JP2008188521A - 廃ガラス用熱処理炉 - Google Patents
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Abstract
【課題】ランニングコストが低く、かつ廃ガラスからガラス層のみを回収可能な廃ガラス用熱処理炉を提供することを課題とする。
【解決手段】廃ガラス用熱処理炉1は、ガラス層W1、W2と、ガラス層W1、W2に接合される熱可塑性樹脂を含む樹脂層W3と、が積層されてなる廃ガラスWが載置されると共に、通気性を有するテーブル30と、テーブル30の下方に配置され、熱可塑性樹脂の蒸発開始温度以上に温度制御される下段室22Dと、テーブル30の上方に配置され、ガラス層W1、W2のガラス軟化温度未満に温度制御される上段室22Uと、を備える。
【選択図】図2
【解決手段】廃ガラス用熱処理炉1は、ガラス層W1、W2と、ガラス層W1、W2に接合される熱可塑性樹脂を含む樹脂層W3と、が積層されてなる廃ガラスWが載置されると共に、通気性を有するテーブル30と、テーブル30の下方に配置され、熱可塑性樹脂の蒸発開始温度以上に温度制御される下段室22Dと、テーブル30の上方に配置され、ガラス層W1、W2のガラス軟化温度未満に温度制御される上段室22Uと、を備える。
【選択図】図2
Description
本発明は、例えば自動車のフロントガラスのような廃ガラスから、樹脂層を撤去し、ガラスを回収するための廃ガラス用熱処理炉に関する。
合わせガラスは、一対のガラス層と、一対の当該ガラス層の間に介在する樹脂層と、からなる積層構造を呈している。樹脂層は、例えばポリビニルブチラール(PVB)などの接着性を有する樹脂製である。樹脂層とガラス層とは、熱圧着により貼り合わされている。合わせガラスは、高強度を有しているため、例えば自動車のフロントガラス等の安全ガラスとして多用されている。
使用済みの合わせガラス(以下、適宜、「廃合わせガラス」と称する。)を処理する場合、ガラス層と樹脂層とは強固に接合されているため、ガラス層と樹脂層とを剥離させるのは困難である。このため、従来は、廃合わせガラスは、地中に埋立処理されていた。
しかしながら、ガラス層は地中においても経年変化しにくい。このため、埋立用地は広くなる一方であり、埋立処理に依存すると環境破壊を招くおそれがある。また、埋立処理の場合、ガラス層を回収することができない。このため、資源保護という観点からも問題がある。一方、ガラス層の回収に伴うコストがあまりにも高いと、従来通り埋立処理をした方が結局コスト的に安くなることになる。このため、産業廃棄物処理業者の回収に対する動機付けが弱くなる。
この点、特許文献1には、廃合わせガラスから樹脂層だけを焼却処理可能なロータリーキルンが紹介されている。当該ロータリーキルンの温度は、ガラス軟化温度以下に管理されている。並びに、廃合わせガラスは、ロータリーキルン内を、キルンの軸周りに回転しながら、軸方向に移動する。このため、廃合わせガラスの一対のガラス層間には、剪断力が加わる。特許文献1のロータリーキルンによると、ガラス軟化温度以下の熱処理温度と、ガラス層間に加わる剪断力と、が相俟って、ガラス層のみを回収することができる。
特開7−138053号公報
特開平11−165150号公報
しかしながら、樹脂層は可燃性である。このため、燃焼時の発熱量が大きい。したがって、ロータリーキルン内の温度管理を適切に行わないと、熱処理温度が上昇し(暴走し)、ガラス軟化温度を超えてしまう場合がある。この場合、ガラス層が軟化あるいは溶融し、再利用できなくなるおそれがある。
そこで、特許文献2には、廃合わせガラスを熱処理する際の温度管理方法が開示されている。特許文献2記載の温度管理方法によると、樹脂層の燃焼による発熱を、不活性ガスである窒素を炉内に打ち込むことにより、抑制している(特許文献2の[0034]参照)。ところが、特許文献2には、熱処理を行う炉の具体的構成が開示されていない。このため、炉内の具体的な温度管理方法は不明である。
本発明の廃ガラス用熱処理炉は、上記課題に鑑みて完成されたものである。したがって、本発明は、ランニングコストが低く、かつ廃ガラスからガラス層のみを回収可能な廃ガラス用熱処理炉を提供することを目的とする。
(1)上記課題を解決するため、本発明の廃ガラス用熱処理炉は、ガラス層と、該ガラス層に接合される熱可塑性樹脂を含む樹脂層と、が積層されてなる廃ガラスが載置されると共に、通気性を有するテーブルと、該テーブルの下方に配置され、該熱可塑性樹脂の蒸発開始温度以上に温度制御される下段室と、該テーブルの上方に配置され、該ガラス層のガラス軟化温度未満に温度制御される上段室と、を備えてなることを特徴とする(請求項1に対応)。ここで、熱可塑性樹脂の「蒸発開始温度」とは、加熱する際に蒸発が始まる温度をいう。具体的には、TG/DTA法において重量減が開始する温度をいう。
つまり、本発明の廃ガラス用熱処理炉は、通気性を有するテーブルを境に、下方に配置される下段室と、上方に配置される上段室と、を有する。下段室は熱可塑性樹脂の蒸発開始温度以上に温度制御されている。このため、テーブルに載置された廃ガラスの樹脂層の熱可塑性樹脂は、下段室の熱により蒸発する。熱可塑性樹脂は蒸発して、可燃性蒸発気体となる。可燃性蒸発気体の少なくとも一部が燃焼されることにより、上段室が加熱される。上段室は、ガラス軟化温度未満に温度制御される。
