しかしながら、テープ状の印刷媒体に文字等を印刷する印刷装置に、特許文献1のような糊転写テープによる糊付け方法を用いると、印刷内容に応じてテープの幅が変更された場合に、糊転写テープの幅が適合せず、交換しなければならない場合があった。そうすると、少量のみの印刷を行いたい場合であっても、幅の異なる糊転写テープを複数種用意する必要があるという問題があった。また、液体状の糊をスポンジで塗りつける方法では、スポンジでシートを押圧するため、シートの搬送に不具合が生じる虞があった。また、噴霧による方法では、糊の付着がまばらになってしまう虞があった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、テープ幅の変動にかかわらず、テープの搬送途上において均質な粘着層を形成することができる印刷装置、粘着剤カセット、およびテープカセットを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明の印刷装置は、印刷媒体であるテープに文字、数字、記号等の表記記号を印刷する印刷手段と、前記テープを搬送するための駆動力を発生する駆動手段と、前記駆動手段から伝達された前記駆動力により、前記テープを前記印刷手段を経由して搬送するテープ搬送手段とを備えた印刷装置であって、前記テープ搬送手段は、前記テープの搬送経路上の前記印刷手段よりも終端側に設けられ、前記テープに当接して前記テープの表面に粘着層を形成するローラを有する粘着層形成手段を備えたことを特徴とする。
また、請求項2に係る発明の印刷装置では、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記粘着層形成手段は、液体の粘着剤を貯留する粘着剤貯留手段をさらに備え、前記ローラは、回転軸および前記回転軸の周囲に円柱状に形成された吸湿材からなり、一部が前記粘着剤貯留層に貯留された前記粘着剤に浸されていることを特徴とする。
また、請求項3に係る発明の印刷装置では、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記ローラは、回転軸および前記回転軸の周囲に円柱状に形成された固体の粘着剤からなり、前記粘着層形成手段が、前記粘着剤の消費量に応じて、前記ローラが前記テープに当接する位置に前記回転軸を移動させるローラ移動手段をさらに備えたことを特徴とする。
また、請求項4に係る発明の印刷装置では、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記粘着層形成手段は、前記駆動手段により回転駆動される駆動軸と、前記ローラおよび前記駆動軸に環状に掛け渡され、前記駆動軸の回転駆動にともなって周回する吸湿材からなるベルトと、前記ベルトの周回経路上に設けられた液体の粘着剤を貯留する粘着剤貯留手段とをさらに備えたことを特徴とする。
また、請求項5に係る発明の印刷装置では、請求項1〜4のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記粘着層形成手段は、前記印刷装置から着脱可能に構成されていることを特徴とする。
また、請求項6に係る発明の印刷装置は、請求項1〜5のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記搬送経路の終端付近において前記テープを切断する切断手段をさらに備えたことを特徴とする。
さらに、請求項7に係る発明の粘着剤カセットは、印刷媒体であるテープに文字、数字、記号等の表記記号を印刷する印刷手段と、前記テープを搬送するための駆動力を発生する駆動手段と、前記駆動手段から伝達された前記駆動力により、前記テープを前記印刷手段を経由して搬送するテープ搬送手段とを備えた印刷装置に使用される粘着剤カセットであって、前記印刷装置から着脱可能に構成され、前記印刷装置に装着したときに前記テープの搬送経路上の前記印刷手段よりも終端側に位置し、前記テープ搬送手段の一部を構成するとともに、前記テープに当接して前記テープの表面に粘着層を形成するローラを備えたことを特徴とする。
また、請求項8に係る発明の粘着剤カセットは、請求項7に記載の発明の構成に加え、液体の粘着剤を貯留する粘着剤貯留手段をさらに備え、前記ローラは、回転軸および前記回転軸の周囲に円柱状に形成された吸湿材からなり、一部が前記粘着剤貯留層に貯留された前記粘着剤に浸されていることを特徴とする。
また、請求項9に係る発明の粘着剤カセットは、請求項7に記載の発明の構成に加え、前記ローラは、回転軸および前記回転軸の周囲に円柱状に形成された固体の粘着剤からなり、前記粘着剤の消費量に応じて、前記ローラが前記テープに当接する位置に前記回転軸を移動させるローラ移動手段をさらに備えたことを特徴とする。
また、請求項10に係る発明の粘着剤カセットは、請求項7に記載の発明の構成に加え、前記駆動手段により回転駆動される駆動軸と、前記ローラおよび前記駆動軸に環状に掛け渡され、前記駆動軸の回転駆動にともなって周回する吸湿材からなるベルトと、前記ベルトの周回経路上に設けられた液体の粘着剤を貯留する粘着剤貯留手段とをさらに備えたことを特徴とする。
さらに、請求項11に係る発明のテープカセットは、印刷媒体であるテープに文字、数字、記号等の表記記号を印刷する印刷手段と、前記テープを搬送するための駆動力を発生する駆動手段と、前記駆動手段から伝達された前記駆動力により、前記テープを前記印刷手段を経由して搬送するテープ搬送手段とを備えた印刷装置に使用され、前記テープが収納されて前記印刷装置のカセット収納部に着脱可能なテープカセットであって、前記カセット収納部に装着されたときに前記テープの搬送経路上の前記印刷手段よりも終端側に位置し、前記テープ搬送手段の一部を構成するとともに、前記テープに当接して前記テープの表面に粘着層を形成するローラを有する粘着剤カセットを備えたことを特徴とする。
また、請求項12に係る発明のテープカセットは、請求項11に記載の発明の構成に加え、前記粘着剤カセットは、液体の粘着剤を貯留する粘着剤貯留手段をさらに備え、前記ローラは、回転軸および前記回転軸の周囲に円柱状に形成された吸湿材からなり、一部が前記粘着剤貯留層に貯留された前記粘着剤に浸されていることを特徴とする。
また、請求項13に係る発明のテープカセットは、請求項11に記載の発明の構成に加え、前記ローラは、回転軸および前記回転軸の周囲に円柱状に形成された固体の粘着剤からなり、前記粘着剤の消費量に応じて、前記ローラが前記テープに当接する位置に前記回転軸を移動させるローラ移動手段をさらに備えたことを特徴とする。
また、請求項14に係る発明のテープカセットは、請求項11に記載の発明の構成に加え、前記粘着剤カセットは、前記駆動手段により回転駆動される駆動軸と、前記ローラおよび前記駆動軸に環状に掛け渡され、前記駆動軸の回転駆動にともなって周回する吸湿材からなるベルトと、前記ベルトの周回経路上に設けられた液体の粘着剤を貯留する粘着剤貯留手段とをさらに備えたことを特徴とする。
また、請求項15に係る発明のテープカセットは、請求項11〜14のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記粘着剤カセットは、前記テープカセットから着脱可能に構成されていることを特徴とする。
