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JP2008181863A - 画像表示装置 - Google Patents

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JP2008181863A
JP2008181863A JP2007304424A JP2007304424A JP2008181863A JP 2008181863 A JP2008181863 A JP 2008181863A JP 2007304424 A JP2007304424 A JP 2007304424A JP 2007304424 A JP2007304424 A JP 2007304424A JP 2008181863 A JP2008181863 A JP 2008181863A
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JP2007304424A
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Takeshi Yamatoda
武史 山戸田
Akihiko Yamano
明彦 山野
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Canon Inc
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Toshiba Corp
Canon Inc
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Abstract

【課題】ビーム位置ずれの無い、より高品位な画像表示装置を実現する。
【解決手段】複数の電子放出素子を有するリアプレート81と蛍光体を有するフェースプレートとの間で大気圧を支持するスペーサ100を備えた電子線画像表示装置である。スペーサ100の表面に凹凸形状を有し、かつ、電位規定用高抵抗膜を有する。スペーサ100に近い領域の順に第一近接(上第一近接,下第一近接)、第二近接(上第二近接,下第二近接)と呼ぶこととすると、第一近接の電子放出素子の初速度ベクトルとスペーサ100の長手方向と平行な線とが成す角度の絶対値が、第二近接の電子放出素子の初速度ベクトルとスペーサ100の長手方向と平行な線とが成す角度の絶対値よりも小さい。
【選択図】図1

Description

本発明は、本発明は、画像表示装置に関する。
近年、電子放出素子を使用した平面薄型画像表示装置(フラットパネルディスプレイ)の研究開発が盛んに行われている。フラットパネルディスプレイは、電子放出素子を有するリアプレートと、蛍光体等の発光部材を有するフェースプレートとを枠を介して接合したパネルから成る。そしてこのパネル内部は減圧雰囲気に維持されているので、大気圧によってパネルが破壊されないために、該パネル内に耐大気圧支持構造としてのスペーサを有する。このスペーサはフェースプレートで反射する電子等の照射に曝されるため、表面が帯電し、電子放出素子から放出された電子ビームの軌道に影響を与えることが知られている。この問題を解決することが望まれており、従前より、スペーサには様様な工夫がなされている。具体的には、スペーサ表面に帯電を防止する被膜を設けたり、またスペーサの表面形状を凹凸形状にすること等である。一方、スペーサの帯電を防止する技術とともに、スペーサに近接する電子放出素子の電子ビーム軌道を所望に制御し、スペーサの帯電による影響を感じさせないようにする工夫も考察されている。
特許文献1には、加熱延伸によるスペーサ製造方法を示し、表面に凹凸形状が形成されたスペーサを効率良く作成する方法を開示している。
特許文献2には、スペーサ表面の高抵抗膜の抵抗値に、成膜方向によって依存性が存在することが開示されている。
特許文献3には、スペーサと電子源の距離が近いほど電子ビーム軌道が受ける影響が大きくなることが開示されている。これは画素ピッチが狭いほど補正すべきビーム到達位置ずれ量が大きくなることを意味している。
特許文献4には、走査配線高さによってスペーサ近傍のビーム位置が規定されることが開示されている。
特許文献5には、帯電制御のためにスペーサ表面に凹凸形状を形成すること、そしてスペーサ表面の二次電子放出係数δの入射角度依存係数が減少するように溝形状を決定することが開示されている。
特許文献6、7には、スペーサ表面に凹凸形状を形成し、この凹凸形状のピッチが分布を有すること、そしてこのピッチの分布によってスペーサ表面に抵抗分布を生じさせることが開示されている。
特許文献8には、一対の素子電極を有する表面伝導型放出素子の該素子電極の対向面を、スペーサの長手方向と垂直な方向に対して傾けることで、スペーサ近傍の素子から放出された電子ビームの軌道を制御することが開示されている。
特開2000−311608号公報(USP6494757) 特開2003−282000号公報 特開2003−331761号公報(USP6992447) 特開平08−315723号公報(USP5905335) 特開2000−311632号公報(USP6809469) 特開2003−223858号公報(USP6963159) 特開2003−223857号公報 特開2006−019253号(米国特許公開公報US2005/264166)
図2で示される画像表示装置は、マトリクス配線と電子放出素子を有するリアプレート81、各電子放出素子に正対する被電子照射部を有するフェースプレート82および支持枠86から外囲器90を形成している。内部は高真空になっており、大気圧から内部空間を保持するために板状スペーサ100を有している。