このように、本発明の廃ガラス用熱処理炉は、可燃性蒸発気体が燃焼することを利用して、上段室を加熱するものである。また、下段室(低温)から上段室(高温)方向という炉内の温度勾配を利用して、炉内の温度制御を行うものである。このため、ランニングコストが低い。
また、下段室は熱可塑性樹脂の蒸発開始温度以上に、上段室はガラス軟化温度未満に、各々温度制御されている。このため、回収後(熱処理後)のガラス層に樹脂層が残留するおそれが小さい。並びに、回収後のガラス層が軟化、溶融するおそれが小さい。したがって、回収されるガラス層の品質が高い。
(2)好ましくは、上記(1)の構成において、さらに、前記下段室および前記上段室を有する熱処理ゾーンと、該熱処理ゾーンの上流側に連なり前記廃ガラスを加熱する加熱ゾーンと、を備え、前記テーブルは、該加熱ゾーンから該熱処理ゾーンまで該廃ガラスを搬送するメッシュコンベアのメッシュベルトであり、該廃ガラスの熱処理を連続的に行う構成とする方がよい(請求項2に対応)。
つまり、本構成は、メッシュコンベアで搬送しながら、廃ガラスに加熱および熱処理を施すものである。本構成によると、連続的に、廃ガラス中のガラス層を回収することができる。
(3)好ましくは、上記(2)の構成において、前記加熱ゾーンにおける前記廃ガラスの昇温速度は、50℃/分よりも大きい構成とする方がよい(請求項3に対応)。本構成によると、熱処理ゾーンに至る前に、迅速に廃ガラスを昇温することができる。ここで、昇温速度を50℃/分超過としたのは、50℃/分以下の場合、ガラス層にクラックが入りにくいからである。すなわち、ガラス層は熱伝導率が小さい。このため、昇温速度が50℃/分を超えると、ガラス層にクラックが入りやすい。ガラス層にクラックが入ると、熱処理ゾーンにおいて、クラックを介して、可燃性蒸発気体を放出することができる。このため、回収後のガラス層に、樹脂層が残留しにくい。
(4)好ましくは、上記(1)ないし(3)のいずれかの構成において、さらに、前記下段室に配置され、前記熱可塑性樹脂を蒸発させ可燃性蒸発気体とするためのバーナーと、前記上段室に配置され、該可燃性蒸発気体の少なくとも一部を燃焼させるための酸素導入配管と、を有する構成とする方がよい(請求項4に対応)。本構成によると、比較的簡単に、熱可塑性樹脂を蒸発させることができる。また、可燃性蒸発気体の少なくとも一部を燃焼させることができる。
(5)好ましくは、上記(1)ないし(4)のいずれかの構成において、さらに、前記上段室に配置され、該上段室の温度が前記ガラス軟化温度以上になるのを抑制する散水装置を有する構成とする方がよい(請求項5に対応)。本構成によると、水の蒸発潜熱により、比較的簡単に、また確実に、上段室の温度がガラス軟化温度以上になるのを抑制することができる。
(6)好ましくは、上記(1)ないし(5)のいずれかの構成において、前記熱可塑性樹脂は、ポリビニルブチラール樹脂であり、前記下段室は、400℃以上450℃以下に温度制御される構成とする方がよい(請求項6に対応)。
PVB樹脂の蒸発開始温度は、例えば窒素雰囲気かつ昇温速度15℃/分の場合、280℃程度である。本構成の下段室は、当該280℃を上回る400℃以上450℃以下に温度制御されている。
ここで、400℃以上としたのは、400℃未満の場合、回収後のガラス層にPVB樹脂が残留するおそれがあるからである。一方、450℃以下としたのは、450℃超過の場合、可燃性蒸発気体の発生量が多くなり、上段室の温度がガラス軟化温度以上になるおそれがあるからである。
(7)好ましくは、上記(6)の構成において、前記テーブルは、ニッケルを含まない金属製である構成とする方がよい(請求項7に対応)。上述したように、下段室が400℃以上450℃以下に温度制御されている場合、テーブル(上記(2)の構成においてはメッシュコンベアのメッシュベルト)の材質が、ニッケルを含まない金属製でも、充分に使用可能である。したがって、耐熱性向上のためにテーブルをニッケル含有金属製とする場合と比較して、設備コストを削減することができる。
(8)好ましくは、上記(6)または(7)の構成において、さらに、ニッケルを含まない金属製であり、前記テーブルから脱落した前記廃ガラスを回収する回収トレイが敷設される構成とする方がよい(請求項8に対応)。
上述したように、下段室が400℃以上450℃以下に温度制御されている場合、炉内に、ニッケルを含まない金属製の回収トレイを敷設することができる。このため、テーブル(上記(2)の構成においてはメッシュコンベアのメッシュベルト)から脱落する廃ガラスを、比較的簡単に回収することができる。また、回収トレイをニッケル含有金属製とする場合と比較して、設備コストを削減することができる。
(9)好ましくは、上記(1)ないし(8)のいずれかの構成において、前記上段室は、650℃以下に温度制御される構成とする方がよい(請求項9に対応)。本構成によると、仮に、可燃性蒸発気体の燃焼が急激に激しくなった場合でも、上段室の温度をガラス軟化温度未満に抑えることができる。このため、回収されるガラス層の品質が高くなる。
(10)好ましくは、上記(1)ないし(9)のいずれかの構成において、前記廃ガラスは、前記樹脂層を介して、一対の前記ガラス層が貼り合わされてなる廃合わせガラスであり、該ガラス層には、外部から該樹脂層に至るクラックが形成されている構成とする方がよい(請求項10に対応)。
