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JP2008164024A - 動圧軸受装置 - Google Patents

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JP2008164024A
JP2008164024A JP2006352975A JP2006352975A JP2008164024A JP 2008164024 A JP2008164024 A JP 2008164024A JP 2006352975 A JP2006352975 A JP 2006352975A JP 2006352975 A JP2006352975 A JP 2006352975A JP 2008164024 A JP2008164024 A JP 2008164024A
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政治 堀
Kazuto Shimizu
一人 清水
Takaharu Inazuka
貴開 稲塚
Isao Komori
功 古森
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NTN Corp
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Abstract

【課題】各部位に要求される耐摩耗性を備えた動圧軸受装置を低コストに提供する
【解決手段】第1スラスト軸受部T1のスラスト軸受隙間を介して対向する面の材料の組合せを、第2スラスト軸受部T2のスラスト軸受隙間を介して対向する面の材料の組合せと異ならせた。例えば、第1シール部9と第2シール部10を異なる樹脂材料で形成することにより、各スラスト軸受隙間に面する部分の耐摩耗性を異ならせることができる。従って、必要な部分のみの耐摩耗性を向上させればよいため、高価な強化剤等の使用量を最小限に抑えることができ、材料コストの低減を図ることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、軸受隙間に生じる潤滑流体の動圧作用で、軸部を回転可能に支持する動圧軸受装置に関する。
動圧軸受装置は、その高回転精度および静粛性から、情報機器、例えばHDD等の磁気ディスク駆動装置、CD−ROM、CD−R/RW、DVD−ROM/RAM等の光ディスク駆動装置、MD、MO等の光磁気ディスク駆動装置等のスピンドルモータ用、レーザビームプリンタ(LBP)のポリゴンスキャナモータ、プロジェクタのカラーホイール、あるいは電気機器の冷却ファン等に使用されるファンモータなどの小型モータ用として好適に使用可能である。
この種の動圧軸受装置として、例えば特許文献1の流体軸受装置は、軸部(ジャーナル)と、軸部を内周に挿入したスリーブと、軸部にその外径側へ突出して設けられ、スリーブの両端開口部に配置されたシール部(スラスト板)とを備える。両シール部の端面とスリーブの端面との間には、それぞれスラスト軸受隙間(第2隙間)が形成される。
実開平6−54916号公報
このような軸受装置を、軸方向を上下方向として使用する場合、軸部の静止時は、重力により一方のシール部とスリーブとが接触し、これらの間に形成される一方のスラスト軸受隙間の隙間幅が0となる。従って、一方のスラスト軸受隙間を介して対向する面は、軸受装置を起動、停止する度に接触摺動するため、他方のスラスト軸受隙間を介して対向する面と比べ高い耐摩耗性が要求される。例えば、各スラスト軸受隙間を介して対向する面を同じ組合せの材料で形成する場合、すなわち、両シール部のスラスト軸受面を同じ材料で形成すると共に、スリーブの両端面を同じ材料で形成した場合、優れた耐摩耗性が要求される一方のスラスト軸受隙間を介して対向する面を基準としてシール部及びスリーブの材料を選定する必要がある。従って、耐摩耗性がそれ程要求されない他方のスラスト軸受隙間を介して対向する面は、必要以上の耐摩耗性を有する材料で形成されることになるため、コスト高を招くことになる。
本発明の課題は、各スラスト軸受面を介して対向する面を要求される特性に応じて形成することにより、動圧軸受装置の製造コストを低廉化することにある。
