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JP2008171861A - 有機薄膜トランジスタ - Google Patents

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JP2008171861A
JP2008171861A JP2007001155A JP2007001155A JP2008171861A JP 2008171861 A JP2008171861 A JP 2008171861A JP 2007001155 A JP2007001155 A JP 2007001155A JP 2007001155 A JP2007001155 A JP 2007001155A JP 2008171861 A JP2008171861 A JP 2008171861A
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Yasushi Okubo
康 大久保
Katsura Hirai
桂 平井
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Konica Minolta Inc
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Konica Minolta Inc
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Abstract

【課題】耐久性が高い有機薄膜トランジスタを提供することにある。
【解決手段】ゲート電極、ゲート絶縁膜、有機半導体材料からなる有機半導体層、ソース電極及びドレイン電極を有する有機薄膜トランジスタであって、水溶性高分子と、下記一般式(1)で表されるアルコキシシランの加水分解重縮合物とを含有する有機無機ハイブリッド層からなる保護層を前記有機半導体層上に有することを特徴とする有機薄膜トランジスタ。
一般式(1) R4-nSi(OR′)n
(式中、Rは水素原子またはアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルキルシリル基から選ばれる置換基を表し、R′は水素原子またはアルキル基を表し、nは2〜4の整数を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、有機半導体層を用いた有機薄膜トランジスタに関する。
情報端末の普及に伴い、コンピュータ用のディスプレイとしてフラットパネルディスプレイに対するニーズが高まっている。また、情報化の進展に伴い、従来、紙媒体で提供されていた情報が電子化される機会が増え、薄くて軽い、手軽に持ち運びが可能なモバイル用表示媒体として、電子ペーパーあるいはデジタルペーパーへのニーズも高まりつつある。
一般に平板型のディスプレイ装置においては、液晶、有機EL(有機エレクトロルミネッセンス)、電気泳動等を利用した素子を用いて表示媒体を形成している。また、こうした表示媒体では画面輝度の均一性や画面書き換え速度等を確保するために、画像駆動方法としては薄膜トランジスタ素子(TFT素子)を用いるアクティブ駆動方法が主流になっている。例えば、通常のコンピュータディスプレイではガラス基体上にこれらTFT素子を形成し、液晶、有機EL素子等が封止されている。
ここでTFT素子には、主にa−Si(アモルファスシリコン)、p−Si(ポリシリコン)等の半導体を用いており、これらのSi半導体(必要に応じて金属膜も)を多層化し、ソース、ドレイン、ゲート電極を基体上に順次形成していくことでTFT素子が製造される。こうしたTFT素子の製造には、通常スパッタリング、その他の真空系の製造プロセスが必要とされる。
しかしながら、これらSi系のTFT素子では、スイッチング動作の要となる半導体層だけでもp型とn型といった複数の半導体層が積層されているように、多数の層の形成が必要であり、これらの層の形成には真空チャンバーを含む真空系の製造プロセスが必要であるため、装置コスト、ランニングコストが非常に膨大なものとなっている。さらに、これらの真空系の製造プロセスで形成した層を、フォトリソグラフ等の手段によってパターニングする必要があり、このパターニング工程においても露光・現像・洗浄等の多数の工程を行う必要があり、結果として、素子を基体上に形成するためには何十もの工程を必要とてしている。こうした従来のSi半導体による製造方法ではディスプレイ画面の大型化のニーズに対し、真空チャンバー等の製造装置の大幅な設計変更が必要とされる等、設備の変更が容易ではない。
また、このような従来からのSi材料を用いたTFT素子の形成には高い温度の工程が含まれるため、基体材料には工程温度に耐える材料であるという制限が加わることになる。このため実際上はガラスを用いざるをえず、先に述べた電子ペーパーあるいはデジタルペーパーといった薄型ディスプレイを、こうした従来知られたTFT素子を利用して構成した場合、そのディスプレイは重く、柔軟性に欠け、落下の衝撃で割れる可能性のある製品となってしまう。ガラス基体上にSi系TFT素子を形成することに起因するこれらの特徴は、情報化の進展に伴う手軽な携行用薄型ディスプレイには望ましくないものである。
そこで近年、半導体層に有機材料を用いた有機薄膜トランジスタ素子(有機TFT素子)に注目が集まっている。例えば、半導体層として、ペンタセンやテトラセンといったアセン類、またこれらに置換基を導入した化合物、フタロシアニンやポルフィリン類、及びこれらの前駆体、ペリレンやそのテトラカルボン酸誘導体といった低分子化合物や、α−チエニールもしくはセクシチオフェンと呼ばれるチオフェン6量体を代表例とする芳香族オリゴマー、ナフタレン、アントラセンに5員の芳香族複素環が対称に縮合した化合物、ジフェニル(ベンゾチオフェノベンゾチオフェン)のようなヘテロ縮合多環化合物等が知られ、a−Siに比して低温で蒸着・製膜ができるため、プラスチックフィルム上等への形成も試みられている。このような低温プロセスによる製造は、透明樹脂基体上へのTFT素子の形成を可能とし、ディスプレイを従来のものよりも軽く、柔軟性に富み、落としても割れない(もしくは非常に割れにくい)ディスプレイとすることができると考えられる。
さらに、これらの有機半導体材料の分子構造を適切に改良することによって溶剤に可溶化することができれば、インクジェット法または印刷法等といった簡便な溶液プロセスによってパターニングが可能となり、フォトリソグラフに伴う露光・現像・洗浄等の多数の工程を削減することができ、簡便な工程でディスプレイを製造できることが期待される。
ところで、これらのTFT素子は、さらに液晶表示素子や有機EL素子等にの電圧駆動素子または電流駆動素子に接続され、これらの電流量を調整するという役目を有する素子であるため、TFT素子を形成した後にも多くの工程を経てディスプレイパネルが形成されることになる。これらの後工程において、TFT素子を機械部品等との接触、搬送、加熱、露光等の物理的劣化要因や、環境中の酸素、水分等による化学的劣化要因から保護するために、保護層を形成する必要がある。
しかし、有機半導体からなる有機半導体層は一般にこれらのストレスに弱く、a−Siの薄膜トランジスタのようなプラズマCVDやスパッタ等による保護層の形成方法では、薄膜形成プロセス自体によって有機半導体層が劣化してしまうといった課題を有していた。
このような課題に対し、パリレン薄膜のような無溶媒・低温プロセスで保護層を形成するといった方法(例えば、特許文献1参照)が提案されている。この方法は低温で蒸着することができ、有機半導体層へのダメージは少ないが、蒸着であるために直接パターニングを行うことができず、フォトリソグラフィー等の手法によってパターニングする必要がある。また、蒸着法であるため、大面積を均一に製膜することは困難である。
また、水溶性高分子及び感光剤の(NH4)Cr27を含有する水溶液を塗布することによって保護層を形成するといった方法(例えば、特許文献2参照)が提案されている。しかし、保護層に充分な耐溶剤性を付与するための架橋剤に環境に有害な重クロム酸を用いるのは、実用上厳しい。また、水溶性高分子は吸水性を有し、製膜後に湿度で膨張・収縮を起こすことがあり、実際の使用環境下では湿度変動により経時で半導体層に悪影響を与える。また、一般に有機物のみでは酸素や水分等のバリア性に劣り、用途によっては有機薄膜トランジスタの保護が不十分なことがある。
そこで、ガスバリア性の高い無機物からなる第2の保護層を、水溶性高分子薄膜上に形成することで水溶性高分子の湿度変化を抑制し、かつ半導体層への水分の透過を防ぐといった方法(例えば、特許文献3参照)も提案されている。しかし、有機物からなる第1の保護層と、無機物からなる第2の保護層との接着性が低く、経時で剥がれてしまう等の課題を有しており、有機半導体の保護層の開発はいまだ不十分なものにとどまっていた。
特開2004−288774号公報 米国特許出願公開第2002/022,299号明細書 特開2005−277238号公報
本発明の目的は、耐久性が高い有機薄膜トランジスタを提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成することができる。
1.ゲート電極、ゲート絶縁膜、有機半導体材料からなる有機半導体層、ソース電極及びドレイン電極を有する有機薄膜トランジスタであって、水溶性高分子と、下記一般式(1)で表されるアルコキシシランの加水分解重縮合物とを含有する有機無機ハイブリッド層からなる保護層を前記有機半導体層上に有することを特徴とする有機薄膜トランジスタ。
一般式(1) R4-nSi(OR′)n
(式中、Rは水素原子またはアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルキルシリル基、カルボニル基から選ばれる置換基を表し、R′は水素原子またはアルキル基を表し、nは2〜4の整数を表す。)
2.前記有機無機ハイブリッド層に、前記一般式(1)で表されるアルコキシシランを加水分解重縮合物することによって得られる下記一般式(2)で表される無機高分子化合物を1〜30質量%含有することを特徴とする前記1に記載の有機薄膜トランジスタ。
一般式(2) R4-nSiOn/2
