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JP2008190022A - Al−Mg−Si系合金熱延上り板およびその製造法 - Google Patents

Al−Mg−Si系合金熱延上り板およびその製造法 Download PDF

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JP2008190022A JP2007028292A JP2007028292A JP2008190022A JP 2008190022 A JP2008190022 A JP 2008190022A JP 2007028292 A JP2007028292 A JP 2007028292A JP 2007028292 A JP2007028292 A JP 2007028292A JP 2008190022 A JP2008190022 A JP 2008190022A
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Katsura Kajiwara
桂 梶原
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

【課題】
Mgの増量に頼ることなしにかなり低量のMgとしても結晶粒が微細化でき、その結果、低コストで製造できる高強度で表面性状も良好なAl−Mg−Si系合金熱延上り板を提供すること。
【解決手段】
Mg:0.2〜2.5重量%(以下、重量%を%と略記する。)、Si:0.3〜2.0%、Mn:0.01〜1.0%およびCu:0.001〜1.0%を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなる厚さが1.5〜10mmの熱延上りのAl−Mg−Si系合金板であって、板厚表層部および板厚中心部の各平均結晶粒径がいずれも90μm以下であることを特徴とするAl−Mg−Si系合金熱延上り板及びこのAl−Mg−Si系合金熱延上り板の製造法。
【選択図】なし

Description

本発明は、自動車用材料、骨格材やホイールあるいは船舶や電気製品の外板等の構造材料として幅広く利用されるAl−Mg−Si系合金板であって、とくに高い機械的強度ならびにすぐれた表面性状が要求されるAl−Mg−Si系合金の熱間圧延ままの板材およびその製造法に関する。
自動車、船舶、航空機その他車両等の輸送機、各種機械、電気製品、建築物あるいは構造物、光学機器その他各種器物等の構成部材ならびに部品用の材料として、成形性および焼付硬化性にすぐれたアルミニウム合金材が広く使用されている。
とくに、自動車等における車体分野では、近年、排気ガス等による地球規模の環境問題に対応して、使用材料の軽量化による燃費の向上が切実に希求され、現に、鋼材が、より軽量なアルミニウム合金材に置換されているのは周知のとおりである。したがって、これらアルミニウム合金材には、必然的に機械的強度のより一層の向上が要求される
このような需要に対応できるアルミニウム合金材として手近にあるJIS 6000系Al合金は、Mg等の合金成分含有量の多い他の5000系Al合金等に比し、合金成分含有量が少なくてリサイクル性がよい。しかし、上記したより一層の軽量化と材料使用量の低減化によるコストダウンの緊迫した要請に応ずるには、さらに高強度化および薄肉化を追求する必要がある。
一方、本6000系Al合金材の製造面にはなお高コスト性の問題が伏在する。本合金材の製造は、通常、鋳造からはじまって均熱、熱間圧延、冷間圧延のあと、必要に応じて中間焼鈍および冷間圧延を反復し、さらに最終段階で高温の溶体化処理が行なわれる。これだけの多段階にわたる製造工程では、より一層のコスト低減を図るにも限界があるのは容易に理解できる。
このような現状を背景に、下記特許文献1は、いわゆる熱間圧延上りのAl−Mg系合金材として、熱間加工性を一段と改良された高耐力合金が提案されている。本合金材は、Al−Mg合金をベースとして、Fe:0.25〜1.00%、Mn:0.05〜1.00%およびTi:0.05〜0.2%を積極的に添加することにより、合金結晶粒を微細化する。それにより、熱間加工中の粒界破壊および粒界への変形ひずみを緩和しようとするが、本合金材は、5.7〜9%ものMgを必要とするため、原料の高コスト性は回避できない。
