次の詳細な説明は、実際は単に例示的にすぎず、本発明又は本発明の応用及び使用を限定することを意図していない。更に、先の技術分野、背景技術、及び要約又は次の詳細な説明において提示される任意の明示される又は示唆される理論によって束縛されるという意図はない。図1〜7は単に例示的なものであり、原寸に比例して示されていないこともあり得ることに、留意されたい。
図1から図7は電流を感知するための装置及び方法を例示する。装置は、互いに反対の側にある第1及び第2の端部及び通路を有する光ファイバと、リサーキュレータであって、光ファイバの第1及び第2の端部それぞれから光が伝播するとき、その光の少なくとも一部がリサーキュレータによって光ファイバのそれぞれ反対の側にある端部へと反射されて、光ファイバを通って伝播するようにし、且つ開口部を有する光ループを形成するように構成されるリサーキュレータと、光が通過するように光ループ内に置かれるファラデー感受性材料とを含み、ファラデー感受性材料の屈折率は、電流が光ループの開口部を通って流れたときに、光ループ周りの第1の方向の光伝播に対しては第1の値から第2の値へと変化し、光ループ周りの光伝播の第2の方向においては第3の値(例えば、第1の値)から第4の値へと変化する。
一実施形態では、リング共振器を通る電流を感知するための方法及び装置が提供される。リング共振器は基板を含み、基板は、その上に取り付けられるか形成され、光ファイバ・コイルに光学的に結合される1又は複数の反射体を備える。反射体(1又は複数)及びファイバは、閉じた光路又はループを規定する。光路は、第1及び第2の光ビームのそれぞれを、閉じた光路の互いに逆の伝播方向へ複数回導くように、構成される。第1及び第2の光ビームのそれぞれは、閉じた光路内を循環するとき、共振状態を経験する。ファラデー感受性材料は光路に沿って置かれ、導体は光路の開口部を通って設置される。電流が導体を通って伝導したとき、互いに反対の方向に伝播する第1及び第2の光ビームはファラデー感受性材料の屈折率の変化を受け、この変化は、互いに反対の方向へ向けられたそれぞれの共振周波数を変更する。共振周波数の差が決定され、導体を流れる電流を計算するために使用される。
図1は、本発明の一実施形態による光ファイバ電流センサ(又は電流センサ・システム)10を例示する。光ファイバ電流センサ(又は電流センサ)10は、集積光学チップ(IOC)12及び光ファイバ(又は光ファイバ・ケーブル)14を含む。図1に示す実施形態では、IOC12は基板16を含み、基板16は、その上に形成された(又は置かれた)第1及び第2の光源18及び20と、リサーキュレータ22と、第1及び第2のビーム・スプリッタ24及び26と、第1及び第2の光検出器28及び30と、コントローラ32と、送信器34とを有する。以下で更に詳細に説明されるように、電流センサ10は、当業者には理解されるように、ジャイロスコープ、具体的には、共振器光ファイバ・ジャイロ(RFOG)にも同様に実装されることが理解できる。
更に図1を参照すると、基板16は、実質的には矩形(例えば、正方形)であり、側長36は、例えば、5ミリメートル(mm)から1.5cmの間などのように、3センチメートル(cm)より短く、厚さは、例えば、約600から100マイクロメートル(μm)の間である。一実施形態では、基板16はシリコンで作られる。これらの寸法、形状、及び材料は単に例示的であり、基板16は、多くの寸法、形状、及び材料のうちの任意のもので実施できることが理解されるであろう。
第1及び第2の光源18及び20は、少なくとも図示された実施形態では、基板16の対向する隅部近くに置かれ、基板16の第3の隅部及び/又はリサーキュレータ22へ向けられる、又は「狙いが定められる」。一実施形態では、第1及び第2の光源18及び20は、基板16上に形成される又は取り付けられるレーザ・ダイオードである。当業者には理解されるように、レーザ・ダイオードは、ドープされた結晶ウエハの表面の非常に薄い層にドープして、「n型」領域及び「p型」領域を有するp−n接合、又はダイオード、を形成することによって、形成することができる。具体的には例示されないが、一般に理解されるように、第1及び第2の光源18及び20は、外部キャビティ・レーザ・ダイオードであってもよく、各々はまた、放出されるレーザ光の周波数をチューン及び/又は調節するためにキャビティ長変調機構を含むこともできる。
