JP2008185502A - 塗装鋼板の複合劣化試験方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】塗装鋼板を人工的に劣化させる複合サイクル試験において、実際の屋外暴露での劣化との相関性が極めて高くなる試験方法を提供する。
【解決手段】任意の温湿度を維持しうる恒温恒湿槽内に塗装鋼板の試料を定置し、この恒温恒湿槽内で上記試料に対し、(a)塩水を噴霧する工程(好適には2時間)と、(b)メタルハライドランプによる紫外線を連続的に照射するとともに、一定時間おきに散水して試料の表面を洗浄する工程(好適には16時間)と、(c)紫外線照射を停止し、高湿状態を保つ工程(好適には2時間)と、からなるサイクルを複数回繰り返す。
【選択図】図3
【解決手段】任意の温湿度を維持しうる恒温恒湿槽内に塗装鋼板の試料を定置し、この恒温恒湿槽内で上記試料に対し、(a)塩水を噴霧する工程(好適には2時間)と、(b)メタルハライドランプによる紫外線を連続的に照射するとともに、一定時間おきに散水して試料の表面を洗浄する工程(好適には16時間)と、(c)紫外線照射を停止し、高湿状態を保つ工程(好適には2時間)と、からなるサイクルを複数回繰り返す。
【選択図】図3
Description
本発明は、外装材として用いられる塗装鋼板の耐久性や耐候性を検証するため、人工的な環境下で塗装鋼板に複合的な劣化を生じさせるサイクル試験の方法に関する。
建築物の屋根や外壁等に用いられる外装用の塗装鋼板は、太陽光、熱、水分、塩分といった劣化因子の複合的な作用により、長期間にわたって徐々に劣化する。かかる外装材料の耐久性や耐候性を試験するための方法としては、例えばJIS・D0205の「自動車部品の耐候性試験」や特許文献1記載の複合サイクル試験に準じた方法、あるいは、特許文献2記載の紫外線照射装置とスプレー装置とを組み合わせた装置による方法などが知られている。
また、本出願人も、実際の屋外暴露環境に近似した複合劣化を促進する試験方法として、特許文献3に記載の方法を提案している。その試験方法は、ひとつの試験装置内で、日射を想定した任意の温度環境下、任意の時間及びサイクルで、紫外線照射、塩水(中性または酸性)の噴霧、散水(中性または酸性)、湿潤、結露、休止、乾燥等を連続的または断続的に実施するものである。
特開昭56−126740号公報
特開昭57−211528号公報
特開2003−279469号公報
上記公知文献記載の試験方法を含む多くの研究や実験において、光、熱、水分等の劣化因子による作用が検証されてはいるが、劣化の度合いを客観的に数値化し得る指標は未だ確立していない。また、上記のような複合サイクル試験に際して、各劣化因子をどのような条件や時間配分で組み合わせれば、実際の屋外暴露に最も近似した劣化が生じるのかという点についても、明確化されているわけではない。複数種類の劣化因子の組み合わせ方については、きわめて多様なパターンが考えられるので、それらの多様なパターンを相互に比較して、実際の屋外暴露に最も近似した劣化状態を効率的に再現し得るパターンを見出すのは、特に時間的な面での困難が大きい。
本発明者らは、長期間にわたる実験・実証結果を通じて、塗装鋼板の劣化の度合いを数値化し得る指標を確立するとともに、その指標に沿って、実際の屋外暴露による劣化結果との相関性が極めて高くなる劣化因子の組み合わせパターンを見出した。本発明は、かかる複合サイクル試験の具体的な方法を提案するものである。
本発明の複合劣化試験方法は、任意の温湿度を維持しうる恒温恒湿槽内に塗装鋼板の試料を定置し、この槽内で上記試料に対し、
(a)塩水を噴霧する工程と、
(b)メタルハライドランプによる紫外線を連続的に照射するとともに、一定時間おきに散水して試料の表面を洗浄する工程と、
(c)紫外線照射を停止して、温湿度制御装置により槽内を高湿に保ち、湿潤させる工程と、
からなるサイクルを複数回繰り返して試料を劣化させることを特徴とする。
(a)塩水を噴霧する工程と、
(b)メタルハライドランプによる紫外線を連続的に照射するとともに、一定時間おきに散水して試料の表面を洗浄する工程と、