下記特許文献2は、自動車の車体用パネル成形時の肌荒れを防止した過剰Si型6000系Al合金材の発明であるが、製造工程面では、溶体化および焼き入れにより、合金の平均結晶粒の微細化を企図している。すなわち、Si:0.4〜1.3%、Mg:0.2〜1.2%、Mn:0.01〜0.65%およびCu:0.001〜1.0%を含有し、かつ、Si/Mg重量比を1以上とするAl合金である。
そして、本合金材は、鋳塊を500℃以上の温度で均質化熱処理後、一旦室温まで冷却し、つづいて350〜470℃に再加熱して熱間圧延し、ここで粗大なMg2Si金属間化合物を析出させる。この金属間化合物は、熱延板の組織中に1.0μm以上の平均結晶粒径で、面積率で1mmあたり0.6%以上の割合で析出し、さらに、溶体化および焼き入れにより、平均結晶粒径を20μmにまで微細化する。
この方法は、高耐力のAl−Mg合金として評価できるものの、上述のように、最終板は溶体化および焼き入れ処理を不可欠とする以上、製造コストの引き下げの大なる制約となる。
このように、自動車その他多岐にわたる構造材の用途に適した、真に熱延上りのAl−Mg合金として実用に耐えられる合金材は開発されるに至っていないのが実情である。
特公平3−68098号公報 特開2004−124213号公報
本発明は、Mgの増量に頼ることなしにかなり低量のMgとしても結晶粒が微細化でき、その結果、低コストで製造できる高強度で表面性状も良好なAl−Mg−Si系合金熱延上り板を提供することを課題とする。
本発明は、上記課題を解決するため、熱延条件と材料組織との関係を解明した研究成果を基礎として、含有Mg量を抑制しながら熱間加工条件の適切な制御により、その後の焼鈍をすることなく、熱間加工上りで微細粒組織による高い機械的強度を有するAl−Mg−Si系合金板材料の提供を可能にしたものである。
そして、本発明は、下記する手段を特徴とする。
(1)Mg:0.2〜2.5%、Si:0.3〜2.0%、Mn:0.01〜1.0%およびCu:0.001〜1.0%を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなる厚さが1.5〜10mmの熱延上りのAl−Mg−Si系合金板であって、板厚表層部および板厚中心部の各平均結晶粒径がいずれも90μm以下であるAl−Mg−Si系合金熱延上り板。
(2)板厚表層部の平均結晶粒径が、板厚中心部の平均結晶粒径の0.95倍以下である上記(1)に記載のAl−Mg−Si系合金熱延上り板。
(3)Fe:1.0%以下、Cr:0.3%以下、Si:0.5%以下、Zr:0.3%以下、Zr:0.3%以下、V:0.3%以下、Ag:0.2%以下ならびにZn:1.0%以下の1種以上を含有することを許容する上記(1)または(2)に記載のAl−Mg−Si系合金熱延上り板。
(4)Ti:0.005〜0.1%を含有するこ上記(1)〜(3)のいずれかに記載のAl−Mg−Si系合金熱間圧延上り板。
(5)Ti:0.005〜0.1%およびB:0.0001〜0.05%を含有する上記(1)〜(4)のいずれかに記載のAl−Mg−Si系合金熱延上り板。
(6)ビッカース硬さが50Hv以上である上記(1)〜(5)のいずれかに記載のAl−Mg−Si系合金熱延上り板。
(7)均熱鋳塊を熱間粗圧延したのち最終熱間仕上げ圧延し、Al−Mg−Si系合金熱延上り板を製造する方法であって、420℃以上・500℃以下の加工温度および10/sを超える圧化率の条件下において、50%を超えるひずみ速度で最終熱間仕上げ圧延するAl−Mg−Si系合金熱延上り板の製造法。
本発明は、上述したように、Mgの増量に頼ることなしにかなり低量のMgとして、
Si、MnおよびCuとともに配合し、そして板厚表層部および板厚中心部の各平均結晶粒径を90μm以下とすることにより、結晶粒が微細化され、高強度で表面性状も良好な厚さ1.5〜10mmのAl−Mg−Si系合金熱延上り板である。また、このAl−
Mg−Si系合金熱延上り板を製造する方法は、加工温度、最終圧下率およびひずみ速度をそれぞれ上記のように制御することにより、熱間圧延のままでも高い機械的強度が確保された製品Al−Mg−Si系合金熱延上り板をつくることができる。
本発明のAl−Mg−Si系合金熱延上り板は、低量のMgに加えてSi、MnおよびCuを含有させるとともに、熱間加工条件を適切に制御することにより、焼鈍等の処理を省略しても、熱延のままで合金結晶の微細化が確保され、高い強度およびよい表面性状を具備する板材である。
