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JP2008173915A - 記録ヘッド及びインクジェット記録装置 - Google Patents

記録ヘッド及びインクジェット記録装置 Download PDF

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JP2008173915A
JP2008173915A JP2007011230A JP2007011230A JP2008173915A JP 2008173915 A JP2008173915 A JP 2008173915A JP 2007011230 A JP2007011230 A JP 2007011230A JP 2007011230 A JP2007011230 A JP 2007011230A JP 2008173915 A JP2008173915 A JP 2008173915A
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Yoshihito Fukuda
佳人 福田
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Canon Finetech Inc
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Abstract

【課題】記録ヘッドの変形やインク吐出量の不均一などを生じることなく、記録ヘッドから吐出される主滴と副滴の吐出方向のずれを低減し、主滴と副滴の着弾位置のずれ量を往復両走査において均一化することができる記録ヘッドの提供。
【解決手段】記録ヘッドのノズルは、吐出動作時において吐出口4aの開口面の法線方向に応じた方向に主滴を吐出すると共に、ノズルの軸線L1と交差する方向に副滴を吐出する。吐出口4aは、その開口面の法線とノズルの軸線L1とが交差するように形成されている。
【選択図】図7

Description

本発明は、複数種の液体を吐出可能な記録ヘッド及び記録ヘッドを用いて画像を記録するインクジェット記録装置に関し、特に記録ヘッドの往復両走査において液体の吐出を行うインクジェット記録装置およびその記録ヘッドに関する。
ノズルからインクなどの液体を微細な液滴(インク滴ともいう)として吐出し、それを記録媒体に付着させて記録を行うインクジェット方式の記録装置は、ランニングコストが低く、記録時の静粛性に優れるという利点を有する。さらにこの方式の記録装置は、複数色のインクを用いることによって比較的容易にカラーでの記録を行えるという優位性も有している。
このようにインクジェット記録装置では、液滴を吐出するための吐出エネルギ発生素子として、電気熱変換素子(ヒータ)や電気機械発生素子(ピエゾ)を用いたものが知られている。このうち、ヒータを用いた記録ヘッドは、電気熱変換素子などを含むノズルを高密度に配列するのが比較的容易であり、高解像度の記録を行うのに有利な方式となっている。
この電気熱変換素子を用いた記録ヘッドとして、図15に示すような構造のノズルを備えたものが提案されている。この記録ヘッドhのノズルは、ヒータボード101と、内面に天板ノズル104を備えた流路形成部材103とで形成される流路105と、ヒータボード101に設けられたヒータ102などを備える。また、ヒータボード101の内面端部には、天板ノズル104と同一の表面エネルギを有する部材からなるノズル土手107が形成されており、天板ノズル104の端部とノズル土手107の端部とにより、液滴を吐出する吐出口106が形成されている。なお、図中、L1は吐出口の中心を通過し、かつ流路の長手方向と平行する軸線であり、以下、この軸線L1をノズルの中心軸線と称す。
このようなインクジェット記録ヘッドにおいて、インク滴の吐出は、図15(a)〜(e)に示すように行われる。
図15(a)に示すように、液路105内にインクが充填された状態で、電気熱変換体101が通電されると、その電気熱変換体101の発熱により流路102内のインクInが発泡する(図15(b),(c)参照)。このとき生じる気泡Bの発泡エネルギにより、流路内の液体は、吐出口103から外方へと押し出され、その後、気泡Bは図15(d),(e)のように消泡する。これにより、吐出口103から外方へと押し出された液体部分と流路102内に引き込まれた液体部分との間の部分(以下、液柱と称す)Icが分断され、液量の多い主滴Dmと、これより液量の少ない小さな液滴(副滴)Dsとが形成される。そして、これらの液滴が記録媒体上に着弾することによって記録媒体上に画像が記録される。なお、記録ヘッドHには、気泡Bの発泡エネルギを吐出口103の方向に効果的に作用させるために、流路102内に可動弁108が備えられている。
