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JP2008189574A - 膵島移植補助薬剤 - Google Patents

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JP2008189574A
JP2008189574A JP2007024332A JP2007024332A JP2008189574A JP 2008189574 A JP2008189574 A JP 2008189574A JP 2007024332 A JP2007024332 A JP 2007024332A JP 2007024332 A JP2007024332 A JP 2007024332A JP 2008189574 A JP2008189574 A JP 2008189574A
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Yoichi Yasunami
洋一 安波
Koji Okamoto
好司 岡本
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Asahi Kasei Pharma Corp
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Asahi Kasei Pharma Corp
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Abstract

【課題】治療効果の高い治療及び/又は改善剤、又はその治療及び/又は改善方法を提供すること。
【解決手段】トロンボモジュリンを有効成分とする薬剤であって、膵島移植を受ける糖尿病患者に投与され、膵島移植後の血糖値を正常化するための薬剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、糖尿病患者における膵島移植の際に使用される薬剤であって、トロンボモジュリンを主たる有効成分とし、糖尿病を治療及び/又は改善するための薬剤、又は膵島移植による糖尿病の治療及び/又は改善効果を補助するための薬剤に関する。
糖尿病は、身体が炭水化物、脂肪、及びタンパク質を適正に維持および使用することができなくなる慢性の複雑な代謝疾患である。種々の遺伝及び環境因子により、インスリン産生の欠損またはその作用低下により引き起こされる血中グルコースの高レベルを特徴とする。1997年に旧厚生省が行った糖尿病実態調査によると、糖尿病が強く疑われる人は690万人、糖尿病の可能性を否定できない人680万人を加えると、約1,370万人がリスク群と推定されている。WHOの推定する全世界の糖尿病人口は、2000年で約1億5千万人であり、2025年では約3億人に達すると予測されている。
糖尿病は、進行すると網膜症、腎症、及び神経障害などの合併症を引き起こし、また、脳卒中、虚血性心疾患の発症・進展を促進し、患者のQOLを著しく低下させる。1998年に行われた日本透析医学会の調査によると、1998年の1年間で新たに透析導入となった患者の内、35.7%は糖尿病性腎症が原因であり、1983年の2倍以上に増加していた。また、1988年に行われた旧厚生省の視覚障害の疾病調査研究によれば、糖尿病性網膜症により年間3千人が視覚障害となっている。このように、糖尿病は社会的な大きな問題となっており、糖尿病撲滅は欧米と同様に本邦においても重要な課題となっている。
糖尿病の多くの症例は、若年者に多く発症するI型、及び成人に多く発症するII型に分類され、約5〜10%の糖尿病患者がI型である。I型糖尿病は、自己免疫の異常によってインスリンを産生する膵β細胞が特異的に破壊されることで発症する(非特許文献1)。そのため、糖尿病患者は、生死に関わる高血糖(高血糖症)合併症を予防するために、外部からのインシュリン注射に依存している。血糖測定とインスリン投与(インスリン集中治療)という非常に厳格な治療法を忠実に守らない限り、高血糖症に起因する慢性的で長期間にわたる器官損傷合併症を防ぐことはできない。インスリン集中治療は、インスリンの過剰投与によって、致命的ともなり得る急性かつ重篤な意識変容状態を伴う急性低血糖症のリスクを増加させる。インスリン療法はI型糖尿病において速やかな死という緊急の問題を解決し、現在どの患者に対しても提供され得るものであるという点においてその果たしている役割は非常に大きい。しかし、一方でI型糖尿病に対する根本的治療法とはなりえず、低血糖の危険性、長期合併症といった非常に困難な問題が残っている。
I型糖尿病の根本的治療法として、膵臓又は膵臓と腎臓を同時に移植して、膵島β細胞の再生置換療法が行われている。移植によって非常に厳格な血糖調節を可能とし、低血糖さらには長期合併症の発症を回避することである。単にインスリン集中療法による日常の煩わしさから患者を開放させるだけでなく、I型糖尿病の治癒が期待される治療法である。しかしながら、膵臓移植では手術侵襲が大きいこと、また付随して移植される外分泌腺による合併症が重度となりうるなどの問題がある。
後腹膜に存在する膵臓は、外分泌腺と内分泌腺から構成されている。膵臓全容積の98%以上を外分泌腺が占め、内分泌腺は2%以下である。1869年ランゲルハンスによって見いだされた内分泌腺組織は、膵島と呼ばれる。膵島は内分泌細胞の集団であり、α細胞、β細胞、PP細胞、δ細胞などからなっている。体内のホルモンで唯一血糖を下げる作用をもつインスリンは膵島のβ細胞から分泌される。この膵島を膵臓から単離し、I型糖尿病の患者に移植することにより、一旦廃絶した血糖降下システムの置換再生を目指すのが膵島移植である。
膵島移植は、ドナーから摘出した膵臓を酵素処理して膵島細胞を分離した後、患者の門脈に膵島細胞を注入する。手術による開腹及び血管の吻合は不要で侵襲が極めて小さいため、糖尿病患者にとってより安全であり、血管病変の進行により膵臓移植の適応外になった患者でも実施可能である。また、門脈循環にインスリンが放出されるため、生理学的にも有利である。さらに、分離膵島の凍結保存によるいわゆるバンキングも可能であるなど、膵臓移植と比較して多くの利点を有している。
I型糖尿病では、インスリン療法による血糖調節が非常に困難であるため、膵島移植が最も有効な治療法と考えられている。また、II型糖尿病の治療においても、積極的にインスリン療法が用いられている。これは、インスリンを投与することにより、患者自身の膵島β細胞を休息させ、それによりβ細胞の機能が回復してくるのを待つという考え方からであり、近年積極的に導入され好結果が報告されている。このことは、II型糖尿病においても病期が進むと糖毒性やβ細胞の疲弊によってインスリンの不足を来すので、II型糖尿病は現在のところ膵島移植の適応とはなっていないが、将来、移植膵島を多量に供給し得る状況となった場合には、インスリン抵抗性を契機としたインスリン依存型糖尿病もその適応となる可能性は充分にある。
このように、膵島移植の臨床研究までに発展した理由としては、主として大動物を用いて膵臓から大量に膵島を分離する方法が開発されたことが大きい。1984年、Ricordiらによって独自の自動膵島分離装置が考案され、ブタ又はヒトの膵臓から膵島を大量に分離することが可能となった(非特許文献2)。膵島移植に利用される膵島の分離、調製法としては、特許文献1に記載されている。
実験的医療の段階から始まった膵島移植は、当初成績が芳しくなかったが、1999年3月からカナダのエドモントンにあるアルバータ大学において、エドモントンプロトコール(Edmonton Protocol)と呼ばれる免疫抑制剤の斬新な使用法を用いた膵島移植が実施され、膵島移植施行7例全例が I型糖尿病症例で日常的なインスリン投与から離脱することが報告され(非特許文献3)、このプロトコールを用いた他施設共同治験が行われるようになった。
I型糖尿病の治療法として膵島移植の有用性は高まってきているが、移植を成功させる上で大量の膵島細胞の輸注が必要なこと、また質の高い膵島細胞を得るため状態の良い膵臓を用意することが課題となっている。2006年にShapiro AMらによってエドモントンプロトコールを用いて膵島移植を受けた患者の転帰について報告され(非特許文献4)、膵島移植によってインスリン治療が不要となった患者の内、移植後2年の時点でインスリンの治療を再開した患者が76%になっていた。これらのことから、I型糖尿病患者の根治療法としての膵島移植において、更なる改善が望まれている。
一方、トロンボモジュリンは、トロンビンと特異的に結合しトロンビンの血液凝固活性を阻害すると同時にトロンビンのプロテインC活性化能を著しく促進する作用を有する物質として知られ、強力な血液凝固阻害作用を有することが知られている。トロンビンによる凝固時間を延長することや、トロンビンによる血小板凝集を抑制することが知られている。プロテインCは、血液凝固線溶系において重要な役割を演じているビタミンK依存性の蛋白質であり、トロンビンの作用により活性化され、活性化プロテインCとなる。この活性化プロテインCは、生体内で血液凝固系因子の活性型第V因子、及び活性型第VIII因子を失活させ、また血栓溶解作用を有するプラスミノゲンアクチベーターの産生に関与していることが知られている(非特許文献5)。したがって、トロンボモジュリンは、このトロンビンによるプロテインCの活性化を促進して抗血液凝固剤又は血栓溶解剤として有用であるとされており、凝固亢進を伴う疾患の治療、予防に有効であるという動物実験についての報告もある(非特許文献6)。
従来、トロンボモジュリンは、ヒトをはじめとする種々の動物種の血管内皮細胞上に発現している糖蛋白質として発見取得され、その後、クローニングに成功した。即ち、遺伝子工学的手法を用いてヒト肺cDNAライブラリーからシグナルペプチドを含むヒトトロンボモジュリン前駆体の遺伝子をクローニングし、そしてトロンボモジュリンの全遺伝子配列を解析し、シグナルペプチド(通常は、18アミノ酸残基が例示される)を含む575残基のアミノ酸配列が明らかにされている(特許文献2)。シグナルペプチドが切断されたマチュアなトロンボモジュリンは、そのマチュアなペプチドのN末端側よりN末端領域(1−226番目:シグナルペプチドが18アミノ酸残基であると考えた場合の位置表示、以下同じ)、6つのEGF様構造をもつ領域(227−462番目)、O型糖鎖付加領域(463−498番目)、膜貫通領域(499−521番目)、そして細胞質内領域(522−557番目)の5つの領域から構成されている。全長のトロンボモジュリンと同じ活性を有する部分(すなわち、最小活性単位)は、6つのEGF様構造を持つ領域のうち、主としてN末端側から4,5,6番目のEGF様構造からなる部分であることが知られている(非特許文献7)。
全長のトロンボモジュリンは界面活性剤の存在下でないと溶解し難く、製剤としては界面活性剤の添加が必須であるのに対して、界面活性剤の非存在下でもきれいに溶解することができる可溶性トロンボモジュリンが存在する。可溶性トロンボモジュリンは、少なくとも、膜貫通領域の一部又は全部を含有せしめないように調製すればよく、例えば、N末端領域と6つのEGF様構造をもつ領域とO型糖鎖付加領域の3つの領域のみからなる(即ち、配列番号9の第19〜516位のアミノ酸配列からなる)可溶性トロンボモジュリンは、組換え技術の応用により取得できること、そしてその組換え体可溶性トロンボモジュリンは、天然のトロンボモジュリンの活性を有していることが確認されている(特許文献2)。他に可溶性トロンボモジュリンの例としていくつかの報告がある(特許文献3〜10)。あるいは天然型としてヒト尿由来の可溶性トロンボモジュリン等も例示される(特許文献11、12)。