まず、本発明のAl−Mg−Si系合金熱延上り板の基本組成について説明する。
この合金材に含有される基幹的な合金元素MgおよびSiは、固溶強化効果ならびに溶体化処理後の適正な温度維持によるいわゆるGPゾーンでのMg−Si原子集合体およびその成長になる中間相の生成による人工時効効果を発揮する。
すなわち、Al−Mg−Si系合金熱延上り板を成型加工したのち、塗装焼き付け等の比較的低温で短時間での人工時効処理をおこなったときに、MgおよびSiは、両者あいまって化合物相β゛を形成して時効効果を発揮し、合金板としての高強度を確保する。
以上の効果を期待するために、Mg:0.2〜2.5%およびSi:0.3〜2.0%を必要とし、Mgが0.2%未満では、上記効果の発現に必要な0.2μm以上の粒径の化合物相β゛の絶対量が不足し、熱延上り板としての必要強度が確保できない。また、Mgが2.5%を超えると、化合物相の析出が進行しすぎて必要強度が得られず、加工性も低下する。このようにMg含有量を設定するのは、高強度化のためにMg量を増加させる従来の知見とは対照的である。
一方、Siが0.3%未満では、Mgの場合と同様に、熱延上り板の必要強度および時効硬化能等の特性が確保できない。また、Siが2.0%を超えると、やはり、化合物相の析出が進行しすぎて必要強度が得られず、加工性も低下する。
なお、本発明の実施にあたっては、Si/Mg比を重量比で1.0以上の過剰Si型6000系Al合金組成に設計すると、低温人工時効処理等の比較的低温でのいわゆるBH性を意識的に高くすることができる。
つぎに、Mn:0.01〜1.0%はAl合金材の結晶粒を微細化するために、MgおよびSiに共添するが、固溶Mnはいわゆる均一変形能により、合金板の表面凹凸の発生を緩和して表面性状を向上するのに貢献する。しかし、0.01%未満では、結晶微細化に必要とされる0.2μm以上の粒径のMn化合物が不足し、上述の効果が得られない。また、1.0%を超えると、晶出物が増えて合金板の加工性を劣化する。好ましくは0.03〜0.45%がよい。
つぎに、本発明の合金板は、Cu:0.001〜1.0%を含有する。Cuは6000系Al合金の特性として、時効効果速度の向上に有用であり、たとえば、塗装焼付け等の人工時効硬化処理の条件で、Al合金組織の結晶粒へのGPゾーン等の化合物相の析出を促進する効果があり、同時に成形性を向上する。
Cu:0.001%未満では、このような効果が期待できない。しかし、1.0%を超えると、上記化合物相が粗大化し、合金板の成形性あるいはまた対糸錆性を劣化するおそれがある。
本発明のAl−Mg−Si系合金は、以上のほか、上記(3)に記載したように、Fe:1.0%以下、Cr:0.3%以下、Zr:0.3%以下、V:0.3%以下あるいはTi:0.005〜0.1%およびB:0.001〜0.05%の1種以上を追加的に含有させることができる。
これらの元素は、上記の量範囲において、Al−Mg−Si系合金材の結晶粒をより一層効果的に微細化し、その強度、延性、靭性および硬化等の向上に寄与する。
Cr、ZrあるいはV等は、合金材の均熱処理時に形成される分散相の分散粒子が再結晶後の粒界移動を妨げる効果がある。他方、Fe、TiあるいはBは、生成する晶出物が再結晶の核となり、結晶粒の粗大化を抑制する。
また、本発明のAl−Mg−Si系は、以上のほか、時効硬化速度の向上に寄与させる目的で、Ag:0.2%以下あるいはZn:1.0%以下を選択的に配合することができる。これら元素は、比較的低温で短時間の人工時効処理の条件で、合金材組織の結晶粒内へのGPゾーン等の化合物相の析出を促進する一方、時効処理状態で固溶したCu等の析出をも同時に促進する効果がある。
つぎに、本発明のAl−Mg−Si系合金板は、板厚を1.5〜10mmと厚くしたことを特徴とする熱延上り板である。従来のAl−Mg−Si系合金板は、冷間圧延および焼鈍工程を経て製造される1mm程度の比較的薄いものであるが、この熱延条件をそのまま応用して冷間圧延および焼鈍工程を省略して厚めのAl−Mg−Si系合金板にしようとしても、望ましい結晶粒組織の高強度熱延上り板は得られないから、本発明Al−Mg−Si系合金の厚板は、熱延上り板であることが最大の特徴である。
