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JP2008189589A - ホスホリルコリン基含有環状ケタール化合物、その製造方法及びホスファチジルコリン基含有ジオール化合物の製造方法 - Google Patents

ホスホリルコリン基含有環状ケタール化合物、その製造方法及びホスファチジルコリン基含有ジオール化合物の製造方法 Download PDF

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JP2008189589A
JP2008189589A JP2007025227A JP2007025227A JP2008189589A JP 2008189589 A JP2008189589 A JP 2008189589A JP 2007025227 A JP2007025227 A JP 2007025227A JP 2007025227 A JP2007025227 A JP 2007025227A JP 2008189589 A JP2008189589 A JP 2008189589A
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JP2007025227A
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Tomoyuki Otake
知之 大嶽
Toshiaki Takaoka
利明 高岡
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NOF Corp
Original Assignee
NOF Corp
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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

【課題】ポリマー表面や高分子に、生体安全性、保水性、吸水性に優れたホスファチジルコリン基を導入することが可能であり、また、分子内にホスホリルコリン基を有することで、医療分野へも展開可能な新規なホスホリルコリン基含有環状ケタール化合物及びその製造方法、更には該環状ケタール化合物を用いたホスファチジルコリン基含有ジオール化合物の効率の良い製造を可能にした製造方法を提供する。
【解決手段】ホスホリルコリン置換メチル基をその2位に有する1,3−プロパンジオールの環状ケタール化合物に関する。更にこの化合物の加水開環反応にも関する。これらの化合物は医薬原料や有機合成中間体として利用可能である。
【選択図】なし

Description

本発明は、医薬原料や有機合成中間体として利用可能な、ホスホリルコリン基含有環状ケタール化合物、その製造方法及びホスファチジルコリン基含有ジオール化合物の製造方法に関する。
従来、環状ケタール化合物は、有機合成の途中でヒドロキシル基が反応しないよう保護するために有用な有機合成中間体として用いられている。このような環状ケタール化合物としては、例えば、特許文献1において、医薬中間体や工業用の高性能溶剤として利用可能な置換1,3−ジオキサン誘導体が、特許文献2において、トリメチロールアルカンモノアルキルエーテルを得るための原料としてのトリメチロール誘導体が、特許文献3において、インクジェット用の記録剤を分散させる溶剤として、1,3−ジオキサン誘導体が提案されている。
また、市販の工業用合成原料である環状ケタール化合物としては、イソプロピリデントリメチロールエタン、イソプロピリデントリメチロールプロパン、イソプロピリデントリメチロールブタン、イソプロピリデントリメチロールメチルシクロヘキサン、sec−ブチリデントリメチロールエタン、sec−ブチリデントリメチロールプロパン、sec−ブチリデントリメチロールブタン、sec−ブチリデントリメチロールメチルシクロヘキサン等が知られている。
ところで、ホスホリルコリン基を有するホスファチジルコリンは、生体膜の主要構成成分として知られており、生体機能解析のモデル系としての利用や、水中でリポソームを形成する特徴を利用したドラッグデリバリーシステム(DDS)キャリヤー等への展開が図られ、優れた生体適合性、保水性、吸水性により、化粧品、医薬、薬学、生化学等の分野において注目されている。
例えば、特許文献4には、ホスファチジルコリン基を有するジオール化合物が提案されている。この文献に記載されたホスファチジルコリン基を有するジオール化合物は、ポリマー表面や高分子に、生体安全性、保水性、吸水性に優れたホスファチジルコリン基を導入することが可能な、有用な化合物である。
しかし、特許文献4に記載のホスファチジルコリン基含有ジオールの製造方法は、水酸基が保護されない状態で反応させるので不純物が生成し易いという問題がある。従って、不純物の生成が少ない、ホスファチジルコリン基含有ジオール化合物の新たな製造方法の開発、並びにそのような製造方法に利用可能であり、また、医薬原料や工業用の有機合成中間体としても利用可能な、新たな分子構造を有する環状ケタール化合物の開発が求められている。