(式中、Rは水素原子またはアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルキルシリル基から選ばれる置換基を表し、nは2〜4の整数を表す。)
3.前記一般式(1)、一般式(2)において、n=4であることを特徴とする前記1または2に記載の有機薄膜トランジスタ。
4.前記水溶性高分子が、ポリビニルアルコール、ハロゲン化ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、これらの共重合体、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、セルロースエステル、デンプン及びその誘導体、ゼラチン、カセイン、アルブミン、天然ゴム及びこれらの混合物から選ばれる水溶性高分子であることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタ。
5.前記水溶性高分子が、ポリビニルアルコールであることを特徴とする前記4に記載の有機薄膜トランジスタ。
6.前記保護層が、少なくとも50質量%以上の水を含む水溶液を塗布・乾燥することよって形成されていることを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタ。
7.前記水溶性高分子、前記一般式(1)で表されるアルコキシシラン及び光酸発生剤を含有する保護層を形成した後、活性光線をパターン露光することによって露光部に酸を発生させ、発生した酸によって露光部分のみに有機無機ハイブリッド層が形成されていることを特徴とする前記1〜6のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタ。
8.前記光酸発生剤が、スルホニウム塩化合物であることを特徴とする前記7に記載の有機薄膜トランジスタ。
9.前記有機無機ハイブリッド層からなる保護層上に、さらに金属酸化物、金属窒化物または金属酸窒化物からなる第2の保護層を有することを特徴とする前記1〜8のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタ。
10.前記第2の保護層が、酸化珪素からなる保護層であることを特徴とする前記9に記載の有機薄膜トランジスタ。
11.前記第2の保護層が、大気圧または大気圧近傍の圧力下におけるプラズマCVD法によって形成されていることを特徴とする前記9または10に記載の有機薄膜トランジスタ。
12.前記有機半導体層が、非水系溶媒を用いた塗布によって形成されていることを特徴とする前記1〜11のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタ。
本発明によれば、耐久性が高い有機薄膜トランジスタを提供することができる。
本発明の有機薄膜トランジスタは、ゲート電極、ゲート絶縁膜、有機半導体材料からなる有機半導体層、ソース電極及びドレイン電極を有する有機薄膜トランジスタであって、水溶性高分子と、前記一般式(1)で表されるアルコキシシランの加水分解重縮合物とを含有する有機無機ハイブリッド層からなる保護層を前記有機半導体層上に有することによって、耐久性が高い有機薄膜トランジスタであることを特徴とする。
さらに、保護層(第1の保護層)上に無機層からなる第2の保護層を積層することが好ましく、第1の保護層中に無機成分を含むことで、第2の保護層との接着性が良好となり、より耐久性の高い有機薄膜トランジスタを得ることができる。
本発明では、さらに溶解性有機半導体からなる有機半導体層上に塗布で保護層を形成しても、有機半導体層に影響を与えない特徴がある。
本発明のこのような効果が発現されるのは、保護層に有機高分子と無機物を混合し、有機高分子と無機物との相互作用によって実質的に高架橋構造とすることにより、キャリア移動度等の湿度変動を抑制するものと推定している。また、第2の保護層として、有機無機ハイブリッド層(第1の保護層)上に水蒸気バリア性に優れる無機薄膜を形成することで、さらに湿度変動による性能劣化を押さえることができ、また、無機薄膜中に無機物がナノサイズで分散しているので、接着性がよいと推定している。
以下、本発明をさらに詳しく説明する。
以下、本発明の有機薄膜トランジスタの構成、次いで本発明の有機薄膜トランジスタを構成する各層の材料及び製造方法の順に述べる。
《有機薄膜トランジスタの構成》
本発明の有機薄膜トランジスタの構成について説明する。
本発明の有機薄膜トランジスタは、基材、ゲート電極、ゲート絶縁膜、有機半導体層、ソース電極、ドレイン電極から形成され、一般にMIS型(金属−絶縁体−半導体型)トランジスタと呼ばれる種類のトランジスタである。
MIS型トランジスタにおいては、ゲート電極に印加する電界を調節することで、絶縁層を介して半導体層の導電性を制御し、ひいては半導体層の両端に設置されたソース電極からドレイン電極へと電流量を制御することができる。
このようなMIS型トランジスタの中でも、上記各層の構成によって、いくつかの形式に分類することができる。
まず、基体上に有機半導体膜(以下、有機半導体層ともいう)で連結されたソース電極とドレイン電極を有し、その上にゲート絶縁層を介してゲート電極を有するトップゲート型と、基体上に先ずゲート電極を有し、ゲート絶縁層を介して有機半導体膜で連結されたソース電極とドレイン電極を有するボトムゲート型に大別される。
さらに、ゲート電極から見てソース電極、ドレイン電極が、有機半導体層の手前にあるボトムコンタクト型と、有機半導体層の向こう側にあるトップコンタクト型に区別することができ、両者を組み合わせることによって、4種類の有機薄膜トランジスタの構成が可能である。具体的な素子の層構成例の一例を、以下、図1(a)〜(e)に示す。
図1(a)、(c)はトップゲート・ボトムコンタクト型の層構成例を示す。基体106上に、ソース電極102及びドレイン電極103を有し、その上から有機半導体膜101が形成されている。さらに有機半導体膜101に接してゲート絶縁層105が形成され、その上にソース電極104を有する、といった構成である。
図1(b)はトップゲート・トップコンタクト型の層構成例を示す。基体106にゲート電極104を有し、その上にゲート絶縁層105が形成されている。その上に有機半導体膜101が形成され、さらに有機半導体膜101に接してソース電極102及びドレイン電極103が形成されている、といった構成である。
図1(d)、(f)は、ボトムゲート・ボトムコンタクト型の層構成例を示す。基体106にゲート電極104を有し、その上にゲート絶縁層105が形成されている。その上にソース電極102及びドレイン電極103が形成され、その上に有機半導体膜101が形成されている、といった構成である。
図1(e)は、ボトムゲート・トップコンタクト型の層構成例を示す。基体106にゲート電極104を有し、その上にゲート絶縁層105が形成されている。その上に有機半導体膜101が形成され、その上にソース電極102及びドレイン電極103が形成されている、といった構成である。
これらの構成の中でも(a)〜(c)のようなトップゲート構造の場合は、実質的に有機半導体層が素子内に封入されているため、必ずしも保護層は必要ではないが、有機半導体層の劣化を引き起こさずに有機半導体層上にゲート絶縁膜及びゲート電極を形成及びパターニングすることは非常に困難であり、実用的でない。
有機半導体層上に低ダメージで製膜・パターニングできるといった特徴を有する本発明の保護膜を、(d)〜(f)のような、ボトムゲート構造の有機薄膜トランジスタの有機半導体層1上に形成することで、実用的な有機薄膜トランジスタを形成することができる。
このような観点から、上記(c)、(f)で表されるボトムゲート・ボトムコンタクト型の構成を有することが好ましい。これらの素子構成では、有機半導体層上に形成するのは保護層だけでよく、他の層を形成する際のダメージを最も低減することができ、劣化の少ない良好な特性を有する有機薄膜トランジスタを得ることができる。
以下、有機半導体を形成する各層の材料及び形成方法について記載する。
《基体》
有機薄膜トランジスタを形成する基体(基板ともいう)としては、種々の材料が利用可能であり、例えば、ガラス、石英、酸化アルミニウム、サファイア、チッ化珪素、炭化珪素等のセラミック基体、シリコン、ゲルマニウム、ガリウム砒素、ガリウム燐、ガリウム窒素等半導体基体、紙、不織布等、及び屈曲が可能な程度の厚みを有するステンレス、アルミ等の金属からなる基板等を用いることができるが、本発明において基体は樹脂からなることが好ましく、例えばプラスチックフィルムシートを用いることができる。
プラスチックフィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ボリカーボネート(PC)、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)等からなるフィルム等が挙げられる。プラスチックフィルムを用いることで、ガラス基体を用いる場合に比べて軽量化を図ることができ、可搬性を高めることができるとともに、衝撃に対する耐性を向上できる。また、曲面形状を有するディスプレイ装置や電子機器への電界効果型トランジスタの組込みあるいは一体化が可能となる。
また、本発明の有機薄膜トランジスタにおいては、基体がプラスチックフィルムの場合、基体と有機薄膜トランジスタとの密着性を高めるために、無機酸化物及び無機窒化物から選ばれる化合物を含有する下引き層、及びポリマーを含む下引き層の少なくとも一方を有することが好ましい。
下引き層に含有される無機酸化物としては、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタン、酸化スズ、酸化バナジウム、チタン酸バリウムストロンチウム、ジルコニウム酸チタン酸バリウム、ジルコニウム酸チタン酸鉛、チタン酸鉛ランタン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、フッ化バリウムマグネシウム,チタン酸ビスマス、チタン酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ニオブ酸ビスマス、トリオキサイドイットリウム等が挙げられる。また無機窒化物としては窒化ケイ素、窒化アルミニウム等が挙げられる。