そして、本発明Al−Mg−Si系合金板では、板厚を1.5mm未満とすると、熱間圧延において板厚精度が悪化しやすく、面ひずみが出やすいので、好ましくは、1.8mm以上がよい。しかし、板厚が10mmを超えると、所望の微細結晶粒組織が得られ難いので、より好ましくは、8mm以下とするのがよい。
さらに、本発明では、熱延上り材の板厚表層部および板厚中心部の各平均結晶粒径をそれぞれ90μm以下とする。板厚表層部とは最表面から500μmの領域を指し、この領域の結晶粒径が90μm以下であれば、成形後の表面性状を向上して美しい製品が得られる。結晶粒径が90μmを超えると肌荒れが生じるおそれがある。
なお、従来の熱延では、高温寄りに条件制御しても、板厚表層部の結晶粒径は100μm以上となり、また、合金材の加工組織は部分再結晶組織であり、均一な再結晶組織にするためには、やはり以後の冷間圧延および焼鈍工程が避けられない。
上記の基幹的条件に加えて、本発明では、前記(2)に述べたように、板厚表層部の平均結晶粒径を板厚中心部の平均結晶粒径の0.95倍以下となるように制御することにより、熱延板の組織の特徴がより強化される。
一般に、熱延板の表面組織状態は、冷延・焼鈍材のそれよりも、結晶粒径が大きくて粗く、表面性状が劣る。本発明の熱延上り材であっても、表層部に高いひずみ量が導入されており、板材表層部の結晶粒組織が板厚中心部のそれより0.95倍以下と細かくなるように制御されると、表面性状の劣化が抑制されるのを見極めている。
最後に、本発明のAl−Mg−Si系合金板は、熱延上りの状態でも十分な固溶量が確保できていることを示す指標として、ビッカース硬さが50Hv以上となるようにすることも特徴である。50未満では、合金板に所望の強度が得られないし、後に低温の時効処理をおこなっても十分な時効硬化および高強度化が果たせない。実用的には、55Hv以上ないし60Hv以上ビッカース硬さが安全である。
つぎに、本発明は、既述したAl−Mg−Si系合金熱延上り板が効果的に製造できる方法にも前記(7)に記載の特徴がある。すなわち、所定の合金組成に配合された合金材の鋳塊を均熱、熱延粗圧延および仕上げ圧延して板材を製品化するに際して、これら工程での操業条件をつぎのように制御することに特徴がある。
本法は、420℃以上・500℃以下の加工温度、50%を超える最終圧化率ならびに10/s以上のひずみ速度で最終の熱間加工をおこなうことを特徴とする。
以下、工程順に説明する。
本法を実施するときの鋳造、均熱および熱延粗圧延までの3工程は、常法に従えばよい。
まず、所定の合金組成に配合された合金原料の鋳塊を製造するための鋳造は、一般的な方法、たとえば、連続鋳造圧延あるいは半連続鋳造法(DC鋳造法)等によってスラブ等の形で合金鋳塊を製造する。
つぎに、この合金鋳塊に均質化処理を施す。この均熱工程は、AlマトリックスへのMgおよびSi固溶量を増加させることによって、熱延板の組織を制御することを目的とするもので、好ましくは、450〜580℃の均熱温度および1〜20時間の保持時間でおこなう。あるいは、これと同様の条件にて1回目の熱処理をおこなってから、さらに、は350〜500℃の均熱温度と1〜10時間の保持時間で2回目の熱処理をおこなってもよい。
均熱の加熱温度が低すぎると、充分な均熱効果が得られないが、20時間を超えるような長時間の均熱処理は、含有することのある補助的成分元素であるMnやFe系の析出物が粗大化し、熱延板で所望の強度および結晶粒組織が得られないことがあるから、実施にあたっては留意する。
つぎにおこなう熱間粗圧延の開始温度は、上記均熱工程に引き続いて行うため490〜550℃とする。450℃未満では、Mg2SiやSiが粗圧延中に十分再結晶化できないままで圧延されるため、組織が粗大化して好ましくない。また、550℃を超えると、熱延板の表面において酸化、焼きつきあるいは再結晶粒が粗大化して表面性状の悪化、成形性の低下そして成形後の肌荒れが生じる場合があるので注意する。
この熱間粗圧延の終了温度は480〜500℃がよい。熱延終了温度は高温寄りが好ましく、480℃未満では仕上げ圧延後に固溶量が確保できず、所定の強度が得られない。しかし、500℃を超えると、次の熱間仕上圧延で結晶粒が粗大化することになるので、上記の温度範囲がよい。
さて、本発明方法の特徴は、以上の3工程につづく仕上圧延である熱間加工の最終加工条件として、加工温度が420℃以上・500℃以下、最終圧下率が50%を超え、ひずみ速度が10/s以上とする点である。
