JP2008184293A - 材料搬送装置及び速度調整方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な構成により、材料の張力を適切に調整できる材料搬送装置及び速度調整方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る材料搬送装置は、巻き出しリール7と、巻き取りリール2と、速度調整ロール3と、を備え、巻き出しリール7に巻かれた薄板状の材料13を巻き取りリール2に巻き取ることで搬送する。制御部6aは、速度調整ロールを3制御することで材料13の搬送速度を調整し、且つ、巻き出しリール7を制御することで材料13の張力を調整する。巻き径測定装置10は、巻き出しリール7に巻かれた材料13の巻き径を測定する。そして、制御部6aは、巻き径測定装置10から得られた巻き径の大きさが基準巻き径よりも小さくなったときに、速度調整ロール3の回転速度を減少させる。
【選択図】図1
【解決手段】本発明に係る材料搬送装置は、巻き出しリール7と、巻き取りリール2と、速度調整ロール3と、を備え、巻き出しリール7に巻かれた薄板状の材料13を巻き取りリール2に巻き取ることで搬送する。制御部6aは、速度調整ロールを3制御することで材料13の搬送速度を調整し、且つ、巻き出しリール7を制御することで材料13の張力を調整する。巻き径測定装置10は、巻き出しリール7に巻かれた材料13の巻き径を測定する。そして、制御部6aは、巻き径測定装置10から得られた巻き径の大きさが基準巻き径よりも小さくなったときに、速度調整ロール3の回転速度を減少させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、巻き取りリールに薄板状の材料を巻き取る材料搬送装置に関する。
巻き取りリールに薄板状(帯状)の材料(主に金属製材料)を巻き取る材料搬送装置においては、巻き出しリールに巻かれた材料同士が擦れることによる疵の発生が製品の歩留まりに影響する。そして、発明者は、この材料同士の擦れの発生原因として、巻き出し時の急激な張力変動に着目した。
張力変動の原因は様々であり、例えば、巻き出し先の表面処理工程において、板を通過させる張力印加リールの負荷変動などにより発生することがある。そして、巻き出しが進み、巻き出しリールの巻き径が小さくなると(すなわち、巻き出しリールに対する材料の巻き付き量が残り僅かになると)、巻き出しリールに対する材料の巻き付き力が弱くなるために、少しの張力上昇で、(少し巻き弛んだ状態から)材料が巻き締まる。発明者は、このことが原因となって、巻き出し時に急激な(比較的大きな)張力変動が生じることを試験の結果知得した。
そこで、このような張力変動の影響を低減するために、まず、巻き出し開始から終了まで材料の張力が一定の大きさになるように、巻き出しリールの回転制御による材料の張力調整を行なうことが考えられる。しかし、このような調整を行なっても、急激な張力変動が起こった場合、巻き出しリールの回転制御のみでは変動に巻き出しリールが追従しきれず、張力変動の影響の低減は困難である。
また、張力変動の影響を低減するために、次のような技術を用いることも考えられる。特許文献1の技術は、材料にかかる張力を補正するためのダンサーロールを用いるものであり、ダンサーロール位置の制御により材料の張力が適切に保たれる。また、特許文献2の技術は、金属帯(材料)の張力検出値から演算した設定圧力演算値に補正値を加えて圧力設定を行なうダンパロールを用いるものである。材料に急激な張力変動が発生した時には、特許文献1に記載されているようなダンサーロールでは応答が追いつかず張力変動に追従できないことが考えられるが、特許文献2の技術によると、急激な張力変動が抑止されるので、材料の張力を適切に調整できる。
特許文献2のような技術を用いることで、急激な張力変動が発生しても、材料にかかる張力を適切に調整できると考えられるが、この場合には付加的な設備が必要となり、設備構成が複雑になってしまう。
そこで、本発明の目的は、簡易な構成により、材料の張力を適切に調整できる材料搬送装置及び速度調整方法を提供することである。