前記課題を解決するため、本発明は、軸部と、軸部を内周に挿入したスリーブ部と、軸部に固定され、外周にシール空間を形成する第1及び第2シール部と、両シール部とスリーブ部との間のスラスト軸受隙間に生じる潤滑流体の動圧作用で軸部を両スラスト方向に支持する第1及び第2スラスト軸受部とを備えた動圧軸受装置において、一方のスラスト軸受隙間を介して対向する面の材料の組合せが、他方のスラスト軸受隙間を介して対向する面の材料の組合せと異なることを特徴とする。
このように本発明では、一方のスラスト軸受隙間を介して対向する面の材料の組合せと、他方のスラスト軸受隙間を介して対向する面の材料の組合せとを異ならせることにより、一方のスラスト軸受隙間を介して対向する面と、他方のスラスト軸受隙間を介して対向する面とで、特性を異ならせることができる。従って、例えば、要求される側のスラスト軸受隙間を介して対向する面の耐摩耗性を高めることにより、高強度の材料等の使用量を必要最小限に抑えることができるため、動圧軸受装置の低コスト化を図ることができる。
この動圧軸受装置において、例えば、第1シール部の端面に形成されたスラスト軸受面の材料と、第2シール部の端面に形成されたスラスト軸受面の材料とを異ならせることにより、各スラスト軸受隙間を介して対向する面の材料の組合せを異ならせることができる。尚、ここでいうスラスト軸受面とは、スラスト軸受隙間に臨む面のことをいい、この面が軸側となるか軸受側となるかを問わず、さらにはこの面に動圧発生部が形成されているか否かも問わない(以下の説明において同様)。
この場合、第1シール部及び第2シール部をそれぞれ組成の異なる樹脂材料で形成することで、第1シール部のスラスト軸受面と第2シール部のスラスト軸受面の材料を異ならせることができる。例えば、各シール部の樹脂材料に、要求される耐摩耗性に応じた量の強化剤を配合することで、高価な強化剤の使用量を最小限に抑え、低コスト化を図ることができる。尚、ここで言う「異なる樹脂材料」とは、ベース樹脂を異にすることにより、あるいはベース樹脂を共通としつつも充填剤の配合量を異ならせることにより、結果として特性が異なる樹脂材料を言うものとする。
あるいは、表面処理により、第1シール部のスラスト軸受面の材料と第2シール部のスラスト軸受面の材料とを異ならせることができる。例えば、両スラスト軸受面の何れか一方に表面処理を施すことにより、これらの材料を異ならせることができる。このような表面処理として、例えば金属材料による硬質めっき、あるいはフッ素系樹脂コーティング等を施すと、スラスト軸受面の耐摩耗性を向上させることができる。このように、表面処理でスラスト軸受面の材料を異ならせることにより、シール部は同一材料で形成すれば足りるため、シール部の加工コストを低減することができる。
この動圧軸受装置の両シール部の形状が同じ場合、第1シール部と第2シール部を間違えて組付けてしまう恐れがある。そこで、両シール部の色を異ならせておくと、一見して何れのシール部であるかを判別することができるため、これらの誤組を確実に防止することができる。
また、この動圧軸受装置において、スリーブ部の一方の端面に形成された第1スラスト軸受面の材料と、他方の端面に形成された第2スラスト軸受面の材料とを異ならせることにより、第1シール部のスラスト軸受面と第2シール部のスラスト軸受面の材料を異ならせることもできる。
この場合、スリーブ部の第1スラスト軸受面を多孔質材料で形成すると共に、第2スラスト軸受面を非多孔質材料で形成すると、多孔質材料に含浸した潤滑油が一方のスラスト軸受隙間に逐次供給されるため、潤滑性が向上し、この部分における耐摩耗性が向上する。また、他方のスラスト軸受隙間に面する部分を非多孔質材料で形成することで、多孔質材料の使用量を抑え、低コスト化を図ることができる。
あるいは、表面処理により、スリーブ部の第1スラスト軸受面の材料と第2スラスト軸受面の材料とを異ならせることもできる。これにより、スリーブ部の本体は従来品と同様に同一材料で形成することが可能となるため、スリーブ部の製造コストを低減することができる。
