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JP2008174764A - 鏡面アルミニウム材 - Google Patents

鏡面アルミニウム材 Download PDF

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JP2008174764A
JP2008174764A JP2007006634A JP2007006634A JP2008174764A JP 2008174764 A JP2008174764 A JP 2008174764A JP 2007006634 A JP2007006634 A JP 2007006634A JP 2007006634 A JP2007006634 A JP 2007006634A JP 2008174764 A JP2008174764 A JP 2008174764A
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前園利樹
Masaji Saito
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Furukawa Sky KK
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Abstract

【課題】正反射性及び耐食性が良好で、製造コストの廉価な鏡面アルミニウム材を提供する。
【解決手段】99.5重量%以上のAlを含有し、表面における0.1μm以下の中心線平均粗さRaと10μm以上の凹凸平均間隔Smとを有するアルミニウム基材と、その表面に形成され100〜500nmの厚さを有するバリア型陽極酸化皮膜とを備えることを特徴とする鏡面アルミニウム材。バリア型陽極酸化皮膜の厚さは、150±30nm又は300±20nmが好ましい。
【選択図】図3

Description

本発明は、高度な正反射性を要する反射板や光輝性の高い意匠を要する建材、電子機器及び筐体などに用いられる、耐食性と正反射性に優れ、かつ、製造コストが廉価な鏡面アルミニウム材に関する。
照明器等の反射板やホイールなどの自動車用部品の材料は、正反射性や意匠性の観点から表面に高光沢性の反射面を有している。この反射面を保護するために、従来はアルミニウム板の基材表面に、硫酸陽極酸化処理によりポア型陽極酸化皮膜を形成し、或いは、塗装による有機塗膜を形成していた。
ポア型陽極酸化皮膜を形成する場合、耐食性を優先させると皮膜厚さを厚く(通常1000nm以上)、正反射性を優先させると皮膜厚さを薄くする必要があり、耐食性と正反射性とを両立できない問題があった。また、ポア型陽極酸化皮膜が可視光線を吸収することによる正反射性低下を低減するため、アルミニウム基材表面を電解研磨し平滑化及び清浄化して正反射性を若干向上させた後にポア型陽極酸化処理を施すこともある。しかしながら、このような電解研磨によって製造コストが増大する問題があった。
一方、アルミニウム板に直接塗装する場合には、有機塗膜の密着性が劣ることがある。そこで、ポア型陽極酸化処理後に塗装する方法(例えば、特許文献1参照)や、耐食性と光輝性を両立させるためにバリア型陽極酸化処理後に塗装する方法(例えば、特許文献2参照)等が提案されている。
特開昭62−83497号公報 特開平10−81997号公報
特許文献1に記載されるように、ポア型陽極酸化処理を施したアルミニウム板に有機塗膜を塗装した場合、保護膜としての有機塗膜の働きにより耐食性は良好である。しかしながら、ポア型陽極酸化皮膜を1000nm以下として正反射性を優先しても、有機塗膜による可視光線の吸収は回避できず正反射性が劣るという問題が残った。
特許文献2に記載されるように、皮膜厚50nm以下でバリア型陽極酸化処理したアルミニウム板にアクリル系クリヤー塗料を塗膜厚20μmで塗装した場合において、有機塗膜の働きにより耐食性は良好である。しかしながら、有機塗膜による可視光線の吸収は回避できず正反射性が劣るという問題が残った。
本発明は、耐食性及び正反射性に優れ、かつ、製造コストが廉価な鏡面アルミニウム材を提供することを目的とする。
本発明者らは高純度で平滑な正反射性の高いアルミニウム材を用い、陽極酸化皮膜の種類と皮膜厚さに着目して、バリア型陽極酸化皮膜の皮膜厚を所定範囲に制御することにより、耐食性と正反射性を両立し、かつ、製造コストが廉価な鏡面アルミニウム材が得られることを見出した。