まず、加工温度を420℃以上・500℃以下とするのは、420℃未満では、熱間加工後および冷却中に結晶が進行して所望の強度が得らず、しかも加工組織が残存して合金材の延性が低下する。しかし、加工温度が500℃を超えると、結晶粒径が90μm以下に調整することができずに混粒組織と化し、伸長した粗大な再結晶粒が生じ、本発明の特徴とする品質の熱延上リの製品が得られない。より好ましい加工温度は450℃〜480℃である。
さらに、仕上圧延における最終圧下率を50%を超えることとするのは、50%未満では、結晶粒径が期待する90μm以下にならないからである。
最後に、仕上圧延におけるひずみ速度が10/s以上となるように制御するのは10/s未満では、結晶粒径が上記のように安定的に90μm以下にならないで、好ましくない混粒組織を生じ、やはり伸長した粗大な再結晶粒が生じ、本発明の特徴とする品質の熱延上リの製品が得られない。
なお、熱間加工後に適当な冷却材もしくは冷却装置を使用して被処理材の冷却速度を適当にはやくすると、冷却中の析出が抑制され、製品の強度がさらに向上できる。
なお、熱延以降の工程では、板厚制御およびひずみ矯正のためのレベラー(圧下率〜10%以下)は、必要に応じて、表面の潤滑油除去のための表面洗浄を施してよい。しかし、本発明では、通常の冷間圧延ならびに焼鈍工程(中間焼鈍および最終焼鈍)は行わない。
また、以上のようにして製造された本発明のAl−Mg−Si系合金熱延上り板に対して、予備時効処理を施してもよい。これは、塗装焼付け工程等の人工時効硬化処理における時効硬化性をより向上するための処理をする場合、クラスターの生成を抑制し、GPゾーンの析出を抑制するためにおこなうものである。
本予備時効処理は、70〜150℃・1〜24時間の条件下で実施し、冷却速度は1℃/hr以下が望ましい。例えば、熱間圧延終了、常温付近までの冷却した後、70〜150℃に再加熱しておこなう。
あるいは、室温時効抑制のために、上記の予備時効処理後に遅滞なく比較的低温での人工時効熱処理を実施し、上記GPゾーンをさらに成長させてもよい。もし、時間的な遅滞があると、予備時効処理後でも時間の経過とともに室温時効すなわち自然時効が生じて比較的低温での人工時効熱処理の効果が減殺される。
(実施例)
表1に示す成分組成となるようなアルミニウム等の原料を溶解し、DC鋳造法によって板厚600mm、幅1300mmのAl合金鋳塊を得た。つぎに、これらの各Al合金鋳塊に540℃・5時間の均熱処理をして熱間粗圧延を施した。粗圧延の開始温度は490〜510℃であり、粗圧延終了温度は470℃程度であった。
得られた厚さ30mm板材を水冷し、これらを供試材として、次に、表2に示すように異なる複数の加工条件に振り分けてそれぞれ仕上熱間圧延し、最終的にAl−Mg−Si系合金の熱間上リ板の供試材14種(本発明の実施例8種および比較例6種)を得た。
そして、各供試材について、板圧表層部および板圧中心部の各結晶粒径ならびに両者の比率を計測し、さらに機械的強度を強靭性について計測した。表3にその結果を表示すが、これらの計測試験評価方法は以下のとおりである。
なお、本発明の実施例7種のサンプルのうちNo.1〜3ならびに比較例6種の内No.9〜12の1群は、Mg:0.55%・Si:1%系の本発明の基準的Al−Mg−Si系合金Aをベ―スとするものである。その他は、CuやFe等の各種元素を追添加した合金材をサンプルとしたものを供試材としている。
<結晶粒径の評価方法>
各供試材の断面に機械研磨およびバフ研磨を行った後電解研磨した。そして、サンプルは、各供試材の板厚表層部(最表面から500μmの領域)および板厚中心部(板厚1/2部)からそれぞれ採取した。
これらのサンプルについて定量的な評価を行うために、SEM−EBSP(Electron Back Scattering (Scattered) Pattern)またはEBSD(Diffraction)ともいう。)による評価を行った。この評価は、サンプルの表層部板面および板厚1/2t部板面を対象に、約1000μm×1000μmの領域における結晶粒をステップ間隔3μm以下で測定することで評価した。