図3Aにスペーサ近傍のY側配線89方向から見た断面を示す。スペーサはリアプレート側のY側配線とフェースプレート側の当接部材131に挟まれて設置されている。スペーサによって形成される電界によって、スペーサ近傍の電子ビームの軌道はスペーサ非近傍の電子ビーム軌道とは異なる。この電子軌道の違いによりスペーサ近傍と非近傍とではフェースプレート上の電子ビーム到達位置が異なる。このため、スペーサ近傍では発光点の密度が変化し、その結果、画像中に明線または暗線が認識されるため、画質が劣化する。
図4にスペーサ近傍の電子ビームがスペーサの電界によって到達位置ずれを起こしたときの様子を示す。電子ビーム軌道への影響はスペーサに近いほど大きく、スペーサから遠くなるとその影響は少なくなる。
尚、近年、発明者等の研究により、スペーサ近傍の電子ビーム位置ずれの要因は3種類に大別されることが分かってきた。1つは「初期ビーム位置ずれ」、2つ目は「温度差依存ビーム位置ずれ」、3つ目は「帯電依存ビーム位置ずれ」である。「初期ビーム位置ずれ」は、フェースプレートとリアプレートの電位差によってのみ生じる、スペーサ表面の電位分布による電子ビーム到達位置ずれである。「温度差依存ビーム位置ずれ」は、フェースプレートとリアプレートの温度差によってスペーサ表面の電位規定用高抵抗膜の抵抗値が変化することによる電子ビーム到達位置ずれである。「帯電依存ビーム位置ずれ」は、電子ビームのうち、メタルバック上で反射したものがスペーサ表面に入射することでスペーサ表面が帯電することによる電子ビーム到達位置ずれである。帯電はスペーサ表面の二次電子放出係数により正負のどちらともありうる。以上から、スペーサ近傍の電子ビーム位置ずれは、この3種類が重畳した結果として現れる。
このビーム位置ずれを補正するために特許文献3では、ビーム到達位置のずれに合わせて、スペーサ近傍の画素ピッチを広ピッチ化することにより到達位置ずれを補正する方法を示している。また、特許文献4ではスペーサに当接する部材の高さを調整することでビーム到達位置ずれを補正する方法を示している。しかしこれらの方法では「初期ビーム位置ずれ」をある程度補正することができるが、「温度差依存ビーム位置ずれ」と「帯電依存ビーム位置ずれ」に対しては、十分な補正ができない。
スペーサ近傍のビーム位置ずれ補正として、スペーサ表面に凹凸を形成する方法は、補正の範囲が広く、前記3種類のビームずれの内、初期ビーム位置ずれと帯電依存ビーム位置ずれを解決できる。特許文献1において示されている加熱延伸工程を用いることで、スペーサ長手方向の表面にストライプ状の凹凸形状を付けたスペーサを容易に製造でき、この技術は本発明の実施例でも用いることができる。スペーサ表面の凹凸形状でスペーサの帯電をできるだけ減らすためには、二次電子放出係数δを考える必要がある。スペーサ表面の単位面積における射出電子数/入射電子数の値がδである。δが1のとき入射電子と射出電子数が等しくスペーサは帯電しない。δが1より大きい場合は射出電子の割合が大きくなり、スペーサ表面は正に帯電する。δが1より小さい場合は射出電子の割合が小さくなりスペーサ表面は負に帯電する。δはスペーサ表面の帯電防止膜の材質と表面の形状、および入射する電子の入射角で決まる。スペーサ表面に垂直に入射する場合を角度0とすると、角度が大きくなるほど二次電子放出係数は大きくなる。電子はスペーサに垂直に入射することはまれで、多くはフェースプレート側かリアプレート側から入射する。よって、スペーサ表面が平坦である場合、δは1より大幅に大きくなり正に帯電しやすい。逆にスペーサ表面に溝の深い凹凸がついている場合、溝の内部では入射角を小さく抑えることが可能になるのでδを低くすることが可能となる。このような原理から特許文献5ではスペーサに凹凸形状を付けることでδをできるだけ小さくし、帯電を減少させる方法を示している。この方法によって「帯電依存ビーム位置ずれ」を減少させることができるが、スペーサ表面の凹凸形状は、スペーサ表面の抵抗分布にも影響を及ぼす、つまり「初期ビーム位置ずれ」にも影響を及ぼすため、両者を所望に制御することは困難であった。
凹凸分布によって「初期ビーム位置ずれ」を補正する原理は、凹凸分布によってスペーサ表面に抵抗分布を付けて任意の電位分布にすることにある。つまり、凹凸によって沿面距離が変わるため、凹凸形状に応じてスペーサ表面の抵抗に分布をつけることが出来る。この技術が特許文献6,7に記載されている。
ところで、ビーム位置を補正する技術として特許文献8では、一対の素子電極の向きを工夫する技術が開示されている。具体的には、一対の素子電極を有する表面伝導型放出素子の該素子電極の対向面を、スペーサの長手方向と垂直な方向に対して傾けることで、スペーサ近傍の素子から放出された電子ビームの軌道を制御することが開示されている。尚、以下、素子電極の対向面を、スペーサの長手方向と垂直な方向に対して傾ける構成を「斜め素子電極」という場合がある。しかし、画素ピッチが狭い画像表示装置においては、斜め素子電極の重要な要素である電子ビームの曲進量と斜め素子電極角度がどちらも減少してしまうために、その補正量が小さくなってしまうという課題がある。
本発明の目的は、上記従来例の課題に鑑み、スペーサからの離間距離の違いに伴うビーム到達位置の違いを補正した、より高品位な画像表示装置を実現することにある。
上記の課題を解決するため、本発明は次のような特徴を備える。本発明は、ギャップを隔てて対向する一対の素子電極と、該一対の素子電極間に位置する電子放出部とを有する第一及び第二の電子放出素子を少なくとも有するリアプレートと、蛍光体を有するフェースプレートと、前記リアプレートとフェースプレートとの間であって、前記第二の電子放出素子よりも前記第一の電子放出素子に近接して位置する板状スペーサとを備えた画像表示装置であって、前記板状スペーサの長手方向と垂直な方向に対する前記第一の電子放出素子の前記ギャップの長手方向の傾きを第一の傾き、該垂直な方向に対する前記第二の電子放出素子の前記ギャップの長手方向の傾きを第二の傾きとし、前記第二の傾きは前記第一の傾きよりも大きいことを特徴とする。