以上のように、本発明によると、各スラスト軸受面を介して対向する面を、要求される特性の応じた材料で形成することにより、高価な材料の使用量が必要最小限に抑えられるため、動圧軸受装置の製造コストを低廉化することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる動圧軸受装置1を組込んだ情報機器用スピンドルモータの一構成例を概念的に示している。この情報機器用スピンドルモータは、HDD等のディスク駆動装置に用いられるもので、動圧軸受装置1と、動圧軸受装置1の軸部2に取り付けられたロータ(ディスクハブ)3と、例えば半径方向のギャップを介して対向させたステータコイル4aおよびロータマグネット4bと、ブラケット5とを備えている。ステータコイル4aはブラケット5の外周に取り付けられ、ロータマグネット4bは、ディスクハブ3の内周に取り付けられている。ディスクハブ3は、その外周に磁気ディスク等のディスクDを一枚または複数枚保持する。ステータコイル4aに通電すると、ステータコイル4aとロータマグネット4bとの間に発生する電磁力でロータマグネット4bが回転し、それに伴ってディスクハブ3、および軸部2が一体となって回転する。
図2は、上記スピンドルモータで使用される動圧軸受装置1の第1の実施形態を示すものである。この動圧軸受装置1は、軸部2、及び軸部2に固定された第1シール部9および第2シール部10と、内周に軸部2を挿入した軸受部材6とを主要構成部品として構成される。図2に示す実施形態では、軸受部材6はハウジング7と、スリーブ部8とで別体に構成されている。なお、以下では、説明の便宜上、ハウジング7の開口部から軸部2の端部が突出している側を上側、その軸方向反対側を下側として説明を進める。
スリーブ部8の内周面8aと軸部2の外周面2aとの間に第1ラジアル軸受部R1と第2ラジアル軸受部R2とが軸方向に離隔して設けられる。また、スリーブ部8の上側端面8bと第1シール部9の下側端面9bとの間に第1スラスト軸受部T1が設けられ、スリーブ部8の下側端面8cと第2シール部10の上側端面10bとの間に第2スラスト軸受部T2が設けられる。
軸部2は、ステンレス鋼等の金属材料で形成され、あるいは、金属と樹脂のハイブリッド構造とされる。軸部2は全体として概ね同径の軸状をなし、その中間部分には、他所よりも僅かに小径に形成した逃げ部2bが形成されている。軸部2の外周面2aのうち、第1および第2シール部9、10の固定位置には、凹部、例えば円周溝2cが形成されている。
ハウジング7は、例えば、樹脂材料を射出成形して円筒状に形成され、その内周面7aは、同径でストレートな円筒面となっている。図1に示すブラケット5の内周面にハウジング7の外周面が圧入、接着、圧入接着等の手段で固定される。
ハウジング7を形成する樹脂は主に熱可塑性樹脂であり、例えば、非晶性樹脂として、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリフェニルサルフォン(PPSF)、ポリエーテルイミド(PEI)等、結晶性樹脂として、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等を用いることができる。また、上記の樹脂に充填する充填材の種類も特に限定されないが、例えば、充填材として、ガラス繊維等の繊維状充填材、チタン酸カリウム等のウィスカー状充填材、マイカ等の鱗片状充填材、カーボンファイバー、カーボンブラック、黒鉛、カーボンナノマテリアル、金属粉末等の繊維状又は粉末状の導電性充填材を用いることができる。これらの充填材は、単独で用い、あるいは、二種以上を混合して使用しても良い。この実施形態では、ハウジング7を形成する材料として、結晶性樹脂としての液晶ポリマー(LCP)に、導電性充填材としてのカーボンファイバー又はカーボンナノチューブを2〜8wt%配合した樹脂材料を用いている。
この他、黄銅やアルミニウム合金等の軟質金属材料、その他の金属材料でハウジング7を形成することもできる。
スリーブ部8は、例えば、焼結金属からなる多孔質体、特に銅を主成分とする焼結金属の多孔質体で円筒状に形成され、ハウジング7の内周面7aの所定位置に圧入、接着、あるいは圧入接着等の手段で固定される。なお、スリーブ部8は、焼結金属以外にも銅合金等のメタル材料で形成することもできる。