このような記録ヘッドHでは、吐出されるインク滴の吐出方向を適正に保つことが画像品質を維持する上で極めて重要になる。このため、インク滴の吐出方向を、吐出口の開口面と直交する方向に規定すべく、流路形成部材105に貼り付けられる天板ノズル106と同一の表面エネルギを有するノズル土手107をヒータボード101上に設けている。これによれば、吐出口103の周囲とインクとの接触角を等しくすることが可能となり、主滴Dmの吐出方向を吐出口103の開口面の法線方向に設定することができる。
しかしながら、図15に示す記録ヘッドHでは、主滴Dmの吐出方向を吐出口106の開口面の法線方向に定めることができるものの、主滴Dmとは異なる方向に副滴Dsが吐出されるという問題が生じている。これは、吐出口106の付近とノズル内部とで、断面形状が異なることに起因している。
すなわち、図16(a)に示すように、記録ヘッドhの液路105では、ノズル土手107が設けられている前方部分の中心軸線L1と、ノズル土手107が設けられていない内方部分の中心軸線L2との間にずれが生じている。このため、図15(d)のようにノズル土手107より内方に液体が引き込まれたとき、液柱Icがノズルの軸線L1と交差する方向に傾き、その影響によって副滴Dsの吐出方向が中心軸線L1に対して一定の角度で傾く。つまり吐出口106と直交する方向に吐出される主滴Dmとは異なる方向に副滴Dsが吐出されることとなる。このように、主滴Dmと副滴Dsのそれぞれの吐出方向が異なる記録ヘッドhを用いて、往走査と復走査の双方で記録動作を行った場合、主滴Dmと副滴Dsとの着弾位置のずれ量が往走査と復走査とで異なり、これが画像品質の低下を招く要因となっている。
そこで、本発明者らは、主滴Dmと副滴Dsとの吐出方向を一致させるべく、図16(b)に示すように、ノズル土手107を液路105の内方へと延長した記録ヘッドh1も提案している。これによれば、副滴Dsの形成時にも、液路の内方へと引き込まれたインクはノズル土手に接触した状態となる。このため、副滴Dsの形成時にも液柱Icがノズルの中心軸線L1と平行した状態に保つことができ、副滴Dsを主滴と同一方向へと吐出させることができる。
しかしこの場合には、ヒータボード101とインクとが直接接触する領域が減り、インクに伝わる熱量が減少することとなる。このため、ヒータボードにおける領域R(図16(b)参照)の昇温が激しくなり、記録ヘッドh1の変形やインクの吐出量が不均一になるという新たな問題が生じる。
本発明は、記録ヘッドの変形やインク吐出量の不均一などを生じることなく、記録ヘッドから吐出される主滴と副滴の吐出方向のずれを低減し、主滴と副滴の着弾位置のずれ量を往復両走査において均一化することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は以下の構成を有する。
本発明の第1の形態は、記録媒体と相対的に往復移動可能な移動部材に装着可能であって、前記記録媒体に向けてノズルの吐出口から液滴を吐出する記録ヘッドにおいて、前記ノズルは、前記液滴として、前記吐出口の開口面の法線方向に応じた方向に主滴を吐出すると共に、前記ノズルの軸線と交差する方向に前記主滴より液量の少ない副滴を吐出し、前記吐出口は、当該吐出口の開口面の法線と前記ノズルの軸線とが交差するように形成されていることを特徴とする。
本発明の第2の形態は、記録媒体に向けてノズルの吐出口から液滴を吐出する記録ヘッドの製造方法であって、前記吐出口を形成する吐出口形成部を、前記ノズルの軸線と直交する平面となるように形成する第1の工程と、前記第1の工程によって形成された吐出口形成部における吐出口から主滴と副滴とからなる液滴を吐出させ、前記記録媒体上に着弾した主滴と副滴の距離間隔を求める第2の工程と、前記第2の工程によって求められた距離間隔に基き、前記吐出口の開口面の法線と前記ノズルの軸線とのなす角度を決定する第3の工程と、前記吐出口形成部が、前記第3の工程によって決定された前記角度となるように前記第1の工程によって形成された前記吐出口形成部を成形する第4の工程と、を備えたことを特徴とする。
本発明の第3の形態は、記録媒体と相対的に往復移動可能な移動部材に装着可能であって、前記記録媒体に向けてノズルの吐出口から液滴を吐出する記録ヘッドを用いて画像の記録を行うインクジェット記録方法において、前記ノズルは、前記液滴として、前記吐出口の開口面の法線方向に応じた方向に主滴を吐出すると共に、前記ノズルの軸線と交差する方向に前記主滴より液量の少ない副滴を吐出し、前記吐出口は、当該吐出口の開口面の法線と前記ノズルの軸線とが交差するように形成され、前記記録媒体と前記記録ヘッドとを相対的に往復移動させつつ、前記ノズルからインクを吐出させて記録媒体上に記録を行うことを特徴とする。