本発明によれば、スペーサからの離間距離の違いに伴うビーム到達位置の違いが補正された、より高品位な画像表示装置を実現することができる。
本発明は、我々の鋭意研究の結果、画素ピッチによっては、板状スペーサに最も近接する第一の電子放出素子よりもその次に近接する第二の電子放出素子の方が、スペーサ帯電の影響を大きく受けるという、新たな課題の発見に基づくものである。以下において、板状スペーサに最も近接する第一の電子放出素子を「第一近接素子」または「最近接素子」という場合がある。また、その次にスペーサに近接する第二の電子放出素子のことを「第二近接素子」という場合がある。さらに、その次にスペーサに近接する第三の電子放出素子のことを「第三近接素子」という場合がある。尚、我々の鋭意研究の結果見出した、この課題は、スペーサのフェースプレート側の部分は正帯電し、スペーサのリアプレート側の部分は負帯電すること、またリアプレート上には配線等の突起構造があるのに対して、フェースプレートは比較的平面状であること等に起因すると考えられる。詳述すると、第一近接素子から放出された電子ビームは、スペーサ表面の上記正帯電、負帯電の両者の影響を受ける。これに対して、第二近接素子から放出された電子ビームは、配線の電位シールドによって、スペーサのリアプレート側部分の負帯電の影響は低減されるが、スペーサのフェースプレート側部分の正帯電の影響は、そのまま受ける。このように、第一近接素子と第二近接素子とでは、スペーサの帯電の影響具合が異なるため、両者の電子ビーム軌道を所望に制御しえるスペーサを提供することは極めて困難である。よって従前とは異なる手法で、第一近接素子、第二近接素子をそれぞれ独立に制御する技術が重要である。本発明はこのような新たな知見に基づく発明である。
次に、本発明を実施するための最良の形態を示す。図2は本発明の画像表示装置を示す斜視図であり、一部を切り欠いている。図2で示すように画像表示装置は所望の真空雰囲気で密閉された外囲器90内に、マトリクス状配線を成すX側配線88とY側配線(走査配線)89と電子放出素子とを有するリアプレート81、リアプレートに対向して配置され電子線被照射部を有するフェースプレート82、リアプレートとフェースプレートの間に立てられたスペーサ100を有する。外囲器内部は電子放出素子87の連続的な駆動に必要な真空状態を維持されなければならない。
リアプレートのマトリクス配線は電子源を駆動するのに十分に低抵抗である必要がある。ただし、図2に示したX側配線とY側配線が同じ抵抗値である必要は無い。また、X側配線とY側配線において電気的な接触を避けるために両配線間には絶縁層が設けられている。絶縁層は両配線のクロストークを避けるために十分に厚い必要がある。スペーサは両配線のうち上側に来る方に当接して配置されるが、電子放出素子近傍の電界を均一にするため、できるだけ当接面を増やすような配置にした方が良い。
本発明において電子放出素子は、表面伝導型素子であることが望ましい。これは本発明が表面伝導型放出素子の特徴である、電子ビームの曲進性を利用しているためである。
フェースプレートは図2と図3に示されるように主にブラックマトリクス91、蛍光体92、メタルバック93から構成される。ブラックマトリクスは隣接する蛍光体間の混色を避ける機能に加え、電子ビームが到達しないフェースプレートの領域において外光反射率を低下させるために必要である。蛍光体は電子が衝突して励起することで発光し、画像が表示される。メタルバックは蛍光体の内側に形成されており、蛍光体の発光を外側に鏡面反射することで輝度を向上させる機能と、電子を加速させるのに必要な加速電圧をフェースプレートの画像表示領域全面に渡って均一に印加する機能を持つ。
次に本発明におけるビーム位置補正について説明する。図3A,3Bで、電子放出素子87はスペーサ100に近い順に第一近接、第二近接とし、電子放出素子に電圧を印加する走査順序がスペーサを挟んで先にくる方を上近接、後になる方を下近接とする。電子放出素子があるガラス面からスペーサとY側配線89が当接する面までの高さが走査配線(Y側配線)高さである。電子ビームは電子放出素子から射出されたあとスペーサとマトリクス配線の電界の影響を受けながら加速されフェースプレート側のメタルバック93に入射する。メタルバック93では一部の電子は通過して蛍光体92を発光させるが、一部の電子は反射しスペーサに入射する。このスペーサに入射する電子がスペーサの帯電を発生させる。尚、図3Aは本発明を適用しない場合、図3Bは本発明を適用した場合を示す。
ビーム位置ずれは画素ピッチの何%分ずれているかで表す。0%は非スペーサ部と同等の位置であり、‐10%はスペーサから画素ピッチ1割分離れた方向にずれていることを示す。
図4で、電子ビーム発光像94の重心はビーム位置ずれが無い場合、蛍光体開口部の中心に来る。本実施例においては、第三近接以降のビーム発光像は、スペーサから十分離れているため、マトリクス構造の製造時の誤差やアライメントのずれ(後述)により多少重心位置がずれる場合があるものの、通常は人間に知覚できない範囲に収まっている。しかし、スペーサが配置されている近傍のビーム発光像はスペーサによる電界の影響を受けるため、一様にずれる。図4では第一近接のビーム発光像がスペーサに一様に離れるように位置ずれしており(反発と呼ぶ)、第二近接ではスペーサに一様に近づくように位置ずれしている(吸引と呼ぶ)。スペーサ近傍のビーム位置ずれ量は、第一近接や第二近接上近接や下近接には依存せず、その構成によって決まる。