それらのうち好ましいのは、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタン、窒化ケイ素である。
本発明において、無機酸化物及び無機窒化物から選ばれる化合物を含有する下引き層の形成方法としては、前述したゲート絶縁膜の形成法と同様の無機酸化物または無機窒化物の形成方法を挙げることができるが、好ましくは大気圧プラズマ法で形成されるのが好ましい。
ポリマーを含む下引き層に用いるポリマーとしては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノキシ樹脂、ノルボルネン樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニルとビニルアルコールの共重合体、部分加水分解した塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、塩素化ポリ塩化ビニル、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体、ポリアミド樹脂、エチレン−ブタジエン樹脂、ブタジエン−アクリロニトリル樹脂等のゴム系樹脂、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂等を挙げることができる。
《ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極》
次に、ゲート電極パターン、ソース/ドレイン電極パターンを形成する電極材料とその形成方法について説明する。
本発明の有機薄膜トランジスタにおいて、ゲート電極パターン、ソース/ドレイン電極パターン、及び電極と電源とをつなぐ配線部を構成する材料としては、公知の電極材料にて形成することができる。電極材料としては導電性材料あれば特に限定されず、白金、金、銀、ニッケル、クロム、銅、鉄、錫、アンチモン鉛、タンタル、インジウム、パラジウム、テルル、レニウム、イリジウム、アルミニウム、ルテニウム、ゲルマニウム、モリブデン、タングステン、酸化スズ・アンチモン、酸化インジウム・スズ(ITO)、フッ素ドープ酸化亜鉛、亜鉛、炭素、グラファイト、グラッシーカーボン、銀ペースト及びカーボンペースト、リチウム、ベリリウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、マンガン、ジルコニウム、ガリウム、ニオブ、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、アルミニウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム混合物、リチウム/アルミニウム混合物等が用いられる。あるいはドーピング等で導電率を向上させた公知の導電性ポリマー、例えば導電性ポリアニリン、導電性ポリピロール、導電性ポリチオフェン(ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸の錯体等)も好適に用いられる。
また、ソース/ドレイン電極パターンの場合は、有機半導体層との接触面において電気抵抗が少ないものが好ましく、半導体層がp型半導体の場合は、白金、金、銀、銅が好ましい。中でも好ましくは、有機半導体材料との電位差が少なく、電極から有機半導体へのキャリア注入障壁の小さい金である。また、金は酸化等によって電極表面に酸化皮膜を作ることがないため、電極表面の仕事関数が変化するといった恐れがない。
電極の形成方法としては、上記を原料として蒸着やスパッタリング等のドライプロセスを用いて形成した導電性薄膜を、公知のフォトリソグラフ法やリフトオフ法を用いて電極形状を形成する方法、アルミニウムや銅等の金属箔上に熱転写、インクジェット等により、レジストを形成しエッチングによって形成したパターニングし、レーザーアブレーション等により転写する方法、また導電性ポリマーの溶液あるいは金属微粒子を含有する分散液、導電性インク、導電性ペースト等を凸版、凹版、平版、スクリーン印刷等印刷法、インクジェット法等の溶液プロセスによって形成する方法、米国特許第2,600,343号明細書、特公昭42−23746号公報、特開2004−221565号公報等に記載の、ハロゲン化銀粒子を光還元する方法、等が挙げられる。
ゲート電極及びソース/ドレイン電極の形状を形成する手段としては、フォトリソグラフ法またはインクジェット法を用いて形成することが好ましい。
なお、電極の表面が酸化されて酸化皮膜を形成していたり、有機物等による汚れが付着していると電極との反応性が低下し、制御された厚みを有する有機半導体層を形成することが困難となる場合があるため、有機半導体層を形成する直前に、公知の洗浄方法を用いて電極表面を清浄に洗浄しておくことが好ましい。
このような電極表面洗浄方法としては、強酸・強アルカリによる処理、紫外線照射、オゾン処理、コロナ放電処理、プラズマ処理等を挙げることができる。中でも好ましくはプラズマ処理であり、さらに好ましくは大気圧プラズマ処理である。
大気圧プラズマ処理とは、大気圧下において対向する電極間に電界を印加することにより発生したプラズマを含有するガスを、基材に吹き付けるといった処理である。大気圧プラズマ処理では、真空プラズマ処理に比して活性種の密度が高いために高速・高効率で電極表面の処理ができ、また処理時に真空にする必要がないために少ない工程数で処理ができるといったメリットがある。大気圧プラズマ処理は、特開2003−309266号等を参考にして行うことができる。
《ゲート絶縁膜》
本発明の有機薄膜トランジスタのゲート絶縁層としては種々の絶縁膜を用いることができるが、大きく分けると、無機物と有機物の2種類があり、それぞれに応じて適した形成方法がある。
例えば無機物としては、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタン、酸化スズ、酸化バナジウム、チタン酸バリウムストロンチウム、ジルコニウム酸チタン酸バリウム、ジルコニウム酸チタン酸鉛、チタン酸鉛ランタン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、フッ化バリウムマグネシウム、チタン酸ビスマス、チタン酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ニオブ酸ビスマス、トリオキサイドイットリウム、等の金属酸化物、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化チタン等の金属窒化物、等が挙げられる。
無機物から形成される絶縁膜の形成方法としては、真空蒸着法、分子線エピタキシャル成長法、イオンクラスタービーム法、低エネルギーイオンビーム法、イオンプレーティング法、化学的気相成長(CVD)法、スパッタリング法、後述する大気圧プラズマCVD法等のドライプロセスや、ゲート電極の表面を酸化あるいは窒化することによって形成する方法、またゾルゲル法等のウェットプロセスから形成することが可能な場合には、スプレーコート法、スピンコート法、ブレードコート法、ディップコート法、キャスト法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法等の塗布法、及び印刷やインクジェット等のパターニング同時に可能な方法等のウェットプロセス、が挙げられ、材料に応じて使用できる。中でも、陽極酸化法、大気圧プラズマCVD法、及びそれらを組み合わせた方法を用いることが好ましい。
有機物としては、ポリメチルメタクリレート(PMMA)やポリビニルフェノール(PVP)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリレート、光ラジカル重合系、エポキシ樹脂やオキセタン樹脂等の光カチオン重合系の光硬化性樹脂、あるいはアクリロニトリル成分を含有する共重合体、ポリビニルフェノール、ポリビニルアルコール、ノボラック樹脂、及びシアノエチルプルランやトリアセチルセルロース等の天然多糖類を原料とした樹脂、ゼラチン、低温化学的気相成長法で形成したパリレン等の有機系絶縁材料を挙げることができるし、これらの組み合わせを用いることもできる。これらの有機物は、前述のウェットプロセスの適用が容易であり、工程数も少なく大面積化も容易であるため、スプレーコート法、スピンコート法、ブレードコート法、ディップコート法、キャスト法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法等の塗布法、及び印刷やインクジェット等のパターニング同時に可能な方法等のウェットプロセスで形成することが好ましい。中でも、スピンコート法、印刷法、インクジェット法を用いることが好ましい。
これらの材料の中でも、絶縁破壊電圧が高く、かつ比誘電率の高い材料を用いることが好ましい。絶縁破壊電圧が高い材料では絶縁膜の膜厚を薄くすることができ、生産速度を高いものとすることができ、素子を折り曲げた際のクラックの発生や剥がれを低減することができる。また、比誘電率が高い材料を用いれば、低いゲート電圧でチャネルを形成することができ、低電圧で駆動できる有機薄膜トランジスタとすることができる。このような特性を満たす絶縁膜材料としては、酸化珪素、窒化ケイ素、ポリビニルフェノール、及びポリイミドを好ましく用いることができる。
無機酸化物皮膜と有機酸化物皮膜は積層して併用することができる。またこれら絶縁膜の膜厚としては、一般に50nm〜3μm、好ましくは、100nm〜1μmである。
また、ゲート絶縁層表面には、平面性や表面エネルギー等の各種の特性の改質を目的として、オクタデシルトリクロロシラン、トリクロロメチルシラザン等のシランカップリング剤、アルカン燐酸、アルカンスルホン酸、アルカンカルボン酸等、及び特願2006−82419号等に記載の化合物からなる自己組織化配向膜を絶縁膜表面に形成してもよい。
これらの中でも、シランカップリング剤から形成される自己組織化配向膜を用いることが好ましい。このような、絶縁膜表面と反応性を有する官能基を有するコーティング材料を用いると、単分子の膜厚で形成することができるため、膜厚の均一性が高く、バラツキの少ない有機薄膜トランジスタ素子を得ることができる。
《有機半導体層》