尚、特許文献5において、水酸基がt−ブチルジメチルシロキシメチル保護基等により保護された化合物を用いて、ホスファチジルコリン基含有ジオールを製造する方法が提案されている。しかし、水酸基をケタール保護基により保護した化合物によりホスファチジルコリン基含有ジオールを製造する方法については知られていない。
特開昭62−53984号公報 特開2001−72635号公報 特開昭62−177079号公報 特開平10−287687号公報 特表平8−507293号公報
本発明の課題は、ポリマー表面や高分子に、生体安全性、保水性、吸水性に優れたホスファチジルコリン基を導入することが可能であり、ホスファチジルコリン基含有ジオール化合物の効率の良い製造に使用可能な合成中間体として利用でき、また、分子内にホスホリルコリン基を有することで、医療分野へも展開可能な新規なホスホリルコリン基含有環状ケタール化合物及びその製造方法を提供することにある。
本発明の別の課題は、ポリマー表面や高分子に、生体安全性、保水性、吸水性に優れたホスファチジルコリン基を導入することが可能な、ホスファチジルコリン基含有ジオール化合物を効率良く製造することができる製造方法を提供することにある。
本発明によれば、式(1)で表されるホスホリルコリン基含有環状ケタール化合物が提供される。
Figure 2008189589
(式(1)中、R1は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を表す。R2及びR3は同一であっても異なっても良く、水素原子、メチル基又はエチル基を表す。)
また本発明によれば、式(4)で表される化合物を得るために、式(2)で表される環状ケタールと式(3)で表される2−クロロ−2−オキソ−1,3,2−ジオキサホスホランとを反応させる工程(a)と、式(4)で表される化合物にトリメチルアミンを反応させる工程(b)とを含む、上記式(1)で表されるホスホリルコリン基含有環状ケタール化合物の製造方法が提供される。
Figure 2008189589
(式(2)及び式(4)中、R1、R2及びR3は式(1)のものと同様である。)
また本発明によれば、上記工程(a)の反応を、40〜60℃で行う上記式(1)で表されるホスホリルコリン基含有環状ケタール化合物の製造方法が提供される。
更に本発明によれば、上記式(1)で表されるホスホリルコリン基含有環状ケタール化合物を、酸触媒の存在下に水含有溶媒で加水開環反応させる工程を含む式(5)で表されるホスファチジルコリン基含有ジオール化合物の製造方法が提供される。
Figure 2008189589
(式(5)中、R1は式(1)のものと同様である。)
本発明の式(1)で表されるホスホリルコリン基含有環状ケタール化合物は、分子構造中に親水性のホスホリルコリン基を有し、更に環状ケタールを併せ持つので、高い反応性を示す1級水酸基を2つ有し、且つ生体安全性、保水性、吸水性に優れたホスファチジルコリン基を有する、式(5)で表される化合物を製造するための合成中間体として有用である。また、分子内にホスホリルコリン基を有することで、医療分野への展開が期待できる。
本発明の製造方法は、目的物を効率良く得ることができ、特に、ホスファチジルコリン基含有ジオール化合物の製造方法は、本発明の上記ホスホリルコリン基含有環状ケタール化合物を用いて、酸触媒の存在下における水による加水開環により、高い反応性を示す1級水酸基を2つ生成させることができるので、不純物の生成を抑制し効率良く目的物を得ることができる。
また、得られるホスファチジルコリン基含有ジオール化合物は、重縮合や表面修飾に優れ、医療分野をはじめ幅広い分野における原料や材料としての利用が期待できる。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明のホスホリルコリン基含有環状ケタール化合物は、前記式(1)で表される化合物である。式(1)において、R1は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を表し、製造の観点からは炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、中でもメチル基、エチル基であることが好ましい。R2及びR3は同一であっても異なっても良く、水素原子、メチル基又はエチル基を示し、環状ケタール除去反応時の、残留分除去の容易さの観点からは、メチル基であることが好ましい。
