVAを浸漬し、PVAに吸着・配向した状態で生成することができる。
二色性分子として二色性染料を用いる場合は、アゾ系色素が好ましく、その中でもビスアゾ系とトリスアゾ系色素がより好ましい。二色性染料は水溶性のものが好ましく、このため二色性分子にスルホン酸基、アミノ基、水酸基などの親水性置換基が導入され、遊離酸、あるいはアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン類の塩として好ましく用いられる。
このような二色性染料の具体例としては、例えば、C.I.DirectRed37、CongoRed(C.I.DirectRed28)、C.I.DirectViolet12、C.I.DirectBlue90、C.I.DirectBlue22、C.I.DirectBlue1、C.I.DirectBlue151、C.I.DirectGreen1等のベンジジン系、C.I.DirectYellow44、C.I.DirectRed23、C.I.DirectRed79等のジフェニル尿素系、C.I.DirectYellow12等のスチルベン系、C.I.DirectRed31等のジナフチルアミン系、C.I.DirectRed81、C.I.DirectViolet9、C.I.DirectBlue78等のJ酸系が挙げられる。
これ以外にも、C.I.DirectYellow8、C.I.DirectYellow28、C.I.DirectYellow86、C.I.DirectYellow87、C.I.DirectYellow142、C.I.DirectOrange26、C.I.DirectOrange39、C.I.DirectOrange72、C.I.DirectOrange106、C.I.DirectOrange107、C.I.DirectRed2、C.I.DirectRed39、C.I.DirectRed83、C.I.DirectRed89、C.I.DirectRed240、C.I.DirectRed242、C.I.DirectRed247、C.I.DirectViolet48、C.I.DirectViolet51、C.I.DirectViolet98、C.I.DirectBlue15、C.I.DirectBlue67、C.I.DirectBlue71、C.I.DirectBlue98、C.I.DirectBlue168、C.I.DirectBlue202、C.I.DirectBlue236、C.I.DirectBlue249、C.I.DirectBlue270、C.I.DirectGreen59、C.I.DirectGreen85、C.I.DirectBrown44、C.I.DirectBrown106、C.I.DirectBrown195、C.I.DirectBrown210、C.I.DirectBrown223、C.I.DirectBrown224、C.I.DirectBlack1、C.I.DirectBlack17、C.I.DirectBlack19、C.I.DirectBlack54等が、更に特開昭62−70802号公報、特開平1−161202号公報、特開平1−172906号公報、特開平1−172907号公報、特開平1−183602号公報、特開平1−248105号公報、特開平1−265205号公報、及び特開平7−261024号公報に記載の二色性染料等が好ましく使用される。各種の色相を有する二色性分子を製造するため、これらの二色性染料は2種以上を配合してもかまわない。二色性染料を用いる場合、特開2002−082222号公報に記載されているように、吸着厚みが4μm以上であってもよい。
フィルム中の該二色性分子の含有量は、少なすぎると偏光度が低く、また、多すぎても単板透過率が低下することから通常、フィルムのマトリックスを構成するポリビニルアルコール系重合体に対して、0.01質量%から5質量%の範囲に調整される。
偏光子の好ましい膜厚としては、5〜40μmが好ましく、10〜30μmがより好ましい。また、特開2002−174727号に記載されているように、偏光子の厚さと後述する保護膜の厚さとの比を、0.01≦A(偏光子膜厚)/B(保護膜膜厚)≦0.8の範囲とすることも好ましい。
<保護フィルムA>
本発明の偏光板を構成する保護フィルムAは、ポリビニルアルコールからなる偏光子に対し、液晶セルに貼り合せる際に、液晶セルとは反対側の面に貼り合せる保護フィルムである。
また、保護フィルムAは、60℃95%RHにおける透湿度が、50g/m・day以上300g/m・day以下となることを特徴とするフィルムであり、更に、25℃80%RHにおける平衡含水率が1.5%以上であることを特徴とするフィルムである。
また、保護フィルムAは、基材層のみからなってもよく、基材層と被覆層とを少なくとも含む構成となってもよいが、透湿性が低く、かつ含水率が1.5%以上であることを両立するため、基材層と被覆層とからなることが好ましい。
また、60℃95%RHにおける透湿度は、60g/m・day以上250g/m・day以下であることがより好ましく、70g/m・day以上200g/m・day以下であることが更に好ましい。
また、25℃80%RHにおける平衡含水率は、1.8%以上であることがより好ましく、2.0%以上であることが更に好ましい。
<<基材層>>
保護フィルムAの基材層としては、透湿性と平衡含水率が所望の範囲内となればよく、その組成としては、セルロース樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、飽和脂環式構造含有重合体樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリエチレン樹脂、等の樹脂を用いることができ、セルロース樹脂、又は飽和脂環式構造含有重合体樹脂からなることが好ましく、セルロース樹脂からなるセルロースアシレートフィルムであることがより好ましい。
[セルロースアシレート系フィルム]
本発明の透明基材フィルムAの基材層としては、光学的に均一なこと、表面が平滑なこと、偏光板を作製する上での二次加工性がよいことから、セルロースアシレート系フィルムが使用されることが好ましい。
本発明に用いられるセルロースアシレートは、炭素数2〜22程度の脂肪族カルボン酸エステル又は芳香族カルボン酸エステルであり、特にセルロースの低級脂肪酸エステルであることが好ましい。
セルロースの低級脂肪酸エステルにおける低級脂肪酸とは、炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味し、例えば、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテートフタレート等や、特開平10−45804号公報、同8−231761号公報、米国特許第2,319,052号等に記載されているようなセルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等の混合脂肪酸エステルが用いられる。或いは、特開2002−179701号公報、特開2002−265639号公報、特開2002−265638号公報に記載の芳香族カルボン酸とセルロースとのエステルも好ましく用いられる。
上記記載の中でも、特に好ましく用いられるセルロースの低級脂肪酸エステルは、セルローストリアセテートと後述するセルロースアセテートプロピオネートである。これらのセルロースエステルは混合して用いることもできる。
セルロースアシレートの置換度(DS)は、セルロースの構成単位(β1→4グリコシド結合しているグルコース)に存在している三つの水酸基がアシル化されている割合を意味する。
置換度は、セルロースの構成単位質量当りの結合脂肪酸量を測定して算出することができる。測定方法は、ASTM−D817−91に準じて実施する。
本発明のセルロースアシレートは、アシル基の疎水性と水酸基の親水性を適度にバランスさせることにより、レターデーションの湿度依存性と寸度安定性を両立させるものである。
すなわち、アシル基中のアルキル鎖が平均的に短かすぎる、及び/又は水酸基比率が高すぎるとレターデーションの湿度依存性は大きくなってしまう。
また、アシル基中のアルキル鎖が平均的に長すぎる、及び/又は水酸基比率が高すぎるとTgが低下し、寸度安定性が悪化してしまう。
したがって、本発明で好ましく用いられるセルローストリアセテートはアセチル化度が2.83以上2.91以下で炭素数3以上の他のアシル基を有しないものが好ましく、アセチル化度は2.84以上2.89以下が更に好ましい。
また、セルローストリアセテート以外で好ましいセルロースエステルは、炭素原子数2〜4のアシル基を置換基として有し、アセチル基の置換度をXとし、プロピオニル基の置換度をYとしたとき、下記数式(a)及び(b)を同時に満たすセルロースエステルである。
2.6≦X+Y≦2.9・・・・・・・・・・・・・数式(a)
0≦X≦2.5・・・・・・・・・・・・・・・・・数式(b)
ここで、上記数式(a)及び(b)を同時に満たすセルロースエステルの中でも、1.9≦X≦2.5、0.1≦Y≦0.9のセルロースアセテートプロピオネート(総アシル基置換度=X+Y)が好ましい。アシル基で置換されていない部分は通常水酸基として存在している。これらは公知の方法で合成することができる。
透明基材フィルムの厚みは、30〜120μmが好ましく、40〜80μmがより好ましい。基材フィルムの厚みが該下限値以上であれば、フィルム強度が弱くなるなどの問題が生じにくく、該上限値以下であれば、質量が増加しすぎて、特に20インチ以上の大型テレビに用いた場合に不利になるなどの弊害が生じにくいので好ましい。
−紫外線吸収剤−
本発明の透明基材フィルム、防湿層、下塗り層、ハードコート層のいずれかに、下記一般式(1)で表される紫外線吸収剤を2種類以上含有することが好ましい。
なお、下記一般式(1)中、R、R、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は一価の有機基を表し、R、R及びRの少なくとも1つは総炭素数4〜20の無置換の分岐又は直鎖のアルキル基を表し、R、R及びRはそれぞれ互いに異なる。
また、該紫外線吸収剤に関する下記数式(c)で表されるオクタノール/水分配係数(以下logP)の平均値(以下平均logP)と、セルロースアシレートのアシル化度DSとが、下記数式(d)の関係を満たすセルロースアシレートフィルムが透明基材フィルムとして用いられることがより好ましい。
ここで、下記数式(c)において、Wは、n番目の紫外線吸収剤の質量分率を表し、(logP)は、n番目の紫外線吸収剤の「logP」を表す。
5.0×DS−6.7≦平均logP≦5.0×DS−5.1・・・・・・数式(d)
本発明に用いられる前記紫外線吸収剤のlogPの平均値は、(5.0×DS−6.7)以上(5.0×DS−5.1)以下であり、(5.0×DS−6.5)以上(5.0×DS−5.2)以下が好ましい。
logPの平均値が大きすぎると、面状が悪化し、logPの平均値が小さすぎると、高温高湿下での紫外線吸収剤の保留性が悪化する。
また、一般式(1)で表される化合物は、330〜360nmの波長範囲に吸収極大を有するものである。
本発明に用いられる紫外線吸収剤は揮散性の観点から分子量が250〜1,000であることが好ましく、260〜800であることがより好ましく、270〜800であることが更に好ましく、300〜800であることが特に好ましい。
これらの分子量の範囲であれば、特定のモノマー構造であってもよいし、そのモノマーユニットが複数結合したオリゴマー構造、ポリマー構造でもよい。
また、紫外線吸収剤は、セルロースアシレートフィルム作製のドープ流延、乾燥の過程で揮散しないことが好ましい。
−−化合物添加量−−
上述の紫外線吸収剤の添加量は、セルロースアシレートに対して、0.01〜10質量%であることが好ましく、0.1〜5質量%であることがより好ましく、0.2〜3質量%であることが更に好ましい。
−−化合物添加の方法−−
また、これら紫外線吸収剤を添加する時期はドープ作製工程中の何れであってもよく、ドープ調製工程の最後に行ってもよい。
次に、一般式(1)で表される紫外線吸収剤について詳しく説明する。
、R、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は一価の有機基を表し、R、R及びRの少なくとも1つは総炭素数4〜20の無置換の分岐又は直鎖のアルキル基を表し、R、R及びRはそれぞれ互いに異なる。
置換基としては、例えばアルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチルなどが挙げられる。)、置換又は未置換のアミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜10、特に好ましくは炭素数0〜6であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノなどが挙げられる。)、
アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜10であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜16、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシルなどが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体的には例えばイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、ピペリジル、モルホリノ、ベンゾオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリルなどが挙げられる。)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは、炭素数3〜24であり、例えば、トリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる)などが挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよい。
また、置換基が二つ以上ある場合は、同じでも異なってもよく、可能な場合には互いに連結して環を形成してもよいが、R、R及びRの少なくとも1つは総炭素数4〜20の無置換の分岐又は直鎖のアルキル基を表し、R、R、及びRはそれぞれ互いに異なる。
及びRとして好ましくは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、置換又は無置換のアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子であり、更に好ましくは水素原子、炭素1〜12アルキル基であり、特に好ましくは炭素数1〜12のアルキル基(好ましくは炭素数4〜12)である。
として好ましくは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、置換又は無置換のアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子であり、更に好ましくは水素原子、炭素1〜12アルキル基であり、特に好ましくは水素原子、メチル基であり、最も好ましくは水素原子である。
及びRとして好ましくは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、置換又は無置換のアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子であり、更に好ましくは水素原子、ハロゲン原子であり、特に好ましくは水素原子、塩素原子である。
以下に、一般式(1)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明は下記具体例に何ら限定されるものではない。
−可塑剤−
本発明の透明基材フィルムに用いることのできる可塑剤としては、例えば多価アルコールエステル系可塑剤、グリコレート系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤等が用いられるが、特に好ましくは多価アルコール系可塑剤、グリコレート系可塑剤である。
また、リン酸エステル系可塑剤の添加量は、フィルムに対して16質量%以下とすることが好ましく、10質量%以下とすることがより好ましく、6質量%以下とすることが更に好ましい。
多価アルコールエステルは2価以上の脂肪族多価アルコールとモノカルボン酸のエステルよりなり、分子内に芳香環又はシクロアルキル環を有することが好ましい。
本発明に用いられる多価アルコールは、次の一般式(2)で表される。
ただし、下記一般式(2)において、Rは、n価の有機基、nは2以上の正の整数、OH基はアルコール性、及び/又はフェノール性水酸基を表す。
上記一般式(2)で示される多価アルコールとしては、例えば、以下のようなものが挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
具体的には、アドニトール、アラビトール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ジブチレングリコール、1,2,4−ブタントリオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ヘキサントリオール、ガラクチトール、マンニトール、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、ピナコール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、キシリトール等が挙げられる。
これらの中でも、特に、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、キシリトールが好ましい。
本発明の多価アルコールエステルに用いられるモノカルボン酸としては、特に制限はなく、公知の脂肪族モノカルボン酸、脂環族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸等が用いられる。脂環族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸を用いると透湿性、保留性を向上させる点で好ましい。
好ましいモノカルボン酸の例としては、以下のようなものが挙げられるが、本発明はこれに限定されるものではない。
脂肪族モノカルボン酸としては、炭素数1〜32の直鎖又は側鎖を有する脂肪酸を好ましく用いられる。炭素数は1〜20であることが更に好ましく、1〜10であることが特に好ましい。酢酸を含有させるとセルロースエステルとの相溶性が増すため好ましく、酢酸と他のモノカルボン酸を混合して用いることも好ましい。
好ましい脂肪族モノカルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、2−エチル−ヘキサンカルボン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸等の飽和脂肪酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸等の不飽和脂肪酸等が挙げられる。
好ましい脂環族モノカルボン酸の例としては、シクロペンタンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロオクタンカルボン酸、又はそれらの誘導体が挙げられる。
好ましい芳香族モノカルボン酸の例としては、安息香酸、トルイル酸等の安息香酸のベンゼン環にアルキル基を導入したもの、ビフェニルカルボン酸、ナフタリンカルボン酸、テトラリンカルボン酸等のベンゼン環を2個以上有する芳香族モノカルボン酸、又はそれらの誘導体が挙げられる。特に安息香酸が好ましい。
多価アルコールエステルの分子量は特に制限はないが、300〜1,500であることが好ましく、350〜750であることがより好ましい。分子量が大きい方が揮発し難くなるため好ましく、透湿性、セルロースエステルとの相溶性の点では小さい方が好ましい。
多価アルコールエステルに用いられるカルボン酸は1種類でもよいし、2種以上の混合であってもよい。また、多価アルコール中のOH基は、全てエステル化してもよいし、一部をOH基のままで残してもよい。
以下に、多価アルコールエステルの具体的化合物を示す。
グリコレート系可塑剤は特に限定されないが、分子内に芳香環又はシクロアルキル環を有するグリコレート系可塑剤を好ましく用いられる。
好ましいグリコレート系可塑剤としては、例えばブチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート等が用いられる。
リン酸エステル系可塑剤では、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェート等、フタル酸エステル系可塑剤では、フタル酸エステル系では、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジベンジルフタレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート等、クエン酸エステル系可塑剤として、トリエチルシトレート、トリ−n−ブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、アセチルトリ−n−ブチルシトレート、アセチルトリ−n−(2−エチルヘキシル)シトレート等が用いられる。
これらの可塑剤は単独あるいは2種以上混合して用いることができる。可塑剤の使用量は、セルロースエステルに対して4〜20質量%が好ましく、6〜16質量%がより好ましく、8〜13質量%が更に好ましい。可塑剤の添加量が多すぎるとフィルムが柔らかくなりすぎるため吸水弾性率が低下し、添加量が少なすぎるとフィルムの透湿性が低下する。
本発明の透明基材フィルムには、前記の可塑剤の他に、基材の耐久性や透湿性、弾性率等のフィルム物性、及び光学特性値を制御する目的で種々の添加剤を使用することができ、例えば、特開2006−30937号公報[0054]〜[0134]、特開2003−12859号公報、特開2002−20410号公報、特開2003−222723号公報[0031]〜[0044]、特開2002−22956号公報[0045]〜[0058]に記載の化合物を使用することができる。
<<被覆層>>
保護フィルムAの被覆層としては、基材層上に積層した場合の60℃95%RHにおける透湿度が50g/m・day以上300g/m・day以下となるように透湿性を低減する効果があれば何でもよく、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール、エチレンポリビニルアルコール共重合体、無機層状化合物を分散させた樹脂成分、シリカ系樹脂層、その他疎水的化合物、などが用いられるが、それぞれを用いた場合について詳しく説明する。
また、本発明で用いる透湿度の値は、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール共重合体、及びこれらの樹脂層に無機層状化合物を分散させた被覆層を有する保護フィルムを測定する場合、基材側からの透湿度の値を用いる。
また、一般にビニルアルコール系樹脂等の水素結合性基の密度が大きい樹脂の場合には、高湿下に樹脂層が直接晒されると分子鎖間の水素結合が水分により阻害されて水蒸気バリア性が著しく低下するため、該樹脂層側からの透湿度の値は本発明記載の範囲に含まれない場合が多いが、基材フィルム側からの透湿度の値が、50g/m・day以上300g/m・day以下の範囲を満たしていれば偏光板の耐湿熱性向上に十分効果を発揮する。
[ポリ塩化ビニリデン樹脂からなる被覆層]
本発明の被覆層は、塩素含有ビニル単量体から誘導される繰り返し単位を含むポリ塩化ビニリデン樹脂(以下塩素含有重合体とも称する)からなることも好ましい。
塩素含有ビニル単量体としては、一般的には、塩化ビニル、塩化ビニリデンが挙げられる。塩素含有重合体は、これら塩化ビニル又は塩化ビニリデン単量体に、これらと共重合可能な単量体を共重合することにより得ることができる。
−塩素含有ビニル単量体と共重合可能な単量体−
共重合可能な単量体としては、オレフィン類、スチレン類、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタアクリルアミド類、イタコン酸ジエステル類、マレイン酸エステル類、フマル酸ジエステル類、N−アルキルマレイミド類、無水マレイン酸、アクリロニトリル、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、ビニルケトン類、ビニル異節環化合物、グリシジルエステル類、不飽和ニトリル類、不飽和カルボン酸類等から選ばれる単量体が挙げられる。
オレフィン類の例としては、ジシクロペンタジエン、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、イソプレン、クロロプレン、ブタジエン、2,3−ジメチルブタジエン等が挙げられる。
スチレン類としては、例えば、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、クロルメチルスチレン、メトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、ブロムスチレン、トリフルオロメチルスチレン、ビニル安息香酸メチルエステルなどが挙げられる。
アクリル酸エステル類及びメタクリル酸エステルの具体例としては、以下のものが挙げられる。
メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、アミルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、t−オクチルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、2−ブトキシエチルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、クロルエチルアクリレート、シアノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ベンジルアクリレート、メトキシベンジルアクリレート、フルフリルアクリレート、フェニルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、シアノアセトキシエチルメタクリレート、クロルベンジルメタクリレート、スルホプロピルメタクリレート、N−エチル−N−フェニルアミノエチルメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、2−(3−フェニルプロピルオキシ)エチルメタクリレート、ジメチルアミノフェノキシエチルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、フェニルメタクリレート、クレジルメタクリレート、ナフチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2,2−ジメチルヒドロキシプロピルアクリレート、5−ヒドロキシペンチルアクリレート、ジエチレングリコールモノアクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、ペンタエリスリトールモノアクリレート、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、5−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ジエチレングリコールモノメタクリレート、トリメチロールプロパンモノメタクリレート、ペンタエリスリトールモノメタクリレート。
ビニルエーテル類の具体例としては、以下のものが挙げられる。
メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、1−メチル−2,2−ジメチルプロピルビニルエーテル、2−エチルブチルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、ブチルアミノエチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニルトリルエーテル、ビニルクロルフェニルエーテル、ビニル−2,4−ジクロルフェニルエーテル、ビニルナフチルエーテル、ビニルアントラニルエーテル。
ビニルエステル類の具体例としては、以下のものが挙げられる。
ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルイソブチレート、ビニルジメチルプロピオネート、ビニルエチルブチレート、ビニルバレレート、ビニルカプロエート、ビニルクロルアセテート、ビニルジクロルアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルブトキシアセトアセテート、ビニルフェニルアセテート、ビニルアセトアセテート、ビニルラクテート、ビニル−β−フェニルブチレート、ビニルシクロヘキシルカルボキシレート、安息香酸ビニル、サリチル酸ビニル、クロル安息香酸ビニル、テトラクロル安息香酸ビニル、ナフトエ酸ビニル。
アクリルアミド類としては、アクリルアミド、メチルアクリルアミド、エチルアクリルアミド、プロピルアクリルアミド、ブチルアクリルアミド、t−ブチルアクリルアミド、シクロヘキシルアクリルアミド、ベンジルアクリルアミド、ヒドロキシメチルアクリルアミド、メトキシエチルアクリルアミド、ジメチルアミノエチルアクリルアミド、フェニルアクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、β−シアノエチルアクリルアミド、N−(2−アセトアセトキシエチル)アクリルアミドなどが挙げられる。
メタクリルアミド類としては、例えば、メタクリルアミド、メチルメタクリルアミド、エチルメタクリルアミド、プロピルメタクリルアミド、ブチルメタクリルアミド、t−ブチルメタクリルアミド、シクロヘキシルメタクリルアミド、ベンジルメタクリルアミド、ヒドロキシメチルメタクリルアミド、メトキシエチルメタクリルアミド、ジメチルアミノエチルメタクリルアミド、フェニルメタクリルアミド、ジメチルメタクリルアミド、ジエチルメタクリルアミド、β−シアノエチルメタクリルアミド、N−(2−アセトアセトキシエチル)メタクリルアミドなどが挙げられる。
また、ヒドロキシル基を有するアクリルアミド類も用いることができ、これらの例としては、N−ヒドロキシメチル−N−(1,1−ジメチル−3−オキソ−ブチル)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−エチル−N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチロールアクリルアミド、N−エタノールアクリルアミド、N−プロパノールアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド等が挙げられる。
イタコン酸ジエステル類としては、例えば、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチルなどが挙げられる。マレイン酸ジエステル類としては、例えば、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチルなどが挙げられる。
フマル酸ジエステル類としては、例えば、フマル酸ジエチル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジブチルなどが挙げられる。
ビニルケトン類としては、例えば、メチルビニルケトン、フェニルビニルケトン、メトキシエチルビニルケトンなどが挙げられる。
ビニル異節環化合物としては、例えば、ビニルピリジン、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルオキサゾリドン、N−ビニルトリアゾール、N−ビニルピロリドンなどが挙げられる。
グリシジルエステル類としては、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどが挙げられる。
不飽和ニトリル類としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられる。
N−アルキルマレイミド類としては、N−エチルマレイミド、N−ブチルマレイミド等が挙げられる。
不飽和カルボン酸類としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸等が挙げられ、更に、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸等の無水物等が挙げられる。これら共重合可能な単量体は2種類以上用いてもよい。
本発明における塩素含有重合体としては、特開昭53−58553号公報、特開昭55−43185号公報、特開昭57−139109号公報、特開昭57−139136号公報、特開昭60−235818号公報、特開昭61−108650号公報、特開昭62−256871号公報、特開昭62−280207号公報、特開昭63−256665号公報などに記載がある。
塩素含有重合体における、塩素含有ビニル単量体の割合は、50〜99質量%が好ましく、60〜98質量%がより好ましく、70〜97質量%が更に好ましい。塩素含有ビニル単量体の割合が50%以上であれば、透湿性が悪化するなどの不具合が生じなく、また99%以下であれば、種々の溶剤への溶解性が得られるので好ましい。
塩素含有重合体は、旭化成ケミカルズ(株)、呉羽化学(株)から入手できる。旭化成ケミカルズ(株)から入手可能なものとしては以下のものが挙げられる。
「サランレジンR241C」、「サランレジンF216」、「サランレジンR204」、「サランラテックスL502」、「サランラテックスL529B」、「サランラテックスL536B」、「サランラテックスL544D」、「サランラテックスL549B」、「サランラテックスL551B」、「サランラテックスL557」、「サランラテックスL561A」、「サランラテックスL116A」、「サランラテックスL411A」、「サランラテックスL120」、「サランラテックスL123D」、「サランラテックスL106C」、「サランラテックスL131A」、「サランラテックスL111」、「サランラテックスL232A」、「サランラテックスL321B」。
被覆層の厚みは、1〜10μmの厚さが好ましく、2〜9μmの厚さがより好ましく、3〜8μmの厚みが更に好ましい。厚みが1μm以下であると防湿性が劣り、逆に厚みが10μm以上であると、脆い膜になってしまったり、着色し易くなるなど保護フィルムとして適していない。
また、被覆層のヘイズは、5%以下であることが好ましく、3%以下であることがより好ましく、1%以下であることが更に好ましい。表面ヘイズと内部ヘイズの比は任意でよいが、表面ヘイズは1%以下であることがより好ましい。
本発明の被覆層は、ウエット塗布されるケースが多いため、特に塗布組成物に用いる溶媒は重要な要因となる。要件としては、上記の溶質を充分に溶解すること、塗布〜乾燥過程で塗布ムラ、乾燥ムラを発生しにくいことが挙げられる。
また、透明基材フィルムの溶解性が高すぎないこと(平面性悪化、白化等の故障防止に必要)、逆に最低限の程度には支持体(基材層)を溶解・膨潤させること(密着性に必要)、等も好ましい特性である。溶剤は1種でもよいが、2種以上の溶剤を用いて、支持体の溶解性、膨潤性、素材の溶解性、乾燥特性、粒子の凝集性などを調整することが特に好ましい。