図5にスペーサの凹凸形状とその各部名称を示す。スペーサは画像表示装置の厚み方向の長さをスペーサ短手方向長さ102と呼び、画像表示装置の画像表示領域と平行に伸びる長さをスペーサ長手方向長さと呼ぶ。尚、これは、図2におけるY側配線89の延びる方向であり、また図1における走査方向と垂直な方向である。また、短手方向長さに対して垂直な方向の厚みをスペーサ厚さ101と呼ぶ。スペーサ長手方向長さは画像表示装置の大きさによって決まる。スペーサ厚さはスペーサの強度と電子ビーム軌道への影響から決定される。スペーサはリアプレートの電子放出素子とフェースプレートの被電子照射部の間に露出する表面に凹凸が形成されている(以下、側面という)。スペーサの凹凸部分と、リアプレート側及びフェースプレート側の両端部との間には平坦部が存在する。リアプレート側端面からリアプレート側1溝目の最深部までの距離をリアプレート側平坦部長さ108とする。フェースプレート端面からフェースプレート側1溝目の最深部までの距離をフェースプレート側平坦部長さ104とする。凹凸形状は3つの領域に分かれる。リアプレート側とフェースプレート側で溝深さが異なる領域と両者の中間で溝深さが連続的に異なり両者の溝深さを滑らかに繋ぐ領域である。これらは順にリアプレート側の溝深さ領域107とフェースプレート側溝深さ領域105、遷移領域106と呼ぶ。溝形状は三角関数や台形状が主に採用される。溝深さを変化させる場合、形状は線形に加減される。凹凸形状の加工方法には所望の形状が得られれば特に制限はなく、機械的な切削や研磨による方法や化学的なフォトリソグラフィーとエッチングによる方法などが考えられる。本発明の実施例のように機械的な切削や研磨方法と加熱延伸法を組み合わせても良い。
スペーサの表面には図6に示すように各々別の機能を持つ膜が成膜されている。リアプレート端部にはスペーサのリアプレート側当接面全体を等電位にするための、リアプレート当接面電位規定膜123が成膜される。スペーサのリアプレート側によって形成される電界は、電子ビームの速度が遅い領域で作用するため電子ビーム軌道への影響が大きい。よってこの膜は電位の変化を最小にするために十分に低抵抗である必要がある。抵抗値は凹凸を有する面に成膜される電位規定用高抵抗膜との比で決定される。通常その比は1000対1以上が望ましい。低抵抗膜はスペーサの凹凸を有する面にはみ出さないよう成膜される。これは凹凸を有する面にはみ出すと電子ビーム軌道への影響が大きくなるからである。フェースプレート側端面も等電位にするためにフェースプレート当接面電位規定膜120が成膜される。
端面電極が成膜された後、スペーサの側面に電位規定用高抵抗膜121を成膜する。図7に成膜の状態を示す。
次に電位規定用高抵抗膜の上に帯電防止用高抵抗膜122が成膜される。帯電防止用高抵抗膜は電位規定用高抵抗膜の機能に影響を及ぼさないように100対1以上の抵抗比で高抵抗となっている。帯電防止用高抵抗膜の機能はスペーサに入射する電子による二次電子放出係数の制御と電位規定用高抵抗膜の保護である。そのため帯電防止用高抵抗膜は二次電子放出係数が低い膜質が選択されており、膜厚も比較的厚くなっている。
これらスペーサ表面の成膜には一般的なスパッタ法や蒸着法が適用できる。
画像表示装置の外囲器は封着工程により作製される。
構成された外囲器は駆動装置によって駆動され、画像が表示される。画像表示装置は電圧降下による輝度の低下を避けるため、XかYのどちらかの方向に1〜数ラインずつ走査されて駆動される。本実施形態では図3や図4中に矢印で示すように走査を行っている(Y側配線に走査信号を入力している)。走査周期は早い方がちらつき低減の観点から望ましいが、スペーサに帯電した電子が電位規定用高抵抗膜を通して除電される時定数によって上限値が決まっている。
斜め素子電極について説明する。図8に示す矢印は、表面伝導型電子放出素子から射出される電子群の平均初速度ベクトルを表す。それは電子源近傍のマクロな電界方向が電極の対向する方向と平行な方向となっているからである。射出された電子群は加速電圧Vaによって加速され、フェースプレート上の被照射部に到達する。電子放出素子から到達位置までのフェースプレートに対して水平な距離を曲進量d0と呼ぶ。図1で示されるように、本発明においては、スペーサ近傍の電子放出素子の素子電極3と素子電極2との対向面が、スペーサの長手方向と垂直な方向(走査方向)に対してθの傾きを有している。換言すると、素子電極3と素子電極2とのなすギャップの長手方向が、スペーサの長手方向と垂直な方向に対してθの傾きを有する。尚、このように、一対の素子電極のギャップの長手方向が、スペーサの長手方向と垂直な方向に対して傾きを有する素子電極を、以下では斜め素子電極と表現する。斜め素子電極の角度をθdとすると、斜め素子電極によるビーム位置補正量は次の式で表される。
dy=d0×cos(90−θd)
また、斜め素子電極を有する電子放出素子から放出される電子ビームの曲進量と、斜め素子電極を有さない電子放出素子から放出される電子ビームの曲進量との誤差Δdxは次の式で表される。
Δdx=d0×[1−sin(90−θd)]
Δdxは通常1μm以下であり、通常は問題にならない。d0とθdが大きいほど斜め素子電極による電子ビームの補正範囲が広くなり実用性が高い。しかし、画素ピッチが狭くなると図1で示されるように配線で囲まれた素子電極は、レイアウトの自由度が低下しθdのとりえる値は小さくなる。また、図12で示されるように曲進量は隣接するX側配線の電界の影響を受け、本来dx4あるところがdx3まで減少する。この減少量は電子放出素子とX側配線との距離xdおよびX側配線の高さhdによって決まる。以上の理由から画素ピッチが狭いほど斜め素子電極による電子ビーム軌道の補正の大きさは減少する。