スリーブ部8の内周面8aには、第1ラジアル軸受部R1及び第2ラジアル軸受部R2のラジアル軸受面となる上下2つの領域が軸方向に離隔して設けられ、該2つの領域には、例えば図3(a)に示すようなヘリングボーン形状の動圧溝8a1、8a2がそれぞれ形成される。尚、動圧溝8a1、8a2は、図3(a)に示すように軸方向に離隔して形成する他、軸方向に連続して形成してもよい。あるいは、動圧溝8a1、8a2のうち何れか一方のみを形成してもよい。
スリーブ部8の上側端面8bには、第1スラスト軸受部T1の第1スラスト軸受面となる領域が設けられ、この領域には、例えば図3(b)に示すようなスパイラル形状の動圧溝8b1が形成される。また、スリーブ部8の下側端面8cには、第1スラスト軸受部T1の第2スラスト軸受面となる領域が設けられ、この領域には、例えば図3(c)に示すようなスパイラル形状の動圧溝8c1が形成される。
第1シール部9および第2シール部10は同形状のリング状に形成される。シール部9、10の樹脂材料は、上記のハウジング7の樹脂材料として例示したものを使用可能であり、各シール部9、10に要求される特性に応じて、それぞれ異なる材料組成を有する。
例えば、軸受装置の軸方向を上下方向とし、第1シール部9側を上側として使用する場合、軸部2の静止時、第1シール部9の面するスラスト軸受隙間の隙間幅は0となる。このため、軸受装置を起動、停止する度に、第1スラスト軸受部T1のスラスト軸受隙間を介して対向する第1シール部9の下側端面9bとスリーブ部8の上側端面8bとが接触摺動するため、これらの面には優れた耐摩耗性が要求される。一方、第2スラスト軸受部T2のスラスト軸受隙間を介して対向する第2シール部10の上側端面10bとスリーブ部8の下側端面8cとは接触摺動が少ないため、これらの面に耐摩耗性はそれほど要求されない。従って、各シール部9、10のスラスト軸受面9b、10bは、それぞれに要求される耐摩耗性を満たすように材料の組合せを選定すればよい。
本実施形態では、第1シール部9及び第2シール部10を異なる組成の樹脂材料、例えば第1シール部9の樹脂材料に第2シール部10の樹脂材料よりも多くの炭素繊維を配合することで、第1シール部9の強度を高め、これにより第1シール部9のスラスト軸受面となる下側端面9bの耐摩耗性を高めている。このとき、高価な炭素繊維の配合量は必要最小限に抑えられるため、シール部9、10の材料コストの低廉化を図ることができる。
ところで、第1シール部9に過剰な炭素繊維を配合すると、軸部2の回転時にスラスト軸受隙間を介して対向するスリーブ部8の上側端面8bを過度に摩耗させる恐れがある。このため、各スラスト軸受隙間を介して対向する面の材料は、材料自身の強度のみでなく、対向する部材に対する攻撃性を考慮して選定する必要がある。
このような耐摩耗性の評価方法として、図4に示すようなサバン型摩耗試験機20を用いる方法がある。このサバン型摩耗試験機20は、評価対象の材料で形成した板状の供試体21と、SUS等で円盤状に形成した回転体22と、回転体22を回転させるための回転ディスク23とからなる。回転ディスク23の側面は回転体22の側面と接し、回転体22の側面は供試体21の端面と接する。供試体21と回転体22との間には、潤滑油を介在させることが好ましい。回転ディスク23を所定の回転速度で矢印A1の方向に回転させると、回転体22が矢印A2の方向に回転し、さらに供試体21に負荷荷重Pを加えることにより、回転体22と供試体21とを接触摺動させる。この接触摺動による供試体21の摩耗量を計測することにより、評価対象の材料自身の耐摩耗強度を評価することができる。また、このときの回転体22の摩耗量を計測することにより、評価対象の材料の接触摺動する相手材に対する攻撃性を評価することができる。具体的な試験条件は、以下に示すとおりである。
回転ディスク23の回転速度:400min−1
供試体21の外径:φ7.5mm
回転時間:3時間
負荷荷重P:14.7N(1.5kgf)
尚、本実施形態のように、樹脂材料(シール部9、10)の耐摩耗性を評価する場合、JIS K 7218:1986のA法に規定されている試験方法で評価することもできる。具体的には、樹脂材料からなる中空円筒を、一定荷重の下で他材料の中空円筒(あるいは板材)の端面と接触させ、その何れかを回転させて樹脂製の中空円筒を摩耗させ、その摩耗量を評価するものである。