透明支持体の膨潤性の低い主溶媒に対して、膨潤性の高い少量溶媒を添加することにより、他の性能、面状を悪化させることなく、透明支持体との密着性を向上させることができる。
塗布液は、ケトン系、アルコール系、エステル系、エーテル系等の有機溶媒を含有していてもよい。好ましい有機溶媒としては、テトラヒドロフラン、ケトン類(メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、酢酸エチル、酢酸ブチルである。トルエン等のBTX類も好ましく用いられる。
本発明では、塩素含有重合体が塩化ビニリデンである場合はテトラヒドロフランを主溶剤にもちいることが好ましい。また、塩化ビニリデンの共重合体を選択することで、トルエン、ケトン系溶剤などに溶解可能とし、テトラヒドロフランを用いずに、トルエン、ケトン系溶剤などをもちいることは更に好ましい。また、テトラヒドロフランに溶質が溶解する範囲で上記溶媒を添加することも好ましく用いられる。
また、塩素含有重合体がラテックス分散物として供給される場合は、主溶剤としては水が好ましく用いられる。ラテックス分散物の場合は、界面活性剤や増粘剤などが併用されることが好ましい。
塩素含有重合体を含む被覆層を透明基材フィルム上に塗布する場合に、耐ブロッキング性の改良のため、サイリシア(富士シリシア製)、ミズカシール(水澤化学工業製)、二ップシール(日本シリカ工業製)などのシリカ粉末を、塩素含有重合体に対して0.2〜1.0部添加したり、パラフィンワックス(日本精蝋製)、ベヘニン酸(日本油脂製)、ステアリン酸(日本油脂製)などのワックスエマルジョンを0.2〜5.0部添加して用いることも好ましい。また特開平9−143419公報の段落[0012]〜[0016]記載のように変性ワックスも好ましく用いられる。
塩素含有重合体は、熱、光、紫外線によって分解され、着色するため、安定剤として、鉛、亜鉛、バリウムなどのステアリン酸や銀塩類、酸化マグネシウムなどが共に用いられることが好ましい。また、特開2004−359819公報の段落[0013]〜[0020]記載のような酸化防止剤を用いてもよい。
更に、塩素含有重合体を含む被覆層と透明基材フィルムや、他層との密着性を高くするために、コロネートL(日本ポリウレタン製)、タケネートA−3(武田薬品工業)などのイソシアネート系接着剤を塩素含有重合体に対して、0.1〜1.0部添加することも好ましく用いられる。
本発明の被覆層として、前記塩素含有樹脂層からなる被覆層のほか、下記(1)〜(5)に記載の樹脂層からなる被覆層を使用することも好ましい。
(1)ビニルアルコール系重合体からなる樹脂、又は、ビニルアルコール系重合体組成物中に無機層状化合物を含有する樹脂より形成された被覆層
(1−1)ビニルアルコール系重合体
被覆層を構成するビニルアルコール系重合体としては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)などの単独重合体や、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、などが例示できる。また、これらのビニルアルコール系重合体は、その一部がカルボニル変性、シラノール変性、エポキシ変性、アセトアセチル変性、アミノ変性又はアンモニウム変性されたものを用いてもよく、その一部にジアセトンアクリルアミド単位等を含む共重合体を用いてもよい。また、各種のビニルアルコール系重合体を単独で又は二種以上組み合わせて使用することもできる。
ビニルアルコール系重合体の鹸化度は、80モル%以上の範囲から選択できるが、96モル%以上が好ましく、99モル%以上がより好ましい。ビニルアルコール系重合体の重合度は、透湿度、塗布性の点から、200〜5,000が好ましく、400〜5,000がより好ましく、500〜3,000程度が更に好ましい。
(1−2)その他の成分
本発明においては、樹脂組成物の成分として、ビニルアルコール系重合体及び後述する層状無機化合物に更にビニルアルコール系重合体の架橋剤を添加することができ、これにより接着層の耐水性を向上させることができる。
この目的に使用できる架橋剤としては、特に制限なく、公知のいずれの架橋剤も好ましく使用することができる。
架橋剤の例としては、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリアミドポリ尿素、ジメチロール尿素、ジメチロールメラミン、多価エポキシ化合物、ジアルデヒド化合物、多価イソシアネート樹脂、アジリジン化合物、ポリアミドアミンエピクロルヒドリン化合物、活性化ビニル化合物、ジカーボネート化合物、ヒドラジノ基含有化合物(他価カルボン酸ポリヒドラジド化合物)、コロイダルシリカ、ジルコニウム塩、多価金属塩、ホウ酸、リン酸、ポリアクリル酸、ジカルボン酸、アジピン酸無水物、コハク酸無水物、テトライソプロピルチタネート、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトン)チタネートなどのチタン化合物等を挙げることができ、このほか、3−グリシドプロピルメトキシシラン等のカップリング剤、パーオキサイド等のラジカル発生剤等の使用も可能である。また、架橋反応を促進するための触媒やその他の添加剤を加えることも可能である。
架橋剤の添加量は、(架橋剤/(ビニルアルコール系重合体+架橋剤))で0.5質量%以上であることが好ましく、1質量%以上がより好ましく、2質量%以上が特に好ましい。
PVA系重合体と架橋剤の両者に対する架橋剤の質量比率が0.5質量%未満の場合には、架橋剤を添加したことにより効果が発現しない。
また、ビニルアルコール系重合体と架橋剤の両者に対する架橋剤の質量比率は50質量%以下であることが好ましく、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下が特に好ましい。アルデヒド系化合物などの架橋剤の中には熱により黄色に変色するものもあるため、このような架橋剤についてはその添加量を小さくして変色を許容範囲内に抑制することが必要となる。
(1−3)被覆層の形成
ビニルアルコール系重合体、又は、ビニルアルコール系重合体と無機層状化合物からなる被覆層は、後述の塗布方式を用い透明機材フィルム上に形成することができる。この際、製膜時に塗工装置に対する液の粘度特性を最適とするために、増粘剤などの粘度調整剤を塗工液に添加して、塗布液の液粘度を調整する方法も用いることもできる。
また、被覆層の防湿性、耐水性をより向上させるために、セルロースアシレート類基板上に被覆層を塗布後、樹脂層を90℃以上、150℃以下で数分間熱処理することが好ましく、130℃以上150℃以下で加熱するのがより好ましい。熱処理時間は、生産性と耐水性の点から、1分以上20分以下が好ましく、5分以上15分以下がより好ましい。また、樹脂層とセルロースアシレート基板との密着性の点からセルロースアシレートを予め鹸化処理しておくことが好ましい。
(1−4)被覆層の厚み、ヘイズ、表面粗さ
被覆層の厚みは、1〜30μmの範囲が好ましく、3〜20μm程度がより好ましい。
また、作製した樹脂層のヘイズ値は、30%以下が好ましく、10%以下がより好ましく、8%以下が更に好ましい。
また、内部ヘイズ値は、10%以下が好ましく、5%以下がより好ましく、1%以下が更に好ましい。
また、表面の算術平均粗さRaは、0.2以下が好ましく、二乗平方根粗さRqは、0.2以下が好ましく、十点平均粗さRzjisは、1.5以下であることが好ましい。
(1−5)構成
上記被覆層は、偏光板構成図である図2A〜Dに示されている様に、偏光子と透明基材フィルムとの間、又は、偏光子とは透明基材フィルムを挟んで逆側に設けることができる。
また、これら両方の側に設けることもできるが、偏光板加工時の生産性や、ハードコート層の塗布性等の観点から、偏光子と透明基材フィルムとの間に該樹脂層を設けた場合がより好適に用いられる。但し、偏光子とは透明基材フィルムを挟んで逆側に該樹脂層を設けた場合にも、偏光板加工時の生産性を低下させる事は無く、また、該樹脂層上に下記記載の易接着層を設けることによって、その上に更にハードコート性を有する層等を設ける事が可能である。
(2)シリカ系塗布膜より形成された被覆層
本発明で用いるシリカ系塗布膜は、セルロースアシレート類からなる透明基材フィルムの少なくとも片面に設けられ、目的の透湿度を達成し、かつ、保護フィルムとしての実用に耐えるため、緻密性と柔軟性を両立する必要がある。
したがって、アルコキシシランに触媒、水を添加して加水分解縮合して作られる加水分解物であるシリカ膜のみでは、柔軟性が不十分で本発明には適さず、本発明ではアルコキキシランからなる化合物と、水酸基又はアルコキシル基と反応する官能基を有する化合物及び/又はシランカップリング剤を含有する塗布膜が好ましく用いられ、アルコキキシランからなる化合物と、水酸基又はアルコキシル基と反応する官能基を有する化合物とシランカップリング剤を全て含有するのが特に好ましい。
(2−1)アルコキシシランからなる化合物
本発明で用いられるアルコキシシランからなる化合物としては、例えば、下記一般式(1)で表される。なお、下記一般式(3)中、Rは水素原子、アルキル基又はアシル基を示し、Rは水素原子、アルキル基、芳香族基を示し、nは2〜4の数を示す。
上記一般式(3)において、Rで示されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等を挙げることができ、アシル基としてはアセチル基、プロピオニル基等が挙げられる。この中でもメチル基、エチル基、プロピル基が特に好ましく、最も好ましくはエチル基である。nは2〜4が好ましく、3〜4がより好ましく、4が更に好ましい。
したがって、テトラアルコキシシランが好ましく、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシランが特に好ましく、テトラエトキシシランが特に好ましい。nが2及び3の場合は、Rで示されるアルキル基としては、炭素数1〜18、好ましくは1〜5のアルキル基等を挙げることができ、芳香族基としてはフェニル基等が挙げられる。
(2−2)水酸基又はアルコキシル基と反応する官能基を有する化合物
本発明では、水酸基又はアルコキシ基と反応する官能基を有する化合物が用いられる。
水酸基又はアルコキシル基と反応する官能基を有するモノマー、オリゴマー、ポリマーがより好ましく用いられ、水酸基又はアルコキシル基と反応する官能基をもつものであれば特に制限されることなく用いることができる。
例えば、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂のなかから選ばれる熱硬化性、電離硬化性、又は湿気硬化性の樹脂等が用いられる水酸基を有するモノマー、オリゴマー、ポリマーがより好ましく、水酸基を有するポリマーが特に好ましく、ビニルアルコール系重合体、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)の単独重合体や、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)が更に好ましく用いられ、ポリビニルアルコール(PVA)の単独重合体が特に好ましく用いられる。
また、これらのビニルアルコール系重合体の一部がカルボニル基等で変性されたものや、その一部にジアセトンアクリルアミド単位等を含む共重合体などを用いることも可能である。また、各種のビニルアルコール系重合体を単独で又は二種以上組み合わせて使用することもできる。
水酸基又はアルコキシル基と反応する官能基を有する化合物として好ましく用いられるビニルアルコール系重合体としては、ビニルアルコール系重合体の鹸化度は、80モル%以上の範囲から選択できるが、96モル%以上が好ましく、98モル%以上がより好ましい。ビニルアルコール系重合体の重合度は、透湿度、塗布性の点から、200〜5,000が好ましく、400〜5,000がより好ましく、500〜3,000程度が更に好ましい。
(2−3)シランカップリング剤
本発明では、シランカップリング剤が用いられる。シランカップリング剤としては、末端にアルコキシシランを有する化合物であれば特に制限されないが、同時にビニル基、エポキシ基、アクリル基又はメタクリル基、アミン基、メルカプト基、水酸基、イソシアネート基、カルボキシル基、酸無水物基を有するものがより好ましく、エポキシ基、アミン基、アクリル基又はメタクリル基を有するものが更により好ましい。
ビニル基を有するシランカップリング剤としては、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン等が好ましく用いられる。
エポキシ基を有するシランカップリング剤としては、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等が好ましく用いられる。
アクリル基又はメタクリル基を有するシランカップリング剤としては、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等が好ましく用いられる。
アミン基を有するシランカップリング剤としては、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等が好ましく用いられる。
メルカプト基を有するシランカップリング剤としては、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等が好ましく用いられる。
イソシアネート基を有するシランカップリング剤としては、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等が好ましく用いられる。
本発明において、シランカップリング剤は、水酸基又はアルコキシル基と反応する官能基を有する化合物と同時に用いられる場合があるため、水酸基又はアルコキシル基と反応する官能基を有する化合物と架橋するためにはエポキシ基を有するシランカップリング剤を用いるのが好ましい。
また、本発明において、シランカップリング剤は、アルコキシシランからなる化合物と同時に用いられるため、アルコキシシランの脱水重縮合の反応速度を上げるという観点からはアミン基を有するシランカップリング剤を用いるのが好ましい。
また、本発明では被覆層の上にハードコート性を有する層を設けることが好ましく、ハードコート性を有する層との層間密着を向上させるためには、アクリル基又はメタクリル基を有するシランカップリング剤を用いるのが特に好ましい。
本発明で用いることができるシランカップリング剤のもう1つの好ましい態様は両末端にアルコキシシランを有するシランカップリング剤である。
両末端にアルコキシシランを有するシランカップリング剤は、アルコキシシランからなる化合物との架橋ができる点で望ましく、化合物の例としては、特開2000−326448に記載の有機鎖含有両末端官能性シランモノマーなどが好ましく用いられる。
本発明では、シランカップリング剤の加水分解物、シランカップリング剤の加水分解物の部分縮合物も好ましく用いられる。本発明でシランカップリング剤という場合は、シランカップリング剤の加水分解物、シランカップリング剤の加水分解物の部分縮合物を含むこととする。
エポキシ基、アミン基、アクリル基、又はメタクリル基を有するシランカップリング剤はそれぞれ単独で用いてもよいが、2種以上を併用することがより好ましく、3種を併用することが特に好ましい。反応速度を上げるための重縮合触媒として有機溶媒に可溶な第3アミンなどを用い、エポキシ基を有するシランカップリング剤とアクリル基又はメタクリル基を有するシランカップリング剤の2種を同時に用いるのが更に好ましい。
アルコキキシランからなる化合物と水酸基又はアルコキシル基と反応する官能基を有する化合物とシランカップリング剤の含有率をそれぞれa質量%、b質量%、c質量%としたとき(この場合アルコキキシランからなる化合物の含有率は理想的に縮合した場合の重縮合後の計算値より算出する)、アルコキキシランからなる化合物と水酸基又はアルコキシル基と反応する官能基を有する化合物の2種を用いる場合は、a/bは10/90〜90/10が好ましく、20/80〜80/20がより好ましく、40/60〜80/20が特に好ましい。アルコキキシランからなる化合物とシランカップリング剤の2種を用いる場合は、a/bは40/60〜95/5が好ましく、50/50〜90/10がより好ましい。
アルコキキシランからなる化合物と水酸基又はアルコキシル基と反応する官能基を有する化合物とシランカップリング剤の3種類を同時に用いる場合はa/(b+c)は、10/90〜90/10が好ましく、20/80〜80/20がより好ましく、40/60〜80/20が特に好ましい。その場合のb/cは、10/90〜90/10が好ましく、20/80〜80/20がより好ましく、40/60〜80/20が更に好ましい。
(2−4)その他の成分
本発明では、上記の如くアルコキキシランからなる化合物の重縮合反応を進めるために、触媒、水が用いられる。
硬化触媒としては塩酸、硝酸、酢酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸等の酸、有機溶媒に可溶なN,N−ジメチルベンジルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミンなどの第3アミン、有機金属、金属アルコキシド等が用いられる。
添加量は、アルコキキシランからなる化合物100質量部に対して1〜10質量%が好ましく、1〜5質量部が更に好ましい。
また、水添加については部分加水分解物が理論上100%加水分解し得る量以上の量が好ましく、110〜300%相当量がより好ましく。120〜200%相当量を添加するのが更に好ましい。
更に本発明では、必要に応じて被覆層中に紫外線吸収剤を含有することもできる。
また、アクリル基又はメタクリル基を有するシランカップリング剤を用いる場合は、後述のハードコート層の項に記載の光開始剤をシランカップリング剤含有量の0.5〜5質量%程度含有することも好ましい。
(2−5)塗布溶媒
本発明の被覆層としてのシリカ系の塗布膜を形成するための塗布組成物の溶媒としては、水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブタノール、オクタノールを1種又は2種以上混合して使用するのが好ましい。溶媒量は固形分濃度が15〜60質量%になるように調整するのが好ましい。
(2−6)ポリシラザン
本発明の被覆層としてのシリカ系の塗布膜のもう1つの好ましい素材としては、ポリシラザンを含有する塗布組成物の硬化物が挙げられ、用いられるポリシラザンとしては特開平11−240103に記載の段落番号0097から0104に記載されたポリシラザンが好ましく挙げられる。ポリシラザン単体で用いることも可能であるが、前述のアルコキキシランからなる化合物の代りに用いることも可能である。
(2−7)基材との密着性
本発明の被覆膜としてシリカ系の塗布膜を用いる場合は、透明基材フィルムとの密着性が課題となる。密着性を向上させるためには、透明基材フィルム上に後述の下塗り層を設けてからその上にシリカ系塗布膜を形成することも好ましく用いられるが、層数が増えることによる、生産性減少、コスト増加、層厚増加などの問題が生じるため、本発明においては基材フィルムの片面又は両面に、親水化処理、凹凸処理などの前処置を施すのがより好ましい。
前処理としては、コロナ放電処理、グロー放電処理、クロム酸処理(湿式)、鹸化処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理等が挙げられるが、コロナ放電処理、グロー放電処理、鹸化処理(湿式)が特に好ましく、鹸化処理が更に好ましい。
(2−8)ハードコート層との密着性
本発明の被覆膜としてシリカ系の塗布膜を用いる場合は、ハードコート層との密着性がもう1つの課題となる。ハードコートとの密着性を向上させるために有効な手段の1つはシリカ系塗布膜及び/又はハードコート層にシランカップリング剤を含有することを含有させることが好ましく、シリカ系塗布膜にシランカップリング剤を含有させることがより好ましく、シリカ系塗布膜及びハードコート層の両方に同じ官能基を有するシランカップリング剤を含有させることが更に好ましい。
ハードコート層の樹脂成分には、一般に多官能アクリレート又はメタクリレートモノマー、オリゴマー、ポリマーを用いることが多いため、シランカップリング剤がアクリル基又はメタクリル基を有するシランカップリング剤であることが更に好ましい。
本発明の被覆膜としてシリカ系の塗布膜を用いる場合のハードコート層との密着性を向上させるもう1つの好ましい手段は、被覆層とハードコート層の間に中間層を設けることである。
密着層としては後述の下塗り層を設けることができるが、シランカップリング剤を含有する層を設けることが好ましく、アクリル基又はメタクリル基を有するシランカップリング剤を含有する層を設けることがより好ましく、シランカップリング剤と多官能の多官能アクリレート又はメタクリレートモノマー、オリゴマー、ポリマーを同時に含有する層を設けることが更に好ましい。
シランカップリング剤を含有する層を設ける場合は、シランカップリング剤の加水分解物、シランカップリング剤の加水分解物の部分縮合物が特に好ましい。中間層の膜厚は0.05〜2μmが好ましい。
(2−9)被覆層の厚み
本発明の被覆膜としてシリカ系の塗布膜を用いる場合の被覆層の厚みは0.2〜10μmの厚さが好ましく、0.3〜5μmの厚さがより好ましく、0.4〜2μmの厚みが更に好ましい。厚みが0.2μm以下であると防湿性が劣り、逆に厚みが10μm以上であると、脆い膜になってしまったり、カールが強くなるなど保護フィルムとして適していない。被覆層のヘイズは、5%以下であることが好ましく、3%以下であることがより好ましく、1%以下であることが更に好ましい。表面ヘイズと内部ヘイズの比は任意でよいが、表面ヘイズは1%以下であることがより好ましい。
(2−10)構成
本発明の被覆膜としてシリカ系の塗布膜を用いる場合の、偏光板構成図である図2A〜Dに示されている様に、偏光子と透明基材フィルムとの間、又は、偏光子とは透明基材フィルムを挟んで逆側に設けることができる。
また、これら両方の側に設けることもできるが、図2A、及び図2Bのように、偏光子とは透明基材フィルムを挟んで逆側に設ける方が、偏光子との密着性、偏光板の加工適性の面で好ましい。
図2Bのようにハードコート層を表面に有する構成が、耐擦傷性、被覆層へのクラックの入りにくさの観点から特に好ましい。
(3)疎水的な化合物からなる被覆層
(3−1)疎水的な化合物
本発明の低透湿性を有する被覆層は、層を構成するマトリクスの主成分を疎水的な化合物から構成することにより形成することができる。
疎水的な化合物を主成分とする疎水性層を形成することにより、特に水分子の膜表面への吸着、膜中への溶解、膜中の通過、を抑制することができ、透湿性を低減することができる。
また、更にマトリクスを形成する化合物間の分子間相互作用やその他の相互作用を大きくするか、又は架橋をより緻密に行うことで、マトリクス分子の膜中での運動の自由度を低減し、透湿性を更に低減することができる。
これらの目的を達成する疎水的なマトリクスを構成するバインダー系としては、疎水的モノマーからなる系、疎水的モノマーと多官能モノマー(架橋剤)からなる系、疎水的ポリマーの系、疎水的ポリマーと架橋剤からなる系、等が挙げられる。更に化合物間の相互作用が大きいバインダーとしては、液晶性モノマーの系、液晶性モノマーと架橋剤からなる系、液晶性ポリマー、液晶性ポリマーと架橋剤からなる系等が挙げられる。
これらのバインダーとしては、疎水性と溶解性や製膜性等の取り扱い性の観点でlogP値が1.0以上12.0以下であることが好ましく、2.0以上11.5以下であることがより好ましく、3.0以上11.0以下であることが更に好ましい。
(3−2)logP値
オクタノール−水分配係数(logP値)の測定は、JIS日本工業規格Z7260−107(2000)に記載のフラスコ浸とう法により実施することができる。
また、オクタノール−水分配係数(logP値)は実測に代わって、計算化学的手法あるいは経験的方法により見積もることも可能である。
計算方法としては、Crippen’s fragmentation法(J.Chem.Inf.Comput.Sci.,27,21(1987))、Viswanadhan’s fragmentation法(J.Chem.Inf.Comput.Sci.,29,163(1989))、Broto’s fragmentation法(Eur.J.Med.Chem.−Chim.Theor.,19,71(1984))などが好ましく用いられるが、Crippen’s fragmentation法(J.Chem.Inf.Comput.Sci.,27,21(1987))がより好ましい。
ある化合物のlogPの値が測定方法あるいは計算方法により異なる場合に、該化合物が本発明の範囲内であるかどうかは、Crippen’s fragmentation法により判断することが好ましい。
疎水的モノマーとしては、具体的にはフッ素系モノマー、シクロオレフィン系モノマー、芳香族を含有するモノマー等を使用することができる。
フッ素系モノマーとしては、後述する架橋性若しくは重合性の官能基を有する含フッ素化合物、特開平9−5519に記載の化合物、特開2000−159840に記載の化合物、等を使用することができる。
また、シクロオレフィン系モノマーとしては、例えば特開2006−83225、特開平5−51542、特開平6−313056、特開平6−340849に記載の化合物を使用することができる。
また、疎水的ポリマーとしては、具体的にはフッ素系のポリマー、シクロオレフィン系ポリマー、芳香族を含有するポリマー等を使用することができ、フッ素系のポリマーとしては、特公昭63−18964に記載の化合物、特開平7−70107に記載の化合物、Reports Res. Lab. Asahi Glass Co., Ltd., 55(2005) P47〜51に記載の化合物、を使用することができる。
また、シクロオレフィン系ポリマーとしては、特開平7−228673、特開平8−259784等に記載の樹脂組成物等を使用することができる。
本発明の疎水性層には、前記疎水性のバインダー(モノマー、ポリマー)に加えて、膜の緻密性を向上し、透湿性の低減、及び脆性やカール等の膜物性をより向上させる目的で、多官能の重合性モノマー、又は架橋性モノマーを併用することができる。
併用できるモノマーとしては、後述の[ハードコート層]において記載されている多官能モノマーや多官能オリゴマー等を使用することができる。
本発明の前記疎水性層の主成分が、モノマーや重合性の化合物の場合は、重合により硬化し製膜することができる。
この場合に使用する重合開始剤としては、後述の光開始剤を使用することができる。
重合開始剤を使用する場合は、重合開始剤の使用量としては、モノマーや重合性の化合物に対して、0.01〜10.0質量%の範囲で使用することが好ましく、0.1〜7.0質量%の範囲であることがより好ましく、0.5〜5.0質量%の範囲であることが更に好ましい。
−−光開始剤−−
光開始剤(光ラジカル重合開始剤)としては、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類(特開2001−139663号等)、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類、芳香族スルホニウム類、ロフィンダイマー類、オニウム塩類、ボレート塩類、活性エステル類、活性ハロゲン類、無機錯体、クマリン類などが挙げられる。
これらの開始剤は単独でも混合して用いてもよい。
「最新UV硬化技術」,(株)技術情報協会,1991年,p.159、及び、「紫外線硬化システム」 加藤清視著、平成元年、総合技術センター発行、p.65〜148にも種々の例が記載されており本発明に有用である。
市販の光ラジカル重合開始剤としては、日本化薬(株)製のKAYACURE(DETX−S,BP−100,BDMK,CTX,BMS,2−EAQ,ABQ,CPTX,EPD,ITX,QTX,BTC,MCAなど)、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製のイルガキュア(651,184,500,819,907,369,1173,1870,2959,4265,4263など)、サートマー社製のEsacure(KIP100F,KB1,EB3,BP,X33,KT046,KT37,KIP150,TZT)等及びそれらの組み合わせが好ましい例として挙げられる。
光重合開始剤は、多官能モノマー100質量部に対して、0.1〜15質量部の範囲で使用することが好ましく、1〜10質量部の範囲がより好ましい。
以上は有機溶媒系塗布での疎水性バインダーであるが、水系塗布用の素材として、特開2003−165188に記載の水分散性ポリエステル等を使用することもできる。
(3−3)疎水性層の厚み、ヘイズ
本発明における疎水性層の厚みは、透湿性を低減する効果と、脆性やカール等の膜物性、及び生産性とコストの観点から、0.5μm以上40μm以下であることが好ましく、1.0μm以上30μm以下であることがより好ましく、2.0μm以上25μm以下であることが更に好ましい。
また、本発明における疎水性層のヘイズは、光学フィルムとして取り扱うことから低いほうがよく、5.0%以下であることが好ましく、3.0%以下であることがより好ましく、1.0%以下であることが更に好ましい。但し、後述するハードコート層、又は防眩層を兼ねる場合は、それぞれ後述する記載の範囲となることが好ましい。
(3−4)混合領域の形成
本発明の疎水性層においては、透湿性の低減と膜の強度や耐久性の維持のために親水的なセルロース系の基材フィルムと疎水的な化合物からなる疎水性層との密着性を確保する目的で、疎水性層とセルロース系の基材フィルムとの界面において、両者の樹脂が混合した混合領域を形成することが好ましい。混合領域を形成することで干渉ムラを抑制でき、かつ通常は相溶性の低い親水性の基材フィルムと疎水性層との密着性を確保して透湿性の低減と膜の強度や耐久性を維持することができる。
混合領域の層の厚みとしては、0.2〜10μmの範囲にあることが好ましく、0.3〜7μmがより好ましく、0.5〜5μmが更に好ましい。混合領域の層の厚さがこの範囲より小さいと干渉ムラの抑制効果と密着性への効果が小さく、この範囲より大きいと、透湿性を低減する効果が目減りする傾向がある。
混合領域の層の厚さは、反射防止フィルムの断面を、ミクロトームを用いて切削し、断面から走査型電子顕微鏡(日立製作所製、S−570)を用いて反射電子モードで観察し、撮影された写真より混合領域の層の厚さを求めることができる。
本発明においては、疎水性層を形成するための塗布液の溶剤として、前記の混合領域を形成する為に、支持体を溶解又は膨潤させる性質を持った溶剤を選択する必要がある。
これは、塗布液にそのような溶剤を用いれば、塗布直後から支持体を溶解あるいは膨潤しつつ疎水性層を形成する為に、基材フィルムと疎水性層の界面が不明確になると同時に、疎水性層の樹脂成分と基材フィルムの樹脂成分が混合した領域の層が形成される。
また、疎水性層の透湿度を低減する機能を維持するため、基材フィルム(例えばトリアセチルセルロース支持体)を溶解しない溶剤を、少なくとも一種類以上混合するのが好ましく、基材フィルムを溶解する溶剤のうちの少なくとも一種類が、基材フィルムを溶解しない溶剤のうちの少なくとも一種類よりも高沸点であることがより好ましい。
また、本発明の疎水性層の主成分は、疎水性な化合物であることから、基材フィルムを溶解又は膨潤させる溶剤への溶解性は十分でないことが考えられる。このため、基材フィルムを溶解又は膨潤する溶剤か、もしくは溶解しない溶剤のうち少なくとも一方の溶剤が、本発明の疎水性化合物の溶解性が十分な溶剤であることが好ましい。この場合、特にフッ素系のバインダーに対しては、フッ素系の溶剤を好ましく用いることもできる。
支持体がセルロースアシレートフィルムの場合、前記の支持体を溶解又は膨潤させる性質を持った溶剤としては、以下が挙げられる。
炭素子数が3〜12のエーテル類:具体的には、ジブチルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、1,3,5−トリオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール及びフェネトール等、
炭素数が3〜12のケトン類:具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、及びメチルシクロヘキサノン等、
炭素数が3〜12のエステル類:具体的には、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸n−ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン醸エチル、酢酸n−ペンチル、及びγ−ブチロラクトン等、
2種類以上の官能基を有する有機溶媒:具体的には、2−メトキシ酢酸メチル、2−エトキシ酢酸メチル、2−エトキシ酢酸エチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシエタノール、2−プロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、1,2−ジアセトキシアセトン、アセチルアセトン、ジアセトンアルコール、アセト酢酸メチル、及びアセト酢酸エチル等
含塩素系溶剤:メチレンクロライド、クロロホルム、
これらは1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。基材フィルムを溶解する溶剤としてはケトン系溶剤が好ましく、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンが特に好ましい。
基材フィルム(好ましくはトリアセチルセルロース)を溶解しない溶剤として、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、2−メチル−2−ブタノール、シクロヘキサノール、酢酸イソブチル、メチルイソブチルケトン、2−オクタノン、2−ペンタノン、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ペンタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、トルエンが挙げられる。
これらは1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、フッ素系のバインダーを溶解するその他の溶剤としては、パーフルオロペンタン、パーフルオロプロパン、パーフルオルヘキサン、パーフルオロメタノール、パーフルオルエタノール、等の含フッ素溶剤が挙げられる。
基材フィルムを溶解する溶剤の総量(A)と基材フィルムを溶解しない溶剤の総量(B)の質量割合(A/B)は、10/90〜100/0が好ましく、20/80〜100/0がより好ましく、30/70〜100/0が更に好ましい。
(3−5)他層との密着性
本発明における疎水性層は、後述する構成例で使用されるように、更にハードコート層、防眩層、反射防止層を積層することが好ましく、そのため他層との密着性を保持することがより好ましい。この場合、疎水性層上に直接形成することもできるが、別の方法としては後述する[下塗り層]と同様の層を別に設けることで、密着性と低透湿性を両立することができる。
(3−6)構成
本発明における疎水性層による低透湿層の構成は、偏光板構成図である図2A〜Dに示されている様に、偏光子と基材フィルムとの間、又は、偏光子とは基材フィルムを挟んで逆側に設けることができる。
また、これら両方の側に設けることもできるが、図2A、及び図2Bのように、偏光子とは基材フィルムを挟んで逆側に設ける方が、偏光子との密着性、偏光板の加工適性の面で好ましい。