図1に示す実施形態では、リサーキュレータ22は、光源18及び20が向けられる基板16の隅部の近くに置かれる。一実施形態では、リサーキュレータ22は、非常に高い反射率(例えば、95%より高い)及びゼロでない透過率を持つ凹型ミラーである。一般に理解されるように、リサーキュレータ22は、所望の偏光状態に対する反射率を有することができ、これは、その所望の偏光状態に直交する偏光状態に対する反射率よりも、著しく高い。以下でより詳細に説明されるように、リサーキュレータ22は、光源18及び20から光ファイバ14へ伝播する光を集光(フォーカス)し、光ファイバ・コイルの各端部から、光ファイバ・コイルのその端部の反対側の端部へ向かって、また、その中へ伝播する光を反射および集光するように、形作られる。リサーキュレータ22の部分的透過は、光源18及び20それぞれから光ファイバ14へ入る光の一部、及び光ファイバ14内を循環する光の一部が、ビーム・スプリッタ24及び26へ送られることを、可能にする。
更に図1を参照すると、第1のビーム・スプリッタ24は第1の光源18とリサーキュレータ22との間に置かれ、第2のビーム・スプリッタ26は第2の光源20とリサーキュレータ22との間に置かれる。詳細には例示されないが、第1及び第2のビーム・スプリッタ24及び26は、第1及び第2の光源18及び20それぞれとリサーキュレータ22とを相互に接続する線に対して或る角度(例えば、45度)に向けられるのが好ましい。
第1及び第2の光検出器28及び30はそれぞれ、第1及び第2のビーム・スプリッタ24及び26の側部で、基板16の中心部近くで、基板16上に置かれる。更に、具体的には例示されないが、第1及び第2の光検出器28及び30はそれぞれ、第1及び第2のビーム・スプリッタ24及び26の中心部分へ向けられる。好ましい実施形態では、第1及び第2の光検出器28及び30のそれぞれは、基板16上に形成されたゲルマニウム・ドープの領域を有するフォトダイオードを含む。別の実施形態では、光検出器28及び30は、例えば、ゲルマニウム又はインジウム・ガリウム・ヒ素・リン(InGaAsP)から作られる個別の光検出器チップを含む。
コントローラ32(又は処理サブシステム)は、一実施形態では、基板16の上又はその中に形成され、当業者には理解されるように、様々な回路及び/又は集積回路(例えば、マイクロプロセッサ及び電源)を含む電子部品を含むことができ、例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)及び/又は以下に述べる方法及び処理を実行するためにマイクロプロセッサによって実行されるコンピュータ読み出し可能な媒体上に保存された命令などを含むことができる。示されるように、コントローラ32は、第1及び第2の光源18及び20、第1及び第2の光検出器28及び30、及び送信器と、通信するものであり且つ/又は電気的に接続されるものである。送信器34は、一般に理解されるように、基板16上に形成され、例えば、無線周波数(RF)送信器を含む。
更に図1を参照すると、IOC12及び/又は基板16は、一実施形態では、一般に理解されるように、「シリコン光学ベンチ」であり、基板16内に形成された一連のトレンチ(又は導波路(ウェーブガイド))38を含む。トレンチ38は、第1及び第2の光源18及び20、第1及び第2のビーム・スプリッタ24及び26、第1及び第2の光検出器28及び30、及びリサーキュレータ22を相互接続する。図示の実施形態では、基板16はまた、リサーキュレータ22の凹部(即ち、外部)側に隣接して形成されたリサーキュレータ・キャビティ40と、基板16のそれぞれの隅部近くでリサーキュレータ・キャビティ40の外側壁に形成された2つのv溝42とを含む。