因みに、遺伝子においては、自然の変異又は取得時の変異により、多くのケースで認められる通り、ヒトにおいても多形性の変異が見つけられており、上述の575残基のアミノ酸配列からなるヒトトロンボモジュリン前駆体の第473位のアミノ酸においてValであるものと、Alaであるものが現在確認されている。このアミノ酸をコードする塩基配列においては、第1418位において、それぞれTとCとの変異に相当する(非特許文献8)。しかし、活性及び物性においては、全く相違なく、両者は実質的に同一と考えることができる。
従来トロンボモジュリンの用途として、例えば、心筋梗塞、血栓症(例えば、急性期又は慢性期の脳血栓症、動脈又は静脈の急性又は慢性の末梢血栓症など)、塞栓症(例えば、急性期又は慢性期の脳塞栓症、動脈又は静脈の急性又は慢性の末梢塞栓症など)、末梢血管閉塞症(例えば、バージャー病、レイノー病など)、閉塞性動脈硬化症、心臓手術に続発する機能性障害、移植臓器の合併症、血管内血液凝固症候群(DIC)、狭心症、一過性脳虚血発作、妊娠中毒症、肝VOD(Liver veno−occlusive disease;劇症肝炎や骨髄移植後の肝静脈閉塞症)、深部静脈血栓症(DVT;Deep venous thrombosis)等の疾患の治療及び予防に用いられることが期待されている。また、血栓症やDICなどの凝固亢進を伴う疾患以外の疾患に対する適用として、肝臓障害(特許文献13)、吸収性骨疾患(特許文献14)、創傷治癒(特許文献15)などが挙げられる。さらにトロンボモジュリンを他の有効成分と併用する用途として、創傷治癒(特許文献16)及び脳組織の保護(特許文献17)などが開示されている。
特表平2−5042222号公報 特開昭64−6219号公報 特開平2−255699号公報 特開平3−133380号公報 特開平3−259084号公報 特開平4−210700号公報 特開平5−213998号公報 WO92/00325号公報 WO92/03149号公報 WO93/15755号公報 特開平3−86900号公報 特開平3−218399号公報 特開平8−3065号公報 特開平8−301783号公報 特開平9−20677号公報 米国特許第5,976,523号明細書 米国特許第5,827,832号明細書 Atkinson MA et al、N Engl J Med 1994;331:1428−1436 Ricordi C et al、Diabetes 1988;37:413−420 Shapiro AM et al、N Engl J Med 2000;343:230−238 Shapiro AM et al、N Engl J Med 2006;355: 1372−4 鈴木宏治、医学のあゆみ 1983;125:901 Gomi K et al、 Blood 1990;75:1396−1399 Zushi M et al、J Biol Chem 1989;246:10351−10353 Wen DZ et al、Biochemistry 1987;26:4350−4357
本発明の課題は、糖尿病患者の膵島移植後の血糖値を正常化するためのより治療効果の高い薬剤、又は糖尿病患者の膵島移植後の血糖値を正常化する方法を提供することにある。本発明の別の課題は、糖尿病患者の膵島移植において移植膵島細胞の生着率をより効果的に改善する薬剤、糖尿病患者の膵島移植において移植した膵島細胞の生存期間を延長する薬剤、又はそれらの方法を提供することにある。さらには本発明の別の課題は、膵島移植を受けた糖尿病患者の糖尿病の病状をより治療及び/又は改善するためのより治療効果の高い薬剤、又はその治療及び/又は改善方法を提供することにある。
近年、I型糖尿病の根本治療としての膵島移植は、技術的な進歩によって治療成績が向上しているが、大量の膵島細胞を必要とすること、また移植後インスリン治療からの離脱が長期間にわたって維持しないため、複数回の膵島移植が必要であり、膵島移植方法の改善による治療成績の更なる向上が求められている。本発明者らは、移植した膵島細胞の生着率の改善に着眼し、これを満足させる薬剤を見出すべく鋭意研究した結果、驚くべきことに、従来試みられることのなかったトロンボモジュリンを投与することにより、移植膵島細胞の生着率を著しく改善する効果があることを見出した。また、トロンボモジュリンを投与することにより膵島移植後の膵島移植細胞の生存期間を延長させることができることを見出した。さらには、トロンボモジュリンを投与することにより膵島移植後の血糖値を正常化することができることを見出し、これら個々の知見に基づいて本発明を完成するに至った。すなわち、本発明はトロンボモジュリンを主たる有効成分として含有し、膵島移植を受ける糖尿病患者及び/又は膵島移植を受けた糖尿病患者に投与され、膵島移植後の血糖値を正常化するための薬剤に関する。本発明の薬剤は、糖尿病の根治療法として期待される膵島移植に際して投与することにより移植された膵島細胞の生着率を著しく高めることができると共に、インスリン分泌を正常化し、膵島移植後の膵島移植細胞の生存期間を延長することが可能となる。また、膵島移植後の糖尿病患者の血糖値を正常化し、糖尿病をより効果的に治療及び/又は改善することが可能となる。
すなわち、本発明として具体的には以下のものが挙げられる。
〔1〕トロンボモジュリンを有効成分とする薬剤であって、該薬剤が、膵島移植を受ける糖尿病患者及び/又は膵島移植を受けた糖尿病患者に投与され、膵島移植後の血糖値を正常化するための該薬剤;
〔1−2〕トロンボモジュリンを有効成分とする薬剤であって、該薬剤が膵島移植を受ける糖尿病患者及び/又は膵島移植を受けた糖尿病患者に投与されることにより糖尿病を治療及び/又は改善するための該薬剤;
〔1−3〕トロンボモジュリンを有効成分とする薬剤であって、該薬剤が膵島移植を受ける糖尿病患者及び/又は膵島移植を受けた糖尿病患者に投与され、膵島移植による糖尿病の治療及び/又は改善効果を補助するための該薬剤;
〔1−4〕トロンボモジュリンを有効成分とする薬剤であって、該薬剤が膵島移植を受ける糖尿病患者及び/又は膵島移植を受けた糖尿病患者に投与され、移植膵島細胞の生着率を改善するための該薬剤;
〔1−5〕トロンボモジュリンを有効成分とする薬剤であって、該薬剤が膵島移植を受ける糖尿病患者及び/又は膵島移植を受けた糖尿病患者に投与され、移植膵島細胞の生存期間を延長するための該薬剤;
〔1−6〕トロンボモジュリンを有効成分とする薬剤であって、該薬剤が膵島移植を受ける糖尿病患者及び/又は膵島移植を受けた糖尿病患者に投与され、膵島移植後の血漿中インスリン濃度を正常化するための該薬剤;
〔2〕該トロンボモジュリンが、可溶性トロンボモジュリンである前記〔1〕〜〔1−6〕のいずれかに記載の薬剤;
〔3〕該トロンボモジュリンが、配列番号1、3、5、7、9又は配列番号11に記載のアミノ酸配列をコードするDNAを宿主細胞にトランスフェクトして調製された形質転換細胞より取得されるペプチドである、前記〔1〕〜〔2〕のいずれかに記載の薬剤;
なお、前記〔1〕〜〔2〕のように引用する項番号が範囲で示され、その範囲内に〔1−2〕等の枝番号を有する項が配置されている場合には、〔1−2〕等の枝番号を有する項も引用されることを意味する。以下においても同様である。
〔3−2〕該トロンボモジュリンが、配列番号1又は配列番号3に記載のアミノ酸配列をコードするDNAを宿主細胞にトランスフェクトして調製された形質転換細胞により取得されるペプチドである、前記〔1〕〜〔2〕のいずれかに記載の薬剤;
〔3−3〕該トロンボモジュリンが、配列番号5又は配列番号7に記載のアミノ酸配列をコードするDNAを宿主細胞にトランスフェクトして調製された形質転換細胞により取得されるペプチドである、前記〔1〕〜〔2〕のいずれかに記載の薬剤;
〔3−4〕該トロンボモジュリンが、配列番号9又は配列番号11に記載のアミノ酸配列をコードするDNAを宿主細胞にトランスフェクトして調製された形質転換細胞により取得されるペプチドである、前記〔1〕〜〔2〕のいずれかに記載の薬剤;
〔4〕該トロンボモジュリンが、配列番号1もしくは配列番号3のそれぞれにおける第19〜132位の配列を有するペプチド、上記配列の相同変異配列を有しトロンボモジュリン活性を有するペプチド、又はそれらの混合物のいずれかである前記〔1〕〜〔2〕、又は〔3−2〕のいずれかに記載の薬剤;
〔4−2〕該トロンボモジュリンが、配列番号1もしくは配列番号3のそれぞれにおける第19〜132位の配列を有するペプチド、又は上記配列の相同変異配列を有しトロンボモジュリン活性を有するペプチドである前記〔1〕〜〔2〕、又は〔3−2〕のいずれかに記載の薬剤;
〔4−3〕該トロンボモジュリンが、配列番号1もしくは配列番号3のそれぞれにおける第19〜132位の配列を有するペプチドである前記〔1〕〜〔2〕、又は〔3−2〕のいずれかに記載の薬剤;
〔4−4〕該トロンボモジュリンが、配列番号1もしくは配列番号3のそれぞれにおける第19〜132位もしくは第17〜132位の配列を有するペプチド、上記配列の相同変異配列を有しトロンボモジュリン活性を有するペプチド、又はそれらの混合物のいずれかである前記〔1〕〜〔2〕、又は〔3−2〕のいずれかに記載の薬剤;
〔4−5〕該トロンボモジュリンが、配列番号1もしくは配列番号3のそれぞれにおける第19〜132位もしくは第17〜132位の配列を有するペプチド又はそれらの混合物である前記〔1〕〜〔2〕、又は〔3−2〕のいずれかに記載の薬剤;
〔4−6〕該トロンボモジュリンが、配列番号1における第19〜132位もしくは第17〜132位の配列を有するペプチド又はそれらの混合物である前記〔1〕〜〔2〕、又は〔3−2〕のいずれかに記載の薬剤;
〔4−7〕該トロンボモジュリンが、配列番号3における第19〜132位もしくは第17〜132位の配列を有するペプチド又はそれらの混合物である前記〔1〕〜〔2〕、又は〔3−2〕のいずれかに記載の薬剤;
〔4−8〕該トロンボモジュリンが、配列番号1における第19〜132位もしくは第17〜132位の配列からなるペプチド又はそれらの混合物である前記〔1〕〜〔2〕、又は〔3−2〕のいずれかに記載の薬剤;
〔4−9〕該トロンボモジュリンが、配列番号3における第19〜132位もしくは第17〜132位の配列からなるペプチド又はそれらの混合物である前記〔1〕〜〔2〕、又は〔3−2〕のいずれかに記載の薬剤;
〔5〕該トロンボモジュリンが、配列番号5もしくは配列番号7のそれぞれにおける第19〜480位の配列を有するペプチド、上記配列の相同変異配列を有しトロンボモジュリン活性を有するペプチド、又はそれらの混合物のいずれかである前記〔1〕〜〔2〕、又は〔3−3〕のいずれかに記載の薬剤;
〔5−2〕該トロンボモジュリンが、配列番号5もしくは配列番号7のそれぞれにおける第19〜480位の配列を有するペプチド、又は上記配列の相同変異配列を有しトロンボモジュリン活性を有するペプチドである前記〔1〕〜〔2〕、又は〔3−3〕のいずれかに記載の薬剤;
〔5−3〕該トロンボモジュリンが、配列番号5もしくは配列番号7のそれぞれにおける第19〜480位の配列を有するペプチドである前記〔1〕〜〔2〕、又は〔3−3〕のいずれかに記載の薬剤;
