JP2008177449A - 光電変換デバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】有機光電変換素子を用いた光電変換デバイスであって、デバイス全体としてみたときに有機光電変換素子への入射光量を増大させ易い光電変換デバイスを提供すること。
【解決手段】透明基板1上に複数の有機光電変換素子12bが複数行、複数列に亘ってマトリックス状に配置され、該複数の有機光電変換素子の各々に1本ずつ信号読み出し用の配線4が接続されて列方向に延在する光電変換デバイス20を構成するにあたって、個々の有機光電変換素子列を構成する有機光電変換素子の各々に対応する信号読み出し用の配線のうちの少なくとも2本によって、一方が他方の上に第1の電気絶縁層15または誘電体層を介して配置された積層構造を形成する。
【選択図】図3
【解決手段】透明基板1上に複数の有機光電変換素子12bが複数行、複数列に亘ってマトリックス状に配置され、該複数の有機光電変換素子の各々に1本ずつ信号読み出し用の配線4が接続されて列方向に延在する光電変換デバイス20を構成するにあたって、個々の有機光電変換素子列を構成する有機光電変換素子の各々に対応する信号読み出し用の配線のうちの少なくとも2本によって、一方が他方の上に第1の電気絶縁層15または誘電体層を介して配置された積層構造を形成する。
【選択図】図3
Description
本発明は、有機光電変換素子を用いて物体の形状や画像等の各種情報を電気信号として取り出す光電変換デバイスに関するものである。
ファクシミリやイメージスキャナ等で用いられるイメージセンサは、光学縮小型と密着型とに大別することができる。これらのイメージセンサのうちの密着型イメージセンサは、ロッドレンズのみによって原稿読取り光学系を構成することができ、光学縮小型イメージセンサに比べて原稿読取り光学系を大幅に小型かつ薄型にすることができることから、その需要が増大している。
密着型イメージセンサの原稿読取り光学系は等倍光学系であり、原稿をそのままの大きさで読み取るので、例えばA3サイズの原稿を読み取るためには長さ300mm程度の光電変換デバイスが必要となる。今日、密着型イメージセンサでの光電変換デバイスとしては、単結晶シリコン基板に形成された多数の無機光電変換素子(フォトダイオード)によってイメージを電気信号に変換するCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)方式またはCCD(Charge Coupled Device)方式のものが用いられており、長さ300mm程度という長尺のものを得る際には、通常、無機光電変換素子が形成された長板状のシリコンチップが複数個、一直線上に配置される。
このような光電変換デバイスでは、シリコンチップの作製に大掛かりな半導体プロセスが必要となるばかりでなく、複数個のシリコンチップを一直線上に配置する際に高精度の技術が必要となるため、その歩留りは低い。また、シリコンチップ同士のつなぎ目には無機光電変換素子を配置することができないので、主走査方向の画素ピッチ(隣り合う無機光電変換素子同士のピッチ)が40μm程度となる解像度600dpi以上のものでは、シリコンチップ同士のつなぎ目に相当する箇所で情報を読み取れなくなり、十分な読取り品質が得られない。
近年では、無機光電変換素子に代わるものとして有機光電変換素子が注目を集めている。有機光電変換素子は、一対の電極間に有機光電変換層が配置された構造を有し、有機光電変換層は、所望の有機光電変換材料の溶液を塗布するという簡便な方法により形成することができる。このため、有機光電変換素子を利用すれば、長尺の光電変換デバイスを低コストの下に得ることが可能である。例えば(特許文献1)には、光学バンドギャップが互いに異なる3種類の光活性有機材料(有機光電変換材料)によって3種類のセンサ(有機光電変換素子)を形成し、これらのセンサによりフルカラー画像用の電気信号を生成する感知素子が記載されている。
特表2002−502120号公報
しかしながら、有機光電変換素子を用いた光電変換デバイスでは、個々の有機光電変換素子に信号読出し用の配線を1本ずつ接続した構成が採用されるため、全ての有機光電変換素子の大きさを揃えることはできない。例えば複数行、複数列に亘って有機光電変換素子を配置する場合、各行を構成する有機光電変換素子それぞれに対応した配線(信号読出し用の配線)を設けるスペースを確保する都合上、内側の行(上記の配線における出力端側の行)ほど有機光電変換素子が小さくされる。
有機光電変換素子の感度は該有機光電変換素子への入射光量に大きく左右されるので、有機光電変換素子の感度を高めるうえからは該有機光電変換素子の受光面の面積を広くすることが望まれる。そして、有機光電変換素子の感度が高ければ、光電変換デバイスでの解像度が上がると共に高速動作も可能になる。さらには、光電流(明電流)に対する暗電流の比が小さくなるので、S/N比が高い高品質の光電変換デバイスを得易くなる。有機光電変換素子の感度を高めることにより、例えば600dpiや1200dpi、2400dpiに対応した実用的なリニアイメージセンサを作製することも可能になる。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、有機光電変換素子を用いた光電変換デバイスであって、デバイス全体としてみたときに有機光電変換素子への入射光量を増大させ易い光電変換デバイスを提供することを目的とする。
上記の目的を達成する本発明の光電変換デバイスは、基板と、該基板上に複数行、複数列に亘ってマトリックス状に配置された複数の有機光電変換素子と、該複数の有機光電変換素子の各々に1本ずつ接続されて列方向に延在する信号読出し用の配線とを備え、複数の有機光電変換素子の各々は、基板上に位置する第1電極と、該第1電極上に位置する有機光電変換部と、該有機光電変換部上に位置する第2電極とを有する光電変換デバイスであって、個々の有機光電変換素子列中の各有機光電変換素子に対応する信号読出し用の配線のうちの少なくとも2本は、一方が他方の上に電気絶縁層または誘電体層を介して配置された積層構造をなすことを特徴とするものである。
本発明の光電変換デバイスでは、個々の有機光電変換素子列中の各有機光電変換素子に対応する信号読出し用の配線のうちの少なくとも2本が上記の積層構造をなすので、信号読出し用の配線を設けるための平面視上のスペースを1つの有機光電変換素子列あたり少なくとも上記の配線1本分、減少させることができる。そのため、積層構造をなす2本の信号読出し用の配線のうちで上側の配線が接続されている有機光電変換素子以外の有機光電変換素子については、受光面の面積を容易に大きくすることができる。
したがって、光電変換デバイス全体としてみたときには有機光電変換素子への入射光量を容易に増大させることができ、結果として、光電変換デバイス全体としての感度を高めて解像度の向上および動作速度の高速化を図ることが容易になる。さらには、S/N比を高めて高品質化を図ることも容易になる。
第1の発明の光電変換デバイスは、基板と、該基板上に複数行、複数列に亘ってマトリックス状に配置された複数の有機光電変換素子と、該複数の有機光電変換素子の各々に1本ずつ接続されて列方向に延在する信号読出し用の配線とを備え、複数の有機光電変換素子の各々は、基板上に位置する第1電極と、該第1電極上に位置する有機光電変換部と、該有機光電変換部上に位置する第2電極とを有する光電変換デバイスであって、個々の有機光電変換素子列中の各有機光電変換素子に対応する信号読出し用の配線のうちの少なくとも2本は、一方が他方の上に電気絶縁層または誘電体層を介して配置された積層構造をなすことを特徴とする。
この光電変換デバイスでは、個々の有機光電変換素子列中の各有機光電変換素子に対応する信号読出し用の配線のうちの少なくとも2本が上記の積層構造をなすので、信号読出し用の配線を設けるための平面視上のスペースを1つの有機光電変換素子列あたり少なくとも上記の配線1本分、減少させることができる。そのため、積層構造をなす2本の信号読出し用の配線のうちで上側の配線が接続されている有機光電変換素子以外の有機光電変換素子については、受光面の面積を容易に大きくすることができる。したがって、光電変換デバイス全体としてみたときには有機光電変換素子への入射光量を容易に増大させることができ、結果として、光電変換デバイス全体としての感度を高めて解像度の向上および動作速度の高速化を図ることが容易になる。さらには、S/N比を高めて高品質化を図ることも容易になる。
第2の発明の光電変換デバイスは、上記第1の発明の光電変換デバイスに含まれるものであり、第1電極は透明電極であり、第2電極は有機光電変換部を介して第1電極上に積層されていることを特徴とする。この光電変換デバイスでは、基板における外側の主表面を光入射面として利用する有機光電変換素子が形成されることになるので、基板とは反対側を光入射面として利用する有機光電変換素子を形成する場合に比べて、その作製が容易である。
第3の発明の光電変換デバイスは、上記第1または第2の発明の光電変換デバイスに含まれるものであり、信号読出し用の配線は金属により形成されていることを特徴とする。この光電変換デバイスでは信号読出し用の配線の導電性を高め易いので、デバイス全体としての感度を高め易い。