式(1)で表される化合物は、前記式(5)で表されるホスファチジルコリン基含有ジオール化合物の前駆体として利用できる化合物であり、例えば、イソプロピリデントリメチロールエタンホスホリルコリン、イソプロピリデントリメチロールプロパンホスホリルコリン、イソプロピリデントリメチロールブタンホスホリルコリン、イソプロピリデントリメチロールメチルシクロヘキサンホスホリルコリン、sec−ブチリデントリメチロールエタンホスホリルコリン、sec−ブチリデントリメチロールプロパンホスホリルコリン、sec−ブチリデントリメチロールブタンホスホリルコリン、sec−ブチリデントリメチロールメチルシクロヘキサンホスホリルコリンが挙げられ、反応の容易さ、原料の入手のしやすさの点からイソプロピリデントリメチロールエタンホスホリルコリンが好ましく挙げられる。
本発明の式(1)で表される化合物は、例えば、前記式(4)で表される化合物を得るために、前記式(2)で表される環状ケタールと前記式(3)で表される2−クロロ−2−オキソ−1,3,2−ジオキサホスホランとを反応させる工程(a)と、得られた式(4)で表される化合物にトリメチルアミンを反応させる工程(b)とを含む、本発明の上記式(1)で表される化合物の製造方法により好ましく調製することができる。
式(2)及び式(4)中、R1は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基を表し、製造の観点からは炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、中でもメチル基、エチル基であることが好ましい。R2及びR3は同一であっても異なっても良く、水素原子、メチル基又はエチル基を示し、環状ケタール除去反応時の、残留分除去の容易さの観点からは、メチル基であることが好ましい。
工程(a)に用いる式(2)で表される環状ケタールとしては、例えば、イソプロピリデントリメチロールエタン、イソプロピリデントリメチロールプロパン、イソプロピリデントリメチロールブタン、イソプロピリデントリメチロールメチルシクロヘキサン、sec−ブチリデントリメチロールエタン、sec−ブチリデントリメチロールプロパン、sec−ブチリデントリメチロールブタン、sec−ブチリデントリメチロールメチルシクロヘキサンが挙げられ、反応の容易さ、入手のしやすさの点からはイソプロピリデントリメチロールエタンが好ましく挙げられる。
このような環状ケタールは、例えば、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン等と、式(6)で表されるカルボニル化合物とを、塩酸、硫酸、パラトルエンスルホン酸等の触媒存在下に、石油エーテル、ベンゼン、トルエン、ヘキサン等の溶媒中で環化反応させる方法により合成することができる。
Figure 2008189589
式(6)中、R2及びR3は式(2)のものと同一である。式(6)で表されるカルボニル化合物としては、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アセトン、メチルエチルケトン、3−ペンタノンが挙げられ、反応後の除去の容易さからアセトンが好ましく挙げられる。
工程(a)における反応において、式(3)で表される2−クロロ−2−オキソ−1,3,2−ジオキサホスホランの使用量は、式(2)で表される環状ケタールに対し、モル比で1.0〜2.0倍量が好ましい。
工程(a)における反応は、触媒存在下に行うことができる。該触媒としては、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、テトラメチル−1,3−ブタンジアミン、テトラメチル−1,3−プロパンジアミン、ジメチルジエチル−1,3−プロパンジアミン、ペンタメチルジエチレンジアミン、テトラエチルメタンジアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジエチルシクロヘキシルアミン、メチルオクチルシクロヘキシルアミン、メチルドデシルシクロヘキシルアミンが挙げられ、生成物の純度の点からは、ジイソプロピルアミンの使用が好ましい。
前記触媒を用いる場合の使用量は、式(2)で表される環状ケタールに対して、モル比で通常1.0〜2.0倍量が好ましい。
工程(a)における反応は、式(3)で表される2−クロロ−2−オキソ−1,3,2−ジオキサホスホランに対して反応性を持たない溶媒存在下に行うことができる。このような溶媒の例としては、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロメタン、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ピリジン、テトラヒドロフラン(THF)が好ましく挙げられ、反応後の操作性の問題からTHFが最も好ましく挙げられる。
前記溶媒を用いる場合の使用量は、式(2)で表される環状ケタール100質量部に対し、通常0.1〜1000質量部程度である。
工程(a)における反応条件は、目的の式(4)で表される化合物を得るために適宜選択できるが、反応温度は、通常25〜60℃、好ましくは40〜60℃の範囲である。反応温度が40℃より低い場合は、反応に長時間を要する恐れ、更に純度低下も生じる恐れがある。反応温度が60℃を超える場合、2−クロロ−2−オキソ−1,3,2−ジオキサホスホランとの分解反応が起こり易くなり、生成物の純度が低下する恐れがある。