有機半導体層を構成する有機半導体材料としては、電界効果によってキャリアの移動度を制御できる材料であれば制限なく用いることができるが、キャリアが正孔であるp型半導体と、キャリアが電子であるn型半導体に大別することができる。しかし、これまでn型の有機半導体材料で高移動度かつ安定な材料はほとんど見つかっておらず、大多数はp型の有機半導体材料である。なお、これらの比較的安定なp型有機半導体材料であっても、水分や酸素、熱や応力への耐久性は充分でなく、有機半導体層上に保護層を形成する必要がある。
有機半導体材料としては、種々の縮合多環芳香族化合物や共役系化合物が挙げられる。
縮合多環芳香族化合物としては、例えば、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、ヘキサセン、へプタセン、クリセン、ピセン、フルミネン、ピレン、ペロピレン、ペリレン、テリレン、クオテリレン、コロネン、オバレン、サーカムアントラセン、ビスアンテン、ゼスレン、ヘプタゼスレン、ピランスレン、ビオランテン、イソビオランテン、サーコビフェニル、アントラジチオフェン等の化合物、及びこれらの誘導体や前駆体が挙げられる。
共役系化合物としては、例えば、ポリチオフェン及びそのオリゴマー、ポリピロール及びそのオリゴマー、ポリアニリン、ポリフェニレン及びそのオリゴマー、ポリフェニレンビニレン及びそのオリゴマー、ポリチエニレンビニレン及びそのオリゴマー、ポリアセチレン、ポリジアセチレン、テトラチアフルバレン化合物、キノン化合物、テトラシアノキノジメタン等のシアノ化合物、フラーレン及びこれらの誘導体あるいは混合物を挙げることができる。
また、特にポリチオフェン及びそのオリゴマーのうち、チオフェン6量体であるα−セクシチオフェンα,ω−ジヘキシル−α−セクシチオフェン、α,ω−ジヘキシル−α−キンケチオフェン、α,ω−ビス(3−ブトキシプロピル)−α−セクシチオフェン、等のオリゴマーが好適に用いることができる。
さらに、ポルフィリンや銅フタロシアニン、特開平11−251601号に記載のフッ素置換銅フタロシアニン等の金属フタロシアニン類、ナフタレン1,4,5,8−テトラカルボン酸ジイミド、N,N′−ビス(4−トリフルオロメチルベンジル)ナフタレン1,4,5,8−テトラカルボン酸ジイミドとともに、N,N′−ビス(1H,1H−ペルフルオロオクチル)、N,N′−ビス(1H,1H−ペルフルオロブチル)及びN,N′−ジオクチルナフタレン1,4,5,8−テトラカルボン酸ジイミド誘導体、ナフタレン2,3,6,7テトラカルボン酸ジイミド等のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド類、及びアントラセン2,3,6,7−テトラカルボン酸ジイミド等のアントラセンテトラカルボン酸ジイミド類等の縮合環テトラカルボン酸ジイミド類、テトラチアフルバレン(TTF)−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)錯体、ビスエチレンテトラチアフルバレン(BEDTTTF)−過塩素酸錯体、BEDTTTF−ヨウ素錯体、TCNQ−ヨウ素錯体、等の有機分子錯体、C60、C70、C76、C78、C84等フラーレン類、SWNT等のカーボンナ後ューブ、メロシアニン色素類、ヘミシアニン色素類等の色素等、さらにポリシラン、ポリゲルマン等のσ共役系ポリマーや特開2000−260999号に記載の有機・無機混成材料も用いることができる。
これらのπ共役系材料のうちでも、ペンタセン等の縮合多環芳香族化合物、フラーレン類、縮合環テトラカルボン酸ジイミド類、金属フタロシアニン、金属ポルフィリンよりなる群から選ばれた少なくとも1種が好ましい。
有機半導体層を形成する方法としては、真空蒸着法やMBE(Molecular Beam Epitaxy)法、イオンクラスタービーム法、低エネルギーイオンビーム法、イオンプレーティング法、スパッター法、等の物理的気相成長法(PVD法)や化学的気相成長法(CVD法)のようなドライプロセス、スピンコート法やスクリーン印刷法、インクジェット印刷法、エアドクタコーター法、ブレードコーター法、ロッドコーター法、ナイフコーター法、スクイズコーター法、リバースロールコーター法、トランスファーロールコーター法、グラビアコーター法、キスコーター法、キャストコーター法、スプレーコーター法、スリットオリフィスコーター法、カレンダーコーター法、浸漬法、スプレー法、滴下法、ラングミャー・ブロジェット法等といった溶液プロセスを挙げることができ、用いる有機半導体材料に応じてこれらの中から適切な方法を用いればよい。
本発明の有機薄膜トランジスタにおいては、上記のプロセスのうち、溶液プロセスで有機半導体層を形成することが好ましい。溶液プロセスで形成することができれば工程数の大幅な削減ができ、簡便な工程で有機薄膜トランジスタを形成することができるだけでなく、ドライプロセスで形成するよりも大きな結晶を形成することが可能であり、ひいては良好な移動度を有する有機薄膜トランジスタを形成することができる。
しかし、一般に上記の縮合多環芳香族化合物や共役系化合物は溶解性に乏しく、可溶性の有機半導体材料とするためには、上記のような有機半導体材料に、アルキル基、アルキルシリル基、シクロアルキル基、アリール基等の置換基を付与することによって、溶媒に可溶化された有機半導体材料を用いることが好ましい。
このような可溶性の有機半導体材料としては、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)や特開2003−292588号及び特開2005−76030号に記載されているような、アルキル基を有するポリチオフェン系化合物、トリアルキルシリルエチニル基を有するようなアセン化合物及びヘテロアセン化合物、また特開2003−304104号に記載されている、ビシクロ環のような立体的な環状構造を有するポルフィリン化合物等を挙げることができる。
これら有機半導体層の膜厚としては、特に制限はないが、得られたトランジスタの特性は、有機半導体層の膜厚に大きく左右される場合が多く、その膜厚は、有機半導体により異なるが、一般に10nm〜1μm、好ましくは、20〜200nm、より好ましくは30〜100nmである。
《保護層》
有機薄膜トランジスタは保護層を有する。保護層を有することにより、有機薄膜トランジスタの耐久性が向上する。本発明においては、有機無機ハイブリッド材料を保護層として用いることを特徴とする。
有機無機ハイブリッドとは、有機材料と無機材料を組み合わせて相乗効果を引き出した材料である。その手法は、金属アルコキシドを溶液中で加水分解して無機高分子(無機酸化物)を得ると言う、いわゆるゾルゲル法に基づいているため、有機無機ハイブリッド材料の形成は溶液プロセスを主体としているため、印刷法やインクジェット法等によって、塗布及びパターニングを行うことも容易である。
《水溶性高分子》
本発明の有機薄膜トランジスタは、水溶性高分子と前記一般式(1)で表されるアルコキシシランの加水分解重縮合物とを含有する有機無機ハイブリッド層からなる保護層を有することを特徴とする。水溶性の高分子を用いているため、水系溶媒を用いて製膜することができるため、有機半導体層を溶解したりダメージを与えることなく製膜することができる。また、工業的にも安価で、無害であるために好ましい。
本発明に用いられる水溶性高分子としては、水溶性の高分子であれば制限なく用いることができるが、例えば、ポリビニルアルコール、ハロゲン化ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、これらの共重合体、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、セルロースエステル、デンプン及びその誘導体、ゼラチン、カセイン、アルブミン、天然ゴム及びこれらの混合物が挙げられる。中でも、酸素透過性の低いポリビニルアルコールが好ましい。
《一般式(1)で表されるアルコキシシランの加水分解重縮合物、一般式(2)で表される無機高分子化合物》
本発明の有機薄膜トランジスタは、水溶性高分子と、前記一般式(1)で表されるアルコキシシランの加水分解重縮合物とを含有する有機無機ハイブリッド層からなる保護層を有することを特徴とする。
また、前記有機無機ハイブリッド層に、前記一般式(1)で表されるアルコキシシランを加水分解重縮合物することによって得られる前記一般式(2)で表される無機高分子化合物を1〜30質量%含有することが好ましい。1質量%以下の添加量では無機高分子の添加による有機高分子の改質効果が得られにくい。また、30質量%以上では無機高分子の凝集が起こりやすく、有機無機ハイブリッド成形物の透明性、強度が低下しやすいためである。より好ましくは3〜15質量%であり、より好ましくは5〜10質量%である。
一般式(1)において、OR′は、ゾルゲル反応によって脱離し、水溶性高分子と混合されるまでになるべく除去されていることが好ましいため、なるべく分子量の小さいアルコキシ置換基であることが好ましい。従って、R′としてはC1〜C4のアルキル基であることが好ましく、より好ましくはメチル基またはエチル基である。また、メトキシエチル基、エトキシエチル基等のような、エーテル結合を有するような置換基では水系溶媒と混合しやすいため、必要に応じてこれらの置換基を有するアルコキシシ欄を用いてもよい。
一般式(1)、一般式(2)において、Rは水素原子またはアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルキルシリル基から選ばれる置換基を表し、必要に応じて、Rには相溶性を高めるために親水性基や疎水性基、あるいは反応性基によって置換されていてもよい。
