以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
<第1の実施の形態>
以下、本発明の第1の実施の形態に係るドラム式洗濯機について説明する。
図1は、本実施の形態に係るドラム式洗濯機の外観を示す斜視図である。図2は、本実施の形態に係るドラム式洗濯機の内部を示す断面図である。図3は、本実施の形態に係るドラム式洗濯機の水槽2の付近を示す断面図である。図1〜3を参照して、本実施の形態に係るドラム式洗濯機の構造や動作を説明する。
図1に示すように、ドラム式洗濯機は、略直方体形状の箱体1を筐体として有する。箱体1は上部に天板8を備え、下部の底台7で全重量を支える。箱体1の前面には開口があり、図示しないヒンジで箱体1に取り付けられた横開き式のドア10がその開口を閉ざす。箱体1の上部には操作パネル11が設けられている。
箱体1内には前面に向かって水槽開口部60と底とを有する筒状の水槽2がほぼ横向きに配置されている。さらに、水槽2の内部には、ドラム開口部66を有し、軸部を中心に回転できるように底を有する筒状の回転ドラム3が支持されている。回転ドラム3には、洗濯され、かつ乾燥される洗濯物が収容される。また、水槽2の背面には、回転ドラム3の軸部を回転駆動する洗濯槽駆動モータ4が配置されている。なお、ドラム開口部66の直径は、水槽開口部60の直径よりも大きい。
水槽2と回転ドラム3とは、引張コイルバネと防振ダンパの組み合わせからなるサスペンション6により、軸線が水平面に対し5゜〜30゜の角度を成し、水槽開口部60およびドラム開口部66の側が持ち上がるように箱体1内で支持される。これは回転ドラム3の内部を見やすくし、かつ洗濯物の出し入れを容易にするためである。
サスペンション6による振動体の支持位置は、振動体全体としての重心の付近となっている。サスペンション6は、振動体を支持するとともにその振動を減衰させる役割を担っている。本実施の形態の場合、水槽2は箱体1に対して上からバネで吊り下げられてはいないが、そのように吊り下げ支持してもよい。ちなみに、「振動体」は、水槽2と、回転ドラム3と、洗濯槽駆動モータ4との総称である。
洗い、すすぎ、脱水および乾燥の各工程は、回転ドラム3を洗濯槽駆動モータ4で回転駆動することにより実行される。この時、回転ドラム3内に洗濯物のアンバランスが生じると遠心力がかかり、サスペンション6は伸縮し、振動体が変位する。振動体が変位する度にサスペンション6は振動体を所定位置に復帰させようとし、振動体は変位と復帰とを繰り返すので、結果的に振動する。
水槽開口部60の周辺には、軟質合成樹脂またはゴムよりなるドアパッキン15が設けられている。ドア10が閉じられた時には、突出部70がドアパッキン15の内周縁に密着する。これにより、突出部70とドアパッキン15との隙間は塞がれる。隙間が塞がれることにより、洗濯中に回転ドラム3の中で飛沫した水分や、乾燥中に回転ドラム3の中で生じる水などが、水槽2から外部へ漏出しなくなる。突出部70は回転ドラム3の中の洗濯物が水槽開口部60からはみ出さないようにする役割も担う。
回転ドラム3の周壁には多数の小孔64が形設されている。洗濯時にはこの小孔64を通じ回転ドラム3と水槽2との間を洗濯水が行き来し、脱水時には洗濯物から離水した水がこの小孔64を通って回転ドラム3の外へ排出され、また、乾燥時には吹出し口88より吹き込まれた温風が回転ドラム3の外に出るための通気孔の役割をする。回転ドラム3の内周面には複数のバッフル68が所定間隔で設けられている。バッフル68は回転ドラム3の回転に伴い洗濯物を引っかけて持ち上げ、上の方から落下させる(タンブリングさせる)役割を担う。
回転ドラム3のドラム開口部66を取り囲む部分には流体バランサ62が設けられている。流体バランサ62の内部には塩水などの流体が封入されている。以下、この流体を「封入流体」という。回転ドラム3の回転時には、洗濯物および洗濯液の偏りによる回転ドラム3全体の重心移動を、封入流体が移動することによって打消すようになっている。
水槽2の底部(水槽開口部60と向き合う面)の外面には洗濯槽駆動モータ4が取り付けられている。洗濯槽駆動モータ4はダイレクトドライブ形式のものであり、そのロータに回転ドラム3の軸が連結固定されている。
天板8と水槽2の上部外面との間の空間には給水装置が配置される。給水装置を構成するのは電磁的に開閉する洗濯用給水弁38を備えた水道水用給水路12である。洗濯用給水弁38は複数の出力ポートを備え、その内の一つが天板8の下に配置された洗剤ケース45に接続される。洗剤ケース45は底部に吐出口を備え、この吐出口は給水ダクト42を介して水槽2に接続される。
箱体1は、天板8の後部に、天板8よりも一段低くなった段部9を有する。この段部9に、水道水用給水路12の水道ホース接続部が頭を出している。
水槽2の最も低くなった箇所には排水口48が設けられ、ここに排水ダクト18の一端が接続される。排水ダクト18の他端はフィルタ装置17に接続される。フィルタ装置17は合成樹脂の網や布からなる糸屑フィルタを内蔵し、水中の糸屑を捕集する。
フィルタ装置17の出口側には排水ホース20と循環ホース46が接続されている。排水ホース20は糸屑フィルタを通過した水を箱体1の外に排出するためのものであり、循環ホース46は糸屑フィルタを通過した水を水槽2に戻すためのものである。排水ホース20には排水弁40が設けられ、排水モータ21がこれを開閉する。循環ホース46の入口には循環ポンプ39が設けられている。循環ホース46の出口は水槽2の前面下部に設置されたノズル47に接続されている。
水槽2の底部には送風機50が取り付けられる。送風機50のファンモータ51は水槽2の外側に取り付けられ、送風ファン52は水槽2の内側に配置される。送風ファン52は遠心ファンであって、水槽2の内側に突き出したモータ軸53に固定されている。モータ軸53が水槽2を貫通する箇所には水密シール構造が形成される。
送風機50は、水槽2を前方から見た場合、水槽2の中心より左に寄った位置に配置され、水槽2の張出部内に配置された加熱装置80に空気を送り込む。加熱装置80は、水槽2を前方から見た場合、水槽2の中心より右に寄った位置に配置されるものであり、送風ダクト82と、送風ダクト82の内部に配置されたヒータケース84と、ヒータケース84の内部に支持されるヒータ86とにより構成される。
送風ダクト82の一端はファンケーシング54に接続され、他端は水槽開口部60の縁の下に設けられた吹出し口88に接続されている。吹出し口88はドラム開口部66に向けられており、加熱装置80で生成された温風をドラム開口部66を通じて回転ドラム3に吹き込む。