(c)紫外線照射を停止して、温湿度制御装置により槽内を高湿に保ち、湿潤させる工程と、
からなるサイクルを複数回繰り返して試料を劣化させることを特徴とする。
より具体的には、上記複合劣化試験方法において、
(a)の工程では、塩化ナトリウム濃度5%の塩水を、温度35℃に保った槽内で、1時間あたり水平面積80cm2 に1.5±0.5mlの噴霧量でN時間噴霧し、
(b)の工程では、ブラックパネル温度80±10℃、槽内湿度50%を保持しつつ、波長範囲が295〜780nmで、330〜390nmの波長域における照射強度が75±25mW/cm2 の紫外線を、4N〜12N時間照射するとともに、2時間おきに2分間の散水を行って試料の表面を洗浄し、
(c)の工程では、N時間、槽内温度を50℃、槽内湿度を95%以上に保持する、
のが好ましい。
(a)の工程では、塩化ナトリウム濃度5%の塩水を、温度35℃に保った槽内で、1時間あたり水平面積80cm2 に1.5±0.5mlの噴霧量でN時間噴霧し、
(b)の工程では、ブラックパネル温度80±10℃、槽内湿度50%を保持しつつ、波長範囲が295〜780nmで、330〜390nmの波長域における照射強度が75±25mW/cm2 の紫外線を、4N〜12N時間照射するとともに、2時間おきに2分間の散水を行って試料の表面を洗浄し、
(c)の工程では、N時間、槽内温度を50℃、槽内湿度を95%以上に保持する、
のが好ましい。
さらには、上記複合劣化試験方法において、N=2とし、
(a)の工程を2時間、
(b)の工程を16時間、
(c)の工程を2時間、
実施するのが好ましい。かかる条件での実施により、実際の屋外暴露に極めて近似した劣化状態を効率的に再現することができる。
(a)の工程を2時間、
(b)の工程を16時間、
(c)の工程を2時間、
実施するのが好ましい。かかる条件での実施により、実際の屋外暴露に極めて近似した劣化状態を効率的に再現することができる。
また、本発明は、上記複合劣化試験方法による劣化の度合いを客観的に数値化するための指標として、試料の劣化状態を、
(ア)塗膜の剥離、割れ、膨れ、腐食等にかかる外観と、
(イ)JIS・Z8730により測定した試験前後の表面色の色差と、
(ウ)JIS・Z8741により測定した試験前後の光沢度の残存率と、
(エ)表面−界面切削法(SAICAS)による塗膜の剥離強度と、
(オ)表面−界面切削法(SAICAS)による塗膜のみなしせん断強度と、
からなる5項目により評価することを特徴とする。
(ア)塗膜の剥離、割れ、膨れ、腐食等にかかる外観と、
(イ)JIS・Z8730により測定した試験前後の表面色の色差と、
(ウ)JIS・Z8741により測定した試験前後の光沢度の残存率と、
(エ)表面−界面切削法(SAICAS)による塗膜の剥離強度と、
(オ)表面−界面切削法(SAICAS)による塗膜のみなしせん断強度と、
からなる5項目により評価することを特徴とする。
上述のように構成される本発明の複合劣化試験方法では、長時間の紫外線照射により、塗料や樹脂塗材を構成する高分子化合物の鎖が徐々に破壊され、塗膜が硬化して割れや変色などの化学的劣化が生じる。また、紫外線照射中に塩分が乾燥して、上記の化学的劣化と鋼板の腐食とが複合的・相乗的に進行する。このような複合的作用により、実際の屋外暴露環境に近い劣化状態を比較的短時間で再現することができる。
また、特に請求項4の構成にかかる複数種類の指標を採用することにより、劣化の度合いを客観的に数値化して比較することが可能になる。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
[試験装置]
図1は、本発明の複合劣化試験を実施するための試験装置の基本構成を示した概念図である。この試験装置1は、散水装置2及び照射装置3を組み込んだ恒温恒湿槽4内に、塗装鋼板の試料9が定置されるように構成される。恒温恒湿槽4は、電源部5に接続された温湿度制御装置6によって、槽内の温度及び湿度を自由に変化させ、かつ一定の温湿度状態を維持できるようになっている。