第4の発明の光電変換デバイスは、上記第1または第2の発明の光電変換デバイスに含まれるものであり、信号読出し用の配線は、第1電極または第2電極と同じ材料により形成された第1導電層と、金属または導電性の金属化合物により形成された第2導電層とを有し、第1導電層および第2導電層のうちの一方が他方に積層されていることを特徴とする。この光電変換デバイスでは、第1電極または第2電極と第1導電層とを1つの導電膜から一緒に形成することができるので、信号読出し用の配線と該配線に対応する有機光電変換素子とを確実に接続することが極めて容易である。また、第1導電層および第2導電層のうちの一方が他方に積層されているので、信号読出し用の配線の導電性を高め易く、結果としてデバイス全体としての感度も高め易い。
第5の発明の光電変換デバイスは、上記第4の発明の光電変換デバイスに含まれるものであり、第1導電層はITOにより形成され、第2導電層は第1導電層上に積層されて該第1導電層に密着していることを特徴とする。この光電変換デバイスでは、第1電極または第2電極もITOで形成されることになるので、個々の有機光電変換素子への入射光量を多くし易い。また、第1導電層上に第2導電層が積層されているので、導電性の高い配線を形成し易く、かつ第2導電層が第1導電層に密着しているので導電層同士の剥離を防止し易い。
第6の発明の光電変換デバイスは、上記第5の発明の光電変換デバイスに含まれるものであり、第2導電層はクロム(Cr)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、およびシリコン(Si)のうちの少なくとも1つの元素を含むことを特徴とする。この光電変換デバイスでは、第2導電層が上記の元素を含むので、第1導電層での内部応力よりも大きな圧縮応力を有する第2導電層を形成し易く、結果として、第1導電層との密着性が高い第2導電層を形成し易い。
第7の発明の光電変換デバイスは、上記第1〜第6の発明の光電変換デバイスに含まれるものであり、信号読出し用の配線は遮光性を有することを特徴とする。この光電変換デバイスでは、個々の有機光電変換素子が1つの有機光電変換層での互いに別個の一領域を自己の有機光電変換部とする構成にしたときに、有機光電変換層のうちで信号読出し用の配線上に位置する領域での光電変換を防止することができるので、製造が容易で、かつクロストークの起き難いものを得易い。
第8の発明の光電変換デバイスは、上記第1〜第3の発明の光電変換デバイスに含まれるものであり、信号読出し用の配線は前記第1電極と同じ材料により形成されていることを特徴とする。この光電変換デバイスでは、第1電極と信号読出し用の配線とを1つの導電膜から一緒に形成することができるので、信号読出し用の配線と該配線に対応する有機光電変換素子とを確実に接続することが極めて容易である。
第9の発明の光電変換デバイスは、上記第1〜第8の発明の光電変換デバイスに含まれるものであり、電気絶縁層または誘電体層は遮光性を有することを特徴とする。この光電変換デバイスでは、個々の有機光電変換素子が1つの有機光電変換層での互いに別個の一領域を自己の有機光電変換部とする構成にしたときに、有機光電変換層のうちで信号読出し用の配線上に位置する領域での光電変換を防止することができるので、製造が容易で、かつクロストークの起き難いものを得易い。
第10の発明の光電変換デバイスは、上記第9の発明の光電変換デバイスに含まれるものであり、電気絶縁層または誘電体層はクロム酸化物層であることを特徴とする。クロム酸化物は耐薬品性に優れており、光電変換デバイスを製造する過程での変質あるいは変性が起こり難いので、電気絶縁層または誘電体層の遮光性が所望のレベルにある光電変換デバイスを得易い。
第11の発明の光電変換デバイスは、上記第1〜第8の発明の光電変換デバイスに含まれるものであり、電気絶縁層または誘電体層はシリコン窒化物層であることを特徴とする。シリコン窒化物層は、ガスや水蒸気に対するバリア性が高い緻密な層を化学的気相蒸着法により比較的容易に形成することができるので、積層構造をなす2本の信号読出し用の配線のうちの下側の配線の経時的な性能低下や製造過程での性能低下を防止し易い。また、シリコン窒化物層は電気抵抗率が高いので、積層構造をなす信号読出し用の配線同士のクロストークを防止し易い。したがって、この光電変換デバイスでは信頼性が高く、かつクロストークの起き難いものを得易い。
第12の発明の光電変換デバイスは、上記第1〜第8の発明の光電変換デバイスに含まれるものであり、電気絶縁層または誘電体層はシリコン酸窒化物層であることを特徴とする。シリコン酸窒化物層は、ガスや水蒸気に対するバリア性が高い緻密な層を物理的気相蒸着法により比較的容易に形成することができるので、積層構造をなす2本の信号読出し用の配線のうちの下側の配線の経時的な性能低下や製造過程での性能低下を防止し易い。また、シリコン酸窒化物層は電気抵抗率が高いので、積層構造をなす信号読出し用の配線同士のクロストークを防止し易い。したがって、この光電変換デバイスでは信頼性が高く、かつクロストークの起き難いものを得易い。
第13の発明の光電変換デバイスは、上記第1〜第9の発明の光電変換デバイスに含まれるものであり、電気絶縁層または誘電体層は感光性樹脂層であることを特徴とする。この光電変換デバイスでは、積層構造をなす2本の信号読出し用の配線の間に介在する電気絶縁層または誘電体層が感光性樹脂層からなり、感光性樹脂層は所望の感光性樹脂組成物層を形成した後に該感光性樹脂組成物層に選択的な露光処理および現像処理を施すことで得られるので、その製造が容易である。
第14の発明の光電変換デバイスは、上記第1〜第13の発明の光電変換デバイスに含まれるものであり、電気絶縁層または誘電体層は、信号読出し用の配線の長手方向に沿った断面の形状が正テーパ形状となる領域を含み、該領域は、積層構造をなす2本の信号読出し用の配線のうちの上側の配線が該配線に対応する有機光電変換素子に接続する箇所の近傍に位置していることを特徴とする。この光電変換デバイスでは、電気絶縁層または誘電体層に上記の領域が形成されていることから、積層構造をなす2本の信号読出し用の配線のうちの上側の配線に断線を生じさせることなく該配線を所定の有機光電変換素子に接続することが容易である。したがって、当該光電変換デバイスではその製造が容易である。
第15の発明の光電変換デバイスは、上記第1〜第13の発明の光電変換デバイスに含まれるものであり、複数の有機光電変換素子の各々への光の入射経路に配置されて、個々の有機光電変換素子への入射光の波長域を制限する光学フィルタ部を更に備えていることを特徴とする。この光電変換デバイスでは、予め設定された波長域の光が有機光電変換素子に入射することになるので、所望の画像データを得易い。
第16の発明の光電変換デバイスは、上記第15の発明の光電変換デバイスに含まれるものであり、光学フィルタ部は、入射光を少なくとも3つの波長域の光に分けることを特徴とする。この光電変換デバイスでは、光学フィルタ部が入射光を少なくとも3つの波長域の光に分けるので、フルカラーの画像データを得易い。
第17の発明の光電変換デバイスは、上記第15または第16の発明の光電変換デバイスに含まれるものであり、基板は透明基板であり、光学フィルタ部は透明基板上に配置され、複数の有機光電変換素子の各々は、光学フィルタ部を覆うオーバーコート層を介して光学フィルタ部上に配置されていることを特徴とする。この光電変換デバイスでは、透明基板上に光学フィルタ部を形成し、その上にオーバーコート層を介して有機光電変換素子を配置するので透明基板側を光入射面として利用することができ、透明基板が配置される側とは反対側を光入射面として利用する場合に比べて、その製造が容易である。
第18の発明の光電変換デバイスは、上記第1〜第17の発明の光電変換デバイスに含まれるものであり、複数の有機光電変換素子の各々に生じた信号電荷を検知して読み出す信号読出し手段を更に備え、該信号読出し手段は、信号読出し用の配線の各々を介して複数の有機光電変換素子に電気的に接続された状態で上記の基板に実装されていることを特徴とする。この光電変換デバイスでは、上記の基板に信号読出し手段が実装されているので、当該光電変換デバイスを用いて例えば画像読取り装置を構成するにあたって装置の小型化を図り易い。
第19の発明の光電変換デバイスは、上記第18の発明の光電変換デバイスに含まれるものであり、信号読出し手段は、所定の集積回路が形成された複数の半導体チップを含み、該複数の半導体チップの各々は互いに離隔して配置されて、互いに重複することなく所定個の有機光電変換素子と電気的に接続されていることを特徴とする。この光電変換デバイスでは、複数の半導体チップを用いて信号読出し手段を構成するので、長尺のものを低コストの下に得易い。
以下、本発明の光電変換デバイスの実施の形態について、図面を用いて詳述する。なお、本発明は以下に説明する実施の形態に限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の光電変換デバイスの一例を概略的に示す平面図である。同図中の参照符号1は透明基板、2は光電変換領域、3は各有機光電変換素子用の電極膜、4は信号読出し用の配線、5は各有機光電変換素子を封止する封止部、6は信号読出し手段、6a〜6dは信号読出し手段6を構成している半導体チップ、7は回路基板、8は配線、30は光電変換デバイスを示している。