上記の目的を達成するために、本発明に係る材料搬送装置は、巻き出しリールと、巻き取りリールと、前記巻き出しリール及び前記巻き取りリールの間に配置された速度調整ロールと、を備え、前記巻き出しリールに巻かれた薄板状の材料を前記巻き取りリールに巻き取ることで搬送する材料搬送装置であって、前記速度調整ロールを制御することで前記材料の搬送速度を調整し、且つ、前記巻き出しリールを制御することで前記材料の張力を調整する制御手段と、前記巻き出しリールに巻かれた前記材料の巻き径を測定する巻き径測定手段と、を有している。そして、前記制御手段は、前記巻き径測定手段から得られた巻き径の大きさが所定の大きさよりも小さくなったときに、前記速度調整ロールの回転速度を減少させる。
本発明において、発明者は、材料の巻き出し時に生じる急激な張力変動の原因として、巻き出しリールの巻き径が小さくなったときに、少しの張力上昇で材料が巻き締まる現象に着目した。また、速度を小さくするほど張力変動による影響は小さくなり張力が安定すること、さらに、巻き径が小さくなるほど張力が安定する上限の速度(搬送速度をそれ以上高くすると、急激な張力変動が起こり易くなる、という基準速度)が小さくなることにも着目した。そして、上記の構成によると、巻き出しリールの巻き径が所定の大きさよりも小さくなったときに速度調整ロールの制御により搬送速度を減少させることで、急激な張力変動の発生を抑止することができ、ダンパロールのような付加的な設備を設けることなく、簡易な構成により、材料の張力を適切に調整できる。その結果、材料に疵が発生することを抑止することができる。
ここで“巻き径を測定”することには、巻き径を直接はかることだけでなく、他の量を直接はかり、その結果から、理論を媒介として間接的に巻き径を決定することも含まれる。
前記所定の大きさは、前記巻き径の大きさと前記材料の張力変動量との関係に基づいて求められてもよい。上記のように、巻き径の大きさは、張力変動と関連している。そこで、予め、材料の張力変動量が急激になる(比較的大きくなる)時点の直前での巻き径の大きさ(基準巻き径とする)を把握しておき、巻き径の大きさがその基準巻き径の大きさよりも小さくなったときに搬送速度を減少させることで、材料の張力をより適切に調整できる。
また、他の観点において上記の目的を達成するために、本発明に係る速度調整方法は、巻き出しリールと、巻き取りリールと、前記巻き出しリール及び前記巻き取りリールの間に配置された速度調整ロールと、を備え、前記巻き出しリールに巻かれた薄板状の材料を前記巻き取りリールに巻き取ることで搬送する材料搬送装置の搬送速度を調整するための速度調整方法である。そして、前記材料搬送装置は、前記速度調整ロールを制御することで前記材料の搬送速度が調整され、且つ、前記巻き出しリールを制御することで前記材料の張力が調整されるものであり、前記巻き出しリールに巻かれた前記材料の巻き径を測定する巻き径測定工程と、前記巻き径測定工程で得られた巻き径の大きさが所定の大きさよりも小さくなったときに、前記速度調整ロールの回転速度を減少させる工程と、を有する。
この構成によると、付加的な設備を設けることなく、簡易な構成により、材料の張力を適切に調整できる。その結果、材料に疵が発生することを抑止することができる。
また、他の観点において上記の目的を達成するために、本発明に係る材料搬送装置は、巻き出しリールと、巻き取りリールと、前記巻き出しリール及び前記巻き取りリールの間に配置された速度調整ロールと、を備え、前記巻き出しリールに巻かれた薄板状の材料を前記巻き取りリールに巻き取ることで搬送する材料搬送装置である。そして、前記巻き出しリールを制御することで前記材料の張力を調整する制御手段と、前記巻き出しリールに巻かれた前記材料の巻き径を測定する巻き径測定手段と、前記材料の搬送速度を測定する搬送速度測定手段と、前記搬送速度測定手段から得られた前記材料の搬送速度、及び、前記材料の推奨上限搬送速度を、前記巻き径測定手段から得られた巻き径の大きさに対応させて表示する表示手段と、前記速度調整ロールの回転速度の調整操作を行なうための操作手段と、前記操作手段の操作に連動して前記速度調整ロールを制御することで前記速度調整ロールの回転速度を調整する速度調整手段と、を有する。
この構成によると、表示手段に表示された、巻き径に対応する推奨上限搬送速度の大きさを参照しながら、運転者が搬送速度を操作することにより、張力を適切に調整することができるので、付加的な設備を設けることなく、簡易な構成により、材料の張力を適切に調整できる。その結果、材料に疵が発生することを抑止することができる。