図1は、本発明の複合劣化試験を実施するための試験装置の基本構成を示した概念図である。この試験装置1は、散水装置2及び照射装置3を組み込んだ恒温恒湿槽4内に、塗装鋼板の試料9が定置されるように構成される。恒温恒湿槽4は、電源部5に接続された温湿度制御装置6によって、槽内の温度及び湿度を自由に変化させ、かつ一定の温湿度状態を維持できるようになっている。
散水装置2は、中性水、酸性水(希硫酸、希塩酸、蓚酸など)、塩水など、成分の異なる複数種類の水を供給することのできる給水部21を備える。それらの水は、定置される試料9の上方に設けられたノズル部22から試料9に向けて霧状に散布されたり、あるいは槽内全体に向けて噴霧される。
照射装置3は、試料9に正対する位置にメタルハライドランプ31を備え、このメタルハライドランプ31から試料9に向けて、特に紫外光(短波長)領域に卓越したエネルギーを有する光が照射される。この試験装置の具体的な仕様を、下記表1に示す。このような試験装置により、任意の時間及びサイクルで、紫外線照射、塩水噴霧、散水、湿潤、結露、休止、乾燥等のモードを連続的に行うことが可能になる。
上記のような試験装置を用いて本発明者らが実施した試験結果を以下に示す。
[試料]
本発明者らは、表2に示す5種類の塩ビ塗装鋼板について下記条件での屋外暴露を行っており、1、2、3、4、7年暴露後の各回収品を入手していた。また、これら5種類の塗装鋼板と同一仕様の新品(同一ロットの冷暗所保管品)を保管していた。そこで、これらの新品を試料として供試した。
暴露地:鳥取市湖山町西4丁目(離岸距離:約800m)
暴露期間:1994年11月〜2001年11月(最長7年間)
暴露方法:南面に30度の傾斜で定置
本発明者らは、表2に示す5種類の塩ビ塗装鋼板について下記条件での屋外暴露を行っており、1、2、3、4、7年暴露後の各回収品を入手していた。また、これら5種類の塗装鋼板と同一仕様の新品(同一ロットの冷暗所保管品)を保管していた。そこで、これらの新品を試料として供試した。
暴露地:鳥取市湖山町西4丁目(離岸距離:約800m)
暴露期間:1994年11月〜2001年11月(最長7年間)
暴露方法:南面に30度の傾斜で定置
塗装鋼板の試料としては、切断端面、曲げ加工、傷部での腐食を考慮して、図2に示すような形状及び寸法とした。試料9の一部に断面U字状の折り曲げ密着部91を形成するとともに、試料の表面2カ所にX字状のクロスカット92を入れ、一方のクロスカット92の裏側から鋼球ポンチによるエリクセン93を形成した。また、試料9の切断端面については、バリの向きによって耐食性に違いが生じる可能性があるため、表裏の向きを変えてシャーリング裁断した。図中に白三角印を付した端面は表面から、黒三角印を付した端面は裏面から裁断したことを示す。なお、上記1〜7年間の屋外暴露品についても同じ形状の試料を用いた。
[試験条件]
下記の表3に示すA〜Cの3種類の条件で、(a)塩水噴霧−(b)紫外線照射−(c)湿潤の工程を繰り返す複合サイクル試験を実施した。
下記の表3に示すA〜Cの3種類の条件で、(a)塩水噴霧−(b)紫外線照射−(c)湿潤の工程を繰り返す複合サイクル試験を実施した。
条件Aは、既に多くの分野での試験実績があるJASO(日本自動車技術会規格)M609−91の複合サイクル試験(塩水噴霧→乾燥→湿潤のサイクル試験。)における乾燥モードを、そのまま紫外線照射モードに置き換えたものである。塩水噴霧工程では、塩化ナトリウム濃度5%の塩水(または人工海塩の水溶液)を、温度35℃に保った槽内で、1時間あたり水平面積80cm2 に1.5±0.5mlの噴霧量で2時間噴霧した。続く
紫外線照射工程では、槽内のブラックパネル温度80±10℃、槽内湿度50%を保持しつつ、波長範囲が295〜780nm(KF−1フィルター使用)で、330〜390nmの波長域における照射強度が75±25mW/cm2 (ウシオ電機製UIT−101による測定)の紫外線を4時間照射した。このとき、2時間おきに2分間の散水を行って、槽内湿度を50%以上に保持した。続く湿潤工程では、50℃の水を2時間噴霧して槽内湿度を95%以上に保持した。