〔5−4〕該トロンボモジュリンが、配列番号5もしくは配列番号7のそれぞれにおける第19〜480位もしくは第17〜480位の配列を有するペプチド、上記配列の相同変異配列を有しトロンボモジュリン活性を有するペプチド、又はそれらの混合物のいずれかである前記〔1〕〜〔2〕、又は〔3−3〕のいずれかに記載の薬剤;
〔5−5〕該トロンボモジュリンが、配列番号5もしくは配列番号7のそれぞれにおける第19〜480位もしくは第17〜480位の配列を有するペプチド又はそれらの混合物である前記〔1〕〜〔2〕、又は〔3−3〕のいずれかに記載の薬剤;
〔5−6〕該トロンボモジュリンが、配列番号5における第19〜480位もしくは第17〜480位の配列を有するペプチド又はそれらの混合物である前記〔1〕〜〔2〕、又は〔3−3〕のいずれかに記載の薬剤;
〔5−7〕該トロンボモジュリンが、配列番号7における第19〜480位もしくは第17〜480位の配列を有するペプチド又はそれらの混合物である前記〔1〕〜〔2〕、又は〔3−3〕のいずれかに記載の薬剤;
〔5−8〕該トロンボモジュリンが、配列番号5における第19〜480位もしくは第17〜480位の配列からなるペプチド又はそれらの混合物である前記〔1〕〜〔2〕、又は〔3−3〕のいずれかに記載の薬剤;
〔5−9〕該トロンボモジュリンが、配列番号7における第19〜480位もしくは第17〜480位の配列からなるペプチド又はそれらの混合物である前記〔1〕〜〔2〕、又は〔3−3〕のいずれかに記載の薬剤;
〔6〕該トロンボモジュリンが、配列番号9もしくは配列番号11のそれぞれにおける第19〜516位の配列を有するペプチド、前記ペプチドのアミノ酸配列の1つ又は複数のアミノ酸が置換、欠失、又は付加されたアミノ酸配列を有しトロンボモジュリン活性を有するペプチド、又はそれらの混合物のいずれかである前記〔1〕〜〔2〕、又は〔3−4〕のいずれかに記載の薬剤;
〔6−2〕該トロンボモジュリンが、配列番号9もしくは配列番号11のそれぞれにおける第19〜516位の配列を有するペプチド、又は前記ペプチドのアミノ酸配列の1つ又は複数のアミノ酸が置換、欠失、又は付加されたアミノ酸配列を有しトロンボモジュリン活性を有するペプチドである前記〔1〕〜〔2〕、又は〔3−4〕のいずれかに記載の薬剤;
〔6−3〕該トロンボモジュリンが、配列番号9もしくは配列番号11のそれぞれにおける第19〜516位の配列を有するペプチドである前記〔1〕〜〔2〕又は〔3−4〕のいずれかに記載の薬剤;
〔6−4〕該トロンボモジュリンが、配列番号9もしくは配列番号11のそれぞれにおける第19〜516位、第19〜515位、第17〜516位、もしくは第17〜515位の配列を有するペプチド、上記配列の相同変異配列を有しトロンボモジュリン活性を有するペプチド、又はそれらの混合物である前記〔1〕〜〔2〕、又は〔3−4〕のいずれかに記載の薬剤;
〔6−5〕該トロンボモジュリンが、配列番号9もしくは配列番号11のそれぞれにおける第19〜516位、第19〜515位、第17〜516位、もしくは第17〜515位の配列を有するペプチド、又はそれらの混合物である前記〔1〕〜〔2〕、又は〔3−4〕のいずれかに記載の薬剤;
〔6−6〕該トロンボモジュリンが、配列番号9における第19〜516位、第19〜515位、第17〜516位、もしくは第17〜515位の配列を有するペプチド、又はそれらの混合物である前記〔1〕〜〔2〕、又は〔3−4〕のいずれかに記載の薬剤;
〔6−7〕該トロンボモジュリンが、配列番号11における第19〜516位、第19〜515位、第17〜516位、もしくは第17〜515位の配列を有するペプチド、又はそれらの混合物である前記〔1〕〜〔2〕、又は〔3−4〕のいずれかに記載の薬剤;
〔6−8〕該トロンボモジュリンが、配列番号9における第19〜516位、第19〜515位、第17〜516位、もしくは第17〜515位の配列からなるペプチド、又はそれらの混合物である前記〔1〕〜〔2〕、又は〔3−4〕のいずれかに記載の薬剤;
〔6−9〕該トロンボモジュリンが、配列番号9における第19〜516位、第19〜515位、第17〜516位、もしくは第17〜515位の配列からなるペプチドである前記〔1〕〜〔2〕、又は〔3−4〕のいずれかに記載の薬剤;
〔6−10〕該トロンボモジュリンが、配列番号11における第19〜516位、第19〜515位、第17〜516位、もしくは第17〜515位の配列からなるペプチド、又はそれらの混合物である前記〔1〕〜〔2〕、又は〔3−4〕のいずれかに記載の薬剤;
〔6−11〕該トロンボモジュリンが、配列番号11における第19〜516位、第19〜515位、第17〜516位、もしくは第17〜515位の配列からなるペプチドである前記〔1〕〜〔2〕、又は〔3−4〕のいずれかに記載の薬剤;
〔7〕前記〔1〕、又は〔2〕〜〔6−11〕のいずれかに記載の薬剤と免疫抑制剤とを組み合わせてなる薬剤であって、該薬剤が膵島移植を受ける糖尿病患者及び/又は膵島移植を受けた糖尿病患者に投与され、膵島移植後の血糖値を正常化するための該薬剤;
〔7−2〕前記〔1〕、又は〔2〕〜〔6−11〕のいずれかに記載の薬剤、免疫抑制剤、及び糖尿病治療薬とを組み合わせてなる薬剤であって、該薬剤が膵島移植を受ける糖尿病患者及び/又は膵島移植を受けた糖尿病患者に投与され、膵島移植後の血糖値を正常化するための該薬剤;
〔7−3〕前記〔1−2〕、又は〔2〕〜〔6−11〕のいずれかに記載の薬剤と免疫抑制剤とを組み合わせてなる薬剤であって、該薬剤が膵島移植を受ける糖尿病患者及び/又は膵島移植を受けた糖尿病患者に投与されることにより糖尿病を治療及び/又は改善するための該薬剤;
〔7−4〕前記〔1−2〕、又は〔2〕〜〔6−11〕のいずれかに記載の薬剤、免疫抑制剤、及び糖尿病治療薬とを組み合わせてなる薬剤であって、該薬剤が膵島移植を受ける糖尿病患者及び/又は膵島移植を受けた糖尿病患者に投与されることにより糖尿病を治療及び/又は改善するための該薬剤;
〔7−5〕前記〔1−3〕、又は〔2〕〜〔6−11〕のいずれかに記載の薬剤と免疫抑制剤とを組み合わせてなる薬剤であって、該薬剤が膵島移植を受ける糖尿病患者及び/又は膵島移植を受けた糖尿病患者に投与され、膵島移植による糖尿病の治療及び/又は改善効果を補助するための該薬剤;
〔7−6〕前記〔1−3〕、又は〔2〕〜〔6−11〕のいずれかに記載の薬剤と免疫抑制剤とを組み合わせてなる薬剤であって、該薬剤が膵島移植を受ける糖尿病患者及び/又は膵島移植を受けた糖尿病患者に投与され、膵島移植による糖尿病の治療及び/又は改善効果を補助するための該薬剤;
〔7−7〕前記〔1−4〕、又は〔2〕〜〔6−11〕のいずれかに記載の薬剤と免疫抑制剤とを組み合わせてなる薬剤であって、該薬剤が膵島移植を受ける糖尿病患者及び/又は膵島移植を受けた糖尿病患者に投与され、移植膵島細胞の生着率を改善するための該薬剤;
〔7−8〕前記〔1−4〕、又は〔2〕〜〔6−11〕のいずれかに記載の薬剤、免疫抑制剤、及び糖尿病治療薬とを組み合わせてなる薬剤であって、該薬剤が膵島移植を受ける糖尿病患者及び/又は膵島移植を受けた糖尿病患者に投与され、移植膵島細胞の生着率を改善するための該薬剤;
〔7−9〕前記〔1−5〕、又は〔2〕〜〔6−11〕のいずれかに記載の薬剤と免疫抑制剤とを組み合わせてなる薬剤であって、該薬剤が膵島移植を受ける糖尿病患者及び/又は膵島移植を受けた糖尿病患者に投与され、移植膵島細胞の生存期間を延長するための該薬剤;
〔7−10〕前記〔1−5〕、又は〔2〕〜〔6−11〕のいずれかに記載の薬剤、免疫抑制剤、及び糖尿病治療薬とを組み合わせてなる薬剤であって、該薬剤が膵島移植を受ける糖尿病患者及び/又は膵島移植を受けた糖尿病患者に投与され、移植膵島細胞の生存期間を延長するための該薬剤;
〔7−11〕前記〔1−6〕、又は〔2〕〜〔6−11〕のいずれかに記載の薬剤と免疫抑制剤とを組み合わせてなる薬剤であって、該薬剤が膵島移植を受ける糖尿病患者及び/又は膵島移植を受けた糖尿病患者に投与され、膵島移植後の血漿中インスリン濃度を正常化するための該薬剤;
〔7−12〕前記〔1−6〕、又は〔2〕〜〔6−11〕のいずれかに記載の薬剤、免疫抑制剤、及び糖尿病治療薬とを組み合わせてなる薬剤であって、該薬剤が膵島移植を受ける糖尿病患者及び/又は膵島移植を受けた糖尿病患者に投与され、膵島移植後の血漿中インスリン濃度を正常化するための該薬剤;
〔8〕膵島移植を受ける糖尿病患者が、I型糖尿病患者である前記〔1〕〜〔7−12〕のいずれかに記載の薬剤;
〔1’〕膵島移植を受ける糖尿病患者及び/又は膵島移植を受けた糖尿病患者にトロンボモジュリンを投与することを含む、膵島移植後の血糖値を正常化する方法;
〔2’〕該トンボモジュリンが、可溶性トロンボモジュリンである前記〔1’〕に記載の方法;
〔3’〕該トロンボモジュリンが、配列番号9又は11に記載のアミノ酸配列をコードするDNAを宿主細胞にトランスフェクトして調製された形質転換細胞より取得されたペプチドである、前記〔1’〕又は〔2’〕に記載の方法;
〔4’〕該トロンボモジュリンが、配列番号9もしくは配列番号11のそれぞれにおける第19〜516位の配列を有するペプチド、又は上記配列の相同変異配列を有しトロンボモジュリン活性を有するペプチドのいずれかである前記〔1’〕又は〔2’〕に記載の方法;
〔5’〕膵島移植を受ける糖尿病患者及び/又は膵島移植を受けた糖尿病患者にトロンボモジュリン及び免疫抑制剤を投与することを含む、膵島移植後の血糖値を正常化する方法;
〔5’−2〕膵島移植を受ける糖尿病患者及び/又は膵島移植を受けた糖尿病患者にトロンボモジュリン、免疫抑制剤、及び糖尿病治療薬を投与することを含む、膵島移植後の血糖値を正常化する方法;
〔6’〕膵島移植を受ける糖尿病患者が、I型糖尿病患者である前記〔1’〕〜〔5’−2〕のいずれかに記載の方法;
〔7’〕前記〔1’〕に記載の方法であって、前記〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の特徴を有する該方法;
〔8’〕膵島移植を受ける糖尿病患者及び/又は膵島移植を受けた糖尿病患者にトロンボモジュリンを投与することを含む、糖尿病を治療及び/又は改善する方法;
〔8’−2〕前記〔8’〕に記載の方法であって、前記〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の特徴を有する方法;
〔9’〕膵島移植を受ける糖尿病患者及び/又は膵島移植を受けた糖尿病患者にトロンボモジュリンを投与することを含む、膵島移植による糖尿病の治療及び/又は改善効果を補助する方法;
〔9’−2〕前記〔9’〕に記載の方法であって、前記〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の特徴を有する該方法;
〔10’〕膵島移植を受ける糖尿病患者及び/又は膵島移植を受けた糖尿病患者にトロンボモジュリンを投与することを含む、移植膵島細胞の生着率を改善する方法;
〔10’−2〕前記〔10’〕に記載の方法であって、前記〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の特徴を有する該方法;
〔11’〕膵島移植を受ける糖尿病患者及び/又は膵島移植を受けた糖尿病患者にトロンボモジュリンを投与することを含む、移植膵島細胞の生存期間を延長する方法;
〔11’−2〕前記〔11’〕に記載の方法であって、前記〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の特徴を有する該方法;