図1は本発明の光電変換デバイスの一例を概略的に示す平面図である。同図中の参照符号1は透明基板、2は光電変換領域、3は各有機光電変換素子用の電極膜、4は信号読出し用の配線、5は各有機光電変換素子を封止する封止部、6は信号読出し手段、6a〜6dは信号読出し手段6を構成している半導体チップ、7は回路基板、8は配線、30は光電変換デバイスを示している。
図示の光電変換デバイス20はリニアイメージセンサに利用されるものであり、当該光電変換デバイス20では、長板状の透明基板1に光電変換領域2が設定され、ここに複数の有機光電変換素子(図示せず。)が複数行、複数列に亘ってマトリックス状に配置されている。また、個々の有機光電変換素子には信号読出し用の配線4が1本ずつ接続されており、各信号読出し用の配線4の一端は互いに離隔して基板1上に実装された半導体チップ6a〜6dのいずれかに接続されている。個々の半導体チップ6a〜6dには、コンデンサ機能、スイッチング機能、リセット機能等の機能を有する集積回路が形成されており、隣り合う半導体チップ6a,6b,6c,6d同士は所定の配線8により互いに接続されている。また、各半導体チップ6a〜6dは他の配線8により回路基板7に接続されている。回路基板7は、更に他の配線8によって各有機光電変換素子に共通する有機光電変換素子用の電極膜3に接続されている。
回路基板7には所定の回路が形成されており、信号読出し手段6(各半導体チップ6a〜6d)から送られてくる信号を当該回路基板7に接続される外部回路(図示せず。)に伝える。なお、光電変換デバイス20においては、マトリックス状に配置されている複数の有機光電変換素子での行方向が透明基板1の長手方向に一致し、列方向が透明基板1の短手方向に一致する。
図2は、図1に示した光電変換領域2での有機光電変換素子と信号読出し用の配線4との平面配置を示す概略図である。同図に示すように、光電変換領域2には、多数の有機光電変換素子12a〜12dが4行多数列(例えば7500列)に亘ってマトリックス状に配置されている。同図においては、信号読出し手段6からみて最も遠い有機光電変換素子行における個々の有機光電変換素子を参照符号12aで示し、信号読出し手段6からみて2番目に遠い有機光電変換素子行における個々の有機光電変換素子を参照符号12bで示し、信号読出し手段6からみて2番目に近い有機光電変換素子行における個々の有機光電変換素子を参照符号12cで示し、信号読出し手段6からみて最も近い有機光電変換素子行における個々の有機光電変換素子を参照符号12dで示している。
また、各有機光電変換素子12a〜12dには信号読出し用の配線4が1本ずつ接続されて列方向Dcに延在しており、1つの有機光電変換素子列を構成する有機光電変換素子12a〜12dの各々に対応する信号読出し用の配線4のうちの有機光電変換素子12aに対応する信号読出し用の配線4は、有機光電変換素子12bに対応する信号読出し用の配線4上に重ねて配置されている。なお、図2においては、行方向を参照符号Drで示してある。
図3は、図2中のIII−III線に沿った断面の概略図である。同図に示すように、個々の有機光電変換素子12bは、透明基板1上に配置された第1電極10と、第1電極10上に配置された有機光電変換部11aと、有機光電変換部11a上に配置された第2電極3aとを有している。各有機光電変換部11aは、1つの有機光電変換層11における互いに別個の一領域からなり、各第2電極3aは、1つの有機光電変換素子用の電極膜3における互いに別個の一領域からなる。他の有機光電変換素子12a,12c,12dは、有機光電変換素子12bと同じ断面構造を有している。
行方向に隣り合う2つの有機光電変換素子12bの間には、一方の有機光電変換素子12b(図示の例では左側の有機光電変換素子12b)における第1電極10での行方向右側の縁部を覆うようにして、かつ有機光電変換素子12bに対応する信号読出し用の配線4(図3には現れていない。)の上面および側面を覆うようにして、第1の電気絶縁層15が設けられている。そして、有機光電変換素子12a(図2参照)に対応する信号読出し用の配線4は第1の電気絶縁層15上に配置されている。
したがって、有機光電変換素子12aに対応する信号読出し用の配線4と有機光電変換素子12bに対応する信号読出し用の配線4とは、有機光電変換素子12aに対応する信号読出し用の配線4が有機光電変換素子12bに対応する信号読出し用の配線4上に第1の電気絶縁層15を介して積層された積層構造をなす。
なお、有機光電変換素子12a〜12dに対応する各信号読出し用の配線4は第1の電気絶縁層15または第2の電気絶縁層17によって覆われており、これらの各電気絶縁層15,17を覆うようにして上述の有機光電変換層11および有機光電変換素子用の電極膜3の各々が配置されている。そして、封止部5は、有機光電変換素子用の電極膜3の上面との間に空隙を設けた状態で各有機光電変換素子12a〜12d(図3においては有機光電変換素子12bのみが現れている。)を覆い、全ての有機光電変換素子12a〜12dを封止している。
図4は、図2中のIV−IV線に沿った断面の概略図である。同図に示すように、第1の電気絶縁層15および第2の電気絶縁層17の各々は、有機光電変換素子12aに対応する信号読出し用の配線4よりもさらに有機光電変換素子12a側に延在して、有機光電変換素子12aにおける第1電極10での行方向右側の縁部を覆っている。
そして、有機光電変換素子12aに対応する信号読出し用の配線4の断線を防止しつつ該信号読出し用の配線4と有機光電変換素子12aにおける第1電極10との接続を図るために、第1の電気絶縁層15における所定箇所には、内壁が正テーパ形状の貫通孔15a、すなわち第1の電気絶縁層15での底面側の開口部の寸法が上面側の開口部の寸法よりも小さい貫通孔15aが形成されている。有機光電変換素子12aに対応する信号読出し用の配線4は、第1の電気絶縁層15の上面および上記貫通孔15aの内壁を経て第1電極10(有機光電変換素子12aにおける第1電極10)の上面に達している。貫通孔15aの内壁の傾斜を緩くすることにより、当該貫通孔15aでの上記配線4の断線を容易に防止することができる。
このように構成された光電変換デバイス20(図1参照)では、透明基板1を介して各有機光電変換素子12a〜12d(図2参照)に光が入射したときに、個々の有機光電変換素子12a〜12dに入射光のエネルギー量に応じた量の信号電荷(電子および正孔)が生じる結果として、各有機光電変換素子12a〜12dに上記のエネルギー量に応じた起電力が生じる。そして、この起電力(信号電荷)が信号読出し手段6により検知され、読み出されて、回路基板7に伝えられる。
有機光電変換素子12aに対応する配線4と有機光電変換素子12bに対応する信号読出し用配線4とが上述の積層構造をなすことから、有機光電変換素子12bの行方向右側方には、信号読出し用の配線4を配置するためのスペースを確保する必要がない。同様に、有機光電変換素子12cの行方向右側方には、信号読出し用の配線を2本配置するためのスペースを確保する必要はなく、1本配置するためのスペースを確保すれば足り、有機光電変換素子12dの行方向右側方には、信号読出し用の配線を3本配置するためのスペースを確保する必要はなく、2本配置するためのスペースを確保すれば足りる。
このため、有機光電変換素子12b,12c,12dの各々については、有機光電変換素子12aに対応する信号読出し用配線4と有機光電変換素子12bに対応する信号読出し用配線4とを積層せずに並設する場合に比べ、受光面の面積(第1電極10の平面視上の面積)を容易に大きくすることができる。光電変換デバイス20全体としてみたときに、有機光電変換素子12a〜12dへの入射光量を容易に増大させることができる。その結果として、光電変換デバイス20全体としての感度を高めて、解像度の向上および動作速度の高速化を図ることが容易になる。さらには、S/N比を高めて高品質化を図ることも容易になる。
(実施の形態2)
本発明の光電変換デバイスには、個々の有機光電変換素子への入射光の波長域を制限する光学フィルタ部を設けることができる。光学フィルタ部を設ける場合、該光学フィルタ部は各有機光電変換素子への光の入射経路に配置される。
本発明の光電変換デバイスには、個々の有機光電変換素子への入射光の波長域を制限する光学フィルタ部を設けることができる。光学フィルタ部を設ける場合、該光学フィルタ部は各有機光電変換素子への光の入射経路に配置される。
図5は、上記の光学フィルタ部を有する光電変換デバイスの一例を概略的に示す断面図であり、図6は、上記の光学フィルタ部を有する光電変換デバイスの他の例を概略的に示す断面図である。これら図5および図6は、いずれも、1つの有機光電変換素子列を列方向に沿って切断したときの断面図に相当する。