紫外線照射工程では、槽内のブラックパネル温度80±10℃、槽内湿度50%を保持しつつ、波長範囲が295〜780nm(KF−1フィルター使用)で、330〜390nmの波長域における照射強度が75±25mW/cm2 (ウシオ電機製UIT−101による測定)の紫外線を4時間照射した。このとき、2時間おきに2分間の散水を行って、槽内湿度を50%以上に保持した。続く湿潤工程では、50℃の水を2時間噴霧して槽内湿度を95%以上に保持した。
条件Bは、塩水噴霧工程及び湿潤工程については上記条件Aと同一で、紫外線照射時間を条件Aの2倍である8時間とした。
条件Cは、塩水噴霧工程及び湿潤工程については上記条件A、Bと同一で、紫外線照射時間を条件Aの4倍である16時間とした。
JASO・M609−91の複合サイクル試験では、5サイクルが都市・海岸地帯の大気暴露1年に相当するといわれている。このため、5サイクルを暴露相当年数1年として、条件A、B、Cのいずれも、試験期間を35サイクル(暴露相当年数7年)とした。
[評価項目]
外観観察、色差、光沢、塗膜剥離強度、みなしせん断強度、膜厚、塗膜抵抗値を評価項目として、暴露相当年数1、2、3、4、7年経過後(塗膜剥離強度等の破壊検査については4、7年経過後)に測定を行った。それぞれの概要を以下に示す。
(ア)外観観察
塗膜の剥離・割れ・膨れ・腐食状況を目視的に観察した。
(イ)色差
試料の中央付近に測定個所3ケ所を定め、JIS・Z8730のL*、a*、b*表色系で表面色を測定した。その後、一定の試験時間経過後に試験体の表面色を同様に測定し、各時間における色差(ΔE)を算出した。
(ウ)光沢
試料の中央付近に測定個所3ケ所を定め、JIS・Z8741の光沢度(60°鏡面反射率)を測定した。その後、一定の試験時間経過後に光沢度を同様に測定し、各時間における光沢度の残存率を算出した。
(エ)塗膜剥離強度
試料の中央付近に測定個所1ヶ所を定め、表面−界面切削法:SAICAS(Surface And Interfacial Cutting Analysis System)を用いて、塗膜の剥離強度とみなしせん断強度(表層部及び内部)を測定した。
(オ)みなしせん断強度
上記と同様にSAICASを用いて、塗膜の表層部及び内部におけるみなしせん断強度を測定した。
(カ)膜厚
試料の中央付近に測定個所5ヶ所を定め、電磁膜厚計を用いて初期の膜厚を測定し、その後、一定の試験時間経過後に膜厚を同様に測定し、各時間における膜厚残存率を算出した。
外観観察、色差、光沢、塗膜剥離強度、みなしせん断強度、膜厚、塗膜抵抗値を評価項目として、暴露相当年数1、2、3、4、7年経過後(塗膜剥離強度等の破壊検査については4、7年経過後)に測定を行った。それぞれの概要を以下に示す。
(ア)外観観察
塗膜の剥離・割れ・膨れ・腐食状況を目視的に観察した。
(イ)色差
試料の中央付近に測定個所3ケ所を定め、JIS・Z8730のL*、a*、b*表色系で表面色を測定した。その後、一定の試験時間経過後に試験体の表面色を同様に測定し、各時間における色差(ΔE)を算出した。
(ウ)光沢
試料の中央付近に測定個所3ケ所を定め、JIS・Z8741の光沢度(60°鏡面反射率)を測定した。その後、一定の試験時間経過後に光沢度を同様に測定し、各時間における光沢度の残存率を算出した。
(エ)塗膜剥離強度
試料の中央付近に測定個所1ヶ所を定め、表面−界面切削法:SAICAS(Surface And Interfacial Cutting Analysis System)を用いて、塗膜の剥離強度とみなしせん断強度(表層部及び内部)を測定した。
(オ)みなしせん断強度
上記と同様にSAICASを用いて、塗膜の表層部及び内部におけるみなしせん断強度を測定した。
(カ)膜厚
試料の中央付近に測定個所5ヶ所を定め、電磁膜厚計を用いて初期の膜厚を測定し、その後、一定の試験時間経過後に膜厚を同様に測定し、各時間における膜厚残存率を算出した。
[試験結果]