〔12’〕膵島移植を受ける糖尿病患者及び/又は膵島移植を受けた糖尿病患者にトロンボモジュリンを投与することを含む、膵島移植後の血漿中インスリン濃度を正常化する方法;
〔12’−2〕前記〔12’〕に記載の方法であって、前記〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の特徴を有する該方法;
〔13’〕膵島移植を受ける糖尿病患者及び/又は膵島移植を受けた糖尿病患者にトロンボモジュリンを投与することを含む、膵島移植による糖尿病の治療及び/又は改善効果を補助する方法;
〔13’−2〕前記〔13’〕に記載の方法であって、前記〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の特徴を有する方法。
本発明のトロンボモジュリンを含有する薬剤を膵島移植を受ける糖尿病患者及び/又は膵島移植を受けた糖尿病患者に用いることにより、糖尿病患者の膵島移植後の血糖値を正常化することができ、本発明の方法によれば糖尿病患者の膵島移植後の血糖値を効果的に正常化することができる。また、本発明のトロンボモジュリンを含有する薬剤により、膵島移植後の移植膵島細胞の生着率を改善することができ、移植膵島細胞の生存期間を延長することができる。さらには血漿中のインスリン濃度を正常化することができ、糖尿病をより効果的に治療及び/又は改善することが可能となる。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明において、膵島移植としては、上述した通り内因性インスリンが枯渇した患者や腎不全を合併した患者等に行われる膵臓単独移植又は膵腎同時移植が具体的な例として挙げられる。本発明の薬剤も、上述した膵島移植に用いることができる。
本発明における膵島移植方法としては、1)ドナーから摘出した膵臓を酵素処理し、2)細胞分離機で膵島細胞だけを取り出し、3)患者の門脈に膵島細胞を注入、移植するという方法が好ましい例として挙げられる。
本発明における血糖値としては、血漿中における血糖値が挙げられる。また、血糖値を正常化することとしては、糖尿病の病状が改善されていると判断できる状態に血糖値を低下させることであれば特に限定されないが、例えば、血糖値を低下させてインスリンの投与量が減じられた状態を維持させること、又は血糖値を低下させてインスリン投与が不要である状態を維持させることが具体的な例として挙げられ、血糖値を低下させてインスリン投与が不要である状態を維持させることが好ましい。また、通常インスリンは、体重1kgあたり0.25単位以下で投与されることが好ましく、0.1単位以下で投与されることが好ましいが、血糖値が正常化された状態ではインスリンの投与量が上記の好ましい投与量よりも少ない量で済むか、又はインスリンの投与が不要となる場合がある。
正常化された血糖値は、通常10〜14時間絶食した後に採血して得られた血漿中の血糖値(空腹時血糖値)、又は75gのブドウ糖を服用した後の血糖値(以下、ブドウ糖負荷試験血糖値と呼ぶことがある)によって例示される。ブドウ糖負荷試験血糖値は、ブドウ糖を服用して1時間ないしは2時間後に採血して得られた血漿中の血糖値が好ましい例として用いられ、より好ましくは2時間後の血糖値が用いられる。具体的には、空腹時血糖値の上限としては、160mg/dL以下が好ましく、140mg/dL以下がより好ましく、130mg/dL以下がさらに好ましく、110mg/dL以下が特に好ましく、下限として は60mg/dL以上が好ましく、70mg/dL以上がより好ましく、80mg/dL以上が最も好ましい。また、ブドウ糖負荷試験血糖値としては、例えばブドウ糖負荷後2時間における血糖値の上限として、220mg/dL以下が好ましく、200mg/dL以下がより好ましく、180mg/dL以下がさらに好ましく、140mg/dL以下が特に好ましく、下限としては、60mg/dL以上が好ましく、70mg/dL以上がより好ましく、80mg/dL以上がさらに好ましい。血糖値を上記の範囲にすることも、血糖値を正常化することの好ましい態様として挙げられる。
本発明における、膵島移植による糖尿病の治療及び/又は改善効果を補助することとしては、膵島移植により糖尿病の治療を行うにあたり本発明の薬剤を用いることにより、糖尿病の治療及び/又は改善効果を高めること、又は糖尿病の治療及び/又は改善の確率を高めることが挙げられる。また、糖尿病それ自体を治療及び/又は改善することを意味する場合もある。
本発明における移植膵島細胞の生着としては、膵島移植において導入された細胞が導入臓器において生存することが挙げられ、生着率は、導入した細胞がある時点でどの程度生存しているかを示す1つの指標として挙げられる。
移植膵島細胞の生着率の改善を示す指標としては、移植された膵島細胞のインスリン産生能とインスリン産生に基づく血糖値の低下を組み合わせて評価するHomeostatic model assessment of β−cell function(以下、HOMA−β値と呼ぶことがある)が例示され、以下の式で算出することができる。すなわち、HOMA−β値(%)=20×FPI÷(FPG−3.5)である。ここでFPIは空腹時の血漿インスリン濃度(μU/mL)、FPGは空腹時血糖値(mmol/L)を示す。
移植膵島細胞の改善された生着率の値としては、具体的には、HOMA−β値として下限としては40%以上が好ましく、60%以上がより好ましく、80%以上がさらに好ましく、上限としては限定されることはないが、100%以下が好ましい。移植膵島細胞の生存率を上記の範囲にすることも、移植膵島細胞の生存率を改善することの好ましい態様として挙げられる。
また、移植膵島細胞の生着率の改善を示す指標として、膵島細胞のインスリンの産生において、インスリンの前駆体であるプロインスリンからインスリンが生成する際に生じるCペプチドの血漿中濃度を用いることも好ましい。移植膵島細胞の改善された生着率の値としては、具体的には、Cペプチドの血漿中濃度として下限としては0.5ng/mL以上が好ましく、0.7ng/mL以上がより好ましく、0.9ng/mLがさらに好ましく、上限としては3.5ng/mL以下が好ましく、2.8ng/mL以下がより好ましく、2.2ng/mL以下がさらに好ましい。移植膵島細胞の生着率を上記の範囲にすることも、移植膵島細胞の生着率を改善することの好ましい態様として挙げられる。
本発明における移植膵島細胞の生存期間としては、具体的には、下限としては1ヶ月以上が好ましく、3ヶ月以上がより好ましく、6ヶ月以上がさらに好ましく、1年以上が特に好ましく、3年以上が最も好ましく、上限としては限定されることはないが、5年以下が好ましい。移植膵島細胞の生存期間を上記の範囲にすることも、移植膵島細胞の生存期間を延長することの好ましい態様として挙げられる。
本発明における移植の回数としては、具体的には上限として、3回以下が好ましく、2回以下がより好ましく、1回が最も好ましい。また、下限としては、限定されることはないが、1回以上が好ましい。また、再移植がないのが最も好ましい。
移植膵島細胞の生存期間としては、移植された膵島細胞がインスリンを産生しなくなるまでの期間として定義することが例示され、例えば、膵島移植後の血漿中Cペプチド濃度又は空腹時血糖値が異常値を示すまでの期間として評価することができる。血漿中Cペプチド濃度又は空腹時血糖値が異常値となった状態としては、血漿中Cペプチド濃度が0.3ng/mL以下、又は空腹時血糖値が270mg/dl以上である状態が例示される。
本発明における糖尿病患者としては、膵島移植を受ける糖尿病患者であっても膵島移植を受けた糖尿病患者であってもよい。前者の場合、膵島移植を受ける前に本発明の薬剤を糖尿病患者に投与すればよく、後者の場合、膵島移植を受けた後に本発明の薬剤を糖尿病患者に投与すればよい。また、「膵島移植を受ける糖尿病患者及び/又は膵島移植を受けた糖尿病患者」としては「膵島移植中の糖尿病患者」も含まれ、この場合膵島移植を行うのと同時に糖尿病患者に投与すればよい。
また、本発明における糖尿病患者としては、インスリン産生が高度に障害された糖尿病患者であれば特に限定されないが、I型糖尿病患者又はII型糖尿病患者が具体的な例として挙げられ、I型糖尿病患者が好ましい例として挙げられる。また、II型糖尿病患者が好ましい場合もある。インスリン産生の指標として、血漿中のインスリン濃度やCペプチド濃度の異常が例示される。インスリン産生が高度に障害された状態としては、血漿中インスリン濃度が2μU/mL以下である状態が例示され、又は血漿中Cペプチド濃度が0.3ng/mL以下である状態が例示される。
本発明におけるトロンボモジュリンは、(1)トロンビンと選択的に結合して(2)トロンビンによるプロテインCの活性化を促進する作用を有することが知られている。また、(3)トロンビンによる凝固時間を延長する作用、及び/又は(4)トロンビンによる血小板凝集を抑制する作用が通常認められることが好ましい。これらトロンボモジュリンの持つ作用をトロンボモジュリン活性と呼ぶことがある。トロンボモジュリン活性としては、上記(1)及び(2)の作用を有し、さらに上記(1)〜(4)の作用を全て備えていることが好ましい。
トロンビンによるプロテインCの活性化を促進する作用は、例えば、特開昭64−6219号公報を初めとする各種の公知文献に明確に記載された試験方法によりプロテインCの活性化を促進する作用の活性量やその有無を容易に確認できるものである。また、トロンビンによる凝固時間を延長する作用、及び/又はトロンビンによる血小板凝集を抑制する作用についても同様に容易に確認できる。
本発明におけるトロンボモジュリンとしては、トロンボモジュリン活性を有していれば特に限定されないが、可溶性トロンボモジュリンであることが好ましい。可溶性トロンボモジュリンの溶解性の好ましい例示としては、水、例えば注射用蒸留水に対して(トリトンX−100やポリドカノール等の界面活性剤の非存在下、通常は中性付近にて)、1mg/mL以上、又は10mg/mL以上が挙げられ、好ましくは15mg/mL以上、又は17mg/mL以上が挙げられ、さらに好ましくは20mg/mL以上、25mg/mL以上、又は30mg/mL以上が例示され、特に好ましくは60mg/mL以上が挙げられ、場合によっては、80mg/mL以上、又は100mg/mL以上がそれぞれ挙げられる。可溶性トロンボモジュリンが溶解し得たか否かを判断するに当たっては、溶解した後に、例えば白色光源の直下、約1000ルクスの明るさの位置で、肉眼で観察した場合に、澄明であって、明らかに認められるような程度の不溶性物質を含まないことが端的な指標となるものと理解される。また、濾過して残渣の有無を確認することもできる。
本発明におけるトロンボモジュリンとしては、ヒト型のトロンボモジュリンにおいてトロンボモジュリン活性の中心部位として知られている配列番号1の第19〜132位のアミノ酸配列を包含していることが好ましく、配列番号1の第19〜132位のアミノ酸配列を包含していれば特に限定されない。該配列番号1の第19〜132位のアミノ酸配列は、トロンビンによるプロテインCの活性化を促進する作用、すなわちトロンボモジュリン活性を有する限り自然又は人工的に変異していてもよく、すなわち配列番号1の第19〜132位のアミノ酸配列において1つ又は複数のアミノ酸が置換、欠失、付加していても良い。許容される変異の程度は、トロンボモジュリン活性を有すれば特に限定されないが、例えばアミノ酸配列として50%以上の相同性が例示され、70%以上の相同性が好ましく、80%以上の相同性がより好ましく、90%以上の相同性がさらに好ましく、95%以上の相同性が特に好ましく、98%以上の相同性が最も好ましい。これらのようなアミノ酸配列を相同変異配列という。これらの変異については後述の通り、通常の遺伝子操作技術を用いれば容易に取得可能である。