なお、SEM装置としては、日本電子社製SEM(JEOL JSM 5410)またはPhilips社製FE−SEM(電解放出型走査電子顕微鏡、Field Emission Scanning Electron Microscopy)(XL30S−FEG)を使用した。EBSP測定・解析システムはTSL社製EBSP(OIM)を用いた。
本評価では、個々の結晶粒について、結晶粒と結晶粒との方位差が5°以上あるものを結晶粒界と判定することとした。
<強靱性>
一般に、金属材料の強靱性はビッカース硬さと相関があるため、ビッカース硬さによって材料の室温強度および高温強度を評価することとし、荷重500gのもとで、室温におけるビッカース硬さを測定し、サンプルの強靱性を表わすこととした。
表2と表3とを対照すると、本発明の実施例8種のサンプルは、仕上熱間加工におけるひずみ速度は20/sおよび50/s、圧化率は53〜70%ならびに終了温度450〜490℃と、いずれも本発明の規制範囲に調整されており、また得た板厚は1.8〜8mmとなっている。
本条件のもとで仕上熱間加工された本発明の実施例8種のサンプルの評価結果は、板厚表層部の結晶粒径は70以下、板厚中心部の結晶粒径は88以下および両者の比率は0.90以下で、いずれも本発明の規制範囲に収束していることが明らかである。そして、これらサンプルの強靭性は55〜80Hvと満足できる機械的強度を具備していることがわかる。
本発明のこれらの実施例に対して、比較例No.9〜14は、いずれも本発明相当のAl−Mg−Si系合金をそれぞれ使用し、仕上熱間圧延は、本発明および本発明を逸脱した条件を合理的に組み合わせて実施した。しかし、得られた熱延上りサンプルの表層部および中心部の結晶粒径は、いずれも著しく粗大化し、あるいは未再結晶のままであることがわかる。そして、強靭性自体には数値上50Hvを超えるものが混在するとはいえ、かなり低位であって製品品質が不安定で評価できない。
<時効硬化性>
本発明Al−Mg−Si系合金材の人工時効能を調査するために、170℃・20分および170℃・1hr後の各人工時効硬化処理を施し、各サンプルについてビッカース硬さを測定し、表3に記載の値を得た。人工時効硬化処理を施こすことにより、熱延上りのままよりも合金材のビッカース硬さがさらに向上していることがわかる。
Figure 2008190022
Figure 2008190022
Figure 2008190022

Claims (7)

  1. Mg:0.2〜2.5重量%(以下、重量%を%と略記する。)、Si:0.3〜2.0%、Mn:0.01〜1.0%およびCu:0.001〜1.0%を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなる厚さが1.5〜10mmの熱延上りのAl−Mg−Si系合金板であって、板厚表層部および板厚中心部の各平均結晶粒径がいずれも90μm以下であることを特徴とするAl−Mg−Si系合金熱延上り板。
  2. 板厚表層部の平均結晶粒径が、板厚中心部の平均結晶粒径の0.95倍以下であることを特徴とする請求項1に記載のAl−Mg−Si系合金熱延上り板。
  3. Fe:1.0%以下、Cr:0.3%以下、Zr:0.3%以下、V:0.3%以下、Ag:0.2%以下ならびにZn:1.0%以下の1種以上を含有することを許容する請求項1または2に記載のAl−Mg−Si系合金熱延上り板。
  4. Ti:0.005〜0.1%を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のAl−Mg−Si系合金熱間圧延上り板。
  5. Ti:0.005〜0.1%およびB:0.0001〜0.05%を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のAl−Mg−Si系合金熱延上り板。
  6. ビッカース硬さが50Hv以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のAl−Mg−Si系合金熱延上り板。
  7. 均熱鋳塊を熱間粗圧延したのち最終熱間仕上げ圧延し、Al−Mg−Si系合金熱延上り板を製造する方法であって、420℃以上・500℃以下の加工温度および10/sを超える圧化率の条件下において、50%を超えるひずみ速度で最終熱間仕上げ圧延することを特徴とするAl−Mg−Si系合金熱延上り板の製造法。
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