また、本発明における疎水性層は、ハードコート層を兼ねてもよい。この場合、膜の性能としては、別項目に記載のハードコート層の性能と同等であればよい。
(4)親水性の多官能性化合物と架橋剤を用いた被覆層
本発明において使用できる低透湿性の被覆層としては、緻密な膜を形成することにより透湿性を低減するという観点で、親水性の多官能性化合物と架橋剤の組合せからなる層が用いられる。
具体的には、(A)糖類とホルミル基含有化合物からなる樹脂組成物を積層してなる層による方法、又は(B)アミノ基含有高分子化合物とアミノ基反応性官能基含有かつシラノール基含有の有機シラン化合物からなる樹脂組成物を積層してなる層による方法、等を使用することができる。これらの架橋性化合物、又は反応性化合物を併用することで、膜を緻密にする効果と、更に親水性の官能基と反応することで高湿条件での低透湿性の維持を達成することができる。
本発明においては、親水性の高いセルロース系の透明基材に対してこれらの親水性基を含有する化合物を主成分とする被覆層を低透湿層として形成することで、更に基材との密着性を十分に確保することができ、透湿性を更に低減でき、かつ低透湿性の耐久性にも優れる低透湿層を形成することができる。
(4−1)親水性の多官能性化合物と架橋剤の組成物
本発明における(A)糖類とホルミル基含有化合物からなる樹脂組成物としては、特開2003−238827、特開2003−238734に記載の樹脂組成物が用いられる。
本発明における(B)アミノ基含有高分子化合物とアミノ基反応性官能基含有かつシラノール基含有の有機シラン化合物からなる樹脂組成物としては、特開2004−255601に記載の樹脂組成物を使用することができる。
(4−2)基材の表面処理
本発明においては、親水性の多官能性化合物と架橋剤を用いた被覆層と基材との密着性を十分に確保する目的で、被覆層を積層する前に基材フィルムの表面処理を行うことが好ましい。
セルロースアシレートからなる基材の表面処理の一般的な方法としては、偏光板用の保護フィルムとしてPVAからなる偏光子との密着性を向上させる目的や、セルロースアシレートフィルム上にPVAに代表される配向膜を形成した上に液晶化合物等の配向層を形成した光学フィルムを作成する目的で、基材表面に鹸化処理を行うことが知られており、この場合、鹸化処理により表面に露出又は新たに形成した水酸基とPVAの水酸基との水素結合により密着性を確保しており、高湿条件での耐久性等において、水素結合が水分により阻害され、密着性が低下することが懸念される。
これに対し、本発明においては、基材フィルムの表面処理を行うことで前記(A)の樹脂組成物中に含まれるホルミル基含有化合物、又は(B)の樹脂組成物中に含まれる有機シラン化合物と基材フィルム表面との架橋形成により高湿条件での耐久性も十分確保され、更に架橋をより高密度にすることで密着性を十分確保することができる。
表面処理の方法としては、コロナ処理、プラズマ処理等の火炎処理、鹸化処理等の公知の方法を選択することができるが、生産性と密着性の安定性の観点で、後述する[鹸化処理]に記載の方法によることが好ましく、特にアルカリ液を塗布する方法によることがより好ましい。
表面処理後の基材の表面接触角としては、水の接触角が50度以下であることが好ましく、45度以下であることがより好ましく、40度以下であることが更に好ましい。
また、更に基材との密着性を更に向上する目的で、樹脂組成物中に更にカップリング剤を併用することも好ましい。
カップリング剤としては、(A)の樹脂組成物に対しては水酸基反応性官能基を複数含有する化合物、ホルミル基反応性官能基と水酸基反応性官能基とを含有する化合物、(B)の樹脂組成物に対してはシラノール基と水酸基反応性官能基とを含有する化合物、アミノ基反応性官能基と水酸基反応性官能基とを含有する化合物、アミノ基と水酸基反応性官能基とを含有する化合物、等が用いられる。
ここで、水酸基と反応性の官能基としては、イソシアネート基、エポキシ基、ホルミル基等が挙げられ、ホルミル基反応性の官能基としては水酸基、アミノ基、チオール基等が挙げられ、アミノ基反応性の官能基としてはイソシアネート基、エポキシ基、ホルミル基、等が挙げられる。
(4−3)他層との密着性
本発明の親水性の多官能性化合物と架橋剤を用いた被覆層は、更に後述のハードコート層、防眩層、反射防止層等の機能性層を積層することが好ましい。この場合、機能性層との密着性を確保する観点で、親水性の多官能性化合物と架橋剤を用いた被覆層中に、カップリング剤を併用することが好ましい。
カップリング剤としては、ホルミル基と重合性基を含有する化合物、重合性基とアルコキシシランからなるシランカップリング剤等が好ましく用いられる。ここで重合性基としてはアクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基等の二重結合性基、及びエポキシ基、等が好ましい。
シランカップリング剤の例としては、前述のシランカップリング剤に記載の化合物が挙げられるが、特にエポキシ基を有するシランカップリング剤、及びアクリル基又はメタクリル基を有するシランカップリング剤が好ましい。
シランカップリング剤の使用量としては、被覆組成物中の固形分中の含量で、0.01〜10.0質量%の範囲で使用することが好ましく、0.1〜7.0質量%の範囲であることがより好ましく、0.5〜5.0質量%の範囲であることが更に好ましい。
(4−4)親水性の多官能性化合物と架橋剤を用いた被覆層の厚み、ヘイズ
本発明の親水性の多官能性化合物と架橋剤を用いた被覆層の厚みとしては、透湿性を低減する効果と、脆性やカール等の膜物性、及び生産性とコストの観点から、0.5μm以上40μm以下であることが好ましく、1.0μm以上30μm以下であることがより好ましく、1.5μm以上25μm以下であることが更に好ましい。
また、親水性の多官能性化合物と架橋剤を用いた被覆層のヘイズは、光学フィルムとして取り扱うことから低いほうがよく、5.0%以下であることが好ましく、3.0%以下であることがより好ましく、1.0%以下であることが更に好ましい。
(4−5)構成
本発明における親水性の多官能性化合物と架橋剤を用いた被覆層による低透湿層の構成は、偏光板構成図である図2A〜Dに示す様に、偏光子と基材フィルムとの間、又は、偏光子とは基材フィルムを挟んで逆側に設けることができる。また、これら両方の側に設けることもできるが、図2A、及び図2Bのように、偏光子とは基材フィルムを挟んで逆側に設ける方が、偏光子との密着性、偏光板の加工適性の面で好ましい。
(5)無機層状化合物を含有する被覆層
本発明の被覆層の透湿度を更に低減するためには、上述の被覆層に用いることが可能なバインダー中に無機層状化合物を分散することがより好ましい。無機層状化合物は親水性の表面を有するため、水溶性バインダー中に分散して用いるのが好ましく、上述のビニルアルコール系重合体からなる被覆層中、又は、シリカ系塗布膜からなる被覆層中に分散するのが好ましく、ビニルアルコール系重合体からなる被覆層中に分散するのがより好ましい。上述の好ましいビニルアルコール系重合体と組み合わせることで特に好ましい性能を発揮することができる。一方、無機層状化合物を有機化処理することにより、親水性の低いバインダー中にも分散し、透湿度を下げることが可能である。
(5−1)無機層状化合物
本発明における無機層状化合物とは、単位結晶層が積層した構造を有し、層間に溶媒を配位又は吸収することにより膨潤又はヘキ開する性質を示す無機化合物である。
このような無機化合物としては、膨潤性の含水ケイ酸塩、例えば、スメクタイト群粘土鉱物(モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト等)、パームキュライト群粘土鉱物、カオリナイト群粘土鉱物、フィロケイ酸塩(マイカ等)などが例示できる。
また、合成無機層状化合物も好ましく用いられ、合成無機層状化合物としては、合成スメクタイト(ヘクトライト、サポナイト、スティブンサイトなど)、合成マイカなどが挙げられ、スメクタイト、モンモリロナイト、マイカが好ましく、モンモリロナイト、マイカがより好ましく、マイカが更に好ましい。透湿度低減、色味付きの抑止の観点から、特に好ましくは合成マイカである。また、かかる無機層状化合物は、これら無機層状化合物に有機化処理を施したものであってもよい。
膨潤性層状無機化合物は、ガスバリア性と基材−ガスバリア層間の密着性とを両立させる点から、微粒子化処理されているのが好ましい。微粒子化処理された膨潤性層状無機化合物は、通常、板状又は扁平状であり、平面形状は特に制限されず、無定形状などであってもよい。
微粒子化処理された膨潤性層状無機化合物の平均粒子径(平面形状の平均粒子径)は、例えば、0.1〜10μmが好ましく、0.5〜8μmがより好ましく、0.8〜6μmが更に好ましい。本範囲より粒径が小さいと透湿度低減効果が充分でなく、粒径が大きいと、ヘイズ値の増加、表面粗さの増加などが好ましくない。
無機化合物の濃度は、3〜60質量%が好ましく、3〜50質量%がより好ましく、3〜40質量%が更に好ましい。無機化合物の濃度が3質量%より少ないと、透湿度低減効果が充分でなく、無機化合物の濃度が60質量%より多いと、ヘイズ値の増加、脆性の悪化などが好ましくない。
(5−2)無機層状化合物の分散処理
無機層状化合物は層間が確実にヘキ開した状態でバインダー中に分散することにより、透湿経路長を長くして透湿度を減少させる。
したがって、無機層状化合物の各層間が、適切にヘキ開された状態を得るための分散処理が非常に重要である。
分散処理は、溶液中で複数回高圧分散処理されるのが好ましい。このときの処理圧力は10MPa以上が好ましく、20Mpa以上がより好ましい。溶媒としては、特に指定はないが、有機化処理していない無機層状化合物に関しては、水又は水溶性溶媒(メタノール、やエタノール、イソプロピルアルコールなどの低級アルコールやアセトンなど)が例示でき、水が特に好ましい。また、水と低級アルコールの混合溶媒も好ましく用いられる。
高圧分散の処理方法としては、例えば、膨潤性層状無機化合物を溶媒に膨潤させた後、高圧ホモジナイザーにより攪拌することにより、高圧分散する方法が挙げられる。
塗布液の調整方法は特に限定されないが、前述の被覆層のバインダー成分を溶媒に均一に溶解させた後に層状粒子を均一に分散させた溶媒と混合する方法が有効に用いられる。
(5−3)有機化処理した無機層状化合物
無機層状化合物を親水性の低い化合物中に分散させる場合、有機溶媒に分散可能な無機層状化合物を用いることが好ましく、有機化処理してある無機層状化合物がより好ましい。
これらの無機層状化合物の例としては、アルキルアミン等の有機化剤により有機化処理した層状化合物である。
また、被覆層の強度をより強固にし、かつ透湿性をより低減する目的では、重合性基を含有した有機化剤により有機化処理することが好ましい。
市販品として使用できる有機化処理した無機層状化合物としては、ソマシフMAE・MTE・MEE・MPE(いずれもコープケミカル(株)製合成マイカ)、ルーセンタイトSAN、STN、SEN、SPN(いずれもコープケミカル(株)製合成スメクタイト)等が用いられる。
また、有機化していない無機層状化合物、例えば市販品であれば、ルーセンタイトME−100コープケミカル(株)製合成マイカ)、ルーセンタイトSWN(コープケミカル(株)製合成スメクタイト)を有機化処理することも好ましい。
有機化剤としては、4級アンモニウム塩が好ましく、特に限定はないが、下記一般式(4)で表される4級アンモニウム塩がより好ましい。
なお、下記一般式(4)中、Raは(CH)mH、又は(CH)mRcH又は(CHRc)mHで示され、mは2以上の整数、Rcは任意の構造又は無くてもよく、RbはCH、nは0又は1〜3の整数を表す。AはCl又はBrを表す。
上記一般式(4)において、nは0〜3が好ましく、0〜2が好ましく、0〜1が特に好ましい。nが多いと分散性が悪化し、好ましくない。Raに関しては、全ての基が同じ構造であっても、異なる構造をとってもよい。
mは2以上であり、Raのうちの少なくとも1つの基は、mが、4以上が特に好ましく、8以上がより好ましく、8〜30が更に好ましい。mが大きいほど分散性がよくなり好ましいが、大きすぎると無機層状化合物に対する有機物の割合が大きくなりすぎて好ましくない。
Raは中に、分子間の相互作用が大きくなる構造を有することも好ましい。分子間の相互作用が大きくなる構造としては−OH、―CHCHO−、−CHO(CH)−などが挙げられる。
有機化処理に用いる4級アンモニウム塩として、例えば、ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロミド、トリメチルオクタデシルアンモニウムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、ジメチルベンジルオクタデシルアンモニウムブロミド、トリオクチルメチルアンモニウムクロリド、ポリオキシプロピレントリメチルアンモニウムクロリド、ジ(ポリオキシプロピレン)ジメチルアンモニウムクロリド、ジ(ポリオキシエチレン)ドデシルメチルアンモニウムクロリド、トリ(ポリオキシプロピレン)メチルアンモニウムクロリド、トリ(ポリオキシプロピレン)メチルアンモニウムブロミド等が挙げられる。
有機化処理された無機層状化合物を用いる方法としては、層状化合物を有機溶媒中に十分に分散しておき、疎水性バインダーを溶媒中に溶解及び/又は分散させたの溶液を添加する方法のほか、疎水性バインダーの溶液中へ、上記の分散した有機化処理された無機層状化合物溶液を添加する方法等が用いられる。
また、疎水性バインダーに無機層状化合物を直接添加する方法として、疎水性バインダーの溶融状態で無機層状化合物を添加し、混練等の方法により疎水性バインダー中へ分散しながら添加する方法も用いることができる。
<<保護フィルムAの構成>>
本発明の保護フィルムは、被覆層が透明基材フィルム上に形成されており、被覆層の厚みは上述のように被覆層の種類により好適な範囲が異なる。被覆層の厚みが該上限値以下であれば、優れた低透湿度を有すると共に、カールが大きくなるなどの弊害が生じないので好ましい。カールが大きくなりすぎると、その後の偏光板を作製する工程、例えば偏光膜との接着工程、ハンドリングにおいて支障をきたす。
また、作製工程のみならず、偏光板としてもカールが残存することはLCDに表示ムラ等を発生させ好ましくない。
したがって、カールが発生しないか、又は実用上問題ない程度に小さくするには、被覆層の膜厚上限は上記範囲とすることが好ましい。
一方、膜厚の下限は透水性より好ましい範囲が規定され、上記範囲とすることで本発明の効果が十分に発現できる。被覆層は少なくとも1層からなるものであり、2層以上の形態も可能である。本発明の被覆層のうち異なる2種類以上の被覆層を同時に用いることは透湿度低減の観点からは特に好ましい。
形成した被覆層は、単層でも複数層から構成されていてもよいが、製造工程上簡便な単層であることが好ましい。この場合の単層とは同一の組成物で形成される被覆層を指し、塗布、乾燥後の組成が、同一組成のものであれば、複数回の塗布で形成されていてもよい。一方、複数層とは組成の異なる複数の組成物で形成されることを指す。
<<保護フィルムAの透湿性>>
次に透湿性につき詳述する。透湿度の測定法は、「高分子の物性II」(高分子実験講座4 共立出版)の285頁〜294頁:蒸気透過量の測定(質量法、温度計法、蒸気圧法、吸着量法)に記載の方法を適用することができ、本発明にかかるフィルム試料70mmφを60℃、95%RHでそれぞれ24時間調湿し、調湿前後の質量差より、JIS Z−0208に従って、単位面積あたりの水分量を算出(g/m)した。
上記測定法で測定した市販されているセルロースアセテートフィルムの透湿度は、一般に、厚さ80μmで上記条件での透湿度が1,200〜1,500g/m・dayである。
耐久性試験における、偏光性能の劣化や、また偏光子の収縮等の変形に起因する光漏れを抑制する観点から、本発明の保護フィルムAの透湿度の上限は300g/m・day以下であることが好ましく、250g/m・day以下であることがより好ましく、200g/m・day以下であることが更に好ましい。
上記上限値より透湿度が高いと、偏光板用の保護フィルムとして使用した場合の偏光板の高温や高温高湿条件における耐久性が十分でなく、また長期使用時に、温度や湿度の変化による偏光膜のサイズ変化が原因での光漏れによる表示画像のムラの発生低減の効果が低い。
また、100℃dry(2.7%RH)条件等の高温における偏光板耐久性の観点から、保護フィルムAの透湿度は低すぎない方がよく、透湿度の下限は50g/m・day以上が好ましく、60g/m・day以上がより好ましく、70g/m・day以上が更に好ましい。
また、偏光板加工時の生産性の観点から、保護フィルムAと保護フィルムBの和が100g/m・day以上が好ましく、150g/m・day以上がより好ましく、180g/m・day以上が更に好ましい。
したがって、保護フィルムAの透湿度は、70〜200g/m・dayの範囲にすることが特に好ましい。この範囲であれば、偏光板としての性能(偏光度、単板透過率)が耐久性試験後に悪化することがなく、長期使用時に、温度や湿度の変化による偏光膜のサイズ変化が原因で、表示画像のムラが発生することが抑制でき、更に偏光板加工における生産性と両立することができる。
<<保護フィルムAの含水率>>
本発明の保護フィルムAは、セルとは反対側の保護フィルムとして用い、後述の保護フィルムBをセル側の保護フィルムとして組み合わせて偏光板の保護フィルムとして使用するため、偏光板加工性と偏光板としての耐久性の観点で、保護フィルムの親水性を高くして偏光膜との接着性をより向上させる目的で、平衡含水率が1.5%以上であることが好ましく、2.0%以上であることがより好ましく、2.3%以上であることが更に好ましい。
また、本発明では、被覆層形成用塗布液中に微粒子を添加してもよい。微粒子を添加することで硬度向上、透明基材フィルムとの密着性向上、透湿度低減などの効果が得られる。
[微粒子]
微粒子としては、無機微粒子、有機微粒子、有機−無機複合微粒子のいずれも使用できる。無機微粒子としては、例えば、二酸化ケイ素粒子、二酸化チタン粒子、酸化ジルコニウム粒子、酸化アルミニウム粒子、酸化アンチモン粒子、酸化インジウム粒子などが挙げられる。
一般に、無機微粒子は、単に混合するだけでは凝集体を形成したり、硬化後の被覆層にひび割れが生じたりしやすくなる場合がある。本発明では無機微粒子と有機成分との親和性を増すため、無機微粒子表面を、有機セグメントを含む表面修飾剤で処理することができる。
微粒子の充填量は、充填後の被覆層の体積に対して、2〜40体積%が好ましく、3〜30体積%がより好ましく、5〜30体積%が更に好ましい。
被覆層形成用塗布液中に、無機の層状化合物を上述の内容のように添加することもできる。層状化合物としては、合成雲母、合成スメクタイトが好ましく用いられる。
<<保護フィルムAのヘイズ>>
本発明の保護フィルムのヘイズは、1.5%以下であることが好ましく、1.2%以下がより好ましく、1.0%以下が更に好ましい。
また、本発明の保護フィルムは実質的に無色であることが好ましい。
ここで、「実質的に無色」であるとは、L,a,b表色系で表したa,bの絶対値が3.0以下であることをいい、2.5以下がより好ましく、2以下が更に好ましい。実質的に無色であることで、偏光板としたときに色味がニュートラルグレーを示し、カラー表示において支障を来たすなどの不具合を生じないので好ましい。
本発明における保護フィルムは、カールを以下の数式(e)で表したときの値が、−15〜+15の範囲に入っていることが好ましく、−12〜+12の範囲がより好ましく、−10〜+10の範囲が更に好ましい。
このときのカールの試料内測定方向は、ウェッブ形態での塗布の場合、基材の搬送方向について測ったものである。なお、下記数式(e)において、Rは曲率半径(m)を表す。
カール=1/R・・・・・・・・・・・・・・・数式(e)
カールが小さく、カール値が上記の範囲内であれば、被覆層を有するフィルムの製造、加工、市場での取り扱いで、ひび割れ、膜剥離が起きず、好ましい。上記範囲にカールを小さくすることと表面硬度を高くすることは、硬化前後の体積収縮率を15%以下とすることによって可能である。
カールの測定は、JIS K−7619−1988の「写真フィルムのカールの測定法」中の、方法Aのカール測定用型板を用いて行われる。測定条件は25℃、湿度60%RH、調湿時間10時間である。ここで、カールがプラスとはフィルムの被覆層塗設側が湾曲の内側になるカールをいい、マイナスとは塗設側が湾曲の外側になるカールをいう。
また、本発明の保護フィルムAは、上記カール測定法に基づいて湿度のみを80%RHから10%RHに変更したとき、各カール値の差の絶対値が24〜0であることが好ましく、15〜0であることがより好ましく、8〜0であることが更に好ましい。これは、さまざまな湿度下で保護フィルムを貼り付けたときの、ハンドリング性や剥がれ、ひび割れに関係する特性である。
本発明の保護フィルムAの耐ひび割れ性は、被覆層塗設側を外側にして丸めたときに、ひび割れが発生する曲率半径が、30mm以下であることが好ましく、25mm以下がより好ましく、20mm以下が更に好ましい。エッジ部のひび割れについては、ひび割れがないか、ひび割れの長さが平均で1mm未満であることが好ましい。この耐ひび割れ性は、被覆層を有したフィルムの塗布、加工、裁断、貼りつけ等のハンドリングで割れ欠陥を出さないための重要な特性である。
本発明の保護フィルムAの被覆層には、必要に応じて、熱安定剤、光安定剤、滑剤等の添加剤を使用することも可能である。
<<ハードコート層>>
本発明の保護フィルムAには、当該保護フィルムの物理的強度を付与するために、透明支持体の一方の面にハードコート性を有する層(以下、ハードコート層と記載する場合がある)が設けられることが好ましい。
ハードコート層としては、表面及び/又は内部に光散乱性を付与した、光散乱性層とすることが好ましい(表面に散乱性を付与した場合は防眩層と記載する場合もある)。
<<反射防止層>>
また、本発明の保護フィルムAには、ハードコート層上に反射防止層として、少なくとも低屈折率層が設けることによって、反射率を低減することが好ましく、ハードコート層上に中屈折率層及び/又は高屈折率層が設けられた上に、更に低屈折率層が設けられた複数の層からなる反射防止層が設けられるのが、反射率低減の面から更に好ましい。
ハードコート層を設けずに反射防止層を設けることもできるが、保護フィルムの物理的強度向上のために、ハードコート層を介在させることが好ましい。ハードコート層は、2層以上の積層構造をなしてもよい。
以下、本発明において形成されるハードコート層、及び反射防止層について説明する。本発明では、被覆層としてさまざまな種類の層を設けることができ、被覆層の種類によってハードコート層に対する要求が異なる場合があり、個別の記載は被覆層に関する説明の中に記載するが、以下に共通の内容を記載する。
[ハードコート層及び反射防止層の層構成]
好ましい一つの態様としては、透明基材フィルム上、又は被覆層上にハードコート層を設けた上に光学干渉によって反射率が減少するように屈折率、膜厚、層の数、層順等を考慮して積層された構成が挙げられる。
反射防止層の最も単純な構成は、ハードコート層上に低屈折率層のみを塗設した構成である。更に反射率を低下させるには、反射防止層を、透明基材フィルムよりも屈折率の高い高屈折率層と、透明基材フィルムよりも屈折率の低い低屈折率層を組み合わせて構成することが好ましい。
構成例としては、透明基材フィルム側から高屈折率層/低屈折率層の2層のものや、屈折率の異なる3層を、中屈折率層(透明基材フィルム又はハードコート層よりも屈折率が高く、高屈折率層よりも屈折率の低い層)/高屈折率層/低屈折率層の順に積層されているもの等があり、更に多くの反射防止層を積層するものも提案されている。
中でも、耐久性、光学特性、コストや生産性等から、ハードコート層を有する透明基材フィルム上に、中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層の順に塗布することが好ましく、例えば、特開平8−122504号公報、同8−110401号公報、同10−300902号公報、特開2002−243906号公報、特開2000−111706号公報等に記載の構成が挙げられる。
また、各層に他の機能を付与させてもよく、例えば、防汚性の低屈折率層、帯電防止性の高屈折率層としたもの(例、特開平10−206603号公報、特開2002−243906号公報等)等が挙げられる。
本発明のハードコート層及び反射防止層の好ましい層構成の例を下記に示す。本発明の反射防止フィルムは、光学干渉により反射率を低減できるものであれば、特にこれらの層構成のみに限定されるものではない。下記の構成では透明基材フィルムはハードコート層及び/又は反射防止層の側かあるいは反対側の少なくとも1方に被覆層が形成されており、被覆層まで含めて透明基材フィルムとする。下記の構成において、防眩層は基本的にハードコート性を有するのが好ましいが、ハードコート層と積層して用いる場合はハードコート性がなくてもよい。ハードコート性の向上、表面形態の制御のためにハードコート性を有する防眩層とハードコート層を積層して用いるのも好ましい。
・透明基材フィルム/低屈折率層
・透明基材フィルム/帯電防止層/低屈折率層
・透明基材フィルム/防眩層/低屈折率層
・透明基材フィルム/防眩層/帯電防止層/低屈折率層
・透明基材フィルム/ハードコート層/防眩層/低屈折率層
・透明基材フィルム/ハードコート層/防眩層/帯電防止層/低屈折率層
・透明基材フィルム/ハードコート層/帯電防止層/防眩層/低屈折率層
・透明基材フィルム/ハードコート層/高屈折率層/低屈折率層
・透明基材フィルム/ハードコート層/帯電防止層/高屈折率層/低屈折率層
・透明基材フィルム/ハードコート層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
・透明基材フィルム/防眩層/高屈折率層/低屈折率層
・透明基材フィルム/防眩層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
・透明基材フィルム/帯電防止層/ハードコート層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
・帯電防止層/透明基材フィルム/ハードコート層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
・透明基材フィルム/帯電防止層/防眩層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
・帯電防止層/透明基材フィルム/防眩層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
・帯電防止層/透明基材フィルム/防眩層/高屈折率層/低屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
また、別の態様として、光学干渉を積極的には用いずに、ハードコート性、防汚性などの付与の目的のために必要な層を設けた態様も好ましい。
上記態様のフィルムの好ましい層構成の例を下記に示す。下記の構成では、透明基材フィルムはハードコート層及び/又は反射防止層の側かあるいは反対側の少なくとも1方に防湿層が形成されており、被覆層まで含めて透明基材フィルムとする。下記の構成において、防眩層は基本的にハードコート性を有するのが好ましいが、ハードコート層と積層して用いる場合はハードコート性がなくてもよい。ハードコート性の向上、表面形態の制御のためにハードコート性を有する防眩層とハードコート層を積層して用いるのも好ましい。
・透明基材フィルム/ハードコート層
・透明基材フィルム/ハードコート層/ハードコート層
・透明基材フィルム/防眩層
・透明基材フィルム/防眩層/防眩層
・透明基材フィルム/ハードコート層/防眩層
・透明基材フィルム/防眩層/ハードコート層
・透明基材フィルム/帯電防止層
・透明基材フィルム/帯電防止層/ハードコート層
・透明基材フィルム/ハードコート層/防汚層
・帯電防止層/透明基材フィルム/ハードコート層
・帯電防止層/透明基材フィルム/防眩層
・防眩層/透明基材フィルム/帯電防止層
これらの層は、蒸着、大気圧プラズマ、塗布などの方法により形成することができる。生産性の観点からは、塗布により形成することが好ましい。
[ハードコート層の物性]
本発明におけるハードコート層の屈折率は、反射防止性のフィルムを得るための光学設計からは、屈折率が1.48〜2.00の範囲にあることが好ましく、1.49〜1.90の範囲にあることがより好ましく、1.50〜1.80の範囲にあることが更に好ましい。本発明の好ましい態様である、ハードコート層の上に低屈折率層が少なくとも1層ある態様では、屈折率がこの範囲より小さ過ぎると反射防止性が低下し、大き過ぎると反射光の色味が強くなる傾向がある。
ハードコート層の厚さは、フィルムに充分な耐久性、耐衝撃性を付与する観点から、0.5〜50μm程度が好ましく、1〜20μmがより好ましく、2〜15μmが更に好ましく、3〜12μmが特に好ましい。
また、ハードコート層の強度は、鉛筆硬度試験で、H以上であることが好ましく、2H以上であることがより好ましく、3H以上であることが更に好ましい。
更に、JIS K5400に従うテーバー試験で、試験前後の試験片の摩耗量が少ないほど好ましい。
ハードコート層は、電離放射線硬化性化合物の架橋反応、又は、重合反応により形成されることが好ましい。例えば、電離放射線硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーを含む塗布組成物を透明支持体上に塗布し、多官能モノマーや多官能オリゴマーを架橋反応、又は、重合反応させることにより形成することができる。
電離放射線硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーの官能基としては、光、電子線、放射線重合性のものが好ましく、中でも光重合性官能基が好ましい。
光重合性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基等の不飽和の重合性官能基等が挙げられ、中でも、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
上記の重合性不飽和基を有するモノマーの代わり又はそれに加えて、架橋性の官能基をバインダーに導入してもよい。
架橋性官能基の例には、イソシアナート基、エポキシ基、アジリジン基、オキサゾリン基、アルデヒド基、カルボニル基、ヒドラジン基、カルボキシル基、メチロール基及び活性メチレン基が含まれる。ビニルスルホン酸、酸無水物、シアノアクリレート誘導体、メラミン、エーテル化メチロール、エステル及びウレタン、テトラメトキシシランのような金属アルコキシドも、架橋構造を有するモノマーとして利用できる。ブロックイソシアナート基のように、分解反応の結果として架橋性を示す官能基を用いてもよい。すなわち、本発明において架橋性官能基は、すぐには反応を示すものではなくとも、分解した結果反応性を示すものであってもよい。これら架橋性官能基を有するバインダーは塗布後、加熱することによって架橋構造を形成することができる。
ハードコート層には、内部散乱性付与の目的で、平均粒径が1.0〜15.0μm、好ましくは1.5〜10.0μmのマット粒子、例えば無機化合物の粒子又は樹脂粒子を含有してもよい。
ハードコート層のバインダーには、ハードコート層の屈折率を制御する目的で、高屈折率モノマー又は無機粒子、或いは両者を加えることができる。無機粒子には屈折率を制御する効果に加えて、架橋反応による硬化収縮を抑える効果もある。本発明では、ハードコート層形成後において、前記多官能モノマー及び/又は高屈折率モノマー等が重合して生成した重合体、その中に分散された無機粒子を含んでバインダーと称する。
ハードコート層のヘイズは、保護フィルムに付与させる機能によって異なる。
画像の鮮明性を維持し、表面の反射率を抑えて、ハードコート層の内部及び表面にて光散乱機能を付与しない場合は、ヘイズ値は低い程よく、具体的には10%以下が好ましく、5%以下がより好ましく、2%以下が更に好ましい。
一方、ハードコート層の表面散乱にて、防眩機能を付与する場合は、表面ヘイズが0.5〜15%であることが好ましく、1〜10%であることがより好ましい。
また、ハードコート層の内部散乱により液晶パネルの模様や色ムラ、輝度ムラ、ギラツキなどを見難くしたり、散乱により視野角を拡大する機能を付与する場合は、内部ヘイズ値(全ヘイズ値から表面ヘイズ値を引いた値)は10〜90%であることが好ましく、15〜80%がより好ましく、20〜70%が更に好ましい。
本発明のフィルムは、目的に応じて、表面ヘイズ及び内部ヘイズを自由に設定可能である。
また、ハードコート層の表面凹凸形状については、画像の鮮明性を維持する目的で、クリアな表面を得る為には、表面粗さを示す特性のうち、例えば中心線平均粗さ(Ra)を0.08μm以下とすることが好ましく、0.07μm以下であることがより好ましく、0.06μm以下であることが更に好ましい。本発明のフィルムにおいては、フィルムの表面凹凸にはハードコート層の表面凹凸が支配的であり、ハードコート層の中心線平均粗さを調節することにより、反射防止フィルムの中心線平均粗さを上記範囲とすることができる。
画像の鮮明性を維持する目的では、表面の凹凸形状を調整することに加えて、透過画像鮮明度を調整することが好ましい。クリアな反射防止フィルムの透過画像鮮明度は60%以上が好ましい。透過画像鮮明度は、一般にフィルムを透過して映す画像の呆け具合を示す指標であり、この値が大きい程、フィルムを通して見る画像が鮮明で良好であることを示す。透過画像鮮明度は70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。
<<面状改良剤>>
支持体上のいずれかの層を作製するのに用いる塗布液には、面状故障(塗布ムラ、乾燥ムラ、点欠陥など)を改良するために、フッ素系及びシリコーン系の少なくともいずれかの面状改良剤を添加することが好ましい。
面状改良剤は、塗布液の表面張力を1mN/m以上変化させることが好ましい。
ここで、塗布液の表面張力が1mN/m以上変化するとは、面状改良剤を添加後の塗布液の表面張力が、塗布/乾燥時での濃縮過程を含めて、面状改良剤を添加してない塗布液の表面張力と比較して、1mN/m以上変化することを意味する。
塗布液の表面張力を1mN/m以上下げる効果がある面状改良剤であることが好ましく、2mN/m以上下げる面状改良剤であることがより好ましく、3mN/m以上下げる面状改良剤であることが更に好ましい。
フッ素系の面状改良剤の好ましい例としては、フルオロ脂肪族基を含有する化合物が挙げられる。好ましい化合物の例は、特開2005−115359号、特開2005−221963号、特開2005−234476号に記載の化合物が挙げられる。
<<防眩層>>
防眩層は、表面散乱による防眩性と、好ましくはフィルムの耐擦傷性を向上するためのハードコート性をフィルムに寄与する目的で形成される。したがって、本発明ではハードコート層の一実施態様として用いることができる。
防眩性を付与する方法としては、特開平6−16851号記載のような表面に微細な凹凸を有するマット状の賦型フィルムをラミネートして形成する方法、特開2000−206317号記載のように電離放射線照射量の差による電離放射線硬化型樹脂の硬化収縮により形成する方法、特開2000−338310号記載のように乾燥にて透光性樹脂に対する良溶媒の質量比が減少することにより透光性微粒子及び透光性樹脂とをゲル化させつつ固化させて塗膜表面に凹凸を形成する方法、特開2000−275404号記載のように外部からの圧力により表面凹凸を付与する方法、特開2000−275404号記載のように外部からの圧力により表面凹凸を付与する方法、特開2005−195819号記載のように複数のポリマーの混合溶液から溶媒が蒸発する過程で相分離することを利用して表面凹凸を形成する方法、などが知られており、これら公知の方法を利用することができる。