配列番号3の配列は、配列番号1の第125位のアミノ酸であるValがAlaに変異したものであるが、本発明におけるトロンボモジュリンとして、配列番号3の第19〜132位のアミノ酸配列を包含していることも好ましい。
このように本発明におけるトロンボモジュリンとしては、配列番号1もしくは配列番号3の第19〜132位の配列、又はそれらの相同変異配列を少なくとも有し、少なくともトロンボモジュリン活性を有するペプチド配列を包含していれば特に限定されないが、配列番号1もしくは配列番号3のそれぞれにおける第19〜132位もしくは第17〜132位の配列からなるペプチド、又は上記配列の相同変異配列からなり少なくともトロンボモジュリン活性を有するペプチドが好ましい例として挙げられ、配列番号1もしくは配列番号3の第19〜132位の配列からなるペプチドがより好ましい。また、配列番号1もしくは配列番号3のそれぞれにおける第19〜132位もしくは第17〜132位の相同変異配列からなり少なくともトロンボモジュリン活性を有するペプチドがより好ましい別の態様もある。
また本発明におけるトロンボモジュリンの別の態様として、配列番号5の第19〜480位のアミノ酸配列を包含していることが好ましく、配列番号5の第19〜480位のアミノ酸配列を包含していれば特に限定されない。該配列番号5の第19〜480位のアミノ酸配列は、トロンビンによるプロテインCの活性化を促進する作用、すなわちトロンボモジュリン活性を有する限りその相同変異配列であってもよい。
配列番号7の配列は、配列番号5の第473位のアミノ酸であるValがAlaに変異したものであるが、本発明におけるトロンボモジュリンとして、配列番号7の第19〜480位のアミノ酸配列を包含していることも好ましい。
このように本発明におけるトロンボモジュリンとしては、配列番号5もしくは配列番号7の第19〜480位の配列、又はそれらの相同変異配列を少なくとも有し、少なくともトロンボモジュリン活性を有するペプチド配列を包含していれば特に限定されないが、配列番号5もしくは配列番号7のそれぞれにおける第19〜480位もしくは第17〜480位の配列からなるペプチド、又は上記配列の相同変異配列からなり少なくともトロンボモジュリン活性を有するペプチドが好ましい例として挙げられ、配列番号5もしくは配列番号7の第19〜480位の配列からなるペプチドがより好ましい。また、配列番号5もしくは配列番号7のそれぞれにおける第19〜480位もしくは第17〜480位の相同変異配列からなり少なくともトロンボモジュリン活性を有するペプチドがより好ましい別の態様もある。
また本発明におけるトロンボモジュリンの別の態様として、配列番号9の第19〜515位のアミノ酸配列を包含していることが好ましく、配列番号9の第19〜515位のアミノ酸配列を包含していれば特に限定されない。該配列番号9の第19〜515位のアミノ酸配列は、トロンビンによるプロテインCの活性化を促進する作用、すなわちトロンボモジュリン活性を有する限りその相同変異配列であってもよい。
配列番号11の配列は、配列番号9の第473位のアミノ酸であるValがAlaに変異したものであるが、本発明におけるトロンボモジュリンとして、配列番号11の第19〜515位のアミノ酸配列を包含していることも好ましい。
このように本発明におけるトロンボモジュリンとしては、配列番号9もしくは配列番号11の第19〜515位の配列、又はそれらの相同変異配列を少なくとも有し、少なくともトロンボモジュリン活性を有するペプチド配列を包含していれば特に限定されないが、配列番号9もしくは配列番号11のそれぞれにおける第19〜516位、第19〜515位、第17〜516位、もしくは第17〜515位の配列からなるペプチド、又は上記配列の相同変異配列からなり少なくともトロンボモジュリン活性を有するペプチドがより好ましい例として挙げられ、配列番号9における第19〜516位、第19〜515位、第17〜516位、もしくは第17〜515位の配列からなるペプチドが特に好ましい。これらの混合物も好ましい例として挙げられる。また、配列番号11のそれぞれにおける第19〜516位、第19〜515位、第17〜516位、もしくは第17〜515位の配列からなるペプチドが特に好ましい別の態様もある。これらの混合物も好ましい例として挙げられる。さらにそれらの相同変異配列からなり、少なくともトロンボモジュリン活性を有するぺプチドも好ましい例として挙げられる。
相同変異配列を有するペプチドとは、上述した通りであるが、対象とするペプチドのアミノ酸配列中1つ以上、すなわち1つ又は複数のアミノ酸、さらに好ましくは数個(例えば1から20個、好ましくは1から10個、より好ましくは1から5個、特に好ましくは1から3個)のアミノ酸が置換、欠失、付加していてもよいペプチドをも意味する。許容される変異の程度は、トロンボモジュリン活性を有すれば特に限定されないが、例えばアミノ酸配列として50%以上の相同性が例示され、70%以上の相同性が好ましく、80%以上の相同性がより好ましく、90%以上の相同性がさらに好ましく、95%以上の相同性が特に好ましく、98%以上の相同性が最も好ましい。
さらに、本発明におけるトロンボモジュリンとしては、特開昭64−6219における配列番号14(462アミノ酸残基)からなるペプチド、配列番号8(272アミノ酸残基)からなるペプチド、又は配列番号6(236アミノ酸残基)からなるペプチドも好ましい例として挙げられる。
本発明におけるトロンボモジュリンとしては配列番号1又は配列番号3の第19〜132位のアミノ酸配列を少なくとも有しているペプチドであれば特に限定されないが、その中でも配列番号5又は配列番号7の第19〜480位のアミノ酸配列を少なくとも有しているペプチドであることが好ましく、配列番号9もしくは配列番号11の第19〜515位のアミノ酸配列を少なくとも有しているペプチドであることがより好ましい。配列番号9もしくは配列番号11の第19〜515位のアミノ酸配列を少なくとも有しているペプチドとしては、配列番号9もしくは配列番号11のそれぞれにおける第19〜516位、第19〜515位、第17〜516位、もしくは第17〜515位の配列からなるペプチドがより好ましい例として挙げられる。また、配列番号9もしくは配列番号11のそれぞれにおける第19〜516位、第19〜515位、第17〜516位、もしくは第17〜515位の配列からなるペプチドの、配列番号9もしくは配列番号11それぞれについての混合物もより好ましい例として挙げられる。
上記混合物の場合、配列番号9もしくは配列番号11のそれぞれにおける第17位から始まるペプチドと第19位から始まるペプチドの混合割合としては、(30:70)〜(50:50)が例示され、(35:65)〜(45:55)が好ましい例として挙げられる。
また、配列番号9もしくは配列番号11のそれぞれにおける第515位で終わるペプチドと第516位で終わるペプチドの混合割合としては、(70:30)〜(90:10)が例示され、(75:25)〜(85:15)が好ましい例として挙げられる。
これらペプチドの混合割合は、通常の方法により求めることができる。
なお、配列番号1の第19〜132位の配列は、配列番号9の第367〜480位の配列に相当し、配列番号5の第19〜480位の配列は、配列番号9の第19〜480位の配列に相当する。また、配列番号3の第19〜132位の配列は、配列番号11の第367〜480位の配列に相当し、配列番号7の第19〜480位の配列は、配列番号11の第19〜480位の配列に相当する。さらに、配列番号1、3、5、7、9、及び11のそれぞれにおける第1〜18位の配列は、全て同一の配列である。
これら本発明におけるトロンボモジュリンは後述の通り、これらのペプチドをコードするDNA(具体的には、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、又は配列番号12等の塩基配列)をベクターにより宿主細胞にトランスフェクトして調製された形質転換細胞より取得することができる。
さらに、これらのペプチドは、前記のアミノ酸配列を有すればよいのであって、糖鎖が付いていても、又付いていなくともよく、この点は特に限定されるものではない。また遺伝子操作においては、使用する宿主細胞の種類により、糖鎖の種類や、付加位置や付加の程度は相違するものであり、いずれも用いることができる。糖鎖の結合位置及び種類については、特開平11−341990に記載の事実が知られており、本発明におけるトロンボモジュリンについても同様の位置に同様の糖鎖が付加する場合がある。後述の通り、遺伝子操作により取得することに特定されるものではないが、遺伝子操作により取得する場合には、発現に際して用いることができるシグナル配列としては、配列番号9の第1〜18位のアミノ酸配列をコードする塩基配列、配列番号9の第1〜16位のアミノ酸配列をコードする塩基配列、その他公知のシグナル配列、例えば、ヒト組織型プラスミノゲンアクチベーターのシグナル配列を利用することができる(国際公開88/9811号公報)。
トロンボモジュリンをコードするDNA配列を宿主細胞へ導入する場合には、好ましくはトロンボモジュリンをコードするDNA配列を、ベクター、特に好ましくは、動物細胞において発現可能な発現ベクターに組み込んで導入する方法が挙げられる。発現ベクターとは、プロモーター配列、mRNAにリボソーム結合部位を付与する配列、発現したい蛋白をコードするDNA配列、スプライシングシグナル、転写終結のターミネーター配列、複製起源配列などで構成されるDNA分子であり、好ましい動物細胞発現ベクターの例としては、Mulligan RCら[Proc Natl Acad Sci USA 1981;78:2072−2076]が報告しているpSV2−Xや、Howley PMら[Methods in Emzymology 1983;101:387−402、Academic Press]が報告しているpBP69T(69−6)などが挙げられる。
これらのペプチドを製造するに際して用いることのできる宿主細胞としては、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、COS−1細胞、COS−7細胞、VERO(ATCC CCL−81)細胞、BHK細胞、イヌ腎由来MDCK細胞、ハムスターAV−12−664細胞等が、またヒト由来細胞としてHeLa細胞、WI38細胞、ヒト293細胞が挙げられる。CHO細胞が極めて一般的であり好ましく、CHO細胞においては、DHFR−CHO細胞がさらに好ましい。