光ファイバ14は第1の端部44、第2の端部46を有し、一実施形態では、例えば、直径が15から125mmの間のコイルになるように巻かれている。光ファイバ14は、好ましい実施形態では、著しく低い曲げ損失を持つ、ガラス・ベースの、中空コアの、バンド・ギャップの光ファイバである。示されるように、光ファイバ14の第1の端部44は、第1の光源18の反対側のv溝42へ挿入され、光ファイバの第2の端部46は、第2の光源20の反対側のv溝42へ挿入される。光ファイバ14の中心部分は、基板16のそれぞれの隅部の周りに実質的に円形に曲げることができる。
次に図2を参照すると、光ファイバ14は、中心通路52(即ち、中空コア)の周りに、例えば、30から40ミクロンの間の厚さ50を有する、周期的フォトニック結晶セルの領域48を含む。中心通路52は、例えば、2.5から10ミクロンの間の半径54を有し、光ファイバ14の中心軸56に平行な方向に延び、その軸の周りに対称である。光ファイバ14はまた、光ファイバ14の外側面を形成する外側ガラス層58を有する。光ファイバ14のガラス部分は、一実施形態では、100から125ミクロンの間の全体直径60を有する。図2では示されないが、光ファイバ14はまた、外側ガラス層58の周りに保護プラスチック被覆を含むことができる。中空コア・ファイバは、コア(即ち、中心通路52)がガラス等の固体材料ではないという点で、従来の又は固体コアのファイバと区別できることを理解されたい。以下でより詳細に述べられるように、このことは、中空コアが、磁気光学ファラデー効果に敏感な気体材料や液体材料で満たされることを可能にする。
以下でより詳細に論じられるように、リサーキュレータ22が第2の端部46からの光の大部分を受け入れ、第1の端部44へ反射し、その結果、第1の方向(即ち、時計回り(CW)方向)に伝わる光に対して共振キャビティを形成するように、リサーキュレータ22が形作られ且つ光ファイバ14の第1及び第2の端部44及び46が配置される。同様に、リサーキュレータ22は、第1の端部44から出る光の大部分を光ファイバ14の第2の端部46へ反射するように配置され、その結果、第2の方向(反時計回り(CCW)方向)に共振キャビティを形成する。リサーキュレータ22の凹型形状は、リサーキュレータ22が光を集光(フォーカシング)し又は空間的に調整して、ファイバ端部からファイバ端部までの光学損失を最小限にすることを可能にする。従って、当業者には理解され、以下でより詳細に述べられるように、光ファイバ14及びリサーキュレータ22は、開口部62を備える光リング共振器又は共振光路ループを一緒になって形成することができ、それは、各方向での共振器経路(即ち、光路ループ)内側の周回光路長によって決定される、CW及びCCW方向の共振周波数を有する。一実施形態では、リサーキュレータ・キャビティ40及び光ファイバ14の中空コア52の故に、共振器経路は実質的に自由空間のみを進む(即ち、光はガラス中を、測定できるほどの距離は伝わらない)ことにも留意されたい。
再度図1を参照すると、電気導体(例えば、ワイヤ)64は共振器の開口部62の中心部分を通る。図3は、導体64を分離又は切断する必要なく、開口部62を通して導体64を配置する又は通すための方法を例示する。図3で示されるように、光路ループを「開く」ために、光ファイバ14の第2の端部46を、第2の光源20の反対側のv溝から取り外す。次いで、光ファイバ14の第2の端部46と基板16との間に形成された隙間を通して、導体64を開口部分62に挿入することができる。導体64が配置された後、光路ループを「閉じる」ために、光ファイバ14の第2の端部46をv溝42内に挿入することができる。示されていないが、導体64は、航空宇宙機内の電気システムや、例えば、自動車の燃料電池や発電機やモータのための電源設備や、溶接システム等の、より大きな電気システムの1つの部品であってもよい。
再度図1を参照すると、光ファイバ電流センサ10はまた、光ファイバ14及びリサーキュレータ・キャビティ40を取り囲むファラデー媒体室66も含む。一実施形態では、ファラデー媒体室66はハーメチック・シールされ、以下でより詳細に述べられるように、ファラデー感受性流体(即ち、気体及び/又は液体)等のファラデー感受性媒体を含む。媒体室66は、別の実施形態では、センサ10全体を取り囲み、ハーメチック・コネクタは、電力又は電気信号がセンサ10を出入りできるようにする。ファラデー感受性材料は、光ファイバ14内の中空通路52及びリサーキュレータ・キャビティ40を含めて、ファラデー媒体室66全体を満たす。