シール部9、10は、軸部2の外周面2aの所定位置に、例えば接着剤で固定される。接着剤としては、熱硬化性接着剤を使用することができ、この場合、軸部2に対するシール部9、10の位置決めを行った後、軸部2を加熱処理(ベーキング)することで、シール部9、10を確実に軸部2に固定することができる。このとき、軸部2に塗布した接着剤が、接着剤溜まりとしての円周溝2cに充填されて固化することにより、シール部9、10の軸部2に対する接着強度が向上する。
また、シール部9、10は、配合される炭素繊維の量が異なることにより、それぞれの色が異なる。よって、これらを一見して見分けることができるため、これらを取り違えて軸部2に固定する恐れを確実に回避することができる。尚、第1及び第2シール部9、10の色をより明確に異ならせるために、一方のシール部の樹脂材料にカーボンブラックや顔料等を配合してもよい。
第1シール部9の外周面9aは、ハウジング7の上端開口部の内周面7aとの間に所定の容積をもった第1シール空間S1を形成すると共に、第2シール部10の外周面10aは、ハウジング7の下端開口部の内周面7aとの間に所定の容積をもった第2シール空間S2を形成する。この実施形態において、第1シール部9の外周面9aおよび第2シール部10の外周面10aは、それぞれ軸受装置の外部側に向かって漸次拡径したテーパ面状に形成される。そのため、両シール空間S1、S2は、互いに接近する方向に漸次縮小したテーパ形状を呈する。軸部2の回転時、両シール空間S1、S2内の潤滑油は毛細管力による引き込み作用と、回転時の遠心力による引き込み作用とにより、シール空間が狭くなる方向に向けて引き込まれる。これにより、ハウジング7の内部からの潤滑油の漏れ出しが効果的に防止される。油漏れをより確実に防止するため、ハウジング7の上側端面7bと下側端面7c、第1シール部9の上側端面9c、および第2シール部10の下側端面10cにそれぞれ撥油剤の被膜を形成することもできる。
第1および第2シール空間S1、S2は、ハウジング7の内部空間に充満された潤滑油の温度変化に伴う容積変化量を吸収するバッファ機能を有する。想定される温度変化の範囲内では、油面は常時両シール空間S1、S2内にある。これを実現するために、両シール空間S1、S2の容積の総和は、少なくとも内部空間に充満された潤滑油の温度変化に伴う容積変化量よりも大きく設定される。
上記のようにして、軸部2にスリーブ部8を挟んでシール部9,10を固定した後、この組み付け体をハウジング7の内周面7aに挿入し、スリーブ部8の外周面をハウジング7の内周面7aに固定する。スリーブ部8のハウジング7に対する固定は、接着、圧入、接着と圧入の併用、溶着(超音波溶着)等の適宜の手段によって行うことができる。このようにして組立が完了するとシール部9、10で密閉されたハウジング7の内部空間に、スリーブ部8の内部気孔も含め、潤滑流体として例えば潤滑油を充満させる。
軸部2の回転時には、スリーブ部8の内周面8aのラジアル軸受面となる領域(上下2箇所の領域)は、それぞれ軸部2の外周面2aとラジアル軸受隙間を介して対向する。また、スリーブ部8の上側端面8bが第1シール部9の下側端面9bと所定のスラスト軸受隙間を介して対向し、スリーブ部8の下側端面8cは、第2シール部10の上側端面10bと所定のスラスト軸受隙間を介して対向する。そして、軸部の回転に伴い、第1ラジアル軸受部R1及び第2ラジアル軸受部R2の動圧発生部(動圧溝8a1、8a2)が、上記ラジアル軸受隙間に潤滑油に動圧作用が発生させ、軸部2がラジアル方向に回転自在に非接触支持される。同時に、第1スラスト軸受部T1と第2スラスト軸受部T2の動圧発生部(動圧溝8b1、8c1)が、上記スラスト軸受隙間に潤滑油の動圧作用を発生させ、軸部2およびシール部9、10がスラスト方向に回転自在に非接触支持される。
本発明は上記の実施形態に限られない。以下、本発明の他の実施形態を説明する。尚、上記の実施形態と同様の構成、機能を有する箇所には同一符合を付し、説明を省略する。