本発明においては、主滴が吐出口の開口面の法線方向に応じた方向に吐出され、副滴がノズルの軸線方向と交差する方向に吐出される。この際、主滴の吐出方向を規定する吐出口の開口面がノズルの軸線方向と交差しているため、主滴の吐出方向を副滴の吐出方向に近づけることが可能となる。その結果、主滴と副滴の着弾位置に差が生じたとしても、その着弾位置の差は往動時と復動時とで均一化され、画像品質の低下を軽減することが可能になる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(インクジェット記録装置の実施形態)
次に、上記実施形態に記載のインクジェット記録ヘッドを用いた記録装置の一実施形態を図1および図2に基づき説明する。
図1は本実施形態における記録装置20の外観構成を概略的に示す斜視図である。ここに示す記録装置20は、記録媒体Pを一定方向(Y方向)に搬送すると共に、記録ヘッドHを記録媒体Pの搬送方向と交差する方向(X方向)に沿って往復移動させつつ記録を行う、いわゆるシリアルスキャン方式の記録装置を構成している。図中、21は上記実施形態に示す記録ヘッドHおよびこれに供給するインクを貯留するインクタンク22が搭載されるキャリッジであり、このキャリッジ21は、記録媒体Pの搬送方向Yと直交する方向(X方向)に沿って往復移動する。また、記録媒体を搬送する搬送機構としては、種々のものが適用可能であるが、ここではモータなどの駆動力によって回転する搬送ローラとこれに対向して設けられたピンチローラ(いずれも図示を省略)などによって構成されている。
図2は、上記記録装置の駆動を制御する制御装置200の概略構成を示すブロック図である。この制御装置200は、ホストコンピュータ300から送られる記録データを処理するイメージコントローラ201を備える。さらに、制御装置200は、記録媒体の搬送やキャリッジ21の移動を制御するエンジンコントローラ202と、インク滴の吐出を制御する記録ヘッドコントローラ203などを有する。
エンジンコントローラ202は、データラスタライズ部205と、吐出パルスジェネレータ206と、搬送制御部207と、モータ制御部208などが設けられている。このうち、データラスタライズ部205は、イメージコントローラ201から送られるシリアルの記録データを、各ノズルに割り当てるためのラスタライズ処理を行う。また、吐出パルスジェネレータ206は、記録ヘッドHの駆動タイミングを表す吐出パルスを記録ヘッドコントローラ203に送出する。記録ヘッドコントローラ203は、吐出パルスジェネレータ206からの吐出パルスとデータラスタライズ部205から送出されたイメージデータとに基づき記録ヘッドの各ノズル(ヒータ)を駆動する。
また、搬送制御部207は、搬送モータの駆動を制御し、搬送モータ209の駆動力によって回転する搬送ローラ(図示せず)の回転を制御する。モータ制御部208は、キャリッジスケールエンコーダ204からの信号に基づき、キャリッジ22の移動位置を検出してキャリッジモータ210を制御し、キャリッジ22の駆動、停止および加速、定速移動、減速などの制御を行う。
以上のように構成された記録装置において、記録媒体Pは、搬送モータ209によって回転する搬送ローラと、これに対向して設けられたピンチローラ(図示せず)とに挟持されつつ間欠的にY方向へと搬送される。また、記録ヘッドHを搭載したキャリッジ22は、記録媒体Pの停止期間中に往走査または復走査を行い、各走査中に記録ヘッドHからインクを吐出することによってノズルの配列範囲内に記録を行う。この記録動作と、記録媒体Pの間欠的な搬送動作と、を繰り返すことにより、記録媒体Pには所定の画像が形成される。また、往走査と復走査のいずれにおいても、記録ヘッドからインクを吐出させて記録を行う、いわゆる双方向記録を行うことにより、高速に画像を形成することが可能となる。
次に、上記実施形態に用いられる本発明のインクジェット記録ヘッドHの実施形態を説明する。
(記録ヘッドの第1の実施形態)
図3は本発明が適用された記録ヘッドHを示す斜視図である。
図3において、10は記録ヘッドHの底部を構成するセラミックプレートである。このセラミックプレート10上には、インク滴の吐出を行う吐出エレメント11と、この吐出エレメント11の左右両側面部および上面部を覆う流路形成部材12とが配置されている。吐出エレメント11には、インクを吐出するノズルが所定の密度で複数個配列されている。なお、本明細書および特許請求の範囲において、ノズルとは、後に説明するインクの吐出口、これに連通する液路、およびインクを吐出させるための吐出エネルギを発生する吐出エネルギ発生素子としての電気熱変換素子(ヒータ)を含むものとする。