そして、このような状況下において、スペーサから離れて位置する「第二近接素子」に、スペーサに最も近接して位置する「第一近接素子」よりも大きな補正が必要とされるという、新たな知見によって、我々は本発明を得るに至った。
尚、上述のとおり本発明は、スペーサに最も近接する電子放出素子よりもその次に近接する電子放出素子の方が、スペーサ帯電の影響を大きく受けるという、新たな課題に基づく発明である。この課題発見に基づき、スペーサに最も近接する第一近接素子よりも、第二近接素子の素子電極を大きく傾けるという、新たな構成を得るに至った。尚、第二近接素子が、スペーサ帯電の影響をより大きく受ける理由は、スペーサ表面の帯電分布と、フェースプレートとリアプレートとの表面形状の違いに起因する。つまり、スペーサのフェースプレート側の部分は正帯電し、スペーサのリアプレート側の部分は負帯電すること、そしてリアプレート上には配線等の突起構造があるのに対して、フェースプレートは比較的平面状であることに起因する。詳述すると、第一近接素子から放出された電子ビームは、スペーサ表面の上記正帯電、負帯電の両者の影響を受ける。これに対して、第二近接素子から放出された電子ビームは、配線の電位シールドによって、スペーサのリアプレート側部分の負帯電の影響は低減されるが、スペーサのフェースプレート側部分の正帯電の影響は、そのまま受ける。このように第二近接素子は、スペーサ帯電のうち、フェースプレート側の正帯電による偏った影響を受けるため、結果、第一近接素子よりもスペーサ帯電の影響を大きく受ける。この新たな課題の発見により、我々は、第二近接素子の傾きを、第一近接の傾きよりも大きくするという、新たな構成を提供するに至った。
次に本発明における複数の実施形態について各々の望ましい条件を示す。
(第1の実施形態)
第二近接にのみ斜め素子電極が導入されている場合について望ましい形態を述べる。本実施形態は図13Aで示されるような形態である。つまり、第二近接素子の素子電極のギャップの長手方向は、スペーサの長手方向と垂直な方向に対して傾き(第二の傾き)を有し、一方、第一近接素子の素子電極のギャップの長手方向は、スペーサの長手方向と垂直な方向に対して傾きを有さない形態(第一の傾きがゼロ)である。この結果、第二近接素子の斜め素子電極の傾きが、第一近接素子の斜め素子電極の傾きより大きい構成となる。
(第2の実施形態)
第二近接に斜め素子電極が導入されており、かつ第一近接に補助的に斜め素子電極が導入されている場合について望ましい形態を述べる。本実施形態は図13D〜図13Fで示されるような形態である。つまり、第一近接素子及び第二近接素子とも、素子電極ギャップの長手方向が、スペーサの長手方向と垂直な方向に対して傾きを有するが、その傾きは第一近接素子に比べて、第二近接素子のほうが大きい形態である。これは第1の実施形態に比べ第一近接のビーム位置ずれが大きい場合に適用される。
(第3の実施形態)
上記第1、第2の実施形態に加えて第三近接以降の素子電極に斜め素子電極が導入されている場合について望ましい形態を述べる。本実施形態は図13B、図13C、図13E、図13Fで示されるような形態である。第一近接のビーム到達位置ずれが非常に大きく、第1の実施形態や第2の実施形態でも補正できない場合に適用される。
(実施例1)
本発明の画像表示装置の実施例について説明する。
図2は画像表示装置の斜視図である。内部構造を示すため一部を切欠いている。下側破線内は封着部の断面拡大図である。図2から、本実施例の画像表示装置は、リアプレート81と、これと対向して配置されるフェースプレート82と、これらのプレートを支持する支持枠86とから構成される外囲器90を備える。リアプレート81には、ここでは表面伝導型放出素子である電子放出素子87がマトリクス状に多数配置されており、これら表面伝導型放出素子87の一対の素子電極がX方向配線88、Y方向配線89にそれぞれ接続されている。本実施例では、XY配線に銀(Ag)を主成分とする配線を用いている。XY配線は図示されていない、酸化鉛(PbO)を主成分とする層間絶縁層によって絶縁されている。これらのXY配線および層間絶縁層は立体構造物であり、電子ビームの軌道に少なからず影響する。フェースプレート82は、ガラス基板83より構成されており、その内面に蛍光体92とメタルバック93等が形成される。フェースプレート82とリアプレート81の間は高真空であるため、大気圧から内部真空領域を保持するためにスペーサ100が走査配線であるY側配線上に配されている。
図3Bは画像表示装置のスペーサ近傍の断面図である。フェースプレート82とリアプレート81に挟まれてスペーサ100が設置されている。スペーサはフェースプレート側当接部材131とY側配線89に当接している。
本実施例ではリアプレート81に設けられる電子放出素子として表面伝導型電子放出素子を用いる。
表面伝導型電子放出素子の基本的な素子構成について説明する。図8の(a)(b)は、それぞれ素子構成の上面図と側面図である。図8に示されるように、この表面伝導型電子放出素子は、基板1上に素子電極間隔L、素子電極長さWeの一対の素子電極2、3が形成されている。本実施例の斜め素子電極はこの素子電極2、3間のギャップの長手方向がスペーサの長手方向と垂直な方向に対してθの傾きを有するように構成している。さらに、これら素子電極2、3をまたぐように導電性薄膜4が形成され、この導電性薄膜4の中央付近に電子放出部5が形成された構造である。また、この基板1と対向してアノードが設置されており、その対向する面には蛍光体が塗布されている。