水槽2の下部内周壁には、加熱装置80と並ぶ形で除湿装置90が配置される。除湿装置90は、水槽2と同じ角度で斜めに延び、水槽2の内周壁から間隔を置いて支持された凝結板92と、凝結板92を囲むように配置され、入口が水槽2と回転ドラム3の間の空間に面し、出口がファンケーシング54に接続された通風ダクト94と、凝結板92の前端に配置される冷却ノズル(図示せず)からなる。
凝結板92は熱伝導の良い金属板より形成され、トラフ形状やH形状など、工学的に開断面と定義される断面形状を備えている。冷却ノズルは洗濯用給水弁38の出力ポートのひとつに接続されたホース(図示せず)と接続されている。この出力ポートを開くと冷却ノズルから水が流れ出す。凝結板92の上面を伝って水は流れ、最終的には排水口48から排出される。
また、操作パネル11の奥側には制御回路5が配置されている。制御回路5は、ドラム式洗濯機の洗濯動作を制御する。
水槽2の上部外面には、振動検出部104として、汎用の2軸加速度センサ109が取り付けられている。加速度センサ109は、加速度の大きさに比例した電気信号を出力する。加速度センサ109は、図4に示すように、加速度センサ109のパッケージに対し、同じ平面内で互いに直交するX方向とY方向との加速度を検出することができる。水槽2の箱体1への固定形態により各方向の加速度を最も検知しやすい位置が異なるので、1軸の加速度センサを2ヶ所(例えば、水槽2の前端部と奥端部)に取付けてもよい。
図5は本実施形態に係る洗濯乾燥機の制御ブロック図である。制御回路5の主要な構成要素はマイクロコンピュータ22である。マイクロコンピュータ22は、CPU(Central Processing Unit、中央演算処理回路)23と、RAM(Random Access Memory)24と、ROM(Read Only Memory)25と、タイマー26と、複数のI/O(Input/Output)ポート27と、システムバス28とから構成されている。マイクロコンピュータ22は、電源回路31から電源端子Vdd、Vssに定電圧を供給されることにより動作し、リセット回路32からRESET端子に入力される信号によってリセット可能である。
CPU23は、制御部29と演算部30とから構成されている。制御部29は、ROM25に記憶されている命令を取り出すとともにその命令を実行する。演算部30は、命令の実行段階で制御部29から与えられる制御信号に基づいて、各種入力機器やRAM24から入力されるデータに対して二進加算、論理演算、増減、比較などの演算を行う。そのため、ROM25は、各種機器を動作させるための制御プログラム、各種判断のために設定された条件、および各種情報を処理するためのルールなどを予め記憶している。
マイクロコンピュータ22は、複数のI/Oポート27を介して、入力キー回路33と、状態検知回路34と、表示装置駆動回路35と、ブザー駆動回路36と、負荷駆動回路37とに接続されている。マイクロコンピュータ22は、入力キー回路33や状態検知回路34から入力される入力信号に基づき演算を行って、表示装置駆動回路35と、ブザー駆動回路36と、負荷駆動回路37とに制御信号を出力する。
入力キー回路33は、各種の操作ボタン(図示せず)を有する操作パネル11に接続されている。
状態検知回路34は、回転ドラム3内の洗濯物の分布がアンバランス状態か否かを検知するアンバランス検知部100と、水槽2の振動成分を検知する振動検出部104と、回転ドラム3の回転数を検知する回転検知センサ105(回転検知センサ105としては、ホールセンサまたはタコジェネレータを用いることができる)と、ヒータ86をON/OFF制御するための吹出し温度制御部106と、水位センサ107と、洗濯物の容量や乾燥状態を検知するための庫内温度検出部108とに接続されている。
本実施の形態の場合、アンバランス検知部100としては、洗濯槽駆動モータ4の電流値の変化量を検知するカレントトランスを用いる。ただし、洗濯槽駆動モータ4の回転数のばらつきによりアンバランス判定を行う方式を採用する場合には、回転検知センサ105として用いられるホールセンサやタコジェネレータをアンバランス判定にも用いてもよい。この場合、アンバランス検知部100としてのみ動作するセンサは不要である。
脱水では回転ドラム3の回転数が低速から高速まで広い範囲に渡って変動するので、回転ドラム3内の洗濯物のアンバランスの検知は、この脱水時の低速回転での運転状態を利用して行うことが好ましい。回転ドラム3を洗濯物が周壁内面に張り付く程度の低速回転(臨界速度)で回転させながら、回転ドラム3の偏芯荷重の大きさである偏芯量を検知するアンバランス検知を行い、アンバランス量が基準値以下ならば回転ドラム3をそのまま高速回転に移行させることができる。洗濯物に含まれた洗濯液やすすぎ水は、回転ドラム3の高速回転運転時の遠心力を利用して、洗濯物を回転ドラム3の周壁内面に押し付けるような形で排出される。この時、洗濯液やすすぎ水は、回転ドラム3の小孔64から外に飛ばされ、水槽2の内面を伝ってその下部に導かれ、排水口48から排水ダクト18、フィルタ装置17、排水ホース20を通って外部に排出される。一方、回転ドラム3のアンバランス検知時にアンバランスと判定された場合には、回転ドラム3の回転を停止し、再度脱水工程の先頭に戻りアンバランス検知を行う。また、脱水中に異常振動を検知した場合には、その時の状態に応じた運転制御を行うが、これについては後で詳細に説明する。
表示装置駆動回路35は、表示装置102に接続されており、表示装置102を駆動する。
ブザー駆動回路36は、ブザー103に接続されており、キー入力完了時、運転終了時および異常発生時にブザー103を鳴動させてユーザにその旨を伝えるためのものである。
負荷駆動回路37は、洗濯槽駆動モータ4と、排水モータ21と、洗濯用給水弁38と、循環ポンプ39と、送風機50と、ヒータ86とに接続されており、これらを駆動する。
図6は、本実施の形態に係る制御回路5の機能ブロック図である。図6を参照して、本実施の形態に係る制御回路5は、情報記憶部200と、洗い工程制御部202と、すすぎ工程制御部204と、脱水工程制御部206と、乾燥工程制御部208とを含む。
情報記憶部200は、回転チャートと、各種の閾値とを記憶する。本実施の形態において、回転チャートは、回転ドラム3の回転に対する制御内容を示す情報を意味する。
洗い工程制御部202は、後述する洗い工程を実施するように、洗濯槽駆動モータ4と、洗濯用給水弁38と、排水弁40とを制御する。
すすぎ工程制御部204は、後述するすすぎ工程を実施するように、洗濯槽駆動モータ4と、洗濯用給水弁38と、循環ポンプ39と、排水弁40とを制御する。