また、遺伝子操作の過程やペプチドの製造過程において、大腸菌等の微生物も多く使われ、それぞれに適した宿主−ベクター系を使用することが好ましく、上述の宿主細胞においても、適宜のベクター系を選択することができる。遺伝子組換え技術に用いるトロンボモジュリンの遺伝子は、クローニングされており、そしてトロンボモジュリンの遺伝子組換え技術を用いた製造例が開示されており、さらにはその精製品を得るための精製方法も知られている[特開昭64−6219号公報、特開平2−255699号公報、特開平5−213998号公報、特開平5−310787号公報、特開平7−155176号公報、J Biol Chem 1989;264:10351−10353]。したがって本発明で用いるトロンボモジュリンは、上記の報告に記載されている方法を用いることにより、あるいはそれらに記載の方法に準じることにより製造することができる。例えば特開昭64−6219号公報では、全長のトロンボモジュリンをコードするDNAを含むプラスミドpSV2TMJ2を含む、Escherichia coli K−12 strain DH5(ATCC寄託番号67283号)が開示されている。また、この菌株を生命研(現独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター)に再寄託した菌株(Escherichia coli DH5/pSV2TM J2)(FERM BP−5570)を用いることもできる。この全長のトロンボモジュリンをコードするDNAを原料として、公知の遺伝子操作技術によって、本発明のトロンボモジュリンを調製することができる。
本発明に用いられるトロンボモジュリンは、従来公知の方法又はそれに準じて調製すればよいが、例えば、前記山本らの方法[特開昭64−6219号公報]、又は特開平5−213998号公報を参考にすることができる。すなわちヒト由来のトロンボモジュリン遺伝子を遺伝子操作技術により、例えば、配列番号9のアミノ酸配列をコードするDNAとなし、さらに必要に応じた改変を行うことも可能である。この改変としては、例えば、配列番号11のアミノ酸配列をコードするDNA(具体的には、配列番号12の塩基配列よりなる)となすために、配列番号9の第473位のアミノ酸をコードするコドン(特に、配列番号10の第1418位の塩基)に、Zoller MJら[Methods in Enzymology 1983;100:468−500、Academic Press]の方法に従って、部位特異的変異を行う。例えば、配列番号10の第1418位の塩基Tは、配列番号13に示された塩基配列を有する変異用合成DNAを用いて塩基Cに変換したDNAとなすことができる。
このようにして調製したDNAを、例えばチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞に組み込んで、形質転換細胞とし、適宜選択し、この細胞を培養して得た培養液から、公知の方法により精製されたトロンボモジュリンが製造できる。前述の通り配列番号9のアミノ酸配列をコードするDNA(配列番号10)を前記宿主細胞にトランスフェクトすることが好ましい。本発明に用いられるトロンボモジュリンの生産方法は、上記の方法に限定されるものではなく、例えば、尿や血液、その他体液等から抽出精製することでも可能であるし、またトロンボモジュリンを生産する組織又はこれら組織培養液等から抽出精製することも、また必要によりさらに蛋白分解酵素により切断処理することも可能である。
上記細胞培養方法により本発明におけるトロンボモジュリンを製造する場合、タンパク質の翻訳後修飾により、N末端アミノ酸に多様性が認められる場合がある。例えば、配列番号9における第17位、18位、19位、もしくは22位のアミノ酸がN末端となる場合がある。また、例えば第22位のグルタミン酸がピログルタミン酸に変換されるように、N末端アミノ酸が修飾される場合もある。第17位又は19位のアミノ酸がN末端となることが好ましく、第19位のアミノ酸がN末端となることがより好ましい。また、第17位のアミノ酸がN末端となることが好ましい別の態様もある。以上の修飾や多様性等については配列番号11についても同様な例が挙げられる。
さらに、配列番号10の塩基配列を有するDNAを用いてトロンボモジュリンを製造する場合、C末端アミノ酸の多様性が認められることがあり、1アミノ酸残基短いペプチドが製造される場合がある。すなわち、第515位のアミノ酸がC末端となり、さらに該第515位がアミド化されるといったように、C末端アミノ酸が修飾される場合がある。したがって、N末端アミノ酸とC末端アミノ酸が多様性に富んだペプチド、又はそれらの混合物が製造されることがある。第515位のアミノ酸がC末端となることが好ましい。また、第516位のアミノ酸がC末端になることが好ましい別の態様もある。以上の修飾や多様性等については配列番号12の塩基配列を有するDNAについても同様である。
上記方法で得られるトロンボモジュリンは、N末端及びC末端に多様性が認められるペプチドの混合物である場合がある。具体的は、配列番号9における第19〜516位、第19〜515位、第17〜516位、もしくは第17〜515位の配列からなるペプチドの混合物が挙げられる。
次いで上記により取得された培養上清、又は培養物からのトロンボモジュリンの単離精製方法は、公知の手法[堀尾武一編集、蛋白質・酵素の基礎実験法、1981]に準じて行うことができる。例えば、トロンボモジュリンと逆の電荷を持つ官能基を固定化したクロマトグラフィー担体と、トロンボモジュリンの間の相互作用を利用したイオン交換クロマトグラフィーや吸着クロマトグラフィーの使用も好ましい。また、トロンボモジュリンとの特異的親和性を利用したアフィニティークロマトグラフィーも好ましい例として挙げられる。吸着体の好ましい例として、トロンボモジュリンのリガンドであるトロンビンやトロンボモジュリンの抗体を利用する例が挙げられる。この抗体としては、適宜の性質、あるいは適宜のエピトープを認識するトロンボモジュリンの抗体を利用することができ、例えば、特公平5−42920号公報、特開昭64−45398号公報、特開平6−205692号公報などに記載された例が挙げられる。また、トロンボモジュリンの分子量サイズを利用した、ゲル濾過クロマトグラフィーや限外濾過が挙げられる。そしてまた、疎水性基を固定化したクロマトグラフィー担体と、トロンボモジュリンのもつ疎水性部位との間の疎水結合を利用した疎水性クロマトグラフィーが挙げられる。また、吸着クロマトグラフィーとしてハイドロキシアパタイトを担体として用いることも可能であり、例えば、特開平9−110900号公報に記載した例が挙げられる。これらの手法は適宜組み合わせることができる。精製の程度は、使用目的等により選択できるが、例えば電気泳動、好ましくはSDS−PAGEの結果が単一バンドとして得られるか、もしくは単離精製品のゲル濾過HPLC又は逆相HPLCの結果が単一のピークになるまで純粋化することが望ましい。もちろん、複数種のトロンボモジュリンを用いる場合には、実質的にトロンボモジュリンのみのバンドになることが好ましいのであり、単一のバンドになることを求めるものではない。
本発明における精製法を具体的に例示すれば、トロンボモジュリン活性を指標に精製する法が挙げられ、例えばイオン交換カラムのQ−セファロースFast Flowで培養上清又は培養物を粗精製しトロンボモジュリン活性を有する画分を回収し、ついでアフィニティーカラムのDIP−トロンビン−アガロース(diisopropylphosphorylthrombin agarose)カラムで主精製しトロンボモジュリン活性が強い画分を回収し、回収画分を濃縮し、ゲル濾過にかけトロンボモジュリン活性画分を純品として取得する精製方法[Gomi K et al、Blood 1990;75:1396−1399]が挙げられる。指標とするトロンボモジュリン活性としては、例えばトロンビンによるプロテインC活性化の促進活性が挙げられる。その他に、好ましい精製法を例示すると以下の通りである。
トロンボモジュリンと良好な吸着条件を有する適当なイオン交換樹脂を選定し、イオン交換クロマト精製を行う。特に好ましい例としては、0.18mol/L NaClを含む0.02mol/Lトリス塩酸緩衝液(pH7.4)で平衡化したQ−セファロースFast Flowを用いる方法である。適宜洗浄後、例えば0.3mol/L NaCl含む0.02mol/Lトリス塩酸緩衝液(pH7.4)で溶出し粗精製品のトロンボモジュリンを得ることができる。
次に、例えばトロンボモジュリンと特異的親和性を持つ物質を樹脂に固定化しアフィニティークロマト精製を行うことができる。好ましい例としてDIP−トロンビン−アガロースカラムの例と、抗トロンボモジュリンモノクローナル抗体カラムの例が挙げられる。DIP−トロンビン−アガロースカラムは、予め、例えば、100mmol/L NaCl及び0.5mmol/L塩化カルシウムを含む20mmol/Lトリス塩酸緩衝液(pH7.4)で平衡化せしめ、上記の粗精製品をチャージして、適宜の洗浄を行い、例えば、1.0mol/L NaCl及び0.5mmol/L塩化カルシウムを含む20mmol/Lトリス塩酸緩衝液(pH7.4)で溶出し精製品のトロンボモジュリンを取得することができる。また抗トロンボモジュリンモノクローナル抗体カラムにおいては、予めCNBrにより活性化したセファロース4FF(GEヘルスケアバイオサイエンス社)に、抗トロンボモジュリンモノクローナル抗体を溶解した0.5mol/L NaCl含有0.1mol/L NaHCO3緩衝液(pH8.3)に接触させ、セファロース4FFに抗トロンボモジュリンモノクローナル抗体をカップリングさせた樹脂を充填したカラムを、予め例えば0.3mol/L NaCl含む20mmol/Lリン酸塩緩衝液(pH7.3)で平衡化し、適宜の洗浄の後、例えば、0.3mol/L NaCl含む100mmol/Lグリシン塩酸緩衝液(pH3.0)にて溶出せしめる方法が例示される。溶出液は適当な緩衝液で中和し、精製品として取得することもできる。
次に得られた精製品をpH3.5に調整した後に、0.3mol/L NaClを含む100mmol/Lグリシン塩酸緩衝液(pH3.5)で平衡化した陽イオン交換体、好ましくは強陽イオン交換体であるSP−セファロースFF(GEヘルスケアバイオサイエンス社)にチャージし、同緩衝液で洗浄して得られた非吸着画分を得る。得られた画分は適当な緩衝液で中和し、高純度精製品として取得することができる。これらは、限外濾過により濃縮することが好ましい。
さらに、ゲル濾過による緩衝液交換を行うことも好ましい。例えば、50mmol/L NaClを含む20mmol/Lリン酸塩緩衝液(pH7.3)で平衡化せしめたSephacryl S−300カラムもしくはS−200カラムに、限外濾過により濃縮した高純度精製品をチャージし、50mmol/L NaClを含む20mmol/Lリン酸塩緩衝液(pH7.3)で展開分画し、トロンビンによるプロテインC活性化の促進活性の確認を行って活性画分を回収し、緩衝液交換した高純度精製品を取得することができる。このようにして得られた高純度精製品は安全性を高めるために適当なウイルス除去膜、例えばプラノバ15N(旭化成メディカル株式会社)を用いて濾過することが好ましく、その後限外濾過により目的の濃度まで濃縮することができる。最後に無菌濾過膜により濾過することが好ましい。
本発明の薬剤は、有効成分としてトロンボモジュリンを含有していれば特に限定されることはなく、必要に応じて膵島移植患者に使用される薬剤を単一又は複数の製剤として製造して使用することもできる。すなわち、本発明により、トロンボモジュリンと免疫抑制剤とを組み合わせてなる薬剤であって、該薬剤が膵島移植を受ける糖尿病患者及び/又は膵島移植を受けた糖尿病患者に投与され、膵島移植後の血糖値を正常化するための該薬剤、糖尿病を治療及び/又は改善するための該薬剤、膵島移植による糖尿病の治療及び/又は改善効果を補助するための該薬剤、膵島移植細胞の生着率を改善するための該薬剤、又は膵島移植細胞の生存期間を延長するための該薬剤が提供される。