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等;ハロゲン化アルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基、1,1,1−トリフルオロプロピル基等;アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基等;アルキニル基としては、例えば、エチニル基、プロパルギル基等;シクロアルキル基としては例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等;アリール基としては例えば、フェニル基、p−クロロフェニル基、メシチル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基、アズレニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、フェナントリル基、インデニル基、ピレニル基、ビフェニリル基等;ヘテロアリール基としては、例えば、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、キナゾリニル基、フタラジニル基等、アルキルシリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリプロピル(iまたはn)シリル基、トリブチル(i、tまたはn)シリル基等が挙げられる。
nは2〜4の整数を表す。n=3の無機高分子とn=4の無機高分子の共重合体であっても構わない。またn=3のアルコキシシランでは、n=4のアルコキシシランよりも縮合可能な置換基が1つ少ないため、無機高分子の凝集が起こりにくく、無機高分子の凝集性を低減するためにn=3、あるいはn=2の化合物を添加してもよい。ただし、有機無機ハイブリッドによる有機高分子の改質効果は、珪素を置換しているアルコキシ基の数が大きいものほど高い傾向があるため、n=2のアルコキシシランの添加はなるべく少ない方が好ましい。
なお、一般にn=4のアルコキシシランを重合して得られた無機高分子をシリカまたは酸化珪素、n=3のアルコキシシランを重合して得られた無機高分子をシルセスキオキサン、n=2のアルコキシシランを重合して得られた無機高分子をポリシロキサンと称する。ただしn=2〜4の何れのアルコキシシランから得られた無機高分子でも、主鎖がSi−O結合から成っているため、広義の意味でポリシロキサンと称することがある。なおn=1のアルコキシシランのみからでは2量体しか得ることができず、高分子量体を得ることはできない。
一般式(1)で表され、n=4であるアルコキシシランの具体例としては、例えば、テトラメトキシシラン(TMOS)、テトラエトキシシラン(TEOS)、テトラn−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn−ブトキシシラン、テトラt−ブトキシシラン、テトラキス(メトキシエトキシ)シラン、テトラキス(メトキシプロポキシ)シラン、テトラアセトキシシラン等が挙げられる。また、これらの化合物が部分的に縮合した、多摩化学製シリケート40、シリケート45、シリケート48、Mシリケート51のような数量体の珪素化合物でもよい。
本発明においては、n=4であるアルコキシシランが好ましい。
また、n=3であるアルコキシシランの具体例としては例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、i−ブチルトリメトキシシラン、n−へキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、アセトキシトリエトキシシラン、(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)トリメトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、ペンタフルオロフェニルプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等が挙げられる。
なお、n=2であるアルコキシシランとしては、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン等が挙げられる。上述のように、これらn=2のアルコキシシランは、n=3、4であるアルコキシシランの重合時に少量添加することで、重合した無機高分子の凝集性の制御等に用いることができる。
これらのアルコキシシランは、溶媒中あるいは無溶媒下で水分と反応させることによって加水分解重縮合反応が進行し、無機高分子が生成する。
アルコキシシランの加水分解に用いる水分は、化学量論的にはアルコキシシランに対してn/2等量の水分が必要であるが、アルコキシシランの反応性や重合度を調整するために水分の添加量はn/4〜n等量であっても構わない。
なお、疎水性のアルコキシシランを用いる場合は、水と混和しにくいため、アルコキシシランが水と混和しやすいようにメタノール、エタノール、アセトン、アセトニトリルのような親水性の有機溶媒に溶解させることで、アルコキシシランと水を均一に混合することができ、加水分解反応を迅速かつ均一に進めることができる。
なお、有機半導体層を劣化させないためには、水溶性高分子と一般式(2)で表されるアルコキシシランの加水分解重縮合物とを含有する有機無機ハイブリッド層からなる保護層は、少なくとも50質量%以上の水を含む水溶液を塗布・乾燥することよって形成することが好ましい。
本発明においては、ゾルゲル反応時に用いる溶媒の量によって無機高分子の重合度、凝集性が変化することがあるため、アルコキシシランの質量に対して0.5〜100倍の質量の溶媒を用いてゾルゲル反応を行うことが好ましい。より好ましくは0.7〜20倍、さらに好ましくは1〜5倍の質量の溶媒を用いることである。
また、加水分解重縮合反応(ゾルゲル反応)は、各種の触媒を添加することにより、より迅速に反応を進行させることができる。
ゾルゲル反応は、触媒を添加することによって加速することができる。その結果、得られる有機無機ハイブリッド成形物の改質効果をより高めることができる。
そのような触媒としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、12タングスト(VI)リン酸、12モリブド(VI)リン酸、けいタングステン酸等の無機酸、酢酸、トリフロロ酢酸、レブリン酸、クエン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の有機酸等が用いられる。また、アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等の脂肪族アミン、アニリン、ピロール、ピラゾール、イミダゾール等の芳香族系アミン、DBU(ジアザビシクロウンデセン−1)、DBN(ジアザビシクロノネン)等のビシクロ環系アミン、アンモニア、ホスフィン、アルカリ金属アルコキシド、水酸化アンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム等の塩基を用いることができる。また、ルイス酸、例えばゲルマニウム、チタン、アルミニウム、アンチモン、錫等の金属の酢酸塩、その他の有機酸塩、ハロゲン化物、リン酸塩等を併用してもよい。
これらの触媒の中でも、酸性触媒を用いると、有機無機ハイブリッド成形物の透明性や強度の高いものが得られやすいため、酸性触媒を用いることが好ましい。さらには、後述するような光酸発生剤を使用すると、活性光線を照射した部位のみに酸を発生させることができ、さらにはその部位のみアルコキシシランの加水分解重縮合反応が起こり、有機無機ハイブリッド層が形成されて溶剤に不溶化するため、光パターニングをすることができ、工程が簡素化され好ましい。
なお、これら酸またはアルカリ触媒の添加量としては特に制限はされないが、好ましくは重縮合可能なアルコキシシランの量に対して0.01〜20質量%が好ましい。
《光酸発生剤》
本発明の有機薄膜トランジスタは、前記水溶性高分子、前記一般式(1)で表されるアルコキシシラン及び光酸発生剤を含有する保護層に含有させることで、活性光線をパターン露光することによって露光部に酸を発生させ、発生した酸によって露光部分を硬化させ、未露光部分を除去して露光部分のみを有機無機ハイブリッド層として形成することができる。このような方法を用いると、有機薄膜トランジスタのデータ線等との電気的接続部位には形成されないようにパターニングすることが簡便にできるため、好ましい。
本発明に用いられる光酸発生剤としては、例えば、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が用いられる(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照)。本発明に好適な化合物としては、例えば、ジアゾニウム、アンモニウム、ヨードニウム、スルホニウム、ホスホニウム等の芳香族オニウム化合物のB(C654 -,PF6 -,AsF6 -,SbF6 -,p−CH364SO3 -塩、CF3SO3 -塩等のスルホン酸塩、スルホン酸を発生するスルホン化物、ハロゲン化水素を発生するハロゲン化物、鉄アレン錯体等が挙げられるが、本発明で用いられる光酸発生剤として好ましいのはスルホニウム塩、ヨードニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、等のオニウム塩であり、中でも酸発生能力が高く、重合反応が早く、硬化層の耐溶剤性、耐久性を高くすることができるスルホニウム塩化合物が好ましい。
好ましいスルホニウム塩化合物としては、下記一般式(3)で表されるスルホニウム塩化合物が好ましい。
Figure 2008171861
(式中、R31〜R33は1価の置換基を表し、X-は対アニオンを表す。)