本実施例では基板1に無アルカリガラスを使用している。素子電極2、3の材料は導体材料であり、本実施例ではチタニウム(Ti)と白金(Pt)を用いている。膜厚は材料の導電性に依存し、本実施例では約45nmである。素子電極間隔Lは約10μm、素子電極長さWeは約120μm、素子長Wdは約60μmである。素子電極2、3はスパッタ法とフォトリソグラフィーを組み合わせて形成する。そのため、斜め素子電極のようなパターニングも何ら問題が無い。
導電性薄膜4は良好な電子放出特性を得るために、微粒子で構成された微粒子膜を用いる。導電性薄膜4の膜厚は約10nmである。導電性薄膜として本実施例ではPdを用いている。導電性薄膜4は溶液塗布後に焼成する方法で成膜している。
電子放出部5は、導電性薄膜4の成膜後にフォーミングと呼ばれる通電処理を施すことで形成する。本実施例では有機パラジウム溶液を塗布後、焼成して酸化パラジウムPdO膜を形成することで導電性薄膜4を形成した後、水素が共存する還元雰囲気下で通電加熱してパラジウムPd膜とし、同時に亀裂部を形成することで電子放出部5を形成する。通電時の電圧は通常約20Vである。次に電子放出効率を上げるために活性化と呼ばれる処理を行う。真空中で炭素を含むガスを導入し、電子源の亀裂近傍に炭素膜として堆積させる。本実施例では炭素源としてトリニトリルを用いた。
上記のように構成された表面伝導型放出素子では、一対の素子電極2、3間に電圧を印加して導電性薄膜4の表面(素子表面)に電流(放出電流)を流すことで、電子放出部5の亀裂付近から電子が放出される。放出された電子は約12kVに印加されたアノード電極によって加速され、アノードの蛍光体に衝突し発光する。この電子放出素子は図9で示すような特性を持っており、駆動電圧Vfが閾値電圧Vthより大きくなると指数関数的にエミッション電流が増えてアノード側蛍光体発光輝度が増大するスイッチング特性を持つ。Vthは約10Vであり、Vfは約19Vである。素子の駆動は矩形パルスで交流的に行っており、パルス幅Pwに従って輝度も増える。パルス幅Pwは0〜約12μ秒で階調を表現する。
次に複数の電子源を有するリアプレートの製作を示す。まず、電子源基板に下引き層としてチタニウム(Ti)を膜厚5nm、その上に白金(Pt)を膜厚40nmでスパッタ法により成膜する。フォトリソグラフィーによりパターニングを行い、素子電極を形成する。次に銀(Ag)フォトペーストをスクリーン印刷し、乾燥してから露光・現像する。これを約480℃で焼成してX側配線である変調配線が形成される。変調配線は焼成後の寸法が高さ約8μm、幅約45μmとなるようにする。次に酸化鉛(PbO)を主成分とするフォトペーストをスクリーン印刷したあと、乾燥させ露光・現像する。これはX側配線の保護のためとX側配線とY側配線を絶縁するための層間絶縁層となる。X側配線はこの絶縁部分を含めて幅約60μm、高さ約16μmとなる。また、Y側配線の下に位置する絶縁層の幅は約435μm、高さは約25μmである。Y側配線の下に位置する層間絶縁層には先の工程で下地に設けられた電極と電気的な接触が可能なようにコンタクトホールが設けられている。次にY側配線を絶縁層の上に形成する。銀(Ag)を主成分としたフォトペーストをスクリーン印刷したあと乾燥させ、露光・現像することでY側配線の絶縁層の上部に幅400μm高さ35μmのY側配線である走査配線が形成される。本実施例では図3Bで示すようにY側走査配線を2層構造とすることで高さ寸法の大きな配線を形成できるようにしている。上述の工程終了後、電子源基板を十分に洗浄後、揮発性を含む溶液で電子源基板の表面を処理し、電子源基板の表面が疎水性を持つようにする。次にインクジェット法により有機パラジウムを主成分とする溶液を素子電極間に塗布する。このとき、先に行った疎水処理により、素子電極上に適度な面積と厚みを持った薄膜が形成される。本実施例ではWdが60μmになるように形成した。その後焼成することで前述した酸化パラジウム膜(PdO)を主成分とする導電性薄膜となる。その後、前述したフォーミングと活性化の工程を経てリアプレートが形成された。
図4は、図2に示した画像表示装置のフェースプレート82の上面から電子ビーム発光像94を示した図である。ブラックマトリクス91と蛍光体92とで構成される。ガラス面上にブラックストライプをスクリーン印刷で形成後、蛍光体を落とし込み印刷で形成する。その後メタルバックとしてアルミニウム(Al)を蒸着する。ブラックストライプは混色と外光反射によるコントラストの低下を抑制する。メタルバックは蛍光体の発光のうち内面側への発光を外面側へ鏡面反射することで輝度を向上させる機能と電子を加速させる加速電圧を印加させるアノード電極の機能を持つ。
スペーサの製作工程を説明する。スペーサの基材は図10に示される加熱延伸装置によって作成される。まず、絶縁基材の表面に切削加工により凹凸形状を作成する。絶縁基材は本実施例では旭硝子株式会社のPD200を用いている。凹凸を含めた絶縁基材の断面形状は必要とされるスペーサの断面形状と相似となるように製作される。これをスペーサの母材501と呼ぶ。母材501は両端を固定され、長手方向の一部がヒーター502によって軟化点以上の温度に加熱される。本実施例では500〜700度である。その後加熱された端部の方向に速度V2で送り、速度V1でヒーター502の反対側から引き出す。ヒーター502に入れる前の断面積S2と、ヒーター502から引き出したときの断面積S1はS2V2=S1V1を満たすようにし、特に断面積は相似形状となるように設定されている。引き伸ばされた母材は所望の長さに切断される。切断にはダイヤモンドカッターやレーザーカッターなどが用いられる。本実施例での成膜前スペーサ506の各部寸法を図5に対応させて示すと、スペーサ厚101が195μm、スペーサ長さ102が1600μm、フェースプレート側平坦部長さが337μm、リアプレート側平坦部長さが33μmである。溝は全部で42個あり、一つ当たりのピッチは30μmである。フェースプレート側が8個で溝深さが10.5μm、リアプレート側が10個で溝深さが12.5μm、遷移領域106の溝は24個で、溝の深さはリアプレート側溝深さからフェースプレート側溝深さまで線形に遷移する。スペーサの実測形状は表面粗さ測定器(株式会社ミツトヨ SV−3000)を用いて測定されている。