免疫抑制剤としては、副腎皮質ステロイド、アルキル化剤、代謝拮抗剤、アルカロイド系薬剤、カルシニューリン阻害剤、サイクリン依存性カイネース阻害剤、抗胸腺細胞グロブリン、CD抗原に対するモノクローナル抗体であるプレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ハイドロコルチゾン、トリアムシノロン、ベタメサゾン、デキサメサゾン、シクロフォスファミド、メトトレキサート、アザチオプリン、ミコフェノレート、ミゾリビン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、エトポシド、マイトマイシンC、シクロスポリン、タクロリムス、シロリムス、ラパマイシン、アトガム、チモグロブリン、Muromonab−CD3、リツキシマブ、バシリキシマブ、ダクリツマブが例示され、ミコフェノレート、アザチオプリン、タクロリムス、シロリムス、ラパマイシン、バシキキシマブ、又はダクリツマブが好ましいがこれらに限定されるものではない。また、その他の免疫抑制剤として、インフリキシマブ、グスペリムス、又は抗リンパ球グロブリンも好ましい例として挙げられる。
本発明の、トロンボモジュリンと免疫抑制剤とを組み合わせてなる薬剤は、それぞれの成分が一つにまとめられて混合された配合剤の状態であってもよく、また、それぞれの成分が混合されておらず、複数の容器から別々に投与できる非混合的な組み合わせの状態であってもよい。
本発明のトロンボモジュリンと免疫抑制剤とを組み合わせてなる薬剤は、トロンボモジュリン及び免疫抑制剤の各活性成分の完全な混合物として同時に患者に投与することができる。また、本発明の該薬剤におけるトロンボモジュリン及び免疫抑制剤は、別々の成分として同時あるいは逐次に患者に投与することができる。逐次に投与する際、トロンボモジュリン及び免疫抑制剤の投与順序は問わないが、トロンボモジュリンの次に免疫抑制剤を投与することが好ましい。また、免疫抑制剤の次にトロンボモジュリンを投与するという好ましい別の態様もある。トロンボモジュリンは、膵島移植前又は膵島移植後、あるいは膵島移植中に投与することもできるが、膵島移植前又は膵島移植後に投与することが好ましく、膵島移植後に投与することがより好ましい。また、膵島移植前に投与することがより好ましい別の態様もある。さらに、膵島移植中に投与することがより好ましい場合もある。免疫抑制剤は、膵島移植中又は膵島移植後に投与することが好ましい。投与順序又は投与部位は、対象となる患者の状態に応じて適宜変化させることが可能である。
また、本発明により、トロンボモジュリン、免疫抑制剤、及び糖尿病治療薬とを組み合わせてなる薬剤であって、該薬剤が膵島移植を受ける糖尿病患者及び/又は膵島移植を受けた糖尿病患者に投与され、膵島移植後の血糖値を正常化するための該薬剤、糖尿病を治療及び/又は改善するための該薬剤、膵島移植による糖尿病の治療及び/又は改善効果を補助するための該薬剤、膵島移植細胞の生着率を改善するための該薬剤、又は膵島移植細胞の生存期間を延長するための該薬剤が提供される。
本発明の一成分として用いられる糖尿病治療薬としては、インスリン感受性増加剤(PPARγ作動薬)、インスリン分泌促進剤(SU剤、グリニド)、肝糖放出抑制剤、糖吸収遅延剤(α−グルコシダーゼ阻害剤)、DPP−IV阻害剤、グルカゴン関連ペプチドであるピオグリタゾン、ロシグリタゾン、トログリタゾン、グリベンクラミド、グリクラジド、グリピザイド、グリメピリド、レパグリニド、ナテグリニド、ミチグリニド、メトフォルミン、ボグリボース、アカルボース、ビルダグリプチン、エクセナチド、又はリラグルチドが例示され、ビルダグリプチン、エクセナチド、又はリラグルチドが好ましい糖尿病治療薬として例示されるが、これらに限定されるものではない。
また、本発明の別の態様として、糖尿病治療薬としてインスリン又はインスリン誘導体を用いることも好ましい。インスリン及びインスリン誘導体としては、超速効型、速効型、混合型(二相性)、中間型、持効型として、インスリンリスプロ、インスリンアスパルト、インスリングルリシン、ヒトインスリン、ヒト中性インスリン、ヒトイソフェンインスリン、インスリングラルギン、又はインスリンデテミルが例示されるがこれらに限定されるものではない。これらの種類の薬剤を単独あるいは適宜組み合わせて使用することができる。
本発明の、トロンボモジュリン、免疫抑制剤、及び糖尿病治療薬とを組み合わせてなる薬剤は、それぞれの成分が一つにまとめられて混合された配合剤の状態であってもよく、また、それぞれの成分が混合されておらず、複数の容器から別々に投与できる非混合的な組み合わせの状態であってもよい。
本発明のトロンボモジュリン、免疫抑制剤、及び糖尿病治療薬とを組み合わせてなる薬剤は、トロンボモジュリン、免疫抑制剤、及び糖尿病治療薬の各活性成分の完全な混合物として同時に患者に投与することができる。また、本発明の該薬剤におけるトロンボモジュリン、免疫抑制剤、及び糖尿病治療薬は、別々の成分として同時あるいは逐次に患者に投与することができる。逐次に投与する際、糖尿病治療薬の投与順序は、糖尿病治療薬が膵島移植前又は膵島移植後に投与されれば特に限定されないが、トロンボモジュリン及び免疫抑制剤の投与後に糖尿病治療薬を投与することが好ましい。また、糖尿病治療薬の投与後にトロンボモジュリン及び免疫抑制剤を投与するのが好ましい別の態様もある。糖尿病治療薬は、膵島移植前又は膵島移植後、あるいは膵島移植中に投与することもできるが、膵島移植前又は膵島移植後に投与することが好ましい。投与順序又は投与部位は、対象となる患者の状態に応じて適宜変化させることが可能である。
本発明の薬剤は、担体を含有することができる。本発明で用いることのできる担体としては、水溶性の担体が好ましく、例えば、ショ糖、グリセリン等や、その他の無機塩のpH調整剤等を添加剤として加えて調製することができる。さらに必要に応じて、特開平1−6219号公報及び特開平6−321805号公報に開示される通り、アミノ酸、塩類、糖質、界面活性剤、アルブミン、ゼラチン等を添加しても良いし、また、防腐剤を添加することも好ましく、例えば、パラ安息香酸エステル類が好ましい例として挙げられ、パラ安息香酸メチルが特に好ましい例として挙げられる。防腐剤の添加量は、通常0.01〜1.0%(重量%を示す、以下同じ)が例示され、好ましくは0.1〜0.3%が挙げられる。これらの添加方法は特に限定されないが、凍結乾燥とする場合には、通常行われるように、例えば、免疫抑制剤、糖尿病治療薬から選ばれる少なくとも1つを含有する溶液とトロンボモジュリン含有溶液を混合した後、添加物を添加混合する方法や、又はあらかじめ添加物を水、注射用蒸留水あるいは適当な緩衝液に溶解した免疫抑制剤、糖尿病治療薬から選ばれる少なくとも1つに混合した後、トロンボモジュリン含有溶液を添加混合にする方法にて溶液を調製し、凍結乾燥する方法が挙げられる。本発明の薬剤が各薬剤成分を組み合わせてなる薬剤である場合には、各薬剤は、適宜の製造方法により担体を添加して製造することが好ましい。本発明の薬剤としては、注射液の形態で提供されても、また凍結乾燥製剤を使用時に溶解して使用する形態で提供されてもよい。
製剤化工程においては、アンプル又はバイアルに、水、注射用蒸留水あるいは適当な緩衝液1mLあたり0.05〜15mg、好適には0.1〜5mgのトロンボモジュリンと、抗血小板剤、抗血液凝固剤、又は血栓溶解剤の何れか1つと上記添加物を含有する溶液を、例えば0.5〜10mL充填した後に凍結し、減圧下のもとで乾燥する方法が例示される。又はそのままに水溶液注射用製剤として調製できる。
本発明の薬剤は、非経口投与法、例えば静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与などによって投与することが望ましい。また経口投与、直腸内投与、鼻内投与、舌下投与なども可能である。本発明の薬剤が各薬剤成分を組み合わせてなる薬剤である場合には、それぞれの薬剤成分はは、適宜の投与方法により投与することが好ましい。
静脈内投与の場合、一度に所望の量を投与する方法又は点滴静脈内投与が挙げられる。
一度に所望の量を投与する方法は投与時間が短い点で好ましい。一度に投与する場合には、注射器での投与に要する時間に通常幅があるが、投与に要する時間としては、投与する液量にもよるが、通常は2分以下が好ましく、1分以下がより好ましく、30秒以下がさらに好ましい。また下限としては特に限定されないが、1秒以上が好ましく、5秒以上がより好ましく、10秒以上がさらに好ましい。投与量は上記の好ましい投与量であれば特に限定されない。また、点滴静脈内投与はトロンボモジュリンの血中濃度を一定に保つことが容易な点で好ましい。
本発明における薬剤の1日の投与量は、患者の年齢、体重、疾患の程度、投与経路などによっても異なるが、一般的にトロンボモジュリンの量として、上限としては20mg/kg以下が好ましく、10mg/kg以下がより好ましく、5mg/kg以下がさらに好ましく、2mg/kg以下が特に好ましく、1mg/kg以下が最も好ましく、下限としては0.001mg/kg以上が好ましく、0.005mg/kg以上がより好ましく、0.01mg/kg以上がさらに好ましく、0.02mg/kg以上が特に好ましく、0.05mg/kg以上が最も好ましい。
点滴静脈内投与の場合、上記の好ましい投与量であれば特に限定されないが、1日の投与量の上限としては1mg/kg以下が好ましく、0.5mg/kg以下がより好ましく、0.1mg/kg以下がさらに好ましく、0.08mg/kg以下が特に好ましく、0.06mg/kg以下が最も好ましく、下限としては0.005mg/kg以上が好ましく、0.01mg/kg以上がより好ましく、0.02mg/kg以上がさらに好ましく、0.04mg/kg以上が特に好ましい。
1日あたり1回又は必要に応じて数回投与する。投与間隔は、2日から14日に1回、好ましくは2日から7日に1回、さらに好ましくは3日から5日に1回にとすることも可能である。
かくして取得されたトロンボモジュリンを含有する本発明の薬剤を、I型糖尿病マウスに対する膵島細胞の同種同系移植の際に投与したところ、ランゲルハンス島β細胞の機能障害に起因する血糖値の上昇に対して優れた予防及び治療効果が認められた。すなわち、これらのモデル動物に対する効果から、本発明の薬剤は、I型糖尿病患者に対する膵島移植において、移植時の細胞生着率の向上、及びこれに伴う移植細胞数の軽減可能となる移植補助剤として有用であることが確認された。上述のように本発明の薬剤を製造するに際しては、有効量のトロンボモジュリンを医薬上許容される担体と混合する公知の方法により調製すればよい。
本発明の薬剤は、出血しやすい糖尿病患者が膵島移植を受ける際にも出血のリスクを高めることなく安全かつ高い効果を示すことができる点で非常に有用である。該有用性は、本発明の薬剤の有効成分であるトロンボモジュリンが出血を助長することなく、逆に出血症状を改善することが報告されている(Saito Hら、J Thromb Haemost 2007;5:31−41)ことからも裏付けることができる。出血のリスクの評価方法として、血漿に本発明の薬剤を加えた検体を用いて凝固時間(例えば、Mohri Mら(Mohri M et al、Thromb Haemost 1999; 82: 1687−93)に記載の活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT))の測定が例示される。また、膵島移植における出血状態の評価方法として、血液(輸血)や血漿製剤の使用量を指標とすることが例示される。