[透光性粒子]
本発明で用いることができる防眩層の1つの好ましい態様は、ハードコート性を付与することのできるバインダー、防眩性を付与するための透光性粒子、及び溶媒を必須成分として含有し、透光性粒子自体の突起あるいは複数の粒子の集合体で形成される突起によって表面の凹凸を形成されるものである。防眩性を有する防眩層は、防眩性とハードコート性を兼ね備えていることが好ましい。
上記透光性粒子の具体例としては、例えばシリカ粒子、TiO粒子等の無機化合物の粒子;アクリル粒子、架橋アクリル粒子、ポリスチレン粒子、架橋スチレン粒子、メラミン樹脂粒子、ベンゾグアナミン樹脂粒子等の樹脂粒子が好ましく挙げられる。なかでも架橋スチレン粒子、架橋アクリル粒子、シリカ粒子が好ましい。マット粒子の形状は、球形あるいは不定形のいずれも使用できる。
また、粒子径の異なる2種以上のマット粒子を併用して用いてもよい。より大きな粒子径のマット粒子で防眩性を付与し、より小さな粒子径のマット粒子で別の光学特性を付与することが可能である。例えば、133ppi以上の高精細ディスプレイに防眩性反射防止フィルムを貼り付けた場合に、「ギラツキ」と呼ばれる表示画像品位上の不具合が発生する場合がある。
「ギラツキ」は、防眩性反射防止防止フィルム表面に存在する凹凸により、画素が拡大もしくは縮小され、輝度の均一性を失うことに由来するが、防眩性を付与するマット粒子よりも小さな粒子径で、バインダーの屈折率と異なるマット粒子を併用することにより大きく改善することができる。
上記マット粒子は、形成された防眩性ハードコート層中のマット粒子量が、10〜1,000mg/m含有されることが好ましく、100〜700mg/m含有されることがより好ましい。
防眩層の膜厚は、1〜20μmが好ましく、2〜10μmがより好ましい。前記範囲内とすることで、ハードコート性、カール、脆性を満足することができる。
一方、防眩層の中心線平均粗さ(Ra)を0.09〜0.40μmの範囲が好ましい。0.40μmを超えると、ギラツキや外光が反射した際の表面の白化等の問題が発生する。また、透過画像鮮明度の値は、5〜60%とするのが好ましい。
防眩層の強度は、鉛筆硬度試験で、H以上であることが好ましく、2H以上であることがより好ましく、3H以上であることが更に好ましい。
[相分離]
本発明で用いることができる透光性粒子を使用して防眩性を発現する以外の防眩性を付与する手法の一例として、複数のポリマーのスピノーダル分解により塗膜の表面に凹凸を形成する手法が挙げられる。
また、特に相分離した相の屈折率に差を与えることで、良好な光拡散性を付与することが可能となる。
スピノーダル分解により作成される光散乱層は、互いに屈折率の異なる複数のポリマーで構成され、通常、使用雰囲気(特に、約10〜30℃程度の室温下)において、少なくとも共連続相構造を有する相分離構造を形成している。
そして、前記共連続相構造は、複数のポリマーを含む液相(常温で液相、例えば、混合液又は溶液)からのスピノーダル分解により形成されている。
前記共連続相構造は、通常、複数のポリマーを含み、かつ常温で液相を形成する組成物(例えば、混合液又は溶液)を用い、溶媒の蒸発を経たスピノーダル分解により形成されている。
このような光散乱層は、液相から形成されるため、均一で微細な共連続相構造を有している。
このような透過型光散乱シートを用いると、入射光が実質的に等方的に散乱し、かつ透過散乱光に指向性を付与できる。そのため、高い光散乱性と指向性とを両立できる。
光散乱性を高めるため、複数のポリマーは、屈折率の差が、例えば、0.01〜0.2程度、好ましくは0.1〜0.15程度となるように組み合わせて使用できる。屈折率の差が0.01未満では透過散乱光の強度が低下し、屈折率の差が0.2より大きいと透過散乱光に高い指向性を付与できない。
複数のポリマーは、例えば、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ビニルエステル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、オレフィン系樹脂(脂環式オレフィン系樹脂を含む)、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、ポリスルホン系樹脂(ポリエーテルスルホン、ポリスルホンなど)、ポリフェニレンエーテル系樹脂(2,6−キシレノールの重合体など)、セルロース誘導体(セルロースエステル類、セルロースカーバメート類、セルロースエーテル類など)、シリコーン樹脂(ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサンなど)、ゴム又はエラストマー(ポリブタジエン、ポリイソプレンなどのジエン系ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴムなど)などから適当に組み合わせて選択できる。
好ましいポリマーには、例えば、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ビニルエステル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース誘導体、シリコーン系樹脂、及びゴム又はエラストマーなどが含まれる。複数のポリマーとしては、通常、非結晶性であり、かつ有機溶媒(特に複数のポリマーを溶解可能な共通溶媒)に可溶な樹脂が使用される。特に、成形性又は製膜性、透明性や耐候性の高い樹脂、例えば、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース誘導体(セルロースエステル類など)などが好ましい。
これらの複数のポリマーは適当に組み合わせて使用できる。例えば、複数のポリマーの組合せにおいて、少なくとも1つのポリマーを、セルロース誘導体、特にセルロースエステル類(例えば、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートなどのセルロースC2−4アルキルカルボン酸エステル類)とし、他のポリマーと組み合わせてもよい。
ポリマーのガラス転移温度は、例えば、−100〜250℃が好ましく、−50〜230℃がより好ましく、0〜200℃程度が更に好ましく、50〜180℃程度が特に好ましい。なお、シートの強度や剛性の点から、構成ポリマーのうち少なくとも1つのポリマーのガラス転移温度は、50℃以上(例えば、70〜200℃程度)、好ましくは100℃以上(例えば、100〜170℃程度)であるのが有利である。ポリマーの質量平均分子量は、例えば、1,000,000以下(10,000〜1,000,000程度)、好ましくは10,000〜700,000程度の範囲から選択できる。
本発明では、複数のポリマーを含む液相から溶媒を蒸発させてスピノーダル分解する湿式法を採用するため、原理的には複数のポリマーの相溶性の如何にかかわらず、実質的に等方性の共連続相構造を有する光散乱層を形成できる。そのため、互いに相溶性の複数のポリマーを組み合わせて構成してもよいが、通常、スピノーダル分解により相分離構造を容易に制御し、効率よく共連続相構造を形成するため、非相溶性(相分離性)の複数のポリマーを組み合わせる場合が多い。
複数のポリマーは、第1のポリマーと第2のポリマーとの組み合わにより構成でき、第1のポリマー及び第2のポリマーは、それぞれ単一の樹脂で構成してもよく複数の樹脂で構成してもよい。第1のポリマーと第2のポリマーとの組み合わせは特に制限されない。例えば、第1のポリマーがセルロース誘導体(例えば、セルロースアセテートプロピオネートなどのセルロースエステル類)である場合、第2のポリマーは、スチレン系樹脂(ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体など)、(メタ)アクリル系樹脂(ポリメタクリル酸メチルなど)、脂環式オレフィン系樹脂(ノルボルネンを単量体とする重合体など)、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂(前記ポリC2−4アルキレンアリレート系コポリエステルなど)などであってもよい。
第1のポリマーと第2のポリマーとの割合(質量比)は、例えば、第1のポリマー/第2のポリマー=10/90〜90/10程度が好ましく、20/80〜80/20程度がより好ましく、30/70〜70/30程度が更に好ましく、40/60〜60/40程度が特に好ましい。一方のポリマーの割合が多すぎると、分離した相間の体積比が偏るため、散乱光の強度が低下する。なお、3以上の複数のポリマーでシートを形成する場合、各ポリマーの含有量は、1〜90質量%が好ましく、1〜70質量%がより好ましく、5〜70質量%が更に好ましく、10〜70質量%が特に好ましい。
本発明の光散乱シートを構成する光散乱層は、少なくとも共連続相構造を有している。共連続相構造とは、共連続構造や三次元的に連続又は繋がった構造と称される場合があり、少なくとも2種の構成ポリマー相が連続している構造(例えば、網目構造)を意味する。
前記光散乱層は、少なくとも共連続相構造を有していればよく、共連続相構造と液滴相構造(独立又は孤立した相構造)とが混在した構造を有していてもよい。なお、スピノーダル分解において、相分離の進行に伴って共連続相構造を形成し、更に相分離を進行させると、連続相が自らの表面張力により非連続化し、液滴相構造(球状、真球状などの独立相の海島構造)となる。
従って、相分離の程度によって、共連続相構造と液滴相構造との中間的構造、すなわち、上記共連続相から液滴相に移行する過程の相構造も形成できる。
本発明では、上記中間的構造も共連続相構造という。なお、相分離構造が共連続相構造と液滴構造との混在構造である場合、液滴相(独立ポリマー相)の割合は、例えば、30%以下(体積比)、好ましくは10%以下(体積比)であってもよい。共連続相構造の形状は特に制限されず、ネットワーク状、特にランダムなネットワーク状であってもよい。
前記共連続相構造は、通常、層又はシート面内において異方性が低減されており、実質的に等方性である。なお、等方性とは、シート面内のどの方向に対しても共連続相構造の平均相間距離が実質的に等しいことを意味する。
共連続相構造は、通常、相間距離(同一相間の距離)に規則性を有する。そのため、シートに入射した光はブラッグ反射により透過散乱光が特定方向に指向する。
従って、反射型液晶表示装置に装着しても、透過した散乱光を一定の方向に指向させることができ、表示画面を高度に明るくすることができ、従来の粒子分散型の透過型光散乱シートでは解決できなかった問題点、すなわち、パネルへの光源(例えば、蛍光灯など)の映りを回避できる。
光散乱シートにおいて共連続相の平均相間距離は、例えば、0.5〜20μmが好ましく、1〜20μmがより好ましく、1〜15μmが更に好ましく、1〜10μmが特に好ましい。平均相間距離が小さすぎると、高い散乱光強度を得ることが困難であり、平均相間距離が大きすぎると、透過散乱光の指向性が低下する。
なお、共連続層の平均相間距離は、光散乱層又は光散乱シートの顕微鏡写真(透過型顕微鏡、位相差顕微鏡、共焦点レーザー顕微鏡など)から算出することができる。また、後述する散乱光の指向性の評価法と同様の方法により、散乱光強度が極大になる散乱角度θを測定し、下記のブラッグ反射条件の式より共連続相の平均相間距離dを算出してもよい。
2d・sin(θ/2)=λ
(式中、dは共連続相の平均相間距離、θは散乱角度、λは光の波長を示す)
[エンボス法による光散乱層の形成]
光散乱層の作成手法として、透光性粒子を使用して防眩性を発現する以外の手法の一例として、エンボス法により光散乱層を形成する手法が挙げられる。
エンボス法により作成される光散乱層とは、透明基板上に、表面が微細な凹凸を有するマット状の賦型フィルムで賦形された電離放射線硬化型樹脂組成物、又は熱硬化型樹脂組成物から本質的に構成される光拡散層が形成されたものである。
上記光散乱層の製造方法は、樹脂が電離放射線硬化型樹脂組成物の場合には、透明基板上に電離放射線硬化型樹脂組成物を塗工し、次に塗工された電離放射線硬化型樹脂組成物の未硬化状態の塗膜上に表面に微細な凹凸を有するマット状の賦型フィルムをラミネートし、次に前記賦型フィルムがラミネートされた塗膜上に電離放射線を照射することにより前記電離放射線硬化型樹脂組成物の塗膜を硬化させ、次に硬化した電離放射線硬化型樹脂の塗膜から賦型フィルムを剥離する製造方法で製造することが好ましい。
また、樹脂が熱硬化型樹脂組成物の場合には、透明基板上に熱硬化型樹脂組成物を塗工し、次に塗工された熱硬化型樹脂組成物の未硬化状態の塗膜上に表面に微細な凹凸を有するマット状の賦型フィルムをラミネートし、次に前記賦型フィルムがラミネートされた前記塗膜を加熱して硬化させ、次に硬化した熱硬化型樹脂組成物の塗膜から賦型フィルムを剥離する製造方法で製造することが好ましい。
賦型フィルムを未硬化の電離放射線硬化型樹脂組成物の塗膜上にラミネートする際には、塗工した樹脂が溶剤希釈系のものであれば、溶剤を乾燥した後にラミネートを行い、また、塗工した樹脂が無溶剤系のものであれば、そのままラミネートを行う。
エンボス法の光拡散層に用いられる電離放射線硬化型樹脂組成物の皮膜形成成分は、好ましくは、アクリレート系の官能基を有するもの、例えば、比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコール等の多官能化合物の(メタ)アクリレート等のオリゴマー又はプレポリマー及び反応性希釈剤としてエチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等の単官能モノマー並びに多官能モノマー、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1、6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等を比較的多量に含有するものが使用できる。
特に好適には、ポリエステルアクリレートとポリウレタンアクリレートの混合物が用いられる。その理由は、ポリエステルアクリレートは塗膜が非常に硬くてハードコートを得るのに適しているが、ポリエステルアクリレート単独ではその塗膜は衝撃性が低く、脆くなるので、塗膜に耐衝撃性及び柔軟性を与えるためにポリウレタンアクリレートを併用する。ポリエステルアクリレート100質量部に対するポリウレタンアクリレートの配合割合は30質量部以下とする。この値を越えると塗膜が柔らかすぎてハード性がなくなってしまうからである。
更に、上記の電離放射線硬化型樹脂組成物を紫外線硬化型樹脂組成物とするには、この中に光重合開始剤として、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テトラメチルチウラムモノサルファイド、チオキサントン類や、光増感剤としてn−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリーn−ブチルホスフィン等を混合して用いることができる。特に本発明では、オリゴマーとしてウレタンアクリレート、モノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等を混合するのが好ましい。
[高屈折率層、及び中屈折率層]
本発明の保護フィルムには、高屈折率層、中屈折率層を設け、後述の低屈折率層とともに光学干渉を利用すると反射防止性を高めることができる。
以下の本明細書では、この高屈折率層と中屈折率層を高屈折率層と総称して呼ぶことがある。なお、本発明において、高屈折率層、中屈折率層、低屈折率層の「高」、「中」、「低」とは層相互の相対的な屈折率の大小関係を表す。また、透明支持体との関係で言えば屈性率は、透明支持体>低屈折率層、高屈折率層>透明支持体の関係を満たすことが好ましい。
また、本明細書では高屈折率層、中屈折率層、低屈折率層を総称して反射防止層と総称して呼ぶことがある。
高屈折率層の上に低屈折率層を構築して、反射防止層を作製するためには、高屈折率層の屈折率は1.55〜2.40であることが好ましく、1.60〜2.20がより好ましく、1.65〜2.10が更に好ましく、1.80〜2.00が特に好ましい。
支持体から近い順に中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層を塗設し、反射防止フィルムを作成する場合、高屈折率層の屈折率は、1.65〜2.40であることが好ましく、1.70〜2.20であることが更に好ましい。中屈折率層の屈折率は、低屈折率層の屈折率と高屈折率層の屈折率との間の値となるように調整する。中屈折率層の屈折率は、1.55〜1.80であることが好ましい。
高屈折率層及び中屈折率層に用いられる無機粒子の具体例としては、TiO、ZrO、Al、In、ZnO、SnO、Sb、ITOとSiO等が挙げられる。TiO及びZrOが高屈折率化の点で特に好ましい。該無機フィラーは、表面をシランカップリング処理又はチタンカップリング処理されることも好ましく、フィラー表面にバインダー種と反応できる官能基を有する表面処理剤が好ましく用いられる。
高屈折率層における無機粒子の含有量は、高屈折率層の質量に対し10〜90質量%であることが好ましく、15〜80質量%であることがより好ましく、15〜75質量%であることが更に好ましい。無機粒子は高屈折率層内で二種類以上を併用してもよい。
高屈折率層の上に低屈折率層を有する場合、高屈折率層の屈折率は透明支持体の屈折率より高いことが好ましい。
高屈折率層に、芳香環を含む電離放射線硬化性化合物、フッ素以外のハロゲン化元素(例えば、Br,I,Cl等)を含む電離放射線硬化性化合物、S,N,P等の原子を含む電離放射線硬化性化合物などの架橋又は重合反応で得られるバインダーも好ましく用いられる。
高屈折率層の膜厚は用途により適切に設計することができる。高屈折率層を後述する光学干渉層として用いる場合、30〜200nmが好ましく、50〜170nmがより好ましく、60〜150nmが更に好ましい。
高屈折率層のヘイズは、防眩機能を付与する粒子を含有しない場合、低いほど好ましい。5%以下であることが好ましく、3%以下がより好ましく、1%以下が更に好ましい。高屈折率層は、前記透明支持体上に直接、又は、他の層を介して構築することが好ましい。
[低屈折率層]
本発明のフィルムの反射率を低減するため、低屈折率層を用いることが好ましい。
低屈折率層の屈折率は、1.20〜1.46であることが好ましく、1.25〜1.46であることがより好ましく、1.30〜1.40であることが更に好ましい。
低屈折率層の厚さは、50〜200nmであることが好ましく、70〜100nmであることがより好ましい。
低屈折率層のヘイズは、3%以下であることが好ましく、2%以下であることがより好ましく、1%以下であることが更に好ましい。具体的な低屈折率層の強度は、500g荷重の鉛筆硬度試験でH以上であることが好ましく、2H以上であることがより好ましく、3H以上であることが更に好ましい。
また、保護フィルムの防汚性能を改良するために、表面の水に対する接触角が90度以上であることが好ましく、95度以上がより好ましく、100度以上が更に好ましい。
低屈折率層の組成の好ましい態様としては、(1)架橋性若しくは重合性の官能基を有する含フッ素ポリマーを含有する組成物、(2)含フッ素のオルガノシラン材料の加水分解縮合物を主成分とする組成物、(3)2個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーと中空構造を有する無機微粒子を含有する組成物、が挙げられる。
(1)架橋性若しくは重合性の官能基を有する含フッ素化合物
架橋性若しくは重合性の官能基を有する含フッ素化合物としては、含フッ素モノマーと架橋性又は重合性の官能基を有するモノマーの共重合体が挙げられる。含フッ素モノマーとしては、例えばフルオロオレフィン類(例えばフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール等)、(メタ)アクリル酸の部分又は完全フッ素化アルキルエステル誘導体類(例えばビスコート6FM(大阪有機化学製)やM−2020(ダイキン製)等)、完全又は部分フッ素化ビニルエーテル類等である。
架橋性基付与のためのモノマーとしては、1つの態様としては、グリシジルメタクリレートのように分子内にあらかじめ架橋性官能基を有する(メタ)アクリレートモノマーが挙げられる。
また、別の態様としては、水酸基等の官能基を有するモノマーを用い含フッ素共重合体を合成後、更にそれら置換基を修飾して架橋性若しくは重合性の官能基を導入するモノマーを使用する方法である。
これらモノマーとしては、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、スルホン酸基等を有する(メタ)アクリレートモノマー(例えば(メタ)アクリル酸、メチロール(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アリルアクリレート等)が挙げられる。後者の態様は特開平10−25388号公報及び特開平10−147739号公報により開示されている。
上記含フッ素共重合体には、溶解性、分散性、塗布性、防汚性、帯電防止性などの観点から、適宜共重合可能な成分を含むことができる。特に防汚性・滑り性付与のためには、シリコーンを導入することが好ましく、主鎖にも側鎖にも導入することができる。
主鎖へのポリシロキサン部分構造導入方法は、例えば特開平6−93100号公報に記載のアゾ基含有ポリシロキサンアミド(市販のものではVPS−0501、1001(商品名;ワコー純薬工業(株)社製))等のポリマー型開始剤を用いる方法が挙げられる。
また、側鎖に導入する方法は、例えばJ.Appl.Polym.Sci.2000,78,1955、特開昭56−28219号公報等に記載のごとく、反応性基を片末端に有するポリシロキサン(例えばサイラプレーンシリーズ(チッソ株式会社製)など)を高分子反応によって導入する方法、ポリシロキサン含有シリコンマクロマーを重合させる方法によって合成することができ、どちらの方法も好ましく用いられる。
上記のポリマーに対しては特開2000−17028号公報に記載のごとく適宜重合性不飽和基を有する硬化剤を併用してもよい。また、特開2002−145952号に記載のごとく含フッ素の多官能の重合性不飽和基を有する化合物との併用も好ましい。多官能の重合性不飽和基を有する化合物の例としては、上記の2個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーが挙げられる。また、特開2004−170901号公報に記載のオルガノランの加水分解縮合物も好ましく、特に(メタ)アクリロイル基を含有するオルガノシランの加水分解縮合物が好ましい。
これら化合物は、特にポリマー本体に重合性不飽和基を有する化合物を用いた場合に耐擦傷性改良に対する併用効果が大きく好ましい。
ポリマー自身が単独で十分な硬化性を有しない場合には、架橋性化合物を配合することにより、必要な硬化性を付与することができる。例えばポリマー本体に水酸基含有する場合には、各種アミノ化合物を硬化剤として用いることが好ましい。架橋性化合物として用いられるアミノ化合物は、例えば、ヒドロキシアルキルアミノ基及びアルコキシアルキルアミノ基のいずれか一方又は両方を合計で2個以上含有する化合物であり、具体的には、例えば、メラミン系化合物、尿素系化合物、ベンゾグアナミン系化合物、グリコールウリル系化合物等が挙げられる。これら化合物の硬化には、有機酸又はその塩を用いるのが好ましい。
これら含フッ素ポリマーの具体例は、特開2003−222702号公報、特開2003−183322号公報等に記載されている。
(2)含フッ素のオルガノシラン材料の加水分解縮合物
含フッ素のオルガノシラン化合物の加水分解縮合物を主成分とする組成物も屈折率が低く、塗膜表面の硬度が高く好ましい。フッ素化アルキル基に対して片末端又は両末端に加水分解性のシラノールを含有する化合物とテトラアルコキシシランの縮合物が好ましい。具体的組成物は、特開2002−265866号公報、317152号公報に記載されている。
(3)2個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーと中空構造を有する無機微粒子を含有する組成物
更に別の好ましい態様として、低屈折率の粒子とバインダーからなる低屈折率層が挙げられる。低屈折率粒子としては、有機でも無機でもよいが、内部に空孔を有する粒子が好ましい。中空粒子の具体例は、特開2002−79616号公報に記載のシリカ系粒子に記載されている。粒子屈折率は1.15〜1.40が好ましく、1.20〜1.30がより好ましい。バインダーとしては、上記光拡散層の頁で述べた二個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーが挙げられる。
本発明の低屈折率層には、上記の光散乱層の頁で述べた重合開始剤を添加することが好ましい。ラジカル重合性化合物を含有する場合には、該化合物に対して1〜10質量部、好ましくは1〜5質量部の重合開始剤を使用できる。
本発明の低屈折層には、無機粒子を併用することができる。耐擦傷性を付与するために、低屈折率層の厚みの15〜150%が好ましく、30〜100%がより好ましく、45〜60%の粒径を有する微粒子を使用することが更に好ましい。
本発明の低屈折率層には、防汚性、耐水性、耐薬品性、滑り性等の特性を付与する目的で、公知のポリシロキサン系あるいはフッ素系の防汚剤、滑り剤等を適宜添加することができる。
<<帯電防止層>>
本発明においては、帯電防止層を設けることがフィルム表面での静電気防止の点で好ましい。
帯電防止層を形成する方法は、例えば、導電性微粒子と反応性硬化樹脂を含む導電性塗工液を塗工する方法、或いは透明膜を形成する金属や金属酸化物等を蒸着やスパッタリングして導電性薄膜を形成する方法等の従来公知の方法が挙げられる。
導電性層は、支持体に直接又は支持体との接着を強固にするプライマー層を介して形成することができる。また、帯電防止層を反射防止膜の一部として使用することもできる。この場合、最表層から近い層で使用する場合には、膜の厚さが薄くても十分に帯電防止性を得ることができる
帯電防止層の厚さは、0.01〜10μmが好ましく、0.03〜7μmであることがより好ましく、0.05〜5μmであることが更に好ましい。帯電防止層の表面抵抗は、10〜1012Ω/sqであることが好ましく、10〜10Ω/sqであることがより好ましく、10〜10Ω/sqであることが更に好ましい。帯電防止層の表面抵抗は、四探針法により測定することができる。
帯電防止層は、実質的に透明であることが好ましい。具体的には、帯電防止層のヘイズが、10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、3%以下であることが更に好ましく、1%以下であることが特に好ましい。
また、波長550nmの光の透過率が、50%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましく、65%以上であることが更に好ましく、70%以上であることが特に好ましい。
本発明の帯電防止層は、強度が優れており、具体的な帯電防止層の強度は、1kg荷重の鉛筆硬度で、H以上であることが好ましく、2H以上であることがより好ましく、3H以上であることが更に好ましく、4H以上であることが特に好ましい。
<<塗布溶媒>>
上記各構成層のうち、透明基材フィルムに隣接して塗布される層には、透明基材フィルムを溶解する少なくとも一種類以上の溶剤と、透明基材フィルムを溶解しない少なくとも一種類以上の溶剤を含有することが好ましい。
このような態様にすることで、透明基材フィルムへの隣接層成分の過剰な染み込み防止と、隣接層と透明基材フィルムとの密着性確保の両立を図ることができる。
また、透明基材フィルムを溶解する溶剤のうちの少なくとも一種類が、透明基材フィルムを溶解しない溶剤のうちの少なくとも一種類よりも高沸点であることがより好ましく、透明基材フィルムを溶解する溶剤のうち最も沸点の高い溶剤と、透明基材フィルムを溶解しない溶剤のうち、最も沸点の高い溶剤との沸点温度差が30℃以上であることが更に好ましく、該沸点温度差が40℃以上であることが特に好ましい。
透明基材フィルムを溶解する溶剤の総量(A)と透明基材フィルムを溶解しない溶剤の総量(B)の質量割合(A/B)は、5/95〜50/50が好ましく、10/90〜40/60がより好ましく、15/85〜30/70が更に好ましい。
<<各層の形成>>
本発明に用いられる被覆層、ハードコート層、低屈折率層、及びその他の各層は、塗布液を透明支持体上に塗布し、加熱・乾燥し、その後、必要に応じて、光照射及び/又は加熱して、各層を形成するためのモノマーや硬化性樹脂を硬化する。これにより各層が形成される。
本発明のフィルムの各層の塗布方法は特に制限されないが、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法やエクストルージョンコート法(ダイコート法)(米国特許2681294号明細書参照)、マイクログラビアコート法等の公知の方法が用いられ、その中でもマイクログラビアコート法、ダイコート法が高い生産性、塗膜の均一性の観点で好ましく用いられる。
乾燥は、塗布した液膜中の有機溶媒濃度が、乾燥後に5質量%以下になる条件が好ましく、2質量%以下がより好ましく、1質量%以下が更に好ましい。乾燥条件は、透明基材フィルムの熱的強度や搬送速度、乾燥工程の長さなどの影響を受けるが、できるだけ有機溶媒の含有率の低いほうが膜硬度や接着防止の点で好ましい。有機溶媒を含有しない場合には、乾燥工程を省略し、塗布後すぐに紫外線照射することもできる。
本発明の被覆層は、結晶化度を高めるために熱処理を施してもよい。好ましい熱処理温度は、40〜130℃であり熱処理時間は必要とする結晶化度に応じ適宜決定することができるが通常5分から48時間程度である。
更に、透明基材フィルムと被覆層の密着性を向上させる目的で、所望により透明基材フィルムの片面又は両面に、親水化処理、凹凸処理などの前処置を施すのがより好ましい。
前処理としては、コロナ放電処理、グロー放電処理、クロム酸処理(湿式)、鹸化処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理等が挙げられるが、コロナ放電処理、グロー放電処理、鹸化処理(湿式)が特に好ましい。
<<下塗り層>>
本発明で被覆層の両側もしくは片側に下塗り層を有することについて説明する。下塗り層は1層で構成されていてもよく、2層以上で構成されていてもよい。本発明において、透明支持体/被覆層の間に下記のような二層構成の下塗り層を設けることがより好ましい。
[下塗り層の組成]
一層目:水分散性あるいは水溶性合成樹脂、及びカルボジイミド化合物、
導電性金属酸化物粒子を必須成分とした帯電防止層
二層目:水分散性あるいは水溶性合成樹脂、及び架橋剤を必須成分とした表面層
下塗り層は、支持体上に帯電防止層と表面層がこの順で設けられる。本発明の帯電防止層においては、支持体上に帯電防止層を設けて得られる低帯電性支持体のヘイズが3%以下にあり、そして得られる感材の表面層の表面電気抵抗が1×10〜1×1011Ωの範囲にあるように、導電性が付与されている。帯電防止層を付与することで、プラスチック支持体をハンドリングする製造プロセスにおいて発生する静電気起因のゴミ付き故障の発生を抑制することができる。
上記帯電防止層は、導電性金属酸化物粒子を含む層であり、一般に更に結合剤を含んでいる。
上記導電性金属酸化物粒子としては、針状粒子であり、その短軸に対する長軸の比(長軸/短軸)が3〜50の範囲にあるものを使用することが好ましく、長軸/短軸が10〜50の範囲のものがより好ましい。
このような針状粒子の短軸は、0.001〜0.1μmの範囲にあることが好ましく、0.01〜0.02μmの範囲にあることがより好ましい。また、その長軸は、0.1〜5.0μmの範囲にあることが好ましく、0.1〜2.0μmの範囲にあることがより好ましい。
上記導電性金属酸化物粒子の材料としては、ZnO、TiO、SnO、Al、In、MgO、BaO及びMoO、及びこれらの複合酸化物、そしてこれらの金属酸化物に更に異種原子を含む金属酸化物が挙げられる。
金属酸化物としては、SnO、ZnO、Al、TiO、In、及びMgOが好ましく、SnO、ZnO、In及びTiOがより好ましく、SnOが特に好ましい。
異種原子を少量含む例としては、ZnOに対してAlあるいはIn、TiOに対してNbあるいはTa、Inに対してSn、及びSnOに対してSb、Nbあるいはハロゲン元素などの異種元素を0.01〜30モル%(好ましくは0.1〜10モル%)ドープしたものが挙げられる。
異種元素の添加量が、0.01モル%未満の場合は酸化物又は複合酸化物に充分な導電性を付与することができず、30モル%を超えると粒子の黒化度が増し、帯電防止層が黒ずむため保護フィルムとしては適さない。
従って、本発明では導電性金属酸化物粒子の材料としては、金属酸化物又は複合金属酸化物に対し異種元素を少量含むものが好ましい。
また、結晶構造中に酸素欠陥を含むものも好ましい。上記異種原子を少量含む導電性金属酸化物粒子としては、アンチモンがドープされたSnO粒子が好ましく、特にアンチモンが0.2〜2.0モル%ドープされたSnO粒子が好ましい。
従って、本発明では前記短軸、長軸の寸法を有するアンチモンドープSnO等の金属酸化物粒子を使用することが、透明で、良好な導電性を有する帯電防止層を形成するのに有利である。これにより低帯電性支持体を有し、表面層の表面電気抵抗が1×10〜1×1011Ωの範囲にある保護フィルムを容易に得ることができる。
前記短軸、長軸の寸法を有する針状の金属酸化物粒子(例、アンチモンドープSnO)を使用することにより、透明で、良好な導電性を有する帯電防止層を有利に形成できる理由については、次のように考えられる。
上記針状の金属酸化物粒子は、帯電防止層内では、長軸方向が帯電防止層の表面に平行に、長く伸びているが、層の厚さ方向には短軸の径の長さ分だけ占めているに過ぎない。
このような針状の金属酸化物粒子は、上記のように長軸方向に長いため、通常の球状の粒子に比べて、互いに接触し易く、少ない量でも高い導電性が得られる。
従って、透明性を損なうことなく、表面電気抵抗を低下させることができる。また、上記針状の金属酸化物粒子では、短軸の径は、通常、帯電防止層の厚さより小さいか、ほぼ同じであり、表面に突出することは少なく、仮に突出してもその突出部分はわずかなため、帯電防止層上に設けられる表面層によりほぼ完全に覆われることになる。
従って、保護フィルムの搬送中、層より突出部分の脱離である粉落ちの発生がほとんどないとの優位性も得られる。
本発明の帯電防止層は、導電性金属酸化物粒子を分散、支持する結合剤を、一般に含んでいる。
結合剤の材料としては、アクリル樹脂、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等の種々のポリマーを使用することができる。粉落ちを防止する観点から、ポリマー(好ましくは、アクリル樹脂、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂又はポリエステル樹脂)とカルボジイミド化合物との硬化物であることが好ましい。
本発明では、良好な作業環境の維持、及び大気汚染防止の観点から、ポリマーもカルボジイミド化合物も、水溶性のものを使用するか、あるいはエマルジョン等の水分散状態で使用することが好ましい。
また、ポリマーは、カルボジイミド化合物との架橋反応が可能なように、メチロール基、水酸基、カルボキシル基及びアミノ基のいずれかの基を有する。水酸基及びカルボキシル基が好ましく、特にカルボキシル基が好ましい。ポリマー中の水酸基又はカルボキシル基の含有量は、0.0001〜1当量/1kgが好ましく、特に0.001〜1当量/1kgが好ましい。