次に成膜前スペーサ506の端面に電位規定用の低抵抗膜をスパッタ法により成膜する。フェースプレート側は金(Au)とアルミニウム(Al)をスパッタ法することで金(Au)、アルミニウム(Al)、酸素(O)および窒素(N)の化合物を成膜した。膜厚は0.1μmである。リアプレート側はタングステン(W)であり、膜厚は5nmである。
次にスペーサ表面に電位規定用の高抵抗膜として金(Au)とアルミニウム(Al)をスパッタ法で成膜することで金(Au)、アルミニウム(Al)、酸素(O)および窒素(N)の化合物を成膜した。化合物は約1E+11(Ω/□)のシート抵抗値であり、膜厚は0.1μmである。
さらに、高抵抗膜の上に帯電防止用の高抵抗膜としてタングステン(W)およびゲルマニウム(Ge)をスパッタ法で成膜することでタングステン(W)、ゲルマニウム(Ge)、酸素(O)および窒素(N)の化合物を成膜した。この化合物は約1E+14(Ω/□)のシート抵抗値であり、膜厚は1μmである。
このようにしてできたスペーサは図6に示されるような表面の膜構成を持っている。フェースプレート端部とリアプレート端部には当接面電位規定用の低抵抗膜がある。その上にスペーサ周囲に電位規定用の高抵抗膜が構成され、その上に帯電防止用の高抵抗膜が構成されている。各膜は各下地に対して十分な密着力を持って成膜されているが、構成要素は混じらずに機能分離している。
上述したようなリアプレート、フェースプレート、スペーサ、支持枠によって、図2に示した画像表示装置の外囲器90を構成する。まずスペーサはリアプレート上に長手方向の両端部を一定の力で伸ばしながら、走査配線の上に設置し長手方向の両端部を接着剤で固定する。図2の破線内を参照して外囲器90の封着構造を説明する。支持枠86とリアプレートはフリットガラスにより固定されている。支持枠86とフェースプレート82は接合部材206により接着されている。接合部材206としては、リアプレート81とフェースプレート82の熱膨張率の差を吸収することができるように柔らかく、高温でもガス放出の少ない材料を用いる。本実施例ではインジウム(In)を用いる。支持枠86及びフェースプレート82の接合部材206によって接着される箇所には、界面での密着性を高めるために、下引き層204が設けられる。本実施例では、インジウム(In)に対して濡れ性の良い銀(Ag)を用いる。
外囲器90の封着を行う際、各色蛍光体と電子放出素子とを対応させなくてはいけないため、上下基板の突き当て法などで十分な位置合わせを行う必要がある。
前述したような本実施例における表面伝導型放出素子の基本的特性から、電子放出特性は対向する素子電極間に印加するパルス状電圧の振幅と幅によって制御され、これによって中間階調が表現される。多数の電子放出素子を配置した場合は、走査線信号によってラインを選択し、情報線信号ライン(X側配線)を通じて個々の素子に上記パルス状電圧を印加することで、任意の素子に個別の電圧を印加する事が可能となり、各素子を独立に制御することができる。
この画像表示装置の標準的な駆動装置について説明する。図11のブロック図は本実施例におけるテレビ信号に基づいたテレビジョン表示用の画像表示装置の概略構成を示す。
電子放出素子を用いた画像表示パネル301のY側配線には、走査線信号を印加する走査駆動回路を構成する走査信号回路302が接続されている。また、X側配線には情報信号を印加するデータ駆動回路を構成する変調電圧変換回路307、パルス幅変調回路305が接続されている。電圧変調は、入力される電圧パルスに対して適宜パルスの振幅を変調する。パルス幅変調は、入力されるパラレル画像信号に対して電圧パルスの幅を変調する。
同期制御回路303は、デコーダー306から送られてくる同期信号に基づいて同期制御信号を送出する。デコーダー306は、外部から入力されるテレビ信号から、同期信号成分と画像信号成分とを分離するための回路である。この画像信号成分は、同期信号に同期してパラレル変換回路304に入力される。
パラレル変換回路304は、制御回路303より送られる信号に基づいてその動作が制御され、時系列でシリアル入力される前記画像信号をシリアル・パラレル変換する。このシリアル・パラレル変換された画像データは、電子放出素子n個分の並列信号として出力される。
以上説明したように本実施例では、各電子放出素子に、画像表示装置内のXY配線を通じて電圧を印加して電子放出を行わせる。そしてそれとともに、高圧端子Hvを通じてアノード電極であるメタルバックに高圧を印加し、各電子放出素子から放出された電子を加速し、蛍光体に衝突させることによって、画像を表示することができる。ここで述べた画像形成装置の構成は、本発明の画像形成装置の一例であり、本発明の技術思想に基づいて種々の変形が可能である。入力信号にはNTSC、PAL、HDTVなどがある。
本実施例におけるビーム位置補正について述べる。本実施例では上述のとおり、絶縁層と走査配線(Y側配線)とを合わせた高さは75μm、スペーサと第一近接電子源中心の距離は215μm、また画素ピッチは630μmであり、第一近接は先に述べたスペーサの水準により適正に補正されているので、斜め素子電極が第二近接にのみ導入されている(図13A)。第二近接をスペーサに対して反発側に0.51%補正するために、角度θを1.9度にした。つまり、第二近接素子の素子電極のギャップの長手方向を、スペーサの長手方向と垂直な方向に対して1.9度傾くように素子電極を形成した。また、第二近接素子以外の素子は、素子電極のギャップの長手方向が、スペーサの長手方向と垂直な方向に対して平行と成るように素子電極を形成した。この結果、第一近接、第二近接ともビーム到達位置ずれの無い画像表示装置を得た。