図5に示す光電変換デバイス30では、透明基板1上に光学フィルタ部25と該光学フィルタ部25を覆うオーバーコート層27とが積層され、オーバーコート層27上に各有機光電変換素子12が配置されている。上記の光学フィルタ部25は、透過光の主波長域が互いに異なる3つの光学フィルタ25a,25b、25cによって構成されている。例えば、各光学フィルタ25a,25b,25cはストライプ状に形成され、個々の光学フィルタ25a,25b,25c上に1つの有機光電変換素子行が配置される。光学フィルタ部25は上記の入射光を各光学フィルタ25a,25b,25cにより3つの波長域、例えば赤色光域、緑色光域、および青色光域の3つの波長域、またはシアン色光域、マゼンタ色光域、および黄色光域の3つの波長域に分ける。
一方、図6に示す光電変換デバイス40では、透明基板1上に光学フィルタ部35と該光学フィルタ部35を覆うオーバーコート層37とが積層され、オーバーコート層37上に各有機光電変換素子12が配置されている。上記の光学フィルタ部35は、透過光の主波長域が互いに異なる4つの光学フィルタ35a,35b、35cによって構成されている。例えば、各光学フィルタ35a,35b,35c,35dはストライプ状に形成され、個々の光学フィルタ35a,35b,35c,35d上に1つの有機光電変換素子行が配置される。光学フィルタ部35は上記の入射光を各光学フィルタ35a,35b,35cにより4つの波長域、例えば赤色光域、緑色光域、青色光域、およびオレンジ色光域に分ける。なお、図5および図6においては、図3に示した構成要素と機能が共通する構成要素(有機光電変換素子を除く。)図3で用いた参照符号と同じ参照符号を付してある。
上述した各光電変換デバイス30,40は、光学フィルタ部25,35およびオーバーコート層27,37を除き、実施の形態1で説明した光電変換デバイス20(図1〜図3参照)と同様の構成を有しているので、光電変換デバイス20におけるのと同様の理由から、光電変換デバイス30全体または光電変換デバイス40全体としては、各有機光電変換素子12への入射光量を容易に増大させることができる。その結果として、光電変換デバイス30全体または光電変換デバイス40全体としての感度を高めて、解像度の向上および動作速度の高速化を図ることが容易になる。さらには、S/N比を高めて高品質化を図ることも容易になる。また、個々の有機光電変換素子12への入射光の波長域が上述の光学フィルタ部25,35により制限されるので、当該光電変換デバイス30,40を用いればフルカラーの画像データを得ることが可能になる。
以上、実施の形態を挙げて本発明の光電変換デバイスについて説明したが、前述のように、本発明はこれらの形態に限定されるものではない。例えば、各構成部材の材料は、作製しようとする光電変換デバイスに求められる性能や当該光電変換デバイスの用途等に応じて適宜選定可能である。
例えば、有機光電変換素子が配置される基板としては、所望の機械的強度および熱的強度を有する無機材料製または有機材料製のものが適宜選定され、実施の形態1,2で説明した透明基板は、当該基板の一主面を光入射面として利用する場合に用いられる。基板は電気絶縁性を有していることが好ましいが、光電変換デバイスの動作を妨げない範囲で、あるいは光電変換デバイスの用途によっては、導電性を有していてもよい。
このような基板の材料としては、(1)ソーダ石英ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英ガラス、無アルカリガラス、フッ化物ガラス等の無機ガラス、(2)ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテルスルフォン、ポリフッ化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアクリレート、非晶質ポリオレフィン、フッ素系樹脂等の有機高分子化合物、(3)As2S3、As40S10、S40Ge10等のカルコゲナイドガラス、(4)酸化亜鉛、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化ケイ素、酸化ハフニウム、酸化チタン等の金属酸化物および窒化ケイ素等の金属窒化物、(5)顔料等により着色された透明基板材料、および(6)表面に絶縁処理を施した金属材料、等を用いることができる。さらには、特定波長のみを透過する材料や、光−光変換機能により入射光を特定の波長の光に変換する材料等を用いることもできる。基板は、単層構造とする他に、複数の基板材料が積層された積層構造とすることもできる。
有機光電変換素子を構成する第1電極を透明電極とする場合、その材料としては、(1)インジウムスズ酸化物(ITO;塗布型ITOを含む。)、酸化スズ、酸化亜鉛、インジウム亜鉛酸化物、アンチモンドープ酸化スズ、アルミニウムドープ酸化亜鉛等の透明導電性酸化物、(2)アルミニウム、銅、チタン、銀等の薄膜や、これらの金属の混合薄膜、積層薄膜といった金属薄膜、(3)ポリピロール、ポリエチレンジオキシチオフェン(以下、「PEDOT」と略記する。)、ポリフェニレンビニレン(以下、「PPV」と略記する。)、ポリフルオレン等の導電性高分子化合物、等を用いることができる。透明電極は、単層構造とすることもできるし、積層構造とすることもできる。
第1電極の形成は、例えば、該第1電極の元となる膜をその材料に応じて真空蒸着法、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、スパッタ法等の物理的気相蒸着法、あるいは各種の重合法(電界重合法等)等により形成した後、当該膜をリソグラフィ法(フォトリソグラフィ法、電子線リソグラフィ法等)とエッチング法とを利用して所定形状にパターニングすることで行われる。所定形状のマスクを用いた物理的気相蒸着法や重合法により所望形状の第1電極を直接形成することも可能である。
第1電極を透明電極とする場合には、十分な導電性を持たせるために、あるいは基板表面の凹凸に起因する有機光電変換部への不均一な光入射を防ぐために、1nm以上の厚さにすることが望ましい。また、十分な透明性を持たせるために500nm以下の厚さにすることが望ましい。
第1電極を正極として利用する場合には、必要に応じて、有機光電変換材料の1つである後述の電子供与性材料よりも低い仕事関数を有すると共に第1電極よりも高い仕事関数を有する物質からなる正極バッファ層を、第1電極と有機光電変換部との間に介在させることもできる。
なお、第1電極を透明電極とするか否かに拘わらず、該第1電極の平面形状は図2に示したような四角形に限定されるものではなく、四角形以外の多角形や楕円形(円形を含む。)等、所望の形状とすることができる。
有機光電変化層は、例えば電子供与性材料と電子受容性材料とを用いて形成される。このとき、電子供与性材料としては、(1)フェニレンビニレンおよびその誘導体、フルオレンおよびその誘導体(骨格にキノリン基またはピリジン基を有するフルオレン系コポリマー(P0F66、P1F66、PFPV等)等)、フルオレン含有アリールアミンポリマー、カルバゾールおよびその誘導体、インドールおよびその誘導体、ピレンおよびその誘導体、ピロールおよびその誘導体、ピコリンおよびその誘導体、チオフェンおよびその誘導体、アセチレンおよびその誘導体、ジアセチレンおよびその誘導体等の重合体ならびにその誘導体、(2)デンドリマーとして総称される一群の高分子材料、(3)ポルフィン、テトラフェニルポルフィン銅、フタロシアニン、銅フタロシアニン、チタニウムフタロシアニンオキサイド等のポリフィリン化合物、(4)1,1−ビス(4−(ジ−p−トリルアミノ)フェニル)シクロヘキサン、4,4’,4”−トリメチルトリフェニルアミン、N,N,N’,N’−テトラキス(p−トリル)−p−フェニレンジアミン、1−(N,N−ジ−p−トリルアミノ)ナフタレン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)−2,2’−ジメチルトリフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラフェニル−4,4’−ジアミノビフェニル、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ−m−トリル−4,4’−ジアミノビフェニル、N−フェニルカルバゾール等の芳香族第三級アミン、(5)4−ジ−p−トリルアミノスチルベン、4−(ジ−p−トリルアミノ)−4’−(4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル)スチルベン等のスチルベン化合物、等を用いることができる。
さらには、トリアゾールおよびその誘導体、オキサジアゾールおよびその誘導体、イミダゾールおよびその誘導体、ポリアリールアルカンおよびその誘導体、ピラゾリンおよびその誘導体、ピラゾロンおよびその誘導体、フェニレンジアミンおよびその誘導体、アリールアミンおよびその誘導体、アミノ置換カルコンおよびその誘導体、オキサゾールおよびその誘導体、スチリルアントラセンおよびその誘導体、フルオレノンおよびその誘導体、ヒドラゾンおよびその誘導体体、シラザンおよびその誘導体、ポリシラン系アニリン系共重合体、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、ポリ3−メチルチオフェン等も用いることができる。なお、電子供与性材料は、化学的に修飾して吸収波長特性を調整することも可能である。