一実施形態では、ファラデー感受性気体がファラデー媒体室66に注入される。当業者には理解されるように、多くの物質は、磁場にさらされることに基づいて円偏光状態についての屈折率の変化を経験する。この感度の大きさは、ベルデ(Verdet)定数によって特徴づけることができ、媒体ごとに変化する。気体の場合には、好ましい媒体は、気体の反応特性と同様に、センサの信号対雑音比を改善するためにベルデ定数に基づくことができる。従って、不活性気体は魅力的である。なぜなら、それらはセンサ10内の他の材料と最も化学的反応しないものであり、その結果として、信頼性を改善するからである。不活性気体の中では、感度は、気体の原子番号が増加するにつれて増加する。例えば、キセノンのベルデ定数はヘリウムのそれよりも約80倍大きいので、キセノンはヘリウムよりも好ましい。更に、選択された気体のベルデ定数は、圧力を増加することによって増加することができる。一実施形態では、使用されるファラデー感受性材料は、約10気圧(atm)の圧力に保たれたキセノンであり、これは、1atmのキセノンよりも約10倍大きいベルデ定数を有する。
ベルデ定数はまた、使用される特定の光の波長の関数としても変化しうることも理解されたい。多くの気体では、ベルデ定数は光の波長の2乗に反比例する。従って、センサ10の感度はまた、より短い波長(例えば、1550ナノメートル(nm)ではなく1330や830nm)を持つ光を放出する光源18及び20を使用することによって、増加し得る。
動作中は、図1を参照すると、コントローラ32は第1及び第2の光源18及び20を稼動させ、第1及び第2の光源18及び20がレーザ光等(例えば、約830、1330、及び/又は1550nmの波長を持つ)の光を第1及び第2のビーム・スプリッタ24及び26のそれぞれへ向かって放出させる。更に具体的には、第1の光源18はレーザ光の第1のビーム又は部分(図4の68)を第1のビーム・スプリッタ24へ向けて放出し、第2の光源20はレーザ光の第2のビーム又は部分(図4の70)を第2のビーム・スプリッタ26へ向けて放出する。ビーム・スプリッタ24及び26は、光源18及び20からの光のかなりの割合がそれを通るように配置される。更に図1を参照すると、第1及び第2の光ビームは、トレンチ38の内側の自由空間を通ってリサーキュレータ22へ向かって伝播する。具体的には例示されないが、当業者には理解されるように、センサ10はまた、レーザ光が円偏光化されることを確実にするために、光がリサーキュレータ22へ到達する前に通過する1又は複数の波長板を含むことができる。
次いで図4を参照する。共振器が共振状態にあるか又はそれに近いと仮定すると、第1のビーム68の少なくとも一部はリサーキュレータ22を通過し、又はそれにより透過され、光ファイバ14の第1の端部44へ向かって進み続ける。同様に、第2のビーム70の少なくとも一部はリサーキュレータ22を通過し、光ファイバ14の第2の端部へ向かって進み続ける。上述のように、リサーキュレータ22の形状のために、第1及び第2のビーム68及び70はリサーキュレータ22によってフォーカシングされ、光ファイバ14の第1及び第2の端部44及び46それぞれへ入る。従って、図4で示すように、及び上述のように、第1のビーム68は光ファイバ14又は共振器を、第1又は時計回り方向72に伝播し、一方、第2のビーム70は共振器を回って第2又は反時計回り方向74に伝播する。