請求項1に係る発明の印刷装置では、印刷媒体であるテープを搬送する搬送手段が、テープの表面に粘着層を形成するローラを有する粘着層形成手段を備えている。したがって、一定の力が加えられたローラの回転により、テープの搬送を行いながら、均質な粘着層をテープ表面にムラなく形成することができる。また、ローラの幅を予め想定されるテープの幅の最大値よりも広くしておけば、どのようなテープ幅のテープにも確実に粘着層を形成することができる。さらに、テープの搬送経路上の印刷手段よりも終端側で粘着層を形成するため、テープが印刷装置内を搬送される途上で、粘着剤が随所に付着してしまう不都合を極力回避することができる。また、両面テープ等のあらかじめ粘着層が形成されたテープを用意する場合に比べ、安価に粘着層付テープを作成することができる。
また、請求項2に係る発明の印刷装置では、粘着層形成手段は、液体の粘着剤を貯留する粘着剤貯留手段をさらに備え、円柱状の吸湿材からなる回転ローラの一部が粘着剤に浸されている。したがって、ローラは液体の粘着剤が全体に充填された状態になるため、請求項1に記載の発明の効果に加え、どのような幅のテープにも、液体粘着剤を均質に塗布することができる。また、ローラが回転して液体粘着剤中を循環するため、何度でも同じ塗布部を使用できて経済的である。
また、請求項3に係る発明の印刷装置では、円柱状の回転ローラが固体の粘着剤から構成されているため、請求項1に記載の発明の効果に加え、乾燥に強く、取り扱いの容易な粘着層形成手段を構成することができる。
また、請求項4に係る発明の印刷装置は、駆動手段により回転駆動される駆動軸とローラとに環状に掛け渡され、駆動軸の回転駆動にともなって周回する吸湿材からなるベルトと、ベルトの周回経路上に設けられた液体の粘着剤を貯留する粘着剤貯留手段をさらに備えている。すなわち、ベルトが周回途上で粘着剤貯留手段を通過する際にベルトに液体粘着剤が含浸し、その後ベルトがローラとテープの間を周回することで、粘着剤がテープ表面に塗布される。この構成によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、貯留する粘着剤を少量としながら、効率よく粘着層を形成することが可能である。また、ベルトが周回して液体粘着剤中を循環するため、何度でも同じ塗布部を使用できて経済的である。
また、請求項5に係る印刷装置では、粘着層形成手段が前記印刷装置から着脱可能に構成されているため、請求項1〜4のいずれかに記載の発明の効果に加え、粘着層形成手段を交換することにより、所望の粘着強度を有する粘着層を形成することができる。また、粘着剤が消耗される毎に、粘着層形成手段のみを交換すればよいため、経済的なメリットも大きい。
また、請求項6に係る発明の印刷装置は、テープ搬送経路の終端付近、すなわち粘着層形成手段のすぐ後に、テープを切断する切断手段をさらに備えている。したがって、請求項1〜5のいずれかに記載の発明の効果に加え、粘着層形成後にテープを必要な長さに切断して、ラベルや付箋紙等としてすぐに使用することができるため、便利である。
また、請求項7に係る発明の粘着剤カセットは、テープ用印刷装置から着脱可能に構成されているため、粘着剤カセットを交換することにより、所望の粘着強度を有する粘着層を形成することができる。また、粘着剤が消耗される毎に、粘着剤カセットのみを交換すればよいため、経済的なメリットも大きい。また、この粘着剤カセットは、印刷装置に装着したときにテープ搬送手段の一部を構成するとともに、テープに当接してテープ表面に粘着層を形成するローラを備えている。したがって、印刷装置への装着時には、一定の力が加えられたローラの回転によってテープの搬送を行いながら、所望の粘着強度を有する粘着層をテープ表面にムラなく形成することができる。また、ローラの幅を予め想定されるテープの幅の最大値よりも広くしておけば、どのようなテープ幅の印字テープにも確実に粘着層を形成することができる。さらに、テープの搬送経路上の印刷手段よりも終端側で粘着層を形成することができるため、テープが印刷装置内を搬送される途上で、粘着剤が随所に付着してしまう不都合を極力回避することができる。また、両面テープ等のあらかじめ粘着層が形成されたテープを用意する場合に比べ、安価に粘着層付テープを作成することができる。
また、請求項8に係る発明の粘着剤カセットは、液体の粘着剤を貯留する粘着剤貯留手段をさらに備え、円柱状の吸湿材からなる回転ローラの一部が粘着剤に浸されている。したがって、ローラは液体の粘着剤が全体に充填された状態になるため、請求項7に記載の発明の効果に加え、どのような幅のテープにも、液体粘着剤を均質に塗布することができる。また、ローラが回転して液体粘着剤中を循環するため、何度でも同じ塗布部を使用できて経済的である。
また、請求項9に係る発明の粘着剤カセットでは、円柱状の回転ローラが固体の粘着剤から構成されているため、請求項7に記載の発明の効果に加え、乾燥に強く、取り扱いの容易な粘着剤カセットを構成することができる。
また、請求項10に係る発明の粘着剤カセットは、駆動手段により回転駆動される駆動軸とローラとに環状に掛け渡され、駆動軸の回転駆動にともなって周回する吸湿材からなるベルトと、ベルトの周回経路上に設けられた液体の粘着剤を貯留する粘着剤貯留手段をさらに備えている。すなわち、ベルトが周回途上で粘着剤貯留手段を通過する際にベルトに液体粘着剤が含浸し、その後ベルトがローラとテープの間を周回することで、粘着剤がテープ表面に塗布される。この構成によれば、請求項7に記載の発明の効果に加え、貯留する粘着剤を少量としながら、効率よく粘着層を形成することが可能である。また、ベルトが周回して液体粘着剤中を循環するため、何度でも同じ塗布部を使用できて経済的である。
さらに、請求項11に係る発明のテープカセットは、テープ用印刷装置に着脱可能であって、テープカセットが印刷装置に装着されたときにテープ搬送手段の一部を構成するとともに、テープに当接してテープ表面に粘着層を形成するローラを有する粘着剤カセットを備えている。したがって、テープカセットの印刷装置への装着時には、一定の力が加えられたローラの回転によってテープの搬送を行いながら、所望の粘着強度を有する粘着層をテープ表面にムラなく形成することができる。また、ローラの幅を予め想定されるテープの幅の最大値よりも広くしておけば、どのようなテープ幅の印字テープにも確実に粘着層を形成することができる。さらに、テープの搬送経路上の印刷手段よりも終端側で粘着層を形成することができるため、テープが印刷装置内を搬送される途上で、粘着剤が随所に付着してしまう不都合を極力回避することができる。また、両面テープ等のあらかじめ粘着層が形成されたテープを用意する場合に比べ、安価に粘着層付テープを作成することができる。
また、請求項12に係る発明のテープカセットでは、粘着剤カセットは、液体の粘着剤を貯留する粘着剤貯留手段をさらに備え、円柱状の吸湿材からなる回転ローラの一部が粘着剤に浸されている。したがって、ローラは液体の粘着剤が全体に充填された状態になるため、請求項11に記載の発明の効果に加え、どのような幅のテープにも、液体粘着剤を均質に塗布することができる。また、ローラが回転して液体粘着剤中を循環するため、何度でも同じ塗布部を使用できて経済的である。