また、上述の電子受容性材料としては、上述した電子供与性材料と同様の低分子および高分子材料の他に、次の(i)〜(vi)の化合物を繰り返し単位とする重合体、すなわち(i)1,3−ビス(4−tert−ブチルフェニル−1,3,4−オキサジアゾリル)フェニレン等のオキサジアゾールおよびその誘導体、(ii)フルオレンおよびその誘導体、(iii) アントラキノジメタンおよびその誘導体、(iv)ジフェニルキノンおよびその誘導体、(v)フラーレンおよびその誘導体([5,6]−フェニル C61 酪酸メチルエステル、[6,6]−フェニル C61 酪酸メチルエステル等)、(vi)カーボンナノチューブおよびその誘導体等を繰り返し単位とする重合体や、上記(i)〜(vi)の化合物と他のモノマーとの共重合体等が用いられる。さらには、デンドリマーとして総称される一群の高分子材料を用いることもできる。なお、電子受容性材料は、化学的に修飾して吸収波長特性を調整することも可能である。
有機光電変換層の形成は、使用する材料に応じて、例えば真空蒸着法やスパッタリング法等の真空プロセスやスピンコート法、ディッピング法、インクジェット法等のウェットプロセスにより行うことができ、ウェットプロセスにより有機光電変換層を形成した場合には、低コスト、高生産性の下に光電変換装デバイスを得ることが容易になる。
電子供与性有機材料と電子受容性有機材料とを用いて有機光電変化層を形成する場合、これら電子供与性材料および電子受容性材料は、互いに混合物を形成していてもよいし、互いに別個に層状をなしていてもよい。ここで、上記の「混合物」とは、液相または固相の材料を容器に入れ、必要に応じて溶剤を添加したうえで攪拌等により混ざり合わせた状態のものをいい、これをスピンコート法やインクジェット法等で成膜したものを含む。また、電子供与性材料と電子受容性材料との混合状態は均一である必要はなく、不均一に混ざっていてもよいし、一部のみが混合物を形成していてもよい。
また、電子供与性材料と電子受容性材料とが互いに別個に層状をなす有機光電変換層では、それぞれの層が完全に分離していなくてもよく、電子供与性材料と電子受容性材料との層間の一部が混合状態であってもよい。電子供与性材料からなる層と電子受容性材料からなる層とが完全に分離した有機光電変換層は、例えば、電子供与性材料からなる層と電子受容性材料からなる層とをそれぞれ別個に成膜することで得られる。
有機光電変換素子を構成する第2電極の材料としては、有機光電変換部で生じた電子を効率よく取り出すことができる材料が好ましく、アルミニウム、インジウム、マグネシウム、チタン、銀、カルシウム、ストロンチウム等の金属や、これらの金属を含有した合金、あるいは前記の金属を含有した導電性の酸化物もしくはフッ化物等が用いられる。第1電極が透明電極であるときに有機光電変換部での光電変換効率を高めるうえからは、光電変換に寄与することなく第2電極に達した光を再び有機光電変換部へ供給して光電変換に寄与させることができるよう、光反射率の高い材料によって第2電極を形成することが好ましい。
前述した第1電極と同様に、第2電極は単層構造とすることもできるし、積層構造とすることもできる。第2電極の形成は、例えば抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、スパッタ法等の物理的気相蒸着法により行うことができる。
第2電極を陰極として利用する場合には、必要に応じて、フッ化リチウムをはじめとする金属フッ化物や金属酸化物等、有機光電変換層を構成する電子受容性材料よりも高い仕事関数を有すると共に第2電極よりも低い仕事関数を有する物質からなる負極バッファ層を、第2電極と有機光電変換部との間に介在させることもできる。
信号読出し用の配線は、前述した第1電極と同じ材料によって形成することもできるし、第2電極と同じ材料によって形成することもできる。さらには、他の導電性材料、例えば金により形成することもできる。導電性が高い信号読出し用の配線を得るうえからは、当該配線を金属材料で形成することが好ましい。また、複数種の導電性材料の混合物や、各層が互いに異なる導電性材料からなる積層物によって信号読出し用の配線を形成することもできる。
積層物によって信号読出し用の配線を形成する場合、当該配線は、例えば、第1電極または第2電極と同じ材料により形成された第1導電層と、金属または導電性の金属化合物により形成された第2導電層とにより構成することができる。この場合、第1導電層および第2導電層のうちの一方が他方に積層される。そして、第1電極または第2電極と第1導電層とを1つの導電膜から一緒に形成することができるので、信号読出し用の配線と該配線に対応する有機光電変換素子とを確実に接続することが極めて容易である。また、第1導電層および第2導電層のうちの一方が他方に積層されているので、信号読出し用の配線の導電性を高め易く、結果としてデバイス全体としての感度も高め易い。
図7は、信号読出し用の配線が積層物によって形成されている光電変換デバイスの一例を概略的に示す断面図である。同図に示す光電変換デバイス50では、信号読出し用の配線4Aの各々が、第1の電気絶縁層15上に設けられた第1導電層4aと、その上に積層された第2導電層4bとの積層物によって形成されている。なお、図7に示した構成要素のうちで図3に示した構成要素と共通するものについては、図3で用いた参照符号と同じ参照符号を付してその説明を省略する。
上記の光電変換デバイス50におけるように、信号読出し用の配線を第1導電層と第2導電層との積層物によって形成する場合、第1導電層と第2導電層とは互いに密着していることが好ましい。第1導電層と第2導電層との組合せを選定するにあたっては、一方での内部応力よりも他方での圧縮応力の方が大きくなるように当該組合せを選定することにより、第1導電層と第2導電層との密着性を高めることが容易になる。
例えば第1導電層をITOにより形成するときには、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、およびシリコン(Si)のうちの少なくとも1つの元素を含む単体金属または金属化合物によって第2導電層を形成することで、第1導電層と第2導電層との密着性が高い信号読出し用の配線を得易くなる。
なお、信号読出し用の配線を他の部材(第1電極または第2電極)と同じ材料によって形成する場合には、当該配線の一部または全部を上記の部材と一緒に形成してもよいし、別々に形成してもよい。
また、上記の配線を透明導電性材料により形成し、かつ第2の電気絶縁層を透明材料により形成すると、有機光電変換層のうちで当該配線上に位置する領域にも光が入射して光電変換が起こり、この光電変換で生じた信号電荷が有機光電変換素子または当該配線に移動してクロストークの原因となることがあるので、上記領域への光の入射が抑えられるように当該配線には遮光性を付与することが好ましい。
信号読出し用の配線に遮光性を付与するにあたっては、例えば、光反射性もしくは光吸収性に優れたクロム(Cr)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、タンタル(Ta)、タングステン(W)等の金属、あるいは黒鉛等の炭素系材料によって当該配線を形成する。また、当該配線を積層物によって形成するときには、そのうちの少なくとも1層を上記光反射性もしくは光吸収性に優れた金属または上記炭素系材料により形成することが好ましい。
勿論、信号読出し用の配線の上方または下方にクロム酸化物等からなる遮光層を設けることによっても、あるいは第1の電気絶縁層および第2の電気絶縁層の少なくとも一方に遮光性を付与することによっても、有機光電変換層のうちの信号読出し用の配線上に位置する領域への光の入射を抑えることができる。第1の電気絶縁層または第2の電気絶縁層に遮光性を付与しようとする場合には、例えば、カーボン等の色材を含有した有機高分子材料やクロム酸化物等により当該電気絶縁層が形成される。クロム酸化物は耐薬品性に優れており、光電変換デバイスを製造する過程での変質あるいは変性が起こり難いので、クロム酸化物により電気絶縁層を形成することにより、電気絶縁層の遮光性が所望のレベルにある光電変換デバイスを得易くなる。
また、第1の電気絶縁層または第2の電気絶縁層の電気絶縁性が高ければ、たとえ上記の領域において光電変換が起きても、この光電変換で生じた信号電荷が信号読出し用の配線に移動してクロストークの原因となることが抑えられる。さらに、信号読出し用の配線同士でのクロストークも抑えられる。第1の電気絶縁層および第2の電気絶縁層それぞれの電気抵抗率は、1×1019Ω・cm程度以上であることが好ましい。
電気絶縁性の高い電気絶縁層は、例えばシリコン酸化物、アルミニウム酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物等の無機材料により形成することができるが、これらの無機材料によって所望形状の電気絶縁層を形成するためには、通常、エッチングによるパターニングが必要となるので、このときに第1電極、信号読出し用の配線、または第2電極がダメージを受けたり変形したりしないように、当該電気絶縁層の材料を選定することが好ましい。