一般式(3)において、R31〜R33で表される置換基の例としては、ハロゲン原子(例えば塩素原子、臭素原子、フッ素原子等)、炭素数1〜6個のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等)、炭素数3〜6個のシクロアルキル基(例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、炭素数1〜6個のアルケニル基(例えば、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−ブテニル基等)、炭素数1〜6個のアルキニル基(例えば、アセチレニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基等)、炭素数1〜6個のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等)、炭素数1〜6個のアルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、iso−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基等)、炭素数6〜14のアリール基(例えばフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等)、炭素数6〜10のアリールオキシ基(例えばフェノキシ基、ナフトキシ基等)、炭素数6〜10のアリールチオ基(例えばフェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、アシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基、トリフルオロアセチル基、ベンゾイル基等)、アシルオキシ基(例えばアセトキシ基、プロピオニルオキシ基、トリフルオロアセトキシ基、ベンゾイルオキシ基等)、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基等)、炭素数4〜8のヘテロ原子含有芳香族環基(例えばフリル基、チエニル基等)、ニトロ基、シアノ基等が挙げられる。
置換基として好ましくは、ハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アシル基である。
これらの置換基のうち可能なものはさらに置換されていてもよい。
-は対アニオンを表す。対アニオンとしては、BF4 -、B(C654 -、PF6−、AsF6 -、SbF6 -、等の錯イオン、p−CH364SO3 -、CF3SO3 -等のスルホネートイオンを挙げることができる。対アニオンとしてはボレートイオン及びPF6 -が酸発生能力が高く好ましい。
以下に、一般式(3)で表されるスルホニウム塩の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2008171861
Figure 2008171861
Figure 2008171861
Figure 2008171861
Figure 2008171861
Figure 2008171861
《活性光線》
このような硬化に用いられる活性光線としては、紫外線、電子線がある。
紫外線光源としては、250〜370nm、より好ましくは270〜340nmに発光波長のピークがある光源が好ましい。また照度が1〜3000mW/cm2、より好ましくは1〜200mW/cm2である光源が好ましい。
このような光源の例としては、水銀アークランプ、キセノンアークランプ、螢光ランプ、炭素アークランプ、タングステン−ハロゲン複写ランプ高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、無電極UVランプ、低圧水銀ランプ、UVレーザ、キセノンフラッシュランプ、捕虫灯、ブラックライト、殺菌灯、冷陰極管、LED等があるが、これらに限定されない。また、第2の保護層を後述する大気圧または大気圧近傍の圧力下におけるプラズマCVD法によって形成する場合には、プラズマ空間から放射される紫外光を用いて硬化させてもよい。
また、電子線により硬化させる場合には、通常300eVの以下のエネルギーを有する電子線で硬化させるが、1〜5Mradの照射量で瞬時に硬化させることも可能である。
《第2の保護層》
前記有機無機ハイブリッド層からなる保護層上に、さらに金属酸化物、金属窒化物または金属酸窒化物からなる第2の保護層を設け、耐久性をより向上することが好ましい。第2の保護層を設けることで、水分や酸素等の化学的劣化要因が有機半導体層に透過することを一層低減し、かつ水溶性高分子を含有する第1の保護層が環境湿度によって膨張・収縮することを防ぐことができる。
金属酸化物、金属窒化物または金属酸窒化物の例としては、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタン、酸化スズ、酸化バナジウム、チタン酸バリウムストロンチウム、ジルコニウム酸チタン酸バリウム、ジルコニウム酸チタン酸鉛、チタン酸鉛ランタン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、フッ化バリウムマグネシウム、チタン酸ビスマス、チタン酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ニオブ酸ビスマス、トリオキサイドイットリウム、等の金属酸化物、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化チタン等の金属チッ化物、等を挙げることができる。これらの中でも、ガス透過性の低い酸化珪素、チッ化珪素、酸チッ化珪素が好ましい。最も好ましくは、比較的可とう性を有する酸化ケイ素である。
これらの薄膜の形成方法としては、前述のゲート絶縁層を形成する際と同様の方法を用いて形成することができるが、中でも大気圧プラズマCVD法によって形成することが好ましい。
《大気圧プラズマCVD法》
第2の保護層は、大気圧または大気圧近傍の圧力下におけるプラズマCVD法(以下、大気圧プラズマCVD法ともいう)により形成することが好ましい。なお本発明において大気圧近傍とは、20〜110kPaの圧力を表し、さらに好ましくは70〜140kPaである。
大気圧下でのプラズマ製膜処理による第2の保護膜の形成方法としては、特開平11−43781号公報、特開2003−179234号公報、国際公開04/75279号パンフレット、特開2005−15085号等に記載されている。これによって、高機能性の薄膜を生産性高く形成することができる。これらの中でも、特開2005−15085号に記載されているような、大気圧もしくは大気圧近傍の圧力下で放電ガスを放電空間に導入して励起し、放電空間外にある混合空間で薄膜形成ガスと混合して二次励起ガスとし、二次励起ガスを基材(第1の保護層)に晒して薄膜を形成する方法を用いることが好ましい。
放電空間に直接晒した放電ガスと、薄膜形成ガスとを、放電空間外で混合させると、前記薄膜形成ガスが、前記放電空間で励起した放電ガスからエネルギーを受け取り、間接的に励起すると推定している。本発明では、この混合ガスを二次励起ガスと呼ぶ。
原理は定かでないが、薄膜形成ガスを間接的に励起させると、直接放電空間に晒して用いる場合に比して、非常に高性能にかつ高速に第2の保護層を形成できる。本発明ではこのような方式をジェット方式とも呼ぶ。
放電空間とは、所定の距離を有して対向配置された電極対により挟まれ、かつ前記電極対間へ放電ガスを導入して電圧印加することにより放電を起こす空間である。放電空間外とは、前記放電空間ではない空間のことをいう。
放電空間の形態は、特に制限はなく、例えば、対向する平板電極対により形成されるスリット状であっても、あるいは2つの円筒電極間に円周状に形成された空間であってもよい。
次いで、薄膜形成方法に用いる大気圧プラズマ処理装置、大気圧プラズマ処理方法及び大気圧プラズマ処理装置用の電極システムについて、以下にその実施の形態を図を用いて説明するが、本発明はこれに限定されない。また、以下の説明には、用語等に対し断定的な表現が含まれている場合があるが、本発明の好ましい例を示すものであって、本発明の用語の意義や技術的な範囲を限定するものではない。
図2は、ジェット方式の大気圧プラズマ処理装置の一例を示す断面図である。
図2において、大気圧プラズマ処理装置1は、主には、第1電極2と第2電極3とが各々対向する様に配置されている対向電極、電圧印加手段4である対向電極間に高周波電界を印加する高周波電源5の他に、図示していないが、放電ガスを放電空間に、薄膜形成ガスを放電空間外に導入するガス供給手段、前記電極温度を制御する電極温度調整手段等から構成されている。
第1電極2と第2電極3とで挟まれ、かつ第一電極上の斜線で示した誘電体を有する領域Aが放電空間である。この放電空間Aに放電ガスGを導入して、放電ガスを励起させる。また、電極が設置してある領域とは別の放電をしない領域に薄膜形成ガスMを導入する。次いで、電極が存在しない放電空間外にある混合空間Bの領域で、励起した放電ガスG′と、薄膜形成ガスMとを混合させて二次励起ガスNとして、この二次励起ガスNを基材8表面に晒し、薄膜を形成する。本発明では、励起ガスと薄膜形成ガスとを装置内で混合させることにより、薄膜形成ガスを十分に間接励起させることができる。
なお、基材8は、支持体のようなシート状の基材のみでなく、様々な大きさ、形状のものを処理することが可能となる。例えば、レンズ形状、球状等の厚みを有するような形状の基材へも薄膜形成することができる。
一対の対向電極(第1電極2と第2電極3)は、金属母材と誘電体7で構成され、該金属母材をライニングすることにより無機質的性質の誘電体を被覆する組み合わせにより、また、金属母材に対しセラミックス溶射した後、無機質的性質の物質により封孔処理した誘電体を被覆する組み合わせにより構成されていてもよい。金属母材としては、チタン、銅、金、銀、白金、ステンレススティール、アルミニウム、鉄等の金属が使えるが、ステンレススティールまたはチタンが好ましい。また、誘電体のライニング材としては、ケイ酸塩系ガラス、ホウ酸塩系ガラス、リン酸塩系ガラス、ゲルマン酸塩系ガラス、亜テルル酸塩ガラス、アルミン酸塩ガラス、バナジン酸塩ガラス等を用いることができ、この中でもホウ酸塩系ガラスが加工し易く好ましい。また、誘電体の溶射に用いるセラミックスとしては、アルミナが良く、酸化珪素等で封孔処理することが好ましい。また封孔処理としては、アルコキシラン系封孔材をゾルゲル反応させて無機化させることができる。
また、図2では、一対の対向電極は、第1電極2と第2電極3のように平板電極を用いてあるが、一方もしくは双方の電極を中空の円柱型電極あるいは角柱型電極としてもよい。この一対の対向電極のうち一方の電極(例えば、第1電極2)に高周波電源5が接続され、他方の電極(例えば、第2電極3)には、アース9により接地され、一対の対向電極間に電界を印加できるように構成されている。