本発明の薬剤は、膵島移植の特長である手術侵襲が少なくかつ短時間に行われるという利便性を損なうことなく使用することができる点においても有用である。また、上述のように本発明の薬剤は出血のリスクを高めることがないため、投与量が適正であることを評価するための検査が不要である。投与量が適正であることを評価する方法としては、上述の凝固時間法を指標とした出血リスクの評価方法が例示される。
[配列表の説明]
配列番号1:TME456の生産に用いた遺伝子がコードするアミノ酸配列
配列番号2:配列番号1のアミノ酸配列をコードする塩基配列
配列番号3:TME456Mの生産に用いた遺伝子がコードするアミノ酸配列
配列番号4:配列番号3のアミノ酸配列をコードする塩基配列
配列番号5:TMD12の生産に用いた遺伝子がコードするアミノ酸配列
配列番号6:配列番号5のアミノ酸配列をコードする塩基配列
配列番号7:TMD12Mの生産に用いた遺伝子がコードするアミノ酸配列
配列番号8:配列番号7のアミノ酸配列をコードする塩基配列
配列番号9:TMD123の生産に用いた遺伝子がコードするアミノ酸配列
配列番号10:配列番号9のアミノ酸配列をコードする塩基配列
配列番号11:TMD123Mの生産に用いた遺伝子がコードするアミノ酸配列
配列番号12:配列番号11のアミノ酸配列をコードする塩基配列
配列番号13:部位特異的変異を行う際に使用する変異用合成DNA
以下、実施例及び試験例により本発明を具体的に説明するが、本発明は何らこれらによって限定されるものではない。
試験例に用いる本発明におけるトロンボモジュリンは、前記山本らの方法(特開昭64−6219号に記載の方法)に従って製造した。以下にその製造例を示す。なお、今回の製造例で得られたトロンボモジュリンは、ラット及びサルを用いた単回及び反復静脈内投与試験、マウス生殖試験、局所刺激性試験、安全性薬理試験、ウイルス不活化試験などによりその安全性が確認されている。
[製造例1]
<トロンボモジュリンの取得>
上記の方法、すなわち、配列番号9のアミノ酸配列をコードするDNA(具体的には、配列番号10の塩基配列よりなる)を、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞にトランスフェクションして、この形質転換細胞の培養液より前述した定法の精製法にて、50mmol/L NaClを含む20mmol/Lリン酸塩緩衝液(pH7.3)で活性画分を回収した高純度精製品を取得した。さらに限外濾過を行って濃度が11.2mg/mLのトロンボモジュリン(以下、TMD123と略すことがある)溶液を取得した。
<添加剤溶液調製>
10Lのステンレス製容器に、塩酸アルギニン(味の素社製)480gを量り入れ、注射用水を5L加えて溶解した。1mol/L水酸化ナトリウム溶液を添加して、pHを7.3に調整した。
<薬液調製・充填 >
上記添加剤溶液全量を20Lのステンレス製容器に入れ、上記得られたTMD123溶液2398mL(可溶性トロンボモジュリンのたん白質量として26.88gに相当。ただし12%過量仕込み。)加え混合攪拌した。さらに注射用水を加えて全量を12Lとして均一に混合撹拌した。この薬液を、孔径が0.22μmのフィルター(ミリポア製MCGL10S)で濾過滅菌した。濾過液を1mLずつバイアルに充填し、ゴム栓を半打栓した。
<凍結乾燥>
凍結乾燥→窒素充填→ゴム栓全打栓→キャップ巻締めの順で以下の条件にて凍結乾燥工程を行い、1容器中に可溶性トロンボモジュリン2mg、塩酸アルギニン40mgを含むTMD123含有製剤を得た。
<凍結乾燥条件>
予備冷却(15分かけて室温から15℃)→ 本冷却(2時間かけて15℃から−45℃)→ 保持(2時間 −45℃)→ 真空開始(18時間 −45℃)→ 昇温(20時間かけて−45℃から25℃)→ 保持(15時間25℃)→ 昇温(1時間かけて25℃から45℃)→ 保持(5時間45℃)→ 室温(2時間かけて45℃から25℃)→ 復圧窒素充填(−100mmHgまで)→ 全打栓 → キャップ巻締め
[製造例2]
配列番号11のアミノ酸配列をコードするDNA(具体的には、配列番号12の塩基配列よりなる)を、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞にトランスフェクションして、この形質転換細胞の培養液より前述した定法の精製法にて精製されたトロンボモジュリン(以下、TMD123Mと略すことがある)溶液を取得し、上記と同様の方法によりTMD123Mの凍結乾燥製剤を取得する。
[製造例3]
配列番号1のアミノ酸配列をコードするDNA(具体的には、配列番号2の塩基配列よりなる)を、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞にトランスフェクションして、この形質転換細胞の培養液より前述した定法の精製法にて精製されたトロンボモジュリン(以下、TME456と略すことがある)を取得し、上記と同様の方法によりTME456の凍結乾燥製剤を取得する。
[製造例4]
配列番号3のアミノ酸配列をコードするDNA(具体的には、配列番号4の塩基配列よりなる)を、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞にトランスフェクションして、この形質転換細胞の培養液より前述した定法の精製法にて精製されたトロンボモジュリン(以下、TME456Mと略すことがある)を取得し、上記と同様の方法によりTME456Mの凍結乾燥製剤を取得する。
[製造例5]
配列番号5のアミノ酸配列をコードするDNA(具体的には、配列番号6の塩基配列よりなる)を、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞にトランスフェクションして、この形質転換細胞の培養液より前述した定法の精製法にて精製されたトロンボモジュリン(以下、TMD12と略すことがある)を取得し、上記と同様の方法によりTMD12の凍結乾燥製剤を取得する。
[製造例6]
配列番号7のアミノ酸配列をコードするDNA(具体的には、配列番号8の塩基配列よりなる)を、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞にトランスフェクションして、この形質転換細胞の培養液より前述した定法の精製法にて精製されたトロンボモジュリン(以下、TMD12Mと略すことがある)を取得し、上記と同様の方法によりTMD12Mの凍結乾燥製剤を取得する。
[試験例1]
<I型糖尿病マウスに対する膵島細胞の同種同系移植>
雄性C57BL/6マウス(チャールスリバー、7〜10週齢)にストレプトゾシン(シグマ)を180mg/kg投与し、ランゲルハンス島β細胞の機能を特異的に低下させたI型糖尿病マウスモデルを作成した。ストレプトゾトシン投与3日後に、Sutton Rらの方法(Sutton R et al、Transplantation 1986;42:689−691)を参考にコラゲナーゼ処理後、Ficoll−Conrayを用いた密度勾配遠心法(Okeda T et al、Endocrinol Jpn 1979;26:495−499)を用いてC57BL/6マウスから分離した膵島細胞200個を経門脈的に肝内に同種同系移植した。移植したマウスを群分し、一方の試験群には、生理食塩液を急速投与した。もう一方の試験群には、トロンボモジュリン(TMD123、10mg/kg)を膵島移植の直前、移植後12時間並びに24時間にそれぞれ1回ずつ静脈内に急速投与した。膵島移植前及び移植後(週2ないし3回)に、尾静脈からヘパリン加採血し、得られた血漿中の血糖値をオートアナライザー(ベックマン)を用いて測定した。その結果、生理食塩液投与群(図1)では、膵島細胞200個では血糖値は正常化しなかったが、トロンボモジュリンの投与により血糖値は正常化した(図2)。トロンボモジュリンが移植後膵島グラフトの障害を防ぎ、血糖値をコントロールすることが示された。
ストレプトゾトシン誘発I型糖尿病マウスに対する同種同系膵島移植における生理食塩液投与群(N=5)の術後血糖値の推移を示す図である。ストレプトゾトシン誘発I型糖尿病マウスに、同種同系マウス(C57BL/6)から単離した膵島200個を、経門脈的肝内移植したもの。同系移植(Syngenic Transplants)であり、この系では同種移植拒絶反応は発現しない。縦軸は非空腹時血糖値、横軸は移植後日数を示す。生理食塩液投与群の空腹時血糖値は上昇したままであることを示している。 ストレプトゾトシン誘発I型糖尿病マウスに対する同種同系膵島移植におけるトロンボモジュリン(TMD123)投与群(N=5)の術後血糖値の推移を示す図である。ストレプトゾトシン誘発I型糖尿病マウスに、同種同系マウス(C57BL/6)から単離した膵島200個を、経門脈的肝内移植したもの。同系移植(Syngenic Transplants)であり、この系では同種移植拒絶反応は発現しない。縦軸は非空腹時血糖値、横軸は移植後日数を示す。TMD123(10mg/kg)、移植直前、12時間、24時間後の3回投与によって、移植後の血糖値が正常化することを示している。

Claims (8)

  1. トロンボモジュリンを有効成分とする薬剤であって、該薬剤が膵島移植を受ける糖尿病患者及び/又は膵島移植を受けた糖尿病患者に投与され、膵島移植後の血糖値を正常化するための該薬剤。
  2. 該トロンボモジュリンが可溶性トロンボモジュリンである請求項1に記載の薬剤。
  3. 該トロンボモジュリンが、配列番号9又は配列番号11に記載のアミノ酸配列をコードするDNAを宿主細胞にトランスフェクトして調製された形質転換細胞より取得されるペプチドである、請求項1又は2に記載の薬剤。
  4. 該トロンボモジュリンが、配列番号9もしくは配列番号11のそれぞれにおける第19〜516位の配列を有するペプチド、又は前記ペプチドのアミノ酸配列の1つ又は複数のアミノ酸が置換、欠失、又は付加されたアミノ酸配列を有しトロンボモジュリン活性を有するペプチドのいずれかである請求項1〜3のいずれかに記載の薬剤。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の薬剤と免疫抑制剤とを組み合わせてなる薬剤であって、該薬剤が膵島移植を受ける糖尿病患者及び/又は膵島移植を受けた糖尿病患者に投与され、膵島移植後の血糖値を正常化するための該薬剤。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の薬剤、免疫抑制剤、及び糖尿病治療薬とを組み合わせてなる薬剤であって、該薬剤が膵島移植を受ける糖尿病患者及び/又は膵島移植を受けた糖尿病患者に投与され、膵島移植後の血糖値を正常化するための該薬剤。
  7. 膵島移植を受ける糖尿病患者が、I型糖尿病患者である、請求項1〜6のいずれかに記載の薬剤。
  8. トロンボモジュリンを有効成分とする薬剤であって、該薬剤が膵島移植を受ける糖尿病患者及び/又は膵島移植を受けた糖尿病患者に投与されることにより糖尿病を治療及び/又は改善するための該薬剤。
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