脱水工程制御部206は、後述する脱水工程を実施するように、洗濯槽駆動モータ4と、洗濯用給水弁38と、排水弁40とを制御する。
乾燥工程制御部208は、後述する乾燥工程を実施するように、洗濯槽駆動モータ4と、洗濯用給水弁38(ひいては冷却ノズル)と、ファンモータ51と、ヒータ86とを制御する。
脱水工程制御部206は、アンバランス判断部220と、加速制御部222と、減速制御部224と、終了制御部226とを含む。
アンバランス判断部220は、アンバランス検知部100が出力した信号に基づいて、回転ドラム3に収容された衣類(洗濯物)の配置が偏っているか否かを判断する。
加速制御部222は、脱水動作の際、振動要件と回転数要件とのうち少なくとも一方が満たされるまで、回転ドラム3の回転数が増加するように洗濯槽駆動モータ4を制御する。本実施の形態において、「脱水動作」とは、排水弁40が開いた状態で回転ドラム3が回転する動作を意味する。本実施の形態において、「振動要件」とは、振動検出部104が検知した振動成分の大きさが閾値以上になるという要件を意味する。この閾値は、回転数を増加させるか否か判断するための、振動成分についての閾値である。本実施の形態において、「回転数要件」とは、回転ドラム3の回転数が閾値以上になるという要件である。この閾値は、回転数を増加させるか否か判断するための、回転数についての閾値である。
減速制御部224は、振動要件と回転数要件とのうち少なくとも一方が満たされた後、回転ドラム3が回転している間に振動検出部104が検知した振動成分が閾値を越えると、回転ドラム3の回転数が低下するように洗濯槽駆動モータ4を制御する。この閾値は、回転数を低下させるか否か判断するための振動成分についての閾値である。
終了制御部226は、振動要件と回転数要件とのうち少なくとも一方が満たされた時以降の経過時間が脱水動作を終了するか否か判断するための閾値を越えると、回転ドラム3の回転を停止させるように洗濯槽駆動モータ4を制御する。
次に、本実施の形態に係るドラム式洗濯機が実施する運転を説明する。本実施の形態に係るドラム式洗濯機は、操作パネル11への入力により設定されたコースを実行する。このコースは、複数の工程を含む。
まず、ユーザは、ドア10を開け、回転ドラム3の中に洗濯物を入れる。洗剤ケース45には洗剤を入れる。
洗剤の投入準備を整えた後、ドア10を閉じ、操作パネル11の電源入/切キー(図示せず)を押して電力が供給された状態にし、スタートキー(図示せず)を押せば、本実施の形態に係るドラム式洗濯機の動作がスタートする。
この説明では、ドラム式洗濯機の運転は前もって設定されていた標準コース(毛布やウール製品などの特殊な洗濯物以外の洗濯物に関し、量、布質、水位などを自動的に判断し、洗濯から脱水までの自動運転を行うコース)で行われることとする。
まず、洗い工程について説明する。運転が開始されると洗濯用給水弁38が開かれ、給水が開始される。水は洗剤ケース45の中の洗剤を溶かし込みつつ給水ダクト42より水槽2に注がれる。水槽2に入った水は小孔64を通じて回転ドラム3の中に浸入する。排水弁40が閉じているので、水は排出されない。
予め設定された水位に水が達したことを水位センサ107が検知したら、洗濯用給水弁38は閉ざされる。そして洗濯物を洗う動作が実際に開始される。
最初は「なじませタンブリング」の段階であり、回転ドラム3が低速で回転する。洗濯物はゆっくりしたペースで水から持ち上げられては再び水の中に落下する。洗濯物のこの動きが「タンブリング」である。「なじませタンブリング」の目的は、洗濯物に水を十分に吸収させることと、洗濯物の各所にとらわれていた空気を逃がすことである。
「なじませタンブリング」終了後、「洗いタンブリング」の段階に移る。回転ドラム3は「なじませタンブリング」の時よりもやや速い速度で回転し、洗濯物を高く持ち上げては落下させる。この落下時の衝撃により洗濯物の繊維の間に洗剤を溶かした水の噴流が発生し、洗濯物が洗われる。
「洗いタンブリング」の間中、循環ポンプ39を運転する。これにより水槽2の中の水は、水槽2、排水ダクト18、フィルタ装置17、循環ポンプ39、循環ホース46、水槽2という経路で循環する。すすぎでも同様に循環ポンプ39の運転を行う。
「洗いタンブリング」終了後、「バランス工程」に移る(なお、本実施の形態の場合、バランス工程は洗い工程の一部である)。「バランス工程」では回転ドラム3をゆるやかに回転させて洗濯物をほぐし、中間脱水に備える。
中間脱水では循環ポンプ39が運転を停止し、排水モータ21が排水弁40を開く。これにより水槽2の中の水は排水ホース20を通じて機外に排水される。
所定時間が経過し、洗濯物から大部分の水が抜けたところでアンバランス検知が行われる。アンバランス検知では、回転ドラム3を低速ではあるがその内周面に洗濯物が貼り付いて落下しない程度の回転数で回転させ、その状態で回転ドラム3の偏芯荷重の大きさを表す偏芯量をアンバランス検出部100により検知し、これをアンバランス量とする。アンバランス量が所定値以下ならば回転ドラム3を高速回転させても大きな振動は生じないものと判断し、回転ドラム3を高速回転に移行させる。
回転ドラム3が高速回転すると、洗濯物が遠心力で回転ドラム3の内周面に押し付けられる。洗濯物に含まれていた洗濯水は小孔64より遠心力で振り切られ、水槽2の内面を伝って落下し、排水口48からつながる排水経路を経て機外に排水される。中間脱水に割り当てられた時間が経過すると洗濯槽駆動モータ4が停められ、排水弁40が閉ざされ、水槽2にすすぎ水を溜める態勢となる。
次に、すすぎ工程について説明する。すすぎ水を溜める態勢が整ったところですすぎ水を給水する。水槽2の中の水位がためすすぎ用の設定水位に達すると給水は停止され、すすぎが開始される。
最初、洗いと同様に「なじませタンブリング」の段階があり、その後「すすぎタンブリング」の段階に移る。回転ドラム3は洗濯物を水にくぐらせては持ち上げ、それを落下させる。これにより洗濯物のすすぎが行われる。
「すすぎタンブリング」終了後、洗い工程と同様に「バランス工程」を経て(このバランス工程はすすぎ工程の一部である)脱水工程に移る。
脱水工程における動作は、上述した中間脱水と同一である。ちなみに、本実施の形態では、中間脱水において実施される動作と脱水工程において行われる動作とは、いずれも脱水動作の一種である。脱水工程が終了すると、乾燥工程に移る。