本構成によると、廃合わせガラスのガラス層にクラックが形成されている。このため、樹脂層の表裏全面がガラス層に覆われている場合(クラックが無い場合)と比較して、樹脂層から可燃性蒸発気体が放出されやすい。したがって、回収後のガラス層に、樹脂層が残留しにくい。
本発明によると、ランニングコストが低く、かつ廃ガラスからガラス層のみを回収可能な廃ガラス用熱処理炉を提供することができる。
以下、本発明の廃ガラス用熱処理炉の実施の形態について説明する。
<第一実施形態>
(廃ガラス用熱処理炉の全体構成)
まず、本実施形態の廃ガラス用熱処理炉の全体構成について説明する。図1に、本実施形態の廃ガラス用熱処理炉の長手方向断面図を示す。図1に示すように、本実施形態の廃ガラス用熱処理炉1は、炉本体2とメッシュコンベア3と排ガス処理設備4とピット5とバーナー(図略)と酸素導入配管(図略)と熱処理ゾーン下段室用温度制御部(図略)と熱処理ゾーン上段室用温度制御部(図略)と加熱ゾーン用温度制御部(図略)とを備えている。
(廃ガラス用熱処理炉の全体構成)
まず、本実施形態の廃ガラス用熱処理炉の全体構成について説明する。図1に、本実施形態の廃ガラス用熱処理炉の長手方向断面図を示す。図1に示すように、本実施形態の廃ガラス用熱処理炉1は、炉本体2とメッシュコンベア3と排ガス処理設備4とピット5とバーナー(図略)と酸素導入配管(図略)と熱処理ゾーン下段室用温度制御部(図略)と熱処理ゾーン上段室用温度制御部(図略)と加熱ゾーン用温度制御部(図略)とを備えている。
炉本体2は、炉壁20と脚部21とを備えている。また、炉本体2は、上流側(後方)の加熱ゾーンAと、下流側(前方)の熱処理ゾーンBと、に区画されている。炉壁20は長尺角筒状を呈している。炉壁20は、水平方向(前後方向)に延在している。炉壁20における熱処理ゾーンB区画部分の頂壁部は、加熱ゾーンA区画部分の頂壁部よりも、一段高く形成されている。熱処理ゾーンB、加熱ゾーンAの構成については、後で詳しく説明する。脚部21は、鋼製であって、炉壁20の全長に亘って、多数配置されている。脚部21は、炉壁20の底壁部を支持している。
メッシュコンベア3は、メッシュベルト30とローラー31とを備えている。メッシュベルト30は、SUS430(マルテンサイト系)製の線材がメッシュ状あるいは不織布状に編み込まれて形成されている。メッシュベルト30は、通気性を有している。ローラー31は、鋼製であって、炉本体2の長手方向に沿って、多数配置されている。なお、炉本体2内部に配置されるローラーは、省略して示す。多数のローラー31は、メッシュベルト30を無端帯状に張架している。具体的には、メッシュベルト30は、上下二段に張架されており、上段(往路)は、後方から前方に向かって炉壁20内を貫通している。一方、下段(復路)は、前方から後方に向かって炉壁20の下方(脚部21の間)を貫通している。多数のローラー31のうち、主に後端のローラー31により、メッシュベルト30は駆動されている。
排ガス処理設備4は、排ガス集合管40と排ガス処理炉41と集塵装置42とブロワー43と排出口44とを備えている。排ガス集合管40は、鋼製であって分岐筒状を呈している。排ガス集合管40の分岐端(上流端)は、各々炉壁20の頂壁部に分岐接続されている。一方、排ガス集合管40の合流端(下流端)は、排ガス処理炉41に接続されている。排ガス処理炉41と集塵装置42とブロワー43と排出口44とは、排ガス集合管40の下流側に、この順番で、直列接続されている。ピット5は、地面Gに凹設されている。
(熱処理ゾーンの構成)
次に、本実施形態の廃ガラス用熱処理炉の熱処理ゾーンの構成について詳しく説明する。図2に、図1のII−II断面図を示す。図3に、熱処理ゾーンの一部の斜視分解図を示す。なお、図2以降の図における方位(左右)は、図1の後方から前方を見た場合を基準に定義する。
次に、本実施形態の廃ガラス用熱処理炉の熱処理ゾーンの構成について詳しく説明する。図2に、図1のII−II断面図を示す。図3に、熱処理ゾーンの一部の斜視分解図を示す。なお、図2以降の図における方位(左右)は、図1の後方から前方を見た場合を基準に定義する。
図2、図3に示すように、炉壁20は、鋼製のフレーム200と耐火物201とを備えている。熱処理ゾーンBは、メッシュベルト30を境に、下段室22Dと上段室22Uとに区画されている。メッシュベルト30には、廃合わせガラスWが載置されている。
下段室22Dには、炉壁20の左壁部を介してバーナー60Lが挿入されている。なお、図3、前出図1に示すように、バーナー60L(図1中に○印で示す)、60R(図1中に×印で示す)は、炉壁20の長手方向に沿って、左右壁部に交互に配置されている。下段室22Dの床面には、回収トレイ80が敷設されている。回収トレイ80は、SUS430製であって、皿状を呈している。回収トレイ80は、炉壁20の略全長に亘って配置されている。熱処理ゾーン下段室用温度制御部7aは、熱電対70aと温度調節計71aとコントロールバルブ72aとを備えている。このうち、熱電対70aは、炉壁20の右壁部を介して、下段室22Dに挿入されている。一方、コントロールバルブ72aは、バーナー60Lのエネルギ供給配管600Lに配置されている。温度調節計71aは、熱電対70aとコントロールバルブ72aとの間に介装されている。