例えば、第1電極をITOにより形成したり、信号読出し用の配線を金属材料により形成したりしたときには、フッ酸に対するエッチング特性がITOまたは上記の金属材料とは異なる材料、例えばシリコン窒化物、シリコン酸窒化物等によって第1の電気絶縁層または第2の電気絶縁層を形成することが好ましい。
シリコン窒化物やシリコン酸窒化物は、ガスや水蒸気に対するバリア性が高い緻密な層を比較的容易に形成することができるので、当該シリコン窒化物やシリコン酸窒化物によって第1の電気絶縁層または第2の電気絶縁層を形成することにより、その下側の配線(信号読出し用の配線)の経時的な性能低下や製造過程での性能低下を防止し易くなる。また、シリコン窒化物やシリコン酸窒化物は電気抵抗率が高いので、当該シリコン窒化物やシリコン酸窒化物によって第1の電気絶縁層または第2の電気絶縁層を形成することにより、積層構造をなす信号読出し用の配線同士のクロストークを防止し易くなる。
有機高分子材料、特に感光性樹脂によって第1の電気絶縁層または第2の電気絶縁層を形成した場合には、無機材料によって形成する場合に比べて、所望形状の電気絶縁層を得易くなる。すなわち、感光性樹脂によって第1の電気絶縁層または第2の電気絶縁層を形成する場合には、所望の感光性樹脂組成物層を形成した後に該感光性樹脂組成物層に選択的な露光処理および現像処理を施せばよく、エッチング処理は不要であるので、所望形状の電気絶縁層を得易い。例えばポリイミド系の感光性樹脂を用いれば、電気絶縁性の高い電気絶縁層を形成することもできる。
なお、第1の電気絶縁層上に形成された信号読出し用の配線と該配線に対応する第1電極との接続は、内壁が略垂直な貫通孔を介して行うことも可能であるが、貫通孔部分での配線の断線を防止するうえからは、実施の形態1で説明したように、内壁が正テーパ形状の貫通孔を介して行うことが好ましい。また、第1の電気絶縁層の形状を所定形状とすることによっても、すなわち当該第1の電気絶縁層上に形成された信号読出し用の配線と該配線に対応する第1電極との接続箇所近傍を正テーパ形状の斜面とすることによっても、上記の断線を防止することができる。いずれにしても、積層構造をなす2本の信号読出し用の配線の間に介在する電気絶縁層には、これらの配線の長手方向に沿った断面の形状が正テーパ形状となる領域を含ませ、上側の配線(信号読出し用の配線)は当該領域を介して有機光電変換素子に接続することが好ましい。第1の電気絶縁層および第2の電気絶縁層は、それぞれ、誘電体層であってもよい。
本発明の光電変換デバイスに光学フィルタ部を設ける場合、当該光学フィルタ部は単色または2色の光学フィルタによって構成することもできるし、実施の形態2で説明したように3〜4色のカラーフィルタによって構成することもできる。何色のカラーフィルタで光学フィルタ部を構成するかは、得ようとする光電変換デバイスの用途等に応じて適宜選択可能である。
個々のカラーフィルタは、例えば所望の染料や顔料等の色材で着色された有機組成物(例えばカラーレジン)により形成した層をフォトリソグラフィ法により所定形状にパターニングすることで形成される。また、色材で着色された所望の有機組成物を印刷法、インクジェット法、蒸着法等の方法で所定パターンに塗工したり、電着法により所定箇所に堆積させたりすることでも形成することができる。光学フィルタ部を構成する各色のフィルタの配置形態は、適宜選定可能である。
また、光学フィルタ部を覆うオーバーコート層は、耐熱性および耐溶剤性に優れている他に、平坦性、密着性、透明性、耐光性、耐熱変色性、保存安定性等にも優れているものであることが好ましく、このようなオーバーコート層の原料としては、例えばアクリル系、エポキシ系、ポリイミド系、シロキサン系、アルキル系等の光硬化性または熱硬化性の樹脂組成物等が用いられる。光硬化性または熱硬化性の樹脂組成物を用いてオーバーコート層を形成する場合には、当該樹脂組成物をスピンコート法等の方法で塗工して塗膜を形成した後、この塗膜に所定波長域の光を照射して半硬化させてから所定形状にパターニングするか、または熱処理を施して半硬化させてから所定形状にパターニングし、その後、光照射または熱処理により完全に硬化させる。
本発明の光電変換デバイスにおいては、信号読出し手段を設けるか否かは任意である。信号読出し手段を設ける場合、幾つの半導体チップを用いて信号読出し手段を構成するかは、個々の有機光電変換素子行での有機光電変換素子の数や製造コスト等に応じて適宜選択される。信号読出し手段を基板に実装することにより、当該光電変換デバイスを用いて例えば小型の画像読取り装置を構成することが容易になる。また、複数の半導体チップを互いに離隔して配置して信号読出し手段を構成することにより、長尺の光電変換デバイスを低コストの下に得ることが容易になる。
有機光電変換素子の素子寿命が長い光電変換デバイスを得るうえからは、実施の形態1,2で説明した光電変換デバイス20,30,40(図1、図5、または図6参照)におけるように、各有機光電変換素子を覆うようにして封止部を設け、該封止部によって各有機光電変換素子への酸素や水分の侵入を抑制することが好ましい。
例えば各有機光電変換素子を覆うようにして極浅い箱状のガラス容器を被せ、該ガラス容器を光硬化型接着剤等で基板に固着させることによって封止部を形成することができる。また、各有機光電変換素子を覆うようにして酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化アルミニウム、窒化ケイ素、フッ化リチウム等からなる無機膜やゾル−ゲル法によるガラス膜、あるいは熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、封止効果のあるシラン系高分子材料等からなる有機膜を基板上に成膜することによっても、封止部を形成することができる。さらには、各有機光電変換素子を覆うようにして平板状のガラス板を接着剤により固着させることによっても封止部を形成することができる。
実施の形態1,2で説明した各光電変換デバイスは、基板(透明基板)における一主面を光入射面として利用するものであるが、基板とは反対の側を光入射面として利用する構成もあり得る。本発明の光電変換デバイスについては、上述した以外にも種々の変形、修飾、組合せ等が可能である。以下、本発明の具体的な内容について、実施例を挙げて説明する。
まず、透明基板として長板状のソーダガラス基板を用意した。このソーダガラス基板上にスパッタ法により膜厚150nmのITO膜を成膜した後、該ITO膜上にスピンコート法によりレジスト材(東京応化社製のOFPR−800(商品名))を塗布して膜厚1μmのレジスト膜を形成し、このレジスト膜をプリベークした後に当該レジスト膜に選択的な露光、現像、およびポストベークを施して、所定形状のレジストパターンを得た。そして、該レジストパターンまで形成した透明基板(ソーダガラス基板)を液温60℃の50%塩酸水溶液中に浸漬して、レジストパターンが形成されていない部分のITO膜をエッチングした。
この後、上記のレジストパターンを除去して、3行7500列に亘ってマトリックス状に配置された多数の第1電極(有機光電変換素子用の第1電極)と、第1行の各第1電極(後述する半導体チップからみて最も遠い行の各第1電極を意味する。)を除いた第1電極の各々に1本ずつ接続された信号読出し用の配線と、後述する半導体チップ同士の接続に用いる配線等を得た。
次に、第1電極および上記の各配線が形成された透明基板上に物理的気相蒸着法により膜厚1μmの銅(Cu)膜を成膜し、その上にスピンコート法によりレジスト材(東京応化社製のOFPR−800(商品名))を塗布して膜厚1μmのレジスト膜を形成し、このレジスト膜をプリベークした後に当該レジスト膜に選択的な露光、現像、およびポストベークを施して、所定形状のレジストパターンを得た。そして、該レジストパターンまで形成した透明基板(ソーダガラス基板)を液温が常温の25%ペルオキソ硫酸アンモニウム溶液中に浸漬し、レジストパターンが形成されていない部分の銅膜をエッチングした。この後、上記のレジストパターンを除去して、信号読出し用の各配線の端部(第1電極に接続されていない側の端部)上に位置する複数のパッド、および半導体チップと回路基板とを接続する複数の配線を得た。
次いで、上記の各配線まで形成された透明基板上にポリイミド系の感光性樹脂組成物(東レ社製のフォトニース(商品名))をスピンコートして膜厚が約1μmの樹脂組成物層を形成し、この樹脂組成物層をプリベークした後に当該層に選択的な露光、現像、およびポストベークを施して、所定形状を有する第1の電気絶縁層を得た。該第1の電気絶縁層は、第1行の各第1電極における行方向右側の縁部と第2行の各第1電極(半導体チップからみて2番目に遠い行の各第1電極を意味する。)における行方向右側の縁部とをそれぞれ除いて第1電極の各々を露出させていると共に、パッドの各々を露出させている。また、第1行の第1電極それぞれにおける行方向右側の縁部上には、内壁が略垂直な貫通孔(コンタクトホール)が形成されている。その一方で、第1の電気絶縁層は各配線の上面および側面を覆って、隣り合う配線同士を電気的に分離している。