次に、乾燥工程について説明する。乾燥工程では回転ドラム3を回転させつつヒータ86に通電し、送風機50を駆動する。送風機50は水槽2内の空気を吸い込み、加熱装置80へ送り込むことで、ヒータケース84を通り、ヒータケース84の中でヒータ86に加熱されて温風となる。温風は送風ダクト82を通って、吹出し口88より回転ドラム3に吹き込まれ、回転ドラム3の中でタンブリングしている洗濯物に触れて水分を奪う。水分を奪った温風は小孔64から外に出、除湿装置90の通風ダクト94を経て送風機50に戻る。空気が通風ダクト94を通過する際、水分の凝縮により、空気中の水蒸気量は減少する。すなわち水槽2の中の空気は送風機50、加熱装置80、回転ドラム3、除湿装置90、送風機50という経路をたどって循環し、その過程で洗濯物から水分を奪うものである。乾燥終了後、「送風工程」に移る。
次に、送風工程について説明する。送風工程は乾燥後の洗濯物を冷却するために行われるものであり、洗濯物をタンブリングさせつつ送風機50を運転し(ヒータ86には通電しない)、洗濯物が十分に冷えたら洗濯乾燥機は停止する。そしてドア10のロックが解除され、洗濯物を取り出し得る状態になる。
図7を参照して、制御回路5で実行されるプログラムは、脱水工程に関し、以下のような制御を実行する。ちなみに、本実施の形態の場合、中間脱水の際にも、図7に示す制御が実行される。ただし、中間脱水の際には、脱水時間などの条件が異なる。
ステップS201にて、アンバランス判断部220として動作する負荷駆動回路37は、アンバランス判断部220として動作するROM25が記憶した期間、洗濯槽駆動モータ4を制御することにより、回転ドラム3をゆるやかに回転させる。これにより、回転ドラム3の中の洗濯物はほぐされる。この動作は、ほぐし動作である。ほぐし動作が終了すると、アンバランス判断部220として動作する負荷駆動回路37は、アンバランス検知を行うために、洗濯槽駆動モータ4を制御することにより、回転ドラム3を低速回転(110rpm程度が望ましい)させる。回転ドラム3が低速回転している間、アンバランス検知部100が偏芯量を検知する。検知された偏芯量は、アンバランス判断部220として動作する状態検知回路34に対して出力される。
ステップS202にて、アンバランス判断部220として動作するCPU23は、アンバランス判断部220として動作する状態検知回路34に対して出力された偏芯量が基準値以下か否かを判断する。偏芯量が基準値以下と判断した場合には(ステップS202にてYES)、処理はステップS203へと移される。もしそうでないと(ステップS202にてNO)、処理はステップS204へと移される。
ステップS203にて、加速制御部222として動作するCPU23は、加速制御部222として動作する負荷駆動回路37に対し制御信号を出力する。負荷駆動回路37は、その制御信号が出力されると、回転ドラム3の回転数が上昇するように洗濯槽駆動モータ4を制御する。回転ドラム3が高速回転しても振れ回りは小さいと予想されるためである。これにより、回転ドラム3の回転は高速回転に移行する。
ステップS204にて、アンバランス判断部220として動作するCPU23は、アンバランス判断部220として動作する負荷駆動回路37に対し制御信号を出力する。負荷駆動回路37は、その制御信号が出力されると、回転ドラム3が回転を停止するように洗濯槽駆動モータ4を制御する。回転ドラム3の振れ回りが大きいと予想されるためである。
ステップS205にて、加速制御部222として動作するCPU23は、加速制御部222として動作する状態検知回路34に振動検出部104が出力した出力値が、加速制御部222として動作するROM25に記憶された増加設定値以下か否かを判断する。出力値が増加設定値以下と判断した場合には(ステップS205にてYES)、処理はステップS206へと移される。もしそうでないと(ステップS205にてNO)、処理はステップS207へと移される。
ステップS206にて、加速制御部222として動作するCPU23は、加速制御部222として動作する状態検知回路34に回転検知センサ105が出力した回転数が、加速制御部222として動作するROM25に記憶された定格回転数(本実施の形態の場合、1100rpm)以上か否かを判断する。回転数が定格回転数以上と判断した場合には(ステップS206にてYES)、処理はステップS208へと移される。もしそうでないと(ステップS206にてNO)、処理はステップS203へと移される。
ステップS207にて、加速制御部222として動作するCPU23は、加速制御部222として動作する負荷駆動回路37に対し制御信号を出力する。負荷駆動回路37は、その制御信号が出力されると、回転ドラム3の回転数の増加が停止するように洗濯槽駆動モータ4を制御する。
ステップS208にて、減速制御部224として動作するCPU23は、減速制御部224として動作する負荷駆動回路37に対し制御信号を出力する。負荷駆動回路37は、その制御信号が出力されると、回転ドラム3の回転数の増加が停止するように洗濯槽駆動モータ4を制御する。
ステップS209にて、減速制御部224として動作するCPU23は、減速制御部224として動作する状態検知回路34に振動検出部104が出力した出力値が、減速制御部224として動作するROM25に記憶された低下設定値以下か否かを判断する。出力値が低下設定値以下と判断した場合には(ステップS209にてYES)、処理はステップS210へと移される。もしそうでないと(ステップS209にてNO)、処理はステップS211へと移される。
ステップS210にて、減速制御部224として動作するCPU23は、減速制御部224として動作する負荷駆動回路37に対し制御信号を出力する。負荷駆動回路37は、その制御信号が出力されると、回転ドラム3の回転数が維持されるように洗濯槽駆動モータ4を制御する。
ステップS211にて、減速制御部224として動作するCPU23は、減速制御部224として動作する負荷駆動回路37に対し制御信号を出力する。負荷駆動回路37は、その制御信号が出力されると、回転ドラム3の回転数が低下するように洗濯槽駆動モータ4を制御する。低下速度は、減速制御部224として動作するROM25に記憶された値に対応する。本実施の形態の場合、低下速度は、−5rpm/秒であることとする。
ステップS212にて、終了制御部226として動作するCPU23は、終了制御部226として動作するタイマ26が測定した経過時間に基づき、回転ドラム3の回転を開始した時以降の経過時間が終了制御部226として動作するROM25が記憶した定格脱水時間を超えたか否かを判断する。定格脱水時間を超えたと判断した場合には(ステップS212にてYES)、処理は終了する。処理の終了後、乾燥工程が開始される。もしそうでないと(ステップS212にてNO)、処理はステップS209へと移される。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、ドラム式洗濯機の動作について説明する。