ここで、“推奨上限搬送速度”とは、ある巻き径において、材料の張力が安定する上限の速度であり、その巻き径においてそれ以上搬送速度を高くすると、急激な張力変動が起こり易くなる、という基準速度である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
(全体構成)
まず、本発明の一実施形態に係る材料搬送装置について、図1の概略図を参照しながら説明する。
まず、本発明の一実施形態に係る材料搬送装置について、図1の概略図を参照しながら説明する。
ここでは、本発明に係る材料搬送装置が、図1に示すように、薄板状の金属材料(金属帯)を長手方向に沿って搬送しつつ、必要な処理(焼鈍、メッキ等)を施す連続処理ラインに用いられる一実施形態について説明する。
まず、本実施形態に係る材料搬送装置1の全体構成について説明する。材料搬送装置1は、巻き出しリール7、巻き取りリール2、速度調整ロール3、搬送用ロール4a〜4g、処理部9、コンピュータ6、張力センサ(張力測定手段)5、及び、巻き径測定装置(巻き径測定手段)10を有して構成されており、速度調整ロール3は、巻き出しリール7及び巻き取りリール2の間に配置されている。また、巻き出しリール7、巻き取りリール2、速度調整ロール3には、それぞれ回転駆動力を発生させるモータMが取り付けられており、モータMの回転によりそれぞれが回転するようになっている。そして、材料搬送装置1は、巻き出しリール2に巻かれた薄板状の材料13を、巻き取りリール2に巻き取ることで搬送するように構成されている(搬送方向については、図の矢印方向参照)。
そして、巻き取りリール2、速度調整ロール3、張力センサ5、巻き出しリール7、巻き径測定装置10は、ケーブル11a〜11eを介してコンピュータ6と電気的に接続されており、これらはコンピュータ6からの命令を受けて制御される。なお、巻き取りリール2、速度調整ロール3、巻き出しリール7は、それぞれのモータMを介して制御されることになる。
(コンピュータ)
図1に示されているコンピュータ6は、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどの情報処理装置によって構成されている。かかる情報処理装置には、CPU、ROM、RAM、ハードディスク、FDやCDの駆動装置などのハードウェアが収納されており、ハードディスクには、当該情報処理装置を機能させるためのプログラム(このプログラムは、CD−ROM、FD、MOなどのリムーバブル型記録媒体に記録しておくことにより、任意のコンピュータにインストールすることが可能である)を含む各種のソフトウェアが記憶されている。そして、これらのハードウェア及びソフトウェアが組み合わされることによって、後述するような各部が構築されている。
図1に示されているコンピュータ6は、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどの情報処理装置によって構成されている。かかる情報処理装置には、CPU、ROM、RAM、ハードディスク、FDやCDの駆動装置などのハードウェアが収納されており、ハードディスクには、当該情報処理装置を機能させるためのプログラム(このプログラムは、CD−ROM、FD、MOなどのリムーバブル型記録媒体に記録しておくことにより、任意のコンピュータにインストールすることが可能である)を含む各種のソフトウェアが記憶されている。そして、これらのハードウェア及びソフトウェアが組み合わされることによって、後述するような各部が構築されている。
図1に示すように、コンピュータ6は、内部に制御部6a、記憶部6bを有して構成されている。
制御部6aは、材料搬送装置1の各部の動作を、必要に応じて適宜制御する。具体的には、速度調整ロール3の回転速度を制御することで、材料13の搬送速度を調整する。また、巻き出しリール7の回転速度を制御することで、材料13の張力を調整する。具体的には、巻き出し開始から、巻き径の大きさが基準巻き径(後述する)に達するまでは、張力センサ5から得られた張力値に基づき、材料13の張力が一定となるように、制御部6aが巻き出しリール7を制御する。また、巻き径の大きさが基準巻き径よりも小さくなった後は、制御部6aは、急激な張力変動の発生を抑止するための速度調整処理(後述)を行なう。
また、記憶部6bには、材料搬送装置1の運転管理に必要な各種情報が記憶されている。
(処理部)
処理部9では、材料13がアルカリ洗浄処理を施される。なお、本実施形態ではこのような処理が行なわれるが、このような処理以外の処理が行なわれてもよい。