図5は、本発明の第2の実施形態を示す動圧軸受装置101である。この動圧軸受装置101の軸受部材6は、多孔質体80をインサート部品とした樹脂の射出成形で形成される。多孔質体80は、焼結金属等の多孔質材料で形成され、円筒部80a及び円筒部80aの上端から外径へ突出した鍔状部80bとを一体に有する。円筒部80aの内周面80a1には、ラジアル軸受部R1、R2の動圧発生部となるヘリングボーン形状の動圧溝(図示省略)が形成される。鍔状部80bの上側端面80b2は、スリーブ部8の第1スラスト軸受面となり、この面には第1スラスト軸受部T1の動圧発生部となるスパイラル形状の動圧溝(図示省略)が形成される。また、スリーブ部8の第2スラスト軸受面となる下側端面8cは、樹脂材料で形成される。スリーブ部8の外径端には、スリーブ部8の両端面に開口した貫通孔12が形成される。この貫通孔12が第1及び第2スラスト軸受部T1、T2のスラスト軸受隙間を連通することにより、軸受装置内部の潤滑油の圧力バランスを適正に保つことができる。尚、多孔質体80の円筒部80a及び鍔状部80bは、上記のように一体に形成する他、別体に形成することもできる。
この動圧軸受装置101では、第1及び第2シール部9、10が同じ組成の樹脂材料で形成される。一方で、スリーブ部8の第1スラスト軸受面としての上側端面8bが多孔質材料で形成されると共に、第2スラスト軸受面としての下側端面8cが樹脂材料で形成されることにより、各スラスト軸受面の耐摩耗性を異ならせている。このように、スリーブ部8の第1スラスト軸受面としての上側端面8bが多孔質体80の上側端面80b1で形成されることにより、多孔質体80に含浸した潤滑油が第1スラスト軸受部T1のスラスト軸受隙間に逐次供給される。これにより、第1スラスト軸受部T1のスラスト軸受隙間を介して対向するシール部材9の下側端面9bとスリーブ部8の上側端面8bとの潤滑性が向上し、これらの面の耐摩耗性を向上させることができる。また、スリーブ部8の第2スラスト軸受面としての下側端面8cを樹脂材料で形成することにより、多孔質材料の使用量を最小限に抑えることができるため、低コスト化を図ることができる。
また、断面L字型の多孔質体80を用いることにより、例えばスリーブ部8全体を焼結金属で形成した場合と比べ、多孔質材料からなる部材の体積を減じることができる。これにより、多孔質材料の内部空孔に含浸される潤滑油の量を減じることができるため、バッファ機能を果たすシール空間の容積を縮小することができ、動圧軸受装置101の小型化を図ることができる。
この動圧軸受装置101の軸受部材6に設けられる貫通孔12は、例えば以下のようにして形成される。図6に、多孔質体80をインサートして型締めした成形金型のフランジ部80bにおける径方向断面図を示す。成形金型は、シャフト部31を有する可動型と、固定型32と、軸受部材6の貫通孔12を形成するための成形ピン33とを備え、成形ピン33は、固定型32に固定される。型締め時において、多孔質体80のフランジ部80bの外周面80b2に形成された軸方向溝80b20に、成形ピン33が嵌まり込むことにより、軸方向溝80b20が樹脂で埋められることを防止できる(図6(b)参照)。
しかし、型締め時に、フランジ部80bの軸方向溝80b20と成形ピン33との円周方向位置を完全に一致させるには、精密な作業が必要となるため、製造効率を低下させる要因となる。そこで、以下に示す方法によると、軸方向溝80b20と成形ピン33との円周方向位置を容易に一致させることができる。まず、両者の円周方向位置が一致していない状態で型締めを行う。このとき、図6(a)に示すように、成形ピン33が軸心から離れる方向に弾性的に変形して型締めされる。その後、多孔質体80を可動型(シャフト部31)と共に図中の矢印Bに示す方向に回転させると、成形ピン33と軸方向溝80b20の円周方向位置が一致した時に、成形ピン33が弾性的に復元し、軸方向溝80b20に嵌まり込み、図6(b)に示す状態となる。このように、多孔質体80と成形ピン33とを相対的に回転させ、成形ピン33の弾性変形を利用して、成形ピン33を軸方向溝80b20嵌め込むことにより、精密な作業を要さずに、簡易に型締めを行うことができる。
このようにして型締めされた金型内に、溶融樹脂を射出することにより、軸受部材6が成形される。成形金型のうち、軸受部材6のスリーブ部8の下側端面8cを成形する部分には、下側端面8cに形成される動圧溝に対応した形状の成形型が形成される。この成形型に射出された溶融樹脂が入り込むことにより、下側端面8cに動圧溝が型成形される。