また、請求項13に係る発明のテープカセットでは、粘着剤カセットの有する円柱状の回転ローラが固体の粘着剤から構成されているため、請求項11に記載の発明の効果に加え、乾燥に強く、取り扱いの容易な粘着剤カセットを構成することができる。
また、請求項14に係る発明のテープカセットでは、粘着剤カセットは、駆動手段により回転駆動される駆動軸とローラとに環状に掛け渡され、駆動軸の回転駆動にともなって周回する吸湿材からなるベルトと、ベルトの周回経路上に設けられた液体の粘着剤を貯留する粘着剤貯留手段をさらに備えている。すなわち、ベルトが周回途上で粘着剤貯留手段を通過する際にベルトに液体粘着剤が含浸し、その後ベルトがローラとテープの間を周回することで、粘着剤がテープ表面に塗布される。この構成によれば、請求項11に記載の発明の効果に加え、貯留する粘着剤を少量としながら、効率よく粘着層を形成することが可能である。また、ベルトが周回して液体粘着剤中を循環するため、何度でも同じ塗布部を使用できて経済的である。
また、請求項15に係る発明のテープカセットでは、粘着剤カセットは、テープカセットから着脱可能に構成されている。したがって、請求項11〜14のいずれかに記載の発明の効果に加え、粘着剤カセットを交換することにより、テープに所望の粘着強度を有する粘着層を形成することができる。また、粘着剤が消耗される毎に、粘着剤カセットのみを交換すればよいため、経済的なメリットも大きい。
以下、本発明を具体化した実施の形態の一つであるテープ印刷装置1について、図面を参照して説明する。なお、参照する図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものであり、記載されている装置の構成などは、特に特定的な記載がない限り、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
まず、図1および図2を参照して、テープ印刷装置1の概略構成について説明する。図1は、テープ印刷装置1のテープカセット収納部10の蓋を取り去った状態の概略構成を示す平面図である。図2は、テープカセット20が装着された状態のテープカセット収納部10の概略構成を示す模式断面図である。
図1に示すように、テープ印刷装置1は、後述するテープカセット20(図2参照)を収納する凹部であるテープカセット収納部10をケース15上面の後部左側(図中左上部)に備え、ケース15上面の前部(図中下部)には、文字、数字、記号等を入力するための複数の文字キー2や、印刷実行等の各種の機能キー3が配列されたキーボード5を備えている。さらに、テープ印刷装置1は、テープカセット収納部10とキーボード5との間に、キーボード5で入力された文字が表示される液晶ディスプレイ7を備えている。また、ケース15上面のテープカセット収納部10の左側には、印字テープ32を外部へ排出するための排出口85が設けられている。
テープカセット収納部10には、後述するパルスモータ108(図3参照)により回転駆動され、テープカセット20のリボン巻取りスプール42(図2参照)を回動させてインクリボン43を巻き取るリボン巻取り軸45がテープカセット収納部10の底面から垂直方向に立設されている。また、テープカセット収納部10においてリボン巻取り軸45の左側寄りの前方(キーボード5側)には、パルスモータ108から適宜の伝達機構を介して回転駆動され、後述するテープ送りローラ71を回動させるテープ送りローラ軸75がテープカセット収納部10の底面から垂直方向に立設されている。また、テープカセット収納部10の前方には、インクリボン43を介して印字テープ32に印刷を行うサーマルヘッド11が設けられており、サーマルヘッド11に対向して、ローラホルダ50が設けられている。
図2に示すように、ローラホルダ50は、ホルダ部材51と、テープカセット収納部10からテープカセット収納部10の底面から垂直方向に立設され、ホルダ部材51を回動可能に支持する支持軸52と、軸54によって回転可能にホルダ部材51に支持されたプラテンローラ53とから構成されている。このローラホルダ50は、図示外の手動の切換え機構によって、印刷位置とリリース位置とに切換えることができる。なお、図1および図2は、いずれも印刷位置にあるローラホルダ50を示している。印刷位置において、プラテンローラ53はサーマルヘッド11に圧接された状態となる。
また、テープカセット収納部10において、テープカセット20から供給された印字テープ32が搬送されるテープ搬送経路の終端付近(テープカセット20の左下隅が配置される付近)には、2つの可動刃81、82からなるカッタ80が配設されている。可動刃81、82は、後述するDCモータ109により適宜の伝達機構を介して図中上下方向に開閉され、印刷が終了してテープカセット20の外部に送出された印字テープ32を切断するものである。
さらに、テープカセット収納部10には、後述するテープカセット20のテープカセット収納部10に当接する面(テープカセット0の底面)に各々当接して支持する支持ピン151、152、153が、テープカセット収納部10の底面から垂直方向に各々突設されている。これらの支持ピン151、152、153は、テープカセット20をテープカセット収納部10内の適切な位置で安定的に支持するためのものである。この点については、後に詳述する。
なお、テープカセット収納部10は、テープ印刷装置1の後方に回動可能に支持された図示外の収納カバーにより開閉され、図1のような収納カバーの開状態で、後述するテープカセット20や糊カセット60の交換が行われる。
次に、図2を参照して、テープカセット20の概略構成について説明する。テープカセット20は、各構成部材を収容する上ケース(図示外)と下ケース21から略直方体形状に形成され、図2に示すように、テープカセット20の前部(図中下部)には、凹部23が設けられている。凹部23には、テープカセット20をテープ印刷装置1に装着したときにサーマルヘッド11が配置される。また、凹部23の右側の壁部には、印字テープ32が通過する開口部25が設けられている。また、凹部23の左側は係止部91を有する糊カセット装着部90であり、後述する糊カセット60が係止部91を介して連結される。
テープカセット20の後部(図中上部)には、印字テープ32を巻回したテープスプール31が配置されている。なお、本実施形態では、後述するように、印字テープ32に所望の文字等の印刷が行われた後に粘着層が形成されるため、テープスプール31に巻回された印字テープ32は粘着層を有しないものである。また、テープスプール31の右寄りの前部(図中右下部)には、インクリボン43を巻回したリボンスプール41が配置されている。さらに、テープスプール31の左側には、リボンスプール41からインクリボン43を引き出すとともに、文字等の印刷で消費されたインクリボン43を巻き取るリボン巻取りスプール42が配置されている。これらのスプール31、41、42はそれぞれ、上ケースと下ケース21とに設けられた支持孔(図示外)の協働によって、回動可能に支持されている。なお、リボン巻取りスプール42には、前述したリボン巻取り軸45が噛合され、リボン巻取り軸45の回転駆動により、インクリボン43の引き出しおよび巻取りが行われる。