図4は、記録ヘッドHにおける吐出エレメント11の内部構造を示す一部切欠斜視図である。
吐出エレメント11内には、ノズルに連通する複数個の共通液室5が形成されている。各共通液室5内には図1に示すインクタンク22から供給される複数種のインクが、流路形成部材12に異方性エッチング等によって形成されたインク供給口3a(図3参照)を通じて供給される。そして、共通液室5内に供給されたインクは、その共通液室5に連通したそれぞれの流路3内に供給される。
流路3は、ヒータボード1、ノズル壁6、厚さ5〜10μm程度のノズル土手7、および厚さ2μm程度の天板ノズル8によって囲まれて管状を成している。また、流路3内には可動弁9が備えられ、その自由端9Aは吐出口4a側に位置し、その基端は共通液室5側に設けられた弁台座10(図7参照)を介してヒータボード1に取り付けられている。
ヒータボード1にはインクを加熱発泡させるためのヒータ(電気熱変換体)2が複数配置されている。ヒータ2としてはチッ化タンタル等の抵抗体が用いられ、例えば、その厚さは0.01〜0.5μm、そのシート抵抗値は単位正方形当たり10〜300Ωである。ヒータ2には、通電のためのアルミニウム等の電極(図示せず)が接続されている。この電極の一方は、ヒータ2に対する通電を制御するためのスイッチングトランジスタ(図示せず)に接続されている。スイッチングトランジスタは、制御用のゲート素子等の回路からなるICによってその駆動を制御され、記録装置からの信号に応じてヒータ2への通電・遮断を制御する。ヒータ2は、複数の流路3のそれぞれに形成されている。各流路3の一端は対応する吐出口4aに連通し、他端は共通液室5に連通している。
共通液室5からノズル4に供給されたインクは、ノズル4内の所定の位置に配置されたヒータ2で加熱されて発泡する。この発泡に伴ってノズル4内のインクの移動が開始されると共に、可動弁9が変位し、共通液室側へのインクの流れを規制する。これにより、発泡エネルギは、吐出口4aに向けたインクの流れに効率的に変換され、吐出口4aから吐出される。
ところで、本実施形態において、ノズル壁6、ノズル土手7、天板ノズル8は感光性エポキシ樹脂により形成されている。このため、図5に示すように、吐出口4aが形成されている面である吐出口面Fにおける吐出口の周辺部は、全て同一の表面エネルギを有する構造を備えることとなる。このため、吐出口面Fに対するインクの接触角αは、吐出口4aの周囲のいずれにおいても同一となる。従って、インク吐出口4aから吐出される主滴Dmの吐出方向は、図5に示すように、吐出口4aの開口面の法線方向(図5の破線矢印に示す方向)A1に向けて吐出される。
また、吐出口面Fは、本実施形態では、図6に示すように、ノズルの軸線L1と直交する面fに対して角度θ1(<π/2)の傾きをもって形成されている。ここでノズルの軸線L1とは、吐出口4aの中心を通過し、かつ天板ノズル8およびノズル壁6の直線部分6aと平行する方向に沿った軸線を指す。また、前記の角度θ1は、中心軸線L1と副滴Dsの吐出方向(図6の破線矢印に示す方向)A2とのなす角度θ2と同一(θ1=θ2)に設定されている。従って、吐出口4aの開口面の法線方向である主滴Dmの吐出方向A1と、副滴Dsの吐出方向A2とは一致する。
なお、このように、ノズルの軸線L1と交差する方向に吐出口面Fを加工する方法としては、吐出口面Fの微小欠けや微小傷の除去などを目的として行う研磨工程を用いることが可能である。この研磨工程としては、例えば、吐出口面Fに対して、砥粒を固定した研磨シート(研磨部材)Sを一定の角度で接触、摺動させる工程などを採ることができる。
図7は、吐出口4aからのインクの液滴の吐出過程の説明図である。
図7(a)は、ヒータ2が通電されず、流路3内のインクが加熱される前の状態を示している。吐出口4a付近のインクは、凹弧面状のメニスカスMを形成している。
図7(b)および図7(c)は、ヒータ2が通電され、その発熱によりインクが加熱されることによって、インクの膜沸騰を伴って気泡Bが発生した状態を示している。このとき、気泡Bの発生に基づく圧力の伝播方向は、可動弁9が弁台座11側を支点として変位することにより、インクの吐出方向に導かれる。流路3内のインクは、発泡時に生じた圧力によって吐出口4aから押し出され、気泡Bの成長に伴って図7(c)のような液柱Icを形成する。