アクリル樹脂としては、アクリル酸、アクリル酸アルキル等のアクリル酸エステル類、アクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸アルキル等のメタクリル酸エステル類、メタクリルアミド及びメタクリロニトリルのいずれかのモノマーの単独重合体又はこれらのモノマー2種以上の重合により得られる共重合体が挙げられる。
これらの中では、アクリル酸アルキル等のアクリル酸エステル類、及びメタクリル酸アルキル等のメタクリル酸エステル類のいずれかのモノマーの単独重合体又はこれらのモノマー2種以上の重合により得られる共重合体が好ましい。
例えば、炭素原子数1〜6のアルキル基を有するアクリル酸エステル類及びメタクリル酸エステル類のいずれかのモノマーの単独重合体又はこれらのモノマー2種以上の重合により得られる共重合体が挙げられる。
上記アクリル樹脂は、上記組成を主成分とし、カルボジイミド化合物との架橋反応が可能なように、例えば、メチロール基、水酸基、カルボキシル基及びアミノ基のいずれかの基を有するモノマーを一部使用して得られるポリマーである。
上記ビニル樹脂としては、ポリビニルアルコール、酸変性ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリビニルメチルエーテル、ポリオレフィン、エチレン/ブタジエン共重合体、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル/(メタ)アクリル酸エステル共重合体及びエチレン/酢酸ビニル系共重合体(好ましくはエチレン/酢酸ビニル/(メタ)アクリル酸エステル共重合体)が挙げられる。
これらの中で、ポリビニルアルコール、酸変性ポリビニルアルコール、ポリビニルホリマール、ポリオレフィン、エチレン/ブタジエン共重合体及びエチレン/酢酸ビニル系共重合体(好ましくは、エチレン/酢酸ビニル/アクリル酸エステル共重合体)が好ましい。
上記ビニル樹脂は、カルボジイミド化合物との架橋反応が可能なように、ポリビニルアルコール、酸変性ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリビニルメチルエーテル及びポリ酢酸ビニルでは、例えば、ビニルアルコール単位をポリマー中に残すことにより水酸基を有するポリマーとし、他のポリマーについては、例えば、メチロール基、水酸基、カルボキシル基及びアミノ基のいずれかの基を有するモノマーを一部使用することにより架橋可能なポリマーとする。
上記ポリウレタン樹脂としては、ポリヒドロキシ化合物(例、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン)、ポリヒドロキシ化合物と多塩基酸との反応により得られる脂肪族ポリエステル系ポリオール、ポリエーテルポリオール(例、ポリ(オキシプロピレンエーテル)ポリオール、ポリ(オキシエチレン−プロピレンエーテル)ポリオール)、ポリカーボネート系ポリオール、及びポリエチレンテレフタレートポリオールのいずれか一種、あるいはこれらの混合物とポリイソシアネートから誘導されるポリウレタンが挙げられる。
上記ポリウレタン樹脂では、例えば、ポリオールとポリイソシアネートとの反応後、未反応として残った水酸基をカルボジイミド化合物との架橋反応が可能な官能基として利用することができる。
上記ポリエステル樹脂としては、一般にポリヒドロキシ化合物(例、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン)と多塩基酸との反応により得られるポリマーが使用される。
上記ポリエステル樹脂では、例えば、ポリオールと多塩基酸との反応終了後、未反応として残った水酸基、カルボキシル基をカルボジイミド化合物との架橋反応が可能な官能基として利用することができる。勿論、水酸基等の官能基を有する第三成分を添加してもよい。
上記ポリマーの中で、アクリル樹脂及びポリウレタン樹脂が好ましく、特にアクリル樹脂が好ましい。
本発明で使用されるカルボジイミド化合物としては、分子内にカルボジエミド構造を複数有する化合部を使用することが好ましい。
ポリカルボジイミドは、通常、有機ジイソシアネートの縮合反応により合成される。ここで分子内にカルボジイミド構造を複数有する化合物の合成に用いられる有機ジイソシアネートの有機基は特に限定されず、芳香族系、脂肪族系のいずれか、あるいはそれらの混合系も使用可能であるが、反応性の観点から脂肪族系が特に好ましい。
合成原料としては、有機イソシアネート、有機ジイソシアネート、有機トリイソシアネート等が使用される。
有機イソシアネートの例としては、芳香族イソシアネート、脂肪族イソシアネート、及び、それらの混合物が使用可能である。
具体的には、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート等が用いられ、また、有機モノイソシアネートとしては、イソホロンイソシアネート、フェニルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、ブチルイソシアネート、ナフチルイソシアネート等が使用される。
また、本発明に用いうるカルボジイミド系化合物は、例えば、カルボジライトV−02−L2(商品名:日清紡社製)などの市販品としても入手可能である。
本発明のカルボジイミド系化合物は、バインダーに対して1〜200質量%の範囲で添加することが好ましく、5〜100質量%の範囲で添加することがより好ましい。
本発明の帯電防止層を形成するには、まず、例えば前記導電性金属酸化物粒子をそのままあるいは水等の溶媒(必要に応じて分散剤、結合剤を含む)に分散させた分散液を、上記結合剤(例、ポリマー、カルボジイミド化合物及び適当な添加剤)を含む水分散液あるいは水溶液に、添加、混合(必要に応じて分散)して帯電防止層形成用塗布液を調製する。
上記帯電防止層は、上記帯電防止層形成用塗布液をポリエステル等のプラスチックフィルムの表面(感光層が設けられない側)に一般によく知られた塗布方法、例えばディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、エクストルージョンコート法などにより塗布することができる。
塗布されるポリエステル等のプラスチックフィルムは、逐次二軸延伸前、同時二軸延伸前、一軸延伸後で再延伸前、あるいは二軸延伸後のいずれであってもよい。
帯電防止層形成用塗布液を塗布するプラスチック支持体の表面は、あらかじめ紫外線処理、コロナ処理、グロー放電処理などの表面処理を施しておくことが好ましい。
本発明の帯電防止層の層厚は、0.01〜1μmの範囲が好ましく、0.01〜0.2μmの範囲がより好ましい。0.01μm未満では塗布剤を均一に塗布しにくいため製品に塗布むらが生じやすく、1μmを超える場合は、帯電防止性能や耐傷性が劣る場合がある。
導電性金属酸化物粒子は、帯電防止層中に、結合剤(例、上記ポリマー及びカルボジイミド化合物の合計)に対して10〜1,000質量%の範囲で含まれていることが好ましく、100〜500質量%の範囲で含まれていることがより好ましい。10質量%未満の場合は、充分な帯電防止性が得られず、1,000質量%を超えた場合はヘイズが高くなり過ぎる。
本発明の帯電防止層及び下記の表面層には必要に応じて、マット剤、界面活性剤、滑り剤などの添加剤を併用して使用することができる。
マット剤としては、0.001〜10μmの粒径をもつ酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムなどの酸化物の粒子や、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン等の重合体あるいは共重合体等の粒子が挙げられる。
界面活性剤としては、公知のアニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性系界面活性剤、非イオン系界面活性剤等が挙げられる。
滑り剤としては、カルナバワックス等の天然ワックス、炭素数8〜22の高級アルコールのリン酸エステルもしくはそのアミノ塩;パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、及びそのエステル類;及びシリコーン系化合物等が挙げられる。
本発明においては、帯電防止層の上には、表面層が設けられる。表面層は、主として接着剤層との接着性付与、及び帯電防止層の導電性金属酸化物粒子の脱離防止機能を補助するために設けられる。表面層の材料には、一般にアクリル樹脂、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等の種々のポリマーを使用することができ、上記帯電防止層中の結合剤として記載したポリマーが好ましい。
表面層に用いられる架橋剤は、エポキシ化合物が好ましい。
エポキシ化合物としては、1,4−ビス(2’,3’−エポキシプロピルオキシ)ブタン、1,3,5−トリグリシジルイソシアヌレート、1,3−ジクリシジル−5−(γ−アセトキシ−β−オキシプロピル)イソシヌレート、ソルビトールポリグリシジルエーテル類、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル類、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル類、ジグリセロ−ルポリグルシジルエーテル、1,3,5−トリグリシジル(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、グリセロールポリグリセロールエーテル類及びトリメチロ−ルプロパンポリグリシジルエーテル類等のエポキシ化合物が好ましく、その具体的な市販品としては、例えばデナコールEX−521やEX−614B(ナガセ化成工業(株)製)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、光学特性に影響を与えない添加量の範囲では、他の化合物との併用も可能であり、例えばC.E.K.Meers 及びT.H.James著「The Theory of the Photographic Process」第3版(1966年)、米国特許第3316095号、同3232764号、同3288775号、同2732303号、同3635718号、同3232763号、同2732316号、同2586168号、同3103437号、同3017280号、同2983611号、同2725294号、同2725295号、同3100704号、同3091537号、同3321313号、同3543292号及び同3125449号、及び英国特許994869号及び同1167207号等に記載されている硬化剤などが挙げられる。
代表的な例としては、二個以上(好ましくは三個以上)のメチロール基及び/又はアルコキシメチル基を含有するメラミン化合物及びそれらの縮重合体であるメラミン樹脂あるいはメラミン・ユリア樹脂、ムコクロル酸、ムコブロム酸、ムコフェノキシクロル酸、ムコフェノキシプロム酸、ホルムアルデヒド、グリオキザール、モノメチルギリオキザール、2,3−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサン、2,3−ジヒドロキシ−5−メチル−1,4−ジオキサンサクシンアルデヒド、2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン及びグルタルアルデヒド等のアルデヒド系化合物及びその誘導体;ジビニルスルホン−N,N’−エチレンビス(ビニルスルホニルアセトアミド)、1,3−ビス(ビニルスルホニル)−2−プロパノール、メチレンビスマレイミド、5−アセチル−1,3−ジアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、1,3,5−トリアクリロイル−ヘサヒドロ−s−トリアジン及び1,3,5−トリビニルスルホニル−ヘキサヒドロ−s−トリアジンなどの活性ビニル系化合物;2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンナトリウム塩、2,4−ジクロロ−6−(4−スルホアニリノ)−s−トリアジンナトリウム塩、2,4−ジクロロ−6−(2−スルホエチルアミノ)−s−トリアジン及びN,N’−ビス(2−クロロエチルカルバミル)ピペラジン等の活性ハロゲン系化合物;ビス(2,3−エポキシプロピル)メチルプロピルアンモニウム・p−トルエンスルホン酸塩、2,4,6−トリエチレン−s−トリアジン、1,6−ヘキサメチレン−N,N’−ビスエチレン尿素及びビス−β−エチレンイミノエチルチオエーテル等のエチレンイミン系化合物;1,2−ジ(メタンスルホンオキシ)エタン、1,4−ジ(メタンスルホンオキシ)ブタン及び1,5−ジ(メタンスルホンオキシ)ペンタン等のメタンスルホン酸エステル系化合物;ジシクロヘキシルカルボジイミド及び1−ジシクロヘキシル−3−(3−トリメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩等のカルボジイミド化合物;2,5−ジメチルイソオキサゾール等のイソオキサゾール系化合物;クロム明ばん及び酢酸クロム等の無機系化合物;N−カルボエトキシ−2−イソプロポキシ−1,2−ジヒドロキノリン及びN−(1−モルホリノカルボキシ)−4−メチルピリジウムクロリド等の脱水縮合型ペプチド試薬;N,N’−アジポイルジオキシジサクシンイミド及びN,N’−テレフタロイルジオキシジサクシンイミド等の活性エステル系化合物:トルエン−2,4−ジイソシアネート及び1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等のイソシアネート類;及びポリアミド−ポリアミン−エピクロルヒドリン反応物等のエピクロルヒドリン系化合物が挙げられるが、これに限定されるものではない。
本発明の表面層を形成するには、まず、例えば水等の溶媒(必要に応じて分散剤、結合剤を含む)に上記ポリマー、エポキシ化合物、及び適当な添加剤を添加、混合(必要に応じて分散)して表面層塗布液を調製する。
上記表面層は、本発明の帯電防止層上に一般によく知られた塗布方法、例えばディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、エクストルージョンコート法などにより上記表面層塗布液を塗布することにより形成することができる。
上記表面層の層厚は、0.01〜1μmの範囲が好ましく、0.01〜0.2μmの範囲がより好ましい。0.01μm未満では帯電防止層の導電性金属酸化物粒子の脱離防止機能が不十分で、1μmを超える場合は、塗布剤を均一に塗布しにくいため製品に塗布むらが生じやすい。
本発明では、形成したこれら被覆層、ハードコート層に防汚剤を含有させること、又は、フッ素及び/もしくはケイ素を含有した低表面エネルギー性の硬化性樹脂を含む、紫外線の照射により硬化する硬化性組成物を主体とする防汚性層を積層することにより、防汚性被覆層とすることができる。
本発明に用いられる防汚剤は、被覆層に撥水性、撥油性等の防汚性を付与するもので、そのようなものとしては、被覆層形成用塗布液の調製及び透明記基材フィルム上に塗布する際に不都合が無く、かつ防汚性被覆層形成時に、防汚性被覆層表面で撥水性、撥油性を発現するものであればいかなるものであってもよい。そのようなものとしてはフッ素及び/又はケイ素を含有する硬化樹脂が挙げられる。
[フッ素及び/又はケイ素を含有する硬化性樹脂]
本発明で用いられる被覆層又は防汚性層に含有されるフッ素及び/又はケイ素を含有する硬化性樹脂としては、公知のフッ素硬化性樹脂やケイ素硬化性樹脂、又はフッ素及びケイ素含有部を含むブロックを有する硬化性樹脂が挙げられ、更に樹脂又は金属酸化物等と相溶性のよいセグメントと、フッ素又はケイ素を含有するセグメントとを含有する硬化性樹脂が好ましく、被覆層又は防汚性層へ添加することで、表面にフッ素又はケイ素を偏在させることができる。
これらの具体的な硬化性樹脂としては、フッ素又はケイ素を含有するモノマーと、他の親水性又は親油性のモノマーとのブロック共重合体、あるいはグラフト共重合体が挙げられる。
フッ素含有モノマーとしては、ヘキサフルオロイソプロピルアクリレート、ヘプタデカフルオロデシルアクリレート、パーフルオロアルキルスルホンアミドエチルアクリレート、パーフルオロアルキルアミドエチルアクリレート等に代表される、パーフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
ケイ素含有モノマーとしては、ポリジメチルシロキサンと(メタ)アクリル酸等の反応によるシロキサン基を有するモノマーが挙げられる。
親水性又は親油性のモノマーとしては、メチルアクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル、末端に水酸基含有ポリエステルと(メタ)アクリル酸のエステル、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールの(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
市販の硬化性樹脂としては、パーフルオロアルキル鎖のミクロドメイン構造を有するアクリル系オリゴマーの「デフェンサMCF−300」、「デフェンサMCF−312」、「デフェンサMCF−323」等、パーフルオロアルキル基・親油性基含有オリゴマーの「メガファックF−170」、「メガファックF−173」、「メガファックF−175」等、パーフルオロアルキル基・親水性基含有オリゴマーの「メガファックF−171」等(以上、大日本インキ化学(株)製)や、表面移行性に優れたセグメントと樹脂に相溶するセグメントよりなるビニルモノマーのブロックポリマーであるフッ化アルキル系の「モディパーF−200」、「モディパーF−220」、「モディパーF−600」、「モディパーF−820」等、シリコン系の「モディパーFS−700」、「モディパーFS−710」等(以上、日本油脂(株)製)が挙げられる。
被覆層の上に防汚性層を設けるには、フッ素原子を含有した低表面エネルギー性の硬化性樹脂が好ましく、具体的には、特開昭57−34526号公報、特開平2−19801号公報、特開平3−17901号公報等に記載のフッ化炭化水素基を含有するシリコン硬化性樹脂、フッ化炭化水素基含有ポリマー等が挙げられる。
<保護フィルムB>
本発明に用いる保護フィルムBは、偏光膜とセルの間に位置し、偏光板の保護フィルムとしての機能の他、好ましくは光学補償の機能を併せ持つために所望の位相差を有し、また光学的な弊害の無いフィルムであれば何でもよく、一般に使用される種々の熱可塑性高分子フィルムを好適に用いることができる。
また、偏光板としての耐久性の観点から、保護フィルムBの透湿度は低いほうがよく、60℃95%RHにおける透湿度が400g/m・day以下であることが好ましく、200g/m・day以下であることがより好ましく、100g/m・day以下であることが更に好ましい。
また、液晶表示装置用の偏光板の保護フィルムとして使用した場合における、液晶表示装置の表示品質の劣化を防止する観点から、保護フィルムの90℃、2.7%、100時間の熱処理前後におけるフィルムの長さの変化量の処理前の長さに対する比である寸法変化率(寸度変化率ともいう)は小さい方がよく、フィルムのTD方向又はMD方向のどちらか一方における寸法変化率が0.02%以下であることが好ましく、0.015%以下であることがより好ましく、0.01%以下であることが更に好ましい。
また、同様の観点から、保護フィルムの60℃90%RH条件における100時間の湿熱処理前後におけるフィルムの長さの変化量の処理前の長さに対する比である寸法変化率(寸度変化率ともいう)は小さい方がよく、フィルムのTD方向又はMD方向のどちらか一方における寸法変化率が0.3%以下であることが好ましく、0.2%以下であることがより好ましく、0.1%以下であることが更に好ましい。
また、同様の観点から、保護フィルムの光弾性係数が大きくない方が好ましく、10×10−13cm/dyne(1.0×10−11/N)以下であることが好ましく、7×10−13cm/dyne以下であることがより好ましく、5×10−13cm/dyne以下であることが更に好ましい。
<<熱可塑性高分子フィルム>>
本発明に用いる熱可塑性高分子フィルムを与える材料としては、前記透湿性が低く、かつ寸法変化率が大きくなく、また光弾性係数が小さいほうが好ましく、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性などの特性に優れる合成高分子が好ましい。
かかる熱可塑性高分子フィルムの素材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマーなどが挙げられる。
また、ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロ系、乃至ノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体の如きポリオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルブチラル系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、又は、前記ポリマーのブレンド物なども前記保護フィルムを形成するポリマーの例として挙げられる。
このとき、保護フィルムとしては、透明性が高く、薄膜且つ十分な強度を有することが必要とされ、この点において適した材料としては、ポリカーボネート系ポリマー、ノルボルネン系ポリマー、ポリイミド系ポリマー、ポリエステル系ポリマーなどが好ましいものとして挙げられる。特に、コストと位相差の観点からノルボルネン系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマーからなる保護フィルムが好ましい。
更に、耐久性がより求められる状況においては、寸度変化率が比較的小さいポリマーとして、ノルボルネン系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマー、ポリエステル系ポリマーが好ましく、ノルボルネン系ポリマーが好ましい。また、経時での物理的な歪みに対する光学的な歪みが小さいという観点では、ノルボルネン系ポリマーが好ましい。
[ノルボルネン系樹脂ポリマーフィルム]
本発明で用いる熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂とは、例えば、特開平3−14882号公報、特開平3−122137号公報などに開示されている公知の樹脂であり、本発明においてはこれら従来公知の熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂を好適に使用することができる。例えば、ノルボルネン系モノマーの開環重合体水素添加物、ノルボルネン系モノマーの付加重合体、ノルボルネン系モノマーと、エチレン、α−オレフィンなどのオレフィン系モノマーとの付加重合体;ノルボルネン系モノマーとシクロペンテン、シクロオクテン、5,6−ジヒドロジシクロペンタジエンなどの環状オレフィン系モノマーとの付加重合体、及びこれらの樹脂の変性物等が挙げられる。
熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂を構成するモノマーを例示すると、例えば、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5,5−ジメチル−2−ノルボルネン、5−シアノ−2−ノルボルネン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5−フェニル−2−ノルボルネン、5−フェニル−5−メチル−2−ノルボルネン、エチレン−テトラシクロドデセン共重合体、6−メチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−エチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−エチル−1,4:5,8−エチリデン−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−クロロ−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−シアノ−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−ピリジル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−メトキシカルボニル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、1,4−ジメタノ−1,4,4a,4b,5,8,8a,9a−オクタヒドロフルオレン、5,8−メタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロ−2.3−シクロペンタジエノナフタレン、4,9:5,8−ジメタノ−3a,4,4a,5,8,8a,9,9a−オクタヒドロ−1H−ベンゾインデン、4,11:5,10:6,9−トリメタノ−3a,4,4a,5,5a,6,9,9a,10,10a,11,11a−ドデカヒドロ−1H−シクロペンタアントラセン等が挙げられる。
上記ノルボルネン系モノマーの重合方法は公知の方法でよく、必要に応じて、他の共重合可能なモノマーと共重合したり、水素添加によりノルボルネン系重合体水素添加物とすることができる。
また、重合体や重合体水素添加物を、公知の方法により、α−,β−不飽和カルボン酸及びその誘導体、スチレン系炭化水素、オレフィン系不飽和結合、及び、加水分解可能な基を持つ有機ケイ素化合物、不飽和エポキシ単量体などを用いて変性させてもよい。
上記重合は、重合媒体として、Ir、Os、Ruの三塩化物の含水塩、MoC15、WC16、ReCl、(CAl、(CAl/TiCl、(π−CMo/TiCl、(π−CW/TiCl、(π−CCr/WCl等を用いて行うことができる。
上記熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂としては、例えば、日本ゼオン社製、商品名「ZEONOR」、「ZEONEX」;ジェイエスアール社製、商品名「ARTON」;日立化成工業社製、商品名「OPTOREZ」;三井石油化学社製、商品名「APEL]等が市販品として上市されている。
上記熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂の数平均分子量は、小さくなると耐湿性が低下し透湿度が大きくなり、大きくなるとフィルム成形性が低下するので、トルエン溶媒によるゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ(GPC)で測定して、2万5千〜10万が好ましく、3万〜8万がより好ましい。
―製造方法―
熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂フィルムの製造方法は、公知の任意の方法が採用されてよく、例えば、溶液流延法、溶融成形法等により製膜することができる。
溶液流延法で製膜するには、まず、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、トリエチルベンゼン、ジエチルベンゼン、イソプロピルベンゼン等の高沸点溶媒、又は、これら高沸点溶媒とシクロヘキサン、ベンゼン、テトラヒドロフラン、ヘキサン、オクタン等の低沸点溶媒との混合溶媒に、上記熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂を好ましくは5〜60質量%溶解して樹脂溶液を得る。
次に、得られた樹脂溶液をバーコーター、ドクターナイフ、メイアバー、ロール、Tダイ等を用いて、ポリエチレンテレフタレートなどの耐熱性フィルム、スチールベルト、金属箔等上に流延し、加熱乾燥する。
溶融成形法で製膜するには、Tダイを用いた方法や、インフレ法などの溶融押出法、カレンダー法、熱プレス法、射出成形法などが用いられる。
上記熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂フィルムの厚みは、通常5〜100μmが好ましく、10〜80μmがより好ましい。フィルムの厚みが5μm未満では強度が低下するだけでなく、偏光板の耐久試験を行うとカールが大きくなるなどの問題がある。反対に100μmを超えると透明性が低下するだけでなく、透湿度が小さくなりPVA接着剤の溶剤である水の乾燥が遅くなるという問題がある。
上記熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂フィルムには、本発明の効果を損なわない範囲において、フィルムの耐熱性、耐紫外線性、平滑性等を向上させるために、フェノール系、リン系などの老化防止剤;フェノール系などの熱劣化防止剤;アミン系などの帯電防止剤;脂肪族アルコールのエステル、多価アルコールの部分エステルなどの滑剤;ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、アクリロニトリル系紫外線吸収剤などの紫外線吸収剤;フッ素系ノニオン界面活性剤、特殊アクリル樹脂系レベリング剤、シリコーン系レベリング剤などのレベリング剤等が添加されてもよい。
[ポリカーボネートフィルム]
次に、本発明に好適に用いられる熱可塑性高分子フィルムとしてのポリカーボネート系ポリマーとは、炭酸とグリコール又は2価フェノールとのポリエステルであり、炭酸と2、2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン(通称ビスフェノール−A)とを構造単位とする芳香族ポリカーボネートはもちろんのこと、本発明ではこれに限定されるわけではなく、例えば1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−アルキルシクロアルカン、1,1−ビス(3−置換−4−ヒドロキシフェニル)−アルキルシクロアルカン、1、1−ビス(3,5−置換−4−ヒドロキシフェニル)−アルキルシクロアルカン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン類からなる群から選択される少なくとも1種の2価フェノールをモノマー成分とするホモ又は共重合ポリカーボネート、上記2価フェノールとビスフェノールAをモノマー成分とするポリカーボネートとの混合物、上記2価フェノールとビスフェノールAとをモノマー成分とする共重合ポリカーボネートが挙げられる。
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−アルキルシクロアルカンの具体例としては、1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5,5−ジメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5−メチルシクロペンタン等が挙げられる。
1,1−ビス(3−置換−4−ヒドロキシフェニル)−アルキルシクロアルカンとしては、炭素数1〜12のアルキル基、ハロゲン基で置換された1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−アルキルシクロアルカン、例えば、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3−エチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5,5−ジメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−4−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5−メチルシクロペンタン等が挙げられる。
1、1−ビス(3,5−置換−4−ヒドロキシフェニル)−アルキルシクロアルカンとしては、炭素数1〜12のアルキル基、ハロゲン基で置換された1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−アルキルシクロアルカン、例えば、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3−エチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5−メチルシクロペンタン等が挙げられる。
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン類としては、例えば、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−エチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン等が挙げられる。
更に、他のビスフェノール成分として、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノール−A)、4,4’−(α−メチルベンジリデン)ビスフェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、3,3’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、4,4’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘブタン、4,4’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)2,5−ジメチルヘブタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メチルフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)4−10 フルオロフェニルメタン、2,2’−ビス(3−フルオロー4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3,5−ジメチル−4ヒドロキシフェニル)メタン、2,2’−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)フェニルエタン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン等が挙げられ、これらは単独で又は2種類以上混合して用いることができる。
上記ポリカーボネートは、上記ビスフェノール成分の他に、酸成分のコモノマーとして少量の脂肪族、芳香族ジカルボン酸を用いたポリエステルカーボネートを含む。芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、p−キシレングリコール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−メタン、1、1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−エタン、1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−ブタン、2、2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−ブタン等が挙げられる。この中で、テレフタル酸、イソフタル酸が好ましい。