本発明は請求項1において、99.5重量%以上のAlを含有し、表面における0.1μm以下の中心線平均粗さRaと10μm以上の凹凸平均間隔Smとを有するアルミニウム基材と、その表面に形成され100〜500nmの厚さを有するバリア型陽極酸化皮膜とを備えることを特徴とする鏡面アルミニウム材とした。更に請求項2において、バリア型陽極酸化皮膜の厚さを150±30nm又は300±20nmとした。
本発明に係る鏡面アルミニウム材は、耐食性及び正反射性に優れ、かつ、製造コストが廉価なので、特に太陽光採光システムの反射板や各種照明用反射板、意匠性を重視する内装建材、近年のデジタル家電等の筐体用材料として好適に使用される。
A.アルミニウム基材
本発明に用いるアルミニウム基材は、Al含有量が99.5重量%以上の高純度のアルミニウム材である。Al含有量が99.5重量%未満では、不純物による可視光線の吸収が増大するので、例え高度の表面平滑性を達成にしても正反射性が劣ってしまう。
アルミニウム基材の表面粗さの程度を表すパラメータとして、JIS B 0601で定義される中心線平均粗さRaと凹凸平均間隔Smを採用する。Raが0.1μm以下、かつ、Smが10μm以上とする必要がある。Raが0.1μmを超えるか、又はSmが10μm未満の場合には、拡散反射性が増加し、その結果正反射性が劣ることになる。
従来、表面粗さのパラメータとしてはRaのみを指標とすることが多かった。本発明者らによる詳細な検討の結果、表面における凹凸の平均間隔を表すパラメータであるSmも重要な指標であることが判明した。このようなRaとSmを指標として平滑表面とするには、製品厚さまで冷間圧延する際のロール表面粗さを小さくしたり、半球状の接触面積を備えた小圧延ロールを使用するなど、ブライト圧延条件を適宜選定する必要がある。アルミニウム基材の少なくともいずれか一方の表面を、このような表面粗さ面とする。
B.前処理
アルミニウム基材の表面に陽極酸化皮膜を形成する前に、常法にしたがって脱脂処理が施される。アルミニウム基材表面には、自然酸化による酸化物層が通常形成されている。このような酸化物層は、残存する圧延潤滑油、圧延によって押し込まれた異物等で汚染されていることが多い。このような残存潤滑油や異物をアルカリ性脱脂剤によって洗浄、除去するものである。また、強アルカリ系脱脂剤を用いた場合、洗浄堆積物が形成されることが多く、これを酸による後処理によって除去する必要もある。本発明では、正反射性が非常に重要となるため、脱脂条件は正反射性を低下させない範囲で適宜選定される。
C.バリア型陽極酸化皮膜
アルミニウム基材表面に設ける陽極酸化皮膜は、バリア型陽極酸化皮膜とする。陽極酸化皮膜には、電解液として硫酸浴などを用いて形成される多孔質のポア型皮膜と、酒石酸アンモニウム浴やリン酸ナトリウム浴などを用いて形成される無孔質のバリア型皮膜がある。ポア型陽極酸化皮膜の場合、皮膜に多数の孔が存在するため、水分や塩素等の腐食性物質が孔内に侵入し易い。その結果、バリア型陽極酸化皮膜に比べて耐食性が劣り、拡散反射性が増加して正反射性も劣る。したがって、陽極酸化皮膜としてポア型皮膜ではなくバリア型皮膜を用いる。アルミニウム基材の一方の面のみが上記表面粗さ面である場合には、通常、その表面粗さ面上及びアルミニウム基材の他方の面上にバリア型陽極酸化皮膜が形成されるが、アルミニウム基材の他方面にはバリア型陽極酸化皮膜を形成しなくてもよい。また、アルミニウム基材の両面を上記表面粗さ面とする場合には、表面粗さ面のそれぞれの上にバリア型陽極酸化皮膜が形成される。
C−1.電解液
バリア型陽極酸化皮膜の形成に用いる電解液としては、生成するバリア型酸化皮膜を溶解し難い溶液を用いる必要がある。電解質としては、酒石酸塩、リン酸塩、ホウ酸、ホウ酸塩、アジピン酸塩、クエン酸塩、マロン酸塩、ケイ酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、フタル酸塩から成る群から選択される少なくとも1種が好適に用いられる。なお、これら各酸塩のアルカリ成分としては、ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属やマグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウム等のアルカリ土類金属が挙げられる。また、電解液としては、これら電解質を溶解した水溶液を用いるのが好ましい。電解液の電解質濃度はその種類や電解条件によって適宜選択されるが、通常、2〜150g/Lである。電解質濃度が2g/L未満では形成される皮膜にムラが生じ易く、150g/Lを超えると溶媒に溶解し難く沈殿を生じることがある。