また、テープカセット20の凹部23の左側の糊カセット装着部90内には、後述する糊ローラ62との協働により、印字テープ32を搬送するテープ送りローラ71が設けられている。テープ送りローラ71には、前述のテープ印刷装置1のテープカセット収納部10から立設されたテープ送りローラ軸75が噛合されている。テープ送りローラ軸75が回転駆動されるとテープ送りローラ71が回転し、後述する糊ローラ62と協働して、印字テープ32を搬送する。なお、糊カセット装着部90の詳細については後述する。
さらに、テープ印刷装置1に装着されるテープカセット20のうち、最も幅が狭いテープカセット20以外の底面には、テープカセット20がテープカセット収納部10に装着された際、前述の支持ピン151、152、153が当接する位置に、テープカセット20の内部方向に凹んだ調整支持穴201、202、203が設けられている。これらの支持調整穴201、202、203は、前述の支持ピン151、152、153と協働してテープカセット20をテープカセット収納部10内で適切な位置に安定的に支持するためのものであり、テープカセット20の幅が広いものほど深く形成されている。この点については、後に詳述する。なお、テープカセット20および糊カセット60の「幅」とは、テープカセット20および糊カセット60がテープカセット収納部10に装着された際、テープカセット収納部10の底面に直交する方向(図2の紙面に対して垂直方向)の長さをいうものとする。
次に、図2を参照して、テープカセット20に連結される糊カセット60の概略構成について説明する。糊カセット60は、一面が開放された箱形状を有するケース61と、ケース61に糊ローラ軸63により回転可能に支持された糊ローラ62を構成の主体とする。なお、本実施形態の糊ローラ62は、固体の粘着剤を糊ローラ軸63のまわりに円柱状に形成したものである。糊カセット60は、テープカセット20の係止部91に連結され、糊ローラ62がテープ送りローラ71に圧接され、回転駆動されることにより、テープ送りローラ71と協働して印字テープ32を搬送するとともに、印字テープ32に粘着剤を塗布し、印字テープ32の表面に粘着層を形成するものである。なお、糊カセット60の詳細については後述する。
次に、図3を参照して、テープ印刷装置1の制御系の電気的構成について説明する。図3は、テープ印刷装置1の電気的構成を示すブロック図である。
図3に示すように、テープ印刷装置1の制御系は、制御装置であるCPU101を核として構成されており、CPU101には、ROM102、RAM103、CGROM114、キーボード5、液晶ディスプレイ駆動回路104、パルスモータ駆動回路105、DCモータ駆動回路106およびサーマルヘッド駆動回路107が接続されている。
CPU101は、ROM102に予め格納されたプログラムを読み出して実行することにより、テープ印刷装置1全体の制御を司る。ROM102には、テープ印刷装置1の制御上必要な各種のプログラムが格納されている。RAM103には、キーボード5から入力された文字等のコードデータが文書データとして記憶されるテキストバッファ、複数の文字の印刷用ドットパターンや各ドットの形成エネルギ量である印加パルス数等が印刷用データとして記憶されるプリントバッファ、その他、各種処理の際使用する各種データを一時的に記憶する複数の記憶領域が設けられている。CGROM114は、多数の文字の各々に関して、表示のためのドットパターンデータをコードデータに対応させて格納するものである。
液晶ディスプレイ駆動回路104には液晶ディスプレイ7が接続されており、CPU101は、ROM102に記憶されたプログラムに従って液晶ディスプレイ駆動回路104を駆動し、キーボード5を介して入力された文字等を表示させる。また、パルスモータ駆動回路105にはパルスモータ108が接続されており、CPU101は、ROM102に記憶されたプログラムに従ってパルスモータ駆動回路105を駆動してパルスモータ108を制御することにより、印字テープ32の送り制御およびインクリボン43の巻取り制御を行う。同様に、DCモータ駆動回路106にはDCモータ109が接続されており、CPU101は、ROM102に記憶されたプログラムに従ってDCモータ駆動回路106を駆動してDCモータ109を制御することにより、カッタ80によるテープ切断制御を行う。さらに、サーマルヘッド駆動回路107にはサーマルヘッド11が接続されており、CPU101は、ROM102に記憶されたプログラムに従ってサーマルヘッド駆動回路107を駆動し、サーマルヘッド11によりプリントバッファに記憶された印刷用データに基づいて印刷を行う。
次に、図4を参照して、糊カセット装着部90の詳細について説明する。図4は、糊カセット装着部90の斜視図である。図4に示すように、テープカセット20の凹部23左側の突出部分は、糊カセット装着部90である。糊カセット装着部90の長方形状の前面94(図2において糊カセット60に対向する面)には、一回り小さい長方形状の開口部95が設けられており、テープ送りローラ71は、開口部95と同一平面上に回転面が接する位置に、テープ送りローラ軸75によって軸支されている。また、前面94の四隅には、脚部91A、ツメ部91B、および台座部91Cからなる係止部91がそれぞれ立設されており、凹部23の右側にある開口部25から導出された印字テープ32は、サーマルヘッド11とプラテンローラ53(図2参照)の間を経て、係止部91の間を搬送される。台座部91Cは、前面94からわずかに突出する略直方体形状の凸部であって、後述するように、糊カセット装着部90に糊カセット60が装着されたときに、両者の間に間隙を設けつつ係止させるストッパの役割を有する。脚部91Aは、台座部91Cから前面94の垂直方向に突出し、印字テープ32の搬送方向と直交する方向に沿って弾性変形が可能に構成されている。また、印字テープ32の搬送方向と直交する方向に沿って並ぶ一対の係止部91において、ツメ部91Bの向きは、テープカセット20が幅狭テープ(例えば、12mm、18mm)用か幅広テープ(例えば、24mm、36mm)用かによって、互いに逆向きに脚部91Aから突出する場合(図4)と、互いに相対する方向に突出する場合(図8)がある。
次に、図5〜図7を参照して、糊カセット60の詳細について説明する。図5は、糊カセット60の斜視図である。図6は、図5におけるA−A矢視断面図である。図7は、図5におけるB−B矢視断面図である。なお、図5において、矢印Cは、糊カセット60が糊カセット装着部90に連結されるときの方向を示し、矢印Dは、印字テープ32の搬送方向を示している。以下の糊カセット60に関する説明では、矢印Cの向かう方向を上方向というものとする。