用いられるポリカーボネートの分子量は、2,000〜100,000の粘度平均分子量を有するものであることが好ましく、5,000〜70,000がより好ましく、7,000〜50,000が更に好ましい。濃度0.7g/dLの塩化メチレン溶液にして20℃で測定した比粘度で表して0.07〜2.70が好ましく、0.15〜1.80がより好ましく、0.20〜1.30が更に好ましい。粘度平均分子量が2,000未満のものでは得られるフィルムが脆くなるので適当でなく、100,000以上のものでは、フィルムへの加工性が困難になるために好ましくない。
本発明に用いるポリカーボネートとしては、特に、下記一般式(A)で示される繰り返し単位及び下記一般式(B)で示される繰り返し単位を含んでなるポリカーボネートが好ましい。
なお、下記一般記式(A)において、R〜Rはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子及び炭素数1〜6の炭化水素基から選ばれる少なくとも一種の基である。
また、下記一般式(B)において、R11〜R18はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子及び炭素数1〜22の炭化水素基から選ばれる少なくとも一種の基である。
また、上記一般式(A)において、Xは下記一般式(X)で示される化合物であり、R及びR10はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜3のアルキル基である。
また、上記一般式(B)において、Yは下記一般式群(Y)であり、ここでR19〜R21、R23、及びR24はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子及び炭素数1〜22の炭化水素基から選ばれる少なくとも1種の基であり、R22及びR25はそれぞれ独立に炭素数1〜20の炭化水素基から選ばれる少なくとも1種の基であり、Ar〜Arはそれぞれ独立に炭素数6〜10のアリール基から選ばれる少なくとも1種の基である。
上記一般式(A)及び(B)で表される繰り返し単位を含むポリカーボネートにおいては、一般式(A)で示される繰り返し単位の含有量が、当該ポリカーボネートを構成する繰り返し単位の合計を基準として全体の10〜90mol%であることが好ましい。
このポリカーボネートにおいて、一般式(A)で示される繰り返し単位の含有量が10mol%未満となる場合、ポリマーフィルムの複屈折が大きくなるために、均一位相差特性を有するフィルムを得ることが困難となる。
一方、一般式(A)で示される繰り返し単位の含有量が全体の90mol%を超えると、フィルムが割れ易く、脆い性質となり、保護フィルムとして適さない。より効果的には、一般式(A)で示される繰り返し単位の含有量が20〜80mol%、更に効果的には、一般式(A)で示される繰り返し単位の含有量が30〜70mol%であることが好ましい。とりわけ、位相差値が短波長ほど大きい特性が要求される用途では、一般式(A)で示される繰り返し単位の含有量が30〜55mol%であることが適しており、位相差値が短波長ほど小さい特性が要求される用途では、一般式(A)で示される繰り返し単位の含有量が55〜70mol%であることが適しており、位相差値が波長によらずほとんど変化しない特性が要求される用途では40〜60mol%であることが適している。
この中でも、特に下記一般式(C)で示される繰り返し単位と、下記一般式(D)で示される繰り返し単位からなるポリカーボネート共重合体及び/又はブレンド体が好適に用いられ、耐熱性、寸法安定性、透明性において優れている。
なお、下記一般式(C)において、R26〜R27はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、取り扱い性の点から好ましくはメチル基である。
また、下記一般式(D)において、R28〜R29はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、経済性、フィルム特性等から水素原子が好ましい。
本発明において、共重合体及び/又はブレンド体とは共重合体、ブレンド体、共重合体のブレンド体、共重合体とホモポリマーのブレンド体などすべての組成形態を指す。
ここで上記モル比は共重合体、ブレンド体に関わらず、高分子配向フィルムを構成するポリカーボネートバルク全体で、例えば核磁気共鳴(NMR)装置により求めることができる。
上記した共重合体及び/又はブレンド体は公知の方法によって製造し得る。
ポリカーボネートは、ジヒドロキシ化合物とホスゲンとの重縮合による方法、溶融重縮合法等が好適に用いられる。ブレンド体の場合は、相溶性ブレンドが好ましいが、完全に相溶しなくても成分間の屈折率を合わせれば成分間の光散乱を抑え、透明性を向上させることが可能である。
本発明におけるポリカーボネートフィルムにおいては、耐熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、透明核剤、永久帯電防止剤、蛍光増白剤等のポリマー改質剤が同時にフィルム中に存在してもよい。
本発明により得られたポリカーボネートフィルムは透明性が良好であり、へイズ値は5%以下、全光線透過率は85%以上であることが好ましいが、意図的にヘイズ値が高くなるようにされる場合もある。
ポリカーボネートフィルムのガラス転移点温度としては、120〜280℃、が好ましく、130〜270℃がより好ましく、140〜260℃が更に好ましく、150〜250℃が特に好ましく、160〜240℃が最も好ましい。120℃未満の温度では、寸法安定性が悪く、また、280℃を超える温度では、延伸工程の温度制御が非常に困難になるために製造が困難となる。
本発明の保護フィルムに使用されるポリカーボネートフィルムの製造方法は特に限定されるものではなく、既知の方法を用いて作製されたフィルムを用いることが可能である。例えば、溶融製膜法、溶液製膜法、カレンダー法、射出成型法などが挙げられる。
本発明のポリカーボネートフィルムの厚さは、一般には500μm以下であり、1〜300μm以下が好ましく、5〜200μmがより好ましい。
[ポリエステル樹脂フィルム]
本発明の熱可塑性樹脂フィルムに用いられるポリエステル樹脂は特に構造的な限定はない。その中で特に望ましいものは、芳香族系ジカルボン酸と、脂肪族系グリコールを用い縮重合させて得られる樹脂である。また、他の好ましいものとしては、芳香族系ジカルボン酸と芳香族系多価水酸基化合物も用いて縮重合させていられる樹脂である。
芳香族ジカルボン酸としてはテレフタル酸のほか、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などがあり、またこれらの低級アルキルエステル(無水物、低級アルキルエステル等のエステル形成可能な誘導体)を使用することができる。
脂肪族系グリコールとしてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、p−キシリレングリコールなどがある。
また、芳香族系多価水酸基化合物としては、フルオレン誘導体などがある。
中でもテレフタル酸とエチレングリコールの反応により得られたポリエチレンテレフタレートを主成分とすることが好ましい。
ここで、主成分がポリエチレンテレフタレートであるとは、ポリエチレンテレフタレートの繰返し単位が80モル%以上の共重合体、あるいはブレンドされている場合は、ポリエチレンテレフタレートを80質量%以上含有していることをいう。
本発明において用いられる、ポリエステル中にスルホン酸基を含有させるために用いられるスルホン酸及びその塩から選ばれる基を有する芳香族ジカルボン酸としては、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、2−ナトリウムスルホイソフタル酸、4−ナトリウムスルホイソフタル酸、4−ナトリウムスルホ−2,6−ナフタレンジカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体、及びこれらのナトリウムを他の金属(例えばカリウム、リチウムなど)で置換した化合物が用いられる。
また、グリコール中にスルホン酸及びその塩から選ばれる基を導入したものを用いてもよいが、ポリエステル中にスルホン酸基を含有させるために化合物として好ましいのは、前記スルホン酸基又はその塩を有する芳香族ジカルボン酸を用いることである。
これらのスルホン酸基又はその塩を有する芳香族ジカルボン酸成分が製造時に用いられる全芳香族ジカルボン酸の10モル%を越えると延伸性が劣ったり、機械的強度が劣ったものとなる場合があり、また1モル%未満では、十分な乾燥性が得られない場合がある。
本発明の保護フィルムに用いられるポリエステルには、性能を阻害しない範囲で、更に他の成分が共重合されていてもよいし、他のポリマーがブレンドされていてもよい。
上記以外の他の芳香族ジカルボン酸又はその誘導体として、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸及びその低級アルキルエステル(無水物、低級アルキルエステル等のエステル形成可能な誘導体)が用いられる。
また、製造の際、シクロプロパンジカルボン酸、シクロブタンジカルボン酸及びヘキサヒドロテレフタル酸などの脂環式ジカルボン酸及びその誘導体(無水物、低級アルキルエステル等のエステル形成可能な誘導体)、アジピン酸、コハク酸、シュウ酸、アゼライン酸、セバシン酸及びダイマー酸などの脂肪族ジカルボン酸及びその誘導体(無水物、低級アルキルエステルなどのエステル形成可能な誘導体)を全ジカルボン酸の10モル%以下の量で使用してもよい。
本発明で使用することができるグリコールとしては、エチレングリコール及び前記のグリコールの他、トリメチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA、p,p′−ジヒドロキシフェニルスルフォン、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ポリアルキレン(例、エチレン、プロピレン)グリコール、及びp−フェニレンビス(ジメチロールシクロヘキサン)などが挙げられ、これらは用いられるグリコールの10モル%以下の量で使用してもよい。
本発明に用いられるポリエステルは、例えば安息香酸、ベンゾイル安息香酸、ベンジルオキシ安息香酸、メトキシポリアルキレングリコールなどの1官能性化合物によって末端の水酸基及び/又はカルボキシル基を封鎖したものであってもよく、あるいは、例えば極く少量のグリセリン、ペンタエリスリトールの如き3官能、4官能エステル形成化合物で実質的に線状の共重合体が得られる範囲内で変性されたものでもよい。
また、本発明に用いられるポリエステルには、フィルムの耐熱性を向上する目的で、ビスフェノール系化合物、ナフタレン環又はシクロヘキサン環を有する化合物を共重合することができる。
また、本発明に用いられるポリエステルは、ガラス転移温度(Tg)が80℃以上であることが好ましく、更に90℃以上であることが好ましい。80℃未満では得られたフィルムの高温高湿下での寸法安定性に劣る場合がある。Tgは動的粘弾性測定のtanδのピークより求めた。
−酸化防止剤−
本発明に用いられるポリエステルには、酸化防止剤が含有されていてもよい。特にポリエステルが、ポリオキシアルキレン基を有する化合物を含む場合に効果が顕著となる。
含有させる酸化防止剤は、その種類につき特に限定はなく、各種の酸化防止剤を使用することができるが、例えば、ヒンダードフェノール系化合物、ホスファイト系化合物、チオエーテル系化合物等の酸化防止剤が挙げられる。中でも透明性の点でヒンダードフェノール系化合物の酸化防止剤が好ましい。酸化防止剤の含有量は、ポリエステルに対して0.01〜2質量%が好ましく、0.1〜0.5質量%がより好ましい。
本発明のポリエステルフィルムには、必要に応じて易滑性を付与することもできる。易滑性付与手段としては、特に限定はないが、ポリエステルに不活性無機粒子を添加する外部粒子添加方法、ポリエステルの合成時に添加する触媒を析出させる内部粒子析出方法、或いは界面活性剤等をフィルム表面に塗布する方法等が一般的である。
−紫外線吸収剤−
本発明のポリエステルフィルムには、偏光子及び液晶の劣化防止のため必要に応じて紫外線吸収剤を添加することもできる。
紫外線の吸収能に優れ、かつ良好な液晶表示性の観点から、紫外線吸収剤としては、紫外線吸収剤を添加したポリエステルフィルムの、波長380nmの透過率が0〜50%が好ましく、0〜30%がより好ましく、0〜10%が更に好ましく、600nmの透過率が80〜100%が好ましく、85〜100%がより好ましく、90〜100%が更に好ましい。
本発明に用いられる紫外線吸収剤は、窒素ガス下、300℃の温度に到達するまで10度/分の昇温速度で昇温した場合の質量減量%が10%以下である揮散性の少ない紫外線吸収剤、あるいは紫外線吸収剤が、該紫外線吸収剤を0.4質量%含み、含水率が50ppm以下のポリエステル樹脂を300℃で1分加熱した後、厚さ1.5mmに成形した板のb値(色差計による測定値)と、前記ポリエステル樹脂を8分加熱した後、厚さ1.5mmに成形した板のb値との差が3.0以下であるような耐熱性を示す紫外線吸収剤、更には、前記揮散性及び耐熱性に関する性能を併せもつ紫外線吸収剤を少なくとも一種、練り込むことが好ましい。
窒素ガス下、300℃の温度に到達するまで10℃/分の昇温速度で昇温した場合の質量減量%が10%以下である揮散性の少ない紫外線吸収剤を用いると、透明ポリエステル樹脂に該紫外線吸収剤を添加して溶融混練した後、ダイ部から排出された直後のフィルムから紫外線吸収剤が揮散することが少ないため、紫外線吸収能の低下が防がれ、あるいは多量の紫外線吸収剤の使用を不要とする。また、紫外線吸収剤が多量に揮散すると、製造ラインにおいて揮散(昇華)した紫外線吸収剤がラインを汚し、これがまた、ライン中を進む支持体フィルムに付着するなどを起こすことにもなるが、本発明においてはこのようなことも回避することができる。
前記質量減量は、5%以下が好ましく、1%以下がより好ましい。一般的に紫外線吸収剤の分子量を400以上とすることにより、質量減量を5%以下に抑制することができる。
前記の特性を有する紫外線吸収剤としては、上記一般式(1)に示される構造式を有する紫外線吸収剤のほか、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸エステル系、シアノアクリレート系、ベンゾオキサジン系、トリアジン−クマリン共重合体系又、特開平6−148430号公報記載の高分子紫外線吸収剤、特開2002−31715号公報の高分子紫外線吸収剤も用いられる。
また、前記のごとき耐熱性を示す紫外線吸収剤は、ポリエステル樹脂と溶融混練する際の樹脂温度(例えば300℃)においても安定であり熱分解しないため、ポリエステル樹脂支持体に用いた場合、紫外線吸収剤の分解に基づく支持体フィルムの黄色化や紫外線吸収能の低下を抑制することができる。
また、紫外線吸収剤の分解に起因して生ずるポリエステル樹脂の分解(ポリエステル樹脂の低分子量化)を防ぐこともできる。
前記b値の差は、2.0以下が好ましく、1.0以下にすることがより好ましい。
前記の特性を有する紫外線吸収剤としては、上記一般式(1)に示される構造式を有する紫外線吸収剤のほか、ベンゾオキサジン系紫外線吸収剤等が挙げられる。
また、前記2つの特性を併せ持つ紫外線吸収剤を用いることにより、前記の効果を併せ発揮することが可能となる。
このような特性を有する紫外線吸収剤としては、上記一般式(1)に示される構造式を有する紫外線吸収剤のほか、ベンゾオキサジン系紫外線吸収剤等が挙げられる。
更に、前記のごとき揮散性及び/又は耐熱性を有する紫外線吸収剤を、支持体を成膜する際に、同時に混練せしめて、紫外線吸収能を有する支持体を容易に作製することができる。
<<光学補償フィルムとしての機能>>
本発明の熱可塑性高分子フィルムからなる保護フィルムBは、偏光板を構成する偏光子の少なくとも一方の面を保護するフィルムであると同時に、光学補償機能として位相差特性を有した光学補償フィルムとして機能することが好ましい。
その光学補償フィルムとしての面内位相差値(Re値)、及び厚み方向位相差値(Rth値)は、それぞれ下記数式(f)及び(g)で表される。
Re=(nx−ny)×d・・・・・・・・・・・・・・・・数式(f)
Rth=((nx+ny)/2−nz)×d・・・・・・・・数式(g)
なお、上記数式(f)及び(g)中、nx、ny、nzはフィルムの三次元屈折率であり、それぞれフィルム面内におけるx軸方向、y軸方向、フィルムに垂直なz軸方向の屈折率である。また、dはフィルムの厚み(nm)である。
つまり、nx、ny、nzはフィルムの光学異方性を表す指標である。特に本発明におけるフィルムの場合には
nx:フィルム面内における最大屈折率
ny:フィルム面内における最大屈折率を示す方向に直交する方位の屈折率
nz:フィルム法線方向の屈折率
とする。
ここで、本発明では高分子フィルムを一軸延伸した場合には延伸方向、二軸延伸の場合にはより配向度が上がるように延伸した方向、すなわち化学構造的に言えば高分子主鎖の配向方向の屈折率が最大となるときを光学異方性が正、かかる配向方向の屈折率が最小となるときを光学異方性が負であると呼ぶ。
本発明では高分子フィルムの光学異方性を屈折率楕円体と見なして公知の屈折率楕円体の式により求める方法によりこの三次元屈折率を求めている。
この三次元屈折率は使用する光源の波長依存性があるので、使用する光源波長で定義することが好ましく、本発明において特に波長の指定がない場合は550nmでの値とする。
本発明に用いる熱可塑性高分子フィルムは、下記数式(1)及び(2)の少なくともいずれか一方を満足することが好ましく、R値及びK値は用途により適宜選択される。
例えば、VA液晶の視野角補償機能を持たせる場合は、下記数式(1−1)及び(2−1)の少なくともいずれか一方を満足することが好ましい。
また、IPS液晶の視野角補償機能を持たせる場合は、下記数式(1−2)及び(2−2)の少なくともいずれか一方を満足することが好ましい。
また、反射防止用円偏光板の広視野角化の機能を持たせる場合は、下記数式(1−3)及び(2−3)の少なくともいずれか一方を満足することが好ましい。
更に、偏光板単体としての広視野角化の機能を持たせる場合は、下記数式(1−4)及び(2−4)の少なくともいずれか一方を満足することが好ましい。
0≦Re≦300(nm)・・・・・・・・・・・・・・・数式(1)
−150≦Rth≦400(nm)・・・・・・・・・・・数式(2)
30≦Re≦200(nm)・・・・・・・・・・・・・・数式(1−1)
80≦Rth≦300(nm)・・・・・・・・・・・・・数式(2−1)
50≦Re≦300(nm)・・・・・・・・・・・・・・数式(1−2)
−150≦Rth≦150(nm)・・・・・・・・・・・数式(2−2)
100≦Re≦170(nm)・・・・・・・・・・・・・数式(1−3)
−150≦Rth≦90(nm)・・・・・・・・・・・・数式(2−3)
200≦Re≦300(nm)・・・・・・・・・・・・・数式(1−3)
−150≦Rth≦150(nm)・・・・・・・・・・・数式(2−3)
<<光学補償フィルムとしての製造方法>>
得られたフィルムに目的に応じた位相差特性を持たせるために、延伸処理などがなされる場合が多い。
延伸方法の例としては、ロール速度差を利用するロール縦一軸延伸方法、フィルム幅方向端部をピンあるいはクリップにより把持し、把持した部分を幅方向に広げるテンター横一軸延伸法、把持した部分のフィルム流れ方向速度差及び/又は走行距離差を利用するテンター斜め一軸延伸法、厚み方向に引張応力をかける特殊Z軸延伸方法、面内に圧縮応力をかける特殊Z軸延伸方法等の連続延伸方法が挙げられる。
更に、上述したような一軸延伸法を繰り返す逐次二軸延伸法、フィルム流れ方向に速度差のついたテンターを幅方向に広げる同時二軸延伸法、更にはこのような延伸を数回繰り返す多段延伸法等が挙げられる。
位相差を与えるフィルムを得るための連続延伸法の例をいくつか挙げたが、本発明の高分子フィルムの延伸方法はこれらに限定されるものではなく、生産性の観点から連続延伸が好ましいが、特に連続延伸である必要はない。
本発明の保護フィルムBに位相差を与える別の方法として、フィルム表面に光学異方層を設けてもよい。光学異方層は特に限定されるものではないが、例えば熱可塑性高分子フィルム上に直接又は下引き層を設けた上に更に配向層を形成し、その上に液晶性化合物を配向固化させて形成することができる。あるいは、配向層単独で光学異方層とすることもできる。光学異方層は、偏光子を接着する面、偏光子を接着しない面のいずれの面に設けてもよいが、偏光子を接着しない面に設けることが好ましい。
[配向層]
前記配向層は、熱可塑性高分子フィルム上に配置され、後述する光学異方層に隣接して、光学異方層中の液晶化合物を配向するために用いられる。
配向層を構成する具体的な材料としては、例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリケトンサルファイド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリアリレート、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、ポリビニルピロリドン、セルロース系プラスチックス、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等が挙げられるがこれらに限定されない。
配向処理は、公知の方法が用いられるが、ラビング処理等のLCDの液晶配向処理工程として広く採用されている処理方法を利用することができ、また、公知の光配向層を用いることもできる。
[光学異方性層]
光学異方性層は、液晶表示素子の視野角特性を改良するため、光学異方層の厚さはそれを構成する液晶化合物の複屈折の大きさ、及び液晶化合物の配向状態によって異なるが、概ね、その膜厚は、0.1〜10μmが好ましく、0.2〜5μmがより好ましい。
光学異方層は、1つの熱可塑性高分子フィルムに対して複数層設置することもできるが、生産性の観点から1層であることが好ましい。
―液晶化合物―
液晶化合物は、配向できるものであれば特に限定されるものではなく、ディスコチック化合物又は棒状の液晶化合物が挙げられ、数種類の液晶化合物の混合物でもよく、化学反応又は温度差を利用した処理により、配向を固定化できるものである。
また、液晶化合物と有機溶媒を含む溶液を調製し、その溶液を塗布、乾燥して光学異方層を作製する場合、液晶転移温度以上に加熱しなくても該温度以下で液晶化合物の配向処理をすることも可能である。
液晶化合物を含む溶液を塗布した場合、塗布後、溶媒を乾燥して除去し、膜厚が均一な液晶層を得ることができる。液晶層は、熱又は光エネルギーの作用、又は熱と光エネルギーの併用で化学反応によって、液晶の配向を固定化することができる。
また、液晶化合物が高分子液晶である場合、上記化学反応による硬化反応を用いて液晶の配向を固定しなくてもよい。
例えば高分子液晶をガラス転移点温度以上で熱処理し、ガラス転移温度以下に放冷することで配向を固定化することができる。
高分子液晶のガラス転移点温度が熱可塑性高分子フィルムの耐熱性温度よりも高い場合は、熱可塑性高分子フィルム上に前記配向膜を設置し高分子液晶を塗布後、高分子液晶のガラス転移点温度以上に加熱し配向させることができる。
また、別の支持体上に配向固化させた後、熱可塑性高分子フィルムに接着剤を用いて転写して光学異方体を作製することもできる。
目的に応じた位相差特性を持たせるために、延伸処理と光学異方層を設ける方法を挙げたが、これらの方法を組み合わせて用いてもよい。
特に、面内位相差と厚み方向位相差それぞれに異なる波長依存性を持たせたい場合には、それぞれ異なる位相差波長依存性を有する熱可塑性高分子フィルム上に光学異方層を設ける場合がある。
例えば、VA液晶などには位相差が短波長ほど小さい特性を有する熱可塑性高分子フィルム上に位相差が短波長ほど大きい特性を有する光学異方層を設ける場合がある。あるいは特殊Z軸延伸などのように生産性の悪い延伸処理が必要な場合には、生産性のよい延伸処理がされた熱可塑性高分子フィルム上に光学異方層を設け、全体として目的とする位相差特性とする場合がある。例えばIPS液晶、円偏光板などには、一軸延伸処理がされた正の光学異方性を有する熱可塑性高分子フィルム上に厚み方向位相差が負となるような光学異方層を設ける。あるいは、一軸延伸処理がされた負の光学異方性を有する熱可塑性高分子フィルム上に厚み方向位相差が正となるような光学異方層を設ける。更には、二軸延伸処理された負の光学異方性を有する熱可塑性高分子フィルム上に面内に光学軸を有する正の一軸性光学異方層を設けるなどして、全体として目的とする位相差特性とする場合がある。
<<熱可塑性高分子フィルムの接着性>>
前記熱可塑性高分子フィルムからなる保護フィルムBは、該フィルム上に層を形成したり、また偏光子との接着性を向上させる目的で表面処理を施すことが好ましい。
表面処理としては、鹸化処理、コロナ放電処理、紫外線照射処理、易接着層の積層などが挙げられ、フィルム面の水滴の接触角で65°以下が好ましく、60°以下がより好ましく、40°以下の表面状態にするのが更に好ましい。
<<易接着層>>
本発明では、密着を向上させるために易接着層を形成することが好ましい。
易接着層としては、保護フィルムとして該フィルム上に層を形成したり、また偏光子との接着性を向上させるものであれば何でもよく、例えばアクリル酸エステル系ラテックス、メタクリル酸系ラテックス、スチレン系ラテックス、等のラテックスからなる易接着層、親水性高分子化合物と架橋性樹脂化合物を含む混合物からなる易接着層、等が用いられる。
これらの易接着層は、前記熱可塑性高分子フィルム上に直接積層してもよいし、鹸化処理やコロナ放電処理等の易接着処理を施した後に積層してもよい。
[ラテックスからなる易接着層]
本発明はフィルム支持体上に、アクリル酸エステル系ラテックス、メタクリル酸系ラテックス、スチレン系ラテックスからなる易接着層を形成される事が好ましい。また、このラテックスは、(a)ジオレフィン系単量体、(b)ビニル単量体、(c)1種以上の分子内に2個以上のビニル基、アクリロイル基、メタアクリロイル又はアリル基を有する単量体からなる単量体混合物に対し、(d)α−メチルスチレンダイマーと他の重合連鎖移動剤とからなる重合連鎖移動剤の存在下において、水性媒体中で乳化重合して得られる共重合体ラテックスでもよい。
(a)ジオレフイン単量体
共重合体を形成する一方の単量体である(a)ジオレフイン単量体には、共役ジエンであるブタジエン、イソプレン、クロロプレン、等を挙げることができ、ブタジエンが好ましく用いられる。また、共重合体中の(a)ジオレフイン単量体の含有量は、共重合体全体の10〜60質量%であることが好ましく、15〜40質量%であることがより好ましい。
(b)ビニル単量体
本発明に用いられる共重合体の第2成分である(b)ビニル単量体としては、ビニル基を固有する単量体なら何でもよいが、好ましくは下記に示すものであり、スチレン、アクリロニトリル、メタクリル酸メチル、塩化ビニル、酢酸ビニル及びこれらの誘導体、アクリル酸のアルキルエステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクロレイン、メタアクロレイン、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、N−メチロール化アクリルアミド、N−メチロール化メタクリルアミド、ビニルイソシアネート、アリルイソシアネート等が挙げられる。また、共重合体中の(b)ビニル単量体の含有量としては、全体の90〜40質量%が好ましく、上記ビニル単量体、とりわけスチレン類が共重合全体の70〜40質量%であることがより好ましい。
上記スチレンの誘導体としては、例えば、メチルスチレン、ジメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、シクロヘキシルスチレン、デシルスチレン、ベンジルスチレン、クロルメルスチレン、トリフルオロメチルスチレン、エトキシメチルスチレン、アセトキシメチルスチレン、メトキシスチレン、4−メトキシ−3−メチルスチレン、ジメトキシスチレン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、トリクロルスチレン、テトラクロスチレン、ペンタクロルスチレン、ブロムスチレン、ジブロムスチレン、ヨードスチレン、フルオロスチレン、トリフルオルスチレン、2−ブロム−4−トリフルオルメチルスチレン、4−フルオル−3−トリフルオルメチルスチレン、ビニル安息香酸メチルエステル等が挙げられる。
アクリル酸のエステルの中で好ましいものとしては、アクリル酸エステル、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
(c)分子内に2個以上のビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基を有する単量体
また、本発明に用いられる共重合体の第3成分である(c)分子内に2個以上のビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基を有する単量体としては、ジビニルベンゼン、1,5−ヘキサジエン−3−イン、ヘキサトリエン、ジビニルエーテル、ジビニルスルホン、ジアリルフタレート、ジアリルカルビノール、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート等の通常ビニル単量体の重合の際に添加されるいわゆる架橋剤が挙げられる。
(c)分子内に2個以上のビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基を有する単量体は、(a)ジオレフイン単量体と(b)ビニル単量体との合計に対して0.01〜10質量%であることが好ましく、0.1〜5質量%であることがより好ましい。
(d)重合連鎖移動剤中のα−メチルスチレンダイマー
(d)重合連鎖移動剤中のα−メチルスチレンダイマーとしては、異性体として、(イ)2−4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン、(ロ)2−4−ジフェニル−4−メチル−2−ペンテン、(ハ)1−1−3−トリメチル−3−フェニルインダンがある。
α−メチルスチレンダイマーとして好ましい組成は、(イ)成分が40質量%以上、(ロ)成分及び/又は(ハ)成分が60質量%以下、更に好ましくは(イ)成分が50質量%以上、(ロ)成分及び/又は(ハ)成分が50質量%以下、特に好ましくは(イ)成分が70質量%以上、(ロ)成分及び/又は(ハ)成分が30質量%以下である。(イ)成分の組成比率が増加するに従って連鎖移動効果に優れる。
α−メチルスチレンダイマーは、本発明の目的を損なわない範囲で、不純物、例えば、未反応のα−メチルスチレン、前記(イ)、(ロ)、(ハ)成分以外のα−メチルスチレンオリゴマー、α−メチルスチレンポリマーを含むものであってもよい。α−メチルスチレンダイマーを使用する場合、その目的を損なわないものであれば、α−メチルスチレンダイマーを合成後、これを未精製の状態で使用することができる。
(d)重合連鎖移動剤中のα−メチルスチレンダイマーの割合は、2〜100質量%が好ましく、3〜100質量%がより好ましく、5〜95質量%が更に好ましい。
このα−メチルスチレンダイマーの割合が2質量%未満では接着強度と耐ブロッキング性に優れた共重合体ラテックスを得ることができない。
また、α−メチルスチレンダイマーと他の重合連鎖移動剤との併用により、重合時における反応性を高めることができる。
(d)重合連鎖移動剤の使用量は、単量体混合物100質量部当たり、0.3〜10質量部が好ましく、0.5〜7質量部がより好ましい。この(d)重合連鎖移動剤の使用量が0.3質量部未満では、耐ブロッキング性が劣り、一方10質量部を越えると接着強度が低下して好ましくない。
なお、α−メチルスチレンダイマーの使用量については、単量体混合物の100質量部当り、0.1〜5質量部の範囲で使用することが好ましい。
次に、(d)重合連鎖移動剤におけるα−メチルスチレンダイマーと併用する他の連鎖移動剤としては、一般の乳化重合に使用されている公知の重合連鎖移動剤を使用することができる。
具体的には、例えば、オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ヘキサデシルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、t−テトラデシルメルカプタンなどのメルカプタン類;ジメチルキサントゲンジスルフィド、ジエチルキサントゲンジスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィドなどのキサントゲンジスルフィド類;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィドなどのチウラムジスルフィド類;四塩化炭素、臭化エチレンなどのハロゲン化炭化水素類;ペンタフェニルエタンなどの炭化水素類;及びアクロレイン、メタクロレイン、アリルアルコール、2−エチルヘキシルチオグリコレート、ターピノーレン、α−テルピネン、γ−テルピネン、ジペンテンなどが挙げられる。これらは単独でも、あるいは2種以上を組み合わせて使用することもできる。
これらのうち、メルカプタン類、キサントゲンジスルフィド類、チウラムジスルフィド類、四塩化炭素などが好適に使用される。
本発明における共重合体ラテックスは、上記の単量体混合物及び重合連鎖移動剤を使用する点を除けば、従来公知の乳化重合法によって製造することができる。
すなわち、水等の水性媒体に単量体混合物及び重合開始剤、乳化剤、重合連鎖移動剤等を加えて乳化重合を行うことによって得られる。
上記の共重合体ラテックスは、ポリエステルフィルム支持体上に下塗層として塗布される。塗布膜厚は50〜1,000nmが好ましく、50〜300nmがより好ましく、50〜200nmが更に好ましい。
本発明において、ポリエステルフィルム支持体上に下塗層を形成する際に、共重合体ラテックスに対してジクロロ−s−トリアジン系架橋剤を併用することが好ましい。ジクロロ−s−トリアジン系架橋剤の併用により常湿条件下、高湿条件下、低湿条件下での接着力が著しく向上し、低湿条件下での亀裂が生じなくなり、その他、帯電防止性、耐傷性、耐水性、耐溶剤性等に優れた効果を付与できる。
本発明に使用されるジクロロ−s−トリアジン系架橋剤は、下記一般式(5)及び一般式(6)に示す少なくともいずれかの化合物が好ましい。なお、下記一般式(5)中、Aはアルキル基、環状アルキル基、アリール基、アルアルキル基、金属、水素原子である。また、一般式(6)中、R、Rは、水素、アルキル基、環状アルキル基、アリール基、アルアルキル基、−NHR(Rはアルキル基、アシル基)、RとRは結合してもよく、また、O、S、N−R(Rはアルキル基)を含む5〜6員の環を形成していてもよい。
これらのジクロロ−s−トリアジン系架橋剤は、単量体混合物に対して0.1〜100質量部添加することができる。ジクロロ−s−トリアジン系架橋剤の添加量が0.1質量部より少ないと、接着力の向上が不充分となり、その他、低湿条件下での亀裂防止効果や帯電防止性、耐傷性、耐水性、耐溶剤性等効果が不充分となり易い。
一方、ジクロロ−s−トリアジン系架橋剤の添加量が100質量部を超えると、未反応の架橋剤が多量に残り、上層のゼラチン層に移行して過硬膜となり、乳剤又はバック層との接着性が低下させ、好ましくない。
これらのジクロロ−s−トリアジン系架橋剤の具体例としては、次に示すものがある。
[親水性高分子化合物]
本発明において、上記の下塗り層上に、更に親水性高分子化合物を主バインダーとする第2の下塗層を積層して易接着層として設けることができる。