C−2.電解条件
電解には、直流の定電流電解法が用いられる。電解温度は、通常2〜60℃である。電解温度が2℃未満では電解質の溶解性が低く、液抵抗による電圧ロスが大きくなって不経済となる。一方、電解温度が60℃を超えると、緻密な陽極酸化皮膜が形成し難くなるだけでなく、加熱費用の増大も避けられない。
電解電圧と皮膜厚さとの間には一定の関係が成立する。したがって、目標となる皮膜厚さが決まれば、それに対応する電圧を到達電圧とした定電流電解法によって皮膜が形成される。皮膜厚さにもよるが、通常30〜450Vの範囲の電圧が用いられる。この場合には、電解操作が進行するにつれて電解抵抗が増加するため所望の電流密度を得るには印加電圧を増加する必要がある。定電流電解法では、0.2〜10A/dmの電流密度が通常用いられる。電流密度が0.2/dm未満では、形成される電解皮膜の生成速度が遅く生産性が低下する。電流密度が10A/dmを超えると、電解面の温度も上昇して緻密な陽極酸化皮膜が形成され難くバリア性が低下する。なお、電解に要する時間は、通常10秒〜4分である。
C−3.バリア型陽極酸化皮膜の厚さ
形成されるバリア型陽極酸化皮膜の厚さは、100〜500nmとする必要がある。厚さが100nm未満では、保護膜としての厚さが不足して耐食性が劣る。厚さが500nmを超えると、陽極酸化皮膜による可視光線の吸収の影響が大きくなり正反射性が劣る。
特許文献2によると、皮膜厚さが50nmを超えると光輝性が劣化することが示されている。本発明者らは、550nmまでの皮膜厚さと正反射率との詳細な関係を実験的に求めた。ここで正反射率とは、後述するように波長550nmの正反射光込み反射率(SCI)から正反射光除去反射率(SCE)を差し引いたものである。結果を図1に示す。図1において、横軸はバリア型陽極酸化皮膜の厚さを、縦軸は正反射率を示す。図1から明らかなように、皮膜厚さが40〜150nm及び210〜300nmにおいては、皮膜厚さの増加と共に正反射率も増加しており、150nmと300nmにおいて正反射率の極大値が得られている。このことは、一般的な常識とされるように皮膜厚さと共に正反射率は単調に減少するのではなく、驚くべきことに皮膜厚さの所定領域では皮膜厚さの増加と共に正反射率も増加することを明確に示すものである。図1の結果から、バリア型陽極酸化皮膜の厚さは、150nm±30nm、或いは、300nm±20nmとするのが好ましい。これらの厚さ範囲が以外では、正反射性が著しく低下するからである。
図1において正反射率の極大値が得られた、バリア型陽極酸化皮膜の厚さ150nmと300nmにおいて、可視光域の分光反射率スペクトルを比較した。結果を図2に示す。図2において、横軸は可視光の波長を、縦軸は各波長における分光正反射率を示す。図2から明らかなように、皮膜厚さ150nmでは可視光領域のほぼ範囲において高い正反射率が得られるが、皮膜厚さ300nmでは波長550nmにピークを示すが可視光領域の短波長側と長波長側では分光正反射率が低下する傾向が認められた。したがって、バリア型陽極酸化皮膜の厚さは、300nm±20nmよりも150nm±30nmとするのが好ましい。
皮膜厚さと共に正反射率は単調に減少するのではなく、皮膜厚さの所定領域では皮膜厚さの増加と共に正反射率も増加することについては、現時点ではその理由は明らかではない。
例えば反射性に関する光学専門書によると、誘電層の多層システム理論に基づいて光学的な厚み(屈折率×皮膜厚さ)と可視光線(波長)との間には以下の関係が成り立つことが知られている。すなわち、光学的な厚みが(波長/4)の奇数倍のときに反射率が最大となるというものである。用いた可視光線の波長は550nmでるので、(波長/4)の奇数倍とは、138nm(1倍)、413nm(3倍)、688nm(5倍)、963nm(7倍)となる。バリア型陽極酸化皮膜(Al)の屈折率を約1.6とすると、反射率が最大となる皮膜厚さは、86nm(1倍)、258nm(3倍)、430nm(5倍)、602nm(7倍)となり、図1で得られる150nm、300nmではない。このように、誘電層の多層システム理論では図1の結果を説明することはできないが、光の何らかの性質が影響しているものと考える。
以下に、実施例及び比較例により本発明を詳細に説明する。
実施例1〜12及び比較例1〜7