電圧印加手段4は高周波電源5より、それぞれの電極の金属対に電圧を印加する。高周波電源としては、特に限定はない。無機薄膜(第2の保護層)の形成に使用し得る高周波電源としては、神鋼電機製高周波電源(50kHz)、ハイデン研究所製高周波電源(連続モード使用、100kHz)、パール工業製高周波電源(200kHz)、パール工業製高周波電源(800kHz)、パール工業製高周波電源(2MHz)、日本電子製高周波電源(13.56MHz)、パール工業製高周波電源(27MHz)、パール工業製高周波電源(150MHz)等を好ましく使用できる。また、433MHz、800MHz、1.3GHz、1.5GHz、1.9GHz、2.45GHz、5.2GHz、10GHzを発振する電源を用いてもよい。
無機薄膜(第2の保護層)を形成するする場合の対向電極間に印加する高周波電界の周波数としては、特に限定はないが、高周波電源として0.5kHz以上、2.45GHzHz以下が好ましい。また、対向電極間に供給する電力は、好ましくは0.1W/cm2以上であり、好ましくは50W/cm2以下である。なお、対向電極における電圧の印加面積(cm2)は、放電が起こる範囲の面積のことを指す。対向電極間に印加する高周波電圧は、断続的なパルス波であっても、連続したサイン波であっても構わない。
また、電極間に2つ以上の高周波電源によって電界を印加し、放電空間を形成してもよい。
対向電極間の距離は、電極の金属母材上の誘電体の厚さ、印加電圧の大きさ、プラズマを利用する目的等を考慮して決定される。上記電極の一方に誘電体を設置した場合の誘電体と電極の最短距離、上記電極の双方に誘電体を設置した場合の誘電体同士の距離を電極間の距離として、いずれの場合も均一な放電を行う観点から0.1〜20mmが好ましく、より好ましくは0.2〜10mmである。
無機薄膜(第2の保護層)形成前に、基材または第1の保護層を放電空間または励起ガスに晒して基材の表面処理を行ってもよい。例えば、原料がアルコキシドの場合、放電空間または励起ガスに晒すことによる親水化処理が好ましく用いられる。また、薄膜形成前に予め基材表面の除電処理を行い、さらにゴミ除去を行ってもよい。除電手段及び除電処理後のゴミ除去手段としては、前述装置のところでした手段と同様の手段を採用できる。図示してないが、除電手段としては、通常のブロアー式や接触式以外に、複数の正負のイオン生成用除電電極と基材を挟むようにイオン吸引電極を対向させた除電装置とその後に正負の直流式除電装置を設けた高密度除電システム(特開平7−263173号)を用いてもよい。また除電処理後のゴミ除去手段としては、非接触式のジェット風式減圧型ゴミ除去装置(特開平7−60211号)等を挙げることができ好ましく用いることができるが、これらに限定されない。
図3は、本発明に係るジェット方式の大気圧プラズマ処理装置の別の一例を示す断面図である。
図3において、大気圧プラズマ処理装置1は、主には、第1電極2、2′と第2電極3、3′とが対向するように配置されている対向電極、電圧印加手段4である対向電極間に高周波電界を印加する高周波電源5の他に、図示していないが、ガス供給手段、電極温度調整手段等から構成されている。
第1電極2と第2電極3、あるいは第1電極2′と第2電極3′とが対向している領域には、放電ガスGを導入して、放電空間A、A′において励起させる。また、第2電極3と3′とが対向している領域には、フッ素原子を有する有機基で置換された有機金属化合物を含有する薄膜形成ガスMを導入する。次いで、対向電極が存在しない放電空間外にある混合空間Bの領域で、励起した放電ガスG′と、薄膜形成ガスMとを混合させて二次励起ガスとして、この二次励起ガスを、基材8表面に晒して薄膜を形成する。
第1電極2と第2電極3、あるいは第1電極2′と第2電極3′とが対向している領域には、放電ガスGを導入して、放電空間A、A′において励起させる。また、第2電極3と3′とが対向している領域には、フッ素原子を有する有機基で置換された有機金属化合物を含有する薄膜形成ガスMを導入する。次いで、対向電極が存在しない放電空間外にある混合空間Bの領域で、励起した放電ガスG′と、薄膜形成ガスMとを混合させて二次励起ガスとして、この二次励起ガスを、基材8表面に晒して薄膜を形成する。
図4は、大気圧プラズマ処理装置の一例である。放電ガスG、G′は放電ガス導入口13、13′より導入され、放電空間A、A′においてガス励起を行い、励起されたガスは装置下部より基材8上に噴射され、同様に噴射される薄膜形成ガスMと接触し、薄膜形成ガスを間接励起させ薄膜形成させる。
これらに例示されるような装置を使用することで、第2の保護膜を形成することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
《有機薄膜トランジスタの作製》
熱酸化によって形成された厚さ200nmの酸化珪素膜を有する、比抵抗0.02Ω・cmのn型Siウェハー上に、下記無電解メッキ触媒液をインクとして用い、支持台にはバイアス電圧2000Vの電圧を印加し、さらにパルス電圧(400V)を重畳させてソース、ドレイン電極パターンに従ってインクを吐出した。ノズル吐出口の内径は10μmとし、ノズル吐出口と基材とのギャップは500μmに保持した。メッキ触媒含有インクとして下記処方のものを用いた。
(無電解メッキ触媒液)
可溶性パラジウム塩(塩化パラジウム、Pd2+濃度1.0g/L) 20質量%
イソプロピルアルコール 12質量%
グリセリン 20質量%
2−メチル−ペンタンチオール 5質量%
1,3−ブタンジオール 3質量%
イオン交換水 40質量%
さらに、乾燥定着させることにより、触媒パターンを形成した。
次いで、スクリーン印刷法により、下記無電解金メッキ液をインクとして用いてメッキ触媒パターンが形成された領域を含む領域に印刷を行った。メッキ剤がメッキ触媒と接触することでメッキ触媒のパターン上のみに金薄膜が堆積した。
(無電解金メッキ液)
ジシアノ金カリウム 0.1モル/L
蓚酸ナトリウム 0.1モル/L
酒石酸ナトリウムカリウム 0.1モル/L
を溶解した均一水溶液
金薄膜が形成された基板表面を、純水で、充分に洗浄、乾燥して、金からなるソース・ドレイン電極パターンが形成された。なおソース・ドレイン電極の形状は、チャネル長Lが25μm、チャネル幅Wが250μmとなるように作製した。
次に、このソース・ドレイン電極を形成したSiウェハーを、アネルバ株式会社製ドライエッチング装置DEM−451を用いて、酸素流量50sccm、真空度10Pa、出力200Wの条件で60秒間真空酸素プラズマ処理を行い、ソース・ドレイン電極表面の洗浄を行った。
ソース・ドレイン電極の表面が清浄されたSiウェハーを、ペンタフルオロベンゼンチオールの10mmol/Lのエタノール溶液に、室温で30分間浸漬した後、エタノールですすぎ、乾燥させ、ソース・ドレイン電極の表面処理を行った。
次に、p型の有機半導体材料として下記有機半導体材料1を、トルエンに0.5質量%の濃度で溶解し、この溶液をナリシゲ社製マイクロインジェクターIM300を用いて直径約300μmの略円形となるように塗布し、室温で乾燥させた後、窒素ガス雰囲気中で90℃、1分間の熱処理を施すことによって、有機半導体層を形成した。このとき有機半導体層の膜厚は30nmであった。
Figure 2008171861
次いで、以下の方法で保護層を形成し、有機薄膜トランジスタ11〜17を作製した。
(有機薄膜トランジスタ11の作製)
上記作製した有機半導体層上に、下記保護層溶液1を3000rpmで1分間のスピンコート塗布を行って保護層を形成した後、マスクを介して高圧水銀灯を150mJ/cm2のエネルギーで照射し、パターン露光を行った。
露光後、純水で10分間の超音波洗浄を3回行い、未露光部分の保護層の除去を行った後、40℃で30分間、ついで60℃で30分間の乾燥行い、有機薄膜トランジスタ11を作製した。
〈保護層溶液1〉
ポリビニルアルコール10質量%及び重クロム酸アンモニウム0.05質量%を含有する水溶液を保護層溶液1とした。
(有機薄膜トランジスタ12の作製)
有機薄膜トランジスタ11の作製において、保護層溶液1を東洋合成工業株式会社製Biosurfine−AWP(保護層溶液2)に換えた以外は同様にして、有機薄膜トランジスタ12を作製した。
(有機薄膜トランジスタ13の作製)
有機薄膜トランジスタ11の作製において、所定のパターンを有するマスクを介し、保護層を岸本産業株式会社製CVD装置DACS−LABを用いてパリレン(ポリパラキシリレン樹脂)を蒸着して形成した以外は同様にして、有機薄膜トランジスタ13を作製した。
(有機薄膜トランジスタ14の作製)
下記保護層溶液4をインクジェットプリンタを用いて所定のパターンを形成した後、40℃で10分間の乾燥を行った。
乾燥後、pH3に調整した希塩酸水溶液で30分間の超音波洗浄し、ついで純水で10分間の超音波洗浄を3回行い、未露光部分の保護層の除去を行った後、40℃で30分間、ついで60℃で30分間の乾燥行い、有機薄膜トランジスタ14を作製した。
〈保護層溶液4〉
10℃に保ったトリメトキシシラン2.5質量部、メタノール6.9質量部の混合溶液に対して、0.6質量部の0.1質量%トリフルオロ酢酸水溶液を滴下した後、室温で30分間攪拌を行い、アルコキシシランの加水分解反応を行った。
この溶液を、ポリビニルアルコールの10質量%水溶液90質量部と混合し、室温で30分間攪拌を行った溶液を保護層溶液4とした。
(有機薄膜トランジスタ15の作製)
有機薄膜トランジスタ14の作製において、保護層溶液4のトリメトキシシラン2.5質量部をメチルトリメトキシシラン2.0質量部に換えた以外は同様にして、有機薄膜トランジスタ15を作製した。
(有機薄膜トランジスタ16の作製)
有機薄膜トランジスタ11の作製において、保護層溶液1を下記保護層溶液6に換えた以外は同様にして、有機薄膜トランジスタ16を作製した。
〈保護層溶液6〉
テトラキス(メトキシエトキシ)シラン5.5質量部、ポリビニルアルコール9.0質量部、アデカオプトマーSP152(トリフェニルスルホニウム塩、旭電化社製)0.3質量部、純水85.2質量部を混合した水溶液を保護層溶液6とした。
(有機薄膜トランジスタ17の作製)
有機薄膜トランジスタ16の作製において、保護層溶液5のポリビニルアルコールをゼラチンに換えた以外は同様にして、有機薄膜トランジスタ17を作製した。
《有機薄膜トランジスタの評価》
得られた有機薄膜トランジスタについて、下記の方法で、耐久性試験前後のキャリア移動度の評価を行った。
(耐久性試験前のキャリア移動度)