図5〜図7に示すように、糊カセット60のケース61は、一面が開放された箱形状に形成されており、円柱形状の固体粘着剤である糊ローラ62が、糊ローラ軸63により支持されてケース61内のローラ収容部65に収容されている。糊ローラ軸63は印字テープ32の搬送方向Dに直交するように配置されており、糊ローラ62の回転面621は搬送方向Dに沿って回転する。図5に示すように、ケース61の糊カセット装着部90に対向する面(上面)には、印字テープ32の搬送方向Dにおいて上流側と下流側の各辺に沿って、それぞれ4つのツメ穴61A、61Bが一列に並んだ状態で形成されている。後述するが、4つのツメ穴61A、61Bうち外側の2つであるツメ穴61Aは幅広テープ(例えば、24mm、36mm)用のテープカセット20に連結する場合に使用されるツメ穴であり、内側の2つであるツメ穴61Bは幅狭テープ(例えば、12mm、18mm)用のテープカセット20に連結する場合に使用されるツメ穴である。なお、糊カセット装着部90への連結方法については後述する。
また、図6に示すように、ケース61内部の糊ローラ軸63の両端が配置される面の一部には、糊カセット60の上下方向に沿って、軸受け溝64が形成されている。そして、図6および図7に示すように、ケース61の印字テープ32の搬送方向Dの上流側に位置する面には、糊ローラ62とケース61との間隙分の幅を有する断面略L字状の一対の板バネ67が、糊ローラ62を挟むように2箇所に固定されている。L字状に曲げられた板バネ67の短い方の部分である固定部67Aが曲げ位置を上にしてケース61に固定され、長い方の部分である付勢部67Bが、板バネ67の有する弾性力により、糊ローラ軸63を上方に向かって付勢している。したがって、糊ローラ62の回転面621の一部は、通常、ケース61の上面よりも突出した状態となる。前述したように、糊ローラ62は円柱状の固体粘着剤であるため、印字テープ32に粘着剤を塗布するのに伴って消耗され、徐々に細くなっていく。したがって、糊ローラ軸63の位置を固定してしまうと、やがてテープ送りローラ71に糊ローラ62を圧接することができなくなってしまう。そこで、本実施形態では、軸受け溝64と板バネ67とを設けることにより、固体粘着剤が消耗されて糊ローラ72が細くなった場合でも、板バネ67によって糊ローラ軸63を上方に押し上げて、常にテープ送りローラ71に糊ローラ62が圧接された状態になるように構成されている。これにより、糊ローラ62がテープ送りローラ71と協働して、印字テープ32を搬送することができる。
次に、図8および図9を参照して、糊カセット60の糊カセット装着部90への連結方法について説明する。図8は、テープ幅が広い場合の糊カセット装着部90と糊カセット60との連結方法を説明する説明図である。図9は、テープ幅が狭い場合の糊カセット装着部90と糊カセット60との連結方法を説明する説明図である。
幅が広い印字テープ32(テープ幅=W1:例えば、24mm、36mm)を備えたテープカセット20の場合、テープ幅W1に応じて、糊カセット装着部90の幅も広くなる。この場合、係止部91の脚部91Aをツメ部91Bの突出方向とは反対の方向(互いに外側方向)に撓ませて、図8に示すように、係止部91を糊カセット60の上面に設けられたツメ穴61A、61Bのうち、幅広テープ用のツメ穴61Aに挿入する。挿入後には、脚部91Aが弾性応力によって元の状態に復帰してツメ部91Bがケース61に係止する。このようにして、糊カセット60を糊カセット装着部90に連結することができる。なお、係止部91の脚部91Aは、ツメ穴61A、61Bの深さよりもわずかに長く形成されており、かつ、台座部91Cの高さが両者の差異に等しく形成されている。したがって、連結時には台座部91Cがケース61の上面側の端に当接することにより、ストッパとして糊カセット装着部90と糊カセット60とがそれ以上接近することを防ぎ、両者の間に間隙900が形成される。その結果、この間隙900を印字テープ32が通過することができる。糊カセット60をテープカセット20から取り外す場合は、テープカセット20を糊カセット60と反対方向に引けばよい。すると、脚部91Aの間が弾性変形によって広がり、ツメ部91Bの係止が解除されるため、糊カセット60を取り外すことができる。一方、図9に示すように幅が狭い印字テープ(テープ幅=W2<W1、W2:例えば、12mm、18mm)の場合にも、同様にして、幅狭テープ用のツメ穴61Bに係止部91を挿入することにより、糊カセット60を糊カセット装着部90に連結することができる。このように、糊カセット60の糊ローラ62の幅を、想定されるテープカセット20幅の最大値よりも広く構成しておけば、どのような幅のテープカセット20にも対応させることができる。なお、図8および図9に示すように、テープカセット20と糊カセット60とは、テープカセット20の幅にかかわらず、幅方向の中心位置が一致するように連結される。糊ローラ62はテープ送りローラ71の回転に伴って回転するため、このように構成することにより、テープ送りローラ71から糊ローラ62に伝達される回転力の分布を均一にすることができる。
次に、図10および図11を参照して、支持ピン151、152、153によるテープカセット20の支持について説明する。図10は、最も幅の狭いテープカセット20が装着された際に、図2においてカッタ80付近からテープ搬送方向上流側を見た場合の側面図である。図11は、最も幅の広いテープカセット20が装着された際に、図2においてカッタ80付近からテープ搬送方向上流側を見た場合の側面図である。なお、図中、カッタ80の図示は省略されている。
テープ印刷装置1には、テープ幅が12mm、18mm、24mm、36mmの4種類の印字テープ32に対応したテープカセット20が装着可能である。すなわち、テープカセット20の幅は、ユーザの所望に応じて変動する。一方、後述する糊カセット60の幅は一定である。前述したように、テープカセット20と糊カセット60とは常に幅方向の中心位置が一致するように連結されるので、例えば、最も幅が狭い12mmテープ用のテープカセット20に糊カセット60が連結された状態でテープカセット収納部10に装着されると、図10に示すように、テープカセット20はテープカセット収納部10の底面から浮いた状態となる。そこで、テープカセット収納部10の底面に立設された前述の支持ピン151、152、153によって、テープカセット20を適切な位置に安定的に保持するのである。最も幅が狭い12mmテープ用のテープカセット20の場合に、テープカセット20の底面とテープカセット収納部10の底面との距離が最も長くなるため、支持ピン151、152、153の長さは、このときの長さに設定されている。なお、前述したように、12mmテープ用のテープカセット20には支持調整穴201、202、203は設けられていないため、この場合、支持ピン151、152、153は、平面状のテープカセット20の底面に当接し、テープカセット20を支持する。
一方、最も幅が広い36mmテープ用のテープカセット20の場合、図11に示すように、テープカセット20と糊カセット60の幅とが一致する。よって、テープカセット収納部10への装着時には、テープカセット20はテープカセット収納部10の底面から浮いた状態となることはなく、テープカセット20の底面がテープカセット収納部10の底面に当接する。すなわち、支持ピン151、152、153がテープカセット20を支持する必要はない。そこで、36mmテープ用のテープカセット20には、支持ピン151、152、153が完全に挿入される大きさの支持調整穴201、202、203が設けられている。また、図示しないが、テープ幅が18mmおよび24mmの印字テープ32に対応するテープカセット20には、それぞれ支持ピン151、152、153の長さと、テープカセット収納部10への装着時のテープカセット収納部10底面との距離との差に応じた深さの支持調整穴201、202、203が設けられている。これにより、テープカセット20がテープカセット収納部10の底面から浮いた状態であっても、支持ピン151、152、153によってテープカセット20を安定的に保持することができる。