条件A、B、Cによる複合サイクル試験の各5サイクルを暴露相当年数1年とみなして、それらと屋外暴露の結果とを評価項目別に比較すると、以下のようになった。なお、屋外暴露1年経過後の色差及び光沢度の残存率に関するデータは、汚れの影響が大きかったため省略した。
条件A、B、Cによる複合サイクル試験の各5サイクルを暴露相当年数1年とみなして、それらと屋外暴露の結果とを評価項目別に比較すると、以下のようになった。なお、屋外暴露1年経過後の色差及び光沢度の残存率に関するデータは、汚れの影響が大きかったため省略した。
(ア)外観観察
屋外暴露では、暴露期間が長くなるに従って、塩ビ皮膜の割れ、剥離、変退色や鋼板の腐食が見られた。これに対して複合サイクル試験では、進行度合いは異なるものの、条件A、B、Cのいずれにおいても同様の現象が見られた。なかでも条件Cにおいて、暴露同様に塗膜の剥離と剥離部分の塗膜下での白錆が見られ、最も近似した外観が確認された。
屋外暴露では、暴露期間が長くなるに従って、塩ビ皮膜の割れ、剥離、変退色や鋼板の腐食が見られた。これに対して複合サイクル試験では、進行度合いは異なるものの、条件A、B、Cのいずれにおいても同様の現象が見られた。なかでも条件Cにおいて、暴露同様に塗膜の剥離と剥離部分の塗膜下での白錆が見られ、最も近似した外観が確認された。
(イ)色差
試料No.1及びNo.4についての色差の変化を、図3及び図4にそれぞれ示す。屋外暴露では、色差は2〜4年で極大となり、その後やや低下する傾向が見られた。これに対して複合サイクル試験では、条件B、Cで同様の傾向が見られ、特に条件Cでは早期(2〜3年)に色差が大きくなる傾向が見られた。条件Aでは色差の変化が緩やかであった。
試料No.1及びNo.4についての色差の変化を、図3及び図4にそれぞれ示す。屋外暴露では、色差は2〜4年で極大となり、その後やや低下する傾向が見られた。これに対して複合サイクル試験では、条件B、Cで同様の傾向が見られ、特に条件Cでは早期(2〜3年)に色差が大きくなる傾向が見られた。条件Aでは色差の変化が緩やかであった。
(ウ)光沢
試料No.1及びNo.4についての光沢度の変化を、図5及び図6にそれぞれ示す。屋外暴露では、光沢度が2〜4年で大きく低下し、それ以降はあまり変化しない傾向が見られた。これに対して複合サイクル試験では、条件B、Cで同様の傾向が見られ、特に条件Cでは早期から光沢度が低下して、屋外暴露に近似した傾向が見られた。条件Aでは光沢残存率の変化も緩やかであった。
試料No.1及びNo.4についての光沢度の変化を、図5及び図6にそれぞれ示す。屋外暴露では、光沢度が2〜4年で大きく低下し、それ以降はあまり変化しない傾向が見られた。これに対して複合サイクル試験では、条件B、Cで同様の傾向が見られ、特に条件Cでは早期から光沢度が低下して、屋外暴露に近似した傾向が見られた。条件Aでは光沢残存率の変化も緩やかであった。
(エ)塗膜剥離強度
試料No.1及びNo.4についての塗膜剥離強度の変化を図7及び図8にそれぞれ示す。塗膜剥離強度は、塗膜とめっき面の界面近傍の付着力を示しており、この値が低下し始めると塗膜が剥離しやすくなっていると考えられる。試料No.4では、屋外暴露と条件Cで一旦剥離強度が増加した後、急激な低下が見られた。それ以外の試料では、屋外暴露を含めていずれの条件でも明らかな低下傾向は見られなかった。
試料No.1及びNo.4についての塗膜剥離強度の変化を図7及び図8にそれぞれ示す。塗膜剥離強度は、塗膜とめっき面の界面近傍の付着力を示しており、この値が低下し始めると塗膜が剥離しやすくなっていると考えられる。試料No.4では、屋外暴露と条件Cで一旦剥離強度が増加した後、急激な低下が見られた。それ以外の試料では、屋外暴露を含めていずれの条件でも明らかな低下傾向は見られなかった。
(オ)みなしせん断強度
試料No.1及びNo.4についての表層部みなしせん断強度の変化を図9及び図10にそれぞれ示す。表層部みなしせん断強度は、塗膜表層部の劣化(樹脂の硬化や崩壊等)の程度を示すと考えられる。表層部みなしせん断強度については、試料及び条件によりバラツキが大きく、明らかな傾向は見られなかった。また、全体的には屋外暴露と条件Cの傾向が近いと言えるが、塗膜剥離強度ほど明確ではなかった。