(実施例2)
本実施例の実施例1と異なる点は絶縁層と走査配線とを合わせた高さが45μmになっていることである。このときスペーサと第一近接電子源中心の距離は215umである。そのため、第一近接のビーム位置が0.43%吸引する。このとき第二近接のビーム到達位置は実施例1の位置から変化しない。そこで第一近接の到達ビーム位置ずれをスペーサから反発する方向に補正した(図13D)。つまり、第一近接素子及び第二近接素子ともに、素子電極のギャップの長手方向が、スペーサの長手方向と垂直な方向に対して傾くように、素子電極を形成した。その際、その傾きは、第二近接素子の方が第一近接素子よりも大きく傾くように形成した。具体的には、第二近接をスペーサに対して反発側に補正するために、角度θを1.6度にした。この結果、第一近接、第二近接ともビーム到達位置ずれの無い画像表示装置を得た。
(実施例3)
本実施例が実施例1と異なる点は、画素ピッチが483μmになり、スペーサ厚が160μmとなり、このとき、スペーサと第一近接素子との距離は161.5μmである。第一近接素子は斜め素子電極を使用せず、一方、第二近接素子、第三近接素子(第三の電子放出素子)では、斜め素子電極の角度を第二近接で3.0度、第三近接で1.5度反発方向に導入する(図13B)。本実施例によって画質劣化の少ない画像表示装置を得ることができた。
以上のように、表面に凹凸形状と高抵抗膜を有するスペーサと斜め素子電極とを、その特徴に合わせて組み合わせることで、ビーム位置ずれの無いより高品位な画像表示装置を実現することができる。
尚、本発明で言う、一対の素子電極間のギャップの長手方向とは、ギャップの両端を結ぶ直線の方向を意味する。よって、例えば一対の素子電極が、図14に示す形状の場合、一対の素子電極のギャップの長手方向は、図の線分A-A‘の延びる方向となる。尚、上述の他の図面と同様、2,3は素子電極、4は導電性薄膜、5は電子放出部を表す。
第二近接に斜め素子電極が導入されているリアプレートを示す図である。 本発明の画像表示装置構造を説明するための図で、画像表示装置の一部を切り欠いた斜視図とその封着部の断面拡大図である。 スペーサ近傍の構造と電子ビーム軌道と表す図である。 スペーサ近傍の構造と電子ビーム軌道と表す図である。 フェースプレートの上面図とスペーサ近傍のビーム位置ずれを示す図である。 スペーサの凹凸形状とその各部名称を示す図である。 スペーサの成膜状態を示す図である。 成膜における角度依存性を示す図である。 表面伝導型電子放出素子の基本的構造を示す図である。 表面伝導型電子放出素子の基本的特性を示す図である。 スペーサの加熱延伸工程を示す図である。 画像表示装置の駆動方式を示す図である。 曲進量を示す図である。 第一近接と第二近接の斜め素子電極の導入例を示した図である。 スペーサ間で第三近接以降の斜め素子電極の導入を示した図である。 斜め素子電極の導入例を示した図である。 斜め素子電極の導入例を示した図である。 斜め素子電極の導入例を示した図である。 斜め素子電極の導入例を示した図である。 本発明で言う、一対の素子電極間のギャップの長手方向について説明する図である。
符号の説明
81 リアプレート
82 フェースプレート
87 電子放出素子
92 蛍光体
100 スペーサ
121 電位規定用高抵抗膜
θd :斜め素子電極角度
0 :曲進量
dy :斜め素子電極によるビーム位置移動量(y方向)
dx :斜め素子電極を導入したときの見かけの曲進量(x方向)
Δdx:斜め素子電極によるビーム位置移動量(x方向)
Ad :角度依存係数
θ :成膜角度
Ea :活性化エネルギー[eV]
k :ボルツマン定数=1.3806503×10-23[m2kgs-2-1
e :電子の単位電荷=1.60217646×10-19[q]
T :基準温度[K]
ΔT :温度差[K]

Claims (3)

  1. ギャップを隔てて対向する一対の素子電極と、該一対の素子電極間に位置する電子放出部とを有する第一及び第二の電子放出素子を少なくとも有するリアプレートと、
    蛍光体を有するフェースプレートと、
    前記リアプレートとフェースプレートとの間であって、前記第二の電子放出素子よりも前記第一の電子放出素子に近接して位置する板状スペーサとを備えた画像表示装置であって、
    前記板状スペーサの長手方向と垂直な方向に対する前記第一の電子放出素子の前記ギャップの長手方向の傾きを第一の傾き、該垂直な方向に対する前記第二の電子放出素子の前記ギャップの長手方向の傾きを第二の傾きとし、前記第二の傾きは前記第一の傾きよりも大きいことを特徴とする画像表示装置。
  2. 前記第一の傾きが0度であることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
  3. ギャップを隔てて対向する一対の素子電極と、該一対の素子電極間に位置する電子放出部とを有し、前記第二の電子放出素子よりも前記スペーサから離れて位置する第三の電子放出素子を更に有し、前記垂直な方向に対する該第三の電子放出素子の前記ギャップの長手方向の傾きを第三の傾きとし、該第三の傾きは前記第二の傾きよりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
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