図5で示すように、共振器が共振状態にあるか又はそれに近いと仮定すると、第1及び第2のビーム68及び70は、光ファイバ14を通ってそれらのそれぞれ互いに反対の方向へ進み続ける。次いで、第1のビーム68は、光ファイバ14の第2の端部46から伝播し、第2のビーム70は、光ファイバの第1の端部44から伝播する。第1のビーム68が光ファイバ14の第2の端部46から出ると、光波は空間的に発散し、従って、示されるように「扇形に広がる(ファンアウトする)」。しかしながら、光がリサーキュレータ22に突き当たると、リサーキュレータ22の凹型形状及び高い反射率の故に、第1のビーム68の大部分は、光ファイバ14の第1の端部44に向けて反射およびフォーカシングされる。同様に、第2のビーム70は光ファイバ14の第1の端部44から出て、それの大部分はリサーキュレータ22によって光ファイバ14の第2の端部46へ向けて反射およびフォーカシングされる。光ファイバ14を通って循環する光が共振器経路(即ち、光ファイバ14の内側の光路及び光ファイバの第1の端部44からリサーキュレータ22を経て光ファイバ14の第2の端部46への光路)内で共振すると、この過程は継続して繰り返される。
更に図4及び5を参照すると、先に示されたように、第1及び第2のビーム68及び70のすべてがリサーキュレータ22によって反射されるとは限らない。なぜなら、共振器が共振又はそれに近い状態にあるときは各ビームの相対的に少しの部分がリサーキュレータ22を通過する(即ち、透過される)からである。更に具体的には、第1のビーム68の少なくとも一部はリサーキュレータ22により透過され、第2のビーム・スプリッタ26へ向けて伝播し、第2のビーム70の少なくとも一部はリサーキュレータ22により透過され、第1のビーム・スプリッタ24へ向けて伝播する。具体的には示されていないが、第2のビーム・スプリッタ26は、第1のビーム68の一部を第2の光検出器30へ反射し、第1のビーム・スプリッタ24は、第2のビーム70の一部を第1の光検出器28へ反射する。当業者には理解されるように、第1及び第2のビーム68及び70が共振器を回って伝播している間に経験する有効光路の任意の変化に起因するような、位相シフトを示す共振ラインシェイプ(lineshape)中心周波数や、2つの方向(即ち、CW及びCCW)での共振周波数差などの任意の相対的な光のレベルを、光検出器28及び30は検出することができる。
図1、3、及び4を参照すると、当業者には理解されるように、電流が導体64を通って伝導する又は流れると、共振器の開口部62内に磁場が生成される。生成された磁場は、ファラデー感受性材料を通る円偏光に対して屈折率の変化を引き起こす。更に詳細には、電流、及びその結果として生じる磁場は、共振器を1つの方向(CW又はCCW)に回って伝播する光ビーム(68又は70)に対してファラデー感受性材料の屈折率を効果的に増加し、反対の方向に伝播する光ビームに対してはファラデー感受性材料の屈折率を効果的に減少する。従って、開口部62を通って伝導する電流は、例えば、CW方向に伝播する光に対する屈折率を第1の値から第2の値に変化させ、CCW方向に伝播する光に対する屈折率は第3の値から第4の値へと変化する。相互デバイスの設計によって、即ち、ファラデー効果の影響を除いては光が共通の経路に沿って互いに反対の方向へ伝わることによって、第1及び第3の値は実質的に等しくすることができる。屈折率の変化は、第1及び第2のビーム68及び70に対する有効光路長を変更し、従って、共振器におけるそれらの共振周波数をシフトさせる。
光検出器28及び30は、共振周波数を求めるために光ビーム68及び70の強度を検出するために使用される。従って、第1及び第2の光検出器28及び30は、電気信号をコントローラ32に送り、電気信号は、第2の光検出器30における第1のビーム68と第1の光検出器28における第2のビーム70との中の個々の光波の建設的干渉(共振器内で)の有無を表す。このような干渉は、一般に理解されるように、それぞれの光検出器28及び30において共振ディップ(resonance dip)として現れる。コントローラ32は、光検出器28及び30によって提供される情報を用いて、第1及び第2の光源18及び20を、導体64を通って流されている電流量に対しての共振が生じるそれぞれの周波数へと、チューンする。次いで、コントローラ32は、第1及び第2のビーム68及び70に対する共振周波数の差を計算し、この共振周波数の差に基づいて導体64を通って流れる電流量を決定する。当業者には理解されるように、電流量の決定は、ファラデー感受性材料の既知の特性と電流センサ10の部品の特定の寸法とに基づくことができる。