試料No.1及びNo.4についての表層部みなしせん断強度の変化を図9及び図10にそれぞれ示す。表層部みなしせん断強度は、塗膜表層部の劣化(樹脂の硬化や崩壊等)の程度を示すと考えられる。表層部みなしせん断強度については、試料及び条件によりバラツキが大きく、明らかな傾向は見られなかった。また、全体的には屋外暴露と条件Cの傾向が近いと言えるが、塗膜剥離強度ほど明確ではなかった。
(カ)膜厚
屋外暴露では、暴露期間が長くなるに従って徐々に膜厚の減少が見られた。これに対して複合サイクル試験でも同様の現象が見られたが、条件A、Bでは屋外暴露に較べて変化が非常に緩やかであった。
屋外暴露では、暴露期間が長くなるに従って徐々に膜厚の減少が見られた。これに対して複合サイクル試験でも同様の現象が見られたが、条件A、Bでは屋外暴露に較べて変化が非常に緩やかであった。
(まとめ)
上記の試験結果を総合すれば、色差、光沢、塗膜剥離強度、表層部みなしせん断強度の各項目において、条件Cによる結果が屋外暴露と最も近似した傾向を示した。したがって、塗装鋼板の劣化を再現する試験条件としては、今回実施した中では条件Cが最適であると考えられる。
上記の試験結果を総合すれば、色差、光沢、塗膜剥離強度、表層部みなしせん断強度の各項目において、条件Cによる結果が屋外暴露と最も近似した傾向を示した。したがって、塗装鋼板の劣化を再現する試験条件としては、今回実施した中では条件Cが最適であると考えられる。
また、今後様々な試料に対して物性評価をおこなう場合の項目としては、特徴的な値を示すこと及び比較的測定が簡便であること等から、色差、光沢、塗膜剥離強度の3項目、または、これにみなしせん断強度を加えた4項目が適切と考えられる。
1 試験装置
2 散水装置
3 照射装置
31 メタルハライドランプ
4 恒温恒湿槽
6 温湿度制御装置
9 試料
2 散水装置
3 照射装置
31 メタルハライドランプ
4 恒温恒湿槽
6 温湿度制御装置
9 試料
Claims (4)
- 任意の温湿度を維持しうる恒温恒湿槽内に塗装鋼板の試料を定置し、この槽内で上記試料に対し、
(a)塩水を噴霧する工程と、
(b)メタルハライドランプによる紫外線を連続的に照射するとともに、一定時間おきに散水して試料の表面を洗浄する工程と、
(c)紫外線照射を停止して、温湿度制御装置により槽内を高湿に保ち、湿潤させる工程と、
からなるサイクルを複数回繰り返して試料を劣化させることを特徴とする複合劣化試験方法。 - 請求項1記載の複合劣化試験方法において、
(a)の工程では、塩化ナトリウム濃度5%の塩水を、温度35℃に保った槽内で、1時間あたり水平面積80cm2 に1.5±0.5mlの噴霧量でN時間噴霧し、
(b)の工程では、ブラックパネル温度80±10℃、槽内湿度50%を保持しつつ、波長範囲が295〜780nmで、330〜390nmの波長域における照射強度が75±25mW/cm2 の紫外線を、4N〜12N時間照射するとともに、2時間おきに2分間の散水を行って試料の表面を洗浄し、
(c)の工程では、N時間、槽内温度を50℃、槽内湿度を95%以上に保持する、
ことを特徴とする複合劣化試験方法。 - 請求項2記載の複合劣化試験方法において、N=2とし、
(a)の工程を2時間、
(b)の工程を16時間、
(c)の工程を2時間、
実施することを特徴とする複合劣化試験方法。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の複合劣化試験方法において、試料の劣化状態を、
(ア)塗膜の剥離、割れ、膨れ、腐食等にかかる外観と、
(イ)JIS・Z8730により測定した試験前後の表面色の色差と、
(ウ)JIS・Z8741により測定した試験前後の光沢度の残存率と、
(エ)表面−界面切削法(SAICAS)による塗膜の剥離強度と、
(オ)表面−界面切削法(SAICAS)による塗膜のみなしせん断強度と、
からなる5項目により評価することを特徴とする複合劣化試験方法。
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