処理部9では、材料13がアルカリ洗浄処理を施される。なお、本実施形態ではこのような処理が行なわれるが、このような処理以外の処理が行なわれてもよい。
(巻き径測定装置)
また、巻き径測定装置10は、巻き出しリール7に巻かれた材料13の巻き径を測定するものである。本実施形態においては、測定用ローラを巻き出しリール7に巻かれた材料13に押し付けるように付勢しておき、巻き出しに伴って巻き径が小さくなるときに、それに付随して移動する測定用ローラの変位量を測定することで材料13の巻き径を測定するように構成される。本実施形態では、巻き径測定手段を、このように巻き径を直接はかるものとしているが、巻き径を決定することができれば、このようなものには限られず、他の量をはかり、その結果から、理論を媒介として間接的に巻き径を決定するものであってもよい。例えば、巻き出しリール7の回転の総数を測定しておき、その総回転数から、残りの巻き径を計算するようなものであってもよい。
また、巻き径測定装置10は、巻き出しリール7に巻かれた材料13の巻き径を測定するものである。本実施形態においては、測定用ローラを巻き出しリール7に巻かれた材料13に押し付けるように付勢しておき、巻き出しに伴って巻き径が小さくなるときに、それに付随して移動する測定用ローラの変位量を測定することで材料13の巻き径を測定するように構成される。本実施形態では、巻き径測定手段を、このように巻き径を直接はかるものとしているが、巻き径を決定することができれば、このようなものには限られず、他の量をはかり、その結果から、理論を媒介として間接的に巻き径を決定するものであってもよい。例えば、巻き出しリール7の回転の総数を測定しておき、その総回転数から、残りの巻き径を計算するようなものであってもよい。
(速度調整処理について)
制御部6aによる速度調整処理の詳細について説明する。制御部6aは、急激な張力変動の発生を抑止するために、巻き径測定装置10から得られた巻き径の大きさが所定の大きさよりも小さくなったときに、速度調整ロール3の回転速度(すなわち、材料13の搬送速度)を減少させる。そして、巻き径の“所定の大きさ”は、巻き径の大きさと、材料13の張力変動量との関係に基づいて求められるものである。
制御部6aによる速度調整処理の詳細について説明する。制御部6aは、急激な張力変動の発生を抑止するために、巻き径測定装置10から得られた巻き径の大きさが所定の大きさよりも小さくなったときに、速度調整ロール3の回転速度(すなわち、材料13の搬送速度)を減少させる。そして、巻き径の“所定の大きさ”は、巻き径の大きさと、材料13の張力変動量との関係に基づいて求められるものである。
以下、速度調整処理についてより詳細に説明する。図8は、従来の材料搬送装置において、速度調整処理を行なわず、巻き出し完了まで速度調整ロール3の回転速度をほぼ一定に保つような運転を行なった場合の、材料13の搬送速度(a)及び材料の張力(b)を示すグラフである。図8は縦軸を搬送速度及び張力、横軸を時間として示しており、搬送速度の単位[mpm]は、meter per minute (分当たりの距離)を表わしている。ここでは横軸を時間として示しているが、時間の経過に従って、巻き出しリールに巻かれた材料の巻き径は小さくなっていくため、図8では横軸を巻き径の大きさに置き換えることができる(図8の矢印参照)。
図8(a)に示すように、速度を巻き出し完了まで一定に保つ運転を行なった場合には、図8(b)のように、材料の張力は、巻き出し完了直前に、急激に高くなる(図の丸で囲まれたA部分参照)。これは、巻き出しが進み、巻き出しリールの巻き径が小さくなると(すなわち、巻き出しリールに対する材料の巻き付き量が残り僅かになると)、巻き出しリールに対する材料の巻き付き力が弱くなることが原因であり、巻き径が小さくなると、少しの張力上昇で(少し巻き弛んだ状態から)材料が巻き締まる結果、材料にはAに示すような急激な張力変動が生じる。これは、巻き径が小さくなるほど張力が安定する上限の速度(搬送速度をそれ以上高くすると、急激な張力変動が起こり易くなる、という基準速度)は小さくなる一方で、材料の搬送速度がその上限速度を超えたために発生した現象であるといえる。
本実施形態に係る材料搬送装置1においては、このような張力変動の影響を低減するために、巻き出し開始から終了まで材料13の張力が一定の大きさになるように、巻き出しリール7の回転制御により材料13の張力が調整されている。しかし、このような調整を行なっても、急激な張力変動が起こった場合には、巻き出しリール7の回転制御のみでは変動に巻き出しリール7が追従しきれず、張力変動の影響の低減は困難である。