上段室22Uには、炉壁20の右壁部を介してバーナー61Rが挿入されている。並びに、炉壁20の左壁部を介して酸素導入配管62Lが配置されている。なお、前出図1に示すように、バーナー61R(図1中に×印で示す)、61L(図1中に○印で示す)は、炉壁20の長手方向に沿って、左右壁部に交互に配置されている。並びに、酸素導入配管62L(図1においては省略して示す)も炉壁20の長手方向に沿って、左右壁部に交互に配置されている。熱処理ゾーン上段室用温度制御部7bは、熱電対70bと温度調節計71bとコントロールバルブ72bとを備えている。このうち、熱電対70bは、炉壁20の頂壁部を介して、上段室22Uに挿入されている。一方、コントロールバルブ72bは、酸素導入配管62Lに配置されている。温度調節計71bは、熱電対70bとコントロールバルブ72bとの間に介装されている。
(加熱ゾーンの構成)
次に、本実施形態の廃ガラス用熱処理炉の加熱ゾーンの構成について詳しく説明する。なお、前記熱処理ゾーンBと共通する部分については説明を割愛する。図4に、図1のIV−IV断面図を示す。図4に示すように、加熱ゾーンAのメッシュベルト30下段(詳しくはメッシュベルト30下方のスペース。以下同じ。)には、炉壁20の左壁部を介してバーナー63Lが挿入されている。なお、前出図1に示すように、バーナー63L(図1中に○印で示す)、63R(図1中に×印で示す)は、炉壁20の長手方向に沿って、左右壁部に交互に配置されている。
次に、本実施形態の廃ガラス用熱処理炉の加熱ゾーンの構成について詳しく説明する。なお、前記熱処理ゾーンBと共通する部分については説明を割愛する。図4に、図1のIV−IV断面図を示す。図4に示すように、加熱ゾーンAのメッシュベルト30下段(詳しくはメッシュベルト30下方のスペース。以下同じ。)には、炉壁20の左壁部を介してバーナー63Lが挿入されている。なお、前出図1に示すように、バーナー63L(図1中に○印で示す)、63R(図1中に×印で示す)は、炉壁20の長手方向に沿って、左右壁部に交互に配置されている。
加熱ゾーン用温度制御部7cは、熱電対70cと温度調節計71cとコントロールバルブ72cとを備えている。このうち、熱電対70cは、炉壁20の右壁部を介して、加熱ゾーンAのメッシュベルト30下段に挿入されている。並びに、熱電対70dは、炉壁20の頂壁部を介して、加熱ゾーンAのメッシュベルト30上段(詳しくはメッシュベルト30上方のスペース。以下同じ。)に挿入されている。一方、コントロールバルブ72cは、バーナー63Lのエネルギ供給配管630Lに配置されている。温度調節計71cは、熱電対70c、70dとコントロールバルブ72cとの間に介装されている。
(廃ガラス用熱処理炉の温度パターンおよび温度制御)
次に、本実施形態の廃ガラス用熱処理炉の温度パターンおよび温度制御について説明する。第一に、加熱ゾーンAの温度パターンについて説明する。図5に、本実施形態の廃ガラス用熱処理炉の温度パターンを示す。図5に示すように、加熱ゾーンAの通過時間は10分間である。加熱ゾーンAのメッシュベルト30上段の温度は、最初の5分間で約20℃から約400℃まで上昇し(加熱速度約76℃/分)、次の3分間は約400℃のまま保持され、最後の2分間で約400℃から約620℃まで上昇する(加熱速度約110℃/分)ように設定されている。並びに、加熱ゾーンAのメッシュベルト30下段の温度は、前半の5分間で約20℃から約400℃まで上昇し(加熱速度約76℃/分)、後半の5分間は約400℃のまま保持されるように設定されている。加熱ゾーンAにおいて、廃合わせガラスWは、約20℃から約600℃まで昇温される。すなわち、廃合わせガラスWの昇温速度は、約58℃/分である。
次に、本実施形態の廃ガラス用熱処理炉の温度パターンおよび温度制御について説明する。第一に、加熱ゾーンAの温度パターンについて説明する。図5に、本実施形態の廃ガラス用熱処理炉の温度パターンを示す。図5に示すように、加熱ゾーンAの通過時間は10分間である。加熱ゾーンAのメッシュベルト30上段の温度は、最初の5分間で約20℃から約400℃まで上昇し(加熱速度約76℃/分)、次の3分間は約400℃のまま保持され、最後の2分間で約400℃から約620℃まで上昇する(加熱速度約110℃/分)ように設定されている。並びに、加熱ゾーンAのメッシュベルト30下段の温度は、前半の5分間で約20℃から約400℃まで上昇し(加熱速度約76℃/分)、後半の5分間は約400℃のまま保持されるように設定されている。加熱ゾーンAにおいて、廃合わせガラスWは、約20℃から約600℃まで昇温される。すなわち、廃合わせガラスWの昇温速度は、約58℃/分である。
加熱ゾーンAにおける温度制御は、加熱ゾーン用温度制御部7cにより行われる。すなわち、加熱ゾーンAのメッシュベルト30下段の温度の実測値は、前出図4に示すように、熱電対70cから温度調節計71cに入力される。並びに、加熱ゾーンAのメッシュベルト30上段の温度の実測値は、熱電対70dから温度調節計71cに入力される。温度調節計71cには、予めメッシュベルト30上下段の各々の温度目標値が設定されている。温度調節計71cは、温度目標値と熱電対70c、70dから入力される実測値とを比較する。そして、比較結果に基づいて、実測値を温度目標値に近づけるべく、コントロールバルブ72cに駆動指示を出す。このように、加熱ゾーン用温度制御部7cは、フィードバック制御により、加熱ゾーンAの温度制御を行っている。そして、加熱ゾーンAは、廃合わせガラスWの昇温速度を、約58℃/分に制御している。