第1の電気絶縁層の形成後、物理的気相蒸着法により所定膜厚のアルミニウム膜を成膜し、その上にスピンコート法によりレジスト材(東京応化社製のOFPR−800(商品名))を塗布して膜厚1μmのレジスト膜を形成し、このレジスト膜をプリベークした後に当該レジスト膜に選択的な露光、現像、およびポストベークを施して、所定形状のレジストパターンを得た。そして、該レジストパターンまで形成した透明基板(ソーダガラス基板)を液温が常温の50%燐酸溶液中に浸漬し、レジストパターンが形成されていない部分のアルミニウム膜をエッチングした。
この後、上記のレジストパターンを除去して、第1行の第1電極の各々に1本ずつ接続された信号読出し用のアルミニウム配線を得た。1つの第1電極列における第1行の第1電極に対応するアルミニウム配線と、同じ列中の第2行の第1電極に対応する信号読出し用の配線とは、前者が後者の上に第1の電気絶縁層を介して積層された積層構造をなし、アルミニウム配線は上述の貫通孔を介して第1行の第1電極に接続されている。なお、アルミニウム配線における半導体チップとの接続側の端部は、その下の配線(第2行の第1電極に対応する信号読出し用の配線)に対応するパッドから離隔している。
次に、上述した第1の電気絶縁層の形成と同様にして、各アルミニウム配線の上面および側面を覆う第2の電気絶縁層を形成した。第1の電気絶縁層と第2の電気絶縁層とは、平面視上、略重なる。
ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルフォネートとの混合物を目開き0.45μmのフィルタを通して透明基板上に滴下し、スピンコート法によって均一に塗布した。これを200℃のクリーンオーブン中で30分間加熱することで、各第1電極の露出面を覆う正極バッファ層を形成した。また、ポリ(2−メトキシ−5−(2’−エチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン)と[5,6]−フェニル C61 酪酸メチルエステルとを1:4の重量比で含有するクロロベンゼン溶液をスピンコート法により上記の正極側バッファ層上に塗布し、100℃のクリーンオーブン中で30分間加熱処理して、厚さ約100nmの有機光電変換層を形成した。
続いて、0.27mPa(2×10-6Torr)以下の真空度にまで減圧した抵抗加熱蒸着装置内にて、負極バッファ層としての膜厚2nmのフッ化リチウム膜と第2電極用の電極間膜としての膜厚約100nmのアルミニウム膜とを有機光電変換層上にこの順番で順次成膜した。このアルミニウム膜まで形成することにより、第1電極(ITO膜)と、正極バッファ層と、有機光電変換層の一領域からなる有機光電変換部と、負極バッファ層と、アルミニウム膜の一領域からなる第2電極とを備えた有機光電変換素子が3行7500列に亘って形成された。
この後、ガラス製の極浅い箱状物を用意し、各有機光電変換素子を覆うようにして当該箱状物をエポキシ系の光硬化型接着剤により透明基板上に固着させて封止部を形成してから、透明基板上に異方性導電フィルムを介して4つの半導体チップをフリップチップボンディングして信号読出し手段を形成した。また、透明基板上の所定の配線に回路基板を接続した。
このようにして信号読出し手段の形成および回路基板の接続まで行うことにより、目的とする光電変換デバイスが得られた。この光電変換装デバイスは、図1に示した光電変換デバイス20と同様の構造を有している。
透明基板として無アルカリガラス基板を用い、この透明基板上に光学フィルタ部および該光学フィルタ部を覆うオーバーコート層を設けた後、当該オーバーコート層上に各第1電極(有機光電変換素子用の第1電極)を形成した以外は実施例1における条件と同様の条件の下に、図5に示した光電変換デバイス30と同様の構造を有する有機光電デバイスを作製した。
上記の光学フィルタ部を設けるにあたっては、まず、透明基板(無アルカリガラス基板)上に所望色のカラーレジンを塗布して塗膜を形成し、該塗膜を100℃で仮焼成した後にフォトマスクを介して露光し、現像を行って、ストライプ状にパターニングされたカラーレジン層を得るという工程を赤色、緑色、および青色のカラーレジンそれぞれについて行って、膜厚2μmのストライプ状を呈する仮焼成カラーレジン層を計3層、並列に形成した。次いで、これら3層の仮焼成カラーレジン層を本焼成して、主として赤色光域の光を透過させる赤色フィルタと、主として緑色光域の光を透過させる緑色フィルタと、主として青色光域の光を透過させる青色フィルタとからなる光学フィルタ部を形成した。
また、上記のオーバーコート層を形成するにあたっては、まず、光学フィルタ部を覆うようにして熱硬化性樹脂組成物をスピンコート法により塗布して塗膜を形成し、この塗膜を乾燥させてから当該塗膜上に所定形状のフォトマスクを形成した。次いで、このフォトマスクを用いて上記乾燥後の塗膜を選択的に露光してから現像を行い、200℃で焼成することにより、光学フィルタ部の上面および側面を覆う保護層を形成した。この保護層の厚さ(光学フィルタ部上での厚さ)は約2μmであり、光学フィルタ部の側方においては保護層にテーパがついている。
第1行の第1電極に対応する信号読出し用の配線を形成するにあたり、当該配線を膜厚1μmのアルミニウム配線とした。そして、他は実施例2と同様の条件の下に光電変換デバイスを作製した。上記のアルミニウム配線は可視光を略100%遮光するものであり、膜厚を変更した以外は実施例1で説明したアルミニウム配線の形成と同様の条件の下に作製した。
この光電変換デバイスでは、アルミニウム配線が遮光性を有していることから、有機光電変換層のうちで上記のアルミニウム配線上に位置する領域での光電変換を防止してクロストークを抑えることができる。
感光性を有するブラックレジスト(東京応化社製)を用いて第1の電気絶縁層および第2の電気絶縁層をそれぞれ形成した以外は実施例2における条件と同様の条件の下に、光電変換デバイスを作製した。ブラックレジストにより形成された第1の電気絶縁層および第2の電気絶縁層は遮光性を有しており、個々の電気絶縁層での可視光の透過率は0.1%程度である。
この光電変換デバイスでは、第1の電気絶縁層および第2の電気絶縁層が遮光性を有していることから、有機光電変換層のうちで第2の電気絶縁層上に位置する領域での光電変換を防止してクロストークを抑えることができる。
シリコン酸窒化物により第1の電気絶縁層および第2の電気絶縁層をそれぞれ形成した以外は実施例2における条件と同様の条件の下に、光電変換デバイスを作製した。
第1の電気絶縁層および第2の電気絶縁層の各々を形成するにあたっては、まず、該電気絶縁層の元となる膜厚0.5μmのシリコン酸窒化物膜をスパッタ法により形成した。
次いで、その上にスピンコート法によりレジスト材(東京応化社製のOFPR−800(商品名))を塗布して膜厚1μmのレジスト膜を形成し、このレジスト膜をプリベークした後に当該レジスト膜に選択的な露光、現像、およびポストベークを施して所定形状のレジストパターンを形成した。その後、該レジストパターンまで形成した透明基板(ソーダガラス基板)を液温が常温の50%燐酸溶液中に浸漬し、レジストパターンが形成されていない部分のシリコン酸窒化物膜を選択的にエッチングして第1の電気絶縁層または第2の電気絶縁層とした後に上記のレジストパターンを除去した。
このようにして作製した光電変換デバイスでは、シリコン酸窒化物からなる第1の電気絶縁層および第2の電気絶縁層それぞれでのガス透過率、蒸気透過率が低いので、信号読出し用の各配線の経時的な性能低下や製造過程での性能低下を防止し易い。また、第1の電気絶縁層および第2の電気絶縁層それぞれでの電気抵抗率が高いので、配線間のクロストークを防止し易い。
第1行の第1電極と該第1電極に対応する信号読出し用の配線との接続を図るための貫通孔が形成された第1の電気絶縁層を形成するにあたり、その元となる樹脂組成物層での上記貫通孔の形成箇所をオーバー露光して内壁が正テーパ形状の貫通孔を形成した。そして、他は実施例2における条件と同様の条件の下に光電変換デバイスを作製した。
この光電変換デバイスでは、上記貫通孔の内壁が正テーパ形状となっていることから、第1行の第1電極に対応する信号読出し用の配線を形成するにあたって断線が起こり難い。
第2行の第1電極に対応する信号読出し用の配線の各々と、第3行の第1電極(信号読出し手段に最も近い行の第1電極を意味する。)に対応する信号読出し用の配線の各々とをITO膜とクロム膜との積層物により形成し、かつ第1行の第1電極に対応する信号読出し用の配線を厚肉のアルミニウム配線とした以外は実施例3における条件と同様の条件の下に、光電変換デバイスを作製した。
このとき、第1電極と、第2行の第1電極に対応する信号読出し用の配線と、第3行の第1電極(信号読出し手段に最も近い行の第1電極を意味する。)に対応する信号読出し用の配線とを形成するにあたっては、まず、実施例1と同様の条件の下に膜厚150nmのITO膜をスパッタ法により形成し、該ITO膜上に膜厚300nmのクロム膜後をスパッタ法により形成した。ITO膜とクロム膜との密着性は高い。
次いで、上記のクロム膜上にスピンコート法によりレジスト材(東京応化社製のOFPR−800(商品名))を塗布して膜厚1μmのレジスト膜を形成し、このレジスト膜をプリベークした後に当該レジスト膜に選択的な露光、現像、およびポストベークを施して所定形状のレジストパターンを形成した。