ところで、上記のように、巻き径が小さくなったときに急激な張力変動が起こることから、巻き径の大きさは、張力変動と関連しているといえる。そこで、予め、材料の張力変動量が急激になる(比較的大きくなる)時点の直前での巻き径の大きさ(基準巻き径とする)を把握しておく(図8の(b)参照)。具体的には、予め試験等により得られた値を記憶部6bに入力しておく。そして、図2(a)のように、巻き径の大きさがその基準巻き径の大きさよりも小さくなったときに搬送速度を減少させるようにする。その結果、図8(b)の場合とは異なり、急激な張力変動の発生を抑えることができる(図2(b)の丸で囲まれたB部分参照)。
また、制御部6aによる具体的な速度制御は、図3のような最適速度パターンに沿うように行なわれる。図3の最適速度パターンは、理想的な速度パターンであり、巻き径と張力変動との関係等に基づいて決定され、記憶部6bに記憶されているものである。図3のパターンに沿うように運転した結果(実際の速度)が、例えば図2(a)のようになる。なお、図2、図3において、グラフの左端部分は搬送開始前の状態であり巻き径は変化していないので、この左端部分についてのみ、横軸と巻き径の大きさとは対応していない(時間とは対応する)。
以上のように、本発明においては、材料13の巻き出し時に生じる急激な張力変動の原因として、巻き出しリール7の巻き径が小さくなったときに、少しの張力上昇で材料13が巻き締まる現象に着目した。また、速度を小さくするほど張力変動による影響は小さくなり張力が安定すること、さらに、巻き径が小さくなるほど張力が安定する上限の速度(搬送速度をそれ以上高くすると、急激な張力変動が起こり易くなる、という基準速度)が小さくなることにも着目した。そして、材料搬送装置1は上記のように構成されているので、巻き出しリール7の巻き径が所定の大きさ(基準巻き径)よりも小さくなったときに速度調整ロール3の制御により搬送速度を減少させることで、急激な張力変動の発生を抑止することができ、ダンパロールのような付加的な設備を設けることなく、簡易な構成により、材料13の張力を適切に調整できる。その結果、材料13に疵が発生することを抑止することができる。
また、基準巻き径(巻き径の所定の大きさ)の大きさは、巻き径の大きさと材料13の張力変動量との関係に基づいて求められている。そのため、予め、材料の張力変動量が急激になる(比較的大きくなる)時点の直前での巻き径である基準巻き径を把握しておき、巻き径の大きさがその基準巻き径の大きさよりも小さくなったときに搬送速度を減少させることで、材料13の張力をより適切に調整できる。本実施形態においては、基準巻き径の大きさが、巻き径の大きさと張力変動量との関係に基づいて求められているが、これ以外の方法によって求められてもよく、例えば、巻き出しリールへ巻かれた材料の残りの巻き数(二巻き以下、等)等に基づいて求められてもよい。
(速度調整方法)
次に、本発明に係る材料搬送装置1の速度調整方法について説明する。本方法においては、まず、巻き出.しリール7に巻かれた材料13の巻き径を測定する(巻き径測定工程)。次に、巻き径測定工程で得られた巻き径の大きさが、記憶部6bに記憶された所定の大きさ(基準巻き径)よりも小さくなったときに、速度調整ロール3の回転速度(すなわち材料13の搬送速度)を減少させる(速度減少工程)。以上のような方法により、付加的な設備を設けることなく、簡易な構成により、材料の張力を適切に調整できる。その結果、材料に疵が発生することを抑止することができる。
次に、本発明に係る材料搬送装置1の速度調整方法について説明する。本方法においては、まず、巻き出.しリール7に巻かれた材料13の巻き径を測定する(巻き径測定工程)。次に、巻き径測定工程で得られた巻き径の大きさが、記憶部6bに記憶された所定の大きさ(基準巻き径)よりも小さくなったときに、速度調整ロール3の回転速度(すなわち材料13の搬送速度)を減少させる(速度減少工程)。以上のような方法により、付加的な設備を設けることなく、簡易な構成により、材料の張力を適切に調整できる。その結果、材料に疵が発生することを抑止することができる。
(変形例)