図7(d)は、ヒータ2によるインクの加熱が終了して、気泡Bが収縮過程にある状態を示している。この状態において、インクは気泡Bの収縮に伴って流路3内に引き込まれる。この際、液柱Icの先端部分には、吐出方向への慣性力が働いているため、液柱Icから切り離される。ここで切り離された液体は、インクの表面張力によって主滴Dmと副滴(サテライト)Dsとを形成し、記録媒体に向かって飛翔する。
この際、本実施形態にあっても図15に示した従来の記録ヘッドhと同様に、流路3において、ノズル土手7が設けられている前方部分の横断面の中心と、ノズル土手7が設けられていない内方部分の横断面の中心との違いから、液柱Icはノズルの軸線L1と交差する方向に傾く。これに影響されて、副滴Dsは中心軸線L1と角度θ2で交差する方向に吐出されることとなる。この点も、図15に示した従来の記録ヘッドhと同様である。
しかしながら、本実施形態では、吐出口4aの開口面を形成する吐出口面Fが中心軸線L1と直交する面fに対して角度θ1で傾斜し、その角度θ1は前記の角度θ2と同一に設定されている。このため、主滴Dmも副滴Dsと同一方向へと吐出される(図7(e)参照)。
次に、図1に示すようなシリアルスキャン方式のインクジェット記録装置に、上記第1の実施形態に示す記録ヘッドHを用いて記録動作を行った結果を、従来の記録ヘッドhを用いて記録動作を行った結果と対比して説明する。
図8は、図15に示した従来の記録ヘッドhを用いて記録動作を行った場合のインク滴の吐出方向および着弾位置の一例を模式的に示す図である。ここで、(a)〜(c)は記録ヘッドhの往走査時の記録状態を、(a’)〜(c’)は復走査時の記録状態をそれぞれ示している。
従来の記録ヘッドhでは、図8に示すように、主滴Dmと副滴Dsとが異なる方向に吐出される。図8では、主滴Dmの吐出方向に対して副滴Dsが左側に吐出される記録ヘッドを示している。
往走査時に記録ヘッドhが右側に移動し、記録媒体に先に着弾した主滴Dmの上に副滴Dsが重なるように着弾した場合、復走査では、記録ヘッドhから吐出された主滴Dmと副滴Dsとが、ずれ量dをもって着弾する。つまり、往走査時と復走査時とで主滴Dmと副滴Dsとの着弾位置のずれ量に差が生じることとなる。
ここで、記録ヘッドhから主滴Dmと副滴Dsとが吐出された瞬間の各液滴の速度ベクトルを図9に基き説明する。なお、図9(a)は記録ヘッドhの往走査時を、図9(b)は記録ヘッドhの復走査時をそれぞれ示している。
図9において、Vmは記録ヘッドhの移動を停止させた状態でインク吐出動作を行った場合の主滴Dmの吐出速度ベクトルを示している。また、Vsは記録ヘッドhの移動を停止させた状態でインク吐出動作を行った場合の副滴Dsの吐出速度ベクトルを示している。さらに、Vhは記録ヘッドhの移動速度ベクトルを示している。また、θは、主滴Dmの吐出方向と副滴Dsの吐出方向とのなす角度を示している。ここで、主滴Dmは、吐出速度ベクトルVmと移動速度ベクトルVhとの合成ベクトルVmhの方向に吐出され、副滴Dsは、吐出速度ベクトルVsと速度ベクトルVhとの合成ベクトルVmsの方向に吐出される。そして、各合成ベクトルVmh,Vshの延長線と記録媒体Pとの交点が各液滴の着弾位置となる。主滴Dmと副滴Dsとの吐出方向が異なる従来の記録ヘッドhでは、主滴と副滴の着弾位置のずれ量が、往走査時と復走査時とで大きく異なることが、この図9からも明らかである。
また、図12(a)は上記従来の記録ヘッドhを用いて記録動作を行った場合の記録結果の一例を模式的に示す平面図である。図12(a)において、E1は往走査時に記録された部分を、E2は副走査時において記録された部分をそれぞれ示している。ここに例示した記録結果では、主滴と副滴との着弾ずれが発生している部分E2と、着弾ずれが発生していない部分E1とが出力画像中で混在し、各部分の濃度差は目視によって認識可能である。従って、この記録ヘッドhを用いて往走査と復走査の双方において画像記録を行った場合には、画像品質は大幅に低下することとなる。
一方、図10は、本実施形態における記録ヘッドHを用いて記録動作を行った場合のインク滴の吐出方向および着弾状態の一例を模式的に示す図である。ここで、(a)〜(c)は記録ヘッドHの往走査時の記録状態を、(a’)〜(c’)は復走査時の記録状態をそれぞれ示している。
本実施形態における記録ヘッドHでは、図10に示すように、主滴Dmと副滴Dsとが同一方向に吐出される。
この記録ヘッドHを右側に移動させて往走査を行った場合、主滴Dmが先行して記録媒体Pに着弾し、その後、主滴Dmよりも右側に距離d1だけずれた位置に副滴Dsが着弾する。そして復走査においても、主滴Dmと副滴Dsは順次記録媒体上に着弾し、副滴Dsは主滴Dmの着弾位置の左側に距離d1だけずれた位置に着弾する。つまり、本実施形態における記録ヘッドHによれば、主滴Dmと副滴Dsの着弾位置のずれ量は、往走査時と復走査時とで同一となる。