ほぐし工程を経た後、アンバランス検知を行うために回転ドラム3が低速回転する(ステップS201)。そこで、偏芯量が基準値以下であるか否かが判定される(ステップS202)。
偏芯量が基準値以下であれば、回転ドラム3が高速回転してもその振れ回りは小さいと予想されるので、偏芯量が基準値以下となる場合には、脱水工程制御部206は、回転ドラム3の回転数を上昇させて(ステップS203)、高速回転に移行する。
一方、偏芯量が基準値を超える場合には、回転ドラム3の振れ回りが大きいと予想されるので、回転ドラム3の回転が停止される(ステップS204)。その後処理は再度ほぐし工程(ステップS201)に戻される。
高速回転に移行した後、CPU23は、振動検出部104の出力値が増加設定値以下か否かを判断する(ステップS205)。その後、振動検出部104の出力値が増加設定値を超えることなく回転ドラム3の回転数が定格回転数に到達(ステップS206)すれば、回転ドラム3の回転が定格時間継続された後(ステップS208〜ステップS212)、乾燥工程に移行する。
また、振動検出部104の出力値が増加設定値以下か否かを判断した際(ステップS205)、振動検出部104の出力値が増加設定値を超えた場合、その時点で回転数の上昇は停止される(ステップS207)。そして、その時点での到達回転数で回転が定格時間継続された後(ステップS208〜ステップS212)、乾燥工程に移行する。
一方、回転ドラム3の回転数が一旦決定され、脱水運転を継続中(ステップS208)に振動検出部104の出力値が低下設定値を超えた場合は(ステップS209)、一定速(−5rpm/sec)で回転ドラム3の回転数を低下させる(ステップS211)。回転数の低下は低下設定値以下に収まるまで継続される。その後、回転が定格時間継続された後(ステップS209〜ステップS212)、乾燥工程に移行する。
以上のようにして、本実施の形態に係るドラム式洗濯機は、所定の定格回転数以下の回転数となるように脱水時の回転ドラム3の回転数が決定された後、回転数を維持し脱水運転を継続している途中段階において、振動検出部104の出力値が規定の低下設定値を上回ると、低下設定値以下に収まるまで回転数を低下させ続ける。これにより、安全に脱水運転が行えるような回転数で脱水工程が実施される。
図8は、本実施の形態に係るドラム式洗濯機における脱水動作の制御を示す図である。最初に50rpm程度の極低速回転で洗濯物をほぐす工程が設けられている。図8において、回転速度が凹凸状に推移する部分がその工程である。その後、タンブリングが生じる臨界回転数110rpm(厳密には110rpmより僅かに速い回転数)で回転ドラム3を回転してアンバランス検知を行う。図8において、回転速度が約110rpmのまま推移する部分がアンバランス検知を行っている期間を示す。偏芯量が基準値を超えると判断された場合には、アンバランス判断部220は、回転ドラム3の回転数を低下させて洗濯物を再度ほぐした後、アンバランス検知をもう一度行う。偏芯量が基準値以下と判断された場合には、加速制御部222は、洗濯物の偏りは少ないと判断して回転ドラム3の回転数を上昇させる。その後、所定の定格回転数1100rpmに達する前に予め記憶された設定値を振動が超えたと加速制御部222が判断した場合は、その時点の回転数(到達回転数)が維持された状態で脱水が実施される。一方、予め記憶された設定値を振動が超えないまま回転ドラム3の回転数が定格回転数に達した場合は、その定格回転数で脱水が実施される。図8においては、回転速度が1110rpmまたはそれより多少ない回転速度で推移する部分にこの動作は対応する。
洗濯、脱水、乾燥を連続して行う洗濯乾燥機については、いかに効率よく脱水工程を終えて乾燥工程に移行するかが、洗濯から乾燥終了までにかかる時間の短縮に大きく影響を与えるポイントの1つである。
脱水工程では、低速から高速までの広い範囲の回転数で回転ドラム3が回転する。脱水工程において回転ドラム3内で洗濯物のアンバランスが存在する場合には、回転数によっては回転ドラム3に大きな振れ回りが生じて、回転ドラム3が水槽に衝突して騒音を発するなどの不具合を生じることがある。それを避けるため、従来の制御においては、回転ドラムの異常振動を検出するために水槽に設けられる振動検出部の出力を利用して知り得たアンバランスの状態により、回転ドラムの回転数を制御し、安全に回転できうる回転数で脱水運転が行われている。
しかし、従来の制御は、到達回転数あるいは定格回転数に達するまでの間に、回転ドラムの振動状態を検知し、脱水回転数を低減させるものである。この場合、衣類の種類の違いによって離水が均等でないことにより到達回転数あるいは定格回転数に達した後にアンバランスが生じた場合には、振動を抑制することができない。振動を抑制することができないため、大きな振動のまま運転が継続されることとなる。この場合、異常振動が生じ得る。
これに対し、本実施の形態に係る制御の場合、到達回転数あるいは定格回転数に達した後にアンバランスが生じると、回転数を低下させる。これにより、異常振動の発生を防止できる。その結果、様々な種類の衣類を一緒に洗ったとしても異常振動を防止できる洗濯機を提供できる。
なお、本実施の形態の第1の変形例においては、ステップS211において、低下速度は、時系列に従って変化したり洗濯物の重量に対応させていたりしてもよい。
<第2の実施の形態>
以下、本発明の第2の実施の形態に係るドラム式洗濯機について説明する。
図9は、本実施の形態に係る制御回路5の機能ブロック図である。図9を参照して、本実施の形態に係る制御回路5は、情報記憶部200と、洗い工程制御部202と、すすぎ工程制御部204と、脱水工程制御部210と、乾燥工程制御部208とを含む。
脱水工程制御部210は、後述する脱水工程を実施するように、洗濯槽駆動モータ4と、洗濯用給水弁38と、排水弁40とを制御する。
脱水工程制御部210は、アンバランス判断部220と、加速制御部222と、減速制御部228と、終了制御部226とを含む。
減速制御部228は、振動要件と回転数要件とのうち少なくとも一方が満たされた後、後述する要件がさらに満たされると、回転ドラム3の回転数が低下するように洗濯槽駆動モータ4を制御する。
減速制御部228は、要件判断部240と、抑制制御部242とを含む。
要件判断部240は、次に述べる2つの要件を共に満たすか否かを判断する。その第1の要件は、回転ドラム3の回転数が閾値以上であるという要件である。第2の要件は、振動検出部104が検知した振動成分が閾値を越えたことという要件である。なお、本実施の形態の場合、前者の閾値と後者の閾値とでは、具体的な値が異なる。