所定のAl含有量を有するアルミニウム板に常法のブライト圧延を施して、所定の表面粗さ(Ra及びSm)を片面に備えた鏡面アルミニウム基材(板厚:0.5mm)を調製した。次いで、このアルミニウム基材の両面に市販のアルミニウム用脱脂剤にて脱脂処理を施した。更に、両脱脂処理面に定電流密度の直流電解法による陽極酸化処理を施して、バリア型陽極酸化皮膜を形成した(実施例1〜12及び比較例3〜7)。電解液には、
20g/Lの濃度のリン酸ナトリウム水溶液を用いた。電解液の温度は室温、電流密度1A/dmとした。所定の膜厚が得られるまで電解を行った。一方、比較例1、2では、ポア型陽極酸化皮膜を形成した。ポア型陽極酸化皮膜も、定電流密度の直流電解法を用いて形成した。電解浴には常法による硫酸浴(濃度:15重量%)を用い、室温の電解温度及び1A/dmの電流密度によって、所定の厚さの硫酸陽極酸化皮膜を形成した。所定の膜厚が得られるまで電解を行った。
このようにして作製した鏡面アルミニウム材の模式的な断面図を、図3に示す。図3において、2はアルミニウム基材、1は陽極酸化皮膜を示す。
また、上記のようにして作製した鏡面アルミニウム材のAl含有量、表面粗さ(Ra、Sm)、陽極酸化皮膜の種類と皮膜厚さを表1に示す。
Figure 2008174764
次に、作製した鏡面アルミニウム材の正反射性と耐食性を、下記のようにして評価した。評価結果を、表1に併せて示す。
正反射性
正反射性は、コニカミノルタ(株)製分光測色計CM−2600dを用い、測定条件としてD65光源−2°視野、光学条件として拡散光照明8°受光の条件で波長550nmのSCI(正反射光込み)反射率及びSCE(正反射光除去)反射率を測定し、正反射率(SCI−SCE)にて評価した。なお、正反射率(SCI−SCE)が60%以上を合格とした。
耐食性
耐久性は、CASS試験16時間(JISH8681−2準拠)後の外観を以下の基準にて評価した。○:異常なし、○△:腐食が軽微で良好、△:腐食があるが使用可能、×:腐食が大きく使用不可。○、○△及び△を合格とし、×を不合格とした。
表1に示される結果から明らかなように、本発明の構成要件を満たす実施例1〜12では、正反射性及び耐食性のいずれも合格であった。
一方、比較例1では、陽極酸化皮膜としてポア型皮膜を用いたので、耐食性が満足できなかった。比較例2では陽極酸化皮膜としてポア型皮膜を用い、皮膜厚さも厚過ぎたので、正反射性及び耐食性のいずれも満足できなかった。比較例3では、用いたアルミニウム基材のAl含有量が低く、不純物による可視光線の吸収や散乱のため正反射性が満足できなかった。比較例4では、Raが大き過ぎたため拡散反射性が増大し、正反射性が満足できなかった。比較例5では、Smが小さ過ぎたため拡散反射性が増大し、正反射性が満足できなかった。比較例6では、バリア型陽極酸化皮膜の厚さが薄過ぎたため耐食性が満足できなかった。比較例7では、バリア型陽極酸化皮膜の厚さが厚過ぎた正反射性が満足できなかった。
本発明によって、正反射性及び耐食性に優れ、かつ、製造コストが廉価な鏡面アルミニウム材が提供される。この鏡面アルミニウム材は、太陽光採光システムの反射板、各種照明用反射板、意匠性を重視する内装建材、近年のデジタル家電等の筐体用材料として好適に用いることができる。
図1は、陽極酸化皮膜厚さと正反射率との関係を示すグラフである。 図2は、陽極酸化皮膜厚さが150nmと300nmにおける、可視光波長と分光正反射率との関係を示すグラフである。 図3は、本発明に係る鏡面アルミニウム材の断面図である。
符号の説明
1‥‥‥陽極酸化皮膜
2‥‥‥アルミニウム基材

Claims (2)

  1. 99.5重量%以上のAlを含有し、表面において0.1μm以下の中心線平均粗さRaと10μm以上の凹凸平均間隔Smとを有するアルミニウム基材と、その表面に形成され100〜500nmの厚さを有するバリア型陽極酸化皮膜とを備えることを特徴とする鏡面アルミニウム材。
  2. 前記バリア型陽極酸化皮膜の厚さが150±30nm又は300±20nmである、請求項1記載の鏡面アルミニウム材。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010064296A (ja) * 2008-09-09 2010-03-25 Mitsubishi Alum Co Ltd 遮熱シート
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