ここで、記録ヘッドHから主滴Dmと副滴Dsとが吐出された瞬間の各液滴の速度ベクトルを図11に基き説明する。なお、図11(a)は記録ヘッドHの往走査時を、図11(b)は記録ヘッドHの復走査時をそれぞれ示している。
図11において、Vmは記録ヘッドHの移動を停止させた状態でインク吐出動作を行った場合の主滴Dmの吐出速度ベクトルを示している。また、Vsは記録ヘッドの移動を停止させた状態でインク吐出動作を行った場合の副滴Dsの吐出速度ベクトルを示している。さらに、Vhは記録ヘッドHの移動速度ベクトルを示している。ここで、主滴Dmは、吐出速度ベクトルVmと移動速度ベクトルVhとの合成ベクトルDmhの方向に吐出され、副滴Dsは、吐出速度Vsと移動速度ベクトルVhとの合成ベクトルDshの方向に吐出される。そして、各合成ベクトルの延長線と記録媒体Pとの交点が各液滴の着弾位置となる。本実施形態における記録ヘッドHでは、主滴Dmと副滴Dsの着弾位置のずれ量が、往走査時と復走査時とで均一になることが、この図11からも明らかである。
また、図12(b)は本実施形態における記録ヘッドHを用いて記録動作を行った場合の記録結果の一例を模式的に示す平面図である。図12(b)において、E1は往走査時に記録された部分を、E2は副走査時において記録された部分をそれぞれ示している。
図示のように、本実施形態における記録ヘッドHを用いた場合には、ドットが記録媒体を被覆する面積が、往走査時の記録結果と復走査時の記録結果とで同一となるため、各記録結果の目視上での濃度変化は発生しない。従って、この記録ヘッドHを用いて往走査と復走査の双方において画像記録を行った場合にも、高品位な画像を記録することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図13に基づき説明する。なお、各図中、上記第1の実施形態と同一もしくは相当部分には同一符号を付し、その説明の詳細は省く。
上記第1の実施形態では、記録ヘッドHの吐出口面Fが記録媒体Pの上面(記録面)に対して角度θ1だけ傾斜させて使用するものとなっている。これに対し、この第2の実施形態における記録ヘッドH1は、吐出口面Fが記録媒体Pの表面と平行した状態で使用する構成を有するものとなっている。但し、本実施形態における記録ヘッドH1にあっても、図13に示すように、記録媒体Pの上面に平行する吐出口面Fと、ノズルの軸線L1とのなす角度などについては、上記第1の実施形態と同様である。このため、図11に示すように、この実施形態においても、上記第1の実施形態と同様に、主滴Dmと副滴Dsの着弾位置のずれ量を、往走査時と復走査時とで均一化することが可能になる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態を図14に基き説明する。
この第3の実施形態における記録ヘッドH2は、その吐出口面F1が所定の角度で交差する2つの平面部F1a,F1bによって形成されたものとなっている。この記録ヘッドHにおいて、インク吐出口は、記録媒体Pに対してより近い位置にある平面部F1a内に形成されている。吐出口が形成された平面部F1aは上記第2の実施形態のように記録媒体Pの上面と平行する面であっても良いが、第1の実施形態のように記録媒体Pの上面に対して角度θ1で傾斜するものであっても良い。従って、記録ヘッドH2の内部構造は、上記第1または第2の実施形態と同様である。
このような屈曲した吐出口面F1を有する記録ヘッドH2を用いて双方向記録を行った場合、図14(a),(b)に示すように、記録ヘッドの往走査時と復走査時とでは、記録ヘッドと記録媒体Pとの間に生じる空気の流れに違いが生じる。すなわち、記録ヘッドHの移動方向が、図14(a)に示す方向であった場合には、記録ヘッドHと記録媒体Pとの間に生じる空気の流れは相対的に遅くなり、図11(b)に示す方向であった場合には、逆に空気の流れは相対的に速くなる。こうした空気の流速に違いが生じることによって、主滴および副滴の着弾位置に及ぼす影響の度合いも往走査時と副走査時とで変化する。そのため、上記各実施形態のように、主滴と副滴との吐出方向を一致させたとしても、往走査時と復走査時とで着弾位置のずれ量が均一にならない場合もある。従って、この記録ヘッドの場合には、上記各実施形態において吐出口面Fに対して設定した前述の角度θ1に対し、さらに往走査時と復走査時との空気の流速の差に応じて前記θ1の角度を調整する。これにより、主滴と副滴の着弾位置のずれ量を均一化することが可能になる。なお、空気の流速の差に起因する着弾位置のずれ量の差は、実際に記録媒体に対して双方向記録を行い、その際の主滴と副滴の着弾位置のずれ量を測定することで確認することができる。そして、その測定結果に基いて角度θ1の設定、すなわち、吐出口の開口面の法線とノズルの軸線方向とのなす角度の設定を行うことにより、主滴と副滴の着弾位置のずれ量を往復両走査において均一化することが可能となる。