第二に、熱処理ゾーンBの温度パターンについて説明する。図5に示すように、熱処理ゾーンBの通過時間は20分間である。熱処理ゾーンBの上段室22Uの温度は、下流端付近を除いて、約620℃と一定である。並びに、熱処理ゾーンBの下段室22Dの温度は、下流端付近を除いて、約400℃と一定である。また、廃合わせガラスWの温度は、下流端付近を除いて、約600℃と一定である。
熱処理ゾーンBにおける温度制御は、熱処理ゾーン下段室用温度制御部7aおよび熱処理ゾーン上段室用温度制御部7bにより行われる。すなわち、下段室22Dの温度の実測値は、前出図2に示すように、熱電対70aから温度調節計71aに入力される。温度調節計71aには、予め下段室22Dの温度目標値が設定されている。温度調節計71aは、温度目標値と熱電対70aから入力される実測値とを比較する。そして、比較結果に基づいて、実測値を温度目標値に近づけるべく、コントロールバルブ72aに駆動指示を出す。このように、熱処理ゾーン下段室用温度制御部7aは、フィードバック制御により、熱処理ゾーンBの下段室22Dの温度制御を行っている。
一方、上段室22Uの温度の実測値は、前出図2に示すように、熱電対70bから温度調節計71bに入力される。温度調節計71bには、予め上段室22Uの温度目標値が設定されている。温度調節計71bは、温度目標値と熱電対70bから入力される実測値とを比較する。そして、比較結果に基づいて、実測値を温度目標値に近づけるべく、コントロールバルブ72bに駆動指示を出す。このように、熱処理ゾーン上段室用温度制御部7bは、フィードバック制御により、熱処理ゾーンBの上段室22Uの温度制御を行っている。そして、熱処理ゾーンBは、廃合わせガラスWの温度を、下流端付近を除いて、約600℃に一定制御している。
(廃合わせガラスの動き)
次に、本実施形態の廃ガラス用熱処理炉を通過する廃合わせガラスの動きについて説明する。廃合わせガラスWは、炉本体2の後端(前出図1参照)から、メッシュベルト30に載置される。載置された廃合わせガラスWは、メッシュベルト30の移動に伴って、加熱ゾーンAに進入する。図6に、加熱ゾーン進入前の廃合わせガラスの断面図を示す。図6に示すように、廃合わせガラスWは、一対のガラス層W1、W2と樹脂層W3とからなる。樹脂層W3は、一対のガラス層W1、W2間に介在している。樹脂層W3は、PVB樹脂製である。樹脂層W3は、ガラス層W1、W2に、強固に接合されている。ガラス層W1、W2には、各々、外部から樹脂層W3に至る多数のクラックCが形成されている。
次に、本実施形態の廃ガラス用熱処理炉を通過する廃合わせガラスの動きについて説明する。廃合わせガラスWは、炉本体2の後端(前出図1参照)から、メッシュベルト30に載置される。載置された廃合わせガラスWは、メッシュベルト30の移動に伴って、加熱ゾーンAに進入する。図6に、加熱ゾーン進入前の廃合わせガラスの断面図を示す。図6に示すように、廃合わせガラスWは、一対のガラス層W1、W2と樹脂層W3とからなる。樹脂層W3は、一対のガラス層W1、W2間に介在している。樹脂層W3は、PVB樹脂製である。樹脂層W3は、ガラス層W1、W2に、強固に接合されている。ガラス層W1、W2には、各々、外部から樹脂層W3に至る多数のクラックCが形成されている。
加熱ゾーンAを通過することにより昇温された廃合わせガラスWは、メッシュベルト30の移動に伴って、熱処理ゾーンBに進入する。図7に、加熱ゾーン通過後かつ熱処理ゾーン進入前の廃合わせガラスの断面図を示す。図7に示すように、樹脂層W3は軟化している。このため、ガラス層W1、W2のクラックCは、広く開口している。並びに、加熱ゾーンAにおける廃合わせガラスWの昇温速度が約58℃/分と大きいために、ガラス層W1、W2に新たにクラックCが発生している。この状態のまま、廃合わせガラスWは、熱処理ゾーンBに進入する。熱処理ゾーンBの下段室22Dの温度は、約400℃に設定されている。すなわち、PVB樹脂の蒸発開始温度よりも高い温度に設定されている。このため、PVB樹脂つまり樹脂層W3は蒸発して、可燃性蒸発気体となる。
可燃性蒸発気体は、広く開口したクラックCを介して、ガラス層W1、W2の外部に流出する。流出した可燃性蒸発気体は、前出図2に白抜き矢印で示すように、上段室22U内を上昇する。そして、酸素導入配管62Lから上段室22Uに導入される酸素により、可燃性蒸発気体の一部が燃焼する。当該燃焼により、上段室22Uが加熱される。ただし、上段室22Uの温度は、前述の熱処理ゾーン上段室用温度制御部7bにより、約620℃に保持されている。
なお、PVB樹脂(−(−CH2CHOCOC2H5−)n−)の完全燃焼時の反応は、以下の式のようになる。
(−CH2CHOCOC2H5−)n+6nO2=5nCO2+4nH2O・・・(1)
燃焼後あるいは未燃焼の排ガスは、前出図1に示すように、排ガス集合管40により集められ、排ガス処理炉41で二次燃焼される。二次燃焼後の排ガスは、集塵装置42、ブロワー43、排出口44を介して、系外に放出される。放出された排ガスは、比較的高温なので、例えば乾燥炉(図略)等の熱源として再利用される。なお、前記加熱ゾーンAで発生する排ガスも同様に処理される。