その後、射出された溶融樹脂の固化に伴う成形収縮により、樹脂成形部の内周面は拡径又は縮径する。本実施形態では、樹脂成形部に貫通孔12が形成されることで、樹脂成形部の肉厚が円周方向で異なるため、成形収縮量に差が生じ、樹脂成形部の内周面が非真円形状となることがある。この樹脂成形部の変形が多孔質体80に及び、多孔質体80の内周面80a1の真円度が低下すると、ラジアル軸受隙間の精度が低下し、ラジアル方向の軸受剛性の低下を招く恐れがある。特に、多孔質体80の径方向の肉厚を薄型化した場合、多孔質体80が変形する恐れが高い。本発明では、上記のように、多孔質体80にフランジ部80bを設けることにより、多孔質体80の径方向での剛性が向上し、樹脂の成形収縮に伴う多孔質体80の内周面80a1の変形をより確実に防止できる。
図7に、本発明の第3の実施形態に係る動圧軸受装置201を示す。この実施形態では、第1シール部9のスラスト軸受面となる下側端面9bに表面処理を施すことにより、耐摩耗性の向上を図っている。このような耐摩耗性を向上させる表面処理としては、めっき処理、あるいは樹脂コーティング処理が考えられる。めっき処理としては、銅系材料、鉄系材料、あるいはDLC(ダイヤモンドライクカーボン)等による硬質めっきによるものが挙げられる。また、樹脂コーティング処理としては、フッ素系の樹脂によるものが挙げられる。このように、表面処理により第1シール部9のスラスト軸受面と第2シール部10のスラスト軸受面の材料を異ならせることにより、シール部9、10の形状を共通化することができるため、これらの加工コストを低減することができる。
ところで、図2に示す動圧軸受装置1のように、第1シール部9と第2シール部10とを異なる材料で形成する場合には、シール部9、10の製造業者を異ならせたり、シール部9、10の仕上げ加工方法等を異ならせることがある。このような場合、シール部9、10のスラスト軸受面の表面精度を同程度に仕上げることは難しく、要求されるスラスト方向の軸受性能が得られない恐れがある。図7に示す動圧軸受装置201では、表面処理により第1シール部9のスラスト軸受面と第2シール部10のスラスト軸受面の材料を異ならせるため、両シール部9、10の基材を共通材料とすることができ、これらの表面精度を同程度に仕上げることが容易となる。このとき、表面処理を施した面の表面精度は基材の表面精度に倣うため、両シール部9、10の基材を同程度の精度で加工することにより、両スラスト軸受面の表面精度を同程度に仕上げることができ、上記不具合を解消することができる。
上記の実施形態では、軸部2の外周面2aに別途形成したシール部9、10を固定しているが、これに限らず、例えば軸部2をインサート部品として、シール部9、10を樹脂で射出成形することもできる。
また、図5に示す動圧軸受装置101で軸受部材6に設けられている貫通孔12を、図2に示す動圧軸受装置1に設けてもよい。この場合、例えば、スリーブ部8の外周面に1本又は複数本の軸方向溝を設け、この軸方向溝とハウジング7の内周面7aとで、貫通孔12を形成することができる。尚、この軸方向溝は、ハウジング7の内周面7aに形成してもよい。
また、上記の実施形態では、ラジアル軸受部R1、R2を、ヘリングボーン形状の動圧溝8a1、8a2で潤滑油に動圧作用を発生させる構成を示しているが、これに限らず、例えばスパイラル形状の動圧溝や、ステップ軸受、あるいは多円弧軸受を形成してもよい。
また、スラスト軸受部T1、T2を、スパイラル形状の動圧溝8b1、8c1で潤滑油に動圧作用を発生させる構成を示しているが、これに限らず、例えばヘリングボーン形状の動圧溝や、ステップ軸受、あるいは波型軸受(ステップ軸受が波型形状になったもの)を形成してもよい。
さらに、上記の実施形態では、第1および第2ラジアル軸受部R1、R2の動圧溝8a1、8a2をスリーブ部8の内周面8aに形成する場合を例示したが、これをラジアル軸受隙間を介して対向する面、すなわち軸部2の外周面2aに形成することもできる。さらに、第1および第2スラスト軸受部T1、T2の動圧溝8b1、8c1をスリーブ部の両端面8b、8cに形成する場合を例示したが、スラスト軸受隙間を介して対向する面、すなわち第1シール部9の下側端面9bおよび第2シール部10の上側端面10bに形成することもできる。