反応時間は、反応温度、触媒の種類及び量等の条件により異なるが、通常1〜10時間程度が好ましい。
工程(a)による上述の反応によって得られる前記式(4)で表される化合物は、そのまま未精製で、又は塩の濾過、減圧乾燥等の処理により単離、精製した後、次の工程(b)に用いることができる。
工程(b)における反応において、トリメチルアミンの使用量は、前記式(4)で表される化合物に対し、モル比で1.0〜3.0倍量が好ましい。
工程(b)における反応は、式(4)で表される化合物に対して反応性を持たない溶媒の存在下に行うことができる。このような溶媒の例としては、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロメタン、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ピリジン、THFが好ましく挙げられる。また、これらの溶媒は単独で用いても良いが、複数の溶媒を選択し、混合して用いることもでき、トリメチルアミンの溶解性の観点から、アセトニトリルとTHFとの混合溶媒が最も好ましく挙げられる。
前記溶媒を用いる場合の使用量は、式(4)で表される化合物100質量部に対して、通常0.1〜1000質量部程度である。
工程(b)における反応条件は、目的の式(1)で表されるホスホリルコリン基含有環状ケタール化合物を得るために適宜選択できるが、反応温度は10〜90℃が好ましい。
得られる式(1)で表されるホスホリルコリン基含有環状ケタール化合物は、そのまま再結晶、減圧乾燥等により精製することが可能である。
得られたホスファチジルコリン基含有環状ケタール化合物は、そのままポリマーの添加剤や医薬原料として用いることができる。
本発明の前記式(5)で表されるホスファチジルコリン基含有ジオール化合物の製造方法は、上記式(1)で表されるホスホリルコリン基含有環状ケタール化合物を、酸触媒の存在下に水含有溶媒で加水開環反応させる工程を含む。式(5)中、R1は式(1)のR1と同じである。
前記酸触媒としては、例えば、塩酸、硫酸、燐酸等の無機酸;パラトルエンスルホン酸等の有機酸が好ましく挙げられ、反応後の触媒除去の容易さの点から、塩酸が特に好ましい。該酸触媒の使用量は、通常反応系全体に占める割合が、0.1〜10.0質量%となる量が好ましい。
前記水含有溶媒としては、例えば、水単独又は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、THF、アセトニトリル、アセトン、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルフォキシド、ジメチルアセトアミド等の水可溶性の溶媒と水との混合溶媒が好ましく挙げられ、反応後の除去の容易さからメタノールと水との混合溶媒が最も好ましく挙げられる。
前記加水開環反応の反応温度は、好ましくは0〜50℃の範囲である。反応温度が50℃を超える場合、エステルの加水分解反応又はエステル交換反応等の副反応が起こる恐れがある。また反応温度が0℃より低い場合、水分が固化する恐れがある。一方、反応時間は、反応温度、触媒の種類及び量等の条件により異なるが、通常1〜6時間程度が好ましい。
尚、前記加水開環反応の進行に伴い、反応系内にカルボニル化合物が副生成することがあるが、反応時間を短縮する目的で、副生成するカルボニル化合物を減圧留去等の手段により反応系内から除去することが好ましい。
本発明の上記製造方法では、ホスホリルコリン基含有環状ケタール化合物を前駆体として用いることで、目的のホスファチジルコリン基含有ジオール化合物を非常に高い純度で得ることができる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
製造例1
(式(2)で表される化合物の合成)
イソプロピリデントリメチロールエタンは、M.Renoll, M.S.Newman, Org. Syn. Coll. 3, 502(1955)に従い、以下の合成法により製造した。
カルシウム管、冷却管及びディーン−スターク(Dean−stark)トラップを装着したナス型フラスコに、トリメチロールエタン100g、アセトン300ml、p−トルエンスルホン酸1水和物3g及び石油エーテル300mlを加え、50℃に設定したオイルバス中で加熱還流させた。12時間後、生成水分量約15mlで、新たに水分が生成しなくなったことを確認した後、反応混合物を室温まで冷却した。次いで、酢酸ナトリウム3gを加えて更に30分間攪拌した後、エバポレータにより石油エーテル及びアセトンを留去した。
得られた粗生成物を、バス温度75℃、留分温度65℃、減圧度5mmHgの条件で減圧蒸留することにより、収量130.6g、収率91%で、無色透明液体のイソプロピリデントリメチロールエタンを得た。1H−NMRの測定結果を以下に示す。