(−CH2CHOCOC2H5−)n+6nO2=5nCO2+4nH2O・・・(1)
燃焼後あるいは未燃焼の排ガスは、前出図1に示すように、排ガス集合管40により集められ、排ガス処理炉41で二次燃焼される。二次燃焼後の排ガスは、集塵装置42、ブロワー43、排出口44を介して、系外に放出される。放出された排ガスは、比較的高温なので、例えば乾燥炉(図略)等の熱源として再利用される。なお、前記加熱ゾーンAで発生する排ガスも同様に処理される。
熱処理ゾーンB通過後の廃合わせガラスWは、メッシュベルト30の折返しに伴って、炉本体2の前端(前出図1参照)から、ピット5に投入される。図8に、熱処理ゾーン通過後の廃合わせガラスの断面図を示す。図8に示すように、樹脂層は、完全に蒸発して消滅している。かつ、ガラス層W1、W2は、軟化あるいは溶融していない。
(作用効果)
次に、本実施形態の廃ガラス用熱処理炉の作用効果について説明する。本実施形態の廃ガラス用熱処理炉1は、メッシュベルト30を境に、下方に配置される下段室22Dと、上方に配置される上段室22Uと、を有する。下段室22Dは約400℃に温度制御されている。このため、メッシュベルト30に載置された廃合わせガラスWの樹脂層W3は、下段室22Dの熱により蒸発する。樹脂層W3は蒸発して、可燃性蒸発気体となる。可燃性蒸発気体の一部が燃焼されることにより、上段室22Uが加熱される。そして、上段室22Uは約620℃に温度制御される。
次に、本実施形態の廃ガラス用熱処理炉の作用効果について説明する。本実施形態の廃ガラス用熱処理炉1は、メッシュベルト30を境に、下方に配置される下段室22Dと、上方に配置される上段室22Uと、を有する。下段室22Dは約400℃に温度制御されている。このため、メッシュベルト30に載置された廃合わせガラスWの樹脂層W3は、下段室22Dの熱により蒸発する。樹脂層W3は蒸発して、可燃性蒸発気体となる。可燃性蒸発気体の一部が燃焼されることにより、上段室22Uが加熱される。そして、上段室22Uは約620℃に温度制御される。
このように、本実施形態の廃ガラス用熱処理炉1は、可燃性蒸発気体が燃焼することを利用して、上段室22Uを加熱するものである。また、下段室22Dから上段室22U方向という炉内の温度勾配を利用して、炉内の温度制御を行うものである。このため、ランニングコストが低い。
また、下段室22DはPVB樹脂の蒸発開始温度以上であってかつガラス軟化温度未満に、上段室22Uはガラス軟化温度未満に、各々温度制御されている。このため、回収後(熱処理後)のガラス層W1、W2に樹脂層W3の炭化物(燃え残り)が残留するおそれが小さい。並びに、回収後のガラス層W1、W2が軟化、溶融するおそれが小さい。したがって、回収されるガラス層W1、W2の品質が高い。
また、本実施形態の廃ガラス用熱処理炉1によると、メッシュコンベア3で搬送しながら、廃合わせガラスWに加熱および熱処理を施すことができる。このため、連続的に廃合わせガラスW中のガラス層W1、W2を回収することができる。
また、前出図5に示すように、加熱ゾーンAにおける廃合わせガラスWの昇温速度は、50℃/分よりも大きい約58℃/分に設定されている。このため、熱処理ゾーンBに至る前に、迅速に廃合わせガラスWを昇温することができる。また、昇温中に、ガラス層W1、W2にクラックCを発生させることができる。ガラス層W1、W2のクラックCの本数が多くなると、熱処理ゾーンBにおいて、多数のクラックCを介して、より簡単に可燃性蒸発気体を放出することができる。このため、回収後のガラス層W1、W2に、樹脂層W3の炭化物が残留しにくい。
また、本実施形態の廃ガラス用熱処理炉1によると、前出図1に示すように、下段室22Dにバーナー60L、60Rが配置されている。並びに、前出図2に示すように、上段室22Uに酸素導入配管62Lが配置されている。このため、バーナー60L、60Rにより可燃性蒸発気体を発生させ、酸素導入配管62Lから酸素を供給することにより、比較的簡単に可燃性蒸発気体の一部を燃焼させることができる。すなわち、上段室22Uを加熱することができる。
また、本実施形態の廃ガラス用熱処理炉1によると、上段室22Uのバーナー61L、61Rは、廃ガラス用熱処理炉1を起動する際以外は、可燃性蒸発気体の燃焼時の種火程度にしか利用されない。この点においてもランニングコストが低い。
また、本実施形態の廃ガラス用熱処理炉1によると、メッシュベルト30および回収トレイ80は、共にSUS430製である。すなわち、ニッケルを含まない金属製である。前出図5に示すように、下段室22Dおよび加熱ゾーンA下段の温度(最高約400℃)が比較的低いため、このような材質であっても、充分に使用可能である。したがって、メッシュベルト30および回収トレイ80をニッケル含有金属(例えばSUS310S(オーステナイト系))製とする場合と比較して、設備コストを削減することができる。また、回収トレイ80により、メッシュベルト30から脱落する廃合わせガラスWを、比較的簡単に回収することができる。
また、メッシュベルト30および回収トレイ80をニッケル含有金属製とする場合、下段室22Dの温度によっては、回収後のガラス層W1、W2に、ニッケルが混入するおそれがある。この点、本実施形態の廃ガラス用熱処理炉1によると、上述したように、メッシュベルト30および回収トレイ80は、共にSUS430製である。このため、回収後のガラス層W1、W2に、ニッケルが混入するおそれがない。したがって、回収の歩留まりが向上する。