上述の電流センサの1つの利点は、共振器経路の全体が自由空間内にあるので、シリカ及びガラスの光ファイバの使用にしばしば関連する非線形効果が最小限に抑えられることである。もう1つの利点は、光ファイバの端部を基板から一時的に取り外すことができるので、導体を切断することなく、また、導体をその電気システムから分離することなく、導体を共振器の開口部内に配することができることである。結果として、電流センサを取り付ける難点及びコストを最小限に抑えられる。
図6は、本発明の別の実施形態による電流センサの一部分を例示する。図6に示す例では、光ファイバ14は多数巻きコイル(multi-turn coil)76を含む、すなわち、多数巻きコイル76となるように巻かれる。示されるように、導体64はコイル76内に配置される。示されていないが、図6に示す構成を形成するために、光ファイバ14は、コイル76とともに、広げて離してらせん構造(即ち、「スリンキー」)にすることもできる。ファイバが基板から一時的に分離され、室66が一時的に開放された後(又は、永久的な自由空間経路がファイバと基板との間に設けられるが、室66が一時的に開放された後)、導体64は、示されるように、それを通って縫うように入れられて、コイル76内の開口部内に配置されることができる。図6に示す実施形態の追加の利点は、導体の周りに巻きが追加されるので、センサの感度及び精度が改善されることである。
図7は、本発明の更なる実施形態による電流センサの一部分を例示する。図7に示す例では、光ファイバ14は第1及び第2のコイル78及び80を含む、すなわち、第1及び第2のコイル78及び80となるように巻かれる。示されるように、導体64は第1のコイル78の中に配置される。第1及び第2のコイル78及び80は、第1の光ビームが、第1のコイル78を1つの方向(例えば、CW)に回って伝播し、第2のコイル80を反対の方向(例えば、CCW)に回って伝播するように、配置される。従って、第2の光ビームは、第1のコイル78を第2の方向(例えば、CCW)に回って伝播し、第2のコイル80を第1の方向に回って伝播する。図7に示す実施形態の更なる利点は、第2のコイル80を追加することにより、電流に対する感度を保ちながらも、センサが経験する任意の回転の効果をゼロにすることにある。結果として、電流センサの精度が更に改善される。
他の実施形態は光学部品の異なる構成を採用することができる。例えば、共振器への光のフォーカシング及びコリメーションは、それぞれのビーム・スプリッタとリサーキュレータとの間に形成された又は設置されたレンズによって実施することができ、リサーキュレータは実質的に平面状(即ち、非凹型)とすることができる。トレンチは、基板内に形成される導波路で置き換えることができる。更に、ベルデ定数を増加する方法として、気体ではなく液体の媒体を使用することもできる。しかしながら、気体よりも液体の方が屈折率は高いので、中空コア・ファイバは、バンド・ギャップ効果ではなく屈折率導波(index guiding)によって光を導くように設計することができる。このようなことは、例えば、中空コア・ファイバの微細構造と同様の微細構造のファイバを使用することによって実施することができ、中心の穴部を液体で満たすことを可能とするが、それらを空気で満たす又は空にするようにクラッドにおいてセル構造をマスクする。このようにして、周囲のクラッドの屈折率は、液体で満たされたコア領域のそれよりも低く維持することができ、これは光波の導波に対する必要条件である。電流の測定において誤差を最小限にするために、低い線形複屈折及び低いカー(Kerr)効果を持つ液体を選択することが有利となりうることにも留意されたい。
少なくとも1つの例示的な実施形態が先の詳細な説明で提示されたが、多数の変形形態が存在することを理解されたい。例示的な実施形態(1又は複数)は単に例にすぎず、本発明の範囲、用途、構成を何ら限定することを意図しないことも理解されたい。先の詳細な説明は、例示的な実施形態を実施するための便利なロード・マップを当業者に提供するであろう。特許請求の範囲及びそれらの法的な均等物で説明されるような本発明の範囲から逸脱することなく、要素の機能及び構成において様々な変更を加えることができることを理解されたい。