(他の実施形態)
なお、上記第1および第2の実施形態では、吐出口4aの開口面の法線と、副滴の吐出方向とを一致させる場合を例に採り説明した。しかし、吐出口の開口面の法線と、副滴の吐出方向とが交差するように、ノズルの軸線と吐出口の開口面の法線とのなす角度を設定することも可能である。すなわち、開口面の法線と副滴の吐出方向とのなす角度が、副滴の吐出方向と中心軸線L1とのなす角度θ2より小さくなるように、吐出口面Fを形成しても良い。これによれば、吐出口の開口面がノズルの軸線と直交する従来の記録ヘッドに比べて、往復両走査における副滴と主滴との着弾位置のずれ量の差を減少させることができ、本発明の所期の目的は達成できる。
また、本発明は、画像の記録に直接または間接的に利用される種々の液体を吐出する記録ヘッド(液体吐出ヘッド)に対しても適用することができ、吐出する液体は特に限定されない。また、その記録ヘッドにおける液体の吐出方式は、電気熱変換体(ヒータ)を用いた方式の他、ピエゾ素子などを用いた方式であってもよい。さらに、第1の実施形態のようなエッジシュータタイプの記録ヘッドにおいても、可動弁10を必ずしも備える必要はない。
また、前述した実施形態においては、吐出口の周面を形成するノズル壁6、ノズル土手7、天板ノズル8を同一材料として、それらの表面エネルギを同一とした。しかし、それらの周面の内、少なくとも、走査方向側に位置する部分のみをを同一材料によって形成しても良い。この表面エネルギを決定する要素としては、例えば、液体に対する濡れ性、または表面粗さなどを挙げることができる。また、表面エネルギが等しいものであれば、吐出口の周縁部分の形成材料を異ならせても良い。また、液体流路の開口部に、吐出口が形成されたオリフィスプレートを取り付けてもよい。
さらには、吐出口の周縁部の形成材料に、表面エネルギ(液体に対する濡れ性を含む)が異なるものを用いることも可能である。この場合、吐出口の開口面の法線方向に対し、主滴の吐出方向にずれが生じるが、そのずれ量を実際の記録結果から求め、そのずれに基いて吐出口の開口面とノズルの軸線とのなす角度を設定すれば良い。
なお、前述した第1の実施形態における記録ヘッド110は、いわゆるエッジシュータタイプであり、インクの吐出方向と、ノズル内へのインクの供給方向と、がほぼ一致する。しかし本発明は、いわゆるサイドシュータタイプの記録ヘッドに対しても適用することができる。サイドシュータタイプの記録ヘッドは、インクの吐出方向と、ノズル内へのインクの供給方向とが異なる。従って、サイドシュータタイプの記録ヘッドでは、ノズルの軸線は、吐出エネルギ発生素子によって液体が押し出される方向をノズルの軸線方向とし、このノズルの軸線方向に対する吐出口の開口面の法線とのなす角度を定めれば良い。
本実施形態における記録装置の外観構成を概略的に示す斜視図である。 図1に示す記録装置の駆動を制御する制御装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明が適用された記録ヘッドHを示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態における記録ヘッドの吐出エレメントにおける内部構造を示す一部切欠斜視図である。 図4に示す吐出エレメントから吐出される主滴の吐出方向などを示す側断面図である。 図4に示す吐出エレメントから吐出される副滴の吐出方向などを示す側断面図である。 図4に示す吐出エレメントにおいてインクが吐出される過程を示す側断面図である。 従来の記録ヘッドhを用いて記録動作を行った場合のインク滴の吐出方向および着弾位置の一例を模式的に示す図である。 従来の記録ヘッドhから主滴と副滴とが吐出された瞬間の各液滴の速度ベクトルを示す説明図であり、(a)は往動走査時を、(b)は復走査時をそれぞれ示している。 本発明の第1の実施形態における記録ヘッドを用いて記録動作を行った場合のインク滴の吐出方向および着弾位置の一例を模式的に示す図である。 本発明の第1の実施形態における記録ヘッドから主滴と副滴とが吐出された瞬間の各液滴の速度ベクトルを示す説明図であり、(a)は往動走査時を、(b)は復走査時をそれぞれ示している。 (a)は従来の記録ヘッドhを用いて記録動作を行った場合の記録結果の一例を模式的に示す平面図、(b)は本発明の第1の実施形態における記録ヘッドhを用いて記録動作を行った場合の記録結果の一例を模式的に示す平面図である。 本発明の第2の実施形態における記録ヘッドの吐出エレメントを示す側断面図である。 本発明の第3の実施形態における記録ヘッドを模式的に示す側面図であり、(a)は往走査時を、(b)は復走査時をそれぞれ示している。 従来の記録ヘッドhの吐出エレメントにおいてインクが吐出される過程を示す側断面図である。 (a)は従来の記録ヘッドhの吐出エレメントにおけるノズルの軸線を示す側断面図であり、(b)は従来の他の記録ヘッドh1の吐出エレメントを示す側断面図である。