また、上記の実施形態では、動圧軸受装置1の内部空間に充満される潤滑流体として潤滑油が使用されているが、これに限らず、例えば空気等の気体や、潤滑グリース、磁性流体等を使用することもできる。
以上の説明では、動圧軸受装置1をその軸方向を上下方向として使用することにより、軸部2の静止時において、第1スラスト軸受部T1のスラスト軸受隙間の隙間幅が0となる場合を示しているが、これとは逆に、第2スラスト軸受部T2のスラスト軸受隙間の隙間幅が0となる場合は、このスラスト軸受隙間を介して対向する面を耐摩耗性に優れた材料で形成すればよい。また、軸部2の静止時に、何れのシール部の面するスラスト軸受隙間の隙間幅が0となるかを特定できない場合、磁力等を利用することにより耐摩耗性に優れた材料で形成された面を強制的に接触させることもできる。
また、本発明の動圧軸受装置は、上記のようにHDD等のディスク駆動装置に用いられるスピンドルモータに限らず、光ディスクの光磁気ディスク駆動用のスピンドルモータ等、高速回転下で使用される情報機器用の小型モータ、レーザビームプリンタのポリゴンスキャナモータ等における回転軸支持用、あるいは電気機器の冷却ファン用のファンモータとしても好適に使用することができる。
動圧軸受装置1を組み込んだスピンドルモータを示す断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る動圧軸受装置1を示す断面図である。 スリーブ部8の(a)軸方向断面図、(b)上面図、及び(c)下面図である。 サバン型摩耗試験機20を概略的に示す断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る動圧軸受装置101を示す断面図である。 動圧軸受装置101の軸受部材6の射出成形工程を示す断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る動圧軸受装置201を示す断面図である。
符号の説明
1 動圧軸受装置
2 軸部
6 軸受部材
7 ハウジング
8 スリーブ部
8b 上側端面(第1スラスト軸受面)
8c 下側端面(第2スラスト軸受面)
9 第1シール部
9b 下側端面(スラスト軸受面)
10 第2シール部
10b 上側端面(スラスト軸受面)
20 サバン式摩耗試験機
21 試験片
22 回転体
23 回転ディスク
R1、R2 ラジアル軸受部
T1 第1スラスト軸受部
T2 第2スラスト軸受部
S1、S2 シール空間

Claims (8)

  1. 軸部と、軸部を内周に挿入したスリーブ部と、軸部に固定され、外周にシール空間を形成する第1及び第2シール部と、両シール部とスリーブ部との間のスラスト軸受隙間に生じる潤滑流体の動圧作用で軸部を両スラスト方向に支持する第1及び第2スラスト軸受部とを備えた動圧軸受装置において、
    一方のスラスト軸受隙間を介して対向する面の材料の組合せが、他方のスラスト軸受隙間を介して対向する面の材料の組合せと異なることを特徴とする動圧軸受装置。
  2. 第1シール部の端面に形成されたスラスト軸受面の材料と、第2シール部の端面に形成されたスラスト軸受面の材料とを異ならせた請求項1記載の動圧軸受装置。
  3. 第1シール部及び第2シール部をそれぞれ組成の異なる樹脂材料で形成した請求項2記載の動圧軸受装置。
  4. 表面処理により、両シール部のスラスト軸受面の材料を異ならせた請求項2記載の動圧軸受装置。
  5. 第1シール部と第2シール部の色が異なる請求項1〜4の何れかに記載の動圧軸受装置。
  6. スリーブ部の一方の端面に形成された第1スラスト軸受面の材料と、他方の端面に形成された第2スラスト軸受面の材料とを異ならせた請求項1記載の動圧軸受装置。
  7. スリーブ部の第1スラスト軸受面を多孔質材料で形成すると共に、第2スラスト軸受面を非多孔質材料で形成した請求項6記載の動圧軸受装置。
  8. 表面処理により、スリーブ部の両スラスト軸受面の材料を異ならせた請求項6記載の動圧軸受装置。
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