この後、上記のレジストパターンまで形成した透明基板(ソーダガラス基板)を液温が常温の25%硝酸セリウムアンモニウム水溶液中に浸漬して、レジストパターンが形成されていない部分のクロム膜を選択的にエッチングしてから、上記のレジストパターンを除去した。これにより、ITO膜からなる第1電極を形成すると共に、ITO膜とクロム膜との積層物からなる信号読出し用の配線(第2行の第1電極に対応するもの、および第3行の第1電極に対応するもの)を得た。
また、厚肉のアルミニウム配線は、その元となるアルミニウム膜の膜厚を1μmとした以外は実施の形態1における条件と同様の条件の下に形成した。当該アルミニウム配線は、可視光を略100%遮光する。
このようにして作製した光電変換デバイスでは、信号読出し用の各配線の導電性が高く、かつ当該配線の各々が遮光性を有していることから、S/N比が高い高感度のものを得易い。
本発明の光電変換デバイスはイメージセンサ、特にリニアイメージセンサにおける光電変換デバイスとして利用可能である。
1 透明基板
2 光電変換領域
3 有機光電変換素子用の電極膜
3a 第2電極
4,4A 信号読出し用の配線
4a 第1導電層
4b 第2導電層
5 封止部
6 信号読出し手段
6a〜6d 半導体チップ
10 第1電極
11 有機光電変換層
11a 有機光電変換部
12,12a〜12d 有機光電変換素子
15 第1の電気絶縁層
15a 貫通孔
17 第2の電気絶縁層
20,30,40,50 光電変換デバイス
25,35,45 光学フィルタ部
27,37,47 オーバーコート層
2 光電変換領域
3 有機光電変換素子用の電極膜
3a 第2電極
4,4A 信号読出し用の配線
4a 第1導電層
4b 第2導電層
5 封止部
6 信号読出し手段
6a〜6d 半導体チップ
10 第1電極
11 有機光電変換層
11a 有機光電変換部
12,12a〜12d 有機光電変換素子
15 第1の電気絶縁層
15a 貫通孔
17 第2の電気絶縁層
20,30,40,50 光電変換デバイス
25,35,45 光学フィルタ部
27,37,47 オーバーコート層
Claims (19)
- 基板と、該基板上に複数行、複数列に亘ってマトリックス状に配置された複数の有機光電変換素子と、該複数の有機光電変換素子の各々に1本ずつ接続されて列方向に延在する信号読み出し用の配線とを備え、前記複数の有機光電変換素子の各々は、前記基板上に位置する第1電極と、該第1電極上に位置する有機光電変換部と、該有機光電変換部上に位置する第2電極とを有する光電変換デバイスであって、
個々の有機光電変換素子列中の各有機光電変換素子に対応する信号読み出し用の配線のうちの少なくとも2本は、一方が他方の上に電気絶縁層または誘電体層を介して配置された積層構造をなすことを特徴とする光電変換デバイス。 - 前記第1電極は透明電極であり、前記第2電極は前記有機光電変換部を介して前記第1電極上に積層されていることを特徴とする請求項1に記載の光電変換デバイス。
- 前記信号読み出し用の配線は金属により形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の光電変換デバイス。
- 前記信号読み出し用の配線は、前記第1電極または前記第2電極と同じ材料により形成された第1導電層と、金属または導電性の金属化合物により形成された第2導電層とを有し、前記第1導電層および前記第2導電層のうちの一方が他方に積層されていることを特徴とする請求項1または2に記載の光電変換デバイス。
- 前記第1導電層はITOにより形成され、前記第2導電層は前記第1導電層上に積層されて該第1導電層に密着していることを特徴とする請求項4に記載の光電変換デバイス。
- 前記第2導電層はクロム(Cr)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、およびシリコン(Si)のうちの少なくとも1つの元素を含むことを特徴とする請求項5に記載の光電変換デバイス。
- 前記信号読み出し用の配線は遮光性を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の光電変換デバイス。
- 前記信号読み出し用の配線は前記第1電極と同じ材料により形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の光電変換デバイス。
- 前記電気絶縁層または前記誘電体層は遮光性を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の光電変換デバイス。
- 前記電気絶縁層または前記誘電体層はクロム酸化物層であることを特徴とする請求項9に記載の光電変換デバイス。
- 前記電気絶縁層または前記誘電体層はシリコン窒化物層であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の光電変換デバイス。
- 前記電気絶縁層または前記誘電体層はシリコン酸窒化物層であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の光電変換デバイス。
- 前記電気絶縁層または前記誘電体層は感光性樹脂層であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の光電変換デバイス。
- 前記電気絶縁層または前記誘電体層は、前記信号読み出し用の配線の長手方向に沿った断面の形状が正テーパ形状となる領域を含み、該領域は、前記積層構造をなす2本の信号読み出し用の配線のうちの上側の配線が該配線に対応する有機光電変換素子に接続する箇所の近傍に位置していることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1つに記載の光電変換デバイス。
- 前記複数の有機光電変換素子の各々への光の入射経路に配置されて、個々の有機光電変換素子への入射光の波長域を制限する光学フィルタ部を更に備えていることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1つに記載の光電変換デバイス。
- 前記光学フィルタ部は、前記入射光を少なくとも3つの波長域の光に分けることを特徴とする請求項15に記載の光電変換デバイス。
- 前記基板は透明基板であり、
前記光学フィルタ部は前記透明基板上に配置され、
前記複数の有機光電変換素子の各々は、前記光学フィルタ部を覆うオーバーコート層を介して前記光学フィルタ部上に配置されている、
ことを特徴とする請求項15または16に記載の光電変換デバイス。 - 前記複数の有機光電変換素子の各々に生じた信号電荷を検知して読み出す信号読出し手段を更に備え、該信号読出し手段は、前記信号読み出し用の配線の各々を介して前記複数の有機光電変換素子に電気的に接続された状態で前記基板に実装されていることを特徴とする請求項1〜17のいずれか1つに記載の光電変換デバイス。
- 前記信号読出し手段は、所定の集積回路が形成された複数の半導体チップを含み、該複数の半導体チップの各々は互いに離隔して配置されて、互いに重複することなく所定個の有機光電変換素子と電気的に接続されていることを特徴とする請求項18に記載の光電変換デバイス。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2007011022A JP2008177449A (ja) | 2007-01-22 | 2007-01-22 | 光電変換デバイス |
Applications Claiming Priority (1)
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| JP2008177449A true JP2008177449A (ja) | 2008-07-31 |
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Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2011215597A (ja) * | 2010-03-15 | 2011-10-27 | Jsr Corp | 感放射線性組成物、絶縁膜の形成方法、絶縁膜及び固体撮像素子 |
| JP2021086905A (ja) * | 2019-11-27 | 2021-06-03 | 京セラ株式会社 | 配線基板、パッケージおよび電子部品 |
-
2007
- 2007-01-22 JP JP2007011022A patent/JP2008177449A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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| JP7299144B2 (ja) | 2019-11-27 | 2023-06-27 | 京セラ株式会社 | 配線基板、パッケージおよび電子部品 |
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