符号の説明
H,H1,H2 記録ヘッド
1 ヒータボード
2 ヒータ
3 流路
4a 吐出口
6 ノズル壁
7 ノズル土手
8 天板ノズル
11 吐出エレメント
F,F1 吐出口面
θ1 角度
L1 ノズルの軸線
A1 法線方向
Dm 主滴
Ds 副滴
B 気泡

Claims (11)

  1. 記録媒体と相対的に往復移動可能な移動部材に装着可能であって、前記記録媒体に向けてノズルの吐出口から液滴を吐出する記録ヘッドにおいて、
    前記ノズルは、前記液滴として、前記吐出口の開口面の法線方向に応じた方向に主滴を吐出すると共に、前記ノズルの軸線と交差する方向に前記主滴より液量の少ない副滴を吐出し、
    前記吐出口は、当該吐出口の開口面の法線と前記ノズルの軸線とが交差するように形成されていることを特徴とする記録ヘッド。
  2. 前記吐出口の開口面の法線と前記ノズルの軸線とのなす角度は、前記副滴の吐出方向と前記ノズルの軸線とのなす角度によって定められることを特徴とする請求項1に記載の記録ヘッド。
  3. 前記吐出口の開口面の法線と前記ノズルの軸線とのなす角度は、前記副滴の吐出方向と前記ノズルの軸線とのなす角度より小さくなるように、前記吐出口の開口面と前記ノズルの軸線とのなす角度が定められていることを特徴とする記録ヘッド。
  4. 前記吐出口の開口面の法線と前記ノズルの軸線方向とのなす角度は、前記移動部材の往動時に前記記録媒体と前記吐出口周辺部との間に発生する気流の速度と、前記移動部材の復動時に前記記録媒体と前記吐出口周辺部との間に発生する気流の速度との差に応じて定められることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の記録ヘッド。
  5. 前記吐出口の開口面の法線と前記ノズルの軸線とのなす角度は、前記ノズルの軸線と直交するように前記開口面が形成された吐出口から吐出された主滴と副滴それぞれの前記記録媒体上における着弾位置の差に基づいて求められることを特徴とする記録ヘッド。
  6. 前記ノズルは、前記吐出口から前記ノズル内方へと延在する一定の範囲に位置する前方部分が均一な表面エネルギーを有する部材によって形成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の記録ヘッド。
  7. 前記ノズルの内面は、前記吐出口からノズル内方へと延在する一定の範囲に延在する前方部分の横断面の中心と、前記前方部分よりノズル内方に位置する内方部分の横断面の中心とが偏倚しており、前記副滴の吐出方向は、前記液滴形成時において液体が、前記前方部分から前記内方部分へと移動することによって前記ノズルの軸線からずれることを特徴とする請求項1または2に記載の記録ヘッド。
  8. 前記ノズルは、液体を吐出するための熱エネルギを発生する電気熱変換体を含むことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の記録ヘッド。
  9. 前記ノズルは、前記熱エネルギによって生じる液体の発泡に応じて変位する可動板を含むことを特徴とする請求項8に記載の記録ヘッド。
  10. 請求項1ないし9のいずれかに記載の記録ヘッドと前記記録媒体とを相対的に往復移動させる移動手段と、
    前記移動手段による前記記録ヘッドと前記記録媒体との往復移動を制御すると共に、前記記録ヘッドからの液体の吐出を制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  11. 前記記録ヘッドにおける前記ノズルは、前記主走査方向と交差する方向に沿って複数配列されていることを特徴とする請求項10に記載のインクジェット記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015192996A (ja) * 2014-03-17 2015-11-05 株式会社リコー 塗布装置及び塗布方法

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