次に、本発明に係る材料搬送装置の変形例について、図4〜7を参照しながら、上記の実施形態と異なる部分を中心に説明する。図4、6は、それぞれ、上記の実施形態に係る材料搬送装置の第1、第2変形例を示す概略図であり、図5は、第1変形例に係る材料搬送装置において表示装置に表示される速度情報を示したグラフである。また、図7は、第2変形例に係る材料搬送装置における速度調整処理手順を示すフローチャートである。なお、上記の実施形態と同様の部分については同一の符号を付してその説明を省略する。
次に、本発明に係る材料搬送装置の変形例について、図4〜7を参照しながら、上記の実施形態と異なる部分を中心に説明する。図4、6は、それぞれ、上記の実施形態に係る材料搬送装置の第1、第2変形例を示す概略図であり、図5は、第1変形例に係る材料搬送装置において表示装置に表示される速度情報を示したグラフである。また、図7は、第2変形例に係る材料搬送装置における速度調整処理手順を示すフローチャートである。なお、上記の実施形態と同様の部分については同一の符号を付してその説明を省略する。
(第1変形例)
第1変形例に係る材料搬送装置100は、コンピュータ106内部に、速度調整部(速度調整手段)106dをさらに有している。また、材料13の搬送速度を測定するための搬送速度測定装置(搬送速度測定手段)112が、処理ライン上に設けられ、ケーブル11fを介してコンピュータ106へ電気的に接続されている。また、表示部(表示手段)108a、操作部(操作手段)108bが設けられ、これらはそれぞれケーブル11h,11gを介してコンピュータ106へ電気的に接続されている。
第1変形例に係る材料搬送装置100は、コンピュータ106内部に、速度調整部(速度調整手段)106dをさらに有している。また、材料13の搬送速度を測定するための搬送速度測定装置(搬送速度測定手段)112が、処理ライン上に設けられ、ケーブル11fを介してコンピュータ106へ電気的に接続されている。また、表示部(表示手段)108a、操作部(操作手段)108bが設けられ、これらはそれぞれケーブル11h,11gを介してコンピュータ106へ電気的に接続されている。
表示部108aは、搬送速度測定装置112から得られた材料13の搬送速度、及び、材料13の推奨上限搬送速度を、巻き径測定装置10から得られた巻き径の大きさに対応させて表示する(図5参照)。上記のように、巻き出しが行なわれているときには、巻き径と時間とは関連しており、時間が進むに連れて巻き出しが進む。図5の横軸は巻き径で、右へ行くほど巻き径が小さくなるが、この横軸は時間の経過に対応したものと考えることもできる。また、“推奨上限搬送速度”とは、ある巻き径において、材料の張力が安定する上限の速度であり、その巻き径においてそれ以上搬送速度を高くすると、急激な張力変動が起こり易くなる、という基準速度である。巻き径と推奨上限搬送速度との関係は、予め、試験や計算により求めておく。なお、図5に示すように、推奨上限搬送速度は、ある巻き径(基準巻き径)を境に、それ以上の巻き径においてはほぼ一定の値となる。この理由について説明する。基準巻き径においては、材料間(板間)の総摩擦力と、張力変動時の変動張力幅とが等しくなっている。そして、基準巻き径よりも巻き径が小さいと、巻き出しリールに巻かれた材料において、張力変動への抵抗力となる材料間(板間)の総摩擦力が、変動張力幅よりも小さくなるために、巻き擦れが発生し易く、推奨上限速度は小さくなる。一方、巻き径が基準巻き径の大きさ以上になると、材料間の総摩擦力が変動張力幅よりも大きくなるため、巻き擦れは発生しにくくなり、推奨上限速度を大きくとることができるようになる。そして、モータの回転速度には上限があることに関連して、搬送速度の推奨上限速度は一定になる。
また、操作部108bは、速度調整ロール3の回転速度の調整操作を運転者が行なうためのものであり、例えば、レバー、ダイヤル、スライド式スイッチ等の、連続的な速度調整ができる入力装置が該当する。また、速度調整部(速度調整手段)106dは、運転者による操作部108aの操作に連動して、速度調整ロール3を制御することで速度調整ロール3の回転速度を調整するものである。その結果、運転者は、操作部108bを操作することで、材料13の搬送速度を調整できる。
そして、表示部108aには、その時点での巻き径に対応して、巻き出しリール7に巻かれた材料13の巻き径に対応する搬送速度がリアルタイム表示され、且つ、その時点での巻き径に対応する推奨上限搬送速度もまた表示される。材料搬送装置100がこのように構成されるので、運転者が、表示部108aに表示された、巻き径に対応する推奨上限搬送速度の大きさを参照しながら、搬送速度が推奨上限搬送速度を超えないように操作部108bを操作することにより、材料13の張力を適切に調整することができる。そのため、付加的な設備を設けることなく、簡易な構成により、材料13の張力を適切に調整できる。その結果、材料13に疵が発生することを抑止することができる。