抑制制御部242は、前述した2つの要件が満たされた場合、回転ドラム3の回転数が低下するように洗濯槽駆動モータ4を制御する。
なお、その他の点を除くハードウェア構成については、前述の第1の実施の形態と同じである。それらについての機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
図10を参照して、制御回路5で実行されるプログラムは、脱水工程に関し、以下のような制御を実行する。なお、図10に示すフローチャートの中で、前述の図7に示した処理は同じステップ番号を付してある。第1の実施の形態において減速制御部224が実施していた処理を減速制御部228が実施する点を除けば、それらの処理も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
ステップS310にて、要件判断部240として動作するCPU23は、要件判断部240として動作する状態検知回路34に振動検出部104が出力した出力値が、要件判断部240として動作するROM25に記憶された低下設定値以下か否かを判断する。出力値が低下設定値以下と判断した場合には(ステップS310にてYES)、処理はステップS210へと移される。もしそうでないと(ステップS310にてNO)、処理はステップS311へと移される。
ステップS311にて、要件判断部240として動作するCPU23は、要件判断部240として動作する状態検知回路34に回転検知センサ105が出力した回転数が、要件判断部240として動作するROM25に記憶された特定回転数(本実施の形態の場合、950rpm)以上か否かを判断する。回転検知センサ105が出力した回転数が特定回転数以上と判断した場合には(ステップS311にてYES)、処理はステップS211へと移される。もしそうでないと(ステップS311にてNO)、処理はステップS312へと移される。
ステップS312にて、抑制制御部242として動作するCPU23は、抑制制御部242として動作する負荷駆動回路37に対し制御信号を出力する。負荷駆動回路37は、その制御信号が出力されると、回転ドラム3が回転を停止するように洗濯槽駆動モータ4を制御する。
ステップS314にて、終了制御部226として動作するCPU23は、終了制御部226として動作するタイマ26が測定した経過時間に基づき、回転ドラム3の回転を開始した後、終了制御部226として動作するROM25が記憶した定格脱水時間を経過したか否かを判断する。定格脱水時間を経過したと判断した場合には(ステップS314にてYES)、処理は終了する。処理の終了後、乾燥工程が開始される。もしそうでないと(ステップS314にてNO)、処理はステップS310へと移される。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、ドラム式洗濯機の動作について説明する。
ステップS208までの処理を経て、高速脱水運転を継続中に振動検出部104の出力値が低下設定値を超えた場合は(ステップS310)、その時点での回転ドラム3の回転数を回転検知センサ105により検出する。
その回転数が最低限の脱水度を確保する為に必要な脱水回転数(たとえば900rpm)に比べ余裕のある回転数(たとえば950rpm)以上である場合には(ステップS311)、CPU23は、低下設定値以下に収まるまで一定の割合で(−5rpm/sec)回転数を低下させ続ける(ステップS211)。
その後、回転が定格時間継続された後(ステップS310、ステップS210、およびステップS341)、乾燥工程の動作が開始される。
一方、高速脱水運転を継続中に振動検出部104の出力値が設定値を超え、かつ上述した回転数(950rpm)を下回っている場合は、CPU23は、その時点で回転ドラム3の回転を停止させる(S312)。
この後、動作は脱水工程の先頭に戻り、再度脱水運転を行う。回転数を低下させた脱水では十分な脱水度が確保できないと予想されるためである。
以上のようにして、本実施の形態に係るドラム式洗濯機は、回転ドラム3がある程度高速で回転しており、かつ大きな振動が発生している場合には、低下設定値以下に収まるまで回転ドラム3の回転数を低下させる。大きな振動が発生しており、かつ回転ドラム3の回転数が低い場合には、大きな振動が発生すると、脱水工程を最初からやり直す。これにより、洗濯物が十分乾燥しないという事態の発生を回避できる上、安全に脱水運転を行うことができる。その結果、洗濯物が十分乾燥しないという事態の発生を回避できる上、様々な種類の衣類を一緒に洗ったとしても異常振動を防止できる洗濯機を提供できる。
<第3の実施の形態>
以下、本発明の第3の実施の形態に係るドラム式洗濯機について説明する。
図11は、本実施の形態に係る制御回路5の機能ブロック図である。図11を参照して、本実施の形態に係る制御回路5は、情報記憶部200と、洗い工程制御部202と、すすぎ工程制御部204と、脱水工程制御部212と、乾燥工程制御部208とを含む。
脱水工程制御部212は、後述する脱水工程を実施するように、洗濯槽駆動モータ4と、洗濯用給水弁38と、排水弁40とを制御する。
脱水工程制御部212は、アンバランス判断部220と、加速制御部222と、減速制御部230と、終了制御部226とを含む。
減速制御部230は、振動要件と回転数要件とのうち少なくとも一方が満たされた後、後述する要件がさらに満たされると、回転ドラム3の回転数が低下するように洗濯槽駆動モータ4を制御する。
減速制御部230は、要件判断部244と、抑制制御部246とを含む。
要件判断部244は、次に述べる2つの要件を共に満たすか否かを判断する。その第1の要件は、回転ドラム3の回転数が閾値以上であるという要件である。第2の要件は、回転ドラム3の回転が開始されてから経過した時間の定格脱水時間に対する割合が所定の閾値以上となることという要件である。なお、本実施の形態の場合、前者の閾値と後者の閾値とでは、具体的な値が異なる。
抑制制御部246は、前述した2つの要件が満たされた場合、回転ドラム3の回転数が低下するように洗濯槽駆動モータ4を制御する。
なお、その他の点を除くハードウェア構成については、前述の第1の実施の形態と同じである。それらについての機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
図12を参照して、制御回路5で実行されるプログラムは、脱水工程に関し、以下のような制御を実行する。なお、図12に示すフローチャートの中で、前述の図7に示した処理は同じステップ番号を付してある。第1の実施の形態において減速制御部224が実施していた処理を減速制御部230が実施する点を除けば、それらの処理も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