ここで、親水性高分子化合物としては、一般に、水酸基などの親水性の基を持つ高分子化合物であればよく、ゼラチン、フタル化ゼラチン、マレイン化ゼラチン等のアシル化ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、アクリル酸、メタクリル酸もしくはアミド等をゼラチンにグラフトさせたグラフト化ゼラチン、ポリビニルアルコール誘導体(例えば、ポリビニルアルコール、酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアセタール、ポリビニルホマール、ポリビニルベンザール等)、天然高分子化合物(例えば、ゼラチン、カゼイン、アラビアゴム、寒天、でんぷん、等)、親水性ポリエステル誘導体(例えば、部分的にスルホン化されたポリエチレンテレフタレート等)、ポリビニル誘導体(例えば、ポリ−N−ビニルピロリドン、コポリ−ビニルピロリドン−酢酸ビニル、ポリアクリルアミド、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルピラゾール等)、ポリヒドロキシアルキルアクリレート、グラフトでんぷん、アガロース、アルブミン、アルギン酸ソーダ、ポリサッカライドポリアクリルアミド、N−置換アクリルアミド、N−置換メタクリルアミド等の単独もしくは共重合体、あるいはそれらの部分加水分解物等合成もしくは天然の親水性高分子化合物が用いられる。これらのものは、単独又は混合して使用される。好ましい親水性ポリマーとしては、ゼラチンあるいはその誘導体である。
本発明に用いられる下塗り層塗布液は、一般によく知られた塗布方法、例えば、ディップコート法、エアナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、あるいは米国特許第2681294号明細書に記載のホッパーを使用するエクストルージョン法等により塗布することができる。
易接着層の厚みとしては、0.05〜1.0μmの範囲が好ましい。0.05μmより薄いと十分な接着性が得られ難く、また、1.0μmより厚いと接着性の効果は飽和する。
易接着層、親水性高分子を含有する層には、必要に応じて紫外線吸収剤を添加することもできる。
紫外線の吸収能に優れ、かつ良好な液晶表示性の観点から、紫外線吸収剤としては、各層に紫外線吸収剤を添加した後の保護フィルム全体での、波長380nmの透過率が0〜50%が好ましく、0〜30%がより好ましく、0〜10%が更に好ましく、600nmの透過率が80〜100%が好ましく、85〜100%がより好ましく、90〜100%であるものが更に好ましく用いられる。
[親水性高分子化合物と架橋性樹脂化合物を含む混合物からなる易接着層]
本発明の保護フィルムにおいては、前記熱可塑性高分子フィルムの少なくとも片面に親水性高分子化合物と架橋性樹脂化合物を含む混合物を、通常熱処理することにより得られる層を易接着層として積層してもよい。
これらは、具体的には、主として上記親水性高分子化合物と架橋性樹脂化合物を含む混合物(以下塗工液ということがある)を熱可塑性高分子フィルムの少なくとも一方の面上に塗工し、ついで熱処理することにより得ることができる。特に、生産性、安全性の観点から上記親水性高分子化合物と架橋性樹脂化合物を含む混合物は通常、水を含む溶液であって水溶液であることが好ましい。
−親水性高分子化合物−
本発明における親水性高分子化合物としては、前記親水性高分子化合物が挙げられ、単独あるいは2種以上を併用しても構わない。親水性高分子化合物として、偏光子と類似する組成であるポリビニルアルコール誘導体(例えば、ポリビニルアルコール)が好ましい。
ポリビニルアルコールを用いる場合には、重合度は100〜7,000であることが好ましく、300〜5,000であることがより好ましく、500〜5,000であることが更に好ましく、1,000〜4,000であることが特に好ましい。
また、鹸化度は、40〜99.9%であることが好ましく、50〜99.5%であることがより好ましく、60〜99であることが更に好ましく、70〜95%であることが特に好ましい。
−架橋性樹脂化合物−
本発明における架橋性樹脂化合物とは、外部励起エネルギーにより架橋反応などを経て硬化する樹脂を与える原料モノマーもしくはそれから重合されたポリマーをさすが、紫外線や電子線等の活性線照射によって硬化する活性線硬化樹脂と熱により架橋反応を開始する熱架橋性樹脂等が挙げられるがそのいずれでも構わない。
活性線硬化性樹脂としては、紫外線硬化性樹脂が代表として挙げられるが、その例としては紫外線硬化性ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化性アクリルウレタン系樹脂、紫外線硬化性メタクリル酸エステル系樹脂、紫外線硬化性ポリエステルアクリレート系樹脂及び紫外線硬化性ポリオールアクリレート系樹脂などが挙げられる。
特に、紫外線硬化性ポリオールアクリレート系樹脂がよく、例えばトリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタエリスリトール等の光重合モノマーオリゴマーが好まれる。これらのポリオールアクリレート系樹脂は高架橋性で、硬度が高く、硬化収縮が小さく、低臭気性で低毒性であり比較的安全性が高い。
電子線硬化性樹脂の例としては、好ましくは、アクリレート系の官能基を有するもの、例えば比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂などが挙げられる。
熱硬化性樹脂の例としては、例えばアクリル樹脂、スチレン樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、フェノキシエーテル樹脂、フェノキシエステル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂が挙げられ、またその共重合物、混合物でもよい。
前記架橋性樹脂化合物としては、特にフェノール性骨格の水酸基及び/又はカルボキシル基と反応し架橋しうる化合物が好ましく、特にオキサゾリン基、ジイミド基、ヒドラジド基、エポキシ基などを有していることが好ましく、なかでもオキサゾリン基を有していることが特に好ましい。このような基を有していれば、主鎖構造は特に限定されず、アクリル、スチレン、ウレタンなどが好ましく用いられるがこの限りではない。
前記架橋性樹脂化合物と親水性高分子化合物とからなる層を易接着層として形成する際に、塗工液中の親水性高分子化合物は塗工液100質量部に対して、0.1〜25質量部であることが好ましく、0.3〜20質量部であることがより好ましく、0.5〜15質量部であることが更に好ましく、1〜10質量部であることが特に好ましい。
また、架橋性樹脂化合物は塗工液100質量部に対して、0.5〜30質量部であることが好ましく、1〜25質量部であることがより好ましく、1.5〜20質量部であることが更に好ましく、2〜15質量部であることが特に好ましい。
塗工液を所望の目的に応じて、例えば上記以外の水溶性高分子、界面活性剤、消泡剤などを適宜混合することができる。なお、これらを含む塗工液を作製する際には、適宜濃度調整されたそれぞれの水溶液を作製したのち、これらを混合して塗工液を作製することが望ましい。それぞれの水溶液を作製する際には溶解性を高めるために加熱溶解してもよい。
上記塗工液の塗工には、一般的に用いられているコーティング法を用いることが可能であり、例えば、スピンコート法、マイヤーバーコート法、正回転ロールコート法、グラビアロールコート法、リバースロールコート法等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、塗工液は熱可塑性高分子フィルムの少なくとも一方の面上に塗工され、ついで通常熱処理されるが、熱可塑性高分子フィルム製造工程において製膜後あるいは製膜、延伸処理後に、更に塗工、熱処理されることが生産性の観点から好ましい。更には、製膜された熱可塑性高分子フィルムに塗工液を塗工し、ついで熱処理する際に延伸処理をもすることが、生産エネルギーコスト面で好ましい。
層の厚さとしては、0.01〜10μmが好ましく、0.05〜5μmがより好ましい。
本発明の保護フィルムを2枚の偏光膜の表面保護フィルムの内の少なくとも一方として用いて偏光板を作成する際には、前記の保護フィルムを、被覆層とは反対側の透明基材フィルムの表面、すなわち偏光膜と貼り合わせる側の表面を親水化することで、接着面における接着性を改良することが好ましい。
親水化された表面は、ポリビニルアルコールを主成分とする接着層との接着性を改良するのに有効である。親水化処理としては、下記の鹸化処理を行うことが好ましい。また、本発明で被覆層を形成する前の前処理として鹸化処理を行う場合も以下の方法を用いることが好ましい。
[鹸化処理]
(1)アルカリ液に浸漬する方法
アルカリ液の中に保護フィルムを適切な条件で浸漬して、フィルム全表面のアルカリと反応性を有する全ての面を鹸化処理する手法であり、特別な設備を必要としないため、コストの観点で好ましい。
アルカリ液は、水酸化ナトリウム水溶液であることが好ましい。その濃度としては、0.5〜3mol/Lが好ましく、1〜2mol/Lがより好ましい。また、アルカリ液の液温としては、30〜75℃が好ましく、40〜60℃がより好ましい。
前記の鹸化条件の組合せは、比較的穏和な条件同士の組合せであることが好ましいが、光散乱フィルムや反射防止フィルムの素材や構成、目標とする接触角によって設定することができる。
アルカリ液に浸漬した後は、フィルムの中にアルカリ成分が残留しないように、水で十分に水洗したり、希薄な酸に浸漬してアルカリ成分を中和することが好ましい。
鹸化処理することにより、透明支持体の防眩層や反射防止層を有する表面と反対の表面が親水化される。
保護フィルムは、透明支持体の親水化された表面を偏光膜と接着させて使用する。
親水化された表面は、ポリビニルアルコールを主成分とする接着層との接着性を改良するのに有効である。
鹸化処理は、防眩層や低屈折率層を有する側とは反対側の透明支持体の表面の水に対する接触角が低いほど、偏光膜との接着性の観点では好ましいが、一方、浸漬法では同時に防眩層や低屈折率層を有する表面から内部までアルカリによるダメージを受ける為、必要最小限の反応条件とすることが重要となる。
アルカリによる各層の受けるダメージの指標として、反対側の表面の透明支持体の水に対する接触角を用いた場合、特に透明支持体がトリアセチルセルロースであれば、10〜50度が好ましく、30〜50度がより好ましく、40〜50度が更に好ましい。50度以上では、偏光膜との接着性に問題が生じるため、好ましくない。一方、10度未満では、該ダメージが大きすぎるため、物理強度を損ない、好ましくない。
(2)アルカリ液を塗布する方法
上述の浸漬法における各膜へのダメージを回避する手段として、適切な条件でアルカリ液を防眩層や低屈折率層を有する表面と反対側の表面のみに塗布、加熱、水洗、乾燥するアルカリ液塗布法が好ましく用いられる。
なお、この場合の塗布とは、鹸化を行う面に対してのみアルカリ液などを接触させることを意味し、塗布以外にも噴霧、液を含んだベルト等に接触させる、などによって行われることも含む。
これらの方法を採ることにより、別途、アルカリ液を塗布する設備、工程が必要となるため、コストの観点では(1)の浸漬法に劣る。
一方で、鹸化処理を施す面にのみアルカリ液が接触するため、反対側の面にはアルカリ液に弱い素材を用いた層を有することができる。
例えば、蒸着膜やゾル−ゲル膜では、アルカリ液によって、腐食、溶解、剥離など様々な影響が起こるため、浸漬法では設けることが望ましくないが、この塗布法では液と接触しないため問題なく使用することが可能である。
前記(1)、(2)のどちらの鹸化方法においても、ロール状の支持体から巻き出して各層を形成後に行うことができるため、前述の防眩性反射防止フィルム製造工程の後に加えて一連の操作で行ってもよい。
更に、同様に巻き出した支持体からなる偏光板との貼り合わせ工程もあわせて連続で行うことにより、枚葉で同様の操作をするよりもより効率よく偏光板を作成することができる。
(3)防眩層や反射防止層をラミネートフィルムで保護して鹸化する方法
前記(2)と同様に、防眩層及び/又は低屈折率層がアルカリ液に対する耐性が不足している場合に、最終層まで形成した後に該最終層を形成した面にラミネートフィルムを貼り合せてからアルカリ液に浸漬することで最終層を形成した面とは反対側のトリアセチルセルロース面だけを親水化し、然る後にラミネートフィルムを剥離することができる。
この方法でも、防眩層、低屈折率層へのダメージなしに保護フィルムとして必要なだけの親水化処理をトリアセチルセルロースフィルムの最終層を形成した面とは反対の面だけに施すことができる。前記(2)の方法と比較して、ラミネートフィルムが廃棄物として発生する半面、特別なアルカリ液を塗布する装置が不要である利点がある。
(4)防眩層まで形成後にアルカリ液に浸漬する方法
防眩層まではアルカリ液に対する耐性があるが、低屈折率層がアルカリ液に対する耐性不足である場合には、防眩層まで形成後にアルカリ液に浸漬して両面を親水化処理し、然る後に防眩層上に低屈折率層を形成することもできる。
製造工程が煩雑になるが、特に低屈折率層がフッ素含有ゾル−ゲル膜等、親水基を有する場合には防眩層と低屈折率層との層間密着性が向上する利点がある。
(5)予め鹸化済のトリアセチルセルロースフィルムに被覆を形成する方法
トリアセチルセルロースフィルムを予めアルカリ液に浸漬するなどして鹸化し、何れか一方の面に直接又は他の層を介して被覆層を形成してもよい。アルカリ液に浸漬して鹸化する場合には、被覆層と鹸化により親水化されたトリアセチルセルロース面との層間密着性が悪化することがある。
そのような場合には、鹸化後、被覆層を形成する面だけにコロナ放電、グロー放電等の処理をすることで親水化面を除去してから防眩層又は他の層を形成することで対処できる。また、防眩層又は他の層が親水性基を有する場合には層間密着が良好なこともある。
(液晶表示装置)
以下に、本発明の保護フィルムを用いた偏光板及び該偏光板を用いた液晶表示装置について説明する。
本発明のフィルム、偏光板は、液晶表示装置等の画像表示装置に有利に用いることができ、ディスプレイの最表層に用いることが好ましい。
液晶表示装置は、液晶セル及びその両側に配置された二枚の偏光板を有し、液晶セルは、二枚の電極基板の間に液晶を担持している。
更に、光学異方性層が、液晶セルと一方の偏光板との間に一枚配置されるか、あるいは液晶セルと双方の偏光板との間に二枚配置されることもある。
液晶セルは、TNモード、VAモード、OCBモード、IPSモード又はECBモードであることが好ましい。
<TNモード>
TNモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に水平配向し、更に60〜120゜にねじれ配向している。
TNモードの液晶セルは、カラーTFT液晶表示装置として特に多く利用されており、多数の文献に記載がある。
<VAモード>
VAモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に垂直に配向している。
VAモードの液晶セルには、(1)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直に配向させ、電圧印加時に実質的に水平に配向させる狭義のVAモードの液晶セル(特開平2−176625号公報記載)に加えて、(2)視野角拡大のため、VAモードをマルチドメイン化した(MVAモードの)液晶セル(SID97、Digest of Tech. Papers(予稿集)28(1997)845記載)、(3)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直配向させ、電圧印加時にねじれマルチドメイン配向させるモード(n−ASMモード)の液晶セル(日本液晶討論会の予稿集58〜59(1998)記載)及び(4)SURVAIVALモードの液晶セル(LCDインターナショナル98で発表)が含まれる。
<OCBモード>
OCBモードの液晶セルは、棒状液晶性分子を液晶セルの上部と下部とで実質的に逆の方向に(対称的に)配向させるベンド配向モードの液晶セルであり、米国特許第4583825号、同5410422号の各明細書に開示されている。棒状液晶性分子が液晶セルの上部と下部とで対称的に配向しているため、ベンド配向モードの液晶セルは、自己光学補償機能を有する。そのため、この液晶モードは、OCB(Optically Compensatory Bend)液晶モードと呼ばれる。ベンド配向モードの液晶表示装置は、応答速度が速いとの利点がある。
<IPSモード>
IPSモードの液晶セルは、ネマチック液晶に横電界をかけてスイッチングする方式であり、詳しくはProc.IDRC(Asia Display ’95),p.577−580及び同p.707−710に記載されている。
<ECBモード>
ECBモードの液晶セルは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に水平配向している。ECBモードは、最も単純な構造を有する液晶表示モードの一つであって、例えば特開平5−203946号公報に詳細が記載されている。
<輝度向上フィルム>
輝度向上フィルムとしては、光源(バックライト)からの出射光を透過偏光と反射偏光又は散乱偏光に分離するような機能を有する偏光変換素子が用いられる。かかる輝度向上フィルムは、反射偏光又は散乱偏光のバックライトからの再帰光を利用して、直線偏光の出射効率を向上できる。
例えば、異方性反射偏光子が挙げられる。異方性反射偏光子としては、一方の振動方向の直線偏光を透過し、他方の振動方向の直線偏光を反射する異方性多重薄膜が挙げられる。
異方性多重薄膜としては、例えば、3M社製のDBEFが挙げられる(例えば、特開平4−268505号公報等参照。)。
また、異方性反射偏光子としては、コレステリック液晶層とλ/4板の複合体が挙げられる。かかる複合体としては、日東電工(株)製のPCFが挙げられる(特開平11−231130号公報等参照。)。
また、異方性反射偏光子としては、反射グリッド偏光子が挙げられる。
反射グリッド偏光子としては、金属に微細加工を施し可視光領域でも反射偏光を出すような金属格子反射偏光子(米国特許第6288840号明細書等参照。)、金属の微粒子を高分子マトリック中に入れて延伸したようなもの(特開平8−184701号公報等参照。)が挙げられる。
また、異方性散乱偏光子が挙げられる。異方性散乱偏光子としては、3M製のDRPが挙げられる(米国特許第5825543号明細書参照)。
更に、ワンパスで偏光変換できるような偏光素子が挙げられる。例えば、スメクテイックCを用いたものなどが挙げられる(特開2001−201635号公報等参照)異方性回折格子が用いられる。
本発明の偏光板は、輝度向上フィルムと共に用いることができる。輝度向上フィルムを用いる場合には、偏光板と輝度向上フィルムを密着することが偏光板への水分の浸入を防ぎ、光漏れを抑制するためより好ましい。
偏光板と輝度向上フィルムとは貼り合わせる接着剤としては特に制限されない。例えばアクリル系重合体、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルエーテル、酢酸ビニル/塩化ビニルコポリマー、変性ポリオレフィン、エポキシ系、フッ素系、天然ゴム、合成ゴム等のゴム系などのポリマーをベースポリマーとするものを適宜に選択して用いることができる。特に、光学的透明性に優れ、適度な濡れ性と凝集性と接着性の粘着特性を示して、耐候性や耐熱性などに優れるものが好ましく用いうる。
<タッチパネル>
本発明の保護フィルムは、特開平5−127822号公報、特開2002−48913号公報等に記載されるタッチパネルなどに応用することができる。
<有機EL素子>
本発明の保護フィルムは、有機EL素子等の基板(基材フィルム)や保護フィルムとして用いることができる。
本発明の保護フィルムを有機EL素子等に用いる場合には、特開平11−335661号、特開平11−335368号、特開2001−192651号、特開2001−192652号、特開2001−192653号、特開2001−335776号、特開2001−247859号、特開2001−181616号、特開2001−181617号、特開2002−181816号、特開2002−181617号、特開2002−056976号等の各公報記載の内容を応用することができる。また、特開2001−148291号、特開2001−221916号、特開2001−231443号の各公報記載の内容と併せて用いることが好ましい。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらに限定されるものではない。
(保護フィルムAの作製)
<保護フィルムA−001の作製>
80μmの厚さのトリアセチルセルロースフィルム(TAC−TD80U、富士写真フイルム(株)製、以下、「TAC」と称することがある。)上にスロットルダイを有するコーターを用いて、下記組成の被覆層1塗布液を、乾燥後の厚みが2.4μmになる様に塗布した。搬送速度30m/分の条件で塗布し、60℃で30秒乾燥後、100℃で5分乾燥して、保護フィルムA−001を作製した。
[被覆層1塗布液組成]
・塩素含有重合体:R204
{旭化成ライフ&リビング(株)製「サランレジンR204」} 12g
・テトラヒドロフラン 58g
・トルエン 5g
[透湿度の測定]
得られた保護フィルムA−001について、調湿条件を60℃、95%RHに変更した以外はJIS Z−0208に従って、透湿度を算出した。
この際、恒温恒湿装置に入れたカップを適当な時間間隔で取り出して秤量する操作を繰り返し、二つの連続する秤量で、それぞれ単位時間あたりの質量増加を求め、それが5%以内で一定になるまで評価を続けた。
また、試料の吸湿等による影響を除外するため、吸湿剤の入れていないブランクのカップを測定し、透湿度の値を補正した。
また、ビニルアルコール系重合体を含む樹脂層を有する保護フィルムの透湿度を測定する場合には、透明基材フィルム上に設けた該樹脂層が測定カップに接する様な向きでサンプルをセットし、上記と同様の方法で、透明基材フィルム側からの透湿度を測定した。このようにして、保護フィルムA−001の透湿度を測定したところ、98g/m・dayであった。結果を表2に示す。
[平衡含水率の測定]
得られた保護フィルムA−001の切片(7mm×35mm)を、25℃、80%RHに調節された雰囲気下に24時間以上放置した後、水分測定器、試料乾燥器(CA−03,VA−05、共に三菱化学(株)製)にてカールフィッシャー法にて含水量を求め、試料質量に対する水分量の比率から25℃80%RHにおける各保護フィルムAの平衡含水率を算出した。結果を表2に示す。
<保護フィルムA−002の作製>
80μmの厚さのトリアセチルセルロースフィルム(TAC−TD80U、富士写真フイルム(株)製)上にスロットルダイを有するコーターを用いて、被覆層2塗布液を乾燥後の厚みが2.4μmになる様に塗布した。
搬送速度30m/分の条件で塗布し、60℃で1分乾燥後、100℃5分乾燥して、保護フィルムA−002を作製した。
その後、得られた保護フィルムA−002の透湿度を測定したところ、180g/m・dayであった。また、得られた保護フィルムA−002の「平衡含水率」についても、保護フィルムA−001と同様にして測定した。結果を表2に示す。
[被覆層2塗布液組成]
・塩素含有重合体:F216
{旭化成ライフ&リビング(株)製「サランレジンF216」} 12g
・テトラヒドロフラン 33g
・トルエン 30g
<保護フィルムA−003の作製>
トリアセチルセルロース(TAC−TD80U、富士写真フイルム(株)製)の被覆層3を設ける側を1mol/Lのアルカリ溶液を用いて50℃で鹸化処理を施した。
その後、トリアセチルセルロースフィルムの鹸化処理面上にスロットルダイを有するコーターを用いて、下記組成の被覆層3塗布液を乾燥後の膜厚が6μmになるように塗布した。
その後、搬送速度30m/分の条件で塗布し、130℃5分間乾燥して、保護フィルムA−003を作製した。
その後、得られた保護フィルムA−002の透湿度を測定したところ、230g/m・dayであった。また、得られた保護フィルムA−002の「平衡含水率」についても、保護フィルムA−001と同様にして測定した。結果を表2に示す。
[被覆層3塗布液組成]
・ビニルアルコール系重合体HR―3010 ((株)クラレ製) 5質量部
・水中高圧分散済マイカME−100(固形分比5質量%) 10質量部
・水 100質量部
無機層状化合物ME−100(コープケミカル製)は、所望の濃度になるように、水と混合し、その後、高圧分散機を用いて30Mpaで3回高圧分散処理を行い、水中に分散させた。
HR−3010は、95℃の水で2時間攪拌することによって、溶解させた。その後両者を混合して被覆層3塗布液を作製した。
<保護フィルムA−004の作製>
80μmの厚さのトリアセチルセルロースフィルム(TAC−TD80U、富士写真フイルム(株)製)上にスロットルダイを有するコーターを用いて、被覆層1塗布液を乾燥後の厚みが3.6μmになる様に塗布した。
搬送速度30m/分の条件で塗布し、60℃で1分乾燥後、100℃5分乾燥して、保護フィルムA−004を作製した。
その後、得られた保護フィルムA−004の透湿度を測定したところ、64g/m・dayであった。また、得られた保護フィルムA−004の「平衡含水率」についても、保護フィルムA−001と同様にして測定した。結果を表2に示す。
<保護フィルムA−005〜A−010の作製>
<<基材層の作成>>
[セルロースアシレートフィルムC−1の作製]
−セルロースアシレート溶液(ドープ)D−01の調製−
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液D−01を調製した。
[セルロースアシレート溶液D−01組成]
・セルローストリアセテート(アセチル置換度2.86) 100.0質量部
・トリフェニルフォスフェート(可塑剤1) 6.0質量部
・ビフェニルフォスフェート(可塑剤2) 3.0質量部
・メチレンクロライド(第1溶媒) 402.0質量部
・メタノール(第2溶媒) 60.0質量部
−マット剤溶液の調製−
下記の組成物を分散機に投入し、攪拌して各成分を溶解し、マット剤溶液DM−01を調製した。
[マット剤溶液DM−01組成]
・平均粒径16nmのシリカ粒子
(AEROSIL R972、日本アエロジル(株)製 2.2質量部
・セルローストリアセテート(アセチル置換度2.88) 2.0質量部
・トリフェニルフォスフェート(可塑剤1) 0.2質量部
・ビフェニルフォスフェート(可塑剤2) 0.1質量部
・メチレンクロライド(第1溶媒) 83.5質量部
・メタノール(第2溶媒) 12.0質量部
−紫外線吸収剤溶液DU−01の調製−
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、紫外線吸収剤溶液DU−01を調製した。
[紫外線吸収剤溶液DU−01組成]
・UV−1(紫外線吸収剤1) 3.0質量部
・UV−10(紫外線吸収剤2) 12.0質量部
・セルローストリアセテート(アセチル置換度2.86) 4.4質量部
・トリフェニルフォスフェート(可塑剤1) 0.4質量部
・ビフェニルフォスフェート(可塑剤2) 0.2質量部
・メチレンクロライド(第1溶媒) 70.0質量部
・メタノール(第2溶媒) 10.0質量部
セルロースアシレート溶液D−01を97.4質量部、マット剤溶液DM−01を1.3質量部、及び紫外線吸収剤溶液DU−01を1.3質量部、それぞれを濾過後に混合し、バンド流延機を用いて流延した。
残留溶剤が60%でフィルムをバンドから剥離し、100℃の条件でフィルムを、クリップテンターを用いて幅を保持し、5%延伸後の幅のまま130℃で30秒間保持した。
その後、クリップを外して130℃で40分間乾燥させ、セルロースアシレートフィルムC−1を製造した。
得られたセルロースアシレートフィルムC−1の残留溶剤量は、0.2%であり、膜厚は80μmであった。
[セルロースアシレートフィルムC−2〜C−7の作製]
−セルロースアシレート溶液(ドープ)D−02〜D−06の調製−
下記組成の各ドープ組成物を、マット剤溶液DM−02と共に耐圧密閉タンクに攪拌しながら投入した後、80℃にて3時間加熱を行ってドープを完全に溶解した後、更に濾過を行い、セルロースアシレート溶液(ドープ)D−02〜D−06をそれぞれ調製した。
[セルロースアシレート溶液D−02組成]
・セルロースアセテート (アセチル置換度 2.88) 100質量部
・トリフェニルホスフィン 9質量部
・エチルフタリルエチルグリコレート 3質量部
・UV−1 0.4質量部
・UV−6 0.8質量部
・UV−8 0.8質量部
・メチレンクロライド 475質量部
・エタノール 50質量部
[セルロースアシレート溶液D−03組成]
・セルロースアセテート (アセチル置換度 2.88) 100質量部
・トリフェニルホスフィン 11質量部
・UV−1 0.8質量部
・UV−11 0.8質量部
・メチレンクロライド 475質量部
・エタノール 50質量部
但し、UV−11は、2−(2‘−ヒドロキシ−3’,5‘−ジーt−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールである。
[セルロースアシレート溶液D−04組成]
・セルロースアセテート (アセチル置換度 2.88) 100質量部
・下記構造式に示す化合物 6質量部
・エチルフタリルエチルグリコレート 12質量部
・UV−1 0質量部
・UV−6 4質量部
・UV−8 2質量部
・メチレンクロライド 475質量部
・エタノール 50質量部
[セルロースアシレート溶液D−05組成]
・セルロースアセテートプロピオネート
(アセチル置換度1.9、プロピオニル置換度0.8) 100質量部
・トリフェニルホスフィン 9質量部
・エチルフタリルエチルグリコレート 3質量部
・UV−1 0.4質量部
・UV−6 0.8質量部
・UV−8 0.8質量部
・メチレンクロライド 475質量部
・エタノール 50質量部
[マット剤溶液DM−02組成]
・平均粒径16nmのシリカ粒子
(AEROSIL R972、日本アエロジル(株)製 2.2質量部
・セルローストリアセテート(アセチル置換度2.88) 2.0質量部
・トリフェニルフォスフェート(可塑剤1) 0.2質量部
・ビフェニルフォスフェート(可塑剤2) 0.1質量部
・メチレンクロライド(第1溶媒) 85.5質量部
・エタノール(第2溶媒) 10.0質量部
[流延製膜]
セルロースアシレート溶液D−02(98.7質量部)、及びマット剤溶液DM−02(1.3質量部)を混合したドープを35℃に温度調整し、ダイスに送液して、ダイスリットからエンドレスステンレスベルトからなる金属支持体上に均一に流延した。
エンドレスステンレスベルトの流延部は、裏面から35℃の温水で循環した金属ロールを内側から内接し、加熱した。
流延後、支持体上のドープ膜(ステンレスベルトに流延以降はウェブということにする)に44℃の温風をあてて乾燥させ、流延から90秒後に剥離残留溶媒量を40質量%として剥離し、多数のロールで搬送させながら乾燥させた。
剥離部のエンドレスステンレスベルトの温度は10℃とした。
剥離されたウェブは、50℃に設定された第1乾燥ゾーンを1分間搬送させた後、第2乾燥ゾーン入り口にて80℃としてテンターでウェブ端部を把持し、90℃で幅手方向に1.07倍に延伸した。
延伸後、その幅を維持したまま数秒間保持した後、幅保持を解放し、更に125℃に設定された第3乾燥ゾーンで20分間搬送させて、乾燥を行い、膜厚80μmのセルロースエステルフィルムC−2を得た。
セルロースアシレート溶液D−02の代わりに用いるセルロースアシレート溶液の種類、及び流延後のフィルム試料の膜厚、テンターでウェブ端部を把持する際の幅手方向の延伸倍率が下記の表1に記載の値となる他は、セルロースフィルム試料C−2と同様の方法により流延製膜を行い、セルロースフィルム試料フィルム試料C−3〜C−7を作製した。
保護フィルムA−001〜A−003の作製において用いたTD80−ULの代わりに、下記表2に示すように、上記セルロースアシレートフィルムC−1〜C−7を用いた以外は、上記の保護フィルムA−001と同じ方法で、保護フィルムA−005〜A−011を作製した。作製した保護フィルムA−005〜A−011の60℃、95%RHでの透湿度、及び25℃80%RHでの平衡含水率を測定した。その結果を表2に示す。
表2に示すように、作製した保護フィルムA−001〜A−011の透湿度は、いずれも50〜300g/m・dayであり、平衡含水率は、いずれも1.5質量%以上であった。
<保護フィルムA−101の作製>
<<ノルボルネン系樹脂フィルムC−101の作製>>
ノルボルネン系重合体(商品名:ZEONOR 1420R、日本ゼオン社製、ガラス転移温度136℃、飽和吸水率0.01%未満)のペレットを、空気を流通させた熱風乾燥機を用いて110℃で4時間乾燥した。
そして、リーフディスク形状のポリマーフィルター(濾過精度30μm)が設置され、ダイリップの先端部がクロムメッキされた平均表面粗さRa=0.04μmのリップ幅650mmのコートハンガータイプのTダイを有する短軸押出機を用いて、前記ペレットを260℃で溶融押出しして、膜厚121μm、幅600mmのノルボルネン系樹脂フィルムC−101を長尺基材フィルムとして作製した。
得られた長尺基材フィルムの25℃80%RHでの平衡含水率は0.01質量%以下、透湿度は11g/m・dayであった。また、面内のレターデーション値(Re)は、2nmであった。
<<下塗り層用塗布液の調整>>
ミキシングタンクを用いて、以下の材料を混合し、下塗り層用塗布液を調整した。
[下塗り層用塗布液組成]
・スチレンブタジエンラテックス(固形分43%) 300g
・2,4−ジクロロ−6ヒドロキシ−s−トリアジンナトリウム塩(8%) 49g
・蒸留水 1,600g
上記で作製した長尺基材フィルムC−101の片側の面に、高周波発信機(コロナジェネレータHV05−2、Tamtec社製)を用いて、出力電圧100%、出力250Wで、直径1.2mmのワイヤー電極で、電極長240mm、ワーク電極間1.5mmの条件で3秒間コロナ放電処理を行い、表面張力が0.072N/mになるように表面改質したコロナ処理済み保護フィルムKA−101を作製した。
その後、調整した下塗り層用塗布液を、乾燥膜厚が90nmとなるように塗布した。これにより、下塗り層付き保護フィルムA−101を作製した。
<保護フィルムA−102の作製>
<<ポリエチレンテレフタレートAの合成>>
ジメチルテレフタレートと、エチレングリコールとを、エステル交換触媒として酢酸マンガンを、重合触媒として三酸化アンチモンを、安定剤として亜燐酸を添加して常法により重合し、ポリエチレンテレフタレートAを得た。
<<ポリエステルフィルムの作製>>
上記ポリエチレンテレフタレートAのチップ材料を、ヘンシェルミキサー及びパドルドライヤー乾燥機内で含水率50ppm以下に乾燥させた後、ヒーター温度を280〜300℃に設定した押出し機内で溶融させた。溶融させたポリエステル樹脂を、ダイ部より静電印加されたチラーロール上に吐出させ、非結晶ベースを得た。
この非結晶ベースをベース流れ方向に延伸比3.3倍に延伸後、ベース幅方向に延伸比3.9倍に延伸し、厚さ100μmのポリエステルフィルムを作製した。また、作製したフィルムの透湿度は41g/m・day、25℃80%RHでの平衡含水率は0.4質量%であった。
<<下塗り層の塗設>>
作製したポリエステルフィルムの一方の面に、塗布直前に高周波発信機(コロナジェネレータHV05−2、Tamtec社製)を用いて、出力電圧100%、出力250Wで、直径1.2mmのワイヤー電極で、電極長240mm、ワーク電極間1.5mmの条件で3秒間コロナ放電処理を行い、表面張力が0.072N/mになるように表面改質したKA−102(コロナ処理)を作製した。
更に、保護フィルムA−101の作製にて調整した下塗り層用塗布液を乾燥膜厚が90nmとなるように塗布した。これにより下塗り層付き保護フィルムA−102を作製した。