次に、図2を参照して、以上のように構成されたテープ印刷装置1の動作について説明する。テープ印刷装置1に電源が投入され、印刷対象である文字等がキーボード5から入力された後に、キーボード5において印刷実行を指示する機能キー3が押下げられると、CPU101は、ROM102に記憶された印刷制御プログラムに基づいてパルスモータ駆動回路105を駆動制御する。すると、パルスモータ108が駆動され、伝達機構を介してリボン巻き取り軸45とテープ送りローラ軸75とをそれぞれ回転させる。リボン巻取り軸45の回転駆動により、リボン巻取りスプール42が回転され、リボンスプール41からインクリボン43を引き出す。インクリボン43は、案内ローラを経てテープカセット20の凹部23の右側に形成された開口部25からテープカセット20の外部へ導出される。そして、CPU101によりサーマルヘッド駆動回路107を介して駆動制御されるサーマルヘッド11によって印刷に用いられた後、案内ローラを経て、テープカセット20内のリボン巻取りスプール42に巻き取られていく。
一方、パルスモータ108によってテープ送りローラ軸75が回転駆動され、テープ送りローラ71が回転されると、テープ送りローラ71に圧接された糊ローラ62もこれにあわせて回転され、両者が協働してテープスプール31から印字テープ32を引き出す。そして、引き出された印字テープ32は、適宜設けられた案内ローラを経て、開口部25からテープカセット20を出た後、サーマルヘッド11によって表面に文字等が印刷される。その後、テープ送りローラ軸75がさらに回転駆動され、印字テープ32は、テープ送りローラ71と糊ローラ62の回転により、糊カセット装着部90と糊カセット60の間の間隙900を通って搬送される。ここで、テープ送りローラ71と糊ローラ62の間に挟まれて搬送される際、固体粘着剤から形成された糊ローラ62によって、印字テープ32の表面に粘着剤が塗布される。そして、粘着剤が塗布された印刷済みの印字テープ32は、間隙900の直後に設置されたカッタ80により切断され、排出口85からテープ印刷装置1の外部へ排出される。なお、カッタ80は、CPU101により駆動制御されるDCモータ駆動回路106を介してDCモータ109によって作動される。
以上に説明したように、本実施形態のテープ印刷装置1は、テープカセット20に着脱が可能な糊カセット60の糊ローラ62によってテープ送りローラ71とともに印字テープ32の搬送を行いながら、印字テープ32表面への粘着剤を塗布することが可能である。糊ローラ62には、板バネ67によってローラ全体に一定の力が加えられるため、粘着剤をムラなく塗布することができる。そして、糊ローラ62は、テープ印刷装置1に装着される最も幅の広いテープカセット20にも対応可能な幅に構成されているため、どのような幅のテープカセット20が装着されても糊カセット60自体は交換する必要がなく、簡便に糊付きの印刷済み印字テープ32を作成することができる。また、糊ローラ62が消耗された場合には、糊カセット60のみを新しいものに交換すればよいため、経済的である。さらに、糊ローラ62は、固体粘着剤により形成されているため、乾燥に強く、取り扱いが容易である。
本実施形態において、テープ印刷装置1が、本発明の「印刷装置」に相当し、テープカセット20が「テープカセット」に相当する。また、サーマルヘッド11が「印刷手段」に相当し、パルスモータ108が「駆動手段」に相当し、テープ送りローラ71および糊ローラ62が「テープ搬送手段」に相当する。また、糊ローラ62が「ローラ」に相当し、糊カセット60が「粘着層形成手段」または「粘着剤カセット」に相当し、板バネ67が「ローラ移動手段」に相当する。さらに、カッタ80が「切断手段」に相当する。
<第2の実施形態>
次に、図12〜図16を参照して、本発明の第2の実施形態に係るテープ印刷装置について、第1の実施形態と異なる点を主として説明する。本実施形態に係るテープ印刷装置は、以下に詳述するように、第1の実施形態に係るテープ印刷装置1とは異なる構成の糊カセット装着部910、糊カセット610、およびローラホルダ510を有するものである。図12は、テープカセット210が装着された状態のテープカセット収納部10の概略構成を示す模式平面図である。図13は、糊カセット610の斜視図である。図14は、糊カセット装着部910、糊カセット610、およびローラホルダ510の連結構造を説明する斜視図である。図15は、幅狭テープ用のテープカセット210が装着された場合の図12におけるE−E矢視断面図である。図16は、幅広テープ用のテープカセット210が装着された場合の図12におけるE−E矢視断面図である。
図12に示すように、本実施形態では、糊カセット610は、テープカセット210の糊カセット装着部910に連結され、さらにローラホルダ510により一部が覆われるとともにローラホルダ510の線バネ515によって糊ローラ612がテープ送りローラ71に圧接されている。以下に、糊カセット装着部910、糊カセット610、およびローラホルダ510の詳細について説明する。
まず、糊カセット装着部910について説明する。図12および図14に示すように、テープカセット210の凹部23の左側に位置する糊カセット装着部910には、左右の側面(テープカセット210の左側面および凹部23の左側面)の下端部付近に、テープカセット210の幅方向中心まで延びるコの字型の嵌合溝921がそれぞれ形成されている。そして嵌合溝921の前方(糊カセット610に対向する方向)には、図14に示すように、左右両側にテープ案内部911が突設されている。テープ案内部911は印字テープ32を案内するもので、テープ案内突起912と、印字テープ32が挿入される細長のテープ案内孔913とからなる。テープ送りローラ71は、回転面が左右のテープ案内突起912、912間で印字テープ32に当接する位置になるように、テープ送りローラ軸75によって支持されている。
次に、糊カセット610について説明する。図12〜図14に示すように、糊カセット610のケース611の左右両側面の糊カセット装着部910に対向する側の端には、平面視L字型の嵌合突起621が設けられている。嵌合突起621の形状は、前述した糊カセット装着部910の嵌合溝921およびテープ案内突起912に嵌合するように構成されている。なお、図13に示すように、その長さは、糊カセット610の幅方向の半分の長さである。そして、各嵌合突起621の根元付近には、細長いテープ挿入孔618がそれぞれ設けられている。また、ケース611の糊ローラ軸613に直交する側面には、糊ローラ612の消耗度合いに応じて糊ローラ軸613をテープ送りローラ71の方向へ移動させるための軸受け孔614が設けられている。糊ローラ軸613は軸受け孔614から外側に突出し、ケース611内部に設けられた線バネ617によってケース611の底面方向に付勢されている。なお、線バネ617の構成は、後述するローラホルダ510の線バネ515と同様である。したがって、糊カセット610がテープカセット210に装着されていないときには、糊ローラ612はケース611内に収まっている。