(第2変形例)
第2変形例に係る材料搬送装置200は、巻き出しリール7に巻かれた材料13の巻き径を測定し、次に、巻き径測定工程で得られた巻き径の大きさが基準巻き径よりも小さく、且つ、張力センサ5から得られた材料の張力の変化率が連続で所定値を超えたときに限り、速度調整ロール3の回転速度(すなわち材料13の搬送速度)を減少させる。また、コンピュータ206の内部には、材料搬送装置1の各部の動作に必要な演算を必要に応じて行なう演算部206cが設けられている。
第2変形例に係る材料搬送装置200は、巻き出しリール7に巻かれた材料13の巻き径を測定し、次に、巻き径測定工程で得られた巻き径の大きさが基準巻き径よりも小さく、且つ、張力センサ5から得られた材料の張力の変化率が連続で所定値を超えたときに限り、速度調整ロール3の回転速度(すなわち材料13の搬送速度)を減少させる。また、コンピュータ206の内部には、材料搬送装置1の各部の動作に必要な演算を必要に応じて行なう演算部206cが設けられている。
図7のフローチャートを参照しながら具体的に説明する。まず、巻き径測定工程(上記の実施形態参照)において、その時点における巻き径を測定する(ステップS101)。
次に、巻き径測定工程で得られた巻き径の値が所定の大きさ(基準巻き径)より小さいかどうかを判断する(ステップS102)。
その結果、巻き径の値が基準巻き径よりも小さければ(ステップS102:Yes)張力センサ5からその時点での張力値を取得し、下記式(1)に従って張力値変化率を計算する(ステップS103)。このような計算処理は、演算部206cにおいてなされる。一方、ステップS101において巻き径の値が基準巻き径以上であれば(ステップS102:No)、また巻き径測定工程に戻り、同様の処理が繰り返される。
αT=(T2−T1)/Δt 式(1)
αT:張力値変化率[kgf/mm2/s],Δt:サンプリング時間[s],T1:あるタイミングでの張力値[kgf/mm2],T2:T1からΔt経過後の張力値[kgf/mm2]
αT=(T2−T1)/Δt 式(1)
αT:張力値変化率[kgf/mm2/s],Δt:サンプリング時間[s],T1:あるタイミングでの張力値[kgf/mm2],T2:T1からΔt経過後の張力値[kgf/mm2]
そして、ステップS103で計算した張力変化率がY秒連続で閾値Xを越える場合には(ステップS104:Yes)、速度調整ロール3の回転速度(すなわち材料13の搬送速度)を減少させる(ステップS105)。そして、次は再び巻き径測定工程に戻ることになる。一方、張力変化率がY秒連続でXを超えない場合は(ステップS104:No)、再び巻き径測定工程に戻り、同様の処理が繰り返される。
以下に、αT及び制御結果の関係の例を示す(この例では、Δt=4,X=0.1,Y=8となっている)。
例1 αT=0.05 kgf/mm2/s(8秒連続),結果:減速せず
例2 αT=0.11 kgf/mm2/s(8秒連続),結果:減速
例1 αT=0.05 kgf/mm2/s(8秒連続),結果:減速せず
例2 αT=0.11 kgf/mm2/s(8秒連続),結果:減速
以上のような方法により、付加的な設備を設けることなく、簡易な構成により、材料の張力を適切に調整できる。その結果、材料に疵が発生することを抑止することができる。また、急激な張力変動が発生しない場合には速度調整ロール3の回転速度を減少させないため、無駄に搬送速度を落とすことがないので、サイクルタイムが必要以上に長くなることを防止できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することができるものである。
1,100,200 材料搬送装置
2 巻き取りリール
3 速度調整ロール
5 張力センサ(張力測定手段)
6a,106a,206a 制御部(制御手段)
7 巻き出しリール
10 巻き径測定装置(巻き径測定手段)
13 材料
106d 速度調整部(速度調整手段)
108a 表示部(表示手段)
108b 操作部(操作手段)
112 搬送速度測定装置(搬送速度測定手段)
2 巻き取りリール
3 速度調整ロール