1H−NMR(CDCl3) 0.8ppm,s,C 3(3H) 1.3−1.5ppm,d,C 3 (6H) 2.2ppm,s,O(1H) 3.5−3.7ppm,m,C 2 (6H)
製造例2
(式(2)で表される化合物の合成)
アセトンの代わりにメチルエチルケトンを用いた以外は製造例1と同様の操作を行い、収量139.6g、収率88%で、無色透明液体のsec−ブチリデントリメチロールエタンを得た。1H−NMRの測定結果を以下に示す。
1H−NMR(CDCl3) 0.8ppm,s,C 3(3H) 0.8−1.0ppm,t,CH2 3(3H) 1.2−1.4ppm,d,C 3 (3H) 1.6−1.8ppm,q,C 2CH3(2H) 2.2ppm,s,O(1H) 3.5−3.7ppm,m,C(6H)
実施例1
(式(1)で表される化合物の合成、反応温度45℃)
ナス型フラスコに、製造例1において合成したイソプロピリデントリメチロールエタン20.0g、THF 200ml及びジイソプロピルアミン15.9mlを加え、0℃に冷却した。滴下ロートを装着し、2−クロロ−2−オキソ−1,3,2−ジオキサホスホラン16.4gを15分かけて滴下した。滴下終了後、反応系を45℃に加熱し、2時間反応させた。反応終了後室温へと放冷し、析出した塩酸塩を濾過して除去し、残渣を減圧濃縮して2−オキソ−1,3,2−ジオキサホスホラニル基を有する環状ケタールを得た。
得られた環状ケタールにアセトニトリル200ml、トリメチルアミン25mlを加え、70℃で15時間反応させた。反応終了後再結晶を行い、収量17.7g、収率44%で、白色固体のイソプロピリデントリメチロールエタンモノホスホリルコリンを得た。1H−NMRの測定結果及び31P−NMRの積分値による純度を以下に示す。
1H−NMR(CD3OD) 0.9ppm,s,C 3(3H) 1.3−1.5ppm,d,C 3 (6H) 3.2ppm,s,N+−(C 3)3(9H) 3.5−3.7ppm,m,C−C 2 (6H) 3.9ppm,d,N+−C 2(2H) 4.3ppm,m,O−C 2−C(2H)
31P−NMR(CD3OD)−10.7ppm(8%),0.5ppm(92%)
イソプロピリデントリメチロールエタンモノホスホリルコリンの31P−NMRピークは0.5ppmに観測された。したがって、純度は92%であった。
実施例2
(式(1)で表される化合物の合成、反応温度25℃)
ナス型フラスコに、製造例1において合成したイソプロピリデントリメチロールエタン20.0g、THF 200ml及びジイソプロピルアミン15.9mlを加え、0℃に冷却した。滴下ロートを装着し、2−クロロ−2−オキソ−1,3,2−ジオキサホスホラン16.4gを15分かけて滴下した。滴下終了後、反応系を25℃に保持し2時間攪拌した。析出した塩酸塩を濾過して除去し、残渣を減圧濃縮して2−オキソ−1,3,2−ジオキサホスホラニル基を有する環状ケタールを得た。
得られた環状ケタールにアセトニトリル200ml、トリメチルアミン25mlを加え、70℃で15時間反応させた。反応終了後再結晶を行い、収量4.5g、収率11%で、白色固体のイソプロピリデントリメチロールエタンモノホスホリルコリンを得た。1H−NMRの測定結果及び31P−NMRの積分値による純度を以下に示す。
1H−NMR(CD3OD) 0.9ppm,s,C 3(3H) 1.3−1.5ppm,s×2,C 3 (6H) 3.2ppm,s,N+−(C 3)3(9H) 3.5−3.7ppm,m,C−C 2 (6H) 3.9ppm,d,N+−C 2(2H) 4.3ppm,m,O−C 2−C(2H)
31P−NMR(CD3OD)−10.7ppm(8%),0.5ppm(68%),1.3ppm(8%),18.5ppm(13%),19.2ppm(3%)
イソプロピリデントリメチロールエタンモノホスホリルコリンの31P−NMRピークは0.5ppmに観測された。純度は68%であった。
実施例3
(式(1)で表される化合物の合成、反応温度45℃)
イソプロピリデントリメチロールエタンの代わりに製造例2において合成したsec−ブチリデントリメチロールエタンを用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、収量15.8g、収率41%で、白色固体のsec−イソブチリデントリメチロールエタンモノホスホリルコリンを得た。1H−NMRの測定結果を以下に示す。
1H−NMR(CD3OD) 0.9ppm,s,C 3(3H) 0.8−1.0ppm,t,CH2 3(3H) 1.2−1.4ppm,d,C 3 (3H) 1.6−1.8ppm,q,C 2CH3(2H) 3.2ppm,s,N+−(C 3)3(9H) 3.5−3.7ppm,m,C−C 2 (6H) 3.9ppm,d,N+−C 2(2H) 4.3ppm,m,O−C 2−C(2H)
31P−NMR(CD3OD)−10.7ppm(9%),0.5ppm(91%)