次に、ローラホルダ510について説明する。図12および図14に示すように、ローラホルダ510は、断面視コの字型のホルダ部材511と、軸514によってホルダ部材511に支持されたプラテンローラ513を備え、支持軸512により印刷位置(図12の状態)とリリース位置に切換え可能な状態でテープカセット収納部10に軸支されている。さらに、ホルダ部材511の支持軸512が設けられているのとは反対側(図中左側)の一端に、後述するように糊ローラ軸613をテープ送りローラ71方向に押し付けるための線バネ515が設けられている。なお、線バネ515は、軸516を中心として巻きつけられ、一端が固定部517によりホルダ部材511の外側に固定されたもので、プラテンローラ513の軸514が連結された対向する2つの面にそれぞれ1つずつ設けられている。
以上のように構成された糊カセット装着部910、糊カセット610、およびローラホルダ510の連結方法について、図14〜図16を参照して説明する。まず、印字テープ32が開口部25から引き出された(ただしテープ案内孔913には挿通しない)テープカセット210に、糊カセット610を連結する。具体的には、図14に示すように、糊カセット610の嵌合突起621を糊カセット装着部910の嵌合溝921およびテープ案内突起912にあわせ、上方からスライドさせて嵌合させる。ここで、前述したように、糊カセット装着部910の嵌合溝921および糊カセット610の嵌合突起621は、それぞれ糊カセット装着部910および糊カセット610の幅方向の中心位置まで延びている。したがって、このとき、糊カセット装着部910および糊カセット610の幅方向の中心位置が一致するように両者が連結されることとなる。例えば、図15に示すように、最も幅が狭い12mmテープ用のテープカセット210の糊カセット装着部910に糊カセット610が連結された場合には、テープカセット210および糊カセット610の幅は一致しないため、糊カセット610の嵌合突起621がテープカセット210の嵌合溝921に一部嵌合した状態で連結される。一方、図16に示すように、最も幅が広い36mmテープ用のテープカセット210の場合には、テープカセット210および糊カセット610の幅が一致するため、両者の中心位置まで延びる嵌合突起621と嵌合溝921が完全に嵌合された状態で、連結される。糊カセット装着部910に糊カセット610を連結すると、糊カセット装着部90の左右のテープ案内孔913と糊カセット610の左右のテープ挿入孔618が重なり合うので、ここに開口部25から引き出された印字テープ32を挿入する。なお、この段階では、糊ローラ612は線バネ617の付勢力によって糊カセット610のケース611内に収まっており、糊ローラ612とテープ送りローラ71の間には間隙が存在するため、これらの干渉なく印字テープ32を左右のテープ案内孔913・テープ挿入孔618に挿通することができる。
糊カセット610をテープカセット210の糊カセット装着部910に連結した後、ローラホルダ510がリリース位置にある状態で、両者をテープカセット収納部10に装着する。なお、第1の実施形態において説明したように、テープカセット収納部10の底面には支持ピン151、152、153が設けられており、図15に示す場合のようにテープカセット210がテープカセット収納部10から浮いた状態になる場合にも、テープカセット210を適切な位置に保持する。テープカセット210および糊カセット610をテープカセット収納部10に装着した後、、リリース位置にあったローラホルダ510を図12のように印刷位置に切り換えると、ホルダ部材511が糊カセット610を一部覆った状態となる。そして、図
14に示すように、ローラホルダ510の線バネ515が、糊カセット610から突出している糊ローラ軸613に当接し、その弾性力によって糊ローラ軸613をテープ送りローラ71の方向に付勢して、糊ローラ612がテープ送りローラ71に圧接される位置まで糊ローラ軸613を軸受け孔614に沿って移動させる。この結果、図12に示すように、印字テープ32はテープ送りローラ71および糊ローラ612に挟まれた状態となるため、第1の実施形態と同様に、印刷および粘着剤の塗布を行うことができる。
以上に説明したように、本実施形態のテープ印刷装置では、第1の実施形態と同様に、テープカセット210に着脱が可能な糊カセット610の糊ローラ612によってテープ送りローラ71とともに印字テープ32の搬送を行いながら、印字テープ32表面への粘着剤を塗布することが可能である。糊ローラ612は、ローラホルダ510に設けられた線バネ515によってテープ送りローラ71に圧接され、ローラ全体に一定の力が加えられるため、粘着剤をムラなく塗布することができる。また、本実施形態の糊カセット610は、テープカセット210から取り外した状態では、糊ローラ612がケース611内部に完全に収容されているため、糊ローラ612の粘着剤が予期せず付着することがなく、取り扱いがさらに容易となる。また、糊カセット610をスライド方式でテープカセット210に着脱できるので、操作が非常に容易である。
なお、本実施形態では、テープ送りローラ71および糊ローラ612が「テープ搬送手段」に相当し、糊ローラ612が「ローラ」に相当する。また、糊カセット610および線バネ515が「粘着層形成手段」に相当し、線バネ515が「ローラ移動手段」に相当する。また、糊カセット610が「粘着剤カセット」に相当する。
<第3の実施形態>
次に、図17および図18を参照して、本発明の第3の実施形態に係るテープ印刷装置について、第1および第2の実施形態と異なる点を主として説明する。第1および第2の実施形態では、糊カセット60および610は、テープカセット20および210に連結される構成であったが、本実施形態に係るテープ印刷装置では、以下に詳述するように、糊カセット630はローラホルダ530に連結される点に特徴を有する。図17は、テープカセット230が装着された状態のテープカセット収納部10の概略構成を示す模式平面図である。図18は、糊カセット630、およびローラホルダ530の連結構造を説明する斜視図である。
図17に示すように、本実施形態に係るテープカセット230は、第1の実施形態に係るテープカセット20と基本的な構造は同一であるが、テープカセット20に設けられていた係止部91を有しない点で異なっている。一方、糊カセット630はローラホルダ530に連結され、糊カセット630に設けられた線バネ635によってテープ送りローラ71に圧接されている。以下に、糊カセット630、およびローラホルダ510の構成の詳細と、両者の連結方法について説明する。