(保護フィルムBの作製)
<保護フィルムB−101の作製>
<<ノルボルネン系樹脂フィルムC−103の作製>>
溶融押出しした溶融フィルムを、160℃にて幅方向に2.1倍の延伸処理を行う以外は、ノルボルネン系樹脂フィルムC−101と同様の作製方法により、膜厚110μm、幅600mmのノルボルネン系樹脂フィルムC−103を長尺基材フィルムとして作製した。
得られたノルボルネン系樹脂フィルムC−103の25℃80%RHでの平衡含水率は0.01質量%以下であり、透湿度は、11g/m・dayであった。また、ノルボルネン系樹脂フィルムC−103は、位相差値がRe=210nm、Rth=110nmであった。結果を表3に示す。
更に、保護フィルムA−101と同様にして、ノルボルネン系樹脂フィルムC−103上にコロナ処理を行い、コロナ処理を施した保護フィルムKB−101を作製すると共に、下塗り層を塗設し、下塗り層が形成された保護フィルムB−101を作製した。
<保護フィルムB−102の作製>
<<ノルボルネン系樹脂フィルムC−104の作製>>
溶融押出しした溶融フィルムを、160℃にて搬送方向に1.6倍延伸処理を行った後、更に160℃にて幅方向に1.6倍延伸処理を行う以外は、ノルボルネン系樹脂フィルムC−101と同様の作製方法により、膜厚110μm、幅600mmのノルボルネン系樹脂フィルムC−104を長尺基材フィルムとして作製した。
得られたノルボルネン系樹脂フィルムC−104の25℃80%RHでの平衡含水率は0.01質量%以下であった。また、作製したノルボルネン系樹脂フィルムC−104は、位相差値がRe=152nm、Rth=11nmであった。結果を表3に示す。
更に、保護フィルムKA−101と同様にして、ノルボルネン系樹脂フィルムC−104上にコロナ処理を行い、コロナ処理を施した保護フィルムKB−102を作製すると共に、下塗り層を塗設し、下塗り層が形成された保護フィルムB−102を作製した。
<保護フィルムB−103の作製>
<<ノルボルネン系樹脂フィルムC−102の作製>>
[ノルボルネン系樹脂(ポリマーP−101)の調製]
トルエンに、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4,4,0,12.5,17.10]ドデカ−3−エンを溶解して、50質量%濃度溶液を調製した。このトルエン溶液600cmを、予めエテンで完全にパージした1.5dmオートクレーブ中に投入した。
エテン(エチレン)(6bar)で複数回加圧することにより、溶液をエテンで飽和させた。メチルアルミノオキサンのトルエン溶液(凝固点降下測定法:cryoscopic determinationにより、1,300g/molの分子量を有する10質量%濃度のメチルアルミノオキサンのトルエン溶液)10cmを計量し、混合物を70℃で30分間、撹拌した。
メチルアルミノオキサンのトルエン溶液10cm中で、イソプロピレン(1−インデニル)(3−tert−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド0.37mgを15分間予備活性化した後に、反応容器中に添加した。
撹拌(750rpm)しながら、重合を1時間実施し、追加の量を計量することにより、エテン圧力を6barに保持した。
反応時間終了後、重合混合物を容器に排出し、即座にアセトン5dmを導入し、10分間撹拌し、続いて、沈澱した生成物を濾過した。
フィルターケーキを、各々10%塩酸とアセトンで交互に3回洗浄し、残渣をアセトン中でスラリー化させ、再び濾過した。
このようにして精製したポリマーを、減圧(0.2bar)下、80℃で15時間乾燥させた。
これにより、無色のポリマーP−101が40g得られた。このポリマーは、ガラス転移温度142℃、粘度数185mL/g、質量平均分子量147,000g/molであった。
<<ノルボルネン系樹脂フィルムC−105の作製>>
上記ノルボルネン系ポリマーP−101を、トルエンに35質量%になるよう溶解し、ポリエチレンテレフタレート工程フィルムに流延し、80℃で5分間、120℃で5分間、更に工程フィルムから剥がした後に、テンター延伸工程にて、フィルム端をテンタークリップで保持し、フィルム幅方向に2.2倍に延伸処理を行いながら150℃で3分間乾燥して、ノルボルネン系樹脂からなる長尺基材フィルムC−105を作製した。
なお、乾燥後のノルボルネン系樹脂フィルムC−105の厚みは130μmであった。
また、作製したフィルムの透湿度は、260g/m・dayであり、25℃80%RHでの平衡含水率は0.33質量%であった。
また、作製したノルボルネン系樹脂フィルムC−105は、位相差値がRe=196nm、Rth=−23nmであった。結果を表3に示す。
更に、保護フィルムA−101と同様にして、ノルボルネン系樹脂フィルムC−105上にコロナ処理を行い、コロナ処理を施した保護フィルムKB−103を作製すると共に、下塗り層を塗設し、下塗り層が形成された保護フィルムB−103を作製した。
<保護フィルムB−104の作製>
<<位相差PCの作製>>
攪拌機、温度計及び環流冷却器を備えた反応槽に水酸化ナトリウム水溶液及びイオン交換水を仕込み、これに、下記一般式(E)、及び(F)に示す各モノマーを15:85のmol比で溶解させ、少量のハイドロサルフィトを加えた。
次に、これに塩化メチレンを加え、20℃でホスゲンを約60分かけて吹き込んだ。
更に、p−tert−ブチフェノールを加えて乳化させた後、トリエチルアミンを加えて30℃で約3時間攪拌して反応を終了させた。
反応終了後、有機相を分取し、塩化メチレンを蒸発させてポリカーボネート共重合体を得た。得られた共重合体の組成比はモノマー仕込み量比とほぼ同等であった。また、この共重合ポリカーボネートのガラス転移点温度は、216℃であった。
この共重合ポリカーボネートを塩化メチレンに溶解させて18質量%のドープ溶液を作製した。このドープ溶液をスチールドラム上に流延し、それを連続的に剥ぎ取って乾燥させ、このフィルムを220℃で縦方向2.3倍の延伸処理をした。
得られたフィルムの膜厚は115μmであり、残留溶媒量は1.3質量%であった。この延伸処理により得られた延伸フィルムは、位相差値がRe=267nm、Rth=15nmであった。
この延伸フィルム上にポリビニルアルコール樹脂(クラレPVA217、重合度1700、鹸化度88%)5質量%水溶液と、オキサゾリン基含有水溶性ポリマー(日本触媒WS700)25質量%水溶液を質量比で7:3の割合にて混合した水溶液を塗液として、マイヤーバーコート法にて塗工し、120℃5分熱処理して、厚み0.6μmの層を有する保護フィルムB−104を作製した。作製した保護フィルムB−104の透湿度は、110g/m・day、25℃80%RHでの平衡含水率は0.35質量%であった。結果を表3に示す。
<保護フィルムB−105の作製>
保護フィルムB−104の作製において、上記一般式(E)、及び(F)に示す各モノマーを、60:40のmol比で溶解させ、ドープ溶液をスチールドラム上に流延し、それを連続的に剥ぎ取って乾燥させた後の延伸処理を、220℃で縦方向1.8倍の延伸処理をした以外は同様の方法により、位相差値がRe=157nm、Rth=−22nmの保護フィルムB−105を作製した。結果を表3に示す。
<保護フィルムB−106の作製>
保護フィルムB−104の作製において、上記一般式(E)、及び(F)に示す各モノマーを、35:65のmol比で溶解させ、ドープ溶液をスチールドラム上に流延し、それを連続的に剥ぎ取って乾燥させた後の延伸処理を、220℃で縦方向1.7倍の延伸処理をした以外は同様の方法により、位相差値がRe=152nm、Rth=40nmの保護フィルムB−106を作製した。結果を表3に示す。
<保護フィルムB−107の作製>
前述の保護フィルムA−102の作製におけるポリエチレンテレフタレートAの合成と同様にして、ポリエチレンテレフタレートAを得た。
<<ポリエステルフィルムの作製>>
上記ポリエチレンテレフタレートAのチップ材料を、ヘンシェルミキサー及びパドルドライヤー乾燥機内で含水率50ppm以下に乾燥させた後、ヒーター温度を280〜300℃に設定した押出し機内で溶融させた。
溶融させたポリエステル樹脂を、ダイ部より静電印加されたチラーロール上に吐出させ、非結晶ベースを得た。この非結晶ベースをベース流れ方向に延伸比2.0倍に延伸後、ベース幅方向に延伸比2.0倍に延伸し、厚さ100μmのポリエステルフィルムを作製した。また、作製したフィルムの透湿度は41g/m・day、25℃80%RHでの平衡含水率は0.4質量%、位相差値は、Re=1nm、Rth=45nmであった。結果を表3に示す。
<<下塗り層の塗設>>
作製したポリエステルフィルムの一方の面に、塗布直前に高周波発信機(コロナジェネレータHV05−2、Tamtec社製)を用いて、出力電圧100%、出力250Wで、直径1.2mmのワイヤー電極で、電極長240mm、ワーク電極間1.5mmの条件で3秒間コロナ放電処理を行い、表面張力が0.072N/mになるように表面改質したKA−102(コロナ処理)を作製した。
更に、保護フィルムA−101の作製にて調整した下塗り層用塗布液を乾燥膜厚が90nmとなるように塗布した。これにより、下塗り層付き保護フィルムB−107を作製した。
上記で作製した保護フィルムB−101〜107について、保護フィルムAと同様に透湿度、平衡含水率、寸法変化率、及び光弾性係数の測定を行った。結果を表3に示す。
[寸法変化率の測定]
得られた保護フィルムA−001の切片(35mm×120mm)中に100mm間隔となるようにTD方向又はMD方向に2点をプロットし、25℃、60%RH条件下にて24時間以上調湿した後、90℃2.7%RH(dry)で100時間、及び60℃90%RHで100時間の湿熱処理を行い、熱処理直後のプロット間の長さと湿熱処理前の2点間の距離から変化量を求め、湿熱処理前の長さに対する比から寸法変化率を求めた。結果を表3に示す。
[光弾性係数の測定]
得られた保護フィルムA−001の切片(12mm×120mm)のMD方向又はTD方向に対して引っ張り応力をかけ、その際のレターデーションをエリプソメーター(M150、日本分光(株))で測定し、応力に対するレターデーションの変化量から光弾性係数を算出した。結果を表3に示す。
(実施例1)
<偏光板001の作製>
<<偏光子の作製>>
厚み100μm、平均重合度2,400のポリビニルアルコールフィルムを、30℃の純水中に1分間浸漬しながら搬送方向に2.5倍に延伸した。
次いで、ヨウ素とヨウ化カリウム配合の染色浴槽に30℃で1分間浸漬しながら搬送方向に1.2倍に延伸した。
次いで、60℃4質量%のホウ酸浴槽に2分間浸漬しながら2倍に延伸した後、更に、ヨウ化カリウム濃度5質量%浴槽に30℃にて5秒間浸漬した後、35℃で5分間乾燥し、偏光子を作製した。
<<保護フィルムの鹸化処理>>
前記にて作製した偏光子の一方の面に保護フィルムA−001の表面を親水化処理し偏光子との貼合性を付与する目的で鹸化処理を行った。すなわち、得られた保護フィルムA−01を55℃にて1.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液中に2分間浸漬したあと、中和、水洗、乾燥をすることで、鹸化処理を行った。
保護フィルムA−002〜A−011、及び市販のトリアセチルセルロースフィルム(TAC−TD80UL、富士写真フイルム製)に対しても同様にして鹸化処理を行った。
鹸化処理を行った保護フィルムA−001の表面、及び保護フィルムA−002〜A−011の被覆層を積層していない側の表面について、水の接触角を測定し、いずれも19〜22°であった。
<<PVAのり水溶液の調整>>
市販の完全鹸化ポリビニルアルコール5%水溶液を95℃にて溶解後に不溶解分を濾別して調整し、PVAのり水溶液とした。
前記作製した偏光子の片面に保護フィルムA−001を保護フィルムAとして使用し、被覆層が積層されていない側の面にPVAのり水溶液を塗布し、偏光子と貼り合せた。
更に偏光子のもう片方の面に保護フィルムB−101を保護フィルムBとして使用し、下塗り層が形成されている側と偏光子とをPVAのり水溶液を塗布し、偏光子のもう片方の面と貼り合せた。貼り合せた後、70℃にて15分間乾燥することにより、偏光板001を作製した。
(実施例2〜9、11〜12、及び16〜18)
<偏光板002〜009、011〜012、及び016〜018の作製>
また、本発明の保護フィルムの組合せと貼り合せ後の乾燥時間を表4に記載の条件とする以外は、偏光板001と同様の方法により、本発明の偏光板002〜009、011〜012、及び016〜018を作製した。
(実施例13)
<偏光板013の作製>
<<プライマー溶液の調製>>
無水マレイン酸変性スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体の水素添加物(メルトインデックス値は200℃、5kg荷重で1.0g/10分、スチレンブロック含量30質量%、水素添加率80%以上、無水マレイン酸付加量2%)2質量部を、キシレン8質量部とメチルイソブチルケトン40質量部の混合溶媒に溶解し、孔径1μmのポリテトラフルオロエチレン製のフィルターで濾過して、プライマー溶液を得た。
前記作製した偏光子の片面に保護フィルムA−001を保護フィルムAとして使用し、被覆層が積層されていない側の面にPVAのり水溶液を塗布し、偏光子と貼り合せた。
更に偏光子のもう片方の面に保護フィルムKB−103を保護フィルムBとして使用し、コロナ処理されている面に前記プライマー溶液を塗布した後、偏光子のもう片方の面と貼り合せた。貼り合せた後、70℃にて20分間乾燥することにより、偏光板013を作製した。
(実施例10、及び14〜15)
<偏光板010、及び014〜015の作製>
また、本発明の保護フィルムの組合せと貼り合せ後の乾燥時間を表4に記載の条件とする以外は、偏光板005と同様の方法により、偏光板010、及び014〜015を作製した。
(比較例1〜2、比較例4〜14)
<偏光板101〜102、104〜106、121、201〜206、及び221の作製>
また、本発明の保護フィルムの組合せと貼り合せ後の乾燥時間を表4に記載の条件とする以外は、偏光板001と同様の方法により、本発明の偏光板101〜102、104〜106、121、201〜206、及び221を作製した。
(比較例3)
<偏光板103の作製>
前記作製した偏光子の片面に保護フィルムKA−102を保護フィルムAとして使用し、コロナ処理されている面に前記プライマー溶液を塗布し、偏光子と貼り合せた。
更に偏光子のもう片方の面に保護フィルムKB−103を保護フィルムBとして使用し、コロナ処理されている面に前記プライマー溶液を塗布した後、偏光子のもう片方の面と貼り合せた。貼り合せた後、70℃にて20分間乾燥することにより、偏光板103を作製した。
<偏光板の評価>
上記のようにして得られた偏光板001〜018、101〜106、121、201〜206、及び221について、下記評価基準に基づき、接着性試験、及び耐久性試験を行い、耐久性試験試験前後での偏光度、及び剥離の有無の評価を行った。評価した結果を表5に示す。
<<接着性>>
作製した偏光板001〜018、101〜106、121、201〜206、及び221について、保護フィルムと偏光子との接着性の試験を行った。すなわち、作製した偏光板の端部を乾燥前に予めほぐしておき、保護フィルムと偏光子とを分離した部分がある接着性評価用サンプルを作製した。次に、分離した保護フィルムを両手で偏光子から剥し、接着性の評価を行った。
[評価基準]
○:全く剥れない
△:かなり剥す力をかけることで、一部が剥れる
×:ある程度の剥す力をかけることで、きれいに全体が剥れる
<<耐久性>>
作製した偏光板001〜018、101〜106、121、201〜206、及び221について、偏光板単体のみの状態、及び偏光板をガラス板に貼り合せた状態での耐久性試験を行った。
ガラス板に貼り合せるサンプルについては、作製した偏光板サンプルの保護フィルムBが貼り合わされた側の表面に対し、粘着剤を使用して同サイズのガラス板に貼り合せ、ガラス板貼り合せ偏光板サンプルを作製した。
25℃、60%RHの通常条件下にて調湿した前記偏光板サンプル、及びガラス板貼り合せ偏光板サンプルを、100℃、100時間の耐熱条件(dry)、又は60℃95%RH、720時間の耐湿熱条件(wet)にてそれぞれ耐久性試験を行い、試験前後の偏光板サンプルの偏光度の変化、及び貼り合せ面での剥れの有無について評価を行った。
<<偏光度>>
作製した偏光板001〜018、101〜106、121、201〜206、及び221について、耐久性試験する前後での偏光度を、波長550nmにおける平行透過率、及び直交透過率から下記数式(3)より算出して求めた。そして、算出した偏光度の差(Δp)を、耐久性試験の指標として評価した。
[偏光度の評価基準]
○:偏光度の低下が2.0%以下
△:偏光度の低下が2.0%を超え、5.0%以下
×:偏光度の低下が5.0%を超える
<<剥がれ>>
耐久性処理後の偏光板001〜018、101〜106、121、201〜206、及び221について、偏光子と保護フィルムとの界面での剥れの有無について観察し、評価した。なお、下記評価基準においては、液晶表示装置に使用した場合の表示性能に大きな問題を発生させない範囲として、剥がれの幅を2mmに設定した。
[評価基準]
○:剥れは観察されなかった
△:サンプル端に、幅2mm以下の剥がれが発生したが、問題の無いレベルであった
×:サンプル端に、幅2mmを超える剥がれが大きくはっきり観察された
(実施例19〜30)
更に、作製した偏光板を液晶表示装置に組み込み、作製した液晶表示装置について、表示ムラの評価を行った。
<液晶表示装置の作製>
IPS型液晶表示装置(Th−26LX300 松下電器産業(株)製)に設けられている偏光板を位相差膜とともにセルより剥がし、代わりに本発明の偏光板001を偏光板の透過軸が製品に貼られていた偏光板と一致するようにセルのバックライト側(裏側)に貼り付け、更に本発明の偏光板004を偏光板の透過軸が製品に貼られていた偏光板と一致するようにセルの表示面側(表側)に貼り付けた。
作製した液晶セルを、更に液晶表示装置の筐体に組み込むことにより液晶表示装置001を作製した。
液晶セルに組み合わせる偏光板を表6に記載の偏光板に代えた以外は、液晶表示装置001と同様の方法により、液晶表示装置002〜012を作製した。
(実施例31〜33)
また、VA型液晶表示装置(LC−26GD3 シャープ製)に設けられている偏光板を位相差膜とともに液晶セルより剥がし、代わりに本発明の偏光板002を偏光板の透過軸が製品に貼られていた偏光板と一致するようにセルのバックライト側(裏側)に貼り付け、更に本発明の偏光板009を偏光板の透過軸が製品に貼られていた偏光板と一致するように液晶セルの表示面側に貼り付けた。
作製した液晶セルを、更に液晶表示装置の筐体に組み込むことにより液晶表示装置013を作製した。
液晶セルに組み合わせる偏光板を表6に記載の偏光板に代えた以外は、液晶表示装置013と同様の方法により、液晶表示装置014〜015を作製した。
<高温及び高温高湿処理後の表示性能評価>
<<コントラスト評価、色味評価>>
作製した偏光板を使用した液晶表示装置を後述の方法にて作製し、100℃(dry)×120時間処理、又は60℃90%RH120時間処理した直後の、液晶表示装置の25℃60%RHの環境下での表示性能評価(コントラスト評価、及び色味評価)を行い、湿熱処理前の表示性能に対する差で確認した。評価した結果を表6に示す。
[コントラストの評価基準]
○:コントラストの低下が5%未満
△:コントラストの低下が5%以上、15%未満で、低下が分かるが、気にならない
×:コントラストの低下が15%以上あり、はっきり認識できる
<色味の測定>
作製した液晶表示装置について、耐久性処理する前後での、黒表示状態における、液晶セルの法線方向から右回りに60°傾けた角度、左回りに60°傾けた角度での色味u’v’を、輝度計(BM−5、TOPCON製)を用いて測定し、耐久性処理前後の差Δu’、Δv’の値から下記評価基準に基づく評価を行った。
[色味の評価基準]
○:Δu’、Δv’ともに0.05以下であり、表示画像の色味変化がわからない
△:Δu’、又はΔv’が0.05以上であり、表示画像の色味変化としては軽微であり、気にならない
×:Δu’、Δv’ともに0.05以上であり、表示画像の色味変化が大きく、許容外
<<表示性能の耐久性評価>>
更に、作製した偏光板を液晶表示装置に組み込み、作製した液晶表示装置について、前記表示性能の耐久性評価を行った。
(比較例15〜18)
更に、作製した偏光板を液晶表示装置に組み込み、作製した液晶表示装置について、表示ムラの評価を行った。
<液晶表示装置の作製>
IPS型液晶表示装置(Th−26LX300 松下電器産業(株)製)に設けられている偏光板を位相差膜とともにセルより剥がし、代わりに本発明の偏光板201を偏光板の透過軸が製品に貼られていた偏光板と一致するようにセルのバックライト側(裏側)に貼り付け、更に偏光板204を偏光板の透過軸が製品に貼られていた偏光板と一致するようにセルの表示面側(表側)に貼り付けた。
作製した液晶セルを、更に液晶表示装置の筐体に組み込むことにより液晶表示装置101を作製した。
また、液晶セルに組み合わせる偏光板を表6に記載の偏光板に代えた以外は、液晶表示装置101と同様の方法により、液晶表示装置102〜104を作製した。
(比較例19〜20)
また、VA型液晶表示装置(LC−26GD3 シャープ製)に設けられている偏光板を位相差膜とともに液晶セルより剥がし、代わりに本発明の偏光板102を偏光板の透過軸が製品に貼られていた偏光板と一致するようにセルのバックライト側(裏側)に貼り付け、更に本発明の偏光板105を偏光板の透過軸が製品に貼られていた偏光板と一致するように液晶セルの表示面側に貼り付けた。
作製した液晶セルを、更に液晶表示装置の筐体に組み込むことにより液晶表示装置105を作製した。
また、液晶セルに組み合わせる偏光板を表6に記載の偏光板に代えた以外は、液晶表示装置105と同様の方法により、液晶表示装置106を作製した。
上記の評価結果より、本発明の偏光板によれば、透湿度が所定の範囲内である保護フィルムAを備えているので、経時での液晶表示装置形態での光漏れが抑制され、かつ耐熱条件での耐久性試験における偏光板の性能の劣化が抑制されることがわかった。
また、保護フィルムAの透湿度と、保護フィルムBの透湿度との合計が100g/m・day以上となるように保護フィルムA、及び保護フィルムBを組み合わせた偏光板を採用することで、偏光板加工時の生産性にも優れる偏光板を作製できることがわかった。
また、保護フィルムAの平衡含水率を、1.5質量%以上となる偏光板を使用することで、保護フィルムと、偏光子(PVAフィルム)との接着性を確保することができ、耐湿熱条件での耐久性試験後の剥離を抑制し、かつ上記光漏れの抑制と両立できることがわかった。
更に、寸度変化率の小さい保護フィルムB、又は光弾性係数の小さい保護フィルムBを採用した偏光版を用いることにより、経時試験直後の画像の劣化がより小さくなり、好ましいことがわかった。
(実施例34)
<反射防止層付き保護フィルムAの作製>
<<ハードコート層の塗設>>
[ゾル液1の調製]
温度計、窒素導入管、滴下ロートを備えた1,000mLの反応容器に、アクリロキシオキシプロピルトリメトキシシラン187g(0.80mol)、メチルトリメトキシシラン27.2g(0.20mol)、メタノール320g(10mol)とKF0.06g(0.001mol)を仕込み、攪拌下室温で水15.1g(0.86mol)をゆっくり滴下した。滴下終了後室温で3時間攪拌した後、メタノール還溜下2時間加熱攪拌した。
この後、低沸分を減圧留去し、更にろ過することによりゾル液1を120g得た。このようにして得た物質をGPC測定した結果、質量平均分子量は1,500であり、オリゴマー成分以上の成分のうち、分子量が1,000〜20,000の成分は30%であった。また、H−NMRの測定結果から、得られた物質の構造は、下記一般式(7)で表される構造であった。
更に、29Si−NMR測定による縮合率αは0.56であった。この分析結果から、本シランカップリング剤ゾルの大部分は直鎖状構造部分であることが分かった。
また、ガスクロマトグラフィー分析から、原料のアクリロキシプロピルトリメトキシシランは5%以下の残存率であった。
<<ハードコート層用塗布液の調製>>
下記組成の塗布液を、孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、ハードコート層用塗布液を調製した。
[ハードコート層用塗布液の組成]
・PET−30・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・40.0g
・DPHA・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10.0g
・イルガキュア184・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2.0g
・SX−350(30%)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2.0g
・架橋アクリルースチレン粒子(30%)・・・・・・・・・・・・・・・13.0g
・FP−13・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.06g
・ゾル液1・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11.0g
・トルエン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・38.5g
上記ハードコート層用塗布液に使用した化合物を以下に示す。
・PET−30:ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物(日本化薬(株)製)
・イルガキュア184:重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
・SX−350:平均粒径3.5μm架橋ポリスチレン粒子(屈折率1.60、綜研化学(株)製、30%トルエン分散液、ポリトロン分散機にて10,000rpmで20分分散後使用)
・架橋アクリル−スチレン粒子:平均粒径3.5μm(屈折率1.55、綜研化学(株)製、30%トルエン分散液、ポリトロン分散機にて10,000rpmで20分分散後使用)
作製した上記保護フィルムA−001をロール形態で巻き出して、スロットルダイを有するコーターを用いて、ハードコート層用塗布液をバックアップロール上の保護フィルムの被覆層を設けていない面上に直接押し出して塗布した。搬送速度30m/分の条件で塗布し、30℃で15秒間、90℃で20秒間乾燥の後、更に窒素パージ下で160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照射量90mJ/cmの紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ6μmの防眩性を有する防眩層を形成し、巻き取って、保護フィルムA−001にハードコート層を設けた。
<低屈折率層の塗設>
<<パーフルオロオレフィン共重合体(1)の合成>>
内容量100mLのステンレス製撹拌機付オートクレーブに酢酸エチル40mL、ヒドロキシエチルビニルエーテル14.7g、及び過酸化ジラウロイル0.55gを仕込み、系内を脱気して窒素ガスで置換した。
更に、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)25gをオートクレーブ中に導入して65℃まで昇温した。オートクレーブ内の温度が65℃に達した時点の圧力は、0.53Mpa(5.4kg/cm)であった。
該温度を保持し8時間反応を続け、圧力が0.31MPa(3.2kg/cm)に達した時点で加熱をやめ、放冷した。
室温まで内温が下がった時点で、未反応のモノマーを追い出し、オートクレーブを開放して反応液を取り出した。得られた反応液を大過剰のヘキサンに投入し、デカンテーションにより溶剤を除去することにより沈殿したポリマーを取り出した。
更に、このポリマーを少量の酢酸エチルに溶解してヘキサンから2回再沈殿を行うことによって残存モノマーを完全に除去した。乾燥後ポリマー28gを得た。
次に、該ポリマーの20gをN,N−ジメチルアセトアミド100mLに溶解、氷冷下アクリル酸クロライド11.4gを滴下した後、室温で10時間攪拌した。反応液に酢酸エチルを加え水洗、有機層を抽出後濃縮し、得られたポリマーをヘキサンで再沈殿させることにより、下記一般式(8)に示すパーフルオロオレフィン共重合体(1)を19g得た。得られたポリマーの屈折率は1.421であった。
<<ゾル液2の調製>>
攪拌機、還流冷却器を備えた反応器、メチルエチルケトン120部、アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−5103、信越化学工業(株)製)100部、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート3部を加え混合した後、イオン交換水30部を加え、60℃で4時間反応させたのち、室温まで冷却し、ゾル液2を得た。
質量平均分子量は1,600であり、オリゴマー成分以上の成分のうち、分子量が1,000〜20,000の成分は100%であった。また、ガスクロマトグラフィー分析から、原料のアクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランは全く残存していなかった。
<<低屈折率層用塗布液の調製>>
ポリシロキサン及び水酸基を含有する屈折率1.44の熱架橋性含フッ素ポリマー(JTA113、固形分濃度6%、JSR(株)製)13g、コロイダルシリカ分散液MEK−ST−L(商品名、平均粒径45nm、固形分濃度30%、日産化学(株)製)1.3g、前記ゾル液2を0.65g、及びメチルエチルケトン4.4g、シクロヘキサノン1.2gを添加、攪拌の後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、低屈折率層塗布液1を調製した。この塗布液により形成される層の屈折率は、1.45であった。
上記ハードコート層が形成された保護フィルムA−001をロール形態で巻き出して、スロットルダイを有するコーターを用いて、低屈折率層用塗布液をバックアップロール上の保護フィルムのハードコート層を塗布してある面上に直接押し出して塗布した。
120℃で150秒乾燥の後、更に140℃で8分乾燥させてから窒素パージにより酸素濃度0.1%の雰囲気下で240W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照射量300mJ/cmの紫外線を照射し、厚さ100nmの低屈折率層を形成し、巻き取り、ハードコート層が形成された保護フィルムA−001に、更に低屈折率層を形成した反射防止層付き保護フィルムA−001を作製した。
上記実施例1において、保護フィルムA−001の代わりに、反射防止層付保護フィルムA−001を用いる以外は、実施例1と同様にして、反射防止層付偏光板301を作製し、実施例1と同様に、耐久性試験後の偏光度、及び剥離等の偏光板性能の評価を実施した。その結果を表7〜8に示す。
(実施例35〜51、及び比較例21〜34)
また、上記実施例34において作製した反射防止層を設ける保護フィルムAを、表7に示す保護フィルムAに代えた以外は、実施例34と同様にして、35〜51、及び比較例21〜34の反射防止層付偏光板を作製し、実施例1と同様に耐久性試験後の偏光度、及び剥離等の偏光板性能の評価を実施した。
その結果、実施例35〜51の偏光板は、耐久性試験における偏光板の性能の劣化が抑制されることがわかった。その結果を表7〜8に示す。
(実施例52〜66、及び比較例35〜40))
上記実施例19において、表9に示す偏光板に代えた以外は、実施例19と同様にして、液晶表示装置を作製し、実施例19と同様に、液晶表示装置形態での耐久性の評価を実施した。
その結果、実施例52〜66の液晶表示装置は、経時での液晶表示装置形態での劣化が抑制されることがわかった。その結果を表9に示す。
本発明の偏光板は、生産性に優れ、熱、湿度による寸法変化が小さく、耐久性が高いので、液晶表示装置に好適に用いることができる。
本発明の液晶表示装置は、生産性に優れ、光漏れによるムラが抑制された優れた性能を有しており、携帯電話、パソコン用モニタ、テレビ、液晶プロジェクタなどに好適に使用することができる。
図1Aは、本発明の偏光板の構成を示した断面図である。 図1Bは、本発明の偏光板の構成を示した断面図である。 図2Aは、本発明の偏光板の構成を示した断面図である。 図2Bは、本発明の偏光板の構成を示した断面図である。 図2Cは、本発明の偏光板の構成を示した断面図である。 図2Dは、本発明の偏光板の構成を示した断面図である。
符号の説明
1 保護フィルムAの基材層
2 被覆層
3 保護フィルムBの基材層
4 光学異方性層
5 ハードコート層
6 易接着層
7 偏光子(偏光膜)

Claims (13)

  1. 偏光子と、該偏光子の一方の面に設置される保護フィルムAと、前記偏光子の他方の面に設置される保護フィルムBとを有し、前記保護フィルムAは、60℃95%RHにおける透湿度が、50g/m・day以上300g/m・day以下であり、前記保護フィルムBは、60℃95%RHにおける透湿度が、300g/m・day以下であることを特徴とする偏光板。
  2. 保護フィルムA、及び保護フィルムBの60℃95%RHにおける透湿度の和が、100g/m・day以上である請求項1に記載の偏光板。
  3. 保護フィルムBの60℃90%RH条件において100時間放置する前後の寸法変化率が、前記保護フィルムBのTD方向又はMD方向の少なくともいずれか一方について0.3%以下である請求項1から2のいずれかに記載の偏光板。
  4. 保護フィルムBの90℃2.7%RH条件において100時間放置する前後の寸法変化率が、前記保護フィルムBのTD方向又はMD方向の少なくともいずれか一方について0.02%以下である請求項1から3のいずれかに記載の偏光板。
  5. 保護フィルムBの光弾性係数が、10×10−13cm/dyne以下である請求項1から4のいずれかに記載の偏光板。
  6. 保護フィルムBが、熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、及びポリエステル樹脂の少なくともいずれかからなる請求項1から5のいずれかに記載の偏光板。
  7. 保護フィルムAの25℃80%RHにおける平衡含水率が、1.5%以上である請求項1から6のいずれかに記載の偏光板。
  8. 保護フィルムAが、セルロースアシレートを含む基材層と、低透湿性を有する被覆層とからなる請求項7に記載の偏光板。
  9. 保護フィルムAの被覆層上に、ハードコート層が形成された請求項8に記載の偏光板。
  10. 保護フィルムBの偏光子と貼り合せる側の面が、親水化処理を施された請求項1から9のいずれかに記載の偏光板。
  11. 保護フィルムBと、偏光子との間に、接着剤層又は粘着剤層を有する請求項1から10のいずれかに記載の偏光板。
  12. 偏光子が、少なくともポリビニルアルコールを含む膜を延伸処理することにより作製された請求項1から11のいずれかに記載の偏光板。
  13. 液晶セルと、該液晶セルに設置された偏光板とを有し、該偏光板が、請求項1から12のいずれかに記載の偏光板であって、保護フィルムBと液晶セルとが対向するようにして設置されたことを特徴とする液晶表示装置。
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