sec−イソブチリデントリメチロールエタンモノホスホリルコリンの31P−NMRの積分値による純度の測定結果は91%であった。
実施例4
(式(1)で表される化合物の合成、反応温度25℃)
イソプロピリデントリメチロールエタンの代わりに製造例2において合成したsec−ブチリデントリメチロールエタンを用いた以外は実施例2と同様の操作を行い、収量3.9g、収率10%で、白色固体のsec−イソブチリデントリメチロールエタンモノホスホリルコリンを得た。1H−NMRの測定結果を以下に示す。
1H−NMR(CD3OD) 0.9ppm,s,C 3(3H) 0.8−1.0ppm,t,CH2 3(3H) 1.2−1.4ppm,d,C 3 (3H) 1.6−1.8ppm,q,C 2CH3(2H) 3.2ppm,s,N+−(C 3)3(9H) 3.5−3.7ppm,m,C−C 2 (6H) 3.9ppm,d,N+−C 2(2H) 4.3ppm,m,O−C 2−C(2H)
31P−NMR(CD3OD)−10.7ppm(7%),0.5ppm(71%),1.3ppm(8%),18.5ppm(12%),19.2ppm(2%)
sec−イソブチリデントリメチロールエタンモノホスホリルコリンの31P−NMRの積分値による純度の測定結果は71%であった。
実施例5
(式(5)で表される化合物の合成)
スクリュー管に、マグネチックスターラ、実施例1において合成したイソプロピリデントリメチロールエタンモノホスホリルコリン7.8g、メタノール10ml及び4Nの塩酸600μlを加え、室温下3時間攪拌反応させた。攪拌後、減圧乾燥により収量6.3g、収率83%で白色固体のトリメチロールエタンモノホスファチジルコリンを得た。
1H−NMRの測定結果及び31P−NMRの積分値による純度を以下に示す。
1H−NMR(CD3OD) 0.9ppm,s,C 3(3H) 3.2ppm,s,N+−(C 3)3(9H) 3.4−3.8ppm,m,C−C 2 (6H) 3.8ppm,d,N+−C 2(2H) 4.3ppm,m,O−C 2−C(2H)
31P−NMR(CD3OD)−10.8ppm(1%),1.3ppm(99%)
得られたトリメチロールエタンモノホスファチジルコリンの純度は31P−NMRの積分値によれば99%であった。
実施例6
(式(5)で表される化合物の合成)
スクリュー管に、マグネチックスターラ、実施例3において合成したsec−イソブチリデントリメチロールエタンモノホスファチジルコリン7.8g、メタノール10ml及び4Nの塩酸600μlを加え、室温下3時間攪拌反応させた。攪拌後、減圧乾燥により収量5.5g、収率84%で白色固体のトリメチロールエタンモノホスファチジルコリンを得た。1H−NMRの測定結果及び31P−NMRの積分値による純度を以下に示す。
1H−NMR(CD3OD) 0.9ppm,s,C 3(3H)3.2ppm,s,N+−(C 3)3(9H) 3.4−3.8ppm,m,C−C 2 (6H) 3.8ppm,d,N+−C 2(2H) 4.3ppm,m,O−C 2−C(2H)
31P−NMR(CD3OD)−10.8ppm(1%),1.3ppm(99%)
得られたトリメチロールエタンモノホスファチジルコリンの純度は31P−NMRの積分値によれば99%であった。

Claims (4)

  1. 式(1)で表されるホスホリルコリン基含有環状ケタール化合物。
    Figure 2008189589
    (式(1)中、R1は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を表す。R2及びR3は同一であっても異なっても良く、水素原子、メチル基又はエチル基を表す。)
  2. 式(4)で表される化合物を得るために、式(2)で表される環状ケタールと式(3)で表される2−クロロ−2−オキソ−1,3,2−ジオキサホスホランとを反応させる工程(a)と、式(4)で表される化合物にトリメチルアミンを反応させる工程(b)とを含む、請求項1記載のホスホリルコリン基含有環状ケタール化合物の製造方法。
    Figure 2008189589
    (式(2)及び式(4)中、R1は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を表す。R2及びR3は同一であっても異なっても良く、水素原子、メチル基又はエチル基を表す。)
  3. 工程(a)の反応を、40〜60℃の条件で行う請求項2記載の製造方法。
  4. 請求項1のホスホリルコリン基含有環状ケタール化合物を、酸触媒の存在下に水含有溶媒で加水開環反応させる工程を含む式(5)で表されるホスファチジルコリン基含有ジオール化合物の製造方法。
    Figure 2008189589
    (式(5)中、R1は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を表す。)
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