ステップS410にて、要件判断部244として動作するCPU23は、要件判断部244として動作する状態検知回路34に振動検出部104が出力した出力値が、要件判断部244として動作するROM25に記憶された低下設定値以下か否かを判断する。出力値が低下設定値以下と判断した場合には(ステップS410にてYES)、処理はステップS210へと移される。もしそうでないと(ステップS410にてNO)、処理はステップS411へと移される。
ステップS411にて、要件判断部244として動作するCPU23は、要件判断部244として動作するタイマ26が測定した経過時間に基づき、回転ドラム3の回転を開始した後、要件判断部244として動作するROM25が記憶した定格脱水時間の70%以上が経過したか否かを判断する。定格脱水時間の70%以上が経過したと判断した場合には(ステップS411にてYES)、処理はステップS211へと移される。もしそうでないと(ステップS411にてNO)、処理はステップS412へと移される。
ステップS412にて、抑制制御部246として動作するCPU23は、抑制制御部246として動作する負荷駆動回路37に対し制御信号を出力する。負荷駆動回路37は、その制御信号が出力されると、回転ドラム3が回転を停止するように洗濯槽駆動モータ4を制御する。
ステップS413にて、終了制御部226として動作するCPU23は、終了制御部226として動作するタイマ26が測定した経過時間に基づき、回転ドラム3の回転を開始した後、終了制御部226として動作するROM25が記憶した定格脱水時間を経過したか否かを判断する。定格脱水時間を経過したと判断した場合には(ステップS413にてYES)、処理は終了する。処理の終了後、乾燥工程が開始される。もしそうでないと(ステップS413にてNO)、処理はステップS410へと移される。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、ドラム式洗濯機の動作について説明する。
本実施の形態にかかるドラム式洗濯機は、高速脱水運転を継続中に振動検出部104の出力値が低下設定値を超え(ステップS410にてNO)、その時点での高速脱水の経過時間が定格脱水時間の70%以上経過している場合は(ステップS411にてYES)、低下設定値以下に収まるまで一定速(−5rpm/sec)で回転ドラム3の回転数を低下(ステップS211)させる。その後、定格時間が経過するまで回転は継続され、乾燥工程に移行する(ステップS410、ステップS210、およびステップS413)。このように動作するのは、振動検出部104の出力値が低下設定値を超えた時点でほぼ脱水度が確保できていると判断できる上に、いったん脱水工程を中止して最初から再度脱水工程をやり直すことによって時間短縮の効果が無くなるためである。
一方、高速脱水運転を継続中に振動検出部104の出力値が低下設定値を超え(ステップS410にてNO)、その時点での高速脱水の経過時間が定格脱水時間の70%に達していないと判断される場合は(ステップS411にてNO)、その時点で回転ドラム3の回転は停止され(ステップS412)、脱水工程の先頭に戻り、再度脱水運転を行う。振動検出部104の出力値が低下設定値を超えた時点ではまだまだ十分な脱水度にはなっておらず、回転数を低下させて脱水工程を継続するよりは、脱水工程を再度やり直し、脱水度を確保する方が乾燥工程の時間を短縮できるためである。
以上のようにして、本実施の形態に係るドラム式洗濯機は、高速脱水運転を継続中に振動検出部104の出力値が低下設定値を超え、その時点での高速脱水の経過時間が定格脱水時間の70%以上経過している場合は、低下設定値以下に収まるまで回転ドラム3の回転数を低下させ、安全に脱水運転が行えるような脱水回転数で脱水工程を継続させる。一方、高速脱水の経過時間が定格脱水時間の70%に達していない場合は、脱水工程の先頭に戻り、再度脱水運転を行う。これにより、衣類の乾燥が不十分になる可能性は大幅に軽減される。その結果、洗濯物が十分乾燥しないという事態の発生を回避できる上、様々な種類の衣類を一緒に洗ったとしても異常振動を防止できる洗濯機を提供できる。
なお、本実施の形態の変形例にかかるステップS411において、CPU23は、回転ドラム3の回転を開始した後、定格脱水時間の90%以上が経過したか否かを判断してもよい。
<第4の実施の形態>
以下、本発明の第4の実施の形態に係るドラム式洗濯機について説明する。
本実施の形態に係るROM25は、第1の実施の形態の場合に記憶する情報に加え、低下幅のデータを記憶する。このデータは、回転ドラム3の回転数に対応付けて記憶される。
また、制御回路5の機能は、第1の実施の形態に係る制御回路5の機能とは異なる。図13は、本実施の形態に係る制御回路5の機能ブロック図である。図13を参照して、本実施の形態に係る制御回路5は、情報記憶部200と、洗い工程制御部202と、すすぎ工程制御部204と、脱水工程制御部214と、乾燥工程制御部208とを含む。
脱水工程制御部214は、後述する脱水工程を実施するように、洗濯槽駆動モータ4と、洗濯用給水弁38と、排水弁40とを制御する。
脱水工程制御部214は、アンバランス判断部220と、加速制御部222と、減速制御部232と、終了制御部226とを含む。
減速制御部232は、振動要件と回転数要件とのうち少なくとも一方が満たされた後、回転ドラム3が回転している間に振動検出部104が検知した振動成分が閾値を越えると、回転ドラム3の回転数が低下するように洗濯槽駆動モータ4を制御する。この閾値は、回転数を低下させるか否か判断するための振動成分についての閾値である。
減速制御部232は、要件判断部240と、抑制制御部248とを含む。
抑制制御部248は、振動要件と回転数要件とのうち少なくとも一方が満たされた後、回転ドラム3が回転している間に振動検出部104が検知した振動成分が閾値を越えると、振動検出部104が検知した振動成分が閾値を越えた時点の回転数に対応する速度で回転ドラム3の回転数が低下するように洗濯槽駆動モータ4を制御する。
なお、その他の点を除くハードウェア構成については、前述の第1の実施の形態と同じである。それらについての機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