また、本実施形態の廃ガラス用熱処理炉1によると、前出図5に示すように、上段室22Uが約620℃に温度制御されている。このため、仮に、可燃性蒸発気体の燃焼が急激に激しくなった場合でも、上段室22Uの温度をガラス軟化温度(約720℃程度)未満に抑えることができる。したがって、回収されるガラス層の品質が高くなる。
また、本実施形態の廃ガラス用熱処理炉1の処理対象となる廃ガラスは、前出図6に示すように、予めクラックCが入っている廃合わせガラスWである。このため、樹脂層W3の表裏全面がガラス層W1、W2に覆われている場合(クラックCが無い場合)と比較して、樹脂層W3から可燃性蒸発気体が放出されやすい。したがって、回収後のガラス層W1、W2に、樹脂層W3の炭化物が残留しにくい。また、本実施形態の廃ガラス用熱処理炉1によると、式(1)で示すように、有害なダイオキシン等が発生しない。このため、排ガス処理設備4の設備コストが低い。
<第二実施形態>
本実施形態の廃ガラス用熱処理炉と第一実施形態の廃ガラス用熱処理炉との相違点は、上段室に散水ノズルが配置されている点である。したがって、ここでは相違点についてのみ説明する。
本実施形態の廃ガラス用熱処理炉と第一実施形態の廃ガラス用熱処理炉との相違点は、上段室に散水ノズルが配置されている点である。したがって、ここでは相違点についてのみ説明する。
図9に、本実施形態の廃ガラス用熱処理炉の熱処理ゾーンの短手方向断面図を示す。なお、図2と対応する部位については同じ符号で示す。図9に示すように、炉壁20の頂壁部には、熱電対70bを挟んで、一対の散水ノズル81が配置されている。散水ノズル81は、本発明の散水装置に含まれる。
本実施形態の廃ガラス用熱処理炉は、構成が共通する部分に関しては、第一実施形態の廃ガラス用熱処理炉と同様の作用効果を有する。また、本実施形態の廃ガラス用熱処理炉によると、可燃性蒸発気体を全部燃焼させることができる。その理由は、可燃性蒸発気体の燃焼熱により上段室22Uの温度が上昇しそうになっても、散水ノズル81から水を噴射することにより、上段室22Uの温度を強制的に下げることができるからである。このため、確実に、上段室22Uの温度がガラス軟化温度以上になるのを抑制することができる。また、上段室22Uの温度制御が簡単になる。
<第三実施形態>
本実施形態の廃ガラス用熱処理炉と第一実施形態の廃ガラス用熱処理炉との相違点は、上段室の温度制御を酸素導入配管の酸素量の増減ではなく、バーナーに供給されるエネルギ流体(例えば酸素、燃料ガス、酸素と燃料ガスとの混合ガスなど)の増減により行っている点である。したがって、ここでは相違点についてのみ説明する。
本実施形態の廃ガラス用熱処理炉と第一実施形態の廃ガラス用熱処理炉との相違点は、上段室の温度制御を酸素導入配管の酸素量の増減ではなく、バーナーに供給されるエネルギ流体(例えば酸素、燃料ガス、酸素と燃料ガスとの混合ガスなど)の増減により行っている点である。したがって、ここでは相違点についてのみ説明する。
図10に、本実施形態の廃ガラス用熱処理炉の熱処理ゾーンの短手方向断面図を示す。なお、図2と対応する部位については同じ符号で示す。図10に示すように、熱処理ゾーン上段室用温度制御部7bのコントロールバルブ72bは、酸素導入配管62Lではなく(前出図2参照)、バーナー61Rのエネルギ供給配管610Rに配置されている。
本実施形態の廃ガラス用熱処理炉は、構成が共通する部分に関しては、第一実施形態の廃ガラス用熱処理炉と同様の作用効果を有する。本実施形態の廃ガラス用熱処理炉のように、バーナー61Rに供給されるエネルギ流体を増減することで、上段室22Uの温度制御を行ってもよい。
<その他>
以上、本発明の廃ガラス用熱処理炉の実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
以上、本発明の廃ガラス用熱処理炉の実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
例えば、樹脂層W3に含まれる熱可塑性樹脂は、PVB樹脂でなくてもよい。ポリウレタン樹脂やエチレン酢酸ビニル共重合体であってもよい。また、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などが含まれていてもよい。
また、上記実施形態においては熱処理ゾーンBの上流側に加熱ゾーンAを配置したが、加熱ゾーンAを配置しない形態で実施してもよい。こうすると、さらに設備コストおよびランニングコストを削減することができる。
また、上記実施形態においてはメッシュベルト30により廃合わせガラスWを搬送したが、例えば多数の細孔を有するパンチングメタル製のコンベアベルトにより廃合わせガラスWを搬送してもよい。
また、上記実施形態においては、廃合わせガラスWを熱処理したが、液晶ディスプレイや太陽電池のガラスパネルなどを熱処理してもよい。また、樹脂層W3の両面にガラス層W1、W2が配置されていなくてもよい。例えば樹脂層W3の片面だけ、あるいは片面の一部だけに、ガラス層が配置されていても、本実施形態の廃ガラス用熱処理炉1により、ガラス層を回収することができる。また、上記実施形態においては、連続式の廃ガラス用熱処理炉1として本発明の廃ガラス用熱処理炉を具現化したが、バッチ式としてもよい。