有機薄膜トランジスタについて、ドレインバイアスを−50Vとし、ゲートバイアスを−50Vから0Vまで掃引したときのI−V特性の飽和領域から、キャリア移動度を算出した。
(耐久性試験前のキャリア移動度)
有機薄膜トランジスタについて、30℃80%RH環境下に6時間、20℃20%RH環境下に6時間保管するという温湿度変化サイクルを10回繰り返した後に、耐久性試験前のキャリア移動度と同様にキャリア移動度を評価した。
評価の結果を結果を表1に示す。
Figure 2008171861
表1から分かるように、耐久性試験により、比較の有機薄膜トランジスタが2桁程度のキャリア移動度の低下が見られるのに対し、本発明の有機薄膜トランジスタは1桁程度のキャリア移動度の低下にとどまっており、本発明に係る保護層の保護能力が高いことが分かる。
実施例2
《有機薄膜トランジスタの作製》
より高い保護効果を得るために、実施例1で作製した保護層(第1の保護層)上に、第2の保護層を形成した有機薄膜トランジスタを作製した。なお比較として、有機半導体層上に直接無機物からなる保護層を形成した有機薄膜トランジスタも作製した。
(有機薄膜トランジスタ20の作製)
実施例1で作製した有機薄膜トランジスタ素子の有機半導体層上に直接、公知のスパッタ技術を用いてSiO2からなる保護層を50nm積層し、有機薄膜トランジスタ20を作製した。
(有機薄膜トランジスタ21〜27の作製)
実施例1で作製した有機薄膜トランジスタ11〜17の第1の保護層上に、公知のスパッタ技術を用いてSiO2からなる保護層を50nm積層し、それぞれ有機薄膜トランジスタ21〜27を作製した。
(有機薄膜トランジスタ28の作製)
有機薄膜トランジスタ26の作製において、有機半導体材料1を、有機半導体材料2に換えた以外は同様にして、有機薄膜トランジスタ28を作製した。
Figure 2008171861
(有機薄膜トランジスタ29の作製)
有機薄膜トランジスタ28の作製において、第2の保護層の形成方法を、下記の大気圧プラズマ法によるSiO2膜の製膜方法に換えた以外は同様にして、有機薄膜トランジスタ29を作製した。
〈大気圧プラズマ法〉
大気圧プラズマ処理は、図3に示す大気圧プラズマ処理装置を用いて、SiO2薄膜を形成した。
放電ガス導入口13より導入される放電ガスGにはガス種A、放電ガス導入口13′より導入される放電ガスGにはガス種B、薄膜形成ガス導入口15より導入される薄膜形成ガスMにはガス種Cを用い基材8上にSiO2薄膜を形成した。なお、製膜は基材を図中左右方向にスキャンして行った。
〈ガス種A:放電ガス〉
窒素ガス 98.5体積%
水素ガス 1.5体積%
〈ガス種B:放電ガス〉
窒素ガス 98.5体積%
水素ガス 1.5積%
〈ガス種C:薄膜形成ガス〉
窒素ガス 99.9体積%
テトラエトキシシラン 0.1体積%
エステック社製気化器により、窒素ガス中に上記化合物を気化した。
〈ガス種供給比〉
ガス種A:ガス種B:ガス種C=1:1:1(体積比)で供給した。
電極2、2′、3、3′は、電極にステンレスSUS316を用い、さらに、電極の表面にアルミナセラミックスを1mmになるまで溶射被覆させた後、アルコキシシランモノマーを有機溶媒に溶解させた塗布液をアルミナセラミックス被膜に塗布し、乾燥させた後に、150℃で加熱し封孔処理を行って誘電体を形成した。電極の誘電体を被覆していない部分に、高周波電源5の接続やアース9接地を行った。
高周波電源5には、ハイデン研究所製高周波電源(40kHz)で、7W/cm2の放電電力を印加した。ガス吹き出し口16と基材との距離は2mmとした。基材8には、幅10mm、長さ10mm、厚み0.5mmの日本板硝子製0.5tソーダライムガラス(片面研磨)を用いた。
有機薄膜トランジスタ20〜27の構成内容を下記表2に示す。
Figure 2008171861
《有機薄膜トランジスタの評価》
得られた有機薄膜トランジスタについて、実施例1と同様にして、耐久性試験前後のキャリア移動度の評価を行った。
また、第2の保護層の接着性について下記方法で評価を行った。
〈接着性試験〉
接着性の評価として、JIS K5400に準拠した碁盤目試験を行った。第2の保護層が形成された表面(有機半導体層やソース電極、ドレイン電極上でなく、絶縁層上に直接第1の保護層及び第2の保護層が形成されている部分)に対し、片刃のカミソリの刃を面に対して90度の切り込みを1mm間隔で縦横に11本ずつ入れ、1mm角の碁盤目を100個作製した。この上に市販のセロファンテープを貼り付け、その一端を手でもって垂直にはがし、切り込み線からの貼られたテープ面積に対する薄膜の剥がされた面積の割合を以下の基準で評価した。
○:剥離された面積割合が10%未満
△:剥離された面積割合が10%以上25%未満
×:剥離された面積割合が25%以上
評価の結果を表3に示す。
Figure 2008171861
表3から分かるように、有機半導体層上に直接第2の保護層を形成した有機薄膜トランジスタ20では、第2の保護層形成時のダメージによって初期からキャリア移動度が大きく低下してしまう。
また、比較の有機薄膜トランジスタ21〜23は無機薄膜からなる第2の保護層との接着性に劣り、耐久性試験後のキャリア移動度も1桁の低下が見られる。
他方、本発明の有機薄膜トランジスタ24〜29は、第2の保護層の接着性が高く、耐久試験後の移動度も6割以上の値が保たれており、高い保護能力があることが確認された。
有機薄膜トランジスタの層構成例を示す断面図である。 ジェット方式の大気圧プラズマ放電処理装置の一例を示す断面図である。 ジェット方式の大気圧プラズマ放電処理装置の別の一例を示す断面図である。 ジェット方式の大気圧プラズマ放電処理装置の別の一例を示す断面図である。
符号の説明
1 大気圧プラズマ放電処理装置
2、2′ 第1電極
3、3′ 第2電極
4 電圧印加手段
5 高周波電源
6 ガス制御板
7、7′ 誘電体
8 基材
9 アース
13、13′ 放電ガス導入口
15 薄膜形成ガス導入口
16 ガス吹き出し口
G 放電ガス
G′ 励起放電ガス
M 薄膜形成ガス
N 二次励起ガス
A 放電空間
B 混合空間
101 有機半導体膜
102 ソース電極
103 ドレイン電極
104 ゲート電極
105 ゲート絶縁層
106 基体

Claims (12)

  1. ゲート電極、ゲート絶縁膜、有機半導体材料からなる有機半導体層、ソース電極及びドレイン電極を有する有機薄膜トランジスタであって、水溶性高分子と、下記一般式(1)で表されるアルコキシシランの加水分解重縮合物とを含有する有機無機ハイブリッド層からなる保護層を前記有機半導体層上に有することを特徴とする有機薄膜トランジスタ。
    一般式(1) R4-nSi(OR′)n
    (式中、Rは水素原子またはアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルキルシリル基、カルボニル基から選ばれる置換基を表し、R′は水素原子またはアルキル基を表し、nは2〜4の整数を表す。)
  2. 前記有機無機ハイブリッド層に、前記一般式(1)で表されるアルコキシシランを加水分解重縮合物することによって得られる下記一般式(2)で表される無機高分子化合物を1〜30質量%含有することを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜トランジスタ。
    一般式(2) R4-nSiOn/2
    (式中、Rは水素原子またはアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルキルシリル基から選ばれる置換基を表し、nは2〜4の整数を表す。)
  3. 前記一般式(1)、一般式(2)において、n=4であることを特徴とする請求項1または2に記載の有機薄膜トランジスタ。
  4. 前記水溶性高分子が、ポリビニルアルコール、ハロゲン化ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、これらの共重合体、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、セルロースエステル、デンプン及びその誘導体、ゼラチン、カセイン、アルブミン、天然ゴム及びこれらの混合物から選ばれる水溶性高分子であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタ。
  5. 前記水溶性高分子が、ポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項4に記載の有機薄膜トランジスタ。
  6. 前記保護層が、少なくとも50質量%以上の水を含む水溶液を塗布・乾燥することよって形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタ。
  7. 前記水溶性高分子、前記一般式(1)で表されるアルコキシシラン及び光酸発生剤を含有する保護層を形成した後、活性光線をパターン露光することによって露光部に酸を発生させ、発生した酸によって露光部分のみに有機無機ハイブリッド層が形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタ。
  8. 前記光酸発生剤が、スルホニウム塩化合物であることを特徴とする請求項7に記載の有機薄膜トランジスタ。
  9. 前記有機無機ハイブリッド層からなる保護層上に、さらに金属酸化物、金属窒化物または金属酸窒化物からなる第2の保護層を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタ。
  10. 前記第2の保護層が、酸化珪素からなる保護層であることを特徴とする請求項9に記載の有機薄膜トランジスタ。
  11. 前記第2の保護層が、大気圧または大気圧近傍の圧力下におけるプラズマCVD法によって形成されていることを特徴とする請求項9または10に記載の有機薄膜トランジスタ。
  12. 前記有機半導体層が、非水系溶媒を用いた塗布によって形成されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタ。
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