図14を参照して、制御回路5で実行されるプログラムは、脱水工程に関し、以下のような制御を実行する。なお、図14に示すフローチャートの中で、前述の図7に示した処理は同じステップ番号を付してある。第1の実施の形態において減速制御部224が実施していた処理を減速制御部232が実施する点を除けば、それらの処理も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
ステップS510にて、要件判断部240として動作するCPU23は、要件判断部240として動作する状態検知回路34に振動検出部104が出力した出力値が、要件判断部240として動作するROM25に記憶された低下設定値以下か否かを判断する。出力値が低下設定値以下と判断した場合には(ステップS510にてYES)、処理はステップS210へと移される。もしそうでないと(ステップS510にてNO)、処理はステップS511へと移される。
ステップS511にて、抑制制御部248として動作するCPU23は、抑制制御部248として動作する状態検知回路34に回転検知センサ105が出力した回転数が、脱水工程制御部206として動作するROM25に記憶された特定回転数(本実施の形態の場合、950rpm)未満か否かを判断する。回転検知センサ105が出力した回転数が特定回転数未満と判断した場合には(ステップS511にてYES)、処理はステップS512へと移される。もしそうでないと(ステップS511にてNO)、処理はステップS513へと移される。
ステップS512にて、抑制制御部248として動作するCPU23は、抑制制御部248として動作する負荷駆動回路37に対し制御信号を出力する。負荷駆動回路37は、その制御信号が出力されると、回転ドラム3が回転を停止するように洗濯槽駆動モータ4を制御する。
ステップS513にて、抑制制御部248として動作するCPU23は、抑制制御部248として動作するROM25が記憶した低下幅のデータを参照する。参照されるデータは、ステップS206にて回転検知センサ105が出力した回転数に対応するデータである。低下幅のデータが参照されると、CPU23は、抑制制御部248として動作する負荷駆動回路37に対し制御信号を出力する。負荷駆動回路37は、その制御信号が出力されると、回転ドラム3の回転数が低下するように洗濯槽駆動モータ4を制御する。低下幅は、CPU23が参照したデータが示す幅である。
ステップS514にて、終了制御部226として動作するCPU23は、終了制御部226として動作するタイマ26が測定した経過時間に基づき、回転ドラム3の回転を開始した後、終了制御部226として動作するROM25が記憶した定格脱水時間を経過したか否かを判断する。定格脱水時間を経過したと判断した場合には(ステップS514にてYES)、処理は終了する。処理の終了後、乾燥工程が開始される。もしそうでないと(ステップS514にてNO)、処理はステップS510へと移される。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、ドラム式洗濯機の動作について説明する。
本実施の形態に係るドラム式洗濯機は、高速脱水運転を継続中に振動検出部104の出力値が低下設定値を超えた場合は(ステップS510)、その時点の回転ドラム3の回転数が特定回転数未満か否かを判断し(ステップS511)、その時点の回転ドラム3の回転数が特定回転数以上ならば、振動検出部104の出力値が低下設定値以下に収まるまでその回転数に応じた低下幅で回転ドラム3の回転数を低下させる。その後、定格時間継続し(ステップS510、ステップS210、およびステップS514)、乾燥工程に移行する。
図15は、本実施の形態においてROM25に記憶された低下速度のデータを示す図である。図15に示すように、本実施の形態の場合、低下速度は、回転数が高い場合ほど小さくなる。これにより、洗濯槽駆動モータ4にかかる負荷を低減させることができる。
一方、高速脱水運転を継続中に振動検出部104の出力値が設定値を超え、特定回転数(950rpm)を下回っている場合は、回転数を低下させての低速なアンバランスな状態では洗濯物を十分に脱水させることができないと考えられるため、本実施の形態に係るドラム式洗濯機は、その時点で脱水回転を停止(S512)し、脱水工程の先頭に戻り、再度脱水運転を行う。
以上のようにして、本実施の形態に係るドラム式洗濯機は、所定の定格回転数以下の回転数となるように脱水時の回転ドラム3の回転数が決定された後、回転数を維持し脱水運転を継続している途中段階で、振動検出部104の出力値が規定の低下設定値を上回ったために回転ドラム3の回転数を低下させる際、単位時間の間に低下する速度をその時点での回転数に応じて選択することで、洗濯槽駆動モータ4にかかる負荷を低減させる。その結果、洗濯槽駆動モータ4にかかる負荷を低減させることができる上、様々な種類の衣類を一緒に洗ったとしても異常振動を防止できる洗濯機を提供できる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 箱体、2 水槽、3 回転ドラム、4 洗濯槽駆動モータ、5 制御回路、6 サスペンション、7 底台、8 天板、9 段部、10 ドア、11 操作パネル、12 水道水用給水路、15 ドアパッキン、17 フィルタ装置、18 排水ダクト、20 排水ホース、21 排水モータ、22 マイクロコンピュータ、23 CPU、24 RAM、25 ROM、26 タイマ、27 I/Oポート、28 システムバス、29 制御部、30 演算部、31 電源回路、32 リセット回路、33 入力キー回路、34 状態検知回路、35 表示装置駆動回路、36 ブザー駆動回路、37 負荷駆動回路、38 洗濯用給水弁、39 循環ポンプ、40 排水弁、42 給水ダクト、45 洗剤ケース、46 循環ホース、47 ノズル、48 排水口、50 送風機、51 ファンモータ、52 送風ファン、53 モータ軸、54 ファンケーシング、60 水槽開口部、62 流体バランサ、64 小孔、66 ドラム開口部、68 バッフル、70 突出部、80 加熱装置、82 送風ダクト、84 ヒータケース、86 ヒータ、88 吹出し口、90 除湿装置、92 凝結板、94 通風ダクト、102 表示装置、103 ブザー、104 振動検出部、105 回転検知センサ、106 吹出し温度制御部、107 水位センサ、108 庫内温度検出部、109 加速度センサ、200 情報記憶部、202 洗い工程制御部、204 すすぎ工程制御部、206,210,212,214 脱水工程制御部、208 乾燥工程制御部、220 アンバランス判断部、222 加速制御部、224,228,230,232 減速制御部、226 終了制御部、240,244 要件判断部、242,246,248 抑制制御部。