また、上記実施形態におけるエネルギ供給配管600L、610R、630Lの種類も特に限定しない。例えば、バーナーに酸素を供給するための配管、あるいはバーナーに燃料ガスを供給するための配管であってもよい。また、燃料ガスに予め酸素を混合した混合ガスを単一の配管でバーナーに供給する場合は、当該混合ガスを供給するための配管であってもよい。
1:廃ガラス用熱処理炉。
2:炉本体、20:炉壁、200:フレーム、201:耐火物、21:脚部、22D:下段室、22U:上段室。
3:メッシュコンベア、30:メッシュベルト、31:ローラー。
4:排ガス処理設備、40:排ガス集合管、41:排ガス処理炉、42:集塵装置、43:ブロワー、44:排出口。
5:ピット。
60L:バーナー、600L:エネルギ供給配管、60R:バーナー、61L:バーナー、61R:バーナー、610R:エネルギ供給配管、62L:酸素導入配管、63L:バーナー、630L:エネルギ供給配管、63R:バーナー。
7a:熱処理ゾーン下段室用温度制御部、7b:熱処理ゾーン上段室用温度制御部、7c:加熱ゾーン用温度制御部、70a〜70d:熱電対、71a〜71c:温度調節計、72a〜72c:コントロールバルブ。
80:回収トレイ、81:散水ノズル(散水装置)。
A:加熱ゾーン、B:熱処理ゾーン、C:クラック、G:地面、W:廃合わせガラス、W1:ガラス層、W2:ガラス層、W3:樹脂層。
2:炉本体、20:炉壁、200:フレーム、201:耐火物、21:脚部、22D:下段室、22U:上段室。
3:メッシュコンベア、30:メッシュベルト、31:ローラー。
4:排ガス処理設備、40:排ガス集合管、41:排ガス処理炉、42:集塵装置、43:ブロワー、44:排出口。
5:ピット。
60L:バーナー、600L:エネルギ供給配管、60R:バーナー、61L:バーナー、61R:バーナー、610R:エネルギ供給配管、62L:酸素導入配管、63L:バーナー、630L:エネルギ供給配管、63R:バーナー。
7a:熱処理ゾーン下段室用温度制御部、7b:熱処理ゾーン上段室用温度制御部、7c:加熱ゾーン用温度制御部、70a〜70d:熱電対、71a〜71c:温度調節計、72a〜72c:コントロールバルブ。
80:回収トレイ、81:散水ノズル(散水装置)。
A:加熱ゾーン、B:熱処理ゾーン、C:クラック、G:地面、W:廃合わせガラス、W1:ガラス層、W2:ガラス層、W3:樹脂層。
Claims (10)
- ガラス層と、該ガラス層に接合される熱可塑性樹脂を含む樹脂層と、が積層されてなる廃ガラスが載置されると共に、通気性を有するテーブルと、
該テーブルの下方に配置され、該熱可塑性樹脂の蒸発開始温度以上に温度制御される下段室と、
該テーブルの上方に配置され、該ガラス層のガラス軟化温度未満に温度制御される上段室と、
を備えてなる廃ガラス用熱処理炉。 - さらに、前記下段室および前記上段室を有する熱処理ゾーンと、
該熱処理ゾーンの上流側に連なり前記廃ガラスを加熱する加熱ゾーンと、を備え、
前記テーブルは、該加熱ゾーンから該熱処理ゾーンまで該廃ガラスを搬送するメッシュコンベアのメッシュベルトであり、該廃ガラスの熱処理を連続的に行う請求項1に記載の廃ガラス用熱処理炉。 - 前記加熱ゾーンにおける前記廃ガラスの昇温速度は、50℃/分よりも大きい請求項2に記載の廃ガラス用熱処理炉。
- さらに、前記下段室に配置され、前記熱可塑性樹脂を蒸発させ可燃性蒸発気体とするためのバーナーと、
前記上段室に配置され、該可燃性蒸発気体の少なくとも一部を燃焼させるための酸素導入配管と、
を有する請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の廃ガラス用熱処理炉。 - さらに、前記上段室に配置され、該上段室の温度が前記ガラス軟化温度以上になるのを抑制する散水装置を有する請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の廃ガラス用熱処理炉。
- 前記熱可塑性樹脂は、ポリビニルブチラール樹脂であり、
前記下段室は、400℃以上450℃以下に温度制御される請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の廃ガラス用熱処理炉。 - 前記テーブルは、ニッケルを含まない金属製である請求項6に記載の廃ガラス用熱処理炉。
- さらに、ニッケルを含まない金属製であり、前記テーブルから脱落した前記廃ガラスを回収する回収トレイが敷設される請求項6または請求項7に記載の廃ガラス用熱処理炉。
- 前記上段室は、650℃以下に温度制御される請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の廃ガラス用熱処理炉。
- 前記廃ガラスは、前記樹脂層を介して、一対の前記ガラス層が貼り合わされてなる廃合わせガラスであり、該ガラス層には、外部から該樹脂層に至るクラックが形成されている請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の廃ガラス用熱処理炉。
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