5 張力センサ(張力測定手段)
6a,106a,206a 制御部(制御手段)
7 巻き出しリール
10 巻き径測定装置(巻き径測定手段)
13 材料
106d 速度調整部(速度調整手段)
108a 表示部(表示手段)
108b 操作部(操作手段)
112 搬送速度測定装置(搬送速度測定手段)
Claims (4)
- 巻き出しリールと、巻き取りリールと、前記巻き出しリール及び前記巻き取りリールの間に配置された速度調整ロールと、を備え、前記巻き出しリールに巻かれた薄板状の材料を前記巻き取りリールに巻き取ることで搬送する材料搬送装置であって、
前記速度調整ロールを制御することで前記材料の搬送速度を調整し、且つ、前記巻き出しリールを制御することで前記材料の張力を調整する制御手段と、
前記巻き出しリールに巻かれた前記材料の巻き径を測定する巻き径測定手段と、を有し、
前記制御手段は、前記巻き径測定手段から得られた巻き径の大きさが所定の大きさよりも小さくなったときに、前記速度調整ロールの回転速度を減少させることを特徴とする材料搬送装置。 - 前記所定の大きさは、前記巻き径の大きさと前記材料の張力変動量との関係に基づいて求められることを特徴とする請求項2に記載の材料搬送装置。
- 巻き出しリールと、巻き取りリールと、前記巻き出しリール及び前記巻き取りリールの間に配置された速度調整ロールと、を備え、前記巻き出しリールに巻かれた薄板状の材料を前記巻き取りリールに巻き取ることで搬送する材料搬送装置の搬送速度を調整するための速度調整方法であって、
前記材料搬送装置は、前記速度調整ロールを制御することで前記材料の搬送速度が調整され、且つ、前記巻き出しリールを制御することで前記材料の張力が調整されるものであり、
前記巻き出しリールに巻かれた前記材料の巻き径を測定する巻き径測定工程と、
前記巻き径測定工程で得られた巻き径の大きさが所定の大きさよりも小さくなったときに、前記速度調整ロールの回転速度を減少させる工程と、を有することを特徴とする速度調整方法。 - 巻き出しリールと、巻き取りリールと、前記巻き出しリール及び前記巻き取りリールの間に配置された速度調整ロールと、を備え、前記巻き出しリールに巻かれた薄板状の材料を前記巻き取りリールに巻き取ることで搬送する材料搬送装置であって、
前記巻き出しリールを制御することで前記材料の張力を調整する制御手段と、
前記巻き出しリールに巻かれた前記材料の巻き径を測定する巻き径測定手段と、
前記材料の搬送速度を測定する搬送速度測定手段と、
前記搬送速度測定手段から得られた前記材料の搬送速度、及び、前記材料の推奨上限搬送速度を、前記巻き径測定手段から得られた巻き径の大きさに対応させて表示する表示手段と、
前記速度調整ロールの回転速度の調整操作を行なうための操作手段と、
前記操作手段の操作に連動して前記速度調整ロールを制御することで前記速度調整ロールの回転速度を調整する速度調整手段と、を有することを特徴とする材料搬送装置。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP2007020425A JP2008184293A (ja) | 2007-01-31 | 2007-01-31 | 材料搬送装置及び速度調整方法 |
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| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2008184293A true JP2008184293A (ja) | 2008-08-14 |
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| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2007020425A Pending JP2008184293A (ja) | 2007-01-31 | 2007-01-31 | 材料搬送装置及び速度調整方法 |
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-
2007
- 2007-01-31 JP JP2007020425A patent/JP2008184293A/ja active Pending
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