図18に示すように、糊カセット630は、他の実施形態と同様、ケース631と、糊ローラ軸633によってケース631に回転可能に支持された糊ローラ632を構成の主体とする。一方、他の実施形態とは異なり、ケース631の底面(テープカセット230に対向するのとは反対の面)には、断面がT字型の嵌合溝641が設けられている。また、糊ローラ軸633は、通常、ケース631内部に設けられた線バネ635によって、底面とは反対方向に付勢されており、ケース631から糊ローラ632が突出している。
ローラホルダ530は、図18に示すように、ホルダ部材531と、軸534によってホルダ部材531に支持されたプラテンローラ533を備え、支持軸532により印刷位置(図17の状態)とリリース位置に切換え可能な状態でテープカセット収納部10に軸支されている。さらに、ホルダ部材531の支持軸532が設けられているのとは反対側(図中左側)の一端には、断面がT字型の嵌合突起541が、プラテンローラ533が設けられたのと同じ側に突設されている。
印字テープ32がテープカセット230の左端まで引き出され、テープカセット230がテープカセット収納部10に装着され、ローラホルダ510がリリース位置にある状態で、図18に示すように、糊カセット630の嵌合溝641をローラホルダ530の嵌合突起541にあわせ、上方からスライドさせて嵌合させる。なお、糊カセット630とローラホルダ530の幅は、最も幅が広い36mmテープ用のテープカセット230の幅に合わせて形成されている。このようにして、糊カセット630をローラホルダ530に連結した状態で、リリース位置にあったローラホルダ530を図17のように印刷位置に切り換える。すると、図17に示すように、糊カセット630の線バネ635が、その弾性力によって糊ローラ軸633をテープ送りローラ71の方向に付勢して、糊ローラ632がテープ送りローラ71に圧接される位置まで糊ローラ軸633を軸受け孔634に沿って移動させる。この結果、図17に示すように、印字テープ32は、テープ送りローラ71および糊ローラ612に挟まれた状態となるため、第1の実施形態と同様に、印刷および粘着剤の塗布を行うことができる。
以上に説明したように、本実施形態のテープ印刷装置では、糊カセット630がテープ印刷装置のローラホルダ530に着脱可能である。したがって、第1および第2の実施形態に係るテープ印刷装置の効果に加えて、テープカセット230を交換するたびに、糊カセット630をテープカセット230に連結しなおす手間を省くことができるという効果がある。
なお、本実施形態では、テープ送りローラ71および糊ローラ632が「テープ搬送手段」に相当し、糊ローラ632が「ローラ」に相当する。また、糊カセット630が「粘着層形成手段」または「粘着剤カセット」に相当し、線バネ635が「ローラ移動手段」に相当する。
なお、本発明の印刷装置、粘着剤カセット、およびテープカセットは、前述した第1〜第3の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において各種の変形が可能なことは言うまでもない。
例えば、第1の実施形態では、粘着層形成手段である糊カセット60は、固体の粘着剤から形成された糊ローラ62を備えていたが、これを以下に説明する図19および図20に示す変形例のようにしてもよい。図19は、幅広テープ用のテープカセット20に連結された変形例に係る糊カセット650の模式断面図である。図20は、幅狭テープ用のテープカセット20に連結された変形例に係る糊カセット650の模式断面図である。
図19に示す糊カセット650は、第1の実施形態に係る糊カセット60と同様、ケース651と、糊ローラ軸653によってケース651に回転可能に支持された糊ローラ652とを構成の主体とする。そして、ケース651には、糊カセット装着部90に突設された係止部911を介して糊カセット650をテープカセット20に連結させるためのツメ穴61Aおよび61Bが形成されている。一方、第1の実施形態の糊ローラ62とは異なり、本実施形態では、糊ローラ652は硬質スポンジ等の吸湿材から構成され、ケース651の糊充填槽655には、液体の粘着剤が充填されている。したがって、糊ローラ62は、全体的に液体粘着剤が含浸した状態となっている。これにより、図19のように幅広テープ用のテープカセット20が連結された場合でも、図20のように幅狭テープ用のテープカセット20が連結された場合でも、印字テープ32にムラなく粘着剤を塗布することができる。また、糊ローラ652が消耗されることがなく、何度でも同じ塗布部を使用できて経済的である。
なお、本変形例では、糊ローラ652が「ローラ」に相当し、糊充填槽655が「粘着剤貯留手段」に相当する。また、糊カセット650が「粘着層形成手段」または「粘着剤カセット」に相当する。
さらに、糊カセット650を図21の糊カセット670のように変形してもよい。図21は、変形例に係る糊カセット670の断面模式図である。図21に示すように、糊カセット670は、ケース671と、糊ローラ軸673によってケース671に回転可能に支持された糊ローラ672と、パルスモータ108(図3参照)により適宜の伝達機構を経て回転駆動される駆動軸682によって回転される駆動ローラ681と、糊ローラ672および駆動ローラ681に掛け渡された環状のベルト674と、液体粘着剤が充填された糊充填槽675とから構成されている。この変形例では、糊ローラ672は固体粘着剤ではなく、液体粘着剤が含浸されるわけでもない。代わりに、ベルト674が吸湿材から形成されている。印刷実行キーの操作に伴い、テープ送りローラ71等とあわせて駆動ローラ681が回転駆動されると、ベルト674は駆動ローラ681と糊ローラ672の間を周回する。その際、駆動ローラ681から糊ローラ672へ周回する途上に設けられた糊充填槽675を通過し、液体粘着剤が含浸される。なお、糊充填槽675には、ベルト674が通過するのに最低限の大きさの通過孔(図示外)が2箇所に設けられている。糊充填槽675を通過したベルト674は、図示外の線バネによって付勢された糊ローラ672によってテープ送りローラ71方向に圧接され、糊ローラ672とテープ送りローラ71の間に挿入された印字テープ32を搬送しながら表面に粘着層を形成する。この変形例によれば、糊充填槽675に充填する液体粘着剤の量を少なくすることができ、経済的である。
なお、本変形例では、糊ローラ672が「ローラ」に相当し、駆動ローラ681および駆動軸682が「駆動軸」に相当し、ベルト674が「ベルト」に相当し、糊充填槽675が「粘着剤貯留手段」に相当する。また、糊カセット670が「粘着層形成手段」または「粘着剤カセット」に相当する。
また、第1〜第3の実施形態では、糊カセット60や630を、テープカセット20やローラホルダ530に連結する構成を説明したが、糊カセットは、テープ印刷装置1のテープカセット収納部10に直接装着できるようにしてもよい。
また、第1〜第3の実施形態では、印字テープ32を搬送するために、テープ送りローラ軸75を介してテープ送りローラ71が回転駆動されていたが、糊ローラ軸63、613等を介して糊ローラ62、612等を回転駆動することも可能である。
また、第1〜第3の実施形態では、糊ローラ62、612等をテープ送りローラ71に圧接するために板バネ67や線バネ515、635を用いたが、コイルバネ等、糊ローラ軸63、613等をテープ送りローラ71の方向に付勢することができるものであればよい。